(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】日付機構、及び日付又は月を修正するための機構を備える時計
(51)【国際特許分類】
G04B 19/253 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
G04B19/253 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518435
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2022076968
(87)【国際公開番号】W WO2023072518
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521486103
【氏名又は名称】マニュファクテュール ドゥ オルロジュリー オーデマ ピゲ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レモニエ、マルク
(72)【発明者】
【氏名】パリス、アーサー
(57)【要約】
本発明は、月管理カム2と、前記月管理カムと協働するように配置された大レバー4と、日付指示機構と、月指示機構と、少なくとも1つの日付修正部材又は月修正部材をそれぞれ備え、前記日付指示機構又は前記月指示機構とそれぞれ協働するように配置された、日付又は月の独立した修正のための少なくとも1つの機構とを備える、少なくとも1年間の日付機構1を備える時計に関する。日付修正機構又は月修正機構はそれぞれ、日付修正心棒又は月修正心棒がそれぞれ自由に回転可能であるようにそれぞれ装着された日付修正カム50又は月修正カム22を備え、日付修正心棒又は月修正心棒は、日付修正カム50又は月修正カム22をそれぞれ回転させるために回転させることができ、前記日付修正カム50又は前記月修正カム22はそれぞれ、その回転中に、日付又は月がそれぞれ修正される前に、大レバー4を少なくとも月管理カム2から隔離するために駆動するように配置され、また、その後に日付又は月をそれぞれ修正するために、日付修正部材又は月修正部材の作動をそれぞれ駆動するように配置されており、日付修正カム又は月修正カムの回転はそれぞれ、もっぱら日付修正心棒又は月修正心棒の回転によってそれぞれ制御されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
月管理カム(2)と、前記月管理カムと協働するように配置された大レバー(4)と、日付指示機構と、月指示機構と、少なくとも1つの日付修正部材又は月修正部材をそれぞれ備え、前記日付指示機構又は前記月指示機構とそれぞれ協働するように配置された、日付又は月の独立した修正のための少なくとも1つの機構とを備える、少なくとも1年間の日付機構(1)を備える時計であって、前記日付修正機構又は前記月修正機構はそれぞれ、日付修正心棒又は月修正心棒がそれぞれ自由に回転可能であるようにそれぞれ装着された日付修正カム(50)又は月修正カム(22)を備え、前記日付修正心棒又は前記月修正心棒は、前記日付修正カム(50)又は前記月修正カム(22)をそれぞれ回転させるために回転させることができ、前記日付修正カム(50)又は前記月修正カム(22)はそれぞれ、その回転中に、日付又は月がそれぞれ修正される前に、前記大レバー(4)を少なくとも前記月管理カム(2)から隔離するために駆動するように配置され、また、その後に続いて日付又は月をそれぞれ修正するために、前記日付修正機構又は前記月修正機構の作動をそれぞれ駆動するように配置されており、前記日付修正カム又は前記月修正カムの回転はそれぞれ、もっぱら前記日付修正心棒又は前記月修正心棒の回転によってそれぞれ制御されていることを特徴とする、時計。
【請求項2】
前記月修正部材は、前記月指示機構に運動学的に連結され、前記月修正カム(22)の経路上に配置された月修正ピニオン(36)であることを特徴とする、請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記月修正カム(22)は、少なくとも2つのアーム(22a、22b)を備え、前記アームのうちの一方(22a)は、前記大レバー(4)を前記月管理カム(2)から取り外すように配置され、他方のアーム(22b)は、その後に前記月修正ピニオン(36)を作動させるように配置されており、前記大レバー(4)は、前記月修正心棒の回転によって制御される前記月修正カム(22)の回転中に隔離されていることを特徴とする、請求項2に記載の時計。
【請求項4】
前記大レバー(4)は、前記月修正カム(22)の前記アーム(22a、22b)の一方と協働することが可能であるように配置されたフィーラースピンドル(20)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の時計。
【請求項5】
前記月修正カム(22)の各アーム(22a、22b)は、前記大レバー(4)が前記月管理カム(2)から離れるまで、前記大レバー(4)の前記フィーラースピンドル(20)が前記アーム(22a、22b)上に徐々に上昇するために成形された輪郭(40)を備え、前記輪郭(40)が前記月修正ピニオン(36)と協働することが可能であるように配置されたビーク(42)を形成することによって終端することを特徴とする、請求項4に記載の時計。
【請求項6】
前記月修正カム(22)は、前記月管理カム(2)と同軸であることを特徴とする、請求項3から5までのいずれか一項に記載の時計。
【請求項7】
前記日付機構(1)は、少なくとも31日星車(6)と、一方で各月の終わりに前記31日星車(6)と協働し、他方で前記月管理カム(2)と協働することが意図された
月駆動ピニオン(9)とを備えること、及び前記月修正ピニオン(36)は、前記月駆動ピニオン(9)を介して前記月管理カム(2)に運動学的に連結されるように配置されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の時計。
【請求項8】
前記月修正ピニオン(36)は、前記月駆動ピニオン(9)に固定式に接続されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の時計。
【請求項9】
前記月指示機構は、月指示部材(16)を担持し、前記月管理カム(2)と係合する月指示ピニオン(14)を備えることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の時計。
【請求項10】
前記日付修正部材は、前記大レバー(4)上で回転式に可動であるように装着され、戻りばねが設けられており、それが前記月管理カム(2)から隔離された後、前記日付修正カム(50)が前記大レバー(4)を駆動する際、日付指示機構と協働することが可能であるように配置された日付修正ビーク(54)であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の時計。
【請求項11】
前記日付修正カム(50)は、前記大レバー(4)が、それ自体を少なくとも前記月管理カム(2)から取り外すように、またその後に、前記日付修正ビーク(54)が、前記31日星車(6)を作動させるように前記大レバー(4)を駆動するように配置された少なくとも1つのスタッド(56)を担持し、前記大レバー(4)は、前記日付修正心棒の回転によって制御される前記日付修正カム(50)の回転中に隔離されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の時計。
【請求項12】
前記日付修正心棒及び/又は前記月修正心棒は、前記時計の巻き取り心棒(24)によって構成され、前記巻き取り心棒(24)は、一方向のその回転が前記月を修正し、他方向のその回転が前記日付を修正するように配置されることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の時計。
【請求項13】
前記月修正機構は、前記巻き取り心棒(24)を前記月修正カム(22)に運動学的に連結する第1の歯車列を備え、前記第1の歯車列は、前記巻き取り心棒(24)によって担持される摺動ピニオン(28)と協働する第1の歯車(32)と、前記月修正カム(22)に固定式に接続された最終歯車(35)とを備えることを特徴とする、請求項12に記載の時計。
【請求項14】
前記日付修正機構は、前記巻き取り心棒(24)によって担持される前記摺動ピニオン(28)を前記日付修正カム(50)に運動学的に連結する第2の歯車列を備えることを特徴とする、請求項12及び13のいずれか一項に記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、月管理カムと、前記月管理カムと協働するように配置された大レバーと、日付指示機構と、月指示機構と、少なくとも1つの日付修正部材又は月修正部材をそれぞれ備え、前記日付指示機構又は前記月指示機構とそれぞれ協働するように配置された、日付又は月を独自に修正するための少なくとも1つの機構とを備える、少なくとも1年間の日付機構を備える時計に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1年間の日付機構を備える機械時計は、(2月を除いて)少なくとも30日を有する月と31日を有する月との差を考慮することを可能にすることによって、日付を示す、つまり1カ月の中で日付の連続する記数法を示す複雑な組み合わせである。結果として、単に2月の月の終わりに毎年修正を実施することが必要である。
【0003】
その目的のために、少なくとも年間月管理カムが設けられ、その輪郭は、31日を有する月を他の月と少なくとも区別するために成形される。
【0004】
半永久カレンダも存在しており、これは、31日を有する月と、30日を有する月と、28日を有する月を区別するようにプログラムされた月管理カムを利用して異なる長さの月を全て考慮に入れる。閏年はしたがって管理されていない。それは366日の閏年が生じた場合のみであり、換言すると2月29日がある場合に、これらのカレンダは、手動で再調整する必要がある。
【0005】
最後に、永久カレンダが存在し、これは、31日を有する月と、30日を有する月と、28日を有する月と、閏年の29日を有する月を区別するようにプログラムされた月管理カムのおかげで異なる長さの月と、閏年も同様に全て考慮している。
【0006】
本記載において、少なくとも1年間の日付機構は、広い意味で理解されるべきであり、アニュアルカレンダ、半永久カレンダ、及び永久カレンダを含む。
【0007】
従来、月管理カムは、例えば、中実な部品と、月の長さの関数としてある程度の深さであるノッチとを備える。大レバーは、月管理カムと接触したフィーラースピンドルを特徴とし、これは、大レバーが、現在の月の関数である日数の31日星車を駆動するために有する必要がある動きを規定することを可能にする。
【0008】
このようなカレンダ機構が、半自動式又は全自動式で機能するように設計された場合でも、例えば、腕時計が止まった場合に、手動で月と日付を修正するために、月修正器及び日付修正器が設けられる。
【0009】
これらの修正器は、腕時計の中央の側面に設けられた従来式の修正器であり、これは、例えば、修正針を利用して修正を行うために、修正器に加えられた圧力の作用の下で動く。これらの修正器は一般に、機構をばらばらにすることなく、大レバーを月管理カムから隔てるために、その後に修正を行うことを可能にするために、大レバーを持ち上げるように配置されている。
【0010】
中央に加えられるこれらの修正器は、耐水性の問題を引き起こす付加的な原因である。さらにそれらは一般に、圧力の印加による作動を可能にするために、修正針などの器具を必要とする。さらに、修正の後に修正器を中立位置に戻すために、戻りばねを設ける必要がある。これらの戻りばねは、既に多数の要素を備えている少なくともアニュアルカレンダの複雑な機構の中で特定の空間を占める。
【0011】
これらの欠点を克服するために、巻き取り心棒によって日付を修正する機構が、簡素な日付機構のために提案されてきた。例えば、欧州特許第2 751 623号は、巻き取り心棒が修正位置に並進して軸方向に移動し、この軸方向の移動が、カレンダレバーを日付星車から隔てるために、隔離レバーを制御することを可能にする日付機構を記載している。これは後に、追加の歯車列を利用して巻き取り心棒を回転させることによって、日付星車を修正することを可能にする。
【0012】
しかしながら、欧州特許第2 751 623号に記載される機構は、巻き取り心棒の牽引力によって日付星車を隔離した後の巻き取り心棒の回転によって日付星車の、そのような修正を行うために、追加の歯車列を使用する。隔離は、非常に多くのロッド及び他のレバーによって制御されたレバーを利用してもたらされ、このことは、機構を極めて複雑にし、結果として、異なるロッドとレバーとの間で管理されるべき非常に多くの分量の遊びが生じることになる。レバーは、数度だけ枢動し、最初の位置に戻るために、戻りばねが設けられる必要がある。この機構はそれ故、既に多くの数の要素を限られた空間に備えている少なくともアニュアルカレンダの複雑な機構に加えることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許第2751623号
【特許文献2】中国特許第00357/21号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、簡素で、迅速及び安全なやり方で、並びに器具なしで、日付及び/又は月を修正することを可能にする、少なくともアニュアルカレンダのための新たな修正機構を提案する必要がある。
【0015】
本発明の別の目的は、いくつかの削減された要素を備え、巻き取り心棒など、単独の修正心棒を利用して、独立したやり方で日付及び月に対して異なる修正を行うことを可能にする、少なくともアニュアルカレンダのための修正機構を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的のために、本発明は、月管理カムと、前記月管理カムと協働するように配置された大レバーと、日付指示機構と、月指示機構と、少なくとも1つの日付修正部材又は月修正部材をそれぞれ備え、前記日付指示機構又は前記月指示機構とそれぞれ協働するように配置された、日付又は月の独立した修正のための少なくとも1つの機構とを備える、少なくとも1年間の日付機構を備える時計に関する。
【0017】
本発明によると、日付修正機構又は月修正機構はそれぞれ、それぞれ自由に回転可能であるように装着された日付修正カム又は月修正カムと、日付修正カム又は月修正カムをそれぞれ回転させるために回転することができる日付修正心棒又は月修正心棒とを備え、前記日付修正カム又は月修正カムはそれぞれ、その回転中に、日付又は月がそれぞれ修正される前に前記大レバーを少なくとも月管理カムから隔離するために大レバーを駆動するように配置され、また、その後に続いて日付又は月をそれぞれ修正するために、日付修正機構又は月修正機構の作動をそれぞれ駆動するように配置されており、大レバーはこのとき隔離され、日付修正カム又は月修正カムの回転はそれぞれ、もっぱら日付修正心棒又は月修正心棒のそれぞれの回転によって制御されている。
【0018】
よって、本発明の修正機構は、有利には、修正心棒を利用して、但し、大レバーを隔離するために修正心棒を軸方向に予め移動させる必要なしに、少なくともアニュアルカレンダにおいて日付及び月の独立した修正を実施することを可能にする。本発明の修正機構はよって、修正心棒の軸方向の移動が別の機能のために確保される場合にとりわけ有益である。本発明の修正機構は、大レバーを隔離し、流動式に日付又は月に対する修正を行うことを可能にし、隔離及び修正は、同一の運動連鎖に属している要素を利用して、連動した継続するやり方でもたらされ、これらの要素は、全て又は一部が回転式に可動であり、もっぱら修正心棒の継続する回転によって駆動される。
【0019】
月の修正に関する第1の実施例によると、月修正部材は、月指示機構に運動学的に連結され、月修正カムの経路上に配置された月修正ピニオンによって構成される。
【0020】
よって、月の修正は、月修正心棒の回転によって回転する月修正カムによって直接実現される。
【0021】
日付の修正に関する別の実施例によると、日付修正部材は、大レバー上で回転式に可動であるように装着され、戻りばねが備わっており、大レバーが月管理カムから隔離された後、日付修正カムが大レバーを駆動する場合に、日付指示機構と協働することが可能になるように配置された日付修正ビークによって構成される。
【0022】
よって、日付の修正は、日付修正心棒の回転によって回転する日付修正カムの回転中に間接的に実現される。
【0023】
日付修正心棒及び/又は月修正心棒は好ましくは、時計の巻き取り心棒によって構成され、前記巻き取り心棒は、一方向のその回転が日付を修正し、他方向のその回転が月を修正するように配置されている。
【0024】
よって、本発明による修正機構は、中央の側面にある日付及び月の修正器をなくし、単一の巻き取り心棒によってそれらを置き換え、これにより耐水性に関連付けられた問題を軽減することを可能にする。これはまた有利には、例えば、腕時計ケースの円周上に通常存在する修正ボタンを全てなくすことによって、腕時計の審美的局面を改善することも可能にし、巻き取り心棒単独で日付及び月を修正することを可能にする。
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、非制限的な実例として、及び添付の図面を参照して提供された、本発明の一実施例の以下の詳細な記載を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明による永久カレンダの日付修正機構及び月修正機構の上からの等角図である。
【
図3】月修正の経過中の異なる位置での
図1からの月修正機構の上面図である。
【
図4】月修正の経過中の異なる位置での
図1からの月修正機構の底面図である。
【
図5】月修正の経過中の異なる位置での
図1からの月修正機構の上面図である。
【
図6】月修正の経過中の異なる位置での
図1からの月修正機構の底面図である。
【
図7】月修正の経過中の異なる位置での
図1からの月修正機構の底面図である。
【
図8】月修正の経過中の異なる位置での
図1からの月修正機構の上面図である。
【
図9】月修正の経過中の異なる位置での
図1からの月修正機構の上面図である。
【
図10】日付修正の経過中の異なる位置での
図1からの日付修正機構の上面図である。
【
図11】日付修正の経過中の異なる位置での
図1からの日付修正機構の上面図である。
【
図12】日付修正の経過中の異なる位置での
図1からの日付修正機構の上面図である。
【
図13】日付修正の経過中の異なる位置での
図1からの日付修正機構の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、少なくとも1年の月管理カムを備える少なくとも1年間の日付機構を備える、換言すると、1年間、半永久又は永久の日付機構を備える機械時計に関する。
【0028】
記載の残りの部分では、例示される実例は、月管理カムとして、描かれる実例では、ある程度の深さのノッチを備え、それらの各々が、4年連続の1カ月に対応する48カ月カムを有する永久カレンダのものである。最も深いノッチは、28日を有する2月の1カ月に対応する。48カ月カムは、12カ月カム又は36カ月カムによって置き換えることができることは明白であり、その輪郭は、カレンダのタイプに従って、又は閏年を管理するやり方で成形される。永久カレンダの場合、例えば、閏年カム又はマルタクロスに関連付けられた12カ月カムを有することが可能である。これらの機構は、当業者に知られている。
【0029】
記載の残りの部分では、本発明を理解するのに必要なカレンダ要素のみが描かれている。少なくともアニュアルカレンダのこれらの要素並びに他の要素は、その全体的な機能の点において、当業者によく知られており、そのため、これらの要素の詳細な記載は、これらの要素が当業者に知られたカレンダ機構と異ならない場合には必須ではない。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、描かれる永久日付機構1は少なくとも、月を管理する48カ月カム2に加えて、フレーム上のAにおいて枢動するように装着された大レバー4と、月駆動フィンガ7を担持し、そのジャンパ8が設けられた31日星車6と、ここでは、各月の終わりに月駆動フィンガ7によって駆動される中間歯車10を介して、前記31日星車6と協働することが意図された月駆動ピニオン9とを備える。月駆動ピニオン9はまた、ここでは直接係合する月管理カム2と協働するように配置される。31日星車6と、月駆動ピニオン9及び月管理カム2との間の直接又は間接的な運動学的連結を可能にするために、異なる中間歯車を設けることも可能であり、そうでないことも可能であることは明白である。
【0031】
31日星車6に運動学的に連結された日付指示部材12(針など)を備える日付指示機構と、48カ月カム2に運動学的に連結された月指示機構も設けられる。
【0032】
描かれる実例では、月指示機構は、針などの月指示部材16を担持し、ここでは直接係合によって月管理カム2に運動学的に連結された月指示ピニオン14を備える。月指示部材16には、ジャンパ17が設けられている。月指示ピニオンは、48カ月間にわたって指示歯車によって置き換えることが可能であることは明白であり、この指示歯車は、48カ月カム2に固定式に接続される。しかしながら、月指示ピニオンは、とりわけ、48カ月の代わりに、12カ月にわたって月を表示することが可能であるという利点を有する。
【0033】
大レバー4は、この目的のために設けられたムーブメントの要素によって作動されて、前記大レバー4が1日に一回持ち上げられるとき、31日星車6を1ステップだけ駆動するように設けられた第1のビーク18を備える。
【0034】
大レバー4はまた、大レバー4が、31日星車6を作動させるために毎日持ち上げられない場合、前記月管理カム2のノッチの一方又は他方にそれ自体を位置決めすることによって、月管理カム2と協働するように配置されたフィーラースピンドル20を備える。
【0035】
日付機構のこれらの異なる要素は、当業者に知られているため、その構造及びその機能についてさらなる詳細を提供する必要はない。
【0036】
例えば、腕時計が止まった場合などに、日付又は月を単独で修正することを可能にするために、31日星車6を介して日付指示機構と協働するように配置された少なくとも1つの日付修正部材を備える日付修正機構と、48カ月カム2を介して月指示機構と協働するように配置された少なくとも1つの月修正部材を備える月修正機構が設けられる。
【0037】
まず最初に、月修正機構が
図1~
図9に関連して記載される。
【0038】
本発明によると、月修正機構は、自由に回転可能であるように、換言すると、360°以上が可能な角度だけ自由に回動することができるように装着された月修正カム22を備える。レバーとは異なり、それ故に、戻りばねを必要としない。
【0039】
月修正カム22は好ましくは、48カ月カム2の軸上で自由に回転可能であるように装着され、そのため前記月修正カム22は、月管理カム2と同軸である。有利には、月修正カム22は、
図2に示されるように48カ月カム2の下に装着される(月修正カム22は、
図1では中を通って示される)。
【0040】
月修正機構はまた、月修正カム22を回転させるために回転移動が可能であるように配置された月修正心棒を備える。ここに描かれるとりわけ好ましい実施例では、月修正心棒は、巻き取り心棒24である。それは、以下に記載されるように、一方向のその回転が月を修正するように、及び他方向のその回転が日付を修正するように配置される。
【0041】
巻き取り心棒は、出願人によって開発され、中国特許出願第00357/21号の主題である制御心棒である。この制御心棒は、一方向の制御心棒の軸方向の並進の動きによって2つの機能を選択すること、ここでは月の修正機能と、日付の修正機能を選択することを可能にし、その後に機能は、一方の機能の対して一方向に、及び他方の機能に対して他方向に制御心棒の回転によってそれぞれ作動され、また、他方向の制御心棒の軸方向の並進の動きによって2つの他の機能を選択するために、その後にこれらの機能は、一方の機能に対して一方向に、他方の機能に対して他方向に制御心棒の回転によって作動される。
【0042】
巻き取り心棒24は、巻き取りピニオン26と、
図4に描かれるように、巻き取り心棒24が月修正機能又は日付修正機能を選択するために軸方向に移動された後、中間歯車30と係合するように配置された摺動ピニオン28とを備える。
【0043】
月修正機構はまた、巻き取り心棒24を月修正カム22に運動学的に連結し、有利には、月修正カム22の下に位置決めされる第1の歯車列を備える。
【0044】
前記第1の歯車列は、巻き取り心棒24によって担持される摺動ピニオン28と協働することを可能にするために、中間歯車30と係合する第1の歯車32と、第1の歯車に固く接続された中間歯車33と、巻き取り心棒が、月修正機能又は日付修正機能を選択した後、月の修正の作動方向に回動されたたとき、中間歯車33と係合し、これと接触するように配置された別の中間歯車34と、月修正カム22に対して少なくとも回転するように固定式に接続され、月修正機能が選択されたとき、中間歯車34と係合するように配置された最終歯車35とを備える。最終歯車35は好ましくは、それが固定式に接続された月修正カム22と同軸であり、48カ月カム2と同軸である。
【0045】
歯車32、33及び34は、中国特許出願第CH00357/21号に記載された作動レバー(非図示)によって担持された歯車であり、前記歯車32、33、34は、前記巻き取り心棒24の軸方向の動きによって月修正機能又は日付修正機能を選択した後、もっぱら月修正心棒の回転によって、換言すると、巻き取り心棒24の回転によって前記月修正カム22を(歯車35を介して)回転させるために、月修正カム22に巻き取り心棒24を運動学的に連結させるためにそれ自体を位置決めしている。
【0046】
月修正機構はまた、好ましくは、そのジャンパ38が設けられた月修正ピニオン36によって構成される月修正部材を備え、前記月修正ピニオンは、月指示機構に運動学的に連結されている。
【0047】
より詳細には、月修正ピニオン36は、例えば、月駆動ピニオン9を介して、月管理カム2に運動学的に連結されるように配置される。月修正ピニオン36は好ましくは、固く接続されるやり方で月駆動ピニオン9の下に同軸上に装着される。それらはまた、月修正カム22の経路上であるためにに配置される。
【0048】
本発明によると、月修正カム22は、月修正心棒の回転、換言するとここでは巻き取り心棒24の回転によってもっぱら制御されるその回転中に、まず最初に月が修正される前に少なくとも月管理カム2から大レバー4を隔離するために前記大レバー4を離れるために、大レバー4を駆動し、その後にそれが回転を継続するときに月を修正するために、前記月修正ピニオン36を直接駆動することによって、月修正ピニオン36の作動を駆動するように配置される。
【0049】
この目的を達成するために、月修正カム22は、全体的に半径方向に延びる少なくとも2つのアーム22a、22bを備え、大レバ-4及び月修正ピニオン36は、前記アーム22a、22bの経路上に設置されるように配置され、一方のアーム22aは、大レバー4を月管理カム2から取り外すように配置され、他方のアーム22bは、月修正ピニオン36をその後作動させ、それ故、月駆動ピニオン9を介して48カ月カム2を作動させるように配置され、大レバー4は次いで、月修正心棒の回転、換言するとここでは巻き取り心棒24の回転によって制御される月修正カム22の持続回転中に隔離される。
【0050】
大レバー4は有利には、月修正カム22のアーム22a、22bの経路上に設置され、前記アーム22a、22bの一方と協働することが可能であるように配置されたフィーラースピンドルを備える。前記フィーラースピンドルは好ましくは、ここではフィーラースピンドル20であり、これは、48カ月カム2とも協働する。しかしながら、大レバー4上で、別の場所に位置決めされ、もっぱら月修正カム22と協働するために設けられた別のフィーラースピンドルを設けることも当然のことながら可能である。
【0051】
月修正カム22の各アーム22a、22bは好ましくは、月修正カム22の回転中に大レバー4のフィーラースピンドルと接触するようになる側において、中心から始まり外側に向かって緩く丸みを帯びた形態であり、前記フィーラースピンドル20を前記アーム22a、22bの上で徐々に上昇させるために成形され、前記大レバー4及びより詳細にはここではフィーラースピンドル20が月管理カム2から離れるまで、大レバーをAにおいて傾斜させる輪郭40を備える。
【0052】
大レバー4を48カ月カム2から完全に隔離することを可能にするために、アーム22a、22bの最大半径は、48カ月カム2の半径より大きい。
【0053】
フィーラースピンドル20は有利には、少なくともその下方面の端部20aにおいて、月修正カム22のアーム22a、22bのうちの1つの輪郭40と協働することが可能であるために、月修正カム22の平面から抜け出るために構成された厚みを有する。
【0054】
さらに、アーム22a、22bの輪郭40は有利には、中心の方向に放射状に延在するアーム22a、22bの他の輪郭44と共にビーク42を形成することによって、アーム22a、22bの最大半径のレベルにおいて終端する。ビーク42は、アーム22a、22bの経路が、月修正ピニオン36の歯部と交差する際、月修正ピニオン36と協働することが可能であるように配置される。
【0055】
アーム22a、22bは好ましくは、大レバー4を隔離することと、月修正ピニオン36を駆動することの両方を可能にするために、同一である。
【0056】
アーム22a、22bは有利には、月修正カム22の中心の周りに規則的に分散される。アーム22a、22bの数及び月修正カム22の周りのフィーラースピンドル20及び月修正ピニオン36の配置は好ましくは、巻き取り心棒24の可能な限り最小の回転数で修正を行うように選択される。
【0057】
よって、月修正カム22はらせん形の形態であり、例えば、90°に分散され、ブレードを形成する、4つのアーム(アーム22a、22b、22cを含む)を備えることができる。
【0058】
月修正機構は以下のように機能する。
【0059】
図1及び
図2を参照すると、修正機構が中立位置にあるとき、巻き取り心棒24は、例えば巻き取りの中立位置にあり、そのため、摺動ピニオン28は、中間歯車30と係合していない。永久日付機構は、標準的なやり方で機能し、時計の動きによって制御される。月修正機構は機能していない。
【0060】
例えば、閏年以外の2月28日に日付機構が停止した場合、大レバー4のフィーラースピンドル20は、48カ月カム2の最も深いノッチの中に位置決めされ、この位置は、大レバー4が、フィーラースピンドル20を48カ月カム2のノッチから完全に取り外すために、月の修正中に行うための最も角度のある動きを有するものである。フィーラースピンドル20は、その端部20aが月修正カム22のアーム22aのうちの1つの丸みを帯びた輪郭40の基部に近接して位置するように、48カ月カム2のノッチ内に位置決めされる。アーム22aに先行するアーム22b(上から見た)は、月修正ピニオン36から離れる。
【0061】
月の修正を行うために、及び
図3及び
図4を参照して、巻き取り心棒24は、摺動ピニオン28が中間歯車30と係合するように、及び月修正カム22に固く接続された歯車35に巻き取り心棒24を運動学的に連結するために(
図4に示されるように)、歯車32、33及び34の動きによって第1の歯車列が形成されるように、軸方向に移動される。
【0062】
巻き取り心棒24は、次いで、月修正カム22が反時計回りの方向に回転されるように一方向に回動され、月修正カム22は、
図3では上から見られている。この回転中において、アーム22aの丸みを帯びた輪郭40の基部は、前記フィーラースピンドル20が、そのノッチから抜け出るためにアーム22aの輪郭40上に上昇し始めるように月修正カム22の平面を越えるフィーラースピンドル20の端部20aと接触した状態に入り、フィーラースピンドル20上のアーム22aの推力が、Aにおいて大レバー4を枢動する。並行して、月修正カム22のアーム22bが、月修正ピニオン36に接近し始める。
【0063】
続いて、
図5及び
図6を参照すると、巻き取り心棒24の回転が継続され、フィーラースピンドル20の端部20aが丸みを帯びた輪郭40をたどり、大レバー4が、上方からみて、時計回りの方向でその軸Aの周りを枢動するように月修正カム22を継続して回転させる。よってフィーラースピンドル20の端部20aは、それが、アーム22aのビーク42に近い、アーム22aの丸みを帯びたた輪郭40の頂部に到達するまでアーム22aの上に徐々に上昇することで、フィーラースピンドル20は、48カ月カム2のノッチを完全に抜け出る。大レバー4それ故、48カ月カム2から離れ、そこから隔離される。並行して、アーム22bのビーク42は、月修正ピニオン36に接近するために回動される。
【0064】
図7を参照すると、巻き取り心棒24の回転は継続され、月修正カム22を継続して回転させることで、アーム22bのビーク42は、アーム22bの経路上に位置する月修正ピニオン36の歯と接触する。月修正カム22の継続する回転は次いで、月修正ピニオン36を1ステップだけ回転させ、このことは、月駆動ピニオン9を1ステップだけ回転させ、それ故、月指示ピニオン14を1ステップだけ回転させるために48カ月カム2を回転させ、月の針16を1ステップだけ修正する。並行して、フィーラースピンドル20は、アーム22aのビーク42の頂部に到達し、そのため、大レバー4は、月が月修正ピニオン36によってそのように修正されるときに、依然として48カ月カム2から極めて隔離されていた。
【0065】
図8を参照すると、1ステップの修正が行われた後、巻き取り心棒24の回転は継続され、月修正カム22を継続して回転させることで、アーム22aのビーク42は、フィーラースピンドル20を越える。大レバー4は次いで、48カ月カム2上にあるその戻りばねによって戻るように動かされ、そのフィーラースピンドル20は、アーム22aの直線の輪郭44を越えて、3月の月に対応する48カ月カム2の次に続くノッチの中に入る。並行して、アーム22bは、月修正ピニオン36から離れる。
【0066】
別の月の修正が必要な場合、大レバーのフィーラースピンドル20に接近するためにアーム22bが向きを変え、アーム22bに先行するアーム22c(上方から見た)が、
図9に示されるように月修正ピニオン36に接近するために向きを変えるように、巻き取り心棒24の回転は、月修正カム22を継続して回転させるために継続される。機構はその後、上記に記載されるように新たな修正を行う準備が整う。
【0067】
【0068】
本発明によると、日付修正機構は、フレーム上で自由に回転可能であるように、換言すると、360°以上であることが可能な角度によって自由に回転可能であるように装着された日付修正カム50を備える。レバーとは異なり、それはそれ故に戻りばねを必要としない。
【0069】
日付修正機構はまた、日付修正カム50を回転させるために回転式に可動であるように配置された日付修正心棒を備える。ここに描かれるとりわけ好ましい実施例では、日付修正心棒は、月修正心棒と同じ心棒であり、換言すると巻き取り心棒24である。上記で既に見られるように、巻き取り心棒24は、摺動ピニオン28及び中間歯車30を介して、一方向のその回転が月を修正し、他方向のその回転が日付を修正するように配置される。
【0070】
この目的のために、日付修正機構は、巻き取り心棒24によって担持される摺動ピニオン28を日付修正カム50に運動学的に連結する第2の歯車列を備える。より詳細には、第2の歯車列は、摺動ピニオン28、及び日付修正カム50に少なくとも回転式に固く接続され、日付修正機能が選択されたとき第1の歯車32と係合するように配置された最終歯車52と協働することを可能にするために、中間歯車30と係合する第1の歯車32を備える。最終歯車52は好ましくは、日付修正カム50に同軸に固く接続されて装着される。
【0071】
上記に既に記載したように、歯車32は、中国特許出願第00357/21号に記載される作動レバー(非図示)によって担持され、前記歯車32は、前記巻き取り心棒24の軸方向の動きによって月修正機能又は日付修正機能を選択した後、もっぱら日付修正心棒の回転によって、換言すると、もっぱら巻き取り心棒24の回転によって(歯車52を介して)前記日付修正カム50を回転させるために、日付修正カム50に巻き取り心棒24を運動学的に連結するために、それ自体を位置決めする。
【0072】
日付修正機構はまた、好ましくは大レバー4上で回転式に可動であるように装着され、戻りばねが設けられている日付修正ビーク54によって構成された日付修正部材を備える。日付修正ビーク54は、それが48カ月カム2から隔離された後、日付修正カム50が大レバー4を駆動する際、31日星車6を介して、日付指示機構と協働することが可能であるために前記31日星車6に接近するように31日星車6に対して大レバー4上に配置される。
【0073】
本発明によると、日付修正カム50は、もっぱら日付修正心棒の回転によって、換言するとここでは巻き取り心棒24の回転によって制御されるその回転中に、修正が月の変更を伴う場合に日付が修正される前に、大レバー4を少なくとも月管理カム2から隔離し、及びそれを31日星車6からも隔離するために前記大レバー4を離れるために最初に駆動するように配置され、また、それが継続して回転しているとき日付を修正するために、間接的に大レバー4の駆動を介して日付修正ビーク54の作動をその後に駆動するためにに配置されている。
【0074】
この目的のために、日付修正カム50は、好ましくはランナーが設けられる少なくとも1つの駆動スタッド56を担持する。駆動スタッド56は、大レバー4を月管理カム2から離れることを可能にする方向で、ここでは上方から見たとき時計回りの方向でAにおいて大レバー4を枢動させるように配置され、日付修正カム50は、反時計回りの方向に回ることで、前記大レバー4は、月管理カム2及び31日星車6からそれ自体を全体的に取り外し、それに続いて、枢動を継続する大レバー4によって担持される日付修正ビーク54は、31日星車6を作動させ、大レバー4は次いで、日付修正心棒の回転、換言するとここでは巻き取り心棒24の回転によって制御される日付修正カム50の継続する回転中に隔離される。
【0075】
大レバー4は、有利には、駆動スタッド56の高さに、駆動スタッド56が輪郭58と接触したままであるように日付修正カム50によって回転するように作成された駆動スタッド56の経路内になるように成形された輪郭58を有するアーム57を備え、前記大レバー4、より詳細にはここではフィーラースピンドル20を月管理カム2から十分に離れるように移動させるため、及びビーク18を31日星車6から十分に離れるため、及びまた大レバー4をAにおいて継続して枢動させるために、大レバー4をAにおいて傾斜させるように、前記輪郭58に沿って移動させることによって日付修正カム50及び大レバー4が、そのそれぞれの方向に枢動し、前記輪郭58の上にある間、大レバー4はこのとき、月修正ビーク54が31日星車6を作動させるまで隔離されている。
【0076】
日付修正カム50及び大レバー4はそれ故、スタッド56が、月管理カム2から、及び31日星車6から隔離されるため、及びその後にその日付修正ビーク54によって31日星車6を作動させるために、十分な角度だけAにおいて枢動するように大レバー4を取り込むように配置される。
【0077】
月を修正するために月修正カム22によって駆動される大レバー4のAにおける枢動角度(ここでは、上方から見た、時計回りの方向)は、日付の修正が月の変更を伴う場合、月の修正中に日付を修正しないように、日付を修正するために日付修正カム50によって駆動される大レバー4のAにおける枢動角度より小さいことに留意されたい。
【0078】
輪郭58は、例えば、地点60を形成するために接合される2つの直線縁部を備える。輪郭58は、大レバー4を隔離するため、及び修正ビーク54によってそのように日付を修正するために、大レバー4を継続して駆動するために、大レバー4を十分に離れるのに十分な長さである。
【0079】
日付修正カム50は有利には、カムの各回転について2つの修正を行うために、180°に配置された2つのスタッド56を担持する。
【0080】
日付修正機構は以下のように機能する。
【0081】
図1及び
図2を参照すると、修正機構が中立位置にあるとき、巻き取り心棒24は、例えば巻き取りの中立位置にあることで、摺動ピニオン28は、中間歯車30と係合しない。永久日付機構は、標準的なやり方で機能し、時計の動きによって制御される。日付修正機構は機能していない。
【0082】
例えば、2月28日ではない、閏年以外の2月のある日に日付機構が停止した場合、大レバー4のフィーラースピンドル20は、48カ月カム2の最も深いノッチの中に位置決めされ、この位置は、大レバー4が、月の変更をもたらす日付の修正中に機構をばらばらにしないようにフィーラースピンドル20を48カ月カム2のノッチから完全に取り外すために、日付の修正中に行うための最も大きな角度の動きを有するものである。日付修正カム50は、駆動スタッド56が、大レバー4の輪郭58の開始点と接触するように位置決めされる。
【0083】
日付を修正するために、及び
図10を参照して、摺動ピニオン28が中間歯車30と係合するように、及び日付修正カム50に固定式に接続された歯車52に巻き取り心棒24を運動学的に連結するために歯車32の動きによって第2の歯車列が形成されるように、巻き取り心棒24は、軸方向に移動される。
【0084】
巻き取り心棒24は次いで、日付修正カム50が反時計回りの方向に回転されるように一方向に回動され、日付修正カム50は、
図10において上方から見られている。この回転中、駆動スタッド56は、大レバー4が、時計回りの方向にAにおいて枢動するように、大レバー4の輪郭58の上にある。この枢動中、大レバー4のフィーラースピンドル20は、月管理カム2のノッチから離れ、ノッチから完全に抜け出て、大レバー4のビーク18は、
図11に示されるように、31日星車6から完全にそれ自体を取り外すことで、大レバー4は隔離される。並行して、日付修正ビーク54が、31日星車6に接近する。
【0085】
続いて、
図12を参照すると、その日付修正ビーク54が31日星車6の歯と接触し、その後、31日星車6を1ステップだけ回転させ、このことが、日付指示部材12を回転させ、2月の月のうち1日だけそれを修正するまで、大レバー4が時計回りの方向にその軸Aの周りで枢動を継続するように、巻き取り心棒24の回転は継続され、日付修正カム50を継続して回転させる。並行して、日付修正カム50は、駆動スタッド56が大レバー4の輪郭58の先端60に位置し、前記大レバー4とはすぐにもはや接触しないように、反時計回りの方向に回転を継続する。
【0086】
図13を参照すると、1ステップの修正が行われた後、先導するスタッド56が、日付修正カム50によってこのときもはや駆動されていない大レバー4の角60を越えてように、巻き取り心棒24の回転が継続され、日付修正カム50を継続して回転させる。大レバー4は次いで、48カ月カム2の上にあるその戻りばねによって戻され、そのフィーラースピンドル20は、48カ月カム2の2月のノッチの中に戻るように入り、ビーク18が、31日星車6と接触するように戻る。並行して、修正ビーク54は、31日星車6から離れ、大レバーのアーム57の輪郭58の開始点は、他のスタッド56と接触するように戻る。機構はその後、新たな修正を行うための準備が整う。
【0087】
別の日付修正が必要な場合、上記に記載されるように、他のスタッド56が大レバー4を再び駆動するように、日付修正カム50を継続して回転させるために、巻き取り心棒24の回転が継続される。
【0088】
よって、本発明の機構は、もっぱら単一の巻き取り心棒の制限された数の回転による大レバーの完全な持ち上げによる月又は日付の単独での修正を可能にし、巻き取り心棒の軸方向運動が不可能である、又は大レバーの隔離のために利用できない日付機構に実装することができる。
【0089】
本発明の機構はそれ故、月修正器及び日付修正器をなくすことを可能にする。これは、耐水性に関連付けられた問題を軽減し、腕時計の美感を改善することを可能にし、腕時計の中央の側面に通常設けられる修正器がなくなる。このことはまた、リスクなしに日付又は月を修正することを可能にし、その理由は、修正の全てが巻き取り心棒に統合されるため、同時に2つの修正器を作動させることがもはや不可能であるためである。本発明の機構はそれ故、巻き取り心棒を単に回転させることによって、安全なやり方で、及び器具なしに、月又は日付を単純に修正することを可能にする。
【0090】
永久カレンダの場合、48カ月カムは、例えば、12カ月カム及び閏年カムと置き換えることができ、大レバーは、上記に記載されるのと同じ方法でこれら2つのカムから隔離されることは明白である。同様に、アニュアルカレンダ又は半永久カレンダの場合、48カ月カムは、12カ月カム又は36カ月カムと置き換えられ、大レバーは、上記に記載されるのと同じ方法でこれらの月管理カムから隔離されている。
【国際調査報告】