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▶ ベックマン コールター バイオテクノロジー (スージョウ) カンパニー, リミテッドの特許一覧

特表2024-537977サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1404 20240101AFI20241010BHJP
   G01N 15/1434 20240101ALI20241010BHJP
【FI】
G01N15/1404
G01N15/1434 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518642
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2022113006
(87)【国際公開番号】W WO2023065796
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111223982.7
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521273743
【氏名又は名称】ベックマン コールター バイオテクノロジー (スージョウ) カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リウ, リーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, フェイ
(72)【発明者】
【氏名】シ, リアン
(72)【発明者】
【氏名】タン, リンチュン
(57)【要約】
提供されるものは、制御デバイスによって実施される、サンプル処理器具内の流動セルを通して、第1の粒子を含む第1のサンプルを指向するステップと、第1のサンプルを処理するステップと、清浄化剤を用いてサンプル処理器具の流動セルを清浄化するステップと、清浄化後に流動セル内のキャリーオーバー量を測定するステップであって、キャリーオーバー量は、流動セルの測定領域内に残留する第1の粒子の量と関連付けられる測定値を備える、ステップと、所定の標的値に対して測定されたキャリーオーバー量を比較するステップであって、標的値は、清浄化要件を示す値に対応する、ステップと、比較に基づいて、清浄化要件が満たされているかどうかを決定するステップとを含む、サンプル処理器具を動作させ、清浄化するための方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するための方法であって、前記方法は、制御デバイスによって実施されるステップを含み、前記ステップは、
前記サンプル処理器具内の流動セルを通して第1のサンプルを指向するステップであって、前記第1のサンプルは、第1の粒子を含む、ステップと、
前記第1のサンプルを処理するステップと、
清浄化剤を用いて前記サンプル処理器具の流動セルを清浄化するステップと、
前記清浄化後に前記流動セル内のキャリーオーバー量を測定するステップであって、前記キャリーオーバー量は、前記流動セルの測定領域内に残留する前記第1の粒子の量と関連付けられる測定値を備える、ステップと、
所定の標的値に対して前記測定されたキャリーオーバー量を比較するステップであって、前記標的値は、清浄化要件を示す値に対応する、ステップと、
前記比較に基づいて、前記清浄化要件が満たされているかどうかを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記清浄化要件が満たされていないことが決定されるとき、前記清浄化するステップを繰り返すステップと、
前記清浄化要件が満たされていることが決定されるとき、または清浄化の回数が最大閾値に到達しているとき、清浄化プロセスを停止するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的値は、ユーザによって入力される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記清浄化するステップは、
前記流動セルを清浄化するように構成される複数の清浄化剤から清浄化剤を選択するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記清浄化剤のうちの少なくとも1つは、シース液体を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記測定するステップは、
前記流動セルを通して監視溶液を圧送するステップと、
前記流動セルに向かって光学ビームを指向するステップと、
前記流動セル内から散乱された光を測定するステップであって、前記測定された光は、前記流動セル内の前記キャリーオーバー量に対応する、ステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記監視溶液は、前記清浄化剤と異なる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリーオーバー量は、前記第1の粒子のカウント、前記第1の粒子のキャリーオーバーレート、または前記流動セル内の前記第1の粒子の濃度を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリーオーバー量は、前記監視期間の間に所定の間隔において測定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記制御デバイスによって、前記測定されたキャリーオーバー量に基づいて、前記監視溶液に対する前記キャリーオーバー量の関連性を表す値および/または清浄化後の前記キャリーオーバー量および清浄化前のサンプル中の前記第1の粒子の量の関連性を表す値を計算するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記清浄化後の前記キャリーオーバー量の前記第1のサンプル中で検出された前記第1の粒子の量に対する比または清浄化後に測定された前記第1の粒子の濃度の前記第1のサンプル中の前記第1の粒子の濃度に対する比を計算するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記清浄化要件が満たされているという決定に続いて、前記サンプル処理器具を通して第2のサンプルを指向するステップと、
前記第2のサンプルを処理するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のサンプルは、前記清浄化要件が満たされているという前記決定に応答して、前記制御デバイスによって自動的に前記サンプル処理器具を通して指向される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の粒子は、生物学的ナノ粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記サンプル処理器具は、流動サイトメータであり、前記第1のサンプルを処理するステップは、前記流動セルに向かって光学ビームを指向し、前記流動セル内から放出または散乱された光を測定することによって、前記第1のサンプル中の前記第1の粒子の1つまたはそれを上回る性質を決定するステップを含む、請求項1-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ユーザによって動作され、前記ユーザに情報を表示するためのユーザインターフェースを提供するステップをさらに含み、前記清浄化の前に、動作ウィンドウが、ユーザが動作させるために前記ユーザインターフェース上に表示され、前記動作ウィンドウは、実行されるべきプロセスを選択するためのオプション、前記選択されたオプションと関連付けられるパラメータおよび/または標的値を入力するためのダイアログボックス、および選択された適用可能サンプルに関する清浄化標準を設定するための前記ユーザによって選択可能な1つまたはそれを上回る適用可能サンプルの選択可能リストのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記清浄化または前記測定の間に、ステータスウィンドウが、前記ユーザインターフェース上に表示され、実行ステータスが、前記ステータスウィンドウ上に表示される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記測定の後に、結果閲覧ウィンドウが、前記ユーザインターフェース上に表示され、実行結果が、前記結果閲覧ウィンドウ上に表示される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記測定されたキャリーオーバー量は、前記ユーザインターフェース上にリアルタイムで表示される、請求項16-18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するための方法であって、前記方法は、前記サンプル処理器具と関連付けられるコンピューティングシステムによって、
ユーザインターフェース上に、少なくとも1つの次のアクティビティ要素を備えるメニューを表示するステップと、
前記ユーザインターフェース上に、前記少なくとも1つの次のアクティビティ要素のユーザ選択に応答して、パラメータ設定要素を表示するステップであって、前記パラメータ設定要素は、前記サンプル処理器具の流動セル内の標的キャリーオーバー量を設定するように構成される、ステップと、
前記パラメータ設定要素においてユーザ入力を受信するステップであって、前記ユーザ入力は、前記標的キャリーオーバー量を規定する、ステップと、
前記流動セル内の監視溶液中に存在する粒子の測定値に対応するキャリーオーバーデータを受信するステップと、
前記受信されたキャリーオーバーデータに従って、実際のキャリーオーバー量を導出するステップと、
前記ユーザインターフェース上に、前記測定されたキャリーオーバーデータ、前記実際のキャリーオーバー量、および/または前記標的キャリーオーバー量を表す1つまたはそれを上回る監視要素を表示するステップと
を含む、方法。
【請求項21】
前記実際のキャリーオーバー量を前記標的キャリーオーバー量と比較することによって、清浄化レベルを決定するステップと、
前記ユーザインターフェース上に、前記清浄化レベルを表示するステップと
をさらに含み、
前記清浄化レベルは、清浄化要件が満たされていることを示す第1のレベルと、前記清浄化要件が満たされていないことを示す第2のレベルとを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のレベルが決定されるとき、最大清浄化サイクルに到達するまで、清浄化サイクル、次いで、監視サイクルを繰り返すステップをさらに含み、
前記ユーザ入力を受信するステップは、前記パラメータ設定要素において前記清浄化サイクルおよび前記監視サイクルと関連付けられるパラメータを入力するステップを含み、前記パラメータは、前記最大清浄化サイクルを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ユーザインターフェース上に、前記清浄化サイクルおよび前記監視サイクルのステータスを表示するステップをさらに含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記清浄化サイクルおよび前記監視サイクルのステータスは、前記清浄化サイクルの実行プロセスと、実施されている前記清浄化サイクルの回数と、前記監視サイクルの実行プロセスとを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記監視要素は、前記測定されたキャリーオーバーデータを示すグラフを備え、前記グラフは、ヒストグラム、散布ドットプロット、密度プロット、擬似カラープロット、または等高線プロットを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記グラフは、キャリーオーバー信号強度対キャリーオーバーカウントを示す、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記パラメータ設定要素はさらに、前記サンプル処理器具によって処理されるべき特定のサンプルに関する清浄化標準を設定する1つまたはそれを上回るユーザ入力を受信するように構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記パラメータ設定要素は、ダイアログボックス、テキストフィールド、スライダ要素、ドロップダウンリスト、および/またはラジオボタンを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記ユーザインターフェース上に、前記少なくとも1つの次のアクティビティ要素のユーザ選択に応答して、適用可能サンプル設定要素を表示するステップであって、前記適用可能サンプル設定要素は、前記パラメータ設定要素における同一のユーザ入力を用いて監視されるべきサンプルを規定するように構成される、ステップと、
前記適用可能サンプル設定要素において、それに前記パラメータ設定要素における前記同一のユーザ入力が適用される前記サンプルを規定するためのユーザ入力を受信するステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記実際のキャリーオーバー量および前記標的キャリーオーバー量のそれぞれは、テキストにおいて、またはグラフにおいて示される、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記実際のキャリーオーバー量および前記標的キャリーオーバー量は、同一のグラフにおいて示される、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
各サンプルの監視データを記憶するステップと、
前記ユーザインターフェース上に、前記少なくとも1つの次のアクティビティ要素による1つまたはそれを上回るサンプルに関するユーザ要求に応答して、前記1つまたはそれを上回るサンプルの監視データを表示するステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記標的キャリーオーバー量は、標的キャリーオーバーカウント、標的キャリーオーバーレート、標的キャリーオーバー濃度、およびキャリーオーバー濃度の標的パーセンテージのうちの少なくとも1つを備え、
前記実際のキャリーオーバー量は、それに応じて、実際のキャリーオーバーカウント、実際のキャリーオーバーレート、実際のキャリーオーバー濃度、およびキャリーオーバー濃度の実際のパーセンテージのうちの少なくとも1つを備える、
請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記ユーザインターフェース上に、前記方法または前記方法のステップを開始する、停止する、中断する、キャンセルする、繰り返すための制御要素を表示するステップをさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項35】
サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するためのシステムであって、
流体源を前記サンプル処理器具の流動セルに連通させる流体パイプラインと、
前記流体パイプライン内に配列されるポンプと、
制御デバイスであって、
前記サンプル処理器具内の前記流動セルを通して第1のサンプルを指向し、前記第1のサンプルは、第1の粒子を含む、ことと、
前記第1のサンプルを処理することと、
前記流動セルを清浄化するために前記流体パイプラインを通して清浄化剤を圧送し、前記流体パイプラインを通して監視溶液を圧送するように、前記ポンプを制御することと、
前記清浄化された流動セル内のキャリーオーバー量を測定することであって、前記キャリーオーバー量は、前記流動セルの測定領域内に残留する前記第1の粒子の量と関連付けられる測定値を備える、ことと、
所定の標的値に対して前記測定されたキャリーオーバー量を比較し、前記標的値は、清浄化要件を示す値に対応することと、
前記比較に基づいて、前記清浄化要件が満たされているかどうかを決定することと
を行うように構成される、制御デバイスと
を備える、システム。
【請求項36】
前記制御デバイスはさらに、前記清浄化要件が満たされていないことが決定されるとき、前記流動セルを繰り返し清浄化し、前記清浄化要件が満たされていることが決定されるとき、または清浄化の回数が最大閾値に到達しているとき、清浄化プロセスを停止するように構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
切替デバイスをさらに備え、前記切替デバイスは、前記ポンプが、前記流動セル内に適合されるサンプル針または前記流体源のサンプル源と選択的に流体連通することを可能にするように構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記切替デバイスは、前記ポンプに接続される第1のポートと、前記サンプル針に接続される第2のポートと、前記サンプル源に接続される第3のポートとを含む三方弁を備え、前記三方弁は、前記ポンプが前記サンプル針と連通することを可能にする第1の位置と、前記ポンプが前記サンプル源と連通することを可能にする第2の位置との間で切り替えられる、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記ポンプは、少なくとも2つの清浄化剤と連通される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも2つの清浄化剤は、シース流体を含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記ポンプは、前記シース流体を圧送するための第1のポンプと、他の清浄化剤および前記監視溶液を選択的に圧送するための第2のポンプとを含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
請求項35-41のいずれか1項に記載のシステムを備える、サンプル処理器具。
【請求項43】
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体は、その上にプログラムが記憶され、前記プログラムは、請求項1-34のいずれか1項に記載の方法を実装するために、前記制御デバイスのプロセッサによって実行される、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプル処理器具を動作させ、清浄化するための方法またはシステム、および本システムを含むサンプル処理器具、例えば、流動サイトメータソータまたは分析器に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、必ずしも従来技術ではない、本開示に関連する背景情報のみを提供する。
【0003】
サンプル処理器具は、通常、小さい懸濁粒子(例えば、細胞外小胞等の生物学的粒子、ビーズ等の非生物学的粒子)または細胞を含む液体サンプルを分析し、および/またはその中の粒子または細胞を選別するように構成される。サンプル処理器具は、概して、複数のサンプルを処理し、サンプルが処理された後、これは、次のサンプルに関する不正確な処理結果を回避するために、清浄化される必要がある。
【0004】
いくつかのサンプル処理器具は、シース流体を使用して清浄化されることが公知である。しかしながら、シース流体は、必ずしも全てのタイプのサンプルに関して好適ではない。言い換えると、いくつかのサンプルは、良好に清浄化されない場合がある。別の清浄化剤が、サンプル処理器具を清浄化するために使用される場合、例えば、半自動的装填器において、サンプル処理器具の中に清浄化剤を手動で装填することが、必要であり得る。これは、清浄化効率を有意に低減させ得る。
【0005】
加えて、ユーザが、従来的なサンプル処理器具に関する清浄化の結果を正確に監視および学習することは、容易ではない。これは、サンプル、特に、容易に清浄化されない小さい粒子(例えば、ナノ粒子)を含有するサンプルの検出に関して不利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本節は、本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲またはその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0007】
本開示の目的は、サンプル処理器具によって処理される異なるサンプルの間でサンプル処理器具を自動的に実行および清浄化することが可能な方法およびシステムを提供することである。
【0008】
本願の別の目的は、サンプル処理器具の清浄化を自動的かつ連続的に監視することが可能な方法を提供することである。
【0009】
本願のまた別の目的は、ユーザがサンプル処理器具の清浄化を動作させ、直感的に監視するために便宜的である方法を提供することである。
【0010】
本願の側面によると、制御デバイスによって実施される、サンプル処理器具内の流動セルを通して第1のサンプルを指向するステップであって、第1のサンプルは、第1の粒子を含む、ステップと、第1のサンプルを処理するステップと、清浄化剤を用いてサンプル処理器具の流動セルを清浄化するステップと、清浄化後に流動セル内のキャリーオーバー量を測定するステップであって、キャリーオーバー量は、流動セルの測定領域内に残留する第1の粒子の量と関連付けられる測定値を備える、ステップと、所定の標的値に対して測定されたキャリーオーバー量を比較するステップであって、標的値は、清浄化要件を示す値に対応する、ステップと、比較に基づいて、清浄化要件が満たされているかどうかを決定するステップとを含む、サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するための方法が、提供される。
【0011】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、清浄化要件が満たされていないことが決定されるとき、清浄化するステップを繰り返すステップと、清浄化要件が満たされていることが決定されるとき、または清浄化の回数が最大閾値に到達しているとき、清浄化プロセスを停止するステップとを含む。
【0012】
本願によるいくつかの実施形態では、標的値は、ユーザによって入力される。
【0013】
本願によるいくつかの実施形態では、清浄化するステップは、流動セルを清浄化するように構成される、複数の清浄化剤から清浄化剤を選択するステップを含む。
【0014】
本願によるいくつかの実施形態では、清浄化剤のうちの少なくとも1つは、シース液体を含む。
【0015】
本願によるいくつかの実施形態では、測定するステップは、流動セルを通して監視溶液を圧送するステップと、流動セル内から散乱された光を測定するステップであって、測定された光は、流動セル内のキャリーオーバー量に対応する、ステップとを含む。
【0016】
本願によるいくつかの実施形態では、監視溶液は、清浄化剤と異なる。いくつかの実施形態では、監視溶液は、水である。他の実施形態では、監視溶液は、緩衝液である。
【0017】
本願によるいくつかの実施形態では、測定するステップは、キャリーオーバーのカウントを測定するステップおよび/または監視溶液の体積を監視するステップを含む。
【0018】
本願によるいくつかの実施形態では、キャリーオーバー量は、キャリーオーバー粒子のカウントであってもよい。いくつかの実施形態では、キャリーオーバー粒子のカウントおよび/または監視溶液の体積は、監視期間の間に測定されたキャリーオーバー粒子の合計カウントおよび/または監視溶液の合計体積、または監視期間の間に所定の間隔において測定されたキャリーオーバー粒子のカウントおよび/または監視溶液の体積である。
【0019】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、制御デバイスによって、測定されたキャリーオーバー量に基づいて、監視溶液に対するキャリーオーバー量の関連性を表す値(例えば、監視溶液中のキャリーオーバーの濃度の値)および/または清浄化後のキャリーオーバー量および清浄化前のサンプル中の第1の粒子の量の関連性を表す値(例えば、キャリーオーバーと粒子との比の値)を計算するステップを含む。
【0020】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、清浄化後のキャリーオーバー量の第1のサンプル中で検出された第1の粒子の量に対する比または清浄化後に測定されたキャリーオーバーの濃度の第1のサンプル中の第1の粒子の濃度に対する比を計算するステップを含む。
【0021】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、清浄化要件が満たされているという決定に続いて、サンプル処理器具を通して第2のサンプルを指向するステップと、第2のサンプルを処理するステップとを含む。
【0022】
本願によるいくつかの実施形態では、第2のサンプルは、清浄化要件が満たされているという決定に応答して、制御デバイスによって自動的にサンプル処理器具を通して指向される。
【0023】
本願によるいくつかの実施形態では、第1の粒子は、生物学的ナノ粒子を含む。
【0024】
本願によるいくつかの実施形態では、サンプル処理器具は、流動サイトメータであり、第1のサンプルを処理するステップは、流動セルに向かって光学ビームを指向し、流動セル内から放出または散乱された光を測定することによって、第1のサンプル中の第1の粒子の1つまたはそれを上回る性質を決定するステップを含む。
【0025】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、ユーザによって動作され、ユーザに情報を表示するためのユーザインターフェースを提供するステップを含む。
【0026】
本願によるいくつかの実施形態では、清浄化の前に、動作ウィンドウが、ユーザが動作させるためにユーザインターフェース上に表示され、動作ウィンドウは、実行されるべきプロセスを選択するためのオプション、選択されたオプションと関連付けられるパラメータおよび/または標的値を入力するためのダイアログボックス、および特定のサンプルが処理された後、流動セルを清浄化/監視するための清浄化標準を設定するためのフィールドのうちの少なくとも1つを備える(例えば、図17に関して下記に説明されるように、1つまたはそれを上回る特定のサンプルが、選択されてもよく、具体的清浄化標準が、特定のサンプルに関して規定されてもよい)。
【0027】
本願によるいくつかの実施形態では、清浄化または測定の間に、ステータスウィンドウが、ユーザインターフェース上に表示され、実行ステータスが、ステータスウィンドウ上に表示される。
【0028】
本願によるいくつかの実施形態では、測定の後に、結果閲覧ウィンドウが、ユーザインターフェース上に表示され、実行結果が、結果閲覧ウィンドウ上に表示される。
【0029】
本願によるいくつかの実施形態では、測定されたキャリーオーバー量は、ユーザインターフェース上にリアルタイムで表示される。
【0030】
本願によるいくつかの実施形態では、制御ボタンが、次のアクティビティを制御するために、ユーザインターフェースのウィンドウ上に提供される。
【0031】
本願の別の側面によると、サンプル処理器具と関連付けられるコンピューティングシステムによって、ユーザインターフェース上に、少なくとも1つの次のアクティビティ要素を備える、メニューを表示するステップと、ユーザインターフェース上に、少なくとも1つの次のアクティビティ要素のユーザ選択に応答して、パラメータ設定要素を表示するステップであって、パラメータ設定要素は、サンプル処理器具の流動セル内の標的キャリーオーバー量を設定するように構成される、ステップと、パラメータ設定要素においてユーザ入力を受信するステップであって、ユーザ入力は、標的キャリーオーバー量を規定する、ステップと、流動セル内の監視溶液中に存在する粒子の測定値に対応する、キャリーオーバーデータを受信するステップと、受信されたキャリーオーバーデータに従って、実際のキャリーオーバー量を導出するステップと、ユーザインターフェース上に、測定されたキャリーオーバー量、実際のキャリーオーバー量、および/または標的キャリーオーバー量を表す、1つまたはそれを上回る監視要素を表示するステップとを含む、サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するための方法が、提供される。
【0032】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、実際のキャリーオーバー量を標的キャリーオーバー量と比較することによって、清浄化レベルを決定するステップと、ユーザインターフェース上に、清浄化レベルを表示するステップとを含む。清浄化レベルは、清浄化要件が満たされていることを示す、第1のレベルと、清浄化要件が満たされていないことを示す、第2のレベルとを備える。
【0033】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、第2のレベルが決定されるとき、最大清浄化サイクルに到達するまで、清浄化サイクル、次いで、監視サイクルを繰り返すステップを含む。ユーザ入力を受信するステップは、パラメータ設定要素において清浄化サイクルおよび監視サイクルと関連付けられるパラメータを入力するステップを含み、パラメータは、最大清浄化サイクルを備える。
【0034】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、ユーザインターフェース上に、清浄化サイクルおよび監視サイクルのステータスを表示するステップを含む。
【0035】
本願によるいくつかの実施形態では、清浄化サイクルおよび監視サイクルのステータスは、清浄化サイクルの実行プロセスと、実施されている清浄化サイクルの回数と、監視サイクルの実行プロセスとを備える。
【0036】
本願によるいくつかの実施形態では、監視要素は、測定されたキャリーオーバーデータを示すグラフを備える。
【0037】
本願によるいくつかの実施形態では、グラフは、ヒストグラム、散布ドットプロット、密度プロット、擬似カラープロット、または等高線プロットを備える。
【0038】
本願によるいくつかの実施形態では、グラフは、キャリーオーバー信号強度対キャリーオーバーカウントを示す。
【0039】
本願によるいくつかの実施形態では、パラメータ設定要素はさらに、特定のサンプルが処理された後、流動セルを清浄化/監視するための清浄化標準を設定するように構成される(例えば、図17に関して下記に説明されるように、1つまたはそれを上回る特定のサンプルが、選択されてもよく、具体的清浄化標準が、特定のサンプルを清浄化するために規定されてもよい)。
【0040】
本願によるいくつかの実施形態では、パラメータ設定要素は、ダイアログボックス、テキストフィールド、スライダ要素、ドロップダウンリスト、および/またはラジオボタンを備える。
【0041】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、ユーザインターフェース上に、少なくとも1つの次のアクティビティ要素のユーザ選択に応答して、適用可能サンプル設定要素を表示するステップであって、適用可能サンプル設定要素は、パラメータ設定要素における同一のユーザ入力を用いて監視されるべきサンプルを規定するように構成される、ステップと、適用可能サンプル設定要素において、それにパラメータ設定要素における同一のユーザ入力が適用されるサンプルを規定するためのユーザ入力を受信するステップとを含む。
【0042】
本願によるいくつかの実施形態では、実際のキャリーオーバー量および標的キャリーオーバー量のそれぞれは、テキストにおいて、グラフにおいて、および/または表において示される。
【0043】
本願によるいくつかの実施形態では、実際のキャリーオーバー量および標的キャリーオーバー量は、同一のグラフまたは表において示される。
【0044】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、各サンプルの監視データを記憶するステップと、ユーザインターフェース上に、少なくとも1つの次のアクティビティ要素による1つまたはそれを上回るサンプルに関するユーザ要求に応答して、1つまたはそれを上回るサンプルの監視データを表示するステップとを含む。
【0045】
本願によるいくつかの実施形態では、標的キャリーオーバー量は、標的キャリーオーバーカウント、標的キャリーオーバーレート、標的キャリーオーバー濃度、およびキャリーオーバー濃度の標的パーセンテージのうちの少なくとも1つを備え、実際のキャリーオーバー量は、それに応じて、実際のキャリーオーバーカウント、実際のキャリーオーバーレート、実際のキャリーオーバー濃度、およびキャリーオーバー濃度の実際のパーセンテージのうちの少なくとも1つを備える。
【0046】
本願によるいくつかの実施形態では、本方法はさらに、ユーザインターフェース上に、本方法または本方法のステップを開始する、停止する、中断する、キャンセルする、繰り返すための制御要素を表示するステップを含む。
【0047】
本願によるいくつかの実施形態では、制御要素は、制御ボタンを備える。
【0048】
本願の側面によると、流体源をサンプル処理器具の流動セルに連通させる、流体パイプラインと、流体パイプライン内に配列される、ポンプと、制御デバイスとを備える、サンプル処理器具の清浄化を動作させ、監視するためのシステムが、提供される。制御デバイスは、サンプル処理器具内の流動セルを通して第1のサンプルを指向し、第1のサンプルは、第1の粒子を含む、第1のサンプルを処理し、流動セルを清浄化するために流体パイプラインを通して清浄化剤を圧送し、流体パイプラインを通して監視溶液を圧送するように、ポンプを制御し、清浄化された流動セル内のキャリーオーバー量を測定し、キャリーオーバー量は、流動セルの測定領域内に残留する第1の粒子の量と関連付けられる測定値を備え、所定の標的値に対して測定されたキャリーオーバー量を比較し、標的値は、清浄化要件を示す値に対応し、比較に基づいて、清浄化要件が満たされているかどうかを決定するように構成される。
【0049】
本願によるいくつかの実施形態では、制御デバイスはさらに、清浄化要件が満たされていないことが決定されるとき、流動セルを繰り返し清浄化し、清浄化要件が満たされていることが決定されるとき、または清浄化の回数が最大閾値に到達しているとき、清浄化プロセスを停止するように構成される。
【0050】
本願によるいくつかの実施形態では、本システムはさらに、切替デバイスを備え、切替デバイスは、ポンプが、流動セル内に適合されるサンプル針または流体源のサンプル源と選択的に流体連通することを可能にするように構成される。
【0051】
本願によるいくつかの実施形態では、切替デバイスは、ポンプに接続される、第1のポートと、サンプル針に接続される、第2のポートと、サンプル源に接続される、第3のポートとを含む、三方弁を備え、三方弁は、ポンプがサンプル針と連通することを可能にする、第1の位置と、ポンプがサンプル源と連通することを可能にする、第2の位置との間で切り替えられる。
【0052】
本願によるいくつかの実施形態では、ポンプは、少なくとも2つの清浄化剤と連通される。
【0053】
本願によるいくつかの実施形態では、少なくとも2つの清浄化剤は、シース流体を含む。
【0054】
本願によるいくつかの実施形態では、ポンプは、シース流体を圧送するための第1のポンプと、他の清浄化剤および監視溶液を選択的に圧送するための第2のポンプとを含む。
【0055】
本願によるいくつかの実施形態では、監視溶液は、水である。他の実施形態では、監視溶液は、緩衝液である。
【0056】
本願の別の側面によると、上記に説明される清浄化システムを備える、サンプル処理器具が、提供される。
【0057】
本願の別の側面によると、その上にプログラムが記憶される、コンピュータ可読媒体が、提供される。プログラムは、上記に説明される方法を実装するために、(例えば、関連付けられるパーソナルコンピューティングデバイス上、専用デバイス上等の)制御デバイスのプロセッサによって実行される。
【0058】
本開示の上記および他の目的、特徴、および利点が、本開示を限定するのではなく、説明するために与えられる詳細な説明および図面を通して完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
本開示の1つまたはそれを上回る実施形態の特徴および利点は、付随の図面を参照して、以下の説明からより容易に理解されることになるであろう。
【0060】
図1図1は、サンプル処理器具の機能的ブロック図である。
【0061】
図2図2は、本願の実施形態による、システムの一部の概略図である。
【0062】
図3図3は、図2のシステムのサンプリングプロセスを示す、概略図である。
【0063】
図4図4-6は、図2のシステムがシース液体以外の清浄化剤を用いて清浄化を実施することを示す、概略図である。
図5図4-6は、図2のシステムがシース液体以外の清浄化剤を用いて清浄化を実施することを示す、概略図である。
図6図4-6は、図2のシステムがシース液体以外の清浄化剤を用いて清浄化を実施することを示す、概略図である。
【0064】
図7図7-9は、図2のシステムがシース流体を用いて清浄化を実施することを示す、概略図である。
図8図7-9は、図2のシステムがシース流体を用いて清浄化を実施することを示す、概略図である。
図9図7-9は、図2のシステムがシース流体を用いて清浄化を実施することを示す、概略図である。
【0065】
図10図10は、本願の別の実施形態による、システムの一部の概略図である。
【0066】
図11図11は、本願のまた別の実施形態による、システムの一部の概略図である。
【0067】
図12図12は、本願の実施形態による、サンプル処理器具を清浄化するための方法の概略フローチャートである。
【0068】
図13図13は、本願の別の実施形態による、サンプル処理器具を清浄化するための方法の概略フローチャートである。
【0069】
図14図14は、本願の実施形態による、サンプル処理器具の清浄化を監視するためのユーザインターフェースの概略図である。
【0070】
図15図15は、ユーザインターフェースのメニューの実施例の概略図である。
【0071】
図16図16は、ユーザインターフェースのパラメータ設定要素の実施例の概略図である。
【0072】
図17図17は、ユーザインターフェースの適用可能サンプル設定要素の実施例の概略図である。
【0073】
図18A図18A-18Eは、ユーザインターフェースの監視要素の種々の実施例の概略図である。
図18B図18A-18Eは、ユーザインターフェースの監視要素の種々の実施例の概略図である。
図18C図18A-18Eは、ユーザインターフェースの監視要素の種々の実施例の概略図である。
図18D図18A-18Eは、ユーザインターフェースの監視要素の種々の実施例の概略図である。
図18E図18A-18Eは、ユーザインターフェースの監視要素の種々の実施例の概略図である。
【0074】
図19図19は、履歴データ閲覧要素の実施例の概略図である。
【0075】
図20図20は、本開示の別の実施形態による、サンプル処理ユーザインターフェース内に統合される清浄化/監視ユーザインターフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
実施形態の詳細な説明
本願は、付随の図面を参照して、例示的実施形態を用いて以降に詳細に説明される。いくつかの図面では、類似する参照番号は、類似する部分および構成要素を示す。本願の以下の詳細な説明は、解説のためのものにすぎず、決して本願およびその用途または使用を限定することを意図していない。本明細書に説明される実施形態は、網羅的ではなく、いくつかの可能性として考えられる実施形態のうちのいくつかにすぎない。例示的実施形態は、多くの異なる形態において実装され得、本願の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。いくつかの例示的実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は、詳細に説明されない場合がある。
【0077】
本願の少なくとも1つの実施形態が詳細に解説される前に、本願が、その適用において、以下の説明に記載される、または図面に図示される構成要素の構造および配列の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、種々の方法において実践または実行され得る他の実施形態および開示される実施形態の組み合わせに適用可能である。加えて、本明細書に採用される語法および専門用語が、説明の目的のためのものであり、限定として見なされるべきではないことを理解されたい。
【0078】
別様に具体的に記載されない限り、以下の議論から明白であるように、本明細書全体を通して、「~を制御する」、「~を処理する」、「~を計算する」、「~を決定する」、「~を導出する」、または同等物等の用語を利用する議論が、コンピューティングシステムのレジスタおよび/またはメモリ内の電子等の物理量として表されるデータを操作し、および/またはコンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、または他のそのような情報記憶、伝送、または表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータまたはコンピューティングシステムまたは類似する電子コンピューティングデバイスのアクションおよび/またはプロセスを指すことを理解されたい。
【0079】
本開示によるサンプル処理器具が、実施例として流動サイトメータを挙げることによって説明されるであろう。流動サイトメータは、サンプル中の粒子を検出し、粒子の1つまたはそれを上回る特性を決定するために使用される。しかしながら、本開示によるサンプル処理器具が、流動サイトメータに限定されず、生物学的サンプルまたは非生物学的サンプルを処理するための任意の他の好適な器具であり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、サンプル処理器具は、細胞または粒子ソータであってもよい。
【0080】
本開示によるサンプル処理器具は、異なるサンプルを処理することの間に清浄化プロセスを自動的に実施し、異なる清浄化剤を使用して清浄化プロセスを自動的に実施し、清浄化プロセスの後に清浄化結果を測定する監視プロセスを自動的に実施するために好適である。本システムは、加えて、測定結果に従って、次のアクションを自動的に決定してもよい。加えて、本システムは、ユーザが監視および清浄化プロセスを容易に動作させ、直感的に観察することを可能にするためのインターフェースをユーザに提供してもよい。サンプル処理器具1の主要な機能的部分が、図1を参照して下記に説明されるであろう。サンプル処理器具1によって処理される(例えば、分析または選別される)サンプルは、エクソソームまたは細胞外小胞等の生物学的粒子またはビーズ等の非生物学的粒子を含んでもよい。開示されるシステムは、ナノレベルにおける粒子(例えば、ナノ粒子、ナノビーズ、エクソソーム)を検出および測定するために最適化されるが、開示されるシステムはまた、より大きい粒子のために使用されることができる。
【0081】
図1は、サンプル処理器具1の機能的ブロック図である。図1に示されるように、サンプル処理器具1は、フルイディクス構成要素10と、流動セル20と、サンプル処理ユニット30と、制御ユニット40とを含む。
【0082】
フルイディクス構成要素10は、種々の流体を流動セル20に供給し、流動セル20から外に流体を排出するように構成される。本明細書に説明される流体は、分析、選別、または別様に処理されるべきサンプル、シース流体、清浄化剤、廃液、および同等物を含んでもよい。フルイディクス構成要素10は、流体を送達する、または流体を排出するための種々のポンプ、弁、圧力調整デバイス、センサ等を含んでもよい。
【0083】
種々の流体、特に、サンプルおよびシース流体は、流動セル20に送達される。図2を参照すると、流動セル20は、2つの反対のシースポート21および22を含み、シース流体は、シースポート21および22を通して流動セル20のチャンバ25に送達される。流動セル20はさらに、その中に配置されるサンプル針23を含み、サンプルは、サンプル針23を通してチャンバ25の中に輸送される。チャンバ25内で、サンプルは、シース流体中に包み込まれ、次いで、処理のためにキュベット26を通して流動する。キュベット26は、サンプルの処理面積を形成する。例えば、光学検出デバイスが、キュベット26の処理面積内に光ビームを集束させる。サンプル中の粒子がキュベット26の処理面積を通して通過する場合では、粒子の特性が、粒子から散乱または放出された光を測定することによって決定される。
【0084】
サンプル処理ユニット30は、キュベット26を通して流動するシース流体中に包み込まれるサンプルを処理する。例えば、サンプル処理ユニット30は、サンプル中の粒子/細胞の特性を測定し、特定の特性を有する粒子/細胞を定量化してもよく、および/またはサンプル処理ユニット30は、それらの特性に基づいて、サンプル中の粒子/細胞を選別してもよい。サンプル処理ユニット30は、サンプル処理の目標に従って、種々の光学デバイス、電気デバイス、および/または機械デバイスを含んでもよい。
【0085】
制御ユニット40は、サンプル処理器具1全体の動作を制御する。本願によるサンプル処理器具の種々のシステム、デバイス、構成要素、または方法の種々の機能、アクション、またはステップは、制御ユニット40によって制御される。制御ユニット40は、下記に詳細に説明されるであろう。
【0086】
本願の実施形態によるフルイディクス構成要素の実施例が、異なる流体の流動を制御するためのフルイディクスを含む、システム100の一部を示す、図2-9を参照して下記に説明されるであろう。上記に説明されるように、流体システム100は、種々の流体を流動セル20に供給し、流動セル20から外に流体を排出するために使用される。このために、流体システム100は、種々の流体源を流動セル20に接続する、流体パイプラインを含む。
【0087】
これらの流体源は、サンプル源101と、シース源(図示せず)と、廃棄物リザーバと、他の溶液源とを含んでもよい。サンプル源101は、サンプルを供給するために使用される。概して、サンプル源101は、異なるサンプルを含有する、複数のサンプル容器、例えば、ウェルプレート、試験管、および同等物を含む。シース流体は、シース源内に貯蔵される。シース液体は、サンプル流が正常に検出されることに役立つ、マトリクス液体であり、サンプル流の周囲を包み込み、これをノズルの中心に保つように機能し、サンプル流中の粒子がノズル壁に接近し、ノズルを閉塞させることを防止しながら、検出の正確度を確実にし得る。加えて、シース流体はまた、サンプル処理器具(特に、流動セルおよび流体パイプライン)を清浄化するための清浄化剤として使用されてもよい。他の溶液源は、シース流体ではなく、他の清浄化剤(例えば、水または別の特殊な清浄化溶液)を貯蔵する、流体容器103と、サンプル処理器具の清浄化結果を測定するための監視溶液(例えば、水または緩衝液)を貯蔵する、別個の容器(図示せず)とを含む。廃棄物リザーバは、サンプル処理およびサンプル処理器具の清浄化の後、廃液を収集するために使用される。
【0088】
図2を参照すると、流体パイプラインは、サンプル源101をサンプル針23に連通させる、サンプルパイプライン111、112、および113と、シース源(図示せず)を流動セル20のシースポート21および22に連通させるためのシースパイプライン117と、流動セル20を廃棄物リザーバ(図示せず)に連通させるための廃棄物パイプライン116と、清浄化のためのシース流体を搬送するためのシース清浄化パイプライン153および154と、清浄化のための清浄化剤を搬送するための清浄化剤パイプライン142および144とを含む。
【0089】
種々の流体を圧送するための種々のポンプが、流体パイプライン内に提供されてもよい。図2に示される実施例では、サンプルを圧送するためのサンプルポンプ121、清浄化のためのシース液体を圧送するためのシースポンプ125、および清浄化剤を圧送するための清浄化ポンプ123が、存在する。図2の実施例では、サンプルポンプ121、シースポンプ125、および清浄化ポンプ123は全て、ピストンポンプである。しかしながら、本願に開示されるシステムが、これが本明細書に説明される機能を実現し得る限り、図面に示される具体的実施例に限定されないことを理解されたい。例えば、ポンプのタイプは、変動されてもよい。図10に示される別の実施形態では、シースポンプ125および清浄化ポンプ123は、蠕動ポンプ等の他のタイプのポンプであってもよい。同様に、サンプルポンプ121はまた、任意の他の好適なタイプのポンプ、例えば、蠕動ポンプを採用してもよい。いくつかの実施形態では、ポンプの数は、変更されてもよい。図11に示される実施例では、シースポンプは、省略される。
【0090】
種々の切替デバイスが、例えば、流体の流動方向を切り替えるために、または流体のオン/オフ状態を制御するために、流体パイプライン内に提供されてもよい。切替デバイスは、種々のタイプの弁を含んでもよい。図2に示されるように、切替デバイスは、三方弁131および132と、オン/オフ弁141、151、および152とを含む。
【0091】
三方弁132は、異なる流体(例えば、サンプルまたは清浄化剤)を流動セル20またはサンプル源101に吸引または圧送するために、サンプルパイプライン111-113を異なるポンプ(例えば、サンプルポンプ121または清浄化ポンプ123)と選択的に連通させるように構成される。図2の実施例では、三方弁132は、サンプルパイプライン113に接続される、第1のポート1321と、サンプルポンプ121に接続される、第2のポート1322と、清浄化ポンプ123に接続される、第3のポート1323とを含む。第1のポート1321が第2のポート1322と連通するように切り替えられる場合では、サンプルポンプ121は、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン111に接続されるとき、サンプル源101からサンプルを吸引する、またはサンプルパイプライン113がサンプルパイプライン112に接続されるとき、流体(例えば、サンプルまたはシース流体)を流動セル20に圧送することを可能にされる。すなわち、本システムは、サンプルポンプ121をサンプルパイプライン113に接続するように弁132を切り替えることによって、およびサンプルパイプライン113をサンプルパイプライン111に接続するように弁131を切り替えることによって、サンプルポンプ121がサンプル源101からサンプルを吸引することを可能にし得る(サンプルまたはシース流体は、代替として、サンプルパイプライン113をサンプルパイプライン112に接続するように弁131を切り替えることによって、流動セル20に送られてもよい)。本システムは、清浄化パイプライン144をサンプルパイプライン113に接続するように弁132を切り替えることによって、およびサンプルパイプライン113をサンプルパイプライン112に接続するように弁131を切り替えることによって、清浄化ポンプ123が流体容器103から清浄化剤を吸引し、これを流動セル20に圧送することを可能にし得る(清浄化剤は、代替として、サンプルパイプライン113をサンプルパイプライン111に接続するように弁131を切り替えることによって、サンプル源101に送られてもよい)。
【0092】
三方弁131は、流体(例えば、サンプルまたは清浄化剤)を流動セル20またはサンプル源101に選択的に吸引または圧送するために、ポンプ(例えば、サンプルポンプ121または清浄化ポンプ123)をサンプル源101または流動セル20と選択的に連通させるように構成される。図2の実施例では、三方弁131は、サンプルパイプライン113をサンプルパイプライン111またはサンプルパイプライン112と選択的に連通させるために、サンプルパイプライン111、112、および113の間に提供される。三方弁131は、三方弁132を介してサンプルポンプ121または清浄化ポンプ123に接続される、第1のポート1311と、サンプル針23に接続される、第2のポート1312と、サンプル源101に接続される、第3のポート1313とを有する。本システムは、サンプルパイプライン113をサンプルパイプライン112に接続するように弁131を切り替えることによって、サンプルパイプライン113内の流体(例えば、サンプルポンプ121によって圧送されたサンプルまたは清浄化ポンプ123によって圧送された清浄化剤)が流動セル20の中に搬送されることを可能にする、または代替として、サンプルパイプライン113をサンプルパイプライン111に接続するように弁131を切り替えることによって、流体がサンプル源101から吸引される/その中に圧送されることを可能にし得る。
【0093】
三方弁131および132によって、例えば、サンプルを分析するために、サンプルを流動セル20に選択的に圧送する、またはサンプルパイプライン111-113または流動セル20を清浄化するために、清浄化剤をサンプル源101または流動セル20に圧送することが、可能である。
【0094】
清浄化ポンプ123は、清浄化剤パイプライン144を介して三方弁132の第3のポート1323に接続され、清浄化剤パイプライン142を介して流体容器103に接続される。オン/オフ弁141が、清浄化剤パイプライン142のオン/オフ状態を制御するために、清浄化剤パイプライン142内に提供されてもよい。清浄化剤を吸引する場合では、オン/オフ弁141は、清浄化剤パイプライン142の連通を可能にするために、閉鎖状態にある。清浄化剤を吸引する必要がない場合では、オン/オフ弁141は、清浄化剤パイプライン142の連通を中断するために、開放状態にある。
【0095】
シースポンプ125は、シース流体を用いてサンプルパイプライン111-113または流動セル20を清浄化するように、サンプルポンプ121を介してサンプル源101または流動セル20にシース流体を送達するために、シース源に接続されるシースパイプライン117とサンプルポンプ121との間に配列される。シースポンプ125は、シース清浄化パイプライン153を介してシースパイプライン117(またはシース源)に接続され、シース清浄化パイプライン154を介してサンプルポンプ121に接続される。オン/オフ弁151が、シース清浄化パイプライン153のオン/オフ状態を制御するために、シース清浄化パイプライン153内に提供されてもよい。シース流体が清浄化のために吸引される場合では、オン/オフ弁151は、シース清浄化パイプライン153の連通を可能にするために、閉鎖(すなわち、オン)状態にある。シース流体を吸引する必要がない場合では、オン/オフ弁151は、シース清浄化パイプライン153の連通を中断するために、開放(すなわち、オフ)状態にある。さらに、オン/オフ弁152が、シース清浄化パイプライン154のオン/オフ状態を制御するために、シース清浄化パイプライン154内に提供されてもよい。シース流体を圧送する場合では、オン/オフ弁152は、シース清浄化パイプライン154の連通を可能にするために、閉鎖(すなわち、オン)状態にある。シース流体を圧送する必要がない場合では、オン/オフ弁152は、シース清浄化パイプライン154の連通を中断するために、開放(すなわち、オフ)状態にある。
【0096】
本願によるシステムが、図2に示される具体的実施例に限定されず、実際の要件に従って変更され得ることを理解されたい。例えば、図10に示されるシステム200では、シースポンプ225および清浄化ポンプ223は、蠕動ポンプであってもよく、それに応じて、オン/オフ弁は、シース清浄化パイプライン253および254および清浄化剤パイプライン142内で省略されてもよい。図11に示されるシステム300では、シースポンプは、省略され、代わりに、オン/オフ弁351のみが、シースパイプライン317(またはシース源)とサンプルポンプ321との間のシース清浄化パイプライン353内に提供される。本願によるシステムが、上記に説明される構成要素を有することに限定されないことを理解されたい。例えば、これはまた、フィルタ(例えば、図2に示されるようなシース流体を濾過するためのフィルタ119)、温度または圧力を感知するためのセンサ、温度または圧力を調節するための調整器、および同等物を有してもよい。
【0097】
サンプル処理の間に流体システム100を通してサンプルを搬送するプロセスが、図2および3を参照して下記に説明されるであろう。
【0098】
図2に示されるように、サンプルが処理されるべきであるとき、三方弁132は、サンプルポンプ121がサンプルパイプライン113に接続されるように切り替えられ、三方弁131は、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン111に接続されるように切り替えられ、それによって、サンプルは、サンプルポンプ121(例えば、サンプルポンプ121のピストンは、下向きに移動する)によって、サンプル源101からサンプルパイプライン113の中に吸引される。
【0099】
次いで、図3に示されるように、三方弁131は、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン112に接続されるように切り替えられ、サンプルパイプライン113内のサンプルは、処理(例えば、検出または選別等)のためにサンプルポンプ121(例えば、サンプルポンプ121のピストンは、上向きに移動する)によって、流動セル20の中に圧送される。
【0100】
サンプル処理の間、サンプルポンプ121は、サンプルパイプライン113に常に接続され、三方弁131は、第2のポート1312と第3のポート1313との間で繰り返し切り替えられ、サンプル処理が終了するまで、サンプルを吸引および圧送するプロセスを繰り返し実施する。
【0101】
清浄化剤を使用する流体システム100によってサンプルパイプライン111-113および流動セル20を清浄化するプロセスが、図4および6を参照して下記に説明されるであろう。
【0102】
図4に示されるように、サンプル処理器具が、清浄化剤を用いて清浄化されるべきであるとき、オン/オフ弁141は、清浄化剤パイプライン142を連通させるために閉鎖され、それによって、清浄化ポンプ123が流体容器103から清浄化剤を吸引することを可能にする。
【0103】
図5に示されるように、オン/オフ弁141は、開放状態に切り替えられ、三方弁132は、清浄化剤パイプライン144がサンプルパイプライン113に接続され、サンプルパイプライン113の中に清浄化剤を圧送するように切り替えられる。この瞬間に、三方弁131は、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン112およびサンプルパイプライン111のいずれかに接続される状態にあってもよい。
【0104】
図5に示されるように、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン111に接続される場合では、清浄化剤は、サンプルパイプライン111を通して圧送され、それによって、サンプルパイプライン113および111を清浄化する。次に、オン/オフ弁141は、繰り返し閉鎖状態または開放状態にされ、サンプルパイプライン111が清浄化されるまで、清浄化剤を吸引または圧送する。
【0105】
図6に示されるように、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン112に接続される場合では、清浄化剤は、サンプルパイプライン112および流動セル20を通して圧送され、それによって、サンプルパイプライン113および112および流動セル20を清浄化する。次に、オン/オフ弁141は、繰り返し閉鎖または開放状態になり、サンプルパイプライン112および流動セル20が清浄化されるまで、清浄化剤を吸引または圧送する。
【0106】
シース液体を使用する流体システム100によってサンプルパイプライン111-113および流動セル20を清浄化するプロセスが、図7および9を参照して下記に説明されるであろう。
【0107】
図7に示されるように、サンプル処理器具が、シース液体を用いて清浄化されるべきであるとき、オン/オフ弁151は、シース清浄化パイプライン153の連通を可能にするために閉鎖され、それによって、シースポンプ125がシース源(図示せず)からシース液体を吸引することを可能にする。
【0108】
次いで、図8に示されるように、オン/オフ弁151は、開放状態にされ、オン/オフ弁152は、閉鎖状態にされ、三方弁132は、第1のポート1321が第2のポート1322と連通し、サンプルポンプ121を介してサンプルパイプライン113の中にシース流体を圧送するように切り替えられる。三方弁131は、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン112およびサンプルパイプライン111のいずれかに接続される状態にあってもよい。
【0109】
図8に示されるように、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン111に接続される場合では、シース流体は、サンプルパイプライン111を通して圧送され、それによって、サンプルパイプライン113および111を清浄化する。次に、オン/オフ弁151およびオン/オフ弁152は、交互に閉鎖状態または開放状態になり、サンプルパイプラインが清浄化されるまで、シース流体を吸引または圧送する。
【0110】
図9に示されるように、サンプルパイプライン113がサンプルパイプライン112に接続される場合では、シース流体は、サンプルパイプライン112および流動セル20を通して圧送され、それによって、サンプルパイプライン113および112および流動セル20を清浄化する。次に、オン/オフ弁151およびオン/オフ弁152は、交互に閉鎖状態または開放状態になり、サンプルパイプラインおよび流動セル20が清浄化されるまで、シース流体を吸引または圧送する。
【0111】
上記に説明されるサンプル処理および清浄化プロセスに加えて、本システムはまた、サンプル処理器具の清浄化を監視するために使用されてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、サンプル源101は、2つの異なるサンプルの分析の合間に、サンプルの代わりに、監視溶液(例えば、水、緩衝液)で充填されてもよい。例えば、サンプル源101内の第1のサンプルが、システム100によって分析されてもよく、システム100は、流体容器103からの清浄化剤を用いて清浄化されてもよく、次いで、サンプル源101は、キャリーオーバーの存在に関して流動セル20を監視するために、監視溶液で充填された異なるサンプル源101のために切り替えられてもよい。ある場合には、監視溶液および清浄化剤は、同一の流体、例えば、水であってもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、清浄化剤は、監視溶液であってもよく、その場合では、流体容器103は、監視溶液および清浄化剤の源として使用されてもよい。この場合では、監視プロセスの間に流動セル20を通して監視溶液を給送するプロセスは、清浄化プロセスの間に流動セル20を通して清浄化剤を給送するプロセスに類似し得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、別個の流体容器(すなわち、サンプル源101および流体容器103以外の容器)が、監視溶液を含有するために提供されてもよい。この場合では、他の流体と同一のポンプまたは付加的ポンプが、流動セル20を通して監視溶液を圧送するために使用されてもよい。監視溶液のための流体パイプラインは、シース清浄化パイプラインのような他の流体パイプラインに統合されてもよい、または監視溶液を含有する流体容器から流動セル20までの独立した流体パイプラインであってもよい。同様に、シース清浄化パイプラインもまた、シース源から流動セル20およびサンプルパイプラインまでの独立した流体パイプラインとして形成されてもよく、すなわち、これは、サンプルポンプ121を通して通過しない。
【0115】
上記に説明されるように、開示されるシステムおよびそれらのフルイディクス構成要素の構造は、上記に説明され、示される具体的実施例に限定されず、これが自動的清浄化/監視プロセスまたは異なる清浄化剤を用いた自動的清浄化プロセスを実現し得る限り、変動されることができる。さらに、開示されるシステムの構造は、変更されることができるため、開示されるシステムの動作方法も、それに応じて変更されることができる。
【0116】
以降では、本願の実施形態による、上記に言及される開示されるシステムを用いてサンプル処理器具1を清浄化および監視するための方法500が、図12を参照して説明されるであろう。
【0117】
サンプル処理器具1は、最初に、本システムのパイプラインを介して、流動セル20を通して、第1の粒子を含有する第1のサンプルを給送し、第1のサンプルを処理する、例えば、第1の粒子を検出または選別する。第1の粒子は、例えば、生物学的ナノ粒子である。第1のサンプルが処理された後、第2のサンプルを処理する必要性が、存在し得る。正確な結果のために、流動セル20および本システムの1つまたはそれを上回るパイプラインは、第1のサンプルからの粒子が第2のサンプルの処理の結果に影響を及ぼすことを防止するために、連続するサンプルの合間に洗浄される必要があり得る。概して、特に、粒子が小さいサイズであるとき、本明細書でキャリーオーバーと称される、これらの残存粒子を除去することは、困難である。したがって、第2のサンプルの正確な処理を確実にするために、サンプル処理器具1(特に、サンプルパイプラインおよび流動セル)は、適正に清浄化されなければならない。
【0118】
第1のサンプル(特に、第1の粒子)に従って、好適な清浄化剤(例えば、シース流体、水、および/または任意の他の好適な清浄化溶液)、清浄化パラメータ(例えば、1つの清浄化サイクルの持続時間、清浄化サイクルの回数、清浄化サイクルの最大回数等)、監視溶液(例えば、水)、および/または監視パラメータが、選択または設定されることができる。監視パラメータは、監視される溶液と関連付けられるパラメータ(例えば、送達時間または体積等)、監視される粒子または監視パラメータと関連付けられる母集団(例えば、清浄化要件が満たされていることを示す監視基準)を含んでもよい。監視標準は、種々の形態、例えば、所定の時間内の標的キャリーオーバーカウント、標的キャリーオーバー濃度/濃度パーセンテージ、標的キャリーオーバーレート(数/秒)等において具現化されてもよい。清浄化パラメータおよび監視パラメータおよび基準の例示的設定が、図16に見られ得る。
【0119】
次いで、ステップS51において、サンプル処理器具1が、設定された清浄化パラメータに従って、選択された清浄化剤によって清浄化される。清浄化サイクルでは、選択された清浄化剤は、1つ、2つ、またはそれを上回ってもよい。対応して、清浄化パラメータは、清浄化剤毎に設定されてもよい。清浄化パラメータは、実験データ、履歴データ、または実験データに基づいて決定されてもよい。清浄化サイクルまたは所定の回数の清浄化サイクルの後、ステップS52に進む。
【0120】
ステップS52において、監視溶液が、フルイディクス構成要素によって流動セル20を通して圧送される。サンプル処理器具1は、次いで、監視期間の間に監視溶液を含む流動セル20を分析する(ステップS53参照)。
【0121】
ステップS53において、監視期間の間のキャリーオーバーまたは監視溶液に関連する測定値、例えば、キャリーオーバー(第1の粒子)の量および/または監視溶液の流量が、取得される。監視溶液の流量は、1つまたはそれを上回るセンサによって測定されてもよい。例えば、流動サイトメータであるサンプル処理器具1に関して、測定は、1つまたはそれを上回るレーザビームが流動セル20に指向されることに応答して、流動セル20から散乱された光を測定することによって実施されてもよい。本実施例では、キャリーオーバー(流動セル20内に残留する第1の粒子)は、例えば、粒子から散乱または放出された検出光に基づいて、光学検出システムによってカウントされてもよい。同一の監視時間において、キャリーオーバーの量(例えば、監視期間の間に流動セル20内に残留するキャリーオーバー粒子の数のカウントまたは概算カウント)がより少ないほど、清浄化結果は、より良好になる。当然ながら、監視時間がより長くなるにつれて、検出されるキャリーオーバーの量は、より多くなる。測定値が、清浄化レベルを示すために十分ではない場合、ステップS54に進む。
【0122】
ステップS54において、ステップS53において取得された測定値に基づいて、清浄化レベルを正確に示す値が、計算されてもよい。例えば、値は、キャリーオーバーレート(数/秒)(監視の間に検出されたキャリーオーバー粒子を監視時間で除算したもの)、キャリーオーバー濃度(数/マイクロリットル)(監視の間に検出されたキャリーオーバー粒子の数を監視溶液の体積で除算したもの)、またはキャリーオーバー濃度パーセンテージ(キャリーオーバー濃度の第1のサンプル中の第1の粒子の濃度に対する比)であってもよい。ステップS53において取得された測定値が、清浄化レベルを示すために十分である場合、ステップS54が、省略され得ることを理解されたい。
【0123】
ステップS55において、ステップS54における計算値またはステップS53における測定値(例えば、ステップS54が省略される場合)が、監視標準としての標的値と比較されてもよい。測定または計算値(実際の値)が、標的値未満である、またはそれに等しい場合では、これは、清浄化要件が満たされていることを示し、ステップS56に進む。測定または計算値(実際の値)が、標的値を上回る場合では、これは、清浄化要件が満たされていないことを示し、次いで、ステップS57に進む。いくつかの実施形態では、標的値は、第1のサンプル、第2のサンプル、または生じている処理のタイプに基づいてもよい。例えば、異なるサンプルまたは異なるサンプル処理/分析は、異なる標的値を有してもよい。
【0124】
ステップS56において、清浄化要件が満たされているため、清浄化プロセスは、停止され、次のサンプルを処理できる状態である。随意に、ステップS56において、ユーザは、清浄化要件が満たされていることを通知されてもよい。第2のサンプルは、次いで、流動セルを通して自動的に輸送され、流動セルにおいて処理されてもよい。
【0125】
ステップS57において、最大清浄化限界、例えば、設定された最大清浄化持続時間限界(例えば、1つまたはそれを上回る清浄化サイクルに費やされる合計時間量に対する最大限界)または最大清浄化サイクル回数限界(例えば、実施される清浄化サイクルの回数に対して課される最大限界)に到達しているかどうかが、さらに決定される。いくつかの実施形態では、最大清浄化限界は、ユーザによって設定されてもよい。いくつかの実施形態では、最大清浄化限界は、第1のサンプル、第2のサンプル、または生じている処理のタイプに基づいてもよい。例えば、異なるサンプルまたは異なるサンプル処理/分析は、異なる最大清浄化限界を有してもよい。最大清浄化限界に到達していない場合、ステップS51に戻り、清浄化要件が満たされる、または最大清浄化限界に到達するまで、清浄化プロセスを継続する。最大清浄化限界に到達している場合、ステップS58に進む。
【0126】
ステップS58において、清浄化プロセスは、停止される。随意に、ステップS58において、メッセージまたは警告が、ユーザがトラブルシューティング等の適切な対策を講じ得るように、ユーザに発報されてもよい。
【0127】
図13は、本願の別の実施形態による、サンプル処理器具を清浄化するための方法600の概略フローチャートである。方法600のステップS61、S62、S64-S68は、方法500のステップS51、S52、S54-S58と同一であり、したがって、詳細に説明されない。方法600は、ステップS63において方法500と異なる。監視期間の間の合計測定値は、方法500のステップS53において入手される一方、測定値は、方法600のステップS63において所定の間隔において入手される。ここでの所定の間隔は、連続的な所定の間隔および重畳された所定の間隔を含む。連続的な所定の間隔は、所定の間隔が5秒であると仮定して、例えば、0~5秒の測定値、5~10秒の測定値、10~15秒の測定値等を取得することを意味する。重畳された所定の間隔は、所定の間隔が5秒であると仮定して、例えば、0~5秒の測定値、1秒~6秒の測定値、および2秒~7秒の測定値等を取得することを意味する。故に、所定の間隔内の計算値が、ステップS64において取得される。
【0128】
方法600では、いったん清浄化要件が満たされていることが見出されると、監視プロセスは、直ちに停止されてもよい。したがって、方法500と比較して、方法600は、ユーザが、より迅速に清浄化要件が満たされているという情報を学習することを可能にする。
【0129】
本願による方法が、上記に言及される方法500および600に限定されず、要件に従って変更され得ることを理解されたい。例えば、測定値を取得する方法は、変更されてもよく、設定パラメータは、変更されてもよい。例えば、ステップS55またはS65において、測定値および計算値は両方とも、清浄化要件が満たされているかどうかを決定するために使用されることができる。また、本方法のステップは、必ずしも説明される順序で実行されない場合があり、矛盾を伴うことなく、順序において置換される、または同時に実行されることができる。加えて、本方法は、あるステップを省略する、または付加的ステップを追加してもよい。
【0130】
ユーザ動作を促進し、情報を取得するために、本願の方法は、ユーザインターフェースを用いて実行されてもよい。本願によるユーザインターフェースは、図14-20を参照して下記に説明されるであろう。
【0131】
図14を参照すると、ユーザインターフェース800は、メニュー810と、パラメータ設定要素820と、監視要素840と、適用可能サンプル設定要素830と、履歴データ閲覧要素850と、制御要素860とを含んでもよい。メニュー810は、サンプルの処理およびサンプル処理器具の清浄化を構成する、またはそのような処理または清浄化を監視することによって、ユーザがサンプル処理器具と相互作用することを可能にする、1つまたはそれを上回る次のアクティビティ要素を含んでもよい。次のアクティビティ要素は、図15を参照して下記に詳細に説明されるであろう。パラメータ設定要素820、監視要素840、適用可能サンプル設定要素830、および履歴データ閲覧要素850は、ユーザが情報を入力し得る、または情報がユーザに表示されるように、メニュー810の対応する次のアクティビティ要素の選択または動作に応答して、ユーザインターフェース上に表示されてもよい。パラメータ設定要素820は、清浄化、監視、およびキャリーオーバーに関連するユーザ入力を受信するために使用される(これは、図16を参照して下記に詳細に説明されるであろう)。監視要素840は、清浄化または監視ステータス、監視データ、監視結果、監視標準等に関連する情報をユーザに表示するように構成される(これは、図18A-18Eを参照して下記に詳細に説明されるであろう)。適用可能サンプル設定要素830は、監視されるべきサンプルを含み、ユーザは、サンプル処理器具が複数のサンプルを自動的かつ連続的に処理し得るように、それにパラメータ設定要素820における設定が適用されるサンプルを選択してもよい(これは、図17を参照して下記に詳細に説明されるであろう)。履歴データ閲覧要素850は、ユーザ要求に従って、履歴監視データを読み出す、または表示してもよい(これは、図19を参照して下記に詳細に説明されるであろう)。制御要素860は、ユーザが、ユーザインターフェース上に表示される種々の要素を制御する、または種々の要素のコンテンツを表示することを可能にする。
【0132】
図14に示されるように、メニュー810、パラメータ設定要素820、適用可能サンプル設定要素830、監視要素840、履歴データ閲覧要素850、および制御要素860は、1つの画面上に、例えば、対応するボックス内で同時に表示されてもよい。本願によるユーザインターフェースが、図14に示される具体的実施例に限定されるべきではなく、要求に応じて変更され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、これらのインターフェース要素の任意のサブセットが、ユーザインターフェース上に同時に表示されてもよい。例えば、ある場合には、メニュー810およびパラメータ設定要素820のみが、ユーザインターフェース800上に同時に表示されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース上に表示されるインターフェース要素は、ユーザ入力に基づいて選択されてもよい。例えば、ユーザは、適用可能サンプル設定要素830を選択し得、応答して、ユーザインターフェースは、拡大された適用可能サンプル設定要素830を示し、他のインターフェース要素のいずれも示さなくてもよい(またはそのサブセットのみを示す)。例えば、履歴データ閲覧要素850は、随意である。さらに、ユーザインターフェース上の種々の要素のレイアウトは、変更されてもよい。各要素のコンテンツおよび表示形態もまた、要求に応じて変更されてもよい。
【0133】
以降では、ユーザインターフェースの要素が、図に示される具体的実施例を参照して説明されるであろう。これらの実施例は、例証的目的のためのものにすぎず、本願への限定ではない。
【0134】
図15は、メニュー810の実施例を示す。図15に示されるように、メニュー810は、「パラメータ設定」、「適用可能サンプルを設定する」、「清浄化/監視を動作させる」、および「監視報告を閲覧する」を含む、いくつかの異なる次のアクティビティ要素を表示してもよい。
【0135】
メニュー810は、ユーザが、異なる次のアクティビティ要素の中から選択することを可能にする。例えば、ユーザは、メニュー810の「パラメータ設定」の次のアクティビティ要素を選択し得る。応答して、パラメータ設定要素820が、ユーザが入力するためにユーザインターフェース上に表示されてもよい。いくつかの実施例では、パラメータ設定要素は、本明細書では動作ウィンドウまたは設定ウィンドウとも称され得る、独立したウィンドウ(例えば、ポップアップウィンドウ)の形態において示されてもよい。パラメータ設定要素は、清浄化パラメータの設定と、監視パラメータの設定と、標的キャリーオーバー量の設定とを含んでもよい。
【0136】
図16は、パラメータ設定要素820の実施例を示す。図16に示されるように、清浄化パラメータの設定は、清浄化サイクルの清浄化時間と、清浄化サイクルの最大回数とを含む。監視パラメータの設定は、監視溶液の送達時間を含む。いくつかの実施例では、標的キャリーオーバー量は、キャリーオーバー粒子の標的カウント(または概算カウント)、標的キャリーオーバーレート(監視溶液が流動チャネルを通して流動されるべきである際、ある期間(例えば、1秒あたり)にわたって流動セル内にあることが許容可能である/所望されるキャリーオーバー粒子の定量化)、標的キャリーオーバー濃度(流動セル内にあるべきである監視溶液の体積におけるキャリーオーバー粒子の所望の濃度を表す)等であってもよい。加えて、図16の実施例では、それに監視されるべきサンプルが属する母集団の設定もまた、含まれる。パラメータ設定が、要件に従って変更され得、図に示される具体的実施例に限定されないことを理解されたい。例えば、パラメータ設定要素では、プログラムを動作させるためのオプション(例えば、図20に示されるような「清浄化なし」、「清浄化のみ」、「清浄化および監視」)もまた、ユーザが選定するために設定されてもよい。図16に示される実施例では、ユーザは、テキストフィールドまたはドロップダウンリストの形態において入力および選択する。しかしながら、設定はまた、任意の他の好適な方法、例えば、ダイアログボックス、ラジオボタン、スライダ要素等において入力されてもよい。
【0137】
ユーザがメニュー810の「適用可能サンプルを設定する」の次のアクティビティ要素をクリックした後、適用可能サンプル設定要素830が、ユーザインターフェース上に表示される。図17は、適用可能サンプル設定要素830の実施例を示す。図17に示されるように、監視されるべき全てのサンプルが、適用可能サンプル設定要素830内に示される。サンプルは、サンプルを含有する容器の名称によって区別されてもよい。ユーザが選定するために、各サンプルの前にラジオボタンが、存在する。適用可能サンプル設定要素830は、例えば、(例えば、上記にさらに詳細に説明されるように、図16に示される例示的要素820を介して)ユーザに異なるサンプルに関する異なる標的キャリーオーバー量を設定させることによって、ユーザが、異なるサンプル(例えば、連続して実行されるべきであるサンプル)の処理に続いて、異なる許容可能な清浄化標準を有することを可能にする。例えば、ユーザは、サンプル処理器具を通して連続して実行するべき3つのサンプル(例えば、サンプル1、続けてサンプル2、続けてサンプル3)を有し得る。本実施例では、図17に図示されるように、ユーザは、要素830内のそれらの個別のボックスをチェックすることによって、サンプル1およびサンプル2を選択し、サンプル1およびサンプル2の両方に関して所望の標的キャリーオーバー量を設定する(例えば、要素820を介して、標的キャリーオーバーレートおよび標的濃度を設定する)ことによって、清浄化標準を設定してもよい。ユーザは、次いで、(サンプル1およびサンプル2に関するボックスがチェックされていない間に)その個別のボックスをチェックすることによって、サンプル3を選択し、類似する様式においてサンプル3に関する清浄化標準を設定してもよい。別の実施例として、ユーザは、1つのサンプル(例えば、サンプル1)に関する清浄化標準を設定し、次いで、類似する効果に関して1つまたはそれを上回る異なるサンプル(例えば、サンプル2)にそれらの清浄化標準をコピーしてもよい。いくつかの実施例では、サンプル処理器具は、異なるサンプル毎に選択された事前設定された清浄化標準に基づいて、自動的に異なるサンプルのそれぞれを連続して、かつ自動的に処理してもよい。例えば、サンプル1-3は、それらの事前設定された清浄化標準に従って実施される所望の清浄化サイクルで自動的かつ連続して処理され、それによって、サンプル処理器具の効率を改良し得る。すなわち、ユーザは、これらの異なるサンプルの処理の間、手動で監視し、手動入力を提出する必要があり得ない。サンプルの表示が、図17に示される具体的実施例に限定されず、任意の他の好適な様式において、またはユーザが選択または入力するために示され得ることを理解されたい。
【0138】
ユーザがメニュー810における「清浄化/監視を実行する」の次のアクティビティ要素をクリックした後、清浄化/監視プロセスが、図16および図17の設定または選択に従って開始される。監視要素840が、ユーザインターフェース上に表示される。監視要素840は、清浄化/監視状態、測定されたキャリーオーバー量、標的キャリーオーバー量、および同等物をユーザに表示してもよい。
【0139】
監視要素840は、清浄化/監視の種々の段階に従って、1つまたはそれを上回るウィンドウまたはモジュールにおいて示されてもよい。監視期間全体に関連するコンテンツが、ユーザインターフェース上に常に表示されてもよく、清浄化/監視の各段階に関連するコンテンツが、別個のウィンドウ(例えば、ポップアップウィンドウ)において表示されてもよい。監視要素840の表示コンテンツおよび表示形態が、本明細書に説明される、または図に示される具体的実施例に限定されず、変更され得ることを理解されたい。例えば、清浄化/監視プロセスの状態は、別個の状態ウィンドウにおいて表示されてもよい、または監視の最終結果は、別個のブラウザウィンドウにおいて表示されてもよい。
【0140】
図18A-18Eは、監視要素840の種々の実施例を示す。図18A-18Eの実施例は、本方法の種々の段階に従って、表示されるコンテンツおよびキャリーオーバー表示の形態において異なる。
【0141】
図18Aは、監視要素841を示す。監視要素841では、清浄化プロセスの状態は、清浄化進行度と、清浄化サイクルの回数とを含む。監視プロセスの間のキャリーオーバー測定データは、図18AにヒストグラムG1の形態において示される、監視プロセス全体の間に測定されたキャリーオーバーデータを表し、横座標は、キャリーオーバーの信号(例えば、光の信号)の強度を表し、縦座標は、キャリーオーバー(粒子)のカウントを表す。ヒストグラムG1は、監視プロセス全体の測定データを示し、したがって、これは、図18Aの左上等、ユーザインターフェース上に常に表示されることができる。本ヒストグラムG1では、監視時間がより長くなるほど、キャリーオーバー(粒子)のカウントは、より大きくなる。要求に応じて、測定データが、任意の他の好適なグラフ、例えば、散布ドットプロット、密度プロット、擬似カラープロット、グレースケールプロット、および/または等高線プロットにおいて表示され得ることを理解されたい。キャリーオーバーの測定データがまた、グラフ以外の任意の他の好適な形態において示され得ることを理解されたい。ある場合には、測定されたキャリーオーバーデータは、(例えば、測定されたキャリーオーバーが所望の閾値を下回るという決定から)所望の清浄化レベルが達成されているかどうかを決定するために使用されてもよい。いくつかの実施例では、測定されたキャリーオーバー量は、例えば、流動セル内に存在するキャリーオーバー粒子のカウントまたは推定カウント、キャリーオーバーレート(監視溶液が流動チャネルを通して流動される際、ある期間(例えば、1秒あたり)にわたって流動セル内で検出されるようなキャリーオーバー粒子の定量化)、および/またはキャリーオーバーの濃度(流動セル内にある監視溶液の体積におけるキャリーオーバー粒子の濃度を表す)の観点から表されてもよい。いくつかの実施例では、測定されたキャリーオーバー量は、本システムによって測定されたキャリーオーバーデータのみに基づく導出値(例えば、1つまたはそれを上回る公式または関数を測定されたキャリーオーバーデータに適用することによって導出された値)であってもよい。測定されたキャリーオーバー量は、キャリーオーバーレート(監視溶液が流動チャネルを通して流動される際の1秒あたりのキャリーオーバー粒子の検出)およびキャリーオーバーの濃度として、図18Aにテキスト形態において示される。図18Aでは、清浄化/監視状態、測定されたキャリーオーバー量、および標的キャリーオーバー量は、別個のポップアップウィンドウにおいて表示される。
【0142】
図18Bは、監視要素842を示す。図18Bの監視要素842と図18Aの監視要素との間の差異は、測定されたキャリーオーバー量および設定された標的キャリーオーバー量がまた、G2として標識化された図18Bの部分の形態において示されることである。部分G2を通して、清浄化レベルが要件を満たしているかどうかが、直感的に分かることができる。図18Bでは、測定されたキャリーオーバー量は、標的キャリーオーバー量を上回り、したがって、清浄化標準にまだ到達していない。
【0143】
図18Cは、監視要素843を示す。図18Cの監視要素843は、これがまた、監視結果、例えば、清浄化サイクルの後の監視結果を示す点において、図18Bの監視要素842と異なる。具体的には、図18Cでは、ユーザは、監視結果が満たされておらず、新しい清浄化サイクルが3秒後に開始され得ることを示す情報を提供される。
【0144】
図18Dは、監視要素844を示す。図18Dの監視要素844と図18Cの監視要素843との間の差異は、監視結果が、清浄化標準が満たされていることを示すことである。
【0145】
図18Eは、監視要素845を示す。図18Eの監視要素845と図18Dの監視要素844との間の差異は、測定されたキャリーオーバー量および設定された標的キャリーオーバー量が表の形態において示されることである。測定されたキャリーオーバー量および設定された標的キャリーオーバー量は、同一の表において表示され、ユーザが、清浄化標準が満たされているかどうかを直感的に決定することを可能にする。
【0146】
測定された実際のキャリーオーバー量および標的キャリーオーバー量が、テキスト(図18Aに示されるような)、グラフ(図18B図18Dに示されるような)、および表(図18Eに示されるような)において表示されることに限定されず、任意の他の好適な形態において示され得ることを理解されたい。
【0147】
ユーザがメニュー810における「監視報告を閲覧する」の次のアクティビティ要素をクリックした後、報告が、履歴データ閲覧要素850等のインターフェース上に表示されてもよい。履歴データ閲覧要素850は、監視されている履歴データを含む。図19は、履歴データ閲覧要素850の実施例を示す。履歴データ閲覧要素850を通して、ユーザが任意の時点で履歴監視データを照会することが、便宜的である。履歴データ閲覧要素850の表示コンテンツは、ユーザ要件に従って決定されてもよい。
【0148】
図14-19を参照して説明されるユーザインターフェースは、図20に示されるように、サンプル処理のユーザインターフェースに統合されてもよい。図20に示される実施例では、「処理後の清浄化および監視の動作」のオプションもまた、設定ウィンドウにおいて提供されてもよい。本オプションは、サンプルを処理する前にユーザが選定するためのものである。いったんユーザが設定ウィンドウにおいて本オプションを選択すると、清浄化および監視が、ユーザの命令または設定を待機することなく、サンプルを処理した後に自動的に実施される。加えて、図20に示される実施例では、他のプログラムオプション、例えば、「清浄化なし」、「清浄化のみ」、「清浄化および監視」もまた、設定ウィンドウにおいて提供されてもよい。図20に示されないが、次いで、プログラムオプションがまた、監視のみが実施されるべきであることを規定するオプション(例えば、「監視のみ」を規定するオプション)を含み得ることを理解されたい。
【0149】
ユーザ要件に応じて、例えば、限定ではないが、「スイッチオンする」、「開始する」、「停止する」、「中断する」、「繰り返す」、「閉じる」、「適用する」、「キャンセルする」等を含む、制御要素が、ユーザインターフェースまたは種々の要素において表示されてもよい。制御要素は、例えば、図16-19のウィンドウの下部に示されるような1つまたはそれを上回る制御ボタンの形態であってもよい。
【0150】
上記のシステムまたは方法は、制御ユニット40によって実装されてもよい。本願における制御ユニット40は、コンピュータまたはコンピューティングシステムとして実装されるプロセッサを含んでもよい。本明細書に説明される、サンプル処理器具を動作させ、清浄化する方法およびサンプル処理器具の清浄化を監視する方法は、コンピュータのプロセッサによって実行される、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラムによって実装されてもよい。コンピュータプログラムは、非一過性有形コンピュータ可読媒体上に記憶される、プロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されるデータを含んでもよい。非一過性有形コンピュータ可読媒体の非限定的実施例は、不揮発性メモリ、磁気記憶デバイス、および光学記憶デバイスである。
【0151】
コンピュータ可読媒体という用語は、(キャリア上で等)媒体を用いて伝搬する過渡的な電気または電磁信号を含まず、コンピュータ可読媒体という用語は、したがって、有形かつ非一過性であると見なされ得る。非一過性有形コンピュータ可読媒体の非限定的実施例は、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読取専用メモリ、またはマスク読取専用メモリ等)、揮発性メモリ(スタティックランダムアクセスメモリ回路またはダイナミックランダムアクセスメモリ等)、磁気記憶媒体(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードドライブ等)、および光学記憶媒体(CD、DVD、またはBlu-ray(登録商標)ディスク等)である。
【0152】
本願は、例示的実施形態を参照して説明されているが、本願が、本明細書に説明および例証される具体的実施形態に限定されないことを理解されたい。請求項によって定義される範囲から逸脱することなく、当業者は、例示的実施形態の種々の変更を行うことができる。いかなる矛盾も存在しないという条件で、種々の実施形態における特徴は、相互と組み合わせられることができる。代替として、実施形態におけるある特徴はまた、省略され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図20
【国際調査報告】