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特表2024-537983破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用
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  • 特表-破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用 図1A
  • 特表-破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用 図1B
  • 特表-破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用 図2
  • 特表-破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用 図3A
  • 特表-破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用 図3B
  • 特表-破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用 図3C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】破断検出用リボンケーブル、積層ペインとの接続アセンブリ、破断検出方法、及びリボンケーブルの使用
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20241010BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20241010BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20241010BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H05K3/00 T
C03C27/12 Z
C03C27/12 N
B60J1/00 J
H05K1/02 J
H05K1/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519314
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022075201
(87)【国際公開番号】W WO2023052100
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021125178.8
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト ロウル
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ エルマンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ハディ ラステガー
【テーマコード(参考)】
4G061
5E338
【Fターム(参考)】
4G061AA25
4G061BA01
4G061BA02
4G061CB03
4G061CB16
4G061CB19
4G061CB20
4G061CD02
4G061CD18
5E338AA01
5E338AA12
5E338AA16
5E338CC09
5E338CD13
5E338EE11
5E338EE60
(57)【要約】
本発明は、破断検出用の追加伝導体トラック(13)を有するリボンケーブル(11)に関し、これは:
少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの電気伝導体トラック(12)を有する、キャリアフィルム(24)であって、キャリアフィルム(24)が、第1の末端部(5)に第1の接続領域(6)を有し、第2の末端部(7)に第2の接続領域(8)を有し、第1の接続領域(6)が、積層ペイン(2)の2つのペイン(3、4)の間に配置されてよく、第2の接続領域(8)が、2つのペイン(3、4)の間で積層ペイン(2)の外に導かれてよく、電気伝導体トラック(12)が、第1の接続領域(6)の電気機能素子(10)に電気的に接触してよい、キャリアフィルム(24)を有し、
ここで、キャリアフィルム(24)が、ループ状に設計された追加伝導体トラック(13)を有し、それによって、追加伝導体トラック(13)の2つの末端部間のオーミック抵抗が、測定されうる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボンケーブル(11)であって、破断検出用の追加伝導体トラック(13)を有し:
少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの電気伝導体トラック(12)を有する、キャリアフィルム(24)であって、前記キャリアフィルム(24)が、第1の末端部(5)に第1の接続領域(6)を有し、第2の末端部(7)に第2の接続領域(8)を有し、前記第1の接続領域(6)が、積層ペイン(2)の2つのペイン(3、4)の間に配置されてよく、前記第2の接続領域(8)が、前記2つのペイン(3、4)の間から前記積層ペイン(2)の外に導かれてよく、前記電気伝導体トラック(12)が、前記第1の接続領域(6)の電気機能素子(10)に電気的に接触してよい、キャリアフィルム(24)を有し、
ここで、前記キャリアフィルム(24)が、ループ状に設計された追加伝導体トラック(13)を有し、それによって、前記追加伝導体トラック(13)の2つの末端部間のオーミック抵抗を測定できるようになっている、
リボンケーブル(11)。
【請求項2】
前記追加伝導体トラック(13)が、前記キャリアフィルム(24)のエッジ領域内に配置されている、請求項1に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項3】
前記追加伝導体トラック(13)が、実質的にU字形様式で、前記第1の接続領域(6)の周囲に延在している、請求項1又は2に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項4】
少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)及び前記追加伝導体トラック(13)が、1つの平面(E1)において互いに隣接して、又は少なくとも2つの、好ましくは正確に2つ又は正確に3つ又は正確に4つの、平面(E1,E2)において重なり合って、配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項5】
少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)が、電気遮断性キャリアフィルム(24)の第1の表面上に配置され、少なくとも1つのさらなる電気伝導体トラックが、前記キャリアフィルム(24)の第2の表面上に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)および前記追加伝導体トラック(13)が、前記キャリアフィルム(24)の前記第1の表面又は前記第2の表面に、好ましくは接着剤表面を介して、固定的に接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項7】
接続アセンブリ(1)であって:
- 熱可塑性中間層(9)を介して互いに面状に接続されている、第1のペイン(3)及び第2のペイン(4)から形成される、積層ペイン(2)、
- 前記2つのペイン(3、4)の間に配置されている、電気機能素子(10)、
- 請求項1~6のいずれか一項に記載のリボンケーブル(11)であって、前記第1の接続領域(6)が、前記2つのペイン(3、4)の間に配置され、前記第2の接続領域(8)が、前記2つのペイン(3、4)の間で前記積層ペイン(2)の外に導かれ、前記少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)が、前記第1の接続領域(6)内の前記電気機能素子(10)に電気的に接触している、リボンケーブル(11)、
を有する、接続アセンブリ(1)。
【請求項8】
破断を検出する方法であって
(a)請求項1~6のいずれか一項に記載のリボンケーブル(11)、又は請求項7に記載の接続アセンブリ(1)が提供され、
(b) オーミック基準抵抗値RRefが、損傷していない追加伝導体トラック(13)の末端部間で、測定又は計算され、
(c) 前記追加伝導体トラック(13)の末端部間のオーミック抵抗が、測定され、前記測定された抵抗値RMessが、前記基準抵抗値RRefと比較される、
方法。
【請求項9】
前記リボンケーブル(11)は、前記測定されたオーミック抵抗値RMessが、前記オーミック基準抵抗値RRefから、逸脱し、特には5%超、好ましくは10%超、特に好ましくは50%超で増大した場合に、欠陥品とみなされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(c)が、前記リボンケーブル(11)が接続アセンブリ(1)内に配置される前かつ/又は後に実行される、請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記工程(c)が、繰り返し実施され、好ましくは前記リボンケーブル(11)が接続アセンブリ(1)内に配置される前かつ/又は後に繰り返し実施される、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~6のいずれか一項に記載の発明によるリボンケーブル(11)又は請求項7に記載の発明による接続アセンブリ(1)の使用であって、建物グレージング又は乗り物グレージング、特には自動車のウィンドシールド、サイドパネル、リアウインドシールド、又はルーフパネルとしての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破断検出用リボンケーブルに関し、積層ペイン及び本発明によるリボンケーブルを含む接続アセンブリ、破断検出方法、並びに本発明によるリボンケーブルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
建物及び乗り物におけるグレージングは、大面積の、可視光に対して透明な電気伝導性機能層を提供されることが多くなっている。特に、省エネルギー及び快適性の理由から、グレージングユニットに、それらの熱遮断特性に関して高い要求が課せられている。したがって、日射による高い熱入力を避けることが望まれるが、これは内部の過剰な加熱につながり、次いで必要な空調のための高いエネルギーコストにつながる。その解決策として、光透過率、ひいては太陽光による熱入力が、電圧を適用することによって制御されうる、層システムが提供されている。エレクトロクロミック層システムは、例えば欧州特許出願公開第0867752号明細書、米国特許出願公開第2007/0097481号明細書、及び米国特許出願公開第2008/0169185号明細書などで知られている。このような層システムは、通常、グレージングの周囲に設置されている外部スイッチによって切り替えられる。電気機能コーティングの他の機能は、乗り物のウィンドシールドの視界を氷及び曇りのない状態に保つことを目的とする。電気加熱層が知られており(例えば、国際公開第2010/043598号参照)、これは、電圧を適用することによってペインの目標通りの加熱をもたらす。電気加熱層に適用される電圧は、一般的には、乗り物内、例えばダッシュボード内に組み込まれている、外部スイッチによって制御される。例えば、独国特許出願公開第10106125号明細書、独国特許出願公開第10319606号明細書、欧州特許出願公開第0720249号明細書、米国特許出願公開第2003/0112190号明細書、及び独国特許発明第19843338号明細書は、平面アンテナとしての電気機能層の使用を開示している。この目的のために、機能層は、カップリング電極に、ガルバニック的又は容量的に結合され、アンテナ信号は、ペインのエッジ領域において利用できるようになっている。平面アンテナから切り離されたアンテナ信号は、自動車内の金属体に接続されている、アンテナ増幅器に供給され、その結果、高周波で有効な基準電位が、アンテナ信号に指定される。
【0003】
このような積層ペインは、一般的には、少なくとも2つの硬質の個別のガラスペインからなり、熱可塑性接着層によって平面接着様式で互いに接続されている。
【0004】
電気機能層は、個別のガラスペインの間に位置し、典型的には、平坦伝導体を介して外部環境に電気的に接続される。この理由は、適切な平坦伝導体が、一般的には、最大で0.3mmの合計厚さを有するからである。したがって、このような薄い平坦伝導体は、個別のガラスペイン間の熱可塑性接着層内に難なく埋め込まれうる。乗り物分野における積層ペイン内の電気機能層に接触する平坦伝導体の例は、独国特許出願公開第42 35 063号明細書、独国実用新案第20 2004 019 286号明細書、国際公開第2012/136411号、又は独国実用新案第93 13 394号明細書で見られる。
【0005】
また、電気光学構成要素を有する積層ペイン内に平坦伝導体を用いることも知られている。これらは、活性層の電気制御可能な光学特性を有する、平坦構造である。これは、活性層の光学特性、特にはその透明性、散乱挙動、又は輝度を、電気電圧によって制御しうることを意味する。電気光学構成要素の例として、SPD素子(SPD = Suspended Particle Device;懸濁粒子装置)、例えば欧州特許第0876608号明細書及び国際公開第2011033313号から公知のもの、並びにPDLC素子(PDLC = Polymer Dispersed Liquid Crystal;ポリマー分散型液晶)、例えば独国特許出願公開第102008026339号明細書から公知のものがある。
【0006】
電気機能層及び電気光学構成要素の電気的接触は、通常、機能層のエッジ領域又は電気光学構成要素のエッジ領域内に適用され、かつそれらを電気伝導的に接触させる、集電体(「バスバー」)上で、行われる。バスバーを外部電圧源に、典型的にはバスバーに取り付けられている平坦伝導体を介して、接続することによって、電圧が適用され、機能層又は電気光学構成要素が切り替えられる。
【0007】
実際には、複数の電気伝導体トラックを提供されているリボンケーブルが、比較的複雑な制御作業に用いられている。電気伝導性トラックは、非常に薄く、例えば、0.03mm~0.1mmの範囲の厚さを有し、例えば銅からなり、これは、それが良好な電気伝導性及び良好な加工性を有し、かつ同時に材料コストが低いので、実績がある。電気伝導体トラックは、典型的には、電気遮断(絶縁)性の、ポリマー性キャリアフィルム上に配置され、電気遮断性のポリマー性カバーフィルムによって覆われている。
【0008】
このような薄い電気伝導体トラックは、特にそれらが積層ペイン内に部分的に積層されている場合、例えば鋭利なエッジにわたって曲げられることによって、又は腐食などによって、損傷を受けやすい。
【0009】
独国特許出願公開第10 2018 106 175号明細書は、自動車のコイルばねのリボン伝導体の損傷を検出するための監視装置を開示している。独国特許出願公開第103 24 919号明細書は、平坦伝導体、特には可撓性プリント回路基板、フィルムケーブル、又はフィルムワイヤリングハーネスであって、2つの接触要素の間で又は機能ユニットの間で延在し、少なくとも1つの診断ラインを有する、伝導体トラックを有するものを開示する。ケーブルコア及び、ケーブルコアを取り囲む編組シールドを有し、この中に途切れ検出ワイヤが編組されている、可動ケーブルが、中国特許出願公開第1 12 562 891号明細書から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これに対し、本発明の目的は、破断検出又は欠陥検出付きであり、それにもかかわらず、安価に作製され、取り扱いが容易であり、積層ペイン内に容易に積層されうる、リボンケーブルを提供することである。
【0011】
本発明のさらなる態様は、積層ペイン及び破断検出用リボンケーブルを含む、改良された接続アセンブリに関し、リボンケーブルは、積層ペインの電気機能要素に電気的に接触しており、積層ペインの外側でのリボンケーブルの柔軟な電気接触、及び積層前、積層の際、かつ/又は積層後のリボンケーブルの完全性及び無損傷の確実なチェックを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の提案によれば、これらの目的及びさらなる目的が、独立請求項によるリボンケーブルによって達成される。好ましい実施形態及びリボンケーブルを有する接続アセンブリは、従属請求項から生じる。本発明による方法及び本発明による発明は、独立請求項から生じる。
【0013】
本発明は、リボンケーブルに関し、少なくとも以下を有する:
少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの電気伝導体トラックを有する、キャリアフィルムであって、キャリアフィルムが、少なくとも1つの第1の末端部上に第1の接続領域を有し、少なくとも1つの第2の末端部上に第2の接続領域を有し、
キャリアフィルムが、ループ状に設計された追加伝導体トラックを有し、それによって、追加伝導体トラックのオーミック抵抗が、その末端部間で測定されうるもの。
【0014】
本発明によるリボンケーブルにおいて、第1の接続領域は、有利には、積層ペインの2つのペインの間に配置されてよく、第2の接続領域は、2つのペインの間から積層ペインの外に導かれてよく、電気伝導体トラックは、第1の接続領域において電気機能要素に電気的に接触しうる。
【0015】
本発明によるリボンケーブルの有利な実施形態では、追加伝導体トラックは、キャリアフィルムのエッジ領域内に配置される。好ましくは、追加伝導体トラックとキャリアフィルムのエッジとの間の距離は、5mm未満であり、特に好ましくは3mm以下である。
【0016】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、追加伝導体トラックは、第1の接続領域の周りに、実質的にU字形様式で導かれる。
【0017】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、少なくとも1つの電気伝導体トラック及び追加伝導体トラックが、互いに隣り合って1つの平面内に、又は少なくとも2つ、好ましくは正確に2つ又は正確に3つ又は正確に4つの平面内に重なり合って、配置されている。
【0018】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、少なくとも1つの電気伝導体トラックが、電気遮断性のキャリアフィルムの第1の表面上に配置され、少なくとも1つのさらなる伝導体トラック及び/又は追加伝導体トラックが、キャリアフィルムの第2の表面上に配置される。
【0019】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、少なくとも1つの電気伝導体トラック及び追加伝導体トラックは、キャリアフィルムの第1の表面又は第2の表面に、好ましくは接着剤表面を介して、固定的に接続される。
【0020】
本発明のさらなる態様は、積層ペイン及び本発明によるリボンケーブルを含む接続アセンブリに関し、これは、少なくとも以下を含む:
- 第1のペイン及び第2のペインから形成される積層ペインであって、熱可塑性中間層によって互いに面的に接続される、積層ペイン、
- 2つのペインの間にある電気機能要素、
- 少なくとも1つの電気伝導体トラック及び少なくとも1つの追加伝導体トラックを有する、本発明によるリボンケーブルであって、リボンケーブルが、第1の末端部において第1の接続領域を有し、第2の末端部において第2の接続領域を有し、第1の接続領域が、2つのペインの間に配置され、第2の接続領域が、2つのペインの間から積層ペインの外に導かれ、電気伝導体トラックが、第1の接続領域において電気機能要素に電気的に接触する、リボンケーブル。
【0021】
このようにして、本発明による接続アセンブリは、第1のペイン及び第2のペインから形成される積層ペインを有し、これらは、熱可塑性中間層によって互いに面的に接続される。
【0022】
接続アセンブリは、2つのペインの間に配置されている、電気機能要素、及び電気機能要素を電気的に接触させる役割を果たす、特には機能要素を制御電気システムに電気的に接続させるための、リボンケーブルをさらに有する。リボンケーブルは、第1の接続領域、及び第2の接続領域を有し、リボンケーブルの延長方向に沿って、第1の接続領域は、リボンケーブルの第1の末端部に位置し、第2の接続領域は、リボンケーブルの第2の末端部に位置する。リボンケーブルは、積層ペイン内に部分的に積層され、第1の末端部は、第1の接続領域を有して2つのペインの間に位置し、第2の末端部は、2つのペインの間から第2の接続領域を有して積層ペインの外に導かれ、積層ペインの外側に位置する。この場合、電気伝導体トラックは、第1の接続領域において電気機能要素と電気的に接触しており、好ましくはこれとガルバニック的に接続されている。
【0023】
リボンケーブルは、一般的には、反対側を向いている2つの面を有する平坦体であり、随意に、平面形状又は湾曲形状になりうる。平面(すなわち非湾曲)の状態では、平坦な伝導体は、平面内に配置される。リボンケーブルは、一般的に細長く、その延長方向に沿って2つの末端部を有する。
【0024】
本発明によるリボンケーブルの有利な実施形態は、少なくとも2つの電気伝導体トラックを有し、電気伝導体トラックは、少なくとも部分的に、互いに隣り合って又は重なり合って、配置されている。
【0025】
本発明のさらに有利な実施形態では、少なくとも2つの電気伝導体トラックが、少なくとも2つの、好ましくは正確に2つ又は正確に3つ又は正確に4つの、平面において、重なり合って配置されている。ここで「重なり合って」とは、リボンケーブルの延長平面に関して、すなわち、リボンケーブルの2つの比較的大きな寸法によって広がる平面に関して意味を有する。有利には、少なくとも2つの伝導体トラックは、それぞれの場合において、延長平面に直交する射影において一致して配置される。代替的には、伝導体トラックは、1つの平面において比較的大きく、実質的に、部分的に、又は完全にリボンケーブル内の平面を占めるようにも設計されうる-好ましくは、遮断エッジ領域を除いて。これによって、この伝導体トラックの通電容量が増大する。
【0026】
本発明によるリボンケーブルの有利な実施形態では、少なくとも1つの電気伝導体トラックが、電気遮断性キャリアフィルムの第1の表面上に配置され、少なくとも1つのさらなる伝導体トラックが、キャリアフィルムの第2の表面(すなわち、キャリアフィルムに関して第1の表面とは反対側の表面)上に配置される。
【0027】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、電気伝導体トラックは、キャリアフィルムの第1表面又は第2表面に、好ましくは接着剤表面を介して、固定的に接続される。代替的には、キャリアフィルムは、特には印刷法で、例えばスクリーン印刷法で、電気伝導体トラックでコーティングされうる。
【0028】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、リボンケーブルは、平面の伝導体トラックの間に、好ましくは遮断フィルムの一部からなる、遮断領域を有する。遮断フィルムの一部は、有利には、リボン伝導体のエッジにも配置される。
【0029】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、伝導体トラックは、キャリアフィルムとは反対側を向いているそれらの表面上に、少なくとも1つの電気遮断性カバーフィルムを有する。好ましくは、伝導体トラック、又は遮断フィルムの一部は、例えば接着剤表面を介して、カバーフィルムに固定的に接続される。キャリアフィルム及びカバーフィルムは一緒になって、電気伝導体トラックを包囲する遮断シースを形成する。
【0030】
リボンケーブルの幅は、一定であってよく、変化してよい。特に、リボンケーブルは、第1の接続領域及び/又は第2の接続領域において幅を広げうる。
【0031】
本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、好ましくは積層ペイン内及び/又は積層ペインからの出口点における、リボンケーブルの最大幅bFが、6mm~40mm、好ましくは20mm~40mm、特には25mm~30mmである。本発明によるリボンケーブルのさらに有利な実施形態では、好ましくは積層ペイン内及び/又は積層ペインからの出口点における、リボンケーブルの最大厚さdFが、150μm~600μm、好ましくは300μm~400μm、特には300μm~350μmである。このような最大寸法を有するリボンケーブルは、特には積層ペイン内及び/又は積層ペインからの出口点において、積層ペインの安定性を害さずに、又はその外観を損なわずに、特に良好に積層されうる。
【0032】
リボンケーブルの有利な実施形態では、これは、5cm~150cm、好ましくは10cm~100cm、特に50cm~90cmの長さを有する。リボンケーブルの長さ、幅、及び厚さは、それぞれの個別のケースの要件に適合しうることが理解される。長さの方向は、リボンケーブルの延長方向を規定する。
【0033】
キャリアフィルム、カバーフィルム、及び/又は遮断フィルムは、好ましくはポリイミド、又はポリエステル、特に好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含有するか、又はそれらからなる。カバーフィルム及び/又は遮断フィルムは、電気遮断性ラッカー、好ましくはポリマーラッカーからなってもよい。カバーフィルム及び/又は遮断フィルムは、熱可塑性プラスチック及びエラストマー、例えばポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、又はエチレン-プロピレン-ジエンゴムなどを含有してもよく、又はこれらからなってもよい。代替的には、ポッティング材料、例えばアクリレート樹脂系又はエポキシ樹脂系などを、カバーフィルム及び/又は遮断フィルムとして用いうる。
【0034】
キャリアフィルム、カバーフィルム、及び/又は遮断フィルムは、好ましくは10μm~300μm、特に好ましくは25μm~200μm、特に好ましくは60μm~150μmの厚さを有する。キャリアフィルム、カバーフィルム、及び/又は遮断フィルムは、例えば、接着剤層を介して伝導体トラックに結合される。接着剤層の厚さは、例えば10μm~150μm、特に好ましくは50μm~75μmである。このようなキャリアフィルム、カバーフィルム、及び/又は遮断フィルムは、伝導体トラックを電気的に遮断し、機械的に安定させるのに、かつ機械的損傷及び腐食から保護するのに、特に適している。
【0035】
リボンケーブルの電気伝導体トラックは、好ましくは金属材料、例えば銅、アルミニウム、ステンレス鋼、錫、金、銀、又はそれらの合金などを含有するか、又はそれからなる。電気伝導体トラックが、金属箔からストリップとして作製される場合、金属は、部分的に又は完全に錫メッキされうる。これは、腐食防止と同時に良好なはんだ付け性を達成するために特に有利である。さらに、電気伝導性接着剤との接触も改善される。
【0036】
一実施形態によれば、電気伝導体トラック及び/又は追加伝導体トラックは、10μm~300μm、好ましくは10μm~150μm、特に好ましくは30μm~250μm、特には50μm~150μmの厚さdLを有する。このような細い伝導体は、特に柔軟であり、例えば、積層ペイン内に容易に積層されてよく、積層ペインの外に容易に導かれてよい。一実施形態によれば、電気伝導体トラック及び/又は追加伝導体トラックは、0.05mm~40mm、好ましくは1mm~20mm、特には2mm~5mmの幅bLを有する。このような幅は、上述した厚さと組み合わせて十分な通電容量を達成するのに特に適している。
【0037】
このようなリボンケーブルは、非常に細いので、それらは、難なく、個別のペイン間の積層ペインの熱可塑性中間層内に埋め込まれうるし、その外に導かれうる。このようにして、リボンケーブルは、積層ペイン内の電気機能要素に接触するのに特に適している。
【0038】
各電気伝導体トラックは、伝導体トラックに沿って互いに離隔している2つの接触点に電気的に接触しうる。接触点は、電気的接触がありうる伝導体トラックの領域である。最も単純な実施形態では、それらは、電気伝導体トラックのアクセス可能な領域である。第1の接続領域は、電気伝導体トラックの少なくとも1つの接触点を有する。第2の接続領域は、典型的には、リボンケーブルの第1の接続領域と同じ面上に位置するが、必ずしもそうである必要はない。少なくとも1つの第2の接続領域は、少なくとも1つの電気伝導体トラックの接触点を有する。リボンケーブルの接続領域は、伝導体トラックを電気的に接触させる役割を果たすが、この目的のために、任意のカバーフィルム及び随意に遮断層又はキャリアフィルムは、存在しないか、又は少なくとも接触点において除去され、それによって、伝導体トラックはアクセス可能である。
【0039】
接続領域は、電気伝導性コーティング、例えば錫メッキなど、又は電気伝導性でない層、例えばはんだコーティングなどによって、腐食から保護されうることが理解される。この保護層は、通常、電気的接触の場合にのみ、除去されるか、焼かれるか、又はそうでなければ貫通され、それによって、電気的接触を可能にする。遮断のない接続領域は、作製の際にウィンドウ技術によって、又はその後の除去、例えばレーザーアブレーション若しくは機械的除去によって、作製されうる。ウィンドウ技術では、伝導体トラックは、接続領域において対応する凹部(ウィンドウ)を有するカバーフィルムを通して、キャリアフィルム上にコーティング、例えば接着又は積層される。代替的には、伝導体トラックは、両面に積層され、カバーフィルムは、接続領域において対応する凹部を有する。その後の除去の際に、対応する凹部を、伝導体トラックがキャリアフィルムに適用される場合、接続領域においてカバーフィルム内に導入しうる。積層リボンケーブルでは、接続領域における凹部を、カバーフィルム及び随意にキャリアフィルム内に導入しうる。しかしながら、第1の接続領域及び第2の接続領域においてリボンケーブルが、それぞれの場合において、カバーフィルム及び随意にキャリアフィルムの1つ又は複数の隙間を有することもありうる。各隙間は、ここで完全に伝導体トラック上に延在し、すなわち、それは伝導体トラック上に材料のない通路を形成する。
【0040】
接続領域は、それらのそれぞれの用途に応じて設計される。有利な実施形態では、接触点は、はんだ接触点として設計される。リボンケーブルの接続領域と、電気機能要素及び少なくとも1つの接続領域との間の、電線接続は、好ましくは、はんだ付け、結合、溶接、クランプ、圧着、又は差し込みによって実施される。はんだ付けの際、低融点はんだを用いる軟性はんだ付けが好ましい。代替的には、電気伝導性接続は、電気伝導性接着剤による接着剤接合、又はクランプによって、例えば金属クランプ、スリーブ、又は差し込み接続によって行われうる。積層ペインの内部では、電線接続を、電気伝導性領域の直接接触によって行ってもよく、この配置は、積層ペイン内に恒久的に積層され、それによって滑りに対して固定される。
【0041】
有利には、リボンケーブルは、第1又は第2の接続領域において、伝導体トラックに電気的に接続される、複数の個別の電極を有する、電極フィールドを提供される。これは、その特定の開ループ/閉ループ制御のための電気機能要素の簡単な電気的接触を可能にする。
【0042】
本発明による接続アセンブリの有利な実施形態において、リボンケーブルは、第2の接続領域において、リボンケーブルが接続ケーブルに着脱可能に又は固定的に接続される、1つ又は好ましくは複数の電気接続領域を有する。
【0043】
伝導体トラック、すなわち、電気伝導体トラック、及び/又は追加伝導体トラックは、第2の接続領域において、1つ又は複数の接続ケーブル、特には丸型ケーブルの、電気コアに電気的に接続される。特に好ましくは、伝導体トラック及びコアは、はんだ接続、圧着接続、クランプ接続、又は差し込み接続によって、互いに電気的に接続される。
【0044】
そして、接続ケーブルは、電気接続手段、例えばプラグ又はソケットなどを、接続領域から離れているそれらの末端部において有してよく、この接続手段によって、接続アセンブリは、車載電子システム又は他の制御かつ評価ユニットに接続可能となる。
【0045】
さらに有利な実施形態では、接続領域又は電気接続手段は、1つ又は複数の保護ハウジングによって取り囲まれうる。1つ又は複数の保護ハウジングは、特に接続アセンブリの作製の際に、接続領域又は接続手段の機械的安定性を高め、このようにして欠陥品の廃棄を減少させ、ひいてはコスト削減に相当する。少なくとも1つの保護ハウジングは、それが1つ又は複数の接続領域又は接続手段にわたって置かれるように、配置され、好ましくは、接続領域又は接続手段の外側形状が再現される。このようにして、接続領域又は接続手段の形状に適合しているハウジングを達成しうる。
【0046】
少なくとも1つの保護ハウジングは、接続領域又は接続手段を機械的に保護する役割を果たし、有利には、接続領域又は接続手段の任意の変形を、接続アセンブリの作製の際、特には積層ペインが真空下かつ高温で積層される場合に、それが打ち消すように、設計される。この場合、保護ハウジングは、対応する頑丈なプラスチック、例えば、ガラス繊維と組み合わせたポリイミド(PI)又はPA66からなりうる。特に有利には、少なくとも1つの保護ハウジングは、この目的のために、接続領域及び接続手段が作られる材料よりも硬い材料からなる。材料の硬度は、出願時又は優先日において用いられているような、公知の一般的な方法、例えばISO 14577にしたがって決定される。
【0047】
保護ハウジングは、例えば、射出成形又は3-D印刷法で、作製されうる。例えば、保護ハウジングを、1つ以上の接続領域に結合しうる。しかしながら、例えば射出成形によって、1つ以上の接続領域とともに一般的に作製することも、ありうる。
【0048】
本発明による接続アセンブリは、積層ペインの内部に配置されている電気機能要素を有する、積層ペインを有する。電気機能要素は、電気的機能を果たし、かつ外部制御電気システムによる開ループ/閉ループ制御を要求する、任意の電気的構造であってよく、それによって、複数の伝導体トラックを有するリボンケーブルの使用が、技術的に好都合である。
【0049】
好ましくは、電気機能要素は、冒頭で説明したように、有利には、大面積であり、電気伝導性であり、有利には透明な層(電気機能層)である。電気機能層、又は電気機能層を有するキャリアフィルムを、個別のペインの表面上に配置しうる。例えば、電気機能層は、一方及び/又は他方のペインの内側表面上に置かれる。代替的には、電気機能層を、中間層の2つの熱可塑性フィルムの間に埋め込みうる。そして、電気機能層は、好ましくはキャリアフィルム又はキャリアペインに適用される。キャリアフィルム又はキャリアペインは、好ましくはポリマー、特にはポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はそれらの組み合わせを含有する。
【0050】
電気機能層は、好ましくは、少なくとも1つのペインの表面上に配置され、ペインの表面を部分的に覆うか、又はこれと部分的に重なるが、好ましくは、大面積にわたる。「大面積にわたる」という表現は、ペインの表面の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、又は好ましくは少なくとも90%が、機能層によって覆われていることを意味する。しかしながら、機能層はまた、ペインの表面の比較的小さい部分にわたって延在しうる。機能層は、好ましくは可視光に対して透明である。有利な実施形態では、機能層は、2μm以下、特に好ましくは1μm以下の総厚を有する個別層、又は複数の個別層の層構造である。
【0051】
本発明の意味において、「透明」とは、グレージングユニットの全体的な透過率が、ウィンドシールド及びフロントサイドウィンドウに関する法的要件に準拠していることを意味し、好ましくは70%超、特に好ましくは75%超の、可視光に対する透過率を有する。リアサイドペイン及びリアペインに関して、「透明」はまた、10%~70%の光透過率を意味しうる。したがって、「不透明」とは、15%未満、好ましくは5%未満、特には0%の光透過率を意味する。
【0052】
例えば、電気機能層は、少なくとも1つの金属、好ましくは銀、ニッケル、クロム、ニオブ、スズ、チタン、銅、パラジウム、亜鉛、金、カドミウム、アルミニウム、ケイ素、タングステン、若しくはそれらの合金、及び/又は少なくとも1つの金属酸化物層、好ましくはスズドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO、SnO2:F)、又はアンチモンドープ酸化スズ(ATO、SnO2:Sb)を含む。透明電気伝導性層は、例えば、独国実用新案第20 2008 017 611号明細書、及び欧州特許第0 847 965号明細書で知られている。それらは、例えば金属性層、例えば銀層や銀含有金属合金層などからなる。典型的な銀層は、好ましくは、5nm~15nm、特に好ましくは8nm~12nmの厚さを有する。金属層は、金属酸化物タイプの誘電体材料の少なくとも2つの層の間に挟まれうる。金属酸化物は、好ましくは、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど、及びそれらの1つ又は複数の組み合わせを含む。誘電体材料はまた、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、及びそれらの1つ又は複数の組み合わせを含みうる。この層構造は、一般的には、真空法、例えば磁気援用カソードスパッタリングなどによって、又は化学気相堆積法(CVD)によって行われる、一連の堆積プロセスによって得られる。非常に微細な金属層、特にはチタン又はニオブを含有するものを、銀層の両面上に提供してもよい。下方金属層は、接着かつ結晶化層として機能する。上方金属層は、保護層及びゲッター層として機能し、それによって、さらなる工程の際の、銀内の変化を防止する。
【0053】
透明な電気機能層は、好ましくは0.1Ω/sq.~200Ω/sq.、特に好ましくは1Ω/sq.~50Ω/sq.、非常に特に好ましくは1Ω/sq.~10Ω/sq.のシート抵抗を有する。
【0054】
電気機能層は、好ましくは、積層ペインに加熱機能が提供される、電気的に加熱可能な層である。このような加熱可能な層は、それ自体当業者に知られている。それらは、典型的には、1つ以上の、例えば2つ、3つ、又は4つの、電気伝導性層を含む。そのような層は、好ましくは少なくとも1つの金属、例えば銀、金、銅、ニッケル、及び/若しくはクロム、又は金属合金など、を含むか、又はそれからなり、好ましくは少なくとも90重量パーセントの金属、特には少なくとも99.9重量パーセントの金属を含む。このようなコーティングは、特に有利な電気伝導性を示し、同時に可視スペクトル領域における高い透過率を示す。単層の厚さは、好ましくは5nm~50nm、より好ましくは8nm~25nmである。このような厚さでは、可視スペクトル領域において有利に高い透過率、及び特に有利な電気伝導性が達成される。
【0055】
電気機能要素は、同様に好ましくは、冒頭で説明したように、電気光学構成要素、例えばエレクトロクロミック(EC)素子、SPD素子、又はPDLC素子などでありうる。これらは当業者に対してそれ自体公知であり、したがって、それらがより詳細に説明される必要はない。電気機能層はまた、ポリマー性電気伝導性層、例えば、少なくとも1つの共役系ポリマー又は電気伝導性粒子を含むポリマーを含有するものなどでありうる。
【0056】
電気光学構成要素、例えばSPD又はPDLC素子などは、多層フィルムとして市販されており、活性層は、電圧を適用して活性層を制御する役割を果たす、2つの表面電極の間に配置されている。原則として、2つの表面電極は、典型的にはPETでできている、2つのキャリアフィルムの間に配置される。商業的に入手可能な多層フィルムはまた、ポリプロピレン又はポリエチレンでできている保護フィルムによって両面上で覆われており、これは、汚染又は引っかきからキャリアフィルムを保護する役割を果たす。積層ペインを作製する際、電気光学構成要素は、多層フィルムから所望のサイズ及び形状に切り取られ、中間層のフィルムの間に挿入され、これを用いて、2つのガラスペインが互いに積層されて積層ペインを形成する。典型的な用途として、例えば独国特許出願公開第102013001334号明細書、独国特許発明第102005049081号明細書、独国特許出願公開第102005007427号明細書、及び独国特許出願公開第102007027296号明細書などから公知の、電気制御可能なサンスクリーンを有するウィンドシールドが挙げられる。
【0057】
本発明による接続アセンブリにおいて、電気機能要素は、有利には、電流を供給されうる、少なくとも2つのバスバーに電気的に接続される。バスバーは、好ましくは、電気機能要素のエッジ領域内に配置される。バスバーの長さは、典型的には、電気機能要素の対応する側方エッジの長さと実質的に等しいが、多少比較的大きくても、又は比較的小さくてもよい。2つのバスバーが、好ましくは、機能要素の2つの対向する側方エッジに沿ってエッジ領域内に配置される。バスバーの幅は、好ましくは2mm~30mm、特に好ましくは4mm~20mmである。バスバーは、典型的には、それぞれストリップの形態で設計され、その寸法の比較的長い方を長さと称し、その寸法の比較的短い方を幅と称する。このようなバスバーは、例えば、印刷されかつ焼き付けられた伝導性構造として、設計される。印刷されたバスバーは、少なくとも1つの金属、好ましくは銀を含有する。電気伝導性は、好ましくは、バスバー中に含有される、金属粒子を介して、特に好ましくは銀粒子を介して、実現される。金属粒子は、有機及び/又は無機マトリックス中に、例えばペースト又はインク中などに、好ましくはガラスフリットを有する焼成スクリーン印刷ペースト中に、存在しうる。印刷されたバスバーの層厚は、好ましくは5μm~40μm、特に好ましくは8μm~20μm、非常に特に好ましくは10μm~15μmである。これらの厚さの印刷されたバスバーは、技術的に簡単に実現され、有利な通電容量を有する。しかしながら、代替的には、バスバーは、電気伝導性フィルムのストリップとしても設計されうる。そして、バスバーは、例えば、少なくともアルミニウム、銅、錫メッキ銅、金、銀、亜鉛、タングステン、及び/若しくは錫、又はそれらの合金を含有する。ストリップは、好ましくは10μm~500μm、特に好ましくは30μm~300μmの厚さを有する。このような厚さの電気伝導性フィルムでできているバスバーは、技術的に簡単に実現され、有利な通電容量を有する。ストリップは、例えばはんだ化合物を介して、電気伝導性接着剤を介して、又は直接配置されることによって、電気伝導性構造体に電気伝導的に接続されうる。
【0058】
本発明による接続アセンブリの積層ペインは、第1のペイン及び第2のペインを有し、これらは、好ましくはガラスでできており、特に好ましくは、窓ガラスに慣用されているように、ソーダ石灰ガラスでできている。しかしながら、ペインは、他の種類のガラス、例えば石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、若しくはアルミノケイ酸ガラスなどから、又は硬質透明プラスチック、例えばポリカーボネート若しくはポリメチルメタクリレートなどからも製造されうる。ペインは透明であってよく、又は着色若しくは色づけされていてもよい。積層ペインがウィンドシールドとして用いられる場合、それは、中央視野領域において十分な光透過率を有する必要がある-好ましくは、ECE-R43による主要視野Aにおいて少なくとも70%である。第1のペイン及び第2のペインを、外側ペイン及び内側ペインとも称してよい。
【0059】
第1のペイン、第2のペイン、及び/又は中間層は、さらに、それ自体公知の適切なコーティング、例えば、反射防止コーティング、非粘着コーティング、引っかき防止コーティング、光触媒コーティング、又は日焼け防止コーティング、又はLow-Eコーティングなどを有しうる。
【0060】
第1のペイン及び第2のペインの厚さは、種々の値であってよく、このようにして、個別の場合の要件に適合しうる。第1のペイン及び第2のペインは、有利には0.7mm~25mm、好ましくは乗り物ガラス用に1.4mm~2.5mm、好ましくは家具、装置、及び建物、特には電気ヒーター用に4mm~25mmの、標準的な厚さを有する。ペインの大きさは、種々の値であってよく、本発明による用途の大きさに依存する。第1及び第2のペインは、例えば乗り物構造及び建築分野などにおいて、通常であるように、200cm~20mの表面を有する。
【0061】
本発明のさらなる態様は、本発明による接続アセンブリを作製するための方法に関し、以下の工程を含む:
(a)電気伝導体トラック及び追加電気伝導体トラックを有する、本発明によるリボンケーブルを提供することであって、リボンケーブルは、第1の末端部に第1の接続領域を有し、第2の末端部に第2の接続領域を有すること、
(b)第1の接続領域内のリボンケーブルの電気伝導性トラックを、電気機能要素に電気伝導的に接続すること、
(c)第1の接続領域が、2つのペインの間に位置し、かつ第2の接続領域が、2つのペインの間から外に導かれるように、リボンケーブルを2つのペインの間に配置すること、
(d)工程(a)、(b)、及び(c)の後に、熱可塑性中間層を介して2つのペインを積層すること。
【0062】
工程(a)、(b)及び(c)は、任意の順序で実行されうる。
【0063】
本発明による方法の一実施形態によれば、電気接続領域、好ましくははんだ接続、圧着接続、クランプ接続、又はプラグ接続による電気接続領域が、リボンケーブルの第2の接続領域と、接続ケーブルとの間、特には丸型ケーブルとの間に、2つのペインの積層前又は積層後に形成される。
【0064】
2つの個別のペインは、積層プロセスの際に、好ましくは熱、真空及び/又は圧力の影響下で、接続される。積層ペインを作製する、それ自体公知の方法を用いうる。例えば、いわゆるオートクレーブ法は、約10bar~15barの昇圧で、かつ130℃~145℃の温度で、約2時間にわたって、実行されうる。それ自体公知の、真空バッグ法又は真空リング法は、例えば、約200mbarで、かつ80℃~110℃で働く。第1のペイン、熱可塑性中間層、及び第2のペインは、少なくとも1対のローラーの間のカレンダー内でプレスされて、ペインを形成してもよい。この種のシステムは、ペインを作製することに関して知られており、通常、プレスユニットの上流に少なくとも1つの加熱トンネルを有する。プレスの際の温度は、例えば40℃~150℃である。カレンダー法及びオートクレーブ法の組み合わせは、実際に特に成功している。代替として、真空ラミネーターを用いうる。これらは、1つ以上の加熱可能かつ排気可能なチャンバーからなり、第1のペイン及び第2のペインが、例えば約60分以内で、0.01mbar~800mbarの減圧下で、かつ80℃~170℃の温度で、積層される。
【0065】
本発明のさらなる態様は、本発明によるリボンケーブル又は本発明による接続アセンブリの破断検出方法に関し、以下の通りである:
(a)本発明によるリボンケーブル又は本発明による接続アセンブリが提供され、
(b)オーミック基準抵抗値RRefは、好ましくは損傷していない、追加伝導体トラックの末端部間で、測定又は計算され、
(c)オーミック抵抗値RMessは、追加伝導体トラックの末端部間で、測定され、抵抗値RMessが、基準抵抗値RRefと比較される。
【0066】
本発明による方法の有利な実施形態では、測定されたオーミック抵抗RMessが、5%超、好ましくは10%超、特に好ましくは50%超で、オーミック基準抵抗値RRefから逸脱している場合、リボンケーブルは欠陥品とみなされる。特に、測定されたオーミック抵抗値RMessが、5%超、好ましくは10%超、特に好ましくは50%超で、オーミック基準抵抗値RRefより高い場合、リボンケーブルは欠陥品とみなされる。
【0067】
オーミック基準抵抗値RRefは、当業者であれば容易に計算又は測定されうる。追加伝導体トラックが損傷している場合、典型的には、基準抵抗値RRefよりも高い、測定されたオーミック抵抗RMessが生じる。その結果、リボンケーブルの欠陥、特には伝導体トラックの破断を推定しうる。比較的低い抵抗値を有する、測定されたオーミック抵抗値RMessは、リボンケーブル内の短絡を示しうる。
【0068】
本発明による方法の有利な実施形態において、工程(c)は、リボンケーブルが接続アセンブリ内に配置される前かつ/又は後に実行される。
【0069】
本発明による方法のさらに有利な実施形態において、工程(c)は、好ましくはリボンケーブルが接続アセンブリ内に配置される前かつ/又は後に、繰り返し実行される。
【0070】
本発明のさらなる態様は、本発明によるリボンケーブル又は本発明による接続アセンブリの、建物グレージング又は乗り物グレージングとして、好ましくは乗り物グレージングとして、特には自動車のウィンドシールド又はルーフパネルとしての使用に関する。
【0071】
本発明の様々な実施形態は、個別的に又は任意の組み合わせで実施されうる。特に、上述し、以下に説明する特徴は、特定の組み合わせだけでなく、他の組み合わせ又は単独でも、本発明の範囲から逸脱することなく、用いられうる。
【0072】
以下、本発明を、例示的な実施形態を参照してより詳細に説明するが、その際、添付の図を参照されたい。同一の要素であり、又は同一の効果を有する要素には、同一の参照符号が付されている。下記の図は、簡略化された、縮尺通りではない表現である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1図1Aは、本発明によるリボンケーブルの第1の接続領域の概略図であり、図1Bは、図1Aによる本発明によるリボンケーブルの断面線A-A’に沿った概略断面図である。
【0074】
図2図2は、欠陥のある図1Aによるリボンケーブルの概略図である。
【0075】
図3図3Aは、本発明による接続アセンブリの積層ペインの概略平面図であり、図3Bは、図3Aの接続アセンブリの詳細図であり、図3Cは、図3Aの接続アセンブリの積層ペインの側面の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
最初に図1A図1B及び図2が参照され、参照数字11によって全体的に示されるリボンケーブルが概略的に例示されている。
【0077】
図1Aは、本発明によるリボンケーブル11の第1の接続領域6を概略的に示している。第1の接続領域6は、リボンケーブル11の第1の末端部5に位置する。
【0078】
図1Bは、図1Aによる本発明によるリボンケーブル11の断面線A-A’に沿った概略断面図を示す。
【0079】
例えば、10本の電気伝導体トラック12が、ポリマーキャリアフィルム24上に配置され、例えばキャリアフィルム24に、結合されている。電気伝導体トラック12は、それぞれ端子電極15内に開口している。さらに、追加伝導体トラック13が、キャリアフィルム24上に、実質的にU字形様式で、第1の接続領域6の周囲で、キャリアフィルム24のエッジ領域内で導かれている。追加伝導体トラック13は、例えば、キャリアフィルム24に接着されている。追加伝導体トラック13からキャリアフィルム24のエッジまでの距離は、例えば3mmである。
【0080】
電気伝導体トラック12及び追加伝導体トラック13は、例えば、薄い銅、銀、錫、又は金のフィルムからなる。フィルムはさらに、例えば銀メッキ、金メッキ、又は錫メッキなどでコーティングされうる。フィルムの厚さは、例えば、35μm、50μm、75μm、又は100μmである。
【0081】
キャリアフィルム24、電気伝導体トラック12、及び追加伝導体トラック13は、カバーフィルム25.1で覆われ、好ましくはこれに接着される。このようにして、リボンケーブル11が作製され、これは、埋め込み伝導体トラック12、13を有し、これらは、外側で電気的に遮断(絶縁)される。カバーフィルム25.1又はキャリアフィルム24は、典型的には、端子電極15の領域において除外され、それによって、リボンケーブル11が、そこで電気的に接触されうる。遮断フィルム25.2のさらなる一部は、個別の伝導体トラック12、13の間に、かつ追加伝導体トラック13とキャリアフィルム24のエッジとの間に、配置されうる。
【0082】
キャリアフィルム24の材料として、ポリイミドでできているフィルム、好ましくは、黒色又は黄色のポリイミドでできているフィルム(例えば、PI-MTB/MBC)、例えば、25μm又は50μmの厚さを有するもの、が特に適している。代替的には、PENでできているポリマーフィルム、好ましくは白色、黒色又は透明のPENでできているポリマーフィルム、例えば25μmの厚さを有するものを、用いうる。
【0083】
カバーフィルム25.1の材料として、また場合によっては、遮断フィルム25.2として、ポリイミドでできているフィルム、好ましくは、黒色又は黄色のポリイミドでできているフィルム(例えば、PI-MTB/MBC)、例えば、25μm又は50μmの厚さを有するもの、が特に適している。代替的には、PENでできているポリマーフィルム、好ましくは白色のPENでできているポリマーフィルム、例えば25μmの厚さを有するものを、用いうる。
【0084】
キャリアフィルム24、カバーフィルム25.1、遮断フィルム25.2、電気伝導体トラック12、及び/又は追加伝導体トラック13の間の接着剤層は、例えば、エポキシ接着剤又は熱可塑性接着剤を含んでよく、又はそれらからなってよい。接着剤フィルムの典型的な厚さは、25μm~35μmである。接着剤は、透明であってよく、又は着色されてよく、例えば黒色でありうる。
【0085】
補助線13のオーミック抵抗Rを、例えば第2の接続領域8内の接続部を介して、測定することによって、リボンケーブル11及びその中に含まれる電気伝導体トラック12の損傷を決定しうる。測定を、点状又は連続様式で行いうる。損傷のない追加トラック12のオーミック抵抗Rを測定すると、典型的には数ミリオーム(mΩ)の低い基準抵抗値RRefがもたらされる。
【0086】
図2は、破断領域Z内に欠陥がある、図1Aによるリボンケーブル11を概略的に示している。破断領域Zでは、図中左側に配置されている2つの電気伝導体トラック12、及び追加伝導体線路13が、損傷し、途切れている。このとき、追加伝導体トラック13の測定されたオーミック抵抗値RMessは、非常に高く、典型的にはキロオーム(kohm)又はメガオーム(Mohm)の範囲にある。
【0087】
このような損傷は、多くの場合、リボンケーブル11の過度の負荷から生じ、例えば、積層ペイン内への積層後、かつペインエッジの周囲でのリボンケーブル11の曲げ後などに生じる。
【0088】
さらに、図3A図3B及び図3Cを参照すると、参照数字1で全体的に示される接続アセンブリが、概略的に例示されている。
【0089】
図3Aは、参照数字2で全体的に指定される積層ペインを通る図を示す。
【0090】
図3Bは、本発明によるリボンケーブル11が積層ペイン2の側面2.1から導出される領域における、平面図における積層ペイン2の詳細を示す。
【0091】
図3Cは、積層ペイン2の側面2.1の詳細図における、図3Aの接続アセンブリ1の詳細を示す。
【0092】
接続アセンブリ1は、この場合、例えば自動車のルーフパネルとして設計される、積層ペイン2を有する。図3Cに模式的に示すように、積層ペイン2は、外側ペインとして機能する第1のペイン3、及び内側ペインとして機能する第2のペイン4を含む。この場合、内側ペインは、乗り物内部に向けられたペインである一方で、外側ペインは、乗り物周囲の方を向いている。乗り物周囲に面している外側ペイン(第1のペイン3)の表面は、乗り物グレージング技術において常として、表面Iと称され、乗り物内部に面している内側ペイン(第2ペイン4)の表面は、表面IVと称される。2つのペイン3,4は、例えばソーダ石灰ガラスからなる。2つのペイン3、4は、例えばポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、又はポリウレタン(PU)などでできている、2つの熱可塑性中間層9によって互いに固定的に接続されている。
【0093】
積層ペイン2に、電気機能要素10が提供され、これは、2つのペイン3、4の間に位置し、同様に単に概略的に示されている。電気機能要素10は、例えば、PDLC機能要素であってよく、例えば、電気制御可能なサンスクリーン又はプライバシースクリーンなどとして、機能するPDLC機能要素であってよい。PDLC素子は、市販のPDLC多層フィルムによって形成され、これは中間層9内に埋め込まれる。この目的のために、中間層9は、例えば、合計3枚の熱可塑性フィルム(図示せず)を有し、例えば、PVB製の厚さ0.38mmであるものを有し、第1の熱可塑性フィルムは、第1のペイン3に接続され、第2の熱可塑性フィルムは、第2のペイン4に接続され、中間の熱可塑性フレームフィルムは、切り込みを有し、この中に、大きさに合わせてカットされた機能要素10が正確に挿入される。このようにして、第3の熱可塑性プラスチックフィルムは、いわば機能要素10のためのマウントの一種を形成し、したがって、機能要素10は、熱可塑性プラスチック材料によって封入され、これによって保護される。この積層ペイン2内へのPDLC素子の埋め込みは、当業者にはよく知られているので、正確な説明は不要である。当業者にさらに知られているように、PDLC素子は、一般的には、活性層を、2つの平坦な電極の間かつ2つのキャリアフィルムとの間に含む。活性層は、ポリマーマトリックスを含有し、これは、その中に分散され、かつ平面電極に適用される電気電圧Sの関数として整列する、液晶を含み、それによって光学特性を制御しうる。
【0094】
機能要素10は、ここで、例えば、遮断線によって9つのセグメント10.1に細分化されている。セグメント10.1は、ストリップのように設計されている。セグメント10.1間の遮断線は、例えば、40μm(マイクロメートル)~50μmの幅を有する。これらは、例えば、レーザーによって既製多層フィルム内に導入されうる。
【0095】
遮断線は、特に機能要素10の平坦電極を、互いに遮断されているストリップに分離し、それぞれが分離した電気接続を有する。このようにして、セグメント10.1は、互いに独立して切り替え可能である。
【0096】
セグメント10.1のそれぞれの平坦電極は、それぞれ個別的に、一方の側ではバスバー28の一部(図1の左側に示す)を介して接触し、反対側では共通のバスバー28(図1の右側に示す)を介して接触する。したがって、例えば、10個の独立した電線接続が、ここでは、必要とされ、それによって、新しいセグメント10.1のそれぞれの個別のバスバー部分、及び1つの共通バスバー28に、電圧を適用する。
【0097】
積層ペイン1はさらに、リボンケーブル11を有する。機能要素10のセグメント10.1のバスバー28は、それぞれの場合、例えば、電気伝導性ワイヤ27を介してリボンケーブル11に電気伝導的に接続される。信頼性の高い電気伝導性接続は、好ましくは、ここでは、接続をはんだ付けすることによって達成される。
【0098】
機能要素2は、PDLC機能要素であり、これは、制御可能なサンスクリーン又はプライバシースクリーンとして機能する。運転者又は他の乗り物の乗員は、PDLC機能要素を、例えばタッチ制御要素などを介して、太陽の位置に応じて操作しうる。
【0099】
共通の対向極を有する、9つの独立したセグメント10.1を制御するために、リボンケーブル11は、例えば、10個の電気的に遮断された電気伝導体トラック12を有する。
【0100】
リボンケーブル11は、実際の使用のそれぞれの条件に適合されうるし、例えば、2面、3面、又は4面にわたって、延在しうることが理解される。代替的には、又は組み合わせにおいて、比較的多い又は比較的少ない、平面ごとの伝導体トラックを、互いに隣接して配置しうる。
【0101】
図3Bのような概略的な実現形態に例示されるように、リボンケーブル11は、積層ペイン2内に部分的に積層され、2つのペイン3、4の間から積層ペイン2の外に導かれる。図3Bでは、リボンケーブル11は、第2のペイン4の側面2.1の周りに導かれ、第2のペイン4の表面IV上に配置される。この目的のために、第2のペイン4は、凹部を、例えば、出口領域における接地領域(ここでは図示せず)などを介して、有しうる。
【0102】
リボンケーブル11は、第1の接続領域6及び第2の接続領域8を有し、リボンケーブル11の延長方向に沿って、第1の接続領域6は、リボンケーブル11の第1の末端部5に位置し、第2の接続領域8は、リボンケーブル11の第2の末端部7に位置する。第1の接続領域6において、リボンケーブル11は、機能要素10を電気的に(例えば、ガルバニック的に)接触させるための、10個の端子電極15を有する電極フィールドを有する。
【0103】
リボンケーブル11は、その第2の末端部7において第2の接続領域8を有する。これは、接続要素14を介して丸型ケーブル26に、例えば、個別の伝導体トラック12及び追加導体トラック13の両末端部が、それぞれ丸型ケーブル26の個別のコアと電気的に接触するように、接続される。接続要素14から離れている丸型ケーブル26の末端部において、例えば、接続要素17、例えばプラグ又はソケットなどを、例えば車載電子機器システムなどとの、さらなる電気接続のために配置しうる。
【0104】
接続要素14及び/又は接続要素17は、例えば、保護ハウジング19内に配置されてよく、これは、積層プロセスの際の機械的損傷から、接続要素17及び/又は接続要素17を保護する。
【符号の説明】
【0105】
1 接続アセンブリ
2 積層ペイン
2.1 側面又は出口面
3 第1のペイン
4 第2のペイン
5 第1の端部
6 第1の接続領域
7 第2の端部
8 第2の接続領域
9 中間層
10 電気機能素子
10.1 セグメント
11 リボンケーブル
12 伝導体トラック
13 追加伝導体トラック
14 接続領域
15 端子電極
17 ソケット又はプラグ
19 保護ハウジング
24 キャリアフィルム
25.1 カバーフィルム
25.2 遮断フィルム
26 丸型ケーブル
27 伝導体ワイヤ
28 バスバー
29 出口点
bF リボンケーブル11の(最大)幅
bL 伝導体トラック12の(最大)幅
dF リボンケーブル11の(最大)厚さ
dL 伝導体トラック12の(最大)厚さ
E1 平面1
A-A‘ 切断線
Z 破損領域
I,IV 表面
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
接続要素14及び/又は接続要素17は、例えば、保護ハウジング19内に配置されてよく、これは、積層プロセスの際の機械的損傷から、接続要素17及び/又は接続要素17を保護する。
本開示は、下記の態様を含む。
<態様1>
リボンケーブル(11)であって、破断検出用の追加伝導体トラック(13)を有し:
少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの電気伝導体トラック(12)を有する、キャリアフィルム(24)であって、前記キャリアフィルム(24)が、第1の末端部(5)に第1の接続領域(6)を有し、第2の末端部(7)に第2の接続領域(8)を有し、前記第1の接続領域(6)が、積層ペイン(2)の2つのペイン(3、4)の間に配置されてよく、前記第2の接続領域(8)が、前記2つのペイン(3、4)の間から前記積層ペイン(2)の外に導かれてよく、前記電気伝導体トラック(12)が、前記第1の接続領域(6)の電気機能素子(10)に電気的に接触してよい、キャリアフィルム(24)を有し、
ここで、前記キャリアフィルム(24)が、ループ状に設計された追加伝導体トラック(13)を有し、それによって、前記追加伝導体トラック(13)の2つの末端部間のオーミック抵抗を測定できるようになっている、
リボンケーブル(11)。
<態様2>
前記追加伝導体トラック(13)が、前記キャリアフィルム(24)のエッジ領域内に配置されている、態様1に記載のリボンケーブル(11)。
<態様3>
前記追加伝導体トラック(13)が、実質的にU字形様式で、前記第1の接続領域(6)の周囲に延在している、態様1又は2に記載のリボンケーブル(11)。
<態様4>
少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)及び前記追加伝導体トラック(13)が、1つの平面(E1)において互いに隣接して、又は少なくとも2つの、好ましくは正確に2つ又は正確に3つ又は正確に4つの、平面(E1,E2)において重なり合って、配置されている、態様1~3のいずれかに記載のリボンケーブル(11)。
<態様5>
少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)が、電気遮断性キャリアフィルム(24)の第1の表面上に配置され、少なくとも1つのさらなる電気伝導体トラックが、前記キャリアフィルム(24)の第2の表面上に配置されている、態様1~4のいずれかに記載のリボンケーブル(11)。
<態様6>
前記少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)および前記追加伝導体トラック(13)が、前記キャリアフィルム(24)の前記第1の表面又は前記第2の表面に、好ましくは接着剤表面を介して、固定的に接続されている、態様1~5のいずれかに記載のリボンケーブル(11)。
<態様7>
接続アセンブリ(1)であって:
- 熱可塑性中間層(9)を介して互いに面状に接続されている、第1のペイン(3)及び第2のペイン(4)から形成される、積層ペイン(2)、
- 前記2つのペイン(3、4)の間に配置されている、電気機能素子(10)、
- 態様1~6のいずれかに記載のリボンケーブル(11)であって、前記第1の接続領域(6)が、前記2つのペイン(3、4)の間に配置され、前記第2の接続領域(8)が、前記2つのペイン(3、4)の間で前記積層ペイン(2)の外に導かれ、前記少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)が、前記第1の接続領域(6)内の前記電気機能素子(10)に電気的に接触している、リボンケーブル(11)、
を有する、接続アセンブリ(1)。
<態様8>
破断を検出する方法であって
(a)態様1~6のいずれかに記載のリボンケーブル(11)、又は態様7に記載の接続アセンブリ(1)が提供され、
(b) オーミック基準抵抗値R Ref が、損傷していない追加伝導体トラック(13)の末端部間で、測定又は計算され、
(c) 前記追加伝導体トラック(13)の末端部間のオーミック抵抗が、測定され、前記測定された抵抗値R Mess が、前記基準抵抗値R Ref と比較される、
方法。
<態様9>
前記リボンケーブル(11)は、前記測定されたオーミック抵抗値R Mess が、前記オーミック基準抵抗値R Ref から、逸脱し、特には5%超、好ましくは10%超、特に好ましくは50%超で増大した場合に、欠陥品とみなされる、態様8に記載の方法。
<態様10>
前記工程(c)が、前記リボンケーブル(11)が接続アセンブリ(1)内に配置される前かつ/又は後に実行される、態様8又は態様9に記載の方法。
<態様11>
前記工程(c)が、繰り返し実施され、好ましくは前記リボンケーブル(11)が接続アセンブリ(1)内に配置される前かつ/又は後に繰り返し実施される、態様8~10のいずれかに記載の方法。
<態様12>
態様1~6のいずれかに記載の発明によるリボンケーブル(11)又は態様7に記載の発明による接続アセンブリ(1)の使用であって、建物グレージング又は乗り物グレージング、特には自動車のウィンドシールド、サイドパネル、リアウインドシールド、又はルーフパネルとしての使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボンケーブル(11)であって、破断検出用の追加伝導体トラック(13)を有し:
少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの電気伝導体トラック(12)を有する、キャリアフィルム(24)であって、前記キャリアフィルム(24)が、第1の末端部(5)に第1の接続領域(6)を有し、第2の末端部(7)に第2の接続領域(8)を有し、前記第1の接続領域(6)が、積層ペイン(2)の2つのペイン(3、4)の間に配置されてよく、前記第2の接続領域(8)が、前記2つのペイン(3、4)の間から前記積層ペイン(2)の外に導かれてよく、前記電気伝導体トラック(12)が、前記第1の接続領域(6)の電気機能素子(10)に電気的に接触してよい、キャリアフィルム(24)を有し、
ここで、前記キャリアフィルム(24)が、ループ状に設計された追加伝導体トラック(13)を有し、それによって、前記追加伝導体トラック(13)の2つの末端部間のオーミック抵抗を測定できるようになっている、
リボンケーブル(11)。
【請求項2】
前記追加伝導体トラック(13)が、前記キャリアフィルム(24)のエッジ領域内に配置されている、請求項1に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項3】
前記追加伝導体トラック(13)が、実質的にU字形様式で、前記第1の接続領域(6)の周囲に延在している、請求項1又は2に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項4】
少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)及び前記追加伝導体トラック(13)が、1つの平面(E1)において互いに隣接して、又は少なくとも2つの、好ましくは正確に2つ又は正確に3つ又は正確に4つの、平面(E1,E2)において重なり合って、配置されている、請求項1又は2に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項5】
少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)が、電気遮断性キャリアフィルム(24)の第1の表面上に配置され、少なくとも1つのさらなる電気伝導体トラックが、前記キャリアフィルム(24)の第2の表面上に配置されている、請求項1又は2に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)および前記追加伝導体トラック(13)が、前記キャリアフィルム(24)の前記第1の表面又は前記第2の表面に、好ましくは接着剤表面を介して、固定的に接続されている、請求項1又は2に記載のリボンケーブル(11)。
【請求項7】
接続アセンブリ(1)であって:
- 熱可塑性中間層(9)を介して互いに面状に接続されている、第1のペイン(3)及び第2のペイン(4)から形成される、積層ペイン(2)、
- 前記2つのペイン(3、4)の間に配置されている、電気機能素子(10)、
- 請求項1に記載のリボンケーブル(11)であって、前記第1の接続領域(6)が、前記2つのペイン(3、4)の間に配置され、前記第2の接続領域(8)が、前記2つのペイン(3、4)の間で前記積層ペイン(2)の外に導かれ、前記少なくとも1つの電気伝導体トラック(12)が、前記第1の接続領域(6)内の前記電気機能素子(10)に電気的に接触している、リボンケーブル(11)、
を有する、接続アセンブリ(1)。
【請求項8】
破断を検出する方法であって
(a)請求項1又は2に記載のリボンケーブル(11)、又は請求項7に記載の接続アセンブリ(1)が提供され、
(b) オーミック基準抵抗値RRefが、損傷していない追加伝導体トラック(13)の末端部間で、測定又は計算され、
(c) 前記追加伝導体トラック(13)の末端部間のオーミック抵抗が、測定され、前記測定された抵抗値RMessが、前記基準抵抗値RRefと比較される、
方法。
【請求項9】
前記リボンケーブル(11)は、前記測定されたオーミック抵抗値RMessが、前記オーミック基準抵抗値RRefから、逸脱し、特には5%超、好ましくは10%超、特に好ましくは50%超で増大した場合に、欠陥品とみなされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(c)が、前記リボンケーブル(11)が接続アセンブリ(1)内に配置される前かつ/又は後に実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記工程(c)が、繰り返し実施され、好ましくは前記リボンケーブル(11)が接続アセンブリ(1)内に配置される前かつ/又は後に繰り返し実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の発明によるリボンケーブル(11)又は請求項7に記載の発明による接続アセンブリ(1)の使用であって、建物グレージング又は乗り物グレージング、特には自動車のウィンドシールド、サイドパネル、リアウインドシールド、又はルーフパネルとしての使用。
【国際調査報告】