(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】網膜撮像
(51)【国際特許分類】
A61B 3/14 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61B3/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519424
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2022079242
(87)【国際公開番号】W WO2023078689
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521548733
【氏名又は名称】アーエムエス インターナショナル アーゲー
【氏名又は名称原語表記】AMS INTERNATIONAL AG
【住所又は居所原語表記】Eichwiesstrasse 18b, Jona, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザゴラ フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】パパドプーロス イオアニス
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AB07
4C316AB08
4C316AB16
4C316FA19
4C316FB21
4C316FB24
4C316FC04
(57)【要約】
眼(3)の網膜(8)を撮像する方法が、眼(3)の位置を決定することと、眼(3)の網膜(8)上の点(7)から反射または出射される光を測定することと、眼(3)の位置に基づいて網膜(8)上の点(7)の位置を決定することとを含む。本方法は、経時的に決定および測定するステップを繰り返して網膜(8)上の異なる位置の点から反射された光の複数の測定結果を提供することと、測定結果を組み合わせて網膜(8)の画像(15)を形成することと、をさらに含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼(3)の網膜(8)を撮像する方法であって、前記方法は、
前記眼(3)の位置を決定することと、
前記眼(3)の前記網膜(8)上の点(7)から反射または出射される光を測定することと、
前記眼(3)の前記位置に基づいて前記網膜(8)上の前記点(7)の位置を決定することと、
経時的に前記決定および測定するステップを繰り返して前記網膜(8)上の異なる位置の点から反射された光の複数の測定結果を提供することと、
前記測定結果を組み合わせて前記網膜(8)の画像(15)を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記位置を決定するステップは、眼球追跡ユニット(5)を使用することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定するステップは、
前記眼の前記網膜を照明することと、
前記網膜(8)上の前記点(7)から反射された光を検出器(4)に集束することと、
前記検出器(4)で集束された前記光を受光することと、を含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記照明するステップは、エミッタを用いて光を出射することと、出射された前記光を光学素子を用いて前記眼に向けることとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出器(4)は、フォトダイオードを備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記測定するステップは、強度、位相、自己蛍光、および偏光のうちの1つまたは複数を決定することを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記測定するステップは、自己混合干渉法(SMI:self-mixing interferometry)を含み、前記自己混合干渉法では、前記光はエミッタ(2)によって出射され、前記反射された光は同じ前記エミッタ(2)によって受光され、前記エミッタ(2)からの出力または前記エミッタ(2)への入力は、前記反射された光の位相および/または振幅を決定するために測定される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記エミッタ(2)によって出射された光の一部が検出器(4)に向けられる、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記位置を決定するステップと、前記反射された光を測定するステップとは、60Hz超の繰り返し率で繰り返される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ヘッドマウントデバイス(10)への組み込みに適した、眼(3)の網膜(8)を撮像するための光学デバイス(1)であって、前記光学デバイス(1)は、
眼(3)の位置を決定するように構成された眼球追跡ユニット(5)と、
前記眼(3)の網膜(8)上の点(7)から反射または出射される光を測定するように構成された測定ユニットと、
前記眼(3)の前記位置に基づいて前記網膜(8)上の前記点(7)の位置を決定するように構成された処理ユニットと、
反射された光の複数の測定結果を組み合わせて前記網膜の画像(15)を形成するように構成された撮像ユニットと、を備える、
光学デバイス(1)。
【請求項11】
前記測定ユニットは、
前記眼(3)の前記網膜を照明するためのエミッタ(2)と、
前記網膜(8)上の前記点(7)から反射された前記光を受光するための検出器(4)と、を備える、
請求項10に記載の光学デバイス(1)。
【請求項12】
前記エミッタ(2)は、発光ダイオード(LED:light emitting diode)またはレーザーダイオードを備える、
請求項11に記載の光学デバイス(1)。
【請求項13】
前記エミッタ(2)は、800nm~1400nmの範囲の波長を有する光を出射するように構成された垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser)を備える、
請求項11に記載の光学デバイス(1)。
【請求項14】
前記測定ユニットは、前記エミッタ(2)からの光を前記眼(3)に向けるための光学素子(6)をさらに備える、
請求項11~13のいずれか一項に記載の光学デバイス(1)。
【請求項15】
前記検出器(4)は、フォトダイオードに入射する光の強度を測定するためのフォトダイオードを備える、
請求項10~14のいずれか一項に記載の光学デバイス(1)。
【請求項16】
請求項10~15のいずれか一項に記載の光学デバイス(1)を1つまたは2つ備える、ヘッドマウントデバイス(10)。
【請求項17】
前記光学デバイス(1)または各光学デバイス(1)は、前記ヘッドマウントデバイス(10)のステム(12)に組み込まれており、前記光学素子(6)は、可視スペクトルの光を実質的に透過する一方、前記エミッタ(2)の光と実質的に等しい波長を有する光を少なくとも反射するように構成されている、
請求項16に記載のヘッドマウントデバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、網膜撮像に関し、特に、経時的な眼の自然な回転を使用する点ベースの撮像に関する。
【背景技術】
【0002】
網膜撮像(ユーザの網膜構造の画像の取得)は、生体認証、デジタルバイオマーカーなどの複数の用途で使用することができる。様々な網膜撮像の方法が存在するものの、新規の改良された方法を継続的に開発する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、眼の網膜を撮像する方法が提供される。本方法は、眼の位置(典型的には、眼の回転位置であるが、用途に応じて直線的な位置/変位であってもよい)を決定することと、眼の網膜上の点から反射または出射される光を測定することと、眼の位置に基づいて網膜上の点の位置を決定することとを含む。本方法は、上記決定および測定のステップを経時的に繰り返して網膜上の異なる位置の点から反射された光の複数の測定結果を提供することと、これらの測定結果を組み合わせて網膜の画像を形成することとをさらに含む。
【0004】
本開示の実施形態では、低電力光源と感知機構(例えばフォトダイオード)とからなる単一データ点感知モジュールと、網膜画像を取得・構築するための機能的な高速眼球追跡ユニットとを組み合わせて統合して連続測定用の頭部装着型デバイスとすることができる。
【0005】
位置を決定するステップは、眼球追跡ユニットを使用することを含んでよい。任意の適切な眼球追跡ユニットが使用されうるが、高精度および高い繰り返し率(例えば、60Hz超の繰り返し率)が、開示された方法に有利である。眼球追跡および網膜撮像のための別個のユニットを使用することによって、システムを簡素化できる。眼球追跡は、典型的には、網膜撮像以外の他の目的にも使用される。
【0006】
測定するステップは、眼の網膜を照明するステップと、網膜上の点から反射された光を検出器に集束するステップと、検出器で集束された光を受光するステップとを含んでよい。検出器は、典型的には、フォトダイオードを含む。有利なことに、検出器は、網膜上の点からの反射のみが任意の一時点において測定されるため、撮像検出器である必要がない。したがって、開示された解決策では、単一のフォトダイオードのみを使用して網膜を撮像することができる。眼を他の方法で、例えば、環境光を使用して、照明してもよい。一実施形態では、光は、エミッタから出射され、眼に向けてコリメートされる。眼の角膜は、光を網膜上の点に集束させる。
【0007】
測定は、強度、位相(または光路長)、自己蛍光、および偏光のうちの1つまたは複数を決定することを含んでよい。これらの特性のうちの任意の1つまたは複数を使用して、網膜の様々な画像を構築してよい。
【0008】
眼からの反射を測定することに加えて、蛍光を使用して、眼から直接出射された光を測定してよい。
【0009】
測定するステップは、典型的には、眼から発せられた/反射された光を1つ以上のフォトダイオード上に向けるために光学素子を使用することを含む。特定の実施形態では、測定するステップは、自己混合干渉法(SMI:self-mixing interferometry)を含んでよく、自己混合干渉法では、光がエミッタによって出射され、反射された光が同じエミッタによって受光され、エミッタからの出力またはエミッタへの入力が測定されて、反射された光の位相および/または振幅が決定される。エミッタによって出射された光の一部を、フォトダイオードなどの検出器に向けることができ、エミッタの出力を測定し、それによって網膜からの反射された光を検出することができる。
【0010】
位置を決定し、反射された光を測定するステップは、60Hz超の繰り返し率で繰り返されうる。繰り返し率が大きいほど、所与の期間にわたって測定され、画像に追加され得る網膜上の点の数が多くなる。
【0011】
本開示の第2の態様によれば、ヘッドマウントデバイス(例えば、ARグラス)への組み込みに適した、眼の網膜を撮像するための光学デバイスが提供される。本光学デバイスは、眼の位置を決定するように構成された眼球追跡ユニット(典型的には、眼球追跡ユニットは、眼の回転位置を決定するように構成されている)と、眼の網膜上の点から反射または出射された光を測定するように構成された測定ユニットとを備える。本光学デバイスは、眼の位置に基づいて網膜上の点の位置を決定するように構成された処理ユニットと、網膜の画像を形成するために反射光の複数の測定結果を組み合わせるように構成された撮像ユニットとをさらに備える。
【0012】
測定ユニットは、眼の網膜を照明するためのエミッタと、網膜上の点から反射された光を受光するための検出器とを備えてもよい。エミッタは、発光ダイオード(LED)またはレーザーダイオードを備えてもよい。エミッタは、例えば850nm~1400nmの範囲の波長を有する光を出射するように構成された垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser)を備えてもよい。VCSELは低電力の解決策を提供することができる。測定ユニットはまた、エミッタからの光をコリメートレンズなどの眼に向けるための光学素子を備えてもよい。
【0013】
検出器は、典型的には、フォトダイオードに入射する光の強度を測定するフォトダイオードを備える。検出器は、撮像速度を高めるために、網膜の異なる点から同時に光を受光するように構成された複数のフォトダイオードを備えてもよい。重要なことに、画像センサーは、網膜の撮像のために提案された解決策では必要とされないが、複数のフォトダイオードの代わりに使用することができる。検出器は、それ自体では網膜に関するいかなる空間情報も受信しない。このような空間情報は、代わりに眼球追跡ユニットによって提供される。
【0014】
本開示の第3の態様によれば、第2の態様による1つまたは2つの光学デバイスを備えるヘッドマウントデバイスが提供される。本光学デバイスは、好ましくは、ヘッドマウントデバイスのステム(ユーザの眼の後ろの頭部の側面に沿って延在する部分)に組み込まれうる。光学素子は、可視スペクトルの光を実質的に透過する一方、エミッタの光と実質的に等しい波長を有する光を少なくとも反射するように構成されている。これにより、ユーザが妨げられずに本デバイスを通して見ることができるように可視光線に光学素子を通過させつつ、ユーザの眼の正面に光学素子を直接配置することができ、網膜撮像のためにエミッタから眼にIR光またはNIR光を向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】一実施形態による光学デバイスを用いた網膜撮像のための構成の概略図である。
【
図1B】眼が異なる回転位置にある場合の上記構成の概略図である。
【
図2A】他の実施形態による光学デバイスを用いた網膜撮像のための他の構成の概略図である。
【
図2B】眼が異なる回転位置にある場合の上記構成の概略図である。
【
図3】網膜撮像のための光学デバイスを有する実施形態によるヘッドマウントデバイスの概略図である。
【
図4】デバイスのステム内に位置する光学デバイスを有する他の実施形態によるヘッドマウントデバイスの概略図である。
【
図5】2つの検出器を備える実施形態による光学デバイスの概略図である。
【
図6】ユーザのランダムな視線軌跡から形成される網膜画像の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1Aは、一実施形態による網膜撮像のための光学デバイス1の概略図を示す。デバイス1は、眼3に向けて光を出射するためのエミッタ2(例えば、1つ以上のVCSELを含む)と、眼3から反射された光を検出するための検出器4とを備える。デバイス1は、眼3の回転位置を経時的に追跡するための別個の眼球追跡ユニット5をさらに備える。光学デバイス1はまた、エミッタからの光を眼3に向け、眼3から反射光を検出器4に向けるための光学素子6を備える。眼3は、入射光の少なくとも一部を眼3の網膜8のスポット7に集束させる。スポット7から反射された光は、検出器4によって受光される。したがって、検出器4は、網膜8からの反射光を測定するために使用することができる。
【0017】
図1Bは、眼3が新しい位置に回転した後の光学デバイス1を示す。眼3がデバイス1に対して回転すると、網膜8上のスポット7の位置が変化する(図中のAからBへ)。したがって、経時的に、網膜8の画像は、複数の測定結果を組み合わせることによって得ることができる。
【0018】
図2Aおよび
図2Bは、網膜8から反射された光を測定するために自己混合干渉法(SMI)が使用される他の実施形態を示す。明確にするために、同様または同等の特徴を示すために異なる図において同じ参照番号を使用しており、参照番号は、図示された実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。
【0019】
図2Aは、網膜撮像のための光学デバイス1の概略図を示す。上記デバイスは、エミッタ2および検出器4を備える。検出器4は、(
図1Aおよび
図1Bのように眼3から反射された光ではなく)エミッタ2の出力を測定するように構成されている。エミッタ2によって出射される光の大部分(例えば、99%)が光学素子6によって眼3に向けられる。眼3は、光を網膜8のスポット7に集束させる。スポット7から反射された光は、その後、エミッタ2に戻って受光される。受光された光は、エミッタ2内の光と干渉し、これにより、エミッタ2からの出力が変化する。この出力の変化は、出射された光の小部分を受光する検出器4によって測定される。
【0020】
図2Bは、眼3が回転し、回転に応じて網膜8のスポット7の位置が変化したときのデバイス1を示している。
【0021】
概して、実施形態では、網膜8上の焦点スポット7の位置に眼3の回転位置をマッピングすることができる。複数の測定結果を組み合わせて、網膜8の画像を提供することができる。画像は、網膜8からの反射光の強度を網膜8上の位置に対してプロットしたものであってよい。
【0022】
図3は、一対のガラス10(例えば、ARスマートグラス)に組み込まれた2つの光学デバイス1を有するシステム9を示す。スマートグラス10は、眼3に対して固定された光学デバイス1を保持するヘッドマウントデバイスである。これにより、光学デバイス1は、網膜8の十分に詳細な画像を提供するために、スマートグラス10が装着されている時間にわたって網膜反射を測定することができる。光学デバイス1はそれぞれ、光を出射するエミッタおよび、対応する眼3からの反射光を受光するための検出器装置11を備える。エミッタおよび検出器装置11は、例えばVCSELエミッタを使用してSMIを使用することができる。エミッタおよび検出器装置11は、例えば
図1Aまたは
図2Aに示されるように、エミッタ2および検出器4を備えてもよい。
【0023】
図4は、
図3と同様の実施形態によるシステムの概略図を示すが、エミッタおよび検出器装置11は、スマートグラス10のステム12内に配置されている。ここで、光学素子6はまた、光を眼3に向けて反射する。この実施形態は、よりコンパクトな解決策を提供することができる。
【0024】
図5は、2つの検出器4aおよび4b(または同じ検出器の2つのフォトダイオード)を備える一実施形態による光学デバイス1の概略図を示す。画像平面内に配置された複数の隣接する検出器4aおよび4bは、網膜8上の異なる位置7aおよび7bを撮像するように配置され得る。これは、他のシステムパラメータ(例えば、電力消費)を犠牲にして、任意の所与の時間に追加のデータ点を追加する。
【0025】
図6は、網膜13の模式的な画像と、経時的なユーザの視線の軌跡14とを示す。画像13と軌跡14との組み合わせ15は、実施形態によって提供され得るような網膜画像を示す。
【0026】
実施形態は、網膜からの反射を検出器で測定することによって、網膜の単一のデータ点を測定することを可能にする。次いで、この点から収集された情報は、眼球追跡ユニットを介して現在の眼の位置に関連付けられる。このデータの組み合わせは、眼の位置がそれぞれ特定のデータ点を返すため、眼の連続的な自然な動きに基づいた経時的な網膜の画像の構築を可能にする。頭部装着型デバイスへの組み込むことにより、経時的な連続測定ができるようになる。網膜画像を構築するために眼の受動的な移動および単一のデータ点を使用することにより、以下の利点を得られる。
- 最小部品点数の非常に電力効率の良い設計。
- 部品点数が少ないことによる低い複雑度。
- 本解決策が自然な眼球運動に依存するため、機械的要素または移動要素を必要としないこと。
【0027】
以上、特定の実施形態について説明したが、特許請求の範囲は、これらの実施形態に限定されるものではない。開示される各特徴は、単独で、または本明細書に開示される他の特徴との適切な組み合わせで、記載される実施形態のいずれかに組み込まれうる。
【符号の説明】
【0028】
1 光学デバイス
9 光学系
2 エミッタ
10 ガラス
3 眼
11 エミッタおよび検出器装置
4 検出器
12 ステム
5 眼球追跡ユニット
13 網膜画像
6 光学素子
14 視線軌跡
7 スポット
15 合成画像
8 網膜
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼(3)の網膜(8)を撮像する方法であって、前記方法は、
前記眼(3)の位置を決定することと、
前記眼(3)の前記網膜(8)上の点(7)から反射または出射される光を測定することと、
前記眼(3)の前記位置に基づいて前記網膜(8)上の前記点(7)の位置を決定することと、
経時的に前記決定および測定するステップを繰り返して前記網膜(8)上の異なる位置の点から反射された光の複数の測定結果を提供することと、
前記測定結果を組み合わせて前記網膜(8)の画像(15)を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記位置を決定するステップは、眼球追跡ユニット(5)を使用することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定するステップは、
前記眼の前記網膜を照明することと、
前記網膜(8)上の前記点(7)から反射された光を検出器(4)に集束することと、
前記検出器(4)で集束された前記光を受光することと、を含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記照明するステップは、エミッタを用いて光を出射することと、出射された前記光を光学素子を用いて前記眼に向けることとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出器(4)は、フォトダイオードを備える、
請求項
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記測定するステップは、強度、位相、自己蛍光、および偏光のうちの1つまたは複数を決定することを含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記測定するステップは、自己混合干渉法(SMI:self-mixing interferometry)を含み、前記自己混合干渉法では、前記光はエミッタ(2)によって出射され、前記反射された光は同じ前記エミッタ(2)によって受光され、前記エミッタ(2)からの出力または前記エミッタ(2)への入力は、前記反射された光の位相および/または振幅を決定するために測定される、
請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記エミッタ(2)によって出射された光の一部が検出器(4)に向けられる、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記位置を決定するステップと、前記反射された光を測定するステップとは、60Hz超の繰り返し率で繰り返される、
請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
ヘッドマウントデバイス(10)への組み込みに適した、眼(3)の網膜(8)を撮像するための光学デバイス(1)であって、前記光学デバイス(1)は、
眼(3)の位置を決定するように構成された眼球追跡ユニット(5)と、
前記眼(3)の網膜(8)上の点(7)から反射または出射される光を測定するように構成された測定ユニットと、
前記眼(3)の前記位置に基づいて前記網膜(8)上の前記点(7)の位置を決定するように構成された処理ユニットと、
反射された光の複数の測定結果を組み合わせて前記網膜の画像(15)を形成するように構成された撮像ユニットと、を備える、
光学デバイス(1)。
【請求項11】
前記測定ユニットは、
前記眼(3)の前記網膜を照明するためのエミッタ(2)と、
前記網膜(8)上の前記点(7)から反射された前記光を受光するための検出器(4)と、を備える、
請求項10に記載の光学デバイス(1)。
【請求項12】
前記エミッタ(2)は、発光ダイオード(LED:light emitting diode)またはレーザーダイオードを備える、
請求項11に記載の光学デバイス(1)。
【請求項13】
前記エミッタ(2)は、800nm~1400nmの範囲の波長を有する光を出射するように構成された垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser)を備える、
請求項11に記載の光学デバイス(1)。
【請求項14】
前記測定ユニットは、前記エミッタ(2)からの光を前記眼(3)に向けるための光学素子(6)をさらに備える、
請求項
11に記載の光学デバイス(1)。
【請求項15】
前記検出器(4)は、フォトダイオードに入射する光の強度を測定するためのフォトダイオードを備える、
請求項
11に記載の光学デバイス(1)。
【請求項16】
請求項
14に記載の光学デバイス(1)を1つまたは2つ備える、ヘッドマウントデバイス(10)。
【請求項17】
前記光学デバイス(1)または各光学デバイス(1)は、前記ヘッドマウントデバイス(10)のステム(12)に組み込まれており、前記光学素子(6)は、可視スペクトルの光を実質的に透過する一方、前記エミッタ(2)の光と実質的に等しい波長を有する光を少なくとも反射するように構成されている、
請求項16に記載のヘッドマウントデバイス(10)。
【国際調査報告】