(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】自動車投光器用のプリント基板装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/12 20060101AFI20241010BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241010BHJP
F21V 29/508 20150101ALI20241010BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H05K7/12 K
F21V23/00 150
F21V29/508
H05K7/20 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519449
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022076760
(87)【国際公開番号】W WO2023061745
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】キースリンガー、ディートマー
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ、セバスティアン
【テーマコード(参考)】
3K014
4E353
5E322
【Fターム(参考)】
3K014AA01
4E353BB05
4E353BB13
4E353CC12
4E353CC36
4E353DD11
5E322AA01
5E322AB07
5E322AB08
5E322EA10
5E322EA11
(57)【要約】
【課題】プリント基板を冷却体に固定するための手段が改善されたプリント基板装置を提供する。
【解決手段】自動車投光器用のプリント基板装置(10)であって、プリント基板(50)と冷却体(60)を含み、これらは、プリント基板(50)と冷却体(60)の間に隙間空間(70)が構成されているように、少なくとも領域ごとに互いに間隔(X)を置いて離間されており、プリント基板(50)は、隙間空間(70)を維持した状態で少なくとも1つの固定装置(80)を用いて冷却体(60)に固定されており、少なくとも1つの固定装置(80)は、以下のものを含み、即ち、プリント基板(50)を完全に通過する固定開口部(100)と、冷却体(70)に配設され且つ挿入開口部(210)を有する穴部(200)と、長手軸線(A)を有する固定要素(300)とを含み、固定要素(300)は、係合部分(310)に力(F)を加え且つ当接部分(320)にその力(F)とは反対方向の反力を加えたことにより、固定要素(300)が穴部(200)内で形状係合により締付固定されており且つ固定要素(300)の第1拡張部分(330a)と第2拡張部分(330b)が形成されているように変形されており、第1拡張部分(330a)は、第1拡張部分が(330a)がプリント基板(50)を支持するように、隙間空間(70)内へ且つ固定開口部(330a)の開口サイズを超えて延在し、第2拡張部分(330b)は、長手軸線(A)に対して半径方向に前記開口サイズを超えて延在する。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器用のプリント基板装置(10)であって、
前記プリント基板装置(10)は、プリント基板(50)と、前記プリント基板(50)と熱的な接触状態にあり且つ前記プリント基板(50)の熱を放散するように構成された冷却体(60)とを含み、前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)は、前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間に隙間空間(70)が構成されているように、少なくとも領域ごとに互いに間隔(X)を置いて離間されており、前記プリント基板(50)は、前記隙間空間(70)を維持した状態で少なくとも1つの固定装置(80)を用いて前記冷却体(60)に固定されており、前記少なくとも1つの固定装置(80)は、以下のものを含み、即ち、
- 前記プリント基板(50)を完全に通過し且つ所定の開口サイズを有する固定開口部(100)と、
- 前記冷却体(70)に配設され且つ挿入開口部(210)を有する穴部(200)と、
- 長手軸線(A)を有する固定要素(300)とを含み、但し前記固定要素(300)は、係合部分(310)と、前記長手軸線(A)に沿って反対側に位置する当接部分(320)とを有する構成であり、
前記固定開口部(100)と前記挿入開口部(210)は、前記固定要素(300)が前記固定開口部(100)と前記挿入開口部(210)を通って受容されているように重なり合って配設されており、前記固定要素(300)は、前記固定開口部(100)を介して前記プリント基板(50)を通過し、
また前記固定要素(300)は、前記係合部分(310)に力(F)を加え且つ前記当接部分(320)にその力(F)とは反対方向の反力を加えたことにより、前記固定要素(300)が前記穴部(200)内で形状係合により締付固定されており且つ前記固定要素(300)の第1拡張部分(330a)と第2拡張部分(330b)が形成されているように変形されており、
前記第1拡張部分(330a)は、前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間の前記隙間空間(70)内へ、前記固定要素(300)の前記長手軸線(A)に対して半径方向に延在し、前記第1拡張部分(330a)は、前記固定開口部(100)の領域において前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間の前記間隔(X)を維持するために前記第1拡張部分(330a)が前記プリント基板(50)を支持するように、前記固定開口部(330a)の前記開口サイズを超えて前記隙間空間(70)内へ延在し、
また前記第2拡張部分(330b)は、前記固定要素(300)の前記長手軸線(A)に対して半径方向に延在し、前記第2拡張部分(330b)は、前記固定開口部(100)の領域において前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間の前記間隔(X)を維持するために且つ前記プリント基板(50)を前記穴部(200)とは反対の方向の運動に対して固定するために、前記固定開口部(100)の前記開口サイズを超えて延在し、
また前記プリント基板(50)は、前記固定要素(300)の前記第1拡張部分(330a)と前記第2拡張部分(330b)の間に形状係合により締付固定されていること、
を特徴とするプリント基板装置(10)。
【請求項2】
前記固定要素(300)は、ピン形状に形成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載のプリント基板装置。
【請求項3】
前記固定要素(300)は、プラスチック又は金属から製造されており、好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金から製造されていること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載のプリント基板装置。
【請求項4】
前記穴部(200)は、少なくとも1つのアンダカット部(220)を含み、それにより前記固定要素(300)は、前記固定要素(300)と前記穴部(200)の間の形状係合による接続により前記長手軸線(A)に沿った運動に対して確保されていること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプリント基板装置。
【請求項5】
前記穴部(200)は、止まり穴として前記冷却体(60)に形成されており、前記止まり穴は、支持部分(230)を有し、前記支持部分(230)には、前記固定要素(300)の前記当接部分(320)が当接し、前記反力を加えるために設けられていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプリント基板装置。
【請求項6】
前記穴部(200)は、前記冷却体(60)を完全に通過する穴部(200)として形成されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプリント基板装置。
【請求項7】
前記固定要素(300)は、前記長手軸線(A)と平行な横断面において台形状に形成されており、好ましくは2つの脚部要素が、前記長手軸線(A)に対して横方向に互いに間隔を置いて台形の底部に配設されていること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプリント基板装置。
【請求項8】
前記固定要素(300)は、押出形成により変形されていること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプリント基板装置。
【請求項9】
前記隙間空間(70)の維持を保証するために、前記冷却体(60)と前記プリント基板(50)の間の前記隙間空間(70)内には、少なくとも1つの間隔保持器(400)が配設されていること、
を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のプリント基板装置。
【請求項10】
前記プリント基板装置(10)は、前記固定要素(300)の前記当接部分が当接し且つ前記反力を加えるために設けられている支持要素(500)を含み、前記支持要素(500)は、前記冷却体とは別個の構成部品により構成されており、前記支持要素(500)は、前記固定要素(300)に力を加えた後で且つそれにより得られる形状係合が生じた後に取外し可能であること、
を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプリント基板装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のプリント基板装置(10)を少なくとも1つ含む自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車投光器用のプリント基板装置に関し、プリント基板装置は、プリント基板と、プリント基板と熱的な接触状態にあり且つプリント基板の熱を放散するように構成された冷却体とを含み、プリント基板と冷却体は、プリント基板と冷却体の間に隙間空間が構成されているように、少なくとも領域ごとに互いに間隔を置いて離間されており、プリント基板は、隙間空間を維持した状態で少なくとも1つの固定装置を用いて冷却体に固定されており、固定装置は、少なくとも以下のものを含み、即ち、
- プリント基板を完全に通過し且つ所定の開口サイズを有する固定開口部と、
- 冷却体に配設され且つ挿入開口部を有する穴部と、
- 長手軸線を有する固定要素とを含み、但し固定要素は、係合部分と、長手軸線に沿って反対側に位置する当接部分とを有する。
【0002】
更に本発明は、本発明によるプリント基板装置を少なくとも1つ含む自動車投光器に関する。
【背景技術】
【0003】
プリント基板と、対応の冷却体とを熱的に互いに接続するためには、プリント基板が冷却体に機械的に取り付けられるが、この際、とりわけ製造誤差により、プリント基板が冷却体のあらゆる領域において平坦に接触することにはならず且つプリント基板と冷却体の間で領域ごとに隙間ないし隙間空間が存在することになる可能性がある。
【0004】
プリント基板を冷却体に固定するための従来技術による一般的な固定法は、とりわけネジ固定又はリベット固定である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしそのような固定手段の使用は、プリント基板が、固定の領域においてネジ又はリベットの継続的な押圧力により曲って歪められ、それにより構成部品並びにその電気的な接続部が壊れるか、又はプリント基板上に配設された導体トラックと構成部品が損傷ないし破壊されることをもたらしてしまう。
【0007】
固定点の近くで特に強く発生するこの歪みにより、電子的な構成部品は、固定点に対して比較的大きい間隔を置いてのみ組み立てることができる。従って押圧力を減少させ、それによりプリント基板の歪みも減少させる固定装置は、電子的な構成部品と固定点との間の間隔を短くするとともにプリント基板の全体サイズを最小化することを可能にするであろう。
【0008】
本発明の課題は、改善されたプリント基板装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、以下の構成により解決され、即ち、
固定開口部と挿入開口部は、固定要素が固定開口部と挿入開口部を通って受容されているように重なり合って配設されており、固定要素は、固定開口部を介してプリント基板を通過し、
また固定要素は、係合部分に力を加え且つ当接部分にその力とは反対方向の反力を加えたことにより、固定要素が穴部内で形状係合により締付固定されており且つ固定要素の第1拡張部分と第2拡張部分が形成されているように変形されており、
第1拡張部分は、プリント基板と冷却体の間の隙間空間内へ、固定要素の長手軸線に対して半径方向に延在し、第1拡張部分は、固定開口部の領域においてプリント基板と冷却体の間の間隔を維持するために第1拡張部分がプリント基板を支持するように、固定開口部の開口サイズを超えて隙間空間内へ延在し、
また第2拡張部分は、固定要素の長手軸線に対して半径方向に延在し、第2拡張部分は、固定開口部の領域においてプリント基板と冷却体の間の間隔を維持するために固定開口部の開口サイズを超えて延在し、
またプリント基板は、固定開口部の領域において固定要素の第1拡張部分と第2拡張部分の間に形状係合により締付固定されていること、により解決される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
固定要素は、ピン形状に形成されていることができる。
【0012】
固定要素は、プラスチック又は金属から製造されており、好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金から製造されていることができる。
【0013】
全般的に、固定要素の材料は、固定要素の弾性率が冷却体の弾性率よりも小さいように選択されているべきであろうということに言及すべきである。それに加え、それらの異なる材料の膨張率は、使用温度範囲内で温度変動が強い場合でも接続部の弛緩が不可能であるように選択されていることに顧慮すべきである。更に固定要素の材料を選択する際には、大きい温度変動と振動のような自動車分野で発生する環境影響を考慮すべきであろう。
【0014】
プリント基板と冷却体の間のより良い熱的な結合を可能にするために、隙間空間内に熱伝導性の材料が配設されていることができる。
【0015】
穴部は、少なくとも1つのアンダカット部を含むことができ、それにより固定要素は、固定要素と穴部の間の形状係合による接続により長手軸線に沿った運動に対して固定されている。
【0016】
穴部は、止まり穴として冷却体に形成されていることができ、この際、止まり穴は、支持部分(サポート部分)を有し、支持部分には、固定要素の当接部分が当接し、支持部分は、反力を加えるために設けられている。
【0017】
穴部は、冷却体を完全に通過(貫通)する穴部として形成されていることができる。
【0018】
プリント基板装置は、固定要素の当接部分が当接し且つ反力を加えるために設けられている支持要素(サポート要素ないし抗支要素)を含み、この際、支持要素は、冷却体とは別個の構成部品により構成されている。また前記の支持要素は、固定要素に力を加えた後で且つそれにより得られる形状係合が生じた後に、必要に応じて冷却体から再び取外し可能である。
【0019】
固定要素は、長手軸線と平行な横断面(断面)において台形状に形成されており、この際、好ましくは2つの脚部要素が、長手軸線に対して横方向に互いに間隔を置いて台形の底部に配設されている。
【0020】
固定要素は、押出形成により変形されていることができる。「押出形成(Fliesspressen)」との概念は、材料に作用する力から材料内で圧縮応力が生じ、この圧縮応力は、材料の圧縮降伏点を超えると、材料の降伏(ないし流動(Fliessen)は、降伏点を超えることで材料の塑性変形、即ち不可逆変形が起こることにより特徴付けられる。)をもたらすこととして理解できる。構成部品にもはや力が作用しないと、弾性的な復元性の後に構成部品の塑性変形が残る。
【0021】
隙間空間の維持を保証するために、好ましくは冷却体とプリント基板の間の最小の隙間高さの維持を保証するために、冷却体とプリント基板の間の隙間空間内には、少なくとも1つの間隔保持器(スペーサ)が配設されていることができる。
【0022】
更に前記課題は、同様に、本発明によるプリント基板装置を少なくとも1つ含む自動車投光器により解決される。
【0023】
以下、例示の図面に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】例示の一プリント基板装置を上から見た図であり、この際、プリント基板装置は、冷却体と、固定装置を用いて冷却体上に固定されたプリント基板とを含む。
【
図2a】プリント基板装置の横断面において例示の一固定装置を示す図であり、この際、固定装置は、プリント基板における固定開口部と、冷却体における穴部と、固定要素とを含み、固定要素は、力及び反力を加えることにより変形されている。
【
図2b】力及び反力が固定要素に加えられる前で、
図2aの例示の固定装置を示す図である。
【
図3a】力及び反力が固定要素に加えられた後で、
図3bの例示の固定装置を示す図である。
【
図3b】力が固定要素に加えられる前の状態で、他の例示の一固定装置を示す図である。
【
図4a】固定要素を変形させるために力を加える前の固定装置の他の一例を示す図である。
【
図4b】固定要素の変形後の
図4aの例を示す図である。
【
図5】固定装置の他の一例を示す図であり、この際、固定装置は、更に間隔保持器を含む。
【
図6】可能な固定要素のための複数の例を示す図である。
【実施例】
【0025】
図1は、プリント基板50と冷却体60を含む、自動車投光器用の例示の一プリント基板装置10を上から見た図として示し、この際、冷却体60は、プリント基板50と熱的な接触状態にあり、プリント基板50の稼働により発生するプリント基板50の熱を放散するように構成されている。
【0026】
図2aないし
図2bに見られるように、プリント基板50と冷却体60は、プリント基板50と冷却体60の間に隙間空間70が構成されているように、少なくとも領域ごとに互いに間隔Xを置いて離間されており、この際、プリント基板50は、隙間空間70を維持した状態で複数の固定装置80(
図1)を用いて冷却体60に固定されている。固定装置80の可能な実施例は、それ以降の図に示されている。
【0027】
固定装置80は、それぞれ、プリント基板50を完全に通過(貫通)し且つ所定の開口サイズを有する固定開口部100と、冷却体60に配設され且つ挿入開口部210を有する穴部200と、長手軸線Aを有する固定要素300とを含み、この際、例えば
図2bに見てとれるように、固定要素300は、係合部分310と、長手軸線Aに沿って反対側に位置する当接部分320とを有する。図示の例において固定要素300は、ピン形状に形成されており、この際、例えば、長手軸線Aと平行な横断面(断面)で台形状の固定要素のような、他の形状も考えられる。それらの他の形状は、同様に
図6に図示されている。
【0028】
固定要素300は、図示の例ではアルミニウム又はアルミニウム合金から製造されている。
【0029】
この際、固定開口部100と挿入開口部210は、固定要素300が固定開口部100と挿入開口部210を通って受容されているように重なり合って配設されており、この際、固定要素300は、固定開口部100を介してプリント基板50を通過(貫通)している。
【0030】
固定要素300は、係合部分310に力Fを加え且つ当接部分320に力Fとは反対方向の反力を加えたことにより、固定要素300が穴部200内で形状係合により締付固定されており且つ固定要素300の第1拡張部分330aと第2拡張部分330bが形成されているように変形されている。この変形は、図示の例では押出形成を用いて行われている。
【0031】
図2aに図示の例では、穴部200は、止まり穴として冷却体60に形成されており、この際、止まり穴は、支持部分(サポート部分)230を有し、支持部分230には、固定要素300の当接部分320が当接し、支持部分230は、反力を加えるために設けられている。
【0032】
第1拡張部分330aは、プリント基板50と冷却体60の間の隙間空間70内へ、固定要素300の長手軸線Aに対して半径方向に延在し、この際、第1拡張部分330aは、固定開口部100の領域においてプリント基板50と冷却体60の間の間隔Xを維持するために第1拡張部分330aがプリント基板50を支持するように、固定開口部100の開口サイズを超えて隙間空間70内へ延在する。
【0033】
第2拡張部分330bは、固定要素300の長手軸線Aに対して半径方向に延在し、この際、第2拡張部分330bは、固定開口部100の領域においてプリント基板50と冷却体60の間の間隔Xを維持するために且つプリント基板50を穴部200とは反対の方向の運動に対して固定するために、固定開口部100の開口サイズを超えて延在する。
【0034】
この際、プリント基板50は、固定要素300の第1拡張部分330aと第2拡張部分330bの間に形状係合(ありつぎ式係合)により締付固定されている。
【0035】
図2bは、固定要素300が押出形成を用いて変形ないし形状変更される前の状態で、
図2aの固定装置80を示している。
【0036】
図3aは、固定装置80の他の一例を示し、この際、上記の内容が同様に当てはまる。前の例との違いは、穴部200が、冷却体60を完全に通過(貫通)する穴部200として形成されていること、並びに穴部200がアンダカット部220を含むことにあり、それにより固定要素300は、固定要素300と穴部200の間の形状係合による接続により、締付固定に加え、長手軸線Aに沿った運動に対して確保(固定)されている。
【0037】
図3bは、固定要素300が押出形成を用いて変形ないし形状変更される前の状態で、
図3aの固定装置80を示し、この際、反力を生成するために、一時的に配置された対向保持器ないし支持要素(サポートないし抗支要素)500が設けられている。
【0038】
図4aと
図4bは、固定装置80の更なる一例を示し、この際、反力を生成するために、穴部200は、支持部分230を含み、支持部分230は、同時に、前の例の意味でのアンダカット部として機能する。
【0039】
図5は、例示の固定装置80の更なる一例を示し、この際、上記の内容が同様にこの例にも当てはまる。前の例、特に
図2aないし
図2bに示された例との違いは、固定装置80が、隙間空間70の維持を追加的に改善ないし保証するために冷却体60とプリント基板50の間の隙間空間70内に配設されている間隔保持器(スペーサ)400を含むことにある。
【0040】
図6は、固定要素300の可能な実施形態を示し、この際、保護範囲は、ここに図示された幾何学形状だけに関するものではない。固定要素のために特に好ましい形状は、
図6において右から1番目の形状である。この際、固定要素は、長手軸線と平行な横断面(断面)において台形状に形成されており、この際、2つの脚部要素が、長手軸線に対して横方向に互いに間隔を置いて台形の底部に配設されている。
【符号の説明】
【0041】
10 プリント基板装置
50 プリント基板
60 冷却体
70 隙間間隔
80 固定装置
100 固定開口部
200 穴部
210 挿入開口部
220 アンダカット部
230 支持部分
300 固定要素
310 係合部分
320 当接部分
330a 第1拡張部分
330b 第2拡張部分
400 間隔保持器
500 対向保持器
A 長手軸線
X 間隔
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器用のプリント基板装置
であって、
前記プリント基板装置(10)は、プリント基板(50)と、前記プリント基板(50)と熱的な接触状態にあり且つ前記プリント基板(50)の熱を放散するように構成された冷却体(60)とを含み、前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)は、前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間に隙間空間(70)が構成されているように、少なくとも領域ごとに互いに間隔(X)を置いて離間されており、前記プリント基板(50)は、前記隙間空間(70)を維持した状態で少なくとも1つの固定装置(80)を用いて前記冷却体(60)に固定されており、前記少なくとも1つの固定装置(80)は、以下のものを含み、即ち、
- 前記プリント基板(50)を完全に通過し且つ所定の開口サイズを有する固定開口部(100)と、
- 前記冷却体(
60)に配設され且つ挿入開口部(210)を有する穴部(200)と、
- 長手軸線(A)を有する固定要素(300)とを含み、但し前記固定要素(300)は、係合部分(310)と、前記長手軸線(A)に沿って反対側に位置する当接部分(320)とを有する構成であり、
前記固定開口部(100)と前記挿入開口部(210)は、前記固定要素(300)が前記固定開口部(100)と前記挿入開口部(210)を通って受容されているように重なり合って配設されており、前記固定要素(300)は、前記固定開口部(100)を介して前記プリント基板(50)を通過し、
また前記固定要素(300)は、前記係合部分(310)に力(F)を加え且つ前記当接部分(320)にその力(F)とは反対方向の反力を加えたことにより、前記固定要素(300)が前記穴部(200)内で形状係合により締付固定されており且つ前記固定要素(300)の第1拡張部分(330a)と第2拡張部分(330b)が形成されているように変形されており、
前記第1拡張部分(330a)は、前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間の前記隙間空間(70)内へ、前記固定要素(300)の前記長手軸線(A)に対して半径方向に延在し、前記第1拡張部分(330a)は、前記固定開口部(100)の領域において前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間の前記間隔(X)を維持するために前記第1拡張部分(330a)が前記プリント基板(50)を支持するように、前記固定開口部(330a)の前記開口サイズを超えて前記隙間空間(70)内へ延在し、
また前記第2拡張部分(330b)は、前記固定要素(300)の前記長手軸線(A)に対して半径方向に延在し、前記第2拡張部分(330b)は、前記固定開口部(100)の領域において前記プリント基板(50)と前記冷却体(60)の間の前記間隔(X)を維持するために且つ前記プリント基板(50)を前記穴部(200)とは反対の方向の運動に対して固定するために、前記固定開口部(100)の前記開口サイズを超えて延在し、
また前記プリント基板(50)は、前記固定要素(300)の前記第1拡張部分(330a)と前記第2拡張部分(330b)の間に形状係合により締付固定されていること、
を特徴とするプリント基板装置
。
【請求項2】
前記固定要素(300)は、ピン形状に形成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載のプリント基板装置。
【請求項3】
前記固定要素(300)は、プラスチック又は金属から製造されており、
或いはアルミニウム又はアルミニウム合金から製造されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項4】
前記穴部(200)は、少なくとも1つのアンダカット部(220)を含み、それにより前記固定要素(300)は、前記固定要素(300)と前記穴部(200)の間の形状係合による接続により前記長手軸線(A)に沿った運動に対して確保されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項5】
前記穴部(200)は、止まり穴として前記冷却体(60)に形成されており、前記止まり穴は、支持部分(230)を有し、前記支持部分(230)には、前記固定要素(300)の前記当接部分(320)が当接し、
前記支持部分(230)は、前記反力を加えるために設けられていること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項6】
前記穴部(200)は、前記冷却体(60)を完全に通過する穴部(200)として形成されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項7】
前記固定要素(300)は、前記長手軸線(A)と平行な横断面において台形状に形成されて
いること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項8】
2つの脚部要素が、前記長手軸線(A)に対して横方向に互いに間隔を置いて台形の底部に配設されていること、
を特徴とする、請求項7に記載のプリント基板装置。
【請求項9】
前記固定要素(300)は、押出形成
要素として変形されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項10】
前記隙間空間(70)の維持を保証するために、前記冷却体(60)と前記プリント基板(50)の間の前記隙間空間(70)内には、少なくとも1つの間隔保持器(400)が配設されていること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項11】
前記プリント基板装置(10)は、前記固定要素(300)の前記当接部分が当接し且つ前記反力を加えるために設けられている支持要素(500)を含み、前記支持要素(500)は、前記冷却体
(60)とは別個の構成部品により構成されており、前記支持要素(500)は、
取外し可能であること、
を特徴とする、請求項
1に記載のプリント基板装置。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載のプリント基板装置
を少なくとも1つ含む自動車投光器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第112019001810号
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/223318号
【特許文献3】独国特許出願公開第102007034123号
【特許文献4】国際公開第2004/070839号
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記課題は、以下の構成により解決され、即ち、
固定開口部と挿入開口部は、固定要素が固定開口部と挿入開口部を通って受容されているように重なり合って配設されており、固定要素は、固定開口部を介してプリント基板を通過し、
また固定要素は、係合部分に力を加え且つ当接部分にその力とは反対方向の反力を加えたことにより、固定要素が穴部内で形状係合により締付固定されており且つ固定要素の第1拡張部分と第2拡張部分が形成されているように変形されており、
第1拡張部分は、プリント基板と冷却体の間の隙間空間内へ、固定要素の長手軸線に対して半径方向に延在し、第1拡張部分は、固定開口部の領域においてプリント基板と冷却体の間の間隔を維持するために第1拡張部分がプリント基板を支持するように、固定開口部の開口サイズを超えて隙間空間内へ延在し、
また第2拡張部分は、固定要素の長手軸線に対して半径方向に延在し、第2拡張部分は、固定開口部の領域においてプリント基板と冷却体の間の間隔を維持するために固定開口部の開口サイズを超えて延在し、
またプリント基板は、固定開口部の領域において固定要素の第1拡張部分と第2拡張部分の間に形状係合により締付固定されていること、により解決される。
即ち本発明の第1の視点により、
自動車投光器用のプリント基板装置であって、
前記プリント基板装置は、プリント基板と、前記プリント基板と熱的な接触状態にあり且つ前記プリント基板の熱を放散するように構成された冷却体とを含み、前記プリント基板と前記冷却体は、前記プリント基板と前記冷却体の間に隙間空間が構成されているように、少なくとも領域ごとに互いに間隔を置いて離間されており、前記プリント基板は、前記隙間空間を維持した状態で少なくとも1つの固定装置を用いて前記冷却体に固定されており、前記少なくとも1つの固定装置は、以下のものを含み、即ち、
- 前記プリント基板を完全に通過し且つ所定の開口サイズを有する固定開口部と、
- 前記冷却体に配設され且つ挿入開口部を有する穴部と、
- 長手軸線を有する固定要素とを含み、但し前記固定要素は、係合部分と、前記長手軸線に沿って反対側に位置する当接部分とを有する構成であり、
前記固定開口部と前記挿入開口部は、前記固定要素が前記固定開口部と前記挿入開口部を通って受容されているように重なり合って配設されており、前記固定要素は、前記固定開口部を介して前記プリント基板を通過し、
また前記固定要素は、前記係合部分に力を加え且つ前記当接部分にその力とは反対方向の反力を加えたことにより、前記固定要素が前記穴部内で形状係合により締付固定されており且つ前記固定要素の第1拡張部分と第2拡張部分が形成されているように変形されており、
前記第1拡張部分は、前記プリント基板と前記冷却体の間の前記隙間空間内へ、前記固定要素の前記長手軸線に対して半径方向に延在し、前記第1拡張部分は、前記固定開口部の領域において前記プリント基板と前記冷却体の間の前記間隔を維持するために前記第1拡張部分が前記プリント基板を支持するように、前記固定開口部の前記開口サイズを超えて前記隙間空間内へ延在し、
また前記第2拡張部分は、前記固定要素の前記長手軸線に対して半径方向に延在し、前記第2拡張部分は、前記固定開口部の領域において前記プリント基板と前記冷却体の間の前記間隔を維持するために且つ前記プリント基板を前記穴部とは反対の方向の運動に対して固定するために、前記固定開口部の前記開口サイズを超えて延在し、
また前記プリント基板は、前記固定要素の前記第1拡張部分と前記第2拡張部分の間に形状係合により締付固定されていること、
を特徴とするプリント基板装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、
前記第1の視点に記載のプリント基板装置を少なくとも1つ含む自動車投光器が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
自動車投光器用のプリント基板装置であって、
前記プリント基板装置は、プリント基板と、前記プリント基板と熱的な接触状態にあり且つ前記プリント基板の熱を放散するように構成された冷却体とを含み、前記プリント基板と前記冷却体は、前記プリント基板と前記冷却体の間に隙間空間が構成されているように、少なくとも領域ごとに互いに間隔を置いて離間されており、前記プリント基板は、前記隙間空間を維持した状態で少なくとも1つの固定装置を用いて前記冷却体に固定されており、前記少なくとも1つの固定装置は、以下のものを含み、即ち、
- 前記プリント基板を完全に通過し且つ所定の開口サイズを有する固定開口部と、
- 前記冷却体に配設され且つ挿入開口部を有する穴部と、
- 長手軸線を有する固定要素とを含み、但し前記固定要素は、係合部分と、前記長手軸線に沿って反対側に位置する当接部分とを有する構成であり、
前記固定開口部と前記挿入開口部は、前記固定要素が前記固定開口部と前記挿入開口部を通って受容されているように重なり合って配設されており、前記固定要素は、前記固定開口部を介して前記プリント基板を通過し、
また前記固定要素は、前記係合部分に力を加え且つ前記当接部分にその力とは反対方向の反力を加えたことにより、前記固定要素が前記穴部内で形状係合により締付固定されており且つ前記固定要素の第1拡張部分と第2拡張部分が形成されているように変形されており、
前記第1拡張部分は、前記プリント基板と前記冷却体の間の前記隙間空間内へ、前記固定要素の前記長手軸線に対して半径方向に延在し、前記第1拡張部分は、前記固定開口部の領域において前記プリント基板と前記冷却体の間の前記間隔を維持するために前記第1拡張部分が前記プリント基板を支持するように、前記固定開口部の前記開口サイズを超えて前記隙間空間内へ延在し、
また前記第2拡張部分は、前記固定要素の前記長手軸線に対して半径方向に延在し、前記第2拡張部分は、前記固定開口部の領域において前記プリント基板と前記冷却体の間の前記間隔を維持するために且つ前記プリント基板を前記穴部とは反対の方向の運動に対して固定するために、前記固定開口部の前記開口サイズを超えて延在し、
また前記プリント基板は、前記固定要素の前記第1拡張部分と前記第2拡張部分の間に形状係合により締付固定されていること。
(形態2)
前記固定要素は、ピン形状に形成されていること、が好ましい。
(形態3)
前記固定要素は、プラスチック又は金属から製造されており、好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金から製造されていること、が好ましい。
(形態4)
前記穴部は、少なくとも1つのアンダカット部を含み、それにより前記固定要素は、前記固定要素と前記穴部の間の形状係合による接続により前記長手軸線に沿った運動に対して確保されていること、が好ましい。
(形態5)
前記穴部は、止まり穴として前記冷却体に形成されており、前記止まり穴は、支持部分を有し、前記支持部分には、前記固定要素の前記当接部分が当接し、前記反力を加えるために設けられていること、が好ましい。
(形態6)
前記穴部は、前記冷却体を完全に通過する穴部として形成されていること、が好ましい。
(形態7)
前記固定要素は、前記長手軸線と平行な横断面において台形状に形成されており、好ましくは2つの脚部要素が、前記長手軸線に対して横方向に互いに間隔を置いて台形の底部に配設されていること、が好ましい。
(形態8)
前記固定要素は、押出形成により変形されていること、が好ましい。
(形態9)
前記隙間空間の維持を保証するために、前記冷却体と前記プリント基板の間の前記隙間空間内には、少なくとも1つの間隔保持器が配設されていること、が好ましい。
(形態10)
前記プリント基板装置は、前記固定要素の前記当接部分が当接し且つ前記反力を加えるために設けられている支持要素を含み、前記支持要素は、前記冷却体とは別個の構成部品により構成されており、前記支持要素は、前記固定要素に力を加えた後で且つそれにより得られる形状係合が生じた後に取外し可能であること、が好ましい。
(形態11)
形態1~10のいずれか1つに記載のプリント基板装置を少なくとも1つ含む自動車投光器。
【国際調査報告】