(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】双方向絞り弁、第1空調システム及び第2空調システム
(51)【国際特許分類】
F25B 41/325 20210101AFI20241010BHJP
F25B 47/02 20060101ALI20241010BHJP
F16K 17/20 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F25B41/325
F25B47/02 550Z
F16K17/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519457
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2022125871
(87)【国際公開番号】W WO2023078081
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111307151.8
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122707906.5
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】林 元陽
(72)【発明者】
【氏名】宣 利華
(72)【発明者】
【氏名】馮 晶
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB08
3H060CC06
3H060DA02
3H060DC05
3H060GG16
3H060HH07
3H060HH17
(57)【要約】
双方向絞り弁(100)及びそれを有する空調システム(200)。この双方向絞り弁(100)は、弁パイプ(10)を含み、第1弁芯(22)と第1弁口(211)の内壁とは協働して第1流れ通路を形成し、第2弁芯(32)と第2弁口(311)の内壁とは協働して第2流れ通路を形成し、第1弁口(211)及び第2弁口(311)が開放される場合、第1流れ通路の流れ面積は第2流れ通路の流れ面積よりも大きく、且つ第2弁芯(32)と第2弁口(311)とは協働して絞りを実現する。本出願は、上記の双方向絞り弁(100)を含む空調システム(200)を更に提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁パイプを含み、前記弁パイプ内の両端には、第1弁芯アセンブリ及び第2弁芯アセンブリがそれぞれ設けられ、前記第1弁芯アセンブリは第1弁芯を含み、前記第1弁芯アセンブリ内には第1弁口があり、前記第1弁芯は、前記弁パイプ内に移動可能に設けられて、前記第1弁口を開閉することができ、前記第1弁芯と前記第1弁口の内壁とは協働して第1流れ通路を形成し、
前記第2弁芯アセンブリは第2弁芯を含み、前記第2弁芯アセンブリ内には第2弁口があり、前記第2弁芯は、前記弁パイプ内に移動可能に設けられて、前記第2弁口を開閉することができ、前記第2弁芯と前記第2弁口の内壁とは協働して第2流れ通路を形成し、
前記第1弁口及び前記第2弁口が開放される場合、前記第1流れ通路の流れ面積は前記第2流れ通路の流れ面積よりも大きく、且つ前記第2弁芯と前記第2弁口とは協働して絞りを実現する、双方向絞り弁。
【請求項2】
前記弁パイプは空調システムのパイプラインに接続され、前記弁パイプ内には連通部材が更に設けられ、前記第1弁芯アセンブリは前記連通部材の一端に取り付けられ、
前記連通部材には第1通路が設けられ、前記第1通路は前記第1弁口に連通し、
前記第1弁口の口径をD
1とし、前記第1通路の直径をD
2とし、前記空調システムのパイプラインの直径をD
3とすると、D
1、D
2及びD
3は、D
2≧D
1≧D
3の関係式を満たす、請求項1に記載の双方向絞り弁。
【請求項3】
前記弁パイプは空調システムのパイプラインに接続され、前記弁パイプ内には連通部材が更に設けられ、前記第1弁芯アセンブリは前記連通部材の一端に取り付けられ、
前記第1弁口の口径をD
1とし、前記空調システムのパイプラインの直径をD
3とすると、D
1及びD
3は、D
1<D
3の関係式を満たす、請求項1に記載の双方向絞り弁。
【請求項4】
前記第2弁口の口径をD
4とすると、D
1及びD
4は、D
4>D
1>(1/3)D
4の関係式を満たす、請求項3に記載の双方向絞り弁。
【請求項5】
前記第1弁芯アセンブリは第1弁座を含み、前記第1弁芯は前記第1弁座内に移動可能に設けられ、前記第1弁口は前記第1弁座に穿設され、
前記第1弁芯の側壁と前記第1弁座の内壁との間の隙間の流れ面積は、前記第1弁口の流れ面積よりも大きい、請求項1に記載の双方向絞り弁。
【請求項6】
前記第2弁芯アセンブリは第2弁座を含み、前記第2弁芯は前記第2弁座内に移動可能に設けられ、前記第2弁口は前記第2弁座に穿設され、
前記第2弁芯の側壁と前記第2弁座の内壁との間の隙間の流れ面積は、前記第2弁口の流れ面積よりも小さい、請求項1に記載の双方向絞り弁。
【請求項7】
前記第1弁芯アセンブリは第1弁座を含み、前記第1弁芯は前記第1弁座内に移動可能に設けられ、
前記第1弁座の前記第2弁芯アセンブリから離れた一端には第1シーリングヘッドがその一端を覆うように設けられる、請求項1に記載の双方向絞り弁。
【請求項8】
前記第2弁芯アセンブリは第2弁座を含み、前記第2弁芯は前記第2弁座内に移動可能に設けられ、
前記第2弁座内には第2シーリングヘッド及び弾性部材が設けられ、前記第2シーリングヘッドは、前記第2弁座の前記第1弁芯アセンブリから離れた一端に設けられ、前記弾性部材の両端は、前記第2弁芯及び前記第2シーリングヘッドにそれぞれ当接する、請求項1に記載の双方向絞り弁。
【請求項9】
前記第1通路は、前記連通部材の軸方向に対して傾斜した直線状の通路として設けられる、請求項2に記載の双方向絞り弁。
【請求項10】
圧縮機、第1熱交換器、第2熱交換器、四方弁及び少なくとも2つの請求項1、2、5から9のいずれか一項に記載の双方向絞り弁を含み、前記双方向絞り弁は、第1双方向絞り弁及び第2双方向絞り弁を含み、前記第1熱交換器は、前記四方弁のCポートと、前記第1双方向絞り弁の前記第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、前記第2熱交換器は、前記四方弁のEポートと、前記第2双方向絞り弁の前記第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、前記第1双方向絞り弁の前記第1弁芯アセンブリに近い一端と、前記第2双方向絞り弁の前記第1弁芯アセンブリに近い一端とは互いに接続され、前記圧縮機は、前記四方弁のDポートと前記四方弁のSポートとの間に接続される、第1空調システム。
【請求項11】
前記第2熱交換器は少なくとも2つあり、前記第2双方向絞り弁は少なくとも2つあり、各前記第2熱交換器は、いずれも前記四方弁のEポートと、各前記第2双方向絞り弁の前記第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、各前記第2双方向絞り弁の前記第1弁芯アセンブリに近い一端は互いに接続される、請求項10に記載の第1空調システム。
【請求項12】
圧縮機、第1熱交換器、第2熱交換器、四方弁及び少なくとも1つの請求項1、3から9のいずれか一項に記載の双方向絞り弁を含み、前記第1熱交換器は、前記四方弁のCポートと、前記双方向絞り弁の前記第1弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、前記第2熱交換器は、前記四方弁のEポートと、前記双方向絞り弁の前記第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、前記圧縮機は、前記四方弁のDポートと前記四方弁のSポートとの間に接続される、第2空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年11月5日に出願された、出願番号が202111307151.8であり、発明の名称が「双方向絞り弁、第1空調システム及び第2空調システム」である中国特許出願、及び2021年11月5日に出願された、出願番号が202122707906.5であり、発明の名称が「双方向絞り弁、第1空調システム及び第2空調システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願はバルブの技術分野に関し、特に、双方向絞り弁、第1空調システム及び第2空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
絞り弁は、主に空調の冷却システムに適用され、冷却システムの重要な構成部分である。双方向絞り弁は、主に冷暖房型の空調システムに適用され、2つの絞り弁アセンブリを並列又は直列に設けて、双方向の流れ機能を実現する。
【0004】
関連する一方向絞り弁及び双方向絞り弁は、いずれも機能に限界があり、一方向絞り弁は、一方向の流れしか実現することができず、双方向絞り弁は、双方向の流れを実現した場合に流量が小さいため、一部の機種の双方向の流れ及び一方向の絞りの要件、及び除霜作業条件下での除霜側の低圧大流量の要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【0005】
本出願の様々な実施例によれば、双方向絞り弁を提供する。
【0006】
本出願は、弁パイプを含み、弁パイプ内の両端には、第1弁芯アセンブリ及び第2弁芯アセンブリがそれぞれ設けられ、第1弁芯アセンブリは第1弁芯を含み、第1弁芯アセンブリ内には第1弁口があり、第1弁芯は、弁パイプ内に移動可能に設けられて、第1弁口を開閉することができ、第1弁芯と第1弁口の内壁とは協働して第1流れ通路を形成し、第2弁芯アセンブリは第2弁芯を含み、第2弁芯アセンブリ内には第2弁口があり、第2弁芯は、弁パイプ内に移動可能に設けられて、第2弁口を開閉することができ、第2弁芯と第2弁口の内壁とは協働して第2流れ通路を形成し、第1弁口及び第2弁口が開放される場合、第1流れ通路の流れ面積は第2流れ通路の流れ面積よりも大きく、且つ第2弁芯と第2弁口とは協働して絞りを実現する双方向絞り弁を提供する。
【0007】
一実施例では、弁パイプは空調システムのパイプラインに接続され、弁パイプ内には連通部材が更に設けられ、第1弁芯アセンブリは連通部材の一端に取り付けられ、連通部材には第1通路が設けられ、第1通路は第1弁口に連通し、第1弁口の口径をD1とし、第1通路の直径をD2とし、空調システムのパイプラインの直径をD3とすると、D1、D2及びD3は、D2≧D1≧D3の関係式を満たす。
【0008】
一実施例では、弁パイプは空調システムのパイプラインに接続され、弁パイプ内には連通部材が更に設けられ、第1弁芯アセンブリは連通部材の一端に取り付けられ、第1弁口の口径をD1とし、空調システムのパイプラインの直径をD3とすると、D1及びD3は、D1<D3の関係式を満たす。
【0009】
一実施例では、第2弁口の口径をD4とすると、D1及びD4は、D4>D1>(1/3)D4の関係式を満たす。
【0010】
一実施例では、第1弁芯アセンブリは第1弁座を含み、第1弁芯は第1弁座内に移動可能に設けられ、第1弁口は第1弁座に穿設され、第1弁芯の側壁と第1弁座の内壁との間の隙間の流れ面積S1は、第1弁口の流れ面積S2よりも大きい。
【0011】
一実施例では、第2弁芯アセンブリは第2弁座を含み、第2弁芯は第2弁座内に移動可能に設けられ、第2弁口は第2弁座に穿設され、第2弁芯の側壁と第2弁座の内壁との間の隙間の流れ面積は、第2弁口の流れ面積よりも小さい。
【0012】
一実施例では、第1弁芯アセンブリは第1弁座を含み、第1弁芯は第1弁座内に移動可能に設けられ、第1弁座の第2弁芯アセンブリから離れた一端には第1シーリングヘッドがその一端を覆うように設けられる。
【0013】
一実施例では、第2弁芯アセンブリは第2弁座を含み、第2弁芯は第2弁座内に移動可能に設けられ、第2弁座内には第2シーリングヘッド及び弾性部材が更に設けられ、第2シーリングヘッドは、第2弁座の第1弁芯アセンブリから離れた一端に設けられ、弾性部材の両端は、第2弁芯及び第2シーリングヘッドにそれぞれ当接して、第2弁芯が第2流れ通路の流れ面積を減少させる傾向がある。
【0014】
一実施例では、第1通路は、連通部材の軸方向に対して傾斜した直線状の通路として設けられる。
【0015】
本出願は、圧縮機、第1熱交換器、第2熱交換器、四方弁及び少なくとも2つの双方向絞り弁を含み、双方向絞り弁は、第1双方向絞り弁及び第2双方向絞り弁を含み、第1熱交換器は、四方弁のCポートと、第1双方向絞り弁の第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、第2熱交換器は、四方弁のEポートと、第2双方向絞り弁の第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、第1双方向絞り弁の第1弁芯アセンブリに近い一端と、第2双方向絞り弁の第1弁芯アセンブリに近い一端とは互いに接続され、圧縮機は、四方弁のDポートと四方弁のSポートとの間に接続される第1空調システムを更に提供する。
【0016】
一実施例では、第2熱交換器は少なくとも2つあり、第2双方向絞り弁は少なくとも2つあり、各第2熱交換器は、いずれも四方弁のEポートと、各第2双方向絞り弁の第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、各第2双方向絞り弁の第1弁芯アセンブリに近い一端は互いに接続される。
【0017】
本出願は、圧縮機、第1熱交換器、第2熱交換器、四方弁及び少なくとも1つの双方向絞り弁を含み、第1熱交換器は、四方弁のCポートと、双方向絞り弁の第1弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、第2熱交換器は、四方弁のEポートと、双方向絞り弁の第2弁芯アセンブリに近い一端との間に接続され、圧縮機は、四方弁のDポートと四方弁のSポートとの間に接続される第2空調システムを更に提供する。
【0018】
本出願の1つ以上の実施例の詳細は、以下の図面及び記述において提示する。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
ここに開示されているこれらの発明の実施例及び/又は例示をより良く記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0020】
【
図1】本出願によって提供される双方向絞り弁の構成模式図である。
【
図2】本出願によって提供される双方向絞り弁の双方向の流れ方向の模式図である。
【
図3】本出願によって提供される双方向絞り弁の弁パイプの内部の構成模式図である。
【
図4】本出願によって提供される連通部材の構成模式図である。
【
図5】本出願によって提供される第1弁座の構成模式図である。
【
図6】本出願によって提供される第2弁座の構成模式図である。
【
図7】
図1におけるA-Aの断面の構成模式図である。
【
図8】
図1におけるB-Bの断面の構成模式図である。
【
図9】本出願によって提供される第1空調システムの模式図である。
【
図12】本出願によって提供される第2空調システムの模式図である。
【0021】
図面における各符号の意味は、以下の通りである。
100 双方向絞り弁、10 弁パイプ、11 第1弁チャンバ、12 第2弁チャンバ、20 第1弁芯アセンブリ、21 第1弁座、211 第1弁口、212 第1弁座チャンバ、22 第1弁芯、23 第1シーリングヘッド、30 第2弁芯アセンブリ、31 第2弁座、311 第2弁口、312 第2弁座チャンバ、32 第2弁芯、33 第2シーリングヘッド、34 弾性部材、40 連通部材、41 第1通路、42 第2通路、43 第1チャンバ、44 第2チャンバ、200 空調システム、201 第1空調システム、202 第2空調システム、50 圧縮機、60 第1熱交換器、61 第2熱交換器、70 四方弁、80 第1双方向絞り弁、81 第2双方向絞り弁、90 空調システムのパイプライン。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願の目的、技術態様及び利点をより明確にするために、以下に、図面及び具体的な実施形態を参照して、本出願を更に詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本出願を解釈するためのものにすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0023】
説明すべきこととして、アセンブリが別のアセンブリに「取り付けられる」とされる場合、別のアセンブリに直接取り付けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、別のアセンブリに直接設けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、別のアセンブリに直接固定されてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。本文で使用される「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」という用語及び類似した表現は、説明を目的とするものにすぎず、唯一の実施形態であることを表すものではない。
【0024】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0025】
図1から
図12を参照すると、本出願の一実施形態によって提供される双方向絞り弁100は、空調システム200に適用され、主に冷暖房型の空調システム200に適用され、2つの絞り弁アセンブリを並列又は直列に設けて、双方向の流れ機能を実現する。
【0026】
関連する一方向絞り弁及び双方向絞り弁は、いずれも機能に限界があり、一方向絞り弁は、一方向の流れしか実現することができず、双方向絞り弁は、双方向の流れを実現した場合に流量が小さいため、一部の機種の双方向の流れ及び一方向の絞りの要件、及び除霜作業条件下での除霜側の低圧大流量の要件を満たすことができない。
【0027】
関連する双方向絞り弁に存在する問題を解決するために、本出願の一実施形態では、弁パイプ10を含み、弁パイプ10内の両端には、第1弁芯アセンブリ20及び第2弁芯アセンブリ30がそれぞれ設けられ、第1弁芯アセンブリ20は第1弁芯22を含み、第1弁芯アセンブリ20内には第1弁口211があり、第1弁芯22は、弁パイプ10内に移動可能に設けられて、第1弁口211を開閉することができ、第1弁芯22と第1弁口211の内壁とは協働して第1流れ通路を形成し、第2弁芯アセンブリ30は第2弁芯32を含み、第2弁芯アセンブリ30内には第2弁口311があり、第2弁芯32は、弁パイプ10内に移動可能に設けられて、第2弁口311を開閉することができ、第2弁芯32と第2弁口311の内壁とは協働して第2流れ通路を形成し、第1弁口211及び第2弁口311が開放される場合、第1流れ通路の流れ面積は第2流れ通路の流れ面積よりも大きく、且つ第2弁芯32と第2弁口311とは協働して絞りを実現する双方向絞り弁100を提供している。
【0028】
本出願は、第1弁口211及び第2弁口311が開放される場合、第1流れ通路の流れ面積を第2流れ通路の流れ面積よりも大きくすることによって、流れ量を増加させ、双方向絞り弁100の双方向の流れ・一方向の絞り機能を実現するだけでなく、双方向絞り弁100が除霜作業条件下にある場合でも、この作業条件下での低圧大流量の要件を満たすことができる。
【0029】
図1及び
図4に示すように、弁パイプ10内には連通部材40が更に設けられる。連通部材40は、弁パイプ10内に設けられ、且つ弁パイプ10の内部を第1弁チャンバ11及び第2弁チャンバ12に分割する。連通部材40には、第1チャンバ43、第2チャンバ44、第1通路41及び第2通路42が設けられ、第1チャンバ43は、連通部材40の第1弁チャンバ11に近い一端に設けられ、第2チャンバ44は、連通部材40の第2弁チャンバ12に近い一端に設けられ、第1通路41は、第1チャンバ43と第2弁チャンバ12とを連通させ、第2通路42は、第2チャンバ44と第1弁チャンバ11とを連通させる。第1弁芯アセンブリ20は、第1チャンバ43に取り付けられ、第1通路41と第1弁チャンバ11との間の流量の大きさを自動調節するために用いられる。第2弁芯アセンブリ30は、第2チャンバ44に取り付けられ、第2通路42と第2弁チャンバ12との間の流量の大きさを調節するために用いられる。
【0030】
図2に示すように、双方向絞り弁100が作動すると、流体は、第1弁チャンバ11から第2通路42に入ってから、第2チャンバ44に入った後に、第2弁芯アセンブリ30に入り、最後に第2弁チャンバ12に入ることができる。流体は、第2弁チャンバ12から第1通路41に入ってから、第1チャンバ43に入った後に、第1弁芯アセンブリ20に入り、最後に第1弁チャンバ11に入ることもできる。このように、この双方向絞り弁100は、弁パイプ10、連通部材40、第1弁芯アセンブリ20及び第2弁芯アセンブリ30によって双方向の流れの役割を実現することができ、部品が少なく、構造が非常に簡単である。取り付けの際に、連通部材40を弁パイプ10内に取り付けて、第1弁芯アセンブリ20及び第2弁芯アセンブリ30を連通部材40の両端にそれぞれ取り付けるだけで、この双方向絞り弁100の組み立て作業を完了することができ、取り付け過程も非常に簡単であり、組み立て過程で不具合が発生する確率が減少し、製品の一致性の向上に有利であるため、双方向絞り弁100の生産コストが大幅に低減される。「製品の一致性」とは、大量生産の際に、異なる製品同士が基本的に一致することを指す。
【0031】
図3及び
図4に示すように、第1通路41は、連通部材40の軸方向に対して傾斜した直線状の通路として設けられる。これにより、流体が第1通路41内を流れる際に、流れ抵抗が小さくなるため、この双方向絞り弁100の安定性がより良くなる。これに対応して、第2通路42も、連通部材40の軸方向に対して傾斜した直線状の通路として設けられる。同様に、流体が第2通路42内を流れる際に、流れ抵抗が小さくなるため、この双方向絞り弁100の安定性がより良くなる。
【0032】
本実施例では、連通部材40、第1弁芯アセンブリ20及び第2弁芯アセンブリ30は同軸に設けられる。同軸に設けられることによって、連通部材40、第1弁芯アセンブリ20及び第2弁芯アセンブリ30の全体の占有スペースが小さくなるため、弁パイプ10の小型化設計に有利になり、この双方向絞り弁100の占有スペースが大幅に減少する。
【0033】
図3及び
図5に示すように、第1弁芯アセンブリ20は第1弁座21を含む。第1弁座21内には第1弁座チャンバ212があり、第1弁芯22は第1弁座チャンバ212内に移動可能に設けられ、第1弁口211は第1弁座21に穿設される。第1弁座21の第2弁芯アセンブリ30から離れた一端には第1シーリングヘッド23がその一端を覆うように設けられ、第1シーリングヘッド23と第1弁座21との間には、流体が通過するように、第1弁座チャンバ212と第1弁チャンバ11とを連通させる空隙が残されている。第1弁口211の流れ面積が減少してゼロになると、第1弁口211は閉じられる。第1通路41内の流体の圧力が第1弁芯22の自重よりも大きい場合、流体は、第1弁芯22を動かして移動させて、第1弁口211を開くか、又は第1弁口211の流れ面積を増大させ、第1通路41から第1弁口211及び第1弁座チャンバ212を順に流れ、最後に第1弁チャンバ11に入る。第1通路41内の流体の圧力が第1弁芯22の自重よりも小さい場合、第1弁芯22は、逆方向に移動して第1弁口211の流れ面積を減少させ、更には第1弁口211を閉じる。
【0034】
図6に示すように、第2弁芯アセンブリ30は第2弁座31を含む。第2弁座31内には第2弁座チャンバ312があり、第2弁芯32は第2弁座チャンバ312内に移動可能に設けられ、第2弁口311は第2弁座31に穿設される。第2弁座31の第1弁芯アセンブリ20から離れた一端には第2シーリングヘッド33がその一端を覆うように設けられ、第2シーリングヘッド33と第2弁座31との間には、流体が通過するように、第2弁座チャンバ312と第2弁チャンバ12とを連通させる空隙が残されている。
【0035】
更に、第2弁座31内には弾性部材34が更に設けられ、弾性部材34の両端は、第2弁芯32及び第2シーリングヘッド33にそれぞれ当接して、第2弁芯32が第2流れ通路の流れ面積を減少させる傾向がある。第2弁口311の流れ面積がゼロになると、第2弁口311は閉じた状態となり、第2弁口311の流れ面積がゼロよりも大きいと、第2弁口311は開いた状態となる。第2弁口311の流れ面積の大きさを調節することは、第2弁口311の開いた状態における流れ面積の大きさの調節だけでなく、第2弁口311の開いた状態と閉じた状態との切り換えも含む。第2弁口311の流れ面積が減少してゼロになると、第2弁口311は閉じられる。第2通路42内の流体の圧力が弾性部材34の弾性力よりも大きい場合、流体は、第2弁芯32を動かして移動させて、弾性部材34を圧縮させるとともに、第2弁口311を開くか、又は第2弁口311の流れ面積を増大させ、第2通路42内の流体の圧力が大きいほど、第2弁口311の流れ面積が大きくなるため、流体は、第2通路42から第2弁口311及び第2弁座チャンバ312を順に流れ、最後に第2弁チャンバ12に入る。第2通路42内の流体の圧力が弾性部材34の弾性力よりも小さい場合、弾性部材34の弾性復元力の作用下で、第2弁芯32は、逆方向に移動して第2弁口311の流れ面積を減少させ、更には第2弁口311を閉じる。
【0036】
関連する双方向絞り弁は、通常、双方向の流れ・双方向の絞り構造であるため、流体の流れ量が通常少なく、空調システム200の除霜作業条件下では、通常、空調システム200中の復水を除霜するには、十分な流体が必要となり、双方向絞り弁100が双方向の絞りを行う場合、除霜作業条件下での大流量の要件を満たすことができなくなる。
【0037】
双方向絞り弁100における2つの弁芯アセンブリのうち、一方の弁芯アセンブリはフルフロー又はオリフィス絞り構造とし、他方の弁芯アセンブリは絞り構造とする。説明すべきこととして、フルフロー構造又はオリフィス絞り構造の流れ量は、絞り構造よりも大きい。これにより、双方向絞り弁100は、絞りに対応することができるだけでなく、除霜作業条件下での大流量に対応することもできるようになる。
【0038】
本実施例では、第1弁芯アセンブリ20をフルフロー又はオリフィス絞り構造とする。他の実施例では、第2弁芯アセンブリ30をフルフロー又はオリフィス絞り構造としてもよいことは言うまでもなく、ここでは限定しない。
【0039】
第1弁芯アセンブリ20がフルフローを実現した場合、第1弁口211の口径をD1とし、第1通路41の直径をD2とし、空調システムのパイプライン90の直径をD3とすると、D1、D2及びD3は、D2≧D1≧D3の関係式を満たす。第1弁口211及び第1通路41の直径を設計する際に、D1、D2及びD3がD2≧D1≧D3の関係式を満たすようにすることによって、第1弁口211が開放された場合、第1弁芯アセンブリ20は、絞りが発生せず、フルフローを実現することができる。
【0040】
流体が空調システムのパイプライン90から第2弁チャンバ12に流れ込むと、流体は、第2弁座31と弁パイプ10との間の隙間から第1通路41に流れ込み、第1通路41の直径が空調システムのパイプライン90の直径よりも大きいため、この場合、流路面積が大きくなって、フルフローが実現される。
【0041】
第1弁芯アセンブリ20がオリフィス絞りを実現した場合、第1弁口211の口径をD1とし、空調システムのパイプライン90の直径をD3とすると、D1及びD3は、D1<D3の関係式を満たす。第1弁口211の口径を設計する際に、D1及びD3がD1<D3の関係式を満たすようにすることによって、第1弁口211が開放された場合、第1弁芯アセンブリ20は、部分的に絞りを行い、オリフィス絞りを実現することができる。
【0042】
流体が空調システムのパイプライン90から第2弁チャンバ12に流れ込むと、流体は、第2弁座31と弁パイプ10との間の隙間から第1弁口211に流れ込み、第1弁口211の直径が空調システムのパイプライン90の直径よりも小さいため、この場合、流路面積が小さくなって、オリフィス絞りが実現される。
【0043】
更に、第1弁芯アセンブリ20がオリフィス絞りをより良く実現するために、第2弁口311の口径をD4とすると、D1及びD4は、D4>D1>(1/3)D4の関係式を満たす。第1弁口211及び第2弁口311の口径を設計する際に、D1及びD4がD4>D1>(1/3)D4の関係式を満たすようにすることによって、第1弁口211が開放された場合、第1弁口211において更なるオリフィス絞りを実現することができる。
【0044】
絞り構造とされた第2弁芯アセンブリ30は、流体が空調システムのパイプライン90から第1弁チャンバ11に流れ込むと、流体は、第1弁座21と弁パイプ10との間の隙間から第2弁口311に流れ込み、第2弁口311の直径も空調システムのパイプライン90の直径よりも小さいため、この場合も、流路面積が小さくなって、絞りを実現する。第2弁芯アセンブリ30の流れ量が依然としてオリフィス絞りとして設計される場合の第1弁芯アセンブリ20の流れ量よりも小さいのは、主に、第1弁芯アセンブリ20と第2弁芯アセンブリ30との以下の構造の違いによるものである。
【0045】
図7から
図8に示すように、まず流れ面積の違いについてである。第1弁芯22の側壁と第1弁座21の内壁との間の隙間の流れ面積S1は、第1弁口211の流れ面積S2よりも大きい。第2弁芯32の側壁と第2弁座31の内壁との間の隙間の流れ面積は、第2弁口311の流れ面積よりも小さい。これに基づいて、圧力差の関係で、流体が第1弁芯22を押し開ける過程が、流体が第2弁芯32を押し開ける過程よりも明らかに容易であり、第1弁口211の開放通路面積が第2弁口311の開放通路面積よりも大きくなければならないため、第1弁芯アセンブリ20の流れ量が第2弁芯アセンブリ30の流れ量よりも大きくなければならないことが分かる。
【0046】
次に、弾性構造の違いについてである。即ち、第1弁座チャンバ212内には、第1弁座チャンバ212内で移動可能な第1弁芯22のみが設けられ、言い換えると、流体が第1弁芯22を第1弁口211から押し開ける場合、第1弁芯22自体の重力のみを克服すればよく、且つ第1弁芯22が他の部材に接続されていないため、流体が第1弁芯22を押し開けた後、流体の衝突力が徐々に第1弁芯22の重力よりも小さくならない限り、第1弁芯22が第1弁口211の方向に向かって移動することはなく、この場合、第1弁口211において大流量通路が実現される。第2弁座チャンバ312内には、第2弁芯32の他に、両端が第2シーリングヘッド33及び第2弁芯32にそれぞれ接続される弾性部材34が設けられ、言い換えると、流体が第2弁芯32を第2弁口311から押し開ける場合、第2弁芯32自体の重力を克服することに加えて、弾性部材34の弾性力も克服する必要があり、また、流体が第2弁芯32を押し開けた後、第2弁芯32は、弾性部材34の弾性復元力の作用により第2弁口311に向かって移動しようとする傾向もあり、この傾向によっても第2弁口311における流れ量が徐々に小さくなる。
【0047】
要約すると、第1弁芯アセンブリ20と第2弁芯アセンブリ30とは、流れ面積及び弾性構造の違いが存在するため、第1弁口211をオリフィス絞り構造として設計しても、第1弁口211における流れ量は、依然として第2弁口311における流れ量よりも大きくなる。
【0048】
選択的には、弾性部材34はバネを用いているが、他の実施例では、弾性部材34は他の弾性構造を用いてもよいことは言うまでもなく、ここでは限定しない。
【0049】
図9から
図11に示すように、本出願は、圧縮機50、第1熱交換器60、第2熱交換器61、四方弁70及び双方向絞り弁100を含み、双方向絞り弁100は、第1双方向絞り弁80及び第2双方向絞り弁81を含み、第1熱交換器60は、四方弁70のCポートと、第1双方向絞り弁80の、当該第1双方向絞り弁80の第2弁芯アセンブリ30に近い一端との間に接続され、第2熱交換器61は、四方弁70のEポートと、第2双方向絞り弁81の、当該第2双方向絞り弁81の第2弁芯アセンブリ30に近い一端との間に接続され、第1双方向絞り弁80の、当該第1双方向絞り弁80の第1弁芯アセンブリ20に近い一端と、第2双方向絞り弁81の、当該第2双方向絞り弁81の第1弁芯アセンブリ20に近い一端とは互いに接続され、圧縮機50は、四方弁70のDポートと四方弁70のSポートとの間に接続される第1空調システム201を更に提供している。
【0050】
第1空調システム201は、主に、部材が多く、空調システムのパイプライン90が長いシステムであり、且つこの場合に適用される双方向絞り弁100は、一端が絞りであり、他端がフルフローである双方向絞り弁100である。第1空調システム201が冷房を行う場合、低温低圧の気体は、圧縮機50によって圧縮されて高温高圧の気体を形成し、高温高圧の気体は、四方弁70を介して第1熱交換器60に入って、第1熱交換器60によって中温高圧の液体に凝縮され、中温高圧の液体は、第1双方向絞り弁80の第2弁チャンバ12に入ってから、第2弁座31と弁パイプ10との間の隙間を経て第1通路41に流れ込んだ後、第1弁口211に入り、この際に、中温高圧の液体は、第1弁芯22を押し開けて、第1弁座チャンバ212に入った後、第1弁チャンバ11に入るが、流体が第1弁口211においてフルフローとなるため、この場合、中温高圧の液体が第1双方向絞り弁80を流れることは、空調システムのパイプライン90を流れるのと同等であり、絞り作用はない。中温高圧の液体は、第1双方向絞り弁80の第1弁チャンバ11を流れ出てから、第2双方向絞り弁81の第1弁チャンバ11に流れ込み、第1弁座21と弁パイプ10との間の隙間を経て第2通路42に流れ込んだ後、第2弁口311に流れ込んで、第2弁芯32を押し開けた後、第2弁座チャンバ312に流れ込み、最後に第2弁チャンバ12に入る。中温高圧の液体は、第2弁口311において低温低圧の液体に絞られた後、第2熱交換器61に入って、第2熱交換器61によって蒸発されて低温低圧の気体を形成し、最後に四方弁70を介して圧縮機50に入って、冷房循環が完了する。
【0051】
第1空調システム201が暖房を行う場合、低温低圧の気体は、圧縮機50によって圧縮されて高温高圧の気体を形成し、高温高圧の気体は、四方弁70を介して第2熱交換器61に入って、第2熱交換器61によって中温高圧の液体に放熱され、中温高圧の液体は、第2双方向絞り弁81の第2弁チャンバ12に入ってから、第2弁座31と弁パイプ10との間の隙間を経て第1通路41に流れ込んだ後、第1弁口211に入り、この際に、中温高圧の液体は、第1弁芯22を押し開けて、第1弁座チャンバ212に入った後、第1弁チャンバ11に入るが、流体が第1弁口211においてフルフローとなるため、この場合、中温高圧の液体が第2双方向絞り弁81を流れることは、空調システムのパイプライン90を流れるのと同等であり、絞り作用はない。中温高圧の気体は、第2双方向絞り弁81の第1弁チャンバ11から流れ出てから、第1双方向絞り弁80の第1弁チャンバ11に流れ込み、第1弁座21と弁パイプ10との間の隙間を経て第2通路42に流れ込んだ後、第2弁口311に流れ込んで、第2弁芯32を押し開けた後、第2弁座チャンバ312に流れ込み、最後に第2弁チャンバ12に入る。中温高圧の液体は、第2弁口311において低温低圧の液体又は気液二相の媒体に絞られた後、第1熱交換器60に入って、第1熱交換器60によって蒸発されて低温低圧の気体を形成し、最後に四方弁70を介して圧縮機50に入って、暖房循環が完了する。
【0052】
第2熱交換器61と第2双方向絞り弁81とが直列に接続されたパイプラインは、並列に複数接続されてもよく、具体的な数は、空調システム200の具体的な状況に応じて決まる。即ち、第1空調システム201は、少なくとも2つの第2熱交換器61及び少なくとも2つの第2双方向絞り弁81を含み、各第2熱交換器61は、四方弁70のEポートと、各第2双方向絞り弁81の、当該第2双方向絞り弁81の第2弁芯アセンブリ30に近い一端との間に接続され、各第2双方向絞り弁81の、当該第2双方向絞り弁81の第1弁芯アセンブリ20に近い一端は互いに接続される。
【0053】
第1弁芯アセンブリ20がフルフローであり、第2弁芯アセンブリ30が絞りである双方向絞り弁100を、第1空調システム201に適用し、主にマルチの場合に適用することによって、空調システムのパイプライン90が長い場合、冷暖房循環が1つの双方向絞り弁100を共用すると、途中で冷却能力が大幅に失われる問題が解決される。
【0054】
図12に示すように、本出願は、圧縮機50、第1熱交換器60、第2熱交換器61、四方弁70及び1つの双方向絞り弁100を含み、第1熱交換器60は、四方弁70のCポートと、双方向絞り弁100の、当該双方向絞り弁100の第1弁芯アセンブリ20に近い一端との間に接続され、第2熱交換器61は、四方弁70のEポートと、双方向絞り弁100の、当該双方向絞り弁100の第2弁芯アセンブリ30に近い一端との間に接続され、圧縮機50は、四方弁70のDポートと四方弁70のSポートとの間に接続される第2空調システム202を更に提供している。
【0055】
第2空調システム202は、主に、部材が少なく、空調システムのパイプライン90が短いシステムであり、且つこの場合に適用される双方向絞り弁100は、一端が絞りであり、他端がオリフィス絞りである双方向絞り弁100である。第2空調システム202が冷房を行う場合、低温低圧の気体は、圧縮機50によって圧縮されて高温高圧の気体を形成し、高温高圧の気体は、四方弁70を介して第1熱交換器60に入って、第1熱交換器60によって中温高圧の液体に凝縮され、中温高圧の液体は、双方向絞り弁100の第1弁チャンバ11に入ってから、第1弁座21と弁パイプ10との間の隙間を経て第2通路42に流れ込んだ後、第2弁口311に入り、この際に、中温高圧の液体は、第2弁芯32を押し開けて、第2弁座チャンバ312に入った後、第2弁チャンバ12に入るが、流体が第2弁口311において絞られるため、この際に、中温高圧の液体は、双方向絞り弁100を流れることによって低温低圧の液体又は低温低圧の気液二相の状態に絞られてから、双方向絞り弁100の第2弁チャンバ12から流れ出てから、第2熱交換器61に流れ込んで、第2熱交換器61によって蒸発されて低温低圧の蒸気を形成し、最後に四方弁70を介して圧縮機50に入って、冷房循環が完了する。
【0056】
第2空調システム202が除霜を行う場合、低温低圧の気体は、圧縮機50によって圧縮されて高温高圧の気体を形成し、高温高圧の気体は、四方弁70を介して第2熱交換器61に入って、第2熱交換器61によって中温高圧の液体に凝縮され、中温高圧の液体は、双方向絞り弁100の第2弁チャンバ12に入ってから、第2弁座31と弁パイプ10との間の隙間を経て第1通路41に流れ込んだ後、第1弁口211に入り、この際に、中温高圧の液体は、第1弁芯22を押し開けて、第1弁座チャンバ212に入った後、第1弁チャンバ11に入るが、流体が第1弁口211においてオリフィスによって低温低圧の液体又は気液二相の媒体に絞られるため、この際に、流れ面積が増大し、それに応じて流体量が増加し、低温低圧となった液体又は気液二相の媒体は、双方向絞り弁100の第1弁チャンバ11から流れ出てから、第1熱交換器60に流れ込んで、第1熱交換器60によって蒸発されて低温低圧の気体を形成し、最後に四方弁70を介して圧縮機50に入って、除霜循環が完了する。
【0057】
第1弁芯アセンブリ20がオリフィス絞りであり、第2弁芯アセンブリ30が絞りである双方向絞り弁100を、第2空調システム202に適用し、主に冷蔵冷凍の場合に適用することによって、長時間の冷却環境において、空調システム200を除霜する場合、冷媒の流量を大幅に増加させる必要がある問題が解決される。
【0058】
説明すべきこととして、上記の空調システム200は、第1空調システム201であってもよく、第2空調システム202であってもよい。
【0059】
本出願によって提供される双方向絞り弁100は、第1弁口211及び第2弁口311が開放される場合、第1流れ通路の流れ面積を第2流れ通路の流れ面積よりも大きくすることによって、双方向絞り弁100の双方向の流れ・一方向の絞り機能を実現することができるだけでなく、双方向絞り弁100が除霜作業条件下にある場合でも、この作業条件下での低圧大流量の要件を満たすことができる。
【0060】
上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0061】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、それ故に本出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行うこともできるが、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
【国際調査報告】