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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】マイクロチャネル熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/047 20060101AFI20241010BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20241010BHJP
   F28F 9/26 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F28D1/047 C
F28F1/02 A
F28F9/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519529
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2022129911
(87)【国際公開番号】W WO2023078399
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202220403404.5
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111302595.2
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220961160.2
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210662495.9
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202221483863.5
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122706128.8
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】魏 文建
(72)【発明者】
【氏名】王 冠軍
(72)【発明者】
【氏名】丁 二剛
(72)【発明者】
【氏名】朱 麗星
(72)【発明者】
【氏名】呉 振▲シン▼
【テーマコード(参考)】
3L065
3L103
【Fターム(参考)】
3L065FA08
3L103AA05
3L103DD03
3L103DD33
(57)【要約】
マイクロチャネル熱交換器(100)である。このマイクロチャネル熱交換器(100)は、複数のフィン(10)及び複数の扁平管(20)を含み、複数のフィン(10)は、並列に設けられて複数の列を形成し、フィン(10)には接続スロット(11)が穿設され、複数の扁平管(20)は、平行に設けられて複数の層を形成し、扁平管(20)は接続スロット(11)に挿設されるマイクロチャネル熱交換器(100)であって、ディスペンサ(30)及び管継手(40)を更に含み、ディスペンサ(30)には複数の毛細管(31)が設けられ、管継手(40)の一端は毛細管(31)に連通し、他端は扁平管(20)に連通する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィン及び複数の扁平管を含み、複数のフィンは、並列に設けられて複数の段を形成し、前記フィンには接続スロットが穿設され、複数の前記扁平管は、平行に設けられて複数の層を形成し、前記扁平管は接続スロットに挿設されるマイクロチャネル熱交換器であって、
ディスペンサ及び管継手を更に含み、前記ディスペンサには複数の毛細管が設けられ、前記管継手の一端は前記毛細管に連通し、他端は前記扁平管に連通する、マイクロチャネル熱交換器。
【請求項2】
前記管継手は複数あり、一部の前記管継手は、一端が前記毛細管に接続され、他端が前記扁平管に接続され、一部の前記管継手は、両端がいずれも前記扁平管に接続される、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項3】
前記管継手は、前記扁平管に係合される第1管口を有し、前記第1管口は前記扁平管を挿入するために用いられ、前記管継手の内壁には制限部が設けられ、前記制限部は、前記扁平管の一端及び/又は前記扁平管の側壁に当接して、前記扁平管を制限するために用いられる、請求項2に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項4】
前記制限部は、第1突部及び第2突部を含み、前記第1突部及び前記第2突部は、前記管継手の長さ方向に沿って間隔をおいて配置され、前記第1突部は、前記第2突部に比べて、前記第1管口から離れて設けられ、前記第1突部の前記管継手の内壁からの突出高さは、前記第2突部の前記管継手の内壁からの突出高さよりも大きく、前記第1突部は前記扁平管の一端を当接させるために用いられ、前記第2突部は前記扁平管の外側壁に当接するために用いられる、請求項3に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項5】
前記第2突部が前記管継手の内壁に対して突出する高さをHとし、前記扁平管の高さをHとし、前記管継手内には対向して設けられた第1内壁及び第2内壁があり、前記第2突部は前記第1内壁及び/又は前記第2内壁に設けられ、前記第1内壁と前記第2内壁との間の距離をHとすると、0mm≦[H-(H-H)]≦0.2mmである、請求項4に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項6】
前記第1突部は、半円形、矩形又は台形であり、及び/又は、前記第2突部は、半円形、矩形又は台形である、請求項4に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項7】
前記第1突部が前記管継手の内壁に対して突出する高さをHとし、前記扁平管の高さをHとし、前記管継手内には対向して設けられた第1内壁及び第2内壁があり、前記第1突部は前記第1内壁及び/又は前記第2内壁に設けられ、前記第1内壁と前記第2内壁との間の距離をHとし、前記扁平管の高さをHとすると、0.2mm≦[H-(H-H)]≦3mmである、請求項4に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項8】
前記第1突部と前記第1管口の端面との間の間隔をLとすると、2mm≦L≦10mmである、請求項4に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項9】
前記扁平管の高さをHとし、前記管継手内には対向して設けられた第1内壁及び第2内壁があり、前記第1内壁と前記第2内壁との間の距離をHとすると、0.02mm≦(H-H)≦0.4mmである、請求項3に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項10】
前記管継手は第2管口を有し、前記第2管口は、前記管継手の前記第1管口から離れた一端に位置して、円形をなしているか、あるいは、前記管継手は湾曲パイプであり、前記管継手の両端は、いずれも前記第1管口を有する、請求項3に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項11】
縮径管及び拡径管を更に含み、前記拡径管は前記管継手に接続され、前記縮径管は前記扁平管に接続されるか、あるいは、前記縮径管は前記管継手に接続され、前記拡径管は前記扁平管に接続され、前記縮径管の外側には溶接リングが嵌合され、前記縮径管は、前記拡径管内に入り込んで前記拡径管に溶接接続される、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項12】
前記縮径管は、互いに接続された第1セグメント及び第2セグメントを含み、前記第1セグメントの外径は、前記第2セグメントに近づく方向に沿って徐々に減少し、前記溶接リングは前記第1セグメントの外側に嵌合され、前記縮径管の軸方向に沿って、前記第1セグメントの長さをLとし、前記溶接リングの横断面の直径をDとすると、D≦L≦1.2Dである、請求項11に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項13】
前記第2セグメントの長さをLとすると、3mm≦L≦5mmである、請求項12に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項14】
前記第1セグメントは前記扁平管に接続され、前記扁平管の幅をWとし、前記第2セグメントの幅をWとし、前記溶接リングは楕円環状であり、前記溶接リングの内輪の長軸をDとすると、W≦D≦Wである、請求項12に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項15】
前記第1セグメントは前記扁平管に接続され、前記扁平管の幅をWとすると、D=0.06Wである、請求項12に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項16】
前記第1セグメントは前記扁平管に接続され、前記縮径管内の幅をWとし、前記管継手内の幅をWとすると、0.8W≦W≦1.2Wである、請求項12に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項17】
前記縮径管の外壁と前記拡径管の内壁とはクリアランスフィットされ、
前記縮径管の外壁と前記拡径管の内壁との隙間をHとすると、0.1mm≦H≦0.35mmである、請求項11に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項18】
前記縮径管は前記扁平管に接続され、前記拡径管は前記管継手に接続され、前記縮径管は、前記扁平管が縮径することによって形成され、前記拡径管は、前記管継手が拡径することによって形成されるか、あるいは、前記拡径管は前記扁平管に接続され、前記縮径管は前記管継手に接続され、前記拡径管は、前記扁平管が拡径することによって形成され、前記縮径管は、前記管継手が縮径することによって形成される、請求項11に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項19】
前記扁平管は複数列あり、隣接する列の前記扁平管は、前記管継手、前記縮径管及び前記拡径管を介して接続される、請求項11に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項20】
前記扁平管は少なくとも2列あり、前記マイクロチャネル熱交換器は複数の湾曲パイプを更に含み、隣接する列の前記扁平管は前記湾曲パイプを介して連通し、前記湾曲パイプと前記扁平管とは別体に設けられ、及び/又は、同じ列の前記扁平管同士は前記湾曲パイプを介して連通し、前記湾曲パイプと前記扁平管とは別体に設けられる、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項21】
複数の前記扁平管は間隔をおいて設けられ、前記接続スロットは複数あり、複数の前記接続スロットは、前記フィンの延在方向に沿って間隔をおいて設けられ、前記接続スロットと前記扁平管とは、前記フィンが前記接続スロットを介して前記扁平管に挿嵌されるように、形状が一致し、
前記マイクロチャネル熱交換器は湾曲パイプを更に含み、前記湾曲パイプは、接続セグメント及び折り曲げセグメントを含み、前記接続セグメントは2つあり、2つの前記接続セグメントは、前記折り曲げセグメントの両端にそれぞれ設けられ、2つの前記接続セグメントと前記折り曲げセグメントとが接続されてU字管構造を形成し、2つの前記接続セグメントは、2つの前記扁平管にそれぞれ接続され、
前記接続セグメントが前記扁平管に嵌合される深さをPとすると、2mm≦P≦20mmである、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項22】
前記接続セグメントの内壁面は、順に接続された頂面、第1側面、底面及び第2側面によって取り囲まれて形成され、前記頂面及び前記底面は、いずれも平面であり、
前記第1側面及び前記第2側面は、いずれも弧面であるか、
あるいは、前記第1側面及び前記第2側面は、いずれも平面であり、前記頂面及び前記底面と前記第1側面との接続箇所は、いずれも円弧により移行しており、前記頂面及び前記底面と前記第2側面との接続箇所は、いずれも円弧により移行しているか、
あるいは、前記第1側面及び前記第2側面は、いずれも楕円面であるか、
あるいは、前記第1側面及び前記第2側面は、いずれも折り曲げ面である、請求項21に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項23】
前記湾曲パイプの2つの前記接続セグメントは、いずれも軸対称構造であり、2つの前記接続セグメントの対称中心は、接続軸線を形成するように接続され、前記湾曲パイプの管口の長さ方向と前記接続軸線との間には夾角αが存在し、0≦α≦90°である、請求項21に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項24】
前記接続スロットの幅をGwとし、前記接続スロットの高さをGtとすると、1.5≦Gw/Gt≦10である、請求項21に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項25】
前記フィンには複数の第1突起が設けられ、前記第1突起は、円形、櫛形、三角形、矩形、S字形又は波形である、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項26】
前記第1突起にはスリットが穿設され、前記スリットは、前記フィンの表面を貫通して風路を形成する、請求項25に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項27】
前記フィンは、第1側及び第2側を有し、前記フィンの前記第1側に近い側面には複数の第2突起があり、複数の前記第2突起は、前記フィンの幅方向に沿って順に分布して波形構造を形成し、前記波形構造の両端は、前記フィンの長さ方向の両側に向かってそれぞれ延在し、且つ前記フィンの両端を貫通する、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項28】
前記フィンは、互いに接続された本体部及びフランジ構造を含み、前記接続スロットは前記本体部に設けられ、前記フランジ構造は、前記接続スロットに設けられ、且つ前記本体部から突出して設けられ、少なくとも一部の前記フランジ構造は前記扁平管の側面に当接する、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項29】
前記フィンは、互いに接続された本体部及びフランジ構造を含み、前記接続スロットは前記本体部に設けられ、前記フランジ構造は、前記接続スロットに設けられ、且つ前記本体部から突出して設けられ、前記扁平管に係合される、請求項21に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項30】
前記フランジ構造は第1フランジを含み、前記第1フランジは、前記接続スロットの周縁を取り囲んで設けられて、前記第1フランジが前記扁平管に係合される形状を取り囲んで形成するようにする、請求項29に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項31】
前記第1フランジの高さをHとすると、0<H≦1mmである、請求項30に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項32】
前記フランジ構造は第2フランジを更に含み、
前記第2フランジは複数あり、複数の前記第2フランジは、前記接続スロットの周縁方向に沿って間隔をおいて前記第1フランジに設けられ、前記第2フランジの位置する平面と前記第1フランジの位置する平面とは一致する、請求項30に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項33】
前記第2フランジの高さをHとし、前記接続スロットの高さをGとすると、0.25<H/G<1である、請求項32に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項34】
前記フランジ構造は第3フランジを更に含み、
前記第3フランジは複数あり、複数の前記第3フランジと複数の前記第2フランジとは一対一に対応して設けられ、各前記第3フランジは、前記第2フランジの前記第1フランジから離れた側に設けられ、前記第3フランジと前記第2フランジとは、前記第3フランジが前記接続スロットを回避して設けられるように、予め設定された角度で設けられる、請求項32に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項35】
前記フィンと前記接続セグメントとの間の最小間隔をCとすると、0≦C≦80mmである、請求項21に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項36】
前記フィンは少なくとも2列含まれ、各列の前記フィンは、複数段の間隔をおいて設けられた前記フィンを含み、2列の前記フィンの同じ段の前記フィンは別体に設けられ、且つ同じ段の前記フィンにおける前記接続スロットは段違いに設けられ、及び/又は、同じ列の前記フィンにおける前記接続スロットは段違いに設けられる、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項37】
集流管を含み、前記扁平管は、少なくとも1列目の扁平管及び2列目の扁平管を含み、前記1列目の扁平管と前記2列目の扁平管とは並列に設けられ、前記1列目の扁平管は前記管継手に接続され、前記2列目の扁平管は前記集流管に接続されるか、
あるいは、前記扁平管は1列あり、前記扁平管の一端は前記管継手に接続され、他端は前記集流管に接続される、請求項1に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年2月25日に出願された、出願番号が202220403404.5であり、発明の名称が「マイクロチャネル熱交換器」である中国特許出願、2021年11月4日に出願された、出願番号が202111302595.2であり、発明の名称が「熱交換器」である中国特許出願、2022年4月21日に出願された、出願番号が202220961160.2であり、発明の名称が「マイクロチャネル熱交換器」である中国特許出願、2022年6月13日に出願された、出願番号が202210662495.9であり、発明の名称が「管継手及びそのマイクロチャネル熱交換器」である中国特許出願、2022年6月13日に出願された、出願番号が202221483863.5であり、発明の名称が「管継手及びそのマイクロチャネル熱交換器」である中国特許出願、2021年11月4日に出願された、出願番号が202122706128.8であり、発明の名称が「熱交換器」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は冷却の技術分野に関し、特に、マイクロチャネル熱交換器に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロチャネル熱交換器は、産業発展のニーズを満たすために設計された、構造がコンパクトであり、軽量で、効率の高い熱交換器の一種である。
【0004】
関連技術におけるマイクロチャネル熱交換器は、扁平管の両端に2つの集流管が設けられ、扁平管の入口及び出口はいずれも集流管に連通するため、集流管に複数の扁平管溝を穿設する必要があり、集流管の加工が難しくなる。
【発明の概要】
【0005】
本出願の様々な実施例によれば、マイクロチャネル熱交換器を提供する。
【0006】
本出願は、複数のフィン及び複数の扁平管を含み、複数のフィンは、並列に設けられて複数の段を形成し、フィンには接続スロットが穿設され、複数の扁平管は、平行に設けられて複数の層を形成し、扁平管は接続スロットに挿設されるマイクロチャネル熱交換器であって、ディスペンサ及び管継手を更に含み、ディスペンサには複数の毛細管が設けられ、管継手の一端は毛細管に連通し、他端は扁平管に連通する、マイクロチャネル熱交換器を提供する。
【0007】
本出願の1つ以上の実施例の詳細は、以下の図面及び説明において提示する。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ここに開示されているこれらの発明の実施例及び/又は例示をより良く記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0009】
図1】1つ以上の実施例によるマイクロチャネル熱交換器の一視点の斜視図である。
図2】1つ以上の実施例によるマイクロチャネル熱交換器の別の視点の斜視図である。
図3】1つ以上の実施例による管継手の構成模式図である。
図4】1つ以上の実施例によるフィンの構成模式図である。
図5】1つ以上の実施例によるフィンの構成模式図である。
図6】1つ以上の実施例によるフィンの構成模式図である。
図7】1つ以上の実施例によるフィンの構成模式図である。
図8】1つ以上の実施例による、第2突起が設けられているフィンの構成模式図である。
図9】1つ以上の実施例による2列のフィンが当接している場合の構成模式図である。
図10】1つ以上の実施例による管継手の構成模式図である。
図11】1つ以上の実施例による管継手と扁平管との接続の一実施例の構成模式図である。
図12図11におけるAの部分拡大図である。
図13】1つ以上の実施例による管継手と扁平管との接続の別の実施例の構成模式図である。
図14図13におけるBの部分拡大図である。
図15】1つ以上の実施例によるマイクロチャネル熱交換器の構成模式図である。
図16】1つ以上の実施例によるマイクロチャネル熱交換器の構成模式図である。
図17】1つ以上の実施例によるマイクロチャネル熱交換器の部分構成模式図である。
図18】1つ以上の実施例による扁平管と管継手との接続の断面構成模式図である。
図19図18のAの部分拡大構成模式図である。
図20】1つ以上の実施例による熱交換器の構成模式図を示す。
図21】1つ以上の実施例による湾曲パイプの構成模式図を示す。
図22】1つ以上の実施例による、αが90°である湾曲パイプの構成模式図を示す。
図23】1つ以上の実施例による、αが鋭角である湾曲パイプの構成模式図を示す。
図24】1つ以上の実施例による湾曲パイプと扁平管との接続の一方向の断面図を示す。
図25】1つ以上の実施例による湾曲パイプと扁平管との接続の別の方向の断面図を示す。
図26】1つ以上の実施例による、矩形の接続口を有する湾曲パイプの管口の構成模式図を示す。
図27】1つ以上の実施例による、第1側面及び第2側面がいずれも円弧であり、且つ頂面及び底面がいずれも第1側面に接する湾曲パイプの管口の構成模式図を示す。
図28】1つ以上の実施例による、第1側面及び第2側面がいずれも円弧であり、且つ頂面及び底面はいずれも第1側面に接していない湾曲パイプの管口の構成模式図を示す。
図29】1つ以上の実施例による、楕円形の接続口を有する湾曲パイプの管口の構成模式図を示す。
図30】1つ以上の実施例による、第1側面及び第2側面がいずれも楕円弧面である湾曲パイプの管口の構成模式図を示す。
図31】1つ以上の実施例による、第1側面及び第2側面がいずれも折り曲げ面である湾曲パイプ(即ち、三角頭構造)の管口の構成模式図を示す。
図32】1つ以上の実施例によるフィンと扁平管との係合を示す正面図である。
図33】1つ以上の実施例によるフィンの部分構造の構成模式図を示す。
図34】1つ以上の実施例によるフランジ構造の構成模式図を示す。
図35】1つ以上の実施例によるフィンの部分構造の側面図を示す。
図36】1つ以上の実施例による接続スロットの幅及び高さの寸法の模式図を示す。
【0010】
図面における各符号の意味は、以下の通りである。
100 マイクロチャネル熱交換器、10 フィン、11 接続スロット、12 第1側、13 第2側、14 第1突起、15 スリット、16 第2突起、17 本体部、18 フランジ構造、181 第1フランジ、182 第2フランジ、183 第3フランジ、20 扁平管、21 1列目の扁平管、22 2列目の扁平管、30 ディスペンサ、31 毛細管、32 ディスペンスヘッド、40 管継手、401 第1管口、402 制限部、402BA 第1突部、402B 第2突部、403 第1内壁、404 第2内壁、405 第2管口、50 湾曲パイプ、51 接続セグメント、52 折り曲げセグメント、53 移行セグメント、60 集流管、70 縮径管、71 第1セグメント、72 第2セグメント、80 拡径管、90 溶接リング。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願の上記の目的、特徴及び利点をより明確且つ理解しやすくするために、以下に、図面を参照して、本出願の具体的な実施形態を詳細に説明する。以下の説明においては、本出願を十分に理解しやすくするために、様々な具体的な詳細を説明している。しかし、本出願は、ここで説明するものとは異なる多くの他の態様で実施することができ、当業者は、本出願の内容に反しない限り、類似した改良を行うことができるため、本出願は、以下に開示される具体的な実施例によって制限されない。
【0012】
説明すべきこととして、アセンブリが別のアセンブリに「固定される」又は「設けられる」とされる場合、別のアセンブリに直接固定されてもよく、又は、介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが別のアセンブリに「接続される」とみなされる場合、別のアセンブリに直接接続されてもよく、又は、介在するアセンブリが同時に存在してもよい。本出願の明細書で使用される「垂直な」、「水平な」、「上」、「下」、「左」、「右」という用語及び類似した表現は、説明を目的とするものにすぎず、唯一の実施形態であることを表すものではない。
【0013】
更に、「第1」、「第2」という用語は、説明を目的とするものにすぎず、相対的な重要性を示す又は暗示するもの、あるいは、示された技術特徴の数を暗黙的に指定するものとして理解されてはならない。これにより「第1」、「第2」で限定される特徴は、その特徴を少なくとも1つ明示するか、又は暗黙的に含むことができる。本出願の説明において、「複数」とは、明確且つ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つ等を意味する。
【0014】
本出願において、特に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」、「下」にあるということは、第1特徴及び第2特徴が直接接触していること、又は第1特徴及び第2特徴が中間の媒体を介して間接的に接触していることであってよい。更に、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上側」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを表してよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下側」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあるか、あるいは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことを表してよい。
【0015】
特に定義しない限り、本出願の明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって通常理解される意味と同じである。本出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明することのみを目的としており、本出願を制限する意図のものではない。本出願の明細書で使用される「又は/及び」という用語は、関連する列挙された項目の任意及び全ての組み合わせを1つ以上含む。
【0016】
図1及び図2を参照すると、本出願によって提供されるマイクロチャネル熱交換器100は、冷却システムに取り付けられ、内部に媒体が流れ、媒体と外部との熱交換を補助する。
【0017】
具体的には、マイクロチャネル熱交換器100は、複数のフィン10及び複数の扁平管20を含み、複数のフィン10は、並列に間隔をおいて設けられて複数段のフィン10を形成し、複数の扁平管20は、平行に設けられて複数層の扁平管20を形成し、フィン10には接続スロット11が穿設され、扁平管20は接続スロット11に挿設される。説明すべきこととして、本出願の複数段のフィン10とは、扁平管20の長さ方向に沿って、フィン10が複数段に配列されたものを指し、複数層の扁平管20とは、マイクロチャネル熱交換器100の高さ方向に沿って、複数の扁平管20が平行に複数層に設けられたものを指し、以下の複数列とは、マイクロチャネル熱交換器100の幅方向に沿って、扁平管20及びフィン10がそれぞれ前後に複数列に配列されたものを指す。
【0018】
マイクロチャネル熱交換器100は、ディスペンサ30及び管継手40を更に含み、ディスペンサ30には複数の毛細管31が設けられ、管継手40の一端は毛細管31に連通し、他端は扁平管20に連通する。媒体は、ディスペンサ30内で均一に分配された後に、扁平管20に入り、従来の集流管に代えてディスペンサ30を利用することによって、プロセスを簡素化することができ、フローを変える必要がある場合は、適切なディスペンサ30を選択し、且つ毛細管31の数を削減するだけでよいが、集流管を利用して分配する場合は、集流管60に複数の扁平管溝を穿設する必要があり、プロセスが複雑になることが理解できる。
【0019】
管継手40の扁平管20に向いた管口は扁平管20の管口に係合され、扁平管20の一端は、管継手40内に入り込んで、溶接強度を強化する。
【0020】
図3及び図7を参照すると、管継手40の扁平管20に向いた管口の幅Wは扁平管20の管口Wよりも大きく、且つ管継手40の扁平管20に向いた管口の高さHは扁平管20の管口の高さHよりも大きい。扁平管20及び管継手40はアルミ材からなるため、拡径するのに適しておらず、管継手40の管口の寸法を扁平管20の管口よりも大きく設計することによって、扁平管20の一端を管継手40にスムーズに挿入できることが容易になることが理解できる。説明すべきこととして、管継手40の扁平管20に向いた管口の幅及び高さは、いずれも管継手40の扁平管20に向いた管口の内部の寸法を指し、管継手40の厚さは含んでおらず、同様に、扁平管20の管口の寸法も扁平管20の厚さを含まない。
【0021】
本出願は、マイクロチャネル熱交換器100に取り付けられ、隣接する扁平管20を接続するために用いられるか、あるいは、扁平管20と毛細管31とを接続するために用いられる、管継手40を更に提供する。
【0022】
関連技術におけるマイクロチャネル熱交換器において、扁平管と管継手との接続は、通常、制限構造を設けないため、扁平管と管継手との溶接が容易でなくなるだけでなく、溶接過程において扁平管と管継手とがずれてしまう現象が発生して、溶接が不便になる。
【0023】
関連技術におけるマイクロチャネル熱交換器に存在する問題を解決するために、本出願は、マイクロチャネル熱交換器100に取り付けられ、扁平管20を接続するために用いられる、管継手40を提供している。管継手40は複数あり、一部の管継手40は、一端が毛細管31に接続され、他端が扁平管20に接続され、一部の管継手40は、両端がいずれも扁平管20に接続される。即ち、毛細管31に接続される管継手40は、一端の管口が円形であり、他端の管口が短冊孔状である上記の構造を用いており、両端がいずれも扁平管20に接続される管継手40は湾曲パイプ構造を用いている。
【0024】
管継手40は、扁平管20に係合される第1管口401を有し、第1管口401は扁平管20を挿入するために用いられ、管継手40の内壁には制限部402が設けられ、制限部402は、扁平管20の一端及び/又は扁平管20の側壁に当接して、扁平管20を制限するために用いられる。
【0025】
説明すべきこととして、隣接する扁平管20を接続する必要がある場合、あるいは、扁平管20と毛細管31とを接続する必要がある場合、各扁平管20を各管継手40に一対一に対応して挿入してから、一体に溶接する必要があるため、溶接過程において扁平管20と管継手40とにずれが発生することを回避するために、本出願は、管継手40の内壁に扁平管20を制限するための制限部402を設けている。
【0026】
扁平管20と管継手40との溶接前の接続固定性を確保するために、制限部402は、扁平管20の軸線方向に沿って、扁平管20の管継手40に挿入される深さを制限する必要があり、扁平管20の軸線方向に垂直な方向に沿って、扁平管20の管継手40内でのがたつきを制限する必要もある。
【0027】
図10及び図11に示すように、本出願の一実施例では、制限部402は第1突部402Aを含み、第1突部402Aは、管継手40の内壁に設けられ、且つ管継手40の内壁から離れる方向に向かって延在し、扁平管20の一端を当接させて、管継手40内に入り込んだ扁平管20の端面が第1突部402Aに当接できるようにするために用いられることによって、扁平管20の管継手40内における挿入深さを制限すると同時に、第1突部402Aの設置によって冷媒に対して乱流の役割を果たすことで、冷媒の均一性が向上し、熱交換器の熱交換効率が向上する。
【0028】
具体的には、図11及び図12を参照すると、第1突部402Aの、管継手40の内壁に対する突出高さは大きすぎても小さすぎてもならず、適切な範囲に設定する必要がある。第1突部402Aが管継手40の内壁に対して突出する高さをHと定義し、扁平管20の高さをHと定義し、管継手40内には、対向して設けられた第1内壁403及び第2内壁404があり、第1突部402Aは、第1内壁403及び/又は第2内壁404に設けられ、第1内壁403と第2内壁404との間の距離をHと定義し、扁平管20の高さをHと定義すると、第1突部402Aが管継手40の内壁に対して突出する高さH、扁平管20の高さH、第1内壁403と第2内壁404との間の距離Hは、0.2mm≦[H-(H-H)]≦3mmの関係式を満たす。即ち、[H-(H-H)]の値は、0.2mm、1mm、2mm、3mm又は当該範囲内に収まる任意の数値であってよい。扁平管20の高さHは、扁平管20の外部の高さであり、扁平管20の内部通路の高さではない。
【0029】
説明すべきこととして、第1突部402Aが管継手40の内壁に対して突出する高さHが大きすぎると、第1突部402Aは、管継手40内で媒体の流れをある程度阻害し、ましては絞ってしまう。第1突部402Aが管継手40の内壁に対して突出する高さHが小さすぎると、制限機能を実現できなくなる可能性がある。従って、第1突部402Aが管継手40の内壁に対して突出する高さHが適切な範囲内に収まるようにすることによって、扁平管20の端面に対する制限を確保することができるだけでなく、Hが大きすぎて媒体の流れの抵抗が大きくなりすぎることを回避することもできる。
【0030】
第1突部402Aの数は、管継手40の内壁の周方向に沿って、1つ、2つ、3つ又は複数とすることができ、ここでは第1突部402Aの数は限定されない。
【0031】
選択的には、本実施例では、第1突部402Aの形状は、半円形、矩形又は台形であってよく、ここでは限定されない。
【0032】
なお、この実施例では、第1突部402Aが管継手40の内壁に設けられる位置は、扁平管20が管継手40に挿入される最大位置に実質的に相当し、扁平管20が管継手40に挿入される深さも適切な範囲内に存在する必要がある。第1突部402Aと第1管口401の端面との間の間隔、即ち、扁平管20が管継手40に挿入される深さをLと定義すると、Lは、2mm≦L≦10mmの関係式を満たす。即ち、第1突部402Aと第1管口401の端面との間の間隔Lは、2mm、4mm、6mm、8mm、10mm又は当該範囲内に収まる任意の数値であってよく、ここでは限定されない。
【0033】
説明すべきこととして、扁平管20が管継手40に挿入される深さLが大きすぎると、内部の媒体の流れをある程度阻害してしまう。扁平管20が管継手40に挿入される深さLが小さすぎると、扁平管20と管継手40との接触面積が減少するため、両者の溶接強度が低下してしまう。従って、第1突部402Aと第1管口401の端面との間の間隔Lが2mm≦L<10mmの関係式を満たすようにすることによって、扁平管20が管継手40に挿入される深さが適切な範囲内に収まるようにし、これにより扁平管20の挿入が深すぎて流れを阻害することを回避することができるだけでなく、扁平管20の挿入が浅すぎて溶接強度が低下することを回避することもできる。
【0034】
図10及び図13に示すように、一実施例では、制限部402は第2突部402Bを含み、第2突部402Bは、管継手40の内壁に設けられ、且つ管継手40の内壁から離れる方向に向かって延在し、第1突部402Aに比べて、第1管口401から離れて設けられ、第2突部402Bの管継手40の内壁からの突出高さは、第1突部402Aの管継手40の内壁からの突出高さよりも小さく、第2突部402Bは、主に、扁平管20が管継手40の内壁に対してがたつくことを回避するために、扁平管20の外側壁に当接するために用いられる。
【0035】
本出願は、制限部402が第1突部402A及び第2突部402Bを含み、第1突部402Aが扁平管20の一端を当接させるために用いられ、第2突部402Bが扁平管20の外側壁に当接するために用いられるようにすることによって、扁平管20が管継手に挿入される深さ、及び扁平管20の管継手40内でのがたつきのいずれも制限するため、扁平管20と管継手40との接続固定性が更に確保され、溶接が容易になることが理解できる。
【0036】
具体的には、図13及び図14を参照すると、第2突部402Bの扁平管20に対する制限効果を確保するために、第2突部402Bと扁平管20の外側壁とはインターフェアランスフィットされる必要があり、第2突部402Bが管継手40の内壁に対して突出する高さをHと定義すると、第2突部402Bは、第1内壁403及び/又は第2内壁404に設けられ、扁平管20の高さH、第2突部402Bが管継手40の内壁に対して突出する高さH、第1内壁403と第2内壁404との間の距離Hは、0mm≦[H-(H-H)]≦0.2mmの関係式を満たす。即ち、[H-(H-H)]は、0mm、0.1mm、0.2mm又は当該範囲内に収まる任意の数値であってよい。
【0037】
説明すべきこととして、扁平管20の高さH、第2突部402Bが管継手40の内壁に対して突出する高さH、第1内壁403と第2内壁404との間の距離Hが0mm≦[H-(H-H)]≦0.2mmの関係式を満たすようにすることによって、第2突部402Bと扁平管20とがインターフェアランスフィットされることを確保し、更には、第2突部402Bによって扁平管20を管継手40内に固定することによって、扁平管20が管継手40に溶接される過程でずれてしまう問題を解決している。
【0038】
第2突部402Bの数は、管継手40の内壁の周方向又は軸方向に沿って、1つ、2つ、3つ又は複数とすることができ、ここでは第2突部402Bの数は限定されない。
【0039】
選択的には、本実施例では、第2突部402Bの形状は、半円形、矩形又は台形であってよく、ここでは限定されない。
【0040】
注意すべきこととして、本実施例では、管継手40の内壁には、第1突部402A又は第2突部402Bが単独に設けられてもよく、当然、第1突部402A及び第2突部402Bが同時に設けられてもよい。第1突部402A及び第2突部402Bは、加圧加工によって管継手40の外壁に形成することができる。
【0041】
扁平管20と管継手40との溶接強度を確保するために、管継手40の内壁と扁平管20の外壁との間には、溶接材料が溶融した後に浸透するための隙間を残す必要があり、且つこの隙間の大きさは適切な範囲内にある必要がある。扁平管20の高さH、及び第1内壁403と第2内壁404との間の距離Hは、0.02mm≦(H-H)≦0.4mmの関係式を満たし、即ち、(H-H)の値は、0.02mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm又は当該範囲内に収まる任意の数値であってよい。
【0042】
説明すべきこととして、管継手40の内壁と扁平管20の外壁との間の隙間は小さすぎてはならず、小さすぎると溶接材料が流れることができなくなる。管継手40の内壁と扁平管20の外壁との間の隙間は大きすぎてもならず、大きすぎると管継手40と扁平管20とを溶接することができなくなる。扁平管20の高さH、及び第1内壁403と第2内壁404との間の距離Hが0.02mm≦(H-H)≦0.4mmの関係式を満たすようにすることによって、扁平管20の外壁と管継手40の内壁とがクリアランスフィットされ、これにより溶接材料の流れが有利になる。
【0043】
更に、本出願の一実施例では、管継手40は第2管口405を有し、第2管口405は、管継手40の第1管口401から離れた一端に位置して、円形をなし、且つ毛細管31に接続するために用いられる。毛細管31は、特に細く、且つ横断面が円形であるが、扁平管20の横断面は短冊孔状をなすため、両者は、直接突き合わせて接続することができず、管継手40の中継によって両者の連通を実現する必要があり、ここで、管継手40の毛細管31に近い一端が毛細管31に適合する円形に設定され、管継手40の扁平管20に近い一端が扁平管20に適合する短冊形に設定される。
【0044】
本出願の別の実施例では、複数段のマイクロチャネル熱交換器100において、管継手40は湾曲パイプであり、管継手40の両端は、いずれも第1管口401を有し、且つ隣接する段の扁平管20を接続するために用いられる。関連技術におけるマイクロチャネル熱交換器においては、通常、扁平管を折り曲げて複数段の扁平管を実現するが、扁平管を折り曲げると、扁平管が損傷してしまい、更に、折り曲げ半径が大きいと、マイクロチャネル熱交換器全体の体積が増加するとともに、折り曲げ過程においてフィンが変形して熱交換効率に影響を与えてしまうため、本出願では、管継手40を用いて、隣接する扁平管20を接続することによって、フィン10が折り曲げられて変形してしまうことを回避する。管継手40の両端がいずれも扁平管20に接続される場合、管継手40の両端にはいずれも第1突部402A及び第2突部402Bが設けられる。
【0045】
本出願によって提供される管継手40は、扁平管20を制限するために、制限部402を扁平管20の一端及び/又は扁平管20の側壁に当接させることによって、扁平管20と管継手40との間の接続固定性を確保し、更には、扁平管20と管継手40とが溶接される過程でずれないようにすることによって、扁平管20と管継手40との溶接性能を強化している。
【0046】
関連技術におけるマイクロチャネル熱交換器においては、通常、手溶接によって扁平管と管継手とを溶接するが、この方法は、溶接の制御及び効果が良くなく、溶接材料及び溶接ビードをうまく制御することができず、且つ手溶接して人工的に製造されると、コストが高くなって大量使用に不利になる。
【0047】
図16及び図17を参照すると、関連技術におけるマイクロチャネル熱交換器に存在する上記の問題を解決するために、本出願によって提供されるマイクロチャネル熱交換器100は、縮径管70及び拡径管80を更に含み、拡径管80は管継手40に接続され、縮径管70は扁平管20に接続される。縮径管70は、扁平管20が縮径することによって形成され、拡径管80は、管継手40が拡径することによって形成される。あるいは、縮径管70は管継手40に接続され、拡径管80は扁平管20に接続され、拡径管80は、扁平管20が拡径することによって形成され、縮径管70は、管継手40が縮径することによって形成される。縮径管70の外側には溶接リング90が嵌合され、縮径管70は、拡径管80内に入り込んで拡径管80に溶接接続される。
【0048】
説明すべきこととして、本出願によって提供されるマイクロチャネル熱交換器100は、縮径管70の外側に溶接リング90が嵌合され、縮径管70が拡径管80内に入り込んでから、共に炉中ろう付けされ、溶接リング90が溶融した後に、縮径管70の外壁と拡径管80の内壁との間に浸透することによって、縮径管70と拡径管80とが固定接続される。手溶接に比べて、炉中一体ろう付けを用いると、扁平管20と管継手40との溶接の一致性がより高くなり、扁平管20及び管継手40を、マイクロチャネル熱交換器100の他の部材に溶接することができるため、コストが低減し、溶接効率が向上し、扁平管20と管継手40との溶接の一致性も向上する。
【0049】
図18に示すように、本実施例では、扁平管20は縮径管70に接続され、管継手40は拡径管80に接続され、縮径管70は、拡径管80内に入り込んで拡径管80に溶接される。当然、他の実施例では、管継手40は縮径管70に接続され、扁平管20は拡径管80に接続されてもよい。
【0050】
注意すべきこととして、扁平管20と縮径管70との接続は、扁平管20と縮径管70とが別体に設けられてもよく、扁平管20が直接縮径されてもよく、管継手40と拡径管80との接続は、管継手40と拡径管80とが別体に設けられてもよく、管継手40が直接拡径されてもよい。あるいは、管継手40と縮径管70との接続は、管継手40と縮径管70とが別体に設けられてもよく、管継手40が直接縮径されてもよく、扁平管20と拡径管80との接続は、扁平管20と拡径管80とが別体に設けられてもよく、扁平管20が直接拡径されてもよい。
【0051】
更に、縮径管70は、互いに接続された第1セグメント71及び第2セグメント72を含む。第1セグメント71の外径は、第2セグメント72に近づく方向に沿って徐々に減少し、溶接リング90は第1セグメント71の外側に嵌合され、縮径管70の軸方向に沿って、第1セグメント71の長さをLとし、溶接リング90の横断面の直径をDとすると、第1セグメント71の長さLは、D<L≦1.2Dの関係式を満たす。即ち、第1セグメント71の長さLは、D、1.1D、1.2D又は当該範囲内に収まる任意の数値であってよい。
【0052】
第1セグメント71が、溶接リング90を取り付けるのに十分な取り付け空間を有するようにして、溶接リング90が第1セグメント71の外側により良く嵌合されることを確保し、且つ溶接リング90が他の場所に滑り移って溶接に影響を与えないようにするために、第1セグメント71が縮径管70の軸線方向に沿う長さLは、少なくとも溶接リング90の直径Dに等しいか、あるいは、溶接リング90の直径Dよりもある程度大きくてもよいが、第1セグメント71の、縮径管70の軸線方向に沿う長さLは大きすぎてはならず、大きすぎると材料の無駄な浪費が発生するため、本出願では、第1セグメント71の長さLを、D≦L≦1.2Dの範囲内に限定することが最も適切である。
【0053】
更に、第2セグメント72の長さをLとすると、第2セグメント72の長さLは、3mm≦L≦5mmの関係式を満たす。即ち、第2セグメント72の長さLは、3mm、4mm、5mm又は当該範囲内に収まる任意の数値であってよく、ここでは限定されない。
【0054】
説明すべきこととして、縮径管70と拡径管80との溶接強度を確保するために、第2セグメント72は一定の長さを有する必要があるが、この長さは長すぎてはならず、長すぎると縮径管70及び拡径管80内の媒体の流れを阻害してしまう。
【0055】
溶接リング90の横断面は円形をなし、溶接リング90は、全体として楕円環状をなし、且つ第1セグメント71の外壁に嵌合されて、溶接リング90の形状が扁平管20の形状と一致するようにし、溶接材料が縮径管70の外壁の周方向を均一に覆うようにすることによって、溶接品質を確保する。扁平管20の幅をWとし、第2セグメント72の幅をWとし、溶接リング90の内輪の長軸をDとすると、溶接リング90の内輪の長軸Dは、W≦D≦Wの関係式を満たし、ここで、W<Wであることによって、溶接リング90を第1セグメント71の外側にスムーズに嵌合することができるようにする。即ち、溶接リング90の内輪の長軸Dは、W、W又はW~W内の任意の数値であってよい。扁平管20の幅Wとは、扁平管20の外部の幅を指し、第2セグメント72の幅Wとは、第2セグメント72の外部の幅を指す。説明すべきこととして、溶接リング90の内輪は楕円形であり、楕円形は、長軸及び短軸を有し、溶接リング90の内輪の長軸は、溶接リング90の内輪の幅であり、即ち、溶接リング90の内輪の最大直径である。
【0056】
異なるマイクロチャネル熱交換器100における扁平管20は、異なる状況に応じて異なる大きさに設計されるが、扁平管20の幅が大きい場合、その外周長が長くなるため、より多くの溶接材料の充填が必要となる。従って、溶接リング90の横断面の直径Dは、扁平管20の幅Wが大きくなるにつれて、一定の割合で大きくすることができるようにする必要があり、これにより扁平管20と管継手40との溶接強度が確保される。本出願では、溶接リング90の横断面の直径Dは、D=0.06Wの関係式を満たし、即ち、溶接リング90の横断面の直径Dは、扁平管20の幅Wの0.06倍とすることができる。
【0057】
更に、縮径管70内の幅をWとし、管継手40内の幅をWとすると、0.8W≦W≦1.2Wである。即ち、縮径管70内の幅Wは、0.8W、0.9W、W、1.1W又は0.8W~1.2Wの任意の数値であってよい。縮径管70内の幅Wは、縮径管70の内部の通路の幅を指し、管継手40内の幅Wは、管継手40の内部の通路の幅を指す。
【0058】
説明すべきこととして、媒体が扁平管20から管継手40まで流れる過程において管径が突然大きくなったり突然小さくなったりすると、いずれも媒体の流れの抵抗を増大させて流量損失を引き起こしてしまう。この問題を解決するために、媒体が流れる過程で管内径をできるだけ一定に保つ必要があるため、本出願は、縮径管70内の幅Wを0.8W~1.2Wの範囲内に限定して、媒体の流れの抵抗を減少させている。
【0059】
図18及び図19に示すように、溶接リング90が第1セグメント71の外壁に嵌合されると、縮径管70は拡径管80内に入り込み、拡径管80の縮径管70に近い一端の端面は溶接リング90に当接し、溶接リング90が溶融した後に、縮径管70の外壁と拡径管80の内壁との間に浸透することを容易にするために、縮径管70の外壁と拡径管80の内壁とはクリアランスフィットされて、溶接リング90の溶融後の溶接材料がこの隙間内で十分に流れることができるようにする必要がある。
【0060】
具体的には、縮径管70の外壁と拡径管80の内壁との隙間をHとすると、Hは、0.1mm≦H≦0.35mmの関係式を満たす。即ち、縮径管70の外壁と拡径管80の内壁との隙間Hは、0.1mm、0.2mm、0.35mm又は当該範囲内に収まる任意の数値であってよく、ここでは限定されない。
【0061】
説明すべきこととして、縮径管70の外壁と拡径管80の内壁との隙間Hが0.1mm≦H≦0.35mmの関係式を満たすようにすることによって、隙間Hが適切な範囲内にあるようにするが、隙間Hが小さすぎると溶接材料が流れることができなくなり、隙間Hが大きすぎると扁平管20と管継手40との溶接強度が低下してしまう。
【0062】
扁平管20は複数列にすることができ、隣接する列の扁平管20は管継手を介して接続され、このようにすることによって、扁平管20は、折り曲げる必要がなくなって、損傷が減少すると同時に、折り曲げがフィン10に影響を与えることを回避し、折り曲げ半径が大幅に減少するため、製品の寸法が減少する。
【0063】
扁平管20の管口は扁平形であり、毛細管31と扁平管20とは中継接続する必要がある。
【0064】
一実施例では、管継手40の一端は、管口が円形をなし、且つ毛細管31に溶接接続され、他端は、縮径管70及び拡径管80を介して扁平管20に溶接接続される。別の実施例では、管継手40はU字形をなし、両端は、いずれも縮径管70と拡径管80とを介して扁平管20に溶接接続される。
【0065】
本出願によって提供されるマイクロチャネル熱交換器100は、縮径管70の外側に溶接リング90が嵌合され、縮径管70が拡径管80内に入り込んで拡径管80に溶接接続されることによって、炉中ろう付けによって、扁平管20と管継手40とを溶接することができるため、溶接効率を向上させるだけでなく、扁平管20と管継手40との溶接の一致性も向上させることができる。
【0066】
いくつかの実施例では、扁平管20は複数列あってもよく、即ち、扁平管20は、少なくとも1列目の扁平管21及び2列目の扁平管22を含み、マイクロチャネル熱交換器100は複数の湾曲パイプ50を更に含み、隣接する列の扁平管20は湾曲パイプ50を介して連通するか、あるいは、同じ列の扁平管20同士は湾曲パイプ50を介して連通するか、あるいは、隣接する列の扁平管20は湾曲パイプ50を介して連通し、且つ同じ列の扁平管20同士は湾曲パイプ50を介して連通することによって、媒体の異なるフローの方向転換を実現する。湾曲パイプ50と扁平管20とは別体に設けられ、溶接によって固定接続されるため、扁平管20の折り曲げ加工が減少する。折り曲げる過程においてフィン10が変形する問題が発生するが、本出願は、折り曲げる必要がないため、フィン10が折り曲げられて変形する問題を緩和することができることが理解できる。
【0067】
図20から図36に示すように、いくつかの実施例では、扁平管20は複数あり、複数の扁平管20は間隔をおいて設けられる。接続スロット11は複数あり、複数の接続スロット11は、フィン10の延在方向に沿って間隔をおいて設けられる。接続スロット11と扁平管20とは、フィン10が接続スロット11を介して扁平管20に挿嵌されるように、形状が一致する。湾曲パイプ50は、接続セグメント51及び折り曲げセグメント52を含み、接続セグメント51は2つあり、2つの接続セグメント51は、折り曲げセグメント52の両端にそれぞれ設けられ、2つの接続セグメント51と折り曲げセグメント52とが接続されてU字管構造を形成し、2つの接続セグメント51は、2つの扁平管20にそれぞれ接続され、接続セグメント51が扁平管20に嵌合される深さをPとすると、2mm≦P≦20mmである。
【0068】
本実施例によって提供される熱交換器を用いると、垂直方向に沿って、又は垂直方向と小さい角度(ここで、小さい角度は15°未満であってもよい)をなすようにして、複数の扁平管20を、間隔をおいて配列し、取り付ける際に、フィン10を複数の扁平管20に直接挿嵌し、湾曲パイプ50を介して扁平管20を接続する。フィン10は複数あってもよく、複数のフィン10を扁平管20の延在方向に沿って間隔をおいて扁平管20に挿通する。フィン10は、縦型の差込み構造である。これにより熱交換器は、作動過程においてこのフィン10によって容易に排水することができ、排水のスムーズさが向上する。本実施例では、湾曲パイプ50を介して2つの扁平管20を接続するため、回路の設計の柔軟性が増加する。接続セグメント51を扁平管20に嵌合する深さを上記の範囲内とすることによって、接続セグメント51と扁平管20との接続強度を確保することを容易にするとともに、溶接を行うことも容易にし、構造全体の作用の信頼性を向上させることができる。
【0069】
具体的には、本実施形態における折り曲げセグメント52は、U字状の湾曲パイプ構造であってもよい。
【0070】
具体的には、接続セグメント51と折り曲げセグメント52との間には移行セグメント53が更に設けられ、折り曲げセグメント52から接続セグメント51に向かう延在方向に沿って、移行セグメント53の流れ面積は徐々に減少する。折り曲げセグメント52は円管構造であり、折り曲げセグメント52の外径をDとし、扁平管20の幅をWとする。5mm≦D<6mmであると、0<W≦8mmであり、2mm≦P≦5mmである。6mm≦D<7mmであると、0<W≦10mmであり、3mm≦P≦10mmである。7mm≦D<8mmであると、0<W≦12mmであり、3mm≦P≦15mmである。8mm≦D<10mmであると、0<W≦15mmであり、3mm≦P≦20mmである。10mm≦D<12mmであると、0<W≦18mmであり、4mm≦P≦20mmである。12mm≦D<15mmであると、0<W≦21mmであり、4mm≦P≦25mmである。15mm≦D<18mmであると、0<W≦27mmであり、5mm≦P≦25mmである。18mm≦D<25mmであると、0<W≦38mmであり、5mm≦P≦25mmである。
【0071】
本実施例では、接続セグメント51の内壁面は、順に接続された頂面、第1側面、底面及び第2側面によって取り囲まれて形成され、頂面及び底面は、いずれも平面である。第1側面及び第2側面は、いずれも弧面であり、弧面は、頂面又は底面に接してもよく、接していなくてもよく、弧面は、円弧面又は楕円弧面であってもよい。あるいは、第1側面及び第2側面は、いずれも平面であり、頂面及び底面と第1側面との接続箇所は、いずれも円弧により移行しており、頂面及び底面と第2側面との接続箇所は、いずれも円弧により移行していてもよい。あるいは、第1側面及び第2側面は、いずれも楕円面としてもよい。あるいは、第1側面及び第2側面は、いずれも折り曲げ面であり、この折り曲げ面は、2つの連結された平面となって、三角頭扁平管20を形成してもよい。あるいは、接続セグメント51の内壁面の断面は楕円面である。
【0072】
具体的には、湾曲パイプ50の2つの接続セグメント51は、いずれも軸対称構造であり、2つの接続セグメント51の対称中心は、接続軸線を形成するように接続され、湾曲パイプ50の管口の長さ方向と接続軸線との間には夾角αが存在し、0≦α≦90°である。このような構造設定を用いると、湾曲パイプ50の2つの接続セグメント51を平行に設け、又はずらして設けることによって、異なる夾角αを有する湾曲パイプ50を、異なる高さ及び位置の扁平管20に接続することを実現することができる。いくつかの実施例では、20°≦α≦90°である。
【0073】
本実施例では、接続スロット11の幅をGwとし、接続スロット11の高さをGtとすると、1.5≦Gw/Gt≦10である。このような構造設定を用いると、フィン10と扁平管20との接続が安定するように、挿嵌の安定性を容易に向上させることができる。
【0074】
いくつかの実施例では、フィン10と扁平管20とは垂直に設けられるため、取り付ける際に、フィン10を垂直に設けて、排水に有利にし、フィン10に結露が発生して熱交換効果に影響を与えることを防止することができる。
【0075】
フィン10は、第1側12及び第2側13を有し、第1側12は風上側に近接し、接続スロット11の一端は第2側13を貫通し、取り付ける際に、第1側12から扁平管20を組み込むと、フィン10を保護することができ、フィン10が薄いため、扁平管20を第1側12から組み込むと、フィン10の変形を防止することができる。
【0076】
接続スロット11の第2側13に近い溝口の内壁と第2側13の側面との間には面取り又はフィレットが設けられて、扁平管20が接続スロット11によりスムーズに挿入できるようにする。
【0077】
フィン10には複数の第1突起14が設けられ、第1突起14は、フィン10の強度を強化させて、フィン10の変形を防止することができる。
【0078】
図4を参照すると、一実施例では、第1突起14は複数あり、複数の第1突起14は、順に配列されて波形を形成する。
【0079】
図5を参照すると、別の実施例では、第1突起14は円形である。
【0080】
図6を参照すると、更に別の実施例では、第1突起14は櫛形である。
【0081】
図7を参照すると、更に別の実施例では、第1突起14は矩形である。
【0082】
いくつかの実施例では、第1突起14は波形であり、強化の役割のみならず、排水の役割も果たす。
【0083】
他の実施例では、第1突起14は、S字形、三角形等の形状であってもよい。
【0084】
選択的には、波形の第1突起14はフィン10の一端から他端に延在し、接続スロット11で切断され、排水の役割を向上させて、復水が適時に排出されずに結露が発生して熱交換効果に影響を与えることを防止することができる。
【0085】
図7を参照すると、第1突起14にはスリット15が穿設され、スリット15がフィン10の両側面を貫通して風路を形成することによって、風を現在のフィン10からスリット15を介して隣接するフィン10まで吹き付け、乱流を増大させて、熱交換効果を向上させることができる。
【0086】
いくつかの実施例では、スリット15は第1突起14の両側に穿設され、風は、第1突起14の側面のスリット15からスムーズに吹き込む又は吹き出ることができる。
【0087】
図8及び図9を参照すると、フィン10は垂直に取り付けられ、フィン10の第1側12に近い側面には複数の第2突起16があり、複数の第2突起16は、フィン10の幅方向に沿って順に分布して波形構造を形成し、第2突起16の両端は、フィン10の長さ方向の両側に向かってそれぞれ延在し、且つフィン10の両端を貫通する。本出願のマイクロチャネル熱交換器100は、蒸発器として用いられるが、第1側12が風上側に近接すると、第1側12に近いフィン10に復水がより形成されやすくなるため、第2突起16を風上側に近接して設けることによって、結露の問題を緩和し、フィン10に結露が発生して熱交換効果に影響を与えることを回避する。説明すべきこととして、本出願における第2突起16の波形構造とは、第2突起16が短冊形をなし、フィン10の幅方向に沿って、複数の第2突起16の間に起伏のある波形が形成され、隣接する第2突起16の間に排水溝が形成されるものを指す。第2突起16の横断面は、三角形、多角形等であってもよい。
【0088】
接続スロット11の長さはフィン10の幅よりも小さく、これによりフィン10に第2突起16を設ける空間を確保することができ、第2突起16が扁平管20によって遮断されて排水に影響を与えることがなくなる。
【0089】
いくつかの実施例では、フィン10と接続セグメント51との間の最小間隔(即ち、端部が接続セグメント51に近い箇所におけるフィン10と接続セグメント51との間の間隔)をCとすると、0≦C≦80mmである。このような構造設定を用いると、熱交換を効率的に行うことを容易にすることができ、熱交換効果が向上する。
【0090】
いくつかの実施例では、フィン10は、本体部17及びフランジ構造18を含み、フランジ構造18は本体部17に接続され、接続スロット11、第1突起14及び第2突起16は、いずれも本体部17に設けられる。フランジ構造18は、接続スロット11に設けられ、本体部17に対して突出して設けられ、且つ扁平管20に係合するために用いられる。フランジ構造18は、少なくとも一部が扁平管20の側面に当接して、フィン10と扁平管20との溶接面積を増大させ、溶接強度を強化させて、接続安定性をより良く確保することを容易にすることができる。このような構造設定を用いると、挿嵌の安定性を更に向上させることを容易にすることができる。
【0091】
フランジ構造18は第1フランジ181を含み、第1フランジ181は、接続スロット11に設けられ、且つ接続スロット11の周縁を取り囲んで設けられ、扁平管20の長さ方向に向かって延在し、且つ扁平管20の側面に当接して、第1フランジ181が扁平管20に係合される形状を取り囲んで形成するようにする。第1フランジ181は、フィン10と扁平管20との溶接面積を増大させ、溶接強度を強化させることができる。このような構造設定を用いると、扁平管20との接触面積を増大させることを容易にし、扁平管20に対する挿嵌及び位置決めの安定性を向上させることができる。
【0092】
具体的には、第1フランジ181の高さをHとすると、0<H≦1mmである。このような構造設定を用いると、挿嵌の安定性をより良く向上させることを容易にすることができる。具体的には、第1フランジ181の高さとは、第1フランジ181が本体部から突出する高さを指す。
【0093】
フランジ構造18は第2フランジ182を更に含み、第2フランジ182は、第1フランジ181に接続され、且つ扁平管20の長さ方向に向かって延在する。第2フランジ182と第1フランジ181とは同一平面に位置し、第2フランジ182は1つであってもよく、複数であってもよく、複数の第2フランジ182は、間隔をおいて接続スロット11を取り囲んで設けられ、扁平管20とフィン10との溶接強度を更に強化させることができる。複数の第2フランジ182は、接続スロット11の周縁方向に沿って間隔をおいて第1フランジ181に設けられ、第2フランジ182の位置する平面と第1フランジ181の位置する平面とは一致してもよい。このような構造設定を用いると、挿嵌の安定性を更に向上させることを容易にすることができる。複数の第2フランジ182が間隔をおいて設けられるため、隣接する2つの第2フランジ182の間の隙間によって、フィン10を取り外すことも容易になる。
【0094】
具体的には、第2フランジ182の高さをHとし、接続スロット11の高さをGtとすると、0.25<H/Gt<1である。このような構造設定を用いると、挿嵌の安定性を確保することができるだけでなく、取り外しを容易にすることもできる。具体的には、第2フランジ182の高さとは、第2フランジ182が第1フランジ181から突出する高さを指す。
【0095】
具体的には、本実施例における第2フランジ182の幅の値の範囲は1mmから6mmである。
【0096】
フランジ構造18は第3フランジ183を更に含み、第3フランジ183は、第2フランジ182に接続され、且つ第2フランジ182と垂直に設けられ、複数の第3フランジ183と複数の第2フランジ182とは一対一に対応して設けられ、各第3フランジ183は、接続スロット11を回避するように、第2フランジ182の第1フランジ181から離れた側に設けられる。第3フランジ183は、隣接する扁平管20に当接して、制限の役割を果たす。いくつかの実施例では、第3フランジ183は複数あってもよく、第3フランジ183と第2フランジ182とは、第3フランジ183が接続スロット11を回避して設けられるように、予め設定された角度で設けられる。
【0097】
いくつかの実施例では、フィン10も複数列あり、風上側に近い列のフィン10が後方の列のフィン10に一対一に対応して当接して、複数列のフィン10を形成する。各列のフィン10は、複数段の間隔をおいて設けられたフィン10を含む。異なる列の同じ段のフィン10は別体に設けられるため、扁平管20の接続が容易になり、異なる列の同じ段のフィン10は、いずれも向きが同じであるため、第2突起16がいずれも風上側に近接しており、排水に有利になる。
【0098】
図7及び図9を参照すると、異なる列の同じ段のフィン10における接続スロット11が段違いに設けられるため、前列のフィン10における接続スロット11の後方に対応するのがフィン10となり、扁平管20内の媒体は、接続スロット11の両側のフィン10を利用して熱交換を行うことができるだけでなく、扁平管20の後方のフィン10を利用して熱交換を行うこともできるため、フィン10を十分に利用して熱交換効果を向上させる。
【0099】
いくつかの実施例では、異なる列の同じ段のフィン10における接続スロット11の中心点を結ぶ線は、正三角形を形成し、例を挙げると、1列目の1段目の接続スロット11は、フィン10の長さ方向において2列目の1段目の隣接する2つの接続スロット11のちょうど真ん中に位置する。このようにすることによって、前列の扁平管20の後方の両側は、いずれもフィン10を利用して熱交換を促進することができるように確保して、熱交換効果を更に向上させることができる。
【0100】
本実施例では、扁平管20は2列あり、フィン10も2列あり、湾曲パイプ50は、扁平管20のディスペンサ30から離れた一端に位置し、マイクロチャネル熱交換器100はU字形を形成する。他の実施例では、扁平管20は、3列、4列又は4列以上あってもよく、扁平管20の両端には、いずれも湾曲パイプ50が設けられ、マイクロチャネル熱交換器100は、L字型、V字型等を形成してもよい。
【0101】
別のいくつかの実施例では、フィン10は複数列あり、各段のフィン10は、複数列の間隔をおいて設けられた接続スロット11を含み、マイクロチャネル熱交換器100の高さ方向に沿って、同じ列のフィン10における接続スロット11は段違いに設けられる。
【0102】
説明すべきこととして、フィン10における接続スロット11が段違いに設けられることによって、接続スロット11に挿通される扁平管20が段違いに設けられるようになり、更には、扁平管20の熱交換面積が増大して、マイクロチャネル熱交換器100の熱交換量が向上する。
【0103】
いくつかの実施例では、図16を参照すると、マイクロチャネル熱交換器100は集流管60を更に含み、集流管60は、扁平管20の出口に接続され、且つ媒体を集流するために用いられる。毛細管31の一端はディスペンサ30に接続され、他端は扁平管20に接続され、扁平管20の出口は集流管60に接続され、入口集流管60に代えて、ディスペンサ30が冷媒を分配することによって、プロセスを簡素化することができる。
【0104】
いくつかの実施例では、扁平管20は複数列あり、最後の列の扁平管20が集流管60に接続される。本実施例では、2列目の扁平管22が集流管60に接続され、媒体は、1列目の扁平管21から入り、湾曲パイプ50を経てカーブを曲がって2列目の扁平管22に入ってから、集流管60に流れ込む。他の実施例では、扁平管20が3列あると、集流管60は3列目の扁平管に連通する。このようにすることによって、湾曲パイプ50によって媒体のマルチフローが実現され、集流管60は、最後に媒体を集めさえすればよく、媒体の方向転換を考慮する必要がないため、集流管60にスペーサを設ける必要がなく、集流管60のプロセスが簡素化される。
【0105】
別のいくつかの実施例では、扁平管20は1列あり、フィン10も1列あり、扁平管20の一端は、管継手40を介してディスペンサ30に接続され、他端は集流管60に接続される。作動過程において、媒体は、ディスペンサ30から入り、毛細管31を経て各扁平管20に均一に分配され、フィン10を介して外界と熱交換を行い、熱交換を行った後、集流管60から集中的に流れ出る。
【0106】
マイクロチャネル熱交換器100の扁平管20が1列ある場合、扁平管20の一端は、管継手40及び毛細管31を介してディスペンサ30に接続され、他端は集流管60に接続され、マイクロチャネル熱交換器100の扁平管20が複数列ある場合、1列目の扁平管20の一端は、管継手40及び毛細管31を介してディスペンサ30に接続され、他端は管継手40に接続され、最終列の扁平管20の出口は集流管60に接続される。
【0107】
本出願のマイクロチャネル熱交換器100は、扁平管20の一端が、集流管60に代えて、毛細管31及び管継手40を介してディスペンサ30に接続されるため、プロセスを簡素化することができる。
【0108】
いくつかの実施例では、ディスペンサ30及び集流管60は、いずれも扁平管20の湾曲パイプ50から離れた一端に取り付けられて、熱交換器の構造のレイアウトのコンパクト性を向上させる。ディスペンサ30は、ディスペンスヘッド32、及びディスペンスヘッド32に接続された複数の毛細管31を含み、ディスペンスヘッド32は複数の分液孔を有し、複数の分液孔と複数の毛細管31とは一対一に対応して設けられて、各分配孔の分配口を流れる流体が、対応する毛細管31を経て対応する扁平管20内に入って熱交換を行うようにする。
【0109】
上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0110】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、それ故に本出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行うこともできるが、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図35
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【国際調査報告】