(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ラミネート包装材料の製造方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
B31B 50/59 20170101AFI20241010BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20241010BHJP
B29C 63/02 20060101ALI20241010BHJP
B32B 37/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B31B50/59
B65D65/40 D
B29C63/02
B32B37/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519824
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2022078210
(87)【国際公開番号】W WO2023061989
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ギッリング、ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ウィンカー、イェンス
【テーマコード(参考)】
3E075
3E086
4F100
4F211
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075BA57
3E075BB22
3E075CA02
3E075DA14
3E075DC16
3E075DD12
3E075GA01
3E086AB01
3E086AD02
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BB05
3E086BB74
3E086CA01
3E086CA11
3E086CA13
3E086DA08
4F100AJ04A
4F100AT00C
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100CB00B
4F100DC12A
4F100DG10A
4F100GB16
4F211AA01
4F211AC03
4F211AD06
4F211AD08
4F211AG01
4F211AG03
4F211AH56
4F211SA07
4F211SC05
4F211SD01
4F211SD11
4F211SN19
4F211SP04
(57)【要約】
本開示は、液体食品(12)を包装するための包装用容器(10)を形成できる積層包装材料(16)の製造方法に関し、当該方法は、少なくとも1つの貫通孔(24)を有する紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層(22)を提供し、基材層(26)と、そのラミネート面(28)に形成又は塗布された接着剤(30)を提供し、前記接着剤(30)が前記バルク層(22)のラミネート面(32)に対向するように、かつ前記基材層(26)が前記少なくとも1つの貫通孔(24)の前に配置されるように、前記バルク層(22)と前記基材層(26)を位置決めし、ラミネートユニット(38)において前記バルク層(22)と前記基材層(26)とを接合し、第1のラミネート手段(42)、前記基材層(26)、前記バルク層(22)及び第2のラミネート手段(44)が列挙された順序で運動学的に配置され、前記第1及び前記第2のラミネート手段(42;44)の間にラミネート圧力(48)が生じ、少なくとも1つの非接着ラミネート手段(46)が前記第2のラミネート手段(44)とバルク層(22)との間に運動学的に配置され、前記バルク層(22)の位置及び/又は前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)が、少なくともラミネート圧力(48)が前記少なくとも1つの貫通孔(24)に課される限り、前記少なくとも1つの貫通孔(24)が前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段(46)によって覆われるように制御される。本開示はさらに、本方法を実行するためのそれぞれの装置(36)にも言及する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体食品(12)を包装するための包装用容器(10)を形成できる積層包装材料(16)の製造方法であって、
少なくとも1つの貫通孔(24)を有する紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層(22)を提供し、
基材層(26)と、前記基材層のラミネート面(28)に形成又は塗布された接着剤(30)を提供し、
前記接着剤(30)が前記バルク層(22)のラミネート面(32)に対向するように、かつ前記基材層(26)が前記少なくとも1つの貫通孔(24)の前に配置されるように、前記バルク層(22)と前記基材層(26)とを位置決めし、
ラミネートユニット(38)において前記バルク層(22)と前記基材層(26)とを接合し、第1のラミネート手段(42)、前記基材層(26)、前記バルク層(22)及び第2のラミネート手段(44)が列挙された順序で運動学的に配置され、前記第1及び前記第2のラミネート手段(42;44)の間にラミネート圧力(48)が生じ、少なくとも1つの非接着ラミネート手段(46)が前記第2のラミネート手段(44)とバルク層(22)との間に運動学的に配置され、
前記バルク層(22)の位置及び/又は前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)が、少なくとも前記ラミネート圧力(48)が前記少なくとも1つの貫通孔(24)に課される限り、前記少なくとも1つの貫通孔(24)が前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段(46)によって覆われるように制御される、
方法。
【請求項2】
前記バルク層(22)が複数の貫通孔(24)を備え、複数の非接着性ラミネート手段(46)が、前記第2のラミネート手段(44)と前記バルク層(22)との間に運動学的に配置され、
前記バルク層(22)の位置及び/又は各非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)は、少なくとも前記ラミネート圧力(48)が各貫通孔(24)に課される限り、前記各非接着性ラミネート手段(46)が、それぞれの位置(50)で貫通孔(24)を覆うように制御される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2のラミネート手段(42;44)の各々が、前記ラミネート圧力(48)を伝達するためのラミネートローラー(56)を備え、前記バルク層(22)の位置及び/又は前記非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)が、少なくとも前記ラミネートローラー(56)の回転軸(60)と平行な方向に制御される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記非接着性ラミネート手段(46)が、前記第2のラミネート手段(44)によって構成される前記ラミネートローラー(56)上を案内される非接着性のベルト(66)を備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ラミネートローラー(56)の回転軸(60)と平行な方向における前記ベルト(66)の位置(50)が、前記ラミネートローラー(56)の前記回転軸(60)と平行な方向において前記ベルト(66)に位置決め力(72)を付与する作動ガイド部材(70)によって制御される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
機械方向(20)に実行される連続または不連続フロープロセスであり、前記バルク層(22)の位置及び/又は前記非接着性ラミネート手段の位置(50)が、少なくとも前記機械方向(20)を横切る方向(52)に制御される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記バルク層(22)と前記基材層(26)とを接合した後、後続ローラーが前記貫通孔(24)に接触している限り、前記貫通孔(24)を覆う非接着性ラミネート手段(46)を備える少なくとも1つの後続ローラーを介して、ラミネート包装材料(16)を導く、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
センサ(76)が前記バルク層(22)上の前記貫通孔(24)の位置(78)を検出し、検出された貫通孔(24)の位置(78)に基づいて前記バルク層(22)の位置及び/又は前記非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)が制御される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記非接着性ラミネート手段(46)が、前記貫通孔(24)に接触する前、及び/又は接触した後に、洗浄装置(74)によって洗浄される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法で製造されたラミネート包装材料(16)。
【請求項11】
請求項10に記載のラミネート包装材料(16)から作られた包装容器(10)。
【請求項12】
液体食品(12)を包装するための包装容器(10)を形成するラミネート包装材料(16)を製造するための装置(36)であって、
当該装置(36)は、少なくとも1つの貫通孔(24)を有するバルク層(22)と、ラミネート面(28)によって形成され又は前記ラミネート面(28)に塗布された接着剤(30)を有する基材層(26)とを受けるように構成されたラミネートユニット(38)を備え、
前記ラミネートユニット(38)は、前記層(22;26)が前記ラミネートキャビティ(40)に導入される場合、その間にラミネートキャビティを形成し、前記バルク層及び前記基材層にラミネート圧力を付与するように構成された第1のラミネート手段及び第2のラミネート手段を備え、前記ラミネートユニット(38)が、前記ラミネートキャビティ(40)に導入される場合、前記第2のラミネート手段(44)と前記バルク層(22)との間に運動学的に配置された少なくとも1つの非接着ラミネート手段(46)をさらに備え、
前記バルク層(22)の位置及び/又は前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)は、少なくともラミネート圧力(48)が少なくとも1つの貫通孔(24)に課される限り、前記少なくとも1つの貫通孔(24)が前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段(46)によって覆われるように制御可能である、
装置(36)。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合され、構成可能である、
請求項12に記載の装置(36)。
【請求項14】
前記バルク層(22)上の前記貫通孔(24)の位置(78)を検出するセンサ(76)を備え、
検出された貫通孔(24)の位置(78)に基づいて、前記バルク層(22)の位置及び/又は前記非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)が制御可能である、
請求項12又は13に記載の装置(36)。
【請求項15】
機械方向(20)に実行される連続的又は不連続的なフロープロセスで前記ラミネート包装材料(16)を製造するように構成されており、前記バルク層(22)の位置及び/又は前記非接着性ラミネート手段(46)の位置(50)が、前記機械方向(20)に横切る方向(52)において少なくとも制御可能である、
請求項12~14のいずれか一項に記載の装置(36)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体食品を包装するための包装容器を形成できる積層包装材料の製造方法、そのような方法によって製造された積層包装材料、さらに当該方法を実施するのに適した装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体食品用の使い捨てタイプの包装容器は、板紙やカートンをベースにした包装用ラミネートから製造されることが多い。このような包装容器は、長期常温保存用に販売される牛乳や果汁などの液体食品のパッケージに使用されることが多い。このような既知の包装容器の包装材料は、典型的には、紙、板紙、その他のセルロース系材料のバルク層又はコア層と、熱可塑性プラスチックの外側の液密層を含むラミネートである。包装容器をガス気密、特に無菌包装の目的で酸素ガス気密にするために、これらの包装容器のラミネートは通常、追加のバリア層、例えばアルミニウム箔、又はポリマーベース及び/又は紙ベースのフィルムのようなバリア機能を有する他のフィルムを備える。
【0003】
ラミネートの内側、言い換えれば、ラミネートから製造された容器に充填された食品内容物に面することを意図した側には、通常、バリア層上に塗布される最内層が存在する。最内層は、例えば、接着性ポリマー及び/又はポリオレフィンのようなヒートシール可能な熱可塑性ポリマーを備え、1層又は数層の部分層を備えてもよい。また、バルク層の外側には、通常、最外層のヒートシール可能なポリマー層を備える。
【0004】
包装容器は一般に、ウェブから、又は包装材料のプレハブ状ブランクから、パッケージを形成し、充填し、密封するタイプの最新の高速包装機によって製造される。従って、包装容器は、ラミネート包装材料のウェブを、ウェブの長手方向の両縁を、内側と最も外側のヒートシール可能な熱可塑性ポリマー層を一緒に溶着することによって作られるオーバーラップ接合部で互いに結合させ、チューブに再成形することによって製造され得る。チューブは、目的とする液体食品で充填され、その後、チューブ内の内容物の高さより低い位置で、互いに所定の距離をおいてチューブの横方向シールを繰り返すことにより、個々のパッケージに分割される。包装材料は、横方向のシールに沿って切り込みを入れることによりチューブから分離され、包装材料の用意された折り目線に沿って折り目をつけることにより、所望の幾何学的形状(通常は平行六面体)が与えられる。
【0005】
敏感な液体食品、例えば牛乳やジュース用の包装容器は、ラミネート包装材料のシート状ブランクやプレハブ状ブランクからも製造できる。平らに折り畳まれた包装用ラミネートのチューブ状ブランクから、ブランクを積み上げて開放チューブ状容器カプセルを形成し、その開放端の一方を一体型エンドパネルの折り畳みとヒートシールによって閉鎖することによって包装容器が製造される。こうして閉鎖された容器カプセルは、その開放端から食品、例えばジュースが充填され、その後、対応する一体型エンドパネルのさらなる折り畳みとヒートシールによって閉鎖される。シート状及びチューブ状のブランクから製造される包装容器の例としては、従来のいわゆるゲーブルトップ・パッケージがある。この種のパッケージには、プラスチック製の成型トップ及び/又はスクリューキャップを有するものもある。
【0006】
包装容器に収容された液体食品にアクセスするためには、例えばストローによってラミネート包装材料を貫通する必要があることが多い。従って、ラミネート包装材料の少なくとも一部の材料を貫通する予め製造された孔を設けることは、関連技術において十分に確立されている。このようなストロー孔又は他の開口構造により、消費者は残りの材料を貫通した後、包装容器の内容物に便利にアクセスできる。このような孔は、例えば、ラミネート前にバルク層又はコア層に孔を開けることによって設けられ、したがって、しばしばプレパンチ孔と呼ばれ、その後、孔は追加のラミネート層によって内側及び外側で覆われる。
【0007】
プレパンチ孔の形成は、溶融層材料や接着剤などの液体材料や粘性材料が使用される可能性のあるラミネート工程の前に行われることが多いため、そのような材料が孔を経由して無秩序に広がるのを防止する必要がある。例えば、バルク層が貫通孔を備え、ラミネート工程で基材層に塗布される場合、接着剤はバルク層と基材層のそれぞれのラミネート面にのみ影響するはずである。しかし、ラミネート圧力の下で接合する際、そのような材料が貫通孔から押し出され、バルク層のラミネート面とは反対側の面に達する可能性がある。そうすると、反対側の面に配置されたラミネート装置に材料が付着するなどのさらなる問題につながる可能性がある。
【0008】
例えば、特許文献WO2015/193632A1には、ラミネートステーションのニップローラーとラミネート層によって構成される貫通孔とを非接着ベルトによって分離するラミネートステーションが提案されている。このベルトは、孔の領域に押し付けられ、領域にはラミネート圧力が作用する。従って、孔の内側から材料が抜け出し、ニップローラーに到達することが防止される。
【0009】
しかし、提案されたシステムは、ニップローラーに相対する孔の配置を変更する場合、製造工程を中断し、ベルトの配置に関してシステムを再調整する必要があるため、柔軟性と効率性に欠ける。
【0010】
従って、ラミネート包装材料の改良された製造方法及びそれぞれの製造装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在、本発明の目的は、従来技術の上記で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、本発明は、液体食品を包装するための包装容器を形成することができるラミネート包装材料の製造方法であって、貫通孔を有するバルク層を基材層に安全かつ効率的にラミネートすることができる方法を提供することを目的とし、液体、粘性又は成形可能な接着剤又は層材料を使用できる。特に、そのような材料がラミネート装置へ与える影響を防ぐことを目的とする。
【0012】
このような目的を達成するために、液状食品を包装するための包装容器を形成できる積層包装材料の製造方法が提供される。本発明の方法は、
- 少なくとも1つの貫通孔を有する紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層を提供する;
- 基材層と、そのラミネート面に形成又は塗布された接着剤を提供する;
- 接着剤がバルク層のラミネート面に対向するように、かつ、前記基材層が少なくとも1つの貫通孔の前に配置されるように、バルク層と基材層とを配置する;
- バルク層と基材層とをラミネートユニットで接合し、第1のラミネート手段、基材層、バルク層及び第2のラミネート手段が列挙された順序で運動学的に配置され、第1のラミネート手段と第2のラミネート手段との間にラミネート圧力が生じ、少なくとも1つの非接着ラミネート手段が第2のラミネート手段とバルク層との間に運動学的に配置される、
ことを備える。
【0013】
本発明によれば、少なくとも1つの貫通孔が少なくとも1つの非接着性ラミネート手段によって覆われるように、バルク層の位置及び/又は少なくとも1つの非接着性ラミネート手段の位置が、少なくともラミネート圧力が少なくとも1つの貫通孔に課される限り制御される。
【0014】
ここでは、単に技術的原理を要領よく説明するために、単数形で「少なくとも1つ」として開示された特徴について言及することがあるが、これは限定的な性質を持つものではない。
【0015】
本発明の方法は、非接着性ラミネート手段によって貫通孔が安全に封止され、接着剤などのあらゆる材料が貫通孔を通って第2のラミネート手段に進むのを防ぐという有益な効果を奏する。また、バルク層と非接着性ラミネート手段との相対位置が制御されるため、例えば非接着性ラミネート手段の位置を再調整するために製造工程を停止することなく、本効果を得ることができる。従って、本発明の方法の品質と生産性は共に非常に高いレベルにある。
【0016】
バルク層と基材層は、一般に、例えばドライラミネート又はウェットラミネートプロセスであるラミネートプロセスで接合される。好ましくは、接合は、分散及び/又はウェットラミネートプロセスで行ってもよい。
【0017】
バルク層の位置及び/又は非接着性ラミネート手段の位置を制御することは、好ましくはリアルタイムで実行される、オープン制御ループ又はクローズド制御ループであってもよい。位置の制御は、貫通孔と非接着性ラミネート手段との相対的な位置を記述するのに必要な任意の寸法を示してもよい。非接着性ラミネート手段と貫通孔とが、例えば一時的に、ラミネートユニット内の平面平行な平面で接する場合、かかる寸法は、前記平面の横方向及び/又は縦方向の寸法を備えてもよい。非接着性ラミネート手段と貫通孔とが、例えば一時的に、非平行な平面で互いに接近している場合、かかる寸法は、前記各平面の横方向寸法及び/又は縦方向の寸法を備えてもよく、また、ラミネート圧力が加えられたときに、非接着性ラミネート手段に対する貫通孔の位置を予測するために、縦方向寸法を備えてもよい。それぞれの制御技術は、このような二次元又は三次元データを処理するために適切な手段を使用してもよく、必要に応じて、位置値、速度値及び/又は加速度値に関する時間データも処理してもよい。当業者であれば、本開示によって可能となるように、貫通孔が非接着性ラミネート手段によって安全に覆われ、粘着材料が貫通孔を介して第2のラミネート手段に進むのを防止することを保証するために、上記の提案又はその任意の組み合わせもしくは抽出から選択するのに十分な技術的知識を有するであろう。
【0018】
バルク層と基材層は、別々に、又はあらかじめ接合された複合層としてラミネート装置に導入されてもよい。好ましくは、これらは別々に導入され、ラミネートユニット内で接触させられる。例えば、貫通孔は、本発明の方法の予備工程で製造することができることを理解されたい。基材層への接着剤の塗布又は基材層の形成についても同様である。本発明の方法をフロープロセスとして実行することは、技術的に必須ではないが好ましい。バルク層、基材層、又は両方の層は、それ自体が何らかの耐液特性を備えてもよい。また、このようなラミネート包装材料に対する一般的に知られている要件に基づいて、本発明の方法の後続工程で、さらなる層又はさらなる多層、例えば耐液性層又は酸素バリアを適用することも可能であり、好ましい。
【0019】
貫通孔は、好ましくは、そこにストローを挿入するための孔として機能し得る。従って、貫通孔は適当な直径、例えば約6mmの直径を備えてもよい。
【0020】
好ましくは、基材層は、紙、板紙、その他のセルロース系材料、ポリマー材料、又はそれらの任意の組み合わせなどの材料を備えてもよい。特に、ポリオレフィンを含む基材層を設けることが好ましい。
【0021】
接着剤材料は、このようなラミネートプロセス、好ましくはウェットラミネートプロセスに適していることが知られているすべての材料の中から選択可能である。基材層の材料は、例えば基材層がポリマー層を備える場合、接着層の材料自体が粘着特性を備えてもよい。接着剤はまた、追加の材料として、例えばポリマー溶液として基材層に塗布されてもよい。接着剤は少なくとも貫通孔の領域に塗布され、例えば貫通孔がストローによって貫通される場合、その領域での耐液性接着を保証する。一般的にバルク層と基材層の間の包括的な接合を達成するために、基材層のラミネート面全体に接着剤を塗布することが特に好ましい。
【0022】
好ましくは、ラミネートユニットは、ウェットラミネートプロセスでバルク層と基材層を接合するためのウェットラミネートユニットである。
【0023】
「運動学的に配置される」という用語は、第1のラミネート手段、基材層、バルク層及び第2のラミネート手段が、必ずしもその順序で互いに直接物理的に接触して配置されることを意味するのではなく(可能ではあるが)、ラミネート圧力がそれぞれの構成要素間でその順序で伝播することを意味する。非接着性ラミネート手段と第2のラミネート手段の配置も同様であるが、前記バルク層が非接着性ラミネート手段と直接物理的に接触して、バルク層のラミネート面とは反対側の面で接着剤に対して貫通孔を封止する。しかしながら、物理的に直接接触する上記の構成要素を、第1のラミネート手段、基材層、バルク層、非接着性ラミネート手段、第2のラミネート手段の順序で配置することが好ましい。これにより、バルク層は、少なくとも部分的に、同時に第2のラミネート手段と直接接触することができる。これは、非接着性ラミネート手段が延在していない第2のラミネート手段の領域にも当てはまる。なぜなら、非接着性ラミネート手段は、必ずしも第2のラミネート手段の表面全体をバルク層から分離するわけではなく、好ましくは貫通孔の領域に限定されるからである。
【0024】
「非接着性ラミネート手段」という用語は、貫通孔を覆い、接着剤がラミネート側とは反対側のバルク層の側で貫通孔から抜け出るのを防止する、又は、少なくともラミネート側とは反対側のバルク層の側で貫通孔から抜け出る可能性のある接着剤が、特に加えられるラミネート圧力に関して、第2のラミネート手段に付着するのを防止するのに適した任意の技術的手段を指す。好ましくは、非接着性ラミネート手段は、テフロン(TEFLON)(登録商標)ブランドでも知られるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの材料、又は粘着に対して保護する類似の特性からなる他の材料を備えてもよい。
【0025】
本発明の方法の好ましい実施形態において、バルク層は、複数の貫通孔を備え、さらに、複数の非接着性ラミネート手段が、第2のラミネート手段とバルク層との間に運動学的に配置され、バルク層の位置及び/又は各非接着性ラミネート手段の位置は、各非接着性ラミネート手段が、少なくともラミネート圧力が各貫通孔に課される限り、それぞれの位置で貫通孔を覆うように制御される。
【0026】
これにより、本発明の方法の柔軟性がさらに向上する。貫通孔は、例えば、バルク層上に一列又は複数の列に配置されてもよい。例えば、各非接着性ラミネート手段は、これらのラインのうちの1つの貫通孔の位置に応じて制御され得る。列の貫通孔は、少なくとも部分的に、周期的であってもよく、周期性を設けなくてもよい。貫通孔は、グループ状に、ランダムに、等距離に、又は距離を変えて配置されてもよく、サイズ及び形状が異なってもよい。
【0027】
本発明の方法の好ましい実施形態では、第1及び第2のラミネート手段の各々は、ラミネート圧力を伝達するラミネートローラーを備え、バルク層の位置及び/又は非接着性ラミネート手段の位置は、少なくともラミネートローラーの回転軸と平行な方向に制御される。ラミネートローラーは、例えば、ニップローラーとチルローラーを備えてもよい。
【0028】
本発明の方法の好ましい実施形態では、非接着性ラミネート手段は、第2のラミネート手段によって構成されるラミネートローラー上を案内される非接着性のベルトを備える。
【0029】
例えば、ラミネートローラーのシリンダー型の幾何学的形状に基づいて、その位置を変えるために、当該形状に沿ってベルトの移動を制御することが、容易な方法で実現できる。
【0030】
好ましくは、ベルト、ラミネート包装材料、又はラミネート包装材料を製造するために使用される任意の追加材料のいずれかに関して、例えば、テンションローラー、アイドリングローラー、冷却ローラー又は保管ローラーなどの1つ又は複数の追加ローラーが使用される。
【0031】
ベルトは、そのような追加ローラー及び/又は第2のラミネート手段のラミネートローラーの1つ又は複数によって駆動され得る。
【0032】
第2のラミネート手段とベルトの駆動の両方にローラーを使用することで、例えばラミネート圧にさらされたときに、ベルトの動きとラミネート包装材料を同期させる手間が軽減される。
【0033】
好ましくは、前記ラミネートローラーの回転軸と平行な方向に、上述したタイプの8本のベルトが互いに隣接して配置される。好ましくは、8本のベルトの各々は、その方向に30cmの範囲で移動可能である。好ましくは、最も外側の2本のベルトは、それらの間に配置された他のベルトよりも幅が大きいことを特徴とし、これは、中間ベルトがそれぞれ端部ベルトよりも幅が狭いことを意味する。
【0034】
本発明の方法の好ましい実施形態では、前記ラミネートローラーの回転軸と平行な方向におけるベルトの位置は、前記ラミネートローラーの回転軸と平行な方向においてベルトに位置決め力を付与する作動ガイド部材によって制御される。
【0035】
ベルトが、同時に回転する可能性のあるラミネートローラー上を案内される場合、位置決め力によってベルトがラミネートローラー上で簡単に位置を変更する可能性がある。
【0036】
例えば、ベルト自体を電気モーターで駆動することができ、この電気モーターも位置決め力を発生させるために使用できる。好ましくは、各ベルトに対して、電気モーターのような、少なくとも一つの個別に制御される作動装置がある。さらに一例として、作動ガイド部材は、ベルトを案内するガイドスリーブを備えてもよく、位置決め力を伝達するための他の構造を備えてもよい。作動ガイド部材、例えばガイドスリーブは、好ましくは、ベルトが位置決め力の方向と直交する方向に駆動される可能性があるという事実を考慮して設計される。そのため、作動ガイド部材は、ベルトと案内構造との相対移動を補償するための軸受を備えてもよい。
【0037】
好ましくは、作動ガイド部材は、ベルトの各々に対して、個々の支持体上に担持された少なくとも1つ以上の案内ローラーを有してもよい。好ましくは、この支持体、したがって作動ガイド部材は、位置決め力の方向及び/又は位置決め力の横方向に駆動される専用モーターを備える。すべてのガイド部材は、単一のスライド又は軌道上で個別に位置決め力の方向に駆動されてもよい。また、一群のガイド部材及びベルトをそれぞれ搬送するために、複数のスライド又はトラックを設けてもよい。また、それぞれ1つのガイド部材とベルトを運ぶために、複数のスライド又はトラックを設けてもよい。
【0038】
本発明の方法の好ましい実施形態において、本方法は、機械方向に実行される連続又は不連続フロープロセスであり、バルク層の位置及び/又は非接着性ラミネート手段の位置が、少なくとも機械方向に横切る方向に制御される。
【0039】
機械方向とは、ラミネート包装材が通常、材料の供給方向、言い換えれば機械方向を有する流動プロセスで製造されることを指す。
【0040】
本発明の方法の好ましい実施形態では、バルク層と基材層とを接合した後、後続ローラーが貫通孔に接触している限り、貫通孔を覆う非接着性ラミネート手段を備える少なくとも1つの後続ローラーを介して、ラミネート包装材料を導く。
【0041】
後続ローラーの非接着性ラミネート手段は、前述の説明に類似した設計及び構成を備えてもよく、したがって、貫通孔の位置に一致するように制御可能であってもよい。
【0042】
これに基づいて、例えばまだ十分な硬化度を達成していない接着剤が、後続のローラーに付着しないことが保証される。
【0043】
本発明の方法の好ましい実施形態では、センサがバルク層上の貫通孔の位置を検出し、検出された貫通孔の位置に基づいてバルク層の位置及び/又は非接着性ラミネート手段の位置が制御される。
【0044】
これにより、貫通孔の位置変更に関する本発明の方法のプロセスの安定性及び柔軟性が大幅に向上する。
【0045】
本発明の方法の好ましい実施形態では、非接着性ラミネート手段は、貫通孔に接触する前及び/又は接触した後に、洗浄装置によって洗浄される。好ましくは、洗浄装置は、非接着性ラミネート手段、例えば、ベルトが第1及び第2のラミネート手段を通過した位置に配置される。一実施形態では、洗浄装置は、ベルトがニップローラーによって画定されたニップを出るニップローラーの後方に配置される。
【0046】
洗浄装置によって、非接着性ラミネート手段がバルク層及び第2のラミネート手段と再び接触させられる前に、非接着性ラミネート手段に塗布された接着材料の不純物又は不可避の残留物が除去されることが保証される。それに基づいて、洗浄装置をウェットラミネート工程と組み合わせることが特に好ましい。
【0047】
洗浄装置は、好ましくは、作動ガイド部材と組み合わせてもよい。例えば、このような洗浄装置は、ベルト用のガイドスリーブと組み合わせてもよい。好ましくは、ガイドスリーブは、ベルトが位置決め力の方向に対して横方向に、例えば第2のラミネート手段に向かって、特定の例では機械方向に駆動されるときに、ベルトを洗浄する洗浄装置を備える。
【0048】
洗浄装置は、非接着性ラミネート手段、好ましくはベルト上に残っている可能性のある余分な接着剤を掻き落とすためのスクレーパー又は同様の構造を有してもよい。さらに、余分な接着剤、特に掻き落とされた接着剤を回収するための回収容器を備えてもよい。
【0049】
さらに、非接着性ラミネート手段、好ましくは、ベルトは、洗浄浴にさらされてもよく、例えば、洗浄浴に浸漬されてもよい。洗浄浴は、好ましくは、水とアルコールを備えてもよい。最も好ましくは、洗浄浴はスクレーパーが使用された後に適用される。
【0050】
洗浄浴の後、非接着性ラミネート手段、好ましくは、ベルトが乾燥される。乾燥は、好ましくは、適切な熱処理手段によって行われる。
【0051】
本発明の方法の好ましい実施態様では、バルク層と基材層とを接合した後、ラミネート包装材料に少なくとも1つの追加層を塗布し、この追加層は、包装材料から形成可能な包装容器によって収容される食品と直接接触する最内液密層及び/又は包装容器の外側を構成するのに適した最外液密層とを備える。
【0052】
対象製品、特に液体食品の包装容器に基づき、酸素バリアなどの他の層を追加層として適用してもよい。
【0053】
本発明の別の態様は、本開示による本発明の方法によって製造されたラミネート包装材料に関する。
【0054】
本発明のさらに別の態様は、本開示による本発明のラミネート包装材料を含む包装容器に関する。
【0055】
本発明のさらに別の態様は、液体食品を包装するための包装容器を形成することができる、ラミネート包装材料を製造するための装置であって、少なくとも1つの貫通孔を有するバルク層と、接着剤が形成された、又はそのラミネート面に塗布された基材層とを受け入れるように構成されたラミネートユニットを備える装置に関し、前記ラミネートユニットが、前記層がラミネートキャビティに導入される場合、その間にラミネートキャビティを形成し、前記バルク層及び前記基材層にラミネート圧力を付与するように構成された第1のラミネート手段及び第2のラミネート手段を備え、前記ラミネートユニットが、前記ラミネートキャビティに導入される場合、前記第2のラミネート手段と前記バルク層との間に運動学的に配置された少なくとも1つの非接着性ラミネート手段をさらに備える。
【0056】
本発明によれば、少なくとも1つの貫通孔が少なくとも1つの非接着性ラミネート手段によって覆われるように、バルク層の位置及び/又は前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段の位置が制御可能であり、少なくともラミネート圧力が少なくとも1つの貫通孔に課される限り、少なくとも1つの貫通孔が少なくとも1つの非接着性ラミネート手段によって覆われる。
【0057】
本発明の装置の好ましい実施形態では、装置は、本開示による本発明の方法を実行するように適合され、構成され得る。さらに好ましくは、本発明の装置は、本発明の方法を実行するように構成される。
【0058】
上述に基づいて、本発明の方法に関して開示されたすべての装置関連の特徴も、本発明装置の可能な実施形態におけるアナログ的な特徴として本明細書に開示される。同様に、本発明装置に関して開示された方法に関連する特徴に関しても逆に当てはまる。
【0059】
好ましくは、本発明の装置のラミネートユニットは、ウェットラミネートユニットである。
【0060】
好ましくは、本発明の装置は、バルク層上の貫通孔の位置を検出するように構成され得るセンサを備え、検出された貫通孔の位置に基づいて、バルク層の位置及び/又は非接着性ラミネート手段の位置が制御可能である。さらに好ましくは、センサはそのように構成される。
【0061】
本発明の装置の好ましい実施形態では、装置は、機械方向に実行される連続的又は不連続的なフロープロセスでラミネート包装材料を製造するように構成され、バルク層の位置及び/又は非接着性ラミネート手段の位置は、少なくとも機械方向に直交する方向に制御可能である。
【0062】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0063】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】液体食品の包装用容器の一実施形態を示す図である。
【
図2】包装容器を形成することができるラミネート包装材料の一実施形態を示す断面図である。
【
図3】ラミネート包装材料の製造装置を参照し、本発明のラミネート包装材料の製造方法の実施形態を示す図である。
【
図4】ラミネート包装材料の製造装置を参照し、本発明のラミネート包装材料の製造方法の実施形態を示す図である。
【
図5】
図4に示した装置の代替実施形態を、特にスライドの異なる設計に関して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1を参照すると、液体食品12用の包装容器10の一実施形態が示されている。例えば、さらに特定されない包装容器製造機14は、積層包装材料16(
図2~4参照)を供給し、そこから包装容器10を製造してもよい。包装容器10は、例示的に、液体食品12を充填した後、それぞれの切断シール手段18によってラミネート包装材料16を切断し、シールすることによって製造できる。本発明の範囲は、
図2~4を参照してさらに説明するように、本発明ラミネート包装材料16からこのように形成された本発明包装容器10を対象とする。
【0066】
本発明をさらに説明する目的で、
図1において機械方向20が定義されており、以下の図においてこれを参照する。機械方向20とは、ラミネート包装材料16が、通常、材料の供給方向、言い換えれば、機械方向20を有するフロープロセスで製造されることを意味する。
【0067】
図2は、本発明のラミネート包装材料16をより詳細に示している。ラミネート包装材料16は、紙又は板紙などのセルロース系材料のバルク層22を備える。バルク層22には少なくとも1つの貫通孔24が設けられている。バルク層22は、基材層26と接合されており、そのラミネート面28は、基材層26をバルク層22のラミネート面32に接着する接着剤30を備える。接着剤30は、単に一例として、
図2に示されたラミネート包装材料16の状態で既に乾燥したラミネート面28に塗布されたポリマー溶液である。基材層26の材料は、例えば溶融ポリマー材料の形態で提供される場合、それ自体で接着特性を提供し得ることに留意されたい。基材層26がそれ自体で接着性を提供する場合、接着剤30は必ずしもラミネート面28に追加して塗布する必要はない。図から分かるように、接着剤30又は他の実施形態では基材層26の材料はそれぞれ、ある程度貫通孔24に入り込んでいる。これは、バルク層22と基材層26とを接合するためにラミネート圧48(
図3参照)が加えられた結果であると考えられる。例えば、接着剤30がまだ乾燥していない限り、このようなラミネート圧力48によって、接着剤30が貫通孔24内を上昇し、そのラミネート面32(
図3を比較)に対向するバルク層22の側面34に到達する可能性がある。しかし、これは望ましくない。ラミネート圧力48を下げると、貫通孔24内の接着剤30の高さレベルは再び沈み、図示した構造的特性を有し得る。この沈下効果は、接着剤30が乾燥するときに増強され、これにより、前記接着剤30の体積がさらに収縮し得る。本発明の積層包装材料16は、以下に説明するような本発明の方法で製造される。
【0068】
図3は、ラミネート包装材料16を製造するための本発明の装置36(
図4~6も比較されたい)を参照して、ラミネート包装材料16を製造する本発明方法を概略的に示している。
図3では、装置36のラミネートユニット38が概略的に示されている。本発明の方法は、本質的に以下のステップを含む。
【0069】
第1のステップでは、少なくとも一つの貫通孔24を含むバルク層22が提供される。
【0070】
第2のステップでは、基材層26が提供され、そのラミネート面28に接着剤30が形成又は塗布される。
【0071】
第3のステップでは、接着剤30がバルク層22のラミネート面32に対向するように、かつ前記基材層26が少なくとも1つの貫通孔24の前に配置されるように、バルク層22と基材層26を配置する。
【0072】
3つのステップの終了時に接着剤30がバルク層22のラミネート面32に面しており、基材層26が少なくとも1つの貫通孔24の前に配置されている限り、これらのステップは任意の順序で実行できることを理解されたい。これらの3つのステップは、それぞれの構成要素がラミネートユニット38のラミネートキャビティ40に導入される前、又はラミネートユニット38の内部に導入される前に実施されてもよい。バルク層22及び基材層26は、互いに接触することなく、又は既に接触している状態で、ラミネートユニット38に導入されてもよい。
【0073】
さらに本質的には、第4のステップにおいて、バルク層22及び基材層26は、
図3に示すラミネートキャビティ40内で接合される。バルク層22及び基材層26は、好ましくは、本発明の装置36の機械方向20においてラミネートユニット38に入るが、これは本質的なものではなく、単に本発明方法を実行する好ましい態様をより良く説明するのに役立つのみである。本発明の装置36の機械方向20は、
図1に示す包装容器製造機14の機械方向20と一致してもよく、本明細書を簡略化するために同じ参照符号を使用する。包装容器製造機14は、本発明の装置36と組み合わせてもよい。
【0074】
さらに本質的には、ラミネートユニット38は、第1のラミネート手段42と第2のラミネート手段44とを備える。基材層26及びバルク層22は、第1のラミネート手段42と第2のラミネート手段44との間に配置される。第2のラミネート手段44とバルク層22との間には、少なくとも1つの非接着ラミネート手段46が設けられている。記載された配置により、それぞれの構成要素は、第2のラミネート手段44、少なくとも1つの非接着ラミネート手段46、バルク層22、基材層26の接着剤30又は接着剤ラミネート面28、基材層26及び第1のラミネート手段42の順序で運動学的に配置される。第1のラミネート手段42及び第2のラミネート手段44は、それらの間にラミネート圧力48を生じさせ、それによってバルク層22と基材層26とを接合している。ラミネート圧力48は、接着剤30(又はいくつかの実施形態ではラミネート面28の材料)を貫通孔24内で上昇させる可能性がある。しかしながら、少なくとも1つの非接着性ラミネート手段46により、貫通孔24は、そのラミネート面32とは反対側のバルク層22の面34で適切に封止される。
【0075】
本発明によれば、前記少なくとも1つの非接着性ラミネート手段46の位置50が制御され、少なくとも1つの貫通孔24が、少なくともラミネート圧力48が少なくとも1つの谷孔24に課される限り、少なくとも1つの非接着性ラミネート手段46によって覆われるようにする。あるいは、あるいは組み合わせて、少なくとも1つの貫通孔24が少なくとも1つの非接着性ラミネート手段46によって覆われるように、少なくともラミネート圧力48が少なくとも1つの貫通孔24に課される限り、バルク層22の位置が制御される。
【0076】
したがって、本発明の方法に関与する異なる構成要素が相対的な位置を変えても、貫通孔24がバルク層22の側面34に常に適切にシールされることが保証される。
【0077】
以下では、本発明の方法及び本発明の装置36のいくつかの任意であるが好ましい実施形態をさらに詳細に説明する。まず、バルク層22と基材層26とは、一般に、ラミネートプロセスで接合されるが、このラミネートプロセスは、例えば、ドライラミネートプロセス又はウェットラミネートプロセスなど、様々な方法で具体化され得ることに留意されたい。好ましくは、接合は、分散及び/又はウェットラミネートプロセスで行ってもよい。
【0078】
図示の実施例では、本発明の方法は、機械方向20において連続又は不連続のフロープロセスとして実行され、非接着性ラミネート手段46の位置50は、少なくとも機械方向20を横切る方向52において制御される。非接着性ラミネート手段46とバルク層22との相対位置は、例えば非接着性ラミネート手段46の速度54を制御することによって、機械方向20に沿って制御されてもよい。また、垂直方向、例えば
図3に示されるように、ラミネート圧力48を平行な方向に制御されてもよい。
【0079】
好ましくは、第1のラミネート手段42及び第2のラミネート手段44の各々は、ラミネートローラー56を備える。ラミネートローラー56は、好ましくは、ラミネート包装材料16を機械方向20に搬送するために、回転58してもよい。ラミネートローラー56は、好ましくはラミネート圧力48を伝達することができ、プロセスの要求に従って駆動又は熱制御されてもよい。
【0080】
非接着性ラミネート手段46の位置50は、少なくとも、ラミネートローラー56の回転軸60に平行な方向52に制御されてもよい。バルク層22の位置をずらすことによって正しい位置決めが得られる場合も同様である。
【0081】
好ましくは、一方のラミネートローラー56をニップローラー62とし、他方のラミネートローラー56をチルドローラー64としてもよい。
【0082】
非接着性ラミネート手段46は、好ましくは非接着性のベルト66を備え、さらに好ましくはテフロン(登録商標)から作られ、このベルト66は、第2のラミネート手段44によって構成されるラミネートローラー56上を案内される。
【0083】
以下では、
図3の切断線Aによって画定されたA-A図に従って、本発明の方法及び本発明の装置36の好ましい実施形態が示されている
図4をさらに参照する。
【0084】
このA-A図では、ラミネートキャビティ40を下から見ることができる。つまり、部分的に切断されたバルク層22の内側、及びバルク層22のラミネート面32とは反対側の面34の内側に向けられた視野で見ることができる。
【0085】
図4からわかるように、バルク層22は、好ましくは複数の貫通孔24を備え、
図4では、わかりやすくするために、そのうちのいくつかだけが参照符号24で示されている。
【0086】
さらに好ましくは、複数の非接着性ラミネート手段46が使用され、それぞれ本発明の装置36によって構成される。前記非接着性ラミネート手段46の全ては、前述の説明に従って、好ましくは、第2のラミネート手段44とバルク層22との間に運動学的に配置される。
【0087】
各非接着性ラミネート手段46の位置50は、好ましくは、各非接着性ラミネート手段46が、少なくともラミネート圧力48がそれぞれの貫通孔24に課される限り、それぞれの位置50で貫通孔24を覆うように制御される。あるいは、あるいは組み合わせて、バルク層22の位置が制御される。異なる貫通孔24が同時にラミネート圧力48に曝されるとは限らないので、各非接着性ラミネート手段46の位置50が好ましくは独立して制御されることは明らかである。
【0088】
上述したように、非接着性ラミネート手段46は、好ましくはベルト66を備え、好ましくは第2のラミネート手段44のラミネートローラー56上を案内される。ベルト66はまた、1つ又は複数の追加のローラー68によって案内又は駆動されてもよい。好ましくは、ラミネートローラー56の回転軸60に沿ってそれぞれ隣接して配置されたベルト66が8本あり、そのうちのいくつかは、図示を明瞭にするために、参照符号で示され、参照されている。これは、装置36によって繰り返し構成され、したがって図では例示的にしか示されていない他の特徴にも同様に適用され得る。
【0089】
好ましくは、8本のベルト66の各々は、回転軸60に沿って30cmの範囲で移動可能である。好ましくは、最も外側の2つのベルト67は、それらの間に配置された他のベルト66よりも大きな幅を特徴とし、これは、中間ベルトがそれぞれ端部ベルト67よりも幅が狭いことを意味する。
【0090】
好ましくは、ラミネートローラー56の回転軸60と平行な方向における各ベルト66の位置50は、その方向においてベルト66に位置決め力72を付与する作動ガイド部材70によって制御される。このことは、
図4に示されており、さらに
図5には、右下側のベルト66について例示的に示されている。好ましくは、作動ガイド部材70は、ベルト66の各々について、個々の支持体69上に担持された少なくとも1つ以上の案内ローラー68を有してもよい。好ましくは、この支持体69、従って作動ガイド部材70は、位置決め力72の方向及び/又は位置決め力72の方向の横方向に駆動される専用のモーター71を備えてもよい。すべてのガイド部材70は、
図4に例示的に示すように、単一のスライド又はトラック73上で、位置決め力72の方向に個別に駆動してもよい。
【0091】
非接着性ラミネート手段46は、貫通孔24に接触する前及び/又は接触した後に、好ましくは洗浄装置74(
図6参照)によって洗浄される。
【0092】
好ましくは、前記洗浄装置74は、非接着性ラミネート手段46、例えばベルト66が第1のラミネート手段42及び第2のラミネート手段44を通過した位置に配置される。一実施形態では、洗浄装置74は、ベルト66がニップローラー62によって画定されたニップを出るニップローラー62の後方に配置される。
【0093】
洗浄装置74は、作動ガイド部材70と一体化されていてもよく、装置36の他の適当な構成要素と一体化されてもよい。また、別個のユニットとして設けられてもよい。別個のユニットとして具現化されたそのような例示的な洗浄装置74は、
図6に図示されており、以下において説明される。
【0094】
図4を参照すると、非接着性ラミネート手段46とバルク層22との間の相対位置の制御を大幅に改善するために、センサ76を設けてもよい。センサ76は、バルク層22上の貫通孔24の位置78を検出することができ、当該位置78は、例示的に
図4の左上に示されている。非接着性ラミネート手段46の位置50は、検出された貫通孔24の位置78に基づいて制御される。正しい位置合わせは、非接着性ラミネート手段46に対するバルク層22の位置をずらすことによっても達成し得る。
【0095】
バルク層22と基材層26とを接合した後、ラミネート包装材料16は、後続ローラーが貫通孔24と接触している限り、貫通孔24を覆うために、非接着性ラミネート手段46を備える1つ以上の後続ローラー(図示せず)を介して導かれてもよいことを理解されたい。後続ローラー及びそれぞれの非接着性ラミネート手段46は、本開示に記載される1つ又は複数の特徴を備えてもよく、ラミネート機能を可能にしてもよいが、必ずしも備える必要はない。例えば、後続のローラーは、ラミネート包装材料を冷却、保管、又は搬送する目的を果たし得る。
【0096】
図5は、特にスライド73、75の異なる設計に関して、
図4に示した装置36の代替実施形態を示す。従って、
図5には、ガイド部材70を特徴とする装置36の部分のみが示されており、装置の上部は図示において省略されている。
【0097】
図示のとおり、スライド又はトラック73、75は複数あってもよい。スライド75はそれぞれ、一群のガイド部材70とベルト66を担持してもよい。また、スライド73に例示的に示されているように、複数のスライド又はトラック73、75が存在し、それぞれが1つのガイド部材70とベルト66をそれぞれ担持することも可能である。
【0098】
次に
図6を参照すると、別個のユニットとして提供される洗浄装置74の一実施形態が示されている。ニップローラー62を通過したばかりの非接着性ラミネート手段46として、例示的なベルト66が断面図として示されている。図示のとおり、この状況では、残留接着剤30がベルト66上に存在する可能性がある。残留した接着剤30を除去するために、洗浄装置74は、ベルト66上に残っている可能性のある余分な接着剤30を掻き落とすためのスクレーパー80又は同様の構造を有してもよい。
【0099】
余分な接着剤30、特に掻き落とされた接着剤30を回収するための回収容器82があってもよい。さらに、ベルト66を洗浄浴84にさらすことができ、例えば、洗浄浴84に浸漬してもよい。洗浄浴84は、好ましくは、水とアルコールを備える。最も好ましくは、洗浄浴84は、スクレーパー80が使用された後に適用される。
【0100】
洗浄浴84の後、ベルト66は乾燥されるが、これは好ましくは、適切な熱処理手段86によって達成される。図示のとおり、ベルト66が移動方向90で示されるようにラミネートプロセスに戻される前に、残留液体88が除去される。それに基づいて、洗浄装置74を湿式ラミネートプロセスと組み合わせることが特に好ましい。
【0101】
一般に、洗浄装置74は、非接着性ラミネート手段46がバルク層22及び第2のラミネート手段44と再び接触する前に、非接着性ラミネート手段46に塗布された粘着材料30の不純物又は不可避の残留物が除去されることを保証する限り、様々な方法で具体化してもよい。
【0102】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
【国際調査報告】