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  • 特表-スピンドル部材及び流量調節弁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】スピンドル部材及び流量調節弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/04 20060101AFI20241010BHJP
   F16C 35/07 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F16K1/04 A
F16C35/07
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520549
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2022124930
(87)【国際公開番号】W WO2023066116
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202122545371.6
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122531063.8
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】賀 宇辰
(72)【発明者】
【氏名】劉 楽強
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇好
(72)【発明者】
【氏名】徐 冠軍
【テーマコード(参考)】
3H052
3J117
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA22
3H052DA01
3H052EA01
3H052EA11
3J117AA01
3J117DA01
3J117DB10
(57)【要約】
本出願は、順に接続された第1ロッドセグメント、第2ロッドセグメント及び第3ロッドセグメントを含み、第1ロッドセグメントの外径は第2ロッドセグメントの外径より大きく、第2ロッドセグメントの外径は第3ロッドセグメントの外径より大きいスクリュと、第2ロッドセグメントに嵌合される軸受と、第3ロッドセグメントに嵌合されるブッシュであって、ブッシュは第3ロッドセグメントに溶接され、軸受の内輪の2つの端面は、それぞれ第1ロッドセグメントの端面及びブッシュの端面に当接されるブッシュと、を含むスピンドル部材及び流量調節弁を提供する。本出願で提供される技術態様によれば、従来技術において、スピンドル部材に軸受を取り付けるとき、軸受の内輪の受ける力が比較的大きいことによって、軸受の内部のリテーナが変形し、軸受が回転するときに止められるという問題を回避し、軸受が回転するときの摩擦力を低減させ、製品の性能を改善させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に接続された第1ロッドセグメント(11)、第2ロッドセグメント(12)及び第3ロッドセグメント(13)を含み、前記第1ロッドセグメント(11)の外径は前記第2ロッドセグメント(12)の外径より大きく、前記第2ロッドセグメント(12)の外径は前記第3ロッドセグメント(13)の外径より大きいスクリュ(10)と、
前記第2ロッドセグメント(12)に嵌合される軸受(20)と、
前記第3ロッドセグメント(13)に嵌合されるブッシュ(30)であって、前記ブッシュ(30)は前記第3ロッドセグメント(13)に溶接され、前記軸受(20)の内輪の2つの端面は、それぞれ前記第1ロッドセグメント(11)の端面及び前記ブッシュ(30)の端面に当接されるブッシュ(30)と、を含む、スピンドル部材。
【請求項2】
前記スクリュ(10)の軸方向において、前記第2ロッドセグメント(12)の長さをMとし、前記内輪の長さをNとし、M<Nである、請求項1に記載のスピンドル部材。
【請求項3】
M≧N/2である、請求項2に記載のスピンドル部材。
【請求項4】
前記ブッシュ(30)の内径は前記第3ロッドセグメント(13)の外径より大きいか、又は、前記ブッシュ(30)の内径は前記第3ロッドセグメント(13)の外径と等しいか、又は、前記ブッシュ(30)の内径は前記第3ロッドセグメント(13)の外径より小さい、請求項1に記載のスピンドル部材。
【請求項5】
前記ブッシュ(30)の外径及び前記第1ロッドセグメント(11)の外径は、いずれも前記軸受(20)の外輪の内径より小さい、請求項1に記載のスピンドル部材。
【請求項6】
前記スピンドル部材は、
組み立てチャンバ(41)を有する弁ヘッド(40)を更に含み、前記軸受(20)は前記組み立てチャンバ(41)内に位置する、請求項1に記載のスピンドル部材。
【請求項7】
前記スピンドル部材は、
前記組み立てチャンバ(41)内に設けられた制限座(50)であって、前記ブッシュ(30)及び前記第3ロッドセグメント(13)は、いずれも前記制限座(50)のチャンバ内に位置し、前記制限座(50)は前記軸受(20)の外輪に当接される制限座(50)と、
前記組み立てチャンバ(41)内に設けられ、一端が前記制限座(50)に当接され、他端が前記組み立てチャンバ(41)の底壁に当接される弾性部材(60)と、を更に含む、請求項6に記載のスピンドル部材。
【請求項8】
前記制限座(50)は、制限スリーブ(51)及び前記制限スリーブ(51)の一端に設けられた制限突部(52)を含み、前記軸受(20)及び前記第3ロッドセグメント(13)は、いずれも前記制限スリーブ(51)内に位置し、前記制限スリーブ(51)は前記外輪に当接され、前記弾性部材(60)はバネであり、前記制限突部(52)は前記弾性部材(60)内に貫入される、請求項7に記載のスピンドル部材。
【請求項9】
前記スクリュ(10)、前記軸受(20)及び前記ブッシュ(30)はスクリュアセンブリを構成し、前記弁ヘッド(40)は弁口を閉塞するための封止端(42)を有し、
前記スピンドル部材は、
前記弁ヘッド(40)の前記封止端(42)から離れた一端に設けられた押圧スリーブ(70)を更に含み、前記押圧スリーブ(70)の前記封止端(42)に近接する一端が前記スクリュアセンブリに当接されて、前記押圧スリーブ(70)により前記スクリュアセンブリを制限する、請求項6に記載のスピンドル部材。
【請求項10】
前記押圧スリーブ(70)は環状構造であり、前記押圧スリーブ(70)と前記弁ヘッド(40)とはインターフェアランスフィットされるか又は溶接される、請求項9に記載のスピンドル部材。
【請求項11】
前記組み立てチャンバ(41)は、第1チャンバセグメント(411)及び第2チャンバセグメント(412)を含み、前記弁ヘッド(40)の延在方向に沿って、前記第2チャンバセグメント(412)の横断面積が前記第1チャンバセグメント(411)の横断面積より大きくなることで、前記第1チャンバセグメント(411)と前記第2チャンバセグメント(412)との間に段差面(413)が形成され、前記押圧スリーブ(70)が前記段差面(413)に当接される、請求項9に記載のスピンドル部材。
【請求項12】
前記押圧スリーブ(70)内に収容通路(71)を有し、前記弁ヘッド(40)の延在方向に沿って、前記収容通路(71)の横断面積が前記第1チャンバセグメント(411)の横断面積より小さくなることで、前記押圧スリーブ(70)と前記第1チャンバセグメント(411)との間に前記スクリュアセンブリと当接するための制限面が形成される、請求項11に記載のスピンドル部材。
【請求項13】
前記組み立てチャンバ(41)は第3チャンバセグメント(414)を含み、前記弾性部材(60)は前記第3チャンバセグメント(414)内に挿通される、請求項7に記載のスピンドル部材。
【請求項14】
前記弁ヘッド(40)は弁口を閉塞するための封止端(42)を有し、前記組み立てチャンバ(41)は推移セグメント(415)を更に含み、前記推移セグメント(415)は、前記第3チャンバセグメント(414)の前記封止端(42)から離れた一方側に設けられ、前記弁ヘッド(40)の前記封止端(42)に近接する方向に沿って、前記推移セグメント(415)の横断面積は徐々に小さくなっている、請求項13に記載のスピンドル部材。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のスピンドル部材を含む、流量調節弁。
【請求項16】
前記スピンドル部材のスクリュ(10)は第4ロッドセグメント(14)を更に含み、前記第4ロッドセグメント(14)は前記第1ロッドセグメント(11)に接続され、前記第4ロッドセグメント(14)は雄ねじを有し、前記流量調節弁はナット構造を更に含み、前記ナット構造は雌ねじを有し、前記雌ねじと前記雄ねじとは係合される、請求項15に記載の流量調節弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、流量調節弁の技術分野に関し、具体的には、スピンドル部材及び流量調節弁に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、従来技術におけるスピンドル部材及び流量調節弁、例えば電子膨張弁について、通常、軸受をスクリュに装着した後、スクリュ内にフランジ孔を設ける方法を採用し、フランジングによって軸受に対して軸方向の制限を行う。
【0003】
スクリュにおけるフランジ構造により軸受を制限するが、フランジング過程でフランジ孔の受ける力が大きくなって、軸受の内輪の受ける力が大きくなりやすいことで、軸受の内部のリテーナが変形し、軸受が回転するときに止められるようになり、軸受が回転するときに摩擦力が増加して、開弁性能及び製品寿命に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来技術におけるスピンドル部材内の軸受の内輪の受ける力が比較的大きいという問題を解決するため、スピンドル部材及び流量調節弁を提供する。
【0005】
上記の問題を解決するために、本出願の一側面によれば、順に接続された第1ロッドセグメント、第2ロッドセグメント及び第3ロッドセグメントを含み、第1ロッドセグメントの外径は第2ロッドセグメントの外径より大きく、第2ロッドセグメントの外径は第3ロッドセグメントの外径より大きいスクリュと、第2ロッドセグメントに嵌合される軸受と、第3ロッドセグメントに嵌合されるブッシュであって、ブッシュは第3ロッドセグメントに溶接され、軸受の内輪の2つの端面は、それぞれ第1ロッドセグメントの端面及びブッシュの端面に当接されるブッシュと、を含むスピンドル部材を提供する。
【0006】
更に、スクリュの軸方向において、第2ロッドセグメントの長さをMとし、内輪の長さをNとし、M<Nである。
【0007】
更に、M≧N/2である。
【0008】
更に、ブッシュの内径は第3ロッドセグメントの外径より大きいか、又は、ブッシュの内径は第3ロッドセグメントの外径と等しいか、又は、ブッシュの内径は第3ロッドセグメントの外径より小さい。
【0009】
更に、ブッシュの外径及び第1ロッドセグメントの外径は、いずれも軸受の外輪の内径より小さい。
【0010】
更に、スピンドル部材は、組み立てチャンバを有する弁ヘッドを更に含み、軸受は組み立てチャンバ内に位置する。
【0011】
更に、スピンドル部材は、組み立てチャンバ内に設けられた制限座であって、ブッシュ及び第3ロッドセグメントは、いずれも制限座のチャンバ内に位置し、制限座は軸受の外輪に当接される制限座と、組み立てチャンバ内に設けられ、一端が制限座に当接され、他端が組み立てチャンバの底壁に当接される弾性部材と、を更に含む。
【0012】
更に、制限座は、制限スリーブ及び制限スリーブの一端に設けられた制限突部を含み、軸受及び第3ロッドセグメントは、いずれも制限スリーブ内に位置し、制限スリーブは外輪に当接され、弾性部材はバネであり、制限突部は弾性部材内に貫入される。
【0013】
本出願の別の側面によれば、上記のスピンドル部材を含む流量調節弁を提供する。
【0014】
更に、スピンドル部材のスクリュは第4ロッドセグメントを更に含み、第4ロッドセグメントは第1ロッドセグメントに接続され、第4ロッドセグメントは雄ねじを有し、流量調節弁はナット構造を更に含み、ナット構造は雌ねじを有し、雌ねじと雄ねじとは係合される。
【0015】
更に、流量調節弁は電子膨張弁である。
【0016】
本出願の技術態様を適用すると、順に接続された第1ロッドセグメント、第2ロッドセグメント及び第3ロッドセグメントを含み、第1ロッドセグメントの外径は第2ロッドセグメントの外径より大きく、第2ロッドセグメントの外径は第3ロッドセグメントの外径より大きいスクリュと、第2ロッドセグメントに嵌合される軸受と、第3ロッドセグメントに嵌合されるブッシュであって、ブッシュは第3ロッドセグメントに溶接され、軸受の内輪の2つの端面は、それぞれ第1ロッドセグメントの端面及びブッシュの端面に当接されるブッシュと、を含むスピンドル部材を提供する。この態様を採用すると、スクリュにおけるロッドセグメントの外径は、大きい順に、第1ロッドセグメント、第2ロッドセグメント及び第3ロッドセグメントである。ここで、第2ロッドセグメントは軸受の取り付けセグメントであって、軸受の内輪とクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、内輪は第1ロッドセグメントと第2ロッドセグメントとの間に形成された段差に当接され、第3ロッドセグメントはブッシュの取り付けセグメントであって、ブッシュの内孔とクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、ブッシュの一端は軸受の内輪に当接され、ブッシュは溶接によりスクリュに固定して一体となって、軸受の内輪の軸方向を制限し、この構造は、従来の流量調節弁において、スピンドル部材に軸受を取り付けるとき、軸受の内輪の受ける力が比較的大きいことによって、軸受の内部のリテーナが変形し、軸受が回転するときに止められるという問題を回避し、軸受が回転するときの摩擦力を低減させ、製品の性能を改善させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0018】
図1】本出願の実施例で提供されるスピンドル部材の構造模式図を示す。
図2図1におけるスピンドル部材中の一部構造の模式図を示す。
図3図1における押圧スリーブの模式図を示す。
【0019】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 スクリュ、11 第1ロッドセグメント、12 第2ロッドセグメント、13 第3ロッドセグメント、14 第4ロッドセグメント、20 軸受、30 ブッシュ、40 弁ヘッド、41 組み立てチャンバ、411 第1チャンバセグメント、412 第2チャンバセグメント、413 段差面、414 第3チャンバセグメント、415 推移セグメント、42 封止端、50 制限座、51 制限スリーブ、52 制限突部、60 弾性部材、70 押圧スリーブ、71 収容通路。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下、少なくとも1つの例示的な実施例の記述は、実際には、単に説明的なものにすぎず、本出願及びその適用又は使用に対して何ら制限するものではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0021】
図1及び図3に示すように、本出願の実施例は、順に接続された第1ロッドセグメント11、第2ロッドセグメント12及び第3ロッドセグメント13を含み、第1ロッドセグメント11の外径は第2ロッドセグメント12の外径より大きく、第2ロッドセグメント12の外径は第3ロッドセグメント13の外径より大きいスクリュ10と、第2ロッドセグメント12に嵌合される軸受20と、第3ロッドセグメント13に嵌合されるブッシュ30であって、ブッシュ30は第3ロッドセグメント13に溶接され、軸受20の内輪の2つの端面は、それぞれ第1ロッドセグメント11の端面及びブッシュ30の端面に当接されるブッシュ30と、を含むスピンドル部材を提供する。具体的には、軸受20は、内輪、外輪及び内輪と外輪との間に設けられた鋼球、及びリテーナを含む。
【0022】
本実施例において、軸受20及びブッシュ30は、スクリュ10のロッドセグメントに設けられ、スクリュ10におけるロッドセグメントの外径は、大きい順に、第1ロッドセグメント11、第2ロッドセグメント12及び第3ロッドセグメント13であり、第2ロッドセグメント12は軸受20の取り付けセグメントであって、軸受20の内輪とクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、軸受20は第2ロッドセグメント12に嵌合され、軸受20の内輪の一端は、第1ロッドセグメント11と第2ロッドセグメント12とが形成する段差面に当接される。第3ロッドセグメント13はブッシュ30の取り付けセグメントであって、ブッシュ30の内孔とクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、ブッシュ30は第3ロッドセグメント13に嵌合され、ブッシュ30の一端面は軸受20の内輪の他端に当接され、更には、ブッシュ30と第3ロッドセグメント13とを溶接することにより、軸受20を制限する。この構造は、従来技術においてフランジングを採用する形態により、軸受20の内輪の受ける力が比較的大きくなって、軸受20の内部のリテーナが変形し、軸受20が回転するときに止められるという問題を回避し、軸受20が回転するときの摩擦力を低減させ、製品の性能を改善させる。
【0023】
図2に示すように、スクリュ10の軸方向において、第2ロッドセグメント12の長さをMとし、内輪の長さをNとし、M<Nである。軸受20の内輪の長さが第2ロッドセグメント12より大きくなることで、軸受20の内輪の一端が第1ロッドセグメント11と第2ロッドセグメント12とが形成する段差面に当接され、他端が第2ロッドセグメント12からわずかに突出することを確保して、ブッシュ30に当接されることを確保し、このようにして、軸受20の内輪が両方向においていずれも制限されて、組み立て精度を向上させ、軸受20の軸方向の揺れによって流量調節弁の流量の整合性が低下することを回避する。
【0024】
具体的には、M≧N/2である。即ち、第2ロッドセグメント12の長さも短すぎないほうがよく、軸受20が第2ロッドセグメント12に安定的に嵌合できることを確保して、スピンドル部材が作動するときに第2ロッドセグメント12、軸受20及び第3ロッドセグメント13に不要な損傷を与えることを回避する。
【0025】
本実施例において、第2ロッドセグメント12の長さは、軸受20の内輪の長さより小さく且つ軸受の内輪の長さの1/2以上であり、即ち、N>M≧N/2であることで、ブッシュ30と軸受20とが正常に当接されることを確保し、軸受20の両端がそれぞれ当接される段差面及びブッシュ30により軸受20を制限し、軸受20がスクリュ10において軸方向に移動することを防止し、製品の開弁性能及び製品寿命並びに流量の整合性を向上させる。
【0026】
選択的には、ブッシュ30の内径は第3ロッドセグメント13の外径より大きいか、又は、ブッシュ30の内径は第3ロッドセグメント13の外径と等しいか、又は、ブッシュ30の内径は第3ロッドセグメント13の外径より小さい。実際状況に応じて、ブッシュ30の内径と第3ロッドセグメント13の外径との関係を調整することができ、調節及び組み立てが容易になる。
【0027】
更に、ブッシュ30の外径及び第1ロッドセグメント11の外径は、いずれも軸受20の外輪の内径より小さい。そして、ブッシュ30の外径及び第1ロッドセグメント11の外径は、いずれも軸受20の内輪の外径の1/2より大きい。このようにして、ブッシュ30、第1ロッドセグメント11及び外輪の干渉を回避することができる。
【0028】
図1に示すように、スピンドル部材は、組み立てチャンバ41を有する弁ヘッド40を更に含み、軸受20は組み立てチャンバ41内に位置する。弁ヘッド40には組み立てチャンバ41が設けられており、組み立てチャンバ41に組み立てられた他のスピンドル部材により弁ヘッド40の移動を制御し、構造が簡単で、占有するスペースが小さい。
【0029】
具体的には、スピンドル部材は、組み立てチャンバ41内に設けられた制限座50であって、ブッシュ30及び第3ロッドセグメント13は、いずれも制限座50のチャンバ内に位置し、制限座50は軸受20の外輪に当接される制限座50と、組み立てチャンバ41内に設けられ、一端が制限座50に当接され、他端が組み立てチャンバ41の底壁に当接される弾性部材60と、を更に含む。制限座50により、軸受20の外輪を軸方向に制限することができる。
【0030】
本実施例において、ブッシュ30及び第3ロッドセグメント13は制限座50のチャンバ内に位置し、制限座50は組み立てチャンバ41内に設けられ、弾性部材60も組み立てチャンバ41内に設けられ、上記の内容から、図1において、組み立てチャンバ41内の部材は、下から上へ順に、弾性部材60、制限座50、第3ロッドセグメント13、第3ロッドセグメント13に嵌合されるブッシュ30、ブッシュ30に当接される軸受20及び軸受20が嵌合される第2ロッドセグメント12であることが理解できる。スピンドル部材の他の構造を弁ヘッド40の組み立てチャンバ41に設けることで、全体のスペースの使用を減少させると同時に、組み立てチャンバ41が他の部品に対して軸方向にある程度の制限及びガイド作用を果たすこともできる。
【0031】
更に、制限座50は、制限スリーブ51及び制限スリーブ51の一端に設けられた制限突部52を含み、軸受20及び第3ロッドセグメント13は、いずれも制限スリーブ51内に位置し、制限スリーブ51は外輪に当接され、弾性部材60はバネであり、制限突部52は弾性部材60内に貫入される。
【0032】
ここで、制限スリーブ51は環柱状構造であり、環柱状の一端は軸受20の外輪に当接され、他端の中心には突出した制限突部52が接続されており、制限突部52は円柱状構造であり、円柱面の一端は制限スリーブ51に接続され、他端は弾性部材60に貫入して設けられる。選択的には、弾性部材60の一端が制限座50に当接されることは、弾性部材60の一端が制限スリーブ51に当接されることと理解してもよい。この実施例を採用すると、弾性部材60内に設けられた制限突部52がある程度の制限及びガイド作用を果たして、弾性部材60に当接される制限座50の安定的な移動を確保し、制限座50に当接される軸受20も安定的に移動できることを確保する。また、軸受20及び第3ロッドセグメント13をいずれも制限スリーブ51内に設けることで、構造の干渉を回避し、スピンドル部材のコンパクト性を向上させることができる。
【0033】
本実施例において、スクリュ10、軸受20及びブッシュ30はスクリュアセンブリを構成し、弁ヘッド40は弁口を閉塞するための封止端42を有し、スピンドル部材は、弁ヘッド40の封止端42から離れた一端に設けられた押圧スリーブ70を更に含み、押圧スリーブ70の封止端42に近接する一端がスクリュアセンブリに当接されて、押圧スリーブ70によりスクリュアセンブリを制限する。
【0034】
上記の設置を採用すると、スクリュ10の少なくとも一部は組み立てチャンバ41内に設けられ、スクリュ10は弁ヘッド40に対して移動可能に設けられ、押圧スリーブ70は弁ヘッド40の封止端42から離れた一端に設けられ、弁ヘッド40の封止端42から離れた一端から軸受20を固定する。このようにして、軸受20と押圧スリーブ70とが制限係合されて、弁ヘッド40を連動して移動させ、封止端42に押圧装着の構造が設けられていないことで、押圧スリーブ70を組み立てるときに弁ヘッドの底部の封止位置(即ち、封止端42)への影響を大幅に減少させ、封止効果及び流量の整合性を向上させ、従来技術における弁ヘッドが閉塞を行う際に漏れのリスクがあるという問題を解決する。
【0035】
スリーブ70の取り付けをより容易にするために、本実施例において、押圧スリーブ70は環状構造であり、押圧スリーブ70と弁ヘッド40とはインターフェアランスフィットされるか又は溶接される。
【0036】
押圧スリーブ70の取り付けを実現するために、本実施例のスピンドル部材において、組み立てチャンバ41は、第1チャンバセグメント411及び第2チャンバセグメント412を含み、弁ヘッド40の延在方向に沿って、第2チャンバセグメント412の横断面積が第1チャンバセグメント411の横断面積より大きくなることで、第1チャンバセグメント411と第2チャンバセグメント412との間に段差面413が形成され、押圧スリーブ70が段差面413に当接される。
【0037】
本実施例において、押圧スリーブ70内に収容通路71を有し、弁ヘッド40の延在方向に沿って、収容通路71の横断面積が第1チャンバセグメント411の横断面積より小さくなることで、押圧スリーブ70と第1チャンバセグメント411との間にスクリュアセンブリと当接するための制限面が形成される。このようにして、スクリュアセンブリを安定的に制限することができる。具体的には、押圧スリーブ70の制限面を、軸受20のブッシュ30から離れた一方側の外輪に当接するように設けてもよく、又はスクリュ10に段付き面を設けて、押圧スリーブ70の制限面とスクリュ10における段付き面とを当接させてもよく、これらの2つの方式は、いずれもスクリュアセンブリに対する軸方向の制限を実現することができる。
【0038】
ここで、組み立てチャンバ41は第3チャンバセグメント414を含み、弾性部材60は第3チャンバセグメント414内に挿通される。このようにして、弾性部材60の取り付けがより堅牢になる。
【0039】
弁ヘッド40は弁口を閉塞するための封止端42を有し、組み立てチャンバ41は推移セグメント415を更に含み、推移セグメント415は、第3チャンバセグメント414の封止端42から離れた一方側に設けられ、弁ヘッド40の封止端42に近接する方向に沿って、推移セグメント415の横断面積は徐々に小さくなっている。このような構造を採用すると、スクリュ10と弁ヘッド40が作動中に発生する衝突に緩衝作用を提供する。
【0040】
本出願の他の実施例によれば、上記のスピンドル部材を含む流量調節弁を提供する。
【0041】
図2に示すように、スピンドル部材のスクリュ10は第4ロッドセグメント14を更に含み、第4ロッドセグメント14は第1ロッドセグメント11に接続され、第4ロッドセグメント14は雄ねじを有し、流量調節弁はナット構造を更に含み、ナット構造は雌ねじを有し、雌ねじと雄ねじとは係合される。第4ロッドセグメント14における雄ねじとナット構造の雌ねじとの係合により、スピンドル部材と流量調節弁の他の部分とを互いに接続する。ナット構造は周方向に回転せず、スクリュ10が回転するとき、ねじによる係合のガイドで、スクリュ10が軸方向に移動し、更には、弁ヘッド40を連動して移動させて弁口の開閉を実現する。弾性部材60を設けることにより、弁ヘッド40を緩衝保護し、弁ヘッド40と弁口との封止を実現する等の作用を果たすことができる。
【0042】
具体的には、流量調節弁は電子膨張弁である。この実施例を採用すると、スクリュ10は、順に接続された第1ロッドセグメント11、第2ロッドセグメント12及び第3ロッドセグメント13を含み、スクリュ10におけるロッドセグメントの外径は、大きい順に、第1ロッドセグメント11、第2ロッドセグメント12及び第3ロッドセグメント13である。ここで、第2ロッドセグメント12は軸受20の取り付けセグメントであって、軸受20の内輪とクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、内輪は第1ロッドセグメント11と第2ロッドセグメント12との間に形成された段差に当接され、第3ロッドセグメント13はブッシュ30の取り付けセグメントであって、ブッシュ30の内孔とクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、ブッシュ30の一端は軸受20の内輪に当接され、ブッシュ30は溶接によりスクリュ10に固定して一体となることができ、この構造は、従来の電子膨張弁において、スピンドル部材に軸受20を取り付けるとき、軸受20の内輪の受ける力が比較的大きいことによって、軸受20の内部のリテーナが変形し、軸受20が回転するときに止められるという問題を回避し、軸受20が回転するときの摩擦力を低減させ、製品の性能を改善させる。
【0043】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】