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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】バッテリー診断装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/396 20190101AFI20241010BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20241010BHJP
   G01R 31/389 20190101ALI20241010BHJP
   G01R 31/382 20190101ALI20241010BHJP
   G01R 31/385 20190101ALI20241010BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241010BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G01R31/396
G01R31/367
G01R31/389
G01R31/382
G01R31/385
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520624
(86)(22)【出願日】2023-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 KR2023008206
(87)【国際公開番号】W WO2023244017
(87)【国際公開日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0071950
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-ヒュン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】デ-ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ドク・キム
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G216AB01
2G216BA01
2G216BA51
2G216BB01
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H030AA01
5H030AS20
5H030FF43
(57)【要約】
本発明の一態様によるバッテリー診断装置は、バッテリーが充電される過程で前記バッテリーの電圧値を所定の周期ごとに測定するように構成された測定部と、測定されたバッテリーの電圧値に基づいて前記バッテリーの抵抗値を算出し、算出された複数の抵抗値と予め設定された基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定し、決定された抵抗変化パターンに基づいて前記バッテリーの状態を決定するように構成されたプロセッサと、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーが充電される過程で前記バッテリーの電圧値を所定の周期ごとに測定するように構成された測定部と、
測定されたバッテリーの電圧値に基づいて前記バッテリーの抵抗値を算出し、算出された複数の抵抗値と予め設定された基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定し、決定された抵抗変化パターンに基づいて前記バッテリーの状態を決定するように構成されたプロセッサと、を含むことを特徴とする、バッテリー診断装置。
【請求項2】
前記基準プロファイルは、
前記所定の周期ごとに基準バッテリーの充電過程で算出された複数の抵抗値の変化を示すプロファイルであることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー診断装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記算出された複数の抵抗値の変化を示す抵抗プロファイルを生成し、生成された抵抗プロファイルと前記基準プロファイルとを比較して、前記抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターン又は第2抵抗変化パターンと決定するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー診断装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記抵抗プロファイルで第1の傾きを算出し、前記基準プロファイルで第2の傾きを算出し、前記第1の傾きと前記第2の傾きとを比較した結果によって前記抵抗変化パターンを決定するように構成されたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリー診断装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記抵抗プロファイル上で充電終了時点の第1の傾きが、前記基準プロファイル上の充電終了時点の第2の傾き未満である場合、前記抵抗変化パターンを前記第1抵抗変化パターンと決定し、
前記第1の傾きが前記第2の傾き以上である場合、前記抵抗変化パターンを前記第2抵抗変化パターンと決定するように構成されたことを特徴とする、請求項4に記載のバッテリー診断装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記抵抗プロファイル上の充電終了時点に対応する第1地点、及び前記第1地点とは異なる第2地点を基準とする第1の傾きが、前記基準プロファイル上の前記第1地点に対応する第3地点及び前記第2地点に対応する第4地点を基準とする第2の傾き未満である場合、前記抵抗変化パターンを前記第1抵抗変化パターンと決定し、
前記第1の傾きが前記第2の傾き以上である場合、前記抵抗変化パターンを前記第2抵抗変化パターンと決定するように構成されたことを特徴とする、請求項4に記載のバッテリー診断装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記バッテリーが充電される過程で前記バッテリーのSOCと前記算出された抵抗値との間の対応関係を示すSOC-抵抗プロファイルを生成し、前記SOC-抵抗プロファイルで所定のSOCに対応するターゲット抵抗値を決定し、前記抵抗プロファイルで前記ターゲット抵抗値に対応する地点を前記第2地点と決定するように構成されたことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリー診断装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記基準プロファイルに対応した基準SOC-抵抗プロファイルで前記所定のSOCに対応する参照抵抗値を決定し、前記基準プロファイルで前記参照抵抗値に対応する地点を前記第4地点と決定するように構成されたことを特徴とする、請求項7に記載のバッテリー診断装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記バッテリーのSOCと前記バッテリーの電圧値に対応する微分プロファイルで所定のSOC区間に属するピークを決定し、決定されたピークに対応するSOCを前記所定のSOCと決定するように構成されたことを特徴とする、請求項7に記載のバッテリー診断装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記抵抗変化パターンが前記第1抵抗変化パターンである場合、前記バッテリーの状態を不良状態と判断し、
前記抵抗変化パターンが前記第2抵抗変化パターンである場合、前記バッテリーの状態を正常状態と判断するように構成されたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリー診断装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
所定の周期ごとに繰り返して前記バッテリーの充電電流値を変化させて前記バッテリーを充電し、前記バッテリーの充電電流値が所定の値に対応している間の電圧値の変化に基づいて前記抵抗値を算出するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー診断装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のバッテリー診断装置を含む、バッテリーパック。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載のバッテリー診断装置を含む、自動車。
【請求項14】
バッテリーが充電される過程で前記バッテリーの電圧値を所定の周期ごとに測定する電圧値測定ステップと、
測定されたバッテリーの電圧値に基づいて前記バッテリーの抵抗値を算出する抵抗値算出ステップと、
算出された複数の抵抗値と予め設定された基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定する抵抗変化パターン決定ステップと、
決定された抵抗変化パターンに基づいて前記バッテリーの状態を決定するバッテリー状態決定ステップと、を含むことを特徴とする、バッテリー診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年06月14日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0071950号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリー診断装置及びその方法に関し、より詳しくは、バッテリーの状態を診断する装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯型電子製品の需要が急激に増加し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化してきている。これに伴い、繰り返し充放電が可能な高性能バッテリーに関する研究が活発に行われている。
【0004】
現在商用化されているバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、これらのうちでもリチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高い利点から脚光を浴びている。
【0005】
このようなバッテリーは、高容量化及び高密度化の観点で多くの研究が行われているが、寿命と安全性の向上の観点も重要である。これらのためには、電極表面で電解液との分解反応を抑制する必要があり、過充電及び過放電を防止することが求められる。
【0006】
特に、バッテリーの製造過程で正極と負極の配列がずれるオーバーハング(overhang)が発生することがあり、オーバーハングは、負極表面にリチウムが析出する現象(リチウムプレーティング、Li-plating)の原因の1つになり得る。負極表面にリチウムが析出すると、電解液との副反応及びバッテリーの運動力学的均衡(kinetic balance)の変更などをもたらし、バッテリー劣化の原因となる。また、負極表面にリチウム金属が析出することによってバッテリーの内部短絡が発生することがあるため、内部短絡による発火及び爆発などのリスクがある。
【0007】
したがって、オーバーハングの発生の有無、及び/又は発生の程度を考慮してバッテリーの状態を診断できる技術の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、オーバーハングを有するバッテリーの状態を診断するバッテリー診断装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び利点は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってさらに明らかになるであろう。また、本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示された手段及びそれらの組み合わせによって実現可能であることを容易に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によるバッテリー診断装置は、バッテリーが充電される過程で前記バッテリーの電圧値を所定の周期ごとに測定するように構成された測定部と、測定されたバッテリーの電圧値に基づいて前記バッテリーの抵抗値を算出し、算出された複数の抵抗値と予め設定された基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定し、決定された抵抗変化パターンに基づいて前記バッテリーの状態を決定するように構成されたプロセッサと、を含むことができる。
【0011】
ここで、前記基準プロファイルは、前記所定の周期ごとに基準バッテリーの充電過程で算出された複数の抵抗値の変化を示すプロファイルであることを特徴とすることができる。
【0012】
また、前記プロセッサは、前記算出された複数の抵抗値の変化を示す抵抗プロファイルを生成し、生成された抵抗プロファイルと前記基準プロファイルとを比較して、前記抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターン又は第2抵抗変化パターンと決定するように構成され得る。
【0013】
また、前記プロセッサは、前記抵抗プロファイルで第1の傾きを算出し、前記基準プロファイルで第2の傾きを算出し、前記第1の傾きと前記第2の傾きとを比較した結果によって前記抵抗変化パターンを決定するように構成され得る。
【0014】
また、前記プロセッサは、前記抵抗プロファイル上で充電終了時点の第1の傾きが、前記基準プロファイル上の充電終了時点の第2の傾き未満である場合、前記抵抗変化パターンを前記第1抵抗変化パターンと決定し、前記第1の傾きが前記第2の傾き以上である場合、前記抵抗変化パターンを前記第2抵抗変化パターンと決定するように構成され得る。
【0015】
また、前記プロセッサは、前記抵抗プロファイル上の充電終了時点に対応する第1地点、及び前記第1地点とは異なる第2地点を基準とする第1の傾きが、前記基準プロファイル上の前記第1地点に対応する第3地点及び前記第2地点に対応する第4地点を基準とする第2の傾き未満である場合、前記抵抗変化パターンを前記第1抵抗変化パターンと決定し、前記第1の傾きが前記第2の傾き以上である場合、前記抵抗変化パターンを前記第2抵抗変化パターンと決定するように構成され得る。
【0016】
また、前記プロセッサは、前記バッテリーが充電される過程で前記バッテリーのSOCと前記算出された抵抗値との間の対応関係を示すSOC-抵抗プロファイルを生成し、前記SOC-抵抗プロファイルで所定のSOCに対応するターゲット抵抗値を決定し、前記抵抗プロファイルで前記ターゲット抵抗値に対応する地点を前記第2地点と決定するように構成され得る。
【0017】
また、前記プロセッサは、前記基準プロファイルに対応した基準SOC-抵抗プロファイルで前記所定のSOCに対応する参照抵抗値を決定し、前記基準プロファイルで前記参照抵抗値に対応する地点を前記第4地点と決定するように構成され得る。
【0018】
また、前記プロセッサは、前記バッテリーのSOCと前記バッテリーの電圧値に対応する微分プロファイルで所定のSOC区間に属するピークを決定し、決定されたピークに対応するSOCを前記所定のSOCと決定するように構成され得る。
【0019】
また、前記プロセッサは、前記抵抗変化パターンが前記第1抵抗変化パターンである場合、前記バッテリーの状態を不良状態と判断し、前記抵抗変化パターンが前記第2抵抗変化パターンである場合、前記バッテリーの状態を正常状態と判断するように構成され得る。
【0020】
また、前記プロセッサは、所定の周期ごとに繰り返して前記バッテリーの充電電流値を変化させて前記バッテリーを充電し、前記バッテリーの充電電流値が所定の値に対応している間の電圧値の変化に基づいて前記抵抗値を算出するように構成され得る。
【0021】
また、上記のような目的を達成するための本発明の他の態様によるバッテリーパックは、本発明によるバッテリー診断装置を含むことができる。
【0022】
また、上記のような目的を達成するための本発明のまた他の態様による自動車は、本発明によるバッテリー診断装置を含むことができる。
【0023】
また、上記のような目的を達成するための本発明のさらに他の態様によるバッテリー診断方法は、バッテリーが充電される過程で前記バッテリーの電圧値を所定の周期ごとに測定する電圧値測定ステップと、測定されたバッテリーの電圧値に基づいて前記バッテリーの抵抗値を算出する抵抗値算出ステップと、算出された複数の抵抗値と予め設定された基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定する抵抗変化パターン決定ステップと、決定された抵抗変化パターンに基づいて前記バッテリーの状態を決定するバッテリー状態決定ステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によると、製造過程で発生したオーバーハングによってリチウムが析出した不良バッテリーを診断することができる。
【0025】
また、本発明の一態様によると、バッテリーの充電過程で得られた抵抗値の変化パターンだけでも、オーバーハングによってリチウムが析出した不良バッテリーを迅速に判断することができるという利点がある。
【0026】
本発明の効果は以上で言及した効果に限定されず、言及されていないまた他の効果は、特許請求の範囲の記載より当業者であれば明確に理解できるであろう。
【0027】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリー診断装置を例示的に示す図。
図2】バッテリーの充電過程でバッテリーに印加される充電電流の一例を示す図。
図3】基準バッテリーが充電される過程で基準バッテリーの電圧値を示す基準電圧プロファイル及び基準バッテリーの抵抗値を示す基準プロファイルの一例を示す図。
図4】本発明の一実施形態によるプロセッサが抵抗プロファイルを用いて抵抗変化パターンを決定する一例を示すグラフ。
図5】本発明の様々な実施形態によるプロセッサが抵抗プロファイルを用いて抵抗変化パターンを決定する一例を示すグラフ。
図6】本発明の一実施形態によるSOC-抵抗プロファイル及び基準SOC-抵抗プロファイルの一例を示すグラフ。
図7】バッテリーのSOC及び電圧に基づく、微分電圧とSOCとの間の対応関係を示す微分プロファイルの一例を示す図。
図8】本発明によるバッテリー診断装置を含むバッテリーパックを例示的に示す図。
図9】本発明によるバッテリー診断装置を含む自動車を例示的に示す図。
図10】本発明の一実施形態によるバッテリー診断方法を概略的に示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0030】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0031】
また、本発明を説明するにあたって、関連する公知構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0032】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素のうちの1つを残りのものと区別する目的で使用されるものであり、そのような用語によって構成要素を限定するために使用するものではない。
【0033】
明細書全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0034】
なお、明細書全体にわたって、ある部分が他の部分と「接続」されているというとき、これは「直接的に接続」されている場合だけでなく、それらの間に他の素子を介して「間接的に接続」されている場合も含む。
【0035】
以下では、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリー診断装置100を例示的に示す図である。
【0037】
図1を参照すると、バッテリー診断装置100は、測定部110、プロセッサ120及びメモリ130を含むことができる。
【0038】
測定部110は、バッテリーが充電される過程でバッテリーの電圧値を所定の周期ごとに測定するように構成され得る。ここで、バッテリーは、負極端子と正極端子を備え、物理的に分離可能な1つの独立したセルを意味する。一例として、リチウムイオン電池又はリチウムポリマー電池をバッテリーと見なすことができる。また、バッテリーは、複数のセルが直列及び/又は並列に接続されたバッテリーモジュールを意味することもできる。以下では、説明の便宜上、バッテリーが1つの独立したセルを意味するものとして説明する。
【0039】
測定部110は、本発明の出願時点に公知の様々な電圧測定技術を採用することができる。例えば、測定部110は、本発明の出願時点に公知の電圧センサーを備えることができる。特に、本発明によるバッテリー診断装置100がバッテリーパックに適用される場合、バッテリーパックに既に備えられた電圧センサーを本発明による測定部110として用いることもできる。
【0040】
測定部110は、プロセッサ120の制御に基づいて、バッテリーの充電中に所定の周期ごとにバッテリーの電圧値を測定することができる。具体的に、プロセッサ120は、バッテリーに充電電流が印加されるように制御することでバッテリーを充電することができる。一例として、プロセッサ120は、バッテリーを充電するために印加される充電電流をパルスの形態でバッテリーに印加することができる。
【0041】
プロセッサ120は、所定の周期ごとに繰り返してバッテリーの充電電流値を変化させてバッテリーを充電することができる。図2は、バッテリーの充電過程でバッテリーに印加される充電電流の一例である。図2のグラフのx軸は時間であり、y軸は充電電流の電流値である。プロセッサ120は、第1電流値I1でバッテリーを充電し、所定の周期ごとに第2電流値I2のパルス電流をバッテリーに印加することができる。すなわち、第1時間t1から第2時間t2、第3時間t3から第4時間t4、第5時間t5から第6時間t6の間には第2電流値I2の電流がバッテリーに印加され、第2時間t2から第3時間t3、第4時間t4から第5時間t5には第1電流値I1大きさの電流がバッテリーに印加され得る。ここで、パルス電流が印加される所定の周期は第1周期p1であり、パルス電流が印加されるデュレーションは第1時間間隔d1であり得る。パルス電流が印加されるデュレーションは、0.1秒、0.5秒又は1秒など様々な値に対応することができる。或いは、様々な実施形態において、プロセッサ120は、電流が0の休止時間を有するように充電電流を設定することもできる。例えば、図2に示されてはいないが、第1時間t1から第2時間t2、第3時間t3から第4時間t4、第5時間t5から第6時間t6間には所定の大きさの電流がバッテリーに印加され、第2時間t2から第3時間t3、第4時間t4から第5時間t5には電流値が0であり得る。以下では、説明の便宜上、休止時間なくバッテリーが充電されることを例示として説明する。
【0042】
プロセッサ120は、バッテリーの充電電流値が所定の値に対応している間の電圧値の変化に基づいて抵抗値を算出することができる。具体的に、測定部110は、所定の周期ごとにパルス電流がバッテリーに印加されるとき、第2電流値I2の電流が印加される開始時間及び終了時間のそれぞれでバッテリーの電圧値を測定することができる。例えば、測定部110は、第1時間t1でバッテリーの電圧値を測定し、第2時間t2でバッテリーの電圧値を測定することができる。その後、測定部110は、第3時間t3でバッテリーの電圧値をまた測定し、第4時間t4でバッテリーの電圧値をまた測定することで、所定の周期(例:第1周期p1)ごとにバッテリーの電圧値を測定することができる。測定部110は、測定した電圧値をプロセッサ120に伝送することができる。プロセッサ120は、電圧値の変化に基づいて抵抗値を算出することができる。
【0043】
プロセッサ120は、測定部110により測定されたバッテリーの電圧値を取得することができる。プロセッサ120は、測定されたバッテリーの電圧値に基づいて、バッテリーの抵抗値を算出することができる。具体的に、プロセッサ120は、バッテリーの充電中に所定の周期ごとに(例:第1周期p1)バッテリーの抵抗値を算出することができる。プロセッサ120は、バッテリーの電圧差を算出し、算出された電圧差を充電電流値で除して所定の周期ごとにバッテリーの抵抗値を算出することができる。
【0044】
プロセッサ120は、図2を参照して説明したように、測定されたバッテリーの電圧値を用いてバッテリーの抵抗値を算出することができる。具体的に、プロセッサ120は、第1時間t1のバッテリーの電圧値に対応する第1電圧値と、第2時間t2のバッテリーの電圧値に対応する第2電圧値との差を算出することができる。プロセッサ120は、オームの法則(ohm’s law、R=△V÷△I)を用いてバッテリーの抵抗値を算出することができる。例えば、プロセッサ120は、算出した電圧値の差(例えば、△V)を第1時間t1及び第2時間t2の間に印加された電流量(例えば、△I=I2×(t2-t1))で除して抵抗値を算出することができる。プロセッサ120は、上述の方式で所定の周期ごとにバッテリーの抵抗値を算出して複数の抵抗値を算出することができる。一例として、プロセッサ120が算出する抵抗値は、DCIR(直流内部抵抗値(Direct current internal resistance))に対応することができる。
【0045】
プロセッサ120は、算出された複数の抵抗値と予め設定された基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定することができる。ここで、基準プロファイルは、診断の対象となるバッテリーと同一の種類のバッテリー又は同一の特性を有するように設計されたバッテリー(以下、基準バッテリー)に対して、予め充電過程を経て抽出された抵抗値の変化を示すプロファイルであり得る。基準プロファイルは、メモリ130に予め記憶され得る。
【0046】
図3は、基準バッテリーが充電される過程で基準バッテリーの電圧値を示す基準電圧プロファイルVr、及び基準バッテリーの抵抗値を示す基準プロファイルRrの一例である。例えば、図3の実施形態において、基準電圧プロファイルVrは、X軸が時間でY軸が電圧値であるX-Yグラフで表現することができる。同様に、基準プロファイルRrは、X軸が時間でY軸が電圧値であるX-Yグラフで表現することができる。
【0047】
基準プロファイルRrは、所定の周期ごとに基準バッテリーの充電過程で算出された複数の抵抗値の変化を示すプロファイルであり得る。基準プロファイルRrは、後述するプロセッサ120が、診断の対象となるバッテリーの抵抗値と比較できるように、同一の条件下で算出された基準バッテリーの抵抗値を示すグラフであり得る。例えば、基準プロファイルRrは、図2を参照して説明した方式と同様に、診断対象となるバッテリーの充電電流の大きさと同様の充電電流の大きさで基準バッテリーを充電する場合に、測定時間及び測定周期を同様にして測定された基準バッテリーの電圧値を用いて算出された抵抗値を示すグラフであり得る。一方、図3は、説明の便宜上、基準電圧プロファイルVr及び基準プロファイルRrを1つの平面に表示している。
【0048】
基準バッテリーの基準電圧プロファイルVrを参照すると、基準バッテリーが充電される過程で、基準バッテリーの電圧値は、充電が終了する時点tfまで徐々に上昇することを把握することができる。基準バッテリーの基準プロファイルRrを参照すると、基準バッテリーが充電される過程で、基準バッテリーの抵抗値は、充電開始から充電が終了する時点tfまで徐々に減少することを把握することができる。
【0049】
プロセッサ120は、図2を参照して説明したように、複数の抵抗値と上述の基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定することができる。具体的に、プロセッサ120は、特定の地点を基準として基準プロファイルの傾きと、診断対象となるバッテリーの抵抗値の変化を示すプロファイルの傾きとを比較することができる。
【0050】
プロセッサ120は、決定された抵抗変化パターンに基づいてバッテリーの状態を決定することができる。
【0051】
プロセッサ120は、抵抗変化パターンが第1抵抗変化パターンと決定された場合、診断の対象となるバッテリーの状態を不良状態と判断することができる。ここで、第1抵抗変化パターンは、基準プロファイルの傾き未満の傾きを有するパターンであり得る。具体的に、バッテリーにオーバーハングが発生する場合、負極にリチウムが析出して充電過程の末端で抵抗値が減少するパターンが現れることがある。望ましくは、バッテリーに基準比率以上のオーバーハングが発生する場合、充電過程の末端で抵抗が減少するパターンが現れることがある。プロセッサ120は、抵抗変化パターンが第1抵抗変化パターンである場合、バッテリーの状態をオーバーハングが発生した不良状態と判断することができる。
【0052】
例えば、基準比率は3%以上の値に設定することができる。望ましくは、基準比率は3%から5%の間のいずれかの値に設定することができる。ただし、基準比率は、上述した例示的な数値に限定されて解釈されないことに留意されたい。
【0053】
プロセッサ120は、抵抗変化パターンが第2抵抗変化パターンと決定された場合、診断の対象となるバッテリーの状態を正常状態と判断することができる。ここで、第2抵抗変化パターンは、基準プロファイルの傾き以上の傾きを有するパターンであり得る。
【0054】
すなわち、本願の一実施形態によるバッテリー診断装置100は、充電過程におけるバッテリーの抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターン又は第2抵抗変化パターンに具体的に区分することができる。また、バッテリー診断装置100は、バッテリーの抵抗変化パターンに基づいてバッテリーの状態を診断することができる。よって、バッテリー診断装置100は、充電過程でバッテリーの状態を迅速に診断することができるという利点がある。
【0055】
以下の図面を用いてプロセッサ120が抵抗変化パターンを決定する様々な実施形態について説明する。
【0056】
プロセッサ120は、バッテリー診断装置100の他の構成と動作可能に接続され、バッテリー診断装置100の各種の動作を制御することができる。プロセッサ120は、メモリ130に記憶された1つ以上の命令を実行することで、バッテリー診断装置100の各種の動作を行うことができる。プロセッサ120は、本発明で行われる様々な制御ロジッグを行うために、当該技術分野で知られているプロセッサ120、ASIC(application-specific integrated circuit)、チップセット、論理回路、レジスター、通信モデム、データ処理装置などを必要に応じて含むことができる。また、前記制御ロジッグがソフトウェアで実現されるとき、前記プロセッサ120は、プログラムモジュールの集合で実現され得る。このとき、プログラムモジュールは、メモリ130に記憶され、プロセッサ120によって実行され得る。
【0057】
特に、本発明によるバッテリー診断装置100がバッテリーパックに含まれる形態で実現される場合、バッテリーパックには、MCU(micro controller unit)及びBMS(battery management system)のような用語と指称される制御装置が含まれ得る。このとき、プロセッサ120は、このような一般的なバッテリーパックに備えられたMCUやBMSのような構成要素によって実現されることも可能である。また、本明細書において、プロセッサ120の動作や機能に対する「~する」又は「~ように構成される」という用語は、「~ようにプログラミングされる」という意味を含むことができる。
【0058】
メモリ130は、所定のデータを記憶するように構成され得る。特に、本発明において、メモリ130は、基準プロファイルを予め記憶することができる。基準プロファイルは、診断対象となるバッテリーの抵抗値との比較のための基準となるプロファイルであり得る。すなわち、基準プロファイルは、診断対象となるバッテリーの電圧値を算出するために行った方式と同様の方式により、基準バッテリーの充電過程で基準バッテリーの電圧値を測定し、充電電流値を用いて算出された抵抗値の推移に対応することができる。一例として、基準プロファイルは、図3を参照して既に説明したので重複する説明は省略する。
【0059】
メモリ130は、バッテリー診断装置100の各構成要素が動作及び機能を行うために必要なデータやプログラム、又は動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを記憶することができる。メモリ130は、プロセッサ120の内部又は外部にあり、周知の様々な手段によってプロセッサ120と接続することができる。メモリ130は、プロセッサ120によって実行される少なくとも1つのプログラム、アプリケーション、データ、又は命令(instructions)を記憶することができる。メモリ130は、データを記録、消去、更新及び読取できると知られた公知の情報記憶手段であればその種類は特に限定されない。前記メモリ130は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、SSD(Solid State Disk)タイプ、SDD(Solid Disk Drive)タイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、ラム(RAM、Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)の少なくとも1つで実現することができるが、本発明が必ずしもこれらのメモリの具体的な形態に限定されるものではない。また、メモリ130は、プロセッサ120によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを記憶することができる。
【0060】
本発明のこのような構成によると、バッテリーの充電過程の末端における抵抗値の変化に基づいてバッテリーの状態を容易に診断することができる。以下の図面を参照して、プロセッサ120が抵抗変化パターンを用いてバッテリーの状態を決定する様々な実施形態について説明する。
【0061】
プロセッサ120は、算出された複数の抵抗値の変化を示す抵抗プロファイルを生成することができる。これについて、図4を参照してより具体的に説明する。
【0062】
図4は、本発明の一実施形態によるプロセッサ120が抵抗プロファイルを用いて抵抗変化パターンを決定する一例を示すグラフである。本実施形態及び以下の他の実施形態については、上述とは異なる部分を主に説明し、同一又は類似の説明を適用できる部分に対しては詳細な説明は省略する。
【0063】
図4を参照すると、図2で説明したように、基準バッテリーに対する基準プロファイルRrが示されている。ここで、プロセッサ120は、診断対象となるバッテリーの所定の周期ごとに測定された電圧値を用いて複数の抵抗値を算出し、算出された複数の抵抗値の変化パターンを示す抵抗プロファイルRdを生成することができる。
【0064】
プロセッサ120は、生成した抵抗プロファイルRdと基準プロファイルRrとを比較して、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターン又は第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0065】
具体的に、プロセッサ120は、バッテリー診断の正確性を高めるために、抵抗プロファイルRdと基準プロファイルRrの傾きを比較して抵抗変化パターンを決定することができる。
【0066】
例えば、プロセッサ120は、抵抗プロファイルRdの傾きによって、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターン又は第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0067】
プロセッサ120は、抵抗プロファイルRdで第1の傾きを算出し、基準プロファイルRrで第2の傾きを算出することができる。また、プロセッサ120は、第1の傾きと第2の傾きとを比較した結果によって抵抗変化パターンを決定することができる。プロセッサ120は、抵抗プロファイルRdの所定の地点における瞬時の傾きを認識して第1の傾きを算出することができる。プロセッサ120は、基準プロファイルRrで前記所定の地点に対応する地点における瞬時の傾きを認識して第2の傾きを算出することができる。プロセッサ120は、第1の傾きが第2の傾き未満である場合、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することができる。プロセッサ120は、第1の傾きが第2の傾き以上である場合、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することができる。これについて、図4を参照してより具体的に説明する。
【0068】
プロセッサ120は、抵抗プロファイルRd上で充電が終了する時点tfの第1の傾きが、基準プロファイルRr上で充電が終了する時点tfの第2の傾き未満である場合、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することができる。抵抗プロファイルRd上で充電が終了する時点tfの第1の傾きは、充電が終了する時点tfの瞬時の傾きに対応することができる。また、基準プロファイルRr上で充電が終了する時点tfの第2の傾きは、充電が終了する時点tfの瞬時の傾きに対応することができる。
【0069】
図4を参照すると、抵抗プロファイルRd上で充電が終了する時点tfの接線Rda、及び基準プロファイルRr上で充電が終了する時点tfの接線Rraが示されている。接線Rdaの傾きに対応する第1の傾きは、接線Rraの傾きに対応する第2の傾き未満であるため、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することができる。様々な実施形態において、第1の傾き及び第2の傾きの差分値が所定の範囲を超過する場合、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することもできる。
【0070】
プロセッサ120は、抵抗変化パターンが第1抵抗変化パターンである場合、バッテリーの状態を不良状態と判断することができる。
【0071】
例えば、第1抵抗変化パターンは、第1の傾きが第2の傾き未満であるパターンであって、バッテリーの抵抗値が減少するパターンであり得る。
【0072】
他の例として、第1抵抗変化パターンは、第1の傾きが第2の傾き未満であり、かつ第1の傾き及び第2の傾きの差分値が閾値以上であるパターンであり得る。プロセッサ120は、「第2の傾き-第1の傾き」の式を計算して前記差分値を算出することができる。また、プロセッサ120は、算出した差分値が予め設定された閾値以上であると、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することができる。
【0073】
プロセッサ120は、第1抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを不良状態のバッテリーと診断することができる。すなわち、プロセッサ120は、第1抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを、オーバーハングが基準比率以上発生した異常バッテリーと診断することができる。
【0074】
プロセッサ120は、抵抗プロファイルRd上で充電が終了する時点tfの第1の傾きが、基準プロファイルRr上で充電が終了する時点tfの第2の傾き以上である場合、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0075】
例えば、第2抵抗変化パターンは、第1の傾きが第2の傾き以上であるパターンであり得る。プロセッサ120は、第1の傾きは減少するが、第1の傾きが第2の傾き以上である場合には、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0076】
他の例として、第2抵抗変化パターンは、第1の傾きが第2の傾き未満であるが、第1の傾き及び第2の傾きの差分値が閾値未満である場合、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することもできる。プロセッサ120は、「第2の傾き-第1の傾き」の式を計算して前記差分値を算出することができる。また、プロセッサ120は、算出した差分値が予め設定された閾値未満であると、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することができる。すなわち、プロセッサ120は、第1の傾きが第2の傾き未満であるが、第1の傾きの減少幅が第2の傾きに比べて一定水準未満である場合には、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0077】
プロセッサ120は、抵抗変化パターンが第2抵抗変化パターンである場合、バッテリーの状態を正常状態と判断することができる。具体的に、プロセッサ120は、第2抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを正常状態のバッテリーと診断することができる。すなわち、プロセッサ120は、第2抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを、オーバーハングが発生していない正常バッテリーと診断することができる。或いは、プロセッサ120は、第2抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを基準比率未満のオーバーハングが発生した正常バッテリーと診断することができる。このようにプロセッサ120は、バッテリーの充電中に、充電の末端での抵抗変化パターンだけで、バッテリーのオーバーハングが発生したか否かを診断することができる。
【0078】
本発明の一実施形態によるバッテリー診断装置100は、第1の傾きの増減及び第1の傾きと第2の傾きとの差によってバッテリーの抵抗変化パターンを細分化することができる。また、バッテリー診断装置100は、細分化された抵抗変化パターンによってバッテリーの状態を診断することができる。よって、バッテリー診断装置100は、充電過程でバッテリーの状態を迅速に診断できることはもちろん、バッテリーの状態を具体的に細分化して診断できるという利点がある。
【0079】
以下では、図5を参照して、プロセッサ120が抵抗変化パターンを決定する他の実施形態について具体的に説明する。説明の便宜上、プロセッサ120が決定された抵抗変化パターンによってバッテリーの状態を診断する内容は上述した内容と重複するので、簡略に説明するか省略することに留意されたい。
【0080】
図5は、本発明の様々な実施形態によるプロセッサ120が抵抗プロファイルを用いて抵抗変化パターンを決定する一例を示すグラフである。
【0081】
図5を参照すると、図4で説明したように、基準バッテリーに対する基準プロファイルRr、及びプロセッサ120が生成した抵抗プロファイルRdが示されている。
【0082】
プロセッサ120は、抵抗プロファイルRd上の充電が終了する時点tfに対応する第1地点r11、及び第1地点r11とは異なる第2地点r12を基準とする第1の傾きが、第1地点に対応する基準プロファイルRr上の第3地点r13、及び第2地点r12に対応する基準プロファイルRr上の第4地点r14を基準とする第2の傾き未満である場合、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することができる。
【0083】
具体的に、プロセッサ120は、抵抗プロファイルRd上の第1地点r11及び第2地点r12を基準として第1直線Rdbを生成することができる。例えば、第1直線Rdbは、第1地点r11及び第2地点r12を含む直線であり得る。すなわち、第1直線Rdbは、第1地点r11及び第2地点r12を連結する直線であり得る。
【0084】
プロセッサ120は、基準プロファイルRr上の第3地点r13及び第4地点r14を基準として第2直線Rrbを生成することができる。例えば、第2直線Rrbは、第3地点r13及び第4地点r14を含む直線であり得る。すなわち、第2直線Rrbは、第3地点r13及び第4地点r14を連結する直線であり得る。
【0085】
ここで、第1地点r11と第3地点r13は、同一の時刻に対して対応する地点であり得る。具体的に、第1地点r11が第3地点r13に対応するとは、第1地点r11は、抵抗プロファイルRd上の充電が終了する時点tfの診断対象となるバッテリーの抵抗値に対応し、第3地点r13は、充電が終了する時点tfの基準バッテリーの抵抗値に対応することを意味し得る。
【0086】
また、第2地点r12と第4地点r14は同一のSOCに対して対応する地点であり得る。具体的に、第2地点r12が第4地点r14に対応するとは、第2地点r12は、所定のSOCに対応する診断対象となるバッテリーの抵抗値に対応し、第4地点r14は、前記所定のSOCに対応する基準バッテリーの抵抗値に対応することを意味し得る。第2地点r12と第4地点r14が決定される実施形態は図6及び図7を用いて後述する。
【0087】
図5を参照すると、第1直線Rdb及び第2直線Rrbが示されている。第1直線Rdbの第1の傾きが第2直線Rrbの第2の傾き未満であることに基づいて、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することができる。ここで、第1抵抗変化パターンは、抵抗値が減少するパターンであり得る。様々な実施形態において、第1直線Rdbの第1の傾き及び第2直線Rrbの第2の傾きの差分値が所定の範囲を超過する場合、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターンと決定することもできる。プロセッサ120は、第1抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを不良状態のバッテリーと診断することができる。すなわち、プロセッサ120は、第1抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを、オーバーハングが基準比率以上発生した異常バッテリーと診断することができる。
【0088】
プロセッサ120は、第1の傾きが第2の傾き以上である場合、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0089】
例えば、第1直線Rdbの第1の傾きが第2直線Rrbの第2の傾き以上である場合、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0090】
他の例として、第1直線Rdbの第1の傾きと第2直線Rrbの第2の傾きとの差分値が閾値未満である場合、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを第2抵抗変化パターンと決定することもできる。
【0091】
また、プロセッサ120は、第2抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを正常状態のバッテリーと診断することができる。すなわち、プロセッサ120は、第2抵抗変化パターンと決定されたバッテリーをオーバーハングが発生していない正常バッテリーと診断することができる。或いは、プロセッサ120は、第2抵抗変化パターンと決定されたバッテリーを基準比率未満にオーバーハングが発生した正常バッテリーと診断することができる。
【0092】
本発明の一実施形態によるバッテリー診断装置100は、充電の末端での瞬時の傾きだけでなく、充電の末端及び所定の地点における平均傾きを用いてバッテリーの状態を容易に診断することができる。すなわち、バッテリー診断装置100は、バッテリーの抵抗変化を様々な点(特に、時点)で考慮することで、バッテリーの状態をより正確に診断できるという利点がある。
【0093】
以下で、プロセッサ120が前記第2地点r12及び第4地点r14を決定する実施形態について説明する。
【0094】
プロセッサ120は、バッテリーの充電過程で、バッテリーのSOC(state of charge)と抵抗値の対応関係を示すSOC-抵抗プロファイルを生成することができる。また、プロセッサ120は、基準バッテリーの充電過程で基準バッテリーのSOCと抵抗値の対応関係を示す基準SOC-抵抗プロファイルを取得することができる。ここで、基準SOC-抵抗プロファイルは、予め基準バッテリーの充電過程を経て抽出された抵抗値とSOCとの対応関係を示すプロファイルであり得る。基準SOC-抵抗プロファイルは、メモリ130に予め記憶され得る。言い換えると、上述した基準プロファイルも基準バッテリーの充電過程で取得したプロファイルであり、基準プロファイルは基準SOC-抵抗プロファイルと対応することができる。
【0095】
図6は、本発明の一実施形態によるSOC-抵抗プロファイルSOCd及び基準SOC-抵抗プロファイルSOCrの一例を示すグラフである。
【0096】
図6を参照すると、グラフのx軸はSOCであり、y軸は抵抗値である。ここで、x軸の単位はパーセント(%)で表示したが、0から1の数で表示することもできる。
【0097】
プロセッサ120は、バッテリーの充電過程でバッテリーのSOCを所定の周期ごとに算出し、算出されたSOCを上述の方式で測定したバッテリーの抵抗値とマッピングしてSOC-抵抗プロファイルSOCdを生成することができる。図6には、プロセッサ120が生成したSOC-抵抗プロファイルSOCd、及びメモリ130に予め記憶された基準SOC-抵抗プロファイルSOCrが示されている。
【0098】
プロセッサ120は、生成したSOC-抵抗プロファイルSOCdで所定のSOCに対応するターゲット抵抗値Rtを決定することができる。例えば、所定のSOCは、約60%に対応することができるが、このような数値に限定されない。より詳しくは、プロセッサ120が所定のSOCを決定する内容は、後述する図7を用いて説明する。
【0099】
プロセッサ120は、抵抗プロファイルでターゲット抵抗値Rtに対応する地点を第2地点と決定することができる。具体的に、プロセッサ120は、所定のSOCに対応するターゲット抵抗値Rtを決定し、図5を参照して説明したように、抵抗プロファイルRd上でターゲット抵抗値Rtに対応する地点を第2地点r12と決定することができる。すなわち、プロセッサ120は、抵抗プロファイルRd上でバッテリーが所定のSOC(例えば、60%)に対応するターゲット抵抗値Rtを有する地点を、平均傾きを求めるための第2地点r12と決定することができる。
【0100】
一方、プロセッサ120は、平均傾きを求めるための第2直線Rrbの第4地点r14を決定するために基準SOC-抵抗プロファイルを用いることができる。
【0101】
プロセッサ120は、基準プロファイルに対応する基準SOC-抵抗プロファイルで所定のSOCに対応する参照抵抗値を決定することができる。具体的に、プロセッサ120は、基準SOC-抵抗プロファイル上で、ターゲット抵抗値Rtを決定するためのSOCと同一のSOCに対応する参照抵抗値Rfを決定することができる。ここで、比較の対象を選定するため、同一のSOCでターゲット抵抗値Rt及び参照抵抗値Rfを決定することが好ましい。
【0102】
プロセッサ120は、基準プロファイルで参照抵抗値に対応する地点を第4地点と決定することができる。具体的に、プロセッサ120は、所定のSOCに対応する参照抵抗値Rfを決定し、図5を参照して説明したように、基準プロファイルRr上で参照抵抗値Rfに対応する地点を第4地点r14と決定することができる。すなわち、プロセッサ120は、基準プロファイルRr上でバッテリーが所定のSOC(例えば、60%)に対応する抵抗値を有する地点を、平均傾きを求めるための第4地点r14と決定することができる。このように、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを決定するために、抵抗プロファイルRd及び基準プロファイルRrで充電終了時点に対応する地点、及びバッテリーの充電状態が所定のSOCに到逹した状態の地点を用いることができる。この他にも、プロセッサ120は、抵抗変化パターンを決定するために用いる所定のSOCを決定する際に微分プロファイルを用いることができる。以下で図7を用いて詳細な実施形態について説明する。
【0103】
図7は、バッテリーのSOC及び電圧に基づく、微分電圧とSOCとの間の対応関係を示す微分プロファイルの一例である。
【0104】
プロセッサ120は、微分電圧とSOCとの間の対応関係を示す微分プロファイルを生成するように構成することができる。
【0105】
ここで、微分電圧は、バッテリーの電圧をSOCで微分した値であり、dV/dSOCと示すことができる。すなわち、微分電圧は、SOCに対する電圧の瞬時の変化率を示す値に対応することができる。
【0106】
微分プロファイルは、X軸がSOCでY軸が微分電圧値であるX-Yグラフで表現することができる。微分プロファイルは、複数のピークP1、P2、P3、P4を含むことができる。例えば、プロセッサ120は、第1ピークP1、第2ピークP2、第3ピークP3及び第4ピークP4を検出することができる。ここで、ピークは、微分プロファイルで上に凸状の概形を有する地点であり得る。
【0107】
プロセッサ120は、バッテリーのSOCとバッテリーの電圧値に対応する微分プロファイルで所定のSOC区間に属するピークを決定することができる。
【0108】
図7を参照すると、プロセッサ120は、一例として、第1SOC(SOC1)及び第2SOC(SOC2)の間の区間を所定のSOC区間と決定し、当該区間に属するピークを決定することができる。例えば、第1SOC(SOC1)は50%であり、第2SOC(SOC2)は70%であり得る。この場合、所定のSOC区間は50%及び70%の間の区間であるが、このような数値に限定されて解釈されない。図7を参照すると、プロセッサ120は、第3ピークP3を、ターゲット抵抗値Rt及び参照抵抗値Rfを決定するためのピークと決定することができる。すなわち、第3ピークP3を、ターゲット抵抗値Rt及び参照抵抗値Rfを決定するためのターゲットピークと決定することができる。様々な実施形態において、プロセッサ120は、第1SOC(SOC1)及び第3SOC(SOC3)の間の区間を所定のSOC区間と決定する場合、当該区間に第3ピークP3及び第4ピークP4が属することができる。この場合、プロセッサ120は、微分電圧値(dV/dSOC)が相対的に大きい第3ピークP3を、ターゲット抵抗値Rt及び参照抵抗値Rfを決定するためのピークと決定することができる。或いは、プロセッサ120は、微分プロファイルの全区間にあるピークのうち、微分電圧値が最大のピーク(例えば、第3ピークP3)を、ターゲット抵抗値Rt及び参照抵抗値Rfを決定するためのピークと決定することができる。
【0109】
プロセッサ120は、決定されたピークに対応するSOCを所定のSOCと決定することができる。例えば、図7を参照すると、プロセッサ120は、第3ピークP3をターゲット抵抗値Rt及び参照抵抗値Rfを決定するためのピークと決定することができる。プロセッサ120は、第3ピークP3に対応するSOCを所定のSOCと決定することができる。例えば、決定された所定のSOCは60%であり得る。プロセッサ120は、図6を参照して説明したように、SOC-抵抗プロファイルSOCd及び基準SOC-抵抗プロファイルSOCrで決定された所定のSOCに対応するターゲット抵抗値Rt及び参照抵抗値Rfを決定することができる。具体的に、プロセッサ120は、SOC-抵抗プロファイルSOCd上でSOCが60%である点の抵抗値をターゲット抵抗値Rtと決定することができる。また、プロセッサ120は、基準SOC-抵抗プロファイルSOCr上でSOCが60%である点の抵抗値を参照抵抗値Rfと決定することができる。
【0110】
プロセッサ120は、図5を参照して説明したように、決定されたターゲット抵抗値Rtに対応する、抵抗プロファイルRd上の第2地点r12を決定することができる。同様に、プロセッサ120は、決定された参照抵抗値Rfに対応する、基準プロファイルRr上の第4地点r14を決定することができる。
【0111】
本発明のこのような実施形態によると、プロセッサ120は、バッテリーの充電過程で周期的に算出される抵抗の変化を検出して抵抗変化パターンを決定することができ、決定された抵抗変化パターンによってバッテリーの状態を容易に判断することができる。
【0112】
本発明によるバッテリー診断装置100は、BMSに適用することができる。すなわち、本発明によるBMSは、上述したバッテリー診断装置100を含むことができる。このような構成において、バッテリー診断装置100の各構成要素のうちの少なくとも一部は、従来のBMSに含まれた構成の機能を補完又は追加することで実現することができる。例えば、バッテリー診断装置100の測定部110、プロセッサ120及びメモリ130は、BMSの構成要素として実現することができる。
【0113】
図8は、本発明によるバッテリー診断装置100を含むバッテリーパック10を例示的に示している。図8を参照すると、本発明によるバッテリー診断装置100は、バッテリーパック10に備えられ得る。すなわち、本発明によるバッテリーパック10は、上述した本発明によるバッテリー診断装置100及び1つ以上のバッテリーセルBを含むことができる。また、本発明によるバッテリーパック10は、本発明によるバッテリー診断装置100以外に、バッテリーパック10に通常含まれる構成要素、例えば1つ以上の二次電池、BMS(Battery Management System)、電流センサー、リレー、ヒューズ、パックケースなどをさらに含むことができる。また、本発明によるバッテリー診断装置100のうち少なくとも一部の構成要素は、バッテリーパック10に含まれている従来の構成要素で実現することもできる。例えば、本発明によるバッテリー診断装置100の測定部110は、バッテリーパック10に含まれた電圧センサーによって実現することができる。また、本発明によるバッテリー診断装置100のプロセッサ120のうち少なくとも一部の機能及び動作は、バッテリーパック10に含まれたBMSによって実現することができる。
【0114】
図9は、本発明によるバッテリー診断装置100を含む自動車1を例示的に示している。図9を参照すると、本発明によるバッテリー診断装置100は、自動車1に適用することができる。すなわち、本発明による自動車1は、上述した本発明によるバッテリー診断装置100を含むことができる。特に、電気自動車の場合、バッテリーパック10が駆動源として非常に重要な構成要素であるため、本発明によるバッテリー診断装置100がより有用に適用され得る。また、本発明による自動車1は、このようなバッテリー診断装置100以外に、他の様々な装置、例えば、車体、ECU(Electronic control unit)のような車制御ユニット、モータ、接続端子、DC-DCコンバータなどをさらに含むことができる。他にも、本発明による自動車1は、自動車に通常含まれた構成要素をさらに採用できることは言うまでもない。
【0115】
図10は、本発明の一実施形態によるバッテリー診断方法を概略的に示すフローチャートである。図8において、各ステップの主体は、上述の本発明によるバッテリー診断装置100の各構成要素になり得る。
【0116】
図10を参照すると、本発明によるバッテリー診断方法は、電圧値測定ステップ(S110)、抵抗値算出ステップ(S120)、抵抗変化パターン決定ステップ(S130)及びバッテリー状態決定ステップ(S140)を含むことができる。
【0117】
ステップS110は、バッテリーが充電される過程でバッテリーの電圧値を測定するステップであり、測定部110によって行うことができる。
【0118】
具体的に、測定部110は、所定の周期ごとにバッテリーの電圧値を測定することができる。
【0119】
例えば、図2の実施形態において、プロセッサ120は、所定の周期ごとにバッテリーに充電電流をパルスの形態で印加し、測定部110は、パルス信号がバッテリーに印加される間にバッテリーの電圧値を測定することができる。
【0120】
ステップS120は、ステップS110で測定されたバッテリーの電圧値に基づいてバッテリーの抵抗値を算出するステップであり、プロセッサ120によって行うことができる。
【0121】
例えば、プロセッサ120は、所定の周期ごとにパルス信号に対応する充電電流量に対する電圧値の変化に基づいて抵抗値を算出することができる。
【0122】
ステップS130は、ステップS120で算出された複数の抵抗値と予め設定された基準プロファイルとを比較して抵抗変化パターンを決定するステップであり、プロセッサ120によって行うことができる。
【0123】
具体的に、プロセッサ120は、複数の抵抗値と基準プロファイルとを比較した結果に基づいて、抵抗変化パターンを第1抵抗変化パターン又は第2抵抗変化パターンと決定することができる。
【0124】
例えば、プロセッサ120は、複数の抵抗値の変化を示す抵抗プロファイルにおける第1の傾きと基準プロファイルにおける第2の傾きとを比較し、比較結果によって抵抗変化パターンを決定することができる。
【0125】
ステップS140は、ステップS130で決定された抵抗変化パターンに基づいてバッテリーの状態を決定するステップであり、プロセッサ120によって行うことができる。
【0126】
例えば、抵抗変化パターンが第1抵抗変化パターンと決定された場合、プロセッサ120は、バッテリーの状態を不良状態と決定することができる。逆に、抵抗変化パターンが第2抵抗変化パターンと決定された場合、プロセッサ120は、バッテリーの状態を正常状態と決定することができる。
【0127】
前記ステップS110からステップS140に関して、上述した本発明によるバッテリー診断装置100の内容を同一又は類似に適用することができる。よって、本発明によるバッテリー制御方法の各ステップについての詳細な説明は省略する。
【0128】
以上で説明した本発明の実施形態は装置及び方法を通じて実現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラム又はそのプログラムが記録された記録媒体を通じて実現することもでき、このようなプログラム又は記録媒体は、上述した実施形態の記載より本発明が属する技術分野における専門家であれば容易に実現することができる。
【0129】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的な思想と下記の特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0130】
また、以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、種々の変形が行われるように各実施形態の全部又は一部を必要に応じて組み合わせて構成することができる。
【符号の説明】
【0131】
100:バッテリー診断装置
110:測定部
120:プロセッサ
130:メモリ
図1
図2
図3
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図5
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図9
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【国際調査報告】