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特表2024-538008ポリマー発泡体の加工方法および物品
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  • 特表-ポリマー発泡体の加工方法および物品 図1A
  • 特表-ポリマー発泡体の加工方法および物品 図1B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ポリマー発泡体の加工方法および物品
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/22 20060101AFI20241010BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20241010BHJP
   B29C 44/04 20060101ALI20241010BHJP
   B29C 49/04 20060101ALI20241010BHJP
   B29C 48/21 20190101ALI20241010BHJP
   B29C 48/09 20190101ALI20241010BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20241010BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B29C49/22
B29C44/00 E
B29C44/04
B29C49/04
B29C48/21
B29C48/09
B32B5/18
B65D1/00 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520641
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 US2022045660
(87)【国際公開番号】W WO2023059625
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/252,047
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520141542
【氏名又は名称】トレクセル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Trexel, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】ディックス,サミュエル・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】キシュボー,リーバイ エイ
【テーマコード(参考)】
3E033
4F100
4F207
4F208
4F214
【Fターム(参考)】
3E033AA01
3E033BA15
3E033BA16
3E033BB03
3E033BB10
3E033FA03
4F100AA08A
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4F100AK01B
4F100AK04A
4F100AK04B
4F100AK07A
4F100AK07B
4F100BA02
4F100CA01A
4F100DJ01A
4F100EH20
4F100EJ42
4F100GB16
4F100JA11A
4F100JK10
4F100YY00A
4F100YY00B
4F207AA04
4F207AA11
4F207AB02
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4F207AH55
4F207AR12
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4F208AG20
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4F214AA05
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4F214AB15
4F214AG20
4F214AR15
4F214UA11
4F214UC02
4F214UF01
4F214UF02
4F214UG22
(57)【要約】
本明細書には、ブロー成形方法および関連するブロー成形品が記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体物品をブロー成形する方法であって、
第1ポリマー材料と化学的ブロー剤とを含む混合物を、押出機のバレルにおいて下流方向に搬送するステップと;
バレルにおけるポートを介して、窒素を含む物理的ブロー剤を混合物に導入するステップと;
押出機のバレルにおいて下流方向に第2ポリマー材料を搬送するステップと;
混合物と第2ポリマー材料とを共押出して、ブロー金型の金型キャビティ内で多層パリソンを形成するステップと;
金型キャビティから多層ブロー成形発泡体物品を回収するステップと
を含み、
化学的ブロー剤は、分解して二酸化炭素を形成し、第1ポリマー材料の総重量に基づいて0.20重量%と3.00重量%の間の量で存在し、
窒素は、第1ポリマー材料の総重量に基づいて0.02重量%と0.30重量%の間の量で存在し、
物品は、第1ポリマー材料を含む発泡体層と、第2ポリマー材料を含む少なくとも1つの固体層とを含む、方法。
【請求項2】
第1ポリマー材料および第2ポリマー材料が同じポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2固体層が発泡体層の第1の側にあり、物品が発泡体層の反対側に第2固体層を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
発泡層が、物品の厚さの50%以上の厚さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
窒素ブロー剤を含む物理的ブロー剤が、ポリマー材料の総重量に基づいて、0.03重量%と0.15重量%の間の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
化学的ブローイングが、ポリマー材料の総重量に基づいて、0.3重量%と1.3重量%の間の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
化学的ブロー剤が、クエン酸、重炭酸ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、およびステアリン酸亜鉛のうちの1種以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
化学的ブロー剤が別個の成分として混合物に添加される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
発泡体物品が半結晶性ポリマーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ポリマー材料がポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
発泡体物品が、標準ASTM D5420耐衝撃性試験により測定される、厚さ1ミリメートル当たり少なくとも0.9Jの破壊エネルギーを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
発泡体物品が3mm未満の壁厚を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
発泡体物品が2%と40%の間の空隙体積百分率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
発泡体物品が100ミクロン未満の平均最小セル寸法を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
発泡体物品が250ミクロン未満の平均最大セル寸法を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
発泡体物品のセルが5以下の平均アスペクト比を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
混合物が、金型に注入する前、ポリマー材料、窒素、および二酸化炭素を含む単相溶液である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
混合物がタルクを含まない、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ブロー成形品が、0.5L以上の内容積を有する容器である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ブロー成形品が発泡層を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
発泡層が、物品の厚さの50%以上の厚さを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ポリマー材料を含むブロー成形発泡体物品であって、5以下の平均アスペクト比、2mm以下の厚さ、2%と40%の間のボイド体積百分率、および、標準ASTM D5420耐衝撃性試験で測定した、厚さ1ミリメートル当たり少なくとも0.9Jの破壊エネルギーを有するセルを有する物品。
【請求項23】
発泡体物品が、300ミクロン未満の厚さの固体スキン層を有する、請求項22に記載の物品。
【請求項24】
発泡体物品が発泡層を含む、請求項22または23に記載の発泡体物品。
【請求項25】
発泡層が、物品の厚さの50%以上の厚さを有する、請求項24に記載の発泡体物品。
【請求項26】
発泡体物品が2%と40%の間の空隙体積百分率を有する、請求項22~25のいずれか一項に記載の発泡体物品。
【請求項27】
発泡体物品が、0.5L以上の内部容積を有する容器である、請求項22~26のいずれか一項に記載の発泡体物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年10月4日に出願された米国仮出願第63/252,047号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、ポリマー発泡体の加工方法(または処理方法、processing method)および関連物品に関する。より詳細には、異なるブロー剤種を使用するブロー成形方法、および関連するブロー成形ポリマー発泡体物品に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー発泡体は、ポリマーマトリックス中にセルとも称される複数の空隙を含む。ポリマー材料の発泡体を加工する多くの技術は、バレル内のスクリューの回転によってポリマー材料を可塑化する押出機を利用する。一般に、ポリマー発泡体の加工においては、押出機内の流動性ポリマー材料にブロー剤が導入される。ブロー剤とポリマー材料との混合物を加工(例えば、ブロー成形)して、所望のポリマー発泡体物品を形成できる。
【0004】
典型的なブロー成形プロセスにおいては、パリソン(本質的に円筒形のポリマースリーブ)が押し出され、成形可能な程度に高温であるうちに金型内に配置される。パリソンの内部に加圧ガスを導入して、金型の壁に対してパリソンを膨張させることができる。ブロー成形技術を用いて、ボトル、容器、ケース、自動車部品、玩具、パネルなどの様々な物品を製造できる。
【0005】
固体プラスチックを空隙に置き換えることで、ポリマー発泡体は、所定の体積に対して固体プラスチックよりも使用する原材料が少なくなる。したがって、発泡体の密度が減少するにつれて、原材料の節約は増加する。しかしながら、ポリマー発泡体物品は、固体のポリマー材料で形成された類似の物品の特性よりも劣る特定の特性(例えば、衝撃強度、上部荷重強度など)を有する場合がある。例えば、特定のブロー成形発泡体物品は、特性要件(例えば、衝撃強度、上部荷重強度)が満たされないため、特定の用途(例えば、ボトル、容器など)に使用できない。
【0006】
特定の用途(例えば、ボトル、容器など)での使用を可能にする十分に良好な特性(例えば、衝撃強度、上面荷重強度)を有するブロー成形ポリマー発泡体物品を製造することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
ブロー成形法および関連するポリマー発泡体物品(またはポリマーフォーム成型品、polymeric foam articles)が本明細書に記載されている。
【0008】
一態様において、発泡体物品をブロー成形する方法が提供される。本方法は、第1ポリマー材料と化学的ブロー剤とを含む混合物を押出機のバレル内で下流方向に搬送することを含む。化学的ブロー剤は分解して二酸化炭素を形成し、第1ポリマー材料の総重量に基づいて0.20重量%と3.00重量%の間の量で存在する。本方法は、さらに、バレル内のポートを通して、窒素を含む物理的ブロー剤を混合物に導入することを含む。窒素は、第1ポリマー材料の総重量に基づいて0.02重量%と0.30重量%の間の量で存在する。本方法は、さらに、押出機のバレル内で、第2ポリマー材料を下流方向に搬送することを含む。本方法は、さらに、混合物と第2ポリマー材料とを共押出して、ブロー金型(blow mold)の金型キャビティ内で多層パリソン(multi-layered parison)を形成することを含む。本方法は、さらに、金型キャビティから多層ブロー成形発泡体物品を回収することを含む。該物品は、第1ポリマー材料を含む発泡体層と、第2ポリマー材料を含む少なくとも1つの固体層とを含む。
【0009】
別の態様において、ブロー成形発泡体物品が提供される。ブロー成形発泡体物品は、ポリマー材料を含む。本物品は、5以下の平均アスペクト比、2mm未満の厚さ、2%と40%の間のボイド体積百分率を有し、標準ASTM D5420耐衝撃性試験で測定される破壊エネルギーが厚さ1mm当たり少なくとも0.9Jであるセルを有する。
【0010】
他の態様および特徴は、添付の図面と併せて考慮すると、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、本明細書に記載の方法と共に使用できるポリマー発泡体ブロー成形システムの一実施形態を示す図である。
図1B図1Bは、本明細書に記載の方法と共に使用できるポリマー発泡体ブロー成形システムの一実施形態を示す図である。
図2図2は、特定の実施形態による例示的なブロー成形品を示す。
図3図3は、特定の実施形態による、例示的なブロー成形品のSEM顕微鏡写真を示す。
図4図4は、特定の実施形態による、タルクを用いて調製されたブロー成形品のSEM顕微鏡写真を示す。
図5図5は、特定の実施形態による、例示的なブロー成形品のSEM顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書には、ポリマー発泡体物品を形成するために使用されるブロー成形方法が記載されている。以下にさらに説明するように、方法においては、化学的ブロー剤(例えば、二酸化炭素を形成するために分解可能なもの)および物理的ブロー剤(例えば、窒素または二酸化炭素)を利用してよい。次いで、混合物を押出機で処理し、パリソンに成形し、金型でブローしてブロー成形品を形成してよい。これらの方法に従って製造されるブロー成形品は、例えば、より従来の発泡体ブロー成形技術を使用して製造される発泡体物品と比較して、伸長が少ないセル(または少ない伸長セル、less elongated cells)、小さいセルサイズ、および/または高い靭性のうちの1つ以上を含む所望の特性を有することができる。そのような物品は、例えば、ボトル、包装部品および容器などの様々な消費財および工業用品として有用であり得る。有利には、本明細書に記載の方法は、ブロー剤の核形成部位として作用し、得られる物品の特定の特性(例えば、靭性)を犠牲にし得る別個の添加剤(例えば、タルク)の必要性を低減又は排除し得る。したがって、本明細書に記載される方法によって達成可能な優れた機械的特性を有する物品は、その機械的完全性を危険にさらすことなく、より大きな体積までブローする(または吹き込む、blow)ことができる。本方法は、従来の押出スクリュー(例えば、ブロー剤拭き取り部を含まないスクリュー)および押出/ブロー成形ダイ工具(die tooling)などの従来のポリマー発泡体加工装置と共に利用できる。例えば、本方法は、従来のダイ(例えば、特殊なダイリップを含まないダイ)および従来の金型と共に利用できる。
【0013】
図1A図1Bは、本明細書に記載される方法に使用され得るブロー成形システム10の実施形態を示す。この実施形態において、ブロー成形システムは、押出機12および金型14を含む。図示されるように、ホッパー15は、ポリマー材料(例えば、ペレットの形態)を押出機に供給する。化学的ブロー剤(例えば、ペレット、粒子、粉末、液体の形態)および他の添加剤(例えば、核剤、充填剤、着色剤など)も、ホッパーなどを介して押出機に導入してよい。押出機は、ポリマー材料を処理するためにバレル18内で回転するように設計されたスクリュー16を含む。熱(例えば、押出機バレル上のヒーター19によって供給される)とせん断力(例えば、回転スクリューによって供給される)が作用してポリマー材料を溶融し、スクリューの回転によって下流方向17に搬送される流動性ポリマー流を形成する。また、このような熱とせん断力により、化学的ブロー剤も反応して(例えば、分解して)二酸化炭素を形成する。この二酸化炭素は、押出機内において、超臨界状態で流体流中に存在し得る。
【0014】
図示の実施形態では、ブロー剤導入システム18は、押出機における1つ以上のポート22に接続される物理的ブロー剤源20を含む。物理的ブロー剤(例えば、窒素または二酸化炭素)は、供給源から、ポリマー材料と2種のブロー剤とを含む混合物となる流体流に導入される。混合物は、押出機内で下流に搬送される際にさらに混合されてもよい。一部の実施形態において、混合物は、(化学的ブロー剤からの)二酸化炭素および窒素が、金型内への射出前にポリマー材料に溶解する単相溶液であるものの、他の実施形態において、混合物は、複数の相(例えば、ポリマー材料および未溶解の物理的ブロー剤)を含んでもよい。
【0015】
システム10は、第1金型半体26aと第2金型半体26bとを有するブロー金型24を含み、例えば、プレスの動きによって開閉されてよい。第1位置(図1A)では、ブロー金型24は開いた構成にあり、ダイ27の出口30から放出されるパリソン29を受けるように位置決めされる。パリソンは、単一のポリマー材料を含んでもよく、単一の押出機を使用して作成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、複数の押出機12が使用されてもよい。各押出機は、ポリマー材料を共押出するダイにまで、ポリマー材料を下流に搬送する。例えば、第1押出機は、上述のように混合物を搬送し、第2押出機は、パリソンの固体層を形成するために使用され得る第2ポリマー材料を搬送する。パリソンを受けた後、ブロー金型が閉じて金型キャビティ32(図1B)にパリソンを捕捉し、ブローピン36の下の位置まで移動し、それによってパリソンをダイから分離する。ブローピンは、ガス供給部38から供給されるガスをパリソンに注入する。ガスは、パリソンを金型の壁に押し付ける内圧(例えば、ブロー圧)を与え、それによって物品を成形する。成形されたパリソンは、金型キャビティ32内で十分な時間冷却され、その後、金型半体26a、26bが分離してキャビティ32が開き、ブロー成形品が製造される。
【0016】
様々な適切な任意のブロー圧が用いられてよい。いくつかの実施形態において、ブロー圧は、20psi以上、40psi以上、60psi以上、またはそれ以上である。いくつかの実施形態において、ブロー圧力は、100psi以下、80psi以下、60psi以下、またはそれ以下である。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態において、ブロー圧力は、20psi以上100psi以下である。他の範囲も可能である。いくつかの実施形態においては、比較的低いブロー圧(同等の非発泡成形品をブロー成形するために使用されるであろうブロー圧と比較して)の使用が有利であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、20psi以上60psi以下のブロー圧(例えば、約40psiのブロー圧)が使用される。同等の非発泡成形品は、80~100psiのブロー圧でブローされる可能性がある。
【0017】
図1Bに図示される実施形態において、押出機の出口と金型の入口との間にバルブが配置される。混合物(例えば、単相溶液)は、押出機内のスクリューの下流に蓄積され、スクリューをバレル内の上流方向に後退させる。適切な時点で、スクリューは、後退および回転を停止し、バルブが開いた際に、金型の金型キャビティ32に混合物を注入するために下流に強制されてよい。混合物は注入中に圧力降下を受け、多数のセルが核形成され、ポリマー発泡体物品が金型内に形成される。スクリューは再び回転を開始する。典型的には、本方法は、さらなる発泡体物品を製造するために繰り返される。
【0018】
ポリマー発泡体加工システムは、図示されていない多数の従来の構成要素を含み得ることを理解されたい。例えば、システムは、他の動作の中でも、ブロー剤計量システムの動作、スクリューの回転および移動、ならびにバルブの開閉のような、異なる構成要素の動作の制御に寄与する制御システムを含むことができる。
【0019】
一般に、本明細書に記載の方法は、いずれの適切な化学的ブロー剤も利用できる。例えば、本明細書に記載の方法は、押出機内の条件下で二酸化炭素または窒素を生成できる化学的ブロー剤を利用してよい。いくつかの実施形態においては、二酸化炭素を生成するための化学的ブロー剤が使用される。これは、より良好な環境親和性のために有利であり得る。いくつかの実施形態においては、窒素を生成するための化学的ブロー剤が使用される。窒素を生成するブロー剤は、環境に優しくない可能性があるものの、ブロー剤1グラム当たりのガス体積をより多く生成する可能性があり、この理由で使用され得る。化学的ブロー剤は、押出機内で加熱されると反応(例えば、分解反応)を起こして二酸化炭素を形成することがある。好適な化学的ブロー剤は、酸および/またはアルカリを含み得る。いくつかの実施形態において、好適な化学的ブロー剤には、クエン酸、重炭酸ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、p-トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、p-トルエンスルホニルセミカルバジド(TSS)および炭酸カルシウムが含まれ得る。二酸化炭素を生成する反応は、最終成形品において検出可能な他の副生成物を生成することもあることを理解すべきである。二酸化炭素を生成できる化学的ブロー剤の実施形態は、いくつかの実施形態において好ましい場合がある。しかしながら、他の実施形態において、本明細書に記載の方法においては、押出機内の条件下で、窒素などの別の不活性ガスを生成できる化学的ブロー剤を利用してよい。
【0020】
本明細書に記載したように、本発明者らは、所望の特性を有するブロー成形品を形成するためには、特定の量の化学的ブロー剤を使用する(例えば、特定の量の物理的ブロー剤と組み合わせて)ことが好ましい場合があることを理解している。例えば、化学的ブロー剤の重量百分率は、ポリマー材料の総重量に基づいて約0.20重量%と3.00重量%の間であることが好ましい場合がある。これらの実施形態のいくつかにおいて、化学的ブロー剤の重量百分率は、ポリマー材料の総重量に基づいて、0.2重量%以上であってよく、0.3重量%以上であってよく、0.35重量%以上であってよく、または0.50重量%以上であってもよい;また、いくつかの実施形態において、重量百分率は、2.0重量%以下、1.5重量%以下、1.3重量%以下、または0.5重量%以下であってよい。上記の最小値および最大値によって定義される任意の好適な範囲が使用され得ることを理解されたい(例えば、0.30重量%と2.00重量%の間;0.50重量%と1.5重量%の間;0.3重量%と1.3重量%の間など)。
【0021】
本明細書に記載の方法で使用される化学的ブロー剤は、任意の適切な形態を有することができる。場合によっては、化学的ブロー剤はペレットの形態であってもよい。場合によっては、化学的ブロー剤は粒子の形態であってもよい。また、フレーク、粉末または液体などの他の形態も好適であり得る。ペレットおよび/または粒子(又は他の形態)は、化学的ブロー剤に加えて他の成分(例えば、非反応性成分)を含んでもよいことも理解されたい。場合によっては、粒子は、10ミクロン以下、5ミクロン以下、3ミクロン以下、および/または1ミクロン未満のような小さな粒径を有し得る。例えば、いくつかのそのような化学的ブロー剤粒子は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,563,621号に記載されている。
【0022】
一般に、任意の適切な方法で、押出機内のポリマー材料に化学的ブロー剤を導入してよい。上述したように、いくつかの実施形態において、化学的ブロー剤は、ホッパーを介して押出機に導入されてもよい。すなわち、化学的ブロー剤(例えば、ペレットおよび/または粒子の形態)は、ポリマー材料(例えば、ペレットの形態)および他の添加剤と共にホッパーに添加されてもよい。また、ポリマー材料の下流で、化学的ブロー剤を押出機に導入してもよい(例えば、バレル内の別のポートなどを通じて)ことを理解されたい。
【0023】
上述したように、本明細書に記載の方法において、物理的ブロー剤をポリマー材料に導入するためにブロー導入システム(blowing introduction system)を利用してもよい。いくつかの実施形態において、物理的ブロー剤は、不活性ガスであってもよい。例えば、物理的ブロー剤は、窒素、二酸化炭素、および/またはアルゴンなどの希ガスを含んでよい。いくつかの実施形態において、物理的ブロー剤は窒素である。いくつかの実施形態において、ブロー剤導入システムは、物理的ブロー剤源とポート(複数可)との間に計量デバイス(又はシステム)を含むことができる。計量デバイスは、押出機内の混合物中の窒素の量を制御して、窒素のレベルを特定のレベルに維持するように、窒素を計量するために用いられてよい。例えば、このデバイスは、物理的ブロー剤の質量流量を計量する。本明細書に記載されるように、本発明者らは、小さいセルサイズ、高い伸び、および比較的高いボイド体積などの望ましい特性を有するブロー成形品を形成するためには、ある量の窒素物理的ブロー剤(例えば、ある量の化学的ブロー剤と組み合わせて)の使用が好ましい場合があることを見出した。例えば、窒素物理的ブロー剤の重量百分率は、ポリマー材料の総重量に基づいて、約0.02重量%と0.3重量%の間であることが好ましい場合がある。これらの実施形態のいくつかにおいて、窒素の重量百分率は、ポリマー材料の総重量に基づいて、0.02重量%以上、0.025重量%以上、0.03重量%以上、0.05重量%以上、または0.1重量%以上であってよい。いくつかの実施形態において、重量百分率は、ポリマー材料の総重量に基づいて、0.3重量%以下であってもよく、0.25重量%以下であってもよく、0.2重量%以下であってもよく、0.15重量%以下であってもよく、0.13重量%以下、またはそれ以下であってもよい。上記の最小値および最大値によって定義される任意の好適な範囲が使用され得ることを理解されたい(例えば、0.02重量%と0.3重量%の間;0.02重量%と0.3重量%の間など)。
【0024】
いくつかの実施形態において、物理的ブロー剤はポリマー材料に不連続的に導入される。すなわち、押出機中のポリマー材料への物理的ブロー剤の導入は、プロセスの一部中で停止させることができる。例えば、ブロー剤流は、ポリマー材料とブロー剤との混合物が金型に注入されている際など、スクリューが回転を停止してポリマー材料を下流方向に搬送する時間の少なくとも一部(場合によっては実質的に全部)の間、停止されることが有利であり得る。不連続なブロー剤導入を提供するためには、様々な技術が使用され得ることを理解されたい。例えば、好適な技術は、米国特許第9,180,350号;同第8,137,600号;同第6,926,507号;同第6,616,434号;および同第6,602,063号に記載されており、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
上述したように、1つ以上のポート22を介して物理的ブロー剤を導入してよい。いくつかの実施形態においては、単一のポートが設けられる。他の実施形態においては、複数のポートが設けられてもよい。複数のポートが存在する場合、ポートは、押出機バレルの周りの実質的に同じ軸方向位置に配置されてもよいものの、異なる半径方向位置に配置されてもよい。あるいは、ポートは、押出機バレルに沿って異なる軸方向位置(例えば、一方のポートが他方のポートの下流にある)に配置されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、ブロー剤インジェクタアセンブリが、ポート(複数可)内に配置され得る。インジェクタアセンブリは、物理的ブロー剤は、複数の小さなオリフィスを含んでよく、当該物理的ブロー剤は、その経路を通ってポリマー材料中に流れてよい。
【0027】
ブロー剤導入システムは、ポートに近接して、またはポートに配置されるバルブ(例えば、遮断バルブ)を含んでよい。いくつかの実施形態において、バルブは、ブロー剤インジェクタアセンブリの構成要素であってもよい。バルブは、ブロー剤がその先に(例えば、供給源から押出機内のポリマー材料中にまで)流れることを可能にするために開くことができ、ブロー剤がその先に(例えば、供給源から押出機内のポリマー材料中にまで)流れることを防止するために閉じることができる。
【0028】
上述したように、押出機は、バレル内で回転するように設計されるスクリュー16を含む。有利なことに、本明細書に記載の方法は、ブロー剤を受けるための特別なセクション(例えば、ワイピングセクション(または拭き取りセクション、wiping section))を含むスクリューの近傍にブロー剤を導入する必要がない。一般に、本方法およびシステムは、標準的なスクリューの設計を利用できる。これにより、有利なことに、ブロー剤を受けるように構成される特殊なスクリュー設計の必要性を排除することができる。例えば、スムースボア(smooth bore)スクリュー、またはグルーブフィード(groove feed)スクリューなどのスクリュー設計も使用することができ、本開示はそのように限定されない。
【0029】
本明細書に記載されるシステムには、当業者には公知の他の従来の構成要素が組み込まれてよく、本開示はこのように限定されない。
【0030】
ポリマー発泡体の形成に適切な任意のポリマー材料は、本明細書に記載の方法とともに使用されてよい。このようなポリマー材料は、場合によっては、非晶質、半結晶性、または結晶性材料であり得る熱可塑性プラスチックであるか、または熱可塑性プラスチックを含む。いくつかの実施形態においては、半結晶性材料または結晶性材料が好ましい。ポリマー材料には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)、スチレン系ポリマー(例えば、ポリスチレン、ABS)、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、および/またはそのようなポリマー材料のコポリマーもしくは混合物が含まれてよい。いくつかの実施形態においては、ポリオレフィン材料が使用されてもよい。例えば、ポリマー材料はポリエチレンであってもよい。別の例として、ポリマー材料はポリプロピレンであってもよい。いくつかのそのような実施形態において、ポリオレフィン材料は、1種以上のオレフィンの混合物、または1種以上のポリオレフィンと1種以上の非ポリオレフィンポリマー材料との混合物であってもよい。使用されるポリマー材料は、物品が最終的に利用される用途に依存し得る。
【0031】
ポリマー材料は、グレードを有していてもよく、または異なるグレードのポリマーの混合物を含んでいてよい。例えば、ポリマー材料は、いくつかの実施形態において、バージンポリマーであるか、またはバージンポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマー材料は、再生ポリマーであるか、または再生ポリマーを含む。例えば、ポリマー材料は、消費者使用後(または消費後、post-consumer)の再粉砕物を含んでよい。消費後の再粉砕物は、機械的再粉砕物(すなわち、再粉砕物フレークの混合物)、機械的に改質された再粉砕物(すなわち、ブレンドにおいて安定化添加剤と混合または撹拌された再粉砕物フレーク)、または化学的に改質された再粉砕物(すなわち、安定化添加剤とともに溶融することによって再処理された再粉砕物フレーク)を含んでよい。いくつかの実施形態において、ポリマー材料は、0%以上、5%以上、50%以上、またはそれ以上のリサイクル材料を含む。いくつかの実施形態において、ポリマー材料は、100%以下、または75%以下、またはそれ以下のリサイクル材料を含む。これらの範囲の組合せも可能である。例えば、ポリマー材料は、0%以上100%以下のリサイクル材料を含んでよい。いくつかの実施形態において、バージン材料は、その改善された機械的特性のために好ましい。いくつかの実施形態において、コストおよび廃棄物の削減のためにリサイクル材料が好ましい。本明細書に記載のシステムおよび方法の1つの利点は、リサイクルグレードのポリマー材料の使用に適合し得ることである。
【0032】
いくつかの実施形態において、ポリマー材料は、ブロー剤以外の添加剤と組み合わせてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ポリマー材料は、核剤(例えば、タルク)、充填剤、および/または着色剤と組み合わされる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、添加剤をポリマー材料と組み合わせる必要性を有利に軽減し得る。例えば、特定の実施形態によれば、本明細書に記載されるように複数のブロー剤を使用することで、核剤の必要性を低減することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の混合物は、核剤を含まない。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の混合物は、タルクを含まない。タルクの排除は、有利には、セルサイズおよび/またはセルのアスペクト比を減少させ、ブロー成形発泡体物品(例えば、タルクを含まないブロー成形品)内の靭性を増加させ得る。
【0033】
一般に、ポリマー発泡体物品は特定のセルサイズを有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、小さなセルサイズを有する発泡体物品を製造するために用いられ得る。例えば、場合によっては、方法は、マイクロセルラー発泡体物品の製造を含む。マイクロセルラー発泡体物品は、100ミクロン未満の平均セルサイズを有してもよい。場合によっては、マイクロセルラー発泡体物品は、75ミクロン未満の平均セルサイズを有する。平均セルサイズは、顕微鏡(例えば、SEM)技術を使用して代表的なセル数を測定することによって決定されてよい。いくつかの実施形態(マイクロセルラー発泡体材料の製造を含む実施形態)において、セルサイズは、射出成形品の厚さにわたって変化してもよい。例えば、物品の中央または中央付近のセルサイズは、物品のエッジ(または端部、edge)および/または物品の発泡領域のエッジに近づく(または近位する、approaching)セルサイズよりも大きくてもよい。
【0034】
ブロー成形ポリマー発泡体物品は、ある範囲のボイド体積百分率を有し得る。本明細書で使用されるように、ボイド体積百分率は、ボイドによって占められる物品の体積の百分率である。これは、以下の式によって測定できる:
ボイド体積%=100×[1-(ポリマー発泡体物品の密度/固体ポリマーの密度)]
【0035】
例えば、発泡体物品が0.85g/cmの密度を有し、固体ポリマーが1.0g/cmの密度を有する場合、ボイド体積百分率は15%である。特定のボイド体積は、用途に依存し得る。いくつかの実施形態において、ボイド体積百分率は比較的低い。例えば、ボイド体積百分率は、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、12%未満、10%未満、または5%未満であってよい。いくつかの実施形態において、ボイド体積は2%より大きく、5%より大きく、8%より大きく、10%より大きく、または15%より大きくてよい。上述の最小値および最大値によって定義される、いずれの好適な範囲も使用され得ることを理解されたい(例えば、2%と20%の間、5%と20%の間、8%と15%の間など)。
【0036】
一般に、ブロー成形ポリマー発泡体物品は、任意の適切な厚さを有してよい。本明細書で使用される場合、厚さは、物品の厚さにわたる主要な断面寸法を指す。例えば、物品の厚さは、5.0mm未満、3.0mm未満、2.5mm未満、2.0mm未満、又は1.0mm未満であってよい。いくつかの実施形態において、物品の厚さは、0.5mmより大きく、1.0mmより大きく、または1.5mmより大きくてよい。上述の最小値および最大値によって定義されるいずれの適切な範囲も使用され得ることを理解されたい(例えば、0.5mmと5mmの間、0.5mmと3.0mmの間、1.0mmと3.0mmの間など)。
【0037】
タルクなどの核剤を用いることなく、物理的ブロー剤及び化学的ブロー剤を使用してブロー成形された物品は、ブロー成形中、および/またはブロー成形後に変化する(または進化する、evolve)密度および厚さを有し得る。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、ポリマーからの二酸化炭素の継続的な溶解は、セル体積を増加させ、それによって密度を減少させながらブロー成形品の厚さを増加させることができると考えられる。この効果は、ブローピン(blow pin)から遠く離れて形成される物品の部分(例えば、図1Bのブローピン36の反対側に形成される物品の部分)に関して特に顕著であり得る。対照的に、核剤を使用してブロー成形される物品は、射出後に膨張する能力が低い(例えば、全く膨張できない)発泡体構造を有し得、その結果、より薄く、より密度の高い発泡体構造が得られ得る。いかなる特定の理論に拘束されることを望むことはないものの、物品の発泡体の継続的な進化(または発生、evolution)によってもたらされる厚みの増加は、増加した層の厚みの結果として、著しく改善された機械的特性をもたらし得る。この原理は、ブロー成形された容器(例えば、ボトル)の場合に特に有利であり得る。容器の底部は、典型的には、ブローピンの反対側に形成され、機械的応力の結果としてボトルが破損する可能性が最も高い部分である。したがって、タルクなどの核剤を排除することは、ブロー成形容器を作製する際に、特に、充填され、機械的応力を受けた際に(内容積の低い容器と比較して)破損のリスクが高い、内容積の高いブロー成形容器を製造する際に、特に有利であり得る。上述したように、いくつかの実施形態において、ブロー成形されたポリマー発泡体物品は、物品の外面(例えば、金型と接触する物品の表面)から延びる未発泡のスキン領域(複数可)(unfoamed skin region(s))を有してよい。スキン領域は、発泡した内部領域を(少なくとも部分的に)取り囲む。総壁厚さと比較した総スキン厚さおよび/または総スキン厚さの百分率は、視覚的技術(例えば、目視および/または顕微鏡検査)を用いて特徴付けられ得る。総スキン厚さは、物品の断面厚さにわたるスキン厚さの合計である。外面とは、物品の外部の表面、または物品の中空内部の表面を指すことがあり、本開示はこのように限定されないことを理解されたい。
【0038】
いくつかの実施形態において、総スキン厚さは、100ミクロンより大きく、200ミクロンより大きく、250ミクロンより大きく、または300ミクロンより大きくてよい。いくつかの実施形態において、総スキン厚さは、500ミクロン未満、400ミクロン未満、300ミクロン未満、または200ミクロン未満であってよい。上述の最小値および最大値によって定義されるいずれの好適な範囲も使用され得ることを理解されたい(例えば、100ミクロンと500ミクロンの間、100ミクロンと300ミクロンの間など)。
【0039】
本明細書に記載される全てのブロー成形品が、識別可能なスキンを有しているわけではないことを理解されたい。すなわち、そのような物品は、実質的に全体が発泡体構造を含み得る。
【0040】
物品は、容器(例えば、ボトル)、ケース、自動車部品、玩具、およびパネルを含む種々の適切な形態のいずれかにブロー成形され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のブロー成形品は、容器をブロー成形するために使用されてもよい。特に、上記で簡単に説明したように、大きな容積を有する容器(例えば、ボトル)が、本明細書に記載の技術によってブロー成形され得る。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載される物品の優れた機械的特性は、ブロー成形容器が、破損の大きなリスクを負うことなく、大きな容積を保持できることを意味する。いくつかの実施形態において、ブロー成形容器は、0.5L以上、0.75L以上、1L以上、1.25L以上、1.5L以上、1.75L以上、またはそれより大きい内容積を有する。いくつかの実施形態において、ブロー成形容器は、3L以下、2L以下、1.75L以下、1.5L以下、またはそれより小さい内容積を有する。これらの範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、ブロー成形容器は、0.5L以上2L以下の内容積を有する。他の範囲も可能である。
【0041】
物品の改善された機械的特性は、容器の調製において他の利点を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態において、容器が蓋とインターロックする(または連動する、interlock)ことが望ましい場合がある(例えば、ねじ込み蓋(またはスクリュートップ蓋、screw-top lid)を使用することによって)。劣った機械的特性で形成された物品は、蓋のインターロックの部位で物品を補強しないと、蓋によって損傷を受ける可能性がある。対照的に、本明細書に記載される発泡品(または発泡した物品、foamed article)は、蓋の使用時にて、破損の大きなリスクを伴うことなく、インターロック機構(例えば、ねじ込み蓋のためのねじ山)を含み得る。
【0042】
本明細書におけるブロー成形品は、多層物品であってもよい。例えば、多層は、共押出プロセスで形成され、組み合わされてもよい。例えば、多層パリソンを上述のように形成し、多層物品をブロー成形するために使用してもよい。いくつかの実施形態において、ブロー成形品は、発泡層(または発泡した層、foamed layer)および少なくとも1つの(例えば、複数の)固体層を含む。いくつかの実施形態において、ブロー成形品は、1層、2層、3層、4層、5層、またはそれより多くの層を含む。特定の実施形態によれば、例えば、ブロー成形品は、3つの層を含む。3層のブロー成形品は、第1層の固体層、第2層の発泡層、および第3層の固体層を含んでよい。多層物品の層は、同じ材料から形成されてもよい。例えば、多層物品の第1層は、固体である第1ポリマー材料を含んでよく、多層物品の第2層は、発泡状態の第1ポリマー材料を含んでよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、多層物品の層は異なる材料から形成される。例えば、いくつかの実施形態において、多層物品の第1層は、第1ポリマー材料(例えば、ポリエチレン)から形成されてよく、多層物品の第2層は、第2ポリマー材料(例えば、ポリプロピレン)から形成されてよい。特定の実施形態によれば、多層物品は、同じポリマー材料の異なるグレードを有する層から形成されてよい。例えば、いくつかの実施形態において、多層物品の第1層は、固体の、未使用の第1ポリマー材料を含み、一方で、多層物品の第2層は、発泡し、リサイクルされた第1ポリマー材料を含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、物品の全体の厚さの50%以上、60%以上、70%以上、またはそれより大きい厚さの発泡層を含む。いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、物品の全体の厚さの90%以下、80%以下、75%以下、またはそれより小さい厚さの発泡層を含む。これらの範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、物品の全体の厚さの50%以上90%以下の厚さの発泡層を含む。別の例として、いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、物品の全体の厚さの60%以上75%以下の厚さの発泡層を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、またはそれより大きいボイド体積百分率を有する発泡層を含む。いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、65%以下、40%以下、25%以下、20%以下、またはそれより小さいボイド体積百分率を有する発泡層を含む。これらの範囲の組合せも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、5%以上65%以下のボイド体積百分率を有する発泡層を含む。別の例として、いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、10%以上25%以下のボイド体積百分率を有する発泡層を含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、個々の厚さおよび/または組み合わせた厚さが、物品の全体の厚さの1%以上、2%以上、5%以上、10%以上、20%以上、またはそれより大きい1つ以上の固体層(例えば、発泡体層(foam layer)の両側にある2つの固体層)を含む。いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、個々の厚さおよび/または組み合わせた厚さが、物品の全体の厚さの40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、またはそれより小さい1つ以上の固体層(例えば、発泡体層の両側にある2つの固体層)を含む。これらの範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、個々の厚さおよび/または組み合わせた厚さが、物品の全体の厚さの1%以上40%以下である1つ以上の固体層を含む。いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、個々の厚さおよび/または組み合わせた厚さが、物品の全体の厚さの5%以上30%以下である1つ以上の固体層を含む。より具体的な例として、いくつかの実施形態において、多層ブロー成形品は、個々の厚さおよび/または組み合わされた厚さが、物品の全体の厚さの5%以上20%以下である1つ以上の固体層を含む。2つの固体層が存在する場合、2つの層は、例えば、実質的に同じ厚さ(例えば、互いの厚さが10%以内)を有してよい。
【0046】
本明細書に記載のブロー成形品は、高い伸びなどの優れた機械的特性を含む優れた特性を示すことができる。例えば、破断伸び率(ASTM D638によって測定される)は、5%より大きく、25%より大きく、35%より大きく、またはそれより大きくてよい。いくつかの実施形態において、破断伸び率(ASTM D638によって測定される)は、45%未満、35%未満、25%未満、またはそれ未満であってよい。上述の最小値および最大値によって定義されるいずれの好適な範囲も使用され得ることを理解されたい(例えば、5%と35%の間、25%と45%の間など)。
【0047】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるブロー成形品は、他の手段によって製造される発泡プラスチック物品と比較して、比較的高い靭性を示すことができる。靭性を間接的に評価する1つの方法は、物品から切り取った平らなシートの破損を測定することである(例えば、以下の実施例を参照して説明するASTM D5420耐衝撃性試験を用いる)。破壊エネルギーは、物品の厚さで割ることにより、規格化された測定値を得ることができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のブロー成形品は、標準ASTM D5420耐衝撃性試験により測定される値として、少なくとも厚さ1mmあたり0.5J、少なくとも厚さ1mmあたり0.7J、少なくとも厚さ1mmあたり0.9J、少なくとも厚さ1mmあたり1.3J、またはそれより大きい破壊エネルギーを有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるブロー成形品は、標準ASTM D5420耐衝撃性試験により測定される値として、厚さ1mmあたり7J未満、厚さ1mmあたり5J未満、厚さ1mmあたり3J未満、厚さ1mmあたり1.5J未満、またはそれ未満の破壊エネルギーを有する。上記の最小値および最大値によって定義されるいずれの適切な範囲も使用され得ることを理解されたい(例えば、厚さ1mmあたり0.5Jと厚さ1mmあたり1.5Jの間、厚さ1mmあたり0.9Jと厚さ1mmあたり3Jの間など)。
【0048】
もちろん、任意の体積の物品は、前述の機械的特性のいずれかと関連付けられ得、前述の機械的特性の範囲は、前述の容器の体積のいずれかと組み合わせてよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、物品は、0.5L以上2L以下の内容積、および0.5J/mmと7J/mmの間のASTM D5420衝撃抵抗を有するブロー成形容器である。
【0049】
いくつかの実施形態において、発泡体物品は、25ミクロン以上、50ミクロン以上、またはそれより大きい平均最小セル寸法を有する。いくつかの実施形態において、発泡体物品は、150ミクロン以下、100ミクロン以下、75ミクロン以下、50ミクロン以下、またはそれ未満の平均最小セル寸法を有する。これらの範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、発泡体物品は、25ミクロン以上150ミクロン以下の平均最小セル寸法を有する。
【0050】
いくつかの実施形態において、発泡体物品は、100ミクロン以上、150ミクロン以上、またはそれより大きい平均最大セル寸法を有する。いくつかの実施形態において、発泡体物品は、300ミクロン以下、250ミクロン以下、200ミクロン以下、150ミクロン以下、100ミクロン以下、またはそれ未満の平均最大セル寸法を有する。これらの範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、発泡体物品は、100ミクロン以上300ミクロン以下の平均最大セル寸法を有する。別の例として、いくつかの実施形態において、発泡体物品は、100ミクロン以上200ミクロン以下の平均最大セル寸法を有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、発泡体物品のセルは、1.2以上、1.5以上、またはそれより大きい平均アスペクト比を有する。いくつかの実施形態において、発泡体物品のセルは、5以下、4以下、3.5以下、3以下、2.5以下、またはそれ未満の平均アスペクト比を有する。これらの範囲の組み合わせも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、発泡体物品のセルは、1.2以上5以下の平均アスペクト比を有する。望ましい特性及び特徴により、本明細書に記載のブロー成形発泡体物品を種々の用途に使用することができる。特に、本物品は、自動車部品や包装を含む種々の消費財および工業製品に使用され得る。
【0052】
本発明のこれらおよび他の実施形態の機能および利点は、以下の実施例からより完全に理解されるであろう。以下の実施例は、本発明の利点を説明するためのものであるものの、本発明の全範囲を例示するものではなく、この点で限定的であると考えられるべきではない。
【実施例
【0053】
実施例1
本実施例は、本明細書に記載される例示的なシステムおよび方法を用いて作製された例示的なブロー成形プラスチック物品の集合の作製について説明する。これらの実施例において、例示的なブロー成形品は、以下に記載する種々の形状を有するプラスチックボトルであった。例示的な実施形態は、化学的ブロー剤(CBA)および窒素(N)ガスを用いて調製された。タルク添加剤を用いて作製したプラスチック物品の比較例、または固体の実質的に無孔のプラスチックの形態で作製した比較例も提供する。一般に、サンプルは上述の方法に従って作製した。
【0054】
表1は、例示的なプラスチック物品を製造するために使用された例示的な添加剤および樹脂(高密度ポリエチレン、HDPE;またはポリプロピレン、PP)、ならびに、得られたプラスチック成形品の密度を示している。これらの実験において、プラスチック物品は、図2に示すように、内容積1Lの丸いボトルの形状をしていた。窒素(N)を使用し、化学的ブロー剤(CBA)および空気を使用して作製された例示的な物品は、比較例と区別するために、それらのサンプル番号の横にアスタリスク(*)で示されていることに留意されたい。
【0055】
【表1】
【0056】
表1は、さらに、物品の走査型電子顕微鏡(SEM)分析によって決定された、セルの長軸(X)および短軸(Y)に沿った平均セル寸法、ならびに結果として得られたアスペクト比を報告している。図3(0.16mm-0.44mm-0.14mmの固体-発泡体-固体層の厚さを有する多層構造を有するサンプル5のSEM顕微鏡写真を示す)に示すように、CBAおよびNを使用して作製された例示的なサンプルは、比較的小さく、より伸びの少ない(less-elongated)セルを有していた。図4(0.14mm-0.60mm-0.13mmの固体-発泡体-固体層構造を有するサンプル3のSEM顕微鏡写真を示す)に示されるように、タルクを用いて作製された発泡品は、細長いセルを有することが観察された。これは、本明細書に記載される例示的な物品と、タルクを用いて作製された発泡体物品との間の物理的相違の一部を説明し得る。SEMにより分析されたサンプルのサブセットにおいて、長軸(X)および短軸(Y)に沿ったセルの平均寸法が推定され、例示的な細孔の平均アスペクト比が計算された。表8に示すように、CBAおよびNを用いて作製した発泡品は、他の手法で製造した発泡品と比較して、より小さい平均アスペクト比、およびより小さい平均細孔寸法を有していた。
【0057】
一方、表2は、表1で報告された例示的なプラスチック物品の種々の破損条件下での特性を要約したものである。具体的には、表2は、引張試験における%伸び(または伸び率、% elongation)、物品の破損に関連する落下高さ、および例示的な物品から切り出された材料の平らなシートの衝撃試験に関連する破壊エネルギーを含む。機械的特性は、厚さに依存することが多いため、SEMによって推定された物品の厚さも報告されている。
【0058】
引張試験は、標準的なASTM D638引張試験を用いて行った。引張試験中、加えられた力による変位(N単位)を測定するため、ボトルを引き伸ばした。表2は、各物品の破断時の最大%伸びを示している。固体物品は破断しなかったため、測定された最大値である45%の伸びが報告されている。一般的には、より大きな%伸びの値が好ましい%伸び値であるものの、場合によっては、%伸びと物品強度の間にはトレードオフが存在する。これは、「最良の%伸び」が、材料に加えて、用途にも依存し得ることを意味する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているように、CBAおよびNを用いて作製された例示的なプラスチック物品の%伸びは、タルクを用いて製造された発泡プラスチック物品よりも高い%伸びを有する。例えば、サンプル4~6の%伸びは、タルクを用いて製造された類似のサンプル1~3で観察された%伸びを大きく上回る。
【0059】
上記の表1に記載された例示的な物品から切り出された平坦なシートを、その破壊エネルギー(J)を決定するために、標準的なASTM D5420耐衝撃性試験を用いて分析した。一般に、シートの破壊エネルギーはその靭性に関係する。要約すると、2ポンドの重りを0.5インチ(12.7mm)の半球状の圧子に接続し、続いて、当該圧子を圧子の真下にある0.625インチ(15.9mm)のリング上に配置したサンプルの一連の部位に落下させた。圧子は、サンプルにクラックが入るのに十分な落下高さになるまで、徐々に落下高さを増加させながら連続して落下させた。次に、階段法を用いて、割れを起こすのに十分な平均落下高さを推定した。階段法においては、一連の落下試験を実施し、前の落下試験の結果に基づいて新たな落下高さを決定する。前回の落下高さがひび割れを引き起こした場合、新たな落下高さを1インチ(25.4mm)だけ減少させた。前回の落下高さでクラックが発生しなかった場合は、新たな落下高さを1インチ増加させた。このプロセスを少なくとも10回繰り返し、各回の落下高さを平均して、クラックが発生するのに十分な平均落下高さを算出した。
【0060】
割れを起こすのに十分な平均落下高さは、割れを起こすのに十分な平均落下高さにおける圧子の重力位置エネルギーに基づいて、平均破壊エネルギーを計算するために使用された。例えば、標準的な2ポンドの重りを使用した場合、割れを起こすのに十分な平均落下高さが10インチである試験片の破壊エネルギーは、20ポンド・インチ(2.3J)となる。
【0061】
衝撃圧痕から破壊エネルギーを決定した。固体物品は発泡品よりはるかに優れていたものの、NとCBAとを用いて作製した発泡品は、他の発泡品に比べて靭性が向上したことが示された。
【0062】
落下試験は、標準ASTM D5276落下試験を用いて行った。落下試験の間、例示的なプラスチック物品の破損をもたらす落下高さ(mm単位)を決定するために、ボトルを種々の高さから落下させた。各物品の落下高さ(m)を示しており、これは、一般的に物品の靭性に関する。一般に、より高い落下高さは、より丈夫なボトルに対応し、好ましい。試験した最大落下高さは1.83mであり、この落下高さを有すると報告されたサンプルにおいて、破損は観察されなかった。
【0063】
密度が著しく低下したサンプル4の場合を除き、窒素とCBAの両方を含む物品は、他の発泡品と比較して、落下試験と衝撃圧子試験の両方において、タルクを含む物品の性能をはるかに上回った。これは、例示的な物品が、タルク添加剤を用いて作製された類似品と比較して、著しく改善された靭性を示したことを示している。この改善された靭性は、いくつかの用途において有利であり得る。さらに、表1との比較は、機械的特性におけるこれらの改善が、セルサイズの縮小およびセル伸びの縮小と関連し得ることを示している。理論に拘束されることを望まないが、これらの物品の改善された靭性は、プラスチック物品のセル構造(または気泡構造、cellular structure)におけるこれらの変化から生じる可能性がある。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例2
この実施例は、本明細書に記載される例示的なシステム及び方法を用いて作製された、大容量の非限定的なブロー成形プラスチック物品の集合体の作製について説明するものである。実施例1のサンプル1~12のように、この実施例の物品(サンプル13~14)を、図2に示す形状のボトルに成形した。サンプル13は1Lの内部容積を有し、サンプル14は1.6Lの内部容積を有していた。表3は、サンプル13~14の製造に使用した例示的な添加剤および樹脂を示す。発泡体の物理的特性(例えば、密度、X、Y、およびアスペクト比)は測定しなかった。サンプル13および14は、上記の実施例1に記載されたのと同じ一連の機械的試験に供された。表3は、使用したポリマーの組成とこれらの試験結果を示している。実施例1と同様に、窒素(N)を使用し、化学的ブロー剤(CBA)および空気を使用して作製した物品は、比較例と区別するために、それらのサンプル番号の横にアスタリスク(*)で示す。
【0066】
【表3】
【0067】
表3に示すように、サンプル13および14は、タルクを使用した実施例1の物品の靭性をはるかに上回る高い靭性を有していた。サンプル14は、より大きなサイズにブローされたにもかかわらず、良好な機械的特性を保持していた。図5に示すSEM顕微鏡写真は、0.23mmの固体層と0.24mmの固体層との間に0.83mmの発泡体層を含むサンプル14の断面を示す。平均細孔径は推定されなかったものの、細孔は、上述の図4に示された細孔のようなタルクを用いて作製されたサンプルの細孔よりも、著しく伸びが小さい(または細長くない(less elongated)。この実施例は、本明細書に記載の方法を用いて、容積が大きく、機械的特性が良好な容器を作製できることを示している。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】