特表 2024-538013 飲料の調製のためのカプセル

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-10-18

(54)【発明の名称】飲料の調製のためのカプセル

(51)【国際特許分類】

   B65D 85/804 20060101AFI20241010BHJP

【ＦＩ】

B65D85/804 100

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024520789

(86)(22)【出願日】2022-10-26

(85)【翻訳文提出日】2024-04-04

(86)【国際出願番号】 EP2022079895

(87)【国際公開番号】W WO2023072997

(87)【国際公開日】2023-05-04

(31)【優先権主張番号】21205435.7

(32)【優先日】2021-10-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】590002013

【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー

(74)【代理人】

【識別番号】100088155

【弁理士】

【氏名又は名称】長谷川 芳樹

(74)【代理人】

【識別番号】100140453

【弁理士】

【氏名又は名称】戸津 洋介

(74)【代理人】

【識別番号】100168734

【弁理士】

【氏名又は名称】石塚 淳一

(72)【発明者】

【氏名】アベグレン， ダニエル

(72)【発明者】

【氏名】ガラフ， ニコラ

(72)【発明者】

【氏名】ハウスマン， ミカエル カールハインツ

(57)【要約】

飲料調製デバイスにおける飲料の調製のためのカプセルが開示される。カプセルは、カップ形状本体と、カップ形状本体を閉じるためのカバーとを備える。カップ形状本体は、カバーが封止するための環状フランジを備える。少なくとも、カップ形状本体は、セルロースパルプで作製されており、底壁と、管状側壁と、環状フランジとを備える。管状側壁は、カップ形状本体の長手方向軸線に対して第１の方向に傾斜している。カップ形状本体は、側壁と環状フランジとを接続する接続壁を更に備える。接続壁は、カップ形状本体の側壁に対して外向きに突出する少なくとも１つの部分を含む。この突出部分は、飲料の調製中の漏れ防止性を向上させるために、飲料調製デバイスのカプセル封入部材の縁部と協働する。
【選択図】 図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

飲料調製デバイス（１０）における飲料の調製のためのカプセルであって、
カップ形状本体（１）と、前記カップ形状本体（１）を閉じるためのカバー（２）とを備え、
前記カップ形状本体（１）は、セルロースパルプで作製されており、底壁（４）と、管状側壁（５）と、前記カバー（２）が封止するための環状フランジ（３）とを備え、
前記側壁（５）と前記環状フランジ（３）とは、前記カップ形状本体（１）の接続壁（６；１０６；２０６；３０６）によって接続されている、カプセルにおいて、
前記接続壁（６；１０６；２０６；３０６）が、前記側壁（５）に対して外向きに突出する少なくとも１つの部分（７；１０７；２０７；３０７）を備え、
前記少なくとも１つの突出部分（７；１０７；２０７；３０７）が、前記飲料の調製中の漏れ防止性を向上させるために、前記飲料調製デバイス（１０）のカプセル封入部材（９）の縁部（８）と協働する、
ことを特徴とする、カプセル。

【請求項2】

前記突出部分（７；１０７；２０７；３０７）が、前記カプセルの前記側壁（５）及び前記環状フランジ（３）の両方と一体であり、セルロースパルプで作製されている、ことを特徴とする、請求項１に記載のカプセル。

【請求項3】

前記接続壁（６；１０６；２０６；３０６）の前記少なくとも１つの突出部分（７；１０７；２０７；３０７）の密度が、前記側壁（５）の最大密度よりも低い、ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項4】

前記少なくとも１つの突出部分が、前記側壁（５）の最大厚さ（Ｔ２）よりも大きい厚さ（Ｔ１；Ｔ３；Ｔ４；Ｔ５）を有する、ことを特徴とする、請求項１～３のいずれか一項に記載のカプセル。

【請求項5】

前記接続壁（６；１０６）の前記少なくとも１つの突出部分（７；１０７）が丸みを帯びた形状を有し、好ましくは、前記突出部分（７；１０７）の外側輪郭が、外向きに突出する円弧である、ことを特徴とする、請求項１～４のいずれか一項に記載のカプセル。

【請求項6】

前記カップ形状本体（１）の前記側壁（５）の最大密度Ｄ１と前記接続壁（６）の前記突出部分（７）の密度Ｄ２との差が、Ｄ１の０．１％～Ｄ１の２０％である値であり、すなわち、
１％Ｄ１≦（Ｄ１－Ｄ２）≦２０％Ｄ１であり、
より好ましくは、前記差が、Ｄ１の０．１％～Ｄ１の１０％である値であり、すなわち、
０．１％Ｄ１≦（Ｄ１－Ｄ２）≦１０％Ｄ１である、
ことを特徴とする、請求項３～５のいずれか一項に記載のカプセル。

【請求項7】

前記接続壁（６、２０６、３０６）が、前記カップ形状本体（１）のキャビティ（１Ａ）に面する少なくとも１つの内面（６Ｂ）を備え、前記内面（６Ｂ）が、縦断面で見て、前記カップ形状本体（１）の前記側壁（５）の傾斜方向と角度（Ｇ；Ｇ１）を形成する方向（Ｍ２、Ｍ３、Ｍ４）に傾斜しており、前記角度（Ｇ；Ｇ１）が、１００度～１５０度であり、好ましくは約１３５度である、ことを特徴とする、請求項１～６のいずれか一項に記載のカプセル。

【請求項8】

少なくとも、前記接続壁（６；１０６）の前記突出部分（７；１０７）が、以下の形状のうちの１つから選択される形状を有する、又は以下の形状のうちの１つ以上の組み合わせである形状を有する：
前記突出部分（７；１０７）は外側で、丸みを帯びた形状を有し、前記突出部分（７；１０７）は内側で、前記カップ形状本体（１）の長手方向軸線（Ａ）に対して傾斜した平坦な形状を有する；かつ／又は
前記突出部分（７；１０７）は外側及び内側で、丸みを帯びた形状を有する、かつ／又は
前記突出部分（７；１０７）は外側及び内側で、前記カップ形状本体（１）の長手方向軸線（Ａ）に対して傾斜した平坦な形状を有する；かつ／又は
前記突出部分（７；１０７）は外側及び内側で、段付き形状を有する、
ことを特徴とする、請求項１～７のいずれか一項に記載のカプセル。

【請求項9】

前記カップ形状本体（１）が、８０重量％～１００重量％の範囲の割合でセルロース繊維を含むセルロースパルプで作製されており、セルロースパルプで作製された前記カップ形状本体の内面及び／又は外面に取り付けられた少なくとも１つの酸素バリアライナー（１４）を備え、前記酸素バリアライナーが、少なくとも家庭で堆肥化可能なポリマーで作製されており、好ましくは、前記カバー（２）も家庭で堆肥化可能な材料で作製されている、ことを特徴とする、請求項１～８のいずれか一項に記載のカプセル。

【請求項10】

前記カプセルが使い捨てコーヒーカプセルである、ことを特徴とする、請求項１～９のいずれか一項に記載のカプセル。

【請求項11】

飲料調製デバイス（１０）における請求項１～１０のいずれか一項に記載のカプセルの使用。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、飲料調製デバイスにおける飲料の調製のためのカプセルに関する。カプセルは、セルロースパルプで作製されたカップ形状本体を備える。

【背景技術】

【0002】

セルロースパルプで作製された容器又はカプセルが、飲料調製デバイスの分野において知られている。少なくともある期間にわたって、カプセル内の飲料物質の品質を維持することができるセルロースパルプで作製された材料も知られている。飲料製造デバイスにおいて飲料を調製するための使い捨てカプセルも知られている。

【0003】

セルロースパルプで作製されたこれらの使い捨てカプセルは、他の材料で作製されたカプセルと比較して、環境影響を低減する見込みがある。

【0004】

既知のセルロースパルプ製カプセルは、飲料調製デバイスにおいて使用され、飲料調製プロセス中にカプセルを封入する部材と、飲料の調製のためにカプセルにおける水の注入とを備える。

【0005】

カプセル内に注入された水がカプセル本体の外部に流出するのを防止するために、カプセルと封入部材との間の係合が緊密であることが不可欠である。

【0006】

カプセルと封入部材との間の封止係合が良好でない場合、水は、流れに対する十分な抵抗に遭遇することなくカプセルの外部に流出し、カプセルカバーの引裂きを引き起こすのに必要な圧力がカプセルの内部に蓄積されない、あるいは、低圧がカバーの不完全な引裂き引き起こし、したがって、カプセル内に収容された飲料物質の抽出が不十分になる。そのようなシナリオでは、水は、十分な圧力条件下で飲料物質と相互作用することなく、又は完全には相互作用することなく、飲料製造デバイスから排出される。

【0007】

本発明は、飲料調製デバイスにおける飲料の調製のための既知のセルロースパルプ製カプセルの漏れ防止特徴を向上させることを目的とする。

【発明の概要】

【0008】

請求項１に記載の発明は、飲料調製デバイスにおける飲料の調製のためのカプセルに関する。カプセルは、カップ形状本体と、カップ形状本体を閉じるためのカバーとを備え、カップ形状本体は、カバーが封止するための環状フランジを備える。少なくともカップ形状本体は、セルロースパルプで作製されており、底壁と、管状側壁と、環状フランジとを備える。カップ形状本体は、側壁と環状フランジとを接続する接続壁を更に備える。本発明によれば、接続壁は、カップ形状本体の側壁に対して外向きに突出する少なくとも１つの部分を含む。有利なことに、この突出部分は、飲料の調製中の漏れ防止性を向上させるために、飲料調製デバイスのカプセル封入部材の縁部と協働する。

【0009】

本発明の好ましい実施形態では、突出部分の変形性を増大させ、飲料の調製中の漏れ防止性も向上させるように、突出部分の密度は、側壁の最大密度よりも低く、突出部分の厚さは、カップ形状本体の側壁の最大厚さよりも大きい。

【0010】

より好ましくは、本発明のこの好ましい実施形態によれば、カップ形状本体の側壁の最大密度と接続壁の突出部分の密度との差は、０．１％～２０％である値である。更により好ましくは、カップ形状本体の側壁の最大密度と接続壁の突出部分の密度との差は、０．１％～１０％である値である。

【0011】

本発明の更に好ましい実施形態では、接続壁の突出部分は丸みを帯びた形状を有し、好ましくは、突出部分の外側輪郭は円弧である。

【0012】

別の好ましい実施形態によれば、接続壁は、カップ形状本体のキャビティに面する少なくとも１つの内面を備える。この内面は、縦断面で見て、カップ形状本体の側壁の傾斜方向と角度を形成する方向に傾斜している。この角度は１００度～１５０度であり、好ましくは約１３５度である。

【0013】

本発明の更に好ましい態様によれば、接続壁の突出部分は、以下の形状のうちの１つから選択される形状を有する、又は以下の形状のうちの１つ以上の組み合わせである形状を有する：
接続壁の突出部分は外側で、丸みを帯びた形状を有し、接続壁の突出部分は内側で、カップ形状本体の長手方向軸線に対して傾斜した平坦な形状を有する；かつ／又は
接続壁の突出部分は外側及び内側で、丸みを帯びた形状を有する；かつ／又は
接続壁の突出部分は外側及び内側で、カップ形状本体の長手方向軸線に対して傾斜した平坦な形状を有する；かつ／又は
接続壁の突出部分は外側及び内側で、段付き形状を有する。

【0014】

好ましくは、カップ形状本体は、８０重量％～１００重量％の範囲の割合でセルロース繊維を含むセルロースパルプで作製されており、セルロースパルプで作製された当該カップ形状本体の内面及び／又は外面に取り付けられた少なくとも１つの酸素バリアライナーを備える。

【0015】

本発明のカプセルは、使い捨てコーヒーカプセルであることが好ましいが、これに限定されない。

【0016】

本発明によれば、飲料調製デバイスにおける前述したカプセルの使用も開示される。

【0017】

本発明の文脈において、用語「セルロースパルプ」は、８０重量％～１００重量％の範囲の割合でセルロース繊維を含むパルプを指す。

【0018】

用語「セルロース繊維」は、木材及び／又は木材を含まない資源を有する繊維を指す。繊維は、非限定的な例として、硬質木材セルロース繊維、軟質木材セルロース繊維、小麦繊維、トウモロコシ繊維、バガス繊維、竹繊維、ヘンプ繊維、綿繊維、他の類似の野菜繊維若しくは植物繊維、又はこれらの組み合わせが挙げられる。

【0019】

セルロースパルプで作製されたカップ形状本体は、１つ、好ましくは複数の層からなる少なくとも１つの酸素バリアライナーに取り付けられる。

【0020】

酸素バリアライナーは、例えば、化石源若しくは非化石資源のポリマー又はＢｉｏＳｏｕｒｃｅポリマーを含む、既知の単層ポリマーライナー又は多層ポリマーライナーで作製され、カプセルのセルロースパルプのカップ形状本体の内面に取り付けられる。

【0021】

好ましい多層バリアライナーは、酸素バリア特性及び／又は水分を有するコア層を含み、このコア層は、当該バリアライナーをセルロースパルプ材料に封止するための封止層によって取り囲まれており、好ましくは、カプセルが原材料で充填された後にカプセルを閉じるために閉鎖カバーを封止するための第２の外側封止層を含む。

【0022】

酸素バリアライナーは、非限定的な例として、以下の層：
ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳＡ／ｂｉｏＰＢＳ）、ポリブチレンアジペートテレフタレート（ＰＢＡＴ）、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最外ポリマー層；
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第１のタイ層；
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー（ＢＶＯＨ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択されるポリマーを含むバリア層；
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第２のタイ層；
ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳＡ）、ポリブチレンアジペートテレフタレート（ＰＢＡＴ）、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最内ポリマー層、のうちの１つ以上を含む。

【0023】

カバーは、既知の材料で作製され、好ましくはポリマーフィルム膜である。

【0024】

カバーは、平坦であってもよく、すなわち三次元形状に形成されていなくてもよい。

【0025】

カバーは、原材料を充填した後にカップ形状本体の開口部を閉じるために、カップ形状本体の開口部の封止層上に封止される。

【0026】

カプセルのカップ形状本体は、乾燥セルロースパルプ又は湿潤セルロースパルプを、好ましくは湿潤セルロースパルプをモールド内でモールド成形することによって得られることが好ましい。

【0027】

好ましくは、カプセルのカップ形状本体がモールド成形された後、上述の「バリアライナー」が当該本体の内面及び／又は外面上に積層される。

【0028】

好ましくは、カバー及びカップ形状本体の両方のための酸素に対するバリアは、飲料原材料の性質に応じて十分な賞味期限を提供するように選択される。例えばコーヒーの場合、予想される賞味期限は１２ヶ月であり得る。

【0029】

好ましくは、カップ形状本体、その酸素バリアライナー、及び／又はカバーは、家庭で堆肥化可能な材料で作製される。本発明によるカプセルは、通常、国の規制に従って公的なリサイクル施設で計画実行されるリサイクルプロセスにおいて（例えば、紙リサイクルストリームにおいて、又は一般的な生ごみリサイクル若しくは処理ストリームにおいて）リサイクルされることが意図される。しかしながら、カプセルが自然界、家庭で堆肥化可能な廃棄物、又は埋立地に置かれる場合、当該カプセルは、自然界に天然に存在する温度及び湿度の条件下で細菌によって分解される準備が自然に整っている材料で設計される。このようにすると、そのようなカプセルは、家庭での堆肥化能力の規格によって定義された条件内では、自然に留まらず、短期間（原則として数週間）で自然に消失することが保証される。

【0030】

より正確には、家庭での堆肥化能力は、現在、国家レベルで、主に国際規格ＥＮ １３４３２に基づいて明確に定義されている。したがって、それらは、本明細書において更に詳細に定義する必要はない。これらの規格に準拠した材料又は製品は、それらの家庭での堆肥化能力を示す適合マークによって認識することができる。国家レベルでの家庭での堆肥化能力のいくつかの例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。認定者ＴＵＶ ＡＵＳＴＲＩＡ ＢＥＬＧＵＩＭは、そのような家庭での堆肥化能力の認定スキームを提供し、ＤＩＮ ＣＥＲＴＣＯは、オーストラリア規格ＡＳ ５８１０による家庭での堆肥化能力のための認定を提供する。イタリアは、周囲温度での堆肥化に関する国家規格、ＵＮＩ １１１８３：２００６を有する。２０１５年１１月に、フランス規格「ＮＦ Ｔ ５１－８００プラスチック－家庭での堆肥化に好適なプラスチックに関する仕様（Ｐｌａｓｔｉｃｓ－Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎｓ ｆｏｒ ｐｌａｓｔｉｃ ｓｕｉｔａｂｌｅ ｆｏｒ ｈｏｍｅ ｃｏｍｐｏｓｔｉｎｇ）」が導入された。この規格は、ＤＩＮ ＣＥＲＴＣＯスキームでカバーされている。

【0031】

飲料の調製は、流体物質をカプセルに収容された原材料と混合することによって得られる。好ましくは、原材料は、焙煎して挽いたコーヒー、固形状の又は非固形状の、可溶性粉末コーヒー、又は葉茶のリストから選択される。乳製品原材料（例えば、牛乳又はクリーマー）も提供することができ、チョコレート、果汁、スープ、野菜ジュース、ブイヨン、スムージー、ピュレー、クーリ、クリーム、チコリ、オオムギ、料理用補助物、スープ原材料、乳児用フォーミュラ、又はこれらの組み合わせも、粉末可溶性形態、様々な粘度を有する液体濃縮形態、又はゲル形態で提供することができる。

【0032】

最も好ましくは、飲料原材料は焙煎して挽いたコーヒーである。

【0033】

本発明のカプセルは、容器内に希釈液（例えば、熱水、冷水、周囲水）が供給されることなどによって、飲料及び／又は食品調製デバイスと典型的に相互作用し得る。そのような希釈液は、飲料原材料と混合する、又は他の方法で相互作用する。「希釈液と飲料原材料との混合」という表現により、カプセルに収容された全ての原材料が、飲料製品を得るために希釈液との一般的な混合動作（溶解、抽出、又は浸出）に適合する形態であることが意図される。

【0034】

好ましくは、カプセル本体及びカプセルのカバーによって画定されるキャビティは、本質的に無酸素であり、空の空間は、不活性ガス、例えば、窒素、酸化炭素、及びこれらの組み合わせなどで飽和されている。好ましくは、カプセルは、コーヒーに含有され、封止後にキャビティ内に放出されるガス、例えば、酸化炭素及び二酸化炭素などに起因して、大気圧を超えるガスの内圧を有する。

【0035】

飲料調製デバイスは、好ましくは、カプセルを受け入れて封入するためのカプセルホルダと、加圧された液体をカプセル内に供給するための加圧液体供給システムとを備える。このタイプのデバイスは、例えば、従来のＮｅｓｐｒｅｓｓｏ（登録商標）カプセルの抽出に通常使用されるものである。

【図面の簡単な説明】

【0036】

本発明の追加の特徴及び利点は、図面を参照して以下に記載の現在好ましい実施形態の説明において記載されており、この説明から明らかになる。

【図1】本発明によるカプセルの第１の実施形態の概略斜視図である。

【図2】図１のカプセルの概略縦断面図である。

【図3】図２の矢印Ｗで示される部分の概略拡大図である。

【図4】飲料調製デバイスのカプセル封入部材に封入されているときの図１のカプセルの概略的な部分縦断面図である。

【図4A】図４の矢印Ｗ１で示される部分の概略拡大図である。

【図5】カプセルの３つの更なる実施形態を示す、図３と同様の図である。

【図6】カプセルの３つの更なる実施形態を示す、図３と同様の図である。

【図7】カプセルの３つの更なる実施形態を示す、図３と同様の図である。

【発明を実施するための形態】

【0037】

図１、図２、及び図３には、飲料調製デバイスにおける飲料の調製のための、本発明によるカプセルの第１の実施形態が示されている。このカプセルは、カップ形状本体１と、カップ形状本体１を閉じるためのカバー２とを備える。

【0038】

カップ形状本体１は、カバー２が封止するための環状フランジ３を備える。カップ形状本体１は、セルロースパルプで作製されており、少なくとも、底壁４と、管状側壁５と、環状フランジ３とを備える。側壁５と環状フランジ３とは、カップ形状本体１の接続壁６（図３を参照）によって接続されている。

【0039】

本発明によれば、接続壁６は、カップ形状本体１の側壁５に対して外向きに突出する少なくとも１つの部分７（図３）を備える。この外向きに突出する部分７は、凸状であると定義することができる。突出部分７は、接続壁６の一部として、カプセルの側壁５及び当該環状フランジ３の両方と一体である。したがって、突出部分は、セルロースパルプで作製されている。この外向きに突出する部分７は、凸状であると定義することができる。使用時、この突出部分７は、飲料の調製中の当該封入部材９とカップ形状本体１との間の漏れ防止性を向上させるために、飲料調製デバイス１０のカプセル封入部材９の縁部８（図４に部分的に示す）と協働する。

【0040】

本発明の好ましい実施形態によれば、接続壁６の突出部分７の密度は、カップ形状本体１の側壁５の最大密度よりも低い。更に、当該突出部分７はまた、カップ形状本体１の側壁５の最大厚さＴ２よりも大きい厚さＴ１を有する。

【0041】

好ましくは、カップ形状本体１の側壁５の最大密度Ｄ１と接続壁６の突出部分７の密度Ｄ２との差は、Ｄ１の０．１％～Ｄ１の２０％である値である、すなわち、
０．１％Ｄ１≦（Ｄ１－Ｄ２）≦２０％Ｄ１であり、
より好ましくは、カップ形状本体１の側壁５の最大密度Ｄ１と接続壁６の突出部分７の密度Ｄ２との差は、Ｄ１の０.１％～Ｄ１の１０％である値であり、すなわち、
０．１％Ｄ１≦（Ｄ１－Ｄ２）≦１０％Ｄ１である。

【0042】

本発明の文脈において、用語「密度」は、材料の「体積質量密度」を指し、これは、この材料の体積単位当たりの質量である。突出部分７のセルロースパルプの低減された密度は、より高い密度を有するカップ形状本体１の側壁５の剛性及び硬度に対して、この部分７の剛性及び硬度が低減されることにつながる。

【0043】

好ましくは、接続壁６の突出部分７は、縦断面において丸みを帯びた形状を有し（図３を参照）、より好ましくは、当該突出部分７の外側輪郭は円弧である。更により好ましくは、円弧は、０．５３ｍｍ±３０％の直径を有する円弧である。

【0044】

接続壁６の突出部分７の形状及び寸法は、飲料調製デバイス１０の移動可能な封入部材９の縁部８との間のより良好かつより漸進的な相互作用、並びにより良好な封止を可能にする。

【0045】

接続壁６の突出部分７の形状、寸法、及び密度は、飲料調製中の密着性を保証する。密着性は、カップ形状本体１の側壁５に対するこの突出部分７のより低い密度及びより大きい厚さに起因して、（図４Ａに示されるように）突出部分７のセルロースパルプの局所的な圧縮及び／又は変形によって達成される。この密度の差は、一種の「ゴム効果」及び／又は突出部分７の機械的可撓性の増大を生じさせ、これは密着性を提供するのに優れている。飲料調製デバイス１０の移動可能な封入部材９が（図４及び図４Ａに示すように）カプセルの周りで閉じられ、移動可能な封入部材９の縁部８が突出部分７を押圧すると、当該突出部分７は、カップ形状本体１の側壁５に対してその密度がより低いことに起因して、撓曲及び変形することができる。加えて、突出部分７のより低い密度はまた、別の有利な技術的効果を有し得る。カプセル内に水が注入されると、突出部分７のより低い密度により、この突出部分７がいくらかの水を「吸収」して膨潤することが可能になり、したがって、その非圧縮体積が増大し、それによって、当該突出部分７と封入部材９の縁部８の内面との間の接触面も増大し、それによって、漏れ防止性が更に向上する。

【0046】

カップ形状本体１は、好ましくは回転対称である。好ましくは、管状壁５は、円形断面を有し、環状フランジ３に向かって直径が増大する円錐台形状を有する。

【0047】

好ましくは、管状側壁５は、縦断面で見たとき、カップ形状本体１の長手方向軸線Ａに対して第１の傾斜方向Ｍ１に傾斜している（図３に示される）。

【0048】

底壁４は、好ましくは、浅い凹状容積を画定するように、第１の傾斜壁４Ａ及び第２の壁４Ｂを備える。第１の傾斜壁４Ａは、好ましくは、円形断面を有し、側壁５に向かって直径が増大する円錐台形状を有する。第２の壁４Ｂは、好ましくは、（図２に示されるように）平坦である、又は凸状である（キャビティ１Ａの視点から、すなわち、キャビティ１Ａに向かって突出している）。

【0049】

接続壁６は、好ましくは、カップ形状本体１のキャビティ１Ａに面する内面６Ｂを備える。この内面６Ｂは、縦断面で見て、圧縮／変形されていないとき、側壁５の傾斜方向Ｍ１と角度Ｇを形成する方向Ｍ２（図３）に傾斜している。角度Ｇは、好ましくは１００度～１５０度であり、より好ましくは約１３５度である。接続壁６の傾斜は、接続壁が封入部材９の縁部８によって係合されるときに当該接続壁６の変形を容易にし、最終的には封止に有利に働く。

【0050】

環状フランジ３は、好ましくは平坦な壁３Ａを備える。

【0051】

図４に部分的に開示される飲料調製デバイス１０は、移動可能な封入部材９と、カプセルのカバー２を支持するための支持プレート１１とを備える。この支持プレート１１は、カプセル内に注入された液体がカプセル内に所定の圧力を生成するときに、カバー２を破り、飲料がカプセルから流出することを可能にする。

【0052】

当業者にとって通常であるように、封入部材９は、飲料調製デバイス内へのカプセルの導入を可能にする初期位置（図示せず）から、封入部材９及び支持プレート１１がカプセルをしっかりと封入する抽出位置（図４及び図４Ａに示す）へと移動可能である。この位置において、加圧された液体は、飲料調製デバイス１０の１つ以上の尖った要素１２によって形成された開口部を通してカプセル内に注入される。これらの尖った要素１２は、カップ形状本体１の底壁４を穿孔するように設計されている。飲料調製デバイス１０の動作、並びにその様々な構成要素の技術的特徴は、当業者によく知られており、したがって詳細には説明しない。

【0053】

前述したように、カップ形状本体１は、８０重量％～１００重量％の範囲の割合でセルロース繊維を含むセルロースパルプで作製される。

【0054】

用語「セルロース繊維」は、木材及び／又は木材を含まない資源を有する繊維を指す。繊維は、非限定的な例として、硬質木材セルロース繊維、軟質木材セルロース繊維、小麦繊維、トウモロコシ繊維、バガス繊維、竹繊維、ヘンプ繊維、綿繊維、他の類似の野菜繊維若しくは植物繊維、又はこれらの組み合わせが挙げられる。

【0055】

カプセルのカップ形状本体は、乾燥セルロースパルプ又は湿潤セルロースパルプを、好ましくは湿潤セルロースパルプをモールド内でモールド成形することによって得られることが好ましい。

【0056】

あるいは、カップ形状本体１は、当業者にとって通常であるように、セルロースパルプで作製されたシートから、それを変形させてモールド内にいれ、所望のカップ形状を与えることによって成形されてもよい。

【0057】

セルロースパルプで作製されたカップ形状本体は、少なくとも１つ、好ましくは複数の層からなる少なくとも１つの酸素バリアライナー１４（図３）を含む。

【0058】

好ましくは、カプセルのカップ形状本体がモールド成形された後、酸素バリアライナー１４（図３）が、セルロースパルプのカップ形状本体の内面に既知の方法で取り付けられる。例えば、酸素バリアライナー１４は、当該本体の内面及び／又は外面上に積層される。

【0059】

好ましくは、酸素バリアライナー１４は、少なくとも家庭で堆肥化可能なポリマーで作製されており、その結果、カプセル又は少なくともカップ形状本体を家庭で堆肥化可能な廃棄物に投入することが可能である。

【0060】

好ましくは、多層酸素バリアライナーは、酸素バリア特性及び／又は水分バリア特性を有するコア層を含み、このコア層は、当該バリアライナーをセルロースパルプ材料に封止するための封止層によって取り囲まれている。

【0061】

好ましい多層バリアライナーは、酸素バリア特性及び／又は水分バリア特性を有するコア層を含み、このコア層は、当該バリアライナーをセルロースパルプ上に封止するための封止層によって取り囲まれている。

【0062】

好ましくは、バリアライナー１４は、少なくとも飲料物質を収容するためのキャビティ１Ａ全体を画定するように、カップ形状本体１の全ての内面に設けられる。

【0063】

酸素バリアライナー１４は、例えば、化石資源若しくは非化石資源のポリマー又はＢｉｏＳｏｕｒｃｅポリマーを含む、既知の単層ポリマーライナー又は多層ポリマーライナーから作製され、カプセルのセルロースパルプのカップ形状本体の内面に取り付けられる。

【0064】

酸素バリアライナーは、非限定的な例として、以下の層：
ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳＡ／ｂｉｏＰＢＳ）、ポリブチレンアジペートテレフタレート（ＰＢＡＴ）、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最外ポリマー層；
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第１のタイ層；
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー（ＢＶＯＨ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択されるポリマーを含むバリア層；
生分解性の変性ポリオレフィン又は官能化ポリオレフィンを含む第２のタイ層；
ポリブチレンサクシネート（ＰＢＳＡ）、ポリブチレンアジペートテレフタレート（ＰＢＡＴ）、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリヒドロキシアルカノエート（ＰＨＡ）、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最内ポリマー層、のうちの１つ以上を含む。

【0065】

好ましくは、第１の最外ポリマー層は、１０～５０μｍである厚さを有し、当該層は、１０％～８００％である破断点伸び、２．１６ｋｇの圧力で１５０℃において１０分間測定した場合に２～４であるメルトフローレート（ＭＦＲ）を有し、当該層は、８０℃未満である融点温度を有する。

【0066】

好ましくは、第１のタイ層は、１８０℃～２３０℃である融点温度と、１～１２μｍである厚さとを有する。

【0067】

好ましくは、バリア層は、１８０℃～２３０℃である融点温度と、１～１５μｍである厚さとを有する。

【0068】

好ましくは、第２のタイ層は、１８０℃～２３０℃である融点温度と、１～１０μｍである厚さとを有する。

【0069】

好ましくは、最内ポリマー層は、１０～５０μｍである厚さを有し、当該最内層は、１０％～１０００％である破断点伸び、２．１６ｋｇの圧力で１０分間１９０℃で測定した場合に４～１０であるメルトフローレート（ＭＦＲ）を有し、当該層は、１１０℃～１８０℃である融点を有する。

【0070】

好ましくは、カップ形状本体１及びその酸素バリアライナー１４は、（例えば、上に列挙された材料のうちの１つ以上内の）家庭で堆肥化可能な材料で作製されており、その結果、この本体を家庭で堆肥化可能な廃棄物に投入することが可能である。

【0071】

カバー２は、既知の材料で作製され、好ましくはポリマーフィルム膜である。

【0072】

カバー２は、平坦であってもよく、すなわち三次元形状に形成されていなくてもよい。

【0073】

カバー２は、好ましくは酸素バリア層を備える。

【0074】

好ましくは、カバー２も、少なくとも家庭で堆肥化可能なポリマーで作製されており、その結果、カバー２、より好ましくはカップ形状本体も家庭で堆肥化可能な廃棄物に投入することが可能である。

【0075】

カバー２は、好ましくは、カップ形状本体１のキャビティ１Ａに向かって配向された封止層を備える。

【0076】

通常通り、カプセルが大気圧を超えるガスの内圧を有する場合、カバー２は、凸状の形態、すなわち、（図２に示すように）キャビティ１Ａに対して外側に突出した形態をとることができる。

【0077】

カバーは、原材料を充填した後にカップ形状本体の開口部を閉じるために、カップ形状本体の開口部の封止層上に封止される。

【0078】

好ましくは、カバー及びカップ形状本体の両方のための酸素に対するバリアは、飲料原材料の性質に応じて十分な賞味期限を提供するように選択される。例えばコーヒーの場合、予想される賞味期限は１２ヶ月であり得る。

【0079】

図５～図７はそれぞれ、本発明の第２、第３、及び第４の実施形態を示しており、カプセルは、第１の実施形態を参照して説明したものと同じ技術的特徴を有するが、異なる接続壁１０６、２０６、及び３０６を有する。

【0080】

図５では、接続壁１０６は、（縦断面で見た場合に）外側及び内側の両方で丸みを帯びており、突出部分１０７も丸みを帯びている。好ましくは、突出部分１０７の外側輪郭は、円弧である。好ましくは、円弧は、０．５３ｍｍ±３０％の直径を有する円弧である。

【0081】

図６では、接続壁２０６及び突出部分２０７は、斜面の形態を有し、縦断面で見たときに、側壁５の傾斜方向Ｍ１と角度Ｇ１を形成する方向Ｍ３に傾斜している。角度Ｇ１は、好ましくは１００度～１５０度であり、より好ましくは約１３５度である。

【0082】

図７では、接続壁３０６は段の形態を有し、突出部分３０７は、環状フランジ３に実質的に平行な第１の壁部分３１５と、縦断面で見て、側壁５の傾斜方向Ｍ１と角度を形成する方向Ｍ４に傾斜している第２の壁部分３２０とを備える。当該角度は、好ましくは１００度～１５０度であり、より好ましくは約１３５度である。

【0083】

第２、第３、及び第４の実施形態の突出部分１０７、２０７、及び３０７の密度は、カップ形状本体１の側壁５の密度と同じであってもよく、又はこの側壁５の最大密度未満であってもよい。

【0084】

突出部分１０７、２０７、及び３０７の最大厚さＴ３、Ｔ４、Ｔ５は、側壁５の最大厚さＴ２と等しくてもよく、又はそれよりも大きくてもよい。

【0085】

接続壁１０６、２０６、及び３０６の突出部分１０７、２０７、及び３０７の形状及び寸法は、移動可能な封入部材９の縁部８との間のより良好かつ漸進的な相互作用と、より良好な封止とを可能にする。

【0086】

突出部分１０７、２０７、及び３０７の形状、寸法、及び密度は、飲料調製中の密着性を保証する。密着性は、突出部分１０７、２０７、及び３０７のセルロースパルプの局所的な圧縮及び／又は変形によって達成される。

【0087】

前述したように、完全なカプセルは生分解性であり、最も好ましくは堆肥化可能である。

【0088】

本明細書で述べるカプセルの現在の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかとなる点を理解されたい。そのような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施することができる。例えば、接続壁は、前述の実施形態の接続壁のうちの２つ以上の形状の組み合わせである形状を有してもよい。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図4A】

【図5】

【図6】

【図7】

【手続補正書】

【提出日】2024-07-25

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

飲料調製デバイス（１０）における飲料の調製のためのカプセルであって、
カップ形状本体（１）と、前記カップ形状本体（１）を閉じるためのカバー（２）とを備え、
前記カップ形状本体（１）は、セルロースパルプで作製されており、底壁（４）と、管状側壁（５）と、前記カバー（２）が封止するための環状フランジ（３）とを備え、
前記側壁（５）と前記環状フランジ（３）とは、前記カップ形状本体（１）の接続壁（６；１０６；２０６；３０６）によって接続されている、カプセルにおいて、
前記接続壁（６；１０６；２０６；３０６）が、前記側壁（５）に対して外向きに突出する少なくとも１つの部分（７；１０７；２０７；３０７）を備え、
前記少なくとも１つの突出部分（７；１０７；２０７；３０７）が、前記飲料の調製中の漏れ防止性を向上させるために、前記飲料調製デバイス（１０）のカプセル封入部材（９）の縁部（８）と協働する、
ことを特徴とする、カプセル。

【請求項2】

前記突出部分（７；１０７；２０７；３０７）が、前記カプセルの前記側壁（５）及び前記環状フランジ（３）の両方と一体であり、セルロースパルプで作製されている、ことを特徴とする、請求項１に記載のカプセル。

【請求項3】

前記接続壁（６；１０６；２０６；３０６）の前記少なくとも１つの突出部分（７；１０７；２０７；３０７）の密度が、前記側壁（５）の最大密度よりも低い、ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項4】

前記少なくとも１つの突出部分が、前記側壁（５）の最大厚さ（Ｔ２）よりも大きい厚さ（Ｔ１；Ｔ３；Ｔ４；Ｔ５）を有する、ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項5】

前記接続壁（６；１０６）の前記少なくとも１つの突出部分（７；１０７）が丸みを帯びた形状を有し、好ましくは、前記突出部分（７；１０７）の外側輪郭が、外向きに突出する円弧である、ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項6】

前記カップ形状本体（１）の前記側壁（５）の最大密度Ｄ１と前記接続壁（６）の前記突出部分（７）の密度Ｄ２との差が、Ｄ１の０．１％～Ｄ１の２０％である値であり、すなわち、
１％Ｄ１≦（Ｄ１－Ｄ２）≦２０％Ｄ１であり、
より好ましくは、前記差が、Ｄ１の０．１％～Ｄ１の１０％である値であり、すなわち、
０．１％Ｄ１≦（Ｄ１－Ｄ２）≦１０％Ｄ１である、
ことを特徴とする、請求項３に記載のカプセル。

【請求項7】

前記接続壁（６、２０６、３０６）が、前記カップ形状本体（１）のキャビティ（１Ａ）に面する少なくとも１つの内面（６Ｂ）を備え、前記内面（６Ｂ）が、縦断面で見て、前記カップ形状本体（１）の前記側壁（５）の傾斜方向と角度（Ｇ；Ｇ１）を形成する方向（Ｍ２、Ｍ３、Ｍ４）に傾斜しており、前記角度（Ｇ；Ｇ１）が、１００度～１５０度であり、好ましくは約１３５度である、ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項8】

少なくとも、前記接続壁（６；１０６）の前記突出部分（７；１０７）が、以下の形状のうちの１つから選択される形状を有する、又は以下の形状のうちの１つ以上の組み合わせである形状を有する：
前記突出部分（７；１０７）は外側で、丸みを帯びた形状を有し、前記突出部分（７；１０７）は内側で、前記カップ形状本体（１）の長手方向軸線（Ａ）に対して傾斜した平坦な形状を有する；かつ／又は
前記突出部分（７；１０７）は外側及び内側で、丸みを帯びた形状を有する、かつ／又は
前記突出部分（７；１０７）は外側及び内側で、前記カップ形状本体（１）の長手方向軸線（Ａ）に対して傾斜した平坦な形状を有する；かつ／又は
前記突出部分（７；１０７）は外側及び内側で、段付き形状を有する、
ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項9】

前記カップ形状本体（１）が、８０重量％～１００重量％の範囲の割合でセルロース繊維を含むセルロースパルプで作製されており、セルロースパルプで作製された前記カップ形状本体の内面及び／又は外面に取り付けられた少なくとも１つの酸素バリアライナー（１４）を備え、前記酸素バリアライナーが、少なくとも家庭で堆肥化可能なポリマーで作製されており、好ましくは、前記カバー（２）も家庭で堆肥化可能な材料で作製されている、ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項10】

前記カプセルが使い捨てコーヒーカプセルである、ことを特徴とする、請求項１又は２に記載のカプセル。

【請求項11】

飲料調製デバイス（１０）における請求項１又は２に記載のカプセルの使用。

【国際調査報告】