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  • 特表-遠隔製造システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】遠隔製造システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 3/00 20060101AFI20241010BHJP
   B23K 9/10 20060101ALI20241010BHJP
   B25J 13/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B25J3/00 A
B23K9/10 A
B25J13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520834
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022044522
(87)【国際公開番号】W WO2023059453
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】17/496,948
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518366566
【氏名又は名称】エディソン ウェルディング インスティテュート、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ライヒェルト ラモルテ、コンスタンス、ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ブロムキスト、ポール、エー.
【テーマコード(参考)】
3C707
4E082
【Fターム(参考)】
3C707AS11
3C707BS10
3C707BS12
3C707JS01
3C707JT05
3C707JT10
3C707JU02
3C707JU12
3C707KS33
3C707KT03
3C707KT06
3C707LT06
3C707LU08
3C707LV04
3C707LV05
4E082EA04
(57)【要約】
【要約】遠隔製造システムは、製造工程に使用される装置を含む製造環境と、前記製造装置に近接して前記製造環境内に配置された複数のセンサーであって、各センサーは、前記製造環境からデータを収集するように構成されている、複数のセンサーと、前記センサーからデータを受信し、前記データを1若しくはそれ以上の3次元デジタルマップまたは点群に変換するために、前記センサーと通信する少なくとも1つのデジタイザーと、前記少なくとも1つのデジタイザーと通信する少なくとも1つのプロセッサーであって、当該プロセッサーは、前記デジタルマップまたは点群を受信して分析するためのソフトウェアを含む、少なくとも1つのプロセッサーと、前記プロセッサーと通信する少なくとも1つの手動制御装置であって、当該手動制御装置は、ユーザーから動作入力を受信し、前記プロセッサー上の前記ソフトウェアは、動作入力を、前記プロセッサーによって前記製造装置に送信される対応する動作コマンドに数学的に変換し、少なくとも1つの制御装置から物理的に遠隔にある前記製造装置は、前記製造工程中にリアルタイムで前記動作コマンドを実行する、少なくとも1つの手動制御装置と、を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工程を手動で遠隔制御するシステムであって、
(a)製造環境であって、当該製造環境は、製造工程のために使用される装置、または製造工程に関連する装置を含むものである、製造環境と、
(b)製造装置に近接して前記製造環境内に配置された少なくとも1つのセンサーであって、当該少なくとも1つのセンサーは、前記製造環境からデータを収集するように構成されている、少なくとも1つのセンサーと、
(c)センサーからデータを受信し、前記データを1若しくはそれ以上の3次元デジタルマップに変換するために複数のセンサーと通信する少なくとも1つのデジタイザーと、
(d)前記少なくとも1つのデジタイザーと通信する少なくとも1つのプロセッサーであって、当該少なくとも1つのプロセッサーは、前記少なくとも1つの3次元デジタルマップを受信して分析するためのソフトウェアを含むものである、少なくとも1つのプロセッサーと、
(e)前記プロセッサーと通信する少なくとも1つの手動制御装置であって、当該少なくとも1つの手動制御装置は、前記手動制御装置のユーザーから動作入力を受信し、前記プロセッサー上の前記ソフトウェアが、前記動作入力を前記プロセッサーによって前記製造装置に送信される対応する動作コマンドに数学的に変換し、前記少なくとも1つの制御装置から物理的に離れている前記製造装置が、前記製造工程中にリアルタイムで前記動作コマンドを実行する、少なくとも1つの手動制御装置と
を有する、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記プロセッサーが前記製造装置と通信するコンピューターネットワークを有するものである、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、前記製造装置は、溶接装置、測定装置、検査装置、遠隔組立装置、またはそれらの組み合わせを含むものである、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記製造装置は、少なくとも3自由度で動くものである、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、前記製造装置は、少なくとも6自由度で動くものである、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのセンサーは、光学センサーまたは聴覚センサーである、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、前記デジタイザーは、前記センサーから受信した前記データを点群に変換するものである、システム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムにおいて、前記プロセッサーは、コンピューターである、システム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの手動制御装置は、手持ちのスタイラス、コンピューターマウス、またはジョイスティックである、システム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの手動制御装置は、少なくとも3自由度で動くものである、システム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの手動制御装置は、少なくとも6自由度で動くものである、システム。
【請求項12】
請求項1記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの手動制御装置は、前記制御装置の前記ユーザーに触覚フィードバックを提供するように構成される、システム。
【請求項13】
製造工程を手動で遠隔制御するシステムであって、
(a)製造環境であって、当該製造環境は、製造工程のために使用される装置、または製造工程に関連する装置を含み、当該製造環境は、少なくとも6自由度で動くものである、製造環境と、
(b)製造装置に近接して前記製造環境内に配置された少なくとも1つのセンサーであって、当該少なくとも1つのセンサーは、前記製造環境からデータを収集するように構成されている、少なくとも1つのセンサーと、
(c)センサーからデータを受信し、前記データを1若しくはそれ以上の3次元デジタルマップに変換するために複数のセンサーと通信する少なくとも1つのデジタイザーと、
(d)前記少なくとも1つのデジタイザーと通信する少なくとも1つのプロセッサーであって、当該少なくとも1つのプロセッサーは、前記少なくとも1つの3次元デジタルマップを受信して分析するためのソフトウェアを含むものである、少なくとも1つのプロセッサーと、
(e)前記プロセッサーと通信する少なくとも1つの手動制御装置であって、当該少なくとも1つの手動制御装置は、少なとも6自由度で動き、当該少なくとも1つの手動制御装置は、前記手動制御装置のユーザーから動作入力を受信し、前記プロセッサー上の前記ソフトウェアが、前記動作入力を前記プロセッサーによって前記製造装置に送信される対応する動作コマンドに数学的に変換し、前記少なくとも1つの制御装置から物理的に離れている前記製造装置が、前記製造工程中にリアルタイムで前記動作コマンドを実行する、少なくとも1つの手動制御装置と
を有する、システム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、さらに、
前記プロセッサーが前記製造装置と通信するコンピューターネットワークを有するものである、システム。
【請求項15】
請求項13記載のシステムにおいて、前記製造装置は、溶接装置、測定装置、検査装置、遠隔組立装置、またはそれらの組み合わせを含むものである、システム。
【請求項16】
請求項13記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つのセンサーは、光学センサーまたは聴覚センサーである、システム。
【請求項17】
請求項13記載のシステムにおいて、前記デジタイザーは、前記センサーから受信した前記データを点群に変換するものである、システム。
【請求項18】
請求項13記載のシステムにおいて、前記プロセッサーは、コンピューターである、システム。
【請求項19】
請求項13記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの手動制御装置は、手持ちのスタイラス、コンピューターマウス、またはジョイスティックである、システム。
【請求項20】
請求項13記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの手動制御装置は、前記制御装置の前記ユーザーに触覚フィードバックを提供するように構成される、システム。
【請求項21】
製造工程を手動で遠隔制御する方法であって、
(a)製造工程で使用される、または製造工程に関連する装置を製造環境に設置する工程と、
(b)製造装置に近接して前記製造環境内に配置された少なくとも1つのセンサーを配置する工程であって、前記少なくとも1つのセンサーは、前記製造環境からデータを収集するように構成される、配置する工程と、
(c)センサーからデータを受信し、前記データを1若しくはそれ以上の3次元デジタルマップに変換するために少なくとも1つのデジタイザーを複数のセンサーに接続する工程と、
(d)前記少なくとも1つのデジタイザーに少なくとも1つのプロセッサーを接続する工程であって、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記少なくとも1つの3次元デジタルマップを受信して分析するためのソフトウェアを含むものである、接続する工程と、
(e)少なくとも1つの手動制御装置を前記プロセッサーに接続する工程であって、前記少なくとも1つの手動制御装置は、前記手動制御装置のユーザーから動作入力を受信し、前記プロセッサー上の前記ソフトウェアが、前記動作入力を前記プロセッサーによって前記製造装置に送信される対応する動作コマンドに数学的に変換し、前記少なくとも1つの制御装置から物理的に離れている前記製造装置が、前記製造工程中にリアルタイムで前記動作コマンドを実行する、接続する工程と
を有する、方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、さらに、
前記プロセッサーが前記製造装置と通信するコンピューターネットワークを有するものである、方法。
【請求項23】
請求項21記載の方法において、前記製造装置は、溶接装置、測定装置、検査装置、遠隔組立装置、またはそれらの組み合わせを含むものである、方法。
【請求項24】
請求項21記載の方法において、前記製造装置は、少なくとも3自由度で動くものである、方法。
【請求項25】
請求項21記載の方法において、前記製造装置は、少なくとも6自由度で動くものである、方法。
【請求項26】
請求項21記載の方法において、前記複数のセンサーのうちの前記センサーは、光学センサー、聴覚センサーまたはその組み合わせである、方法。
【請求項27】
請求項21記載の方法において、前記デジタイザーは、前記センサーから受信した前記データを点群に変換するものである、方法。
【請求項28】
請求項21記載の方法において、前記プロセッサーは、コンピューターである、方法。
【請求項29】
請求項21記載の方法において、前記少なくとも1つの手動制御装置は、手持ちのスタイラス、コンピューターマウス、またはジョイスティックである、方法。
【請求項30】
請求項21記載の方法において、前記少なくとも1つの手動制御装置は、少なくとも3自由度で動くものである、方法。
【請求項31】
請求項21記載の方法において、前記少なくとも1つの手動制御装置は、少なくとも6自由度で動くものである、方法。
【請求項32】
請求項21記載の方法において、前記少なくとも1つの手動制御装置は、前記制御装置の前記ユーザーに触覚フィードバックを提供するように構成される、方法。
【請求項33】
請求項21記載の方法において、前記製造装置で実行される前記動作コマンドは、溶接の進行方向、溶接の進行速度、溶接のウィーブ幅、溶接のウィーブ速度、溶接部の面に対するウィーブの方向、トーチの進行角度、トーチのワーク角度、およびトーチ先端のロールが含まれるものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される発明的主題は、工業用製造および加工システムおよび方法に関し、より具体的には、「遠隔製造」または「遠隔溶接」システムとも呼ばれる、遠隔地から操作される製造または溶接システムに関する。
【0002】
溶接業界は現在、熟練溶接工の減少、伝統的に「手作業」と見なされる職種への就職希望者の不足、経験豊富な溶接工の確保と維持を困難にする溶接やその他の高温作業に関連する危険と制限の増加など、さまざまな要因に直面している。さらに、製造工程における重量とスペースを最適化しようとする業界内の努力の結果、基本的に人が立ち入ることのできない製造設備が建設されている。したがって、身体的制限、年齢、または上記のようなその他の障害に関係なく、資格のある溶接工が労働力に参入し、労働力にとどまることができる溶接システム、工程、および方法が、継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
以下は、開示された発明的主題の特定の実施例の概要を提供する。この要約は、広範な概要ではなく、開示された発明的主題の重要なまたは重要な側面または要素を特定すること、またはその範囲を画定することを意図するものではない。しかしながら、開示された発明的主題を記載し請求するために使用される言語における不定冠詞の使用は、記載された発明的主題を限定することを何ら意図していないことを理解されたい。むしろ、「a」または「an」の使用は、「少なくとも1つ」または「1若しくはそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【0004】
開示される技術の1つの実施態様は、製造環境であって、当該製造環境は、製造工程のために使用される装置、または製造工程に関連する装置を含む、製造環境と、前記製造環境内で前記製造装置に近接して配置された少なくとも1つのセンサーであって、当該少なくとも1つのセンサーは、前記製造環境からデータを収集するように構成されている、少なくとも1つのセンサーと、センサーからデータを受信し、前記データを1若しくはそれ以上の3次元デジタルマップに変換するために、複数のセンサーと通信する少なくとも1つのデジタイザーと、前記少なくとも1つのデジタイザーと通信する少なくとも1つのプロセッサーであって、当該少なくとも1つのプロセッサーは、前記少なくとも1つの3次元デジタルマップを受信して分析するためのソフトウェアを含む、少なくとも1つのプロセッサーと、前記プロセッサーと通信する少なくとも1つの手動制御装置であって、当該少なくとも1つの手動制御装置は、前記手動制御装置のユーザーから動作入力を受信し、前記プロセッサー上の前記ソフトウェアは、前記動作入力を、前記プロセッサーによって前記製造装置に送信される対応する動作コマンドに数学的に変換し、前記少なくとも1つの制御装置から物理的に遠隔にある前記製造装置は、前記製造工程中にリアルタイムで前記動作コマンドを実行する、前記少なくとも1つの手動制御装置と、を有する、製造工程を手動で遠隔制御するための第1のシステムを提供する。
【0005】
前記システムは、さらに、前記プロセッサーが前記製造装置と通信するコンピューターネットワークを有してもよい。前記製造装置は、溶接装置、測定装置、検査装置、遠隔組立装置、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。前記製造装置は、少なくとも3自由度または少なくとも6自由度で動くことができる。前記少なくとも1つのセンサーは、光学センサーまたは聴覚センサーであってもよい。前記デジタイザーは、前記センサーから受信した前記データを点群に変換する。前記プロセッサーは、コンピューターであってもよい。前記少なくとも1つの手動制御装置は、手持ちのスタイラス、コンピューターマウス、またはジョイスティックであってもよい。前記少なくとも1つの手動制御装置は、少なくとも3自由度または少なくとも6自由度で動くことができる。前記少なくとも1つの手動制御装置は、当該制御装置のユーザーに触覚フィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0006】
開示される技術の別の実施態様は、製造環境であって、当該製造環境は、製造工程のために使用されるかまたは製造工程に関連する装置を含み、前記製造装置は、少なくとも3自由度または少なくとも6自由度で動くものである、製造環境と、前記製造装置に近接して前記製造環境内に配置された少なくとも1つのセンサーであって、当該少なくとも1つのセンサーは、前記製造環境からデータを収集するように構成された、少なくとも1つのセンサーと。センサーからデータを受信し、前記データを1若しくはそれ以上の3次元デジタルマップに変換するために、前記複数のセンサーと通信する少なくとも1つのデジタイザーと、少前記なくとも1つのデジタイザーと通信する少なくとも1つのプロセッサーであって、当該少なくとも1つのプロセッサーは、前記少なくとも1つの3次元デジタルマップを受信し分析するためのソフトウェアを含むものである、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサと通信する少なくとも1つの手動制御装置であって、当該手動制御装置は、少なくとも3自由度または少なくとも6自由度で動き、前記少なくとも1つの手動制御装置は、前記手動制御装置のユーザーから動作入力を受信し、前記プロセッサー上の前記ソフトウェアは、前記動作入力を、前記プロセッサーによって前記製造装置に送信される対応する動作コマンドに数学的に変換し、前記少なくとも1つの制御装置から物理的に離れた前記製造装置は、前記製造工程中にリアルタイムで前記動作コマンドを実行する、少なくとも1つの手動制御装置と、を有する製造工程を遠隔から手動で制御するための第2のシステムを提供する。
【0007】
前記システムは、さらに、前記プロセッサーが前記製造装置と通信するコンピュータネットワークを有してもよい。前記製造装置は、溶接装置、測定装置、検査装置、遠隔組立装置、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。前記少なくとも1つのセンサーは、光学センサーまたは聴覚センサーであってもよい。前記デジタイザーは、前記センサーから受信した前記データを点群に変換する。前記プロセッサーは、コンピューターであってもよい。前記少なくとも1つの手動制御装置は、手持ちのスタイラス、コンピューターマウス、またはジョイスティックであってもよい。前記少なくとも1つの手動制御装置は、当該制御装置のユーザーに触覚フィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0008】
開示された技術のさらに別の実施態様は、製造工程に使用されるまたは製造工程に関連する装置を製造環境に設置する工程と、前記製造装置に近接して前記製造環境内に配置された少なくとも1つのセンサーを配置する工程であって、前記少なくとも1つのセンサーは、前記製造環境からデータを収集するように構成される、配置する工程と、センサーからデータを受信し、前記データを1若しくはそれ以上の3次元デジタルマップに変換するために少なくとも1つのデジタイザーを前記複数のセンサーに接続する工程と、前記少なくとも1つのデジタイザーに少なくとも1つのプロセッサーを接続する工程であって、前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記少なくとも1つの3次元デジタルマップを受信し分析するためのソフトウェアを含む、接続する工程と、前記プロセッサに少なくとも1つの手動制御装置を接続する工程であって、前記少なくとも1つの手動制御装置は、当該手動制御装置のユーザーから動作入力を受信し、前記プロセッサー上のソフトウェアが、前記動作入力を、前記プロセッサーによって前記製造装置に送信される対応する動作コマンドに数学的に変換し、前記少なくとも1つの制御装置から物理的に遠隔にある前記製造装置が、前記製造工程中にリアルタイムで前記動作コマンドを実行するものである、接続する工程と、を有する、製造工程を遠隔から手動で制御する方法を提供する。
【0009】
前記方法は、さらに、前記プロセッサーが前記製造装置と通信するコンピュータネットワークを提供する工程を有してもよい。前記製造装置は、溶接装置、測定装置、検査装置、遠隔組立装置、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。前記製造装置は、少なくとも3自由度または少なくとも6自由度で動くことができる。前記少なくとも1つのセンサーは、光学センサーまたは聴覚センサーであってもよい。前記デジタイザーは、センサーから受信した前記データを点群に変換する。前記プロセッサーは、コンピューターであってもよい。前記少なくとも1つの手動制御装置は、手持ちのスタイラス、コンピューターマウス、またはジョイスティックであってもよい。前記少なくとも1つの手動制御装置は、少なくとも3自由度または少なくとも6自由度で動くことができる。前記少なくとも1つの手動制御装置は、当該制御装置のユーザーに触覚フィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0010】
前述の概念および以下にさらに詳細に説明する追加概念(ただし、そのような概念が相互に矛盾しないことを条件とする)のすべての組み合わせが、本明細書に開示される発明的主題の一部であると企図され、本明細書に記載されるような利点を達成するために実施され得ることが理解されるべきである。開示されたシステム、装置、および方法の追加の特徴および態様は、例示的な実施例に関する以下の詳細な説明を読み、理解することにより、当業者には明らかになるであろう。当業者には理解されるように、本明細書に開示されるものの範囲および精神から逸脱することなく、さらなる実施態様が可能である。従って、図面および関連する説明は、例示的なものであり、本質的に制限的なものではないとみなされる。
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、開示された発明的主題の1つまたは複数の例示的な実施態様を概略的に示しており、上に与えられた一般的な説明および以下に与えられる詳細な説明とともに、開示された主題の原理を説明するのに役立ち、ここで、開示された主題の原理は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、開示された遠隔溶接システムの実施例のブロック図であり、前記システムの基本的な構成要素を示している。
図2図2は、前記開示された遠隔溶接システムの実施例を使用するための例示的な方法のフローチャートである。
【0013】
次に、実施例を図を参照して説明する。参照数字は、様々な要素および構造を参照するために詳細な説明を通して使用される。以下の詳細な説明は、説明の目的のために多くの具体的な内容を含むが、当業者であれば、以下の詳細に対する多くの変形および変更が、開示された発明的主題の範囲内であることを理解するであろう。従って、以下の実施態様は、特許請求される主題に対する一般性を損なうことなく、また、特許請求される主題に限定を課すことなく、記載される。
【0014】
開示された技術には、実際に製造が行われている場所から物理的に離れた1若しくはそれ以上の場所からの装置操作を可能にする遠隔製造システムおよび方法が含まれる。「遠隔操作」という用語は、一般的に、離れた場所からのシステムまたは機械の操作を指し、「遠隔制御」という用語とやや似た意味を持つが、この用語は通常、研究、学術、および技術的な文脈で使用される。遠隔操作は、ロボット工学および移動ロボットと最も一般的に関連しているが、装置または機械を離れた場所から人が操作する状況全般に適用することができる。開示された技術のある実施態様では、作業員が装置を完全に制御しながら、遠隔地から溶接装置を操作することを可能にするシステムが提供される。このシステムにより、溶接の専門家は、様々な製造技術や製造工程に触れることができ、自信を得ることができる。また、遠隔操作製造技術の応用において、どんな人でも、どんな場所でも、製造に積極的に参加できるようにすることで、将来の取り組みを方向付けるために使用することができる。開示された技術の様々な代替実装には、測定装置、検査装置、遠隔組立装置、またはそれらの組み合わせが含まれる。遠隔組立装置には、エンドエフェクタや、遠隔ユーザーが操作可能な他の機械装置を含めることができる。
【0015】
開示された遠隔溶接システムは、溶接アーク・オン、溶接アーク・オフ、溶接移動速度、および溶接トーチの角度と動作を制御することによって、個人が遠隔地から溶接工程を指示することを可能にし、それによって、直視または聴覚の範囲にない部品の溶接に関して、個人が様々な決定を下すことを可能にする。遠隔溶接がリモート溶接と異なるのは、遠隔地にある溶接機械(ロボット、マニピュレーター、機械化、自動化など)が独立したプログラムや動作計画を実行していない点である。機械から離れた場所にいる人が前記溶接機械を制御し、手持ちのスタイラス装置または同様の装置を使用して機械を動かす決定を下す。
【0016】
開示されたシステムは、仮想現実(VR)とは異なり、前記手持ちのスタイラスは、様々な回転自由度を有する実際の物理的な装置であり、クエリ時に各軸から符号化された位置情報を提供し、前記手持ちの装置の動きを様々な回転自由度を有するライブ多関節機械(ロボット)上の動きに変換する。開示されたシステムは、オフラインのプランニング制御システムとは異なり、モーション制御がリアルタイムで行われ、ユーザーの前記手持ちのスタイラスの動きと遠隔地の機械で生成される動きとの間に、わずか数秒の遅延または待ち時間しか生じない。開示された制御システムと従来のマスターフォロア制御システムとの違いは、前記スタイラス上の運動の自由度が前記ロボット上の同じ自由度の運動結果を生成しないこと、すなわち、前記ロボットと手持ちのスタイラスの運動出力が同一でないことである。さらに、前記手持ちのスタイラス装置(または他のタイプの制御装置)に存在する自由度の数は、前記ロボットの自由度の数と必ずしも一致しない。開示された技術のいくつかの実施例では、前記制御装置は3自由度を含み、前記ロボットは3自由度を含む。他の実施例では、前記制御装置は6自由度を含み、前記ロボットは6自由度を含む。他の実施例では、前記制御装置は3つ以上の自由度を含み、前記ロボットは6つ未満の自由度を含む。自由度の多数の組み合わせが可能である。前記制御装置上に存在する最後の3つの自由度は、前記制御装置上に存在する最初の3つの自由度に必ずしも影響しない。従って、前記ロボットは、3つの自由度しか含まなくても、開示されたシステムに従って製造目的のために有効である。
【0017】
スタイラス(制御装置)と多関節機械(ロボット)の両方が6自由度を含む実装における、ローカルマニピュレーター(例えば、スタイラス)とリモート機械(例えば、ロボット)の動きに関して、前記ロボットの6自由度には、前記多関節ロボットの6つの協調軸で生成されるX、Y、Z、ロール、ピッチ、ヨー(Rx、Ry、Rz)方向の動きが含まれる。前記スタイラス装置の前記6自由度には、X、Y、Z方向の動きと、追加の3自由度を提供する3つのジンバル軸が含まれる。前記スタイラスと前記リモート機械の物理的サイズは互いに異なり、前記スタイラス上の軸の接続構成は前記リモート機械上の軸の構成とは異なる。開示されたシステムは、数学的変換を使用して、前記手持ちのスタイラスの前記6自由度を、溶接中に溶接トーチを動かす際に手動溶接機が行う典型的な動作(例えば、ウィービング)を表す前記リモート多関節機械の動作に変換する。前記遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、2つの多関節動作システム間の変換を完了し、前記リモート機械に所望の変換動作を生成するように命令する。
【0018】
前記スタイラス(制御装置)とリモートロボットの両方が6自由度を含む開示されたシステムの実装は、実際の人間の溶接工の物理的な動きまたは動作を再現またはよく近似した溶接工の動作を生成する。これらの「溶接機の動作」には、溶接の進行方向、溶接の進行速度、溶接のウィーブ幅、溶接のウィーブ速度、溶接部の面に対するウィーブの方向(または接合部に垂直なワイヤーの位置)、トーチの進行角度、トーチのワーク角度、およびトーチ先端のロール(ワイヤーまたはTCP(ツール・センター・ポイント)に関して)が含まれる。
【0019】
図1は、開示された遠隔溶接システムの基本構成要素を示す実施例のブロック図である。図1を参照すると、例示的な遠隔溶接システムは、以下の構成要素を含み、これらの構成要素を一緒に使用すると、手持ちのスタイラス装置と直接接触しているオペレーターは、機械が前記オペレーターから物理的に離れているにもかかわらず、前記手持ちの装置の動きに基づいて、その動きに協調して手動の動きを行う溶接機械または他の機械を制御することができる。実施例には、プロセッサ100、制御ソフトウェア200、リモート機械300、手動制御装置400、センサー500、および3次元デジタイザ600が含まれる。
【0020】
プロセッサ100は、制御ハードウェアを含むコンピューターまたはコンピューター装置であってもよく、有線または無線プロトコルを使用してインターネットを介してリモート装置と通信するための全体的なプログラムを実行する。プロセッサ100は、手動制御装置400に接続されており、手動制御装置400は、手持ちのスタイラス、ジョイスティック、マウス、または少なくとも3つの回転自由度を有する他の電子装置またはコンピューター互換の運動制御装置であってもよい。プロセッサ10は、インターネットに接続され、インターネットブラウザまたは同様のプログラムを使用して、URL/ウェブページまたはデジタルメディアプレーヤ-ソフトウェアを開く。いくつかの実施態様では、他のオープンまたはクローズドコンピューターネットワークが利用される。
【0021】
制御ソフトウェア200は、プロセッサ100上で動作し、リモート機械300、手動制御装置400、およびインターネットとの間の通信を可能にする。制御ソフトウェア200は、手動制御装置400からの物理的動作を、リモート機械300に送信される動きまたは動作コマンドに変換するための所定の数学的関数を実行する。例示的な実施態様において、制御ソフトウェア200は、3次元走査センサー600(例えば、レーザ検出および測距(LIDAR)、青色、白色、またはステレオ走査センサーなど)によって提供されるデジタル化された環境データ(例えば、点群)、および数学的変換を使用して、デジタル環境を、リアルタイムで、制御装置400を保持しながらユーザーによって感じられる触覚フィードバックに変換し、それによって、実際の作業環境の物理的感覚をユーザーに提供する。制御ソフトウェア200はまた、前記ユーザーが、典型的にはロボットおよびロボット制御装置を含むリモート機械300との通信を開始または停止することを可能にする。前記ロボットおよびロボット制御装置のハードウェアは、通常、オープンソースまたは独自の通信プロトコルによって制御される。
【0022】
開示された遠隔溶接システムのために特別に開発された遠隔溶接制御ソフトウェアは、システムユーザーのコンピューター、前記リモート機械と同じ場所にあるコンピューター、または前記ロボット制御装置システム上で実行可能なアプリケーションを含む。前記ソフトウェアは、前記ユーザーがローカルに接続されたスタイラス装置と前記リモート機械と同時に操作するためのユーザーインターフェースを提供する。前記ソフトウェアは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、インターネットを使用してリモート機械に接続し、前記リモート機械を制御する。前記ソフトウェアは、前記ユーザーインターフェースによって前記ユーザーから入力を受け取り、遠隔溶接セッションまたは遠隔溶接工程を開始または終了し、工程設定またはパラメーターを設定または変更し、スタイラス装置のパラメーターを設定または変更する。システムソフトウェアは、少なくとも1つのローカルに接続された触覚スタイラス装置と通信する方法または工程を提供し、これにより前記ユーザーは前記スタイラス装置を直接操作しながら、前記スタイラスの位置を照会し、前記位置を前記リモート機械の結果として得られる動きに変換することができる。他の実施形態では、前記スタイラス装置(制御装置)に含まれるボタンまたはその他のデータ入出力機能を使用して、前記溶接アークのスタート/ストップ工程を実行する。
【0023】
制御装置400は、手持ちのスタイラス、コンピューターマウス、ジョイスティック、または任意の他の適切な装置などの手動操作装置であってよく、ユーザーの様々な手の動きを記録するために使用することができる。前記ユーザーによる制御装置400の物理的操作は、最終的に、制御ソフトウェア200によってリモート機械300の物理的動作に変換される。また、制御装置400は、リモート位置に存在する物理的環境オブジェクトまたは仮想障壁のいずれかに対応する触覚フィードバック応答を前記ユーザーに提供する。
【0024】
適切な制御装置400は、市販の触覚フィードバックシステムであるスタイラス装置であり、ソフトウェアライブラリを含み、前記遠隔溶接ソフトウェアプログラムにインポートされる。前記遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、前記スタイラスソフトウェアライブラリの機能を使用して、前記スタイラス装置に現在の軸位置を問い合わせる。前記遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、前記スタイラスソフトウェアライブラリ機能を使用して前記スタイラス装置にコマンドを送信することで、前記スタイラス装置の触覚フィードバック応答を設定する。前記スタイラス装置は、前記スタイラス装置を持つ前記ユーザーが感じる感覚応答を生成するために、前記遠隔溶接ソフトウェアプログラムから指令された設定を適用する。前記指令された設定は、サーボモーターのパワーと応答特性を変更し、異なる密度、または異なるレベルの力、質量、重力、または速度の表面に触れた感覚を生み出す。前記遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、前記リモート機械の現在位置と、前記リモート環境センサーから照会された前記環境データの分析に基づいて、応答のタイプの設定を決定する。
【0025】
前記リモート機械で実行される前記結果として得られる動作は、溶接位置に対して行われる。1G、2Gまたは3Gの典型的な開先溶接のための米国溶接協会(AWS)溶接継手位置は、前記遠隔溶接システムで溶接を開始する前にユーザーによって選択される。あるいは、現在の溶接位置と継手タイプを決定できる前記環境センサーデータによって、すべての溶接位置を自動的に決定することもできる。前記溶接継手のタイプは、前記遠隔溶接ソフトウェアプログラムにより、前記スタイラス動作の並進と回転を前記リモート機械の結果前記結果として得られる動作に変換するために必要なパラメーターと、前記溶接継手の前記溶接位置を決定するために使用される変数である。
【0026】
センサー500は、カメラ、マイクロフォン、デジタイザー、および他のタイプの感知デバイスを含むことができ、リモート機械300および発生している製造工程を包含する実際の作業環境内の物理的物体の変位を決定するための光学システム、装置、および方法を使用することができる。センサー500はまた、リモート機械300および発生している前記製造工程を包含する実際の作業環境内の音を捕捉するための聴覚システム、装置、および方法を使用することができる。センサー500および600は、プロセッサー100に送信され、プロセッサー100に保存されるデジタル化された環境データ(例えば、点群)を収集するために使用される。前記デジタル環境データは、次に、前記作業環境における物理的物体の存在、または物理的物体もしくは仮想バリアへの接近を示すために、いつ、どのように、どのようなタイプの身体感覚応答を前記手持ちの装置に適用するかを決定するために使用される。溶接工程に関しては、(1)適切なラインアップと溶接の配置を支援するために、安価なデジタルカメラを使用することができる(2)リアルタイムの溶接水溜りビューを提供するために、特殊なアーク溶接工程カメラを使用することができる(3)経験豊富な溶接士が許容可能な溶接を遠隔で行うことができるように、アーク音を追加するためにマイクを使用することができる(4)低遅延のリアルタイム工程データを提供するために、ライブストリーミングカメラ映像と音声を使用することができる。
【0027】
前記三次元デジタイザ600は、センサー自身に対する物体の変位を測定するセンサー500と協働し、製造工程が発生している物理的環境のデジタル化された地形表現を提供する。例えば、赤外線(IR)、レーザー検出および測距(LIDAR)、青色、白色、またはレーザー振動計スキャンシステムなどの光学ベースの工程を使用して、リモート製造環境の点群または三次元デジタルマップを作成することができる。スキャンおよびデジタル化は、前記製造工程の前に完了することも、製造工程が発生しているときにリアルタイムで完了することもできる。溶接工程に関しては、前記製造環境をスキャンしてデジタル化することができる:(1)スキャンされた領域に対する触覚的反応を可能にするために、溶接接合部の形状をシステムに送信する。(2)溶接経路における今後の接合部の変動または障害物をユーザーに警告する。(3)ロボットおよびリモートマニピュレーターを同じ基準平面および視野に位置合わせするために、溶接接合部の位置をシステムに送信する。
【0028】
開示された遠隔溶接システムは、前記リモート環境の映像と音声のリアルタイムフィードバックをローカルシステムユーザーに提供する。映像、音声または他のセンサーデータは、市販のエンコーディングハードウェアサーバーまたはプロセッサー上で動作するエンコーディングソフトウェアプログラムを使用してエンコードされる。市販のソフトウェアを使用するサーバーまたはプロセッサーは、URLまたはウェブアドレスを通じて、インターネットまたはLANにエンコードされた映像および音声またはその他のデータストリームを公開する。前記公開されたライブストリームは、低遅延プロトコルを使用して、インターネット上またはローカルエリアネットワーク(LAN)上の装置に情報をストリーミングする。ユーザーは、前記プロセッサー(例えば、パーソナルコンピューター)と、ユーザーのパーソナルコンピューター上で音声または映像ストリームを読み込んで再生できる市販のメディアプレーヤーアプリケーションを使用して、インターネットまたはLAN経由でライブストリーム映像にアクセスできる。
【0029】
図2は、開示された遠隔溶接システムの実施例を使用するための例示的な方法または工程のフローチャートを提供する。図2において、方法は工程1000から始まり、溶接環境から離れたローカルシステムユーザーが、工程1002で、プロセッサー上のローカル遠隔溶接ソフトウェアプログラムを開始し、ローカル遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、工程1004でイントラネット接続を使用してリモート溶接ロボットに接続し、工程10006で、前記溶接ロボットに接続されたリモート環境センサーが前記溶接ロボットにデータを送信し、工程1008で、リモートカメラとマイクが映像と音声データをイントラネットにストリーミングし、工程1010で、前記ローカルプロセッサーがライブストリーミングメディアソフトウェアプログラムまたはウェブブラウザに接続し、前記ローカル遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、工程1012で、前記ローカルプロセッサーに接続されたローカル手動制御装置に接続し、前記ローカルシステムユーザーは、工程1014で、前記カメラからのリアルタイムの映像データを閲覧し、前記リモート溶接環境からライブストリーミングされるマイクからのリアルタイムの音声データを聴取し、前記ローカル遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、工程1016で前記溶接ロボットと環境センサーから情報を受信し、前記ローカル遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、工程1018で前記環境センサーのデータに基づいて前記手動制御装置の触覚フィードバック応答を更新し、前記ローカルシステムユーザーは、工程1020で前記手動制御装置を操作し、前記ローカル遠隔溶接ソフトウェアプログラムは、工程1022で前記手動制御装置の動作と速度を前記溶接ロボットの動作経路に変換し、前記溶接ロボットは、工程1024で、前記溶接ロボットの運動経路の動きを実行し、前記ローカルシステムユーザーのコマンド(溶接パラメータと機能、運動、速度)に応答し、前記システムは、工程1026でプロセスをやめる(終了)かどうかを決定し、工程1028で工程を終了するか、または工程1014から工程を継続する。
【0030】
開示されたシステムの主な利点は、一方の装置から他方の装置へ動作を転送するために有線または無線通信を使用して、手先の器用さと手動動作を、ある場所にある手持ちの物理的装置から遠隔地にある機械に転送することである。開示されたシステムの他の利点は以下の通りである:(a)身体障害者は、機械が存在する場所に物理的に立ち会うことなく、遠隔地で機械を操作することができる。(b)作業者は、危険な工程または環境の直接の近くから、作業を実行するための安全な場所に移動することができる。(c)手持ちのスタイラス装置を使用することは、特定の作業を実行するために必要な典型的な作業者ツールよりも身体的負担が少なく、身体的疲労を生じさせない可能性があり、それにより、身体的疲労の減少による生産量の増加につながる。(d)高度に熟練した作業員は、スタイラス(または他の装置)から溶接機械に動きを伝達する通信プロトコルが利用可能な物理的な場所であれば、どこからでも作業できるため、地理的な場所に制限されない(e)世界中のタイムゾーンの作業員は、タイムゾーンや従来の作業シフトの時間範囲に関係なく、いつでも作業できる。開示されたシステムは、次のような場合に利用できる:(1)製造企業、(2)肉体的に厳しい手作業技能レベルの仕事、(3)仕事を完了するのに必要な技能は保持しているが、肉体的な粘り強さや、長時間にわたって仕事を遂行できる体力を失っている高度熟練労働者候補。
【0031】
特許、特許出願、論文、書籍、専門書、ウェブページを含むがこれらに限定されない、本出願で引用されたあらゆる文献および類似資料は、その形式を問わず、参照によりその全体が明示的に組み込まれる。組み込まれた文献および類似資料の1若しくはそれ以上が、定義された用語、用語の用法、記載された技術などを含むがこれらに限定されない、本出願と異なる、または矛盾する場合、本出願が支配する。
【0032】
先に述べたように、また本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、単数形および複数形の両方を指す。本明細書で使用される用語「有する(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する(containig)」、または「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の、暗黙の要素または方法工程を除外するものではない。本明細書に記載されるものと類似または同等の多くの方法および材料を使用することができるが、特定の好適な方法および材料が本明細書に記載される。文脈がそうでないことを示さない限り、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数値を含む。さらに、「1つの実施態様」への言及は、記載された特徴も組み込んだ追加の実施態様の存在を排除すると解釈されることを意図していない。さらに、明示的に反対の記載がない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「有する」または「持っている」実施態様は、その特性を有するか否かにかかわらず、追加の要素を含むことができる。
【0033】
本明細書を通じて使用される「実質的に」および「約」という用語は、処理のばらつきなどによる小さな変動を説明し、考慮するために使用される。例えば、これらの用語は、±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下、および/または0%を指すことができる。
【0034】
下線および/または斜体の見出しおよび小見出しは、便宜上のみ使用され、開示された主題を限定するものではなく、開示された主題の説明の解釈に関連して参照されるものではない。当業者に公知であるか、または後に公知となる、本開示を通じて説明される様々な実施態様の要素に対する全ての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、開示される主題に包含されることが意図される。さらに、本明細書において開示されるものは、そのような開示が上記の説明において明示的に記載されているか否かにかかわらず、一般に専用されることを意図するものではない。
【0035】
開示された発明的主題を実施する多くの代替方法があってもよい。本明細書に記載された様々な機能および要素は、開示された発明主題の範囲から逸脱することなく、図示されたものとは異なるように分割されてもよい。本明細書で定義される一般的な原理は、他の実施態様にも適用することができる。所与のモジュールまたはユニットの異なる数が採用されてもよく、所与のモジュールまたはユニットの異なるタイプまたは種類が採用されてもよく、所与のモジュールまたはユニットが追加されてもよく、所与のモジュールまたはユニットが省略されてもよい。
【0036】
本開示に関して、「複数の」という用語は、2若しくは2以上を指す。特に明確に定義されない限り、「上側」、「下側」などの用語で示される向きまたは位置関係は、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するために、図に示される向きまたは位置関係に基づいているだけであり、参照される装置または要素が特定の向きでなければならない、または特定の向きで構成または操作されなければならないことを示すまたは暗示するものではなく、したがって、これらは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。接続された」、「取り付けられた」、「固定された」等の用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、「接続された」とは、固定接続、着脱可能な接続、または一体的な接続、直接的な接続、または中間媒体を介した間接的な接続であってもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0037】
前述の概念および本明細書でより詳細に議論される追加の概念のすべての組み合わせ(ただし、そのような概念が相互に矛盾しないことを条件とする)は、開示される発明的主題の一部であることが企図されることを理解されたい。特に、本開示の末尾に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される発明的主題の一部であることが企図される。開示された発明的主題は、例示的な実施態様の説明によって例示され、例示的な実施態様は、ある特定の詳細において説明されたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に限定する意図またはいかなる方法においても限定する意図はない。追加的な利点および修正は、当業者には容易に現れるであろう。したがって、開示された発明的主題は、その広範な側面において、示され記載された特定の詳細、代表的な装置および方法、ならびに/または例示的な実施例のいずれにも限定されない。したがって、一般的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような細部から逸脱することができる。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
溶接業界は現在、熟練溶接工の減少、伝統的に「手作業」と見なされる職種への就職希
望者の不足、経験豊富な溶接工の確保と維持を困難にする溶接やその他の高温作業に関連
する危険と制限の増加など、さまざまな要因に直面している。さらに、製造工程における
重量とスペースを最適化しようとする業界内の努力の結果、基本的に人が立ち入ることの
できない製造設備が建設されている。したがって、身体的制限、年齢、または上記のよう
なその他の障害に関係なく、資格のある溶接工が労働力に参入し、労働力にとどまること
ができる溶接システム、工程、および方法が、継続的に必要とされている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第6103994号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2004/0217096号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2018/0078444号明細書
【国際調査報告】