(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料、その製造方法、及び使用方法
(51)【国際特許分類】
C04B 35/582 20060101AFI20241010BHJP
C01B 21/072 20060101ALI20241010BHJP
C01B 33/20 20060101ALI20241010BHJP
C09K 11/80 20060101ALI20241010BHJP
C09K 11/64 20060101ALI20241010BHJP
C09K 11/59 20060101ALI20241010BHJP
C09K 11/62 20060101ALI20241010BHJP
C09K 11/56 20060101ALI20241010BHJP
C09K 11/08 20060101ALI20241010BHJP
C09K 11/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
C04B35/582
C01B21/072 B
C01B33/20
C09K11/80
C09K11/64
C09K11/59
C09K11/62
C09K11/56
C09K11/08 B
C09K11/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520933
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 US2022077922
(87)【国際公開番号】W WO2023200492
(87)【国際公開日】2023-10-19
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518096478
【氏名又は名称】エスエルティー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SLT Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】デヴリン,マーク ピー
(72)【発明者】
【氏名】イタリアーノ,デイヴィッド エヌ
【テーマコード(参考)】
4G073
4H001
【Fターム(参考)】
4G073BA11
4G073BA17
4G073BA57
4G073BA63
4G073BA69
4G073BA75
4H001CA02
4H001CF02
4H001XA07
4H001XA08
4H001XA13
4H001XA14
4H001XA16
4H001XA20
4H001XA21
4H001XA31
4H001XA38
4H001XA39
4H001XA49
4H001XA57
4H001XA64
4H001XA65
4H001XA71
4H001YA58
4H001YA63
(57)【要約】
本開示の実施形態は、未焼成体、アルミニウム含有組成物、アンモニア、及び鉱化剤組成物を密閉可能な容器内で約400℃から約800℃の間の温度及び約10MPaから約1000MPaの間の圧力に加熱して、約1%から約99%の間の蛍光体の窒化アルミニウム(AlN)に対する体積比、約1%から約50%の間の空隙率、及び約1W/(m・K)から約320W/(m・K)の間の熱伝導率を特徴とするアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成する工程を含む、アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成する方法を提供することができる。未焼成体は少なくとも1つの蛍光体組成物を含む蛍光体粉末を含み、該蛍光体粉末粒子は、約100ナノメートルから約500マイクロメートルの間のD50直径を特徴とし、未焼成体は約10%から約80%の間の空隙率を有する。アルミニウム含有組成物は、金属に基づいて約90%から約99.9999%の間の純度を有する。密閉可能な容器内の未焼成体、アルミニウム含有組成物、アンモニア、及び鉱化剤組成物を加熱する前の密閉可能な容器内の自由体積の割合には、約10%から約95%の間の液体アンモニアが含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成する方法において、
蛍光体粉末とアルミニウム含有組成物とを含む少なくとも1つの未焼成体を形成する工程であって、
前記少なくとも1つの未焼成体が、約10%から約80%の間の空隙率を特徴とし、かつ
前記蛍光体粉末が少なくとも1つの蛍光体組成物を含み、蛍光体粉末粒子が約100ナノメートルから約500マイクロメートルの間のD50直径を有する、
工程と、
密閉可能な容器を約400℃から約800℃の間の温度及び約10MPaから約1000MPaの間の圧力に加熱する工程であって、
前記密閉可能な容器を加熱及び加圧する前に、前記少なくとも1つの未焼成体、アンモニア、及び鉱化剤組成物が前記密閉可能な容器内に配置され、
前記アルミニウム含有組成物が、金属に基づいて、約90%から約99.9999%の間の純度を有し、
前記密閉可能な容器を加熱及び加圧する前の、前記密閉可能な容器内の自由体積が液体アンモニアで満たされる割合が、約10%から約95%の間であり、かつ
前記密閉可能な容器を加熱する工程が、前記密閉可能な容器を第1の期間加熱して、約1%から約99%の間の蛍光体の窒化アルミニウム(AlN)に対する体積比、約1%から約50%の間の空隙率、及び約1W/(m・K)から約320W/(m・K)の間の熱伝導率を特徴とするアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成することを含む、
工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記蛍光体組成物が、Y
3Al
5O
12:Ce
3+、Lu
3Al
5O
12:Ce
3+、(Y,Gd,Tb,Sc,Lu,La)
3(Al,Ga,In)
5O
12:Ce
3+、β-SiAlON:Eu
2+、α-SiAlON:Eu
2+、SrSi
2O
2N
2:Eu
2+、SrGa
2S
4:Eu
2+、SrS:Eu
2+、及びCaAlSiN
3:Eu
2+のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粉末粒子が、約1マイクロメートルから約200マイクロメートルの間のD50直径を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アルミニウム含有組成物が、前記未焼成体の少なくとも一部の上に配置された、約50ナノメートルから約100マイクロメートルの間の厚さを有するコーティングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アルミニウム含有組成物がゲッター組成物をさらに含み、該ゲッター組成物が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、希土類金属、ハフニウム、タンタル、又はタングステンのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ゲッター組成物が、ベリリウム、マグネシウム、スカンジウム、又はイットリウムのうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記未焼成体がアルミニウム含有粒子をさらに含み、該アルミニウム含有粒子が、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムグリット、アルミニウム粉末、アルミニウムフレーク、アルミニウムペレット、アルミニウムシェービング、アルミニウムグリット、又はアルミニウムエバポレーションスラグのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アルミニウム含有粒子が、約1マイクロメートルから約10ミリメートルの間の最大寸法を特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
テープキャスティング、スクリーン印刷、又はドクターブレードの技法によって前記少なくとも1つの未焼成体を形成する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記テープキャスティング、スクリーン印刷、又はドクターブレード技法が、ステンシルマスクの使用をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記未焼成体が、造粒、ペレット化、又は打錠プロセスのうちの1つ以上によって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記密閉可能な容器を加熱しつつ、前記密閉可能な容器内に超臨界アンモニアを形成する工程、及び
前記未焼成体を超臨界アンモニアに曝露する前に、前記未焼成体を、約600℃を超えて加熱する工程
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記鉱化剤が、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、若しくはBa、又はそれらの水素化物、アミド、イミド、アミドイミド、窒化物、若しくはアジ化物のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記鉱化剤が、アジ化ナトリウム及びアジ化カリウムのうちの少なくとも一方を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記密閉可能な容器が、該密閉可能な容器を加熱する前に金属組成物をさらに含み、前記密閉可能な容器内に配置された前記金属組成物が、窒素ガス種がアジド鉱化剤の分解によって生成され、水素ガス種が、少なくとも前記金属と超臨界アンモニアのモル比が約1:3の反応によって生成されるような組成及び量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記鉱化剤が、NH
4F、NH
4Cl、NH
4Br、NH
4I、AlF
3、AlCl
3、AlBr
3、AlI
3、又はF、Cl、Br、I、HF、HCl、HBr、HI、Al、AlN、及びNH
3のうちの2つ以上の反応によって形成することができる任意の化合物のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料が、約3%から約20%の間の空隙率を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料が、約10W/(m・K)から約170W/(m・K)の間の熱伝導率を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料が、少なくとも2つの蛍光体組成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料が、少なくとも約30%の内部量子効率を有する少なくとも1つの蛍光体組成物を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、アルミニウム含有窒化物マトリクス複合材料を含む、多結晶セラミック複合材料を製造するための材料を処理する技法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、処理技法の組合せを使用して、アルミニウム含有窒化物マトリクス中に1つ以上の蛍光体組成物を組み込んだセラミックマトリクス複合材料を製造するための技法を含む。このようなセラミックマトリクス複合材料は、レーザダイオードなどの強力な光源用の蛍光体部材を含むさまざまな用途に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
固体照明は過去20年間で大幅に成長し、多くの住宅、商業、及び産業環境において広く応用されている。典型的には、例えば、発光ダイオード(LED)によって放射される青色及び/又は紫色の励起源からの光は、1つ以上の蛍光体組成物によって吸収され、次に、青色、緑色、黄色、及び/又は赤色の光を放射し、その結果、全体的に白色光となり、色温度及び、演色性評価指数(CRI)などの他の特性を制御することができる。最近では、レーザダイオードが励起源として使用されており、これにより、非常に高い明るさ及び輝度、並びに非常に狭いビーム角、より長い照射距離、及びより高いコントラストを実現できるという利点を提供する。しかしながら、レーザベースの照明の利点を十分に発揮するために、蛍光体内の光変換プロセスによって発生した熱を、蛍光体又はパッケージの性能を低下させることなく逃がすことができるように、非常に高い熱伝導率を有する蛍光体組成物が必要とされる。LEDでは、蛍光体は通常、熱伝導率が非常に低いシリコーン、エポキシ、又は他のポリマー組成物中に分散される。多くのグループが、良好な蛍光体性能を備えたガラス内蛍光体(PiG)組成物を実証しているが、これらの組成物の熱伝導率は依然として非常に低い。
【0003】
セラミック蛍光体組成物は、少なくとも原理的には、レーザベースの照明にとって理想的であろう。理想的には、高い熱伝導率並びに高い内部及び外部量子効率を有している必要があろう。しかしながら、現在、黄色光を放射するCeをドープしたイットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce+3)は、広く市販されている唯一のセラミック蛍光体組成物であり、青色+YAG白色光は低いCRIを有する。幾つかのグループは、ホットプレス、熱間静水圧プレス、及びスパークプラズマ焼結などの従来の方法によって焼結及び緻密化が達成されたセラミック形態の他の蛍光体組成物を実証している。しかしながら、これらの従来のセラミック処理方法に伴う高温により、蛍光体の性能が低下することがよくある。加えて、多くの用途では、緑色蛍光体と赤色蛍光体など、複数の蛍光体組成物を互いに近接させて有することが望ましく、共焼結には単純な組成物の焼結の他にさらなる課題が伴う。マトリクスの使用により、共焼結における困難の一部を克服することができる可能性があるが、これまでに実証されているマトリクス材料は、得られるセラミックマトリクス複合材料の光学的及び熱的特性に関して重要な制限を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
少なくとも上記の問題により、優れた蛍光体性能と高い熱伝導率を有する蛍光体含有セラミックマトリクス複合材料が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、アルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料を製造するための材料を処理する技法に関連するさらなる技法が提供される。より詳細には、本開示の実施形態は次を含む。
【0006】
本開示の実施形態は、アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成する方法も提供することができる。該方法は、蛍光体粉末とアルミニウム含有組成物とを含む少なくとも1つの未焼成体を形成する工程であって、少なくとも1つの未焼成体が約10%から約80%の間の空隙率を特徴とする、工程;及び、密閉可能な容器を約400℃から約800℃の間の温度及び約10MPaから約1000MPaの間の圧力に加熱する工程を含むことができる。密閉可能な容器を加熱及び加圧する前に、少なくとも1つの未焼成体、アンモニア、及び鉱化剤組成物が、密閉可能な容器内に配置される。蛍光体粉末は、少なくとも1つの蛍光体組成物を含み、蛍光体粉末粒子は、約100ナノメートルから約500マイクロメートルの間のD50直径を有する。アルミニウム含有組成物は、金属に基づいて、約90%から約99.9999%の間の純度を有する。密閉可能な容器を加熱及び加圧する前の、液体アンモニアで満たされる密閉可能な容器内の自由体積の割合は、約10%から約95%の間である。密閉可能な容器を加熱する工程は、密閉可能な容器を第1の期間加熱して、約1%から約99%の間の蛍光体のAlNに対する体積比、約1%から約50%の間の空隙率、及び約1W/(m・K)から約320W/(m・K)の間の熱伝導率を特徴とするアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成することを含む。
【0007】
本開示の実施形態は、アルミニウム含有組成物も提供することができる。アルミニウム含有組成物は、アルミニウム含有窒化物マトリクス材料と複数の二次セラミック相粒子とを含む。複数の二次セラミック相粒子は、約1マイクロメートルから約10マイクロメートルの間のD10値及び約10マイクロメートルから約100マイクロメートルの間のD90値を有する粒子径分布を特徴とする。アルミニウム含有組成物は、少なくとも50%の、アルミニウム含有マトリクス材料に結合する複数の二次セラミック相粒子の境界;約1%から約99%の間の複数の二次セラミック相粒子のアルミニウム含有マトリクス材料に対する比も含み、アルミニウム含有組成物は、約1%から約50%の間の空隙率及び約1W/(m・K)から約320W/(m・K)の間の熱伝導率を特徴とする。複数の二次セラミック相粒子は、少なくとも1つの蛍光体組成物も含みうる。複数の二次セラミック相粒子は、少なくとも2つの蛍光体組成物も含みうる。幾つかの実施形態では、アルミニウム含有組成物はまた、約5%から約95%の間の複数の二次セラミック相粒子のアルミニウム含有マトリクス材料に対する比、約2%から約50%の間の空隙率、及び約5W/(m・K)から約260W/(m・K)の間の熱伝導率も特徴としうる。蛍光体組成物は、Y3Al5O12:Ce3+、Lu3Al5O12:Ce3+、(Y,Gd,Tb,Sc,Lu,La)3(Al,Ga,In)5O12:Ce3+、β-SiAlON:Eu2+、α-SiAlON:Eu2+、及びCaAlSiN3:Eu2+のうちの少なくとも1つも含みうる。幾つかの実施形態では、アルミニウム含有組成物の研磨された部分の二次電子顕微鏡写真は、複数の二次セラミック相粒子とアルミニウム含有マトリクス材料との間の境界の少なくとも50%内に、観察可能な間隙がないことを明らかにしている。
【0008】
明細書及び添付の図面を参照することによって、本開示の性質及び利点をさらに理解することができるであろう。
【0009】
本開示の上記特徴を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することにより、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているにすぎず、したがって、その範囲を限定するとみなすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の一実施形態によるコーティングを有する複数の蛍光体粒子を示す簡略図
【
図1B】蛍光体粒子とアルミニウム含有粒子との混合物を示す簡略図
【
図2A】本開示の一実施形態によるスラリー組成物をテープキャスティングするためのプロセスフローを示す簡略図
【
図2B】本開示の一実施形態による、ドクターブレード及びステンシルマスクを使用してスラリー組成物をテープキャスティングするためのプロセスフローを示す簡略図
【
図2C】本開示の一実施形態による、
図2Aに示されるテープキャスティングデバイスのドクターブレード部分及びステンシルマスク部分の平面図
【
図3A】本開示の一実施形態による、浸透複合材料組成物を形成する方法を示す簡略図
【
図3B】本開示の一実施形態による、浸透複合材料組成物を形成する方法を示す簡略図
【
図4A】浸透複合材料組成物、本開示の一実施形態による、浸透複合材料組成物を形成する別の方法を示す簡略図
【
図4B】浸透複合材料組成物、本開示の一実施形態による、浸透複合材料組成物を形成する別の方法を示す簡略図
【
図5A】本開示の一実施形態による、打錠法によって未焼成体を形成するためのプロセスフローを示す簡略図
【
図5B】本開示の一実施形態による、噴霧乾燥機を使用してスラリーから混合された乾燥粉末組成物を形成するためのプロセスフローを示す簡略図
【
図5C】本開示の一実施形態による、タブレットを形成するために用いられるコンベヤシステムの簡略図
【
図6】図本開示の一実施形態による、顆粒、ペレット、タブレット、又は他の未焼成体形態を含む、密閉可能な容器の断面図を示す簡略図
【
図7】本開示の一実施形態による、圧力容器装置を示す概略図
【
図8】本開示の一実施形態による内部加熱型圧力容器、装置を示す概略図
【
図9】本開示の一実施形態による鉱化器容器及び使用方法を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。一実装形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実装形態に有益に組み込まれうることが想定されている。
【0012】
本開示によれば、アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を製造するための材料を処理する技法に関連する技法が提供される。アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料は、蛍光体粒子などの組み込まれた粒子の機能性と、半透明の光学特性及び高い熱伝導率を組み合わせている。
【0013】
図1A及び1Bは、上述した制限を克服するアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料の製造方法内のプロセスステップを示す概略的な断面図である。
図1A及び1Bを参照すると、複数の蛍光体粒子101が提供される。ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、青色領域(430~490nm)、緑色領域(490~560nm)、黄色領域(560~600nm)、又は赤色領域(600~750nm)の発光波長を有する1つ以上の組成物から選択される。
【0014】
特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、Y3Al5O12:Ce3+、Lu3Al5O12:Ce3+、(Y,Gd,Tb,Sc,Lu,La)3(Al,Ga,In)5O12:Ce3+、β-SiAlON:Eu2+、α-c:Eu2+、SrSi2O2N2:Eu2+、SrGa2S4:Eu2+、SrS:Eu2+、及びCaAlSiN3:Eu2+を含みうる、1つ以上の材料組成物を含む。
【0015】
ある特定の実施形態では、複数の蛍光体粒子101は、実質的に赤色の光を発することができる蛍光体を含むことができる。このような蛍光体は、次のうちの1つ以上を含むことができる材料組成物から選択することができる:CaAlSiN3:Eu2+、(Gd,Y,Lu,La)2O3:Eu3+、Bi3+;(Gd,Y,Lu,La)2O2S:Eu3+、Bi3+;(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu3+、Bi3+;Y2(O,S)3:Eu3+;Ca1-xMo1-ySiyO4(式中、0.05≦x≦0.5、0≦y≦0.1である);(Li,Na,K)5Eu(W,Mo)O4;(Ca,Sr)S:Eu2+;SrY2S4:Eu2+;CaLa2S4:Ce3+;(Ca,Sr)S:Eu2+;3.5MgO*0.5MgF2*GeO2:Mn4+(MFG);(Ba,Sr,Ca)MgxP2O7:Eu2+、Mn2+;(Y,Lu)2WO6:Eu3+、Mo6+;(Ba,Sr,Ca)3MgxSi2O8:Eu2+、Mn2+(式中、1<x≦2である);(RE1-yCey)Mg2-xLixSi3-xPxO12(式中、REはSc、Lu、Gd、Y、及びTbのうちの少なくとも1つであり、0.0001<x<0.1、かつ0.001<y<0.1である);(Y、Gd、Lu、La)2-xEuxW1-yMoyO6(式中、0.5≦x≦1.0、0.01≦y≦1.0である);(SrCa)1-xEuxSi5N8(式中、0.01≦x≦0.3である);SrZnO2:Sm+3;MmOnX(式中、Mは、Sc、Y、ランタニド、アルカリ土類金属、及びそれらの混合物の群から選択され;Xはハロゲンであり;1≦m≦3;かつ、1≦n≦4であり、ランタニドのドーピングレベルはスペクトル重みの0.1から40%の範囲でありうる);及び、Eu3+活性化リン酸塩又はホウ酸塩蛍光体;並びに、これらの混合物。
【0016】
ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、α-SiAlON:Eu2+、(Ba,Sr,Ca)5(PO4)3(Cl,F,Br,OH):Eu2+、Mn2+;Sb3+,(Ba,Sr,Ca)MgAl10O17:Eu2+、Mn2+;(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu2+、Mn2+;(Sr,Ca)10(PO4)6*nB2O3:Eu2+;2SrO*0.84P2O5*0.16B2O3:Eu2+;Sr2Si3O8*2SrCl2:Eu2+;(Ba,Sr,Ca)MgxP2O7:Eu2+、Mn2+;Sr4Al14O25:Eu2+(SAE);BaAl8O13:Eu2+;及び、これらの混合物のうちの1つ以上を含む、青色蛍光体組成物を含む。
【0017】
ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、β-SiAlON:Eu2+、(Ba,Sr,Ca)MgAl10O17:Eu2+、Mn2+(BAMn);(Ba,Sr,Ca)Al2O4:Eu2+;(Y,Gd,Lu,Sc,La)BO3:Ce3+,Tb3+;Ca8Mg(SiO4)4Cl2:Eu2+、Mn2+;(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu2+;(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si2O7:Eu2+;(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)2S4:Eu2+;(Y,Gd,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)5O12:Ce3+;(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO4)4Cl2:Eu2+、Mn2+(CASI);Na2Gd2B2O7:Ce3+、Tb3+;(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B2O6:K,Ce,Tb;及び、それらの混合物のうちの1つ以上を含む、緑色蛍光体組成物を含む。
【0018】
ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、約1ナノメートルから約1ミリメートルの間、約100ナノメートルから約500マイクロメートルの間、約1マイクロメートルから約200マイクロメートルの間、約1.5マイクロメートルから約100マイクロメートルの間、又は約2マイクロメートルから約50マイクロメートルの間の直径又はサイズを有する。典型的には、粒子は球形ではなく、本明細書で用いられる「直径」という用語は、粒子の体積と同じ体積を有する球の直径を指す。ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、約1マイクロメートルから約10マイクロメートルの間のD10値、及び約10マイクロメートルから約100マイクロメートルの間のD90値を有する粒径分布を特徴とする。粒径分布は、レーザ回折、動的光散乱、動的画像分析、ふるい分析、光学計数、電気抵抗計数、沈降、音響分光法、レーザ遮蔽時間などの当技術分野で知られているさまざまな方法によって測定することができる。累積粒径分布に関して、D10、D50、及びD90という量は、それぞれ、粒子の体積の10%、それぞれ粒子の体積の50%、又はそれぞれ粒子の体積の90%が指定値以下の直径を有する直径を指す。この用語では、D10、D50、及びD90と呼ばれる量は、それぞれ、Dv10、Dv50、及びDv90と呼ばれることがある。
【0019】
図1Aを参照すると、ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、アルミニウム含有コーティング103でコーティングされうる。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103は、約10ナノメートルから約100マイクロメートルの間、約100ナノメートルから約25マイクロメートルの間、約150ナノメートルから約10マイクロメートルの間、又は約0.25マイクロメートルから約5マイクロメートルの間の厚さを有する。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、又はスパッタリングなどの物理的蒸着(PVD)法によって蒸着される。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103は、化学蒸着(CVD)によって蒸着される。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、希土類金属、ハフニウム、タンタル、及びタングステンのうちの1つ以上を含む、ゲッター組成物などの他の成分も含む。特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103は、ベリリウム、マグネシウム、スカンジウム、又はイットリウムのうちの1つ以上も含む。この文脈では、ゲッターとは、アルミニウムよりも酸素に対する親和性が高い組成物を指す。酸化アルミニウムは、アルミニウム金属の表面に非常に安定した不動態化膜を形成するが、これは窒化アルミニウムの形成に悪影響を与える可能性があり、ゲッターの存在は、利用可能な酸素に優先的に結合することによって酸化アルミニウムの形成を抑制し、処理中にアルミニウム金属の表面に形成される酸化物の濃度を低減することができる。好ましい実施形態では、ゲッター材料の酸化物は高い熱伝導率を有し、酸化ベリリウムが顕著な例である。
【0020】
ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103が堆積されている間、蛍光体粒子101は、表面、例えば振動台上で撹拌される。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103が堆積されている間、蛍光体粒子101は流動床内にある。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング103の堆積中に窒素含有ガスが存在する。ある特定の実施形態では、窒素含有ガスは、アンモニア又はN2を含むか、又はそれらからなる。
【0021】
図1Bを参照すると、ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、アルミニウム含有粒子105と混合される。以下でさらに論じるアルミニウム含有未焼成体を形成するために使用することができる粒子の混合は、蛍光体粒子の周囲における、高い熱伝導率を有するアルミニウム含有窒化物マトリクスの形成を促進することができる。アルミニウム含有粒子105は、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムグリット、アルミニウム粉末、アルミニウムフレーク、アルミニウムペレット、アルミニウムシェービング、アルミニウムグリット、アルミニウムエバポレーションスラグなどを含むことができるか、又はそれらからなる。アルミニウム含有粒子105は、約10ミリメートルから約1マイクロメートルの間、約5ミリメートルから約2マイクロメートルの間、約2ミリメートルから約5マイクロメートルの間、約1ミリメートルから約10マイクロメートルの間、又は約500マイクロメートルから約20マイクロメートルの間の最小寸法を有することができる。より大きいサイズのアルミニウム含有粒子105は、蛍光体粒子101と混合するのがより困難となる可能性があるが、酸素含有量の低減に関連する利点を有することができ、これにより、最終的なセラミックマトリクス複合材料のより高い熱伝導率及び改善された透光性が可能となりうる。蛍光体粒子101のアルミニウム含有粒子105に対する体積比は、約1%から約99%の間、約5%から約95%の間、約10%から約90%の間、又は約20%から約80%の間でありうる。ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101は、ボールミル、アトリションミル、ジェットミルなどでアルミニウム含有粒子105と混合される。ある特定の実施形態では、Si
3N
4、SiC、ZrO
2、又はAlNなどの粉砕媒体は混合動作中に存在し、粉砕が完了すると混合物から分離することができる。ある特定の実施形態では、粉砕プロセスは乾燥窒素雰囲気下で行われる。ある特定の実施形態では、シールドガスが用いられる。ある特定の実施形態では、粉砕動作中に存在する雰囲気は、アンモニアを含むか、又はアンモニアからなる。粉砕プロセス中に、蛍光体粒子101の少なくとも一部とアルミニウム含有粒子105との間に機械的結合が生じうる。
【0022】
ある特定の実施形態では、追加の粉末成分が蛍光体粒子101と混合される。ある特定の実施形態では、ゲッター組成物は、蛍光体粒子101、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、希土類金属、ハフニウム、タンタル、及びタングステン、及びそれらの窒化物、酸窒化物、アミド、イミド、アミドイミド、ハロゲン化物、又はオキシハロゲン化物のうちの1つ以上と混合されうる。特定の実施形態では、ゲッター組成物は、ベリリウム、マグネシウム、スカンジウム、及びイットリウムのうちの1つ以上を含む。ある特定の実施形態では、ゲッター組成物は、アルミニウム含有粒子105中に不純物として含まれる。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有粒子105は、約0.1%から約20%の間又は約1%から約10%の間のゲッター組成物及び約80%から約99.9%の間又は約90%から99%の間のアルミニウムを含む合金を含むか、又はそれらからなる。
【0023】
ある特定の実施形態では、
図2Aに概略的に示されるように、蛍光体粒子101は、処理システム200の一部としてスラリー201中に混合及び分散される。処理システム200は、混合構成要素251及び未焼成体形成アセンブリ255を含む。混合構成要素251は、混合デバイス253、スラリータンク254、均質化デバイス259及びポンプ260を備えることができる。未焼成体形成アセンブリ255は、キャリアフィルム供給リール211を備えたキャリアフィルム供給アセンブリ261、入力タンク265、ドクターブレード266、加熱デバイス267、未焼成体巻き取りリール213、及びキャリアフィルム巻き取りリール212を含むことができる。幾つかの実施形態では、スラリーは水を含む。ある特定の実施形態では、スラリーは、極性、非プロトン性溶媒を含む。ある特定の実施形態では、スラリーは実質的に水を含まず、ジエチルアミンなどの脂肪族溶媒、又はアニリンなどの芳香族溶媒を含む。水及びプロトン性溶媒の回避は、蛍光体粒子101、アルミニウム含有コーティング103、及びアルミニウム含有粒子105(存在する場合)の表面上でのAl
2O
3及び他の酸化物の形成を最小限に抑えるのに役立ちうる。ある特定の実施形態では、スラリーは、当技術分野で知られているように、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、可塑剤、分散剤、解膠剤、他の添加剤などのうちの1つ以上を含む。ある特定の実施形態では、スラリーは、ワックス組成物及び尿素のうちの1つ以上を含む。
【0024】
スラリー又は乾式混合粉末の成分としてアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料の製造に用いることができる有機結合剤は、ビニルポリマー(例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリアクリロニトリル、それらの混合物及びそれらのコポリマーなどであるが、これらに限定されない)、ポリエチレンイミン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、塩化ビニル-酢酸ビニル及びそれらの混合物、好ましくはPVBを含むが、これらに限定されない。アルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料の製造に用いることができる可塑剤には、フタル酸ブチルベンジル、ジカルボン酸/トリカルボン酸エステルベースの可塑剤(例えば、フタル酸ベースの可塑剤(例えば、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ビス(n-ブチル)、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ-n-ヘキシル、及びそれらの混合物などであるが、これらに限定されない)などであるが、これらに限定されない)、アジピン酸ベースの可塑剤(例えば、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジメチル、アジピン酸モノメチル、アジピン酸ジオクチル、及びそれらの混合物などであるが、これらに限定されない)、セバシン酸ベースの可塑剤(例えばセバシン酸ジブチルなどであるが、これらに限定されない)、並びにマレイン酸系可塑剤(例えば、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、及びそれらの混合物などであるが、これらに限定されない);ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びそれらの混合物などであるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。用いられうる他の可塑剤には、安息香酸類;エポキシ化植物油;スルホンアミド類(例えば、N-エチルトルエンスルホンアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、及びN-(n-ブチル)ベンゼンスルホンアミドなどであるが、これらに限定されない);有機リン酸類(例えば、リン酸トリクレシル及びリン酸トリブチルなどであるが、これらに限定されない);グリコール/ポリエーテル(例えば、トリエチレングリコールジヘキサノエート、トリエチレングリコールジヘプタノエート、及びそれらの混合物などであるが、これらに限定されない);クエン酸アルキル(例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリオクチル、クエン酸トリヘキシル、クエン酸アセチルトリヘキシル、クエン酸ブチリルトリヘキシル、及びクエン酸トリメチルなどであるが、これらに限定されない);及び、アルキルスルホン酸フェニルエステル、並びにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
スラリー又は乾燥混合粉末の形成に用いることができる分散剤には、酸化メンハーデン魚油(MFO)、ジカルボン酸、例えば、コハク酸、エタン二酸、プロパン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、モノオレイン酸ソルビタン、o-フタル酸、p-フタル酸、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
ある特定の実施形態では、
図2A、2B、及び2Cに示されるように、蛍光体粒子101及び/又はアルミニウム含有粒子105を含むスラリー201は、テープキャスティング又はドクターブレード技法を使用して可撓性キャリアフィルム上にテープキャストされて、処理システム200内の構成要素を使用してキャリアフィルム202上に未焼成体290を形成する。一例では、未焼成体290は、巻き取りリール213に受け取られる材料の連続ロール(本明細書では未焼成体290Aと呼ぶ)として、又は
図2B及び2Cに示されるように複数の未焼成体ディスク290Bとして形成することができる。キャリアフィルム202は、供給リール211からキャリアフィルム供給アセンブリ261の巻き取りリール212に供給される。ある特定の実施形態では、キャリアフィルム202は、Mylar(商標)を含むか、又はMylar(商標)からなる。ある特定の実施形態では、キャリアフィルム202は、ステンレス鋼、又は約600℃を超える、若しくは約660℃を超える融点を有する金属組成物を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、キャリアフィルム202は、アルミニウム含有箔又はコーティングを含む。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有箔又はコーティングは、ゲッター組成物も、約0.1%から約20%の間又は約1%から約10%の間の濃度で含む。
【0027】
ある特定の実施形態では、スラリーの層が塗布されたキャリアフィルムは乾燥プロセスに供され、未焼成体290を形成する。ある特定の実施形態では、
図3Aに概略的に示されるように、スラリー302の層が塗布されたキャリアフィルム202上にアルミニウム含有層303が堆積される。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング303を有する及び/又はアルミニウム含有粒子105を含む乾燥スラリー層は、660℃を超える温度、例えば、約660℃から約900℃の間、又は約675℃から約750℃の間の温度に加熱され、
図3Bに概略的に示されるように、アルミニウム含有層303及び/又はアルミニウム含有コーティング103及び/又はアルミニウム含有粒子105を溶融させ、毛細管現象によって乾燥スラリー層中及び乾燥スラリー層全体に引き込ませ、アルミニウム含有コーティング355及びアルミニウム含有複合材料359を形成する。ある特定の実施形態では、溶融及び浸透プロセスは、真空中、約10
-2トル(約1.3Pa)未満、約10
-3トル(約1.3×10
-1Pa)未満、約10
-4トル(約1.3×10
-2Pa)未満、約10
-5トル(約1.3×10
-3Pa)未満、約10
-6トル(約1.3×10
-4Pa)未満、約10
-7トル(約1.3×10
-5Pa)未満、又は約10
-8トル(約1.3×10
-6Pa)未満の圧力で行われる。ある特定の実施形態では、溶融及び浸透プロセスは、N
2若しくはNH
3などの窒素含有雰囲気下、又は酸素及び水を実質的に含まないArなどの不活性雰囲気下で行われる。ある特定の実施形態では、細孔357が複合体内に存在する。細孔357の存在は、処理中に窒素含有種(例えば、アンモニア)が複合体内の露出したアルミニウム含有表面に到達することを可能にする細孔ネットワークを提供することによって、複合体のその後の窒化プロセスを促進することができる。
【0028】
ある特定の実施形態では、
図4Aに概略的に示されるように、アルミニウム含有箔又はコーティング402がキャリアフィルム202上に存在し、その下に乾燥スラリー層403が存在する。ある特定の実施形態では、キャリアフィルム202及び乾燥スラリー層403は、600℃を超える温度、例えば、約660℃から約900℃の間、又は約675℃から約750℃の間の温度に加熱され、
図4Bに概略的に示されるように、アルミニウム含有箔又はコーティング402を溶融させ、毛細管現象によって乾燥スラリー層中に引き込ませ、アルミニウム含有コーティング355及びアルミニウム含有複合材料359を形成する。ある特定の実施形態では、溶融及び浸透プロセスは、真空中、約10
-2トル(約1.3Pa)未満、約10
-3トル(約1.3×10
-1Pa)未満、約10
-4トル(約1.3×10
-2Pa)未満、約10
-5トル(約1.3×10
-3Pa)未満、約10
-6トル(約1.3×10
-4Pa)未満、約10
-7トル(約1.3×10
-5Pa)未満、又は約10
-8トル(約1.3×10
-6Pa)未満の圧力で行われる。ある特定の実施形態では、溶融及び浸透プロセスは、N
2若しくはNH
3などの窒素含有雰囲気下、又は酸素及び水を実質的に含まないArなどの不活性雰囲気下で行われる。ある特定の実施形態では、細孔357が複合体内に存在する。
【0029】
図2Aを参照すると、幾つかの実施形態では、アルミニウムを浸透させた複合材料未焼成体などの未焼成体290Aの形成後、該未焼成体をキャリアフィルム202から剥がし、さらなる処理のために巻き取りリール212上に収集することができる。未焼成体290は、約10%から約80%の間、又は約20%から約60%の間の空隙率を特徴とすることができる。より低いレベルの空隙率は、窒化後のアルミニウム含有窒化物マトリクス複合材料の熱伝導率を高めるのに役立ちうるが、より高いレベルの空隙率は、その後の処理中にアンモニアに容易にアクセスできるため、窒化プロセス自体を促進することができる。
【0030】
ある特定の実施形態では、
図2Bに示されるように、スラリー20は、テープキャスティング又はドクターブレード技法を使用して、ステンシルマスク271を重ねた可撓性キャリアフィルム202上にスクリーン印刷又はテープキャスティングされる。ある特定の実施形態では、ステンシルマスク271は、Mylar(商標)又はシリコーンなどのポリマーから製造される。他の実施形態では、ステンシルマスク271は、金属又は金属合金、例えばステンレス鋼から製造される。ある特定の実施形態では、ステンシルマスク271は、該ステンシルマスク271の表面にわたって正方形又は六角形のアレイに配置された開口部272を有する。ある特定の実施形態では、ステンシルマスク271の開口部272は円形であり、約50マイクロメートルから約100ミリメートルの間、約200マイクロメートルから約50ミリメートルの間、約500マイクロメートルから約20ミリメートルの間、又は約1ミリメートルから約10ミリメートルの間の直径を有する。ある特定の実施形態では、ステンシルマスク271は、約10マイクロメートルから約1ミリメートルの間、約20マイクロメートルから約500マイクロメートルの間、又は約50マイクロメートルから約200マイクロメートルの間の厚さ(すなわち、
図2Bの垂直方向)を有する。ある特定の実施形態では、
図2Bの左側に概略的に示されるように、ドクターブレード266がスラリー201組成物をステンシルマスク271の開口部272内に塗布した後に、ステンシルマスク271がキャリアフィルム202から分離され、キャリアフィルム202上に個別の未焼成体ディスク290Bが残るように、固定具が設けられる。
【0031】
ある特定の実施形態では、
図2A、2B、及び2Cに概略的に示されるように、テープキャスティングによって連続未焼成体フィルム290A(
図2A)又は未焼成体ディスク290B(
図2B)などの未焼成体290を形成するのではなく、
図5Aに概略的に示されるように、蛍光体粒子101を含む未焼成体は、打錠システム500を使用した造粒及び/又は打錠プロセスを使用することによって形成することができる。アルミニウム含有コーティング103及び/又はアルミニウム含有粒子105の有無に関わらず、蛍光体粒子101は、当技術分野で知られているように、材料供給装置501の使用及び1つ以上の混合及び圧縮構成要素505の使用によって、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、解膠剤、他の添加剤などのうちの1つ以上とともに混合することができる。ある特定の実施形態では、混合物は、ワックス組成物及び尿素のうちの1つ以上を含む。ある特定の実施形態では、混合物はまた、幾つの液体成分も含みうる。ある特定の実施形態では、ポリビニルアルコール及びエチレングリコールなどのプロトン性成分の回避は、蛍光体粒子101、アルミニウム含有コーティング103、及びアルミニウム含有粒子105の表面上でのAl
2O
3及び他の酸化物の形成を最小限に抑えるのに役立ちうる。ある特定の実施形態では、混合プロセスは、Vブレンダー、粉末ミキサーなどを使用して行われる。混合粉末は、ローラ圧縮によって顆粒状に成形してもよく、リボン状に成形してもよく、又は打錠デバイス551を用いて略球形の顆粒状に成形してもよい。ある特定の実施形態では、リボンは粉砕プロセスによって粉砕されて顆粒となる。
【0032】
ある特定の実施形態では、
図5Bに概略的に示されるように、蛍光体粒子101を含むスラリーは、スラリーの形態で混合され、その後、噴霧乾燥プロセスの使用によって乾燥されて粉末(すなわち、粉末製品)となる。場合によっては、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、解膠剤、他の添加剤のうちの1つ以上など、追加の成分を加えた混合粉末を圧縮して、顆粒などにしてもよい。
【0033】
図5Cに概略的に示されるように、顆粒549を打錠機551に供給し、当技術分野で知られている方法によって一軸加圧してタブレットにすることができる。1つ以上のドクターブレード266は、顆粒549をダイキャビティ547内に案内することができる。上部ピストン533は上部カム543によって下方に押され、下部ピストン531は下部カム541によって上方に押されて、タブレット535の形成を引き起こし、タブレット535はその後排出される。
【0034】
ある特定の実施形態では、当該技術分野で知られているように、混合粉末はディスクペレタイザを使用してペレットへと成形される。ペレットは、打錠プロセスによってさらに高密度化されても、されなくてもよい。ある特定の実施形態では、顆粒、ペレット、又はタブレット中の揮発性成分は、乾燥動作によって除去される。
【0035】
ある特定の実施形態では、
図3A及び3Bに概略的に示されるように、エバポレーション及び加熱によって、顆粒、ペレット、又はタブレットにアルミニウム含有組成物を浸透させる。ある特定の実施形態では、
図4A及び4Bに概略的に示されるように、箔又はコーティングと接触させて配置し、加熱することによって、顆粒、ペレット、又はタブレットにアルミニウム含有組成物を浸透させる。
【0036】
スリップキャスティング、一軸プレス、静水圧プレス、及びスクリーン印刷を含む、蛍光体粒子101をアルミニウム含有未焼成体に組み込むための他の方法も可能である。
【0037】
ある特定の実施形態では、顆粒、ペレット、タブレット、又はテープキャスト未焼成体内のアルミニウム含有コーティング又は粒子組成物は、金属に基づいて、99.9999%から90%の間、99.9%から95%の間、99.8%から97%の間、又は99.5%から98%の間の純度を有する。ある特定の実施形態では、アルミニウム含有コーティング又は粒子組成物は、不純物として、Fe及び/又はSiを、例えば、約1ppmから約10質量%の間、又は約10ppmから約1質量%の間の濃度で含む。
【0038】
図6に示されるように、アルミニウム含有未焼成体609は、顆粒、ペレット、タブレット、ロールフィルム、又は他の形態であっても、密閉可能な容器600の内部621内に配置される。密閉可能な容器600は、カプセル、オートクレーブ、又はオートクレーブ内のライナを含むことができるか、又はそれらからなる。カプセル又はライナは、銀、銀ベースの合金、銅、銅ベースの合金、金、パラジウム、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、チタン、鉄、鉄ベースの合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケルベースの合金、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、それらの組合せなどのうちの少なくとも1つで構成されうるか、又はそれらを含みうる。密閉可能な容器は、充填チューブ、又は上部入口623及び下部入口625のうちの1つ以上を含むことができる。
【0039】
少なくとも1つの鉱化剤組成物を密閉可能な容器に添加することができる。鉱化剤組成物は、例えばLi、Na、K、Rb、若しくはCsなどのアルカリ金属、例えばBe、Mg、Ca、Sr、若しくはBaなどのアルカリ土類金属、又はアルカリ若しくはアルカリ土類水素化物、アミド、イミド、アミドイミド、窒化物、又はアジドで構成されうるか、又はこれらを含みうる。鉱化剤は、NH4F、NH4Cl、NH4Br、又はNH4Iなどのハロゲン化アンモニウム、AlF3、AlCl3、AlBr3、AlI3などのハロゲン化アルミニウム、又はF、Cl、Br、I、HF、HCl、HBr、HI、Al、AlN、及びNH3のうちの2つ以上の反応によって形成されうる任意の化合物で構成されうるか、又はこれらを含みうる。鉱化剤は、他のアルカリ塩、アルカリ土類塩、若しくはアンモニウム塩、他のハロゲン化物、尿素、硫黄若しくは硫化物塩、又はリン若しくはリン含有塩で構成されうるか、又はこれらを含みうる。特定の実施形態では、鉱化剤は、KN3及びNaN3のうちの少なくとも一方を含むか、又はそれらからなり、実質的に水分を含まない。
【0040】
鉱化剤がハロゲンCl、Br、及びIを実質的に含まない場合、銀は密閉可能な容器600の構成材料としてうまく機能しうる。しかしながら、Cl、Br、及びIのうちの少なくとも1つがかなりの濃度で存在する場合は、金、白金、または白金/イリジウムがより良い選択となる可能性がある。
【0041】
密閉可能な容器600にゲッターを添加することもできる。ゲッターは、蛍光体粒子及び/又はアルミニウム含有コーティング組成物の表面に存在しうる酸素を含む、処理領域621内に存在する残留又は外来の酸素又は水分と優先的に反応し、アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料の純度、熱伝導率、及び透光性を向上させる。適切なゲッターの例には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、希土類金属、ハフニウム、タンタル、及びタングステン、並びにそれらの窒化物、酸窒化物、アミド、イミド、アミドイミド、ハロゲン化物、又はオキシハロゲン化物が含まれる。特定の実施形態では、ゲッターは、Be、Mg、Ca、Ba、Y、又はそれらの窒化物のうちの少なくとも1つを含む。好ましい実施形態では、ゲッタリングプロセス中に形成されるゲッター酸化物、例えばBeO、MgO、CaO、又はY2O3は、例えば、約10W/m-Kを超える、約20W/m-Kを超える、約40W/m-Kを超える、又は約100W/m-Kを超える高い熱伝導率を特徴とする。
【0042】
特定の実施形態では、アジド鉱化剤及びアルミニウム含有コーティング又は粒子組成物に加えて、任意選択的に、例えばアルミニウム含有合金の成分として、金属の形態のゲッターなどの追加の金属が、アジド鉱化剤の分解によって生成される窒素と、少なくとも金属と超臨界アンモニアとの反応によって生成される水素ガス種とが約1:3の比となるような所定の比率で提供される。例えば、アモノサーマル反応条件下では、アルミニウム及び他の金属は、存在する場合には、次の反応のうちの1つ以上を被る:
Al+NH3=AlN+3/2H2
Na+NH3=NaNH2+1/2H2
K+NH3=KNH2+1/2H2
3Be+2NH3=Be3N2+3/2H2
3Mg+2NH3=Mg3N2+3/2H2
3Ca+2NH3=Ca3N2+3/2H2
Ca+2NH3=Ca(NH2)2+H2
Y+3NH3=Y(NH2)3+3/2H2
Y+NH3=YN+3/2H2
鉱化剤としてのアジドの使用は、多くの場合高純度で市販されており、さらに精製することができ、例えば、アルカリ金属、又はアミド、又はアルカリ土類窒化物よりも吸湿性がかなり低いという点で便利である。しかしながら、アジドは通常、反応条件下で分解し、窒素を生成する:
3KN3+2NH3=3KNH2+4N2
好ましい実施形態では、これら2つの効果、すなわち、金属とアンモニアとの反応による水素の生成と、アジドの分解による窒素の形成が、互いに打ち消し合うように組み合わされる。アルミニウム含有コーティング及び/又は粒子組成物、鉱化剤、及びゲッターを含む金属は、H2及びN2が約3:1の比で生成されるように、アジド鉱化剤前駆体とともに添加される。密閉可能な容器は、H2及びN2からのNH3形成を触媒するための手段をさらに含みうる。アンモニアを再形成するための金属とアンモニアの反応で遊離したH2とN2との間の反応の触媒作用、及びアジドの分解は、それぞれ、密閉可能な容器の壁によって、又は密閉可能な容器内にも提供される触媒によって行うことができる。添加される触媒は、粉末、顆粒、箔、コーティング、バルク材料、又は多孔質ペレットを含みうる。添加される触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ジルコニウム、オスミウム、ウラン、又はランタニド、ルテニウム、白金、パラジウム、又はロジウムのうちの少なくとも1つを含むことができるか、又はそれらからなる。特定の例では、添加される触媒は、ルテニウムスポンジを含むか、又はルテニウムスポンジからなる。例えば、1モルのKN3鉱化剤の添加により、KNH2に変換される間に、4/3モルのN2が生成される。窒素生成は、8/3モルのAl及び/又は別の金属を加えることによって相殺することができ、これにより、8/3×3/2モル=4モルのH2、すなわち、KN3から3倍のモル数のN2が生成される。
【0043】
次いで、密閉可能な容器600は、気体、液体、又は真空マニホールドのうちの少なくとも1つを含む流体マニホールドへの1つ以上の接続を除いて閉じられ、密閉される。次いで、空気、湿気、及び他の揮発性汚染物質を除去するために、密閉可能な容器を真空にすることができる。幾つかの実施形態では、密閉可能な容器600は、排気中に約25℃から約500℃の間の温度に加熱される。幾つかの実施形態では、密閉可能な容器は、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも5回、又は少なくとも10回の排気サイクルに供され、その後、アルゴン又は窒素などの不活性ガスが再充填される。ある特定の実施形態では、
図6を参照すると、密閉可能な容器には、気相入口として機能しうる下部入口625と、気相出口として機能しうる上部入口623とが少なくとも設けられており、その結果、密閉可能容器を連続的なガス流でパージすることが可能となる。パージは、密閉可能な容器の内部までのチューブを通るコンダクタンスが限られているため、パージは、排気と比較して、空気、湿気、及び他の揮発性汚染物質の優れた除去を提供することができる。パージの効率は、密閉可能な容器の内容積の一端から他端へとパージガスを流すことによって高めることができる。特定の実施形態によれば、密閉可能な容器は、好ましくは密閉可能な容器の内容物を空気に曝露することなく、少なくとも1つの充填チューブ又はパージチューブによって流体マニホールド内のガス源に連結することができる。ガス源は、とりわけ、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム、及びアンモニアのうちの少なくとも1つを含みうる。密閉可能な容器をパージするための構成のさらなる詳細は、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許第8,444,765号明細書に記載されている。
【0044】
ある特定の実施形態では、
図3B又は4Bに概略的に示されるように、蛍光体含有顆粒、ペレット、タブレット、又はテープキャストフィルムへのアルミニウム含有組成物の浸透は、真空下で、あるいは、例えば約660℃から約750℃の間の温度でアルゴンなどの不活性ガス、又は窒素若しくはアンモニアなどの窒素含有ガスによって密閉可能な容器をパージしつつ、密閉可能な容器内でその場で行うことができる。
【0045】
ポンプパージ及び/又はフローパージプロセスが完了した後、密閉可能な容器600を冷却し、アンモニアを指定レベルまで充填することができる。ある特定の実施形態では、密閉可能な容器600は、例えばドライアイス溶媒浴に浸漬することによって、又は熱交換器を使用することによって、ドライアイス温度まで冷却され、制御された量のガス状アンモニアが流体マニホールドから密閉可能な容器内に流入し、液相へと凝縮される。他の実施形態では、制御された量の液体アンモニアが、流体マニホールド内のポンピングされた流体アセンブリからの高圧、例えば約7気圧を超える高圧で密閉可能な容器600内に流入する。
【0046】
ある特定の実施形態では、鉱化剤は、例えば溶液中で、液体アンモニアと一緒に密閉可能な容器600に添加される。例えば、
図9を参照すると、鉱化剤組成物を計量し、グローブボックス(図示せず)内の鉱化剤容器951に添加することができ、鉱化剤容器951を密閉し、グローブボックスから取り出すことができる。鉱化剤容器951及びフラッシュ容器953は、アンモニアマニホールド961に取り付けることができる。バルブ955及び957が開いた状態で、鉱化剤容器951をドライアイス温度まで冷却し、所定量のアンモニアで満たすことができる。次に、バルブ957を開き、バルブ955を閉じた状態で、フラッシュ容器953を冷却し、所定量のアンモニアで満たすことができる。バルブ957を閉じた状態で、フラッシュ容器953及び鉱化剤容器951をアンモニアマニホールドから外して室温まで温め、鉱化剤容器951内にアンモニア中、鉱化剤の溶液を生成し、予め真空にされた密閉可能な容器に接続することができる。次に、バルブ959を、鉱化剤容器951と密閉可能な容器600との間の任意の追加のバルブとともに開いて、液体アンモニア鉱化剤溶液を密閉可能な容器600内に注入することができる。必要に応じて、例えば、液体アンモニアの最後の残留物を密閉可能な容器600に移送させるために、密閉可能な容器600を冷却するか、又は鉱化剤容器951を例えば5から25℃に加熱することができる。次いで、バルブ959を閉じ、バルブ955を開いて、アンモニアをフラッシュ容器953から鉱化器容器951へと移送することができる。必要に応じて、鉱化剤容器951を冷却するか、又はフラッシュ容器953のヒータを例えば5から25℃に冷却して、液体アンモニアの最後の残留物をフラッシュ容器953から鉱化剤容器951へと移送させることができる。鉱化剤容器951は室温まで温めてもよく、これにより、鉱化剤容器951から密閉可能な容器600への最初のアンモニア移送によって残された微量の鉱化剤が再溶解する。次に、バルブ959を、鉱化剤容器951と密閉可能な容器600との間の任意の追加のバルブ(例えば、V4及びFV)とともに開いて、液体アンモニア鉱化剤溶液を密閉可能な容器600内に注入することができる。このプロセスは、必要に応じてさらに何度も繰り返すことができる。上述したように、追加のアンモニアを密閉可能な容器600に添加することができる。処理後、残留アンモニアは出口965を通じて排出されうる。
【0047】
液体アンモニアで満たされる密閉可能な容器600内の自由体積の割合は、約10%から約95%の間、約20%から約90%の間、約30%から約80%の間、又は約40%から約70%の間でありうる。所望の量のアンモニアが密閉可能な容器600に添加された後、密閉可能な容器600は閉じられ、密閉されうる。密閉プロセスは、バルブを閉じること、上部入口623及び/又は下部入口625など、充填チューブを超音波溶接すること、並びに上部入口623及び/又は下部入口625など、充填チューブをタングステン不活性ガス溶接することのうちの1つ以上を含むことができる。
【0048】
ある特定の実施形態では、アンモニア充填プロセスは、密閉可能な容器が圧力容器(又は密閉可能な容器がオートクレーブである場合には圧力容器)内に密閉されている間に行われる。ある特定の実施形態では、密閉可能な容器600は、アンモニアを充填して密閉した後、圧力容器内に配置される。
【0049】
ある特定の実施形態では、
図7に概略的に示されるように、圧力容器はオートクレーブであり、密閉可能な容器600は、オートクレーブ200内のライナ又はカプセル211である。オートクレーブは、約5MPaを超え、約800MPa未満、約500MPa未満、約400MPa未満、約300MPa未満、約200MPa未満、又は約100MPa未満の圧力、及び約50℃から約900℃の間、約100℃から約600℃の間、約150℃から約500℃の間、又は約200℃から約400℃の間の温度で流体中の材料を処理可能でありうる。
図7を参照すると、オートクレーブ200は、オートクレーブ本体201を含む。オートクレーブ本体201の上部は、上部ヒータ205で囲まれてもよく、オートクレーブ本体の下部は下部ヒータ207で囲まれてもよく、その各々が絶縁体を含むことができる。上部ヒータ205は、1つ、2つ、又はそれより多くの独立して制御可能なホットゾーン、例えば、上部テールゾーン205aと上部メインゾーン205bとを含むことができる。下部ヒータ207は、1つ、2つ、又はそれより多くの独立して制御可能なホットゾーン、例えば、下部メインゾーン207aと下部テールゾーン207bとを含むことができる。上部ヒータ205及び下部ヒータ207は、物理的に結合して単一の構成要素とすることができるが、通常は独立して制御可能である。ある特定の実施形態では、ライナ211がオートクレーブ本体201のキャビティ内に配置される。ライナ211は、白金、パラジウム、イリジウム、Pt/Ir合金、金、又は銀のうちの1つ以上から形成されうるか、又はそれらを含みうる。ライナ211はまた、チタン、レニウム、銅、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、それらの合金などのうちの1つ以上を含みうるか、又はそれらから形成されうる。
【0050】
ある特定の実施形態では、オートクレーブ200は、概略的に示されるように、ガスケット(図示せず)に加えて、オートクレーブキャップ217及び閉鎖固定具219をさらに含む。
図7に示される構成は、Grayloc(商標)シールの概略図である。他の実施形態では、オートクレーブ200は、支持されていないBridgmanシール、oリングシール、閉じ込められたガスケットシール、ボルト留めクロージャ、AE(商標)クロージャ、EZE-Seal(商標)、Keuntzelクロージャ、ZipperClave(商標)クロージャ、ネジなしピンクロージャ、又はGasche(商標)ガスケットシールのうちの1つ以上を含む。ある特定の実施形態では、オートクレーブ200は、上端のキャップ、閉鎖固定具、及びシールに加えて、下端のキャップ、閉鎖固定具、及シールをさらに含む。
【0051】
オートクレーブ本体201、オートクレーブキャップ217、及び閉鎖固定具219は、各々、鋼、低炭素鋼、SA723鋼、SA266炭素鋼、4340鋼、A-286鋼、鉄ベースの超合金、ニッケルベースの超合金、コバルトベースの超合金、Inconel718、Rene41、304ステンレス鋼、310ステンレス鋼、316ステンレス鋼、340ステンレス鋼、410ステンレス鋼、及び17-4析出硬化ステンレス鋼、ジルコニウム及びその合金、チタン及びその合金、並びに一般にMonel、Inconel、Hastelloy、Udimet500、Stellite、Rene41、及びRene88として知られる他の材料からなる群より選択される材料から製造されうる。オートクレーブ本体201、オートクレーブキャップ217、及び閉鎖固定具219を含む構成要素のうちの1つ以上は、熱処理操作を被りうる。ある特定の実施形態では、オートクレーブ本体201は、上部だけでなく底部にも取り外し可能なシールを含む。
【0052】
オートクレーブ200は、オートクレーブ本体201の底部に熱的に連結され、熱絶縁体232を含む底端ヒータ231をさらに備えることができる。底端ヒータ231は、オートクレーブ本体201の軸の周りで方位角的にほぼ均一な電力分布を生成する。底端ヒータ231内の電力密度の半径方向依存性を伴う、下部ヒータ207及び上部ヒータ205の電力レベルに対する底端ヒータ231の電力レベルは、底面215に沿った温度分布を10℃以内、5℃以内、2℃以内、1℃以内、0.5℃以内、又は0.2℃以内に均一に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、底端ヒータ231内の電力密度の半径方向依存性を伴う、下部ヒータ207及び上部ヒータ205の電力レベルに対する底端ヒータ231の電力レベルは、指定の高さ内の平均温度に等しい底面215の平均温度を、底面215、ライナ211の内面、又はライナ211が存在しない場合にはオートクレーブ本体201の内面に関して測定して、20℃以内、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、指定された高さは、約1センチメートル、5センチメートル、10センチメートル、20センチメートル、又は25センチメートルである。ある特定の実施形態では、底端ヒータ231は、少なくとも2つ又は少なくとも3つの独立して制御可能なホットゾーンを備えて構成される。
【0053】
ある特定の実施形態では、オートクレーブ200は、上部絶縁体/ヒータ209をさらに含む。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータ209は、耐荷重性熱絶縁体、例えばジルコニア、又は低い熱伝導率を有する別のセラミック材料を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータは、例えば、オートクレーブキャップ217を介した電気接続によって熱を発生する機能も有する。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータ209は、カートリッジヒータ、ケーブルヒータ、ディスクヒータなどのうちの1つ以上を含む。上部絶縁体/ヒータ209は、高圧動作中にライナ211の上部が半径方向の間隙に押し出されることなく、挿入及び取り外しを容易にするために、オートクレーブキャップ217の下面及びライナ211の上面245に対してぴったりと適合するように仕上げられた表面と、オートクレーブ本体201の内面に対して十分な半径方向クリアランスとを有することができる。上部絶縁体/ヒータ209の寸法、及び存在する場合にはその電力レベル、並びに上部ヒータ205内の上部ゾーンを含む下部ヒータ207及び上部ヒータ205の電力レベル、並びに上部絶縁体/ヒータ209内の電力密度の半径方向依存性は、上面245に沿った温度分布を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に均一に維持するように選択することができる。加えて、上部絶縁体/ヒータ209の寸法、並びに上部ヒータ205及び下部ヒータ207電力レベルは、上面245、ライナ211の内面、又はライナ211が存在しない場合にはオートクレーブ本体201の内面に対して測定して、指定された高さ内の平均温度に等しい、20℃、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内の平均温度で上面245を維持するように選択されうる。ある特定の実施形態では、指定された高さは、約1センチメートル、5センチメートル、10センチメートル、20センチメートル、又は25センチメートルである。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータ209は、少なくとも2つ又は少なくとも3つの独立して制御可能なホットゾーンを備えて構成される。
【0054】
ある特定の実施形態では、密閉可能な容器600は、
図8に概略的に示されるように、カプセル307として内部加熱型の高圧装置300内に配置される。内部加熱型高圧装置300は、典型的な円筒容器では、半径方向と軸方向に分類することができる、全方向に適切な封じ込めを提供する。さらには、設計パラメータの詳細に応じて、装置は、200℃から1500℃の間の温度、約5MPaから約2000MPaの間の圧力で、約1時間から約180日の間、動作可能である。内部加熱型高圧装置300は、半径方向の閉じ込めを提供するために、高強度のエンクロージャリング301及びセラミックリング303を備えた1つ以上のリングアセンブリのスタックを含むことができる。スタックは、2を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、50を超える、又は100超を超えるリングアセンブリを含むことができる。スタックは、ヒータ又は加熱部材305、並びにカプセル307を取り囲み、少なくとも1つの支持プレート(図示せず)によって機械的に支持されうる。言い換えれば、加熱部材又はヒータは、カプセルと、高強度のエンクロージャリングとセラミックリング303とを備えた1つ以上の半径方向拘束構造との間に位置づけることができる。スタックは、カプセル307内で生成され、ヒータ305を介して外側に伝達される圧力を半径方向に閉じ込めることができる。ヒータ305は、上部ヒータ305aと下部ヒータ305bとを含む。上部ヒータ305a及び下部ヒータ305bの各々は、1つ、2つ、又はそれより多くの独立して制御可能なホットゾーンを含むことができる。上部ヒータ305a及び下部ヒータ305bは、物理的に結合されて単一の構成要素とすることができるが、通常は独立して制御可能である。ヒータ305の内部は処理チャンバを画成することができ、その中にカプセル307を配置することができる。ダイスタック内のリングアセンブリが高強度のエンクロージャリング301とセラミックリング303とで構成される場合、各リングアセンブリの2つの部材間には締り嵌めが存在しうる。1つ以上のリングアセンブリ又は半径方向拘束部を外部から冷却するための手段が設けられていてもよい。ある特定の実施形態では、カプセル307は、内側カプセル部材及び外側カプセル部材(図示せず)を含む。
【0055】
カプセル307内で生成される圧力の軸方向の閉じ込めは、エンドプラグ311、クラウン部材317、及びタイロッド又はタイロッド締結具315によって提供されうる。エンドプラグ311は、酸化ジルコニウム又はジルコニアを含みうる。代替のエンドプラグ材料としては、特定の実施形態によれば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タングステン、鋼、ニッケル合金、チタン合金、塩、及び水酸化ケイ酸アルミニウム又はパイロフィライトなどのフィロケイ酸塩鉱物が挙げられる。エンドプラグ311は、エンドプラグジャケット313によって取り囲まれうる。エンドプラグジャケットは、エンドプラグ311に機械的支持及び/又は半径方向の閉じ込めを提供することができる。エンドプラグジャケット313はまた、ヒータ305に機械的支持及び/又は軸方向の閉じ込めを提供することもできる。エンドプラグジャケット313は、鋼、ステンレス鋼、鉄ベースの合金、ニッケルベースの合金などを含みうる。ある特定の実施形態では、タイロッド締結具315は、2つ以上のリングアセンブリの軸方向荷重を提供する構成で配置される。さらなる詳細は、それらの全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許第9,724,666号及び同第10,174,438号の各明細書に提供されている。
【0056】
クラウン部材317及びタイロッド締結具315は、鋼、低炭素鋼、SA723鋼、SA266炭素鋼、4340鋼、A-286鋼、鉄ベースの超合金、304ステンレス鋼、310ステンレス鋼、316ステンレス鋼、340ステンレス鋼、410ステンレス鋼、17-4析出硬化ステンレス鋼、ジルコニウム及びその合金、チタン及びその合金、並びにMonel、Inconel、Hastelloy、Udimet500、Stellite、Rene41、及びRene88として知られる他の材料からなる群より選択される材料を含みうる。
【0057】
内部加熱型高圧装置300は、特定の実施形態によれば、カプセル307の軸方向端部及びエンドプラグ311に近接して圧力伝達媒体309を含むことができる。圧力伝達媒体309は、複数の成分、例えば1枚以上のディスクを含むことができる。圧力伝達媒体は、特定の実施形態によれば、塩化ナトリウム、他の塩、又はケイ酸アルミニウム水酸化物若しくはパイロフィライトなどのフィロケイ酸塩鉱物、又は他の材料を含みうる。ある特定の実施形態では、圧力伝達媒体309は、NaCl、NaBr、AgCl、AgBr、CaF2、SrF2などの金属ハロゲン化物、グラファイト、六方晶窒化ホウ素、タルク、石鹸石、石膏、石灰石、アラバスター、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、メリリナイト粘土、ベントナイト粘土、又はケイ酸ナトリウムのうちの1つ以上を含みうる。
【0058】
内部加熱型高圧装置300は、カプセル307の底部及び上部にそれぞれ熱的に連結された底端ヒータ331及び/又は上端ヒータ341をさらに備えることができる。底端ヒータ331は、ヒータ305の軸の周りでほぼ方位角的に均一な電力分布を生成し、底端ヒータ331内の電力密度の半径方向依存性を伴った、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する底端ヒータ331の相対電力レベルは、底面215に沿った温度分布を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内で均一に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、底端ヒータ331内の電力密度の半径方向依存性を伴った、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する底端ヒータ331の相対電力レベルは、底面215に対して測定して、カプセル307の内面の指定された高さ内の平均温度に等しい底面215の平均温度を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、指定された高さは、約1センチメートル、5センチメートル、10センチメートル、20センチメートル、又は25センチメートルである。上端ヒータ341は、ヒータ305の軸の周りでほぼ方位角的に均一な電力分布を生成し、上端ヒータ341内の電力密度の半径方向依存性を伴った、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する上端ヒータ341の相対電力レベルは、上面345に沿った温度分布を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内で均一に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、底端ヒータ331内の電力密度の半径方向依存性を伴った、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する上端ヒータ341の相対電力レベルは、上面345に対して測定して、カプセル307の内面の指定された高さ内の平均温度に等しい上面345の平均温度を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に維持するように選択される。
【0059】
次に、圧力容器、例えば、オートクレーブ200(
図7)又は内部加熱型高圧装置300(
図8)が閉じられ、次いで密閉可能な容器600が約400℃を超える温度に加熱され、約10MPaを超えて加圧され、密閉可能な容器600内のアンモニアが超臨界流体になる。ある特定の実施形態では、温度は、例えば約100℃から約400℃の間の第1の中間値まで上昇し、上述したように、密閉可能な容器600内でのアルミニウムと他の金属との反応を可能にして、水素を形成し、アジド鉱化剤の場合には、上述したように、アジド鉱化剤がアミドと窒素に分解し、水素と窒素の間の触媒反応ではアンモニアを形成する。次に、約10MPaから約1000MPaの間、約50MPaから約750MPaの間、又は約100MPaから約500MPaの間の圧力で、温度を、例えば、約400℃から約1000℃の間、約500℃から約800℃の間、又は約600℃から約700℃の間の第2の値まで上昇させることができる。ある特定の実施形態では、
図8を参照すると、底端ヒータ331、上端ヒータ341、上部ヒータ305a、及び下部ヒータ305bの電力レベルは、カプセル307内の温度(密閉可能な容器600と同じ)を約20℃以内、約10℃以内、約5℃以内、約2℃以内、又は約1℃以内に均一に維持するように調整される。温度は、約1時間から約30日間の間、又は約2時間から約7日間の間、又は約3時間から約96時間の間、この温度に維持されうる。
【0060】
図6を参照すると、密閉可能な容器600が鉱化剤の存在下、超臨界アンモニア中で高温に保持されている間、アルミニウム含有未焼成体609中に存在するアルミニウムはAlNに変換され、実際に蛍光体粒子101とともに焼結し、高い熱伝導率を有するアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成する。理論に拘束されることは望まないが、本発明者らは、超臨界アンモニアがアルミニウム含有未焼成体609の細孔357に入り(
図3B及び4Bを参照)、また、アルミニウムがNH
3と反応してAlNを形成するプロセス中に形成される亀裂にも入り、その結果、局所的な体積が約25.7%増加すると考えている。AlNの一部は、鉱化剤との化学反応によって溶解する。例えば、塩基性鉱化剤の場合、次の可逆反応が生じうる:
AlN+KNH
2+2NH
3=KAl(NH
2)
4
次いで、溶解した中間体(具体例ではKAl(NH
2)
4)は細孔357を通って輸送されうるが、その際に逆反応が起こり、別の場所にAlNが堆積する可能性がある。このように、超臨界流体は、セラミック複合材料内のAl原子及びAlNユニットが移動することができる機構を提供する。これは、はるかに高い温度でのセラミック焼結プロセス中に生じる表面拡散プロセスと多くの点で同様である。粒子の粗大化とセラミック複合材料の緻密化は、通常の焼結プロセス中に生じるのと同じ理由、すなわち、セラミック複合材料内の表面エネルギーの減少によって生じる。しかしながら、超臨界流体の溶解/再堆積プロセスは、焼結に必要な温度よりもはるかに低い温度で行われるため、外部量子効率などの蛍光体粒子101内の良好な特性を維持することは非常に容易であり、また、従来の焼結プロセスの場合よりも、高い熱伝導率を有する単一の複合部材内に2つ以上の異なるタイプの蛍光体粒子を互いに近接して組み込むことも非常に容易である。しかしながら、密閉可能な容器600内の温度をほぼ均一に維持することが重要であり、そうでなければ、溶解した中間体が密閉可能な容器600内のより高温又はより低温の別の位置に輸送され、セラミック複合材料内ではなく、その位置にAlNが堆積する可能性がある。例えば、Peters[Journal of Crystal Growth 104, 411(1990)]は、鉱化剤として存在するKNH
2を伴う超臨界アンモニア内での巨視的輸送と併せて、金属AlのAlNへの変換によって圧力容器内の最も高温の表面にAlN単結晶を形成することができることを示した。本開示では、溶解したAlの巨視的輸送は、密閉可能な容器600内の制限されたコンダクタンスとともに、ほぼ等温環境を維持することによって、例えば、密閉可能な容器600内にアルミニウム含有未焼成体609を高密度に充填することによって、又は複合材料の圧延層の使用によって抑制される(
図2Aの未焼成体290Aを参照)。
【0061】
加えて、理論に拘束されることは望まないが、本発明者らは、ゲッター金属からの超臨界アンモニアとの反応によって形成されるゲッター金属窒化物が存在する場合、アルミニウム含有コーティング又は粒子の表面上の酸化物と反応すると考えている:
Be3N2+Al2O3=3BeO+2AlN
Mg3N2+Al2O3=3MgO+2AlN
2ScN+Al2O3=Sc2O3+2AlN
2YN+Al2O3=Y2O3+2AlN
ゲッター金属がアルミニウム含有コーティング又は粒子内に含まれる場合、得られるゲッター金属の窒化物及び酸化物は、得られるアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料内に残る可能性が高いであろう。ゲッター金属がアルミニウム含有コーティング又は粒子中の酸素含有量に対してわずかに過剰に添加され、ゲッター金属酸化物がAl2O3よりも高い熱伝導率を有する場合(例えば、BeO又はMgO)、アルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料の熱伝導率は、ゲッター金属の添加によって大幅に向上しうる。
【0062】
第2の温度で所定の時間が経過した後、密閉可能な容器を冷却し、そこからアンモニアを放出し、圧力容器から取り出して、開けることができる。次に、アルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料を除去することができる。ある特定の実施形態では、セラミックマトリクス複合材料の個々の顆粒、ペレット、又はタブレットは、ジョー粉砕、コーン粉砕、ハンマー粉砕、フライス加工、研削、振動、及び当技術分野で知られている他の形態の粉砕のうちの1つ以上によって調製される。ある特定の実施形態では、セラミックマトリクス複合材料の個々の顆粒、ペレット、又はタブレットは、ダイシング、鋸引き、研削、両面ラッピング、研磨、タンブリング、エッチングなどのうちの1つ以上のさらなる処理を被り、完成したアルミニウム含有セラミックマトリクス複合部品を形成する。
【0063】
完成したアルミニウム含有セラミックマトリクス複合部品は、実質的にAlNからなるマトリクス内に、約1%から約99%の間、約5%から約95%の間、約10%から約90%の間、又は約20%から約80%の間の蛍光体のAlNに対する体積比を有する、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの蛍光体組成物を含むことができる。完成したアルミニウム含有セラミックマトリクス複合部品は、約1%から約50%の間、約2%から約25%の間、約3%から約20%の間、又は約4%から約10%の間の空隙率を有することができる。完成したアルミニウム含有セラミックマトリクス複合部品は、約1W/(m・K)から約320W/(m・K)の間、約5W/(m・K)から約260W/(m・K)の間、約10W/(m・K)から約170W/(m・K)の間、又は約20W/(m・K)から約100W/(m・K)の間の熱伝導率を有することができる。完成したアルミニウム含有セラミックマトリクス複合部品内の少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの蛍光体成分は、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、又は少なくとも約90%の内部量子効率を有することができる。完成したアルミニウム含有セラミックマトリクス複合部品内の少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの蛍光体成分は、少なくとも約30ルーメン/ワット、少なくとも約50ルーメン/ワット、少なくとも約100ルーメン/ワット、又は少なくとも約150ルーメン/ワットの発光効率を有することができる。窒化アルミニウムマトリクス材料は、約400ナノメートルから約750ナノメートルの間の波長において、約100cm-1未満、約50cm-1未満、約20cm-1未満、約10cm-1未満、約5cm-1未満、約2cm-1未満、又は約1cm-1未満の光吸収係数を有しうる。
【0064】
ある特定の実施形態では、蛍光体粒子101の中の蛍光体組成物のうちの1つ以上は、アンモニア及び鉱化剤組成物を含む超臨界流体組成物中で顕著な溶解度を有することができる。このような場合、蛍光体粒子とAlNマトリクスとの間の結合に加えて、隣接する蛍光体粒子間の直接結合が形成されうる。例えばβ-SiAlON:Eu
2+、α-SiAlON:Eu
2+、及びCaAlSiN
3:Eu
2+などの窒化物及び酸窒化物蛍光体組成物内及びそれらの間で、例えば直接「焼結」が起こりうる。ある特定の実施形態では、本開示に記載される方法は、AlNを完全に含まない蛍光体含有セラミック複合材料を製造するために使用することができる。例えば、蛍光体粒子及び添加剤を含む未焼成体は、スリップキャスティング(
図2A)及び/又は打錠(
図5A)プロセスによって製造されうる。配置後、蛍光体含有未焼成体は、鉱化剤、及び任意選択的に、表面酸化物を除去するためのゲッター材料、並びにH
2及びN
2をNH
3へと変換するための触媒のうちの1つ以上とともに密閉可能な容器(
図6)に入れることができる。ポンピングし、パージし、NH
3を添加し、密閉した後、次いで、上述したように、密閉可能な容器を第1の温度、例えば約100℃から約400℃の間、及び第2の温度、例えば、約400℃から約1000℃の間まで加熱することができる。得られた蛍光体セラミック複合材料は、上述したように、完成した蛍光体セラミック複合部品へと処理することができる。
【0065】
上述した1つ以上のプロセスによって形成された、完成したアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料は、レーザダイオード及び発光ダイオードのうちの1つ以上とともにパッケージに組み込むことができる。例えば、レーザダイオード又は発光ダイオードからの紫色又は青色の光は、アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を照射又は集束させ、その結果、青色、緑色、黄色、橙色、及び/又は赤色の光を放射することができる。ある特定の実施形態では、レーザダイオード又は発光ダイオードからの反射光と、蛍光体によって放出される光を含む、パッケージからの全体的な出射光は白色光である。ある特定の実施形態では、白色光は、約80を超える、約85を超える、約90を超える、約95を超える、約98を超える、又は約99を超える演色性評価指数(CRI)を有する。ある特定の実施形態では、白色光は、約50を超える、約70を超える、約80を超える、又は約90を超えるCRI R9値を有する。アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料は、蛍光体内での光変換中に発生する熱を放散するためにヒートシンクに結合されてもよい。ある特定の実施形態では、1つ以上のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合部品は、表面実装デバイス(SMD)内に組み込まれており、コンパクトでコスト効率の高いパッケージとして有利でありうる。
【0066】
(一又は複数の)方法例
本明細書に記載される方法は、高い熱伝導率及び高い内部量子効率を有する蛍光体組成物を含む高性能セラミックマトリクス複合材料を製造するための手段を提供する。
【0067】
実施例1
約10マイクロメートルから約100マイクロメートルの間の粒径を有するアルミニウム粉末は、酸素及び水分の濃度が1ppm未満のグローブボックス内で、高純度のアルミニウムインゴットをやすりで加工することによって調製される。それぞれが約5マイクロメートルから約50マイクロメートルの間の粒径を有する、緑色β-SiAlON:Eu
2+蛍光体及び赤色CaAlSiN
3:Eu
2+蛍光体を準備し、アルミニウム、緑色蛍光体、及び赤色蛍光体を重量比5:1:2で含むブレンドを、グローブボックス内で乳鉢と乳棒で調製する。粉末ブレンドはプレスされて、約50MPaの圧力で直径6ミリメートル、厚さ1mmのディスクとなり、約10%から約40%の間の未焼成空隙率を有する。ディスクは、グローブボックス内の外径1.00インチ(2.54cm)、長さ5.25インチ(13.34cm)の銀含有カプセル内に配置され、該カプセルはオービタル溶接機を使用して溶接され、閉じられる。4.0gのKN
3粉末を、グローブボックス内の
図9に概略的に示されるものと同様のステンレス鋼鉱化剤容器内に入れ、該容器をConFlat(登録商標)(CF)フランジによって閉じる。
図9に概略的に示されるものと同様のフラッシュ容器が取り付けられた鉱化剤容器、及びカプセルをグローブボックスから取り出す。鉱化剤容器をドライアイス温度まで冷却し、10.0gのアンモニアを充填し、フラッシュ容器をドライアイス温度まで冷却し、9.0gのアンモニアを充填し、次に両方の容器を室温まで温めてカプセルに接続する。カプセルをドライアイス温度まで冷却し、鉱化剤容器とカプセルとの間のバルブを開き、液体アンモニア鉱化剤溶液をカプセルへと移送する。次いで、鉱化剤容器の出口バルブが閉じられ、フラッシュ容器と鉱化剤容器との間のバルブが開かれ、液体アンモニアがフラッシュ容器から鉱化剤容器へと移送される。フラッシュ容器をヒートガンで穏やかに温めて、残っている液体アンモニアを鉱化剤容器へと送り込む。鉱化剤容器とカプセルとの間のバルブが再び開き、残りのアンモニアがカプセルに移送される。次に、カプセル上の充填チューブを溶接して閉じ、切断して、カプセルを内部加熱された高圧装置に装填する。
【0068】
高圧は、8時間かけて675℃の温度まで上昇させ、意図的な温度勾配を付けずにこの温度で24時間保持され、冷却される。アンモニアがカプセルから除去され、カプセルが高圧装置から取り出され、開封され、ディスクが取り出される。ディスクは光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)/エネルギー分散型分光分析(EDS)、及び粉末X線回折によって検査され、それらの空隙率は水銀圧入法によって測定され、熱拡散率はレーザフラッシュ法によって測定され、比熱容量は示差走査熱量計を使用して測定され、熱伝導率は熱拡散率、比熱容量、及び嵩密度の積として計算される。X線回折は、蛍光体組成物であるAlNの存在を示し、検出限界を超える追加の相はない。破壊断面のSEM画像は、両方のタイプの蛍光体粒子がAlNによって湿っており、AlNが多孔質マトリクスを形成していることを示している。ディスクの空隙率は、30%と測定される。熱伝導率は、30W・m-1・K-1と測定される。
【0069】
上記は特定の実施形態の完全な説明であるが、さまざまな修正、代替構造、及び均等物を使用することができる。したがって、上記の説明及び図は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0070】
101 蛍光体粒子
103、355 アルミニウム含有コーティング
105 アルミニウム含有粒子
200 処理システム/オートクレーブ
201、302 スラリー
202 キャリアフィルム
205 上部ヒータ
207 下部ヒータ
209 上部絶縁体/ヒータ
211 キャリアフィルム供給リール/ライナ
212 キャリアフィルム巻き取りリール
213 未焼成体巻き取りリール
217 オートクレーブキャップ
251 混合構成要素
253 混合デバイス
254 スラリータンク
255 未焼成体形成アセンブリ
259 均質化デバイス
260 ポンプ
261 キャリアフィルム供給アセンブリ
265 入力タンク
266 ドクターブレード
267 加熱デバイス
271 ステンシルマスク
272 開口部
290、290A 未焼成体
290B 未焼成体ディスク
303 アルミニウム含有層
300 内部加熱型高圧装置
307 カプセル
309 圧力伝達媒体
311 エンドプラグ
331 底端ヒータ
341 上端ヒータ
357 細孔
359 アルミニウム含有複合材料
402 アルミニウム含有箔又はコーティング
403 乾燥スラリー層
501 材料供給装置
505 混合及び圧縮構成要素
531 下部ピストン
533 上部ピストン
535 タブレット
541 下部カム
543 上部カム
547 ダイキャビティ
549 顆粒
551 打錠デバイス
600 密閉可能な容器
609 アルミニウム含有未焼成体
621 内部
623 上部入口
625 下部入口
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成する方法において、
蛍光体粉末とアルミニウム含有組成物とを含む少なくとも1つの未焼成体を形成する工程であって、
前記少なくとも1つの未焼成体が、
1%から
50%の間の空隙率を特徴とし、かつ
前記蛍光体粉末が少なくとも1つの蛍光体組成物を含み、蛍光体粉末粒子
が100ナノメートルか
ら500マイクロメートルの間のD50直径を有する、
工程と、
密閉可能な容器
を400℃か
ら800℃の間の温度及
び10MPaか
ら1000MPaの間の圧力に加熱する工程であって、
前記密閉可能な容器を加熱及び加圧する前に、前記少なくとも1つの未焼成体、アンモニア、及び鉱化剤組成物が前記密閉可能な容器内に配置され、
前記アルミニウム含有組成物が、金属に基づいて
、90%か
ら99.9999%の間の純度を有し、
前記密閉可能な容器を加熱及び加圧する前の、前記密閉可能な容器内の自由体積が液体アンモニアで満たされる割合が
、10%か
ら95%の間であり、かつ
前記密閉可能な容器を加熱する工程が、前記密閉可能な容器を第1の期間加熱して
、アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料を形成することを含む、
工程と
を含む、方法。
【請求項2】
前記蛍光体組成物が、Y
3Al
5O
12:Ce
3+、Lu
3Al
5O
12:Ce
3+、(Y,Gd,Tb,Sc,Lu,La)
3(Al,Ga,In)
5O
12:Ce
3+、β-SiAlON:Eu
2+、α-SiAlON:Eu
2+、SrSi
2O
2N
2:Eu
2+、SrGa
2S
4:Eu
2+、SrS:Eu
2+、及びCaAlSiN
3:Eu
2+のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
蛍光体粉末粒子が
、1マイクロメートルか
ら200マイクロメートルの間のD50直径を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アルミニウム含有組成物が、前記
少なくとも1つの未焼成体の少なくとも一部の上に配置された
、50ナノメートルか
ら100マイクロメートルの間の厚さを有するコーティングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アルミニウム含有組成物がゲッター組成物をさらに含み、該ゲッター組成物が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、希土類金属、ハフニウム、タンタル、又はタングステンのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記
少なくとも1つの未焼成体がアルミニウム含有粒子をさらに含み、該アルミニウム含有粒子が、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムグリット、アルミニウム粉末、アルミニウムフレーク、アルミニウムペレット、アルミニウムシェービング、アルミニウムグリット、又はアルミニウムエバポレーションスラグのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記密閉可能な容器を加熱しつつ、前記密閉可能な容器内に超臨界アンモニアを形成する工程、及び
前記
少なくとも1つの未焼成体を超臨界アンモニアに曝露する前に、前記
少なくとも1つの未焼成体を
、600℃を超えて加熱する工程
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記鉱化剤
組成物が、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、若しくはBa、又はそれらの水素化物、アミド、イミド、アミドイミド、窒化物、若しくはアジ化物のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料が、1%から99%の間の蛍光体の窒化アルミニウム(AlN)に対する体積比、1%から50%の間の空隙率、及び1W/(m・K)から320W/(m・K)の間の熱伝導率を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
実質的にAlNからなるマトリックス内に、1%から99%の間の蛍光体のAlNに対する体積比を有する、少なくとも1つの蛍光体組成物を含み、1%から50%の間の空隙率、及び1W/(m・K)から320W/(m・K)の間の熱伝導率を有することを特徴とする、アルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項11】
前記蛍光体のAlNに対する体積比が、5%から95%の間である、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項12】
前記空隙率が、2%から25%の間である、請求項10に記載のアルミニウム含有窒化物セラミックマトリクス複合材料。
【請求項13】
前記熱伝導率が、5W/(m・K)から260W/(m・K)の間である、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項14】
前記少なくとも1つの蛍光体組成物が、少なくとも2つの蛍光体組成物を含む、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項15】
前記少なくとも1つの蛍光体組成物が、少なくとも30%の内部量子効率を有する、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項16】
前記少なくとも1つの蛍光体組成物が、少なくとも30ルーメン/ワットの発光効率を有する、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項17】
AlNマトリクスが、400ナノメートルから750ナノメートルの間の波長において、100cm
-1
未満の光吸収係数を有する、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項18】
前記少なくとも1つの蛍光体組成物が、β-SiAlON:Eu
2+
、α-SiAlON:Eu
2+
、又はCaAlSiN
3
:Eu
2+
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項19】
Be、Mg、Sc、又はYの少なくとも1つをさらに含む、請求項10に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料。
【請求項20】
請求項10から19のいずれか1項に記載のアルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料を含む発光モジュールと、少なくとも1つのレーザーダイオード又は発光ダイオードを含む、パッケージ化された発光モジュール。
【請求項21】
前記発光モジュールが、80を超える演色性評価指数(CRI)を有する白色光を放出することができる、請求項20に記載のパッケージ化された発光モジュール。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本開示によれば、アルミニウム含有セラミックマトリクス複合材料を製造するための材 料を処理する技法に関連するさらなる技法が提供される。
【国際調査報告】