(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ディスプレイ画面カバー上に位置するバイオメトリックセンサ電極を有し、アンテナとして動作可能なウェアラブルコンピューティングデバイス
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/24 20060101AFI20241010BHJP
G04G 21/02 20100101ALI20241010BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01Q1/24 Z
G04G21/02 Z
G06F1/16 312A
G06F1/16 312M
G06F1/16 312Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520949
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 US2021053932
(87)【国際公開番号】W WO2023059324
(87)【国際公開日】2023-04-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517230219
【氏名又は名称】フィットビット・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FITBIT LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】バーマ,リツ
(72)【発明者】
【氏名】カイポネン,テーム・タネリ・ラーファエル
(72)【発明者】
【氏名】ベレイッター,ピエリス
【テーマコード(参考)】
2F002
5J047
【Fターム(参考)】
2F002AA12
2F002BB04
2F002GA04
5J047AA12
5J047EF02
(57)【要約】
ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ハウジングと、ハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されたプリント回路基板とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板に電気的に結合されたディスプレイ画面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ディスプレイ画面上に位置するカバーを含む。カバーは、上面と底面を含む。底面は、プリント回路基板に電気的に接続された1つまたは複数の電気コンタクトを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、カバーの上面上に部分的に位置するバイオメトリックセンサ電極を含む。バイオメトリックセンサ電極は、カバーの外周を少なくとも部分的に包み込み、カバーの底面上の1つまたは複数の電気コンタクトに接触する。バイオメトリックセンサ電極は、高周波電流を伝送することができる導電材料を含む1つまたは複数の部分を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に電気的に結合されたディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上に位置し、上面と底面とを含み、前記底面は前記プリント回路基板に電気的に接続された1つまたは複数の電気コンタクトを含む、カバーと、
前記カバーの前記上面上に位置し、前記カバーの外周を少なくとも部分的に包み込み、前記カバーの前記底面上の前記1つまたは複数の電気コンタクトに接触するバイオメトリックセンサ電極とを含み、前記バイオメトリックセンサ電極は、高周波電流を伝送することができる導電材料を含む1つまたは複数の部分を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記プリント回路基板を前記カバーの前記底面上の前記1つまたは複数の電気コンタクトに電気的に接続する1つまたは複数の電気コネクタをさらに含む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記1つまたは複数の電気コネクタは、基部と前記基部に対して相対的に屈曲可能な尾部とを有するフレキシブルプリント回路を含む、請求項2に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント回路は、前記フレキシブルプリント回路の前記尾部と前記フレキシブルプリント回路の前記基部とに配置された1つまたは複数の高周波伝送線路を含む、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記ハウジングは、導電性ハウジングを含む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記導電性ハウジングと前記バイオメトリックセンサ電極との間に位置する1つまたは複数の誘電体スペーサをさらに含む、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記カバーは、ガラス材料を含む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記導電材料を含む前記バイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分を被う物理蒸着画定コーティングをさらに含む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記バイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分は、前記カバーの前記上面上に位置する前記バイオメトリックセンサ電極の第1の部分または前記カバーの前記底面上に位置する前記バイオメトリックセンサ電極の第2の部分のうちの少なくとも一方を含む、請求項8に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記物理蒸着画定コーティングは、少なくとも部分的に高周波透過性である、請求項8に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記物理蒸着画定コーティングと前記ディスプレイ画面のアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙は、前記バイオメトリックセンサ電極と前記アクティブ表示領域の前記縁との間に画定された間隙より狭い、請求項8に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記バイオメトリックセンサ電極と前記アクティブ表示領域の前記縁との間に画定された前記間隙は、1ミリメートルより大きい、請求項11に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記導電材料は、銀材料を含む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に電気的に結合されたディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上に位置し、上面と底面とを含み、前記底面は第1の電気コンタクトと第2の電気コンタクトとを含み、前記第1の電気コンタクトおよび前記第2の電気コンタクトは各々前記プリント回路基板に電気的に接続されている、カバーと、
第1のバイオメトリックセンサ電極および第2のバイオメトリックセンサ電極とを含み、前記第1のバイオメトリックセンサ電極および前記第2のバイオメトリックセンサ電極は前記カバーの前記上面上で互いから離隔され、前記第1のバイオメトリックセンサ電極は、前記カバーの外周の第1の部分を包み込み、前記第1の電気コンタクトに接続され、前記第2のバイオメトリックセンサ電極は、前記カバーの前記外周の第2の部分を包み込み、前記第2の電気コンタクトに接続され、前記第1のバイオメトリックセンサ電極または前記第2のバイオメトリックセンサ電極のうちの少なくとも一方は、高周波電流を伝送することができる導電材料を含む1つまたは複数の部分を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分は、前記第1のバイオメトリックセンサ電極が第1の高周波アンテナとして動作可能なように第1の高周波電流を伝送することができる第1の導電材料を含み、
前記第2のバイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分は、前記第2のバイオメトリックセンサ電極が第2の高周波アンテナとして動作可能なように第2の高周波電流を伝送することができる第2の導電材料を含む、請求項14に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記第1の導電材料または前記第2の導電材料のうちの少なくとも一方は、銀材料を含む、請求項15に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分は、前記カバーの前記上面上に位置する前記第1のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分と、前記カバーの前記底面上に位置する前記第1のバイオメトリックセンサ電極の第2の部分とを含み、
前記第2のバイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分は、前記カバーの前記上面上に位置する前記第2のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分と、前記カバーの前記底面上に位置する前記第2のバイオメトリックセンサ電極の第2の部分とを含む、請求項15に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記第1の部分または前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記第2の部分を被う第1の物理蒸着画定コーティングと、
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記第1の部分または前記第2の部分を被う第2の物理蒸着画定コーティングとをさらに含む、請求項17に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極と前記ディスプレイ画面のアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙は、前記第1の物理蒸着画定コーティングと前記ディスプレイ画面の前記アクティブ表示領域の前記縁との間に画定された間隙より広い、請求項18に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記プリント回路基板を前記カバーの前記底面上の前記第1の電気コンタクトに電気的に接続する第1の電気コネクタと、
前記プリント回路基板を前記カバーの前記底面上の前記第2の電気コンタクトに電気的に接続する第2の電気コネクタとをさらに含む、請求項14に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は一般的に、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関する。より具体的には、本開示は、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの上面上に位置し、アンテナとして動作可能なバイオメトリックセンサ電極を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ウェアラブルコンピューティングデバイス(たとえばリストウォッチ)は、ユーザに対してコンテンツ(たとえば時刻、日付など)を表示するディスプレイ画面を含むことができる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ユーザが行った活動に関する、またはユーザの生理的状態に関するデータを収集することができる。そのようなデータには、ユーザの周囲環境、またはその環境とのユーザの相互作用を表すデータが含まれることがある。たとえば、データには、ユーザの動きに関する運動データ、および/または、心拍数、発汗度などのユーザの様々な生理的特性を測定することによって得られた生理学的データが含まれることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本開示の実施形態の態様および利点については、以下の説明に部分的に記載され、または説明から知ることができ、または実施形態の実施により知ることができる。
【0004】
一態様では、ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ハウジングと、ハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されたプリント回路基板とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板に電気的に結合されたディスプレイ画面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ディスプレイ画面上に位置するカバーを含む。カバーは上面と底面を含む。底面は、プリント回路基板に電気的に接続された1つまたは複数の電気コンタクトを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、カバーの上面上に部分的に位置するバイオメトリックセンサ電極を含む。バイオメトリックセンサ電極は、カバーの外周を少なくとも部分的に包み込み、カバーの底面上の1つまたは複数の電気コンタクトに接触する。バイオメトリックセンサ電極は、高周波電流を伝送することができる導電材料を含む1つまたは複数の部分を有する。実装形態によっては、導電材料は、銀材料を含む。
【0005】
実装形態によっては、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板をカバーの底面上の1つまたは複数の電気コンタクトに電気的に接続する1つまたは複数の電気コネクタを含む。実装形態によっては、1つまたは複数の電気コネクタは、基部と基部に対して相対的に屈曲可能な尾部とを有するフレキシブルプリント回路を含む。実装形態によっては、フレキシブルプリント回路基板は、フレキシブルプリント回路の尾部とフレキシブルプリント回路の基部とに配置された1つまたは複数の高周波伝送線路を含む。
【0006】
実装形態によっては、ハウジングは、導電性ハウジングを含む。そのような実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、導電性ハウジングとバイオメトリックセンサ電極との間に位置する1つまたは複数の誘電体スペーサを含む。実装形態によっては、カバーは、ガラス材料を含む。
【0007】
実装形態によっては、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、高周波電流を伝送することができる導電材料を含むバイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分を被う物理蒸着画定コーティングを含む。たとえば、実装形態によっては、バイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分は、カバーの上面上に位置するバイオメトリックセンサ電極の第1の部分またはカバーの底面上に位置するバイオメトリックセンサ電極の第2の部分のうちの少なくとも一方を含む。実装形態によっては、物理蒸着画定コーティングは、少なくとも部分的に高周波透過性である。実装形態によっては、物理蒸着画定コーティングとディスプレイ画面のアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙は、バイオメトリックセンサ電極とアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙よりも狭い。また、実装形態によっては、バイオメトリックセンサ電極とアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙は、1ミリメートルより大きい。
【0008】
別の態様では、ウェアラブルコンピューティングデバイスが提供される。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ハウジングと、ハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されたプリント回路基板とを含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板に電気的に結合されたディスプレイ画面を含む。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ディスプレイ画面上に位置するカバーを含む。カバーは、上面と底面を含む。底面は、第1の電気コンタクトと第2の電気コンタクトとを含む。第1の電気コンタクトおよび第2の電気コンタクトは、各々、プリント回路基板に電気的に接続されている。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、第1のバイオメトリックセンサ電極および第2のバイオメトリックセンサ電極を含む。第1のバイオメトリックセンサ電極および第2のバイオメトリックセンサ電極は、カバーの上面上で互いから離隔されている。第1のバイオメトリックセンサ電極は、カバーの外周の第1の部分を包み込み、カバーの底面上の第1の電気コンタクトに接続する。第2のバイオメトリックセンサ電極は、カバーの外周の第2の部分を包み込み、カバーの底面上の第2の電気コンタクトに接続する。また、第1のバイオメトリックセンサ電極または第2のバイオメトリックセンサ電極の少なくとも一方は、高周波電流を伝送することができる導電材料を含む1つまたは複数の部分を有する。実装形態によっては、導電材料は、導電材料(a conductive material)を含む。
【0009】
実装形態によっては、第1のバイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分は、カバーの上面上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分と、カバーの底面上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極の第2の部分とを含む。また、第2のバイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分は、カバーの上面上に位置する第2のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分と、カバーの底面上に位置する第2のバイオメトリックセンサ電極の第2の部分とを含む。
【0010】
実装形態によっては、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、第1のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分または第1のバイオメトリックセンサ電極の第2の部分を被う第1の物理蒸着画定コーティングをさらに含む。また、そのような実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、第1のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分または第2の部分を被う第2の物理蒸着画定コーティングをさらに含む。
【0011】
実装形態によっては、第1のバイオメトリックセンサ電極とディスプレイ画面のアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙は、第1の物理蒸着画定コーティングとディスプレイ画面のアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙よりも広い。
【0012】
実装形態によっては、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、第1の電気コネクタと第2の電気コネクタとをさらに含む。第1の電気コネクタは、プリント回路基板をカバーの底面上の第1の電気コンタクトに電気的に接続する。第2の電気コネクタは、プリント回路基板をカバーの底面上の第2の電気コンタクトに電気的に接続する。
【0013】
本開示の様々な実施形態の上記およびその他の特徴、態様および利点は、以下の説明と添付図面とを参照すればよりよくわかるであろう。添付図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本開示の例示の実施形態を示し、説明とともに、関連原理を説明する役割を果たす。
【0014】
本明細書では、添付図面を参照する、当業者を対象とする実施形態の詳細な説明が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスを示す図である。
【
図2】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスを示す分解図である。
【
図3】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスを示す断面図である。
【
図4】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーを示す底面図である。
【
図5】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのプリント回路基板とウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの底面上の電気コンタクトとの間の電気接続を示す結線図である。
【
図6】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのプリント回路基板をウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの底面上の電気コンタクトに電気的に接続する電気コネクタを示す図である。
【
図7】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのプリント回路基板をウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの底面上の電気コンタクトに電気的に接続する電気コネクタを示す図である。
【
図8】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスの一部を示す分解図である。
【
図9】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスを示す上面図である。
【
図10】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスのカバーを有する、
図9の上面図である。
【
図11】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスのカバーを示す底面図である。
【
図12A】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの上面上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極の一部を被う第1の物理蒸着画定コーティングを示す図である。
【
図12B】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの上面上に位置する第2のバイオメトリックセンサ電極の一部を被う第2の物理蒸着画定コーティングを示す図である。
【
図13A】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの底面上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極の一部を被う第1の物理蒸着画定コーティングを示す図である。
【
図13B】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーの底面上に位置する第2のバイオメトリックセンサ電極の一部を被う第2の物理蒸着画定コーティングを示す図である。
【
図14A】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のアクティブ表示領域とディスプレイ画面のカバーの上面上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極の一部との間に画定された第1の間隙を示す図である。
【
図14B】本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のアクティブ表示領域とディスプレイ画面のカバーの上面上に位置する第2のバイオメトリックセンサ電極の一部との間に画定された第2の間隙を示す図である。
【
図15】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスのディスプレイ画面のカバーを示す底面図である。
【
図16】本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイスの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
次に、1つまたは複数の実施例が図面に示されている本開示の実施形態を詳細に参照する。各実施例は、本開示の説明のために示すものであり、本開示の限定ではない。実際に、本開示の範囲または思想から逸脱することなく本開示に様々な修正および変形を加えることができることが当業者には明らかであろう。たとえば、1つの実施形態の一部として例示または説明されている特徴を、さらなる実施形態をもたらすように別の実施形態とともに使用することができる。したがって、本発明は、そのような修正および変形を添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲に含まれるもととして、対象として含むことが意図されている。
【0017】
本開示の例示の態様は、たとえばユーザの手首に装着することができるウェアラブルコンピューティングデバイスを対象とする。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ハウジングと、ハウジングの内部に少なくとも部分的に位置するプリント回路基板とを含むことができる。ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ディスプレイ画面と、ディスプレイ画面の上に位置するカバーをさらに含むことができる。このようにして、カバーはディスプレイ画面を損傷(たとえば引っかき傷)から保護する。また、カバーは、ユーザがディスプレイ画面に表示されている情報を見ることができるように、光学的に透明な材料(たとえばガラス)を含むことができる。
【0018】
ウェアラブルコンピューティングデバイスは、カバー上に位置する1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極を含む。より具体的には、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、カバーの上面上に少なくとも部分的に位置することができる。このようにして、ウェアラブルコンピューティングデバイスを装着しているユーザは、オンデマンドバイオメトリック測定を行うために1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極に接触する(たとえば触れる)ことができる。1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、カバーの外周(たとえば縁)を少なくとも部分的に包み込むことができ、カバーの底面の1つまたは複数の電気コンタクトに接続することができる。このようにして、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、ディスプレイ画面のアクティブ表示領域を囲む領域の少なくとも一部(たとえば不感帯)を見えないように隠すことができる。ディスプレイ画面のアクティブ領域を囲む領域はディスプレイ画面の「不感帯」と呼ばれることを理解されたい。また、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極がディスプレイ画面の不感帯の少なくとも一部を見えないように隠すために使用可能であるため、外見をよくするようにディスプレイ画面のアクティブ領域を囲む領域の一部を被うための要素(たとえばベゼル)を必要としない。
【0019】
1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、たとえば、第1のバイオメトリックセンサ電極および第2のバイオメトリックセンサ電極を含むことができる。たとえば、ユーザは、第1のバイオメトリック測定値(たとえば心電図)を得るために第1のバイオメトリックセンサ電極に接触する(たとえば触れる)ことができる。あるいは、ユーザは、第1のバイオメトリック測定値とは異なる第2のバイオメトリック測定値(たとえば皮膚電位)を得るために第1のバイオメトリックセンサ電極と第2のバイオメトリックセンサ電極の両方に接触することができる。このようにして、ウェアラブルコンピューティングデバイスを装着しているユーザは、第1のバイオメトリックセンサ電極または第2のバイオメトリックセンサ電極の少なくとも一方に接触する(たとえば触れる)ことによって、オンデマンドバイオメトリック測定を行うことができる。後述するように、カバー上に位置する1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、ウェアラブルコンピューティングデバイスと他のデバイス(たとえばスマートフォンなど)との通信を容易にするアンテナとして動作可能とすることができる。たとえば、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、ある周波数の範囲(たとえば約0.6ギガヘルツ(GHz)から約10GHz)にわたり放射することができる。本明細書で使用される場合、数値と組み合わせた「約」という用語の使用は、記載されている数値の20パーセント以内の値の範囲を指す。
【0020】
1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、プリント回路基板と電気通信することができる。たとえば、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、プリント回路基板をカバーの底面上に配置された1つまたは複数の電気コンタクトに接続する電気コネクタを含むことができる。このようにして、電気コネクタはプリント回路基板と1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極との間に電気路を設けることができる。
【0021】
実装形態によっては、電気コネクタは、フレキシブルプリント回路を含むことができる。フレキシブルプリント回路は、基部と、基部に対して相対的に屈曲可能な尾部を含むことができる。実装形態によっては、基部はカバーの底面上の1つまたは複数のコンタクトに接触する(たとえば触れる)ことができる。また、尾部は、プリント回路基板に接触することができる。このようにして、フレキシブルプリント回路は、プリント回路基板と1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極との間に電気路を設けることができる。しかし、フレキシブル回路は、任意の適切な種類の結合材(たとえば異方性導電膜)を介してカバーの底面上の1つまたは複数のコンタクトに接続可能であることを理解されたい。
【0022】
フレキシブルプリント回路は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極の各々のためのフラット高周波伝送線路を含むことができる。フラット高周波伝送線路は、フレキシブルプリント回路の基部とフレキシブルプリント回路の尾部の両方に沿って延びることができる。尾部は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極のアンテナ機能に関連付けられた回路のための1つまたは複数の制御線をさらに含むことができる。また、基部は、1つまたは複数の同調回路、1つまたは複数の整合回路、または、高周波信号の処理に関連付けられた任意のその他の適切な回路もしくはコンポーネントを含むことができる。
【0023】
フレキシブルプリント回路は、実装形態によっては複数の層を含むことができる。たとえば、フレキシブルプリント回路は、第1の層(たとえば外層)と第2の層(たとえば中間層)と第3の層(たとえば内層)を含むことができる。第1の層は、カバーの底面上の1つまたは複数のコンタクトの最も近くに位置することができる。また、フレキシブルプリント回路の第1の層は、実装形態によっては、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極のためのRF接地面の機能を果たすことができる。
【0024】
実装形態によっては、ウェアラブルコンピューティングデバイスのハウジングは、導電材料(たとえば金属)を含むことができる。そのような実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイスは、ハウジングと1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極との間に位置する1つまたは複数の誘電体スペーサを含むことができる。たとえば、1つまたは複数の誘電体スペーサの厚さは約0.5ミリメートルから約3ミリメートルの範囲とすることができる。このようにして、ハウジングと1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極との電磁結合を低減または制御することができる。
【0025】
本開示の例示の態様によるウェアラブルコンピューティングデバイスは、多くの技術的効果および利点を提供することができる。たとえば、バイオメトリックセンサ電極をディスプレイ画面のカバー(たとえばガラス)に組み込むことによって、ディスプレイ画面の不感帯を被う要素(たとえばベゼル)の必要がなくなる。さらに、バイオメトリックセンサ電極は、ウェアラブルコンピューティングデバイスを装着しているユーザのバイオメトリックス(たとえば心電図、皮膚電位など)のオンデマンド測定を可能にすることができる。また、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極は、ある周波数の範囲(たとえば約0.6GHzから約10GHz)にわたるアンテナとして機能することもできる。このようにして、バイオメトリックセンサ電極が情報の通信のためのアンテナとして機能することができるため、ウェアラブルコンピューティングデバイスのコンポーネントの総数を削減することができる。
【0026】
次に図を参照すると、
図1および
図2は本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイス100を図示している。図のように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、たとえばユーザの腕102(たとえば手首)に装着することができる。たとえば、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、バンド104とハウジング110を含むことができる。実装形態によっては、ハウジング110は導電材料(たとえば金属)を含むことができる。別の実装形態では、ハウジング110は非導電材料(たとえばプラスチック材料、セラミック材料)を含むことができる。
【0027】
ハウジング110はバンド104に結合することができる。このようにして、バンド104は、ハウジング110をユーザの腕102に固定するためにユーザの腕102に締めることができる。また、ハウジング110は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の(たとえばプリント回路基板上に配置された)1つまたは複数の電子コンポーネントのための空洞111を画定することができる。
【0028】
ウェアラブルコンピューティングデバイス100はディスプレイ画面112を含むことができる。ディスプレイ画面112は、ユーザが見るための表示コンテンツ(たとえば時刻、日付、バイオメトリックスなど)を表示することができる。実装形態によっては、ディスプレイ画面112は対話型ディスプレイ画面(たとえばタッチスクリーンまたは非接触画面)を含むことができる。そのような実装形態において、ユーザは、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の動作を制御するために、ディスプレイ画面112を介してウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話することができる。
【0029】
実装形態によっては、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話するためにユーザによって操作(たとえば押圧)可能な1つまたは複数の入力デバイス114を含むことができる。たとえば、1つまたは複数の入力デバイス114は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話するために操作(たとえば押圧)可能な機械式ボタンを含むことができる。実装形態によっては、1つまたは複数の入力デバイス114は、ディスプレイ画面112に関連付けられたバックライト(図示せず)の動作を制御するために操作可能である。1つまたは複数の入力デバイス114は、ユーザが任意の適切な方式でウェアラブルコンピューティングデバイス100と対話することを可能にするように構成可能であることを理解されたい。たとえば、実装形態によっては、1つまたは複数の入力デバイス114は、ディスプレイ画面112上に表示されたコンテンツ(たとえば1つまたは複数のメニュー画面)内をナビゲートするようにユーザによって操作可能である。
【0030】
ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、カバー116がディスプレイ画面112の上に位置するようにハウジング110の上に位置するカバー116を含むことができる。このようにして、カバー116はディスプレイ画面112を引っかき傷から保護することができる。実装形態によっては、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、カバー116とハウジング110との間に位置する封止材(図示せず)を含むことができる。たとえば、封止材の第1の表面がカバー116に接触することができ、封止材の第2の表面がハウジング110に接触することができる。このようにして、ハウジング110とカバー116との間の封止材は液体(たとえば水)がハウジング110の空洞111に入るのを防止することができる。
【0031】
カバー116は、ユーザがディスプレイ画面112上に表示されている情報を見ることができるように、光学的に透明とすることができる。たとえば、実装形態によっては、カバー116はガラス材料を含むことができる。しかし、カバー116は、任意の適切な光学的に透明な材料を含むことができることを理解されたい。
【0032】
カバー116は、ディスプレイ画面112の上面113を被う(たとえば重ね合わさる)ような大きさとすることができる。また、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、カバー116の上面117の一部の上に少なくとも部分的に位置する1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118(1つのみを図示)を含むことができる。より具体的には、上面117の一部は上面117の最外部(たとえば外周)を含むことができる。このようにして、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118は、ディスプレイ画面112を枠囲みするベゼルなどの別個の要素を有する必要をなくすことができる。また、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118がカバー116の上面117に配置されているため、ユーザは、オンデマンドバイオメトリック測定(たとえば心電図、皮膚電位など)を行うために1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118に接触する(たとえば触れる)ことができる。
【0033】
次に
図3を参照すると、本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイス100の断面図が示されている。図のように、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ハウジング110によって画定された空洞111内に少なくとも部分的に位置するプリント回路基板200を含むことができる。ディスプレイ画面112(
図2)は、実装形態によってはプリント回路基板200に電気的に接続可能であることを理解されたい。
【0034】
次に
図4を参照すると、本開示の一部の実装形態によるウェアラブルコンピューティングデバイス100のディスプレイ画面112のカバー116の底面図が示されている。図のように、カバー116の底面121に電気コンタクト300を配置することができる。1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118は、カバー116の底面121までカバー116の外周119の周囲を少なくとも部分的に包み込むことができる。たとえば、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118がカバー116の底面121の電気コンタクト300に接触する(たとえば触れる)ように、カバー116の底面121までカバー116の外周119を少なくとも部分的に包み込むことができる。
【0035】
次に
図5を参照すると、本開示の一部の実装形態により、プリント回路基板200とカバー116(
図4)の底面121(
図4)に配置された電気コンタクト300との間に電気コネクタ400を接続することができる。このようにして、電気コネクタ400は1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118とプリント回路基板200との間に1つまたは複数の電気信号を通すための電気路を設けることができる。たとえば、実装形態によっては、1つまたは複数の電気信号は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118を介して取られるユーザのオンデマンドバイオメトリック測定値に関連付けることができる。あるいは、1つまたは複数の電気信号は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118を介して別のデバイス(たとえばスマートフォン)と通信するウェアラブルコンピューティングデバイス100(
図1)に関連付けることができる。たとえば、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118は、ある範囲の周波数にわたる高周波信号を伝達する(たとえば送信および/または受信する)ように構成されたアンテナとして機能することができる。実装形態によっては、周波数の範囲は約0.6ギガヘルツから約10ギガヘルツの範囲とすることができる。次に電気コネクタ400の詳細について詳述する。
【0036】
次に
図6を参照すると、電気コネクタ400は、実装形態によっては、電気コネクタ400がウェアラブルコンピューティングデバイス100(
図1)に関連付けられた垂直方向Vに沿ってカバー166に加えられる力をなくすかまたは低減するように、カバー116(
図4)の底面121(
図4)上の電気コンタクト300に接触する(たとえば触れる)ことができる。たとえば、電気コネクタ400は、電気コネクタ400が、垂直方向Vに対して実質的に垂直な(たとえば、垂直の約15度内、垂直の約10度内、垂直の約5度内、垂直の約1度内)水平方向Hに沿って対抗する力F
1およびF
2を加えるように電気コンタクト300を囲むように、電気コンタクト300に接触することができる。このようにして、電気コネクタ400は、カバー116とハウジング110との間に位置する封止材(図示せず)に損傷を与える(たとえば漏れを生じさせる)可能性を低減またはなくすように電気コンタクト300に接触することができる。
【0037】
次に
図7を参照すると、電気コネクタ400は、実装形態によってはフレキシブルプリント回路とすることができる。電気コネクタ400は、基部402と、基部402から延びる尾部404とを含むことができる。尾部404は基部402に対して相対的に屈曲する(たとえば曲がる)ことができる。電気コネクタ400は、プリント回路基板200とカバー116(
図4)の底面121(
図4)上の電気コンタクト300(
図4)との間に接続することができる。このようにして、電気コネクタ400はプリント回路基板200と1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118との間に電気路を設けることができる。しかし、電気コネクタ400は、任意の適切な種類の結合材(たとえば異方性導電膜)を介してカバー116の底面121の電気コンタクト300に接続可能であることを理解されたい。
【0038】
実装形態によっては、電気コネクタ400の尾部404は1つまたは複数のコンタクト406(1つのみを図示)を含むことができる。1つまたは複数のコンタクト406は、電気コネクタ400をプリント回路基板200に接続するのを容易にすることができる。実装形態によっては、電気コネクタ400の基部402は第1の表面409上に1つまたは複数のコンタクト408(1つのみを図示)を含むことができる。1つまたは複数のコンタクト408は、電気コネクタをハウジング110に接地するのを容易にすることができる。実装形態によっては、電気コネクタ400の基部402は、電気コネクタ400の第1の表面409に対向する電気コネクタ400の第2の表面411上の1つまたは複数のコンタクト416(1つのみを図示)を含むことができる。1つまたは複数のコンタクト416は、カバー116(
図4)の底面121(
図4)上の電気コンタクト300(
図4)への電気コネクタ400の接続を容易にすることができる。
【0039】
実装形態によっては、電気コネクタ400は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118(
図1)の各々のための高周波伝送線路410(1つのみを図示)を含むことができる。たとえば、高周波伝送線路410は、電気コネクタ400の第1の表面409と対向する電気コネクタ400の第2の表面411に沿って延びることができる。図のように、高周波伝送線路410の第1の端は、電気コネクタ400の基部402上に位置することができ、高周波伝送線路410の第2の端は電気コネクタ400の尾部404上に位置することができる。1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118を介して伝達される(たとえば送信、受信される)高周波信号は、高周波伝送線路410を介して1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118に、および1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118から、供給することができることを理解されたい。
【0040】
実装形態によっては、高周波伝送線路410は、高周波伝送線路410の内部導体とウェアラブルコンピューティングデバイス100(
図1)の他の導電性コンポーネント(たとえばハウジング110)との間の電磁結合を低減するかまたはなくすために、平坦(たとえばストリップライン高周波伝送線路)とすることができる。このようにして、高周波伝送線路410の内部導体とウェアラブルコンピューティングデバイス100の他の導電性コンポーネントとの間の電磁結合に少なくとも部分的に起因する、高周波伝送線路410を伝播する高周波信号の劣化を低減または解消することができる。
【0041】
実装形態によっては、尾部404は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118のアンテナ機能に関連付けられた回路のための1つまたは複数の制御線を含むことができる。基部402は、1つまたは複数の同調回路、1つまたは複数の整合回路、または高周波信号の処理に関連する任意のその他の適切な回路もしくはコンポーネントを含むことができる。このようにして、電気コネクタ400に搭載された回路は、バイオメトリックスの測定(たとえば心電図、皮膚電位)に関連付けられた電気信号と、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118のアンテナ機能に関連付けられた電気信号(たとえば高周波信号)とを分離することができる。別の実装形態では、バイオメトリックスの測定に関連付けられた電気信号とアンテナ機能に関連付けられた電気信号とは、プリント回路基板200(
図3)に含まれる回路によって分離可能である。
【0042】
実装形態によっては、電気コネクタ400は複数の層を含むことができる。たとえば、電気コネクタ400は、第1の層(たとえば最上層)と第2の層(たとえば中間層)と第3の層(たとえば最下層)とを含むことができる。電気コネクタ400がプリント回路基板200と電気コンタクト300との間に接続されるとき、電気コネクタ400の第1の層は電気コンタクト300の最も近くに位置することができる。また、電気コネクタ400の第1の層は、銅材料を含むことができる。このようにして、電気コネクタ400の第1の層は、1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118のための高周波接地面として機能することができる。
【0043】
次に
図8から
図11を参照すると、ウェアラブルコンピューティングデバイス100の1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118(
図1)は、実装形態によっては、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510を含むことができる。別の実装形態では、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は2つより多くのバイオメトリックセンサ電極を有することができる。
【0044】
図のように、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、カバー116の上面117上に位置することができる。たとえば、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、各々、カバー116の上面117の一部の上に少なくとも部分的に位置することができる。より具体的には、上面117の一部は上面117の最外部(たとえば外周)を含むことができる。このようにして、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、ディスプレイ画面112を枠囲みするベゼルなどの別個の要素を有する必要をなくすことができる。
【0045】
第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、ディスプレイ画面112を枠囲みする別個の要素(たとえばベゼル)を有する必要をなくすことができることを理解されたい。たとえば、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、ディスプレイ画面112のアクティブ表示領域600を囲む領域の少なくとも一部を被うことができる。たとえば、アクティブ表示領域600を囲む領域の一部はディスプレイ画面112の不感帯を含むことができる。本明細書で使用される「不感帯」という用語は、ディスプレイ画面112の上面113のアクティブ表示領域600の縁610からカバー116の外周119まで延びるディスプレイ画面112の上面117の領域を指す。
【0046】
また、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510がカバー116の上面117上に位置するため、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、ウェアラブルコンピューティングデバイス100を装着しているユーザのバイオメトリックス(たとえば心電図、皮膚電位など)のオンデマンド測定を可能にすることができる。たとえば、実装形態によっては、ユーザはオンデマンド心電図読み取り値を得るために第1のバイオメトリックセンサ電極500に接触する(たとえば触れる)ことができる。これに代えて、またはこれに加えて、ユーザはオンデマンド皮膚電位読み取り値を得るために第1のバイオメトリックセンサ電極500と第2のバイオメトリックセンサ電極510の両方に接触する(たとえば触れる)ことができる。
【0047】
実装形態によっては、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、カバー116の上面117上で互いから離隔させることができる。たとえば、第1のバイオメトリックセンサ電極500の第1の端502と第2のバイオメトリックセンサ電極510の第1の端512との間に第1の間隙520を画定することができる。さらに、第1のバイオメトリックセンサ電極500の第2の端504と第2のバイオメトリックセンサ電極510の第2の端514との間に第2の間隙522を画定することができる。実装形態によっては、第1の間隙520の幅と第2の間隙522の幅は同じとすることができる。別の実装形態では、第1の間隙520の幅は第2の間隙522の幅とは異なることができる(たとえばより狭いかまたはより広い)。たとえば、実装形態によっては、第1の間隙520の幅と第2の間隙522の幅は約0.5mmから約2mmの範囲とすることができる。
【0048】
第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、カバー116の底面121上の1つまたは複数の電気コンタクトに接触する(たとえば触れる)ようにカバー116の外周119を包み込むことができる。たとえば、実装形態によっては、カバー116の底面121は第1の電気コンタクト700と第2の電気コンタクト710を含むことができる。そのような実装形態において、第1のバイオメトリックセンサ電極500は、カバー116の底面121上の第1の電気コンタクト700に接触するようにカバー116の外周119の第1の部分を包み込むことができる。また、第2のバイオメトリックセンサ電極510は、カバー116の底面121の第2の電気コンタクト710に接触するように、カバー116の外周119の第2の部分を包み込むことができる。カバー116の外周119の第2の部分は、カバー116の外周119の第1の部分とは異なることを理解されたい。たとえば、実装形態によっては、外周119の第1の部分はカバー116の上半分に対応することができる。また、そのような実装形態において、外周119の第2の部分はカバー116の下半部に対応することができる。実装形態によっては、カバー116の底面121はより多くの電気コンタクトを含むことができることも理解されたい。たとえば、実装形態によっては、カバー116の底面121は、第1のバイオメトリックセンサ電極500を接続可能な複数の電気コンタクトを含むことができる。これに代えて、またはこれに加えて、カバー116の底面121は、第2のバイオメトリックセンサ電極510を接続可能な複数の電気コンタクトを含むことができる。
【0049】
実装形態によっては、カバー116の上面117とカバー116の底面121は各々平坦とすることができる。これに代えて、またはこれに加えて、カバー116の外周119は曲線状とすることができる。しかし、カバー116は任意の適切な形状を有することができることを理解されたい。実装形態によっては、第1のバイオメトリックセンサ電極500および第2のバイオメトリックセンサ電極510は、電気コネクタ400(
図5)を介してプリント回路基板200に電気的に結合することができることも理解されたい。たとえば、実装形態によっては、電気コネクタ400はプリント回路基板200とカバー116の底面121上の1つまたは複数の電気コンタクト(たとえば第1の電気コンタクト700、第2の電気コンタクト710)との間に接続することができる。このようにして、バイオメトリック測定に関連する信号を電気コネクタ400を介してプリント回路基板200上の1つまたは複数の回路に伝達することができる。
【0050】
第1のバイオメトリックセンサ電極500または第2のバイオメトリックセンサ電極510あるいはその両方は、高周波アンテナとして動作することができる。たとえば、第1のバイオメトリックセンサ電極500または第2のバイオメトリックセンサ電極510のうちの少なくとも一方の少なくとも一部は、高周波電流を伝達することができる導電材料を含むことができる。このようにして、第1のバイオメトリックセンサ電極500または第2のバイオメトリックセンサ電極510の少なくとも一方は、高周波アンテナとして動作することができる。導電材料は、高周波電流を伝送することができる任意の適切な導電材料を含み得ることを理解されたい。たとえば、実装形態によっては、導電材料は、銀材料を含むことができる。また、実装形態によっては、銀材料は、約20マイクロメートルから約40マイクロメートルの範囲の厚さを有することができる。
【0051】
実装形態によっては、カバー116の上面117上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極500または第2のバイオメトリックセンサ電極510のうちの少なくとも一方の一部は、導電材料を含むことができる。これに代えて、またはこれに加えて、カバー116の下面121上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極500または第2のバイオメトリックセンサ電極510のうちの少なくとも一方の一部は、導電材料を含むことができる。第1のバイオメトリックセンサ電極500または第2のバイオメトリックセンサ電極510のうちの少なくとも一方の任意の部分が導電材料を含むことができることを理解されたい。
【0052】
実装形態によっては、第1のバイオメトリックセンサ電極500の少なくとも一部は、1つまたは複数の第1の高周波電流の伝送を容易にするために第1の導電材料を含むことができる。このようにして、第1のバイオメトリックセンサ電極500は第1の高周波アンテナとして動作可能とすることができる。さらに、第2のバイオメトリックセンサ電極510の少なくとも一部は、1つまたは複数の第2の高周波電流の伝送を容易にするために第2の導電材料を含むことができる。このようにして、第2のバイオメトリックセンサ電極510は第2の高周波アンテナとして動作可能とすることができる。
【0053】
実装形態によっては、第1の導電材料と第2の導電材料は互いに異なり得る。別の実装形態では、第1の導電材料と第2の導電材料は同じとすることができる。たとえば、実装形態によっては、第1の導電材料と第2の導電材料は、銀材料を含み得る。
【0054】
次に
図12A、12B、13A、13B、14Aおよび14Bを参照すると、第1の物理蒸着(PVD)画定コーティング530が第1のバイオメトリックセンサ電極500の少なくとも一部を被うことができる。たとえば、第1のPVD画定コーティング530は、第1の導電材料を含む第1のバイオメトリックセンサ電極500の少なくとも一部を被うことができる。これに代えて、またはこれに加えて、第1のPVD画定コーティング530とは独立した第2の物理蒸着(PVD)画定コーティング540が、第2のバイオメトリックセンサ電極510の少なくとも一部を被うことができる。たとえば、第2のPVD画定コーティング540は、第2の導電材料を含む第2のバイオメトリックセンサ電極510の少なくとも一部を被うことができる。
【0055】
第1の導電材料を含む第1のバイオメトリックセンサ電極500の一部を被う第1のPVD画定コーティング530は、第1のバイオメトリックセンサ電極500が第1の高周波アンテナとして動作可能な周波数の範囲(たとえば約0.6ギガヘルツから約10ギガヘルツ)について第1のPVD画定コーティング530が少なくとも部分的に高周波透過性であるようなシート抵抗を有することができることを理解されたい。たとえば、実装形態によっては、第1のPVD画定コーティング530のシート抵抗は1平方当たり200オームを上回ることができる。これに代えて、またはこれに加えて、第1のPVD画定コーティング530の高周波透過性はこの周波数の範囲について少なくとも80%(たとえば少なくとも0.8の透過係数)とすることができる。別の実装形態では、第1のPVD画定コーティング530はさらにより高周波透過性とすることができる。たとえば、実装形態によっては、第1のPVD画定コーティング530の高周波透過性はこの周波数の範囲について少なくとも90%(たとえば少なくとも約0.90の透過係数)とすることができる。
【0056】
第2の導電材料を含む第2のバイオメトリックセンサ電極510の一部を被う第2のPVD画定コーティング540は、第2のバイオメトリックセンサ電極510が第2の高周波アンテナとして動作可能な周波数の範囲(たとえば約0.6ギガヘルツから約10ギガヘルツ)について第2のPVD画定コーティング540が少なくとも部分的に高周波透過であるようなシート抵抗を有することができることも理解されたい。たとえば、実装形態によっては、第2のPVD画定コーティング540のシート抵抗は1平方当たり200オームを上回ることができる。これに代えて、またはこれに加えて、第2のPVD画定コーティング540の高周波透過性は、この周波数範囲について少なくとも80%(たとえば少なくとも0.8の透過係数)とすることができる。別の実装形態では、第2のPVD画定コーティング540は、さらにより高周波透過とすることができる。たとえば、実装形態によっては、第2のPVD画定コーティング540の高周波透過性は、この周波数の範囲について少なくとも90%(たとえば少なくとも約0.90の透過係数)とすることができる。
【0057】
実装形態によっては、第1のPVD画定コーティング530は、
図12Aに示すように、カバー116の上面117上に位置する第1のバイオメトリックセンサ電極500の少なくとも一部を被うことができる。これに代えて、またはこれに加えて、第2のPVD画定コーティング540は、カバー116の上面117上に位置する第2のバイオメトリックセンサ電極510の少なくとも一部を被うことができる。実装形態によっては、第1のPVD画定コーティング530は、
図13Aに示すように、カバー116の底面121上に配置された第1のバイオメトリックセンサ電極500の少なくとも一部を被うことができる。これに代えて、またはこれに加えて、第2のPVD画定コーティング540は、
図13Bに示すように、カバー116の底面121上に配置された第2のバイオメトリックセンサ電極510の少なくとも一部を被うことができる。
【0058】
第1のPVD画定コーティング530は第1のバイオメトリックセンサ電極500の任意の部分を被うことができることを理解されたい。たとえば、実装形態によっては、第1のPVD画定コーティング530は第1のバイオメトリックセンサ電極500を完全に被うことができる。第2のPVD画定コーティング540は、第2のバイオメトリックセンサ電極510の任意の部分を被うことができることも理解されたい。たとえば、実装形態によっては、第2のPVD画定コーティング540は、第2のバイオメトリックセンサ電極510を完全に被うことができる。
【0059】
実装形態によっては、
図14Aに示すように、アクティブ表示領域600の縁610と第1のバイオメトリックセンサ電極500との間に第1の間隙620を画定することができる。たとえば、実装形態によっては、第1の間隙620の幅は、第1のバイオメトリックセンサ電極500の第1の導電材料へのディスプレイ画面112の電磁結合を低減または制御するために、1ミリメートルより大きくすることができる。このようにして、第1のバイオメトリックセンサ電極500の第1の導電材料へのディスプレイ画面112の電磁結合に起因する第1の高周波アンテナ(たとえば第1のバイオメトリックセンサ電極500)の放射の劣化を低減または制御することができる。
【0060】
実装形態によっては、第1のバイオメトリックセンサ電極500の少なくとも一部を被う第1のPVD画定コーティング530は、ディスプレイ画面112のアクティブ表示領域600の縁610に向かって内側に延びることができる。たとえば、第1のPVD画定コーティング530は、
図14Aに示すように、アクティブ表示領域600の縁610に向かって内側に延びることができる。実装形態によっては、第1のPVD画定コーティング530は、アクティブ表示領域600の縁610と第1のPVD画定コーティング530との間の間隙の幅が1ミリメートル未満であるように、アクティブ表示領域600の縁610に向かって内側に延びることができる。
【0061】
また、そのような実装形態において、第1のPVD画定コーティング530は、第1のバイオメトリックセンサ電極500が第1の高周波アンテナとして動作可能な周波数の範囲(たとえば約0.6ギガヘルツから約10ギガヘルツ)について第1のPVD画定コーティング530がより高周波透過であるようなシート抵抗を有することができる。このようにして、第1の導電材料が1つまたは複数の第1の高周波電流を伝送することができる周波数の範囲について第1のPVD画定コーティング530がより高周波透過であるため、第1のPVD画定コーティング530がディスプレイ画面112のアクティブ表示領域600の縁610に近い(たとえば1ミリメートル未満)ことに起因する第1の高周波アンテナのパフォーマンス(たとえば放射効率)の劣化を低減または解消することができる。
【0062】
実装形態によっては、
図14Bに示すように、アクティブ表示領域600の縁610と第2のバイオメトリックセンサ電極510との間に第2の間隙630を画定することができる。たとえば、実装形態によっては、第2のバイオメトリックセンサ電極510の第2の導電材料へのディスプレイ画面112の電磁結合を低減または制御するために、第2の間隙630の幅は1ミリメートルより大きくすることができる。このようにして第2のバイオメトリックセンサ電極510の第2の導電材料へのディスプレイ画面112の電磁結合に起因する第2の高周波アンテナ(たとえば第2のバイオメトリックセンサ電極510)の放射の劣化を低減または制御することができる。
【0063】
実装形態によっては、アクティブ表示領域600の縁610と第2のバイオメトリックセンサ電極510との間に画定される第2の間隙630の幅は、アクティブ表示領域600の縁610と第1のバイオメトリックセンサ電極500との間に画定される第1の間隙620の幅とは異なり得る(たとえばより広い、より狭い)。別の実装形態では、第2の間隙630の幅は第1の間隙620の幅と同じとすることができる。
【0064】
実装形態によっては、第2のバイオメトリックセンサ電極510の少なくとも一部を被う第2のPVD画定コーティング540は、ディスプレイ画面112のアクティブ表示領域600の縁610に向かって内側に延びることができる。たとえば、第2のPVD画定コーティング540は、
図14Bに示すように、アクティブ表示領域600の縁610に向かって内側に延びることができる。実装形態によっては、第2のPVD画定コーティング540は、アクティブ表示領域600の縁610と第2のPVD画定コーティング540との間の間隙の幅が1ミリメートル未満であるように、アクティブ表示領域600の縁610に向かって内側に延びることができる。
【0065】
また、そのような実装形態において、第2のPVD画定コーティング540は、第2のバイオメトリックセンサ電極510が第2の高周波アンテナとして動作可能な周波数の範囲(たとえば約0.6ギガヘルツから約10ギガヘルツ)について第2のPVD画定コーティング540がより高周波透過であるようなシート抵抗を有することができる。このようにして、第2の導電材料が1つまたは複数の第2の高周波電流を伝送することができる周波数の範囲について第2のPVD画定コーティング540が高周波透過であるため、第2のPVD画定コーティング540がディスプレイ画面112のアクティブ表示領域600の縁610に近い(たとえば1ミリメートル未満)ことに起因する第2の高周波アンテナのパフォーマンス(たとえば放射効率)の劣化を低減または解消することができる。
【0066】
次に
図15を参照すると、第1のバイオメトリックセンサ電極500または第2のバイオメトリックセンサ電極510のうちの少なくとも一方のために複数の電気コネクタを使用することができる。たとえば、第1の電気コネクタ(たとえば
図4の電気コネクタ400)を、プリント回路基板200と第1のバイオメトリックセンサ電極500のための第1の電気コンタクト800との間に接続することができる。さらに、第2の電気コネクタ(たとえば
図4の電気コネクタ400)をプリント回路基板200と第1のバイオメトリックセンサ電極500のための第2の電気コンタクト802との間に接続することができる。このようにして、高周波アンテナとして動作する場合に第1のバイオメトリックセンサ電極500上でアパーチャチューニングを実施することができる。たとえば、第1のバイオメトリックセンサ電極500を第1の電気コネクタを介してプリント回路基板200(
図2)上の無線回路に接続することができる。また、第1のバイオメトリックセンサ電極500を第2の電気コネクタを介してプリント回路基板200上のアパーチャチューニング回路に接続することができる。より具体的には、第1のバイオメトリックセンサ電極500がより広い周波数範囲または追加の周波数帯域にわたって動作することを可能にするために、第1のバイオメトリックセンサ電極500の共振を調整することができる。
【0067】
また、実装形態によっては、第3の電気コネクタ(たとえば
図4の電気コネクタ400)をプリント回路基板200と第2のバイオメトリックセンサ電極510のための第3の電気コンタクト810との間に接続することができる。さらに、第4の電気コネクタ(たとえば
図4の電気コネクタ400)をプリント回路基板200と第2のバイオメトリックセンサ電極510のための第4の電気コネクタ812との間に接続することができる。このようにして、高周波アンテナとして動作する場合に第2のバイオメトリックセンサ電極510上でアパーチャチューニングを実施することができる。たとえば、第2のバイオメトリックセンサ電極510を、第3の電気コネクタを介してプリント回路基板200(
図2)上の無線回路に接続することができる。また、第2のバイオメトリックセンサ電極510を第4の電気コネクタを介してプリント回路基板200上のアパーチャチューニング回路に接続することができる。より具体的には、第2のバイオメトリックセンサ電極510がより広い周波数範囲または追加の周波数帯にわたって動作することを可能にするために、第2のバイオメトリックセンサ電極510の共振を調整することができる。
【0068】
次に
図16を参照すると、本開示の一部の実装形態による、ウェアラブルコンピューティングデバイス100(
図3)の一部の断面図が示されている。ウェアラブルコンピューティングデバイス100のハウジング110は、実装形態によっては、導電材料(たとえば材料(material))を含むことができる。そのような実装形態において、ウェアラブルコンピューティングデバイス100は、ハウジング110とカバー116の外周119との間に位置する1つまたは複数の誘電体スペーサ900(1つのみを図示)を含むことができる。このようにして、1つまたは複数の誘電体スペーサ900は、ハウジング110(たとえば金属)と、カバー116の外周119を少なくとも部分的に包み込む1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118との間の電磁結合を低減または制御することができる。実装形態によっては、ハウジング110と1つまたは複数のバイオメトリックセンサ電極118との間の電磁結合を低減または制御するのに必要な間隔を設けるために、1つまたは複数の誘電体スペーサ900の幅902は、約0.5ミリメートルから約3ミリメートルの範囲とすることができる。
【0069】
本主題についてその様々な具体的な例示の実施形態に関して説明したが、各実施例は本開示の限定のためではなく説明のために示されている。当業者は、上記を理解すれば、そのような実施形態の変更、変形および同等物を容易に製作することができる。したがって、当業者には容易にわかるように、本開示は本主題に対するそのような修正、変形および/または追加の包含を排除しない。たとえば、1つの実施形態の一部として例示または説明されている特徴は、さらなる実施形態をもたらすように別の実施形態とともに使用することができる。したがって、本開示はそのような変更、変形および同等物を対象として含むことが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に電気的に結合されたディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上に位置し、上面と底面とを含み、前記底面は前記プリント回路基板に電気的に接続された1つまたは複数の電気コンタクトを含む、カバーと、
前記カバーの前記上面上に位置し、前記カバーの外周を少なくとも部分的に包み込み、前記カバーの前記底面上の前記1つまたは複数の電気コンタクトに接触するバイオメトリックセンサ電極とを含み、前記バイオメトリックセンサ電極は、高周波電流を伝送することができる導電材料を含む1つまたは複数の部分を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記プリント回路基板を前記カバーの前記底面上の前記1つまたは複数の電気コンタクトに電気的に接続する1つまたは複数の電気コネクタをさらに含む、請求項1に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記1つまたは複数の電気コネクタは、基部と前記基部に対して相対的に屈曲可能な尾部とを有するフレキシブルプリント回路を含む、請求項2に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記フレキシブルプリント回路は、前記フレキシブルプリント回路の前記尾部と前記フレキシブルプリント回路の前記基部とに配置された1つまたは複数の高周波伝送線路を含む、請求項3に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記ハウジングは、導電性ハウジングを含む、請求項1
~請求項4のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記導電性ハウジングと前記バイオメトリックセンサ電極との間に位置する1つまたは複数の誘電体スペーサをさらに含む、請求項5に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記カバーは、ガラス材料を含む、請求項1
~請求項6のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記導電材料を含む前記バイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分を被う物理蒸着画定コーティングをさらに含む、請求項1
~請求項7のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記バイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分は、前記カバーの前記上面上に位置する前記バイオメトリックセンサ電極の第1の部分または前記カバーの前記底面上に位置する前記バイオメトリックセンサ電極の第2の部分のうちの少なくとも一方を含む、請求項8に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記物理蒸着画定コーティングは、少なくとも部分的に高周波透過性である、請求項8
もしくは請求項9に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記物理蒸着画定コーティングと前記ディスプレイ画面のアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙は、前記バイオメトリックセンサ電極と前記アクティブ表示領域の前記縁との間に画定された間隙より狭い、請求項8
~請求項10のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記バイオメトリックセンサ電極と前記アクティブ表示領域の前記縁との間に画定された前記間隙は、1ミリメートルより大きい、請求項11に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記導電材料は、銀材料を含む、請求項1
~請求項12のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項14】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に少なくとも部分的に配置されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に電気的に結合されたディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上に位置し、上面と底面とを含み、前記底面は第1の電気コンタクトと第2の電気コンタクトとを含み、前記第1の電気コンタクトおよび前記第2の電気コンタクトは各々前記プリント回路基板に電気的に接続されている、カバーと、
第1のバイオメトリックセンサ電極および第2のバイオメトリックセンサ電極とを含み、前記第1のバイオメトリックセンサ電極および前記第2のバイオメトリックセンサ電極は前記カバーの前記上面上で互いから離隔され、前記第1のバイオメトリックセンサ電極は、前記カバーの外周の第1の部分を包み込み、前記第1の電気コンタクトに接続され、前記第2のバイオメトリックセンサ電極は、前記カバーの前記外周の第2の部分を包み込み、前記第2の電気コンタクトに接続され、前記第1のバイオメトリックセンサ電極または前記第2のバイオメトリックセンサ電極のうちの少なくとも一方は、高周波電流を伝送することができる導電材料を含む1つまたは複数の部分を有する、ウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分は、前記第1のバイオメトリックセンサ電極が第1の高周波アンテナとして動作可能なように第1の高周波電流を伝送することができる第1の導電材料を含み、
前記第2のバイオメトリックセンサ電極の1つまたは複数の部分は、前記第2のバイオメトリックセンサ電極が第2の高周波アンテナとして動作可能なように第2の高周波電流を伝送することができる第2の導電材料を含む、請求項14に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記第1の導電材料または前記第2の導電材料のうちの少なくとも一方は、銀材料を含む、請求項15に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分は、前記カバーの前記上面上に位置する前記第1のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分と、前記カバーの前記底面上に位置する前記第1のバイオメトリックセンサ電極の第2の部分とを含み、
前記第2のバイオメトリックセンサ電極の前記1つまたは複数の部分は、前記カバーの前記上面上に位置する前記第2のバイオメトリックセンサ電極の第1の部分と、前記カバーの前記底面上に位置する前記第2のバイオメトリックセンサ電極の第2の部分とを含む、請求項
14~請求項16のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記第1の部分または前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記第2の部分を被う第1の物理蒸着画定コーティングと、
前記第1のバイオメトリックセンサ電極の前記第1の部分または前記第2の部分を被う第2の物理蒸着画定コーティングとをさらに含む、請求項
14~請求項17のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記第1のバイオメトリックセンサ電極と前記ディスプレイ画面のアクティブ表示領域の縁との間に画定された間隙は、前記第1の物理蒸着画定コーティングと前記ディスプレイ画面の前記アクティブ表示領域の前記縁との間に画定された間隙より広い、請求項18に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記プリント回路基板を前記カバーの前記底面上の前記第1の電気コンタクトに電気的に接続する第1の電気コネクタと、
前記プリント回路基板を前記カバーの前記底面上の前記第2の電気コンタクトに電気的に接続する第2の電気コネクタとをさらに含む、請求項14
~請求項19のいずれか1項に記載のウェアラブルコンピューティングデバイス。
【国際調査報告】