(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】多材料レンズパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 77/02 20060101AFI20241010BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B65D77/02 C
G02C7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024520964
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 IB2022059508
(87)【国際公開番号】W WO2023057923
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グーチ・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】バーキル・ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】アンセル・スコット・エフ
【テーマコード(参考)】
2H006
3E067
【Fターム(参考)】
2H006BC00
3E067AA03
3E067AB95
3E067AC01
3E067BA10A
3E067BA25A
3E067BB14A
3E067BC02A
3E067EB27
3E067EC25
(57)【要約】
コンタクトレンズを保持するためのボウルと、ボウルとは異なるポリマー材料から作製され得る、ボウルの周囲のフランジと、を含む、コンタクトレンズパッケージが、記載されている。パッケージは、フランジを形成する第2のポリマー材料がタブを封止して、良好な曲げ強度を示す機械的インターロックを提供し得るように、少なくとも1つのスロットを有する少なくとも1つの境界面タブを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージであって、
パッケージ基部を備え、前記パッケージ基部が、
ボウルであって、
レンズを保持するためのウェルと、
ウェル縁部と、前記ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、前記ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、前記ボウルが、前記周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、ボウルと、
境界面において、境界面タブに耐久的に熱結合されている結合オーバーレイを備える、フランジと、を含む、パッケージ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの結合タブが、前記ボウルの前記周縁部の周囲及び/又は下に、単一の連続タブを含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記ヒートシール領域の一部から前記ボウルの前記周縁部まで延在する平面領域を備える、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記平面領域が、前記ボウルから前記フランジの前部に向かって延在する、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記平面領域が、前記ヒートシール領域に沿って前記ボウルに封止されたリッドストックの除去中に把持されてもよい、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記結合タブの少なくとも一部の上面が、前記平面領域の上面と同一平面上にある、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記結合タブの少なくとも一部の上面が、前記平面領域の上面からオフセットされている、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記結合タブが、前記ボウルの少なくとも一部の上面の下方にオフセットされている、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記結合タブが、機械的インターロックを含まない、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記境界面タブの少なくとも一部が、最大約5mm、最大約2mm、又は最大約1.5mmの幅を有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの境界面タブが、約0.5~約2mm、又は約0.5~約1.5mmの幅を有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの境界面タブが、前記ボウル周縁部の約50~100%、約60~100%、又は約00~100%に含まれている、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記結合タブの少なくとも一部が、前記ヒートシールの下に配置されている、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記結合タブの一部が、前記周縁領域の前記ボウル周縁部に沿って配置されており、前記結合タブの一部が、前記ヒートシールの下に配置されている、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記結合タブの前記上面が、前方ボウル部分に沿って前記平面領域と同一平面上にあり、後部及び側部ボウル部分に沿って前記ヒートシール領域の下にある、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記フランジ及び前記ボウルが、同様の厚さを有する、請求項12に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記フランジ及び前記ボウルの厚さが、互いの10%又は5%以内である、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記結合タブが、前記境界面に沿って粗面を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記結合タブが、前記フランジの厚さよりも薄い厚さを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの結合タブが、前記境界面の全厚の約20~約60%、約25~約55%、約30~約55%の厚さを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項21】
前記結合タブが、約0.3~約0.8mm、約0.3~約0.6mmの厚さを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項22】
前記ヒートシールが、前記ボウルの上面より上の隆起面であり、前記ヒートシール領域及び前記ボウルの実質的に均一な厚さを維持するために、前記ヒートシールの下にコアアウトを更に備える、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記コアアウトは、前記ヒートシールが前記ボウル上面の上方に隆起している高さの約10%又は約5%以内の高さを有する、請求項22に記載のパッケージ。
【請求項24】
前記境界面における前記結合タブと前記結合オーバーレイとの接触部が、約1~約5mmである、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項25】
前記境界面における、前記ヒートシールの下に配置されている前記結合タブの前記一部と、前記結合オーバーレイとの接触部が、約1~約2mmである、請求項13に記載のパッケージ。
【請求項26】
前記ボウル領域及び前記フランジ領域が、それぞれ、ボウルポリマー材料及び第2のポリマー材料から形成されている、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項27】
前記結合タブ及び前記結合オーバーレイが、前記境界面において、互いの約30%、約25%、又は約10%以内の厚さを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項28】
前記ボウル周囲に配置された1つ以上の歯を更に含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項29】
前記歯が、前記ボウル周囲の前記後部又は前記側部に配置されている、請求項28に記載のパッケージ。
【請求項30】
前記歯が、境界面タブの間に配置されている、請求項28に記載のパッケージ。
【請求項31】
前記歯が、平坦な輪郭を有する、請求項28~30のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項32】
前記歯が、遠位端部においてより厚い、請求項28~30のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項33】
前記ボウルポリマー材料が透明であり、前記第2のポリマー材料が、着色ポリマー材料、不透明ポリマー材料、再生ポリマー材料、及びこれらの組み合わせから選択されたものである、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項34】
前記ボウルポリマー材料が、透明ポリマー材料、バージンポリマー材料、着色ポリマー材料、少なくとも1種の光吸収化合物を含むポリマー材料、及びこれらの組み合わせから選択されたものである、請求項33に記載のパッケージ。
【請求項35】
前記ボウルポリマー材料、前記フランジポリマー材料、又はその両方が、染料を含む着色剤、顔料、UV吸収剤及びHEV吸収剤を含む光吸収化合物、成核剤、酸化防止剤、清澄剤、熱安定剤、結合樹脂、ナノクレイ、酸素捕捉剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、粘着防止剤、潤滑剤、スリップ剤及び剥離剤、ステアレート、繊維、ナノチューブ、硬化剤、並びにこれらの組み合わせからなる群から独立して選択される、少なくとも1種の添加剤を含み得る、請求項33に記載のパッケージ。
【請求項36】
前記ボウルポリマー材料及び前記フランジポリマー材料が、ポリプロピレンを含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項37】
前記ボウルポリマーが、約2.0g-100um/(m
2-日)未満の水蒸気透過率、10g/10分~約44g/10分のMFR、及びこれらの組み合わせを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項38】
リッドストックを更に含み、前記リッドストックが、前記パッケージ基部に封止されて前記ウェルを包囲し、前記レンズを、前記ボウルと前記リッドストックとの間に保持する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項39】
前記リッドストックが、前記ボウルに封止されている、請求項30に記載のパッケージ。
【請求項40】
前記フランジが、前記ボウル周縁部から横方向に延在する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項41】
前記パッケージが、オートクレーブ処理可能である、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項42】
前記ボウルポリマー材料が、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、少なくとも1つのポリマーを含み、前記フランジポリマー材料が、約145℃を超える溶融温度を有するバージンポリプロピレン又は再生ポリプロピレンから選択されたものである、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項43】
前記フランジポリマー材料が、最大約3%、最大約2%、最大約1%、又は約0.1~約2重量%、又は約0.1~約1.5重量%の着色剤を含む、請求項42に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年9月22日に出願された米国特許出願第17/934,286号及び2021年10月8日に出願された米国仮特許出願第63/253,958号の優先権を主張し、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ソフトコンタクトレンズは、一般に、多くの場合、ブリスタパッケージと称される封止された無菌容器で販売されている。ブリスタパッケージは、コンタクトレンズ及びパッキング溶液が収容されるウェルを備えるプラスチック基部を有するが、このウェルは、基部を剥離可能なフィルムに封止することを可能にするフランジ領域によって囲まれている。ユーザは、基部からフィルムを剥がすことによってブリスタパッケージを開封する。
【0003】
ブリスタボウルは、コンタクトレンズ溶液又はコンタクトレンズのいずれとも相互作用してはならず、したがって、一般に、再生材料又は着色材料から作製することはできないが、このような材料は、環境的に持続可能である、又はより特徴的なパッケージをそれぞれ提供し得る。湿潤剤、医薬品及び栄養補助食品などの追加の構成成分を含むレンズ及びパッケージ溶液の場合、プラスチック基部の部分は、追加の構成成分を吸収してはならない。しかしながら、ポリプロピレンのような多くの一般的なパッケージ用プラスチックは、このような追加の構成成分を吸収し得る。このような追加の構成成分を吸収しない材料、例えば環状オレフィンポリマー材料及びコポリマー材料から作製されたプラスチック基部が提案されているが、このような材料は、高価であり、成形が困難である。
【0004】
米国特許第8459445号は、色構成成分を含むコンタクトレンズ・ブリスタパッケージを開示している。色構成成分はコア材料に含まれ、コア材料は、バリア材料コーティングでコーティングされている。これは、フランジ及びボウルがコーティングされたパッケージを作製することを可能にするが、ボウルが透明なままであり、フランジが着色されているコンタクトレンズを開示していない。それはまた、ボウルが1種の材料から作製され得、フランジが別の材料から作製され得るパッケージを開示していない。米国特許第8420197号は、異種の成形材料から物品を成形するために構造的インターロックを使用することを開示している。構造的インターロックは、第1の材料内にインターロック空洞を形成し、空洞を第2の材料で充填することによって形成される。米国特許第8420197号の構造的インターロックは、横方向の引張力に対して良好な強度を提供するインターロックを提供するが、インターロックは、コンタクトレンズパッケージボウルとフランジとの間の結合部で生じるような曲げ応力が加わった際に、特に開封時に壊れる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、互いに容易に結合しない材料を含む2種以上の材料から作製される改良されたコンタクトレンズパッケージが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、消費者によって使用されるコンタクトレンズのパッケージに関する。より具体的には、本パッケージは、コンタクトレンズパッケージを作製する際に、異なる材料の使用を可能にし、それによって、コンタクトレンズ及びパッキング溶液を保持するボウル、並びにボウルを取り囲むフランジなど、パッケージ基部の異なる部分に異なる材料を使用し得る。この属性は、無菌であり、レンズ又はパッキング溶液と相互作用せず、望ましい特性を有するコンタクトレンズパッケージを作製する際により大きな柔軟性を可能にするコンタクトレンズパッケージを提供する。本発明は更に、ボウルが1種のポリマー材料から形成され、フランジが、射出成形プロセス中に、ボウルポリマー材料に直接熱接着することが可能な別のポリマー材料から形成されるコンタクトレンズパッケージに関する。
【0007】
本発明は更に、パッケージであって、
パッケージ基部を備え、当該パッケージ基部が、ボウルであって、
レンズを保持するための、ウェルと、
ウェル縁部と、当該ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、当該ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、当該ボウルが、当該周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、ボウルと、
境界面において、境界面タブに耐久的に熱結合されている結合オーバーレイを備える、フランジと、を含む、パッケージに関する。
【0008】
本発明は更に、コンタクトレンズパッケージを形成するためのプロセスであって、
ボウルポリマー材料からボウルを射出成形することであって、当該ボウルが、
レンズを保持するための、ウェルと、
ウェル縁部と、当該ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、当該ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、当該ボウルが、当該周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、ボウルポリマー材料からボウルを射出成形することと、
フランジポリマー材料からフランジを射出成形することであって、これによって、当該フランジポリマー材料が境界面タブに接触して、境界面において、当該境界面タブに耐久的に熱結合されている結合オーバーレイを形成する、フランジポリマー材料からフランジを射出成形することと、を含む、コンタクトレンズパッケージを形成するためのプロセスに関する。
【0009】
「発明の概要」及び「要約」のセクションは、本発明者らによって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、したがって、本発明及び添付の「特許請求の範囲」をいかようにも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】コンタクトレンズパッケージの基部部分の平面図である。
【
図2A】本明細書に含まれる本発明の説明に従って作製された、コンタクトレンズパッケージのボウル部分の平面図である。
【
図2B】コンタクトレンズパッケージのボウル部分の側断面図である。
【
図3A】それぞれ、3A及び3Bとラベル付けされたコンタクトレンズパッケージ基部のボウル部分の結合タブの側断面図である。
【
図3B】それぞれ、3A及び3Bとラベル付けされたコンタクトレンズパッケージ基部のボウル部分の結合タブの側断面図である。
【
図3C】コンタクトレンズパッケージ基部のボウル部分とフランジ部分との境界面の側断面図である。
【
図3D】コンタクトレンズパッケージ基部のボウル部分とフランジ部分との境界面の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、参照番号が特定の要素を示す、添付図面に図示される代表的な実施形態を、詳細に参照する。以下の説明は、無数の実施形態を、具体的に説明した実施形態に限定することを意図するものではない。対照的に、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、記載された実施形態の趣旨及び範囲内に含まれ得る代替物、修正及び等価物を網羅することが意図されている。
【0012】
「一実施形態(one embodiment)」、「ある実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」等の言及は、記載された実施形態が、特定の特徴、構造、態様、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を、必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、このような語句は、必ずしも同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、態様、又は特性が、ある実施形態に関連して説明される場合、このような特徴、構造、又は特性に対するその他の実施形態に関連する影響は、明示的に説明されているか否かによらず、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0013】
本明細書で使用される表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではなく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0014】
特に、コンタクトレンズ材料及び機能性の多様性が拡大しているので、特定のレンズタイプ又は顧客に合わせて調整されたコンタクトレンズパッケージを作製する要望が高まっている。光発色性化合物などの光吸収材料を含有する、コンタクトレンズ及びUV吸収コンタクトレンズ又は可視光吸収コンタクトレンズ(例えば、ブルーブロッキングのコンタクトレンズ)が利用可能になりつつある。レンズ着用者の眼の外観を変化させる、又は向上させる、コンタクトレンズ(美容レンズ)もまた一般的である。例えば、再生ポリマーを含めることによって、コンタクトレンズ包装の持続可能性を改善することもまた望ましい。しかしながら、着色剤及び再生ポリマーは、コンタクトレンズに接触することができず、したがって、コンタクトレンズのボウルに直接含めることができない。医薬品、栄養補助食品及び湿潤剤などの添加剤が充填されたコンタクトレンズもまた提案されている。これらの添加剤のいくつかは、ポリプロピレンを含む従来のパッケージ材料と相互作用して、コンタクトレンズ中の活性成分の濃度を低下させ得る。しかしながら、主要パッケージ全体を特殊材料から作製することが常に望ましいわけではない場合があり、このような特殊材料は、ポリプロピレンなどの従来の材料に熱的に結合しない場合がある。
【0015】
本発明は、少なくとも2種の熱接着性材料から形成された射出成形パッケージを提供する。本明細書で使用される場合、熱接着性とは、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料が、射出成型プロセス中に、耐久性のある熱接着を形成することを意味する。ポリマー材料は、全く異なるポリマー材料、(例えば、一方のポリマー材料が、ポリプロピレンなどの透明ポリマー材料であり、他方の材料が、着色ポリプロピレンである場合)異なる構成成分を有するブレンド、連続成形又は多段階成形中に、耐久性のある熱接着が形成される限りにおいて、(例えば、1種のポリマー材料について、バージンポリマー材料を使用し、第2のポリマー材料が、再生ポリマー材料を含む)異なる濃度の同じポリマー材料構成成分又は異なる不純物の性質を有する同じポリマー材料を有するブレンドであり得る。本発明は、ボウルの成形をフランジから分離し、ボウルとフランジとの間の耐久性のある射出成形境界面を提供することによって、コンタクトレンズの主要パッケージの設計者に、広範囲の利益を有する主要パッケージを設計及び作製するための増加した範囲の選択肢を提供する。
【0016】
本明細書では、以下の用語が使用される。
【0017】
「不活性」とは、パッケージの作製及び使用中に、構成成分又は材料が非反応性であることを意味する。
【0018】
「リッドストック」は、封止された空洞を形成するために、パッケージの基部部分にヒートシールされる、可撓性フィルム又は可撓性シートである。リッドストックは、一般に、多層であり、支持層及び剥離可能な封止層を含む。リッドストックは、プリント層、積層、ホイル層、及びこれらの組み合わせ等を含む、追加の層を更に含んでもよい。
【0019】
「耐久性のある射出成形境界面」及び「耐久性のある熱接着」は、マルチショット成形された第1のポリマー材料と第2のポリマー材料との間の熱接着を意味するが、これは、物理的インターロック特徴部又は別個の接着剤を使用せずに、ヒートシールされたリッドストックの除去中にパッケージの基部部分から剥がれない結合を提供するのに十分な強度を備える。リッドストック除去時の力は、パッケージの前部に集中するが、本明細書で使用される場合、分離とは、パッケージの前部に沿った境界面における結合の、約50%、約40%、約30%、約20%、又は約10%未満が分離することを意味する。いくつかの実施形態では、開封時に、分離が起こらない。
【0020】
「医薬品」とは、疾患を診断、治癒、処置、又は予防するために使用される任意の化合物を意味する。「眼科用医薬品」とは、眼及び眼瞼を含む眼科系の疾患又は状態を診断、治癒、処置、又は予防するために使用される任意の化合物を意味する。眼科用医薬品の例としては、抗菌化合物、抗アレルギー剤、抗炎症剤、縮瞳薬、ドライアイ、緑内障を治療する、又は近視若しくは老眼の進行を遅らせる若しくは予防する化合物が挙げられる。
【0021】
「光吸収化合物」という用語は、可視スペクトル内(例えば、380~780nmの範囲)の光を吸収する化学物質を指す。「高エネルギー放射線吸収剤」、「UV/HEV吸収剤」又は「高エネルギー光吸収化合物」とは、種々の波長の紫外線、高エネルギー可視光、又はその両方を吸収する化学物質である。ある材料が特定の波長の光を吸収する能力は、そのUV/Vis透過スペクトル又は吸光スペクトルを測定することによって決定され得る。
【0022】
「高エネルギー可視光吸収」、「HEV光吸収」という用語、又は同様の用語は、例えば、400~450nmの範囲の、レンズを通る高エネルギー可視光の1つ以上の波長の透過を制限するコンタクトレンズを指す。
【0023】
「紫外線」又は「UV吸収化合物」は、紫外線スペクトル(例えば、280~400nmの範囲)内の光を吸収する。UV吸収化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、及び置換アクリロニトリルが挙げられる。
【0024】
ある材料が特定の波長の光を吸収する能力は、そのUV/Vis透過スペクトルを測定することによって決定され得る。特定の波長で吸収を呈さない材料は、その波長で実質的に100パーセントの透過率を呈する。逆に、特定の波長で完全に吸収する材料は、その波長で実質的に0%の透過率を呈する。ボウルを形成するために使用されるポリマー材料に含まれる場合、任意の光吸収化合物の濃度は、レンズ及びその構成成分、パッキング溶液添加剤又はその両方を保護するために十分な吸収パーセントを提供するように選択され得る。所望の波長の約20%、30%、50%、70%又はそれ以上の吸収率が好適であり得る。ボウルに含まれる場合、任意の光吸収化合物の濃度は、インライン計測を妨げないように選択され得る。
【0025】
光発色性材料は、特定の強度及び波長の光に曝露された際に可逆的に暗くなる材料である。
【0026】
「光安定化する」、「光安定化された」という用語、又は同様の表現は、本明細書に記載されるような感光性光吸収化合物を含有するコンタクトレンズが、保護の非存在下で呈されるよりも、上記のようなICHガイドラインQ1B条件下での曝露後に、400~450nmの波長範囲にわたって呈する平均透過率の変化が少ないように光分解に対して保護されることを意味する。平均透過率の変化は、光安定化を伴わない同じレンズよりも、少なくとも約5%又は約10%小さくてもよい。曝露は、ICH光安定性ガイドラインの下で実施され、1.5192×106ルクス時の推定照度曝露(168.8時間の曝露時間)及び259.4ワット時/m2の推定紫外線照射曝露(16.2時間の曝露時間)で、Option2光源を使用して、好ましくは、25℃/環境相対湿度下に制御される光安定性チャンバ内で行われてもよい。曝露後、試料のUV/Visスペクトルを収集し、曝露から保護した試料のスペクトルと比較する。例として、光安定化されておらず、少なくとも1種の感光性光吸収化合物を含有するコンタクトレンズは、上記のように、ICHガイドラインQ1B条件(本明細書では「ICHガイドラインQ1B」又は「Q1B条件」に短縮される場合もある)下で露光した後、400~450nmの波長範囲にわたって、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約7%、又は少なくとも約10%のそれらの平均透過率の不可逆的変化を呈する。このような変化は、(示される波長範囲にわたる)露光を伴う平均透過と、露光を伴わない平均透過と、の差の絶対値として計算されてもよい。
【0027】
「環境的に持続可能な」パッケージとは、埋め立てられるパッケージからの材料の量を減少させる、及び/又は再生若しくは持続可能な供給源から含まれる材料の量を増加させるパッケージを意味する。パッケージは、必要とされるパッケージの量を低減すること、パッケージに使用される再生材料の量を増加させること、生分解性材料をパッケージに組み込むこと、又はこれらの組み合わせによって環境的に持続可能にされてもよい。
【0028】
「レンズ」という用語は、眼内又は眼上にある眼用装置を意味する。これらのデバイスは、光学矯正、美容強化、光吸収(UV、HEV、可視光、及びこれらの組み合わせを含む)、グレア低減、近視又は老眼の進行の防止、ドライアイ又はアレルギー性結膜炎などの眼病変の徴候又は症状の低減を含む治療効果、創傷治癒、薬物又は栄養補助食品の送達、診断評価又はモニタリング、あるいはそれらの任意の組み合わせを提供し得る。レンズなる用語には、これらに限定されるものではないが、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼内挿入物、及び光学挿入物が含まれる。コンタクトレンズ(又は「コンタクト」)は、眼の表面上に直接配置される(例えば、眼の表面を覆う涙の膜上に配置される)。コンタクトレンズとしては、ソフトコンタクトレンズ(例えば、従来型又はシリコーンヒドロゲル)、硬質コンタクトレンズ又はハイブリッドコンタクトレンズ(例えば、ソフトスカート又はシェルを有するもの)が挙げられる。コンタクトレンズは、1976年以来、FDAによって、クラスII又はクラスIII医療デバイスであると考えられてきた。
【0029】
ソフトコンタクトレンズは、ヒドロゲルから形成されてもよい。ヒドロゲルは、水を吸収する架橋ポリマーである。ソフトコンタクトレンズ製剤の非限定的な例としては、エタフィルコン(polyHEMA、メタクリル酸コポリマー材料)、ゲンフィルコン、ヒラフィルコン、レネフィルコン、ネルフィルコン、ネソフィルコン、オマフィルコン、ポリマコン(polyHEMA)、ビフィルコン、アクアフィルコン、オリフィルコン、アスモフィルコン、バラフィルコン、コムフィルコン、デレフィルコン、エンフィルコン、エフロフィルコン、ファンフィルコン、フォルモフィルコン、ガリフィルコン、カリフィルコン、ロトラフィルコン、ナラフィルコン、リオフィルコン、サムフィルコン、シフィルコン、セノフィルコン、ソモフィルコン、ステンフィルコンの製剤(それらの変異体の全てを含む)等が挙げられるが、これらに限定されない。コンタクトレンズ製剤は、エタフィルコン、バラフィルコン、アクアフィルコン、ロトラフィルコン、コムフィルコン、ガリフィルコン、セノフィルコン、ナラフィルコン、アスモフィルコン、デレフィルコン、フォルモフィルコン、カリフィルコン、リオフィルコン、サムフィルコン、ソモフィルコン、ステンフィルコン、シフィルコン、ファンフィルコン、及びこれらの変形の全てに加えて、第4,659,782号、同第4,659,783号、同第5,244,981号、同第5,314,960号、同第5,331,067号、同第5,371,147号、同第5,998,498号、同第6,087,415号、同第5,760,100号、同第5,776,999号、同第5,789,461号、同第5,849,811号、同第5,965,631号、同第6,367,929号、同第6,822,016号、同第6,867,245号、同第6,943,203号、同第7,247,692号、同第7,249,848号、同第7,553,880号、同第7,666,921号、同第7,786,185号、同第7,956,131号、同第8,022,158号、同第8,273,802号、同第8,399,538号、同第8,470,906号、同第8,450,387号、同第8,487,058号、同第8,507,577号、同第8,637,621号、同第8,703,891号、同第8,937,110号、同第8,937,111号、同第8,940,812号、同第9,056,878号、同第9,057,821号、同第9,125,808号、同第9,140,825号、同第9156,934号、同第9,170,349号、同第9,244,196号、同第9,244,197号、同第9,260,544号、同第9,297,928号、同第9,297,929号、並びに国際公開第03/22321号、同第2008/061992号、及び米国特許出願第2010/0048847号で調製されるようなシリコーンヒドロゲルから形成されてもよい。
【0030】
「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」という用語は、少なくとも1つのシリコーン含有化合物から作製されるヒドロゲルコンタクトレンズを指す。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、全般的に、従来のヒドロゲルと比較して増加した酸素透過性を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、それらの含水量及びポリマー材料含有量の両方を機能させて酸素を眼に送る。
【0031】
「パッキング溶液」とは、コンタクトレンズと共にパッケージウェル中に含まれる眼科的に適合性の溶液を意味する。パッキング溶液は、一般に、緩衝化されており、ヒトの眼表面に適合するpH及び浸透圧を有する。パッキング溶液は更に、レンズとパッケージウェル及びリッドストックとの間の相互作用を制限する構成成分、又はレンズが眼の上に配置される場合に利点を提供する構成成分を含むが、これらに限定されない追加の構成成分もまた含んでもよい。
【0032】
「マルチショット成形」又は「マルチショット成形された」とは、パッケージの部品が順番に又は連続して成形されるプロセスを意味する。マルチショット成形は、単一又は複数の成形ステーション、単一又は複数の成形機で行なわれ得るが、これらは、同じ場所又は異なる場所に配置されてもよい。
【0033】
ボウルポリマー材料及びフランジポリマー材料は、それぞれ、ボウル及びフランジを成形するために使用されるポリマー材料である。第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料は、それぞれ、第1の成形ショット及び第2の成形ショットに使用される材料である。図は、第1のポリマー材料がボウルポリマー材料であり、第2のポリマー材料がフランジポリマー材料である実施形態を示す。フランジが最初に成形される場合、フランジポリマー材料は、第1のポリマー材料である。全体を通して記載されるポリマー材料は、(ホモポリマー材料、コポリマー材料、又はこれらのブレンドであってもよい)少なくとも1種のポリマー材料を含み、以下に記載されるような添加剤を所望により含んでもよい。
【0034】
本発明のパッケージは、少なくとも2種のポリマー材料から形成された基部を含む。
図1を参照すると、ボウル101は、レンズ、コンタクトレンズ、又はソフトコンタクトレンズなどの無菌医療デバイスのパッケージに好適であり、パッキング溶液及びレンズに対して不活性である、ボウルポリマー材料から形成されている。基部部分100は、ボウル101及びフランジ102を備える。フランジ102は、マルチショット成形されたフランジポリマー材料から形成されている。
【0035】
ボウル101は、レンズ及びパッキング溶液を受容するためのウェル103と、リッドストック(図示せず)がボウルに封止される封止領域104とを備える。ボウルは、その周縁部に沿って、少なくとも1つの結合タブを有する。第2のポリマー材料を金型に導入することによって、フランジ102が成形される場合、第2のポリマー材料は結合タブに接触し、耐久性のある射出成形境界面を形成する。フランジ領域が最初に成形されてもよく、その場合、フランジ領域は、以下に記載される結合タブ、及び任意の歯を含むこともまた理解されるべきである。
【0036】
パッケージを開封するために、ユーザは、基部の前部106からパッケージの後部108に向かって、リッドストックを剥がす。基部部分100の封止領域104とリッドストックとの間の封止は、滅菌、輸送、及び保管の間にレンズ及び溶液の無菌性を維持する封止を維持するために十分な強度を有さなければならない。約0.6~約5.0lbF、1.0~約5.0lbF、1.2~約3.5lbF、及び約1.5~約3.0lbFの剥離強度が一般的である。したがって、パッケージを開封することは、ボウル101とフランジ102との間の任意の境界面に実質的な曲げ応力を及ぼし得る。ユーザはフランジ109の前部をグリップし、リッドストックの前縁をパッケージの後部に向かって引き上げるので、境界面は、リッドストックが開かれている間にボウルがフランジから分離しないように十分に強くなければならない。
【0037】
図2Aを参照すると、ボウルは、少なくとも1つの結合タブ209を備える。結合タブ209は、
図2Aの前側、側部207及び後部208に沿って示されるように、ボウルの周縁部全体205に沿っていてもよい。ゲート220に関して、ボウルの周縁部が外側に延在してゲート領域210を形成する場合、結合タブ209は、ゲート領域の遠位縁部に沿って配置されている。成形中、ボウルポリマー材料は、ゲート220を介して、ボウル領域のための金型に導入される。
【0038】
結合タブの位置決めについて、説明するが、ボウル及びボウルの周縁部への言及はまた、パッケージ基部に含まれる場合、任意のゲート領域のゲート及び周縁部を含む。
【0039】
結合タブ209は、ボウル周縁部205に沿って、ボウル201の上面と同一平面上にあってもよい。結合タブは、ボウルの上部と同じ高さであってもよい、又は
図2Bに示されるように、ボウルの上面の下にオフセットされてもよい。結合タブを、ボウルの上部より下にオフセットすることは、フランジ材料が結合タブの上面上に成形されることを可能にし得る一方で、依然として、ボウルとフランジとの間の境界面に水平表面を提供する。ゲート領域はまた、ボウルの前部に配置されてもよく、ゲート領域の前部に沿った結合タブ209が、ユーザが開封中にフランジを把持する場所に配置されるように延在されてもよい。本構成は、開封中に、耐久性のある射出成形境界面に追加の支持を提供する。結合タブ209はまた、ボウルの上部と同じ高さであってもよいが、
図2Bの3Aに示されるように、ボウルの底面上でアンダーカットされてもよい。
【0040】
第1の材料及び第2の材料は、耐久性のある熱結合を形成するので、結合タブの機械的インターロック及び封止は必要ない。付加的な取付け強度が望まれる場合には、ゲート領域内の貫流などの機械的インターロック特徴部を所望により追加してもよい。より高い曲げ応力が予想される場合の例としては、リッドストックとボウルとの間の剥離強度がより高い場合、又は蒸気滅菌中などの高温に曝露されたパッケージによって引き起こされる応力の結果としての場合が挙げられる。パッケージ開封時の曲げ応力は、一般に、パッケージの前部に集中し、コンタクトレンズボウルの前部に沿ってより大きな結合タブを提供することが望ましい場合がある。
【0041】
パッケージの側部又は後部など、パッケージ開封中に応力が低下するボウルの周囲に沿った位置では、(長さ及び幅の両方に関して)より小さい結合タブを使用してもよい。結合タブ209、309の構成の実施例の断面図が、
図2B及び断面拡大
図3A~3Dに示されている。
【0042】
図3Aは、結合タブ309の拡大図であるが、これは、ボウル又はゲート領域の前部における周縁部に沿ってなど、拡張された幅を有する平坦な輪郭タブを可能にするために十分な隙間がある場所での使用に好適である。拡張された幅の結合タブはまた、それらが、強力な熱的に耐久性のある結合を提供するので、開封中の高い曲げ応力の領域において使用され得る。
【0043】
第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料は、耐久性のある熱結合を形成するので、結合タブは、
図3Bに示されるように、封止領域304の下又はそれに隣接して配置されてもよい。結合タブ309は、隆起した封止領域304と、丸みを帯びた斜面上部及び底部の出隅と共に示される終端部315とを含む。多くのその他の輪郭が結合タブに好適であるが、輪郭表面は、より大きな結合表面積を提供するために粗面化又は不規則化されてもよい。境界面における結合タブ309の厚さ317は、第2のポリマー材料が結合接触することを可能にするためにボウルの厚さ未満である。
図3Dは、結合タブ309とフランジ結合オーバーレイ319とを含む境界面の拡大断面図であり、対向する斜線で示されている。結合タブの寸法を以下に開示する。
【0044】
フランジ及びボウルは、例えば、パッケージへの陥没などの、応力、破損点、及び欠陥の導入を最小限に抑えるために、同じ又は同様の厚さを有することが好ましい。封止領域304は隆起していることが望ましいので、封止領域304の下にコアアウト部321を含めてもよい。コアアウト部321はまた、ヒートシール領域及び境界面における、均一又は実質的に均一(約10%、5%、又は3%以内)な収縮を維持するために使用されてもよい。コアアウト321の高さは、封止領域304の増大高さ322の約10%、5%、3%、2%、1%以内又は同じであるべきである。
【0045】
結合タブと結合オーバーレイとの間の重複の幅は、フランジの寸法がより大きい重複(
図1の前角及び後角など)を可能にする場合、約1~約5mmであってもよく、境界面が封止領域304にある、又はそれに隣接する場合、約1~約2mmの重複であってもよい。第2のポリマー材料の流動距離は、約1~約4mm、約1~約3mm、及び約1~約2mmから選択されてもよい。
【0046】
結合タブの幅は、長さに沿って変化して、より多くの結合表面積、独特の外観、又はこれらの組み合わせを作り出してもよい。
【0047】
結合タブ309及び結合オーバーレイ319の厚さ317の下限は、成形プロセス中に、結合タブ及び結合オーバーレイの金型空洞に対して、それぞれのポリマー材料を一貫した量で得るという能力によって決定され得る(成形性の下限)。接着タブと接着オーバーレイの両方の厚さは、パッケージ開封中に破損しない耐久性のある射出成形接着を提供するために十分に強くあるべきである。厚さはまた、結合タブにわたって変化してもよく、結合のための付加的表面積を提供し得る段差又は傾斜を生成する。好適な結合タブ厚さ317の例としては、約0.3~約0.8mm、又は約0.3~約0.6mmが挙げられる。
【0048】
輪郭厚さの突然の変化が収縮によるヒケをもたらす可能性を生じるため、境界面厚さ318は、フランジ及びボウルの隣接領域の厚さと同様であるべきである。境界面からボウル及び/又はフランジへの厚さ移行を、テーパ付け又はフェザリングなどによって平滑化することによって、ヒケマークを最小限に抑え得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、境界面の厚さは、隣接するフランジ領域又はボウル領域よりも、最大約50%、約30%、約20%、約10%、又は約5%厚くてもよい。いくつかの実施形態では、境界面の厚さは、隣接するボウル及びフランジの厚さと同じである。
【0049】
パッケージのコストを下げ、持続可能性を改善するために、パッケージに使用されるポリマー材料の総量を最小限に抑えることもまた望ましい場合がある。
【0050】
結合タブ309は、総境界面厚さ318の約20~約60%、約25~約55%、約30~約55%である厚さ317を有してもよい。
【0051】
結合タブは、一定の幅を有してもよい、又はテーパ状の領域若しくは不規則な領域(結合タブ209の端部、又はフランジに沿って1mmを上回る空間がある任意の場所におけるより大きい幅等)を有してもよい。結合タブは、最大約5mm、約2mm、最大約1.5mm、又は約0.5~約2mm若しくは約0.5~約1.5mmの範囲の幅を有してもよい。
【0052】
本発明の利点は、境界面がヒートシールのすぐ下にあり得るので、接着を、限られた幅のパッケージ位置に配置し得ることである。ボウル部分の前部に沿って示されるような平面結合タブ209は、フランジ領域において、少なくとも約1又は約1.5mmの幅を有する、任意の領域の周囲に沿って含まれてもよい。例えば、
図1に示されるパッケージにおいて、結合タブは、ボウルの全周囲に沿って又はボウルの後角及びボウルの前部に含まれてもよい。結合タブは、歯よりも大きな結合表面積を提供するので、より長い結合タブ又は連続した結合タブが、短い結合タブ(歯)よりも好ましい場合がある。連続結合タブはまた、フランジ材料が着色され、ボウル材料が透明又は別の色である場合、審美的に好ましい場合がある。一実施形態では、ボウル周囲全体が、連続的な結合タブを有する。結合タブは、ボウル周囲の約50~100%、約60~100%、又は約80~100%上に含まれてもよい。
【0053】
結合タブは、
図3A及び
図3Cに示されるように、平坦な外形を有してもよい、又は
図3B及び
図3Dに示されるように、厚さが変化して、第1のポリマー材料と第2のポリマー材料との間に、追加の表面積を提供してもよい。
【0054】
結合タブが連続的でない場合、短い結合タブ又は歯211は、ボウル201の周縁部205に沿って、特に、ボウルの側部207及び後部208上など、周縁部205から突出する追加材料を追加することが望ましくない可能性がある場所に配置されてもよい。歯は更に、パッケージの前部又は後部に含まれてもよく、含まれる場合、好ましくは、結合タブと交互になってもよい。歯の長さは、含まれる歯の数及びそれらの位置によって決定され得る。歯はまた、特に、透明なボウル、及び着色された又は不透明なフランジなど、ボウル及びフランジが異なる場合に、不連続な境界面美観を提供するために含まれてもよい。歯の好適な寸法の例としては、以下のものが挙げられる。
【表1】
【0055】
全ての値には「約(about)」が先行し、範囲は、任意の組み合わせで使用され得る。歯はまた、結合タブと同じ厚さを有してもよい。歯は、平坦な輪郭を有してもよい、又は第1のポリマー材料と第2のポリマー材料との間の結合のための追加の表面積を提供するために、可変の輪郭を有してもよい。歯は、直線状の縁部又は丸みを帯びた縁部を有してもよく、ボウル縁部に対して垂直であってもよく、又は角度を付けられてもよい。角度が付けられている場合、ボウル周囲に対する鋭角は、結合に対する機械的強度を追加し得る張出しを提供する。
【0056】
本発明のパッケージは、通常、最終加熱滅菌(オートクレーブ処理)によって、滅菌される。パッケージを封止するボウル及びリッドストックは、加熱滅菌可能でなければならず、パッキング溶液及びコンタクトレンズに対して不活性でなければならない。したがって、リッドストックとボウルとの間の封止は、封止領域204に沿ってボウル周囲の内側に配置され得る。本実施形態は、フランジポリマー材料が医療グレードでない場合(再生ポリマー材料又はいくつかの着色ポリマー材料など)、リッドストックがボウルポリマー材料と適切に封止するがフランジポリマー材料とは封止しない場合、又はフランジポリマー材料若しくはその構成成分が、ウェル内容物(パッキング溶液、パッキング溶液添加剤、レンズ又はこれらの組み合わせ)と反応性である場合のいずれかに有用であり得る。封止領域204は更に、ボウル周縁部205の内側にある限り、ウェルのより近くに位置し得る。封止領域は、丸形、卵形、多角形、又は丸みを帯びた多角形などの種々の形状を有してもよい。
【0057】
フランジ、ボウル、ウェル、及び封止領域は、同一の形状又は異なる形状を有してもよく、円形、楕円形、涙形、多角形、丸みを帯びた多角形、及びこれらの組み合わせなどから選択されてもよい。フランジは、開封時に指がフランジ前部領域を把持するための空間を提供するために、前部に細長い部分を有し得る。一般に、ウェルは、コンタクトレンズを受容するために、丸みを帯びた側部を有するが、ボウル及びフランジの形状は、所望の審美性を提供するために、種々の形状から選択されてもよい。
【0058】
フランジは、長方形、楕円形、涙形、多角形を含む、任意の形状を有してもよい。フランジは、コンタクトレンズのパッケージに使用される追加の特徴を含んでもよく、このような特徴としては、パッケージがテーブル上に置かれた場合の積み重ね又は安定性を改善するために、開封時の把持を改善するための前部のテクスチャ、把持特徴部又は空隙、側部又は後部の脚若しくは壁、フランジの前部部分の側部の切り込み、あるいはフランジの前部の下向き傾斜部分が挙げられる。
【0059】
ボウルポリマー材料及びフランジポリマー材料は、成形され得、好ましくは、射出成形され得るが、レンズ、パッキング溶液、及びその中に含まれ得る任意の添加剤の化学的特性及び物理的特性、並びにコンタクトレンズ作製の滅菌要件(非晶質ポリマーについては、120℃を超える、又は約125℃以上のTgを含む)に適合する、ポリマー、ゴム、又はプラスチックから選択され得る。Tgは、ASTM D3418-03「Standard Test Method for Transition Temperatures of Polymer by Differential Scanning Calorimetry」などの標準的な方法によって、測定され得る。
【0060】
第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料は、互いに非反応性である。第1のポリマー材料は、第2のポリマー材料よりも高い成形温度を有してもよい。ボウルを形成するために使用されるポリマー材料は、透明であってもよい。第1のポリマー材料は、第1の金型部品の構造強度が、第2のショット成形の圧力及び温度に耐え得るように選択されてもよい。第2のポリマー材料は、第1のポリマーよりも小さい収縮率(%)を有し得る。
【0061】
着色剤が添加される場合、着色剤は、所望の色を提供するのに十分な量で、フランジポリマー材料中に含まれ得るが、フランジポリマーを脆くするのに不十分な量、又はパッケージからリッドストックを除去する際に、ボウルとフランジとの間の境界面結合の全て又は一部を分離させる量である。着色剤の好適な量としては、最大約3%、最大約2%、最大約1%、又は約0.1~約2重量%若しくは約0.1~約1.5重量%が挙げられる。
【0062】
着色剤、特に顔料を含有する着色剤パッケージを、結晶化度を有する、又は成形中に結晶化度を生じるように配合されたポリマー(有核ポリプロピレンなど)に添加すると、ポリマーの脆性が更に増大する場合がある。このようなポリマーを使用する場合、より少ない量の着色剤、特に、成核部位として作用し得る顔料又はその他の微粒子を含有する着色剤を、約2重量%未満又は約1重量%未満まで使用することが、望ましい場合がある。有核ポリプロピレンの例としては、Flint Hills P4H6N-222、Sabic PCGR40を含む。ブラスケム社(Braskem)製のF350 HC2(高結晶化度ホモポリマー、MFR=35)、ボレアリス社(Borealis)製のBorealis RF366MO(成核剤及び帯電防止剤を有する、ランダムコポリマー)、BJ380MO(成核剤及び帯電防止剤を有する、制御されたレオロジーの異相コポリマー)、SABIC 512A(制御された、レオロジーPPホモポリマー)、フォルモサ・プラスチックス社(Formosa Plastics)製のFormelene4142T(有核ホモポリマー)、フリント・ヒルズ・リソーセス社(Flint Hills Resources)製のFHR 11T55V(清澄化ホモポリマー)、FHR P4C5N-046(有核ホモポリマー)、FHR P4C6N-041(有核ホモポリマー)、及びトータル・ペトロケミカルズ社(Total Petrochemicals)製のTotal PPH10099(制御レオロジーPPホモポリマー)。
【0063】
非晶質ポリプロピレンなどの結晶化度が低い、又は結晶化度のないポリマーは、着色剤パッケージを添加した場合に脆性になる傾向が低く、最大約2重量%、又は最大約3重量%などの、より高い着色剤パッケージ添加量を許容する場合がある。非晶質ポリプロピレンの例としては、エクソンモービル社(ExxonMobil)製のACHIEVE1605(メタロセン触媒PPホモポリマー)及びPP1264E1(PPホモポリマー、MFR=20g/10分)と、Braskem CP360H(ホモポリマー)、リヨンデルベーセル社(LyondellBasell)製のMoplen HE649T(ホモポリマー)及びHP301R(ホモポリマー)、フォルモサ・プラスチックス社製のFormolene4111T(ホモポリマー)、Total MR2001(ホモポリマー材料)、及びTotal M3766(メタロセン触媒PPホモポリマー)などの、清澄剤又は成核剤を含まないものが挙げられる。一実施形態では、フランジポリマーは、非有核ポリプロピレン、及び最大1%又は最大2%の着色剤を含む。別の実施形態では、ボウル材料は、(有核又は無核のいずれかの)無着色ポリプロピレンであり、フランジポリマーは、無核ポリプロピレン及び最大1%又は最大2%の着色剤を含む。別の実施形態では、ボウル材料は、無着色ポリプロピレン(無核)であり、フランジポリマーは、無核ポリプロピレン及び最大1%又は最大2%の着色剤を含む。別の実施形態では、ボウル材料は、未着色COP(Cyclic Olefin Polymer、環状オレフィンポリマー)、COC(Cyclic Olefin Co-polymers、環状オレフィンコポリマー)又はポリプロピレンCOC若しくはCOPのブレンドを含み、フランジポリマーは、COP、COC、PP/COCのブレンド又はPP/COPのブレンド、及び最大1%又は最大2%の着色剤を含む。
【0064】
半結晶性材料は、選択されたオートクレーブ処理温度よりも、少なくとも5°高い、又は少なくとも約125℃の融点を有してもよい。ポリプロピレンを含む前述の特性を満たす半結晶性ポリマーを使用してもよい。ボウルポリマー材料は更に、コンタクトレンズ作製の検査装置要件に適合し得る。好適なポリマー材料の例としては、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ナイロンを含むポリアミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン(PMP)を含むポリオレフィン、並びにCOP(環状オレフィンポリマー)及びCOC(環状オレフィンコポリマー)を含むオレフィンコポリマー、アクリル、ゴム、ウレタン、フルオロカーボン、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリカーボネートコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など、並びにこれらのコポリマー及びブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。ブレンドとしては、PBT及びPCブレンド、PC/ポリエステルブレンド、並びにCOP又はCOCとブレンドされたポリプロピレンを含むポリブチレンテレフタレートポリエステルブレンドが挙げられる。
【0065】
ボウルポリマー材料は、射出成形し得、選択されたフランジポリマーを有する耐久性のある熱結合を提供し得、少なくとも1年、2年、3年、4年、又は5年の貯蔵寿命を有し、レンズ、パッキング溶液、及びその中に含まれ得る任意の添加剤の化学的特性及び物理的特性に適合するコンタクトレンズパッケージを提供し得る任意のポリマー材料であってもよい。ボウルポリマー材料は、前述の材料のいずれかから選択されてもよい。ボウルポリマー材料は、好ましくは、約145℃より高い溶融温度を有するポリプロピレン、COP、COC、及びCOP又はCOCとブレンドされたポリプロピレンのブレンドであってもよい。ボウルポリマーは、未着色であってもよい。ポリプロピレンの例としては、メタロセン触媒ポリプロピレンポリマー及びコポリマー、チーグラーナッタ触媒ポリプロピレンポリマー及びコポリマーが挙げられる。好適なグレードのポリプロピレンの例としては、エクソンモービル社製のACHIEVE 1605(メタロセン触媒PPホモポリマー)及びPP1264E1(PPホモポリマー、MFR=20g/10分)と、ブラスケム社製のBraskem CP360H(ホモポリマー)、F350 HC2(高結晶化度ホモポリマー、MFR=35)と、ボレアリス社製のBorealis RF366MO(成核剤及び帯電防止剤を有する、ランダムコポリマー)、BJ380MO(成核剤及び帯電防止剤を有する、制御されたレオロジーの異相コポリマー)と、リヨンデルベーセル社製のMoplen HE649T(ホモポリマー)及びHP301R(ホモポリマー)と、SABIC 512A(制御された、レオロジーPPホモポリマー)と、フォルモサ・プラスチックス社製のFormolene4111T及びFormelene4142Tと、フリント・ヒルズ・リソーセス社製のFHR 11T55V、FHR P4C5N-046、FHR P4C6N-041、並びにトータル・ペトロケミカルズ社製のTotal MR2001(ホモポリマー材料)、Total M3766(メタロセン触媒PPホモポリマー)及びTotal PPH10099(制御レオロジーPPホモポリマー)と、が挙げられる。ポリプロピレンは、ASTM D-1238-10「Standard Test Method for Melt Flow Rates of Thermoplastics by Extrusion Plastometer」又は類似の周知の方法によって決定される、約15g/10分~約44g/10分のメルトフロー範囲を有してもよい。ポリプロピレンは、純粋であってもよい、又はそのメルトフローレートを増加させるために制御されたレオロジープロセスを受けていてもよい。
【0066】
フランジポリマー材料は、選択されたボウルポリマー材料と耐久性のある射出成形結合を形成することができる、上に列挙したポリマー、コポリマー、及びポリマーブレンドのいずれかを含んでもよい。一実施形態では、ボウル及びフランジポリマー材料は、ボウルポリマー材料、フランジポリマー材料、又はその両方が着色剤などの追加の構成成分を含む場合を除いて、同じポリマーを含む。一実施形態では、ボウル及びフランジポリマー材料は、フランジポリマー材料が着色剤などの追加の構成成分を含むことを除いて、同じポリマーを含む。上記のように、フランジポリマーが着色されている場合、それは、好ましくは、無核ポリプロピレン、COC、COP、又は無核ポリプロピレンとCOP若しくはCOCとのブレンドであってもよい。フランジポリマー材料は、バージンポリマー又は再生ポリマーを含んでもよく、未使用ポリプロピレン又は再生ポリプロピレンを含んでもよい。フランジに使用され得る再生ポリプロピレンの例は、プラスチック・リサイクリング社(Plastic Recycling Inc.)製のPRI-PPHO-BASEポリプロピレン(17~22g/10分の間のMFRを有する、白色又は黒色の再粉砕ホモポリマー)である。
【0067】
フランジポリマー材料及びボウルポリマー材料はまた、染料を含む着色剤、顔料、UV吸収剤及びHEV吸収剤を含む光吸収化合物、成核剤、酸化防止剤、清澄剤、熱安定剤、結合樹脂、ナノクレイ、酸素捕捉剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、粘着防止剤、潤滑剤、スリップ剤及び剥離剤、ステアレート、繊維、ナノチューブ、硬化剤、並びにこれらの組み合わせを含む添加剤を含んでもよい。ポリマー材料は、バージンポリマー、再生ポリマー、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。ボウルは、バージンポリマーから形成されてもよく、フランジは、着色ポリマー、再生ポリマー、前述のものを含むブレンド又はこれらの組み合わせから形成されてもよい。ボウルは、透明の材料及び/又は無色の材料から形成されてもよく、フランジは、着色ポリマー材料、再生ポリマー材料、又はこれらの組み合わせから形成されてもよい。スパークル、パールエッセンス、マーブリング、スワール、これらの組み合わせ等を含む任意の色及び/又は色効果をフランジに使用してもよい。着色フランジは、透明又は不透明であってもよく、一貫した色又は段階的な色を有してもよい。
【0068】
再生ポリマー材料がフランジに使用される場合、フランジポリマー材料が上述のTg又は融解温度を有し、ボウルポリマー材料と耐久性のある射出成形熱接着を形成し得る限り、任意の好都合な量で使用されてもよい。ボウルは、少なくとも1種の遮光化合物を含むポリマー材料から形成されてもよい。ボウル及びフランジは、同じポリマー(ポリプロピレンなど)から形成されてもよいが、異なる添加剤パッケージ(ボウル内の少なくとも1種の光吸収化合物及びフランジ内の少なくとも1種の着色剤など)を有してもよい。上述するいずれかの組み合わせを、使用してもよい。
【0069】
ボウルポリマー材料及びフランジポリマー材料に好適なポリマー材料としては、ZEONEX(商標)690R、Exxon ACHIEVE(商標)1605、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマー、ポリプロピレンとZEONEX 690Rとのブレンドなどのブレンド、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
環状オレフィンポリマーは、8,9,10-トリノルボルン-2-エン(ノルボルネン)又は1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタ-ヒドロ-1,4,5,8-ジメタノナフタレン(テトラシクロドデセン)などの様々な環状モノマーの開環メタセシス重合、それに続く水素化(Japan Synthetic Rubber製のARTON、Zeon Chemicals製のZeonex及びZeonor)によって生成される。COPの典型的な化学構造を、以下に列挙する。
【表2】
【0071】
COPプラスチック樹脂は、Zeon Chemicals(Zeonex及びZeonor樹脂)、Polymer及びJapan Synthetic Rubber(JSR)から市販されている。COCプラスチック樹脂は、トパス社(Topas Advanced Polymers)(Topas樹脂)及び三井社(Mitsui)(APEL樹脂)から市販されている。具体例としては、Zeonor 1420及び1600、Zeonex 690R、E48R、330R、Topas 6013、6015、6017、APELグレードAPL5013VH、APL5014KL、APL5014XH及びJSR ARTON、ARTON D4531、D4532、F5023が、挙げられる。
【0072】
第1の材料がボウルを形成するために使用される場合、6ヶ月間、1年間、2年間以上、3年間以上、又は5年間以上にわたって液体を保持することが可能なレトルト可能なパッケージを形成するために好適な特性を有し得る。好適な特性としては、約2.0g-100um/(m2-日)未満の水蒸気透過率、10g/10分~約44g/10分のMFR、及びこれらの組み合わせが挙げられ得る。水蒸気透過率は、ASTM F1249-20「Standard Test Method for Water Vapor Transmission Rate Through Plastic Film and Sheeting Using a Modulated Infrared Sensor」又は同様の値を提供するその他の周知の試験を使用して測定され得る。より高い水蒸気透過率を有するいくつかの材料は、ボウルの厚さを増加させることによってボウルに使用され得ることを理解されたい。
【0073】
第2のポリマー材料は、同様の特性又は異なる特性を有し得る。例えば、第2のポリマー材料は、透明、無着色、不透明、着色、及びこれらの組み合わせであってもよく、パッキング溶液又はコンタクトレンズと接触する必要がないので(ヒートシールがパッケージのボウル部分上にある場合)、USP/FDAに準拠する必要がなくてもよい。これは、ポリスルホン及びLexanなどのいくつかのポリカーボネートのような、レンズパッケージングに多くの場合は使用されない、いくつかのポリマー材料が、ボウルポリマー材料と耐久性のある射出成形熱接着を形成する限り、フランジポリマー材料として使用され得ることを意味する。
【0074】
パッケージは、単一の成形ステーションを有する単一の射出成形機、例えば回転プラテン、複数の成形ステーションを有する単一の成形機、又はインサート成形などの異なる機械を使用して、いくつかの異なる方法で成形され得る。本発明はまた、レンズパッケージを成形するための方法を含み、当該方法は、
第1のポリマー材料を射出成形してボウルを形成することであって、当該ボウルが、
レンズを保持するための、ウェルと、
ウェル縁部と、当該ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、当該ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、当該ボウルが、当該周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、第1のポリマー材料を射出成形してボウルを形成することと、
第2のポリマー材料を射出成形して、境界面において当該境界面タブに耐久的に熱結合される結合オーバーレイを備える、フランジを形成することと、を含む。
【0075】
本発明のパッケージは、好ましくは、レンズ、コンタクトレンズ、又はソフトコンタクトレンズ(従来のコンタクトレンズ又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含む)を保存するために使用される。レンズは、栄養補助食品及び医薬品(OTC又は処方箋)、湿潤剤、パターン、プリント、美容効果及びこれらの組み合わせを含む美観レンズ又は美容レンズ、UV吸収化合物、可視吸収化合物又はHEV吸収化合物などの静的染料を含む光吸収化合物、並びに光を可逆的に変化させる光発色性化合物及び液晶ポリマー材料を含む動的光吸収化合物などの追加の機能又は構成成分を含んでもよい。パッケージのボウルは、栄養補助食品及び医薬品(OTC又は処方箋)及び湿潤剤などの、(イオン結合又は共有結合、立体相互作用又は捕捉を含むが、これらに限定されない、任意の手段によって)コンタクトレンズポリマーに結合されていない、任意の構成成分に対して、不活性であってもよい。このような成分がパッケージ溶液に含まれる、又は保管中にコンタクトレンズから溶出する場合、ボウルに使用されるポリマーは、非結合成分の約5%、約4%、約3%、又は約2%未満を吸収する。
【0076】
ボウルポリマーは、光発色性又はHEV吸収化合物を含有するレンズなど、その中に含有される感光性コンタクトレンズを光安定化させるために、UV吸収化合物又はHEV吸収化合物を更に含んでもよい。フランジは、UV吸収化合物又はHEV吸収化合物を含まないバージンポリマー又は再生ポリマーから作製され得る。
【0077】
本明細書に図示され、記載される実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内のボウルフランジ構成の、無数の実施形態のうちのいずれかであることが理解されよう。
【0078】
前述の記載は、説明を目的とし、記載された実施形態の詳細な理解を深めるため特定の命名法を使用し、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、このような特定の実施形態を、様々な用途に容易に修正及び/又は適合させ得る。しかしながら、記載された実施形態を実施するために、特定の詳細の多くが不要な場合があり得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載される特定の実施形態の説明は、例示の目的で提示される。それらは、網羅的であること、及び開示した正確な形態に本開示を制限することを目的とするものではない。
【0079】
上記の教示を考慮して、多くの修正及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。このような変更及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが、意図される。
【0080】
本発明の広がり及び範囲は、上述の実施形態のいずれかによっても限定されるべきではなく、下記の「特許請求の範囲」及びこれらの等価物に従ってのみ、規定されるべきである。
【0081】
実施形態
1.パッケージであって、
パッケージ基部を備え、当該パッケージ基部が、ボウルであって、
レンズを保持するための、ウェルと、
ウェル縁部と、当該ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、当該ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、当該ボウルが、当該周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、ボウルと、
境界面において、境界面タブに耐久的に熱結合されている結合オーバーレイを備える、フランジと、を含む、パッケージ。
2.少なくとも1つの結合タブが、ボウルの周縁部の周囲及び/又はその下に、単一の連続タブを含む、実施形態1に記載のパッケージ。
3.ヒートシール領域の一部からボウルの周縁部まで延在する、平面領域を備える、請求項1又は2のいずれか一つに記載のパッケージ。
4.平面領域が、ボウルからフランジの前部に向かって延在する、請求項1~3のいずれか一つに記載のパッケージ。
5.平面領域が、ヒートシール領域に沿ってボウルに封止されたリッドストックの除去中に把持されてもよい、実施形態1~実施形態4のいずれか一つに記載のパッケージ。
6.結合タブの少なくとも一部の上面が、平面領域の上面と同一平面上にある、実施形態1~実施形態5のいずれか一つに記載のパッケージ。
7.結合タブの少なくとも一部の上面が、平面領域の上面からオフセットされている、実施形態1~実施形態6請求項3のいずれか一つに記載のパッケージ。
8.結合タブが、ボウルの少なくとも一部の上面の下方にオフセットされている、実施形態1~実施形態7のいずれか一つに記載のパッケージ。
9.結合タブが、機械的インターロックを含まない、実施形態1~実施形態8のいずれか一つに記載のパッケージ。
10.境界面タブの少なくとも一部が、最大約5mm、最大約2mm、又は最大約1.5mmの幅を有する、実施形態1~実施形態9のいずれか一つに記載のパッケージ。
11.少なくとも1つの境界面タブが、約0.5~約2mm、又は約0.5~約1.5mmの幅を有する、実施形態1~実施形態10のいずれか一つに記載のパッケージ。
12.少なくとも1つの境界面タブが、ボウル周縁部の約50~100%、約60~100%、又は約00~100%に含まれている、実施形態1~実施形態11のいずれか一つに記載のパッケージ。
13.境界面タブ結合タブの少なくとも一部が、ヒートシールの下に配置されている、実施形態1~実施形態12のいずれか一つに記載のパッケージ。
14.結合タブの一部が、周辺領域のボウル周縁部に沿って配置されており、結合タブの一部が、ヒートシールの下に配置されている、実施形態1~実施形態13のいずれか一つに記載のパッケージ。
15.境界面タブが、ボウル周縁部全体に沿って含まれている、実施形態1~実施形態14のいずれか一つに記載のパッケージ。
16.結合タブの上面が、前方ボウル部分に沿った平面領域と同一平面上にあり、後部及び側部ボウル部分に沿ったヒートシール領域の下にある、実施形態1~実施形態15のいずれか一つに記載のパッケージ。
17.フランジ及びボウルが、同様の厚さを有する、実施形態1~実施形態16のいずれか一つに記載のパッケージ。
18.フランジ及びボウルの厚さが、互いの10%又は5%以内である、実施形態1~実施形態17のいずれか一つに記載のパッケージ。
19.結合タブが、境界面に沿って粗面を有する、実施形態1~実施形態18のいずれか一つに記載のパッケージ。
20.結合タブが、フランジの厚さよりも薄い厚さを有する、実施形態1~実施形態19のいずれか一つに記載のパッケージ。
21.少なくとも1つの結合タブが、境界面の全厚の約20~約60%、約25~約55%、約30~約55%の厚さを有する、実施形態20のいずれかに記載のパッケージ。
22.結合タブが、約0.3~約0.8mm、約0.3~約0.6mmの厚さを有する、実施形態1~実施形態21のいずれか一つに記載のパッケージ。
23.
ヒートシールが、ボウルの上面より上の隆起面であり、ヒートシール領域及びボウルの実質的に均一な厚さを維持するために、ヒートシールの下にコアアウト部を更に備える、実施形態1~実施形態22のいずれか一つに記載のパッケージ。
24.コアアウト部は、ヒートシールがボウル上面の上方に隆起している高さの約10%又は約5%以内の高さを有する、実施形態23に記載のパッケージ。
25.境界面における結合タブと結合オーバーレイとの接触部が、約1~約5mmである、実施形態1~実施形態24のいずれか一つに記載のパッケージ。
26.境界面における、ヒートシールの下に配置されている結合タブの一部と、結合オーバーレイとの接触部が、約1~約2mmである、実施形態13に記載のパッケージ。
27.ボウル領域及びフランジ領域が、それぞれ、ボウルポリマー材料及び第2のポリマー材料から形成されている、実施形態1~実施形態26のいずれか一つに記載のパッケージ。
28.結合タブ及び結合オーバーレイが、境界面において、互いの約30%、約25%、又は約10%以内の厚さを有する、実施形態1~実施形態27のいずれか一つに記載のパッケージ。
29.ボウル周囲に配置された1つ以上の歯を更に含む、実施形態1~実施形態28のいずれか一つに記載のパッケージ。
30.境界面タブ及び歯が、ボウル周囲の周りに交互に配置されている、実施形態29に記載のパッケージ。
31.歯が、ボウル周囲の後部又は側部にある、実施形態29又は実施形態30に記載のパッケージ。
32.歯が、境界面タブの間に配置されている、実施形態29~実施形態31に記載のパッケージ。
33.歯が、平坦な輪郭を有する、実施形態29~実施形態32に記載のパッケージ。
34.歯が、遠位端部において、より厚い、実施形態29~実施形態32に記載のパッケージ。
35.歯が、約1~約4mm、又は約2~約4mmの長さを有する、実施形態29~実施形態34に記載のパッケージ。
36.歯が、約0.3~約2mm、又は約0.3~約1mmの幅を有する、実施形態29~実施形態35に記載のパッケージ。
37.歯が、約0.3~約0.8mm、及び約0.3~約0.6mmの厚さを有する、実施形態29~実施形態35に記載のパッケージ。
38.ボウルポリマー材料が透明であり、第2のポリマー材料が、着色ポリマー材料、不透明ポリマー材料、再生ポリマー材料、及びこれらの組み合わせから選択されたものである、実施形態1~実施形態37のいずれか一つに記載のパッケージ。
39.ボウルポリマー材料が、透明ポリマー材料、バージンポリマー材料、着色ポリマー材料、少なくとも1種の光吸収化合物を含むポリマー材料、及びこれらの組み合わせから選択されたものである、実施形態38に記載のパッケージ。
40.ボウルポリマー材料が透明であり、第2のポリマー材料が着色されている、実施形態38に記載のパッケージ。
41.ボウルポリマー材料がバージンポリマー材料であり、第2のポリマー材料が再生ポリマー材料を含む、実施形態38に記載のパッケージ。
42.ボウルポリマー材料、フランジポリマー材料、又はその両方が、染料を含む着色剤、顔料、UV吸収剤及びHEV吸収剤を含む光吸収化合物、成核剤、酸化防止剤、清澄剤、熱安定剤、結合樹脂、ナノクレイ、酸素捕捉剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、粘着防止剤、潤滑剤、スリップ剤及び剥離剤、ステアレート、繊維、ナノチューブ、硬化剤、並びにこれらの組み合わせからなる群から独立して選択される、少なくとも1種の添加剤を含み得る、実施形態1~実施形態41のいずれか一つに記載のパッケージ。
43.ボウルポリマー材料及びフランジポリマー材料が、ポリプロピレンを含む、実施形態1~実施形態42のいずれか一つに記載のパッケージ。
44.ボウルポリマーが、約2.0g-100um/(m2-日)未満の水蒸気透過率、10g/10分~約44g/10分のMFR、及びこれらの組み合わせを有する、実施形態1~実施形態43のいずれか一つに記載のパッケージ。
45.リッドストックを更に含み、リッドストックが、パッケージ基部に封止されてウェルを包囲し、レンズを、ボウルとフィルムとの間に保持する、実施形態1~実施形態44のいずれか一つに記載のパッケージ。
46.リッドストックが、ボウルに封止されている、実施形態45に記載のパッケージ。
47.フランジが、ボウル周縁部から横方向に延在する、実施形態1~実施形態46のいずれか一つに記載のパッケージ。
48.パッケージが、オートクレーブ処理可能である、実施形態1~実施形態47のいずれか一つに記載のパッケージ。
49.ボウルポリマー材料が、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、少なくとも1つのポリマーを含み、フランジポリマー材料が、約145℃を超える溶融温度を有するバージンポリプロピレン又は再生ポリプロピレンから選択されたものである、実施形態1~実施形態48のいずれか一つに記載のパッケージ。
50.フランジポリマー材料が、最大約3%、最大約2%、最大約1%、又は約0.1~約2重量%、又は約0.1~約1.5重量%の着色剤を含む、実施形態49に記載のパッケージ。
51.パッケージ基部を形成するためのプロセスであって、
ボウルポリマー材料からボウルを射出成形することであって、当該ボウルが、
レンズを保持するための、ウェルと、
ウェル縁部と、当該ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、当該ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、当該ボウルが、当該周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、ボウルポリマー材料からボウルを射出成形することと、
フランジポリマー材料からフランジを射出成形することであって、これによって、当該フランジポリマー材料が境界面タブに接触して、境界面において、当該境界面タブに耐久的に熱結合されている結合オーバーレイを形成する、フランジポリマー材料からフランジを射出成形することと、を含む、パッケージ基部を形成するためのプロセス。
【0082】
〔実施の態様〕
(1) パッケージであって、
パッケージ基部を備え、前記パッケージ基部が、
ボウルであって、
レンズを保持するためのウェルと、
ウェル縁部と、前記ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、前記ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、前記ボウルが、前記周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、ボウルと、
境界面において、境界面タブに耐久的に熱結合されている結合オーバーレイを備える、フランジと、を含む、パッケージ。
(2) 前記少なくとも1つの結合タブが、前記ボウルの前記周縁部の周囲及び/又は下に、単一の連続タブを含む、実施態様1に記載のパッケージ。
(3) 前記ヒートシール領域の一部から前記ボウルの前記周縁部まで延在する平面領域を備える、実施態様1に記載のパッケージ。
(4) 前記平面領域が、前記ボウルから前記フランジの前部に向かって延在する、実施態様3に記載のパッケージ。
(5) 前記平面領域が、前記ヒートシール領域に沿って前記ボウルに封止されたリッドストックの除去中に把持されてもよい、実施態様3に記載のパッケージ。
【0083】
(6) 前記結合タブの少なくとも一部の上面が、前記平面領域の上面と同一平面上にある、実施態様3に記載のパッケージ。
(7) 前記結合タブの少なくとも一部の上面が、前記平面領域の上面からオフセットされている、実施態様3に記載のパッケージ。
(8) 前記結合タブが、前記ボウルの少なくとも一部の上面の下方にオフセットされている、実施態様3に記載のパッケージ。
(9) 前記結合タブが、機械的インターロックを含まない、実施態様1に記載のパッケージ。
(10) 前記境界面タブの少なくとも一部が、最大約5mm、最大約2mm、又は最大約1.5mmの幅を有する、実施態様1に記載のパッケージ。
【0084】
(11) 前記少なくとも1つの境界面タブが、約0.5~約2mm、又は約0.5~約1.5mmの幅を有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(12) 前記少なくとも1つの境界面タブが、前記ボウル周縁部の約50~100%、約60~100%、又は約00~100%に含まれている、実施態様1に記載のパッケージ。
(13) 前記結合タブの少なくとも一部が、前記ヒートシールの下に配置されている、実施態様1に記載のパッケージ。
(14) 前記結合タブの一部が、前記周縁領域の前記ボウル周縁部に沿って配置されており、前記結合タブの一部が、前記ヒートシールの下に配置されている、実施態様3に記載のパッケージ。
(15) 前記境界面タブが、前記ボウル周縁部全体に沿って含まれている、実施態様3に記載のパッケージ。
【0085】
(16) 前記結合タブの前記上面が、前方ボウル部分に沿って前記平面領域と同一平面上にあり、後部及び側部ボウル部分に沿って前記ヒートシール領域の下にある、実施態様3に記載のパッケージ。
(17) 前記フランジ及び前記ボウルが、同様の厚さを有する、実施態様12に記載のパッケージ。
(18) 前記フランジ及び前記ボウルの厚さが、互いの10%又は5%以内である、実施態様17に記載のパッケージ。
(19) 前記結合タブが、前記境界面に沿って粗面を有する、実施態様1~18のいずれかに記載のパッケージ。
(20) 前記結合タブが、前記フランジの厚さよりも薄い厚さを有する、実施態様1に記載のパッケージ。
【0086】
(21) 前記少なくとも1つの結合タブが、前記境界面の全厚の約20~約60%、約25~約55%、約30~約55%の厚さを有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(22) 前記結合タブが、約0.3~約0.8mm、約0.3~約0.6mmの厚さを有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(23) 前記ヒートシールが、前記ボウルの上面より上の隆起面であり、前記ヒートシール領域及び前記ボウルの実質的に均一な厚さを維持するために、前記ヒートシールの下にコアアウトを更に備える、実施態様1に記載のパッケージ。
(24) 前記コアアウトは、前記ヒートシールが前記ボウル上面の上方に隆起している高さの約10%又は約5%以内の高さを有する、実施態様23に記載のパッケージ。
(25) 前記境界面における前記結合タブと前記結合オーバーレイとの接触部が、約1~約5mmである、実施態様1に記載のパッケージ。
【0087】
(26) 前記境界面における、前記ヒートシールの下に配置されている前記結合タブの前記一部と、前記結合オーバーレイとの接触部が、約1~約2mmである、実施態様13に記載のパッケージ。
(27) 前記ボウル領域及び前記フランジ領域が、それぞれ、ボウルポリマー材料及び第2のポリマー材料から形成されている、実施態様1に記載のパッケージ。
(28) 前記結合タブ及び前記結合オーバーレイが、前記境界面において、互いの約30%、約25%、又は約10%以内の厚さを有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(29) 前記ボウル周囲に配置された1つ以上の歯を更に含む、実施態様1に記載のパッケージ。
(30) 前記境界面タブ及び前記歯が、前記ボウル周囲の周りに交互に配置されている、実施態様29に記載のパッケージ。
【0088】
(31) 前記歯が、前記ボウル周囲の前記後部又は前記側部に配置されている、実施態様29に記載のパッケージ。
(32) 前記歯が、境界面タブの間に配置されている、実施態様29に記載のパッケージ。
(33) 前記歯が、平坦な輪郭を有する、実施態様29~32のいずれかに記載のパッケージ。
(34) 前記歯が、遠位端部においてより厚い、実施態様29~32のいずれかに記載のパッケージ。
(35) 前記歯が、約1~約4mm、又は約2~約4mmの長さを有する、実施態様29~34に記載のパッケージ。
【0089】
(36) 前記歯が、約0.3~約2mm、又は約0.3~約1mmの幅を有する、実施態様29~35に記載のパッケージ。
(37) 前記歯が、約0.3~約0.8mm、及び約0.3~約0.6mmの厚さを有する、実施態様29~35に記載のパッケージ。
(38) 前記ボウルポリマー材料が透明であり、前記第2のポリマー材料が、着色ポリマー材料、不透明ポリマー材料、再生ポリマー材料、及びこれらの組み合わせから選択されたものである、実施態様1に記載のパッケージ。
(39) 前記ボウルポリマー材料が、透明ポリマー材料、バージンポリマー材料、着色ポリマー材料、少なくとも1種の光吸収化合物を含むポリマー材料、及びこれらの組み合わせから選択されたものである、実施態様38に記載のパッケージ。
(40) 前記ボウルポリマー材料が透明であり、前記第2のポリマー材料が着色されている、実施態様38に記載のパッケージ。
【0090】
(41) 前記ボウルポリマー材料がバージンポリマー材料であり、前記第2のポリマー材料が再生ポリマー材料を含む、実施態様38に記載のパッケージ。
(42) 前記ボウルポリマー材料、前記フランジポリマー材料、又はその両方が、染料を含む着色剤、顔料、UV吸収剤及びHEV吸収剤を含む光吸収化合物、成核剤、酸化防止剤、清澄剤、熱安定剤、結合樹脂(tie resins)、ナノクレイ、酸素捕捉剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、粘着防止剤、潤滑剤、スリップ剤及び剥離剤、ステアレート、繊維、ナノチューブ、硬化剤、並びにこれらの組み合わせからなる群から独立して選択される、少なくとも1種の添加剤を含み得る、実施態様38に記載のパッケージ。
(43) 前記ボウルポリマー材料及び前記フランジポリマー材料が、ポリプロピレンを含む、実施態様1に記載のパッケージ。
(44) 前記ボウルポリマーが、約2.0g-100um/(m2-日)未満の水蒸気透過率、10g/10分~約44g/10分のMFR、及びこれらの組み合わせを有する、実施態様1に記載のパッケージ。
(45) リッドストックを更に含み、前記リッドストックが、前記パッケージ基部に封止されて前記ウェルを包囲し、前記レンズを、前記ボウルと前記リッドストックとの間に保持する、実施態様1に記載のパッケージ。
【0091】
(46) 前記リッドストックが、前記ボウルに封止されている、実施態様32に記載のパッケージ。
(47) 前記フランジが、前記ボウル周縁部から横方向に延在する、実施態様1に記載のパッケージ。
(48) 前記パッケージが、オートクレーブ処理可能である、実施態様1に記載のパッケージ。
(49) 前記ボウルポリマー材料が、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、及びこれらのブレンドからなる群から選択される、少なくとも1つのポリマーを含み、前記フランジポリマー材料が、約145℃を超える溶融温度を有するバージンポリプロピレン又は再生ポリプロピレンから選択されたものである、実施態様1に記載のパッケージ。
(50) 前記フランジポリマー材料が、最大約3%、最大約2%、最大約1%、又は約0.1~約2重量%、又は約0.1~約1.5重量%の着色剤を含む、実施態様49に記載のパッケージ。
【0092】
(51) パッケージ基部を形成するためのプロセスであって、
ボウルポリマー材料からボウルを射出成形することであって、前記ボウルが、
レンズを保持するための、ウェルと、
ウェル縁部と、前記ウェル縁部の外側のヒートシール領域と、前記ヒートシール領域の外側の周縁部と、を含み、前記ボウルが、前記周縁部の少なくとも一部に沿って少なくとも1つの結合タブを有する、ボウルポリマー材料からボウルを射出成形することと、
フランジポリマー材料からフランジを射出成形することであって、これによって、前記フランジポリマー材料が前記境界面タブに接触して、境界面において、前記境界面タブに耐久的に熱結合されている結合オーバーレイを形成する、フランジポリマー材料からフランジを射出成形することと、を含む、パッケージ基部を形成するためのプロセス。
【国際調査報告】