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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】弾性積層体
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/24 20060101AFI20241010BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20241010BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20241010BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B32B5/24
B32B7/12
B32B7/022
A61F13/49 311A
A61F13/49 313A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521357
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2022078871
(87)【国際公開番号】W WO2023066876
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】2111089
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596170996
【氏名又は名称】アプリックス
【氏名又は名称原語表記】APLIX
(74)【代理人】
【識別番号】100091502
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 正威
(72)【発明者】
【氏名】モイナード,ナサリー,クリスティーン,ミシェル,マリー
(72)【発明者】
【氏名】マルシェ,ティエリー,ジャック,アルフレッド
【テーマコード(参考)】
3B200
4F100
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA11
3B200AA12
3B200BA11
3B200BB03
3B200BB09
3B200BB11
3B200CA05
3B200CA07
3B200DE13
4F100AK12B
4F100AL09B
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100CB00C
4F100DG03D
4F100DG04A
4F100DG15A
4F100DG15D
4F100GB72
4F100JK01A
4F100JK01D
4F100JK08A
4F100JL11C
4F100YY00A
(57)【要約】
幅方向である第1の方向、具体的にはCDに、かつ長さ方向である第2の方向、具体的にはMDに延びる弾性積層体は、少なくとも1つの不織布層と、少なくとも1つの不織布層の下面または上面のそれぞれへ、上面または下面のそれぞれによって固定された少なくとも1つの弾性フィルムと、を備え、
- 積層体が延伸状態にない場合、不織布層は、第1の方向に係る横断面、具体的にはCD方向横断面において、中間部分によって互いから分離された、逆U字、具体的にはΩ状の湾曲部分を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向である第1の方向、具体的にはCD方向に、かつ長さ方向である第2の方向、具体的にはMD方向に延びる弾性積層体であって、
- 少なくとも1つの不織布層と、
- 前記少なくとも1つの不織布層の下面または上面のそれぞれへ、上面または下面のそれぞれによって固定された少なくとも1つの弾性フィルムと、
- 前記少なくとも1つの不織布層と前記少なくとも1つの弾性フィルムとの間に設けられた少なくとも1つの接着層、特に糊と、を備える、弾性積層体において、
- 前記積層体が延伸状態にない場合、前記不織布層は、前記第1の方向に係る横断面、具体的にはCD方向横断面において、中間部分によって互いから分離された、逆U字、具体的にはΩの形状の湾曲部分を含み、
- 前記中間部分は、前記少なくとも1つの接着層と接触し、前記湾曲部分は、前記少なくとも1つの接着層と接触していないことを特徴とする、弾性積層体。
【請求項2】
幅方向である第1の方向、具体的にはCD方向に、かつ長さ方向である第2の方向、具体的にはMD方向に延びる弾性積層体であって、
- 少なくとも1つの不織布層と、
- 前記少なくとも1つの不織布層の下面または上面のそれぞれへ、上面または下面のそれぞれによって固定された少なくとも1つの弾性フィルムと、を備え、
- 前記少なくとも1つの不織布層は、特に超音波溶着、カレンダー掛けまたは積層、特に熱間によって、固定ゾーンにおいて、前記少なくとも1つの弾性フィルムに固定される、弾性積層体において、
- 前記積層体が延伸状態にない場合、前記不織布層は、前記第1の方向に係る横断面、具体的にはCD方向横断面において、中間部分によって互いから分離された、逆U字状、具体的にはΩの形状の湾曲部分を含み、
- 前記中間部分は、前記少なくとも1つの弾性フィルムと接触し、前記湾曲部分は前記少なくとも1つの弾性フィルムと接触していないことを特徴とする、弾性積層体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの不織布層を形成する1つまたは複数の不織布層は、全不織幅にわたって前記第1の方向、特に前記CD方向に延び、前記少なくとも1つの弾性フィルムを形成する1つまたは複数の弾性フィルムは、全弾性幅にわたって延び、前記全不織幅に対する前記全弾性幅に等しい比率は、0.3から0.9の間であり、好ましくは0.4から0.8の間であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の積層体。
【請求項4】
前記湾曲部分は、全湾曲部分幅にわたって前記第1の方向、特に前記CD方向に延び、前記中間部分は、全中間部分幅にわたって延び、全不織幅に対する前記全湾曲部分幅に等しい比率は、0.25から0.85の間、好ましくは0.35から0.75の間であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
前記積層体は、前記積層体の第1の延伸の前に初期厚さ(e)を有し、前記積層体が、少なくとも50%に等しい、いわゆる最大伸度まで、前記第1または第2の方向に従って延伸された場合、伸度(t)の関数としての厚さの相対損失[(e-e(t))/e]を与える曲線は、5から50%の間、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%未満の最大値を有する、請求項1から4のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項6】
前記初期厚さ(e)引く最大伸度での前記積層体の厚さ(emax)の前記初期厚さ(e)にわたる比率、すなわち比率[(e-emax)/e]は、55%以下、特に40%未満、特に35%未満、かつ/または5%より大きく、特に10%より大きく、特に20%より大きいことを特徴とする、請求項5に記載の弾性積層体。
【請求項7】
前記初期厚さ(e)引く100%伸度での前記積層体の厚さ(e100)の前記初期厚さ(e)にわたる比率、すなわち比率[(e-e100)/e]は、55%以下、特に40%未満、特に35%未満、かつ/または5%より大きく、特に10%より大きく、特に20%より大きいことを特徴とする、請求項5または6のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項8】
前記積層体は、第1の非延伸状態から進行して100%の伸度まで延伸した後、次いで第2の非延伸状態(0%伸度)に緩和されると、厚さ(e)を有し、前記厚さ(e)引く100%伸度での前記積層体の厚さ(e100)の前記厚さにわたる比率、すなわち比率[(e-e100)/e]は、60%以下、特に50%未満、特に40%未満、特に35%未満であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフィルムを前記少なくとも1つの不織布層に固定することは、長さ方向である前記第2の方向、特にMD方向に、かつ前記第1の方向、特にCD方向に互いから距離をあけて、延びる1つまたは複数の糊の帯または線に沿って、接着剤、例えば、糊が介在することによって行われることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの不織布層は連続フィラメントを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの不織布層は捲縮フィラメントを含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項12】
前記少なくとも1つの不織布層はスパンボンド不織布を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項13】
初期状態、すなわち、その第1の延伸の前から進行して100%の伸度まで延伸した後、次いで非延伸状態(0%伸度)に緩和されると、厚さ(e)が、初期厚さ(e)よりも大きく、比率[(e-e)/e]は、2%より大きく、特に5%より大きく、より特に10%より大きく、かつ、好ましくは70%未満、特に50%未満、より特に35%未満であることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項14】
前記積層体および/または前記弾性フィルムの非延伸状態では、前記不織布層は、交互に、前記CD方向横断面において、特に直線状または実質的に直線状、または特に湾曲し、それらの凹面が上方を向き、前記CD方向に延びて前記弾性フィルムに固定される逆U字形状の曲率未満の曲率を有する中間部分と、特にΩの形状で、それぞれが、2つの連続する中間部分から進行して頂点で交わる2つのストランド部分で構成され、前記弾性フィルムに固定されず、前記弾性フィルムから距離をあけたままであり、前記弾性フィルムとの間に空き空間を画定する逆U字形状の湾曲部分と、を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項15】
前記中間部分は、各々、特にΩの形状である逆U字形状部分の2つのストランド部分が起点とする2つの中間部分の間で前記CD方向に測定された距離の10%未満であり、特に前記距離の10%から50%の間である、前記CD方向に測定された距離にわたって延びることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の積層体。
【請求項16】
エラストマー組成物をベースとする前記弾性フィルムは外皮を含まないことを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の弾性積層体。
【請求項17】
接着剤、特に糊の少なくとも1つの帯または線は、前記弾性フィルムとそれぞれの中間部分との間に位置していることを特徴とする、請求項14から16のいずれかに記載の積層体。
【請求項18】
各逆U字は、Ωの形状であり、それぞれの中間部分を起点として、かつ前記逆U字の頂点で交わる左右の2つのストランドによって画定され、逆U字形状部分のうちの少なくとも1つの、前記左右の2つのストランドのうちの1つ、または特に少なくとも1つの逆U字形状部分の前記左右の2つのストランドは、起点とする前記中間部分から進行する開始ゾーンにおいて、それぞれの湾曲形状を有し、前記それぞれの湾曲形状の凹面は前記弾性フィルムの方へ向いていることを特徴とする、請求項14から17のいずれかに記載の積層体。
【請求項19】
追加の不織布層が、前記弾性フィルムの他方の側に設けられていることを特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載の積層体。
【請求項20】
前記追加の層は、短繊維、特にカーディングされた不織布、特にスパンレースまたはカーディングされた熱接着不織布をベースとする不織布層であることを特徴とする、請求項19に記載の積層体。
【請求項21】
前記不織布層は第1の坪量を有し、前記追加の不織布層は、前記第1の坪量とは異なり、特に前記第1の坪量より大きな第2の坪量を有することを特徴とする、請求項19または20のいずれかに記載の積層体。
【請求項22】
前記不織布層は第1の剛性を有し、前記追加の不織布層は前記第1の剛性未満である第2の剛性を有し、特に、前記不織布層は、70%未満の5NでのCD方向における伸度を有し、前記追加の不織布層は、70%より大きい5NでのCD方向における伸度を有することを特徴とする、請求項19から21のいずれかに記載の積層体。
【請求項23】
逆U字形状部分を形成する起伏は、前記第2の方向、特にMD方向に、前記少なくとも1つの不織布層の長さ全体にわたって延びることを特徴とする、請求項1から22のいずれかに記載の積層体。
【請求項24】
積層体、特に請求項1から23のいずれかに記載の積層体を製造する方法であって、
- 弾性フィルムを取るステップと、
- 不織布層、特に、連続フィラメント、特にスパンボンドを有する不織布を取るステップと、
- 逆U字形状、特に直線状もしくは実質的に直線状の中間部分によって分離されるか、または湾曲状もしくは実質的に湾曲状であり、それらの凹面が上方を向き、前記逆U字形状の曲率未満の曲率を有する、特にΩの形状の連続する形態を横断面に有する、波の形態の不織布層を得るように前記不織布層を成形するステップと、
- 前記波の形態の前記不織布層を、前記弾性フィルムへ、特に、前記波の山の反対にある前記不織布層の側で固定するステップと、を含む、方法。
【請求項25】
請求項1から23のいずれかに記載の少なくとも1つの積層体を備える、乳児用おむつまたは大人用失禁パンツ。
【請求項26】
請求項1から23のいずれかに記載の積層体と、特に前記不織布層上で、好ましくは波または逆U字のないゾーン内で、前記積層体に固定されたフック付きの少なくとも1つのラップとを備える、フック付き弾性積層体。
【請求項27】
請求項1から23または26のいずれかに記載の積層体を含むロールであって、前記積層体は、少なくとも1メートルより大きな長さを有し、MD方向の軸線に垂直な軸線に従って巻かれ、前記積層体は、隣接する2つの弾性フィルムを含む、ロール。
【請求項28】
特におむつのウエストの弾性ラグの形態である場合に、使用者が伸ばすことによって積層体が破断するという印象を持つことなく伸ばすことができるという見かけの能力を有する弾性積層体を得るための、請求項1から4のいずれか、または請求項1から4のいずれかに従属する場合の請求項9から23のいずれかに記載の積層体の使用であって、前記積層体は、第1の延伸の前に初期厚さ(e)を有し、少なくとも50%に等しい、いわゆる最大伸度まで、前記第1または第2の方向に従って延伸されるとき、伸度(t)の関数としての厚さの相対的損失[(e-e(t))/e]を与える曲線が、5から50%の間、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%未満の最大値を有する、積層体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生の分野で使用することが意図された、特におむつまたは成人用失禁パンツ用の弾性積層体に関し、この積層体は、CD方向(Cross Direction:横方向、または横断方向)に対応する所定の幅と、MD方向(Machine Direction:機械方向)と呼ばれる、積層体の製造中の巻き戻し方向に対応する大きな長さに従って延び、1つの不織布層と上記所与の幅以下である幅にわたって延びる少なくとも1つの弾性フィルムとの1つの積み重ね体、特に、少なくとも1つの弾性フィルムを挟む2つの、下および上の、不織布層を備える。これらの積層体は、特に、フックを担持し、おむつのウエストの後部中央部の縁辺に固定されて、ウエストの前部を起点とするループ要素と係合して、おむつの、移動可能かつ弾性調整可能な閉鎖部を作成することが意図された弾性ラグの製造に使用することが意図されている。
【背景技術】
【0002】
この種の積層体は、例えば、出願人名義の文献EP-A-1783257で知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術からのこの弾性積層体は、以前から存在していたものに対してかなりの利点を有するが、それをさらに改良し、特に、それがおむつのウエストの弾性ラグの形態である場合に、その使用者の快適性、特に、使用者が、伸ばすことによって積層体が破断するという印象を持つことなく伸ばすことができるという見かけの能力を向上することが望ましい。また延伸状態での手触りに対して柔らかさを改良することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、このように、第1の態様によれば、幅方向である第1の方向、具体的にはCDに、長さ方向である第2の方向、具体的にはMDに延びる弾性積層体に関し、
- 少なくとも1つの不織布層と、
- 少なくとも1つの不織布層の下面または上面のそれぞれへ、上面または下面のそれぞれによって固定された少なくとも1つの弾性フィルムと、
- 少なくとも1つの不織布層と少なくとも1つの弾性フィルムとの間に設けられた少なくとも1つの接着層、特に糊とを備え、
- 積層体が延伸状態にない場合、特に第1の方向への積層体の第1の伸度前、特におむつなどの吸収性要素に一旦組み込まれた使用時の第1の伸度前に、不織布層は、第1の方向による横断面において、具体的には横断面CDにおいて、中間部分によって互いから分離された、逆U字状、具体的にΩの形状に湾曲した部分を形成する起伏を含み、
- 中間部分は、少なくとも1つの接着層と接触し、湾曲部分は、少なくとも1つの接着層と接触していないことを特徴とする。
【0005】
本発明はまた、第1の態様によれば、幅方向である第1の方向、具体的にはCDに、長さ方向である第2の方向、具体的にはMDに延びる弾性積層体に関し、
- 少なくとも1つの不織布層と、
- 少なくとも1つの不織布層の下面または上面のそれぞれへ、上面または下面のそれぞれによって固定された少なくとも1つの弾性フィルムと、を備え、
- 少なくとも1つの不織布層は、特に超音波溶着、カレンダー掛けまたは積層、特に熱間によって、固定ゾーンにおいて、少なくとも1つの弾性フィルムに固定される、弾性積層体において、
- 積層体が延伸状態にない場合、特に第1の方向への積層体の第1の伸度前、特におむつなどの吸収性要素に一旦組み込まれた使用する時の第1の伸度前に、不織布層は、第1の方向による横断面において、具体的には横断面CDにおいて、中間部分によって互いから分離された、逆U字状、具体的にΩ状の湾曲部分を形成する起伏を含み、
- 中間部分は、少なくとも1つの弾性フィルムと接触し、湾曲部分は少なくとも1つの弾性フィルムと接触していないことを特徴とする。
【0006】
好ましくは、起伏は、第2の方向、具体的にはMDにおいて、少なくとも1つの不織布層の全長にわたって、特に積層体の全長にわたって延び、積層体の長さは、特に20mmより大きく、特に30mmより大きく、さらに、特に40mmより大きく、また、さらに、特に60mmより大きい。
【0007】
好ましくは、少なくとも1つの不織布層を形成する1つまたは複数の不織布層は、全不織幅にわたって第1の方向、特にCD方向に延び、少なくとも1つの弾性フィルムを形成する1つまたは複数の弾性フィルムは、全弾性幅にわたって延び、全不織幅に対する全弾性幅に等しい比率は、0.3から0.9の間であり、好ましくは0.4から0.8の間である。
【0008】
好ましくは、湾曲部分は、全湾曲部分幅にわたって第1の方向、特にCD方向に延び、中間部分は、全中間部分幅にわたって延び、全不織幅に対する全湾曲部分幅に等しい比率は、0.25から0.85の間、好ましくは0.35から0.75の間である。
【0009】
好ましくは、発明を形成する本発明の別の態様自体によれば、本発明の他の態様とは独立して、特に第1の態様とは独立して、これらの他の態様の各々と組み合わせて、特に第1の態様と組み合わせて好ましいやり方で実施することもできる態様によれば、
- 積層体は、その第1の延伸前の初期厚さ(e)を有し、積層体が、少なくとも50%に等しい、いわゆる最大伸度まで、第1または第2の方向に従って延伸された場合、伸度(t)の関数としての厚さの相対損失[(e-e(t))/e]を与える曲線は、5から50%の間、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%未満、特に30%未満の最大値を有する。
【0010】
本発明によれば、所与の初期厚さに対して、積層体は、延伸状態において、先行技術の積層体よりも厚く、使用者が積層体を伸ばすとき、特に、積層体がおむつのウエストを閉じるための弾性ラグを形成するときに、より大きな頑丈さの印象を使用者に与える。また、積層体は製造が容易で、手触りが柔らかく、かつ/または嵩張るもしくは容積の大きな外観を有する。
【0011】
好ましくは、伸度(t)の関数として相対的な厚さの損失[(e-e(t))/e]を与える曲線は、10%より大きく、さらにより好ましくは20%より大きい最大値を有する。
【0012】
好ましくは、第1の方向または第2の方向に係るいわゆる最大伸度は、50%から100%の間である。
【0013】
初期厚さ(e)引く最大伸度での積層体の厚さ(emax)の初期厚さ(e)にわたる比率、すなわち比率[(e-emax)/e]は、55%以下、特に40%未満、特に35%未満、および/または5%より大きく、特に10%より大きく、特に20%より大きい。
【0014】
好ましくは、初期厚さ(e)引く100%伸度での積層体の厚さ(e100)の初期厚さ(e)にわたる比率、すなわち比率[(e-e100)/e]は、55%以下、特に40%未満、特に35%未満、および/または5%より大きく、特に10%より大きく、特に20%より大きい。
【0015】
好ましくは、積層体は、その第1の延伸前の初期状態から進行して100%の伸度まで延伸した後、次いで非延伸状態(0%伸度)に緩和すると、厚さ(e)が初期厚さ(e)より大きく、比率[(e-e)/e]は、2%より大きく、特に5%より大きく、さらに、特に10%より大きく、好ましくは70%未満であり、特に50%未満であり、より特に、35%未満である。
【0016】
好ましくは、積層体は、第1の非延伸状態から進行して100%の伸度まで延伸した後、次いで第2の非延伸状態(0%伸度)に緩和すると、厚さ(e)を有し、厚さ(e)引く100%の伸度での積層体の厚さ(e100)の厚さにわたる比率、すなわち比率(e)[(e-e100)/e]は、60%以下、特に50%未満、特に40%未満、特に35%未満である。
【0017】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルムを少なくとも1つの不織布層に固定することは、MD方向における一定または可変のピッチおよび/または不連続性で、長さ方向である第2の方向、特にMDに、かつ第1の方向、特にCDに互いから距離をあけて、延びる糊の帯または複数の帯または線に沿って、接着剤、例えば、糊が介在することによって行われる。
【0018】
別の実施形態によれば、少なくとも1つのフィルムを少なくとも1つの不織布層へ固定することは、2つの不織布のうちの少なくとも一方への弾性フィルムの熱間積層、場合によっては、2つの上下の不織布への弾性フィルムの熱間積層によって行われる。
【0019】
さらに別の実施形態によれば、少なくとも1つのフィルムを少なくとも1つの不織布層へ固定することは、熱間カレンダー掛けおよび/または超音波溶着によって行われる。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つの不織布層は、連続フィラメントを含む。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの不織布層は、捲縮フィラメントを含む。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つの不織布層は、スパンボンド不織布を含む。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つの不織布層は、特にスパンボンド(S)の層、特に捲縮フィラメントをベースとするスパンボンド、およびメルトブローン(M)層、またはこれらの複数の層の組合せ(例えば、SM、SMS、SMMS、SSMMS、SSSMMS、SSSMMSS)を溶融することによって得られた不織布を含む。
【0024】
本発明の別の態様によれば、それ自体は、上記の態様(1つまたは複数)とは独立した発明を形成し、有利には、これと組み合わせて実施することができるが、積層体は、初めて100%の伸度まで延伸した後、次いで第2の非延伸状態(0%伸度)に緩和されると、厚さ(e)が、初めて延伸される前の初期厚さ(e)よりも大きく、比率[(e-e)/e]は、2%より大きく、特に5%より大きく、また、特に10%より大きく、特に12.5%より大きく、さらにより好ましくは15%より大きく、かつ/または、好ましくは70%未満、特に50%未満、より特に35%未満である。
【0025】
この態様によれば、したがって、同じ品質の積層体を使用可能としながら、(生産ラインの出力で)まだ延伸されていない、より長い積層体を一定の直径のリール上に巻き取ることが可能であり、または、より良い品質の積層体を使用可能としながら、まだ延伸されていない同じ長さの積層体を一定の直径のリール上に巻き取ることが可能である。
【0026】
本発明のさらに別の態様によれば、それ自体は、先行する態様とは独立した発明を形成し、有利には、それらの態様のうちの各々または複数を組み合わせて実施できるが、幅方向であるCD方向に、かつ長さ方向であるMD方向に延びる弾性積層体は、
- 少なくとも1つの不織布層と、
- 少なくとも1つの不織布層の下面または上面のそれぞれへ、上面または下面のそれぞれによって固定された少なくとも1つの弾性フィルムと、を含み、以下を特徴とする。
【0027】
第1の延伸中、延伸の関数としてCD方向に積層体へ加える力(N)(%としての伸度または伸長)を与える曲線が、その凹面が下方を向いた第1の下曲線セグメントと、その凹面が上方を向いた第2の上曲線セグメントとを分離する変曲点を有し、第1の下セグメントは下頂点を有し、第2の上セグメントは上頂点を有し、原点と下頂点との間の曲線の部分が曲線の開始セグメントであり、下頂点と変曲点との間の曲線の部分が曲線の使用セグメントであり、変曲点と上頂点との間の曲線の部分が曲線の停止セグメントであり、開始セグメントのX軸が0%から、5%から20%の間の値、例えば10%に延び、使用セグメントのX軸が、5%から20%の間の値、例えば10%に、60%から80%の間の値、例えば70%に延びる一方で、停止セグメントのX軸が、使用セグメントに続いて、80%から120%の間の値まで、特に、上記の段落で述べたように、100%まで延びる。
【0028】
好ましい実施形態によれば、積層体は、積層体および/または弾性フィルムの非延伸状態では、不織布層は、交互に、横断面CDにおいて、特に直線状または実質的に直線状、特に湾曲した、特にそれらの凹面が上方を向き、CD方向に延びて弾性フィルムに固定された中間部分と、特にΩの形状で、それぞれが、2つの連続する中間部分から進み頂点で交わる2つのストランド部分で構成され、弾性フィルムに固定されず、弾性フィルムから距離をあけたままである逆U字状の湾曲部分と、を含むので、これらと弾性フィルムの間に空き空間を画定し、湾曲部分の曲率は、中間部分の曲率よりも大きい。
【0029】
このように不織布層が弾性フィルムに断続的にのみ固定されるようにすることによって、特に、積層体が使用される温度が、例えば、おむつに使用される場合、著しく上昇して、例えば30℃に近づくと、積層体の可能な延伸に対して一種の制限が得られ、弾性フィルムの延伸能力を著しく高める効果を有する。したがって、特にこの温度では、使用者が積層体をCD方向に伸ばすと、逆U字状部分は、2つの足の間で延伸方向および固定部分に平行に平坦になった瞬間に、使用者は、一種の停止を感じ、体温では弾性材をさらに伸ばすことができるが、積層体の長期的な安定性が低下するところまで積層体をそれ以上伸ばさないように促される。
【0030】
このように、積層体は、例えば、おむつの場合、おむつの使用中に徐々に現れる「ネックダウン」すなわち弾性材の収縮の現象に対抗することによって、例えば、繰り返し開閉されることによって、特に延伸しすぎた場合に、急激に劣化することが防止される。さらに、製造が容易で、より柔らかく、かつ/またはより嵩張る、もしくは容積の大きな外観を有する積層体が得られる。
【0031】
好ましくは、中間部分、特に直線状または実質的に直線状の中間部分は、特に、それらの凹面が上方を向いて湾曲している場合、各々が、CD方向に測定され、特にΩの形状である逆U字状部分の2つのストランド部が起点とする2つの中間部分の間でCD方向に測定された距離の10%未満であり、特にこの距離の10%から50%の間である距離にわたって延びる。
【0032】
本発明のさらに別の態様によれば、それ自体は、上記の態様とは独立した発明を構成し、有利には、上記態様のうちの各々または複数と組み合わせて実施することができるが、エラストマー組成物をベースとする弾性フィルムには、外皮がなく、弾性フィルムは、好ましくは、糊なしで1つまたは複数の中間部分に不織布を保持するのに十分な接着性および/または粘着性を有する。
【0033】
本発明のさらに別の態様によれば、弾性フィルムは、弾性フィルムの外面を形成する表皮、好ましくは2つの表皮を含む。
【0034】
非常に好ましくは、接着剤、特に糊の少なくとも1つの帯または線は、弾性フィルムとそれぞれの中間部分との間に位置している。
【0035】
好ましくは、逆U字、特にΩの形状の高さ(頂点の高さ)は、その幅(逆U字状のストランドの2つの足部間の距離)より大きい。
【0036】
特に、好ましくは、各逆U字は、Ωの形状であり、それぞれの直線部分を起点として、かつ逆U字の頂点で交わる2つの、左右の、ストランドによって画定され、逆U字状部分のうちの少なくとも1つの、2つの、左右の、ストランドのうちの1つ、特に、少なくとも1つの逆U字状部分の2つの、左右の、ストランドは、起点とする直線部分から進む開始ゾーンにおいて、それぞれの湾曲形状を有し、それぞれの凹面は弾性フィルムの方へ向いている。
【0037】
好ましくは、追加の不織布層が、弾性フィルムの他方の側に設けられ、上記追加層は、水噴流または熱によって圧密された短繊維をベースとする不織布層であり、特に、水素結合されカーディングされた不織布(スパンレース)またはカーディングされた熱接着不織布である。
【0038】
好ましくは、不織布層は第1の坪量を有し、追加の不織布層は、第1の坪量とは異なり、特に第1の坪量より大きな第2の坪量を有し、場合によっては第1の坪量および第2の坪量は20%以内に等しい。
【0039】
特に、不織布層は、第1の見かけ坪量を有し、追加の不織布層は、第2の見かけ坪量を有し、弾性ゾーンでは、第1の見かけ坪量は第2の見かけ坪量よりも大きく、見かけ坪量は、軸線CDに係る断面図において、製品の経時変化を測定し、経時変化に非延伸状態および/または非成形状態の不織布の坪量を乗じることによって決定される。
【0040】
特に、不織布層は第1の剛性を有し、追加の不織布は第1の剛性未満である第2の剛性を有し、特に、不織布層は、70%未満の5NでのCDにおける伸度を有し、追加の不織布層は、70%より大きい5NでのCDにおける伸度を有する。
【0041】
一例によれば、積層体の第1の方向、特にCDにおける弾性フィルムの長さは、積層体の第1の方向、特にCDにおけるラップ層または不織布層の幅未満である。
【0042】
一例によれば、前の例と組み合わされてもいなくてもよいが、積層体の第2の方向、特にMDにおける弾性フィルムの幅は、積層体の第2の方向、特にMDにおけるラップ層または不織布層の長さと等しい、または実質的に等しい。
【0043】
また、本発明は、積層体、特に本発明による積層体を生産する方法に関する。
【0044】
本発明によれば、本方法は、弾性フィルムを取るステップと、特に連続フィラメント、特にスパンボンド、特に「捲縮」スパンボンドを有する不織布層を取るステップと、横断面において、中間部分によって分離された連続した逆U字形状、特に直線状もしくは実質的に直線状、または湾曲状もしくは実質的に湾曲状で、それらの凹面が上方を向いている波の形状の不織布層を得るように不織布層を成形し、湾曲部分の曲率が中間部分の曲率よりも大きく、後者の曲率は、直線状であるときは特にゼロであり、実質的に直線状であるときはゼロに近い、ステップと、波形状の不織布層を、好ましくは、非延伸状態の弾性フィルムに、波の山の反対にある不織布層の側面によって固定するステップと、を含む。
【0045】
好ましくは、フィラメントはMD方向に配向される。
【0046】
好ましくは、不織布層を形成(成形)するために、上記層は、歯付きローラまたは鋸歯状のローラの間に通される。
【0047】
好ましくは、波形状の不織布層を弾性フィルムに固定する前に、接着剤、特に糊の帯を弾性フィルムの全幅にわたって置き、次いで、波形状の不織布層を弾性フィルム上へ積層する。
【0048】
別の実施形態によれば、弾性フィルムは、支持ローラと上不織布が通過するウェーバとの間で熱間押出する。
【0049】
本発明はまた、おむつまたは失禁パンツを閉じるために、フックがおむつのウエストの前面を起点とするループに係合するように、特に、おむつまたは失禁パンツの後部ウエストから横方向にのびるフック・タブを形成するために、本発明による少なくとも1つの積層体を含む乳児用おむつまたは大人用失禁パンツに関する。
【0050】
また、本発明は、フック付きの弾性積層体に関し、本発明による積層体と、積層体に、特に上不織布層上に、好ましくは、波または逆U字形状のないゾーンにある積層体に固定されたフック付きの少なくとも1つのラップ層とを含む。
【0051】
また、本発明は、本発明による積層体を含むローラに関し、上記積層体は、少なくとも1メートルより大きな長さを有し、かつ、軸線MDに垂直な軸線に従って圧延され、上記積層体は、隣接する2つの弾性フィルムを含む。
【0052】
また、本発明は、特におむつのウエストの弾性ラグの形態である場合に、使用者が伸ばすことによって積層体が破断するという印象を持つことなく伸ばすことができるという見かけの能力を有する弾性積層体、特に、その最初の延伸前に初期厚さ(e)を有する積層体を得るための、本発明の第1の態様による積層体の使用に関し、積層体が、少なくとも50%に等しい、いわゆる最大伸度まで、第1または第2の方向に従って延伸されるとき、伸度(t)の関数としての厚さの相対的損失[(e-e(t))/e]を与える曲線は、5から50%の間の最大値、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%未満、特に30%未満の最大値を有する。
【0053】
好ましくは、伸度(t)の関数として相対的な厚さの損失[(e-e(t))/e]を与える曲線は、10%より大きく、さらにより好ましくは20%より大きな最大値を有する。
【0054】
好ましくは、第1の方向に係る、または第2の方向に係るいわゆる最大伸度は、50%から100%の間である。
【0055】
好ましくは、初期厚さ(e)引く最大伸度での積層体の厚さ(emax)の初期厚さ(e)にわたる比率、すなわち比率[(e-emax)/e]は、55%以下、特に40%未満、特に35%未満、および/または5%より大きく、特に10%より大きく、特に20%より大きい。
【0056】
好ましくは、初期厚さ(e)引く100%伸度での積層体の厚さ(e100)の初期厚さ(e)にわたる比率、すなわち比率[(e-e100)/e]は、55%以下、特に40%未満、特に35%未満、および/または5%より大きく、特に10%より大きく、特に20%より大きい。
【0057】
好ましくは、積層体は、その最初の延伸前の初期状態から進行して100%の伸度まで延伸した後、次いで非延伸状態(0%伸度)に緩和すると、厚さ(e)が初期厚さ(e)より大きく、比率[(e-e)/e]は、2%より大きく、特に5%より大きく、より特に10%より大きく、かつ、好ましくは70%未満であり、特に50%未満であり、さらに、特に、35%未満である。
【0058】
好ましくは、積層体は、第1の非延伸状態から進行して100%の伸度まで延伸した後、次いで第2の非延伸状態(0%伸度)に緩和すると、厚さ(e)を有し、厚さ(e)引く100%の伸度での積層体の厚さ(e100)の厚さにわたる比率、すなわち比率(e)[(e-e100)/e]は、60%以下、特に50%未満、特に40%未満、特に35%未満である。
【0059】
特に、本発明による積層体は、特に1.1より大きく、特に1.25より大きく、特に2より大きく、特に50より大きく、より特に100より大きく、かつ、好ましくは10000、5000、2000または1000未満である比率で、幅よりも長さが大きい。特に、積層体は、特にその長さ方向において、圧延かつ/または展開される。
【0060】
一例として、本発明の複数の実施形態について、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明による積層体の好ましい実施形態の概略断面図CDである。
【0062】
図1A】本発明による積層体の別の実施形態の概略断面図CDである。
【0063】
図2A図1の積層体の生産中の複数のステップのうちの1つのステップを概略的に示す。
図2B】別のステップを概略的に示す。
図2C】別のステップを概略的に示す。
図2D】別のステップを概略的に示す。
図2E】別のステップを概略的に示す。
【0064】
図3】2つの歯付きローラの間に通すことによって上不織布を形成/成形することを意図した「ウェーバ」デバイスの一部の概略斜視図であり、ローラの歯はCDにおいて非接触で相互貫通し、上記デバイスは図13から図16に示す設備の一部を形成する。
【0065】
図3B図3のデバイスの側面図である。
【0066】
図4A図2Bの上不織布層を波状に成形するために使用できる、図3における設備の2つの歯付きローラの歯形を示す。
【0067】
図4B図2Bの上不織布層を波状に成形するために使用できる、図3における設備の2つの歯付きローラの別の可能な歯形を示す。
【0068】
図5】本発明による積層体の第1の例について、それらの延伸(伸度は初期長さに対する長さの増加の比率に等しい)に応じて、4つの試料E53-0、E53-1、E53-2およびE53-3の測定された厚さを示す表である。
【0069】
図6図5と同様に、本発明による積層体の第2、第3および第4の例、ならびに先行技術の積層体の比較(または参照)試料について、それらの延伸(伸度は初期長さに対する長さの増加の比率に等しい)に応じて、3つの試料HG1-1、HG1-2およびE46-1の測定された厚さを示す4つの表を例示する。
【0070】
図7】厚さを測定するために使用される、積層体の延伸の支持および調整用工具の斜視図である。
【0071】
図8図7の工具の平面図である。
【0072】
図9図7および図8の工具の側面図である。
【0073】
図10図7から図9の工具の別の側面図である。
【0074】
図11図7から図10に示した延伸の支持および調整用工具を使って積層体の厚さを測定するための設備の斜視図である。
【0075】
図12図11の設置の断面図である。
【0076】
図13】本発明の積層体の生産設備の実施形態の概略図である。
【0077】
図14図13の生産設備の変形例の概略図である。
【0078】
図15】本発明の積層体の生産設備の別の実施形態の概略図である。
【0079】
図16】本発明の積層体のための生産設備のさらに別の実施形態の概略図である。
【0080】
図17】伸長(または伸度)の関数として力を表す2つの曲線を示し、本発明による積層体のための一方(実線)は、停止の概念、および伸長の関数(%)としての力曲線(N)から積層体に対する上記停止をいかに決定するか説明することを可能にし、他方(点のある実線)は、先行技術の積層体を示す。
【0081】
図18A】本発明の実施形態E46-1による積層体の力/伸長曲線を示す。
図18B】本発明の実施形態E53-0による積層体の力/伸長曲線を示す。
図18C】本発明の実施形態HG1-1による積層体の力/伸長曲線を示す。
【0082】
図19】本発明による積層体から形成された2つの弾性ラグを含むおむつの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1では、積層体は、上から下へ連続して、上不織布層1と、それぞれ右左の、2つの、弾性フィルム2d、2gと、下不織布層3とを備える。上不織布層1は、起伏を含む。
【0084】
2つの弾性フィルム2d、2gは、2つの不織布層1および3が延びる距離よりも短い距離にわたってCD方向に延びるので、積層体の左右の縁辺、ならびに中央に、弾性膜のない2つの縁辺領域および中央領域が形成される。
【0085】
上不織布層1および弾性フィルム2d、2gは、それらの間に、接着剤、特に糊の帯4を介在することによって固定される。
【0086】
同様に、下不織布層3および弾性フィルム2d、2gは、それらの間に、長さ方向であるMD方向に延び、CD方向に互いから離隔された接着剤、特に糊の帯または線5d、5gを介在することによって固定される。
【0087】
弾性材のない領域では、2つの不織布1および3は、MD方向に延び、かつ縁辺領域および中央領域のそれぞれの幅と実質的に等しい幅を有する、それぞれ右、中央および左のフィールド6d、7d、6c、7c、6g、7gによって互いに直接固定される(すなわち、弾性フィルムの介在がなく、接着剤のみがそれらの間に存在する)。
【0088】
断面CDでは、図1のように、上不織布層1の起伏により、中間部分9および逆U字状に湾曲した部分10が交互に連続して形成される。部分9は、全ての部分9について同一であってもよいそれぞれの幅にわたってCD方向に延びる。しかしながら、これらの部分は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、部分によって異なる幅を有してもよい。同様に、逆U字状部分10は、互いに同一であってもよく、特に、全ての逆U字状部分10について同一であってもよいそれぞれの幅(逆U字の左右に対する2つの連続する直線部分間の距離)、ならびに全ての逆U字形状について同一であるU字の高さ(頂点と弾性フィルムとの間の最大垂直距離)を有する。しかしながら、これらは、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、逆U字状部分によって異なる幅および高さを有してもよい。中間部分9は、直線状、もしくは実質的に直線状であってもよく、または湾曲状、特にわずかに湾曲状であってもよい。それらが直線状もしくは実質的に直線状であって、またはわずかに湾曲状、もしくは湾曲状であっても、部分9は、常に、逆U字形状の湾曲部分の曲率未満である曲率を有する。MD方向では、積層体の全長にわたって起伏が連続的に延びる。
【0089】
各逆U字状部分は、ストランドの形態の2つの部分、すなわち、それぞれが中間部分9を起点として逆U字形状部分の頂点で交わる、左部分10gおよび右部分10dを含む。
【0090】
逆U字形状部分の2つの、左右の、ストランドのうちのそれぞれは、それが起点とする直線部分から進む開始ゾーンにおいて、それぞれの湾曲した形状を有し、その凹面は弾性フィルムの方へ向けられている。
【0091】
逆U字形状は、0.5mmから2mmの間の幅(逆U字が起点とする2つの直線部分間のCD方向と平行な距離)、および0.5mmから2mmの間、特に0.9mmから1.8mmの間の高さを有してもよい。
【0092】
中間部分は、MD方向に、3mmより大きく、特に5mmより大きく、特に10mmより大きく、および/または積層体のMDにおける全長にわたる、および/または弾性ラグの形態の積層体のMDにおける全長にわたって、特に100mm未満の長さを有してもよい。中間部分は、MD方向に連続的または不連続的に延びる。
【0093】
中間部分は、0.4mmから2mmの間、特に0.4mmから1.9mmの間、特に0.5mmから1.5mmの間の幅を有してもよい。特に、上記幅は、逆U字形状の幅の10%未満、特に、上記幅の10%から50%の間であり、さらに、より好ましくは、非延伸状態における逆U字形状の上記幅の10%から30%の間である。
【0094】
図1および図1Aからわかるように、2つの、下および上の、不織布層は、CD方向において、積層体の全幅にわたって延びる。上記幅は、不織布の全幅である。2つの弾性フィルム2g、2dは、各々、積層体の幅の半分未満であるそれぞれの幅にわたって延びる。2つのフィルムが延びる2つのそれぞれの幅の合計は、全弾性幅を表す。ここで、全不織布幅に対する全弾性幅の関係または比率は、0.4から0.8の間であり、特に、図1および図1Aにおいて約0.7に等しい。図1および図1Aは、上不織布1が、断面、ここではCDにおいて、中間部分、例えば、直線部分によって分離された逆U字形状を形成する起伏を有し、一方、長さ方向、ここではMDにおいて、これらの起伏が積層体の一端から他端まで切れ目なく延びるように成形された実施形態を示す。この成形は、特に、以下で説明する「ウェーバ」または「タンパー」と呼ばれるデバイスによって行われる。これに対して、この例では、下不織布3は「ウェーバ」によって成形されず、以下でも説明するように活性化されているだけである。「ウェーバ」によって成形された不織布上で、必要に応じてわずかな活性化を行うことも可能である。あるいは、下不織布3も、上不織布1と同一に形成することもでき、特に、上不織布1と同様に、断面CDにおいて、中間部分によって、特に直線的に分離された逆U字形状部分を形成する起伏を有するように、一方、MD方向には起伏が積層体の一端から他端へ連続的に延びるように「ウェーバ」または「タンパー」によって成形できる。
【0095】
上不織布の湾曲部分10は、全湾曲部分幅にわたってCD方向に延び、中間部分9は、全中間部分幅にわたって延び、不織布の全幅にわたる全湾曲部分幅に等しい比率は、0.25から0.85の間、特に0.35から0.75の間であり、特に、図1および図1Aにおいて約0.45に等しい。
【0096】
図1Aは、図1の実施形態の糊の連続帯4が、長さ方向であるMD方向に延び、CD方向に互いから離隔された帯または線4d、4gに置き換えられた別の実施形態を示す。糊の帯または線は、各々、同一であってもよく、または線/帯によって異なってもよい幅をCD方向に有する。
【0097】
接着剤、特に糊の線または帯の幅は、0.5mmから3mmの間、または10mmから80mmの間であってもよい。
【0098】
さらに、有利な実施形態によれば、糊の線または帯のうちの少なくとも1つは、弾性フィルム2d、2gと上不織布層1の中間部分9のうちの1つとの間に位置し、厳密に、直線部分9のうちの上記1つの幅未満である幅をCD方向に有する。特に、糊の線または帯の一部、特に糊の線または帯の全ては、各々、弾性フィルム2d、2gと上不織布層1の中間部分9のそれぞれとの間に位置し、各々は、厳密に、中間部分9の上記それぞれ1つの幅未満である幅をCD方向に有する。
【0099】
別の異なる実施形態によれば、糊の全ての線または帯は、各々、弾性フィルム2d、2gと上不織布層1の部分9のうちのそれぞれ1つとの間に位置し、各々は、部分9の上記それぞれ1つの幅に等しい幅をCD方向に有する。
【0100】
上不織布層1は、連続フィラメント、すなわち長尺、特に120mm以上のフィラメントをベースとする不織布から形成される。特に、不織布層1の不織布は、スパンボンドであってもよく、他の不織布、例えばSM、SMSなどと結合されたスパンボンドを含んでもよい。
【0101】
上不織布層1は、10から30g/mの間、特に、10から22g/mの間の坪量を有してもよい。
【0102】
下不織布層3は、連続フィラメントから形成されてもよいが、好ましくは、任意の他の不織布からも、特に短繊維、特にスパンレースなどのカーディングされた材料をベースとして形成されてもよい。
【0103】
下不織布層3は、10から30g/mの間、特に18から25g/mの間の坪量を有してもよい。
【0104】
上不織布層の(不織布に圧力をかけずに静止状態および新鮮な空気中で、直線部分に対して垂直に測定された)厚さは、0.5mmから2mmの間であってもよい。
【0105】
下不織布層の(不織布に圧力をかけずに静止状態および新鮮な空気中で、直線部分に対して垂直に測定された)厚さは、0.1mmから0.5mmの間であってもよい。
【0106】
図2Aは、図13または図14に示されているような設備における図1の積層体の製造中のステップ中に得られた中間積層体を概略的に示す。
【0107】
糊5d、5gの帯、ならびに糊のフィールド7d、7cおよび7gは、不織布層、例えば、下不織布層3を形成することを意図したスパンレース、25g/m上に置かれ、図2Aの中間積層体を得るために、2つの弾性フィルム2g、2dが上に置かれている。
【0108】
あるいは、不織布層を、歯の間を通過したゾーンにおいて、アコーディオン形状、すなわち(歯の間を通過していない)非成形の中央ゾーン1cによって分離された2つのアコーディオン状ゾーン1dおよび1gに成形するために、CDにおいて接触することなく相互貫通する歯を各々含む2つのローラ305と306との間で図3および図4に示す設備内に通すことによって、上不織布層を形成することを意図した前駆体不織布層が成形された。さらに、2つの縁辺ゾーンは、不織布層のそれぞれの縁辺と2つのアコーディオン状ゾーンとの間に延び、上記2つの縁辺ゾーンは、同様に、歯を通過せず、かつ、成形されていない。「ウェーバ」モジュールを形成する歯付きローラを有する設備内への通過中に、図2Bに示すような形状である上不織布層が得られる。ウェーバ・モジュールは、この種の積層体を活性化して積層体内の弾性フィルムの弾性を解放するための分野でよく知られている活性化モジュールとは異なり、製品を破断することなく、特に不織布を破断することなく、製品を波の形態に成形する。ウェーバは、活性化ブロックからの出口で同一またはより大きな幅を得ることを目的とした活性化とは対照的に、ウェーバへの入口での不織布の幅がウェーバからの出口での積層体の幅よりも広くなるように製品を成形する。成形を経た領域、特に2つの弾性フィルムに沿った、または面する領域において、少なくとも1つの「波状」ゾーンで成形された、または「波状にされた」不織布は、成形を経ていない領域、例えば、図1および図1Aでは、弾性フィルムのない2つの横方向端部領域と、同じく弾性フィルムのない中央領域とにおける積層体の単位幅あたりの繊維の量または質量よりも大きな積層体の単位幅あたりの繊維の量または質量を有する。同時に、成形を経たこれらの領域では、不織布を構成する繊維および/またはフィラメントは、平均直径が、成形を経ていない領域における繊維および/またはフィラメントの平均直径と実質的に同一である。特に、成形ゾーンおよび非成形ゾーンにおける2つの平均直径の相対的な差は、15%未満、特に10%未満、特に5%未満であり、これらの変動は、不織布の繊維および/またはフィラメントについて遭遇する直径の典型的な変動に対応する。不織布の「波状」ゾーンは、活性化動作を経たゾーンとは異なり、破断した繊維および/またはフィラメントを有していないゾーンの繊維および/またはフィラメント、かつ/あるいは繊維および/またはフィラメントのない局所的なマイクロゾーン、かつ/あるいは繊維および/またはフィラメントの直径に大きな変動を有するマイクロゾーンを観察することによって認識することができる。マイクロゾーンの特徴は、不織布の圧密点の外側、かつ/あるいは不織布のそれ自体および/または弾性フィルムおよび/または別の不織布への接続点の外側で観察されなければならず、上記接続点は、繊維および/またはフィラメントを変形させる目的で圧力および/または温度の適用によって形成される。ここで、繊維および/またはフィラメントの直径は、繊維および/またはフィラメントの断面を含み、かつ、円形または実質的に円形、楕円形または実質的に楕円形、または異なる形状の断面を有することができる、最大寸法の円を意味する。「ウェーバ」によって成形された不織布層は、積層体の非延伸状態では、積層体の第1の方向、特にCDの断面において、積層体の幅よりも、その展開長さが、より大きく、特に少なくとも10%大きく、特に少なくとも15%大きく、より特に少なくとも20%大きい中性繊維を有し、一方、積層体の第2の方向、特にMDにおける断面では、不織布層は、その展開長さが積層体の長さと等しい、または実質的に等しい中性繊維を有する。
【0109】
続いて、図2Cの中間積層体を得るために、糊の帯4ならびに糊のフィールド6d、6cおよび6gが図2Aの中間積層体上に置かれる。
【0110】
続いて、図2Bの不織布層は、図1の積層体を得るために、未延伸状態で、図2の中間積層体上に積層することによって置かれる。図2Cの中間積層体は、図2Bの不織布層との積層に先立って、活性化されてもされなくてもよく、かつ/または図2Cの中間積層体の不織布は予め活性化されてもよい。
【0111】
図2Eは、糊で被覆するステップおよび成形された不織布を積層するステップに先立って、さらに活性化ステップを経た図2Aの積層体の例示である。
【0112】
次に、下不織布層および/または弾性フィルムの弾性を解放かつ/または調整するために、CD方向に伸ばすことによって図2Dの積層体の活性化を行うことが可能であり、不織布の繊維および/またはフィラメントを「破断」し、またはそれら凝集力を失わせることによって上記不織布を拡大させる効果を有する。活性化に続いて、不織布は弾性フィルムの効果で後退し、図1の積層体を得る。有利には、図2Bの不織布は、波状に成形するステップの前に活性化できる。
【0113】
変形例によれば、図2Aの積層体の形成後に下不織布層の活性化を行うことも可能であり、図2Bからの不織布に糊を配置し、次いで積層するステップが図2Cおよび図2Dで説明したように行われる、図2Dの中間積層体を得る。
【0114】
本発明によれば、非反応性PSA(pressure-sensitive adhesive感圧接着剤)タイプの糊、例えばBostickによるH2465、または反応性PU糊、特にBostikによるXPU18314などの糊を使用することが可能である。好ましくは、これらの糊は、エラストマー・フィルムと同様の化学的性質を有する。例えば、これらの糊の1つが、化学的機能を識別するために赤外分光計を使って、または物質を分離かつ定量するために液体クロマトグラフィーを使って分析される場合、エラストマー・フィルムの1つまたは複数の材料の、好ましくは1つもしくは複数の成分またはそれらの誘導体の痕跡が識別される。
【0115】
好ましくは、これらの糊は、SIS、SBS、SEBS、およびSEPSをベースとし、類似の化学物質のためにフィルムとの良好な親和性を可能にする。
【0116】
好ましくは、糊層は、15g/m未満、特に12g/m未満、より好ましくは8g/m未満の坪量を有する。
【0117】
本発明では、不織布は、圧密された繊維および/またはフィラメントのラップの形成後に得られる製品を意味することを意図する。圧密は機械的、化学的、または熱的であってもよく、結果として繊維および/またはフィラメント間に結合が存在する。この圧密は、直接的、すなわち、溶着によって繊維および/またはフィラメント間で直接行われてもよく、あるいは間接的に、すなわち、繊維および/またはフィラメント間の中間層、例えば糊の層もしくはバインダーの層によって行われてもよい。「不織布」という用語は、不均一もしくは不規則に、または無作為に織り交ぜられた繊維および/またはフィラメントのテープまたはラップの形態の構造に関する。不織布は、単層構造、または複数の層からなる構造であってもよい。不織布は、さまざまな合成材料および/または天然材料から作られてもよい。天然材料は、例えば、綿、ジュート、紙パルプ、リネンなどのセルロース繊維であり、レーヨンまたはビスコース(酢酸セルロース)などの再生セルロース繊維を含んでもよい。不織布材料用の天然繊維は、カーディングなどの様々な工程を使うことによって作製してもよい。合成材料は、一例とするが、それに限定されず、合成熱可塑性重合体を含み、これらは、これらに限定されることなく、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなど、ポリアミド、例えばポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12など、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸(PLA)など、ポリカーボネート、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、ビニル重合体、ポリウレタン、ならびにこれらの混合物および共重合体を含む、繊維および/またはフィラメントを形成することが知られている。これらの材料の一部は、バイオプラスチック、例えば生物由来(例えば、バイオPE、PLAもしくはPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、ポリアミド11、ビスコース(酢酸セルロース)など)、および/または生分解性(PLAなど)である。一般的に、繊維およびフィラメントは、主にその長さおよび製造方法が異なる。
【0118】
「連続フィラメント」は、断面の直径に比べて非常に長く、不織布ラップを直接形成するために連続的に押し出され、その後、熱接着、または所望の性能を達成し、かつ/またはその搬送を可能にするその他の手段によって圧密できる個々の要素を意味する。好ましくは、連続フィラメントは、120mmより大きな長さを有する。
【0119】
「繊維」は、長さが短く、連続フィラメントの長さ未満であり、紡糸され、かつ/または不織布の形成に使用できる織物材料または織物材料要素を示すための総称として理解される。2種類の繊維が区別され、すなわち、50mm未満(好ましくは25mmから50mm)の短い長さの不連続な材料で形成された短繊維と、不連続に形成され、50mmより大きな長さ(好ましくは60mmから120mm)の長繊維とに区別される。
【0120】
押し出し直後に圧密される連続フィラメントとは異なり、繊維は、通常、当業者にはよく知られているカーディングのステップ中にラップに配向、かつ組織化される。次に、このラップは、熱接着、または所望の性能を達成し、かつ/もしくはその搬送を可能にする任意の他の手段によって圧密できる。
【0121】
本発明によれば、「フィルム」は、長さおよび幅が、各々、厚さより(例えば、10倍、50倍、さらには1000倍以上の比率で)はるかに大きい、シート型または包み型の材料を意味する。典型的には、フィルムの厚さは0.7mm未満、特に0.5mm未満、またはそれよりさらに薄い。特に、紐または糸、あるいは紐および/または糸のセットはフィルムではない。
【0122】
エラストマー材料の非限定的な例として、以下を挙げることができる:スチレン/イソプレン(SI)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)共重合体、またはSIBS。これらのエラストマーの互いとの混合物、または弾性以外のいくつかの特性を修正する非エラストマーとの混合物も考えられる。例えば、ポリスチレンまたはポリa-メチル-スチレン、エポキシポリエステル、ポリオレフィン、例えばポリエチレンまたはいくつかのエチレン/酢酸ビニル、好ましくはより高いモル質量を有するものなど、基材のいくつかの特性(弾性、耐熱性、加工性、耐紫外線性、着色など)を修正するために、50質量%まで、好ましくは30質量%未満の重合体を添加してもよい。
【0123】
エラストマー材料は、特に、スチレン-イソプレン-スチレンであってもよく、例えば、Kraton Polymers社から、KRATON D(登録商標)の名称で、あるいはDEXCO POLYMERS LP社(米国)またはTSRC(ヨーロッパ)から、VECTOR SBC4211(登録商標)の名称で、および/またはVECTOR SBC4111(登録商標)の名称で、および/またはVECTOR SBC4411(登録商標)の名称で入手可能であり、あるいはこれらの材料のうちの少なくとも2つの混合物であってもよい。また、TPE(熱可塑性エラストマー)材料、特にポリウレタンの熱可塑性エラストマー、特にLUBRIZOL社からのESTANE(登録商標)2102-75A-TPUを使用することもできる。スチレン-ブタジエン-スチレン、特にDexco Polymers社、TSRC COMPANY LPからのVECTOR SBC4461(登録商標)を使用することもできる。スチレン-エチレン/ブチレン、またはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)共重合体配列を使用することもできる。
【0124】
網羅的ではないが、リストは、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン(SEPSEP)などの全ての水添ポリイソプレン重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン-エチレン-エチレン-ブチレン-エチレン-ブチレン-ブチレン(SEBSEB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)などの水添ポリブタジエン重合体、スチレン-エチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEEPS)などの水添ポリイソプレン/ブタジエン重合体、市販されている(Kuraray America,Inc.、ヒューストン、テキサス州)HYBRAR7311などの水添ビニル-ポリイソプレン/水添ポリイソプレン/ポリイソプレン/ポリスチレントリブロック重合体およびこれらの組み合わせの使用によって補足できる。
【0125】
本開示では、ジブロック、トライブロック、マルチブロック、マルチブロック、スターおよびラジアルなどのブロック重合体構成も想定される。場合によっては、モル質量以上の配列共重合体が望ましい場合がある。配列共重合体は、テキサス州ヒューストンのKraton PolymersU.S.LLC.から、例えば、Kraton D1184、Kraton FG1901およびKraton FG1924の名称で、かつKuraray社によるSepton8007の名称で入手可能である。Dynasolは、これらの重合体の別の可能な提供元である。
【0126】
架橋剤の非存在下で物理的架橋を有する熱可塑性プラスチックである、イソオクチルアクリレートおよびアクリル酸共重合体を、単量体比90/10で、使うこともできる。
【0127】
他の可能な材料は、エラストマー特性を有するポリオレフィン重合体、主にエチレンおよび/またはプロピレン共重合体であり、特にメタロセン触媒に由来するもの、例えばExxon Mobil Chemical社から入手可能なVISTAMAXX VM-1120(登録商標)、または実際にゴムを充填した重合体である。
【0128】
エラストマー・フィルム層に使用できるポリオレフィンをベースとする熱可塑性エラストマーの例は、とりわけ、結晶性ポリオレフィン、例えば、炭素数が1から20であるα-オレフィンの単独重合体または共重合体を含み、炭素数は1から12である。
【0129】
以下に述べる単独重合体および共重合体は、結晶性ポリオレフィンの例である。
【0130】
(1)エチレン単独重合体。エチレン単独重合体は、低圧工程および高圧工程のいずれによっても作製されてよい。
【0131】
(2)エチレン共重合体、およびエチレン以外の10モル%以下のα-オレフィン、またはビニル単量体、例えば、Engage8407またはEngage8842(Dow Chemical、ヒューストン、テキサス州)の商標で入手可能であるエチレンオクテン共重合体。
【0132】
(3)ポリプロピレン共重合体、例には、ポリプロピレン衝撃共重合体PP7035E4およびポリプロピレンランダム共重合体PP9574E6(Exxon Mobil、ヒューストン、テキサス州、または実際にポリプロピレン単独重合体)を含む。
【0133】
(4)ポリプロピレンランダム共重合体、および10モル%以下のα-オレフィン-プロピレン以外のオレフィン。
【0134】
(5)配列ポリプロピレン共重合体、およびプロピレン以外の30モル%以下のα-オレフィン。
【0135】
(6)ブテン-1-ブテン単独重合体。
【0136】
(7)1-ブテンランダム共重合体、および10モル%以下のα-オレフィン-1-ブテン以外のオレフィン。
【0137】
(8)4-メチル-1-ペンテン単独重合体、4-メチル-1-ペンテン単独重合体。
【0138】
(9)4-メチル-1-ペンテンランダム共重合体、および4-メチル-1-ペンテン以外の20モル%以下のα-オレフィン。
【0139】
α-オレフィンには、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン-1、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、および1-オクテンを含む。
【0140】
市販され、エラストマー・フィルム層に使用することを意図したポリオレフィンベースの熱可塑性エラストマーには、VISTAMAXX.TM(テキサス州ヒューストンのExxonMobil Chemicalから入手可能であるプロピレンおよび/またはエチレンベースのエラストマー)、INFUSE.TM(ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Companyから入手可能であるオレフィンブロック共重合体)、VERSIFY.TM.4200(ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Company)などのVERSIFY.TM.(特に技術「INSITE技術」を介して得られるプロピレン/エチレンエラストマー)、ENGAGE.TM.(テキサス州ヒューストンのDow Chemical Companyから入手可能であるエチレンオクタン共重合体)およびNOTIO0040およびNOTIO3560(ニューヨーク州ニューヨークのMitsui Chemical(USA)から入手可能である)、Adflex X100G(Lyondellbasellから入手可能)を含む。次の材料も使用できる。
- プロピレンエラストマー、特に参照番号6000および/または6102および/または6102FLおよび/または6202および/または6202FLおよび/または6502、7050BFおよび/または7810のEXXON MOBILによる「Vistamaxx」レンジ、および/または
- オレフィンブロック共重合体、特に参考番号9000および/または9007および/または9010および/または9077および/または9100および/または9107のDOW CHEMICALによる「Infuse」レンジ、および/または
- ポリオレフィンエラストマー、特に参照番号8402および/または8401および/または8411および/または8407および/または8137および/または8200および/または8207のDOW CHEMICALによる「Engage」レンジ、および/または
- プロピレン-エチレン共重合体、特に参照番号3200および/または3300および/または3401および/または4200のDOW CHEMICALによる「Versify」レンジ。
【0141】
特に好適な実施形態では、ポリオレフィンベースの熱可塑性エラストマーはVISTAMAXX.TM.6102FLまたはVISTAMAXX7050BF(テキサス州ヒューストンのExxonMobil Chemicalから入手可能)である。登録商標の参照「.TM」は「商標」に相当する。
【0142】
別の場合では、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性エステル/エーテルエラストマーであってもよい。
【0143】
「エラストマー材料」は、所与の方向に従って加えられる延伸力の効果により破断することなく延伸でき、かつ、この延伸力が緩和された後、実質的に、その初期形状および寸法に戻ることができる材料を意味する。これは、例えば、周囲温度(23℃-摂氏)で、その初期寸法の100%の伸長に対して、その初期寸法(伸びる前)の30%以下、好ましくは20%以下、さらにより好ましくは10%以下である、伸びおよび緩和に続く残留変形または歪(「永久歪」または「セット」とも呼ばれる残留変形)を保持するフィルムである。エラストマー材料は、熱可塑性エラストマー材料、特に、本開示に説明されるような物理的に架橋された熱可塑性エラストマー材料、または化学的に架橋された熱可塑性エラストマー材料であってもよい。
【0144】
不織布層の剛性を測定するために、特に以下の試験を使用することができる。
【0145】
剛性は、5Nまたは10Nまたは100Nのロード・セルを備えたコンピュータ・インターフェース(適切な機器は、ミネソタ州イーデン・プレーリーのMTS Systems Corp社から入手可能であるTestWorks4ソフトウェアを有するMTS Allianceである)を含む、例えば、508mm/minの一定速度で伸ばされている牽引ラックの一定の伸び率を使用して測定できる。試験は、23℃+-2℃、および相対湿度約50%から+-2%で行われる。
【0146】
ラックは、間に間隙を画定し、例えば、ステンレス鋼で作られた2つの横方向クランプ留め顎状部と、間隙の上方の顎状部間の中間で中央に配置されたアルミニウムなどの「軽量」金属で作られたプランジ・ブレードとを含む。試料は、中央の1点の剛性を研究することが望まれる不織布層の領域の2つの端部が、剛性を測定することが望まれる試料の点がプランジ・ブレードの真下に位置するように、各々、顎状部のうちの1つにクランプ留めされるように位置づけられる。
【0147】
幅が50mm、長さが40mmより大きな試料を切断し、顎状部間長さ40mmの試験を可能にする。要素がこの大きさの試料に十分な材料を有していない場合は、使用可能な寸法を使用して、同じ寸法の試料の剛性を比較する。プランジ・ブレードは、40mmの垂直距離にわたって508mm/分の一定速度で下降し、取得周波数を100Hzに調整する。
【0148】
ソフトウェアは、最大ピーク曲げ力と、伸度(m)の関数として力(N)を与える形成された曲線の剛性(N/m)とを計算するようにプログラムされる。剛性は、曲線の線状領域に対する曲げ/伸びによる曲線の勾配として計算され、勾配を計算するために全ピーク曲げ力の少なくとも25%の最小線分を使用する。
【0149】
図7から図10は、その厚さを決定する目的で積層体の試料の支持および調整用工具100の例を示す。
【0150】
工具は、2つの低壁102、103が左右に横方向に突出し、その間に2つの前後レール104、105がロッドの形態で延びる矩形の基部101を含む。トロリー106は、2つのレール104および105に沿って摺動できるように取り付けられる。クランプ留め手段が設けられ、トロリー106をレール104、105に沿った選択された位置に係止することを可能にする。これらの手段は、トロリー106がもはやレールに沿って摺動することができない係止位置と、トロリー106がレールに沿って摺動できる係止解除位置との間で、手動で旋回できるハンドル107によって制御される。
【0151】
可動顎状部108は、トロリー106の上部に取り付けられ、固定顎状部109は、右の横方向低壁103の上部に取り付けられ、上記顎状部のクランプ留めは、クランプ留めナット111によって制御できる。
【0152】
例えば30mm×30mmの矩形の積層体試料を支持するために、CD方向におけるその2つの対向する縁辺が、各々、2つの可動顎状部108および固定顎状部109のうちの1つに確実に保持されるようにする。続いて、試料に適用することを意図する延伸(伸長)は、このように可動顎状部108を摺動させるためにハンドル107を解放することによって調整する。マーカーを有するスライド110は、可動顎状部の位置に応じて伸長の値を知ることを可能にする。
【0153】
工具100または同等の工具によって支持かつ延伸された積層体Sの試料の厚さを測定するために、図11および図12に示すように、圧力印加および厚さ測定装置200、特に参照符号D-2005-VでVVC社によって販売されている「精密厚さテスター」として知られる装置を使用することができる。
【0154】
上記装置200は、装置に組み込まれた電子制御手段の制御下で垂直に移動可能である円筒状腕部203の一端に配置される、表面積が25cmの円形表面を有する円盤202を含む。腕部の他端は、25cmの表面積に1KPaの圧力を加えるための追加の質量を有する。これらの測定を行うためには、15mm×15mm角のパレット201が使用されるので、試料に加えられる力は、11.1kPa(11.1kPa=1kPa*(25cm/2.25cm))であり、1kPaではない。したがって、一旦積層体がパレットと円盤との間にクランプ留めされると、以下のステップを行うことによって、パレットの表面の領域における試料の厚さを測定することができる。
【0155】
装置の「ゼロ」ボタンを押して、腕部を、15×15mmパレットに直接(試料なしで)接触するまで、下向きに動かし、0マイクロメートルの値を画定する。
【0156】
0マイクロメートルの値が得られることを確認するために厚さを測定する。
【0157】
次に、0マイクロメートルの値が得られていることを確認するために、例えば、10%の大きな重りで厚さを測定する。
【0158】
次に、15×15mm(2.25cm)パレットの上部に試料を位置づけ(すなわち、11.1kPa=1kPa*(25cm/2.25cm))、15×15mmパレットを円筒状腕部の軸線に位置づける。
【0159】
次に、例えば、図11に示される支持および調整工具100、または同等の工具によって調整された異なる延伸量に従って測定を行う。
【0160】
伸びの関数としての厚さの相対的な損失を示す曲線を得るために、少なくとも4つの延伸値、例えば25%、50%、75%および100%まで積層体を延伸し、各延伸値に対して、上記の方法に従って、厚さ、例えばe25、e50、e75およびe100を測定し、このようにして決定された連続する点を結ぶ直線をプロットして、上記曲線を得る。
【0161】
図5および図6は、本発明による積層体の4つの例および先行技術の積層体の1つの比較例の延伸試料の関数としての厚さ測定データを示す。
【0162】
先行技術の積層体は、大きさ4のPampers(登録商標)Baby-DryTMの商標を有するおむつのパックから参照番号「02184499341631」を有し、かつ参照番号「02184499 34 16:13 05/08/20ドイツ製E」を有するおむつから取られた弾性積層体である.この製品は、2つの不織布の間に挟まれた弾性フィルムを含み、上記弾性フィルムは、延伸状態で2つの不織布へ、超音波溶着によって固定される。
【0163】
本発明では、積層体の最大伸度は、MD方向での積層体の断面において、少なくとも1つの起伏が現れるCD方向への伸度を意味する。特に、本発明では、試験は100%伸長を超えて実施されない。厚さの最大損失は100%で取られる。最大伸長は50%から100%の間である。必要な場合、厚さの最大損失は100%の伸度で取られる。
【0164】
図13から図16は、特に本発明の積層体を得ることを可能にする生産設備を示す概略図である。
【0165】
図13では、2つの第1の積層ローラ301および302は、積層間隙を画定し、ローラの間に第1の不織布層NT1が通過し、層の上の第1の被覆点である被覆1で、糊の線が箔によって置かれる。2つの弾性フィルムもまた、並んで互いに間隔をあけて間隙内へ通されるので、積層間隙において、フィルムを第1の不織布層へ積層することによって固定する。
【0166】
第1の不織布層NT1および2つの弾性フィルムで形成された中間積層体は、次いで、2つの第2の積層ローラ303、304の間に形成された第2の積層間隙に向けて搬送される。
【0167】
第2の被覆点である被覆2は、第2の積層間隙の上流に配置され、箔によって、弾性フィルムのダイから、糊の線は上記中間積層体上に確実に置かれる。
【0168】
また、第2の不織布層NT2が第2の間隙を通過する。第2の間隙の上流で、第2の不織布層は、ウェーバ・ローラと呼ばれる2つの歯付きローラ305、306から形成されるウェーバとして知られる波形成間隙内へ通過し、ローラの歯は、図3および図4Bに示すようにCDにおいて接触することなく相互貫通し、第2の不織布層を波の形状に成形し、その後、第2の不織布層は、中間積層体へ積層されるために第2の間隙に導入されるので、第2の間隙からの出口で最終積層体を得る。
【0169】
図13の実施形態では、第2の不織布層は、波形成間隙からの出口で、第2の積層間隙内へ導入される前に中間積層体へ加えられ、2つのウェーバ・ローラの支持ローラは、2つの第2の積層ローラ303、304のうちの1つに接触している。
【0170】
2つのウェーバ・ローラの相対位置により、波の形状を、特に長さの単位および高さによって調整することができる。2つのウェーバ・ローラの歯数により、波の数を調整することができる。
【0171】
図13図14および図16の設備では、次の寸法を有する図4Bによるウェーバを使用する。
「Pen」は、0.5から3.5mmの間、好ましくは1から3.1mmの間、特に約2.8mmである。「R2」は、0.1から5度の間、好ましくは0.2から4度の間、特に約0.50度である。「P」は、0.01から3mmの間、好ましくは0.02から1mmの間、特に約0.08mmである。「R」は、0.1から5度の間、好ましくは0.1から3度の間、特に約0.3度である。「Ep2」は、0.3から3mmの間、好ましくは0.4から1mmの間、特に約0.68mmである。「PAS」は、1から4mmの間、好ましくは1.5から3mmの間、特に約2.20mmである。「H」は、1から10mmの間、好ましくは2から5mmの間、特に約4mmである。「Ang2」は、1から10度の間、好ましくは1.5から7度の間、特に約3.9度である。「Ep1」は、0.5から6mmの間、好ましくは0.7から4mmの間、特に約1.12mmである。「Ang1」は、0.1から2度の間、好ましくは0.1から0.75度の間、特に約0.25度である。
【0172】
図14における設備は、図13におけるものと実質的に同一であり、両者の違いは、2つのウェーバ・ローラの支持ローラ305の位置づけであり、上記支持ローラは、2つの第2の積層ローラ303、304の各々から距離をあけたままである。
【0173】
図15では、2つの積層ローラ401および402は、積層間隙を画定し、ローラの間に、第1の被覆点である被覆1で糊の線が箔によって堆積された第1の不織布層NT1が通され、第2の被覆点である被覆2で糊の線が箔によって堆積された第2の不織布層NT2が通される。また、2つの不織布層NT1とNT2との間に、2つの弾性フィルムが並べて互いから距離をあけて通されるので、積層間隙において、フィルムは2つの不織布層へ積層することによって互いに固定される。
【0174】
間隙および被覆点の各々の上流で、それぞれの不織布層が、ウェーバ・ローラまたはタンパー・ローラと呼ばれる2つの歯付きローラから形成されたウェーバまたはタンパーとして知られる波形成間隙内へ通され、ローラの歯は、図4Aに示すようにCDにおいて接触することなく相互貫通し、2つの不織布層を波の形状に成形し、その後、積層間隙に導入されるので、間隙からの出口で最終積層体を得る。ウェーバ・ローラの相対位置により、波の形状を、特に長さの単位および高さによって調整できる。2つのウェーバ・ローラの歯の数により、波の数が調整できる。図15で使用される図4Aの2つのローラは、寸法「Pen」が3から6mmの間、好ましくは3から4mmの間、特に約3.5mmであり、「Diam」が20から50mmの間、好ましくは25から45mmの間、特に約38mmであり、「R」が0.1から0.7mmの間、好ましくは0.15から0.6mmの間、特に約0.51mmであり、「PAS」が1から6mmの間、好ましくは2から5mmの間、特に約4.32mmであり、「Ep」が0.5から3mmの間、好ましくは1.2から2.3mmの間、特に約1.91mmであり、「d1」が1.5から4mmの間、好ましくは1.7から3mmの間、特に約2.41mmである。
【0175】
図15の設備では、積層体を得た後、および任意選択で、2つの歯付きローラが、積層体を「活性化」するために積層体を横断方向に確実に延伸する、すなわち、弾性がない、もしくはわずかに弾性のある不織布、および/または弾性フィルムを「延伸する」ことによって延伸能力を高める活性化点も設けられ、これにより、積層体内の弾性材の弾性が解放されるので、その弾性が高まる。
【0176】
図16では、2つの積層ローラ501および502は、積層間隙を画定し、ローラの間に、第1の被覆点である被覆1で糊の線が箔によって堆積された第1の不織布層NT1が通され、第2の被覆点である被覆2で糊の線が箔によって堆積された第2の不織布層NT2が通される。また、2つの弾性フィルムも並べて2つの不織布層NT1とNT2の間の間隙内へ通されるので、積層間隙において、フィルムは2つの不織布層へ積層することによって互いに固定される。
【0177】
間隙および2つの被覆点のうちの1つ、ここでは被覆2の上流で、対応する不織布層NT2は、ウェーバ・ローラと呼ばれる2つの歯付きローラから形成されるウェーバとして知られる波形成間隙内へ通され、ローラの歯は、図4Aに示すようにCDにおいて接触することなく相互貫通し、不織布層を波の形状に成形し、その後、積層間隙に導入されるので、間隙からの出口で最終積層体を得る。ウェーバ・ローラの相対位置により、波の数を、特に長さの単位、および高さによって調整できる。
【0178】
図16の設備の任意選択によれば、上記積層ローラ502が、任意選択のウェーバ・ローラ505とともに、上流に既に設けられたものに加えて、またはその代わりに、波形成間隙を形成することによって、2つの積層ローラのうちの1つの502に直接、波形成を実施することが考えられる。
【0179】
図17は、制動効果を有する積層体の伸長の関数としての力を示す曲線の一例を示す。制動効果は、停止の存在によって、すなわち、積層体の1つまたは複数の構成要素を損傷することのない所与の伸長(図18A図18Cでは、伸度10N)までの漸進的な伸長と、その後の急な勾配との間の突然の勾配の破断によって特徴付けられる。上記停止は、使用者に対して、製品が使用されるべき最適な範囲を示す。
【0180】
制動は、少なくとも3つの連続する勾配変動である開始勾配、作動勾配、および停止勾配の存在によって画定される。使用勾配は、開始勾配および停止勾配の(正の)傾きよりも小さい(正の)傾きであるが、ゼロではない。
【0181】
特に、本発明によれば、曲線は、その凹面が下方を向く第1の下曲線セグメントと、その凹面が上方を向く第2の上曲線セグメントとに分離する変曲点を有する。第1の下セグメントは下頂点を有し、第2の上セグメントは上頂点を有する。原点(ゼロ伸長のパーセンテージ(%)の場合、座標F=0)と下頂点との間の曲線の部分が曲線の開始セグメントであり、下頂点と変曲点との間の曲線の部分が曲線の使用セグメントであり、変曲点と上頂点との間の曲線の部分が曲線の停止セグメントである。開始勾配を開始セグメントの平均勾配として定義し、使用勾配を使用セグメントの平均勾配として定義し、停止勾配を停止セグメントの平均勾配として定義できる。
【0182】
先行技術の積層体の場合、使用ゾーンには手の漸進的な反動がなく、使用者は、使用ゾーンと混同するように、移行することなく、停止ゾーンに直接入る。
【0183】
本発明による使用勾配は、100%伸長の前に好ましくは位置づけられる。本発明による使用領域の開始は、2Nより大きな力で好ましくは位置づけられる。本発明による使用領域の端部は、10N未満の力で好ましくは位置づけられる。
【0184】
特に、開始セグメントのX軸は、0%から、5%から20%の間の値、例えば10%の間に延び、使用セグメントのX軸は、5%から20%の間の値、例えば10%から、60%から80%の間の値、例えば70%の間に延び、一方、停止セグメントのX軸は、使用セグメントに続いて、80%から120%の間の値まで、特に、上記の段落で述べたように、100%まで延びる。
【0185】
図18A図18Bおよび図18Cは、本発明による積層体の実施例についての曲線の例を示す。
【0186】
以下、それぞれE46、E53およびHG1と表記される本発明による積層体の3つの実施例を説明する。
【実施例1】
【0187】
実施例1:HG1
上不織布は、30g/mで参照符号SPUNLACE SAWASOFT2925でSANDLERから入手可能な不織布である。SISをベースとして形成された弾性フィルムは、50g/mの平均坪量で押し出され、下不織布は、坪量は20g/mである参照符号SPUNBOND HES CD RodでFITESAから入手可能な不織布である。実施例1の構造は、図1bに示す通りである。製品は、図15に示す方法に従い、図4Aのウェーバを使用して、ブレード貫通部が3から4mmの間で得られた。
【実施例2】
【0188】
実施例2:E46
【0189】
上不織布は、25g/mで参照符号SPUNLACE SAWASOFT2626でSANDLERから入手可能な不織布である。SIS50をベースとして形成された弾性フィルムは、50g/mの平均坪量で押し出される。下不織布は、18g/mの坪量を有する参照符号SPUNBOND ULTRASOFTでTexbond SPaから入手可能な不織布である。実施例2の構造は図1に示す通りである。これは、図14に概略的に示した方法により、図4Bのウェーバを使用して得られた17の波を含み、ブレードの貫通部は約2.8mmである。
【実施例3】
【0190】
実施例3:E53
実施例3は実施例2と似ているが、実施例3では、貫通空隙は、2.7mmの領域にあるが、実施例2では、2.8mmの領域にあるところが異なる。
図1
図1A
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
【国際調査報告】