(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】高シュウ酸尿症及び腎結石の治療のための1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4192 20060101AFI20241010BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20241010BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20241010BHJP
A61P 13/04 20060101ALI20241010BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20241010BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20241010BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20241010BHJP
A61P 1/08 20060101ALI20241010BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20241010BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20241010BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20241010BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241010BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20241010BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20241010BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20241010BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241010BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20241010BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20241010BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20241010BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241010BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241010BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241010BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61K31/4192
A61P3/00
A61P13/02
A61P13/04
A61P13/12
A61P1/14
A61P25/20
A61P1/08
A61P13/10
A61P13/02 105
A61P19/08
A61P25/02
A61P29/00
A61P7/06
A61P27/02
A61P1/02
A61P1/04
A61P9/00
A61P9/06
A61P9/10
A61P25/00
A61P1/16
A61P19/02
A61P17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521887
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022046253
(87)【国際公開番号】W WO2023064257
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521007517
【氏名又は名称】カンテロ セラピューティクス,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】524122602
【氏名又は名称】ブリッジバイオ サービシズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100225598
【氏名又は名称】桐島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン シー.フォックス
(72)【発明者】
【氏名】ウーマ シンハ
(72)【発明者】
【氏名】サティッシュ ラオ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC60
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA20
4C086ZA21
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA55
4C086ZA67
4C086ZA69
4C086ZA71
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZC21
(57)【要約】
本明細書では、式:
によって表される化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを用いて、対象において高シュウ酸尿症を治療するための方法が記載される。特に、化合物1は、一ナトリウム及び一水和物形態の化合物1a又はその互変異性体である。腎結石を治療又は予防するための方法も記載される。本方法は、対象を治療する際に大きな有効性を有し、対象に十分に忍容される、特定の投薬レジメンを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象において高シュウ酸尿症を治療する方法であって、前記対象に治療有効量の、式:
【化1】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、前記治療有効量が、最大尿中シュウ酸(uOxalate)排泄を、i)24時間当たり1.73平方メートル当たり約0.46ミリモル未満(mmol/1.73m
2/24時間)まで、及び/又はii)前記治療前のuOxalate排泄に対して少なくとも約50%減少させる、方法。
【請求項2】
前記治療有効量が、約5mg~約3,000mgの総1日投与量である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
必要とする対象において高シュウ酸尿症を治療する方法であって、前記対象に治療有効量の、式:
【化2】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、前記治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法。
【請求項4】
前記治療有効量が、約20mg~2500mgの総1日投与量である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
必要とする対象において高シュウ酸尿症の症状及び/又は合併症を予防する、その発症を遅延させる、寛解する、その進行を予防する、緩和する、減少させる、改善する、排除する、又は治癒する方法であって、前記対象に治療有効量の、式:
【化3】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、前記治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法。
【請求項6】
前記高シュウ酸尿症が原発性高シュウ酸尿症である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記原発性高シュウ酸尿症が、原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
高シュウ酸尿症、原発性高シュウ酸尿症、又はPH1の前記症状及び/又は合併症が、尿路結石症、腎結石症、腎石灰化症、再発性結石形成、慢性腎疾患、腎不全、末期腎疾患、体重増加不全、成長障害、嗜眠、疲労、食欲不振、吐き気、嘔吐、手足の腫れ、蒼白な顔色(例えば貧血に関する)、腎臓のシュウ酸カルシウム沈着、膀胱又は尿道の結石、血尿、排尿障害、尿量減少、頻繁な尿意切迫(urge to urinate often)、腹痛、腎疝痛、尿路の閉塞、尿路感染の反復、夜尿症(遺尿症)、尿の制御困難、全身性シュウ酸症(骨、皮膚、網膜、心筋、血管、及び/又は中枢神経系を含む様々な器官系におけるシュウ酸の蓄積)、骨痛、骨折、骨硬化症、骨の異常な硬化及び密度、エリスロポエチン抵抗性貧血、視神経萎縮症、網膜症、歯痛、歯のぐらつき、歯髄露出、歯根吸収、末梢神経障害、心ブロック、不整脈、心筋炎、心塞栓性脳卒中、血管攣縮、関節症、肝脾腫、網状皮斑、手足の壊死(末梢壊疽)、又は転移性皮膚石灰沈着症である、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記高シュウ酸尿症がシュウ酸の過剰産生によって引き起こされる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
対象において尿中シュウ酸レベルを低下させる方法であって、必要とする前記対象に治療有効量の、式:
【化4】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、前記治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法。
【請求項11】
対象において血漿シュウ酸レベルを低下させる方法であって、必要とする前記対象に治療有効量の、式:
【化5】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、前記治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法。
【請求項12】
前記対象が、アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)遺伝子に1つ又は複数の変異を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記対象が、24時間当たり約0.46mmol/1.73m
2を超えるuOxalate排泄を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が、24時間当たり約0.7mmol/1.73m
2を超えるuOxalate排泄を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が、少なくとも約50マイクロモル/リットル(μmol/L)の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が、少なくとも約20μmol/LのpGlycolate濃度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記対象が、約20μmol/L未満の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記対象が、約10μmol/L未満のpGlycolate濃度を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記対象が、少なくとも約30mL/分/1.73m
2の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記対象が、少なくとも約90mL/分/1.73m
2のeGFRを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記対象が、前記治療前の少なくとも3ヶ月間、ピリドキシン(ビタミンB6)を安定用量で受け、前記治療中、同じ用量を維持する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記対象が正常範囲内の血漿ピリドキシンレベルを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1)前記対象が肝移植のレシピエントではない;
2)前記対象が、血液透析、腹膜透析、持続的腎代替療法、若しくはそれらの組合せからなる群から選択される腎代替療法を受けていない;及び/又は
3)前記対象が、前記治療前の少なくとも9ヶ月間、リボ核酸干渉(RNAi)剤で治療されていない、
請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記RNAi剤がルマシランである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記対象がヒトである、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ヒトが少なくとも18歳である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ヒトが、少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ヒトが18歳未満である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記ヒトが、13~18、12~18、10~18、6~18、10~13、6~13、2~13、10~12、6~12、2~12、6~10、2~10、若しくは2~6歳、又はその中の任意の範囲の年齢を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記対象が、6~12歳の小児又は50kg未満の体重を有する小児である、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記対象が2歳未満の小児である、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記原発性高シュウ酸尿症が原発性高シュウ酸尿症2型(PH2)又は原発性高シュウ酸尿症3型(PH3)である、請求項6に記載の方法。
【請求項33】
前記高シュウ酸尿症が原発性高シュウ酸尿症によって引き起こされない、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記治療有効量が、前記uOxalate排泄を24時間当たり約0.46mmol/1.73m
2未満に減少させる、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記治療有効量が、前記uOxalate排泄を、前記治療前のuOxalate排泄と比較して少なくとも約50%減少させる、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記治療有効量が、uOxalate対尿中クレアチニン(uCreatinine)の比を、80mmol/mmolである約63.7mg/mg未満の正常範囲にする、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記治療有効量が、前記治療前のpGlycolate濃度と比較して、絶対量及び/又は相対量で血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を低下させる、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記治療有効量が、前記治療前の推定糸球体濾過量(eGFR)と比較して、絶対量及び/又は相対量でeGFRを増加させる、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
必要とする対象において腎結石を治療する方法であって、前記対象に治療有効量の、式:
【化6】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、前記治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法。
【請求項40】
前記治療有効量が、約20mg~2500mgの総1日投与量である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記治療が前記腎結石のサイズを減少させる、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
必要とする対象において腎結石の発症、悪化又は再発を予防する方法であって、前記対象に治療有効量の、式:
【化7】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、前記治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法。
【請求項43】
前記治療有効量が、約20mg~2500mgの総1日投与量である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
化合物1が化合物1a:
【化8】
又はその互変異性体である、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記治療有効量が、約20mg~約5,000mg、約20mg~約4,500mg、約20mg~約4,000mg、約20mg~約3,500mg、約20mg~約3,000mg、約20mg~約2,500mg、約20mg~約2,000mg、約20mg~約1,500mg、約20mg~約1,400mg、約20mg~約1,300mg、約20mg~約1,200mg、約20mg~約1,100mg、約20mg~約1,000mg、約20mg~約900mg、約20mg~約800mg、約20mg~約700mg、約20mg~約600mg、約20mg~約550mg、約20mg~約500mg、約20mg~約450mg、約20mg~約400mg、約20mg~約350mg、約20mg~約300mg、約20mg~約250mg、約20mg~約200mg、約20mg~約150mg、約20mg~約100mg、50mg~約5,000mg、約50mg~約4,500mg、約50mg~約4,000mg、約50mg~約3,500mg、約50mg~約3,000mg、約50mg~約2,500mg、約50mg~約2,000mg、約50mg~約1,500mg、約50mg~約1,400mg、約50mg~約1,300mg、約50mg~約1,200mg、約50mg~約1,100mg、約50mg~約1,000mg、約50mg~約900mg、約50mg~約800mg、約50mg~約700mg、約50mg~約600mg、約50mg~約550mg、約50mg~約500mg、約50mg~約450mg、約50mg~約400mg、約50mg~約350mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約75mg~約5,000mg、約75mg~約4,500mg、約75mg~約4,000mg、約75mg~約3,500mg、約75mg~約3,000mg、約75mg~約2,500mg、約75mg~約2,000mg、約75mg~約1,500mg、約75mg~約1,400mg、約75mg~約1,300mg、約75mg~約1,200mg、約75mg~約1,100mg、約75mg~約1,000mg、約75mg~約900mg、約75mg~約800mg、約75mg~約700mg、約75mg~約600mg、約75mg~約550mg、約75mg~約500mg、約75mg~約450mg、約75mg~約400mg、約75mg~約350mg、約75mg~約300mg、約75mg~約250mg、約75mg~約200mg、約75mg~約150mg、約75mg~約100mg、約300mg~約5,000mg、約300mg~約4,500mg、約300mg~約4,000mg、約300mg~約3,500mg、約300mg~約3,000mg、約300mg~約2,500mg、約300mg~約2,000mg、約300mg~約1,500mg、約300mg~約1,400mg、約300mg~約1,300mg、約300mg~約1,200mg、約300mg~約1,100mg、約300mg~約1,000mg、約300mg~約900mg、約300mg~約800mg、約300mg~約700mg、約300mg~約600mg、約300mg~約550mg、約300mg~約500mg、約300mg~約450mg、約300mg~約400mg、又は約300mg~約350mgの総1日投与量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せである、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記治療有効量が、約20mg~約5,000mg、約20mg~約4,500mg、約20mg~約4,000mg、約20mg~約3,500mg、約20mg~約3,000mg、約20mg~約2,500mg、約20mg~約2,000mg、約20mg~約1,500mg、約20mg~約1,400mg、約20mg~約1,300mg、約20mg~約1,200mg、約20mg~約1,100mg、約20mg~約1,000mg、約20mg~約900mg、約20mg~約800mg、約20mg~約700mg、約20mg~約600mg、約20mg~約550mg、約20mg~約500mg、約20mg~約450mg、約20mg~約400mg、約20mg~約350mg、約20mg~約300mg、約20mg~約250mg、約20mg~約200mg、約20mg~約150mg、約20mg~約100mg、50mg~約5,000mg、約50mg~約4,500mg、約50mg~約4,000mg、約50mg~約3,500mg、約50mg~約3,000mg、約50mg~約2,500mg、約50mg~約2,000mg、約50mg~約1,500mg、約50mg~約1,400mg、約50mg~約1,300mg、約50mg~約1,200mg、約50mg~約1,100mg、約50mg~約1,000mg、約50mg~約900mg、約50mg~約800mg、約50mg~約700mg、約50mg~約600mg、約50mg~約550mg、約50mg~約500mg、約50mg~約450mg、約50mg~約400mg、約50mg~約350mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約75mg~約5,000mg、約75mg~約4,500mg、約75mg~約4,000mg、約75mg~約3,500mg、約75mg~約3,000mg、約75mg~約2,500mg、約75mg~約2,000mg、約75mg~約1,500mg、約75mg~約1,400mg、約75mg~約1,300mg、約75mg~約1,200mg、約75mg~約1,100mg、約75mg~約1,000mg、約75mg~約900mg、約75mg~約800mg、約75mg~約700mg、約75mg~約600mg、約75mg~約550mg、約75mg~約500mg、約75mg~約450mg、約75mg~約400mg、約75mg~約350mg、約75mg~約300mg、約75mg~約250mg、約75mg~約200mg、約75mg~約150mg、約75mg~約100mg、約300mg~約5,000mg、約300mg~約4,500mg、約300mg~約4,000mg、約300mg~約3,500mg、約300mg~約3,000mg、約300mg~約2,500mg、約300mg~約2,000mg、約300mg~約1,500mg、約300mg~約1,400mg、約300mg~約1,300mg、約300mg~約1,200mg、約300mg~約1,100mg、約300mg~約1,000mg、約300mg~約900mg、約300mg~約800mg、約300mg~約700mg、約300mg~約600mg、約300mg~約550mg、約300mg~約500mg、約300mg~約450mg、約300mg~約400mg、又は約300mg~約350mgの総1日投与量の化合物1a又はその互変異性体である、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記対象が少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である場合、前記治療有効量が、約50mg~約1000mg、約75mg~約1000mg、約75mg~約800mg、又は約75mg~約600mgの総1日投与量の化合物1aである、請求項1~30、32~44、及び46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記治療有効量が、約75mg、約300mg、又は約600mgの総1日投与量の化合物1aである、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
前記治療有効量が、約75mgの総1日投与量の化合物1aである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記治療有効量が、約300mgの総1日投与量の化合物1aである、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記治療有効量が、約600mgの総1日投与量の化合物1aである、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記対象が6~12歳の小児又は50kg未満の体重を有する小児である場合、前記治療有効量が、少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である前記対象の総1日投与量の約1/2、約1/3、約1/4、又は約1/5に調整される、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
化合物1又は1aが経口投与される、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
化合物1又は1aが、1日1回、2回、3回、又は4回投与される、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
化合物1又は1aが1日1回投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
化合物1又は1aが慢性的に投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項57】
化合物1又は1aが少なくとも28日間投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項58】
化合物1又は1aが少なくとも12ヶ月間投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項59】
化合物1又は1aが少なくとも36ヶ月間投与される、請求項1~55のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年10月11日に出願された米国仮出願第63/254,376号及び2022年6月27日に出願された米国仮出願第63/356,002号の優先権を主張するものであり、これらの各々は、全ての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の下でなされた本発明の権利に関する記述
該当なし
【0003】
コンパクトディスクで提出された「配列表」、表又はコンピュータプログラムリスト付録の参照
該当なし
【背景技術】
【0004】
腎結石疾患(KSD)は、先進国において約10%の罹患率を有し、生涯再発率は最大50%である[Johri,et al.(2010)Nephron Clin Pract.116:c159]。血尿及び腎疝痛を呈し、治療を受けているKSD患者は本質的に症候性である。排石を促進する薬物の投与は、小さい結石(5ミリメートル未満(mm))に有効である。より大きな結石については、体外音波又は低侵襲手術を使用して、結石を、尿路をより容易に通過することができる小片に破壊する[Coe et al.(2005)J.Clin.Invest.115:2598]。
【0005】
腎結石の約75%は主にシュウ酸カルシウムを含有し、KSD患者の最大50%に尿中シュウ酸レベルの上昇が見られる。更に、尿中シュウ酸レベルが上昇すると、腎結石を形成するリスクが増大する[Moe(2006)Lancet 367:333;Sakhaee(2009)Kidney Int.75:585;Kaufman et al.(2008)J Am Soc Nephrol.19:1197]。哺乳動物では、カルシウムは多くのプロセスにおいて重要な生理学的役割を有し、腸吸収、骨による取込又は放出、及び腎臓による再吸収又は排出の厳密な調節によって達成される非常に狭い範囲内の血中濃度の維持を必要とする。シュウ酸は、生理学的役割が知られていない代謝最終産物である。シュウ酸(オキサレート)は、尿中に排泄される二価アニオンであり、カルシウムと結合し、不溶性シュウ酸カルシウム(CaOx)結晶として沈殿することがある。これらの結晶は、上述のように尿路内で結石として凝集するか、又は軟組織に直接沈着し、直接損傷を引き起こし、臓器機能を損なうことがある。
【0006】
高シュウ酸尿症は、シュウ酸の尿排泄の増加を特徴とする代謝状態を指す。健康な個体における毎日の尿中シュウ酸排泄は、食事に応じて、24時間当たり10ミリグラム(mg)~40mg(24時間当たり1.73平方メートル当たり0.1~0.45ミリモル(mmol/1.73m2/24時間))の範囲である。24時間当たり40~50mgを超える濃度(0.45~0.56mmol/1.73m2/24時間)でのシュウ酸の尿排泄により、全般的に高シュウ酸尿症が定義される。シュウ酸により尿及び他の体液で過飽和が起きると、CaOx結晶が結晶化し蓄積することがある。このプロセスは腎臓内で最も容易に起こり、腎結石症、腎石灰化症、腎機能障害、及び末期腎不全(ESRD)をもたらすことがある。非常に高レベルでは、過剰なシュウ酸は全身性シュウ酸症を引き起こすことがあり、心臓などの他の臓器系、関節、及び皮膚におけるCaOxの広範な沈着が臓器機能不全を引き起こす。
【0007】
高シュウ酸尿症は概して、原発性及び続発性高シュウ酸尿症に分類される。続発性高シュウ酸尿症は概して、シュウ酸又はその前駆体の食事による摂取量の増加及び/又は腸内細菌叢の変化によって引き起こされる。続発性高シュウ酸尿症は、再発腎結石、腎石灰化症、尿路感染症、慢性腎疾患、更にはESRDに関連する。原発性高シュウ酸尿症(PH)は、グリシン/グリオキシル酸サルベージ又はヒドロキシプロリン異化経路に影響を及ぼす常染色体劣性遺伝を伴う稀な代謝疾患群である。今日までに、3つの異なる形態の原発性高シュウ酸尿症(原発性高シュウ酸尿症1型、2型及び3型)が同定されている。原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)は、肝臓特異的酵素アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGT)の変異によって引き起こされ、全てのPH患者の約80%を占める[Salido et al.(2012)Biochim Biophys Acta.1822:1453]。原発性高シュウ酸尿症2型(PH2)は、グリオキシル酸レダクターゼヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)の変異によって引き起こされる。原発性高シュウ酸尿症3型(PH3)は、4-ヒドロキシ-2-オキソグルタル酸アルドラーゼ(HOGA1)の変異によって引き起こされる。PHの3つ全ての形態は、共通してシュウ酸の過剰産生を生じる。PH1は、高い浸透度、早期年齢での発症、及び末期腎疾患(ESRD)に至る腎損傷の急速な進行を伴う最も重篤な臨床表現型を示す。PH2及びPH3は、あまり重度でない表現型及びより軽度の臨床経過を示す。
【0008】
尿中シュウ酸がわずかに増加すると、シュウ酸カルシウム結晶形成に大きな影響を与えることがあり、尿中シュウ酸レベルの上昇は、シュウ酸カルシウム腎結石の形成の主要なリスク因子である[Pak,et al.(2004)Kidney Int.66:2032]。その結果、尿中シュウ酸濃度をわずかに減少させることにより、カルシウム及びシュウ酸の合計濃度を飽和(カルシウム及びシュウ酸濃度がシュウ酸カルシウムの溶解度を超え、自発的な結晶化及び沈殿又は凝集を促進する状態)未満に低下させることもできる。尿中カルシウム及びシュウ酸を飽和未満に低下させることにより、シュウ酸カルシウム結石形成及び/又は組織沈着を低減又は防止することができる。腎結石疾患を有する個体における尿中シュウ酸レベルに関係なく、尿中シュウ酸(UOx)レベルを低下させると、シュウ酸カルシウム結晶化の可能性が減少し、潜在的に結石形成の確率が低下し、及び/又は過剰なシュウ酸カルシウム沈着に関連する状態の重篤度が軽減される[Marengo et al.(2008)Nat Clin Pract Nephrol.4:368]。
【0009】
尿中シュウ酸レベルを低下させる有効な薬物は、異常なレベルのシュウ酸(例えばシュウ酸カルシウム)に関連する状態の予防及び治療における有用な治療選択肢となることができる。シュウ酸カルシウムによる尿路結石症の治療の一般的なアプローチとしては、結石の外科的又は尿管鏡による除去、体外砕石術、水分摂取を増加させ、シュウ酸摂取を制限する食事管理、尿アルカリ化、チアジド利尿薬、並びにクエン酸塩、炭酸水素塩、及びマグネシウムなどの結晶化阻害剤が挙げられる[Moe,supra]。しかし、これらの治療アプローチのいずれも、これらの状態の原因に取り組むものではない。シュウ酸カルシウム沈着関連状態の予防及び治療のために、シュウ酸の内因性生合成形成を特異的に阻害する薬物には、現在利用可能なものがない。
【0010】
ヒトでは、食事性シュウ酸は、排泄される尿中シュウ酸に10~50%寄与する[Holmes,et al.(2001)Kidney Int.59:270]。尿中シュウ酸の過半は、主に肝臓における内因性代謝に由来する。ヒトでは、シュウ酸の主要な前駆体はグリオキシル酸である。したがって、シュウ酸の産生を減少させるアプローチにより、グリオキシル酸のシュウ酸への変換又はその前駆体からのグリオキシル酸の産生を阻害することができる。ヒトでは、グリオキシル酸は、ヒドロキシ酸オキシダーゼ1(HAOX1)とも呼ばれるペルオキシソーム肝酵素グリコール酸オキシダーゼ(GO)によって触媒される反応において、主にグリコール酸から産生される。GO活性の薬理学的阻害は、尿中のシュウ酸カルシウムレベルの低下につながる内因性シュウ酸産生を減少させ、それによって、シュウ酸カルシウム結石形成及び組織沈着関連状態の予防及び治療のための標的化アプローチを提供すると予想される。GOの阻害は、完全な不活性化をもたらすヒトGOの欠陥スプライス変異体を有する個体(自発的ヒトヌル)が、明らかな悪影響を伴わずに単独で無症候性グリコール酸尿症を引き起こしたという知見を考慮すると、ヒトにおける安全な治療標的であると仮定される[Frishberg,et al.(2014)J Med Genet.51:526]。両方の酵素がグリオキシル酸をシュウ酸に酸化することができるので(Duncan and Tipton,1969)、速度論的研究は、HAOX1及び乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の基質結合部位間の構造的類似性を示唆している(Murray et al,2008)。LDHは変換を効率的に触媒するが、高シュウ酸尿症では、シュウ酸の形成は依然として大部分がHAOX1に起因し得る。ペルオキシソームのグリオキシル酸不透過性により、基質は、細胞質中に存在するLDHに接近できなくなる。グリオキシル酸は、LDHによってシュウ酸に酸化されるよう、ペルオキシソームから輸送される必要がある。高濃度のグリオキシル酸はトランスポーターに対して飽和効果を有し得、LDHの基質はペルオキシソーム中に残存し得る(Jones et al,2000)。したがって、GOは、高シュウ酸尿症におけるシュウ酸形成の阻害のためのより良好な標的であり得る。
【0011】
進行中の研究にもかかわらず、原発性高シュウ酸尿症、シュウ酸カルシウム腎結石、及びシュウ酸カルシウム結晶沈着関連疾病を治療することができる薬剤を適切に投薬するための方法を提供する必要性が当該技術分野に存在する。本開示は、これらの必要性に対処し、関連する利点も提供する。
【発明の概要】
【0012】
本開示は、高シュウ酸尿症(例えば、原発性高シュウ酸尿症1型)及び頻繁な又は再発性の結石形成の治療に使用するための、組成物及び方法を提供する。本開示はまた、高シュウ酸尿症(例えば、原発性高シュウ酸尿症1型)及び/又は頻繁な若しくは再発性の結石形成の1つ又は複数の症状を治療する方法、並びに腎結石の発生、悪化、若しくは再発を予防する方法、及び/又は腎結石のサイズを減少させる方法も提供する。本明細書で提供される方法は、必要とする対象に治療有効量の化合物(例えば、本明細書に記載される化合物1)又はその一形態を投与することを含む。
【0013】
第1の態様では、本明細書では、必要とする対象において高シュウ酸尿症を治療する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化1】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、最大尿中シュウ酸(uOxalate)排泄を、i)24時間当たり1.73平方メートル当たり約0.46ミリモル未満(mmol/1.73m2/24時間)まで、及び/又はii)治療前のuOxalate排泄に対して少なくとも約50%減少させる、方法を提供する。
【0014】
第2の態様では、本明細書では、必要とする対象において高シュウ酸尿症を治療する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化2】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0015】
第3の態様では、本明細書では、必要とする対象において高シュウ酸尿症の症状及び/又は合併症を予防する、その発症を遅延させる、寛解する、その進行を予防する、緩和する、減少させる、改善する、排除する、又は治癒する方法であって、対象に治療有効量の、式:
【化3】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0016】
別の態様では、本明細書では、対象において尿中シュウ酸レベルを低下させる方法であって、必要とする対象に、治療有効量の式:
【化4】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0017】
別の態様では、本明細書では、対象において血漿シュウ酸レベルを低下させる方法であって、必要とする対象に、治療有効量の式:
【化5】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0018】
更なる態様では、本明細書では、必要とする対象において腎結石を治療する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化6】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20mg~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0019】
別の態様では、本明細書では、必要とする対象において腎結石の発生、悪化、又は再発を予防する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化7】
を有する化合物1、
又は薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20mg~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0020】
別の態様では、本明細書では、必要とする対象において腎結石のサイズを減少させる方法であって、対象に治療有効量の式:
【化8】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20mg~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0021】
前述の態様のいくつかの実施形態では、化合物1は、化合物1a
【化9】
又はその互変異性体である。
【0022】
本開示の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施例1に記載される第1相治験の詳細を要約する。治験は、健常成人応募者における化合物1aの2パート、無作為化、二重盲検、プラセボ対照ファーストインヒューマン試験である。パートAは、各々が3:1の比(活性:プラセボ)で無作為化された6~8人の対象の5個のコホートからなる単回漸増用量(SAD)デザイン(設計)であった。1つのコホートは、化合物1aの薬物動態に対する食物効果について試験するために、2つの連続投与期間に参加した。パートBは、各々3:1の比(活性:プラセボ)で無作為化された8人の対象の4個のコホートからなる複数回漸増用量(MAD)デザインであった。
【0024】
【
図2A】
図2A~
図2Cは、化合物1aの単回経口用量(
図2A)及び化合物1aの複数回経口用量(
図2B及び
図2C)を12~24時間毎に7日間投与した後の化合物1aの血漿濃度-時間プロファイルを示す。40mg、120mg、360mg、1,000mg、2000mg、及び3000mgの量の化合物1aの単回経口用量、並びに75mg qd、125mg q12h、500mg q12h、500mg qd、750mg qd、及び1000mg qdの複数回経口用量の投与の前及び後に、化合物1a血漿濃度について時系列血液試料を分析した。値は、各用量での算術平均±標準偏差(SD)を表す。
【
図2B】
図2A~
図2Cは、化合物1aの単回経口用量(
図2A)及び化合物1aの複数回経口用量(
図2B及び
図2C)を12~24時間毎に7日間投与した後の化合物1aの血漿濃度-時間プロファイルを示す。40mg、120mg、360mg、1,000mg、2000mg、及び3000mgの量の化合物1aの単回経口用量、並びに75mg qd、125mg q12h、500mg q12h、500mg qd、750mg qd、及び1000mg qdの複数回経口用量の投与の前及び後に、化合物1a血漿濃度について時系列血液試料を分析した。値は、各用量での算術平均±標準偏差(SD)を表す。
【
図2C】
図2A~
図2Cは、化合物1aの単回経口用量(
図2A)及び化合物1aの複数回経口用量(
図2B及び
図2C)を12~24時間毎に7日間投与した後の化合物1aの血漿濃度-時間プロファイルを示す。40mg、120mg、360mg、1,000mg、2000mg、及び3000mgの量の化合物1aの単回経口用量、並びに75mg qd、125mg q12h、500mg q12h、500mg qd、750mg qd、及び1000mg qdの複数回経口用量の投与の前及び後に、化合物1a血漿濃度について時系列血液試料を分析した。値は、各用量での算術平均±標準偏差(SD)を表す。
【0025】
【
図3A】
図3A及び
図3Bは、単回経口用量の化合物1a(
図3A)及び複数回経口用量の化合物1a(
図3B)の投与後の血漿グリコール酸レベルを示す。
図3Cは、複数回用量コホートについてのマイクロモル(μM)単位の平均血漿グリコール酸濃度を示す。図に示されるように、化合物1aは、血漿グリコール酸濃度を増加させて、2時間以内にグリコール酸オキシダーゼ(GO)を阻害した。HAO1=ヒドロキシ酸オキシダーゼ1、GOをコードする遺伝子;FDA=米国食品医薬品局;EMA=欧州医薬品庁。視覚的明瞭性のためにエラーバーは示されていない。
【
図3B】
図3A及び
図3Bは、単回経口用量の化合物1a(
図3A)及び複数回経口用量の化合物1a(
図3B)の投与後の血漿グリコール酸レベルを示す。
図3Cは、複数回用量コホートについてのマイクロモル(μM)単位の平均血漿グリコール酸濃度を示す。図に示されるように、化合物1aは、血漿グリコール酸濃度を増加させて、2時間以内にグリコール酸オキシダーゼ(GO)を阻害した。HAO1=ヒドロキシ酸オキシダーゼ1、GOをコードする遺伝子;FDA=米国食品医薬品局;EMA=欧州医薬品庁。視覚的明瞭性のためにエラーバーは示されていない。
【
図3C】
図3A及び
図3Bは、単回経口用量の化合物1a(
図3A)及び複数回経口用量の化合物1a(
図3B)の投与後の血漿グリコール酸レベルを示す。
図3Cは、複数回用量コホートについてのマイクロモル(μM)単位の平均血漿グリコール酸濃度を示す。図に示されるように、化合物1aは、血漿グリコール酸濃度を増加させて、2時間以内にグリコール酸オキシダーゼ(GO)を阻害した。HAO1=ヒドロキシ酸オキシダーゼ1、GOをコードする遺伝子;FDA=米国食品医薬品局;EMA=欧州医薬品庁。視覚的明瞭性のためにエラーバーは示されていない。
【0026】
【
図4】絶食及び摂食状態における化合物1aの単回経口用量の投与後の化合物1aの血漿濃度時間プロファイルを示す。
【0027】
【
図5A】
図5A及び
図5Bは、第2/3相臨床試験の試験スキームを示す。
図5Aは、用量設定試験(パートA)及び無作為化治療中止試験(パートB)を含む第2/3相臨床試験の試験スキームを概略的に示す。
【
図5B】
図5A及び
図5Bは、第2/3相臨床試験の試験スキームを示す。
図5Bは、実施例2に記載されるように、用量設定試験(パートA)及び並行群、プラセボ対照試験(パートB)を含む第2/3相臨床試験の試験スキームを概略的に示す。
【0028】
【
図6A】
図6A及び
図6Bは、第2/3相用量選択のための薬物動態-薬力学モデリングを示す。
図6A:予測血漿化合物1a濃度(ng/mL)。
【
図6B】
図6A及び
図6Bは、第2/3相用量選択のための薬物動態-薬力学モデリングを示す。
図6B:予測血漿グリコール酸濃度(μM)。
【発明を実施するための形態】
【0029】
I.全般
本開示は、対象において高シュウ酸尿症(例えば、「PH1」とも記載されるPH1型などの原発性高シュウ酸尿症(PH))及び/又は腎結石を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、PH1を有する。いくつかの実施形態では、対象は、腎結石(腎結石症)を有しており、及び/又は腎結石を1回又は複数回有していた。いくつかの実施形態では、対象は、腎結石を発症するリスクが高い。高リスク対象としては、高シュウ酸尿症(例えば、原発性又は続発性高シュウ酸尿症)を有する対象、並びにシュウ酸(例えば、尿中シュウ酸)のレベルが高い対象、例えば、生殖系列遺伝子変異体に直接起因しないシュウ酸過剰産生を経験している対象を挙げることができる。方法は、概して忍容性が高く対象の治療に有効であり得る、特定の投薬レジメンを含む。
【0030】
高シュウ酸尿症は、尿中シュウ酸排泄の増加(例えば、24時間(hr)当たり40ミリグラム(mg)を超える排泄)を特徴とする。
【0031】
高シュウ酸尿症は概して、原発性及び続発性高シュウ酸尿症に分類される。続発性高シュウ酸尿症は概して、シュウ酸又はその前駆体の食事による摂取量の増加及び/又は腸内細菌叢の変化によって引き起こされる。続発性高シュウ酸尿症は、再発性腎結石、腎石灰化症、尿路感染症、慢性腎疾患、更に末期腎疾患(ESRD)に関連する。対照的に、原発性高シュウ酸尿症は、シュウ酸の過剰産生をもたらす酵素異常を特徴とする、一群の遺伝性障害を表す。アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子(AGXT)の変異によって引き起こされる原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)は、原発性高シュウ酸尿症の最も重篤でよくある形態である。AGXTの変異は、肝臓ペルオキシソームにおけるグリオキシル酸のグリシンへの再循環を損ない、蓄積したグリオキシル酸はその後、シュウ酸に代謝される。過剰なシュウ酸は、腎細管においてシュウ酸カルシウムとして沈殿して、腎石灰化症、間質性線維症、及び末期腎疾患(ESRD)に進行することがある慢性腎疾患をもたらすことがある。糸球体濾過量(GFR)が、体表面積1.73平方メートル(m2)当たり30~45ミリリットル(mL)/分に低下した場合、腎臓は濾過されたシュウ酸負荷を効果的に排泄することができず、血漿レベルが更に上昇し、全身シュウ酸症を促進する。PH1の臨床経過は様々であり、遺伝子型、年齢、及び診断時の疾患の程度に基づく。患者の約25%は生後数ヶ月以内に現れ、半分は小児期後期又は青年期初期に現れ、残りは成人期に現れる。この疾患はとどまることなく進行し、透析が血漿シュウ酸の除去に特に有効というわけではないので、ほとんどの患者では移植を必要とするESRDになる。
【0032】
原発性高シュウ酸尿症を有していない個人、例えば、続発性高シュウ酸尿症を有する個人では、シュウ酸排泄の上昇は、シュウ酸の食事吸収量の増加、シュウ酸の内因性過剰産生、又はこれら2つの組合せによって引き起こされることがある。シュウ酸の食事性又は内因性産生量の増加による高シュウ酸尿症でもまた、再発性CaOx腎結石症のリスクが増加し、この高シュウ酸尿症は進行性CKDに関連する。腎結石症の有病率は高く(例えば、米国一般住民では約9%)、世界的に増加している。臨床的結石イベントは、かなりの疼痛を引き起こし、外科的又は尿管鏡介入を必要とすることが多く、感染症及び腎不全を含む重度の合併症に関連し得、最終的にかなりの医療資源を利用し、作業生産性を低下させ、生活様式及び生活の質への悪影響をもたらす。症状は、典型的には、就労年齢の成人で発生し、生活の質及び機能的状態にかなりの影響を及ぼす。水分摂取量の増加及びチアジド系利尿薬により、再発性腎結石症のリスクを穏やかに減少させることができるが、最初の結石イベント後の再発率は高いままであり(10年以内に30%)、再発性結石形成者に対する薬学的選択肢はほとんどない。
【0033】
II.定義
本開示の様々な実施形態及び態様が本明細書に示され説明されており、一方そのような実施形態及び態様が単なる例として提供されていることは当業者に明らかであろう。当業者であれば、本開示から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換を想起するであろう。本明細書に記載される本開示の実施形態に対する様々な代替形態が、本開示を実施する際に使用され得ることを理解されたい。
【0034】
本明細書で使用される節の見出しは、整理のみを目的としており、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、論文、書籍、マニュアル、及び専門書を含むがこれらに限定されない、本出願において引用される全ての文書又は文書の一部分は、任意の目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0035】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2 nd ed.,J.Wiley&Sons(New York,NY 1994)、Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照されたい。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法、装置及び材料を、本発明の実施において使用することができる。以下の定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されており、本開示の範囲を限定することを意味するものではない。
【0036】
本明細書で使用される「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、1つ又は複数を意味する。
【0037】
用語「含む(comprise)」、「含む(include)」及び「有する(have)」並びにそれらの派生語は、本明細書では、包括的なオープンエンド用語として互換的に使用される。例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、又は「有する(having)」の使用は、いかなる要素が含まれる、それを有する、又はそれが含まれるかに関わらず、その要素が、この動詞を含む節の主語によって包含される唯一の要素ではないことを意味する。
【0038】
「化合物1」は、式:
【化10】
を有する化学物質5-((4’-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを指す。化合物1及び関連化合物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/US2019/040690号に開示されている。
【0039】
本開示の化合物1が互変異性形態で存在してもよく、化合物1の全てのそのような互変異性形態が本開示の範囲内であることは、当業者に明らかであろう。互変異性体は、平衡状態で存在し、1つの異性体から別の異性体に容易に変換される、2つ以上の構造異性体のうちの1つを指す。概して、この相互変換は十分に速く、その結果、個々の互変異性体が別の互変異性体の非存在下で単離されない。例えば、以下の式:
【化11】
の化合物1は平衡状態で存在することができる。
【0040】
値の範囲が開示され、表記「n1・・・からn2まで」又は「n1・・・とn2との間」が使用され、n1及びn2が数字である場合、別段の指定がない限り、この表記は、数字自体及びそれらの間の範囲を含むことが意図される。この範囲は、端の値を含む端の値の間での整数であってもその間で連続的であってもよい。例として、「1ミリグラム(mg)~3mg」の範囲は、1mg、3mg、及び任意の数の有効数字までの間の全て(例えば、1.255mg、2.1mg、2.9999mgなど)を含むことが意図される。
【0041】
「約」とは、特定の値を含む、当業者であれば特定の値に妥当に類似すると考えるであろう、値の範囲を意味する。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、当該技術分野において概ね許容される測定値を使用した標準偏差内を意味する。いくつかの実施形態では、約とは、特定の値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。いくつかの実施形態では、約とは特定の値を意味する。
【0042】
「塩」は、本開示の化合物の酸又は塩基塩を指す。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸など)塩及び有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸など)塩である。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩若しくはマグネシウム塩、又は同様の塩が挙げられる。薬学的に許容される塩は非毒性であると理解される。好適な薬学的に許容される塩に関する更なる情報は、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,23 rd Edition,2020に見出すことができる。
【0043】
「溶媒和物」は、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論量又は非化学量論量の溶媒を更に含む、本明細書で提供される化合物又はその塩を指す。
【0044】
「水和物」は、水分子と複合体化した化合物を指す。本開示の化合物は、1/2個の水分子又は1~10個の水分子と複合体化することができる。
【0045】
「薬学的に許容される」は、過度の毒性、刺激、及びアレルギー応答なしに患者の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合っており、それらの意図する使用に有効な、化合物(塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、配座異性体、互変異性体など)を指す。本明細書に開示される化合物は、本明細書で定義及び記載されるように、薬学的に許容される塩として存在することができる。
【0046】
本明細書で使用される「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、並びに特定の量の特定の成分の組合せから直接的又は間接的に生じる任意の生成物を包含することが意図される。「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤又は賦形剤が製剤の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに有害ではない必要があることを意味する。
【0047】
「薬学的に許容される賦形剤」は、対象への活性薬剤の投与及び対象による吸収を補助する物質を指す。本開示において有用な医薬賦形剤としては、結合剤、充填剤、流動促進剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、及び着色剤が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、他の医薬賦形剤が本開示において有用であることを認識するであろう。
【0048】
「錠剤」は、コーティングを有する固体医薬製剤及び有していない固体医薬製剤を指す。「錠剤」という用語はまた、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の層を有する錠剤も指し、前述の種類の錠剤の各々は、1つ又は複数のコーティングを有していても有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、本開示の錠剤は、ローラー圧縮又は当該技術分野で公知の他の好適な手段によって調製することができる。「錠剤」という用語は、ミニ錠剤、溶融錠剤、咀嚼錠剤、発泡性錠剤、及び口腔内崩壊錠剤も含む。錠剤は、化合物1又は化合物1a及び1つ若しくは複数の医薬賦形剤(例えば、充填剤、結合剤、流動促進剤、崩壊剤、界面活性剤、結合剤、滑沢剤など)を含む。任意選択で、コーティング剤も含めることができる。錠剤製剤の重量%を計算する目的の場合、コーティング剤の量は計算に含めない。すなわち、本明細書で報告される重量%は、別段の指定がない限り、未コーティング錠剤の重量%である。
【0049】
「投与すること」は、経口投与などによる、対象への化合物又はその一形態の治療的提供を指す。
【0050】
「治療する(treat)」、「治療(treatment)」、及び「治療すること(treating)」は、治療上の利益を含むがこれに限定されない、有益な又は所望の結果を得るための手法を指す。治療上の利益とは、治療されている基礎疾患、又はその1つ又は複数の症状若しくは合併症の根絶、排除、低減、寛解(remission)、緩和、改善、又は寛解(amelioration)を意味する。また、治療上の利益は、対象が依然として基礎疾患に罹患していることがあるにもかかわらず、対象において改善が観察されるように、基礎疾患に関連する生理学的症状の1つ又は複数の根絶又は寛解によって達成される。治療は、組成物の投与によって疾患の臨床症状の進行を遅らせること、疾患を抑制すること、すなわち、疾患の臨床症状の低減を引き起こすこと;疾患を阻害すること、すなわち、症状の最初の出現後に組成物を投与することによって臨床症状の発症を停止させること;及び/又は疾患を軽減すること、すなわち、症状の最初の出現後に組成物を投与することによって1つ又は複数の臨床症状の寛解を引き起こすこと、を含む。例えば、本明細書に記載される特定の方法は、腎結石形成の発生、頻度、又は進行を減少(decreasing)又は低減(reducing)させることによって、腎結石を治療する;又は腎結石のサイズを減少させることによって腎結石を治療する。
【0051】
「有効量」、「治療有効量」、又は「薬学的有効量」は、述べられた目的(例えば、それを投与する効果を達成する、疾患を治療する、酵素活性を低減する、疾患又は状態の1つ若しくは複数の症状を低減する)を達成するのに十分な量である。「有効量」の例は、疾患の症状又は複数の症状の治療、又は低減に寄与するのに十分な量であり、これはまた「治療有効量」と呼ばれることもある。症状又は複数の症状の「低減」(及びこの語句の文法的等価物)は、症状の重症度若しくは頻度の減少、又は症状の排除を意味する。有効性は、「-倍」の増加又は減少として表すこともできる。例えば、治療有効量は、対照に対して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、又はそれ以上の効果を有することができる。いくつかの例では、有効量は、腎結石の発症若しくは進行を予防する、腎結石の発生若しくは頻度を低減(reduce)若しくは減少(decrease)させる、腎結石疾患を治療する、PH1を処置する、又はPH1の1つ若しくは複数の症状を低減する、寛解する、その症状の進行を遅延させる、その発症を遅延させる、排除する、若しくは根絶するのに有効な量であってもよい。
【0052】
「患者」又は「対象」又は「必要とする対象」は、本明細書で提供される方法を使用することによって治療又は改善することができる疾患又は状態に罹患しているか又は罹患しやすい、生物を指す。この用語は、対象が特定の疾患と診断されていることを必ずしも示すわけではないが、典型的には医学的監視下にある個体を指す。非限定的な例としては、ヒト、他の哺乳動物、ラット、マウス、イヌ、非ヒト霊長類、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ、及び他の非哺乳動物が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者、対象、又は必要とする対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、ヒト対象は成人(例えば、少なくとも18歳)である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、18歳未満、例えば、13~18歳、12~18歳、10~18歳、6~18歳、10~13歳、6~13歳、2~13歳、10~12歳、6~12歳、2~12歳、6~10歳、2~10歳、若しくは2~6歳、又はその中の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は12歳未満である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は6歳未満である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は2歳未満である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、乳児又は新生児である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、少なくとも12歳の青年である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、6~12歳の小児である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、6~12歳の小児又は50kg未満の体重を有する小児である。
【0053】
特に明記しない限り、例えば錠剤製剤中の化合物1aの含有量は、塩及び含水量を含む化合物1aの重量に基づいて計算される。化合物1は371.34g/molの分子量を有し、化合物1a(化合物1の一ナトリウム、一水和物)は411.34g/molの分子量を有する。75mgの化合物1aを含有する錠剤は、塩を含まない無水物基準で67.7mgの化合物1を含有する錠剤と等価であり、300mgの化合物1aを含有する錠剤は、塩を含まない無水物基準で270.8mgの化合物1を含有する錠剤と等価である。
【0054】
III.方法
第1の態様では、本明細書では、必要とする対象において高シュウ酸尿症を治療する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化12】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、最大尿中シュウ酸(uOxalate)排泄を、i)24時間当たり1.73平方メートル当たり約0.46ミリモル未満(mmol/1.73m
2/24時間)まで、及び/又はii)治療前のuOxalate排泄に対して少なくとも約50%減少させる、方法を提供する。
【0055】
いくつかの実施形態では、治療有効量の投与は、uOxalate排泄を、i)24時間当たり1.73平方メートル当たり約0.46ミリモル(mmol/1.73m2/24時間)未満まで、又はii)治療前のuOxalate排泄に対して少なくとも約50%減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1の投与は、uOxalate排泄を約0.46mmol/1.73m2/24時間未満に減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1の投与は、治療前のuOxalate排泄と比較して、uOxalate排泄を少なくとも約50%減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の投与は、uOxalate排泄を、i)24時間当たり1.73平方メートル当たり約0.46ミリモル(mmol/1.73m2/24時間)未満まで、又はii)治療前のuOxalate排泄に対して少なくとも約50%減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1の投与は、シュウ酸排泄を(i)約0.46mmol/1.73m2/24時間未満までかつ(ii)治療前のシュウ酸排泄に対して少なくとも約50%減少させる。
【0056】
第2の態様では、本明細書では、必要とする対象において高シュウ酸尿症を治療する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化13】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約20ミリグラム(mg)~約2,500mgの総1日投与量である。
【0057】
第3の態様では、本明細書では、必要とする対象において高シュウ酸尿症の症状及び/又は合併症を予防する、その発症を遅延させる、寛解する、その進行を予防する、緩和する、減少させる、改善する、排除する、又は治癒する方法であって、対象に治療有効量の、式:
【化14】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0058】
いくつかの実施形態では、高シュウ酸尿症(例えばPH1などの原発性高シュウ酸尿症)の症状及び/又は合併症は、尿路結石症、腎結石症、腎石灰化症、再発性結石形成、慢性腎疾患、腎不全、末期腎疾患、体重増加不全、成長障害、嗜眠、疲労、食欲不振、吐き気、嘔吐、手足の腫れ、蒼白な顔色(貧血に関する)、腎臓のシュウ酸カルシウム沈着、膀胱又は尿道の結石、血尿、排尿障害、尿量減少、頻繁な尿意切迫(urge to urinate often)、腹痛、腎疝痛、尿路の閉塞、尿路感染の反復、夜尿症(遺尿症)、尿の制御困難、全身性シュウ酸症(骨、皮膚、網膜、心筋、血管、及び/又は中枢神経系を含む様々な器官系におけるシュウ酸の蓄積)、骨痛、骨折、骨硬化症、骨の異常な硬化及び密度、エリスロポエチン抵抗性貧血、視神経萎縮症、網膜症、歯痛、歯のぐらつき、歯髄露出、歯根吸収、末梢神経障害、心ブロック、不整脈、心筋炎、心塞栓性脳卒中、血管攣縮、関節症、肝脾腫、網状皮斑、手足の壊死(末梢壊疽)、又は転移性皮膚石灰沈着症である。
【0059】
別の態様では、本明細書では、対象において尿中シュウ酸レベルを低下させる方法であって、必要とする対象に、治療有効量の式:
【化15】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0060】
別の態様では、本明細書では、対象において血漿シュウ酸レベルを低下させる方法であって、必要とする対象に、治療有効量の式:
【化16】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20ミリグラム(mg)~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。
【0061】
更なる態様では、本明細書では、必要とする対象において腎結石を治療する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化17】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20mg~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約20mg~約2,500mgの総1日投与量である。
【0062】
別の態様では、本明細書では、必要とする対象において腎結石の発生、悪化、又は再発を予防する方法であって、対象に治療有効量の式:
【化18】
を有する化合物1、
若しくは薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20mg~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約20mg~約2500mgの総1日投与量である。
【0063】
別の態様では、本明細書では、必要とする対象において腎結石のサイズを減少させる方法であって、対象に治療有効量の式:
【化19】
を有する化合物1、
互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを投与することを含み、治療有効量が、約20mg~約3500mgの総1日投与量である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約20mg~約2,500mgの総1日投与量である。
【0064】
III-1:化合物1
化合物1又はその互変異性体は、薬学的に許容される塩形態又は酸形態(すなわち、化合物1の式によって表される酸形態)であることができ、これらの各々は、任意選択で溶媒和物又は水和物形態である。
【0065】
いくつかの実施形態では、化合物1は、式:
【化20】
又はその互変異性体によって表され、5-((4’-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボン酸又は4-((4’-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボン酸の名称を有する。
【0066】
いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、式によって表される酸形態である。いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、酸形態を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、薬学的に許容される塩形態である。いくつかの実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩基付加塩は、
【化21】
その互変異性体、及びそれらの組合せから選択される式によって表され、式中、各X
+は薬学的に許容される塩基付加物である。いくつかの実施形態では、化合物1は、式:
【化22】
又はその互変異性体によって表される一塩形態であり、式中、X
+は薬学的に許容される塩基付加物である。
【0068】
薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩若しくはマグネシウム塩、又は同様の塩が挙げられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、ナトリウム塩形態である。いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、二ナトリウム塩形態、一ナトリウム塩形態、又はそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、一ナトリウム塩形態を含む。いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、一ナトリウム塩形態である。
【0070】
いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、その薬学的に許容される塩及び式によって表される酸形態を含み、これらの各々は本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、一ナトリウム塩形態及び酸形態を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、水和物形態である。いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、一水和物形態である。
【0072】
いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、ナトリウム塩、水和物形態である。いくつかの実施形態では、化合物1又はその互変異性体は、一ナトリウム塩、一水和物形態である。
【0073】
いくつかの実施形態では、化合物1は、化合物1a:
【化23】
又はその互変異性体である。
【0074】
いくつかの実施形態では、化合物1aは、ナトリウム5-((4’-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレート一水和物又はナトリウム4-((4’-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)オキシ)-1H-1,2,3-トリアゾール-5-カルボキシレート一水和物の名称を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、化合物1又は1aは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定される、少なくとも約95面積%の純度を有する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定される、約95面積%~約100面積%、約96面積%~約100面積%、約97面積%~約100面積%、約98面積%~約100面積%、又は約99面積%~約100面積%の純度を有する。
【0076】
いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、又は約1%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を、約5%、約4%、約3%、約2%、又は約1%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を約5%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を約4%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を約3%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を約2%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を約1%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を、約0%~5%、約0%~約4%、約0%~約3%、約0%~約2%、又は約0%~約1%の量で含有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態(例えば、化合物1の式によって表される)を、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、又は約1%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を、約5%、約4%、約3%、約2%、又は約1%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を約5%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を約4%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を約3%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を約2%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を約1%未満の量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を、約0%~5%、約0%~約4%、約0%~約3%、約0%~約2%、又は約0%~約1%の量で含有する。
【0078】
いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、又は約1%未満の合計量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を、約5%、約4%、約3%、約2%、又は約1%未満の合計量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を約5%未満の合計量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を約4%未満の合計量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を約3%未満の合計量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を約2%未満の合計量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を約1%未満の合計量で含有する。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態を、約0%~5%、約0%~約4%、約0%~約3%、約0%~約2%、又は約0%~約1%の合計量で含有する。
【0079】
いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び/又は酸形態を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、二ナトリウム塩形態及び/又は酸形態は、化合物1a中に存在しない。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、二ナトリウム塩形態は、化合物1a中に存在しない。いくつかの実施形態では、化合物1aは、酸形態を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、酸形態は、化合物1a中に存在しない。いくつかの実施形態では、化合物1aは、二ナトリウム塩形態及び酸形態の両方を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、二ナトリウム塩形態及び酸形態は各々、化合物1a中に存在しない。
【0080】
III-2:対象
対象は、高シュウ酸尿症及び/又は腎結石を有し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、対象は、高シュウ酸尿症を有する。いくつかの実施形態では、高シュウ酸尿症は、シュウ酸の過剰産生によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、高シュウ酸尿症は、原発性高シュウ酸尿症である。いくつかの実施形態では、原発性高シュウ酸尿症は原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)である。いくつかの実施形態では、対象は原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)を有する。
【0082】
いくつかの実施形態では、原発性高シュウ酸尿症は、原発性高シュウ酸尿症2型(PH2)又は原発性高シュウ酸尿症3型(PH3)である。いくつかの実施形態では、高シュウ酸尿症は、原発性高シュウ酸尿症によって引き起こされない。
【0083】
いくつかの実施形態では、対象は、腎結石症(腎結石)、腎石灰化症(腎実質におけるCaOxの沈着)、及び/又は進行性慢性腎疾患をもたらす、原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、腎結石を有する。いくつかの実施形態では、対象は、以前に腎結石を有していた。いくつかの実施形態では、対象は、腎結石を発症するリスクが高い。
【0084】
いくつかの実施形態では、対象は、アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)遺伝子に1つ又は複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)を有し、アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)遺伝子に1つ又は複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、対象はPH II型を有し、GRHPR遺伝子に1つ又は複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、GRHPR遺伝子に1つ又は複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、HOGA1遺伝子に1つ又は複数の変異を有する。いくつかの実施形態では、対象はPH III型を有し、HOGA1遺伝子に1つ又は複数の変異を有する。
【0085】
いくつかの実施形態では、対象は、24時間当たり約0.7mmol/1.73m2を超える最大尿中シュウ酸(uOxalate)排泄を有する。いくつかの実施形態では、対象は、24時間当たり約0.6mmol/1.73m2を超える最大尿中シュウ酸(uOxalate)排泄を有する。いくつかの実施形態では、対象は、24時間当たり約0.46mmol/1.73m2を超える最大尿中シュウ酸(uOxalate)排泄を有する。例えば、対象は、24時間当たり約0.47、0.48、0.49、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75又はそれ以上のmmol/1.73m2を超えるuOxalate排泄を有し得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、対象は、約100μmol/Lを超える血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約100μmol/L未満の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約10μmol/L、約20μmol/L、約30μmol/L、約40μmol/L、約50μmol/L、約60μmol/L、約70μmol/L、約80μmol/L、約90μmol/L、約100μmol/L、又はそれ以上の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約100μmol/L、約90μmol/L、約80μmol/L、約70μmol/L、約60μmol/L、約50μmol/L、約40μmol/L、約30μmol/L、約20μmol/L、又は約10μmol/L未満の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約20μmol/L未満の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約15μmol/L未満の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約10μmol/L未満の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度を有する。例えば、対象は、約20、19、18、17、16、15、14、13、12、10、9、8、7、6、5又はそれ以下μmol/L未満のpGlycolate濃度を有し得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約10mL/分/1.73m2の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約20mL/分/1.73m2の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約30mL/分/1.73m2の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約50mL/分/1.73m2の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約90mL/分/1.73m2の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも約100mL/分/1.73m2の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する。例えば、対象は、少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120又はそれ以上のmL/分/1.73m2のeGFRを有し得る。eGFRは、少なくとも18歳のヒトである対象については人種変数方程式を用いず、少なくとも6歳であるが18歳未満のヒトである対象についてはBedside Schwartz方程式を用いて、慢性腎疾患疫学共同研究修正(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration refit)を使用して推定される。
【0088】
いくつかの実施形態では、対象は、治療前及び治療中にピリドキシン(ビタミンB6)を受ける。いくつかの実施形態では、対象は、治療前に少なくとも3ヶ月間、ピリドキシン(ビタミンB6)を安定した用量で受け、治療中、同じ用量を維持する。いくつかの実施形態では、対象は、正常範囲内の血漿ピリドキシンレベルを有する。いくつかの実施形態では、対象は、治療前に正常範囲内の血漿ピリドキシンレベルを有する。いくつかの実施形態では、対象は、治療前及び治療中に、正常範囲内の血漿ピリドキシンレベルを有する。いくつかの実施形態では、対象は、治療前に少なくとも3ヶ月間、ピリドキシン(ビタミンB6)を安定した用量で受け、治療中、同じ用量を維持し;対象は、治療前に正常範囲内の血漿ピリドキシンレベルを有する。
【0089】
いくつかの実施形態では、対象は、1)肝移植のレシピエント;2)血液透析、腹膜透析、持続的腎代替療法、又はそれらの組合せからなる群から選択される腎代替療法を受けるレシピエント;及び/又は3)治療の少なくとも9ヶ月前にリボ核酸干渉(RNAi)剤(例えばルマシラン)で治療されるレシピエント以外である。いくつかの実施形態では、対象は肝移植のレシピエントではない。いくつかの実施形態では、対象は、血液透析、腹膜透析、持続的腎代替療法、又はそれらの組合せからなる群から選択される腎代替療法を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、治療前の少なくとも9ヶ月間、リボ核酸干渉(RNAi)剤(例えば、ルマシラン)による治療を受けていない。いくつかの実施形態では、RNAi剤はルマシランである。
【0090】
いくつかの実施形態では、対象は、化合物1による治療の前に、高シュウ酸尿症又は腎結石に対する別の治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、化合物1による治療の前に、PH1に対する別の治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、化合物1による治療の前に腎結石に対する別の治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、化合物1による治療前の少なくとも1ヶ月間、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12ヶ月間、又はそれ以上、PH1又は腎結石に対する別の治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、治療の開始前の30日若しくは5半減期以内のいずれか長い方の期間内にいかなる治験用医薬品も受けていない;又は治療前に別の介入臨床試験のフォローアップ中である;及び/又は5)その患者は、治療前に少なくとも9ヶ月間、実験的RNAi剤(例えば、nedosiran)で治療されている患者である。
【0091】
いくつかの実施形態では、対象は、実施例2に記載される選択基準の全てを満たす。いくつかの実施形態では、対象は、実施例2に記載される選択基準の全てを満たし、ただし、対象は、実施例2に記載される除外基準のいずれも満たさない。
【0092】
いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、ヒト対象は成人(例えば、少なくとも18歳)である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、18歳未満、例えば、13~18歳、12~18歳、10~18歳、6~18歳、10~13歳、6~13歳、2~13歳、10~12歳、6~12歳、2~12歳、6~10歳、2~10歳、若しくは2~6歳、又はその中の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は12歳未満である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は6歳未満である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は2歳未満である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、乳児又は新生児である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、少なくとも12歳の青年である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、6~12歳の小児である。いくつかの実施形態では、ヒト対象は、6~12歳の小児又は50kg未満の体重を有する小児である。
【0093】
III-3:治療期間
化合物1又は1aによる治療は、パートA治療(例えば、化合物1又は1aの1日投与量が固定された様々な群)、パートB治療(例えば、選択された1日投与量で、任意選択の治療中止期間を含む群)、及び/又は長期継続(LTE)治療(例えば、パートBの化合物1又は1aの1日投与量での)を含むことができる。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aによる治療は、長期である(例えば、少なくとも1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、3年、又はそれ以上、例えば、対象の寿命の間継続する)。
【0094】
パートA治療に関して、いくつかの実施形態では、治療は、パートAの単一治療期間(例えば、28日)、任意選択でパートAの継続期間(例えば、最大12ヶ月)を含む。いくつかの実施形態では、治療は、パートAの単一治療期間(例えば、28日間)及び単一治療期間後のパートAの継続期間(例えば、最大12ヶ月)を含む。いくつかの実施形態では、治療は、パートAの継続期間(例えば、最大12ヶ月)を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、治療は、パートAの単一治療期間(例えば、28日)、任意選択でパートAの継続期間(例えば、最大12ヶ月)を含み、その間、化合物1又は1aの1日投与量が維持される。いくつかの実施形態では、治療は、パートAの単一治療期間(例えば、28日)と、単一治療期間後のパートAの継続期間(例えば、最大12ヶ月)とを含み、その間、化合物1又は1aの1日投与量が維持される。
【0096】
いくつかの実施形態では、パートAの単一治療期間は、約28日間の期間を有する。いくつかの実施形態では、パートAの継続期間は、12ヶ月以下の期間を有する。いくつかの実施形態では、パートAの継続期間は、1~12ヶ月の期間を有する。
【0097】
パートB治療に関して、いくつかの実施形態では、治療は、パートBの単一治療期間(例えば、28日又は6ヶ月)、パートBの任意選択の治療中止期間(例えば、28日)、及びパートBの長期継続期間(例えば、最大24ヶ月)を含み、任意選択の治療中止期間中、化合物1又は1aは投与されない。いくつかの実施形態では、治療は、パートBの単一治療期間(例えば、28日間又は6ヶ月間)、単一治療期間後のパートBの任意選択の治療中止期間(例えば、28日間)、及び任意選択の治療中止期間後のパートBの長期継続期間(例えば、最大24ヶ月)を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、パートB治療中、化合物1又は1aを、パートAによって決定された1日投与量で投与する。いくつかの実施形態では、パートBの単一治療及び継続期間中、化合物1又は1aを、パートA治療によって決定された1日投与量で投与する。いくつかの実施形態では、パートBの単一治療及び継続期間中、化合物1又は1aの1日投与量が維持される。いくつかの実施形態では、パートBの単一治療及び継続期間中、化合物1又は1aを、パートAによって決定された1日投与量で投与し、化合物1又は1aの1日投与量は維持される。
【0099】
いくつかの実施形態では、パートBの単一治療期間は、約28日間の期間を有する。いくつかの実施形態では、パートBの単一治療期間は、約6ヶ月の期間を有する。いくつかの実施形態では、パートBの任意選択の治療中止期間は、約28日の期間を有する。いくつかの実施形態では、パートBの長期継続期間は、約28日の期間を有する。いくつかの実施形態では、パートBの長期継続期間は、最大24ヶ月の期間を有する。
【0100】
長期継続(LTE)治療(例えば、最大36ヶ月又は最大24ヶ月)に関して、いくつかの実施形態では、化合物1又は1aを、パートBによって決定された1日投与量で投与する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aを、パートBによって決定された1日投与量で、約1~約36ヶ月、約1~約24ヶ月、約6~約36ヶ月、約6~約24ヶ月、約12~約36ヶ月、約12~約24ヶ月、又は約24~約36ヶ月の期間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aを、約36ヶ月の期間にわたって、パートBによって決定された1日投与量で投与する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aを、約24ヶ月の期間にわたって、パートBによって決定された1日投与量で投与する。
【0101】
パートA、パートB、及びLTE治療の各々に関して、パートBの治療中止期間を除いて、化合物1又は1aを、毎日(例えば、1日1回、2回、3回、又は4回)投与する。いくつかの実施形態では、パートA治療中、化合物1又は1aを、毎日(例えば、1日1回、2回、3回、又は4回)投与する。いくつかの実施形態では、パートBの単一治療及び継続期間中、化合物1又は1aを、毎日(例えば、1日1回、2回、3回、又は4回)投与する。いくつかの実施形態では、LTE治療中、化合物1又は1aを、毎日(例えば、1日1回、2回、3回、又は4回)投与する。
【0102】
いくつかの実施形態では、対象を、少なくとも1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、2年間、3年間、又はそれ以上、例えば対象の寿命の間、化合物1又は1aにより治療する。いくつかの実施形態では、対象の治療は連続的である(例えば、治療中止期間又は休日期間がない)。いくつかの実施形態では、対象の治療は、1つ又は複数の治療中止期間若しくは休日期間(例えば、化合物1又は1aを対象に投与しない期間)を含む。
【0103】
III-4:治療有効量/投与
いくつかの実施形態では、本出願に列挙される化合物1の量は、投与される化合物1のNa塩一水和物(化合物1a)の量である。当業者であれば、同じ量の化合物1を酸形態又は異なる塩形態で投与するためには、投与される全体量の小調整が必要であることを認識するであろう。例えば、約75mg、300mg、又は600mgの化合物1aの1日投与量は、それぞれ無塩及び無水基準で、約67.7mg、270.8mg、又は541.6mgの化合物1の1日投与量に等しい。
【0104】
したがって、75mgの化合物1aを含有する錠剤は、無塩及び無水基準で67.7mgの化合物1を含有する錠剤と等価であり、300mgの化合物1aを含有する錠剤は、無塩及び無水基準で270.8mgの化合物1を含有する錠剤と等価である。
【0105】
いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約5000mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約2500mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約5,000mg、約5mg~約4,500mg、約5mg~約4,000mg、約5mg~約3,500mg、約5mg~約3,000mg、約5mg~約2,500mg、約5mg~約2,000mg、約5mg~約1,500mg、約5mg~約1,400mg、約5mg~約1,300mg、約5mg~約1,200mg、約5mg~約1,100mg、約5mg~約1,000mg、約5mg~約900mg、約5mg~約800mg、約5mg~約700mg、約5mg~約600mg、約5mg~約550mg、約5mg~約500mg、約5mg~約450mg、約5mg~約400mg、約5mg~約350mg、約5mg~約300mg、約5mg~約250mg、約5mg~約200mg、約5mg~約150mg、約5mg~約100mg、20mg~約5,000mg、約20mg~約4,500mg、約20mg~約4,000mg、約20mg~約3,500mg、約20mg~約3,000mg、約20mg~約2,500mg、約20mg~約2,000mg、約20mg~約1,500mg、約20mg~約1,400mg、約20mg~約1,300mg、約20mg~約1,200mg、約20mg~約1,100mg、約20mg~約1,000mg、約20mg~約900mg、約20mg~約800mg、約20mg~約700mg、約20mg~約600mg、約20mg~約550mg、約20mg~約500mg、約20mg~約450mg、約20mg~約400mg、約20mg~約350mg、約20mg~約300mg、約20mg~約250mg、約20mg~約200mg、約20mg~約150mg、約20mg~約100mg、50mg~約5,000mg、約50mg~約4,500mg、約50mg~約4,000mg、約50mg~約3,500mg、約50mg~約3,000mg、約50mg~約2,500mg、約50mg~約2,000mg、約50mg~約1,500mg、約50mg~約1,400mg、約50mg~約1,300mg、約50mg~約1,200mg、約50mg~約1,100mg、約50mg~約1,000mg、約50mg~約900mg、約50mg~約800mg、約50mg~約700mg、約50mg~約600mg、約50mg~約550mg、約50mg~約500mg、約50mg~約450mg、約50mg~約400mg、約50mg~約350mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約75mg~約5,000mg、約75mg~約4,500mg、約75mg~約4,000mg、約75mg~約3,500mg、約75mg~約3,000mg、約75mg~約2,500mg、約75mg~約2,000mg、約75mg~約1,500mg、約75mg~約1,400mg、約75mg~約1,300mg、約75mg~約1,200mg、約75mg~約1,100mg、約75mg~約1,000mg、約75mg~約900mg、約75mg~約800mg、約75mg~約700mg、約75mg~約600mg、約75mg~約550mg、約75mg~約500mg、約75mg~約450mg、約75mg~約400mg、約75mg~約350mg、約75mg~約300mg、約75mg~約250mg、約75mg~約200mg、約75mg~約150mg、約75mg~約100mg、約300mg~約5,000mg、約300mg~約4,500mg、約300mg~約4,000mg、約300mg~約3,500mg、約300mg~約3,000mg、約300mg~約2,500mg、約300mg~約2,000mg、約300mg~約1,500mg、約300mg~約1,400mg、約300mg~約1,300mg、約300mg~約1,200mg、約300mg~約1,100mg、約300mg~約1,000mg、約300mg~約900mg、約300mg~約800mg、約300mg~約700mg、約300mg~約600mg、約300mg~約550mg、約300mg~約500mg、約300mg~約450mg、約300mg~約400mg、又は約300mg~約350mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。
【0106】
いくつかの実施形態では、治療有効量は、約75mg~約600mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約75mg~約300mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約300mg~約600mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約600mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約300mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約200mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約150mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約100mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量である。
【0107】
いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約30mg~約60mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約60mg~約90mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約90mg~約120mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約100mg~約140mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約120mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約150mg~約180mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約180mg~約210mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約210mg~約240mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約240mg~約270mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約270mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約300mg~約330mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約330mg~約360mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約360mg~約390mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日用量は、約390mg~約420mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約420mg~約450mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約450mg~約480mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約480mg~約510mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約510mg~約540mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約540mg~約570mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約570mg~約600mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約250mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約300mg~約400mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約330mg~約370mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約450mg~約550mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約500mg~約700mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約600mg~約800mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約700mg~約800mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約800mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約970mg~約1030mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約1000mg~約1500mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約1500mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約2000mg~約2500mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約1960mg~約2040mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約2500mg~約3000mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約3000mg~約3500mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約2060mg~約3040mgである。
【0108】
いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約230mg~約270mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約470mg~約530mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約730mg~約780mgである。
【0109】
いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約20mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約40mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約75mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約120mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約125mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約300mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約360mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約1000mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約2000mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約250mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約500mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約600mgである。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せの総1日投与量は、約750mgである。
【0110】
いくつかの実施形態では、治療有効量は、約5mg~約5,000mg、約5mg~約4,500mg、約5mg~約4,000mg、約5mg~約3,500mg、約5mg~約3,000mg、約5mg~約2,500mg、約5mg~約2,000mg、約5mg~約1,500mg、約5mg~約1,400mg、約5mg~約1,300mg、約5mg~約1,200mg、約5mg~約1,100mg、約5mg~約1,000mg、約5mg~約900mg、約5mg~約800mg、約5mg~約700mg、約5mg~約600mg、約5mg~約550mg、約5mg~約500mg、約5mg~約450mg、約5mg~約400mg、約5mg~約350mg、約5mg~約300mg、約5mg~約250mg、約5mg~約200mg、約5mg~約150mg、約5mg~約100mg、約20mg~約5,000mg、約20mg~約4,500mg、約20mg~約4,000mg、約20mg~約3,500mg、約20mg~約3,000mg、約20mg~約2,500mg、約20mg~約2,000mg、約20mg~約1,500mg、約20mg~約1,400mg、約20mg~約1,300mg、約20mg~約1,200mg、約20mg~約1,100mg、約20mg~約1,000mg、約20mg~約900mg、約20mg~約800mg、約20mg~約700mg、約20mg~約600mg、約20mg~約550mg、約20mg~約500mg、約20mg~約450mg、約20mg~約400mg、約20mg~約350mg、約20mg~約300mg、約20mg~約250mg、約20mg~約200mg、約20mg~約150mg、約20mg~約100mg、50mg~約5,000mg、約50mg~約4,500mg、約50mg~約4,000mg、約50mg~約3,500mg、約50mg~約3,000mg、約50mg~約2,500mg、約50mg~約2,000mg、約50mg~約1,500mg、約50mg~約1,400mg、約50mg~約1,300mg、約50mg~約1,200mg、約50mg~約1,100mg、約50mg~約1,000mg、約50mg~約900mg、約50mg~約800mg、約50mg~約700mg、約50mg~約600mg、約50mg~約550mg、約50mg~約500mg、約50mg~約450mg、約50mg~約400mg、約50mg~約350mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約75mg~約5,000mg、約75mg~約4,500mg、約75mg~約4,000mg、約75mg~約3,500mg、約75mg~約3,000mg、約75mg~約2,500mg、約75mg~約2,000mg、約75mg~約1,500mg、約75mg~約1,400mg、約75mg~約1,300mg、約75mg~約1,200mg、約75mg~約1,100mg、約75mg~約1,000mg、約75mg~約900mg、約75mg~約800mg、約75mg~約700mg、約75mg~約600mg、約75mg~約550mg、約75mg~約500mg、約75mg~約450mg、約75mg~約400mg、約75mg~約350mg、約75mg~約300mg、約75mg~約250mg、約75mg~約200mg、約75mg~約150mg、約75mg~約100mg、約300mg~約5,000mg、約300mg~約4,500mg、約300mg~約4,000mg、約300mg~約3,500mg、約300mg~約3,000mg、約300mg~約2,500mg、約300mg~約2,000mg、約300mg~約1,500mg、約300mg~約1,400mg、約300mg~約1,300mg、約300mg~約1,200mg、約300mg~約1,100mg、約300mg~約1,000mg、約300mg~約900mg、約300mg~約800mg、約300mg~約700mg、約300mg ~約600mg、約300mg~約550mg、約300mg~約500mg、約300mg~約450mg、約300mg~約400mg、又は約300mg~約350mgの化合物1a又はその互変異性体の総1日投与量である。いくつかの実施形態では、対象が少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である場合、治療有効量は、約40mg~約3000mg、約40mg~約2000mg、約40mg~約1000mg、約75mg~約1000mg、約75mg~約800mg、又は約75mg~約600mgの化合物1aの総1日投与量である。
【0111】
いくつかの実施形態では、対象が少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である場合、治療有効量は、約75mg、約300mg、又は約600mgの化合物1aの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、対象が少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である場合、治療有効量は、約75mgの化合物1aの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、対象が少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である場合、治療有効量は、約300mgの化合物1aの総1日投与量である。いくつかの実施形態では、対象が少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である場合、治療有効量は、約600mgの化合物1aの総1日投与量である。
【0112】
当業者であれば、対象が6~12歳の小児又は50kg未満の体重を有する小児である場合、化合物1又は1aの治療有効量の調整が必要であることを認識するであろう。
【0113】
対象が6~12歳の小児又は50kg未満の体重を有する小児である場合、いくつかの実施形態では、化合物1又は1aの治療有効量を、少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である対象について本明細書に記載される総1日投与量の約1/2、約1/3、約1/4、又は約1/5に調整する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aの治療有効量を、少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である対象について本明細書に記載される総1日投与量の約1/2に調整する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aの治療有効量を、少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である対象について本明細書に記載される総1日投与量の約1/3に調整する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aの治療有効量を、少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である対象について本明細書に記載される総1日投与量の約1/4に調整する。いくつかの実施形態では、化合物1又は1aの治療有効量を、少なくとも18歳の成人又は少なくとも12歳の青年であり少なくとも50kgの体重である対象について本明細書に記載される総1日投与量の約1/5に調整する。表1は、PopPKモデルに基づく体重基準の用量調整シナリオの例を示す。
【表1】
【0114】
概して、化合物1又は1aを経口投与することができる。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、経口投与する。いくつかの実施形態では、錠剤製剤中の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、経口投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を経口投与する。いくつかの実施形態では、錠剤製剤中の化合物1a又はその互変異性体を、経口投与する。
【0115】
化合物(例えば、化合物1aなどの化合物1)、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回(例えば、q.d.)、2回(例えば、b.i.d.又はq12h)、3回(例えば、t.i.d.)、又は4回(例えば、q.i.d.)投与することができる。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回(すなわち、QD)投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日2回(すなわち、BID)、例えば、およそ12時間隔てられた2回用量(すなわち、Q12H)で投与する。いくつかの実施形態では、化合物1若しくは薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又は組合せを、1日3回投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日4回投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日おきに1回(すなわち、QOD)投与する。
【0116】
いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、1日1回(すなわち、QD)投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、1日2回投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、1日3回投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、1日4回投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、1日おきに1回(すなわち、QOD)投与する。
【0117】
いくつかの実施形態では、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約120mg、約150mg、約180mg、約200mg、約250mg、約300mg、約330mg、約350mg、約360mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、約1800mg、約1900mg、約2000mg、約2500mg、又は約3000mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約40mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約75mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約120mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約300mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約360mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約500mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約600mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約750mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約1000mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約2000mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日1回投与する。
【0118】
いくつかの実施形態では、約75mgの化合物1a又はその互変異性体を1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約300mgの化合物1a又はその互変異性体を1日1回投与する。いくつかの実施形態では、約600mgの化合物1a又はその互変異性体を1日1回投与する。
【0119】
いくつかの実施形態では、約35mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日2回投与する。いくつかの実施形態では、約125mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日2回投与する。いくつかの実施形態では、約150mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日2回投与する。いくつかの実施形態では、約300mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日2回投与する。いくつかの実施形態では、約500mgの化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、1日2回投与する。いくつかの実施形態では、1日2回の投与量を、約12時間間隔で投与する。
【0120】
いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100日間、又はそれ以上投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも7、14、21、28、35、42、49、又は56日間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも28日間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも56日間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを少なくとも84日間。
【0121】
いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50ヶ月間又はそれ以上の間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、又は50ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも6ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも12ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも18ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも24ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも30ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも36ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、少なくとも42ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せを、対象の生涯にわたって投与する。
【0122】
いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100日間又はそれより長く投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも7、14、21、28、35、42、49、又は56日間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも28日間投与する。
【0123】
いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、セクションIII-3治療期間に記載されるように、パートAの単一治療期間、パートBの単一治療期間、及びパートBの継続期間の各々中に28日間投与する。
【0124】
いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50ヶ月間又はそれより長く投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、又は50ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも6ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも12ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも18ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも24ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも30ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも36ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、少なくとも42ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、対象の生涯にわたって投与する。
【0125】
いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、本明細書に記載されるパートA治療の継続期間中に約12ヶ月間投与する。いくつかの実施形態では、化合物1a又はその互変異性体を、セクションIII-3治療期間に記載される治療の長期継続(LTE)期間中に約36ヶ月間投与する。
【0126】
III-5:有効性
2パート多国籍無作為化プラセボ対照治験は、実施例2に記載されるように、原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)を有する小児(6歳以上)及び成人を治療するための化合物1aの安全性及び有効性を評価することができる。
【0127】
治療有効量の化合物1又は1aを投与することにより、対象において原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)に関連する1つ若しくは複数の症状を低減又は実質的に排除することができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せは、uOxalate排泄を24時間当たり約0.46mmol/1.73m2未満まで減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1a又はその互変異性体は、uOxalate排泄を24時間当たり約0.46mmol/1.73m2未満に減少させる。
【0129】
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せは、uOxalate排泄を、治療前のuOxalate排泄に対して少なくとも約50%減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1a又はその互変異性体は、uOxalate排泄を治療前のuOxalate排泄に対して約50%減少させる。
【0130】
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せは、uOxalate対尿中クレアチニン(uCreatinine)の比を、80mmol/mmolである約63.7mg/mg未満の正常な範囲にする。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1a又はその互変異性体は、uOxalate対尿中クレアチニン(uCreatinine)の比を、80mmol/mmolである約63.7mg/mg未満の正常な範囲にする。
【0131】
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せは、治療前の血漿グリコール酸(pGlycolate)濃度に対して絶対量及び/又は相対量でpGlycolate濃度を低下させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1a又はその互変異性体は、治療前の血漿中グリコール酸(pGlycolate)濃度に対して絶対量及び/又は相対量でpGlycolate濃度を低下させる。
【0132】
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せは、治療前の推定糸球体濾過量(eGFR)に対して絶対量及び/又は相対量でeGFRを増加させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1a又はその互変異性体は、治療前の推定糸球体濾過量(eGFR)に対して絶対量及び/又は相対量でeGFRを増加させる。
【0133】
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せは、腎結石のサイズを減少させる。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1a又はその互変異性体は、腎結石のサイズを減少させる。
【0134】
いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せは、腎結石の発生、悪化、又は再発を予防する。いくつかの実施形態では、治療有効量の化合物1a又はその互変異性体は、腎結石の発生、悪化、又は再発を予防する。
【0135】
いくつかの実施形態では、対象は、血漿薬物動態及び/又は薬力学的プロファイルを含む全体的な評価を提供するために、1つ又は複数の試験(例えば、実施例2の表4、表5、及び表6による試験)によって更に評価される。このような試験の例は、例えば、実施例2の表4、表5、及び表6に記載されている。
【0136】
IV.組成物
化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(化合物1aなど)は、対象への送達に適した様々な組成物で調製することができる。対象への投与に適した組成物は、典型的には、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せと、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0137】
医薬組成物は、滅菌注射用水性又は油性溶液及び懸濁液の形態であることができる。滅菌注射用製剤は、水、リンガー溶液及び等張塩化ナトリウム溶液を含む非毒性の非経口的に許容されるビヒクル、並びに1,3-ブタンジオールなどの許容される溶媒を使用して製剤化することができる。更に、無菌の不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒体として従来から用いられている。この目的のために、合成モノ又はジグリセリドなどの刺激の少ない不揮発性油を使用してもよい。更に、オレイン酸などの脂肪酸も注射剤の調製に有用であってもよい。
【0138】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された活性成分を含有する。このような賦形剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、油性プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムなどの懸濁化剤、レシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレン、及びモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンなどの分散剤又は湿潤剤;並びにエチル、n-プロピル、及びp-ヒドロキシベンゾエートなどの保存剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
油性懸濁液は、活性成分を、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油などの植物油、又は流動パラフィンなどの鉱油に懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁液は、蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールなどの増粘剤を含有することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって保存することができる。
【0140】
分散性粉末及び顆粒(水の添加による水性懸濁液の調製に適している)は、分散剤、湿潤剤、懸濁化剤、又はそれらの組合せと混合された活性成分を含有することができる。更なる賦形剤も存在することができる。
【0141】
化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)を含む医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であることもできる。油相は、例えばオリーブ油若しくは落花生油などの植物油、又は例えば液体パラフィンなどの鉱油、又はそれらの混合物であることができる。好適な乳化剤としては、例えば、アカシアゴム及びトラガカントゴムなどの天然ゴム、大豆レシチンなどの天然リン脂質;ソルビタンモノオレエートなどの脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されるエステル又は部分エステル、並びにモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのこの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。
【0142】
化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)を含む医薬組成物はまた、経口使用に適した形態であることもできる。経口投与に適した組成物としては、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒、エマルジョン、硬又は軟カプセル、シロップ、エリキシル、溶液、バッカルパッチ、経口ゲル、チューインガム、チュアブル錠、発泡性粉末、及び発泡性錠剤が挙げられるが、これらに限定されない。経口投与用の組成物は、当業者に公知の任意の方法に従って製剤化することができる。このような組成物は、薬学的に洗練された口当たりの良い製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、抗酸化剤、及び保存剤から選択される1つ又は複数の薬剤を含有することができる。
【0143】
錠剤は概して、例えば、セルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、リン酸カルシウム、及びリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤コーンスターチ及びアルギン酸などの造粒及び崩壊剤、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、デンプン、ゼラチン、及びアカシアなどの結合剤;並びにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びタルクなどの滑沢剤を含む、非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された活性成分を含有する。錠剤は、胃腸管での崩壊及び吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたる持続作用を提供するために、公知の方法によって、未コーティングであってもよく、コーティングされていてもよく、腸溶性その他であってもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用することができる。錠剤はまた、徐放のための浸透圧ポンプ組成物を形成するために、公知の技術に従って、半透膜及び任意選択のポリマー浸透圧剤でコーティングされていてもよい。
【0144】
経口投与のための組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンなど)と混合されている硬ゼラチンカプセルとして、又は活性成分が水又は油媒体(落花生油、流動パラフィン、又はオリーブ油など)と混合されている軟ゼラチンカプセルとして製剤化することができる。
【0145】
化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)の経皮送達は、イオン導入パッチなどによって達成することができる。化合物はまた、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内で融解して薬物を放出する、好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。このような材料としては、ココアバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0146】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)と、腎結石を治療するための1つ又は複数の追加の活性剤とを含む。このような活性剤の例としては、チアジド(例えば、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、メチクロチアジド、メトラゾン、ポリチアジドなど)、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなど);リン酸塩(例えば、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムなど);ビタミンB6化合物(例えば、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンなど);シスチン結合チオール化合物(例えば、α-メルカプトプロピオニルグリシン、D-ペニシラミン、カプトプリルなど);プリン類似体キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノール、オキシプリノールなど);及び他のキサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、フェブキソスタット(febuxostate)、トピロキソスタットなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0147】
V.キット
本開示はまた、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)を含む医薬組成物及び剤形を含む、キットも包含する。
【0148】
いくつかの態様では、本開示は、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)を含む、キットを提供する。本明細書に記載されるキットのいくつかは、化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)を投与する方法を記載するラベルを含む。本明細書に記載されるキットのいくつかは、高シュウ酸尿症を治療する方法を記載するラベルを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載れるキットは、腎結石を治療する方法を記載するラベルを含む。いくつかの実施形態では、キットは、化合物1a又はその互変異性体を含む。
【0149】
本開示の組成物は、限定されないが、食品医薬品局(FDA)又は他の規制機関によって承認されたボトル、ジャー、バイアル、アンプル、チューブ、ブリスターパック又は他の容器密封システム内に化合物1、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、又はそれらの組合せ(例えば、化合物1a)を含む組成物を含み、これらは化合物を含有する1つ又は複数の剤形を提供し得る。パッケージ又はディスペンサはまた、医薬品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって規定された形式で容器に関連付けられた通知書を伴ってもよく、通知書は、機関による承認を示す。特定の態様では、キットは、本明細書に記載される製剤又は組成物、製剤又は製剤を含む単位剤形を含む容器密封システム、及び本明細書に記載される使用方法を記載した通知書又は説明書を含んでもよい。
VI.略語一覧
【表2-1】
【表2-2】
【実施例】
【0150】
VII.実施例
以下の実施例は、特許請求される本発明を説明することを意図するものであり、本発明を限定するものではない。
【0151】
実施例1:第1相臨床試験
化合物1aの安全性及び投薬を評価するために、第1相臨床試験を実施する。この第1相試験は2つのパートからなる。パートAでは、3:1(活性:プラセボ)に無作為化した健常成人が、6個の漸増用量群の化合物1a又は対応するプラセボの単回用量経口投与を受ける。パートBでは、3:1(活性:プラセボ)に無作為化した健常成人が、6個の漸増用量群の化合物1a又は対応するプラセボの複数回用量経口投与を受けた。安全性及び忍容性を、有害事象の発生率、バイタルサイン、心電図、及び検体検査によって評価した。薬物動態及び薬力学(血漿及び尿中グリコール酸の変化)を、検証された生物学的分析アッセイを使用して測定した。
【0152】
試験デザイン:本試験は、Advarra治験審査委員会(Columbia,MD)によって承認された。全ての参加者は、書面によるインフォームドコンセントを提供した。治験は、医薬品規制調和国際会議及び世界保健機関ヘルシンキ宣言の臨床試験実施基準ガイドラインに従って単一施設(Celerion、テンペ、アリゾナ)で行った。試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単回及び複数回漸増用量試験であった。試験の主要な目的は、健常成人応募者に投与された単回及び複数回用量の化合物1aの安全性及び忍容性を評価することであった。第2の目的は、化合物1aの薬物動態(PK)を特徴付けること、及び健常成人応募者における薬力学的(PD)特性を説明することであった。試験では、化合物1aのPKに対する、食物の効果も評価した。
【0153】
参加者:18~55歳の健常成人応募者を試験に適格とした。
【0154】
介入:化合物1aを、10ミリグラム/ミリリットル(mg/mL)及び40mg/mL強度の調剤経口懸濁剤として提供した。調剤経口薬物製剤を、ポリプロピレン経口投薬シリンジを使用して対象に投与した。両方の経口懸濁剤は、化合物1aを精製水(USP)中に乳鉢及び乳棒で分散させ、続いてORA-Plus(登録商標)の名称で販売されている経口懸濁ビヒクル及びORA-Sweet(登録商標)SFの名称で販売されている無糖経口シロップビヒクルを、必要な濃度の化合物1aを生成する体積まで連続的にすすぐことによって調製される。10mg/mL及び40mg/mLの化合物1a経口懸濁液を、調剤薬局で調製した。ORA-Plus(登録商標)及びORA-Sweet(登録商標)SFの名称で販売されているビヒクルは、調剤薬剤師が即時送達系を調製するのを支援するために製剤化された公定賦形剤の混合物である。
【0155】
薬物動態:ヒトK2-エチレンジアミン四酢酸(K2-EDTA)血漿試料を、100μLの試料の分析に基づいて1.0~1000ng/mLの範囲にわたって検証された方法によって化合物1aについて分析した。化合物1a及び内部標準である化合物1a-D4を含有するヒト血漿を、液液抽出を使用して抽出し、HPLCカラムを備えたSciex API 4000 LC-MS-MSによって分析した。m/z370.2→298.0の化合物1a生成物イオンのピーク面積を、m/z374.3→302.4の化合物1a-D4内部標準生成物イオンのピーク面積に対して測定した。定量は、抽出日に調製した較正標準から生成した加重1/x2線形最小二乗回帰分析を使用して行った。
【0156】
アセトニトリル強化ヒト尿試料を、100μLの試料の分析に基づいて0.500~500ng/mLの範囲にわたって検証された方法によって化合物1aについて分析した。化合物1a及び内部標準である化合物1a-D4を含有するヒト尿を、液液抽出を使用して抽出し、HPLCカラムを備えたSciex API 4000 LC-MS-MSによって分析した。m/z370.2→298.0の化合物1a生成物イオンのピーク面積を、m/z374.3→302.4の化合物1a-D4内部標準生成物イオンのピーク面積に対して測定した。定量は、抽出日に調製した較正標準から生成した加重1/x2線形最小二乗回帰分析を使用して行った。
【0157】
薬力学:酸性化したヒトK2-EDTA血漿試料を、50μLの試料の分析に基づいて、8.00~120μMのシュウ酸及び5.00~625μMのグリコール酸の範囲にわたって検証された方法によってシュウ酸及びグリコール酸について分析した。シュウ酸、グリコール酸及び内部標準、13C2-シュウ酸及びD2-グリコール酸を含有するヒト血漿を、タンパク質沈殿後に誘導体化し、次いで液液抽出を使用して抽出し、HPLCカラムを備えたSciex API 4000 LC-MS-MSによって分析した。m/z224.1→152.1のシュウ酸生成物イオンのピーク面積を、m/z226.1→152.1の13C2-シュウ酸内部標準生成物イオンのピーク面積に対して測定した。m/z210.1→107.0のグリコール酸生成物イオンのピーク面積を、m/z212.1→107.0のD2-グリコール酸内部標準生成物イオンのピーク面積に対して測定した。定量は、抽出日に調製した較正標準から生成した加重1/x2線形最小二乗回帰分析を使用して行った。
【0158】
酸性化したヒト尿試料を、20μLの試料の分析に基づいて、50.0~10,000μMのシュウ酸、25.0μM~5000μMのグリコール酸の範囲にわたって検証された方法によってシュウ酸及びグリコール酸について分析した。シュウ酸、グリコール酸及び内部標準、13C2-シュウ酸及びD2-グリコール酸を含有するヒト尿を、分析物のヒドラジド誘導体を作製することによって抽出し、蒸発乾固し、再構成し、その後HPLCカラムを備えたSciex API 4000 LC-MS-MSによって分析した。m/z224.1→152.1のシュウ酸生成物イオンのピーク面積を、m/z226.1→152.1の13C2-シュウ酸内部標準生成物イオンのピーク面積に対して測定した。m/z210.1→137.0のグリコール酸生成物イオンのピーク面積を、m/z212.1→137.0のD2-グリコール酸内部標準生成物イオンのピーク面積に対して測定した。定量は、抽出日に調製した較正標準から生成した加重1/x2線形最小二乗回帰分析を使用して行った。
【0159】
ヒト尿試料を、50μLの試料の分析に基づいて10~2000μg/mLの範囲にわたって検証された方法によってクレアチニンについて分析した。クレアチニン及び内部標準であるクレアチニン-D3を含有するヒト尿を、直接希釈を使用して抽出し、HPLCカラムを備えたSciex API 4000 LC-MS-MSによって分析した。m/z114.0→86.0のクレアチニン生成イオンのピーク面積を、m/z117.0→89.0のクレアチニン-D3内部標準生成イオンのピーク面積に対して測定した。定量は、抽出日に調製した較正標準から生成した加重1/x2線形最小二乗回帰分析を使用して行った。
【0160】
薬物動態分析:化合物1a血漿濃度に基づく薬物動態計算を、Phoenix WinNonlin(Certara,Princeton,New Jersey)におけるノンコンパートメント分析を使用して行った。血漿化合物1a濃度から計算した薬物動態パラメータには、Cmax、最大濃度までの時間(Tmax)、0から12時間までの血漿濃度-時間曲線下面積(AUC0-12)、0から24時間までの血漿濃度-時間曲線下面積(AUC0-24)、及びAUC0-infが含まれたが、これらに限定されなかった。計算されたPKパラメータにはまた、血漿濃度-時間曲線の末端部分におけるlog濃度の線形回帰によって決定され、ln(2)/(-β)(βは、log濃度-時間曲線の末端部分の勾配である)として計算される、見かけの最終半減期(t1/2)も含まれた。Cmaxに基づく累積比を、(Cmax、7日目)/(Cmax、1日目)として計算した。
【0161】
対象の内訳:6~8人の対象の6個のコホート各々(N=最大48人)に、絶食条件下で、パートAの化合物1aを40、120、360、1,000、2000、及び3000mgの単回用量で投与した。2週間のウォッシュアウト後、1,000mgコホートの対象に、高脂肪朝食後に2回目の1,000mg単回用量を投与した。8人の健常対象の6個のコホート各々に、MADパートBにおいて、75mgを1日2回(qd)、125mgを12時間毎(q12h)、500mgをq12h、500mgをqd、750mgをqd、及び1,000mgをqdの、複数回用量を7日間投与した(
図1)。
【0162】
安全性:この試験では、用量制限毒性は観察されなかった。重篤又は重度のAEは報告されなかった(表2)。ほとんどのAEは単一の対象によって報告され、全ての強度は軽度から中等度であった。試験中止につながるAEはなかった。
【表3】
【0163】
化合物1a用量群及びプールプラセボ群では平均バイタルサイン値に小さな変動が見られ、これらについて予想されたものであり臨床的に有意でないと考えた。安全性検体検査では観察された臨床的に有意な変化又は傾向がなく、試験では臨床的に重要な投与後心電図所見もなかった。
【0164】
化合物1aの薬物動態:試験のSAD及びMADパートにおけるコホートについての濃度-時間プロファイルを
図2A~2Cに示す。40mg~3000mgの単回用量投与後、平均血漿化合物1a T
max値は、用量レベルにわたって1.9~2.9時間の範囲であった。平均t
1/2は、用量レベルにわたって同様であり、21.9~33.7時間の範囲であった。
【0165】
化合物1aのPKに対する、食物摂取の効果を、対象の同じコホートにおいて1,000mgの化合物1aの単回用量で、間に2週間のウォッシュアウトを行い連続する絶食及び摂食条件下で試験した。化合物1aへの全体的な曝露は、絶食条件下よりも摂食条件下でわずかに低かった(
図4)。摂食条件下での化合物1aのT
maxには、絶食条件と比較して遅延があった(それぞれ、平均T
max5.9時間対3.0時間)。t
1/2は、摂食及び絶食条件下で、それぞれ25.2時間及び26.8時間でほぼ同様であった。食物効果コホートにおける絶食対摂食データからの知見は、臨床的に意味があるとは考えられなかった。選択したPKパラメータを表3A及び表3Bに要約する。
【表4】
*t1/2についてはN=5
【表5】
幾何平均(幾何CV%)
QD MAD投薬(7日投薬)での蓄積比は<2であった。
【0166】
125mgをq12h、500mgをq12h、500mgをqdの、初回用量(1日目)及び最終反復用量(7日目)の両方の投与後、化合物1aの平均濃度は、投薬後0.5~4時間でピークに達し、その後減少した。血漿化合物1aのCmaxの平均蓄積比は、1.1~2.9の範囲であった。
【0167】
化合物1aの薬力学:標的関与の尺度として、パートA及びパートBにおいて血漿グリコール酸レベルを評価した。パートAでは、健常成人応募者に、40、120、360、1,000、2000、及び3000mgの化合物1aを単回投与し、血漿グリコール酸の増加が観察された(
図3A)。全ての用量で、平均最大血漿グリコール酸濃度は、14μMの基準値上限(ULN)を超え、1,000mgを超える用量で>90μMの平均最大濃度に達し、これが24時間持続した。単回投与後の回復(ULN以下の血漿グリコール酸)までの時間の中央値は、72時間未満であった。
【0168】
パートBでは、健常成人応募者に、75mgをqd、125mgをq12h、500mgをq12h、500mgをqd、750mgをqd、及び1000mgをqdの、複数回用量の化合物1aを投与した。パートAと同様に、平均最大血漿グリコール酸濃度は、全ての用量で、1日目にULNを超えて50~100μMの範囲になり、7日目に更に増加して100~200μMの範囲になった。全ての用量で観察された血漿グリコール酸のレベルは、3mg/kg又は6mg/kgのルマシランで観察されたレベルよりも有意に高かった。
【0169】
考察:この試験は、新規で、経口的に利用可能で、強力で、高度に選択的なグリコール酸オキシダーゼ阻害剤である化合物1aを用いた最初の臨床経験を表す。最大3000mgの化合物1aの単回用量及び1日当たり最大2000mg(1,000mg qd)の複数回用量(定常状態まで)の経口投与は、忍容性が良好であり、健常成人応募者における潜在的な臨床的懸念の臨床的又は検体安全性シグナルと関連しなかった。有害事象の強度はほとんどが軽度であり、中程度以下であった。化合物1a投与に関連する肝ストレス若しくは損傷、電解質障害、有害な血液学的効果、又は心電図変化の任意のシグナルの欠如は、更なる進展を裏付ける。
【0170】
血漿グリコール酸は、健常成人応募者における非臨床試験及び臨床試験の両方において、GOの阻害レベルに関連する標的関与の尺度として使用されてきた。非ヒト霊長類(NHP)において、血漿グリコール酸のレベルは、RNA干渉によるGO mRNAノックダウンの程度とともに非線形的に増加し、GOタンパク質発現が75%を超えて減少すると急速に増加することが示された。Hao1mRNA発現の減少と血清グリコール酸レベルの増加との間の同様の関係が、ルマシランで処置した齧歯類において観察され、HOAX1の抑制が大きくなると、シュウ酸排泄の減少が大きくなった。
【0171】
血漿グリコール酸を、単回用量のルマシランを受けた健常成人応募者における標的関与の薬力学的尺度として使用した。0.3、1.0、3.0、又は6.0mg/kgのルマシランの単回皮下投与を受けた後、血漿グリコール酸は、ベースラインレベルに対して約1.6、約2.5、約3.1、及び約7.3倍の測定ピークまで増加した。注目すべきことに、3.0mg/kg用量は、6.0mg/kg用量で観察された血漿グリコール酸のより大きな上昇にもかかわらず、20kgを超える患者に使用される承認された投与量である。
【0172】
この第1相試験では、化合物1aは、40~3000mgの単回投与後にベースラインと比較して、健常応募者において約4倍~約10倍の血漿グリコール酸濃度の平均最大増加を達成した。1,000mgの単回用量を超えると、平均血漿グリコール酸濃度は24時間にわたってプラトーに達し、化合物1aが投薬期間にわたってGOを最大限に阻害していることを示唆している。全ての用量の化合物1aで観察された血漿グリコール酸の増加は、20kgを超える患者で使用される承認された用量である3mg/kgの単回用量のルマシラン後に健常応募者で観察された約3倍の増加よりもかなり高い。定常状態では、化合物1aは、GOをコードする遺伝子である生殖細胞系HAO1ノックアウトを有する個体の症例報告で測定された血漿グリコール酸濃度に匹敵する血漿グリコール酸濃度をもたらし、完全な阻害を示唆している。
【0173】
GOを最大限に阻害することにより、化合物1aは、シュウ酸産生量を大幅に低下させ、患者のより多くの割合が他の治療よりも尿中シュウ酸排泄の正常化を達成することを実現する可能性を有する。
【0174】
結論:化合物1a投与は、評価された3000mgの単回用量及び1,000mgの複数回用量まで十分に忍容され、潜在的な臨床的懸念の安全性シグナルと関連せず、健常成人応募者において試験された全てのGO標的化剤の血漿グリコール酸濃度を最大に増加させた。この試験は、PH1を有する患者及びシュウ酸の肝臓過剰産生による高シュウ酸尿症を有する再発性結石形成患者における化合物1aの投薬及び安全性情報を提供する。薬物動態データは、化合物1aの1日1回投与及び迅速な作用開始を裏付ける。薬力学データ(血漿グリコール酸)は、化合物1aがGOを迅速かつ最大限に阻害することを示唆する。薬物動態-薬力学(PK/PD)モデリングは、化合物1aがGOを最大97%阻害することを示唆する。これらの結果に基づいて、第2/3相試験における化合物1aのIC50、IC90、及びIC95値を目標とする用量を選択するよう、PK/PDモデリングを行った(
図6A~6B)。試験の詳細を実施例2に示す。
【0175】
実施例2:原発性高シュウ酸尿症1型を有する小児(6歳以上)及び成人の治療のための化合物1aの安全性及び有効性を評価するための2パート多国籍無作為化プラセボ対照治験(第2/3相臨床試験-試験概要)
原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)を有する小児及び成人の治療のための化合物1aの安全性及び有効性を調査するために、第2/3相臨床試験を実施する。本試験の対象は全般的に、無傷の腎機能を有する。重要な選択基準には、年齢6歳以上、AGXT遺伝子変異の確認、24時間当たり0.7mmol/1.73m2を超えるuOxalate排泄、eGFR≧30mL/分/1.73m2、pOxalate<20μmol/L、及びピリドキシンを摂取している対象については、スクリーニング前3ヶ月間安定であることが含まれる。重要な除外基準には、肝移植を以前に受けたこと、腎代替療法を受けたこと、スクリーニングの9ヶ月以内のルマシランによる治療、スクリーニングの9ヶ月以内の実験的RNAi剤(例えば、nedosiran)による治療、及び妊娠中、妊娠を計画している、又は授乳中の女性参加者が含まれる。後続の試験では、より低年齢の患者及び腎機能障害を有する患者を評価し得る。本明細書に記載される試験の詳細は、暫定的であり、変更の可能性がある。
【0176】
パートAは、原発性高シュウ酸尿症1型(PH1)を有する小児(6歳以上)及び成人参加者において最大尿中シュウ酸(uOxalate)減少及び許容される安全性プロファイルを示す化合物1aの用量を選択するための、単盲検プラセボ対照逐次群デザインである。
【0177】
パートBは、PH1を有する小児(6歳以上)及び成人参加者における化合物1aの有効性及び安全性を確定するための、並行群プラセボ対照試験である。
2.1 目的、エンドポイント、及びエスティマンド:
【表6】
【0178】
2.2 全体デザイン
これは、運用上シームレスな2パートの第2/3相試験である。
図5Bは、試験の詳細を概略的に示す。
【0179】
パートAは、化合物1aの複数回投与を評価する無作為化、単盲検、プラセボ対照、逐次群デザインであり、2つの期間:
・28日間の単盲検治療期間、及び
・最大12ヶ月続く非盲検の活性継続期間(パートA継続と呼ばれる)からなる。
【0180】
60日間のスクリーニング期間の後、適格な成人(≧18歳)及び青年参加者(≧16歳)は、パートAに登録することが許可される。登録は、1日1回(QD)75mgのA群から開始し、4人の参加者は、活性対プラセボ3:1で無作為化される。4人の参加者をA群に無作為化した後、B群で直ちに300mg QDでの登録を開始し、続いてC群は600mgQDで登録を開始し、各群は活性対プラセボ3:1で無作為化される。各用量群が4人の参加者を登録した後、パートBの用量を選択するために追加の薬物動態(PK)又は薬力学(PD)データが必要な場合、追加の参加者を用量群に募集し得る。
【0181】
C群の最後の参加者がパートA治療期間を完了した後、独立したデータモニタリング委員会(DMC)は、パートBについての用量を選択するために、パートA治療期間からの3つの用量群についての全てのデータを検討する。
【0182】
選択されたパートB用量に基づいて、薬物動態/薬力学(PK/PD)データを使用して、小児参加者(12歳以上16歳未満及び50kg以上)についてのPK/PDモデリング及びシミュレーションによって、体重依存性用量を推定する。次いで、3人の小児参加者を別々の小児用量群に登録し、化合物1aを投与する(プラセボへの無作為化なし)。小児用量群が3人の参加者を登録した後、より低い体重及び/又は年齢(例えば、(i)12歳以上16歳未満及び50kg未満、又は(ii)6歳以上12歳未満)の追加の参加者を、モデル化された用量で登録し得る。
【0183】
パートA単盲検治療期間の完了後、成人、青年、及び小児の参加者は、最大24ヶ月続くパートA継続中、化合物1aを投与され続け得る。プラセボに無作為化された参加者は、盲検様式で、それぞれの治療群において投与される用量の化合物1aに変換される。単盲検治療期間中の治療の割り当ては、参加者には明らかにされない。試験参加者は、パートBの用量が選択されるまで、パートA継続のままである。
【0184】
パートB用量の選択を裏付けるのに十分なデータが利用可能になると、パートA継続は終了し、パートA継続における全ての成人及び青年参加者は、任意選択の長期継続(LTE)を継続し選択されたパートB用量に変換する選択肢を有する。小児参加者(6歳以上12歳未満又は50kg未満)は、パートA治療期間の完了後にLTE期間に直接入り、小児用量を投与され続ける選択肢を有する。
【0185】
パートBは、6ヶ月のプラセボ対照試験と、その後の最大24ヶ月の長期継続期間とからなる、重要な平行群のプラセボ対照デザインである。
【0186】
パートBは、成人及び青年(≧16歳)及び小児患者(6歳から<16歳)について60日のスクリーニング期間で開始する。小児患者の登録は、パートA小児用量群からのデータに依存し得る。
【0187】
スクリーニング期間後、適格な参加者(N=21、2:1の活性:プラセボ)は、パートAデータに基づいて選択された化合物1aの用量(すなわち、パートB用量)で治療期間に入る。
【0188】
治療期間の終了時に、参加者は、LTEで継続する選択肢を有する。
【0189】
2.3 参加者数:
パートAの目標参加者数は、3つの異なる用量レベルで最低12人である(9人の参加者は化合物1a、3人の参加者はプラセボ)。パートBでは、パートBのRWPにおけるデータ分析のための一次有効性データを提供するために、約21人の参加者を化合物1a治療相に登録する。
【0190】
注:登録とは、インフォームドコンセントのプロセス及びスクリーニングの完了後に、参加者又は法的に認可されたその代理人が臨床試験に参加することに同意することを意味する。試験の適格性を決定する目的でスクリーニングされているが試験に参加していない、潜在的な参加者は、プロトコルによって特に指定されない限り、登録されているとはみなされない。参加者は、スクリーニング後の任意の試験活動に参加する前にインフォームドコンセントが撤回されない場合、登録されたとみなされる。
【0191】
2.4 介入群及び期間:
パートAは、少なくとも4つの群からなる。
・75mgをQDの群A;
・300mgをQDの群B;
・600mgをQDの群C;及び
・小児用量群:群D(12歳以上16歳未満及び50kg以上)、群E((12歳以上16歳未満及び50kg未満)、及び群F(6歳以上12歳未満)(群D~Fの用量はPK-PDモデリングデータから決定される)。
【0192】
スクリーニングからパートAの終了までの総期間は、最大約15ヶ月であり、パートA継続における各参加者の時間は、登録のタイミングに依存する。
【0193】
パートBは、化合物1a又は対応するプラセボのいずれかに無作為化(2:1)された2群の参加者からなる。スクリーニングからパートB治療期間の終了までの総期間は、約240日である。
【0194】
パートA又はパートBを完了した参加者は、24ヶ月の長期継続期間に登録する選択肢を有する。
【0195】
2.5 選択基準:
適格な参加者は、スクリーニング手順を開始する前に、治験審査委員会(IRB)/独立倫理委員会(IEC)が承認したインフォームドコンセント用紙(ICF)に署名し、日付を記入する必要がある。参加者は、スクリーニング中の参入のために以下の基準を満たす必要がある。
【0196】
年齢及び体重
1.参加者は、試験の進行に応じて、インフォームドコンセント又は同意書に署名する時点で6歳以上又は12歳以上である必要がある。
a.パートA群A、B及びCの参加者は、成人又は青年(16歳以上)である必要がある。
b.群D(12歳以上16歳未満及び50kg以上)、群E(12歳以上16歳未満及び50kg未満)及び群F(6歳以上12歳未満)のパートA小児用量群参加者は、PK/PDモデリング及びシミュレーションから適切な小児用量が推定されると登録し得る。
c.パートB参加者は、パートA小児用量群データが6歳以上16歳未満の参加者における小児用量の使用の裏付けに利用可能になるまで、成人又は青年(16歳以上)である必要がある。
d.パートB小児参加者(6歳以上16歳未満)は、パートA小児用量群データが追加の参加者における小児用量の使用の裏付けに利用可能になると登録し得る。
【0197】
参加者の種類及び疾患の特徴
1.参加者は、アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子(AGXT)遺伝子変異を有するPH1の文書化された診断を有する必要がある。
注:AGXTの遺伝子解析報告は許容される。AGXT変異に関するいかなる文書も存在しないと、参加者は、遺伝子解析を進んで受ける必要がある。同種骨髄移植を受けた参加者は、試験に適格であるためには、骨髄移植の前に実施されたAGXT変異体分析報告を提供する必要がある。輸血を受けた参加者は、遺伝子検査を受ける前に、輸血後2週間待つ必要がある。
2.uOxalate排泄:>0.7mmol/1.73m2/24時間
3.eGFR≧30mL/分/1.73m2
・eGFRは、年齢18歳以上の参加者に対する人種変数方程式及び年齢6歳以上であるが18歳未満の参加者に対するBedside Schwartz方程式を用いずに、慢性腎疾患疫学共同研究修正(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration refit)を用いて推定されるべきである。
4.pOxalate<20μmol/L
5.ピリドキシン(ビタミンB6)を服用する場合、参加者は、スクリーニング前に3ヶ月間安定用量を服用する必要があり、試験期間中この用量を継続する意思があり、参加者の血漿ピリドキシンレベルは、スクリーニング時に正常範囲内である必要がある。
【0198】
性別及び避妊/バリア要件
1.男性参加者は、膣性交中に二重バリア法(例えば、殺精子ゲル又はフォームを有するコンドーム)を使用する必要があり、化合物1aを服用している間及び化合物1aの最後の投与後30日間、子供をもうけたり、精子を提供したりすべきではならない。参加者が精管切除されている場合、又は参加者のパートナーが妊娠可能な女性でない場合、コンドームは必要とされない。
2.閉経後の女性及び妊娠可能性のない女性は、避妊を使用せずにこの試験に参加し得る。
a.閉経後状態は、代替的な医学的原因なしに12ヶ月間月経がないことと定義され、血漿卵胞刺激ホルモン(FSH)を用いてスクリーニング来診時に確認される必要がある。
b.女性は、試験開始の少なくとも6週間前に外科的両側卵巣摘出(子宮摘出を伴う又は伴わない)を受けたことがある場合、妊娠可能性がないとみなされ、血漿FSHを用いてスクリーニング来診時に確認される必要がある。
3.妊娠することが生理学的に可能な全ての女性として定義され、異性の性交に関与する妊娠可能な女性は、スクリーニング時に開始し、化合物1aの最後の投与後30日間、2つの非常に有効な避妊法を使用する必要がある。
【0199】
男性及び女性による避妊薬の使用は、臨床試験に参加する人のための避妊法に関する現地の規制と一致すべきである。
【0200】
インフォームドコンセント
1.ICF及びこのプロトコルに列挙された要件及び制限の遵守を含む、署名されたインフォームドコンセント又は同意を与えることができる。
2.6 除外基準:
以下の基準のいずれかが当てはまる場合、参加者は本試験から除外される。
【0201】
医学的状態
1.肝移植のレシピエントである参加者。
【0202】
以前の療法/併用療法
1.腎代替療法(血液透析、腹膜透析、又は持続的腎代替療法)を受けている参加者。
2.スクリーニングの9ヶ月以内に承認されたリボ核酸干渉(RNAi)剤(例えば、ルマシラン/オクスルモ(登録商標)で治療された参加者。
【0203】
先行/同時臨床試験経験
1.試験の初日の前に、30日以内又は5半減期以内のいずれか長い方で、任意の治験薬を受けた参加者、又はスクリーニング中に別の介入臨床試験のフォローアップ中である参加者。
2.スクリーニングの9ヶ月以内に実験的RNAi剤(例えば、nedosiran)で治療された参加者。
【0204】
その他の除外事項
1.妊娠中、妊娠計画中、又は授乳中の女性参加者。
【0205】
2.7 統計的方法:
パートA:データを記述的に要約する。
【0206】
パートB、治療期間:化合物1a治療期間の終了時に24時間uOxalate減少に応答する参加者の観察された割合についての両側95%正確信頼区間を計算する。
【0207】
2.8 試料サイズ決定:
パートAの試料サイズは、疾患の希少性を含む実現可能性の考慮事項に基づいて決定される。パートAの目標参加者数は、3個の異なる用量レベルでは最低12人の成人及び青年参加者(化合物1aについて9人の参加者、プラセボについて3人の参加者)であり、小児用量レベルでは化合物1aについて16歳又は12歳未満の最低3人の参加者である。
【0208】
パートBでは、約21人の参加者を化合物1a治療期間に登録する。
【0209】
パートBにおける化合物1a治療期間の一次エンドポイントは、化合物1a治療期間の終了時に24時間uOxalate減少に応答する参加者の割合として評価される。試料サイズが32の場合、観察された50%の割合についての正確な95%信頼区間の下限は32%である。
【0210】
2.9 独立データモニタリング委員会:
独立データモニタリング委員会(DMC)は、パートBの用量選択前に、パートA治療期間からの3個の用量群についての全てのデータを検討する。パートA継続からの追加のデータもまた、利用可能である場合、検討し得る。DMCは、ヒトの研究介入の安全性及び科学的完全性をモニタリングし、有効性、害、又は無益についての試験の停止に関して資金提供者に勧告するために任命される、独立した医師及び科学者のグループである。委員会の構成は、この試験をモニタリングするのに必要な専門知識及び知識に依存する。
【0211】
2.10 試験スキーム
試験スキーム(パートA及びパートB)を
図5Bに示す。試験の詳細は、変更及び最適化の可能性がある。
【0212】
2.11 評価スケジュール
試験のパートA及び/又はパートBについての試料スクリーニングスケジュールを表4、表5、及び表6に列挙し、これらの各々を臨床プロトコルに詳述される試験評価のために使用する。
【表7】
略語:ALT=アラニンアミノトランスフェラーゼ;ALP=アルカリホスファターゼ;AST=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ;AXGT=アラニン-グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(遺伝子名);BUN=血中尿素窒素;CV=来診;ECG=心電図;eGFR=推定糸球体濾過量;FSH=卵胞刺激ホルモン;HBsAg=B型肝炎ウイルス表面抗原;Hct=ヘマトクリット;HCV=C型肝炎ウイルス;Hgb=ヘモグロビン;HIV=ヒト免疫不全ウイルス;INR=国際標準化比;PD=薬力学;PT=トロンボプラスチン時間;PTT=部分トロンボプラスチン時間;RBC=赤血球;SARS-CoV-2=重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2;SGOT=血清グルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼ;SGPT=血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ;WBC=白血球;WOCBP=妊娠可能な女性。
1.スクリーニング来診は診療所で行う必要がある。遺伝子解析の試料採取は、参加者がインフォームドコンセントを提出した後に在宅健康訪問によって行ってもよい。
2.スクリーニング時に完全な身体検査を行い、これには身長及び体重が含まれる。
3.バイタルサインは、5分間の休息後に測定され、これには仰臥位又は座位の収縮期及び拡張期血圧、心拍数、呼吸数、及び体温が含まれる。
4.ECG及び血液試料採取が同時に行われるとき、可能な場合、血液試料を採取する前にECGを行うべきである。
5.安全性検体検査には、化学物質(アルブミン;ALT/SGPT;ALP;AST/SGOT;総ビリルビン;BUN;カルシウム;総二酸化炭素;塩化物;クレアチニン;eGFR;グルコース、非絶食;カリウム;総タンパク質;ナトリウム)、血液学(RBC、Hgb、Hct、RBC指数、WBC分画)、及び凝固(PT/PTT/INR)が含まれる。
6.ピリドキシン(ビタミンB6)を服用している参加者のみについて、ピリドキシンの最後の投与から少なくとも6時間後に血液試料を採取する必要がある。可能な場合、採血後にピリドキシンを服用するよう、参加者に指示するべきである。
7.HIV、B型肝炎(HbsAg)、C型肝炎(抗HCV抗体)の血清学的検査、及びSARS-CoV-2のポリメラーゼ連鎖反応(又はパンデミックが進展した場合利用可能な最も適切な診断試験)は、スクリーニング時に行われる。
8.AGXTの変異を有するPH1に関する以前の遺伝子診断の文書を提供することができない全ての参加者において、PH1の遺伝子検査を行う(試料は、インフォームドコンセント後に在宅健康訪問によって採取し得る)。参加者が今までに同種骨髄移植を受けたことがあるか、又は検体採取の2週間未満前に輸血を受けたことがある場合、遺伝子解析を行うことができない。
9.参加者が同意した場合、血液を採取し、処理し、以後の探索的分析のために保存する。参加者が同意せず、スクリーニング時に試料を提供しない場合、参加者は、試験中の任意の時点で試料を提供することに同意し得る。
10.完全尿検査を行う(比重、pH、グルコース、タンパク質、ヘモグロビン、白血球エステラーゼ、亜硝酸塩、ビリルビン、ケトン及び潜血)。
11.尿妊娠検査が陽性である場合、結果を確認するために血清妊娠検査を実施する必要がある。
12.試料採取は、最初の朝の排尿後に開始し、翌朝の最初の排尿を含めて24時間にわたって採取する。採尿で、プロトコルのセクション8.1.1.に指定された基準を使用して、中央検査室で有効性を評価する。24時間採尿は、初期の採取が無効であるとみなされ、反復採取が必要とされる場合に、別の採取のための時間を可能とするために、スクリーニング期間中に、可能な限り早く予定するべきである。試料採取及び処理の詳細は、実験室マニュアルに提供されている。
13.有害事象は、スクリーニングから、治験薬の最終投与の30日後である安全性報告期間の終了まで収集され、文書化される。
【表8】
略語:ALT=アラニンアミノトランスフェラーゼ;ALP=アルカリホスファターゼ;AST=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ;BUN=血中尿素窒素;CV=来診;ECG=心電図;eGFR=推定糸球体濾過量;HH=在宅健康訪問;Hct=ヘマトクリット;Hgb=ヘモグロビン;INR=国際標準化比;KDQOL=腎疾患の生活の質;PD=薬力学;PedsQL=小児の生活の質の目録;PK=薬物動態;PT=トロンボプラスチン時間;PTT=部分トロンボプラスチン時間;RBC=赤血球;SGOT=血清グルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼ;SGPT=血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ;TC=電話呼出し;WBC=白血球;WOCBP=妊娠可能な女性。
1.「CV」と指定された来院は、診療所で行う必要がある。「HH」と指定された来院は、診療所で行ってもよく、又は在宅健康訪問と現場担当者による電話確認との組合せによって行ってもよい。
2.完全身体検査は、1日目及び28日目に行われ、これには体重が含まれ、身長は、18歳未満の参加者についてのみ測定される。他の全ての指示された来院時に簡単な身体検査を行う。
3.バイタルサインは、5分間の休息後に測定され、これには仰臥位又は座位の収縮期及び拡張期血圧、心拍数、呼吸数、及び体温が含まれる。
4.ECG及び血液試料採取が同時に行われるとき、可能な場合、血液試料を採取する前にECGを行うべきである。
5.1日目の腎超音波は、柔軟なスケジュールを可能にするために、1日目の来診日及びそれ以前の14日間のいずれかの時間に行い得るが、これは、参加者の適格性の評価及び確認の後にのみ行い得る。
6.治験薬投与の前に、試料を安全性検体検査のために採取し得、これには、化学物質(アルブミン;ALT/SGPT;ALP;AST/SGOT;総ビリルビン;BUN;カルシウム;総二酸化炭素;塩化物;クレアチニン;eGFR計算;グルコース;カリウム;総タンパク質;ナトリウム)、血液学(RBC、Hgb、Hct、RBC指数、WBC分画)、及び凝固(PT/PTT/INR)が含まれる。
7.ピリドキシン(ビタミンB6)を服用している参加者のみについて、ピリドキシンの最後の投与から少なくとも6時間後に血液試料を採取する必要がある。可能な場合、採血後にピリドキシンを服用するよう、参加者に指示するべきである。
8.28日目のPKサンプリングの目的のために、参加者は、担当研究者によって指示されるとおり、診療所で治験薬を投与すべきである。PK分析のために、28日目の投与前及び投与後2時間(±15分)、4時間(±15分)、及び6時間(±15分)で血漿試料を採取する。以下の時間を正確に記録することが重要である:28日目の来診前の治験薬の最後の2回の投与、投与前試料採取、28日目の来院時の治験薬の投与、及び投与後の試料採取。
9.28日目のPDサンプリングの目的のために、参加者は、担当研究者によって指示されるとおり、診療所で治験薬を投与すべきである。シュウ酸及びグリコール酸の分析のために、28日目の投与前及び投与後2時間(±15分)、4時間(±15分)、及び6時間(±15分)で血漿試料を採取する。示された他の全ての来院時に、投与前試料を採取する。
10.完全尿検査を行う(比重、pH、グルコース、タンパク質、ヘモグロビン、白血球エステラーゼ、亜硝酸塩、ビリルビン、ケトン及び潜血)。
11.尿妊娠検査が陽性である場合、結果を確認するために血清妊娠検査を実施する必要がある。
12.試料採取は、最初の朝の排尿後に開始し、翌朝の最初の排尿を含めて24時間にわたって採取する。治療期間1日目のベースラインの計算のために、3個の24時間尿試料を、1日目の来院前の14日間で採取するが、これらの採取は、参加者の適格性の評価及び確認の後にのみ行い得る。28日目の一次エンドポイントの計算のために、3個の24時間尿試料を14日目と28日目との来院の間に採取する。パートA継続中の来院については、24時間採尿は、予定来院前の7日以内に採取されるべきである。採尿で、プロトコルのセクション8.1.1に指定された基準を使用して、中央検査室で有効性を評価する。24時間採尿が無効であるとみなされる場合、施設は、参加者に可能な限り早く別の24時間尿試料を採取するように指示する。試料採取及び処理の詳細は、実験室マニュアルに提供されている。
13.PD分析のための無作為尿試料の単一排尿採取は、最初の朝の排尿として、治験薬投与前に採取する必要がある。
14.スケールが利用可能な地域では、18歳以上の参加者にはEQ-5D-5Lを適用し、18歳未満の参加者にはEQ-5D-Yを適用する。
15.スケールが利用可能な地域では、18歳以上の参加者にはKDQOLを適用し、18歳未満の参加者にはPedsQLを適用する。
16.有害事象は、治験薬の最終投与後30日である安全性報告期間の終了まで収集され、文書化される。
17.1日目に、他の全ての試験評価が完了した後に、治験薬を診療所で投与する。28日目に、投与前血漿PK試料を採取した後、治験薬を診療所で投与する。
18.小児用量群参加者を除いて、全ての参加者は、パートB用量が選択されるまでパートA継続期間を継続し、パートB用量が選択された時点で、長期継続期間に入る選択肢を有する。小児用量群参加者は、パートA継続に参加せず、代わりに長期継続期間に直接入る選択肢を有する。
【表9】
略語:ALT=アラニンアミノトランスフェラーゼ;ALP=アルカリホスファターゼ;AST=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ;BUN=血中尿素窒素;CV=来診;ECG=心電図;eGFR=推定糸球体濾過量;HH=在宅健康訪問;Hct=ヘマトクリット;Hgb=ヘモグロビン;INR=国際標準化比;KDQOL=腎疾患の生活の質;PD=薬力学;PedsQL=小児の生活の質の目録;PK=薬物動態;PT=トロンボプラスチン時間;PTT=部分トロンボプラスチン時間;RBC=赤血球;RWP=無作為化治療中止期間;SGOT=血清グルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼ;SGPT=血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ;TC=電話呼出し;WBC=白血球;WOCBP=妊娠可能な女性。
1.「CV」と指定された来院は、診療所で行う必要がある。「HH」と指定された来院は、診療所で行ってもよく、又は在宅健康訪問と現場担当者による電話確認との組合せによって行ってもよい。
2.完全身体検査は、治療期間1日目及びRWP 28日目に行われ、これには体重が含まれ、身長は、18歳未満の参加者についてのみ測定される。他の全ての指示された来院時に簡単な身体検査を行う。
3.バイタルサインは、5分間の休息後に測定され、これには仰臥位又は座位の収縮期及び拡張期血圧、心拍数、呼吸数、及び体温が含まれる。
4.ECG及び血液試料採取が同時に行われるとき、可能な場合、血液試料を採取する前にECGを行うべきである。
5.1日目の腎超音波は、柔軟なスケジュールを可能にするために、1日目の来診日及びそれ以前の14日間のいずれかの時間に行い得るが、これは、参加者の適格性の評価及び確認の後に行われるべきである。
6.治験薬投与の前に、試料を安全性検体検査のために採取し得、これには、化学物質(アルブミン;ALT/SGPT;ALP;AST/SGOT;総ビリルビン;BUN;カルシウム;総二酸化炭素;塩化物;クレアチニン;eGFR計算;グルコース;カリウム;総タンパク質;ナトリウム)、血液学(RBC、Hgb、Hct、RBC指数、WBC分画)、及び凝固(PT/PTT/INR)が含まれる。
7.ピリドキシン(ビタミンB6)を服用している参加者のみについて、ピリドキシンの最後の投与から少なくとも6時間後に血液試料を採取する必要がある。可能な場合、採血後にピリドキシンを服用するよう、参加者に指示するべきである。
8.PKサンプリングの日に、参加者は、担当研究者によって指示されるとおり、診療所で治験薬を投与すべきである。集団血漿PK試料は、治療期間28日目及びRWP 28日目の両方で、投与前及び投与後2時間(±15分)に採取される。これらの日の各々において、以下の時間を正確に記録することが重要である:来院前の治験薬の最後の2回の投与、投与前試料採取、来院時の治験薬の投与、及び投与後試料採取。
9.シュウ酸及びグリコール酸の投与前分析のために、指定された日に血漿試料を採取する。
10.完全尿検査を行う(比重、pH、グルコース、タンパク質、ヘモグロビン、白血球エステラーゼ、亜硝酸塩、ビリルビン、ケトン及び潜血)。
11.尿妊娠検査が陽性である場合、結果を確認するために血清妊娠検査を実施する必要がある。
12.試料採取は、最初の朝の排尿後に開始し、翌朝の最初の排尿を含めて24時間にわたって採取する。治療期間1日目のベースラインの計算のために、3個の24時間尿試料を、1日目の来院前の14日間で採取するが、これらの採取は、参加者の適格性の評価及び確認の後に行われるべきである。治療期間28日目及びRWP 28日目の一次エンドポイントの計算のために、各々の期間の14日目と28日目との来院の間に3個の24時間尿試料を採取する。パートB継続28日目の来院については、24時間採尿は、予定来院前の3日以内に採取されるべきである。採尿で、プロトコルのセクション8.1.1に指定された基準を使用して、中央検査室で有効性を評価する。24時間採尿が無効であるとみなされた場合、施設は、参加者に可能な限り早く別の24時間尿試料を採取するように指示する。試料採取及び処理の詳細は、実験室マニュアルに提供されている。
13.PD分析のための無作為尿試料の単一排尿採取は、最初の朝の排尿として、治験薬投与前に採取されるべきである。
14.スケールが利用可能な地域では、18歳以上の参加者にはEQ-5D-5Lを適用し、18歳未満の参加者にはEQ-5D-Yを適用する。
15.スケールが利用可能な地域では、18歳以上の参加者にはKDQOLを適用し、18歳未満の参加者にはPedsQLを適用する。
16.有害事象はスクリーニングから収集され、治験薬の最終投与の30日後である安全性報告期間の終了まで文書化される。
【0213】
前述の開示では、明確な理解を目的として例示及び実施例によっていくらか詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲内にて特定の変更及び修正を実施してもよいことは当業者に明らかであろう。更に、本明細書に提供される各参考文献は、各参考文献が参照により個別に組み込まれるのと同程度に、その全体が参照により組み込まれる。本出願と本明細書で提供される参考文献との間に矛盾が存在する場合、本出願が優先するものとする。
【国際調査報告】