(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】逆行性ソルボサーマル結晶成長のための改良ヒータ、その製造方法、及び使用方法
(51)【国際特許分類】
C30B 7/10 20060101AFI20241010BHJP
B01J 3/00 20060101ALI20241010BHJP
B01J 3/04 20060101ALI20241010BHJP
F27D 11/02 20060101ALI20241010BHJP
F27B 17/00 20060101ALI20241010BHJP
F27D 7/06 20060101ALI20241010BHJP
C30B 29/38 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
C30B7/10
B01J3/00 A
B01J3/04 E
B01J3/04 G
B01J3/04 B
B01J3/04 A
F27D11/02 A
F27B17/00 A
F27D7/06 C
C30B29/38 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522053
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022077867
(87)【国際公開番号】W WO2023064737
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518096478
【氏名又は名称】エスエルティー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SLT Technologies, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】デヴリン,マーク ピー
(72)【発明者】
【氏名】フォン ドレン,パウル エム
(72)【発明者】
【氏名】パカラパティ,ラジーヴ ティルマラ
(72)【発明者】
【氏名】福富 敬次
(72)【発明者】
【氏名】田崎 舞弥
(72)【発明者】
【氏名】宮本 康治
(72)【発明者】
【氏名】玉木 基
【テーマコード(参考)】
4G077
4K063
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077BE15
4G077CB10
4G077EA01
4G077EA03
4G077EG05
4G077EG18
4G077HA12
4G077KA11
4G077KA12
4K063AA04
4K063AA12
4K063AA15
4K063BA12
4K063CA03
4K063DA22
4K063DA32
4K063DA33
4K063FA03
4K063FA08
4K063FA10
(57)【要約】
本開示の実施形態では、ソルボサーマル結晶成長用の装置は、円筒形を有し、垂直方向に配向された圧力容器;独立して制御可能な上部ゾーンと下部ゾーンとを有する円筒形ヒータ;少なくとも1つの端部ヒータ;及び、成長チャンバの底端面又は上端面から100ミリメートル内に配置されたバッフルの内向き表面を備えている。端部ヒータは、結晶成長プロセス中に、第1の表面に沿った温度分布の変動が約10℃未満になり、第2の表面に沿った温度分布の変動が約20℃未満になることを可能にするように構成される。第1の表面は円筒形を有し、圧力容器内に位置づけられており、第2の表面は、成長チャンバの内径を含み、第2の表面に沿った温度分布は、第1の表面に近接した成長チャンバの端部から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に生成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソルボサーマル結晶成長用の装置において、
垂直配向を有し、上端と下端との間に延びる円筒形部分を有する圧力容器であって、流体内の材料を約5メガパスカル超かつ約2000メガパスカル未満の圧力及び約200℃超かつ約1500℃未満の温度で処理するように構成される、圧力容器、
各々が前記円筒形部分の周りに配置された、上部ゾーンと下部ゾーンとを有する円筒形ヒータ、
第1の表面、円筒形状を有し、前記圧力容器の前記円筒形部分内に位置づけられた成長チャンバであって、前記第1の表面が、前記成長チャンバの底端面若しく上端面、又は前記成長チャンバの前記底端面若しくは前記上端面から250ミリメートル以内に配置されたバッフルの内向き表面の中から選択される、成長チャンバ、及び
少なくとも1つの端部ヒータであって、
結晶成長プロセス中に、前記第1の表面に沿った温度分布の変動が約10℃未満になること、及び
前記結晶成長プロセス中に、第2の表面に沿った温度分布の変動が約20℃未満になり、前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの内径の円筒形部分を含むこと
を可能にするように構成された、少なくとも1つの端部ヒータ
を備えた、ソルボサーマル結晶成長用の装置。
【請求項2】
前記第1の表面に沿った温度分布の変動が約5℃未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の表面に沿った温度分布の変動が約2℃未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記圧力容器がオートクレーブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記圧力容器が内部加熱される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの端部ヒータ及び前記円筒形ヒータが、結晶成長プロセス中に、前記第2の表面に沿って約10℃以下の温度変動をもたらすようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの端部ヒータ及び前記円筒形ヒータが、結晶成長プロセス中に、前記第2の表面に沿って約5℃以下の温度変動をもたらすようにさらに構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも200ミリメートルの軸方向距離内に、前記成長チャンバの前記内径の円筒形部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの端部ヒータが、方位角的に20%以内で均一な電力密度を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの端部ヒータが、外側領域の電力密度より少なくとも25%小さい、内側領域内の電力密度を有し、
内側半径が前記内側領域の範囲を画成し、
前記外側領域が前記内側半径と外側半径との間に形成され、
前記内側半径及び外側半径が、前記少なくとも1つの端部ヒータの中心から延び、かつ
前記内側半径の前記外側半径に対する比が少なくとも約3%である、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記外側領域の電力密度が、約20%未満の電力密度変動を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記外側領域が、前記内側半径と第3の半径との間で、半径の関数として増加する電力密度を有し、前記第3の半径が、前記内側半径と前記外側半径との間に位置づけられる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記端部ヒータが、螺旋、二重螺旋、蛇行構造、又は迷路構造のうちの1つ以上から選択される構成を有する加熱素子部材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記端部ヒータが、前記少なくとも1つの端部ヒータ内の少なくとも1つの加熱素子を支持するように構成されたジャケットを含み、前記ジャケットが、ステンレス鋼、Inconel718、Inconel600、鉄、ニッケル、モリブデン、チタン、及びタンタル、並びにそれらの合金のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記端部ヒータが、少なくとも2つの独立して制御可能なホットゾーンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
第2の端部ヒータ又は上部絶縁体/ヒータのうちの1つをさらに含み、前記第2の端部ヒータ又は上部絶縁体/ヒータが、
結晶成長プロセス中に、第3の表面に沿った温度分布の変動が約10℃未満になり、前記第3の表面が、前記成長チャンバの前記第1の表面とは反対側の端部に近接しており、前記成長チャンバの前記底端面又は上端面、及び前記成長チャンバの前記底端面又は上端面から250ミリメートル以内に配置された前記バッフルの前記内向き表面の中から選択されること、及び
結晶成長プロセス中に、第4の表面に沿った温度分布の変動が約20℃未満になり、前記第4の表面が、前記第3の表面に近接した前記成長チャンバの端部から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの前記内径の円筒形部分を含むこと
を可能にするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第3の表面に沿った温度の変動が約5℃未満である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2の端部ヒータ又は前記上部絶縁体/ヒータ及び前記円筒形ヒータが、前記結晶成長プロセス中に、前記第4の表面に沿った温度分布を約10℃以内で一定にすることができるようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記圧力容器がオートクレーブを含み、前記上部絶縁体/ヒータが熱を生成する能力を備えている、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
ソルボサーマル結晶成長用の装置であって、
垂直配向を有し、上端と下端との間に延びる円筒形部分を有する圧力容器であって、流体内の材料を約5メガパスカル超かつ約2000メガパスカル未満の圧力及び約200℃超かつ約1500℃未満の温度で処理するように構成される、圧力容器、
各々が前記円筒形部分の周りに配置された、上部ゾーンと下部ゾーンとを有する円筒形ヒータ、
第1の表面、円筒形状を有し、前記圧力容器の前記円筒形部分内に位置づけられた成長チャンバであって、前記第1の表面が、前記成長チャンバの前記底端面又は前記上端面の中から選択される、成長チャンバ、
前記成長チャンバの下部内に配置された複数のシード結晶、
前記成長チャンバの上部チャンバ部分内に配置された、複数の多結晶栄養チャンク、
前記複数のシード結晶と前記複数の多結晶栄養チャンクとの間に位置づけられたバッフル、及び
少なくとも1つの端部ヒータであって、
結晶成長プロセス中の前記第1の表面に沿った温度分布の約10℃未満の変動、及び
前記結晶成長プロセス中の第2の表面に沿った温度分布の約20℃未満の変動であって、前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの内径の円筒形部分を含む、変動
を可能にするように構成された、少なくとも1つの端部ヒータ
を備えた、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、さまざまなオプトエレクトロニクス、集積回路、電力デバイス、レーザ、発光ダイオード、太陽光発電、及び他の関連デバイスの形成に使用することができる、バルク基板の形成に有用な結晶を成長させるための、超臨界流体中での材料の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は概して、単結晶の成長など、超臨界流体中で材料を処理するための材料に関する。このような結晶の例としては、MXO4結晶(ここで、MはAl又はGaを表し、XはP又はAsを表す)などの金属酸化物、及びGaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaNなどの金属窒化物が挙げられる。より具体的には、本開示の実施形態は、高圧装置の筐体内に配置されたカプセル又はライナ内の材料処理に関連するパラメータを制御するための技法を含む。窒化ガリウム含有結晶材料は、とりわけ、レーザ、発光ダイオード、太陽電池、光電気化学的水分解及び水素生成デバイス、光検出器、集積回路、並びにトランジスタなどの光電子デバイス及び電子デバイスの製造用の基板として有用である。
【0003】
超臨界流体は、さまざまな材料の処理に用いられる。超臨界流体は、多くの場合、臨界点を超えた、すなわち臨界温度及び臨界圧力を超えた物質として定義される。臨界点は、物質が平衡状態で蒸気及び液体として存在することができる最高の温度及び圧力を表す。ある特定の超臨界流体の用途では、処理される材料は、圧力容器又は他の高圧装置の中に配置される。場合によっては、最初に材料を容器、ライナ、又はカプセルの中に入れ、次にそれを高圧装置の中に入れることが望ましい。動作中、高圧装置は、材料を保持する容器又はカプセル内で発生する高圧の構造的支持を提供する。容器、ライナ、又はカプセルは、プロセスに包含される又はプロセスによって生成される可能性のある溶媒、溶質、及びガスに対して化学的に不活性かつ不透過性の閉鎖/密閉環境を提供する。
【0004】
超臨界流体は、高品質の結晶の成長、すなわちソルボサーマルプロセスを大量かつ低コストで成長させるのにとりわけ理想的な環境を提供する。多くの場合、超臨界流体は、気体の輸送特性を有する液体の溶媒和能力を備えている。したがって、一方では、超臨界流体は再結晶化のために大量の溶質を溶解することができる。他方では、好ましい輸送特性には高い拡散係数が含まれるため、溶質は超臨界流体の大部分と成長する結晶との間の境界層を通って迅速に輸送されうる。また、粘度が低いため、境界層は非常に薄く、温度勾配が小さくなり、反応器の自己対流及び自己撹拌が容易に発生しうる。この特性の組合せにより、例えば、超臨界水中での1回の成長動作で、数百又は数千の大きいα-石英結晶の成長が可能となる。
【0005】
結晶成長などの幾つかの用途では、圧力容器又はカプセルには、内部を異なるチャンバ、例えば上半分と下半分とに分離するバッフル板も含まれる。バッフル板は通常、超臨界流体とともに処理されるさまざまな材料を保持するこれらの異なるチャンバ間の流体の流れ、並びに熱及び物質の移動を可能にする、複数のランダムな又は規則的な間隔の穴を有する。例えば、典型的な結晶成長用途では、カプセルの一端はシード結晶を含み、もう一端は栄養物質を含む。処理される材料に加えて、カプセルは、高温及び高圧で超臨界流体を形成する固体又は液体を含み、通常は、超臨界流体中での処理される材料の溶解度を高めるための鉱化剤も含む。場合によっては、鉱化剤は、2つ以上の物質の混合物である[例えば、S.Tysoeら、特許文献1(2010)]。動作中、カプセルは臨界点に向けて又は臨界点を超えて加熱及び加圧され、それによって固体及び/又は液体が超臨界流体へと変化する。一部の用途では、流体は未臨界のままになる可能性がある、すなわち、圧力又は温度が臨界点未満になる可能性がある。しかしながら、本明細書の対象となるすべての事例において、流体は過熱される、すなわち、温度は大気圧での流体の沸点よりも高くなる。「超臨界」という用語は、圧力及び温度が臨界点より高いかどうかにかかわらず、全体を通して「過熱」を意味するために用いられるが、溶解した溶質を含む特定の流体組成物については不明である可能性がある。
【0006】
多くのソルボサーマル結晶成長システムでは、溶解度は「標準」である、すなわち、結晶化される物質の溶解度は、超臨界流体の温度が上昇するにつれて増加する。このような場合、栄養物質は成長チャンバの高温側端部に配置され、シード結晶は低温側端部に配置され、自由対流によって流体が混合されるように、低温側端部が高温側端部の上に配置される。これらの系の例としては、鉱化剤としてNaOHを用いた超臨界水中のα石英、及び酸性鉱化剤NH4Cl、NH4Br、又はNH4Iを用いた超臨界アンモニア中のGaNが挙げられる[非特許文献1]。他の場合には、溶解度は「逆行性」である、すなわち、温度の上昇とともに溶解度が低下し、成長チャンバ内の栄養物質とシードとの相対位置が逆転する。逆行性溶解度を有する系の例としては、鉱化剤としてHClを用いた超臨界水中のAlPO4(ベルリナイト)[E.D.Kolb及びR.A.Laudise、特許文献2(1981)]、並びに塩基性鉱化剤KNH2を用いた超臨界アンモニア中のAlNが挙げられる[非特許文献2]。塩基性鉱化剤KNH2を用いた超臨界アンモニア中のGaNは、同様に逆行性溶解度を示す[非特許文献3]。上述した他の酸性鉱化剤とは対照的に、酸性鉱化剤NH4Fを用いた超臨界アンモニア中のGaNもまた、逆行性溶解度を示す[M.D’Evelynら、特許文献3(2006)]。
【0007】
逆行性溶解度系での結晶成長に伴う課題は、成長チャンバ内で最も高温になる箇所が通常、シード結晶を囲んでいる壁にあることであり、その結果、不定核が壁上に形成され、シード結晶に対して優先的に成長する可能性がある。壁の結晶化は、プロセスの材料効率、すなわちシード結晶上で結晶化する溶解した栄養物質の割合を低下させる可能性があり、壁に近接する結晶の成長を妨げる可能性もある。この壁堆積の問題の深刻さは、シード結晶を囲む壁の温度分布に敏感である可能性があり、圧力容器又はカプセルを加熱するために用いられる(一又は複数の)ヒータの詳細によって強く影響されるか、又は決定される可能性がある。
【0008】
ある特定の他の用途では、圧力容器内の環境を非常に等温に維持することが望ましい場合があるが、既存の圧力容器及び関連するヒータではそれが不可能な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,642,122号明細書
【特許文献2】米国特許第4,300,979号明細書
【特許文献3】米国特許第7,078,731号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】D. Tomida, et al., J. Crystal Growth 325, 52 (2011)
【非特許文献2】D. Peters, J. Crystal Growth 104, 411 (1990)
【非特許文献3】R. Dwilinski, et al., J. Crystal Growth 310, 3911 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、成長ゾーンの表面の温度分布を最適化することにより、溶解度が逆行するソルボサーマル結晶成長での壁堆積の低減を可能にする、改良されたヒータが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示によれば、結晶成長のための材料の処理に関する技法が提供される。より具体的には、本開示は、アンモ塩基性又はアンモ酸性技法による第III族金属窒化物結晶の結晶成長を含む、超臨界流体中で逆行性溶解度を有する材料の結晶成長のための高圧容器と組み合わせて使用するのに適した改良されたヒータを提供するが、他のものもありうる。他の実施形態では、本開示は、結晶性窒化物材料の合成に適した方法を提供するが、他の結晶及び材料も処理できることが認識されるであろう。このような結晶及び材料には、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaN、並びにバルク基板又はパターン化された基板を製造するための他のものが含まれるが、これらに限定されない。このようなバルク基板又はパターン化された基板は、デバイスの中でもとりわけ、光電子デバイス、レーザ、発光ダイオード、太陽電池、光電気化学的水分解及び水素発生、光検出器、集積回路、並びにトランジスタなどを含めたさまざまな用途に使用することができる。
【0013】
本開示は、既知のプロセス技術に関連してこれらの利点及び他の利点を達成する。しかしながら、明細書の後半部分及び添付の図面を参照することによって、本開示の性質及び利点をさらに理解することができるであろう。
【0014】
本開示の上記特徴を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することにより、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているにすぎず、したがって、その範囲を限定するとみなすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】逆行性溶解度及び関連する壁堆積を伴うソルボサーマルプロセスによる結晶のための成長チャンバへの熱流束を示す概略図
【
図1B】逆行性溶解度及び関連する壁堆積を伴うソルボサーマルプロセスによる結晶のための成長チャンバへの熱流束を示す概略図
【
図1C】逆行性溶解度及び関連する壁堆積を伴うソルボサーマルプロセスによる結晶のための成長チャンバへの熱流束を示す概略図
【
図2】本開示の一実施形態による圧力容器装置を示す概略図
【
図3】本開示の一実施形態による内部加熱型圧力容器装置を示す概略図
【
図4】本開示の一実施形態による螺旋形状を有する端部ヒータを示す概略図
【
図5】本開示の別の実施形態による螺旋形状を有する端部ヒータを示す概略図
【
図6】本開示の一実施形態による端部ヒータの断面を示す概略図
【
図7A】本開示のある特定の実施形態による、二重螺旋形状を有する端部ヒータ用の加熱素子を示す概略図
【
図7B】本開示のある特定の実施形態による、二重螺旋形状を有する端部ヒータ用の加熱素子を示す概略図
【
図7C】本開示の一実施形態による、方位角的に蛇行した形状を有する端部ヒータ用の加熱素子を示す概略図
【
図7D】本開示のある特定の実施形態による、迷路形状を有する端部ヒータ用の加熱素子を示す概略図
【
図7E】本開示のある特定の実施形態による、迷路形状を有する端部ヒータ用の加熱素子を示す概略図
【
図7F】本開示の一実施形態による、線形蛇行形状を有する端部ヒータ用の加熱素子を示す概略図
【
図8】本開示のある特定の実施形態による、圧力容器の底部を示す概略図
【
図9A】本開示のある特定の実施形態による、圧力容器用の円筒形ヒータ内の垂直位置の関数としての2つの電力密度を示す概略図
【
図9B】本開示のある特定の実施形態による、圧力容器の内径に沿った
図9Aに示される2つの提供された電力密度に基づいて得られる温度分布を示す概略図
【
図10A】本開示の一実施形態による、栄養物質、バッフル、及びシード結晶を含むオートクレーブの成長チャンバの内部のレイアウトを示す概略図
【
図10B】本開示の特定の実施形態による底端ヒータ内の5つのホットゾーンを示す概略図
【
図10C】本開示の特定の実施形態による、市販の熱モデリングソフトウェアを使用して計算された温度分布を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込むことができることが想定されている。
【0017】
本開示によれば、結晶成長のための材料の処理に関する技法が提供される。より具体的には、本開示は、アンモ塩基性又はアンモ酸性技法による第III族金属窒化物結晶の結晶成長を含む、超臨界流体中で逆行性溶解度を有する材料の結晶成長のための高圧容器と組み合わせて使用するのに適した、改良されたヒータ設計及び熱制御システムを提供するが、他のものもありうる。他の実施形態では、本開示は、結晶性窒化物材料の合成に適した方法を提供するが、他の結晶及び材料も処理できることが認識されるであろう。このような結晶及び材料には、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaN、並びにバルク基板又はパターン化された基板を製造するための他のものが含まれるが、これらに限定されない。このようなバルク基板又はパターン化された基板は、デバイスの中でもとりわけ、光電子デバイス、レーザ、発光ダイオード、太陽電池、光電気化学的水分解及び水素発生、光検出器、集積回路、並びにトランジスタなどを含めたさまざまな用途に使用することができる。
【0018】
本開示は、組成物を製造するための装置に関連しうる実施形態を含む。本開示は、組成物の製造及び/又は使用方法に関連しうる実施形態を含む。
【0019】
本明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって用いられる近似表現は、関連しうる基本的機能の変更を生じさせずに、許容範囲で変化する可能性のある任意の定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」などの用語で修飾された値は、指定された正確な値に限定されない場合がある。少なくとも1つの例において、約という用語によって示される分散は、測定機器の精度を参照して決定することができる。同様に、「含まない」は用語と組み合わせることができる;また、明示的に別段の記載がない限り、修飾された用語が含まれていないものとみなされるが、実質的ではない数又は微量が含まれる場合がある。
【0020】
本開示の実施形態は、逆行性溶解度を有するソルボサーマル系における結晶成長に使用するための圧力容器用の底端ヒータ設計を含むが、同様のヒータ設計は通常の溶解度を有するソルボサーマル系でも有用でありうる。加えて、底端ヒータについて教示された形状、電力密度などは、上端ヒータ、すなわち圧力容器の上端に適用されるヒータにも有用でありうる。他の実施形態では、底端及び上端の両方を含む圧力容器全体にわたってほぼ等温状態を維持することが望ましい場合があり、本明細書に開示されるタイプの端部ヒータを底端と上端の両方に使用することができる。ある特定の実施形態では本開示で説明される端部ヒータは、底端及び/又は上端の円筒形部分内に延びる加熱構成要素を含むことができる。言い換えれば、幾つかの実施形態では、端部ヒータは、底端と上端との間に配置された円筒形部分の一方又は両方の端部領域内に延びる、ディスク形状ではなく、カップ形状に似ている場合がある。
【0021】
本開示によって対処される技術的課題は、
図1A~1Cに概略的に示されている。
図1Aを参照すると、成長チャンバ101は、オートクレーブ又は圧力容器の内面、オートクレーブ内のライナの内面、オートクレーブ内又は内部加熱型高圧装置内のカプセルの内面などを含むことができるか、あるいはそれらで構成されうる。本明細書で用いられる場合、オートクレーブとは、高温高圧で材料を処理するための厚肉の圧力容器を指す。高温高圧で材料を処理することも可能な内部加熱型高圧装置も圧力容器とみなされる場合があるが、その構造は従来の圧力容器とはかなり異なりうる。オートクレーブ、圧力容器、又は内部加熱型高圧装置は通常、円筒形で垂直に配向されている。内部容積103は、鉱化剤が溶解したアンモニア又は水などの超臨界流体で満たされている。成長チャンバ101は、バッフル109によって上部チャンバ105と下部チャンバ107とに分割されうる。バッフル109は、該バッフルを通る流体の動きを制限することができるように、成長チャンバ101に対して1つ以上の穿孔及び環状の間隙を備えた、1つ以上のディスク、円錐形部分、回転楕円体部分などを含みうる。1つ以上のシード結晶111はファニチャー(図示せず)から下部チャンバ107内に懸架され、多結晶栄養113の1つ以上のチャンクは上部チャンバ105内に配置される。ある特定の実施形態では、多結晶栄養113が1つ以上のバスケット(図示せず)内に配置される。この構成は、逆行性溶解度を有するシステムでの結晶成長に適しており、多結晶栄養素113のエッチングが上部チャンバ105で起こり、シード結晶111上の結晶材料の成長が下部チャンバ107で起こる。
【0022】
成長チャンバ101は、1つ以上の電気ヒータ(図示せず)によって結晶成長に適した温度分布まで加熱することができる。オートクレーブに適した例示的な(従来技術の)ヒータは、Dwilinski(米国特許第6,656,615号明細書)に記載されており、上部チャンバ105及び下部チャンバ107を取り囲む、円筒形の個別に制御されるホットゾーンを含む。内部加熱型の高圧装置に適した例示的な(従来技術の)ヒータは、Giddings(米国特許第7,705,276号明細書)に記載されており、上部チャンバ105及び下部チャンバ107を取り囲み、円筒形の高強度エンクロージャ内に配置された、円筒形の個別に制御されるホットゾーンを含む。結晶成長に適した条件は、下部チャンバ107を上部チャンバ105の温度よりも高い温度に加熱し、下部チャンバ107内で成長ゾーンの自由対流127を生じさせ、上部チャンバ105内で栄養ゾーンの自由対流125を生じさせることによって達成される。下部チャンバ107と上部チャンバ105との間の温度差は、約1℃から約100℃の間、約3℃から約30℃の間、又は約5℃から約20℃の間でありうる。定常状態の成長条件下では、成長チャンバ101内の温度分布は準定常状態であり、下部チャンバ107における結晶材料の堆積速度は、上部チャンバ105における多結晶栄養のエッチング速度に等しい。したがって、定常状態下では、成長チャンバ101の境界を通る正味の熱流束はゼロである、あるいは、別の言い方をすれば、成長チャンバ101の境界のある特定の部分を通って内側に向かう熱流束は、成長チャンバ101の境界の他の部分を通って外側に向かう熱流によって相殺される。熱流束分布の正確な詳細は、ヒータに加えられる正確な電力分布に依存するが、概して、成長ゾーンの熱流束137は、下部チャンバ107の円筒状の周囲を通って内側に流れ、下部チャンバ107が上部チャンバ105よりも高温になるようにする。同じ理由で、バッフル熱流束139は下部チャンバ107から上部チャンバ105へと上向きに流れることになる。ヒータが円筒形である単純なケースでは、底部熱流束134及び上部熱流束132は、それぞれ成長チャンバ101の境界の底部及び上部部分を通って外側に流れることになる。詳細に応じて、栄養ゾーン熱流束135は、上部チャンバ105の円筒状周囲を通って、外側又は内側に向かうことになる。
【0023】
図1Aに概略的に示される熱流束の結果として、成長チャンバ101内の最も高温の表面は、通常、下部チャンバ107の周囲にあることになる。逆行性溶解度を有する系の場合、堆積に対する熱力学的駆動力はこれらの表面上で最大となり、したがって、
図1Bに概略的に示されるように、これらの表面上に核141が形成されうる。さらには、核141が形成される表面は成長チャンバ101内で最も高温の表面であることから、核141はシード結晶111よりも速く成長することとなる。したがって、結晶成長プロセスが進むにつれて、
図1Cに概略的に示されるように、核141は合体して連続多結晶膜143となりうる。連続多結晶膜143の粗さ及び厚さは、成長ゾーンの自由対流147の変化を引き起こすことができる。シード結晶111上での成長は、溶解した栄養物質についての連続多結晶膜143との競合と、摂動された成長ゾーンの自由対流147との両方により妨げられる可能性がある。極端なケースでは、連続多結晶膜143とシード結晶111との間の温度差が大きくなり、上部チャンバ105から下部チャンバ107への溶解した栄養の流れが、例えば、多結晶栄養素113の枯渇によって、又はバッフル109内の穴及び環状の間隙のうちの1つ以上の詰まりによって阻害されると、連続多結晶膜143が成長し続ける間にシード結晶が成長せずにエッチングされる可能性がある。
【0024】
下部チャンバ107の側壁の過剰な温度に関連する非最適な温度分布のさらなる結果は、下部チャンバ107の底部が最低温度を有する可能性があることであり、これは、対流流体の流れの抑制又は中断に起因して流体の流れの停滞を生じさせ、したがってシード結晶111上の流体の流れが最適ではなくなる可能性がある。
【0025】
図2は、本開示の一実施形態による高圧装置の簡略図である。この図は単なる一例であり、本特許請求の範囲を不当に限定するものではない。当業者であれば、他の変形例、修正例、及び代替例を認識するであろう。示されるように、本開示は、高圧結晶又は材料、例えば、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaNを処理するための装置を提供する。他の処理方法には、酸化物及び他の結晶材料の水熱結晶成長、水熱合成又はアモノサーマル合成、及び水熱分解などが含まれる。当然ながら、他の変形例、修正例、及び代替例が存在しうる。
【0026】
図2を参照すると、超臨界流体中で材料を処理するための高圧装置及び関連する方法が開示される。ある特定の実施形態では、改良されたヒータは、オートクレーブの構成要素として用いられる。オートクレーブは、約5MPaを超え、かつ約500MPa未満、約400MPa未満、約300MPa未満、約200MPa未満、又は約100MPa未満、約50℃から約900℃の間、例えば約100℃から約600℃の間、約150℃から約500℃の間、又は約200℃から約400℃の間の温度で流体中の材料を処理可能でありうる。
図2を参照すると、オートクレーブ200は、オートクレーブ本体201を含む。オートクレーブ本体201の上部は少なくとも1つの上部ヒータ205で囲まれてもよく、オートクレーブ本体の下部は少なくとも1つの下部ヒータ207で囲まれてもよく、その各々が絶縁体を含むことができる。上部ヒータ205は、1つ、2つ、又はそれより多くの独立して制御可能なホットゾーン、例えば、上部テールゾーン205aと上部メインゾーン205bとを含むことができる。下部ヒータ207は、1つ、2つ、又はそれより多くの独立して制御可能なホットゾーン、例えば、下部メインゾーン207aと下部テールゾーン207bとを含むことができる。上部ヒータ205及び下部ヒータ207は、物理的に結合して単一の構成要素とすることができるが、通常は独立して制御可能である。ある特定の実施形態では、ライナ211がオートクレーブ本体201のキャビティ内に配置される。ライナ211は、白金、パラジウム、イリジウム、Pt/Ir合金、金、又は銀のうちの1つ以上から形成されうるか、又はそれらを含みうる。ライナ211はまた、チタン、レニウム、銅、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、それらの合金などのうちの1つ以上を含みうるか、又はそれらから形成されうる。バッフル109は、ライナ211が存在する場合にはその内部、及び/又はオートクレーブ本体201の内部に位置づけることができる。バッフル109は、該バッフルを通る流体の動きを制限することができるように、ライナ211が存在する場合にはその内径に対して1つ以上の穿孔及び環状の間隙を備えた、1つ以上のディスク、円錐形部分、回転楕円体部分などを含みうる。ある特定の実施形態では、底部バッフル213は、ライナ211が存在する場合にはその底面215から、又はオートクレーブ本体201の内部の底部内面から一定の距離内に設けることができる。バッフル109及び底部バッフル213は、白金、パラジウム、イリジウム、Pt/Ir合金、金、銀、チタン、レニウム、銅、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、それらの合金などから形成されうるか、又はそれらのうちの1つ以上を含みうる。底部バッフル213は、平坦なディスクの形状を有していてもよい。底部バッフル213は、約1ミリメートルから約25ミリメートルの間の直径を有しうる、1つ以上の孔を含むことができる。環状の間隙は、ライナ211が存在する場合には、底部バッフル213の外径とライナ211の内径との間に存在してよく、あるいは、ライナ211が存在しない場合には、オートクレーブ本体201の内径は、約0.5ミリメートルから約25ミリメートルの間でありうる。
【0027】
ある特定の実施形態では、オートクレーブ200は、概略的に示されるように、ガスケット(図示せず)に加えて、オートクレーブキャップ217及び閉鎖固定具219をさらに含む。
図2に示される構成は、Grayloc(商標)シールの概略図である。他の実施形態では、オートクレーブ200は、支持されていないBridgmanシール、oリングシール、cリングシール、閉じ込められたガスケットシール、ボルト留めクロージャ、AE(商標)クロージャ、EZE-Seal(商標)、Keuntzelクロージャ、ZipperClave(商標)クロージャ、ネジなしピンクロージャ、又はGasche(商標)ガスケットシールのうちの1つ以上を含む。ある特定の実施形態では、オートクレーブ200は、上端のキャップ、閉鎖固定具、及びシールに加えて、下端のキャップ、閉鎖固定具、及シールをさらに含む。
【0028】
オートクレーブ本体201、オートクレーブキャップ217、及び閉鎖固定具219は、各々、鋼、低炭素鋼、SA723鋼、SA266炭素鋼、4340鋼、A-286鋼、鉄ベースの超合金、ニッケルベースの超合金、コバルトベースの超合金、Inconel718、Rene41、304ステンレス鋼、310ステンレス鋼、316ステンレス鋼、340ステンレス鋼、410ステンレス鋼、及び17-4析出硬化ステンレス鋼、ジルコニウム及びその合金、チタン及びその合金、並びに一般にMonel、Inconel、Hastelloy、Udimet500、Stellite、Rene41、及びRene88として知られる他の材料からなる群より選択される材料から製造されうる。オートクレーブ本体201、オートクレーブキャップ217、及び閉鎖固定具219を含む構成要素のうちの1つ以上は、熱処理操作を被りうる。ある特定の実施形態では、オートクレーブ本体201は、上部だけでなく底部にも取り外し可能なシールを含む。
【0029】
オートクレーブ200は、オートクレーブ本体201の底部に熱的に連結され、熱絶縁体232を含む、底端ヒータ231をさらに備える。底端ヒータ231は、オートクレーブ本体201の中心軸の周りで方位角的にほぼ均一な電力分布を生成する。底端ヒータ231内の電力密度の半径方向依存性を伴う、下部ヒータ207及び上部ヒータ205の電力レベルに対する底端ヒータ231の電力レベルは、底面215に沿った、あるいは代替的に底部バッフル213に沿った温度分布を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、1℃以内、0.5℃以内、又は0.2℃以内に均一に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、底端ヒータ231内の電力密度の半径方向依存性を伴う、下部ヒータ207及び上部ヒータ205の電力レベルに対する底端ヒータ231の電力レベルは、ライナ211の内面、又はライナ211が存在しない場合にはオートクレーブ本体201の内面の指定された高さ範囲内の平均温度に等しい、底面215又は底部バッフル213の平均温度を、20℃以内、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に維持するように選択される。指定された高さ範囲は、底面215を基準にして測定される。ある特定の実施形態では、指定された高さは、約1センチメートル、5センチメートル、10センチメートル、20センチメートル、又は25センチメートルである。ある特定の実施形態では、底端ヒータ231は、少なくとも2つ又は少なくとも3つの独立して制御可能なホットゾーンを備えて構成される。
【0030】
ある特定の実施形態では、オートクレーブ200は、上部絶縁体/ヒータ209をさらに含む。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータ209は、耐荷重性熱絶縁体、例えばジルコニア、又は低い熱伝導率を有する別のセラミック材料を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータは、例えば、オートクレーブキャップ217を介した電気接続によって熱を発生する機能も有する。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータ209は、カートリッジヒータ、ケーブルヒータ、ディスクヒータなどのうちの1つ以上を含む。上部絶縁体/ヒータ209は、高圧動作中に、ライナ211の上部を、オートクレーブ本体201の内面と上部絶縁体/ヒータ209との間に存在するか、又は形成される半径方向の間隙内に押し出すことを可能にすることなく挿入及び取り外しを容易にするために、オートクレーブキャップ217の下面及びライナ211の上面245にぴったりと適合するように仕上げられた表面と、オートクレーブ本体201の内面に対して十分な半径方向クリアランスとを有することができる。上部絶縁体/ヒータ209の寸法、及び存在する場合にはその電力レベル、並びに上部ヒータ205内の上部ゾーンを含む下部ヒータ207及び上部ヒータ205の電力レベル、並びに上部絶縁体/ヒータ209内の電力密度の半径方向依存性は、上面245に沿った温度分布を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に均一に維持するように選択することができる。加えて、上部絶縁体/ヒータ209の寸法、並びに上部ヒータ205及び下部ヒータ207電力レベルは、上面245、ライナ211の内面、又はライナ211が存在しない場合にはオートクレーブ本体201の内面に対して測定して、20℃、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内の、指定された高さ内の平均温度に等しい平均温度で上面245を維持するように選択されうる。ある特定の実施形態では、指定された高さは、約1センチメートル、5センチメートル、10センチメートル、20センチメートル、又は25センチメートルである。ある特定の実施形態では、上部絶縁体/ヒータ209は、少なくとも2つ又は少なくとも3つの独立して制御可能なホットゾーンを備えて構成される。
【0031】
底端ヒータ231の設計、上部絶縁体/ヒータ209、及びさまざまな独立して制御可能なホットゾーンに適用される相対的な電力は、当業者には知られているように、オートクレーブ本体201の周囲又は成長チャンバ101内のさまざまな位置にある熱電対又は他の温度センサなどの実験的方法、及び/又は数値流体力学シミュレーションなどの理論的方法によって導くことができる。
【0032】
図3は、本開示の一実施形態による内部加熱型高圧装置の簡略図である。この図は単なる一例であり、本特許請求の範囲を不当に限定するものではない。当業者であれば、他の変形例、修正例、及び代替例を認識するであろう。示されるように、本開示は、高圧結晶又は材料、例えば、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaNを処理するための装置を提供する。他の処理方法には、酸化物及び他の結晶材料の水熱結晶成長、水熱合成又はアモノサーマル合成、及び水熱分解などが含まれる。当然ながら、他の変形例、修正例、及び代替例が存在しうる。
【0033】
図3を参照すると、超臨界流体を処理するための高圧装置及び関連する方法が開示されている。ある特定の実施形態では、改良されたヒータは、内部加熱型高圧装置の構成要素として用いられる。該装置は、典型的な円筒容器では、半径方向と軸方向に分類することができる、全方向に適切な封じ込めを提供する。さらには、設計パラメータの詳細に応じて、装置は、200℃から1500℃の間の温度、約5MPaから約2000MPaの間の圧力で、満足のいくバルク結晶を成長させるのに必要な任意の時間、例えば、約1時間から約180日間、動作可能である。内部加熱型高圧装置300は、半径方向の閉じ込めを提供するために、高強度のエンクロージャリング301及びセラミックリング303を備えた1つ以上のリングアセンブリのスタックを含むことができる。スタックは、2を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、50を超える、又は100超を超えるリングアセンブリを含むことができる。スタックは、ヒータ又は加熱部材305、並びにカプセル307を取り囲み、少なくとも1つの支持プレート(図示されていないが、以下の説明を参照されたい)によって機械的に支持されうる。言い換えれば、加熱部材又はヒータは、カプセルと、例えばセラミックリングなどの高強度のエンクロージャリングと断熱性の耐荷重構造とを備えた1つ以上の半径方向拘束構造との間に配置することができる。スタックは、カプセル307内で生成され、ヒータ305を介して外側に伝達される圧力を半径方向に閉じ込めることができる。ヒータ305は、上部ヒータ305aと下部ヒータ305bとを含む。上部ヒータ305a及び下部ヒータ305bの各々は、1つ、2つ、又はそれより多くの独立して制御可能なホットゾーンを含むことができる。上部ヒータ305a及び下部ヒータ305bは、物理的に結合されて単一の構成要素とすることができるが、通常は独立して制御可能である。ヒータ305の内部は処理チャンバを画成することができ、その中にカプセル307を配置することができる。ダイスタック内のリングアセンブリが高強度のエンクロージャリング301とセラミックリング303とで構成される場合、各リングアセンブリの2つの部材間には締り嵌めが存在しうる。1つ以上のリングアセンブリ又は半径方向拘束部を外部から冷却するための手段が設けられていてもよい。ある特定の実施形態では、カプセル307は、内側カプセル部材と外側カプセル部材(図示されていないが、以下に詳しく説明する)とを含む。
【0034】
カプセル307内で生成される圧力の軸方向の閉じ込めは、エンドプラグ311、クラウン部材317、及びタイロッド又はタイロッド締結具315によって提供されうる。エンドプラグ311は、酸化ジルコニウム又はジルコニアを含みうる。代替のエンドプラグ材料としては、特定の実施形態によれば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タングステン、鋼、ニッケル合金、チタン合金、塩、及び水酸化ケイ酸アルミニウム又はパイロフィライトなどのフィロケイ酸塩鉱物が挙げられる。エンドプラグ311は、エンドプラグジャケット313によって取り囲まれうる。エンドプラグジャケットは、エンドプラグ311に機械的支持及び/又は半径方向の閉じ込めを提供することができる。エンドプラグジャケット313はまた、ヒータ305に機械的支持及び/又は軸方向の閉じ込めを提供することもできる。エンドプラグジャケット313は、鋼、ステンレス鋼、鉄ベースの合金、ニッケルベースの合金などを含みうる。ある特定の実施形態では、タイロッド締結具315は、2つ以上のリングアセンブリの軸方向荷重を提供する構成で配置される。さらなる詳細は、それらの全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許第9,724,666号及び同第10,174,438号の各明細書に提供されている。
【0035】
クラウン部材317及びタイロッド締結具315は、鋼、低炭素鋼、SA723鋼、SA266炭素鋼、4340鋼、A-286鋼、鉄ベースの超合金、304ステンレス鋼、310ステンレス鋼、316ステンレス鋼、340ステンレス鋼、410ステンレス鋼、17-4析出硬化ステンレス鋼、ジルコニウム及びその合金、チタン及びその合金、並びにMonel、Inconel、Hastelloy、Udimet500、Stellite、Rene41、及びRene88として知られる他の材料からなる群より選択される材料を含みうる。
【0036】
内部加熱型高圧装置300は、特定の実施形態によれば、カプセル307の軸方向端部及びエンドプラグ311に近接して圧力伝達媒体309を含むことができる。圧力伝達媒体309は、複数の成分、例えば1枚以上のディスクを含むことができる。圧力伝達媒体は、特定の実施形態によれば、塩化ナトリウム、他の塩、又はケイ酸アルミニウム水酸化物若しくはパイロフィライトなどのフィロケイ酸塩鉱物、又は他の材料を含みうる。ある特定の実施形態では、圧力伝達媒体309は、NaCl、NaBr、AgCl、AgBr、CaF2、SrF2などの金属ハロゲン化物、グラファイト、六方晶窒化ホウ素、タルク、石鹸石、石膏、石灰石、アラバスター、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、メリリナイト粘土、ベントナイト粘土、又はケイ酸ナトリウムのうちの1つ以上を含みうる。
【0037】
バッフル109をカプセル307内に位置づけることができ、カプセル307の内部容積を上部チャンバと下部チャンバとに分割することができる。バッフル109は、該バッフルを通る流体の動きを制限することができるように、カプセル307の内径に対して1つ以上の穿孔及び環状の間隙を備えた、1つ以上のディスク、円錐形部分、回転楕円体部分などを含みうる。ある特定の実施形態では、底部バッフル213は、カプセル307から底面215からある特定の距離内に設けられうる。バッフル109及び底部バッフル213は、白金、パラジウム、イリジウム、Pt/Ir合金、金、銀、チタン、レニウム、銅、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、それらの合金などから形成されうるか、又はそれらのうちの1つ以上を含みうる。底部バッフル213は、平坦なディスクの形状を有していてもよい。底部バッフル213は、約1ミリメートルから約25ミリメートルの間の直径を有しうる、1つ以上の穴を含むことができる。底部バッフル213の外径とカプセル307の内径との間には、約0.5ミリメートルから約25ミリメートルの間の環状の間隙が存在しうる。底部バッフル213は、カプセル307の底面215から250ミリメートル、100ミリメートル、75ミリメートル、50ミリメートル、又は25ミリメートルの距離内に配置することができる。
【0038】
内部加熱型高圧装置300は、カプセル307の底部及び上部にそれぞれ熱的に連結された底端ヒータ331及び/又は上端ヒータ341をさらに備えうる。底端ヒータ331は、ヒータ305の軸の周りでほぼ方位角的に均一な電力分布を生成し、底端ヒータ331内の電力密度の半径方向依存性を伴う、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する底端ヒータ331の相対電力レベルは、底面215に沿った、あるいは、底部バッフル213に沿った温度分布を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内で均一に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、底端ヒータ331内の電力密度の半径方向依存性を伴う、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する底端ヒータ331の相対電力レベルは、カプセル307の内面の底面215を基準にして測定して、指定された高さ内の平均温度に等しい底面215又は底部バッフル213の平均温度を、20℃以内、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、指定された高さは、約1センチメートル、5センチメートル、10センチメートル、20センチメートル、又は25センチメートルである。上端ヒータ341は、存在する場合には、ヒータ305の軸の周りでほぼ方位角的に均一な電力分布を生成し、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する上端ヒータ341の相対電力レベルは、上端ヒータ341内の電力密度の半径方向依存性とともに、上面345に沿った温度分布を、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内で均一に維持するように選択される。ある特定の実施形態では、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの電力レベルに対する上端ヒータ341の相対電力レベルは、上端ヒータ341内の電力密度の半径方向依存性とともに、上面345に対して測定して、カプセル307の内面の指定された高さ内の平均温度に等しい上面345の平均温度を、20℃以内、10℃以内、5℃以内、2℃以内、又は1℃以内に維持するように選択される。
【0039】
例えば
図2に概略的に示されるオートクレーブ型の圧力容器など、本開示のある特定の実施形態では、圧力容器の重量に対する機械的支持は他の構成要素によって提供されうるため、底端ヒータ231は機械的荷重を支持する必要はない。この場合、底端ヒータは、1つ以上の絶縁部材によって提供される電気的に絶縁された回路内のみに電流が流れるように、底端ヒータ231の底部及び側周縁に対して断熱を提供し、底端ヒータ231の内部に電気絶縁を提供する1つ以上の絶縁部材内に1つ以上の加熱要素を埋め込むことによって製造することができる。参考として、
図4は、ヒータの中心と外径との間で、方位方向及び半径方向の両方にほぼ均一な熱流束を提供するヒータを示している。この場合、単一の加熱素子は単一の螺旋431へと形成されたコイル状のヒータワイヤを含み、中心にある一方の端部と外径にある第2の端部に電気コンタクトが設けられる。他の設計も可能であり、例えば、以下にさらに説明するように、加熱素子は単一螺旋、二重螺旋、又は蛇行形状の箔の形態である。加熱素子は、ニッケル-クロム、Kanthal A-1(商標)、Fe-Cr-Al合金、Inconel(商標)600などの高抵抗率の金属合金を含むことができるか、又はそれらで構成されうる。さらには、本開示で提供される1つ以上の構成は、厚膜及び/又は薄膜技法を使用した加熱素子を使用することもできる。すなわち、加熱素子は、めっき(例えば、無電解、電解)、スパッタリング、エバポレーション(例えば、熱、電子ビーム)化学蒸着、又はペースト及び/又は印刷技法を使用した、溝又はチャネル内に金属材料を充填する堆積プロセスを使用して形成することができる。他の技法には、ダマシン技法を使用した形成技法が含まれうる。加熱素子の形成に使用することができる他の金属には、白金、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、黒鉛、それらの任意の組合せ、及びそれらの合金が含まれる。この場合もやはり、他の代替例、変形例、及び修正例が存在する。
【0040】
半径の関数としての電力密度は、螺旋の隣接する巻線間の間隔を減少させることによって、及び/又はこれらの領域内の抵抗加熱素子の断面積を減少させることによって、ある特定の領域において増加させることができる。逆に、半径の関数としての電力密度は、螺旋の隣接する巻線間の間隔を増加させることによって、及び/又はこれらの領域内の抵抗加熱素子の断面積を増加させることによって、ある特定の領域において減少させることができる。底端ヒータ内の加熱素子の追加の構成について、以下に説明する。
【0041】
本開示の他の実施形態、例えば、
図3に概略的に示される内部加熱型高圧装置の実施形態では、高温、例えば約200℃から約1500℃の間の温度の超臨界流体の存在に起因して、底端ヒータ331はカプセル307内に存在する圧力とほぼ同じ圧力を経験するため、底端ヒータ331は機械的負荷を支持する必要がある。この場合、ヒータは、内部加熱型高圧装置300の平衡部に電流を出入りさせ、半径の関数として所望の電力を生成するために、大きい変形なしに高圧の存在下で動作可能でなければならない。
【0042】
特定の一実施形態では、底端ヒータ331は、
図5に概略的に示されるように、単一の螺旋531に巻かれたケーブル加熱素子を含む。ケーブル加熱素子は市販されており、MgOなどのマトリクスに埋め込まれ、ステンレス鋼又はIncoloy(商標)などの可撓性のジャケット内に収められたニクロムなどの内部加熱ワイヤを含むことができる。螺旋の外側のケーブルヒータの1つ以上の部分は加熱されなくてもよい、すなわち、ヒータの螺旋部分内の(一又は複数の)加熱線よりも単位長さあたりの抵抗が低い導電体を含むことができる。このような構成は、螺旋の隣接する巻線間の間隔が均一な場合には、螺旋の内径と螺旋の外径との間でほぼ均一である、方位角的に対称な熱流束を提供することができる。半径の関数としての電力束は、螺旋の隣接する巻線間の間隔を、中心からの半径方向の距離の関数として増加又は減少するように配置することによって変化させることができる。体積を大幅に減少させることなく軸方向の荷重を可能にすること、及び螺旋の隣接する巻線間の間隔の正確な制御を維持することなどを含めた、
図5に示される螺旋ヒータの機械的支持は、螺旋の平らな部分が溝内にぴったりと嵌合するように、機械加工された螺旋状の溝を有する支持部材内に螺旋状のケーブルヒータを埋め込むことによって提供することができる。支持部材は、鋼又はInconel718などの高い圧縮強度を有する材料から製造することができる。例えば、加熱素子の螺旋部分の外径と支持部材の溝の内径との間の直径クリアランスは、約0.001インチ(約25.4μm)から約0.050インチ(約1.27mm)の間、又は約0.005インチ(約0.127mm)から約0.020インチ(約0.508mm)の間でありうる。
図3を再び参照すると、電力リード線及び1つ以上の埋め込み熱電対は、圧力伝達媒体309及び下端プラグ311の1つ以上の構成要素外径に溝を切り、必要に応じて、ヒータ305の下端に切り込みを入れることによってアクセス可能となる。追加の材料、例えば、圧力伝達媒体309で使用されるものと同様の材料を、底端ヒータ331に含めることができる。
【0043】
ある特定の実施形態では、底端ヒータ331は、カスタム構成要素として製造される。1つの具体的な例が
図6に概略的に示されている。ヒータ600は、少なくとも1つ又は少なくとも2つの絶縁部材603内に封入され、ジャケット601内に収容された、少なくとも1つの加熱素子605を含む。電力リード線609は、絶縁スリーブ607内に位置づけることができ、少なくとも2つの位置で加熱素子605と電気的に接触させることができる。電力リード線609と加熱素子605との間の電気的接触は、溶融溶接、はんだ付け、ろう付け、又は他の金属接合技法によって行うことができる。接触は、ばね又は伝達ロッドと組み合わせたばねなど、機械的な力によっても維持することができる。任意選択的に、1つ以上の熱電対又は温度センサ611は、加熱素子605に近接して、及び/又は絶縁スリーブ607内に位置づけることができる。ある特定の実施形態では、加熱素子605は、ニッケル-クロム、Kanthal A-1(商標)、Fe-Cr-Al合金、Inconel(商標)600、黒鉛、白金などのうちの1つ以上を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、加熱素子605は、炭化ケイ素又はジルコニアなどの導電性セラミックを含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、加熱素子605は、箔又はワイヤの形態の材料を含むか、又はそれらからなる。他の実施形態では、加熱素子605は、厚膜技法及び/又は薄膜技法を使用して形成される。すなわち、加熱素子は、めっき(例えば、無電解、電解)、スパッタリング、エバポレーション(例えば、熱、電子ビーム)化学蒸着、又はペースト及び/又は印刷技法を使用した、金属材料を充填する堆積プロセスを使用して形成することができる。他の技法には、ダマシン技法を使用した形成技法が含まれうる。加熱素子の形成に使用することができる他の金属には、白金、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、黒鉛、それらの任意の組合せ、及びそれらの合金が含まれる。この場合もやはり、他の代替例、変形例、及び修正例が可能である。ある特定の実施形態では、電力リード線609は、加熱素子605と同じ材料を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、電力リード線609は、電流の流れに垂直な方向に、加熱素子605の1つ以上の部分よりも大きい断面を有する。ある特定の実施形態では、電力リード線609は、加熱素子605内の1つ以上の材料より低い抵抗率を有する材料を含むか、又はそれからなる。特定の実施形態では、電力リード線609は、ニッケル、銅、又は銀のうちの1つ以上を含む。ある特定の実施形態では、絶縁部材603及び絶縁スリーブ607は、約10
5Ω-cmを超える、約10
7Ω-cmを超える、約10
9Ω-cmを超える、又は約10
11Ω-cmを超える室温で抵抗率を有する材料を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では 絶縁部材603及び絶縁スリーブ607は、アルミナ、ステアタイト、シリカ、パイロフィライト、マイカ、窒化ホウ素、熱分解窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライト、コージエライト、又はフォルステライトから選択される1つ以上の材料を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、絶縁部材603のうちの少なくとも1つは、バルクセラミック、ガラス、又はガラスセラミック要素を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、絶縁部材603のうちの少なくとも1つは、薄膜又は厚膜を含むか、又はそれらからなる。ある特定の実施形態では、絶縁スリーブ607は、単孔、二重孔、又は4孔のセラミックチューブを含むか、又はそれらからなる。ジャケット601は、ステンレス鋼、Inconel718、Inconel600、鉄、ニッケル、モリブデン、チタン、及びタンタル、並びにそれらの合金のうちの1つ以上を含むことができるか、又はそれらで構成されうる。ジャケットは、内部加熱型圧力容器の内部に対して閉じた表面を含んでもよく、あるいはジャケットは、他の独立した要素又はプローブの通過を可能にするために開いていてもよい。開放表面の場合、好ましい実施形態では、回路内の電気的に活性な要素と溶媒、鉱化剤、溶解栄養素のうちの1つ以上などの有害な移動物質又は蒸気との接触を防ぐための措置が講じられる。ある特定の実施形態では、貫通シール613は、電力リード線609のうちの1つ以上と絶縁スリーブ607との間、及び/又は温度センサ611若しくはそのリード線のうちの1つ以上の間に設けられる。ある特定の実施形態では、ジャケット601は気密封止されており、かつ、加熱素子605が周囲空気と内部加熱型高圧装置300の内部の両方に関して制御された雰囲気内に封入されるように絶縁スリーブ607に関して封止されている。空気及び内部加熱型高圧装置300の内部雰囲気からの加熱素子605の隔離により、優れた電気的性能、例えば接地電流の減少及び寿命の延長の両方をもたらすことができる。
【0044】
ヒータ600の半径方向中心付近に電気リード線を設けることにより、
図3に概略的に示されるように、圧力容器の筐体にリード線を通すのに一定の利点がもたらされるが、加熱素子の設計が複雑になる可能性がある。幾つかの例示的な例が
図7A~7Fに示されている。
図7Aを参照すると、加熱素子700は、中心付近のコンタクト709と、周縁部付近の一方の半素子と他方の半素子との間の接続の両方を有する、二重螺旋の形態をとることができる。二重螺旋セグメント719の幅がほぼ一定であり、隣接する二重螺旋セグメント719間の間隔が半径の関数としてほぼ一定である場合、電力密度は、方位角的に、例えば、約20%以内、約10%以内、又は約5%以内までほぼ均一であってよく、内側半径715と外側半径717との間はほぼ均一でありうる。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、二重螺旋セグメント719の断面積を電流の流れの方向に垂直な方向に減少させることによって、及び/又は半径を増加させるために二重螺旋セグメント719間の間隔を減少させることによって、内側半径715と外側半径717との間で増加する。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、二重螺旋セグメント719の断面積を電流の流れの方向に垂直な方向に減少させることによって、及び/又は半径を増加させるために隣接する二重螺旋セグメント719間の間隔を増加させることによって、内側半径715と外側半径717との間で減少する。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、内側半径715と外側半径717との間の半径値の第1の部分内で増加し、内側半径715と外側半径717との間の半径値の第2の部分内で減少する。
【0045】
ある特定の実施形態では、
図7Aに概略的に示されるように、電力密度は、内側半径715と外側半径717との間よりも、内側半径715内の方が少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%低く、内側半径715は、外側半径717の値の約10%から約99%の間、約20%から約98%の間、約30%から約97%の間、約40%から約96%の間、約50%から約95%の間、又は約60%から約90%の間の値を有する。特定の実施形態では、
図7Aに示されるように、内側半径715は、外側半径717の値の約40%から約60%の間の値を有し、内側半径715内の電力密度は、内側半径715と外側半径717との間よりも少なくとも75%低い。他の実施形態では、
図7Bに概略的に示されるように、内側半径715の値は、外側半径717の値の約10%未満、約5%未満、又は約2%未満である。このようにして、電力密度は、おそらくはヒータ全体の面積と比較して非常に小さい面積、例えば、約5%未満、約2%未満、又は約1%未満の面積を除いて、方位角方向にほぼ均一であるだけでなく、半径方向にもほぼ均一でありうる。これに関連して、「ほぼ均一」とは約20%以内、約10%以内、又は約5%以内、又は約2%以内で一定である値を指しうる。
【0046】
図7Cを参照すると、加熱素子720は、コンタクト709が中心近くにあり、周縁部の周りに蛇行配置を有する、方位角的に蛇行した構造をとることができる。個々の蛇行セグメント721の幅がほぼ一定であり、隣接する個々の蛇行セグメント721間の間隔が半径の関数としてほぼ一定である場合、電力密度は、方位角的にほぼ均一であってよく、内側半径715と外側半径717との間でもほぼ均一でありうる。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、個々の蛇行セグメント721の断面積を電流の流れの方向に垂直な方向に減少させることによって、及び/又は半径を増加させるために隣接する個々の蛇行セグメント721間の間隔を減少させることによって、内側半径715と外側半径717との間で増加する。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、個々の蛇行セグメント721の断面積を電流の流れの方向に垂直な方向に増加させることによって、及び/又は半径を増加させるために隣接する個々の蛇行セグメント721間の間隔を増加させることによって、内側半径715と外側半径717との間で減少する。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、内側半径715と、該内側半径715と外側半径717の間の中間である半径との間の半径値の第1の部分内で増加し、中間半径と外側半径717との間の半径値の第2の部分内で減少する。特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、半径が、内側半径715から、該内側半径715から外側半径717までの約20%から80%の間にある中間半径まで増加するにつれて、20%から200%の倍率で徐々に増加し、その後、半径が中間半径から外側半径717までさらに増加するにつれて、徐々に減少する。
【0047】
図7Dを参照すると、加熱素子730は、両方のコンタクト709が中心付近にあり、周縁部に向かって迷路状に配置されている、迷路構造をとることができる。個々の迷路セグメント731の幅がほぼ一定であり、隣接する個々の迷路セグメント731間の間隔が半径の関数としてほぼ一定である場合、電力密度は、方位角的にほぼ均一であってよく、内側半径715と外側半径717との間でもほぼ均一でありうる。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、個々の迷路セグメント731の断面積を電流の流れの方向に垂直な方向に減少させることによって、及び/又は半径を増加させるために隣接する個々の迷路セグメント731間の間隔を減少させることによって、内側半径715と外側半径717との間で増加する。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、個々の迷路セグメント731の断面積を電流の流れの方向に垂直な方向に増加させることによって、及び/又は半径を増加させるために隣接する個々の迷路セグメント731間の間隔を増加させることによって、内側半径715と外側半径717との間で減少する。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、直線要素構造とジグザグ要素構造との間で交互に配置することによって、及び/又はジグザグ構造のピッチを変更することによって変化する。他の変形手段も可能であり、それらは本開示の範囲内に含まれる。ある特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、内側半径715と、該内側半径715と外側半径717の間の中間である半径との間の半径値の第1の部分内で増加し、中間半径と外側半径717との間の半径値の第2の部分内で減少する。特定の実施形態では、半径の関数としての電力密度は、半径が、内側半径715から、該内側半径715から外側半径717までの約20%から80%の間にある中間半径まで増加するにつれて、20%から200%の倍率で徐々に増加し、その後、半径が中間半径から外側半径717までさらに増加するにつれて、徐々に減少する。
【0048】
ある特定の実施形態では、
図7Dに概略的に示されるように、電力密度は、内側半径715と外側半径717との間に画成される外側領域の間よりも、内側半径715によって画成される内側領域内の方がはるかに低く、内側半径715は、外側半径717の値の約3%から約99.8%の間、約5%から約99.5%の間、約10%から約99%の間、約20%から約98%の間、約30%から約97%の間、約40%から約96%の間、約50%から約95%の間、又は約60%から約90%の間の値を有する。特定の実施形態では、
図7Dに示されるように、内側半径715は、外側半径717の値の約40%から約60%の間の値を有し、内側半径715内の電力密度は、内側半径715と外側半径717との間よりも、少なくとも75%低い。他の実施形態では、
図7Eに概略的に示されるように、内側半径715の値は、外側半径717の値の約10%未満、約5%未満、又は約2%未満である。このようにして、電力密度は、おそらくはヒータ全体の面積と比較して非常に小さい面積内、例えば、約5%未満、約2%未満、又は約1%未満の面積内は除いて、方位角方向にほぼ均一であるだけでなく、半径方向にもほぼ均一でありうる。
【0049】
加熱素子の他の配置も可能である。例えば、加熱素子は、螺旋状、方位角蛇行状、及び迷路状の要素又は部材の組合せを含みうる。ほぼ均一な電力密度が望ましい場合には、
図7Fに概略的に示されるように、おそらくはヒータ全体の面積と比較して非常に小さい面積内、例えば、約5%未満、約2%未満、又は約1%未満の面積内を除いて、準一次元の直線状に蛇行した、又はバタフライ状の配置が可能である。
図7Fを参照すると、加熱素子740は、中心付近のコンタクト709と、周縁部749付近の一方の半素子と他方の半素子との間の接続の両方を有することができる。線形蛇行セグメント743の幅がほぼ一定であり、隣接する線形蛇行セグメント743間の間隔がほぼ一定である場合、電力密度は方位角方向にほぼ均一であり、外側半径717内でもほぼ均一でありうる。
【0050】
底端ヒータの最適な電力密度分布及び電力レベルを設計するためには、詳細な温度測定とモデリング計算を実施することは有用である。
図8は、圧力容器、例えば、
図2のオートクレーブ200又は
図3の内部加熱型高圧装置300の底部の概略図である。中心線810を伴った、下部チャンバ107の下部は、ライナ211又は内側カプセル307aによって半径方向に囲まれてもよく、次いで、オートクレーブ本体201又は外側カプセル307bによって半径方向に囲まれてよく、さらに、下部ヒータ207又は305bによって半径方向に囲まれてもよい。中心線810を伴った、下部チャンバ107の下部は、ライナ211の底面215又は内側カプセル307aによって、及びオートクレーブ本体201の底部又は外側カプセル307bによって、さらには底端ヒータ231又は331によって、軸方向に境界付けることができる。
【0051】
参考として、
図9Aは、オートクレーブ本体201の底部又は外側カプセル307bからの垂直位置820(
図8参照)の関数としての下部ヒータ207/305bの電力密度の2つのケースを示す概略図である。
図9Bは、下部チャンバ107の底部内径からの垂直位置830の関数としてのライナ211の内面825又は内側カプセル307aに沿った対応する温度を示す概略図である。ある特定の実施形態では、
図9Aのケース951として示されるように、下部ヒータ207/305bの電力密度はほぼ一定である。圧力容器の底部からの軸方向の熱損失のため、概して、このような電力分布では、
図9Bのケース961に示されるように、このケースの温度プロファイルは、表面925の底部近くで低下する。このような温度分布は、下部チャンバ107の底部近くに流体の停滞を引き起こしうるため、望ましくない可能性がある。下部チャンバ107の底部近くの最低温度は、例えば、少なくとも2つのホットゾーンを有する下部ヒータを使用することによって形成される独立して制御可能なホットゾーンを介して、下部ヒータ207/305bの底部近くに追加の電力を加えることによって、回避することができる。このような電力密度の変動の例が、
図9Aのケース953に概略的に示されている。下部ヒータ207/305bの下端付近で高い電力密度を使用すると、
図9Bのケース963に概略的に示されるように、下部チャンバ107の底部の顕著な最低温度を回避することができるが、通常、側壁に沿って局所的な最高温度が上昇することとなる。上述したように、このような温度分布は、上述した逆行性ソルボサーマル結晶成長プロセスにおいて望ましくない高い壁堆積を引き起こす可能性がある。
【0052】
底端ヒータ331、上端ヒータ341の設計、及びさまざまな独立して制御可能なホットゾーンに適用される相対的な電力は、当業者には知られているように、内部加熱式高圧装置300の周囲又は成長チャンバ101内のさまざまな位置にある熱電対又は他の温度センサなどの実験的方法、及び/又は数値流体力学シミュレーションなどの理論的方法によって導くことができる。
【0053】
最適な電力密度分布及び底端ヒータへの電力レベルを設計するためには、ヒータ出力と温度分布との関係について検証されたモデルを有することが望ましい。例えば、
図2を再び参照すると、検証されたモデルは、下部ヒータ207及び上部ヒータ205の各々内の1つ以上のホットゾーンに適用された電力レベルの関数としての、オートクレーブ本体201全体にわたる温度分布、並びにライナ211の内面に沿った、底面215に沿った、及び底部バッフル213に沿った温度分布を正確に計算できなければならない。このような計算は、ANSYS FLUENT(商標)、StarCCM(商標)、CFD-ACE(商標)などの市販の数値流体力学プログラムを使用して実施することができる。密度、熱伝導率、熱容量、粘度などの材料特性の文献値は、オートクレーブ及びヒータの構成材料、並びに例えば水又はアンモニアなどの超臨界流体にも使用することができる。通常、自由対流に伴う熱伝達は測定が困難でありうる変数に応じて変化する可能性があるため、空気に曝露された表面の熱伝達係数(又は膜係数)について仮定を立てる必要がある。これらの仮定は、計算に用いられる材料特性とともに、適用されたヒータ出力レベルの関数として多くの表面で温度測定を実施し、必要に応じて仮定を調整して、計算温度と測定温度の間で良好な一致を得ることによって検証することができる。例えば、接触熱電対を使用して、外周のさまざまな位置における温度及びオートクレーブ本体201の底部に沿った温度を測定することができる。ある特定の実施形態では、測定はまた、オートクレーブキャップ217内に設けられたフィードスルーに接続されうる内部熱電対を設けることによって、上部チャンバ105内、下部チャンバ107内、及びライナ211の内面上の1つ以上の位置で実施することができる。
【0054】
同様に、
図3を再び参照すると、検証されたモデルは、下部ヒータ305b及び上部ヒータ305aの各々内の1つ以上のホットゾーンに適用された電力レベルの関数としての、カプセル307全体にわたる温度分布、並びに内面、底面215に沿った、及び底部バッフル213に沿った温度分布 を正確に計算できなければならない。このような計算は、ANSYS FLUENT(商標)、StarCCM(商標)、CFD-ACE(商標)などの市販の数値流体力学プログラムを使用して実施することができる。密度、熱伝導率、熱容量、粘度などの材料特性の文献値は、内部加熱型の圧力容器及びヒータの構成材料、並びに例えば、水又はアンモニアなどの超臨界流体にも使用することができる。自由対流に伴う熱伝達は測定が困難でありうる変数に応じて変化する可能性があるため、通常、空気に曝露された表面の熱伝達係数(又は膜係数)について仮定を立てる必要がある。これらの仮定は、計算に用いられる材料特性とともに、適用されたヒータ出力レベルの関数として多くの表面で温度測定を実施し、必要に応じて仮定を調整して、計算温度と測定温度の間で良好な一致を得ることによって検証することができる。例えば、接触熱電対を使用して、高強度エンクロージャリング301及びクラウン部材317の上面及び下面に沿った、外周上のさまざまな位置における温度を測定することができる。ある特定の実施形態では、測定はまた、内部熱電対を設けることによって、上部チャンバ105内、下部チャンバ107内、及びライナ211の内面上の1つ以上の位置で実施することができる。
【実施例】
【0055】
本開示によって提供される実施形態は、以下の実施例を参照することによってさらに示される。当業者にとって、本開示の範囲から逸脱することなく、材料及び方法の両方に対して多くの修正を実施することができることは明らかであろう。
【0056】
実施例1
図2に概略的に示されるものと同様のオートクレーブを準備する。該オートクレーブは、内径120ミリメートル、外径240ミリメートル、内側の高さ1200ミリメートル、及び外側の高さ1320ミリメートルを有する。オートクレーブは、その外側の円筒形表面に、4ゾーンの円筒形ヒータが取り付けられている。オートクレーブの長軸に沿って測定した加熱ゾーンの長さは、220ミリメートル(底部テールゾーン207b)、440ミリメートル(底部メインゾーン207a)、440ミリメートル(上部メインゾーン205b)、及び220ミリメートル(上部テールゾーン205a)である。オートクレーブのヒータゾーン及び底部は、加熱素子への電気負荷を最小限に抑えるために、耐火レンガ又は他の適切な断熱材料(上部ヒータ205、下部ヒータ207、熱絶縁体232)によって取り囲まれている。レンガ断熱壁の外側は、周囲の空気からの対流境界条件の影響を被る。成長チャンバの内部容積が
図10Aに示されている。多結晶栄養113の床は成長チャンバの上半分の栄養ゾーン内に配置される。バッフル109は、ポリGaN床の底部から60.8ミリメートルの位置に配置される。底部バッフル213は、バッフル109から559.9ミリメートル離れた、内部容積の底面215近くの成長チャンバ内に配置される。
図10Bに示されるように、77個のGaNシード結晶111は、11個のシードからなる7層に分割され、垂直方向に均等な間隔で、バッフル109と底部バッフル213との間に分散される。シード間の水平方向の間隔は12.7ミリメートルに維持される。中央バッフルの下の内部成長容積の体積は、成長ゾーンと呼ばれる。上記の機能はすべて、ANSYS SPACECLAIM(商標)及びANSYS FLUENT(商標)を含む、ANSYSソフトウェアスイートを使用してモデル化した。底部加熱ゾーンの使用の効果を研究するために、定常状態の共役熱伝達解析、すなわち、内部容積の数値流体力学とシステム全体の熱伝達解析とを組み合わせた連成解析を実施した。次の2つの異なるケースを検討した:
1)ケース1:底部ゾーンにはワットフラックスを導入せず、ワットフラックスをオートクレーブの側壁に沿って4つのゾーンに適用した。
【0057】
2)ケース2:半径方向に変化するワットフラックスを底端ヒータ231に導入し、ワットフラックスをオートクレーブの側壁に沿って4つのゾーンに適用した。
【0058】
両方のケースで、栄養ゾーンと成長ゾーンの体積平均温度がそれぞれ562℃及び571℃に近づくまで、各ゾーンのワットフラックスを調整した。これらの温度は、単結晶GaNのアモノサーマル成長が起こることが知られている範囲内になるように選択した。実際には、結晶成長の目的に応じて、400℃から850℃の範囲の温度が選択されうる。研究結果が次の表1にまとめられており、底端ヒータ231の端部ゾーンの寸法が
図10Bに示されている。2つのケースにおける内面825の下部に沿った計算された温度分布が
図10Cに示されている。
【0059】
【0060】
底部ヒータが存在しないケース1では、成長ゾーンの体積平均温度を目標値に維持するために、かなりの追加電力を底部テールゾーンに追加する必要があった。
【0061】
ケース2では、5ゾーンの底端ヒータの電力分布は、オートクレーブの外側底面に沿って比較的均一な温度を提供するように選択した。これは、底面215に沿った温度分布よりも実験的測定がはるかに容易である。
【0062】
ケース1では、底面215及び底部バッフル213に沿った温度は、それぞれ、10℃及び1℃変化し、内面825の底部0.2mに沿った温度は約26℃変化した(
図10C)。内面825の底部の最小値の鋭さは、底部テールゾーンのワット数を増加させることによって減少させることができるが、その代償として、高さ0.17mでの局所的な最大温度の大きさが増加し、底面215に沿った温度範囲が増加した。
【0063】
ケース2では、底面215及び底部バッフル213に沿った温度は、それぞれ、1℃及び0.2℃変化し、内面825の底部0.2mに沿った温度は約6℃変化し(
図10C)、顕著な改善となった。
【0064】
実施例2
図3に概略的に示されるものと同様の内部加熱型の高圧装置を準備した。内部加熱型高圧装置の構成材料には、17-4ステンレス鋼、ジルコニア、及びInconel 718が含まれる。
図3及び8に概略的に示されるように、銀で製造された内側カプセル307aと304ステンレス鋼で製造された外側カプセル307bとを含むカプセルをGaNのアモノサーマル結晶成長用に準備し、円筒形ヒータ305内にスライドさせて挿入した。内側カプセルは、内径142ミリメートル、外径145ミリメートルを有しており、高さ749ミリメートルであった。円筒形ヒータは、5つの独立して制御可能なホットゾーンを有していた。内部加熱型高圧装置の有限要素モデルをANSYS FLUENT(商標)に入力した。次に、ヒータ305に埋め込まれた約64個の熱電対と、セラミックリング303との接触付近の最上部及び最下部の高強度エンクロージャリング301、中心軸付近の上部及び下部クラウン部材317の上面及び底面、並びに構造内及び構造のすぐ上及び下の空隙と接触する10個の追加の熱電対とを含む、約74個の熱電対の値を測定すること、並びに測定温度を実験値に等しいワット数をヒータに入力することによって計算した温度と比較することによって、モデルを検証した。
【0065】
CFDを使用して、端部ヒータの半径方向の電力密度がカプセルの直径全体にわたってほぼ均一である場合、カプセルの底部中央付近で顕著な最高温度が存在することが判明した。さらなる分析により、この影響は下部ヒータ305bの底部からクラウン部材317への熱伝導に起因するものであることが示唆された。しかしながら、この影響は、約37ミリメートル未満の半径値ではほぼゼロの電力を生成し、約37ミリメートルから約71ミリメートルの間の半径値では一定の電力密度を生成する、
図7Aに概略的に示されるものと同様の螺旋設計の底端ヒータを使用することによって排除することができよう。同様の結果は、
図7Cに概略的に示されるものと同様の蛇行ヒータを用いて、又は
図7Dに概略的に示されるものと同様の迷路底端ヒータを用いて得ることができる。
【0066】
0.6kWをヒータ305aの最上部(テール)ホットゾーンに印加し、4.3kWをヒータ305aのメインゾーンに印加し、3.4kWを下部ヒータ305bの上部ゾーンに印加し、4.6kWを下部ヒータ305bの下部ゾーンに印加し、0.3kWを下部ヒータ305bの最下部(テール)ゾーンに印加して、CFDケースを計算した。CFDの結果に基づいて、底端ヒータ331に0.7kWを印加された場合、内側カプセル307aの底面215に沿った温度は約1℃以内で一定であり、底面215と内側カプセル307aの内面825の最下部100ミリメートルに沿った温度は約4℃以内で均一であった。同様に、カプセル307の上端にある同一寸法の端部ヒータに0.6kWを印加すると、内側カプセル307aの上面及び最上部100ミリメートルに沿った温度は約1℃以内で均一であった。端部ヒータが存在しない場合、カプセルの底端及び底部付近の領域並びにカプセルの上端及び頂部付近の領域に沿った、対応する温度変動は、それぞれ、約12℃及び約4℃であった。
【0067】
追加の分析は、4つの12ミリメートルの穴及び約5ミリメートルの環状の半径方向の間隙を有し、内側カプセル307aの底面215から約75ミリメートルに配置された底部バッフル213を用いて実施した。約0.07kWから約0.37kWの間の端部ヒータ出力では、温度は底部バッフル213に沿って約1℃以内で均一であることが判明した。
【0068】
実施例3
図3に概略的に示されるものと同様の内部加熱型の高圧装置を準備した。内部加熱型高圧装置の構成材料には、17-4ステンレス鋼、ジルコニア、及びInconel 718が含まれる。
図3に概略的に示されるように、銀で製造された内側カプセルと304ステンレス鋼で製造された外側カプセルとを含むカプセルを、GaNのアモノサーマル結晶成長用に準備し、円筒形ヒータ内にスライドさせて挿入した。内側カプセルは、内径228ミリメートル、外径234ミリメートルを有しており、高さ1257ミリメートルであった。円筒形ヒータは、4つの独立して制御可能なホットゾーンを有していた。内部加熱型高圧装置の有限要素モデルをANSYS FLUENT(商標)に入力した。次に、ヒータ305に埋め込まれた約96個の熱電対と、セラミックリング303との接触付近の最上部及び最下部の高強度エンクロージャリング301、中心軸付近の上部及び下部クラウン部材317の上面及び底面、並びに構造内及び構造のすぐ上及び下の空隙と接触する10個の追加の熱電対とを含む、約106個の熱電対の値を測定すること、並びに測定温度を実験値に等しいワット数をヒータに入力することによって計算した温度と比較することによって、モデルを検証した。
【0069】
約70.5ミリメートル未満の半径値ではほぼゼロの電力を生成し、約70.5ミリメートルから約121ミリメートルの間の半径値では 一定の電力密度を生成する底端ヒータ構成について、CFDケースを計算した。12個の12mm穴と、約5ミリメートルの半径方向の環状間隙とを有し、内側カプセル307aの底面215から約75mm上に位置する底部バッフルが存在した。0.922kWをヒータ305aの最上部(テール)ホットゾーンに印加し、16.989kWを上部ヒータ305aのメインゾーンに印加し、18.0kWを下部ヒータ305bのメインゾーンに印加し、1.08kWを下部ヒータ305bの最下部(テール)ゾーンに印加し、0.30kWを底端ヒータ331に印加すると、内側カプセル307aの底面215に沿った温度は約1℃以内で一定であり、底部バッフル213に沿った温度は約1℃以内で一定であり、内側カプセル307aの内面825の底面215及び最下部200ミリメートルに沿った温度は約11℃以内で均一であった。端部ヒータが存在しない場合、カプセルの底端、底部バッフル、及び底部付近の領域に沿った、対応する温度変動は、それぞれ、約4℃、約2℃、及び約17℃であった。
【0070】
約6ミリメートル未満の半径値ではほぼゼロの電力を生成し、約6ミリメートルから約121ミリメートルの間の半径値では一定の電力密度を生成する底端ヒータ構成について、別のCFDケースを計算した。このケースでは内側カプセル307a内に底部バッフルは存在しなかった。0.975kWをヒータ305aの最上部(テール)ホットゾーンに印加し、17.238kWを上部ヒータ305aのメインゾーンに印加し、18.08kWを下部ヒータ305bのメインゾーンに印加し、0.70kWを下部ヒータ305bの最下部(テール)ゾーンに印加し、0.50kWを底端ヒータ331に印加すると、内側カプセル307aの底面215に沿った温度は約2℃以内で一定であり、内側カプセル307aの内面825の底面215及び最下部200ミリメートルに沿った温度は約8℃以内で均一であった。あるいは、0.975kWをヒータ305aの最上部(テール)ホットゾーンに印加し、17.238kWを上部ヒータ305aのメインゾーンに印加し、18.03kWを下部ヒータ305bのメインゾーンに印加し、0.20kWを下部ヒータ305bの最下部(テール)ゾーンに印加し、1.00kWを底端ヒータ331に印加すると、内側カプセル307aの底面215に沿った温度は約7℃以内で一定であり、内側カプセル307aの内面825の底面215及び最下部200ミリメートルに沿った温度は約3℃以内で均一であった。
【0071】
以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0072】
101 成長チャンバ
103 内部容積
105 上部チャンバ
107 下部チャンバ
109 バッフル
111 シード結晶
113 多結晶栄養
125,127 自由対流
132 上部熱流束
134 底部熱流束
135 栄養ゾーン熱流束
137 成長ゾーン熱流束
139 バッフル熱流束
141 核
143 連続多結晶膜
200 オートクレーブ
201 オートクレーブ本体
205 上部ヒータ
205a 上部テールゾーン
205b 上部メインゾーン
207 下部ヒータ
207a 下部メインゾーン
207b 下部テールゾーン
211 ライナ
213 底部バッフル
215 底面
300 内部加熱型高圧装置
305 ヒータ
305a 上部ヒータ
305b 下部ヒータ
307 カプセル
331 底端ヒータ
341 上端ヒータ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ソルボサーマル結晶成長用の装置において、
垂直配向を有し、上端と下端との間に延びる円筒形部分を有する圧力容器であって、流体内の材料を約5メガパスカル超かつ約2000メガパスカル未満の圧力及び約200℃超かつ約1500℃未満の温度で処理するように構成される、圧力容器、
各々が前記円筒形部分の周りに配置された、上部ゾーンと下部ゾーンとを有する円筒形ヒータ、
第1の表面、円筒形状を有し、前記圧力容器の前記円筒形部分内に位置づけられた成長チャンバであって、前記第1の表面が、前記成長チャンバの底端面若しく上端面、又は前記成長チャンバの前記底端面若しくは前記上端面から250ミリメートル以内に配置されたバッフルの内向き表面の中から選択される、成長チャンバ、及び
少なくとも1つの端部ヒータであって、
結晶成長プロセス中に、前記第1の表面に沿った温度分布の変動が約10℃未満になること、及び
前記結晶成長プロセス中に、第2の表面に沿った温度分布の変動が約20℃未満になり、前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの内径の円筒形部分を含むこと
を可能にするように構成された、少なくとも1つの端部ヒータ
を備えた、ソルボサーマル結晶成長用の装置。
実施形態2
前記第1の表面に沿った温度分布の変動が約5℃未満である、実施形態1に記載の装置。
実施形態3
前記第1の表面に沿った温度分布の変動が約2℃未満である、実施形態1に記載の装置。
実施形態4
前記圧力容器がオートクレーブを含む、実施形態1に記載の装置。
実施形態5
前記圧力容器が内部加熱される、実施形態1に記載の装置。
実施形態6
前記少なくとも1つの端部ヒータ及び前記円筒形ヒータが、結晶成長プロセス中に、前記第2の表面に沿って約10℃以下の温度変動をもたらすようにさらに構成される、実施形態1に記載の装置。
実施形態7
前記少なくとも1つの端部ヒータ及び前記円筒形ヒータが、結晶成長プロセス中に、前記第2の表面に沿って約5℃以下の温度変動をもたらすようにさらに構成される、実施形態6に記載の装置。
実施形態8
前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも200ミリメートルの軸方向距離内に、前記成長チャンバの前記内径の円筒形部分を含む、実施形態1に記載の装置。
実施形態9
前記少なくとも1つの端部ヒータが、方位角的に20%以内で均一な電力密度を提供する、実施形態1に記載の装置。
実施形態10
前記少なくとも1つの端部ヒータが、外側領域の電力密度より少なくとも25%小さい、内側領域内の電力密度を有し、
内側半径が前記内側領域の範囲を画成し、
前記外側領域が前記内側半径と外側半径との間に形成され、
前記内側半径及び外側半径が、前記少なくとも1つの端部ヒータの中心から延び、かつ
前記内側半径の前記外側半径に対する比が少なくとも約3%である、
実施形態1に記載の装置。
実施形態11
前記外側領域の電力密度が、約20%未満の電力密度変動を有する、実施形態10に記載の装置。
実施形態12
前記外側領域が、前記内側半径と第3の半径との間で、半径の関数として増加する電力密度を有し、前記第3の半径が、前記内側半径と前記外側半径との間に位置づけられる、実施形態10に記載の装置。
実施形態13
前記端部ヒータが、螺旋、二重螺旋、蛇行構造、又は迷路構造のうちの1つ以上から選択される構成を有する加熱素子部材を含む、実施形態1に記載の装置。
実施形態14
前記端部ヒータが、前記少なくとも1つの端部ヒータ内の少なくとも1つの加熱素子を支持するように構成されたジャケットを含み、前記ジャケットが、ステンレス鋼、Inconel718、Inconel600、鉄、ニッケル、モリブデン、チタン、及びタンタル、並びにそれらの合金のうちの1つ以上を含む、実施形態1に記載の装置。
実施形態15
前記端部ヒータが、少なくとも2つの独立して制御可能なホットゾーンを含む、実施形態1に記載の装置。
実施形態16
第2の端部ヒータ又は上部絶縁体/ヒータのうちの1つをさらに含み、前記第2の端部ヒータ又は上部絶縁体/ヒータが、
結晶成長プロセス中に、第3の表面に沿った温度分布の変動が約10℃未満になり、前記第3の表面が、前記成長チャンバの前記第1の表面とは反対側の端部に近接しており、前記成長チャンバの前記底端面又は上端面、及び前記成長チャンバの前記底端面又は上端面から250ミリメートル以内に配置された前記バッフルの前記内向き表面の中から選択されること、及び
結晶成長プロセス中に、第4の表面に沿った温度分布の変動が約20℃未満になり、前記第4の表面が、前記第3の表面に近接した前記成長チャンバの端部から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの前記内径の円筒形部分を含むこと
を可能にするように構成される、実施形態1に記載の装置。
実施形態17
前記第3の表面に沿った温度の変動が約5℃未満である、実施形態16に記載の装置。
実施形態18
前記第2の端部ヒータ又は前記上部絶縁体/ヒータ及び前記円筒形ヒータが、前記結晶成長プロセス中に、前記第4の表面に沿った温度分布を約10℃以内で一定にすることができるようにさらに構成される、実施形態16に記載の装置。
実施形態19
前記圧力容器がオートクレーブを含み、前記上部絶縁体/ヒータが熱を生成する能力を備えている、実施形態16に記載の装置。
実施形態20
ソルボサーマル結晶成長用の装置であって、
垂直配向を有し、上端と下端との間に延びる円筒形部分を有する圧力容器であって、流体内の材料を約5メガパスカル超かつ約2000メガパスカル未満の圧力及び約200℃超かつ約1500℃未満の温度で処理するように構成される、圧力容器、
各々が前記円筒形部分の周りに配置された、上部ゾーンと下部ゾーンとを有する円筒形ヒータ、
第1の表面、円筒形状を有し、前記圧力容器の前記円筒形部分内に位置づけられた成長チャンバであって、前記第1の表面が、前記成長チャンバの前記底端面又は前記上端面の中から選択される、成長チャンバ、
前記成長チャンバの下部内に配置された複数のシード結晶、
前記成長チャンバの上部チャンバ部分内に配置された、複数の多結晶栄養チャンク、
前記複数のシード結晶と前記複数の多結晶栄養チャンクとの間に位置づけられたバッフル、及び
少なくとも1つの端部ヒータであって、
結晶成長プロセス中の前記第1の表面に沿った温度分布の約10℃未満の変動、及び
前記結晶成長プロセス中の第2の表面に沿った温度分布の約20℃未満の変動であって、前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの内径の円筒形部分を含む、変動
を可能にするように構成された、少なくとも1つの端部ヒータ
を備えた、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソルボサーマル結晶成長用の装置において、
垂直配向を有し、上端と下端との間に延びる円筒形部分を有する圧力容器であって、流体内の材料
を5メガパスカル超か
つ2000メガパスカル未満の圧力及
び200℃超か
つ1500℃未満の温度で処理するように構成される、圧力容器、
各々が前記円筒形部分の周りに配置された、上部ゾーンと下部ゾーンとを有する円筒形ヒータ、
第1の表面、円筒形状を有し、前記圧力容器の前記円筒形部分内に位置づけられた成長チャンバであって、前記第1の表面が、前記成長チャンバの底端面若しく
は上端
面の中から選択される、成長チャンバ、及び
前記第1の表面と熱的に接触したディスク形状部材を含む少なくとも1つの端部ヒータであって、
結晶成長プロセス中に、前記第1の表面に沿った
または前記第1の表面の100ミリメートル以内に位置づけられたバッフルの内向き表面に沿った温度分布の変動
が10℃未満になること、及び
前記結晶成長プロセス中に、第2の表面に沿った温度分布の変動
が20℃未満になり、前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの内径の円筒形部分を含むこと
を可能にするように構成された、少なくとも1つの端部ヒータ
を備えた、ソルボサーマル結晶成長用の装置。
【請求項2】
前記第1の表面に沿った
または前記バッフルの内向き表面に沿った温度分布の変動
が5℃未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の表面に沿った
または前記バッフルの内向き表面に沿った温度分布の変動
が2℃未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの端部ヒータ及び前記円筒形ヒータが、結晶成長プロセス中に、前記第2の表面に沿っ
て10℃以下の温度変動をもたらすようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの端部ヒータ及び前記円筒形ヒータが、結晶成長プロセス中に、前記第2の表面に沿っ
て5℃以下の温度変動をもたらすようにさらに構成される、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの端部ヒータが、外側領域の電力密度より少なくとも25%小さい、内側領域内の電力密度を有し、
内側半径が前記内側領域の範囲を画成し、
前記外側領域が前記内側半径と外側半径との間に形成され、
前記内側半径及び外側半径が、前記少なくとも1つの端部ヒータの中心から延び、かつ
前記内側半径の前記外側半径に対する比が少なくと
も3%である、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記外側領域の電力密度が
、20%未満の電力密度変動を有する、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記外側領域が、前記内側半径と第3の半径との間で、半径の関数として増加する電力密度を有し、前記第3の半径が、前記内側半径と前記外側半径との間に位置づけられる、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記端部ヒータが、螺旋、二重螺旋、蛇行構造、又は迷路構造のうちの1つ以上から選択される構成を有する加熱素子部材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記端部ヒータが、前記少なくとも1つの端部ヒータ内の少なくとも1つの加熱素子を支持するように構成されたジャケットを含み、前記ジャケットが、ステンレス鋼、Inconel718、Inconel600、鉄、ニッケル、モリブデン、チタン、及びタンタル、並びにそれらの合金のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記端部ヒータが、少なくとも2つの独立して制御可能なホットゾーンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも200ミリメートルの軸方向距離内に、前記成長チャンバの前記内径の円筒形部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの端部ヒータが、方位角的に20%以内で均一な電力密度を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記圧力容器がオートクレーブを含む、
請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記円筒形ヒータが、前記圧力容器の半径方向閉じ込め構造と前記成長チャンバとの間に配置される、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの端部ヒータが、
前記第1の表面と熱的に接触した第1の端部ヒータ、および
第2の端部ヒータ又は上部絶縁体/ヒータのうちの1つ
、
をさらに含み、
前記第2の端部ヒータ又は上部絶縁体/ヒータが、
前記成長チャンバの前記第1の端部ヒータとは反対側の端部上に、熱的に接触して位置づけられたディスク形状部材を含み、
結晶成長プロセス中に、
前記成長チャンバの前記反対側の端部の表面に沿った温度分布の変動
が10℃未満に
なること、及び
結晶成長プロセス中に、
円筒形表面に沿った温度分布の変動
が20℃未満になり、前記
円筒形表面が
、前記成長チャンバの
前記反対側の端部から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの前記内径の円筒形部分を含むこと
を可能にするように構成される、
請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記成長チャンバの前記反対側の端部の表面に沿った温度の変動
が5℃未満である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2の端部ヒータ又は前記上部絶縁体/ヒータ及び前記円筒形ヒータが、前記結晶成長プロセス中に、前記
円筒形表面に沿った温度分布
を10℃以内で一定にすることができるようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記圧力容器がオートクレーブを含み、前記上部絶縁体/ヒータが熱を生成する能力を備えている、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
ソルボサーマル結晶成長用の装置であって、
垂直配向を有し、上端と下端との間に延びる円筒形部分を有する圧力容器であって、流体内の材料
を5メガパスカル超か
つ2000メガパスカル未満の圧力及
び200℃超か
つ1500℃未満の温度で処理するように構成される、圧力容器、
各々が前記円筒形部分の周りに配置された、上部ゾーンと下部ゾーンとを有する円筒形ヒータ、
第1の表面、円筒形状を有し、前記圧力容器の前記円筒形部分内に位置づけられた成長チャンバであって、前記第1の表面が、前記成長チャンバの前記底端面又は前記上端面の中から選択される、成長チャンバ、
前記成長チャンバの下部内に配置された複数のシード結晶、
前記成長チャンバの上部チャンバ部分内に配置された、複数の多結晶栄養チャンク、
前記複数のシード結晶と前記複数の多結晶栄養チャンクとの間に位置づけられたバッフル、及び
前記第1の表面と熱的に接触したディスク形状部材を含む少なくとも1つの端部ヒータであって、
結晶成長プロセス中の前記第1の表面に沿った温度分布
の10℃未満の変動、及び
前記結晶成長プロセス中の第2の表面に沿った温度分布
の20℃未満の変動であって、前記第2の表面が、前記第1の表面から少なくとも100ミリメートルの軸方向距離内に前記成長チャンバの内径の円筒形部分を含む、変動
を可能にするように構成された、少なくとも1つの端部ヒータ
を備えた、装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】