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  • 特表-ナノワイヤの成長 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ナノワイヤの成長
(51)【国際特許分類】
   C25C 1/00 20060101AFI20241010BHJP
   C25C 1/12 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
C25C1/00 301A
C25C1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522112
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2022077019
(87)【国際公開番号】W WO2023061759
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021126435.9
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519323089
【氏名又は名称】ナノワイヤード ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NanoWired GmbH
【住所又は居所原語表記】Emanuel-Merck-Strasse 99, 64579 Gernsheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビヨレム,オラフ
(72)【発明者】
【氏名】ダッシンガー,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ケドナウ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ルステイエ,ファラフ
【テーマコード(参考)】
4K058
【Fターム(参考)】
4K058BA21
4K058DD06
4K058DD14
4K058DD15
4K058DD17
(57)【要約】
複数のナノワイヤ(2)を製造するための装置(1)である。装置(1)は、導電性表面(3)と、フォイル(4)と、第1の電解質透過層(8)と、第1の電解質透過層(8)よりも圧縮されやすい第2の電解質透過層(9)とを備えている。これらの構成要素は上記の順序で配置されている。フォイル(4)は、フォイル(4)の第1の面(6)からフォイル(4)の第1の面(6)とは反対側の第2の面(7)まで延在する複数の流路(5)を有する。装置(1)は電極(10)をさらに有する。導電性表面(3)と電極(10)との間に電圧を印加して、フォイル(4)の各流路(5)内に電解質からの電解析出させることによって、ナノワイヤ(2)を導電性表面(3)上に成長させることができるように、装置(1)は構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナノワイヤ(2)を製造するための装置(1)であって、
導電性表面(3)と、
フォイル(4)であって、
該フォイル(4)の第1の面(6)から、該フォイル(4)の第1の面(6)とは反対側の第2の面(7)まで延在する複数の流路(5)を有する
フォイル(4)と、
第1の電解質透過層(8)と、
前記第1の電解質透過層(8)よりも圧縮されやすい第2の電解質透過層(9)と、
を備えており、
前記これらの構成要素は上記の順序で配置されており、
該装置(1)は、電極(10)をさらに有し、
前記導電性表面(3)と前記電極(10)との間に電圧を印加して、前記フォイル(4)の前記各流路(5)内に電解質から電解析出させることによって、ナノワイヤ(2)を前記導電性表面(3)上に成長させることができるように、該装置(1)は構成されている、
装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(1)であって、
前記第1の電解質透過層(8)及び前記第2の電解質透過層(9)は、多孔質に構成されており、
前記第2の電解質透過層(9)は、第1の電解質透過層8よりも大きな平均細孔径を有する、
装置(1)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置(1)であって、
圧縮されていない状態において、前記第2の電解質透過層(9)は、前記導電性表面(3)に垂直な方向に、前記第1の電解質透過層(8)よりも長く延在している、
装置(1)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(1)であって、
前記第1の電解質透過層(8)は、セルロースで形成されている、
装置(1)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(1)であって、
前記第2の電解質透過層(9)は、スポンジである、
装置(1)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(1)であって、
前期装置(1)は、前記第2の電解質透過層(9)において前記導電性表面(3)の方向に力を発生させるための押圧装置(11)をさらに備える、
装置(1)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(1)であって、
前記装置(1)は、リソグラフィ層(13)を有する基板(12)をさらに備え、
前記リソグラフィ層(13)は、1つ又は複数の凹部(14)を有し、
前記導電性表面(3)は、前記1つの凹部(14)又は複数の凹部(14)内に形成される、
装置(1)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(1)を用いて複数のナノワイヤ(2)を製造する方法であって、
前記導電性表面(3)と前記電極(10)との間に電圧を印加して、前記フォイル(4)の前記各流路(5)内に電解質から電解析出させることによって、前記ナノワイヤ(2)を前記導電性表面(3)上に成長させる、
方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記第2の電解質透過層(9)は、少なくとも一時的に、前記導電性表面(3)の方向に押圧される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面上でのナノワイヤの成長に関する。
【背景技術】
【0002】
電解質からの電解析出によって導電性表面上にナノワイヤを成長させることが知られている。その一例としては、特許文献1に記載されているものがある。この場合、成長させる表面にフォイルが貼り付けられている。フォイルは連続した流路を有し、特許文献1では細孔と呼ばれている。この流路内にナノワイヤを成長させることができる。その後、成長したナノワイヤを露出させるために、例えばエッチングによってフォイルは除去することができる。
【0003】
ナノワイヤは、特に、部品を互いに接続するのに使用することもできる。このため、ナノワイヤは一方又は両方の部品の表面に成長させる。その後、これらの部品は、一方の部品のナノワイヤが他方の部品の表面に接続されるように結合されるか、又は、2つの部品の表面のナノワイヤが互いに接続されるように結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2017 104 906
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ナノワイヤは、表面上に均一に成長することが望ましい。これには、電解質がフォイル上に均一に分布する必要がある。このため、特許文献1によれば、電解質を供給する手段としてスポンジが備えられている。このスポンジを介してフォイル上に電解質を分布することができる。
【0006】
スポンジによって、フォイルを表面に押圧することもできる。これは、ナノワイヤを成長させる表面とフォイルの間における望ましくない位置に材料が堆積するのを防ぐことを目的としている。このような押圧を行わないと、ナノワイヤを成長させる表面と、ナノワイヤを成長させる予定の領域の外側のフォイルとの間に、材料が蓄積してしまう可能性もある。この効果を以下では「横方向成長」と呼ぶ。横方向の成長が望ましくない場合は、これは「寄生的な横方向成長」とも呼ばれることもある。このような横方向の成長は、、ナノワイヤを成長させる表面にフォイルを十分に強く押圧することによって防止することができる。しかしながら、このやり方では、スポンジの細孔が詰まったり、フォイルの流路が閉塞したりする可能性があり、その結果、ナノワイヤが不均一に成長してしまうことになる。
【0007】
このような横方向の成長の問題があるにも関わらず、ナノワイヤの成長させる際に成長対象の表面にフォイルを押圧することが望ましい。これにより、ナノワイヤを表面上に直接成長させることができる。ナノワイヤを成長させる表面上にフォイルがぴったり載置されない場合は、成長させる表面とフォイルとの間に材料が余分に蓄積される。これにより、ナノワイヤが不安定になる可能性がある。さらに、堆積された材料から固まり厚くなった領域が初期段階で形成され、これはバンプ(Bump)と呼ばれることがある。このようなバンプによって、互いに接続される部品の表面間に、望ましくない大きなギャップが形成される可能性がある。さらに、このようなバンプにより、部品同士が互いから比較的大きな間隔で接続することしかできなくなる可能性がある。特に面的な広がりで接触する場合、接続の幾何学的高さ、又は、互いに接続される部品同士の全体の厚さが、望ましいものよりも大きくなる可能性がある。これは、携帯電話、タブレット、テレビなどの幾何学的に難しいモジュールの場合に特に重要である。
【0008】
特許文献1における解決策ではすでに良好な結果が得られているかもしれないが、それでもこの場合、ナノワイヤの均一な成長と、成長させる表面へのフォイルの押圧との間で妥協点を見つける必要がある。
【0009】
上記従来技術に基づいて、本発明の目的は、特に均一に、特に横方向成長を少なく、且つ、特に安定して、ナノワイヤを成長させる方法を提供することにある。
【0010】
この目的は、独立請求項に記載の方法及び装置によって達成される。さらに有利な構成は、従属請求項に記載されている。特許請求の範囲及び明細書に詳述する特徴は、技術的に有意な任意の態様で互いに組み合わせ可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、複数のナノワイヤを製造するための装置が提供される。本装置は、
導電性表面と、
フォイルであって、フォイルの第1の面からフォイルの第1の面とは反対側の第2の面まで延在する複数の流路を有するフォイルと、
第1の電解質透過層と、
第1の電解質透過層よりも圧縮されやすい第2の電解質透過層と、
を備えており、これらの構成要素は上記の順序で配置されている。本装置は、電極をさらに有する。また、本装置は導電性表面と電極との間に電圧を印加して、フォイルの各流路内に電解質から電解析出させることによって、ナノワイヤを導電性表面上に成長させることができるように構成されている。
【0012】
上記装置によれば、導電性表面上に複数のナノワイヤを生成することができ、特に電解析出成長により、生成することができる。導電性表面は、導電体の一部であってもよい。非導電性の物体に又は導電性が不十分な物体にナノワイヤを製造することを意図している場合、導電性表面が得られるように物体の表面又はその一部を金属化してもよい。
【0013】
ここでいうナノワイヤとは、ワイヤに類似した形状とナノメートル範囲のサイズを有する、任意の物体を意味するものとする。ナノワイヤは、例えば、円形、楕円形、又は多角形の底面を有してもよい。特に、ナノワイヤは、六角形の底面を有してもよい。ナノワイヤは、金属、例えば銅から形成されることが好ましい。ナノワイヤは全て、同じ材料から形成されることが好ましい。ナノワイヤは、表面に対して垂直であることが好ましい。この場合、ナノワイヤは芝生状に配置される。
【0014】
ナノワイヤは、100nm[ナノメートル]~100μm[マイクロメートル]の範囲、特に500nm~50μmの範囲の長さを有することが好ましい。さらに、ナノワイヤは、10~10,000nmの範囲、特に30~4,000nmの範囲の直径を有することが好ましい。ここでいう「直径」とは円形の基面を指し、それとは異なる基面の場合にも、直径の同様の定義が用いられる。使用するナノワイヤは全て同じ長さ及び同じ直径を有することが特に好ましい。
【0015】
ナノワイヤは、特に、部品を互いに接続するのに使用することができる。例えば、第1の部品の接触面上及び第2の部品の接触面上に、ナノワイヤを成長させてもよい。この場合、2つの接触面はそれぞれ、上記装置の導電性表面として使用される。その後、これら2つの部品は、2つの接触面のナノワイヤが互いに接触するようにされてもよい。ナノワイヤの表面積が大きいため、力学的に安定した接続が形成される。これにより、導電性ナノワイヤの場合は導電性を有するものでもあり、又は、熱伝導性ナノワイヤの場合は熱伝導性を有するものでもあり、又は、その両方である。この接続は、多大な費用をかけずに形成可能である。特に、エレクトロニクス産業における従来の接続技術、例えばはんだ付けの際に必要となるような高温は必要ではない。この接続は、両部品とともに、高い圧力で一時的に押圧することによって強化することができる。或いは、両部品のうち第1の部品の接触面のみにナノワイヤを成長させる場合も、部品同士を接続することもできる。部品同士を合わせて加熱する(例えば、少なくとも90℃)と、ナノワイヤが第2の部品の接触面に接続されるようになる。いずれの方法でも、接続を強化するために接着剤をさらに使用してもよい。
【0016】
上記装置は、フォイルをさらに備えており、このフォイルは複数の流路を有しており、これらの流路はフォイルの第1の面からフォイルの第1の面とは反対側の第2の面へと延在している。各流路は連続しており、フォイル内に延在している。各流路は、成長させるナノワイヤと同じように配置され且つ構成されている。電解析出成長により、各流路を材料で満たしてナノワイヤを製造することができる。ナノワイヤを成長させた後、フォイルは、例えばエッチングによって除去することができる。これにより、ナノワイヤを露出させ、例えば、部品同士の接続に利用してもよい。
【0017】
上記装置は、第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層をさらに備える。各ナノワイヤを均一に成長させるために、2つの電解質透過層を一緒に使用して、フォイル上に電解質を均一に分布させる。また、横方向の成長を制限するため、且つ、フォイルと導電性表面との間に材料が過剰に堆積するのを防ぐために、フォイルを2つの電解質透過層によって導電性表面上に押圧してもよい。このように第1の電解質透過層と、より圧縮されやすい第2の電解質透過層とに分けることによって、これらの利点を同時にある程度まで達成することができる。第1の電解質透過層は、第2の電解質透過層よりも圧縮されにくい。これにより、第2の電解質透過層に導電性表面の方向に力が加わると、特に第2の電解質透過層が圧縮される。この場合、フォイルは、第1の電解質透過層によって、導電性表面又はリソグラフィ層又はその両方の上に押圧される。これにより、フォイルと導電性表面の間に材料が過剰に蓄積するのを防ぐ。その結果、横方向の成長が制限される。第2電解質透過層が圧縮されると、第2電解質透過層から第1電解質透過層上に電解質が均一に供給されなくなる可能性がある。しかしながら、第1の電解質透過層は第2の電解質透過層よりも圧縮されにくいので、第1の電解質透過層は第2の電解質透過層に比べてあまり強く圧縮されていない。これにより、第1の電解質透過層の細孔は、第2の電解質透過層の細孔よりも開いた状態が維持される。不均一となる可能性があった、第2の電解質透過層から第1の電解質透過層への電解質の供給が、これにより補償される。その結果、電解質が第1の電解質透過層からフォイル上へと均一に供給され、フォイルの各流路内に各ナノワイヤを均一に成長させることができる。上記装置は、異なる特性を有する2つの電解質透過層を有する。この装置はまた、3つ以上の電解質透過層を有していてもよい。これにより、個々の電解質透過層においてさらに細かく機能的に分布させることが可能になるため、それに応じて上記利点がより達成され得る。
【0018】
フォイルは、第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層によって、導電性表面に押圧することができる。こうして押圧することにより、第2の電解質透過層から第1の電解質透過層に電解質を供給することができ、また、第1の電解質透過層からフォイルに電解質を供給することができる。電解質透過層が1つだけしかない場合、圧縮しやすくすることで、押圧による電解質の供給が可能となるようにしてもよい。この場合、ばねシステムとしての電解質透過層は、ナノワイヤを成長させる表面上又はフォイル上又はその両方に局所的に凹凸があることを埋め合わせることができ、さらに、成長させる表面全体にわたって、その成長させる表面上にフォイルが均一に押圧されることを確実にすることができる。しかしながら、この方法では、印加する力の増加に伴って電解質透過層の密度が増大し、その結果、電解質がアクセスしにくいゾーンが電解質透過層の内側に形成される。このため、ナノワイヤの成長中に電解質が局所的に枯渇してしまう可能性がある。これにより、ナノワイヤが不均一に成長する可能性がある。さらに、電解質透過層の細孔が詰まったり、又は、フォイルの流路が閉塞したりする可能性がある。
【0019】
或いは、電解質透過層は、上述の欠点が生じない程度に圧縮されやすいものであってもよい。この場合、電解質透過層の微小空洞は、印加する力が増加しても一定に保つことができる。これにより、電解質透過層内で電解質を混合することが、印加する力の広い範囲にわたって良好に達成可能となる。しかしながら、圧縮しにくい電解質透過層の欠点は、ナノワイヤを成長させる表面又はフォイル又はその両方の凹凸を十分に埋め合わせできないことである。したがって、成長させる表面上には、成長させる表面上にフォイルがかなりしっかりと押圧されるゾーンと、その表面とフォイルの間に隙間がまだ残っているゾーンとが存在する可能性がある。
【0020】
上記装置により、前述の欠点を克服することができる。2つの電解質透過層を組み合わせることにより、一方では、凹凸を埋め合わせるためにバネ効果が達成され得る。他方では、印加する力が大きい場合でも、フォイルの流路の詰まりを防ぐことができ、電解質の混合を良好に維持することができる。これは、電解質が最初に第2の電解質透過層によって大まかに広げられることができ、且つ、第2の電解質透過層を第1の電解質透過層上に押圧することによって供給されることができるからである。そして、第1の電解質透過層においては、微細な広がりさえあればよく、圧縮されにくいにもかかわらず電解質を良好に供給できるように構成され得る。圧縮されにくい第1の電解質透過層内では、細孔が開いた状態をより容易に維持することができる。
【0021】
第1の電解質透過層は、圧縮性が無視できる程度であることが好ましく、非圧縮性と称することもある。ここでは、装置の動作中に通常は発生する力によって、第1の電解質透過層が大きく圧縮されないことを意味するものと理解されるべきである。
【0022】
第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層は、電解質に対して透過性を有する。これは特定の方向に限定されるものではない。特に、電解質は、第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層を導電性表面に垂直な方向に透過するだけでなく、第1の電解質透過層の内部又は第2の電解質透過層の内部で導電性表面と平行に移動することもできる。したがって、電解質は、第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層によって、導電性表面と平行に広がることができる。これにより、各ナノワイヤが特に均一に成長することが可能となる。第1電解質透過層及び第2電解質透過層は多孔質であることが好ましいが、これは、第1電解質透過層及び第2電解質透過層がもともと開放した構造を有するとも言える。
【0023】
第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層は、多孔質であることが好ましい。その場合、これらの層を、第1の多孔質層、第2の多孔質層と呼んでもよい。ここで、多孔質とは、第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層が多孔状であり、電解質を透過させることができることを意味する。
【0024】
第1の電解質透過層及び/又は第2の電解質透過層は、それぞれ布地として形成されていてもよい。
【0025】
フォイルは、フォイルに垂直な方向にのみ電解質を透過できるように構成されていることが好ましい。したがって、電解質は、フォイルを通して導電性表面と平行に移動することができない。これにより、フォイルは、特に、第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層とは異なる。したがって、フォイルは、ここでいう用語の意味においては、多孔質ではない。これを強調するために、ここでは、フォイルの流路を細孔とは呼ばない。フォイルの各流路はそれぞれ分岐していないことが好ましい。各流路は、互いから分離されていることが好ましい。したがって、各流路は、分岐したり又は互いに接続されたりする流路のネットワークを形成しない。
【0026】
この装置は、電極をさらに有する。この装置は、電圧源をさらに有することが好ましく、この電圧源は、一方では導電性表面に接続されており、他方では電極に接続されている。この電圧源により、各ナノワイヤを成長させるために、導電性表面と電極との間に電圧を印加することができる。
【0027】
この装置の各構成要素は、導電性表面、フォイル、第1の電解質透過層、第2の電解質透過層の順序で配置される。電極は、この順序で第2の電解質透過層に続くことが好ましい。
【0028】
電極は、第2の電解質透過層上に位置することが好ましい。しかしながら、例えば、電極と第2の電解質透過層との間に中間層を設けることも考えられ、この場合は、例えばさらなる電解質透過層の形態で設けることが考えられる。第2の電解質透過層は、第1の電解質透過層の上に位置することが好ましい。しかしながら、例えば、第2の電解質透過層と第1の電解質透過層との間に中間層を設けることも考えられ、この場合は、例えばさらなる電解質透過層の形態で設けることが考えられる。第1の電解質透過層は、フォイル上に位置することが好ましい。しかしながら、例えば、第1の電解質透過層とフォイルとの間に中間層を設けることも考えられ、この場合は、例えばさらなる電解質透過層の形態で設けることが考えられる。いずれの場合も、「位置する」とは、それぞれの構成要素間に直接的な接触があることを意味する。
【0029】
フォイルは導電性表面上に位置していてもよい。ただし、これは必須ではない。これは、特に、導電性表面がリソグラフィ層の凹部に形成される場合に当てはまる。その場合、フォイルはリソグラフィ層上に位置することが好ましい。リソグラフィ層及び導電性表面の構成によっては、導電性表面とフォイルとの間に空いた空間が形成される場合がある。ナノワイヤが成長する間、この空いた空間はナノワイヤの材料で満たされる。フォイルの流路がその材料で満たされるのは、その後である。
【0030】
導電性表面、フォイル、第1の電解質透過層、第2の電解質透過層は、層構造を形成することが好ましい。導電性表面に垂直な方向は、積層方向と呼んでもよい。フォイル、第1の電解質透過層、第2の電解質透過層は、それぞれ積層方向に対して垂直に形成されていることが好ましい。これは、特に、フォイルが層状に構成されている好適な場合に当てはまる。また、電極は層構造の一部であることが好ましい。また、電極は層として構成され、特に、積層方向に対して垂直に形成されていることが好ましい。
【0031】
上記装置は、導電性表面と電極との間に電圧を印加して、フォイルの各流路内に電解質から電解析出させることによって、ナノワイヤを導電性表面上に成長させることができるように構成されている。電解質を供給することによって、ナノワイヤを成長させることができる。この電解質は、ナノワイヤの材料を電解析出させることができる液体であることが好ましい。ナノワイヤを成長させる間において、電解質は、電極と導電性表面の両方が電解質と接触し、電解質を介して互いに接続されるように、配置されている。これは、特に、フォイルの各流路、第1の電解質透過層の各細孔、及び第2の電解質透過層の各細孔が、電解質で満たされることによって可能となる。例えば、電解質は、第2の電解質透過層に導入され、第2の電解質透過層及び第1の電解質透過層によってフォイルの各流路上に広げられてもよい。上記装置は、例えば、電解質用のチャンバを備えていてもよい。このチャンバは、ナノワイヤが成長する間は、電解質で満たされる。
【0032】
上記装置によれば、基板の広い面積にわたってナノワイヤを設けることができる。しかしながら、上記装置は、特に、構造化された基板上にナノワイヤを成長させるのにも適している。例えば、リソグラフィ層の凹部内でのみナノワイヤを成長させるように、基板の表面をリソグラフィ手段によって構造化することができる。上記装置では横方向の成長を特に大幅に制限できるので、ナノワイヤを有する複数の領域を、ナノワイヤを有する隣接領域同士の間に電気的接触を生じることなく、特に近接して配置することができる。例えば、各導電パッドは、互いからは小さな間隔を有しており且つ互いに電気的に絶縁されているが、これらの導電パッドには、導電パッド同士の間を短絡させる横方向成長を生じさせることなく、ナノワイヤを成長させることが可能である。したがって、上記装置によって、複数の電気接点を有する各部品を互いに接続する目的で、ナノワイヤを成長させることが可能である。ナノワイヤを成長させた各導電パッドによって、互いから分離した導電性接続を多数、2つの部品同士の間に形成することができ、これらの導電性接続は、同時に、力学的に強固に又は熱伝導的に又はその両方で、部品同士を互いに接続している。
【0033】
本装置の好ましい実施形態の一つにおいては、第1の電解質透過層及び第2の電解質透過層は多孔質となるよう構成されており、第2の電解質透過層は第1の電解質透過層よりも大きな平均細孔径を有する。
【0034】
本実施形態では、第2の電解質透過層は、第1の電解質透過層よりも粗い多孔質である。これにより、第2の電解質透過層は、比較的大きな平均細孔径を有する。したがって、第2の電解質透過層は、電解質の透過性が高く、そのため、電解質が特に良好に広がることができる。しかしながら、第2の電解質透過層がフォイル上に直接位置する場合は、孔径が大きいと不利になる。第2の電解質透過層をフォイル上に押圧すると、フォイルの複数の流路のうちの幾つかが第2の電解質透過層の材料によって閉塞する可能性がある。これを防止するために、第1の電解質透過層が設けられる。その細孔はより小さいので、各流路それぞれに、第1の電解質透過層の細孔の1つを介して、電解質が実際に供給される可能性がより高くなる。これには、第1の電解質透過層が第2の電解質透過層よりも圧縮されにくいことも寄与している。したがって、比較的大きな押圧力を加えても、第1電解質透過層の細孔は開いたままとなる。
【0035】
非圧縮状態において、第1の電解質透過層は、フォイルの1つの流路の断面積の大きさの領域内に平均して複数の細孔開口部が存在するように、その表面に多数の細孔開口部を有することが好ましい。したがって、流路はそれぞれ、複数の細孔開口部を介して電解質が供給されてもよい。
【0036】
第2の電解質透過層は、第1の電解質透過層よりも1~20倍大きい平均細孔径を有することが好ましい。第2の電解質透過層は、第1の電解質透過層よりも1~20倍多くの細孔を有することが好ましい。
【0037】
第2の電解質透過層の各細孔は、30~400nmの範囲、特に100~220nmの範囲にあることが好ましい。
【0038】
本装置の別の好ましい実施形態においては、非圧縮状態において、第2の電解質透過層は、導電性表面に垂直な方向に、第1の電解質透過層よりも長く延在している。
【0039】
これにより、積層方向において、圧縮されていない第2の電解質透過層は、圧縮されていない第1の電解質透過層よりも大きな広がりを有する。これは、両方が圧縮されていないとき、第2の電解質透過層が第1の電解質透過層よりも厚いと言うこともできる。第2の電解質透過層は、圧縮されていない状態において、導電性表面に垂直な方向に、第1の電解質透過層よりも2~20倍長く延在している。
【0040】
上述のように第1の電解質透過層と第2の電解質透過層との間を分割することにより、各ナノワイヤの成長の均一性と横方向成長の制限に関して、最良の結果が得られることが分かった。第2電解質透過層は比較的大きいため、十分に圧縮することができる。圧縮されにくい第1の電解質透過層は、その機能を果たすために、さらに大きくする必要はない。これは、特に、第1の電解質透過層においては、電解質は微細に広がればよいからである。
【0041】
本装置の別の好ましい実施形態では、第1の電解質透過層はセルロースで形成されている。
【0042】
セルロースは第1の電解質透過層に特に適した材料であることが分かった。したがって、第1の電解質透過層はセルロースのみから形成されることが好ましい。しかしながら、上述の利点は、第1の電解質透過層がある割合でセルロースを有することですでに達成されている。第1の電解質透過層は、少なくとも50%がセルロースから形成されることが好ましい。
【0043】
本装置の別の好ましい実施形態では、第2の電解質透過層はスポンジである。
【0044】
別の好ましい実施形態では、本装置は、第2の電解質透過層において導電性表面の方向に力を発生させるための押圧装置をさらに備える。
【0045】
押圧装置はプランジャを備えることが好ましい。この押圧装置を用いることで、上述の層構造の層を圧縮することができる。これにより、特に、導電性表面上や、例えばリソグラフィ層上に、フォイルを押圧することが可能となる。したがって、横方向の成長を防止することが可能である。電極が第2の電解質透過層上に位置する場合、プランジャは電極に係合することが好ましい。電極はプランジャの一部であってもよい。
【0046】
押圧装置の代わりに、第2の電解質透過層を、例えば手動で、導電性表面の方向に押圧することもできる。
【0047】
別の好ましい実施形態では、本装置は、リソグラフィ層を有する基板をさらに備え、リソグラフィ層は1つ又は複数の凹部を有し、導電性表面は1つの凹部又は複数の凹部内に形成される。
【0048】
このリソグラフィ層は、基板上に位置していることが好ましい。フォイルは、リソグラフィ層上に位置していることが好ましい。ナノワイヤを成長させる導電性表面は、リソグラフィ層の1つの凹部又は複数の凹部に形成される。基板は、例えば、シリコンからなる、半導体基板であることが好ましい。この基板はウエハとして構成されていてもよい。導電性表面を得るために、リソグラフィ層の1つの凹部又は複数の凹部において、基板を金属化してもよい。これにより、ナノワイヤの成長を局所的に制限することができる。基板自体がすでに導電性を有する場合、リソグラフィ層自体の1つの凹部又は複数の凹部の基板表面は、ナノワイヤを成長させる導電性表面と見なすことができる。リソグラフィ層は、導電性表面に垂直な方向に0.1~10μm[マイクロメートル]の範囲の大きさであることが好ましい。
【0049】
特に、本実施形態では、導電性表面とフォイルとの間に空いた空間が形成される場合がある。ナノワイヤが成長する間、この空いた空間はナノワイヤの材料で満たされ、その後、ナノワイヤがフォイルの各流路内にも成長する。
【0050】
リソグラフィ層は、複数の凹部を有することが好ましい。凹部は規則的に配置されていることが好ましい。この場合のピッチは、1~10μm[マイクロメートル]の範囲内であることが好ましい。ここで言うピッチとは、隣接する凹部同士の中心間隔を意味するものとする。
【0051】
本発明のさらなる態様として、上述のように構成された装置を用いて複数のナノワイヤを製造する方法が提案されている。本方法では、導電性表面と電極との間に電圧を印加して、フォイルの各流路内に電解質から電解析出させることによって、ナノワイヤを導電性表面上に成長させる。
【0052】
本装置の前述の利点及び特徴は、本方法に適用可能且つ転用可能であり、またその逆も同様である。本装置は、本方法に従って動作するよう構成されることが好ましい。
【0053】
本方法の好ましい実施形態の1つにおいては、第2の電解質透過層は、少なくとも一時的に、導電性表面の方向に押圧される。
【0054】
以下、図を用いて本発明をより詳細に説明する。図には、好ましい例示的な実施形態を示しているが、本発明はこれに限定されない。図及び図示されているサイズの比率は概略的なものにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、複数のナノワイヤを製造するための、本発明に係る装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、複数のナノワイヤ2を製造するための装置1を示す。:
この装置1は、リソグラフィ層13を有する基板12を備える。リソグラフィ層13は、メタライズ層15が形成される凹部14を有する。リソグラフィ層13によって、メタライズ層15は凹部14に限定され、基板12全体には延在していない。図1の上側であるメタライズ層15側には、符号3が付された導電性表面が形成される。この導電性表面3上にナノワイヤ2を成長させることができる。リソグラフィ層13によって、ナノワイヤ2の成長は凹部14の領域に限定される。
【0057】
この装置1は、複数の流路5を有するフォイル4をさらに有する。各流路5は、フォイル4の第1の面6から、フォイル4の第1の面6とは反対側の第2の面7まで、延在する。フォイル4はリソグラフィ層13上に位置する。フォイル4は、凹部14ではメタライズ層15上に位置していてもよいが、これは必須ではない。図1の例では、フォイル4はメタライズ層15から間隔をあけて示されている。この間隔は、説明のために、模式的に、比較的大きく示されている。実際には、フォイル4とメタライズ層15が互いに重なり合うことは原理的に可能ではある。しかしながら、それほどぴったりと重なり合うことはなく、フォイル4とメタライズ層15との間において、各ナノワイヤ2が成長する間に、フォイル4と導電性表面3との間で材料が、実際には、局所的に電解析出することが起き得る。
【0058】
上記装置1は、フォイル4上に位置する第1の電解質透過層8と、第1の電解質透過層8上に位置する第2の電解質透過層9とを、さらに備える。第1の電解質透過層8及び第2の電解質透過層9は、多孔質に構成されている。第2の電解質透過層9は、第1の電解質透過層8よりも圧縮されやすく、第1の電解質透過層8よりも大きな平均細孔径を有し、導電性表面に垂直な方向に第1の電解質透過層8よりも長く延在している。第1電解質透過層8は、セルロースから形成されている。第2電解質透過層9は、スポンジである。
【0059】
上記装置1は、第2の電解質透過層9上に位置する電極10をさらに備える。装置1は、第2の電解質透過層9上において導電性表面3の方向に力を発生させるための押圧装置11として、プランジャをさらに有する。図に示した実施形態においては、押圧装置11は電極10上に位置しており、電極10を介して第2の電解質透過層9に対して導電性表面3の方向に力を加えることができる。この力によって、フォイル4、第1の電解質透過層8、第2の電解質透過層9は、リソグラフィ層13又は導電性表面3と、電極10との間で、圧縮される。
【0060】
上記装置1は、導電性表面3と電極10との間に電圧を印加して、フォイル4の各流路5内に電解質から電解析出させることによって、ナノワイヤ2を導電性表面3上に成長させることができるよう構成されている。これは、電極10と導電性表面3が電解質と接触した結果、電極10と導電性表面3が電解質によって互いに接続されるようになることによって可能となる。このため、特に、フォイル4の各流路5、第1の電解質透過層8の各細孔、第2の電解質透過層9の各細孔を、電解質で満たしてもよい。そして、凹部14の領域において、電解質から導電性表面3上に、材料が電解析出される。図示のように、導電性表面3とフォイル4との間に隙間がある限り、充填材16がまずは形成され、その後、フォイル4の各流路5が堆積した材料で満たされる。この材料によりナノワイヤ2が構成される。
【0061】
ナノワイヤ2が成長した後、押圧装置11と、電極10と、第2電解質透過層9と、第1電解質透過層8とを除去することができる。例えばナノワイヤ2を露出させるために、フォイル4をエッチングにより溶解させてもよい。同様に、リソグラフィ層13も化学的に除去することができる。その結果、ナノワイヤ2は、基板12上の導電パッドに残存することになる。この導電パッドは、メタライズ層15と充填材16とによって形成されている。
【0062】
本出願のプロジェクトは、欧州連合の研究・イノベーションプログラム「Horizon2020」から資金提供(助成契約番号830061)を受けている。
【符号の説明】
【0063】
1 装置
2 ナノワイヤ
3 導電性表面
4 フォイル
5 流路
6 フォイルの第1の面
7 フォイルの第2の面
8 第1の電解質透過層
9 第2の電解質透過層
10 電極
11 押圧装置
12 基板
13 リソグラフィ層
14 凹部
15 メタライズ層
16 充填材
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナノワイヤ(2)を製造するための装置(1)であって、
導電性表面(3)と、
フォイル(4)であって、
該フォイル(4)の第1の面(6)から、該フォイル(4)の第1の面(6)とは反対側の第2の面(7)まで延在する複数の流路(5)を有する
フォイル(4)と、
第1の電解質透過層(8)と、
前記第1の電解質透過層(8)よりも圧縮されやすい第2の電解質透過層(9)と、
を備えており、
前記これらの構成要素は上記の順序で配置されており、
該装置(1)は、電極(10)をさらに有し、
前記導電性表面(3)と前記電極(10)との間に電圧を印加して、前記フォイル(4)の前記各流路(5)内に電解質から電解析出させることによって、ナノワイヤ(2)を前記導電性表面(3)上に成長させることができるように、該装置(1)は構成されている、
装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(1)であって、
前記第1の電解質透過層(8)及び前記第2の電解質透過層(9)は、多孔質に構成されており、
前記第2の電解質透過層(9)は、第1の電解質透過層8よりも大きな平均細孔径を有する、
装置(1)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置(1)であって、
圧縮されていない状態において、前記第2の電解質透過層(9)は、前記導電性表面(3)に垂直な方向に、前記第1の電解質透過層(8)よりも長く延在している、
装置(1)。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の装置(1)であって、
前記第1の電解質透過層(8)は、セルロースで形成されている、
装置(1)。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の装置(1)であって、
前記第2の電解質透過層(9)は、スポンジである、
装置(1)。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の装置(1)であって、
前期装置(1)は、前記第2の電解質透過層(9)において前記導電性表面(3)の方向に力を発生させるための押圧装置(11)をさらに備える、
装置(1)。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の装置(1)であって、
前記装置(1)は、リソグラフィ層(13)を有する基板(12)をさらに備え、
前記リソグラフィ層(13)は、1つ又は複数の凹部(14)を有し、
前記導電性表面(3)は、前記1つの凹部(14)又は複数の凹部(14)内に形成される、
装置(1)。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の装置(1)を用いて複数のナノワイヤ(2)を製造する方法であって、
前記導電性表面(3)と前記電極(10)との間に電圧を印加して、前記フォイル(4)の前記各流路(5)内に電解質から電解析出させることによって、前記ナノワイヤ(2)を前記導電性表面(3)上に成長させる、
方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記第2の電解質透過層(9)は、少なくとも一時的に、前記導電性表面(3)の方向に押圧される、
方法。
【国際調査報告】