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特表2024-538085血中酸素レベルを測定するための技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】血中酸素レベルを測定するための技術
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20241010BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20241010BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61B5/1455
A61B5/16 130
A61B5/02 310B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522170
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022046472
(87)【国際公開番号】W WO2023064410
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/255,362
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/964,271
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ハイッキネン,オリ ペッテリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェデルホルン,ローサ アンニッキ
(72)【発明者】
【氏名】ザン,シー
(72)【発明者】
【氏名】トゥオヒマー,ミッコ ペレルヴォ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリウス,テロ ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーヴェラー,ユシ ペッテリ
(72)【発明者】
【氏名】コスケラ,マルック
(72)【発明者】
【氏名】シルヤーラー,ユハ-ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】ハヴェライネン,テーム ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】タルヴァイネン,カイサ ヘレナ
(72)【発明者】
【氏名】ケンッタ,ツォーマス ヴィルヤミ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA09
4C017AA12
4C017AA14
4C017AA16
4C017AB03
4C017AC28
4C017BC17
4C017BC21
4C017FF15
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KM01
4C038KX02
4C038PP05
4C038PQ06
(57)【要約】
血中酸素測定のための方法、システム及びデバイスを説明する。方法は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1フォトプレチスモグラム(PPG)信号を受信するステップと、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するステップとを含み得る。方法は、第1PPG信号と第2PPG信号とを比較するステップと、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するステップを含み得る。方法は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させるステップを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの血中酸素飽和度を測定するための方法であって、
ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1フォトプレチスモグラム(PPG)信号を受信するステップと、
前記ウェアラブルデバイスを介して、前記第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して前記時間間隔中に取得された前記ユーザの第2PPG信号を受信するステップと、
前記第1PPG信号と前記第2PPG信号を比較するステップと、
前記第1PPG信号と前記第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記時間間隔中の前記ユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するステップと、
グラフィカルユーザインタフェースに、前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1PPG信号及び前記第2PPG信号を受信することは、
前記第1PPGセンサセットの第1サブセット間の第1チャネルを利用して第1PPG測定値を受信することと、
前記第1PPGセンサセットの第2サブセット間の第2チャネルを利用して第2PPG測定値を受信することであって、前記第1PPG信号は、前記第1PPG測定値及び前記第2PPG測定値に少なくとも部分的に基づくことと、
前記第2PPGセンサセットの第1サブセット間の第3チャネルを利用して第3PPG測定値を受信することと、
前記第2PPGセンサセットの第2サブセット間の第4チャネルを利用して第4PPG測定値を受信することであって、前記第2PPG信号は、前記第3PPG測定値及び前記第4PPG測定値に少なくとも部分的に基づくことと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1PPGセンサセットは、第1光源、第1光検出器及び第2光検出器を備え、前記第1チャネルは、前記第1光源と前記第1光検出器との間のチャネルを備え、前記第2チャネルは、前記第1光源と前記第2光検出器との間のチャネルを備え、前記第2PPGセンサセットは、第2光源、前記第1光検出器及び前記第2光検出器を備え、前記第3チャネルは、前記第2光源と前記第1光検出器との間のチャネルを備え、前記第4チャネルは、前記第2光源と前記第2光検出器との間のチャネルを備え、前記第2光源は、前記第1光源を介して生成される光と比較して異なる波長を有する光を生成するように構成される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1PPG信号及び前記第2PPG信号を受信することは、
前記第1光源と前記第2光源とが同時にアクティブな活性状態となるように、前記第1光源と前記第2光源との活性状態を選択的に制御すること、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1PPG信号及び前記第2PPG信号を受信することは、
前記第2光源が非アクティブな活性状態にあるときに前記第1光源がアクティブな活性状態になり、その反対も同様となるように、前記第1光源と前記第2光源の活性状態を順次制御すること、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1PPG測定値と前記第2PPG測定値とを組み合わせて前記第1PPG信号を生成するステップと、
前記第3PPG測定値と前記第4PPG測定値とを組み合わせて前記第2PPG信号を生成するステップと、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1PPG測定値と前記第2PPG測定値、及び前記第3PPG測定値と前記第4PPG測定値はそれぞれ、1つ以上の数学的演算を使用して組み合わされ、前記1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算又はその両方を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1PPGセンサセット及び前記第2PPGセンサセットとは異なる第3PPGセンサセットを使用して、前記時間間隔中に取得された前記ユーザの第3PPG信号を受信するステップを更に含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第3PPG信号を受信するステップは、
前記第3PPGセンサセットの第1サブセット間の第5チャネルを利用して第5PPG測定値を受信するステップと、
前記第3PPGセンサセットの第2サブセット間の第6チャネルを利用して第6PPG測定値を受信するステップであって、前記第3PPG信号は、前記第5PPG測定値及び前記第6PPG測定値に少なくとも部分的に基づくステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1PPGセンサセット、前記第2PPGセンサセット及び前記第3PPGセンサセットは、3つの異なる波長を使用する、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1PPG信号と前記第2PPG信号の比を決定するステップ、
を更に含み、前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するステップは、前記第1PPG信号と前記第2PPG信号の比に少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1PPG信号の第1振幅と第1ベースライン振幅レベルとの間の第1灌流指数を決定するステップと、
前記第2PPG信号の第2振幅と第2ベースライン振幅レベルとの間の第2灌流指数を決定するステップと、
を更に含み、前記第1PPG信号と前記第2PPG信号の比を決定するステップは、前記第1灌流指数と前記第2灌流指数との間の比を決定するステップを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1PPG信号と前記第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、血中酸素飽和度信号を生成するステップと、
血中酸素飽和度計算のための1つ以上の較正係数を識別するステップと、
を更に含み、前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスは、前記血中酸素飽和度信号及び前記1つ以上の較正係数に少なくとも部分的に基づいて決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記時間間隔中の体温データを取得するステップと、
前記体温データに少なくとも部分的に基づいて、前記第1PPG信号及び前記第2PPG信号を修正するステップと、
を更に含み、前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定することは、前記第1PPG信号及び前記第2PPG信号を修正することに少なくとも部分的に基づく、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1PPGセンサセットは、第1光源と、1つ以上の光検出器の第1セットとを備え、前記第2PPGセンサセットは、第2光源と、1つ以上の光検出器の第2セットとを備え、前記第1光源、前記第2光源、前記1つ以上の光検出器の第1セット及び前記1つ以上の光検出器の第2セットの各々は、前記ウェアラブルデバイスの軸に対して異なる半径方向位置に、前記ウェアラブルデバイスの内周に沿って配置される、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイスを介して前記ユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップ、
を更に含み、前記生理学的データは、少なくとも運動データ又は体温データ又はその両方を含み、前記第1PPG信号、前記第2PPG信号又はその両方を受信することは、前記運動データが閾値運動メトリクスを満たすこと及び前記体温データが閾値体温メトリクスを満たすことに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記運動データ、前記第1PPG信号、前記第2PPG信号又はそれらの組合せに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの呼吸数を決定するステップと、
前記ユーザの前記呼吸数を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを更新するステップと、
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記運動データが前記閾値運動メトリクス以下である場合、前記運動データは前記閾値運動メトリクスを満たし、体温が前記閾値体温メトリクス以上である場合、前記体温データは前記閾値体温メトリクスを満たす、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ウェアラブルデバイスを介して前記ユーザに関連付けられる生理学的データを受信するステップ、
を更に含み、前記生理学的データは、少なくとも心拍数データ又はPPG信号特徴データ又はその両方を含み、前記第1PPG信号、前記第2PPG信号又はその両方を受信することは、心拍数が閾値心拍数メトリクスを満たすこと及び前記PPG信号特徴データが閾値PPG信号特徴メトリクスを満たすことに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記時間間隔中の前記ユーザの前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの変動を決定するステップと、
前記変動が閾値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標をユーザデバイスに送信するステップであって、前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示することは、該送信に少なくとも部分的に基づくステップと、
前記1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの前記変動が前記閾値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、前記グラフィカルユーザインタフェースに睡眠障害アラートを表示させるステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本出願は、2022年10月12日に出願された「TECHNIQUES FOR MEASURING BLOOD OXYGEN LEVELS」と題するHEIKKINEN等による米国非仮特許出願第17/964,271号の利益を主張し、同出願は、2021年10月13日に出願された「TECHNIQUES FOR MEASURING BLOOD OXYGEN LEVELS」と題するHEIKKINEN等による米国仮特許出願第63/255,362号の利益を主張し、同出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
以下は、血中酸素レベルを測定するための技術を含む、ウェアラブルデバイス及びデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温データ、心拍数データ等を含む生理学的データをユーザから収集するように構成され得る。しかしながら、ユーザの皮膚とウェアラブルデバイスの1つ以上のセンサとの間の不十分な接触により、特に血中酸素飽和度測定の状況において、不正確な測定となる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするシステムの例を示す図である。
【0005】
図2】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするシステムの例を示す図である。
【0006】
図3】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルデバイス図の例を示す図である。
【0007】
図4】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするプロセスフローの例を示す図である。
【0008】
図5】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするタイミング図の例を示す図である。
【0009】
図6】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の例を示す図である。
【0010】
図7】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルデバイス図の例を示す図である。
【0011】
図8】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルデバイス図の例を示す図である。
【0012】
図9】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートする周波数図の例を示す図である。
【0013】
図10】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートする装置のブロック図である。
【0014】
図11】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図である。
【0015】
図12】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするデバイスを含むシステムの図である。
【0016】
図13】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートする方法を図示するフローチャートである。
図14】本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートする方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
いくつかのウェアラブルデバイスは、体温データ、心拍数データ、フォトプレチスモグラム(PPG)信号、運動データ等を含む生理学的データをユーザから収集するように構成され得る。生理学的データを効率的かつ正確に追跡するために、ウェアラブルデバイスは、ユーザがデバイスを装着している間、連続的にデータを収集するように構成され得る。いくつかのウェアラブルデバイスは、取得された生理学的データに基づいて、ユーザの血中酸素飽和度レベルを測定するように構成され得る。しかしながら、従来のウェアラブルデバイスは、様々な理由から、血中酸素飽和度の測定を効率的、正確かつ確実に行うことができなかった。
【0018】
例えばウェアラブルデバイスがユーザの手首に装着される場合、1つ以上の発光ダイオード(LED)等のような、ウェアラブルデバイスの1つ以上のセンサは、ユーザの皮膚(例えば組織内の動脈)とセンサとの間に新たな光学境界面(optical interfaces)を作成し得る。新たな光学境界面は、ユーザの皮膚とセンサとの間に良好な皮膚接触がある場合と比較して、異なるように挙動することがある。このような場合、新たな光学境界面は、反射により臨界角を変化させ、内部迷光により灌流指数を低下させ、光の分布に変動を生じさせる等の可能性がある。光学境界面及び波長の変動は、センサからの不正確な読み取り値を引き起こす可能性があり、その結果、不正確な血中酸素測定となる可能性がある。場合によっては、ウェアラブルデバイスは、読み取り値の変動を考慮して、LEDの明るさを増加させるなど、センサの電力を調整することがあり、これは、ウェアラブルデバイスの電力消費を増加させる可能性がある。総合すると、ウェアラブルデバイスに関するこれらの問題は、不正確な生理学的データの読み取り値をもたらす可能性があり、これは、電力消費の増加及びバッテリ寿命の低下だけでなく、ユーザの全体的な健康の歪んだピクチャ(例えば歪んだ血中酸素測定値)にもつながる可能性がある。
【0019】
したがって、本明細書で説明される技術は、ユーザの血中酸素飽和度を測定するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示の態様は、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するように構成される、ウェアラブルリングデバイスの2つの異なるPPGセンサセットを使用するための技術を対象とする。2つ(又はそれより多く)の異なるPPGセンサセットを使用し、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定することによって、本明細書に記載される技術は、より正確な血中酸素飽和度メトリクスをもたらすことができ、ウェアラブルデバイスにおける電力消費を減少させることができ、これは、より長いバッテリ寿命をもたらすことができる。
【0020】
本明細書で説明されるように、ウェアラブルリングデバイスは、第1光源、第2光源、第1光検出器(PD、photodetector)及び第2PDを含み得る。第1PPGセンサセットは、第1光源、第1PD及び第2PDを含み得る。第2PPGセンサセットは、第2光源、第1PD及び第2PDを含み得る。ウェアラブルリングデバイスは、LEDのような光源のうちの1つからの光をPDのうちの1つに向けることができる4つのチャネルを更に含み得る。PPG信号は、それぞれのチャネルの各々に沿って取得され得る。例えばウェアラブルリングデバイスは、第1チャネルを使用して第1PPG信号を受信し、第2チャネルを使用して第2PPG信号を受信し得る。第1チャネルは、第1光源と第1PDとの間のチャネルを含んでよく、第2チャネルは、第1光源と第2PDとの間のチャネルを含んでもよい。ウェアラブルデバイスは、第1PPG信号を第2PPG信号と比較し得る。このように、第1PPG信号を第2PPG信号と比較することによって、本明細書で説明される技術を使用して、ユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定し、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させ得る。
【0021】
本開示のウェアラブルリングデバイスは、ユーザの血中酸素飽和度メトリクスを決定するために使用されるPPG信号を取得するために、任意の数のチャネルを利用し得る。例えばウェアラブルリングデバイスはまた、第3チャネルを使用して第3PPG信号を受信し、第4チャネルを使用して第4PPG信号を受信し得る。第3チャネルは、第2光源と第1PDとの間のチャネルを含んでよく、第4チャネルは、第2光源と第2PDとの間のチャネルを含んでもよい。このような場合、ウェアラブルリングデバイスは、ユーザのより正確で信頼性のある血中酸素飽和度メトリクスを決定するために、それぞれのチャネルを介して受信されたPPG信号を比較するように構成されてもよい。
【0022】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介したユーザからの生理学的データに収集をサポートするシステムのコンテキストで説明される。本開示の追加の態様は、ウェアラブルユーザデバイス図、例えばGUI、及びタイミング図のコンテキストにおいて説明される。本開示の態様は、血中酸素レベルを測定するための技術に関連する装置図、システム図及びフローチャートによって更に例示され、それらを参照して説明される。
【0023】
図1は、本開示の態様による、血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするシステム100の例を示す。システム100は、1人以上のユーザ102によって装着及び/又は操作され得る複数の電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108及び1つ以上のサーバ110を更に含む。
【0024】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えばウェアラブルリングデバイス、時計ウェアラブルデバイス等)、ユーザデバイス106(例えばスマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当技術分野で公知の任意の電子デバイスを含み得る。それぞれのユーザ102に関連付けられる電子デバイスは、以下の機能のうちの1つ以上:すなわち、1)生理学的データを測定することと、2)測定されたデータを記憶することと、3)そのデータを処理することと、4)処理されたデータに基づいて(例えばGUIを介して)ユーザ102に出力を提供することと、5)互いに及び/又は他のコンピューティングデバイスとデータを通信することと、のうちの1つ以上を含み得る。異なる電子デバイスが、これらの機能の1つ以上を実行してもよい。
【0025】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に装着されるように構成されたリングコンピューティングデバイス(以下、「リング」)、ユーザ102の手首に装着されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えばスマートウォッチ、フィットネスバンド又はブレスレット)及び/又は頭部装着コンピューティングデバイス(例えば眼鏡/ゴーグル)のようなウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、バンド、ストラップ(例えばフレキシブル又は非フレキシブルバンド又はストラップ)、スティックオンセンサ等も含んでよく、これらは、頭部の周りのバンド(例えば額のヘッドバンド)、腕の周りのバンド(例えば前腕のバンド及び/又は上腕のバンド)及び/又は脚の周りのバンド(例えば大腿部又はふくらはぎのバンド)、耳の後ろ、脇の下等の他の位置に配置され得る。ウェアラブルデバイス104はまた、衣料品に取り付けられるか又は衣料品に含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、衣服のポケット及び/又はポーチに含まれてもよい。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留め及び/又はピン留めされてもよく、あるいは他の方法でユーザ102の近傍内に維持され得る。例示的な衣料品には、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えばジャケット)及び下着が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツ用デバイスのような他のタイプのデバイスとともに含まれてもよい。例えばウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー、テニスラケット、ゴルフクラブ及び/又はトレーニングウェイトに取り付けられてもよく、あるいはそれらに含まれてもよい。
【0026】
本開示の多くは、ウェアラブルリングデバイス104のコンテキストで説明され得る。したがって、用語「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」及び同様の用語は、本明細書で特に明記しない限り、交換可能に使用され得る。しかしながら、本明細書では、本開示の態様は、他のウェアラブルデバイス(例えば時計ウェアラブルデバイス、ネックレスウェアラブルデバイス、ブレスレットウェアラブルデバイス、耳ウェアラブルデバイス、アンクレットウェアラブルデバイス等)を使用して実行されてもよいことが企図されているので、用語「リング104」の使用は、限定的なものとみなされるべきではない。
【0027】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォン及びタブレットコンピューティングデバイスのようなハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含んでよい。ユーザデバイス106はまた、ラップトップ及びデスクトップコンピューティングデバイスのようなパーソナルコンピュータも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、(例えばインターネットを介して)他の電子デバイスと通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含んでよい。いくつかの実装では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えばホルターモニタ)のような医療デバイスを含んでよい。医療デバイスは、ペースメーカー及び電気除細動器のような植込み型医療デバイスも含んでよい。他の例示的なユーザデバイス106は、モノのインターネット(IoT)デバイス(例えばIoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えばビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば無線通信ハブ)、セキュリティシステム、スマートアプライアンス(例えばサーモスタット及び冷蔵庫)及びフィットネス機器のようなホームコンピューティングデバイスを含んでよい。
【0028】
いくつかの電子デバイス(例えばウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィ波形、連続皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、心拍数変動(HRV、heart rate variability)、アクチグラフィ、ガルバニック皮膚反応、パルス酸素濃度及び/又は他の生理学的パラメータのような、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してもよい。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定しないことがあるが、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行することがある。例えばリング(例えばウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション又はサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された、受信した生理学的データを処理することがある。
【0029】
いくつかの実装では、ユーザ102は、複数の電子デバイスを操作し得るか又は複数の電子デバイスに関連付けられてよく、複数の電子デバイスの一部が、生理学的パラメータを測定してよく、またその一部が、測定された生理学的パラメータを処理してもよい。いくつかの実装では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えばウェアラブルデバイス104)を有してもよい。ユーザ102は、ユーザデバイス106(例えばモバイルデバイス、スマートフォン)を有し得るか又はユーザデバイス106に関連付けられてもよく、ここで、ウェアラブルデバイス104及びユーザデバイス106は、互いに通信可能に結合される。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書で説明される計算の一部/すべてを実行してよい。いくつかの実装では、ユーザデバイス106はまた、動作/アクティビティパラメータのような、本明細書で説明される生理学的パラメータを測定してもよい。
【0030】
例えば図1に示されるように、第1ユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で説明されるように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aを操作し得るか、又はこれらに関連付けられてよい。この例では、ユーザ102-aに関連付けられるユーザデバイス106-aは、リング104によって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。比較すると、第2ユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、時計ウェアラブルデバイス104-c(例えば時計104-c)及びユーザデバイス106-bに関連付けられてよく、ここで、ユーザ102-bに関連付けられるユーザデバイス106-bは、リング104-b及び/又は時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。さらに、n番目のユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で説明される電子デバイスの構成(例えばリング104、ユーザデバイス106-n)に関連付けられてもよい。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)及び他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi及び他の無線プロトコルを介して、それぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合されてもよい。
【0031】
いくつかの実装では、システム100のリング104(例えばウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成され得る。特に、リング104は、ユーザの指の手のひら側で光を放出して、ユーザの指の中の動脈血流に基づいて生理学的データを収集し得る1つ以上のLED(例えば赤色LED、緑色LED等)を利用してもよい。いくつかの実装では、リング104は、緑色LEDと赤色LEDの両方の組合せを使用して生理学的データを取得してもよい。生理学的データは、これらに限定されないが、体温データ、加速度計データ(例えば動き/動作データ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素レベルデータ又はそれらの任意の組合せを含む、当該技術分野で公知の任意の生理学的データを含み得る。
【0032】
赤色及び緑色LEDは、異なる条件下(例えば明るい/暗い、活性/不活性)で、身体の異なる部分を介して生理学的データを取得するときなど、それらの独自の利点を有することが分かっているので、緑色LEDと赤色LEDの両方の使用は、他の解決策に対していくつかの利点を提供し得る。例えば緑色LEDは、運動中により優れた性能を示すことが分かっている。さらに、リング104の周囲に分散された複数のLED(例えば緑色LED及び赤色LED)を使用することは、時計ウェアラブルデバイス内など、互いに近くに配置されるLEDを利用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を示すことが分かっている。さらに、指の血管(例えば動脈、毛細血管)は、手首の血管と比較して、LEDを介してよりアクセスしやすい。特に、手首の動脈は手首の底部(例えば手首の手のひら側)に位置しており、これは、ウェアラブル時計デバイス及び同様のデバイスが典型的に装着される手首の上部(例えば手首の手の甲側)では毛細血管のみがアクセス可能であることを意味する。このように、リング104内でLED及び他のセンサを利用することは、リング104が(毛細血管と比較して)動脈へのより大きなアクセスを有することができ、それによってより強い信号及びより価値のある生理学的データをもたらすので、手首に装着されるウェアラブルデバイスと比較して優れた性能を示すことが分かっている。
【0033】
システム100の電子デバイス(例えばユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、有線又は無線通信プロトコルを介して、1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。例えば図1に示されるように、電子デバイス(例えばユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つ以上のサーバ110に通信可能に結合されてもよい。ネットワーク108は、インターネットのような伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装してよく、あるいは他のネットワーク108プロトコルを実装してもよい。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール又はコンピュータネットワーク108内の任意の他の適切な形式の対話を介したデータの転送を容易にすることができる。例えばいくつかの実装では、第1ユーザ102-aに関連付けられるリング104-aは、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合されてよく、ここで、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合される。追加又は代替的な場合において、ウェアラブルデバイス104(例えばリング104、時計104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合されてもよい。
【0034】
システム100は、ユーザデバイス106と1つ以上のサーバ110との間でオンデマンドデータベースサービスを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信してよく、該データを記憶し、分析してもよい。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、1つ以上のデータセンタに配置されてもよい。サーバ110は、データの記憶、管理及び処理のために使用されてもよい。いくつかの実装では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインタフェースを提供してもよい。
【0035】
いくつかの態様では、システム100は、ユーザ102が眠っている期間を検出し、ユーザ102が眠っている期間を1つ以上の睡眠段階に分類(例えば睡眠段階分類)し得る。例えば図1に示されるように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えばリング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連付けられてよい。この例では、リング104-aは、体温、心拍数、HRV、呼吸数等を含む、ユーザ102-aに関連付けられる生理学的データを収集し得る。いくつかの態様において、リング104-aによって収集されたデータが、機械学習分類器に入力されてもよく、ここで、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(眠っていた)時間期間を決定するように構成される。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(REM)睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム(NREM))及び深い睡眠段階(NREM)を含む、異なる睡眠段階に時間期間を分類するように構成され得る。いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示され得る。睡眠段階分類は、推奨される就寝時間や推奨される起床時間等のようなユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用されてもよい。さらに、いくつかの実装では、本明細書で説明される睡眠段階分類技術は、睡眠スコア(Sleep Scores)や準備スコア(Readiness Scores)等のような、それぞれのユーザについてのスコアを計算するために使用されてもよい。
【0036】
いくつかの態様では、システム100は、概日リズム由来の特徴を利用して、生理学的データ収集、データ処理手順及び本明細書で説明される他の技術を更に改善し得る。概日リズム(circadian rhythm)という用語は、約24時間毎に繰り返す、個人の睡眠-覚醒周期を調節する自然の内部プロセスを指してよい。この点に関して、本明細書で説明される技術は、生理学的データ収集、分析及びデータ処理を改善するために概日リズム調整モデルを利用し得る。例えば概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102から収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力されてよい。この例では、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然なほぼ24時間の概日リズムを通じて収集された生理学的データを「重み付け」又は調整するように構成されてよい。いくつかの実装では、システムは、最初に「ベースライン」概日リズム調整モデルで開始してよく、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正し、それぞれのユーザ102毎に特有の、調整されて個別化された概日リズム調整モデルを生成してよい。
【0037】
いくつかの態様では、システム100は、他の生体リズムを利用して、これらの他のリズムのフェーズによって、生理学的データの収集、分析及び処理を更に改善し得る。例えば週次リズムが、個人のベースラインデータ内で検出される場合、モデルは、週の曜日によってデータの「重み」を調整するように構成され得る。この方法によるモデルに対する調整を必要とする可能性のある生体リズムは:1)ウルトラディアン(1日のリズムよりも速く、睡眠状態における睡眠周期と、覚醒状態の間の測定された生理学的変数における1時間未満から数時間の周期性までの変動とを含む);2)概日リズム;3)仕事のスケジュールのように概日リズムの上に課せられることが示される非内因性の日次リズム;4)週次リズム、又は外因的に課せられる他の人工的な時間周期(例えば12日の「週」を有する仮想文化では、12日のリズムを使用することができる);5)女性では複数日の卵巣リズム、男性では精子形成リズム;6)月(lunar)のリズム(人工照明が少ない又はない状態で生活する人に関連する);及び7)季節的リズムを含む。
【0038】
生体リズムは必ずしも定常的なリズムではない。例えば多くの女性は、複数周期にわたって卵巣周期の長さの変動性を経験し、ウルトラディアンリズムは、ユーザ内部であっても、日をまたがって正確に同じ時間又は周期性で発生するとは予想されない。したがって、生理学的データにおけるこれらのリズムの時間分解能を保持しながら、周波数組成を定量化するのに十分な信号処理技術を使用して、これらのリズムの検出を改善し、各リズムのフェーズを、測定される各瞬間に割り当て、それによって調整モデル及び時間間隔の比較を修正することができる。生体リズム-調整モデル及びパラメータは、個人又は個人のグループの動的な生理学的ベースラインをより正確に捕捉するために、必要に応じて線形又は非線形の組合せで追加されることができる。
【0039】
いくつかの態様では、システム100のそれぞれのデバイスは、血中酸素レベル(例えば血中酸素飽和度レベル)を測定するための技術をサポートし得る。システム100は、ウェアラブルデバイス104を介して、第1PPGセンサセットを使用して、時間間隔中に取得されたユーザの第1PPG信号を受信し得る。システム100は、第2PPGセンサセットを使用して、時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信し得る。第2PPGセンサセットは、第1PPGセンサセットとは異なってよい。例えば第1PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤色LEDを含んでもよく、第2PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤外LEDを含んでもよい。場合によっては、第1PPGセンサセット又は第2PPGセンサセットは、少なくとも1つの緑色LEDを含んでもよい。このような場合、第1PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤色LEDを含んでもよく、第2PPGセンサセットは、少なくとも1つの緑色LEDを含んでもよく、あるいは第1PPGセンサセットは、少なくとも1つの緑色LEDを含んでもよく、第2PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤外LEDを含んでもよい。
【0040】
いくつかの実装では、システム100は、第1PPG信号と第2PPG信号を比較し得る。システム100は、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定し得る。このような場合、システム100は、GUI(例えばユーザデバイス106のGUI)に、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させ得る。
【0041】
上記以外の他の問題を追加的に又は代替的に解決するために、本開示の1つ以上の態様がシステム100において実装されてもよいことが当業者に理解されるべきである。さらに、本開示の態様は、本明細書で説明される「従来の」システム又はプロセスに技術的な改善を提供し得る。しかしながら、本明細書及び添付の図面は、本開示の態様を実装することから生じる例示的な技術的改善を含むものにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すものではない。
【0042】
図2は、本開示の態様による、血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするシステム200の例を示す。システム200は、システム100を実装してよく、あるいはシステム100によって実装されてもよい。特に、システム200は、図1を参照して説明したような、リング104(例えばウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106及びサーバ110の例を示す。
【0043】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指の周りに装着されるように構成されてよく、ユーザの指の周りに装着されたときに1つ以上のユーザの生理学的パラメータを決定し得る。例示的な測定及び決定は、ユーザの皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素レベル等を含み得るが、これらに限定されない。
【0044】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えばスマートフォン)を更に含む。例えばリング104は、ユーザデバイス106と無線通信及び/又は有線通信を行ってよい。いくつかの実装では、リング104は、測定されて処理されたデータ(例えば体温データ、PPGデータ、運動/加速度計データ、リング入力データ等)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106はまた、リング104ファームウェア/構成更新のようなデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106は、データを処理し得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス106は、処理及び/又は記憶のために、データをサーバ110に送信し得る。
【0045】
リング104は、ハウジング205を含んでよく、これは、内側ハウジング205-a及び外側ハウジング205-bを含んでよい。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、これらに限定されないが、デバイスエレクトロニクス、電源(例えばバッテリ210及び/又はキャパシタ)、デバイスエレクトロニクス及び/又は電源を相互接続する1つ以上の基板(例えばプリント基板)等を含むリングの様々な構成要素を記憶するか、又は他の方法で含み得る。デバイスエレクトロニクスは、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225等のようなデバイスモジュール(例えばハードウェア/ソフトウェア)を含んでよい。デバイスエレクトロニクスはまた、1つ以上のセンサも含んでよい。例示的なセンサは、1つ以上の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えばPPGシステム235)及び1つ以上の運動センサ245を含んでよい。
【0046】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連付けられる信号を生成するように構成される、関連モジュール(図示せず)を含んでよい。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、有線接続又は無線接続を介して互いに通信可能に結合されてもよい。さらに、リング104は、光センサ(例えばLED)、オキシメータ等を含む生理学的データをユーザから収集するように構成される、追加及び/又は代替のセンサ又は他の構成要素を含んでもよい。
【0047】
図2を参照して図示され、説明されるリング104は、単に例示の目的のために提供される。このように、リング104は、図2に示される構成要素のような追加又は代替の構成要素を含んでよい。本明細書で説明される機能性を提供する他のリング104が製造されてもよい。例えばより少ない構成要素(例えばセンサ)を有するリング104が製造されてもよい。特定の例では、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)と、電源と、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取るように構成されるデバイスエレクトロニクスとを有するリング104が製造されてもよい。別の具体例では、温度センサ240(又は他のセンサ)が、(例えばクランプ、ばね式クランプ等を使用して)ユーザの指に取り付けられてもよい。この場合、センサは、温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取る手首装着型コンピューティングデバイスのような別のコンピューティングデバイスに配線されてもよい。他の例では、追加のセンサ及び処理機能を含むリング104が製造されてもよい。
【0048】
ハウジング205は、1つ以上のハウジング205構成要素を含んでよい。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えばシェル)と内側ハウジング205-a構成要素(例えばモールディング)を含んでよい。ハウジング205は、図2に明示的に図示されていない追加の構成要素(例えば追加の層)を含んでもよい。例えばいくつかの実装では、リング104は、デバイスエレクトロニクス及び他の導電性材料(例えば電気トレース)を外側ハウジング205(例えば金属製の外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する1つ以上の絶縁層を含んでもよい。ハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210、基板及び他の構成要素のための構造的支持を提供し得る。例えばハウジング205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を圧力及び衝撃のような機械的な力から保護し得る。ハウジング205はまた、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板を水及び/又は他の化学物質からも保護し得る。
【0049】
外側ハウジング205-bは、1つ以上の材料から製造され得る。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは、チタンのような金属を含んでよく、これは、比較的軽量で強度と耐摩耗性を提供し得る。外側ハウジング205-bはまた、ポリマーのような他の材料から製造されてもよい。いくつかの実装では、外側ハウジング205-bは装飾的であるだけでなく、保護的であってもよい。
【0050】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインタフェースするように構成され得る。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば医療グレードのポリマー)又は他の材料から形成されてもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは透明であってもよい。例えば内側ハウジング205-aは、PPG LEDによって放出される光に対して透明であってもよい。いくつかの実装では、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-bの上に成形されてもよい。例えば内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205金属シェルに適合するように成形(例えば射出成形)されるポリマーを含んでもよい。
【0051】
リング104は、1つ以上の基板(図示せず)を含んでもよい。デバイスエレクトロニクス及びバッテリ210が、1つ以上の基板上に含まれてもよい。例えばデバイスエレクトロニクス及びバッテリ210は、1つ以上の基板上に取り付けられてもよい。例示的な基板は、フレキシブルPCB(例えばポリイミド)のような1つ以上のプリント回路基板(PCB)を含んでよい。一部の実装では、エレクトロニクス/バッテリ210は、フレキシブルPCB上に表面実装型デバイス(例えば表面実装技術(SMT、surface-mount technology)デバイス)を含んでもよい。いくつかの実装では、1つ以上の基板(例えば1つ以上のフレキシブルPCB)は、デバイスエレクトロニクス間の電気通信を提供する電気トレースを含んでもよい。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイスエレクトロニクスに接続してもよい。
【0052】
デバイスエレクトロニクス、バッテリ210及び基板は、様々な方法でリング104内に配置されてもよい。いくつかの実装では、センサ(例えばPPGシステム235、温度センサ240、運動センサ245及び他のセンサ)がユーザの指の下側とインタフェースするように、デバイスエレクトロニクスを含む1つの基板が、リング104の下部(例えば下半分)に沿って取り付けられてよい。これらの実装では、バッテリ210は、リング104の上部に沿って(例えば別の基板上に)含まれてもよい。
【0053】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能性(例えば回路及び他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに起因する機能を生成することができるアナログ及び/又はデジタル回路を実装する任意の離散及び/又は集積電子回路構成要素を含んでよい。例えばモジュールは、アナログ回路(例えば増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路及び/又は他の信号調整回路)を含んでもよい。モジュールはまた、デジタル回路(例えば組合せ論理回路又は逐次論理回路、メモリ回路等)も含んでよい。
【0054】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能でプログラム可能なROM(EEPROM)、フラッシュメモリ又は任意の他のメモリデバイスのような、任意の揮発性、不揮発性、磁気的又は電気的媒体を含んでよい。メモリ215は、本明細書で説明されるデータのいずれかを記憶してよい。例えばメモリ215は、それぞれのセンサ及びPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば動作データ、体温データ、PPGデータ)を記憶するように構成されてもよい。さらに、メモリ215は、1つ以上の処理回路によって実行されると、モジュールに、本明細書のモジュールに起因する様々な機能を実行させる命令を含んでもよい。本明細書で説明されるリング104のデバイスエレクトロニクスは、デバイスエレクトロニクスの一例にすぎない。したがって、デバイスエレクトロニクスを実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計的考慮事項に基づいて変化し得る。
【0055】
本明細書で説明されるリング104のモジュールに起因する機能は、1つ以上のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組合せとして具現化されてよい。異なる特徴をモジュールとして描写することは、異なる機能的態様を強調するように意図されており、必ずしもそのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを暗示するものではない。むしろ、1つ以上のモジュールに関連付けられる機能性は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されてもよく、あるいは共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0056】
リング104の処理モジュール230-aは、1つ以上のプロセッサ(例えば処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、システムオンチップ(SoC)及び/又は他の処理デバイスを含んでよい。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば処理モジュール230-aは、センサのようなリング104のモジュール及び他の構成要素にデータを送信し/これらからデータを受信してもよい。本明細書で説明されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装されてもよい。したがって、モジュールは、回路(例えば通信回路及び電力回路)とも呼ばれることがある。
【0057】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されると、処理モジュール230-aに、該処理モジュール230-aに起因する様々な機能を実行させるためのコンピュータ読取可能命令を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-a(例えばマイクロコントローラ)は、通信モジュール220-a(例えば統合されたBluetooth(登録商標) Low Energyトランシーバ)及び/又は追加のオンボードメモリ215によって提供される通信機能のような、他のモジュールに関連付けられる追加の特徴を含んでもよい。
【0058】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106の通信モジュール220-b)との無線通信及び/又は有線通信を提供する回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth回路及び/又はWi-Fi回路のような無線通信回路を含んでもよい。いくつかの実装では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信回路のような有線通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104及びユーザデバイス106は、互いに通信するように構成され得る。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106にデータを送信/ユーザデバイス106からデータを受信するように構成され得る。例示的なデータは、動作データ、体温データ、パルス波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ及びステータス更新(例えば充電ステータス、バッテリ充電レベル及び/又はリング104構成設定)を含み得るが、これらに限定されない。リングの処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えばソフトウェア/ファームウェア更新)及びデータを受信するようにも構成されてもよい。
【0059】
リング104は、バッテリ210(例えば再充電可能バッテリ210)を含んでよい。例示的なバッテリ210は、リチウムイオン又はリチウムポリマータイプのバッテリ210を含んでよいが、様々なバッテリ210の選択肢が可能である。バッテリ210は、無線で充電されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、キャパシタのような、バッテリ210以外の電源を含んでもよい。電源(例えばバッテリ210又はキャパシタ)は、リング104の曲線に一致する湾曲した形状を有してもよい。いくつかの態様では、充電器又は他の電源は、リング104自体によって収集されたデータに加えて、データを収集するために使用され得るか、又はそれを補足する、追加のセンサを含んでもよい。さらに、リング104の充電器又は他の電源は、ユーザデバイス106として機能してよく、この場合で、リング104の充電器又は他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信したデータを記憶及び/又は処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成され得る。
【0060】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば電力モジュール225は、リング104とインタフェースしたときにバッテリ210を充電する、外部ワイヤレス充電器とインタフェースし得る。充電器は、リング104のデータ構造(datum structure)と嵌合して、104の充電中にリング104との特定の配向を生成するデータ構造を含んでもよい。電力モジュール225はまた、デバイスエレクトロニクスの電圧を調節し、デバイスエレクトロニクスへの電力出力を調節し、バッテリ210の充電状態をモニタし得る。いくつかの実装では、バッテリ210は、高電流放電、104の充電中の過電圧及び104の放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する、保護回路モジュール(PCM、protection circuit module)を含んでよい。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD、electro-static discharge)保護も含んでよい。
【0061】
1つ以上の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合されてもよい。温度センサ240は、該温度センサ240によって読み取られた又は感知された体温を示す体温信号(例えば体温データ)を生成するように構成されてもよい。処理モジュール230-aは、温度センサ240の位置におけるユーザの体温を決定し得る。例えばリング104において、温度センサ240によって生成された体温データは、ユーザの指におけるユーザの体温(例えば皮膚温度)を示してもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触してもよい。他の実装では、ハウジング205の一部(例えば内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば薄い熱伝導性バリア)を形成してもよい。いくつかの実装では、ユーザの指に接触するように構成されるリング104の部分は、熱伝導性部分と断熱性部分を有してもよい。熱伝導性部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導し得る。断熱性部分は、リング104の部分(例えば温度センサ240)を周囲温度から絶縁し得る。
【0062】
いくつかの実装では、温度センサ240は、体温を決定するために、処理モジュール230-aが使用し得るデジタル信号(例えば体温データ)を生成し得る。別の例として、温度センサ240が受動センサを含む場合、処理モジュール230-a(又は温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて体温を決定し得る。例示的な温度センサ240は、負の温度係数(NTC、negative temperature coefficient)サーミスタのようなサーミスタ、あるいは抵抗器、トランジスタ、ダイオード及び/又は他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサを含んでよい。
【0063】
処理モジュール230-aは、ユーザの体温を経時的にサンプリングし得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングレートに従ってユーザの体温をサンプリングしてよい。例示的なサンプリングレートは、1秒当たり1サンプルを含んでよいが、処理モジュール230-aは、1秒当たり1サンプルよりも高い又は低い他のサンプリングレートで体温信号をサンプリングするように構成されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して継続的に、ユーザの体温をサンプリングし得る。1日を通して十分なレートで(例えば1秒に1サンプル)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。
【0064】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた体温データをメモリ215に記憶し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、サンプリングした体温データを処理し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある時間期間の平均体温値を決定し得る。一例では、処理モジュール230-aは、1分間に収集されたすべての体温値を合計し、1分間のサンプル数で割ることによって、1分間あたりの平均体温値を決定し得る。体温が1秒当たり1サンプルでサンプリングされる特定の例では、平均体温は、60秒で割った1分間のすべてのサンプリングされた体温の合計であってもよい。メモリ215は、経時的な平均体温値を記憶してよい。いくつかの実装では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた体温の代わりに、平均体温(例えば1分当たり1つ)を記憶してもよい。
【0065】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、設定可能であり得る。いくつかの実装では、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであってもよい。他の実装では、サンプリングレートは、昼/夜を通して変更されてもよい。いくつかの実装では、リング104は、生理学的変化を示さない体温の大きなスパイク(spike)(例えば熱いシャワーからの温度スパイク)のような体温読み取り値を、フィルタリング/拒否してもよい。いくつかの実装では、リング104は、104の運動中の過度の運動のような(例えば運動センサ245によって示されるような)、他の要因のために信頼できない可能性がある体温読み取り値をフィルタリング/拒否してもよい。
【0066】
リング104(例えば通信モジュール)は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにユーザデバイス106に送信してもよい。ユーザデバイス106は、サンプリングされた体温データ及び/又は平均体温データを、記憶及び/又は更なる処理のためにサーバ110に転送してもよい。
【0067】
リング104は、単一の温度センサ240を含むように示されているが、リング104は、ユーザの指の近くに内側ハウジング205-aに沿って配置されるような、1つ以上の位置に複数の温度センサ240を含んでもよい。いくつかの実装では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であってよい。追加又は代替的に、1つ以上の温度センサ240は、加速度計及び/又はプロセッサのような他の構成要素とともに含まれてもよい(例えば他の構成要素とともにパッケージされてもよい)。
【0068】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して説明したものと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得して処理してよい。例えば処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々から体温データを個別にサンプリングし、平均し、記憶し得る。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均化/記憶してもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、指の異なる位置にある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の体温の平均に基づいて、単一の体温を決定するように構成されてもよい。
【0069】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば任意の指)における遠位体温を取得してもよい。例えばリング104上の1つ以上の温度センサ240は、指の下側から、あるいは指の異なる位置で、ユーザの体温を取得してもよい。いくつかの実装では、リング104は、遠位体温を(例えばサンプリングレートで)連続的に取得してもよい。本明細書では、指にあるリング104によって測定される遠位温度が説明されるが、他のデバイスは同じ/異なる位置で体温を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位体温は、ユーザの手首又は他の外部身体位置で測定された体温とは異なることがある。加えて、ユーザの指で測定された遠位体温(例えば「シェル」体温)は、ユーザの深部体温とは異なることがある。このように、リング104は、身体の他の内部/外部位置では取得されない可能性がある有用な体温信号を提供し得る。場合によっては、指での連続的な体温測定は、深部体温では明らかでない可能性がある体温変動(例えば小さな変動又は大きな変動)を捕捉し得る。例えば指での連続的な体温測定は、身体の他の場所での他の体温測定によっては提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分毎又は時間毎の体温変動を捕捉し得る。
【0070】
リング104は、PPGシステム235を含んでよい。PPGシステム235は、光を送信する1つ以上の光送信機を含んでよい。PPGシステム235は、1つ以上の光送信機によって送信された光を受信する1つ以上の光受信機も含んでよい。光受信機は、該光受信機によって受信した光の量を示す信号(以下、「PPG」信号とする)を生成し得る。光送信機は、ユーザの指の領域を照明し得る。PPGシステム235によって生成されるPPG信号は、照明された領域における血液の灌流を示し得る。例えばPPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる、照明された領域における血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザのパルス波形を決定し得る。処理モジュール230-aは、ユーザのパルス波形に基づいて、ユーザの呼吸速度、心拍数、HRV、酸素飽和度及び他の循環パラメータのような、様々な生理学的パラメータを決定し得る。
【0071】
いくつかの実装では、PPGシステム235は、光受信機が、ユーザの指の領域を通って反射される透過光を受信する、反射型PPGシステム235として構成され得る。いくつかの実装では、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通って光受信機に直接送信されるように、光送信機及び光受信機が互いに対向して配置される、透過型PPGシステム235として構成され得る。
【0072】
PPGシステム235に含まれる送信機及び受信機の数及び比率は、変化してもよい。例示的な光送信機は、LEDを含んでよい。光送信機は、赤外線スペクトル及び/又は他のスペクトルの光を送信してよい。例示的な光受信機は、フォトセンサ、フォトトランジスタ及びフォトダイオードを含んでよいが、これらに限定されない。光受信機は、光送信機から受信した波長に応答してPPG信号を生成するように構成されてもよい。送信機と受信機の位置は変化してもよい。加えて、単一のデバイスが、反射型及び/又は透過型PPGシステム235を含んでもよい。
【0073】
図2に示されるPPGシステム235は、いくつかの実装では、反射型PPGシステム235を含んでもよい。これらの実装では、PPGシステム235は、中央に配置された光受信機(例えばリング104の下部)と、光受信機の両側に配置された2つの光送信機とを含んでよい。この実装では、PPGシステム235(例えば光受信機)は、光送信機の一方又は両方から受信した光に基づいてPPG信号を生成し得る。他の実装では、1つ以上の光送信機及び/又は光受信機の他の配置、組合せ及び/又は構成が考えられる。
【0074】
処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、光を送信するように光送信機の一方又は両方を制御し得る。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングしている間、より強い受信信号を有する光送信機に光を送信させ得る。例えば選択された光送信機は、PPG信号がサンプリングレート(例えば250Hz)でサンプリングされている間、連続的に光を放射し得る。
【0075】
システム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることにより、パルス波形を得ることができ、これは、「PPG」と呼ばれ得る。パルス波形は、複数の心周期の血圧対時間を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。加えて、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る呼吸誘導変動(respiratory induced variation)を含んでもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、パルス波形をメモリ215に記憶し得る。処理モジュール230-aは、パルス波形が生成されるときに、及び/又はメモリ215からのパルス波形を処理して、本明細書で説明されるユーザの生理学的パラメータを決定し得る。
【0076】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づいてユーザの心拍数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、パルス波形のピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば1分あたりの拍動数)を決定し得る。ピーク間の時間は、拍動間隔(IBI、interbeat interval)と呼ばれることがある。処理モジュール230-aは、決定された心拍数の値とIBI値をメモリ215に記憶してよい。
【0077】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、IBlの変動に基づいてHRVを決定してもよい。処理モジュール230-aは、メモリ215に経時的なHRV値を記憶してよい。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調又はベースライン変調に基づいて、呼吸数を決定してもよい。呼吸数は、1分間当たりの呼吸で計算されてよく、あるいは別の呼吸数(例えば30秒当たりの呼吸)として計算されてもよい。処理モジュール230-aは、経時的なユーザの呼吸数の値をメモリ215に記憶してもよい。
【0078】
リング104は、1つ以上の加速度計(例えば6-D加速度計)及び/又は1つ以上のジャイロスコープ(ジャイロ)のような1つ以上の運動センサ245を含み得る。運動センサ245は、センサの運動を示す運動信号を生成し得る。例えばリング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する、1つ以上の加速度計を含んでよい。別の例として、リング104は、角運動(例えば角速度)及び/又は方位の変化を示すジャイロ信号を生成する、1つ以上のジャイロセンサを含んでよい。運動センサ245は、1つ以上のセンサパッケージに含まれてよい。例示的な加速度計/ジャイロセンサは、3つの垂直軸における角速度及び加速度を測定し得る、Bosch(登録商標) BMI160慣性微小電気機械システム(MEMS、micro electro-mechanical system)センサである。
【0079】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば50Hz)で運動信号をサンプリングし、サンプリングされた運動信号に基づいてリング104の運動を決定し得る。例えば処理モジュール230-aは、加速度信号をサンプリングしてリング104の加速度を決定してよい。別の例として、処理モジュール230-aは、ジャイロ信号をサンプリングして角運動を決定してよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、動作データをメモリ215に記憶してよい。動作データは、サンプリングされた動作データ、並びにサンプリングされた運動信号(例えば加速度及び角度値)に基づいて計算された動作データを含んでよい。
【0080】
リング104は、本明細書で説明される様々なデータを記憶し得る。例えばリング104は、生のサンプリングされた体温データ及び計算された体温データ(例えば平均温度)のような体温データを記憶してよい。別の例として、リング104は、パルス波形や、パルス波形に基づいて計算されるデータ(例えば心拍数の値、IBI値、HRV値及び呼吸数の値)のようなPPG信号データを記憶してよい。リング104はまた、直線運動及び角運動を示すサンプリングされた動作データのような動作データも記憶してよい。
【0081】
リング104又は他のコンピューティングデバイスは、サンプリング/計算された生理学的データに基づいて、追加の値を計算し、記憶し得る。例えば処理モジュール230は、睡眠メトリクス(例えば睡眠スコア)、活動メトリクス及び準備メトリクスのような、様々なメトリクスを計算して記憶してよい。いくつかの実装では、追加の値/メトリクスは、「導出値(derived values)」と呼ばれることがある。リング104又は他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、運動に関して様々な値/メトリクスを計算し得る。動作データの例示的な導出値は、運動カウント値、規則性値(regularity values)、強度値、タスクの代謝当量値(METs、metabolic equivalence of task values)及び方向値を含み得るが、これらに限定されない。運動カウント、規則性値、強度値及びMETsは、経時的なユーザの運動の量(例えば速度/加速度)を示し得る。方向値は、リング104がユーザの指に対してどのように向けられているか、及びリング104が左手に装着されているか右手に装着されているかを示し得る。
【0082】
いくつかの実装では、運動カウント及び規則性値は、1つ以上の期間(例えば1つ以上の30秒から1分の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって決定され得る。強度値は、運動の数及び運動の関連する強度(例えば加速度値)を示し得る。強度値は、関連する閾値加速度値に応じて、低、中及び高に分類されてよい。METsは、104期間(例えば30秒)の間の運動の強度と、運動の規則性/不規則性と、異なる強度に関連付けられる運動の数とに基づいて決定され得る。
【0083】
いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮し得る。例えば処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づいて計算を行った後に、サンプリングされたデータを削除してもよい。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶される値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化してもよい。具体的な例では、1分間にわたるユーザの平均体温がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間の平均体温を計算し、その後、その1分間の平均体温データを消去してもよい。処理モジュール230-aは、使用される/利用可能なメモリ215の総量、及び/又はリング104がデータをユーザデバイス106に最後に送信してからの経過時間のような様々な要因に基づいてデータを圧縮してよい。
【0084】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104に含まれるセンサによって測定され得るが、他のデバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えばユーザの体温は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定され得るが、他のデバイスがユーザの体温を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば手首デバイス)は、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含んでもよい。加えて、外部医療デバイス(例えばウェアラブル医療デバイス)及び/又は植込み型医療デバイスのような医療デバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定することがある。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つ以上のセンサを使用して、本明細書で説明される技術を実装してよい。
【0085】
生理学的測定は、昼及び/又は夜を通して連続的に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、104の昼部分及び/又は夜の部分の間に行われてもよい。いくつかの実装では、生理学的測定は、ユーザが、アクティブ状態、安静状態(resting state)及び/又は睡眠状態のような特定の状態にあると決定したことに応答して行われてもよい。例えばリング104は、よりクリーンな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104又は他のデバイス/システムは、ユーザが安静にしている及び/又は睡眠しているときを検出し、その検出された状態の生理学的パラメータ(例えば体温)を取得し得る。デバイス/システムは、本開示の技術を実装するために、ユーザが他の状態にあるときに、安静/睡眠生理学的データ及び/又は他のデータを使用してもよい。
【0086】
いくつかの実装では、本明細書で前述したように、リング104は、データを収集、記憶及び/又は処理するように構成されてもよく、本明細書で説明されるデータのいずれかを、記憶及び/又は処理のためにユーザデバイス106に転送し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えばウェブブラウザ280)、1つ以上の追加のアプリケーション及びGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイス等を含む他のモジュール及び構成要素を更に含んでもよい。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106にインストールされ得るアプリケーション(例えば「app」)の例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で説明されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するように構成され得る。例えばウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインタフェース(UI)モジュール255と、取得モジュール260と、処理モジュール230-bと、通信モジュール220-bと、アプリケーションデータを記憶するように構成される記憶モジュール(例えばデータベース265)を含んでよい。
【0087】
本明細書で説明される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110又はそれらの任意の組合せによって実行され得る。例えば場合によっては、リング104によって収集されたデータは、前処理され、ユーザデバイス106に送信されてよい。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対して何らかのデータ処理動作を実行し得るか、データ処理のためにデータをサーバ110に送信し得るか、又はその両方を行ってよい。例えば場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行することがあり、一方、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作及び/又は比較的高いレイテンシを許容し得る動作を処理するために、データをサーバ110に送信することがある。
【0088】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106及びサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成され得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいて、ユーザについての1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)を生成するために使用され得る。例えば本明細書において前述したように、システム200のリング104は、ユーザによって装着されて、ユーザから体温、心拍数、HRV等を含むデータを収集し得る。リング104によって収集されたデータは、所与の「睡眠日(sleep day)」について、ユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているときを決定するために使用されてもよい。いくつかの態様では、スコアは、第1睡眠日が第1スコアセットに関連付けられ、第2睡眠日が第2スコアセットに関連付けられるように、ユーザについて、それぞれの睡眠日毎に計算され得る。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、それぞれの睡眠日毎に計算されてもよい。スコアは、睡眠スコア、準備スコア等を含むが、これらに限定されない。
【0089】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日が、それぞれの暦日の真夜中から真夜中まで続くように、伝統的な暦日(calendar day)と整合してよい。他の場合には、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば睡眠日は、ある暦日の午後6:00(18:00)から次の暦日の午後6:00(18:00)まで続いてよい。この例では、午後6:00は「カットオフ時間」として機能してよく、この場合、午後6:00より前にユーザから収集されたデータは現在の睡眠日についてカウントされ、午後6:00より後にユーザから収集されたデータは次の睡眠日についてカウントされる。ほとんどの個人が夜に最も多く眠るという事実のために、暦日に対して睡眠日をオフセットすることにより、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法でユーザの睡眠パターンを評価することができる。場合によっては、それぞれのユーザが典型的に睡眠する期間に睡眠日を整合させるように、ユーザは、暦日に対して睡眠日のタイミングを(例えばGUIを介して)選択的に調整することができる。
【0090】
いくつかの実装では、それぞれの日毎のユーザの各総合スコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)が、1つ以上の「寄与因子(contributors)」、「要因(factors)」又は「寄与要因(contributing factors)」に基づいて決定/計算され得る。例えばユーザの全体的な睡眠スコアは、総睡眠、効率、休息、レム睡眠、深い睡眠、レイテンシ、タイミング又はそれらの任意の組合せを含む一組の寄与因子のセットに基づいて計算され得る。睡眠スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「総睡眠」寄与因子は、睡眠日の全睡眠期間の合計を指してよい。「効率」寄与因子は、ベッドにいる間に起きている間に費やされる時間と比較した睡眠に費やされる時間のパーセンテージを反映してよく、睡眠日の長い睡眠期間(例えば主睡眠期間(primary sleep period))の効率平均を使用して、各睡眠期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。「休息」寄与因子は、ユーザの睡眠がどれほど安らかであるかを示してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。休息寄与因子は、「ウェイクアップカウント」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのウェイクアップ(ユーザが目が覚めたとき)の合計)、過剰な動き(excessive movement)、及び「ゴットアップカウント(got up count)」(例えば異なる睡眠期間中に検出されたすべてのゴットアップ(ユーザがベッドから起き上がったとき)の合計)に基づくことができる。
【0091】
「レム睡眠」寄与因子は、レム睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたるレム睡眠持続時間の合計を指してよい。同様に、「深い睡眠」寄与因子は、深い睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたる深い睡眠持続時間の合計を指してよい。「レイテンシ」寄与因子は、ユーザが睡眠に入るのにかかる時間(例えば平均、中央値、最長)を意味してよく、睡眠日を通して長い睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間及びそのような持続期間の数によって重み付けされて、計算されてよい(例えば所与の睡眠段階又は複数の睡眠段階の統合は、それ自体の寄与因子であり得るか、又は他の寄与因子を重み付けし得る)。最後に、「タイミング」寄与因子は、睡眠日及び/又は暦日内の睡眠期間の相対的タイミングを指してよく、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して、各期間の持続時間によって重み付けして、計算され得る。
【0092】
別の例として、ユーザの全体的な準備スコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、体温、アクティビティ、アクティビティバランス又はそれらの任意の組合せを含む、一組の寄与因子に基づいて計算され得る。準備スコアは、任意の量の寄与因子を含んでよい。「睡眠」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指してよい。「睡眠バランス」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の累積持続時間を指してよい。特に、睡眠バランスは、ユーザがある期間(例えば過去2週間)にわたって取得してきた睡眠が、ユーザのニーズとバランスが取れているかどうかをユーザに示すことができる。典型的に、成人が健康で注意力を維持し、精神的にも身体的にも最高のパフォーマンスを発揮するためには、一晩に7~9時間の睡眠が必要である。しかしながら、時にはよく眠れない夜があることは普通のことなので、睡眠バランスの寄与因子は長期的な睡眠パターンを考慮に入れて、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを判断する。「安静時心拍数」寄与因子は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)からの最低心拍数及び/又は主睡眠期間後に生じるうたた寝(nap)からの最低心拍数を示し得る。
【0093】
準備スコアの「寄与因子」(例えば要因、寄与要因)に関連して続けると、「HRVバランス」寄与因子は、主睡眠期間及び主睡眠期間後に起こるうたた寝からの最も高いHRV平均を示し得る。HRVバランス寄与因子は、第1期間(例えば2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、なんらかのより長い第2期間(例えば3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザが自身の回復状態を追跡するのを助けることができる。「回復指数」寄与因子は、最長睡眠期間に基づいて計算されてもよい。回復指数は、夜間にユーザの安静時心拍数が安定するまでにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の兆候は、ユーザの安静時心拍数が夜の前半、ユーザが起きる少なくとも6時間前に安定し、身体が翌日のために回復する時間を残すことである。「体温」寄与因子は、最長睡眠期間(例えば主睡眠期間)に基づいて、あるいは、うたた寝中のユーザの最高体温が最長期間中の最高体温よりも少なくとも0.5℃高い場合には最長睡眠期間後に生じるうたた寝に基づいて、計算され得る。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間にユーザの体温を測定してよく、システム200は、ユーザのベースライン体温に対するユーザの平均体温を表示してよい。ユーザの体温が正常範囲の外にある場合(例えば明らかに0.0より上又は下)、体温寄与因子は強調表示されるか(例えば「要注意(Pay attention)」状態になる)又は他の方法でユーザにアラートを生成し得る。
【0094】
いくつかの態様では、システム200は、ユーザの酸素飽和度を測定するための技術をサポートし得る。例えばシステム200は、PPG信号を収集するために複数のチャネル(例えば赤色光を透過する少なくとも2つのチャネルと、赤外光を透過する2つのチャネルを含む)を使用してもよい。システム200は、ウェアラブルリングデバイスのセンサの異なるセットを使用して複数のPPG信号を受信し得る。センサの異なるセットは、少なくとも赤色LED及び赤外LEDを含み得る。システム200は、PPG信号を比較し、比較に基づいて、ユーザの血中酸素飽和度メトリクスを決定し得る。血中酸素飽和度メトリクスは、(例えばGUI275を介して)ユーザに表示され得る。
【0095】
例えば本明細書で前述したように、システム200のリング104は、体温、心拍数、運動、PPG信号等を含む生理学的データをユーザから収集するために、ユーザによって装着され得る。システム200のリング104は、動脈血流に基づいてユーザからの生理学的データを収集し得る。生理学的データは連続的に収集されてもよい。いくつかの実装では、処理モジュール230-aは、日中及び夜間を通じて連続的にユーザの体温をサンプリングし得る。1日を通して十分な速度(例えば1分当たり1サンプル)でサンプリングすることは、本明細書で説明される分析のための十分な体温データを提供し得る。いくつかの実装では、リング104は、体温データ、心拍数データ、PPGデータ及び動作データを(例えばサンプリング速度で)連続的に取得し得る。
【0096】
リング104によって収集されたデータは、ユーザの血中酸素飽和度メトリクスを決定するために使用され得る。ユーザの血中酸素飽和度の測定は、図3を参照して更に示され、説明される。ユーザデバイス106は、ユーザデバイス106のGUI275にアラート又はメッセージを表示してよく、ここで、警告又はメッセージは、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを示してよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスが閾値を超えていること等をユーザに警告してよい。血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられるメッセージ及びアラートは、図6に関して更に詳細に説明される。
【0097】
図3は、本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルデバイス図300の例を示す。ウェアラブルデバイス図300は、システム100、システム200又はその両方の態様を実装してよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。例えばウェアラブルデバイス図300は、図1及び図2を参照して説明されるウェアラブルデバイス104の例を図示し得る。図3では、ウェアラブルデバイスはリングとして図示されているが、図3に図示されるウェアラブルデバイスの態様及び構成要素は、任意のタイプのウェアラブルデバイス(例えば時計、ブレスレット、ネックレス等)で実装されてもよい。
【0098】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、内側ハウジング205及び外側ハウジング205を含んでもよく、これらは、図2を参照して説明される内側ハウジング305及び外側ハウジング310を例であり得る。生理学的測定値を収集するために、1つ以上のLED320のような、1つ以上のセンサが内側ハウジング305に埋め込まれてよい。場合によっては、外側不透明シェルがウェアラブルデバイスの内部構造の上に成形されてよい。さらに、ウェアラブルデバイス図300におけるウェアラブルデバイスは、プリント配線板(PWB)又はPCBのような電子基板を含み得る。PCBは、可撓性部分と剛性部分の両方を有し得る。
【0099】
1つ以上のセンサが電子回路基板に埋め込まれてよい。例えば電子基板は、1つ以上のLED320及びPD325を含み得る。ウェアラブルデバイスは、LED320-aを含んでもよく、LED320-aは、PD325-a及び/又はPD325-bによって受け取られた光335(例えば光335-a、335-b)を放出し得る。この点に関して、LED320-aは、生理学的データ測定のための2つの光学チャネル、すなわち、LED320-aとPD325-aとの間の第1光学チャネルと、LED320-aとのPD325-bとの間の第2光学チャネルとをサポートし得る。ウェアラブルデバイスは、任意の数のLED、PD、及び生理学的データ測定値のためのそれぞれの光学チャネルを含み得る。場合によっては、LED320-aは、赤色LEDであってよく、これは、ウェアラブルデバイス図300のユーザの皮膚315によって散乱及び吸収される光335を放出し得る(例えば反射及び/又は透過測定値)。このような場合、システム200は、測定の多様性及び信頼性を向上させることができる2つの異なるPD(例えばPD325-aとPD325-b)を介して同じ光325を測定し得る。
【0100】
第1PPGセンサセットは、第1光源(例えばLED320-a)、PD325-a及びPD325-bを含み得る。第1光学チャネルは、LED320-aとPD325-aとの間のチャネルを含んでもよく、ここで、LED320-aは、光335-aを放出してもよい。第2光学チャネルは、LED320-aとPD325-bとの間のチャネルを含んでもよく、ここで、LED320-aは光335-bを放出してもよい。このような場合、ウェアラブルデバイス図300は、PD325とLED320-aとの間の2:1の関係を含み得る。
【0101】
ウェアラブルデバイスは、LED320-bを含んでもよく、LED320-bは、PD325-a及び/又はPD325-bによって受け取られる光330を放出し得る。この点に関して、LED320-bは、生理学的データ測定のための2つの光学チャネル、すなわち、LED320-bとPD325-aとの間の第1光学チャネルと、LED320-bとPD325-bとの間の第2光学チャネルとをサポートし得る。場合によっては、LED320-bは、赤外LEDであってよく、これは、ウェアラブルデバイス図300のユーザの皮膚315によって散乱及び吸収される光330を放出し得る(例えば反射及び/又は透過測定)。このような場合、システム200は、2つの異なる光源(例えばLED320-aとLED320-b)を使用して血中酸素測定値を測定することに加えて、測定の多様性及び信頼性を向上させ得る、2つの異なるPD(例えばPD325-aとPD325-b)を介して同じ光330を測定し得る。
【0102】
第2PPGセンサセットは、第2光源(例えばLED320-b)、PD325-a及びPD325-bを含み得る。この点に関して、ウェアラブルデバイス図300は、4つの別個の光学チャネル、すなわち、LED320-aとPD325-a、325-bとの間の2つの光学チャネル、及びLED320-bとPD325-a、325-bとの間の2つの光学チャネルを図示している。したがって、ウェアラブルデバイス図300は、PD325とLED320との間の2:1の関係を含み得る。いくつかの態様では、別個のPPG信号が、それぞれの光学チャネルの各々に沿って取得され得る。さらに、いくつかの実装では、LED320-aは、LED320-bによって生成される光330と比較して異なる波長の光335を生成するように構成されてよく、これにより、ウェアラブルデバイス図300内で取得される測定値(例えばPPG信号)の多様性を更に向上させることができる。
【0103】
LED320-a(赤色LEDであってよい)は、光335-aが第1チャネルに沿ってPD325-aへガイドされ、光335-bが第2チャネルに沿ってPD325-bへガイドされ得るように、光335を放出し得る。同様に、LED320-b(赤外LEDであってよい)は、光330-aが第3チャネルに沿ってPD325-aへガイドされ、光118-bが第4チャネルに沿ってPD325-bへガイドされ得るように、光330を放射し得る。第1PPGセンサセット(例えばLED320-a、PD325-a及びPD325-bを含む)は、第1波長の光(例えば赤色光)を使用して第1PPG信号を取得するように構成され得る。第2PPGセンサセット(例えばLED320-b、PD325-a及びPD325-bを含む)は、第2波長の光(例えば赤外光)を使用して第2PPG信号を取得するように構成され得る。赤色LEDの一例であり得るLED320-aは、740~760nmの波長の光を放出し得る。いくつかの実装では、LED320-bは、赤外LEDの一例であってもよい。いくつかの例では、LED320-a、LED320-b又はその両方は、レーザダイオードを含んでもよい。
【0104】
場合によっては、PD325-a、PD325-b又は両方は、生理学的測定に使用されるPD325-a及びPD325-bのように、1つ以上のLED320から放出される光を検出し得る。このような場合、少なくとも1つのPD325が、第1PPGセンサセット(LED320-aを含む)及び第2PPGセンサセット(LED320-bを含む)の両方に含まれてもよい。例えばPD325は、赤色及び赤外PPG測定の両方に使用されてよい。他の場合には、PD325-a、PD325-b又は両方は、(例えば対応するLED320によって透過された光のみを受け取る)LED320-a又はLED320-bに固有であってよい。
【0105】
場合によっては、ウェアラブルデバイスは、光を放出し得る追加のLEDを含み得る。追加のLEDは、赤色LED、赤外LED、緑色LED、青色LED又はこれらの組合せであってもよい。光は、ユーザの皮膚315によって散乱及び吸収され、PD325-a及び/又はPD325-bを介して測定され得る。本明細書で前述したように、LED320-a及び320-bの各々は、それぞれのPD325-a、325-bを介して複数の光チャネルをサポートし得る。PD325-a及びPD325-bは、皮膚によって反射され、かつ/又は皮膚を透過した、それぞれのLED320からの光を測定するように構成され得る(例えば反射及び/又は透過測定)。このような場合、第1PPG信号(例えば光335-a及び光335-bの測定を介して生成される)、第2PPG信号(例えば光330-a及び光330-bの測定を介して生成される)又はその両方は、ユーザの組織を透過する光及び/又はユーザの組織によって反射する光に基づいてよい。例えばPPG信号は、透過光と反射光との組合せに基づいてよい。
【0106】
場合によっては、LED320-a、PD325-a、LED320-b及びPD325-bの各々は、ウェアラブルデバイスの軸に対して異なる半径方向位置に、ウェアラブルデバイスの内周に沿って配置されてもよい。いくつかの例では、LED320-a及びLED320-bは、ウェアラブルデバイスの軸に対して同じ半径方向位置に、ウェアラブルデバイスの内周に沿って配置されてもよい。例えばLED320-aとLED320-bは、ウェアラブルデバイスの内周に沿って互いに隣接していてもよい。いくつかの例では、PD325-aは、PD325-bの反対側の半径方向位置に配置されてもよい。PD325-aは、(例えばPD325-aとLED320-bとの間の半径距離と比較して)PD325-aとLED320-aとの間の半径距離を短くするために、半径方向にLED320-aにより近い位置に配置されてよく、PD325-bは、(例えばPD325-bとLED320-aとの間の半径距離と比較して)PD325-bとLED320-bとの間の半径距離を短くするために、半径方向にLED320-bにより近い位置に配置されてもよい。場合によっては、PD325-aとPD325-bの位置が入れ替わってもよい。
【0107】
場合によっては、内側ハウジング305は、1つ以上のLED320、1つ以上のPD325又はその両方の上にドーム構造を含んでもよい。例えばウェアラブルデバイスは、皮膚315との接触を改善するために、LED320-a、LED320-b、PD325-a及びPD325-bの上にドーム構造を含んでもよい。他のいくつかの場合において、LED320が光330又は光335を放出するためのウィンドウが存在してもよい。光学境界面は、内側ハウジング305とドーム又はウィンドウ(例えば~1.57の屈折率を有する)と皮膚315の最上層(例えば~1.55の屈折率を有する)との間に形成されてもよい。ウェアラブルデバイスは、PPG及びSpO2測定のような生理学的測定のために、組織を介したLED320からPD325への光伝播を使用してもよい。すなわち、ウェアラブルデバイスは、赤色波長を含み得るLED320-aからの光335を使用してSpO2又はPPGを測定し、赤外波長を含み得るLED320-bからの光330を使用してSpO2又はPPGを測定し得る。光330は、波長が変化するために、光335とは異なる深さまで皮膚315を透過し得る。
【0108】
いくつかの例では、生理学的測定に使用されるLED320とPD325との間の光路に加えて、ウェアラブルデバイスのためのLED320と皮膚315との間に3つの異なるタイプの境界面(interfaces)が存在し得る。例えばLED320-a及びLED320-bは、内側ハウジング305内に(例えば光学的に透明なエポキシ材料内に)埋め込まれてもよく、内側ハウジング305を介して皮膚315境界面にLED光学系から結合された光335及び330のような光をそれぞれ放出してもよい。場合によっては、LED320-a及びLED320-bは、ドーム(例えばエポキシ、金属又はそれらの組合せで構成される)の下にあってもよく、内側ハウジング305を介して皮膚315境界面にLED光学系から結合された光335及び330をそれぞれ放出してもよい。LED320-a及び320-bは、皮膚がLED320-a及びLED320-bと直接接触することができるように、内側ハウジング305の表面と同一平面にあってもよい。さらに、皮膚315(例えば指の組織)の内部を伝播する光は、皮膚315を介して内側ハウジング305境界面まで、PD光学系に結合されてもよい。
【0109】
いくつかの実装では、コスト及びスペースを節約するために、単一のPD325が複数のLED320と一緒に使用されてよい。いくつかの例では、LED320-a及び320-b又は両方は、生理学的測定を行うために使用され得るカラーLEDであり得る。信号(例えばPD325における)を測定することによって、高速動作中に十分な光路を有し、電池消費を低減するLED320とPD325のペアを使用することが可能である。
【0110】
場合によっては、赤/緑/青(RGB)LEDが使用される場合、ウェアラブルデバイスは、取得された生理学的データに基づいてスペクトル分析を行うことができる。すなわち、複数の波長の光は、スペクトル分析手順を実行するために使用されてよく、スペクトル分析手順は、PPG波長選択をガイドするために使用され得る。例えばウェアラブルデバイス図300を参照すると、複数の波長の光(例えば光330及び光335)は、チャネルを通して導かれてもよく、ここで、光330及び光335の異なる波長は、屈折率又は吸収率のスペクトル差を示す、チャネルと接触する材料に基づいて、チャネルから異なるように結合されてもよい。言い換えると、光330及び光335のそれぞれの波長の異なる量/比率は、それぞれのチャネルと接触する材料の光学特性に基づいて、光学チャネルから逃げる可能性がある。それぞれのチャネルの光学的挙動に影響を及ぼし得る材料は、汗、汚れ、水、他の液体等を含み得る。いくつかの例では、ウェアラブルデバイスによって実行されるスペクトル分析手順は、ウェアラブルデバイスが1つ以上の医学的状態についてユーザに警告することを可能にし得る。
【0111】
ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスの一例であってもよい。例えばウェアラブルデバイス図300に示されるそれぞれのチャネルに沿って取得されるPPG信号は、指の皮膚315を透過する透過光と反射光の組合せとして取得されてもよい。このような場合、システム200は、より小さな動脈(例えば細動脈)及び毛細血管が位置する指の部分(例えば指の最も広い部分)を通して光を透過又は反射することによって、指の異なる位置で血中酸素測定値を測定してもよい。比較すると、身体の他の部分(例えば手首の上部)は、細動脈を含まないことがあり、いくつかのウェアラブルデバイスによって収集された生理学的測定を妨害する可能性のある骨及び他の身体物質を含むことがある。そのため、手首の周囲に装着されるウェアラブルデバイスのようないくつかの他のウェアラブルデバイスは、細動脈内の血流に基づいて生理学的データを取得することができない可能性があり、その結果、ウェアラブルリングデバイスを使用して取得された測定値と比較して、劣った生理学的測定値が得られ、取得される生理学的測定値の効率性及び信頼性が低下する可能性がある。
【0112】
場合によっては、システム200は、異なるリングサイズ及び異なるLED電流について測定値を較正することができる。LED320の特性は、より高い電流又は異なる電流が使用されるにつれて変化し得る。例えばより小さいリングサイズは、より大きいリングサイズと比較して、より小さいLED電流を含み得る。より大きなLED電流がより小さなリングサイズで使用された場合、PD325は、PD325が光330又は光335を検出することができないように飽和され得る。より小さなLED電流を使用することは、電力消費を減少させ、ウェアラブルリングデバイスのバッテリ寿命を増加させ得る。
【0113】
図4は、本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするプロセスフロー400の例を示す。プロセスフロー400は、少なくともサーバ110、ユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104又はこれらのデバイスからの構成要素の何らかの組合せを含むシステム200によって実装され得る。下記のものの代替例が実装されてもよく、その場合、いくつかのステップは、記載されたものとは異なる順序で実行されるか又は全く実行されない。場合によっては、ステップは、以下に記載されていない追加の特徴を含んでもよく、あるいは更なるステップが追加されてもよい。
【0114】
405において、システム200は、運動データ及び体温データを受信し得る。例えばシステム200は、ウェアラブルデバイスを介して、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信し得る。生理学的データは、少なくとも運動データ又は体温データ又はその両方を含み得る。このような場合、システム200は、血中酸素測定を実行するためのトリガとして、運動データ及び体温データを利用し得る。言い換えると、システム200は、運動データ、体温データ又はその両方を評価して、高品質で正確な血中酸素測定をもたらし得る時間間隔を決定し得る。場合によっては、運動データが閾値運動メトリクス以下である場合、運動データは閾値運動メトリクスを満たしてよい。体温が閾値体温メトリクス以上である場合、体温データは閾値体温メトリクスを満たしてよい。このような場合、血中酸素測定を実行するためのトリガ条件は、体温データが閾値温度メトリクスを超え、かつ運動データが閾値運動メトリクスを下回る場合であってもよい。例えばシステム200は、ユーザがほとんど又は全く運動を経験しておらず(例えば運動が閾値未満である)、かつ体温が高い(例えば閾値を超える)と判断したことに応答して、血中酸素測定を開始してもよい。このような場合、システム200は、赤外線灌流を高い精度で決定し得る。
【0115】
システム200は、生理学的データを受信したことに基づいて、ユーザに関連付けられる基礎体温を識別し得る。いくつかの例では、基準体温は夜間体温ベースラインを含んでよい。このような場合、体温が夜間体温ベースライン以上である場合、体温データは夜間体温ベースライン(例えば閾値体温メトリクス)を満たしてよい。受信した体温データ及び運動データは、ローカルメモリストレージに保存され得る。
【0116】
システム200は、ウェアラブルデバイスを介して、ユーザに関連付けられる生理学的データを受信してもよく、この場合、生理学的データは、少なくとも心拍数データ又はPPG信号特徴データ又はその両方を含む。場合によっては、システム200は、心拍数が閾値心拍数メトリクスを満たすと判断し得る。システム200は、PPG信号特徴データが閾値メトリクスを満たすと判断し得る。このような場合、システム200は、心拍数データ、及び脈波振幅減衰のようなPPG信号の他の特徴を利用して、血中酸素測定を実行することをトリガし得る。
【0117】
いくつかの例では、システム200は、運動データ及び体温データを受信したことに直接応答して、自動利得制御(automatic gain control)を実装し得る。自動利得制御は、光の輝度、測定の感度、光の速度、PPGセンサ(例えばLED320)に供給される電圧又は電流、あるいはそれらの組合せをモニタし、調整し得る。運動データ及び体温データは、夜間(例えばユーザが眠っているとき)に受信されてもよい。このような場合、ユーザが最適なポジション(例えば安静時)にあり、体温の上昇を経験しているときに、血中酸素測定を行うことによって、血中酸素測定はより正確かつ精密に行われ得る。場合によっては、システム200は、夜間に運動データ及び体温データを受信し、運動データ及び体温データを受信したことに直接応答して血中酸素測定を実行することによって、ウェアラブルデバイス(例えばリング)に関連付けられる電力を節約することができる。
【0118】
410において、システム200は、第1PPG信号を受信し得る。例えばシステム200は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1PPG信号を受信し得る。例えば第1PPG信号は、第1LED320-a及び1つ以上のPD325を使用して取得され得る。場合によっては、第1PPG信号を受信することは、閾値運動メトリクスを満たす運動データと、閾値体温メトリクスを満たす体温データとに基づいてよい。いくつかの例では、システム200は、閾値心拍数メトリクスを満たす心拍数と、閾値メトリクスを満たすPPG信号特徴データとに基づいて、第1PPG信号を受信し得る。受信された第1PPG信号は、ローカルメモリストレージに保存され得る。
【0119】
415において、システム200は、第1PPG信号の第1PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第1PPGセンサセットの第1サブセット間の第1チャネルを利用して第1PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第1LED320-a及び第1PD325-aを使用して第1PPG測定値を取得し得る。システム200は、第1PPG測定値を含み得る(又は第1PPG測定値を生成するために使用される)第1PPG信号を受信し得る。このような場合、第1PPG信号は、第1PPG測定値に基づいてよい。例えばシステム200は、50Hzの赤色光を使用して、第1PDにおいて第1PPG測定値を測定し得る。受信された第2PPG信号は、ローカルメモリストレージに保存され得る。
【0120】
420において、システム200は、第2PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第1PPGセンサセットの第2サブセット間の第2チャネルを利用して第2PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第1LED320-a及び第2PD325-bを使用して第2PPG測定値を取得し得る。システム200は、第2PPG測定値を含み得る(又は生成するために使用される)第1PPG信号を受信し得る。このような場合、第1PPG信号は、第2PPG測定値に基づいてよい。例えばシステム200は、50Hzの赤色光を使用して、第2PDにおいて第2PPG測定値を測定し得る。このような場合、第1PPG信号は赤色光を含み、同じ赤色光源と2つの異なるPDとの間の2つの異なるチャネルを使用して測定され得る。
【0121】
425において、システム200は、第2PPG信号を受信し得る。例えばシステム200は、ウェアラブルデバイスを介して、第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザのための第2PPG信号を受信し得る。例えば第2PPG信号は、第2LED320-b及び1つ以上のPD325を使用して取得され得る。場合によっては、第2PPG信号を受信することは、運動データが閾値運動メトリクスを満たすこと及び体温データが閾値体温メトリクスを満たすことに基づいてよい。いくつかの例では、システム200は、心拍数が閾値心拍数メトリクスを満たすこと及びPPG信号特徴データが閾値メトリクスを満たすことに基づいて、第2PPG信号を受信し得る。
【0122】
場合によっては、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することは、第1光源及び第2光源が同時にアクティブな活性状態になるように、第1光源(例えば赤色光源)及び第2光源(例えば赤外光源)の活性状態を選択的に制御することを含み得る。例えばシステム200は、赤色光源(例えばLED320-a)及び赤外光源(例えばLED320-b)を同時に発光(fire)(例えば活性化)してもよい。
【0123】
追加又は代替的な場合において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することは、第2光源が非アクティブな活性状態であるときに、第1光源がアクティブな活性状態になるように、その逆も同様であるように、すなわち、第2光源がアクティブな活性状態であるときに、第1光源が非アクティブな活性状態になるように、第1光源(例えば赤色光源)及び第2光源(例えば赤外光源)の活性状態を順次制御することを含み得る。例えば赤色光源が非アクティブである(例えば発光していない)ときに赤外光源が発光し、逆もまた同様であるように、赤外光源(例えばLED320-b)の発光速度(firing rate)は、赤色光源(例えばLED320-a)の発光速度からオフセットされ得る。システム200は、赤外光源を活性化させる前に赤色光源を発光(例えばアクティブに)させてもよく、あるいはシステム200は、赤色光源を活性化させる前に赤外光源を発光(例えば活性化)させてもよい。システム200は、赤色光源及び赤外光源を順次発光(例えば活性化)させてもよい。
【0124】
システム200は、運動データ、第1PPG信号、第2PPG信号又はそれらの組合せに基づいて、ユーザの呼吸数を決定し得る。例えばシステム200は、ウェアラブルデバイスのPPG信号、加速度計測定及び/又はジャイロスコープ測定の組合せを使用して、ユーザの呼吸数を決定(例えば感知)し、血中酸素測定を補正するために、この呼吸数を使用し得る。
【0125】
430において、システム200は、第3PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第2PPGセンサセットの第1サブセット間の第3チャネルを利用して第3PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第2LED320-b及び第1PD325-aを使用して第3PPG測定値を取得し得る。システム200は、第3PPG測定値を含み得る第2PPG信号を受信し得る。このような場合、第2PPG信号は、第3PPG測定値に基づいてよい。例えばシステム200は、50Hzの赤外光を使用して、第1PDにおいて第3PPG測定値を測定し得る。
【0126】
435において、システム200は、第4PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第2PPGセンサセットの第2サブセット間の第4チャネルを利用して第4PPG測定値を受信し得る。例えばシステム200は、第2LED320-b及び第2PD325-bを使用して第4PPG測定値を取得し得る。システム200は、第4PPG測定値を含み得る第2PPG信号を受信し得る。このような場合、第2PPG信号は、第4PPG測定値に基づいてよい。例えばシステム200は、50Hzの赤外光を使用して、第2PDにおいて第4PPG測定値を測定し得る。このような場合、第2PPG信号は、赤外光を含んでよく、同じ赤外光源と2つの異なるPDとの間の2つの異なるチャネルを使用して測定され得る。
【0127】
一般に、システム200は、本明細書で説明される血中酸素測定(例えば血中酸素飽和度測定)を実行するために、PPGセンサの任意の組合せを使用して、任意の数のPPG信号を取得し得る。例えばシステム200は、第1PPGセンサセット及び第2PPGセンサセットとは異なる第3PPGセンサセットを使用して、時間間隔中に取得されたユーザの第3PPG信号を受信し得る。第3PPG信号を受信することは、第3PPGセンサセットの第1サブセット間の第5チャネルを利用する第5PPG測定値を受信することと、第3PPGセンサセットの第2サブセット間の第6チャネルを利用する第6PPG測定値を受信することとを含み得る。このような場合、第3PPG信号は、第5PPG測定値及び第6PPG測定値に基づいてよい。第1PPGセンサセット、第2PPGセンサセット及び第3PPGセンサセットは、3つの異なる波長を使用してもよい。
【0128】
440において、システム200は、測定値を組み合わせてもよい。例えばシステム200は、第1PPG測定値と第2PPG測定値とを組み合わせて、第1の組み合わせPPG信号/測定値を生成し得る。場合によっては、システム200は、平均化演算、加重平均化演算又はその両方のような1つ以上の数学的演算を使用して、第1PPG測定値と第2PPG測定値とを組み合わせてもよい。第1の組み合わせPPG信号/測定値は、2つ以上の赤外チャネルからの2つの異なるPPG測定が組み合わされ得る、2つの異なるPPG測定値(例えば赤色チャネル)に基づいてよい。第1PPG測定値及び第2PPG測定値は、各PPG測定値のパルス(例えばAC振幅)を平均化することによって平均化され得る。加えて、いくつかの態様では、システム200は、PPG測定値のうちの1つが、不十分な信号品質又は強度を示すと判断することがある。このような場合、システム200は、低い信号品質/強度を有するPPG測定値をドロップするか、又はそうでなければ無視してもよい。
【0129】
445において、システム200は、測定値を組み合わせてもよい。例えばシステム200は、第3PPG測定値と第4PPG測定値とを組み合わせて、第2の組み合わせPPG信号/測定値を生成し得る。場合によっては、システム200は、平均化演算、加重平均化演算又はその両方のような1つ以上の数学的演算を使用して、第3PPG測定値と第4PPG測定値とを組み合わせてもよい。第2の組み合わせPPG信号/測定値は、2つ以上の赤色チャネルからの2つの異なるPPG測定値が組み合わされ得る、2つの異なるPPG測定値(例えば赤外チャネル)に基づいてよい。第3PPG測定値及び第4PPG測定値は、各PPG測定値のパルス(例えばAC振幅)を平均化することによって平均化され得る。加えて、いくつかの態様では、システム200は、PPG測定値のうちの1つが、不十分な信号品質又は強度を示すと判断することがある。このような場合、システム200は、低い信号品質/強度を有するPPG測定値をドロップするか、又はそうでなければ無視してもよい。
【0130】
場合によっては、組み合わせPPG信号(例えば第1の組み合わせPPG信号及び第2の組み合わせPPG信号)は、組み合わせPPG信号の品質(例えば解像度、精度、正確性等)を示す品質マーカを含んでもよい。品質マーカは、各PPG波形に対して計算され得る。例えばシステム200は、組み合わせPPG信号の移動尖度計算(moving kurtosis calculation)、赤色チャネルに関連付けられるPPG信号のリサージュ(Lissajous)パターンの形状推定及び赤外線差分吸収(dA、differential absorption)プロット等を実行し得る。
【0131】
本開示の目的のために、「尖度(kurtosis)」という用語は、第4の標準化されたモーメント(fourth standardized moment)を指すために使用されよく、これは、以下の式1に従って定義され得る:
【数1】
ここで、μは第4の中心モーメントであり、σは標準偏差である。式1を使用して、システム200は、後続のサンプル(例えば後続の測定値)の差を計算し、ここで、分子=diff(ppg)であり、サンプルと後続のサンプルの平均(例えば連続するPPG測定値の平均)を計算するように構成されてよく、ここで、分母=(ppg(1:end-1))+ppg(2:end))/2である。システム200は、次いで、分子値及び分母値を除算して、dAを得ることができる。特に、システム200は、それぞれのチャネル(例えば赤色チャネル、IRチャネル)の各々についてdAを計算し、次いで、それぞれのチャネルについて、dAメトリクスを互いに対してプロットして、dA吸収プロットを生成し得る。場合によっては、システム200は、dA吸収プロットの特徴(例えば勾配、R値)を識別して、決定されたPPG測定値及び/又は血中酸素メトリクスの特徴(例えば相対的品質)を決定し得る。
【0132】
450において、システム200は、パスフィルタを実行し得る。第1PPG測定値と第2PPG測定値とを平均化することに応答して、システム200は、9Hzでローパスフィルタを実行し、続いて0.5Hzでハイパスフィルタを実行し得る。場合によっては、システム200は、PPG測定値の平均を取った後に、PPG測定値を逆にする(例えば反転させる)ことができる。このような場合、システム200は、PPG測定を反転した後にローパスフィルタを実行することができる。
【0133】
455において、システム200は、パスフィルタを実行し得る。第3PPG測定値と第4PPG測定値との平均化に応答して、システム200は、ローパスフィルタを実行し、続いてハイパスフィルタを実行し得る。場合によっては、システム200は、PPG測定値の平均を取った後に、PPG測定値を反転させてもよい。このような場合、システム200は、PPG測定値を反転した後にローパスフィルタを実行し得る。
【0134】
460において、システム200は、第1灌流比(perfusion ratio)を決定し得る。例えばシステム200は、第1PPG信号の第1振幅と第1ベースライン振幅レベルとの間の第1灌流指数(perfusion index)(例えば灌流比)を決定し得る。灌流比は、振幅を直流(DC)で割った値に等しくてよい。システム200が、第1灌流比が何らかの閾値(例えば0.15%)よりも大きいと判断した場合、システム200は比を決定し得る。
【0135】
465において、システム200は、第2灌流比を決定し得る。例えばシステム200は、第2PPG信号の第2振幅と第2ベースライン振幅レベルとの間の第2灌流指数(例えば灌流比)を決定し得る。灌流比は、振幅をDCで割ったものに等しくてよい。システム200が、第2灌流比が0.15%より大きいと判断した場合、システム200は比を決定し得る。
【0136】
470において、システム200は、第1の組み合わせPPG信号と第2の組み合わせPPG信号との間の比を決定し得る。このような場合、システム200は、第1灌流指数と第2灌流指数との間の比(例えば複数の比のうちのある比)を決定し得る。この点に関して、システム200は、第1の組み合わせPPG信号と第2の組み合わせPPG信号を比較してよく、血中酸素飽和度信号を生成してよい。
【0137】
475において、システム200は、較正係数を識別し得る。例えばシステム200は、血中酸素飽和度計算のための1つ以上の較正係数を識別し得る。較正係数は、第1較正係数、第2較正係数及び第3較正係数を含み得る。いくつかの態様では、血中酸素飽和度メトリクスを決定するために、較正係数は、血中酸素飽和度信号とともに(例えば血中酸素飽和度信号にプラグインされて)使用されてもよい。
【0138】
480において、システム200は、血中酸素飽和度メトリクスを決定し得る。例えばシステム200は、第1の組み合わせPPG信号と第2の組み合わせPPG信号の比較に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定し得る。場合によっては、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスは、血中酸素飽和度信号及び1つ以上の較正係数、第1の組み合わせPPG信号と第2の組み合わせPPG信号との比、又はその両方に基づいて決定され得る。例えばシステム200は、異なるチャネル(例えば赤色チャネル、赤外チャネル)からの組み合わせPPG信号を比較することによって血中酸素飽和度メトリクスを決定してよく、較正係数を利用して、ユーザの血中酸素飽和度メトリクスを決定する。
【0139】
追加又は代替的に、システム200(例えばシステム200のウェアラブルリングデバイス)は、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの変動(例えば分散、変動性)を決定し得る。すなわち、システム200は、時間間隔にわたって、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの後続の血中酸素飽和度メトリクス間の平均変化率(例えば絶対平均)を決定し得る。追加又は代替的に、システム200(例えばシステム200のウェアラブルリングデバイス)は、第1時間間隔にわたる平均血中酸素飽和度メトリクスを決定し、それを第2時間間隔にわたる平均血中酸素飽和度メトリクスと比較して、第1時間間隔から第2時間間隔までの平均血中酸素飽和度メトリクスにおける変動を決定してもよい。したがって、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスにおける変動は、平均変化率、時間間隔の間の平均血中酸素飽和度メトリクスの変動又はその両方に基づいてもよい。
【0140】
いくつかの例では、システム200は、決定された変動を閾値と比較し得る。閾値を超える決定された変動は、ユーザの睡眠障害を示し得る。反対に、決定された分散が閾値を下回る(例えば閾値を超えない)ことは、ユーザの安定した血中酸素飽和度を示し得る。
【0141】
いくつかの実装では、システム200は、外れ値(例えば外れ値PPG信号を含む)をフィルタアウトし得る。ユーザの決定された血中酸素飽和度メトリクスは、ローカルメモリストレージに保存され得る。場合によっては、システム200は、第1PPG信号と第2PPG信号との比較に基づいて、血中酸素飽和度信号を生成してもよい。システム200は、ユーザの呼吸数を決定したことに基づいて、ユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを更新し得る。このような場合、システム200は、心拍数、加速度計及び/又はウェアラブルデバイスのジャイロスコープに基づくPPG信号の組合せを使用して、ユーザの呼吸数を感知し、ユーザの呼吸数を使用して、血中酸素飽和度メトリクスを相関させる(例えば補正する)(例えば呼吸障害が血中酸素飽和度メトリクスの低下をもたらすときに相関させる)ことができる。
【0142】
いくつかの実装では、システム200は、体温データに基づいて第1PPG信号及び第2PPG信号を修正し得る。このような場合、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定することは、第1PPG信号及び第2PPG信号を修正することに基づいてよい。例えばシステム200は、体温データを使用して、環境温度及び/又は生理的温度を変化させることによってLED構成要素に生じる波長配置を補正することができる。
【0143】
いくつかの実装では、システム200は、圧力データ(例えば測定位置で測定された圧力)に基づいて、第1PPG信号及び第2PPG信号を修正し得る。場合によっては、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスは、血中酸素飽和度メトリクスを増加(例えばスパイク)させ得る非生理学的信号レベル変化に基づいて省略(例えば無視)され得る。血中酸素飽和度メトリクスにおける変化は、決定されたパターンを含むことがある。例えば赤色チャネルに関連付けられるPPG信号は、血中酸素飽和度メトリクスが減少するときの第1パターンを含んでもよく、赤外チャネルに関連付けられるPPG信号は、血中酸素飽和度メトリクスが減少するときの第1パターンとは異なる第2パターンを含むことがある。第1パターンは減少する勾配を含むことがあり、第2パターンは増加する勾配を含むことがある。システム200は、第1及び第2パターンがそれぞれのPPG信号に存在しない可能性があると判断することがあり、そのような場合、システム200は、血中酸素飽和度メトリクスを省略してよい。場合によっては、血中酸素飽和度メトリクスは、ユーザの指に対するリング104の回転に基づいて補償されてもよい。このような場合、ユーザの指に対するリング104の相対的回転を決定するための回転検出方法が実装されてもよい。このような場合、システム200は、複数のPPG信号及び体温信号(例えばデータ)を受信してもよく、リング104の決定された回転に基づいて、決定された血中酸素飽和度メトリクスを補償(例えば調整、修正)してもよい。
【0144】
図5は、本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするタイミング図500の例を示す。タイミング図500は、システム100、システム200、ウェアラブルデバイス図300又はそれらの組合せの態様を実装してもよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。
【0145】
タイミング図500は、第1PPG信号505及び第2PPG信号510を含み得る。第1PPG信号505は、赤外LEDからのPPG信号の例であってもよく、第2PPG信号510は、赤色LEDからのPPG信号の例であってもよい。場合によっては、赤色LEDに関連付けられる赤色光は、PDが、赤外LEDに関連付けられる赤外光を受光するよりも速くPDで受光され得る。例えば赤色LED320-aと赤外LED320-bが同時に発光又は活性化する場合、ユーザの指の内部における赤色光及び赤外光の挙動は、ユーザの皮膚及び他の組織の生理学的特性によって異なる可能性があり、その結果、それぞれのPD325における赤色光と赤外光の到達時間が異なる可能性がある。
【0146】
タイミング図500は、第1PPG信号505のピーク点が第2PPG信号510のピーク点と一致し得る(例えば位置合わせする)ピークマッチングの例を示し得る。このような場合、赤色LEDと赤外LEDとは同時に活性化されてもよい。2つのPDは、赤色LEDからの赤色光を同時に受光してもよく、赤外LEDからの赤外光を同時に受光してもよい。場合によっては、第1PPG信号505のピーク点は、第1PPG信号505の形状が第2PPG信号510の形状から変化し得る第2PPG信号510のピーク点よりも高いことがある。いくつかの実装では、システム200は、より正確で信頼性のある血中酸素測定値を生成するために、それぞれのPPG信号505、510のピークを位置合わせする(例えば時間領域でピークを位置合わせする)ために、「ピークマッチング」手順を実行するように構成され得る。
【0147】
図6は、本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするGUI600の例を示す。GUI600は、システム100、システム200、ウェアラブルデバイス図300、プロセスフロー400、タイミング図500又はそれらの任意の組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。例えばGUI600は、ユーザ102に対応するユーザデバイス106(例えばユーザデバイス106-a、106-b、106-c)のGUI275の例であってもよい。
【0148】
いくつかの例では、GUI600は、該GUI600(例えば図2に図示されるGUI275)を介してユーザ102に表示され得る一連のアプリケーションページを示す。いくつかの実装では、アプリケーションページは、アラート605を介して1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示し得る。このような場合、アプリケーションページは、ホームページ上にアラート605を含み得る。ユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスが決定され得る場合、本明細書で説明されるように、サーバ110は、アラート605をユーザ102に送信してよく、ここで、アラート605は、ユーザ102の1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられる。
【0149】
例えばユーザ102は、アラート605を受信してよく、アラート605は、それぞれの暦日についての1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを示し得る。アラート605は、ユーザ102が1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスに基づいて異なるアラート605を受信することができるように、構成可能/カスタマイズ可能であってよい。
【0150】
場合によっては、ユーザは、システム200がアラート605を表示する前に、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスに対処するための是正措置(remedial action)を取ってもよい。このような場合、システム200は、是正措置に関連付けられる生理学的データを受信してもよく、システム200は、アラート605を表示することを控えてもよい(例えばアラート605を無効にする(override))。いくつかの例では、システム200は、是正措置に関連付けられる生理学的データを受信したことに基づいて、アラート605を調整し得る。
【0151】
図6に示されるように、アプリケーションページは、メッセージ610を介して、決定された血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられる情報を表示し得る。ユーザ102は、メッセージ610を受信してよく、メッセージ610は、ユーザ102に、メッセージ610を検証するか又は却下するように促してよい。このような場合、アプリケーションページは、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを確認又は却下するようにユーザ102に促してもよい。例えばシステム200は、ユーザデバイス106を介して、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定したことに応答して、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの確認を受信し得る。さらに、いくつかの実装では、アプリケーションページは、それぞれの日についてのユーザ102の1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア、活動スコア/活動目標進捗)を表示し得る。
【0152】
アプリケーションページは、「血中酸素飽和度メトリクス確認カード」のような血中酸素飽和度メトリクスカードを表示してよく、これは、血中酸素飽和度メトリクスが記録されたことを示す。さらに、場合によっては、血中酸素飽和度メトリクスを使用して、ユーザ102に関連付けられた1つ以上のスコア(例えば睡眠スコア、準備スコア)を更新(例えば修正)し得る。すなわち、血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられるデータを使用して、次の暦日についてのユーザ102のスコアを更新し得る。場合によっては、準備スコアは、血中酸素飽和度メトリクスに基づいて更新され得る。
【0153】
場合によっては、ユーザデバイス106のGUI600を介してユーザ102に表示されるメッセージ610は、血中酸素飽和度メトリクスが全体的なスコア(例えば全体的な準備スコア)及び/又は個々の寄与要因にどのように影響したかを示し得る。例えばメッセージは、「現在、あなたの身体は負担がかかっているようですが、体調が大丈夫であれば、呼吸訓練や瞑想を行うことで血中酸素飽和度メトリクスを改善するのを助けることができます」と示すことがある。血中酸素飽和度メトリクスが最適でなかった場合、メッセージ610は、ユーザの全体的な健康を改善するために、ユーザに提案を提供し得る。GUI600は、体温、心拍数、HRV等を含む、血中酸素飽和度メトリクスの1つ以上のパラメータを示し得る。
【0154】
場合によっては、ユーザ102は、入力615を介して症状をログ記録し得る。例えばシステム200は、血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられる症状をログ記録するために、ユーザ入力(例えばタグ)を受信し得る。いくつかの例では、システム200は、アルコール摂取、ストレス、不安、夜中の目覚め等のような補足データを受信し得る。システム200は、ユーザ履歴及び血中酸素飽和度メトリクスに基づいて、ユーザ102にタグを提案し得る。
【0155】
GUI600はまた、血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられる洞察、提案等を含むメッセージ610も含み得る。システム200のサーバ110は、ユーザデバイス106のGUI600に、血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられるメッセージ610を表示させ得る。ユーザデバイス106は、メッセージ610を介して、血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられる提案及び/又は情報を表示し得る。
【0156】
本明細書で前述したように、決定された血中酸素飽和度メトリクスは、挙動の変化(例えば睡眠、運動、食事及び気分の改善)がどのようにユーザの血中酸素飽和度メトリクスの改善に役立つかをユーザが理解することを可能にし得るメトリクスをユーザに提供することによって、ユーザの全体的な健康に有益であり得る。いくつかの実装では、ユーザデバイス106及び/又はサーバ110は、GUI600を介してユーザに表示され得る血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられるアラート605を生成し得る。場合によっては、アラート605は、血中酸素飽和度メトリクスを改善するためにユーザがどのようにライフスタイルを調整することができるかについての提案を表示し得る。いくつかの例では、システム200は、血中酸素飽和度メトリクスを決定した後に、ユーザ102に対してガイド付き瞑想(guided mediation)又は呼吸訓練を提案し得る。
【0157】
いくつかの実装では、システム200は、ユーザの血中酸素飽和度メトリクスに関する追加の洞察を提供し得る。例えばアプリケーションページは、ユーザの血中酸素飽和度メトリクスに寄与した1つ以上の生理学的パラメータ(例えば寄与要因)を示してもよい。言い換えると、システム200は、血中酸素飽和度メトリクスに関する何らかの情報又は他の洞察を提供するように構成されてもよい。個人化された洞察は、血中酸素飽和度メトリクスを生成するために使用された、収集された生理学的データ(例えば生理学的データ内の寄与要因)の側面を示し得る。
【0158】
いくつかの実装では、システム200は、分類器を訓練し(例えば機械学習分類器のための教師あり学習)、血中酸素飽和度メトリクス決定技術を改善するために、血中酸素飽和度メトリクスに関するユーザ入力を受信するように構成されてもよい。
【0159】
場合によっては、システム200は、決定された血中酸素飽和度メトリクスに基づいて無呼吸を検出し、GUI600を介してユーザに無呼吸予測を表示するように構成され得る。いくつかの例では、システム200は、メッセージ610を介して、呼吸洞察、血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられる夜間変動及び血中酸素飽和度メトリクスの傾向を表示し得る。例えばシステム200は、夜間の血中酸素飽和度メトリクスの値を含み得るタイミング図を表示してもよい。このような場合、システム200(例えばウェアラブルリングデバイス)は、血中酸素飽和度メトリクスの値に基づいて夜間変動を決定し、GUI600を介してこの変動を(例えば閾値を超える夜間変動に基づいて)ユーザ102に表示し得る。いくつかの例では、システム200は、血中酸素飽和度メトリクスに関連付けられる変動性を決定し、メッセージ610又はアラート605を介してユーザ102に変動性を表示し得る。例えばアラート605は、睡眠障害アラートを含んでもよい。
【0160】
いくつかの態様では、システム200は、決定された血中酸素飽和度メトリクスに基づいて、1つ以上の医学的状態に関連付けられる「リスクスコア」を生成又は計算するように構成され得る。例えば場合によっては、システム200は、血中酸素飽和度メトリクスに基づいて、ユーザに関連付けられる睡眠時無呼吸リスクメトリクスを計算し得る。この例では、睡眠時無呼吸リスクメトリクスは、ユーザが睡眠時無呼吸の症状を経験したことがある、又は将来睡眠時無呼吸の症状を経験する相対的確率と関連付けられてよい。場合によっては、システム200は、1つ以上の機械学習モデル(例えば機械学習分類器、ランダムフォレストアルゴリズム、ニューラルネットワーク等)を使用して、睡眠時無呼吸リスクメトリクスを計算し得る。例えばシステム200は、血中酸素飽和度メトリクス及び追加の生理学的データ(例えば呼吸数、HRV等)を機械学習モデルに入力してもよく、この場合、機械学習モデルは、入力されたデータに基づいて睡眠時無呼吸リスクメトリクス(及び/又は他の医学的状態の追加のリスクメトリクス)を計算するように構成される。
【0161】
場合によっては、睡眠時無呼吸リスクメトリクスは、ユーザデバイスのGUIを介するなどしてユーザに表示され得る。追加又は代替的に、システム200は、睡眠時無呼吸リスクメトリクスに基づいてメッセージ又はアラートを生成してもよい。例えば睡眠時無呼吸リスクメトリクスが閾値を上回る場合(ユーザが睡眠時無呼吸を経験した可能性が高いことを示唆する)、システム200は、ユーザが睡眠時無呼吸について医師に話すことを提案するメッセージをユーザデバイスに表示させることができる。睡眠時無呼吸リスクメトリクスに基づいて生成され得る他のメッセージ/アラートは、これらに限定されないが、睡眠時無呼吸に関連付けられる読み物及び他のコンテンツへのリンク、ユーザの医師又は他の管理者へのアラート等を含み得る。
【0162】
いくつかの例では、システム200のウェアラブルリングデバイスは、血中酸素飽和度メトリクスの値に基づいて夜間変動を決定し、夜間変動が閾値を下回ることに基づいて、GUI600を介してユーザ102に変動を表示することを控えることがある。すなわち、ウェアラブルリングデバイスは、夜間変動が閾値未満であると判断することがあり、変動が閾値未満であるという指標(例えばtrend_stable)をシステム200のユーザデバイスに送信することができる。すなわち、ウェアラブルリングデバイスは、夜間変動が閾値未満であるという指標の送信に基づいて、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標をユーザデバイスに送信することを控えることができる。言い換えると、ウェアラブルリングデバイスは、ユーザの血中酸素飽和度が実質的に変化していない場合、血中酸素飽和度メトリクスをユーザデバイスに送信することを控えることができる。このような技術は、ウェアラブルリングデバイス及びユーザデバイスにおける電力消費を低減し、したがって、バッテリ性能を改善することができる。このような場合、ウェアラブルリングデバイスは、変動が閾値未満である時間間隔中に、変動が閾値未満であるという指標を周期的に(例えば1分毎等に)送信してもよい。
【0163】
反対に、前述のように、ウェアラブルリングデバイスは、夜間変動が閾値を超えることに基づいて、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標をユーザデバイスに送信してもよい。言い換えると、ウェアラブルデバイスは、ユーザの血中酸素レベルが実質的に(例えば閾値量を超えて)変化した場合に、血中酸素飽和度メトリクスをユーザデバイスに送信してもよい。このような場合、ウェアラブルリングデバイスは、夜間変動が閾値を超える時間間隔中に、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を周期的に(例えば所定の頻度で)送信してもよい。閾値を超える夜間変動に基づいて1つ以上の血中酸素飽和度の指標を送信することは、データ節約の増加(例えば60~90%)、バッテリ節約の増加(例えばサイクル当たり0.5~1日)及びデータ同期持続時間の減少(例えば朝の同期は2倍高速)をもたらし得る。
【0164】
夜間変動の文脈で説明されているが、これは本開示の限定とみなされるべきではない。この点に関して、システム200(例えばウェアラブルリングデバイス)は、本明細書で説明される技術に関して、夜間時間間隔、日中時間間隔等を含むが、これらに限定されない、任意の時間間隔にわたる変動を決定し得る。
【0165】
図7は、本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルデバイス図700の例を示す。ウェアラブルデバイス図700は、システム100、システム200、ウェアラブルデバイス図300、プロセスフロー400、GUI600又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。例えばウェアラブルデバイス図700は、図1図6を参照して説明されるウェアラブルデバイス104-a、104-b及び104-cの例を図示し得る。図7では、ウェアラブルデバイスはウェアラブルリングデバイスとして説明され得るが、図7に示されるウェアラブルデバイスの態様及び構成要素は、任意のタイプのウェアラブルデバイス(例えば時計、ブレスレット、ネックレス等)で実装されてもよい。
【0166】
ウェアラブルデバイス図700は、1つ以上の光ガイド710、一次光方向(primary light direction)715、1つ以上のLED720及び1つ以上のフォトダイオード725を含む、ウェアラブルデバイス104-aを含み得る。LED720は、一次光方向715でフォトダイオード725に伝達される光を放出し得る。光ガイド710は、光を一次光方向715に向けるために使用され得る。一次光方向715は、LED720から、ユーザの組織を通って、フォトダイオード725に向かう方向であり得る。場合によっては、LED720とフォトダイオード725のペアの最適な量は、3つのペア、4つのペア又は5つのペアであってもよい。
【0167】
場合によっては、LED720は、レーザの一例であってもよい。レーザは、フォトニック結晶面発光レーザダイオード(PCSEL、photonic crystal surface emitting laser diode)又は垂直共振器面発光レーザ(VCSEL、vertical cavity surface emitting laser)の一例であってよい。場合によっては、LED720は、端面発光LEDの一例であってもよい。LED720ではなくレーザを使用することによって、システム200は、光ガイド710の使用を排除し得る。レーザダイオードは、増加した濃度、精度及び正確性の光のストリームを提供し得る。
【0168】
光源(例えばLED720)は、740~760nmの波長を有する光を使用し得る。このような場合、光の波長は、ウェアラブルデバイス104-aが組織散乱及び光漏れによって引き起こされる視覚障害をより少なく放出し得るように、可視光スペクトルの外側であってもよい。レーザを光源として使用することにより、ウェアラブルデバイス104-aの波長分布はよりタイトにされ、760nmのピーク値に調整されてもよい。場合によっては、レーザダイオードを使用することにより、可視波長スペクトルへの光漏れを防ぐことができる。740~760nmの波長は、赤外光の波長と比較して、ユーザの皮膚に同様の浸透を提供し、それにより、改善された血中酸素飽和度測定を可能にし得る。
【0169】
いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104は、異なる数量及び/又は配列の光源及びフォトダイオード/光検出器を含んでもよい。例えば図7に図示されるウェアラブルデバイス104-bに示されるように、ウェアラブルデバイス104-bは、4つのLED720と2つのフォトダイオード725とを含んでよい。同様に、ウェアラブルデバイス104-cに示されるように、ウェアラブルデバイス104-cは、3つのLED720と2つのフォトダイオード725とを含んでよい。この点に関して、ウェアラブルデバイス104-bは、各フォトダイオード725に対して2つのLED720(2:1の比率)を含んでよく、ウェアラブルデバイス104-cは、各フォトダイオード725に対して1つのLED720(1:1の比率)を含むウェアラブルデバイス104-aと比較して、2つのフォトダイオード725毎に3つのLED720(3:2の比率)を含んでよい。いくつかの実装では、ウェアラブルデバイス104-bに示されるように、複数のLED720は、互いに隣接して配置されてもよく、ここで、光ガイド710は、LED720からの光をそれぞれのLED720の一次光方向715に沿って方向付けるために、LED720の間に配置される。
【0170】
図8は、本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルデバイス図800の例を示す。ウェアラブルデバイス図800は、システム100、システム200、ウェアラブルデバイス図300、プロセスフロー400、GUI600、ウェアラブルデバイス図700又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。例えばウェアラブルデバイス図800は、図1図7を参照して説明されるウェアラブルデバイス104の例を図示し得る。図8では、ウェアラブルデバイスはリングとして説明されているが、図8に図示されるウェアラブルデバイスの態様及び構成要素は、任意のタイプのウェアラブルデバイス(例えば時計、ブレスレット、ネックレス等)で実装されてもよい。
【0171】
ウェアラブルデバイス図800は、PCB805、支持体810、角度815及びLED820を含み得る。LED820は、支持体810に搭載(例えば取り付け)られてもよい。支持体810は、PCB805に搭載されてもよい。支持体810は、光の一次方向に最適な位置を提供するために、光源(例えばLED820)を含み得る。例えば支持体810は、PCB805の軸に対して角度815で位置決めされてもよい。このような場合、支持体810に取り付けられたLED820は、光が組織(例えば指)を通して直接伝達され得ないように光を放出してもよい。例えばLED820は、PDに向かって角度を付けられてよい。血中酸素測定は、支持体810(及び例えば対応するLED820)をPDに向けて角度815で傾けることに基づいて改善され得る。
【0172】
PCB805は、ユーザの組織を通してフォトダイオードへの最適な光方向を可能にするように形成され、曲げられてもよい。最適な光方向は、信号対雑音比を増加させ、血中酸素測定に対する運動の影響を減少させ得る。例えば第1PPGセンサセット(例えばLED820)は、1つ以上のPDの第1セットに向けて角度を付けられてもよい。第2PPGセンサセット(例えばLED820)は、1つ以上のPDの第2セットに向けて角度を付けられてもよい。
【0173】
図9は、本開示の態様による血中酸素レベルを測定するための技術をサポートする周波数図900の例を示す。周波数図900は、システム100、システム200、ウェアラブルデバイス図300、プロセスフロー400、GUI600、ウェアラブルデバイス図700、ウェアラブルデバイス図800又はそれらの組合せの態様を実装してよく、あるいはそれらの態様によって実装されてもよい。
【0174】
周波数図900は、ヘモグロビンの吸収スペクトルの一例であり得る。例えば周波数図900は、オキシヘモグロビン曲線905とヘモグロビン曲線910とを含み得る。近赤外(NIR)領域915は、700nmから900nmまでの波長に及ぶことがある。ヘモグロビン曲線910は、約760nmの波長でピークを経験し得る。このような場合、ヘモグロビン曲線910のピークは、740nmと770nmとの間の波長で経験され得る。システム200は、フォトダイオード応答を740~770nm及び940nmの波長のLED又はレーザの波長と比較するときに、正確な振幅関係でPPG信号を受信し得る。赤色光源ではなく760nmの光源を使用することによって、ユーザの皮膚における光浸透深度は、それぞれのPPGチャネル間でより均一になり得る。場合によっては、940nmの光源は、浸透深度が互いにより近くなり得るように、760nmの光源と同様の効果を生じさせ得る。
【0175】
図10は、本開示の態様による、血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするデバイス105のブロック図100を示す。デバイス105は、入力モジュール1010、出力モジュール1015及びウェアラブルアプリケーション1020を含んでよい。デバイス1005はまた、プロセッサも含んでもよい。これらの構成要素の各々は、(例えば1つ以上のバスを介して)互いに通信し得る。
【0176】
入力モジュール1010は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を受信するための手段を提供し得る。情報は、デバイス1005の他の構成要素に渡されてもよい。入力モジュール1010は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0177】
出力モジュール1015は、デバイス1005の他の構成要素によって生成された信号を送信するための手段を提供し得る。例えば出力モジュール1015は、様々な情報チャネル(例えば制御チャネル、データチャネル、疾患検出技術に関連する情報チャネル)に関連付けられるパケット、ユーザデータ、制御情報又はそれらの任意の組合せのような情報を送信してよい。いくつかの例では、出力モジュール1015は、トランシーバモジュール内の入力モジュール1010と同じ場所に配置されてもよい。出力モジュール1015は、単一のアンテナ又は複数のアンテナのセットを利用してよい。
【0178】
例えばウェアラブルアプリケーション1020は、PPG取得構成要素1025、PPG分析構成要素1030、血中酸素構成要素1035、ユーザインタフェース構成要素1040又はそれらの任意の組合せを含み得る。いくつかの例では、ウェアラブルアプリケーション1020又はその様々な構成要素は、入力モジュール1010、出力モジュール515又はその両方を使用して、あるいは他の方法でこれらと協働して、様々な動作(例えば受信、モニタ、送信)を実行するように構成され得る。例えばウェアラブルアプリケーション1020は、入力モジュール1010から情報を受信し、出力モジュール1015に情報を送信し、あるいは入力モジュール1010、出力モジュール1015又はその両方と組み合わせて統合され、情報を受信し、情報を送信し又は本明細書に記載されるような様々な他の動作を実行してよい。
【0179】
PPG取得構成要素1025は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1PPG信号を受信するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。PPG取得構成要素1025は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサのセットとは異なる第2PPGセンサのセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。PPG分析構成要素1030は、第1PPG信号と第2PPG信号とを比較するための手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。血中酸素構成要素1035は、第1PPG信号と第2PPG信号との比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定する手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。ユーザインタフェース構成要素1040は、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させる手段として構成されてもよく、又は他の方法でこれをサポートしてもよい。
【0180】
図11は、本開示の態様による、血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするウェアラブルアプリケーション1120のブロック図1100を示す。ウェアラブルアプリケーション1120は、本明細書で説明される、ウェアラブルアプリケーション又はウェアラブルアプリケーション1020、あるいはその両方の態様の例であってよい。ウェアラブルアプリケーション1120又はその様々な構成要素は、本明細書で説明されるような血中酸素レベルを測定するための技術の様々な態様を実行するための手段の例であり得る。例えばウェアラブルアプリケーション1120は、PPG取得構成要素1125、PPG分析構成要素1130、血中酸素構成要素1135、ユーザインタフェース構成要素1140、データ取得構成要素1145、呼吸数構成要素1150又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。これらの構成要素の各々は、直接的又は間接的に、互いに(例えば1つ以上のバスを介して)通信し得る。
【0181】
PPG取得構成要素1125は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1PPG信号を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例では、PPG取得構成要素1125は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。PPG分析構成要素1130は、第1PPG信号と第2PPG信号を比較するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。血中酸素構成要素1135は、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。ユーザインタフェース構成要素1140は、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させるための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0182】
いくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第1PPGセンサセットの第1サブセット間の第1チャネルを利用して第1PPG測定値を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第1PPGセンサセットの第2サブセット間の第2チャネルを利用して第2PPG測定値を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、第1PPG信号は、第1PPG測定値及び第2PPG測定値に少なくとも部分的に基づく。いくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第2PPGセンサセットの第1サブセット間の第3チャネルを利用して第3PPG測定値を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第2PPGセンサセットの第2サブセット間の第4チャネルを利用して第4PPG測定値を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、第2PPG信号は、第3PPG測定値及び第4PPG測定値に少なくとも部分的に基づく。
【0183】
いくつかの例において、第1PPGセンサセットは、第1光源、第1光検出器及び第2光検出器を備える。いくつかの例において、第1チャネルは、第1光源と第1光検出器との間のチャネルを備える、いくつかの例において、第2チャネルは、第1光源と第2光検出器との間のチャネルを備える。いくつかの例において、第2PPGセンサセットは、第2光源、第1光検出器及び第2光検出器を備える。いくつかの例において、第3チャネルは、第2光源と第1光検出器との間のチャネルを備える。いくつかの例において、第4チャネルは、第2光源と第2光検出器との間のチャネルを備える。いくつかの例において、第2光源は、第1光源を介して生成される光と比較して異なる波長を有する光を生成するように構成される。
【0184】
いくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第1光源と第2光源とが同時にアクティブな活性状態となるように、第1光源と第2光源との活性状態を選択的に制御するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0185】
いくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第2光源が非アクティブな活性状態にあるときに第1光源がアクティブな活性状態になり、その反対も同様となるように、第1光源と第2光源の活性状態を順次制御するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0186】
いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、第1PPG測定値と第2PPG測定値とを組み合わせて第1PPG信号を生成するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、第3PPG測定値と第4PPG測定値とを組み合わせて第2PPG信号を生成するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0187】
いくつかの例において、第1PPG測定値と第2PPG測定値、及び第3PPG測定値と第4PPG測定値はそれぞれ、1つ以上の数学的演算を使用して組み合わされ、1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算又はその両方を含む。
【0188】
いくつかの例において、PPG取得構成要素1125は、第1PPGセンサセット及び第2PPGセンサセットとは異なる第3PPGセンサセットを使用して、時間間隔の間に取得されたユーザの第3PPG信号を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0189】
いくつかの例において、第3PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第3PPGセンサセットの第1サブセット間の第5チャネルを利用して第5PPG測定値を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、第3PPG信号を受信することをサポートするために、PPG取得構成要素1125は、第3PPGセンサセットの第2サブセット間の第6チャネルを利用して第6PPG測定値を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、第3PPG信号は、第5PPG測定値及び第6PPG測定値に少なくとも部分的に基づく。
【0190】
いくつかの例において、第1PPGセンサセット、第2PPGセンサセット及び第3PPGセンサセットは、3つの異なる波長を使用する。
【0191】
いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、第1PPG信号と第2PPG信号の比を決定するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定することは、第1PPG信号と第2PPG信号の比に少なくとも部分的に基づく。
【0192】
いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、第1PPG信号の第1振幅と第1ベースライン振幅レベルとの間の第1灌流指数を決定するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートされ得る。いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、第2PPG信号の第2振幅と第2ベースライン振幅レベルとの間の第2灌流指数を決定するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、第1PPG信号と第2PPG信号の比を決定することは、第1灌流指数と第2灌流指数との間の比を決定することを含む。
【0193】
いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、血中酸素飽和度信号を生成するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、血中酸素飽和度計算のための1つ以上の較正係数を識別するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスは、血中酸素飽和度信号及び1つ以上の較正係数に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0194】
いくつかの例において、データ取得構成要素1145は、時間間隔中に体温データを取得するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、PPG分析構成要素1130は、体温データに少なくとも部分的に基づいて、第1PPG信号及び第2PPG信号を修正するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定することは、第1PPG信号及び第2PPG信号を修正することに少なくとも部分的に基づく。
【0195】
いくつかの例において、第1PPGセンサセットは、第1光源と、1つ以上の光検出器の第1セットとを備える。いくつかの例において、第2PPGセンサセットは、第2光源と、1つ以上の光検出器の第2セットとを備える。いくつかの例において、第1光源、第2光源、1つ以上の光検出器の第1セット及び1つ以上の光検出器の第2セットの各々は、ウェアラブルデバイスの軸に対して異なる半径方向位置に、ウェアラブルデバイスの内周に沿って配置される。
【0196】
いくつかの例において、データ取得構成要素1145は、ウェアラブルデバイスを介してユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、生理学的データは、少なくとも運動データ又は体温データ又はその両方を含み、第1PPG信号、第2PPG信号又はその両方を受信することは、運動データが閾値運動メトリクスを満たすこと及び体温データが閾値体温メトリクスを満たすことに少なくとも部分的に基づく。
【0197】
いくつかの例において、呼吸数構成要素1150は、運動データ、第1PPG信号、第2PPG信号又はそれらの組合せに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの呼吸数を決定するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、血中酸素構成要素1135は、ユーザの呼吸数を決定することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを更新するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0198】
いくつかの例において、運動データが閾値運動メトリクス以下である場合、運動データは閾値運動メトリクスを満たす。いくつかの例において、体温が閾値体温メトリクス以上である場合、体温データは閾値体温メトリクスを満たす。
【0199】
いくつかの例において、データ取得構成要素1145は、ウェアラブルデバイスを介してユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、生理学的データは、少なくとも心拍数データ又はPPG信号特徴データ又はその両方を含み、第1PPG信号、第2PPG信号又はその両方を受信することは、心拍数が閾値心拍数メトリクスを満たすこと及びPPG信号特徴データが閾値メトリクスを満たすことに少なくとも部分的に基づく。
【0200】
いくつかの例において、血中酸素構成要素1135は、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの変動を決定するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。いくつかの例において、血中酸素構成要素1135は、変動が閾値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標をユーザデバイスに送信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートしてよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示することは、該送信に少なくとも部分的に基づく。
【0201】
いくつかの例において、ユーザインタフェース構成要素1140は、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの変動が閾値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、グラフィカルユーザインタフェースに睡眠障害アラートを表示させるための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0202】
いくつかの例において、少なくとも1つの光検出器が、第1PPGセンサセットと第2PPGセンサセットの両方に含まれる。
【0203】
いくつかの例において、第1PPG信号、第2PPG信号又はその両方は、ユーザの組織を透過する光、及びユーザの組織によって反射される光に少なくとも部分的に基づく。
【0204】
いくつかの例において、第1PPGセンサセットは、第1波長の光を使用して第1PPG信号を取得するように構成される。いくつかの例において、第2PPGセンサセットは、第1波長とは異なる第2波長の光を使用して第2PPG信号を取得するように構成される。
【0205】
いくつかの例において、第1PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤色発光ダイオードを含む。いくつかの例では、第2PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤外発光ダイオードを含む。
【0206】
いくつかの例において、少なくとも1つの赤色発光ダイオードは、波長740~760nmの光を放出する。
【0207】
いくつかの例において、第1PPGセンサセットは、少なくとも1つのレーザダイオードを含む。いくつかの例では、第2PPGセンサセットは、少なくとも1つのレーザダイオードを含む。
【0208】
いくつかの例において、第1PPGセンサセットは、1つ以上の光検出器の第1セットに向かって角度付けされる。いくつかの例では、第2PPGセンサセットは、1つ以上の光検出器の第2セットに向かって角度付けされる。
【0209】
いくつかの例において、第1PPG信号、第2PPG信号又は両方は、動脈血流に基づいてユーザから取得される。
【0210】
いくつかの例において、ウェアラブルデバイスはウェアラブルリングデバイスを含む。
【0211】
図12は、本開示の態様による、血中酸素レベルを測定するための技術をサポートするデバイス1205を含むシステム1200の図を示す。デバイス1205は、本明細書で説明されるようなデバイス1005の構成要素の一例であってもよく、あるいはデバイス1005の構成要素を含んでもよい。デバイス1205は、本明細書で前述したようなユーザデバイス106の例を含んでよい。デバイス1205は、ウェアラブルアプリケーション1220、通信モジュール1210、アンテナ1215、ユーザインタフェース構成要素1225、データベース(アプリケーションデータ)1230、メモリ1235及びプロセッサ1240のような、ウェアラブルデバイス104及びサーバ110との間で通信を送受信するための構成要素を含む、双方向通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、電子的に通信しているか、又は他の方法で1つ以上のバス(例えばバス1245)を介して(例えば動作的に、通信的に、機能的に、電子的に、電気的に)結合されていてもよい。
【0212】
通信モジュール1210は、アンテナ1215を介して、デバイス1205のための入力信号及び出力信号を管理し得る。通信モジュール1210は、図2に示して説明したユーザデバイス106の通信モジュール220-bの一例を含んでよい。この点に関して、通信モジュール1210は、図2に図示されるように、リング104及びサーバ110との通信を管理し得る。通信モジュール1210は、デバイス1205に統合されていない周辺機器も管理し得る。場合によっては、通信モジュール1210は、外部周辺機器への物理的な接続又はポートを表してよい。場合によっては、通信モジュール1210は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)又は別の既知のオペレーティングシステムのようなオペレーティングシステムを利用してよい。他の場合には、通信モジュール1210は、ウェアラブルデバイス(例えばリング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン又は類似のデバイスを表すか又はそれらと対話してよい。場合によっては、通信モジュール1210は、プロセッサ1240の一部として実装されてもよい。いくつかの例では、ユーザは、通信モジュール1210、ユーザインタフェース構成要素1225を介して、あるいは通信モジュール1210によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス1205と対話してよい。
【0213】
場合によっては、デバイス1205は、単一のアンテナ1215を含んでよい。しかしながら、他の場合によっては、デバイス1205は、2つ以上のアンテナ1215を有してもよく、これらは、複数の無線伝送を同時に送信又は受信することができる。通信モジュール1210は、1つ以上のアンテナ1215を介して、本明細書で説明されるように、有線リンク又は無線リンクを介して、双方向に通信してよい。例えば通信モジュール1210は、無線トランシーバを表してよく、別の無線トランシーバと双方向に通信してよい。通信モジュール1210はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを伝送のために1つ以上のアンテナ1215に提供し、1つ以上のアンテナ1215から受信されたパケットを復調するためのモデムも含んでよい。
【0214】
ユーザインタフェース構成要素1225は、データベース1230内のデータ記憶及び処理を管理し得る。場合によっては、ユーザは、ユーザインタフェース構成要素1225と対話してもよい。他の場合には、ユーザインタフェース構成要素1225は、ユーザ対話なしに自動的に動作してもよい。データベース1230は、単一のデータベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク又は緊急バックアップデータベースの例であってよい。
【0215】
メモリ1235は、RAM及びROMを含んでもよい。メモリ1235は、実行されると、プロセッサ1240に本明細書で説明される様々な機能を実行させる命令を含む、コンピュータ読取可能でコンピュータ実行可能なソフトウェアを記憶し得る。場合によっては、メモリ1235は、他の中でも特に、周辺の構成要素又はデバイスとの対話のような基本的なハードウェア又はソフトウェア動作を制御し得る、BIOSを含んでよい。
【0216】
プロセッサ1240は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理構成要素、離散ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組合せ)を含んでもよい。場合によっては、プロセッサ1240は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成されてもよい。他の場合には、メモリコントローラはプロセッサ1240に組み込まれてもよい。プロセッサ1240は、メモリ1235に記憶されたコンピュータ読取可能命令を実行して、様々な機能(例えば睡眠段階分けアルゴリズムのための方法及びシステムをサポートする機能又はタスク)を実行するように構成されてもよい。
【0217】
例えばウェアラブルアプリケーション1220は、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1PPG信号をウェアラブルデバイスを介して受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。ウェアラブルアプリケーション1220は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。ウェアラブルアプリケーション1220は、第1PPG信号と第2PPG信号を比較するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。ウェアラブルアプリケーション1220は、第1PPG信号と第2PPG信号との比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するための手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。ウェアラブルアプリケーション1220は、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させる手段として構成され得るか、又は他の方法でこれをサポートし得る。
【0218】
本明細書に記載される例に従ってウェアラブルアプリケーション1220を含むか、又は構成することによって、デバイス1205は、改善された血中酸素測定のための技術をサポートし得る。
【0219】
ウェアラブルアプリケーション1220は、アプリケーション(例えば「app」)、プログラム、ソフトウェア又は他の構成要素を含んでよく、これらは、リング104、サーバ110、他のユーザデバイス106等との通信を容易にするように構成される。例えばウェアラブルアプリケーション1220は、リング104からデータ(例えば生理学的データ)を受信し、受信したデータに対して処理動作を実行し、サーバ110との間でデータを送受信し、ユーザ102にデータを提示させるように構成される、ユーザデバイス106上で実行可能なアプリケーションを含んでよい。
【0220】
図13は、本開示の態様による、血中酸素レベルを測定するための技術をサポートする方法1300を示すフローチャートである。方法1300の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1300の動作は、図1から図12を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0221】
1305において、方法は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1フォトプレチスモグラム(PPG)信号を受信するステップを含み得る。1305の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1305の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0222】
1310において、方法は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するステップを含み得る。1310の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1310の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0223】
1315において、方法は、第1PPG信号と第2PPG信号を比較するステップを含み得る。1315の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1315の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG分析構成要素1130によって実行されてよい。
【0224】
1320において、方法は、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するステップを含み得る。1320の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1320の動作の態様は、図11を参照して説明した血中酸素構成要素1135によって実行されてよい。
【0225】
1325において、方法は、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させるステップを含み得る。1325の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1325の動作の態様は、図11を参照して説明したユーザインタフェース構成要素1140によって実行されてよい。
【0226】
図14は、本開示の態様による、血中酸素レベルを測定するための技術をサポートする方法1400を示すフローチャートである。方法1400の動作は、本明細書で説明されるように、ユーザデバイス又はその構成要素によって実装されてよい。例えば方法1400の動作は、図1から図12を参照して説明したようなユーザデバイスによって実行されてもよい。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御する命令のセットを実行してもよい。追加又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0227】
1405において、方法は、第1PPGセンサセットの第1サブセット間の第1チャネルを利用して第1PPG測定値を受信するステップを含み得る。1405の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1405の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0228】
1410において、方法は、第1PPGセンサセットの第2サブセット間の第2チャネルを利用して第2PPG測定値を受信するステップを含み得る。1410の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1410の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0229】
1415において、方法は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1PPG信号を受信するステップを含んでよく、第1PPG信号は、第1PPG測定値及び第2PPG測定値に少なくとも部分的に基づく。1415の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1415の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0230】
1420において、方法は、第2PPGセンサセットの第1サブセット間の第3チャネルを利用して第3PPG測定値を受信するステップを含み得る。1420の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1420の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0231】
1425において、方法は、第2PPGセンサセットの第2サブセット間の第4チャネルを利用して第4PPG測定値を受信するステップを含み得る。1425の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1425の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0232】
1430において、方法は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して、時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するステップを含んでよく、第2PPG信号は、第3PPG測定値及び第4PPG測定値に少なくとも部分的に基づく。1430の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1430の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG取得構成要素1125によって実行されてよい。
【0233】
1435において、方法は、第1PPG信号と第2PPG信号を比較するステップを含み得る。1435の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1435の動作の態様は、図11を参照して説明したPPG分析構成要素1130によって実行されてよい。
【0234】
1440において、方法は、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するステップを含み得る。1440の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1440の動作の態様は、図11を参照して説明した血中酸素構成要素1135によって実行されてよい。
【0235】
1445において、方法は、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させるステップを含み得る。1445の動作は、本明細書で開示される例に従って実行されてよい。いくつかの例において、1445の動作の態様は、図11を参照して説明したユーザインタフェース構成要素1140によって実行されてよい。
【0236】
上述の方法は可能な実装を説明しており、動作及びステップは再配置又は他の方法で修正されてよく、他の実装も可能であることに留意されたい。さらに、上記方法の2つ又はそれ以上からの態様を組み合わせてもよい。
【0237】
方法を説明する。方法は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1PPG信号を受信するステップと、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するステップと、第1PPG信号と第2PPG信号を比較するステップと、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するステップと、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させるステップと、を含み得る。
【0238】
装置を説明する。装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリ内に記憶された命令を含み得る。命令は、プロセッサによって実行可能であり、装置に、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1フォトプレチスモグラム(PPG)信号を受信させ、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信させ、第1PPG信号と第2PPG信号を比較させ、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定させ、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させ得る。
【0239】
別の装置を説明する。装置は、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1フォトプレチスモグラム(PPG)信号を受信するための手段と、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信するための手段と、第1PPG信号と第2PPG信号を比較するための手段と、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するための手段と、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させるための手段とを含み得る。
【0240】
コードを記憶する非一時的コンピュータ読取可能媒体を説明する。コードは、プロセッサによって実行可能な命令を含んでよく、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第1フォトプレチスモグラム(PPG)信号を受信させ、ウェアラブルデバイスを介して、第1PPGセンサセットとは異なる第2PPGセンサセットを使用して時間間隔中に取得されたユーザの第2PPG信号を受信させ、第1PPG信号と第2PPG信号を比較させ、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定させ、GUIに1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示させ得る。
【0241】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することは、第1PPGセンサセットの第1サブセット間の第1チャネルを利用して第1PPG測定値を受信することと、第1PPGセンサセットの第2サブセット間の第2チャネルを利用して第2PPG測定値を受信することであって、第1PPG信号は、第1PPG測定値及び第2PPG測定値に少なくとも部分的に基づくことと、第2PPGセンサセットの第1サブセット間の第3チャネルを利用して第3PPG測定値を受信することと、第2PPGセンサセットの第2サブセット間の第4チャネルを利用して第4PPG測定値を受信することであって、第2PPG信号は、第3PPG測定値及び第4PPG測定値に少なくとも部分的に基づくことのための動作、特徴、手段又は命令を含み得る。
【0242】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPGセンサセットは、第1光源、第1光検出器及び第2光検出器を備え、第1チャネルは、第1光源と第1光検出器との間のチャネルを備え、第2チャネルは、第1光源と第2光検出器との間のチャネルを備え、第2PPGセンサセットは、第2光源、第1光検出器及び第2光検出器を備え、第3チャネルは、第2光源と第1光検出器との間のチャネルを備え、第4チャネルは、第2光源と第2光検出器との間のチャネルを備え、第2光源は、第1光源を介して生成される光と比較して異なる波長を有する光を生成するように構成され得る。
【0243】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することは、第1光源と第2光源とが同時にアクティブな活性状態となるように、第1光源と第2光源との活性状態を選択的に制御するための動作、特徴、手段又は命令を含み得る。
【0244】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPG信号及び第2PPG信号を受信することは、第2光源が非アクティブな活性状態にあるときに第1光源がアクティブな活性状態になり、その反対も同様となるように、第1光源と第2光源の活性状態を順次制御するための動作、特徴、手段又は命令を含み得る。
【0245】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、第1PPG測定値と第2PPG測定値とを組み合わせて第1PPG信号を生成し、第3PPG測定値と第4PPG測定値とを組み合わせて第2PPG信号を生成するための動作、特徴、手段又は命令を更に含み得る。
【0246】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPG測定値と第2PPG測定値、及び第3PPG測定値と第4PPG測定値はそれぞれ、1つ以上の数学的演算を使用して組み合わされてよく、1つ以上の数学的演算は、平均化演算、加重平均化演算又はその両方を含む。
【0247】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、第1PPGセンサセット及び第2PPGセンサセットとは異なる第3PPGセンサセットを使用して、時間間隔の間に取得されたユーザの第3PPG信号を受信するための動作、特徴、手段又は命令を更に含み得る。
【0248】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第3PPG信号を受信することは、第3PPGセンサセットの第1サブセット間の第5チャネルを利用して第5PPG測定値を受信し、第3PPGセンサセットの第2サブセット間の第6チャネルを利用して第6PPG測定値を受信するための動作、特徴、手段又は命令を含んでよく、第3PPG信号は、第5PPG測定値及び第6PPG測定値に少なくとも部分的に基づいてよい。
【0249】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPGセンサセット、第2PPGセンサセット及び第3PPGセンサセットは、3つの異なる波長を使用する。
【0250】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、第1PPG信号と第2PPG信号の比を決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定するステップは、第1PPG信号と第2PPG信号の比に少なくとも部分的に基づいてよい。
【0251】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、第1PPG信号の第1振幅と第1ベースライン振幅レベルとの間の第1灌流指数を決定し、第2PPG信号の第2振幅と第2ベースライン振幅レベルとの間の第2灌流指数を決定するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよく、第1PPG信号と第2PPG信号の比を決定することは、第1灌流指数と第2灌流指数との間の比を決定することを含む。
【0252】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、第1PPG信号と第2PPG信号の比較に少なくとも部分的に基づいて、血中酸素飽和度信号を生成し、血中酸素飽和度計算のための1つ以上の較正係数を識別するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスは、血中酸素飽和度信号及び1つ以上の較正係数に少なくとも部分的に基づいて決定されてよい。
【0253】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、時間間隔中に体温データを取得し、体温データに少なくとも部分的に基づいて、第1PPG信号及び第2PPG信号を修正するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを決定することは、第1PPG信号及び第2PPG信号を修正することに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0254】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPGセンサセットは、第1光源と、1つ以上の光検出器の第1セットとを備え、第2PPGセンサセットは、第2光源と、1つ以上の光検出器の第2セットとを備え、第1光源、第2光源、1つ以上の光検出器の第1セット及び1つ以上の光検出器の第2セットの各々は、ウェアラブルデバイスの軸に対して異なる半径方向位置に、ウェアラブルデバイスの内周に沿って配置されてよい。
【0255】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、ウェアラブルデバイスを介してユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよく、生理学的データは、少なくとも運動データ又は体温データ又はその両方を含み、第1PPG信号、第2PPG信号又はその両方を受信することは、運動データが閾値運動メトリクスを満たすこと及び体温データが閾値体温メトリクスを満たすことに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0256】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、運動データ、第1PPG信号、第2PPG信号又はそれらの組合せに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの呼吸数を決定し、ユーザの呼吸数を決定することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスを更新するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよい。
【0257】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、運動データが閾値運動メトリクス以下であり得る場合、運動データは閾値運動メトリクスを満たし、体温が閾値体温メトリクス以上であり得る場合、体温データは閾値体温メトリクスを満たす。
【0258】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、ウェアラブルデバイスを介してユーザに関連付けられる生理学的データを受信するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよく、生理学的データは、少なくとも心拍数データ又はPPG信号特徴データ又はその両方を含み、第1PPG信号、第2PPG信号又はその両方を受信することは、心拍数が閾値心拍数メトリクスを満たすこと及びPPG信号特徴データが閾値PPG信号特徴メトリクスを満たすことに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0259】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、時間間隔中のユーザの1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの変動を決定し、変動が閾値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標をユーザデバイスに送信するための動作、特徴、手段又は命令を更に含んでよく、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの指標を表示することは、該送信に少なくとも部分的に基づく。
【0260】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例は、1つ以上の血中酸素飽和度メトリクスの変動が閾値を超えることに少なくとも部分的に基づいて、グラフィカルユーザインタフェースに睡眠障害アラートを表示させるための動作、特徴、手段又は命令を更に含み得る。
【0261】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、少なくとも1つの光検出器が、第1PPGセンサセットと第2PPGセンサセットの両方に含まれてよい。
【0262】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPG信号、第2PPG信号又はその両方は、ユーザの組織を透過する光、及びユーザの組織によって反射される光に少なくとも部分的に基づいてよい。
【0263】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPGセンサセットは、第1波長の光を使用して第1PPG信号を取得するように構成されてよく、第2PPGセンサセットは、第1波長とは異なる第2波長の光を使用して第2PPG信号を取得するように構成されてよい。
【0264】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤色発光ダイオードを含み、第2PPGセンサセットは、少なくとも1つの赤外発光ダイオードを含む。
【0265】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、少なくとも1つの赤色発光ダイオードは、波長740~760nmの光を放出する。
【0266】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPGセンサセットは、少なくとも1つのレーザダイオードを含み、第2PPGセンサセットは、少なくとも1つのレーザダイオードを含む。
【0267】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPGセンサセットは、1つ以上の光検出器の第1セットに向かって角度付けされてよく、第2PPGセンサセットは、1つ以上の光検出器の第2セットに向かって角度付けされてよい。
【0268】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、第1PPG信号、第2PPG信号又は両方は、動脈血流に基づいてユーザから取得されてよい。
【0269】
本明細書で説明される方法、装置及び非一時的コンピュータ読取可能媒体のいくつかの例において、ウェアラブルデバイスはウェアラブルリングデバイスを含む。
【0270】
添付図面に関連して、本明細書で説明される説明は、例示的な構成を記載しており、実装され得るか又は特許請求の範囲内にあるすべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、例示又は説明として機能する」ことを意味し、「好ましい」又は「他の例より有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載される技術の理解を提供する目的のための特定の詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよい。いくつかの例では、記載される例の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0271】
添付の図面では、類似の構成要素又は特徴は、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、ハイフンによって参照ラベルの後に続き、類似の構成要素を区別する第2ラベルによって区別されることがある。明細書において第1参照ラベルのみが使用される場合、説明は、第2参照ラベルに関係なく、同じ第1参照ラベルを有する類似の構成要素の任意の1つに適用可能である。
【0272】
本明細書で説明される情報及び信号は、様々な異なるテクノロジ及び技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば上記の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されてもよい。
【0273】
本明細書の開示に関連して説明される様々な例示のブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、あるいは本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装又は実行されてもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態マシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ又は任意の他のそのような構成)として実装されてもよい。
【0274】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組合せで実装されてよい。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ読取可能媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されるか又は伝送され得る。他の例及び実装は、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲内である。例えばソフトウェアの性質により、上述の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング又はそれらの任意の組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実装することができる。機能を実装する特徴はまた、機能の一部が異なる物理的位置で実装されるように分散されることを含め、物理的に様々な位置に配置されてもよい。また、特許請求の範囲を含め、本明細書中で使用されるとき、項目のリスト(例えば「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」のような句が前にある項目のリスト)で使用される「又は(or)」は、例えばA、B、又はCのうちの少なくとも1つのリストが、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(すなわち、AとBとC)を意味するような包括的なリストを示す。また、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、条件のクローズなセットを指すように解釈されないものとする。例えば「条件Aに基づいて」として記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づいてもよい。言い換えると、本明細書で使用されるとき、「に基づいて」という句は、「少なくとも部分的に基づいて」という句と同じ方法で解釈されるものとする。
【0275】
コンピュータ読取可能媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコード手段を搬送又は記憶するために使用することができ、かつ汎用若しくは専用コンピュータ又は汎用若しくは専用プロセッサによってアクセスすることができる、任意の他の非一時的媒体を含むことができる。また、任意の接続は、適切には、コンピュータ読取可能媒体と呼ばれる。例えばソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ又は他のリモートソースから送信される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線や無線、マイクロ波のような無線技術は媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるときディスク(disk又はdisc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びブルーレイ(登録商標)ディスクを含むが、ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)はレーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲内に含まれる。
【0276】
本明細書における説明は、当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書に定義される一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される実施例及び設計に限定されず、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】