(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】人工心臓弁送達システムおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61B17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522201
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 US2022078128
(87)【国際公開番号】W WO2023064910
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,アリス
(72)【発明者】
【氏名】サラヒエ,アリ
(72)【発明者】
【氏名】アダメク-バワーズ,ジャスパー・エリントン
(72)【発明者】
【氏名】オークデン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】スカロ,ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】スピネリ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マルケィヒー,コナー
(72)【発明者】
【氏名】ソーントン,トロイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM33
(57)【要約】
人工弁を自然弁輪に送達するための送達システム、デバイスおよび方法が提供される。人工弁は、自然弁輪および人工弁を取り囲むアンカーを介して自然弁に固定することができる。アンカーは、自然弁の腱索および/または小葉の周りに展開することができる。テザーは、アンカーに接続され、患者の身体の外側に延び、アンカーとの通信を維持することができる。アンカーが展開された後、ガイドワイヤは、テザーと平行に患者の血管を通り、自然弁輪を通って前進させることができる。人工弁を保有する弁送達カテーテルは、ガイドワイヤにわたって、自然弁輪内へ前進させることができ、自然弁輪において人工弁が解放され、展開される。弁送達プロセスの1つまたは複数の動作中、テザーを用いてアンカーおよび/または人工弁を位置決めすることができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における疾患を有する自然弁を治療するための方法であって、
前記患者の心臓の第2の心腔において、前記疾患を有する自然弁の索および/または小葉をアンカーで取り囲むステップであって、前記アンカーは、前記患者の心臓の前記第2の心腔から第1の心腔を通って近位方向に延びる、前記アンカーに取り付けられたテザーを有する、ステップと、
ガイドワイヤの一部分を、前記患者の心臓の前記第1の心腔から、前記疾患を有する自然弁の弁輪を通って、前記患者の心臓の第2の心腔へ前進させるステップと、
前記ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡するステップであって、前記弁送達カテーテルは、内部に圧縮構成の人工弁を含む、ステップと、
前記弁送達カテーテルから、前記人工弁を、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪内へ、前記アンカー内で拡張するように解放するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ガイドワイヤが前記疾患を有する自然弁の前記弁輪を通って前進する際に画像を収集するステップと、
操縦可能カテーテルを偏向させ、前記アンカーの内径を通して前記ガイドワイヤを操縦するステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガイドワイヤの前記部分を前進させるステップは、
ガイドワイヤ送達カテーテルを、前記操縦可能カテーテルを通して、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪を通して、および前記アンカーの前記内径を通して前進させるステップと、
前記ガイドワイヤを、前記ガイドワイヤ送達カテーテルを通して前進させるステップと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ガイドワイヤ送達カテーテルの遠位部分を膨張させてバルーンを形成し、前記ガイドワイヤの位置決めおよび/または撮像を容易にするステップを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ガイドワイヤを操縦するステップは、前記ガイドワイヤを、前記疾患を有する自然弁の弁輪を通して操縦するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ガイドワイヤは、前記ガイドワイヤの撮像を容易にするための湾曲を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記弁送達カテーテルから前記人工弁を解放するステップは、
前記人工弁の一部分を前記第2の心腔内で部分的に展開するステップと、
前記部分的に展開された人工弁を前記アンカーに対し押し、前記アンカーを、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪に向けて促すステップと、
前記人工弁の残り部分を、前記疾患を有する人工弁の前記弁輪および/または前記第1の心腔内に完全に展開するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記テザーを前記アンカーから切り離すステップと、
前記テザーおよび前記弁送達カテーテルを前記患者の身体から後退させるステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記テザーを切り離し、後退させるステップは、前記ガイドワイヤの配置に後続する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記テザーを切り離し、後退させるステップは、前記ガイドワイヤにわたって前記弁送達カテーテルを追跡している間に行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記テザーを切り離し、後退させるステップは、前記弁送達カテーテルからの前記人工弁の解放の前に行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記弁送達カテーテルおよび前記テザーを外側シース内で送達するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ガイドワイヤにわたって前記弁送達カテーテルを追跡するステップは、前記弁送達カテーテルのモノレールルーメンを通してテザーを進ませるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
アンカー制御カテーテルを用いて前記アンカーを、前記疾患を有する自然弁に送達させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
人工弁を心臓の疾患を有する弁に送達するための送達システムであって、
前記心臓の外側から、前記疾患を有する弁の弁輪を通って延びるようにサイズおよび形状が決められたテザーであって、前記テザーは、前記心臓の自然小葉および/または索に外接するようにサイズおよび形状が決められたアンカーに接続するように更に構成される、テザーと、
前記心臓の外側から、前記疾患を有する弁の前記弁輪を通って延びるようにサイズおよび形状が決められたガイドワイヤと、
前記疾患を有する弁の前記弁輪を通して前記ガイドワイヤにわたって延びるように構成された弁送達カテーテルであって、前記弁送達カテーテルは、前記人工弁を内部で圧縮状態に保持し、前記テザーが前記アンカーに接続されている間、前記疾患を有する弁の前記弁輪および前記アンカー内で前記人工弁を解放するように構成される、弁送達カテーテルと
を備える、送達システム。
【請求項16】
前記弁送達カテーテルは、内部に前記テザーを収容するようにサイズおよび形状が決められたモノレールルーメンを更に備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記テザーは、前記弁送達カテーテルおよび/または前記疾患を有する弁に対する前記アンカーの位置を調整するために前記モノレールルーメン内で移動するように更に構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ガイドワイヤの少なくとも一部分にわたって延びるように構成されたバルーンカテーテルを更に備え、前記バルーンカテーテルは、前記心臓の隣接する索間のその通過を阻止するようにサイズおよび形状が決められた膨張可能な遠位部分を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記バルーンカテーテルは、撮像を介した視覚化に適合されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ガイドワイヤの遠位端は、撮像を介した視覚化に適合された湾曲部を有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記人工弁は拡張可能なフレームを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記テザーは、解放可能なコネクタを介して前記アンカーに解放可能に取り付けられる、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
患者の心臓内に人工弁を送達する方法であって、
アンカー制御カテーテルを用いて前記自然弁の索および/または小葉を取り囲むことによって、前記患者の心臓の自然弁輪付近に螺旋アンカーを植え込むステップであって、前記螺旋アンカーの近位端は、前記弁輪を通って延び、前記患者の心臓の外側でアクセス可能な、テザーに解放可能に接続される、ステップと、
前記アンカー制御カテーテルから前記螺旋アンカーを展開するステップと、
前記螺旋アンカーの前記近位端から前記テザーを解放するステップと、
前記自然弁の前記弁輪を通して、および前記アンカーの中央開口部を通して、ガイドワイヤを前進させるステップと、
前記ガイドワイヤにわたって前記弁送達カテーテルを追跡するステップであって、前記弁送達カテーテルは、内部に圧縮状態の人工弁を保有する、ステップと、
前記自然弁輪内で、前記アンカーの前記中央開口部内に前記人工弁を拡張するステップと
を含む、方法。
【請求項24】
前記人工弁を拡張するステップは、前記人工弁の遠位部分を、前記アンカーに対し遠位方向に、前記患者の心臓の心室内に拡張するステップを含み、前記方法は、前記人工弁の前記遠位部分を、前記アンカーに対し近位方向に引き、前記自然弁の前記弁輪に対する前記アンカーの位置を調整するステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記人工弁の近位部分を、前記アンカーに対し近位方向に、前記患者の心房内に拡張させ、それによって、前記アンカーおよび前記自然弁内で前記人工弁を完全に展開するステップを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記人工弁の中央セクションを前記アンカー内へ拡張するステップを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記テザーを解放する前に、前記自然弁の前記弁輪に対する前記アンカーの位置を確認するステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記アンカーの前記位置を確認するステップは、超音波、蛍光および/または放射線撮像を用いて前記アンカーを視覚化するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記索および/または小葉を取り囲むステップは、前記索および/または小葉に対し前記アンカー制御カテーテルを回転させるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記ガイドワイヤを前進させる前に、前記患者の心臓から前記テザーを取り除くステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
患者における疾患を有する自然弁を治療するための方法であって、
前記患者の心臓の第2の心腔内で、前記疾患を有する自然弁の索および/または小葉をアンカーで取り囲むステップであって、前記アンカーは、前記アンカーに取り付けられたテザーを有し、前記テザーは、前記患者の心臓の第1の心腔から遠位方向に、前記疾患を有する自然弁の弁輪を通って、前記患者の心臓の前記第2の心腔内へ延びる、ステップと、
前記患者の心臓の前記第2の心腔内で前記アンカーが前記索および/または小葉の周りに展開されると、前記アンカーから前記テザーを解放するステップと、
前記解放されたテザーを、前記患者の心臓の前記第2の心腔から近位方向に後退させるステップと、
ガイドワイヤを保有するガイドワイヤカテーテルを、前記患者の心臓の前記第1の心腔を通って、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪を通って、前記患者の心臓の第2の心腔内へ前進させるステップと、
前記ガイドワイヤカテーテルの遠位特徴を視覚化しながら、前記ガイドワイヤカテーテルを前進および後退させることによって、前記ガイドワイヤが前記第2の心腔内で絡まっていないことを確認するステップと
を含む、方法。
【請求項32】
前記ガイドワイヤにわたって前記弁送達カテーテルを追跡するステップであって、前記弁送達カテーテルは、内部に圧縮構成の人工弁を含む、ステップと、
前記弁送達カテーテルから、前記人工弁を、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪内へ、前記アンカー内で拡張するように解放するステップと
を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ガイドワイヤは、前記患者の心臓の前記第2の心腔内で前記疾患を有する自然弁に固定される前記アンカーの内周を通って前進する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記弁送達カテーテルから前記人工弁を解放するステップは、前記人工弁の遠位部分を前記第2の心腔内へ解放し、前記人工弁の前記遠位部分を用いて前記疾患を有する自然弁の前記弁輪に対し前記アンカーの位置を調整するステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記アンカーから前記テザーを解放する前に、超音波、蛍光および/または放射線撮像を用いて前記アンカーを視覚化することによって、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪に対する前記アンカーの位置を確認するステップを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
患者における疾患を有する自然弁を治療するための方法であって、
前記疾患を有する自然弁の弁輪およびアンカーの内周を通してガイドワイヤを前進させるステップであって、前記アンカーは、前記患者の心臓の第2の心腔内の前記疾患を有する自然弁に固定され、前記アンカーは、前記第2の心腔から前記弁輪を通って、前記患者の外部に延びる、前記アンカーに取り付けられたテザーを含む、ステップと、
前記ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡するステップであって、前記弁送達カテーテルは、内部に圧縮構成の人工弁を含む、ステップと、
前記弁送達カテーテルから前記疾患を有する自然弁の弁輪内へ、前記アンカー内で人工弁を展開するステップであって、前記テザーは、前記人工弁の展開中に前記アンカーから解放される、ステップと
を含む、方法。
【請求項37】
前記人工弁を展開するステップは、
(a)前記人工弁の遠位部分を前記第2の心腔内へ解放し、前記人工弁の前記遠位部分を用いて前記疾患を有する自然弁の前記弁輪に対し前記アンカーの位置を調整するステップと、
(b)前記人工弁の近位部分を前記患者の心臓の第1の心腔内に解放するステップと
を含み、
前記テザーは、(a)の間、(b)の間、または(a)と(b)との間にアンカーから解放される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ガイドワイヤを、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪および前記アンカーの内周を通して前進させる前に、
前記テザーが前記アンカーに取り付けられている間、前記患者の心臓の前記第2の心腔において、前記疾患を有する自然弁の索および/または小葉を前記アンカーで取り囲むことを更に含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記テザーは、前記患者の心臓の前記第2の心腔から、前記疾患を有する自然弁の弁輪を通って、前記患者の心臓の第1の心腔内へ近位方向に延びる、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記アンカーから前記テザーを解放する前に、超音波、蛍光および/または放射線撮像を用いて前記アンカーを視覚化することによって、前記疾患を有する自然弁の前記弁輪に対する前記アンカーの位置を確認するステップを更に含む、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に援用される、「DELIVERY SYSTEM FOR CARDIAC VALVE PROSTHESIS」と題する、2021年10月14日に出願された米国仮特許出願第63/262,552号の優先権を主張するものである。
参照による援用
[0002]本明細書で言及される全ての刊行物および特許出願は、各々の個別の刊行物または特許出願を参照により援用されるものとして具体的にかつ個別に示す場合と同じ程度で参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0003]心腔間の血流は、自然弁(native valve)、すなわち僧帽弁、大動脈弁、肺動脈弁、および三尖弁によって調節される。これらの弁はそれぞれ、圧力差に反応して開閉する受動的な一方向弁である。弁膜症の患者は、少なくとも1つの弁の解剖学的構造および/または機能に異常がある。例えば、弁は、弁が完全に閉じない場合に、反流とも呼ばれる機能不全に陥り、それによって血液が逆行して流れるのを可能にしてしまうことがある。弁狭窄は、弁が適切に開くのを失敗させ得る。他の疾患も弁の機能障害につながり得る。疾患を治療するために薬物療法を使用することができるが、多くの場合、欠陥のある弁は、患者の生涯のある時点で修復または交換する必要がある。既存の弁ならびに外科的修復および/または置換の処置は、比較的リスクが高く、限定的である耐用年数を有し、および/または非常に侵襲的であり得る。より侵襲性の低い経カテーテルの選択肢がいくつか利用可能であるが、これらは一般に大動脈弁処置に限定され、患者間の融通性が制限され、多くの場合、移植に望ましいよりも時間がかかる。したがって、僧帽弁を含む心臓弁の修復および置換、より迅速な外科的方法、および/または様々な個々の患者に対応できる人工弁の低侵襲的処置を提供することが望ましい。
【0003】
[0004]さらに、既存の弁の修復/交換処置は、複雑で時間がかかることが多い。現在利用可能な処置では、多くの場合、複数の構成要素を配置する必要がある。例えば、人工弁とそれを自然解剖学的構造に固定するための機構である。このような処置は、様々な構成要素を搬送するのに複数の送達カテーテルを利用する場合がある。さらに、各構成要素を別々に弁に送達することは、別個のアクセス部位、および患者を通る経路を必要とする場合があり、これは時間がかかり(特に構成要素が順番に送達される場合)、複雑および/または危険となり得る。例えば、心臓への異なるアクセス経路に沿って別個の送達システムを介して送達される構成要素を位置合わせすることが困難であり得る。さらに、そのような固定要素は、目立たない(例えば細長い)送達構成から自然弁またはその近くの拡張構成への、自然弁輪を通じた押し出しを必要とし得る。少なくともいくつかの例では、固定要素の押し出しは複雑になり得、送達デバイスおよび/または自然解剖学的構造に対して正しい拡張構成に確実に配備し得ない。人工弁と任意の固定またはドッキング構成要素との間の適切な位置合わせは、人工心臓弁の適切な性能を確保するのに必要である。配備が正しくないと、結果として、固定要素および/または人工弁を後退させて再配備するための追加の時間、より複雑な固定処置、および/または自然組織への損傷が生じ得る。したがって、弁の交換および修復のために、より迅速で、複雑さが少なく、危険性が低く、より確実に配備可能な弁アセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]本明細書には、弁アンカーおよび/または人工弁を自然弁輪に送達するための送達システムおよび方法が記載されている。アンカーは、螺旋形状を有し、自然弁輪の索および/または小葉の周りに展開することができる。アンカーに接続されたテザーは、心臓および/または患者の身体の外側に延びることができる。テザーは、アンカーおよび/または人工弁の展開動作の1つまたは複数の間、アンカーに取り付けられたままとすることができる。いくつかの例において、弁送達カテーテルは、テザーが、自然弁輪および螺旋形状のアンカー内で人工弁を展開するためにアンカーに取り付けられたままである間、テザーに隣接するガイドワイヤにわたって送達することができる。他の例において、テザーは、ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを送達する前にアンカーから切り離すことができる。人工弁が展開されると、弁送達カテーテル(および、既に取り除かれていない場合、テザー)を、患者の身体から取り除き、人工弁を自然弁輪内に、周囲のアンカーによって適所に固定された状態で残すことができる。
【0005】
[0006]いくつかの態様によれば、患者における疾患を有する自然弁を治療するための方法が、患者の心臓の第2の心腔において、疾患を有する自然弁の索および/または小葉をアンカーで取り囲むことであって、アンカーは、患者の心臓の第2の心腔から第1の心腔を通って近位方向に延びる、アンカーに取り付けられたテザーを有することと、ガイドワイヤの一部分を、患者の心臓の第1の心腔から、疾患を有する自然弁の弁輪を通って、患者の心臓の第2の心腔へ前進させることと、ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡することであって、弁送達カテーテルは、内部に圧縮構成の人工弁を含むことと、弁送達カテーテルから、人工弁を、疾患を有する自然弁の弁輪内へ、アンカー内で拡張するように解放することと、を含む。
【0006】
[0007]方法は、ガイドワイヤが疾患を有する自然弁の弁輪を通って前進する際に画像を収集することと、操縦可能カテーテルを偏向させ、アンカーの内径を通してガイドワイヤを操縦することとを更に含むことができる。ガイドワイヤの一部分を前進させることは、ガイドワイヤ送達カテーテルを、操縦可能カテーテルを通して、疾患を有する自然弁の弁輪を通して、およびアンカーの内径を通して前進させることと、ガイドワイヤを、ガイドワイヤ送達カテーテルを通して前進させることとを含む。方法は、ガイドワイヤ送達カテーテルの遠位部分を膨張させてバルーンを形成し、ガイドワイヤの位置決めおよび/または撮像を容易にすることを更に含むことができる。ガイドワイヤを操縦することは、ガイドワイヤを、疾患を有する自然弁の弁輪を通して操縦することを更に含むことができる。ガイドワイヤは、ガイドワイヤの撮像を容易にするための湾曲を有することができる。弁送達カテーテルから人工弁を解放することは、人工弁の一部分を第2の心腔内で部分的に展開することと、部分的に展開された人工弁をアンカーに対し押し、アンカーを、疾患を有する自然弁の弁輪に向けて促すことと、人工弁の残り部分を、疾患を有する人工弁の弁輪および/または第1の心腔内に完全に展開することとを含むことができる。方法は、テザーをアンカーから切り離すことと、テザーおよび弁送達カテーテルを患者の身体から後退させることと、を更に含むことができる。テザーを切り離し、後退させることは、ガイドワイヤの配置に続いて行うことができる。テザーを切り離し、後退させることは、ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡している間に行うことができる。テザーを切り離し、後退させることは、弁送達カテーテルからの人工弁の解放の前に行うことができる。方法は、弁送達カテーテルおよびテザーを外側シース内で送達することを更に含むことができる。ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡することは、弁送達カテーテルのモノレールルーメンを通してテザーを進ませることを更に含むことができる。方法は、アンカー制御カテーテルを用いてアンカーを疾患を有する自然弁に送達させることを更に含むことができる。
【0007】
[0008]いくつかの態様によれば、人工弁を心臓の疾患を有する弁に送達するための送達システムが、心臓の外側から、疾患を有する弁の弁輪を通って延びるようにサイズおよび形状が決められたテザー(換言すれば、ひも状部材)であって、テザーは、心臓の自然小葉および/または索に外接するようにサイズおよび形状が決められたアンカーに接続するように更に構成される、テザーと、心臓の外側から、疾患を有する弁の弁輪を通って延びるようにサイズおよび形状が決められたガイドワイヤと、疾患を有する弁の弁輪を通してガイドワイヤにわたって延びるように構成された弁送達カテーテルであって、弁送達カテーテルは、人工弁を内部で圧縮状態に保持し、テザーがアンカーに接続されている間、疾患を有する弁の弁輪およびアンカー内で人工弁を解放するように構成される、弁送達カテーテルとを備える。
【0008】
[0009]弁送達カテーテルは、内部にテザーを収容するようにサイズおよび形状が決められたモノレール(換言すれば、単一軌道)ルーメンを更に備えることができる。テザーは、弁送達カテーテルおよび/または疾患を有する弁に対するアンカーの位置を調整するためにモノレールルーメン内で移動するように更に構成することができる。システムは、ガイドワイヤの少なくとも一部分にわたって延びるように構成されたバルーンカテーテルを更に備えることができ、バルーンカテーテルは、心臓の隣接する索間のその通過を阻止するようにサイズおよび形状が決められた膨張可能な遠位部分を含む。バルーンカテーテルは、撮像を介した視覚化のために適合させることができる。ガイドワイヤの遠位部分は、撮像を介した視覚化のために適合された湾曲部を有することができる。人工弁は、拡張可能なフレームを含むことができる。テザーは、解放可能なコネクタを介してアンカーに解放可能に取り付けることができる。
【0009】
[0010]いくつかの態様によれば、患者の心臓内に人工弁を送達する方法が、アンカー制御カテーテルを用いて自然弁の索および/または小葉を取り囲むことによって、患者の心臓の自然弁輪付近に螺旋アンカーを植え込むことであって、螺旋アンカーの近位端は、弁輪を通って延び、患者の心臓の外側でアクセス可能な、テザーに解放可能に接続されることと、アンカー制御カテーテルから螺旋アンカーを展開することと、螺旋アンカーの近位端からテザーを解放することと、自然弁の弁輪を通して、およびアンカーの中央開口部を通して、ガイドワイヤを前進させることと、ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡することであって、弁送達カテーテルは、内部に圧縮状態の人工弁を保有することと、自然弁輪内で、アンカーの中央開口部内に人工弁を拡張することと、を含む。
【0010】
[0011]人工弁を拡張することは、人工弁の遠位部分を、アンカーに対し遠位方向に、患者の心臓の心室内に拡張することを含むことができ、方法は、人工弁の遠位部分を、アンカーに対し近位方向に引き、自然弁の弁輪に対するアンカーの位置を調整することを更に含むことができる。方法は、人工弁の近位部分を、アンカーに対し近位方向に、患者の心房内に拡張させ、それによって、アンカーおよび自然弁内で人工弁を完全に展開することを更に含むことができる。方法は、人工弁の中央セクションをアンカー内へ拡張することを更に含むことができる。方法は、テザーを解放する前に、自然弁の弁輪に対するアンカーの位置を確認することを更に含むことができる。アンカーの位置を確認することは、超音波、蛍光および/または放射線撮像を用いてアンカーを視覚化することを含むことができる。索および/または小葉を取り囲むことは、索および/または小葉に対しアンカー制御カテーテルを回転させることを含むことができる。方法は、ガイドワイヤを前進させる前に、患者の心臓からテザーを取り除くことを更に含むことができる。
【0011】
[0012]いくつかの態様によれば、患者における疾患を有する自然弁を治療するための方法が、患者の心臓の第2の心腔内で、疾患を有する自然弁の索および/または小葉をアンカーで取り囲むことであって、アンカーは、アンカーに取り付けられたテザーを有し、テザーは、患者の心臓の第1の心腔から遠位方向に、疾患を有する自然弁の弁輪を通って、患者の心臓の第2の心腔内へ延びることと、患者の心臓の第2の心腔内でアンカーが索および/または小葉の周りに展開されると、アンカーからテザーを解放することと、解放されたテザーを、患者の心臓の第2の心腔から近位方向に後退させることと、ガイドワイヤを保有するガイドワイヤカテーテルを、患者の心臓の第1の心腔を通って、疾患を有する自然弁の弁輪を通って、患者の心臓の第2の心腔内へ前進させることと、ガイドワイヤカテーテルの遠位特徴を視覚化しながら、ガイドワイヤカテーテルを前進および後退させることによって、ガイドワイヤが第2の心腔内で絡まっていないことを確認することとを含む。
【0012】
[0013]方法は、ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡することであって、弁送達カテーテルは、内部に圧縮構成の人工弁を含むことと、弁送達カテーテルから、人工弁を、疾患を有する自然弁の弁輪内へ、アンカー内で拡張するように解放することとを含む。ガイドワイヤは、患者の心臓の第2の心腔内で疾患を有する自然弁に固定されるアンカーの内周を通って前進させることができる。弁送達カテーテルから人工弁を解放することは、人工弁の遠位部分を第2の心腔内へ解放し、人工弁の遠位部分を用いて疾患を有する自然弁の弁輪に対しアンカーの位置を調整することを含むことができる。方法は、アンカーからテザーを解放する前に、超音波、蛍光および/または放射線撮像を用いてアンカーを視覚化することによって、疾患を有する自然弁の弁輪に対するアンカーの位置を確認することを更に含むことができる。
【0013】
[0014]いくつかの態様によれば、患者における疾患を有する自然弁を治療するための方法が、疾患を有する自然弁の弁輪およびアンカーの内周を通してガイドワイヤを前進させることであって、アンカーは、患者の心臓の第2の心腔内の疾患を有する自然弁に固定され、アンカーは、第2の心腔から弁輪を通って、患者の外部に延びる、アンカーに取り付けられたテザーを含むことと、ガイドワイヤにわたって弁送達カテーテルを追跡することであって、弁送達カテーテルは、内部に圧縮構成の人工弁を含むことと、弁送達カテーテルから疾患を有する自然弁の弁輪内へ、アンカー内で人工弁を展開することであって、テザーは人工弁の展開中にアンカーから解放されることとを含む。
【0014】
[0015]人工弁を展開することは、(a)人工弁の遠位部分を第2の心腔内へ解放し、人工弁の遠位部分を用いて疾患を有する自然弁の弁輪に対しアンカーの位置を調整することと、(b)人工弁の近位部分を患者の心臓の第1の心腔内に解放することとを含み、テザーは、(a)の間、(b)の間、または(a)と(b)との間にアンカーから解放される。方法は、ガイドワイヤを、疾患を有する自然弁の弁輪およびアンカーの内周を通して前進させる前に、テザーがアンカーに取り付けられている間、患者の心臓の第2の心腔において、疾患を有する自然弁の索および/または小葉をアンカーで取り囲むことを更に含むことができる。テザーは、患者の心臓の第2の心腔から、疾患を有する自然弁の弁輪を通って、患者の心臓の第1の心腔内へ近位方向に延びることができる。方法は、アンカーからテザーを解放する前に、超音波、蛍光および/または放射線撮像を用いてアンカーを視覚化することによって、疾患を有する自然弁の弁輪に対するアンカーの位置を確認することを更に含むことができる。
【0015】
[0016]これらのおよび他の態様が本明細書に記載される。
【0016】
[0017]本発明の新規な特徴は、後続の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の原理が使用される例示の実施形態について記載する以下の詳細な説明と添付図面とを参照すれば、本発明の特徴および利点をよりよく理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】[0018]アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1B】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1C】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1D】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1E】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1F】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1G】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1H】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1I】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図1J】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルが展開されている間、アンカーに接続されたままである。
【
図2】[0019]テザーのためのモノレールルーメンを有する例示的な弁送達カテーテルを示す。
【
図3A】[0020]アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する別の例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれる間、アンカーに接続されている。
【
図3B】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する別の例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれる間、アンカーに接続されている。
【
図3C】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する別の例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれる間、アンカーに接続されている。
【
図3D】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する別の例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれる間、アンカーに接続されている。
【
図3E】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する別の例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれる間、アンカーに接続されている。
【
図3F】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する別の例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれる間、アンカーに接続されている。
【
図3G】アンカーおよび人工弁を自然弁の付近に送達する別の例示的な方法を示し、ここで、テザーは、アンカーが展開され、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれる間、アンカーに接続されている。
【
図4】[0021]人工弁の展開の例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0022]本明細書では、例えば僧帽弁交換中に、人工弁を送達する際に用いるためのデバイスおよび方法について説明する。送達システムは、患者の自然弁の周りに螺旋形状のアンカーを送達するためのアンカー送達システム(例えば、サブシステム)と、展開されたアンカーおよび患者の自然弁内に人工弁を送達するための弁送達システム(例えば、サブシステム)とを備えることができる。アンカー送達システムは、心臓内でアンカーを解放および位置決めするためのアンカー制御カテーテルを含むことができる。弁送達システムは、自然弁輪およびアンカーの中央開口部内で人工弁を位置決めおよび解放するための弁送達カテーテルを含むことができる。アンカーの端部に接続されたテザーは、アンカー制御カテーテルおよび/または弁送達カテーテルに平行に位置決めすることができる。テザーを用いて、アンカーおよび/または人工弁の位置を調整するか、または他の形でアンカーへのアクセスを提供することができる。そのような方法は、有利には、様々な動作中のアンカーおよび/または人工弁の信頼性の高い制御を可能にすることができる。いくつかの場合、アンカー送達システムおよび/または弁送達システムは、心臓内のアンカーおよび/または人工弁の位置を追跡するための(例えば、超音波および/または蛍光透視法を介した)視覚化を可能にする1つまたは複数の特徴を含むことができる。
【0019】
[0023]テザーは、アンカーおよび/または弁送達プロセスの様々な動作中、1つまたは複数の目的に役立つことができる。例えば、テザーは、心臓から近位方向に引き出されているとき、アンカー制御カテーテルの後退を容易にすることができる。さらにまたは代替的に、アンカー制御カテーテルが心臓から取り除かれると、テザーを用いて、アンカーの位置を調整してもよい。これは、テザーを近位方向に引き、および/またはテザーを遠位方向に押して、アンカーを自然弁輪の付近に再位置決めし、および/または自然弁輪に対する共平面のアンカー向きを達成することを含むことができる。さらにまたは代替的に、テザーは、(例えば、人工弁が完全に展開される前に)人工弁と併せて用いて、アンカーおよび人工弁の位置を調整することもできる。
【0020】
[0024]テザーは、アンカーおよび/または人工弁送達動作の異なる時点においてアンカーから解放されてもよい。例えば、テザーは、アンカーがアンカー制御カテーテルによって位置決めされた後にアンカーから解放されてもよい。他の例において、テザーは、ガイドワイヤがアンカーを通して導入された後、および/または人工弁が心臓内に部分的に展開された後にアンカーから解放されてもよい。更なる例において、テザーは、人工弁が心臓内に完全に展開された後、アンカーから解放されてもよい。
【0021】
[0025]
図1A~
図1Jは、いくつかの実施形態による、人工弁を送達する例示的な方法を示す。
図1Aは、心臓の第1の心腔(この場合、左心房104)へのアクセスを提供するために穿刺デバイス103によって行われる経中隔穿刺部102を示す。穿刺デバイス103は、操縦可能カテーテル(例えば、
図1Bの111)および/またはアンカー制御カテーテル(例えば、
図1Bの108)を通って前進させられてもよく、または操縦可能カテーテルおよび/またはアンカー送達カテーテルを前進させる前に後退させられる別個のデバイスであってもよい。いくつかの場合、穿刺デバイス103は、経中隔穿刺部102を拡張させ、例えば、アンカー送達カテーテルおよび/または弁送達カテーテルの侵入を受け入れるように構成された拡張器を備えることができる。
【0022】
[0026]
図1Bは、経中隔穿刺部102を通され、アンカー114の送達のために位置決めされた操縦可能カテーテル111およびアンカー制御カテーテル108(アンカー送達カテーテルとも呼ばれる)を示す。操縦可能カテーテル111およびアンカー制御カテーテル108は、アンカー送達システムの一部とすることができる。操縦可能カテーテル111の少なくとも一部分(例えば、遠位端)は、アンカー制御カテーテル108および/またはアンカー114を、自然弁輪110に対する所望の位置および向きになるように操縦するように操縦可能(例えば、偏向可能)であってよい。いくつかの例において、操縦可能カテーテル111および/またはアンカー制御カテーテル108は、1つまたは複数の同心カテーテル(例えば、サブカテーテル)を含むことができ、各同心カテーテルは、3D空間において平面に沿って偏向するように構成される。従って、1平面偏向可能カテーテルを有する操縦可能カテーテル111および/またはアンカー制御カテーテル108は、操縦可能カテーテル111が3D空間内の1つの平面に沿って偏向することを可能にすることができ、2つの同心の1平面偏向可能カテーテル(例えば、サブカテーテル)は、操縦可能カテーテル111が3D空間の2つの平面に沿って偏向することを可能にすることができ、3つの同心の1平面偏向可能カテーテル(例えば、サブカテーテル)は、操縦可能カテーテル111および/またはアンカー制御カテーテル108が、3D空間の3つの平面に沿って偏向することを可能にすることができる等である。操縦可能カテーテル111および/またはアンカー制御カテーテル108は、3D空間における任意の数の平面および寸法において操縦可能であるように構成することができる。操縦可能カテーテル111および/またはアンカー制御カテーテル108は、直線構成と屈曲(偏向)構成との間で屈曲可能であってもよい。そのような屈曲は、例えば、操縦可能カテーテル111および/またはアンカー制御カテーテル108に作動的に結合されたハンドルにおいて制御することができる。いくつかの場合、同心カテーテルの各内側カテーテルが、対応する外側カテーテルの遠位端を通って前進可能であってよい。
【0023】
[0027]心臓の第1の心腔(例えば、左心房104)に入ると、アンカー制御カテーテル108は、操縦可能カテーテル111を通して前進させることができ、アンカー114は、アンカー制御カテーテル108の遠位ガイドアーム部分112を通して前進させることができる。ガイドアーム部分112は、アンカー制御カテーテル108の残りと一体形成されてよい。アンカー制御カテーテル108のアンカー114およびガイドアーム部分112は、自然弁輪110を通して、心臓の第2の心腔(この場合、左心室106)内へ位置決めすることができる。心臓の第2の心腔(例えば、左心室106)内に入ると、アンカー114は、アンカー制御カテーテル108から解放され、自然弁輪110の腱索116および/または小葉の周りを誘導されてもよい。アンカー114の係合および位置決めは、索116および/または小葉に対しアンカー制御カテーテル108を回転させる(これによりアンカー114を回転させる)ことを伴うことができる。これは、操縦可能カテーテル111に対しアンカー制御カテーテル108を回転させることを伴うことができる。送達されるアンカー114は、心臓の第2の心腔(例えば、左心室106)にのみ存在することができる。
【0024】
[0028]示すように、アンカー114は、螺旋形状をとるように構成することができる。アンカーは、展開状態において1つまたは複数の巻回部を有することができる。いくつかの実施形態において、展開されたアンカーの巻回部は、実質的に(例えば、径方向の)平面内にある。いくつかの実施形態において、展開されたアンカーの巻回部は、(例えば、径方向平面に直交する方向において)互いに少なくとも部分的に重複する。いくつかの実施形態において、アンカーは、心臓の単一の心腔内に展開され、心臓の(例えば異なる)単一の心腔内に存在するようなサイズおよび形状にされる。例えば、アンカーは、(例えば、完全に)心房内に展開され、心室内で(例えば単独で)植え込まれてもよい。いくつかの例において、アンカー114は、形状記憶材料(例えば、ニチノール、NiTi)を含む。ガイドアーム部分112は、アンカー114の螺旋アームが腱索116および/または小葉を取り囲むように、螺旋形状のアンカー114の巻回部の巻回を容易にするための所定の湾曲形状をとるように構成することができる。ガイドアーム部分112の幾何学的形状(例えば、湾曲)は、展開中、アンカー114にねじり(torsion)を生じさせ得る。他の場合、ガイドアーム部分112は、(例えば、ハンドルにおける制御によって)起動されると、湾曲形状をとるように構成することができる。例えば、ガイドアーム部分112は、操縦可能カテーテル111から前進すると、「自己組み立て(self-assembly)」によってその形状をとることができる。アーム部分112の湾曲形状は、自然弁輪110に対するアンカー114の平面の向きを維持することができる。ガイドアーム部分112は、操縦可能カテーテル111を(例えば、偏向、屈曲させることによって)操縦し、および/またはアンカー制御カテーテル108および/またはガイドアーム部分112を、索116および/または小葉を取り囲むように回転させることによって、所望に応じて位置決めおよび/または方向付けすることができる。いくつかの実施形態では、(アンカー制御カテーテル108および/またはガイドアーム部分112の逆回転を介した)アンカー114の逆回転により、索116および/または小葉を絡ませることなく、自然弁輪110を横切ってアンカー114を前進させることを支援することができる。いくつかの場合、撮像(例えば、超音波および/または蛍光透視法)を用いて、アンカー114が索116および/または小葉を十分取り囲むか否かを判断し、必要に応じて、索116および/または小葉を十分捕捉するようにアンカー114を逆回転および回転させることができる。
【0025】
[0029]アンカー114が心臓の第2の心腔(例えば、左心室106)内で選択された深さにくると、(アンカー制御カテーテル108および/またはガイドアーム部分112の正回転を介した)アンカー114の正回転により、アンカー114が僧帽弁小葉および索116および/または小葉を取り囲むことを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、アンカー114は、(例えば、最初に)心室の心尖に向かって展開され、自然弁110の小葉の動きとの干渉の回避を支援することができる。
【0026】
[0030]
図1Cは、腱索116および/または小葉の周りに展開されたアンカー114、ならびに操縦可能カテーテル111内に戻るように後退させられたアンカー制御カテーテル108(ガイドアーム部分112を含む)(
図1B)を示す。示すように、アンカー114の近位端は、患者の身体から出て延び、アンカー114との連絡(communication)を維持する、テザー118に接続することができる。コネクタ120が、テザー118の遠位端をアンカー114の近位端に解放可能に接続するように適合させることができる。例えば、コネクタ120の係止機構が、テザー118の近位端におけるハンドルの作動時に、テザー118に対しアンカー114を係止しおよび/または係止解除する(および切り離す)ように構成されることができる。
【0027】
[0031]いくつかの場合、テザー118は、異なる形状および/または剛性を有するように構成することができる。例えば、テザー118は、アンカー114の位置を自然弁輪110のより近くに調整し、および/またはアンカー114の向きを自然弁輪110と同じ平面になるように調整するようテザー118を(例えば、近位方向に引かれる代わりにまたはそれに加えて)遠位方向に押すことができるように堅くされる(stiffened)(および/または所定の形状を有する)ことができる。いくつかの例において、テザー118は、アンカー114の位置を自然弁輪110のより近くに調整し、および/または自然弁輪110に対するアンカー114の向きを調整するようテザー118を(近位方向に引かれる代わりにまたはそれに加えて)遠位方向に押すことができるように堅くされる(および/または所定の形状を有する)ことができる。適切なテザーの例示的な実施形態は、参照によりその開示全体本明細書に援用される、2022年9月2日に出願された国際特許出願第PCT/US2022/075931号に記載されている場合がある。
【0028】
[0032]
図1Dは、テザー118に隣接した操縦可能カテーテル111を通して、自然弁輪110を通して、アンカー114の内周部を通して、および心臓の第2の心腔(例えば、左心室106)内に前進させられるガイドワイヤ122を示す。いくつかの場合、ガイドワイヤ112はガイドワイヤ送達カテーテル126を通して送達することができ、ガイドワイヤ送達カテーテル126自体は、操縦可能カテーテル111を通じて送達することができる。例えば、ガイドワイヤ送達カテーテル126は、操縦可能カテーテル111を通して、自然弁輪110を通して、およびアンカー114の内径部を通して前進させることができ、ガイドワイヤ123は、ガイドワイヤ送達カテーテルを通じて前進させることができる。いくつかの例において、操縦可能カテーテル111は、弁輪110およびアンカー114の内径部を通してガイドワイヤ122(およびガイドワイヤ送達カテーテル126)を位置決めするように操縦(例えば、偏向)される。いくつかの例において、ガイドワイヤ122の遠位端123は、ガイドワイヤ122の位置決め中に(例えば、蛍光透視法撮像を介した)ガイドワイヤ122の視覚化を容易にすることができる湾曲部(例えば、ピグテール)を含むことができる。ガイドワイヤ114は、1つまたは複数の金属および/または1つまたは複数のポリマー材料のような複数の材料のうちの任意のものから作製することができる。いくつかの例において、ガイドワイヤ122は、約0.05cm(0.02インチ)~約0.13cm(0.05インチ)(例えば、0.05、0.06、0.08、0.09、0.10、0.11、0.13cm(0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、または0.05インチ))の範囲の直径を有する。
【0029】
[0033]
図1Eは、任意選択で、ガイドワイヤ122の視覚化を容易にするのに用いることができるバルーン124(例えば、スカウト(scout)バルーン)を示す。いくつかの場合、バルーン124は、ガイドワイヤ送達カテーテル126に取り付けるかまたはその一部とすることができる。例えば、バルーン124は、ガイドワイヤ送達カテーテル126の膨張可能部分とすることができる。バルーン124は、ガイドワイヤ122に沿った任意の所望の位置で展開する(例えば、膨張させる)ことができる。例えば、バルーン124は、ガイドワイヤ送達カテーテル126の遠位端にあってよく、ガイドワイヤ122上をガイドワイヤ122の遠位端123に向かって前進させられ、遠位端123でバルーン124を展開する(例えば膨張させる)ことができる。ガイドワイヤ122の遠位端123の湾曲部(例えば、ピグテール)および/またはバルーン124は、(例えば、超音波および/または蛍光透視法撮像を介して)視覚化し、アンカー114の内周部内でおよび/または心臓の第2の心腔(例えば、左心室106)内で自然弁110の実質的に中心を通るガイドワイヤ122の適切な位置決めを確実にすることができる。さらにまたは代替的に、拡張したバルーンおよびその視覚化を、ガイドワイヤ122の望ましくない配置を特定するように、例えば、ガイドワイヤ122が腱索116および/または小葉内またはそれらの間で絡まっていないこと、アンカー114の巻回部に挿通されていること、または腱索116および/または小葉と適切に係合されていないことを確認するように使用することができる。例えば、バルーンは、隣接する索間を通ることを阻止するような形状およびサイズにすることができ、これにより、自由に動いているバルーンによって、ガイドワイヤが索間で、または乳頭筋の周りで誤って位置決めされていないことが確認される。他の撮像技法も用いることができる。例えば、ガイドワイヤ送達カテーテル126、バルーン124および/またはガイドワイヤ122は、さらにまたは代替的に、放射線撮像を用いて視認可能な1つまたは複数の放射線不透過性マーカを含んでもよい。ガイドワイヤ122の適切な位置決めは、ガイドワイヤ122上で追跡することができる、後に導入される弁送達カテーテルおよび/または人工弁の適切な位置決めを確実にすることができる。ガイドワイヤ122が位置異常であるとわかった場合、ガイドワイヤ122の位置を調整することができる。例えば、ガイドワイヤ122は、操縦可能カテーテル111を作動させることによって、近位方向に引き、遠位方向に押し、および/または操縦することができる。ガイドワイヤ122が適切に位置決めされた後、操縦可能カテーテル111およびガイドワイヤ送達カテーテル126は、(例えば、後述するように弁送達カテーテル128の挿入前に)心臓から後退させることができる。
【0030】
[0034]
図1Fは、経中隔穿刺部102を通され、人工弁の送達のために位置決めされた、(弁送達システムの一部としての)弁送達カテーテル128の前進を示す。示す例において、弁送達カテーテル128はテザー118に隣接して前進させられる。弁送達カテーテル128は、自然弁輪110を通る弁送達カテーテル128の遠位端を方向付ける様々な方向のうちの任意の方向において屈曲することができるように操縦可能であり得る。例えば、弁送達カテーテル128は、アンカー送達システムの操縦可能カテーテル111と類似して、3D空間において1つまたは複数の平面に沿って屈曲するように構成することができる。いくつかの例において、外側シース(図示せず)が、弁送達カテーテル128およびテザー118の双方を包囲する。いくつかの例において、そのような外側シースは、穿刺部位におけるおよび/またはカテーテルが横断する血管に沿った組織損傷を最小限にするための安全要素とすることができる。いくつかの例において、弁送達カテーテル128は、内部にテザー118を収容するようなサイズおよび形状にすることができる、弁送達カテーテル128(例えば、人工弁を保持する)の中央ルーメンに平行に延びるモノレール(換言すれば、単一軌道)ルーメン(例えば、
図2)を含むことができる。この構成は、テザー118に対し更なる制御を提供する(例えば、テザーが絡まることを阻止する)ことができる。
【0031】
[0035]
図1Gは、弁送達カテーテル128の前進および操作中、アンカー114の位置を維持するようにテザー118上にどのように張力を配置することができるかを示す。例えば、アンカー114が可能な限り自然弁輪110に近接して維持されることが望ましい場合がある。そのような張力は、テザー118を近位方向130に引くことによって適用することができる。
【0032】
[0036]
図1Hは、弁送達カテーテル128から自然弁輪110およびアンカー114の中央開口部内へ展開されている人工弁の遠位部分132を示す。いくつかの例において、人工弁132は、弁送達カテーテル128の遠位端から押し出されたときに拡張するように構成された拡張可能フレーム構造を有する。人工弁132は、血液が流れる中央ルーメンを画定し、人工小葉を含むことができる。
図1Hは、人工弁132の遠位部分が拡張されている人工弁132の部分展開を示す。いくつかの例において、部分的に拡張された人工弁は、
図1Iに示すように、自然弁輪110のより近くにアンカー114および/または人工弁の遠位部分132の位置を維持または調整するように、(例えば、弁送達カテーテル128を近位方向に引くことによっておよび/またはテザー118を近位方向に引くことによって、)部分的に拡張した人工弁を近位方向(134)に引くことができる。例えば、人工弁の遠位部分132は、アンカー114に押し付けられ、アンカー114を自然弁輪110に向けて押圧することができる。
図1Jは、自然弁輪110の上方で第1の心腔(例えば、左心房104)内へ展開され、それによって人工弁150を完全に展開する、人工弁の近位部分136を示す。示すように、人工弁150は、砂時計(hourglass)形状を有することができ、ここで、遠位部分132および近位部分136は各々、人工弁150の中央セクションよりも大きい直径を有する。完全に展開されたとき、アンカー114は、人工弁150の中央セクションを取り囲む(例えば、包囲する)ことができる。人工弁150が完全に展開された後、弁送達カテーテル128は、近位方向に、患者の身体から外側に引くことができる。アンカー114は、コネクタ120を係合解除することによってテザー118から切り離すことができる。次に、テザー118は、テザー118を近位方向に、患者の身体から外側に引くことによって取り除くことができる。
【0033】
[0037]人工弁/アンカーの例示的な実施形態は、その開示全体が参照により本明細書に援用される、2020年9月24日に公開された米国特許出願公開第2020/0297491A1号、2021年2月9日に発行された米国特許第10、912、644号に記載されている。
【0034】
[0038]
図2は、
図1F~
図1Jに示す弁送達カテーテル128の一変形である例示的な弁送達カテーテル228を示す。この変形において、弁送達カテーテル228は、テザー118を収容するようなサイズおよび形状のモノレールルーメン252を含む。示すように、モノレールルーメン252は、ガイドワイヤ122を収容する中央ルーメン250に平行な弁送達カテーテル228の1つの側に沿って延びることができる。モノレールルーメン252は、例えば、テザー118がねじれるかまたは絡まることを防ぐように、テザー118の動きを制約することができる。中央ルーメン250は、ガイドワイヤ122が弁送達カテーテル228を出ることができる遠位開口部を画定することができる。弁送達カテーテル228は、(例えば、人工弁132の解放および拡張前に)人工弁132を圧縮構成に保持するように適合された(例えば、そのようなサイズおよび形状を有する)内部容積254を含む。中央ルーメン250は、人工弁132が弁送達カテーテル228内に配設されているとき、弁送達カテーテル228および人工弁132の中央を通って延びることができる。
【0035】
[0039]モノレールルーメンを有する弁送達カテーテルの例は、その開示全体が参照により本明細書に援用される、2021年4月8日に出願され、2021年10月14日にWO2021/207545として公開された、国際特許出願第PCT/US2021/026463号に記載されている。
【0036】
[0040]
図3A~
図3Gは、この場合、人工弁を送達する別の例示的な方法を示す。
図3A~
図3Gに示す動作は、テザーがアンカー314の展開中に接続されているが、弁送達カテーテルの展開前に取り除かれることを除いて、
図1B~
図1Jにおけるものに類似している。
図3Aは、経中隔穿刺部302を通され、アンカー314の送達のために位置決めされた操縦可能カテーテル311およびアンカー制御カテーテル308を示す。心臓の第1の心腔(例えば、左心房304)に入ると、アンカー制御カテーテル308は、操縦可能カテーテル311を通して前進させることができ、次に、アンカー314は、アンカー制御カテーテル308を通して、アンカー制御カテーテル308の遠位ガイドアーム部分312の外側へ前進させることができる。アンカー314およびガイドアーム部分312は、自然弁輪310を通して、心臓の第2の心腔(例えば、左心室306)内へ位置決めすることができる。心臓の第2の心腔(例えば、左心室306)内に入ると、アンカー314は、自然弁輪310の腱索316および/または小葉の周りを誘導されてもよい。例えば
図1Bに関して上記で説明したように、アンカー314は、操縦可能カテーテル311を(例えば、偏向、屈曲させることによって)および/またはアンカー制御カテーテル308(例えば、ガイドアーム部分312)を操縦可能することによって、所望に応じて位置決めおよび/または方向付けすることができる。
図3A(
図1Bに類似)において、テザーは、アンカー制御カテーテル308内でコネクタによってアンカー314に接続することができる。
【0037】
[0041]
図3Bは、自然弁輪310の平面に対しより近くのかつ平面構成で方向付けされたアンカー314の位置を示す。アンカー制御カテーテル308の遠位ガイドアーム部分312は、自然弁輪310に対するアンカー314の平面の向きを維持するような湾曲形状をとることができる。いくつかの場合、アンカー制御カテーテル308は、操縦可能カテーテル311内にあるときの直線形状から、操縦可能カテーテル311から解放されたときの湾曲形状に移行する。例えば、アンカー制御カテーテル308は、湾曲形状をとるように前処理された形状記憶材料(例えば、ニチノール)から作製することができる。代替的にまたはさらに、アンカー制御カテーテル308は、(例えば、ハンドルにおける制御によって)起動されると、湾曲形状をとるように構成することができる。いくつかの場合、アンカー制御カテーテル308内に少なくとも部分的に存在し得るテザー(例えば、118)は、アンカー314に対する牽引を提供し、アンカー制御カテーテル308の形状を変化させるように、近位方向に引く(および/または遠位方向に押す)ことができる。この牽引により、アンカー制御カテーテル308が操縦可能カテーテル311を通して戻るように近位方向に後退されるときに、アンカーを適所に保持することができる。いくつかの例において、撮像(例えば、超音波および/または蛍光透視法)を用いて、アンカー314の展開中または展開後にアンカー314を可視化することができる。そのような撮像を用いて、アンカー314の配置および/または向きを確認することができる。アンカー314が適切に位置決めおよび方向付けされると、テザーは、解放可能なコネクタ(例えば、120)を解放することによって、アンカー314から解放することができる。
【0038】
[0042]
図3Cは、上記で
図1Dを参照して説明したのと同様に、操縦可能カテーテル311、自然弁輪310、アンカー314の内側開口部を通って、心臓の第2の心腔(例えば、左心室306)内に前進させられる、ガイドワイヤ322を有するガイドワイヤ送達カテーテル326を示す。
図3Dは、
図1Eを参照して上記で説明したものに類似して、任意選択でガイドワイヤ322の可視化を容易にするのに用いることができる任意選択のバルーン324(例えば、ガイドワイヤ送達カテーテル326に取り付けられるかまたはその一部である)を示す。
図3Eは、
図1Fを参照して上記で類似したものに類似して、経中隔穿刺部302を通され、人工弁の送達のために位置決めされた、(例えば、弁送達システムの一部としての)弁送達カテーテル328の前進を示す。
【0039】
[0043]
図3Fは、
図1Hを参照して上記で説明したものに類似して、弁送達カテーテル328から自然弁輪310およびアンカー314の中央開口部内へ展開されている人工弁の遠位部分332を示す。いくつかの例において、人工弁の遠位部分332は、必要な場合、自然弁輪310に近接してアンカー314の位置を維持または動かすように、(例えば、弁送達カテーテル328を近位方向に引くことによって)近位方向(334)に引くことができる。
図3Gは、自然弁輪310の上方で展開され、それによって人工弁350を完全に展開する、人工弁の近位部分336を示す。人工弁350が完全に展開された後、弁送達カテーテル328は、近位方向に、患者の身体から外側に引くことができる。
【0040】
[0044]
図4は、疾患を有する弁を処置するために人工弁を植え込む例示的な方法を示すフローチャートである。例示的な動作402は、疾患を有する自然弁の索および/または小葉の周りにアンカーを位置決めすることを含む。これは、索および/または小葉の周りで螺旋形状アンカーを巻くことを伴うことができる。いくつかの例において、アンカーは、操縦可能カテーテルおよび/またはアンカー制御カテーテルを介して心臓に送達される。アンカー制御カテーテルのガイドアーム部分は、操縦可能カテーテルから延び、アンカーがアンカーガイドから出て前進する際、索および/または小葉の周りでアンカーを誘導するように設計された湾曲形状を有することができる。操縦可能カテーテルは、アンカー制御カテーテルおよび/またはアンカーを適所に操縦するように操縦可能(例えば、偏向可能)であってよい。加えてまたは代替的に、アンカー制御カテーテルは、アンカーを適所に操縦するように操縦可能(例えば、偏向可能)であってよい。ガイドアーム部分は、アンカーの位置決めを容易にするように、操縦可能カテーテルに対して回転可能であってよい。テザーは、索/小葉の周りのアンカーの展開中にアンカーに取り付けられることができる。いくつかの例において、テザーは、アンカーに対し牽引を提供するように、近位方向に引くことができる。この牽引は、アンカー制御カテーテルが近位方向に後退させられる際、アンカー制御カテーテルの形状を変化させ(例えば、湾曲を圧縮し)および/またはアンカーを適所に保持する。いくつかの場合、撮像(例えば、超音波および/または蛍光透視法)を用いて、展開中または展開後にアンカーを可視化し、ならびに/またはアンカーの適切な配置および/もしくは向きを確実にすることができる。
【0041】
[0045]アンカーが展開されると、動作403において、テザーは任意選択でアンカーから解放される。例えば、アンカー制御カテーテルが近位方向に後退させられる際、テザーを用いてアンカー制御カテーテルに張力がかけられ、および/またはアンカーが適所に保持されると、テザーをアンカーから切り離し、近位方向に引いて患者の身体から出すことができる。いくつかの場合、テザーをアンカーから早期に(例えば、動作404の前に)解放することにより、テザーがアンカーの位置と干渉することを防ぐことができる。さらに、動作402においてアンカーの位置および/または向きが適切に位置決めされると、テザーを介したアンカーへのアクセスは必要でない場合がある。
【0042】
[0046]例示的な動作404は、疾患を有する自然弁の弁輪および螺旋形状のアンカーの中央開口部を通してガイドワイヤの少なくとも一部分を前進させることを含む。ガイドワイヤは、第1の心腔(例えば、左心房)から第2の心腔(例えば、左心室)に通すことができる。いくつかの場合、操縦可能カテーテルは、疾患を有する自然弁輪およびアンカーを通してガイドワイヤを操縦するように操縦(例えば、偏向)されてもよい。
【0043】
[0047]例示的な動作406は、疾患を有する自然弁輪およびアンカーを通してガイドワイヤを位置決めしている間、任意選択で撮像(例えば、超音波および/または蛍光透視法)を用いることを含む。いくつかの例において、ガイドワイヤは、撮像技法を用いて、ガイドワイヤおよびアンカーおよび/または自然弁輪に対するその位置の識別を容易にするための特有の形状(例えば、ピグテール端)を有することができる。さらにまたは代替的に、ガイドワイヤは、ガイドワイヤおよびその位置の識別を容易にするためのバルーンを含むことができる。撮像は、ガイドワイヤが索および/もしくは小葉内で絡まること、アンカーの巻回部を通ること、または索および/もしくは小葉の外側に位置決めされることを防ぐために、ガイドワイヤの配置中にリアルタイムで行うことができる。操縦可能カテーテルは、ガイドワイヤが操縦可能カテーテルから延ばされる際、ガイドワイヤの動きを制御するように操縦することができる。いくつかの場合、ガイドワイヤは、操縦可能カテーテルに対するガイドワイヤの前進およびガイドワイヤの後退を組み合わせることによって操作される。弁輪を通して配置されると、撮像を用いてガイドワイヤの適切な配置を確認することもできる。ガイドワイヤが適切に位置決めされると、操縦可能カテーテルを後退させることができる。
【0044】
[0048]例示的な動作408は、ガイドワイヤ上で弁送達カテーテルを追跡することを含む。いくつかの例において、テザーは、患者の血管の少なくとも一部分に沿って、および経中隔穿刺部を通じて弁送達カテーテルがテザーと平行に延びるようにアンカーに取り付けられたままにすることができる。テザーが依然としてアンカーに取り付けられている場合、弁送達カテーテルおよびテザーは、弁送達カテーテルの外側シース内にあり得る。外側シースは、穿刺部位における、および/または弁送達カテーテル(およびテザー)が横切る血管に沿った、組織の損傷を最小限にすることができる。いくつかの例において、弁送達カテーテルは操縦可能である。いくつかの例において、弁送達カテーテルは、(テザーが依然として存在する場合)内部にテザーを収容するためのモノレールルーメンを含むことができる。これは、テザーの位置および動きを制御することができ、例えば、テザーが絡まるのを防ぐことができる。
【0045】
[0049]例示的な動作410は、弁送達カテーテルから自然弁輪の第2の側(例えば、心室側)に人工弁の遠位部分を展開することを含む。弁送達カテーテルからの人工弁の解放は、人工弁の遠位部分が、自然弁輪の心房側内で人工弁の近位部分を解放/拡張することなく、人工弁の遠位部分が自然弁の第2の側(例えば、心室側)内に拡張するように制御することができる。いくつかの例において、人工弁の遠位部分は、アンカーおよび人工弁の遠位部分を、自然弁輪の平面に可能な限り近接して位置決めし、および/または自然弁輪の平面に対し同じ平面の向きを達成するように、アンカーに対し近位方向に引かれる。アンカーおよび人工弁の遠位部分が自然弁輪に対し適切に位置決めされると、人工弁の近位部分を展開し、それによって人工弁を完全に展開することができる。
【0046】
[0050]動作403においてテザーがアンカーから既に解放されていない場合、動作405において、テザーは、任意選択で、動作404~410のうちの任意のものにおいて(またはそれらの間で)アンカーから切り離し、解放することができる。例えば、テザーは、動作404~410のうちの任意のものにおいて(またはそれらの間で)近位方向に引き、および/または遠位方向に押し、アンカーを可能な限り自然弁輪に近接して再位置決めし、および/または自然弁輪に対して同じ平面のアンカー向きを達成することができる。いくつかの場合、動作404~410においてまたはその間にテザーをアンカーから解放することにより、テザーがこれらの動作中、アンカーの位置と干渉することを防ぐことができる。さらに、テザーを介したアンカーへのアクセスは、動作404~410のうちの1つの後、必要でない場合がある。
【0047】
[0051]動作412において、人工弁の近位部分は、第1の心腔(例えば、自然弁輪の心房側の心房)内に展開され、それによって人工弁を完全に展開する。動作414において、弁送達カテーテルおよびガイドワイヤは、患者の身体から後退させ、取り除くことができる。動作403または405においてテザーがアンカーから既に解放されていない場合、テザーは、動作410の後で、動作412~414のうちの任意のものにおいて、または動作414の後でアンカーから切り離し、解放することができる。
【0048】
[0052]本明細書に記載の方法のうちの任意のものは、患者の心臓内にある間、アンカー、人工弁、テザー、および/または、カテーテル(例えば、操縦可能カテーテル、アンカー制御カテーテル、弁送達カテーテルおよび/または外側シース)のうちの任意のものを視覚化することを含むことができる。視覚化は、(限定ではないが)超音波、蛍光透視法および/または放射線周波数撮像技法等の1つまたは複数の撮像技法を用いることを含むことができる。撮像を用いて、動作402~414のうちの任意のものにおいてまたはこれらの間で、アンカー、人工弁、テザーおよび/またはカテーテルのうちの任意のものの位置を視覚化することができる。
【0049】
[0053]本明細書に記載のように、人工弁のうちの任意のものは、フレーム構造を含むことができる。フレーム構造は、ステントのように構成することができる。フレーム構造は、例えば、形状記憶材料(例えば、ニチノール、NiTi)から形成されたダイヤモンドパターンの骨格を含むことができる。当業者であれば、多くの他の構造、材料および構成をフレーム構造に利用することができることを認識するであろう。例えば、フレーム構造は、十分な弾性のポリマーから形成することができる。フレーム構造は、ポリマーで覆われた金属(例えば、形状記憶材料)等の金属およびポリマーの組合せから形成することができる。フレーム構造は、ダイヤモンド形状に加えて、多岐にわたるパターンを含むことができる。いくつかの実施形態では、フレーム構造は、血流が内部の弁セグメントを通るように強制されるような閉じたフレームである。1つまたは複数のスカートおよび/またはシールが、弁セグメントを通る血流の強制を支援することができる。
【0050】
[0054]当業者は、本明細書の説明に基づいて、本明細書に記載の人工弁のうちの任意のものが、フレーム構造形状、フレーム構造設計、フレーム構造材料、アンカー形状、アンカー巻線、アンカー材料、自由端先端、小葉構成のうちの任意のもの、または必要に応じてそれらの任意の組合せで本明細書に記載される可変特徴の任意の他のものを含むことができることを認識するであろう。
【0051】
[0055]本明細書において、機構または要素が別の機構または要素「上に」あると言う場合、それはその別の機構または要素の直接上に存在することができるか、または介在する機構および/もしくは要素も存在してもよい。それに対して、機構または要素が別の機構または要素の「直接上に」あると言う場合、介在する機構または要素は存在しない。また、機構または要素が別の機構または要素に「接続される」、「取り付けられる」または「結合される」と言う場合、それはその別の機構または要素に直接、接続、取り付け、または結合されることができるか、または介在する機構または要素が存在してもよいことを理解されたい。それに対して、機構または要素が「直接接続される」、「直接取り付けられる」、または「直接結合される」と言う場合、介在する機構または要素は存在しない。一実施形態に関連して説明し、図示しているが、そのように説明または図示している機構および要素は他の実施形態にも適用可能である。また、別の機構に「隣接して」配置されている構造体または機構と言う場合、その隣接する機構に重なるかまたは下にある部分を有し得ることが当業者にはわかるであろう。
【0052】
[0056]本明細書において用いられている用語は、特定の実施形態について説明することを目的としているにすぎず、本発明の限定であることは意図されていない。例えば、本明細書において用いられるとき、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈による別段の指示がなければ、複数形も含むことが意図されている。さらに、「含んでいる」および/または「含む」という用語が本明細書で使用されている場合、記載されている機構、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在を指定しているが、1つまたは複数の他の機構、ステップ、動作、要素、構成要素および/またはこれらのグループの存在または追加を排除しないことを理解されたい。本明細書において用いられるとき、「および/または」という用語は、関連する列挙されている項目のうちの1つまたは複数の項目のいずれかまたは全ての組合せを含み、「/」と略されている場合がある。
【0053】
[0057]本明細書では、「下方」、「下」、「下部」、「上」、「上部」等の空間的相対語が、図面に図示されているような1つの要素または機構の別の要素または機構との関係を説明する説明しやすさのために用いられている場合がある。これらの空間的相対語は、図面に示されている向きに加えて、使用時または操作時のデバイスの異なる向きも包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、図中のデバイスが反転された場合、他の要素または機構の「下方」または「下」にあると記載されている要素はその別の要素または機構の「上」の向きにあることになる。したがって、「下方」という例示の用語は、上と下の両方の向きを包含し得る。デバイスは他の向き(90度回転または他の向き)とされる場合があり、本明細書において用いられる空間的相対記述語はそれに応じて解釈される。同様に、「上方へ」、「下方へ」、「垂直」、「水平」等の用語は、本明細書では、具体的に別に示されていない限り、説明のみを目的として用いられている。
【0054】
[0058]本明細書では、様々な機構/要素(ステップを含む)を説明するために「第1」および「第2」という用語が用いられている場合があるが、文脈が他の解釈を示していない限り、これらの機構/要素はこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの機構/要素を別の機構/要素から区別するために使用されている場合がある。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で記載されている第1の機構/要素は第2の機構/要素と称されることも可能であり、同様に、以下で記載されている第2の機構/要素は第1の機構/要素と称されることも可能である。
【0055】
[0059]本明細書および後続の特許請求の範囲全体を通じて、文脈が別の意味を要求していない限り、「含んでいる(comprise)」という語と、「含んでいる(comprises)」および「含む(comprising)」等の変形は、方法および物(例えば、デバイスおよび方法を含む構成物および装置)において様々な構成要素が一緒に採用可能であることを意味する。例えば、「含む(comprising)」という用語は、任意の記載されている要素またはステップを含むことを含意するが、他の要素またはステップを除外しないものと理解される。
【0056】
[0060]実施例で用いられているものを含み、明示的に規定されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いられている全ての数値は、「約」または「おおよそ」という用語が明示的に記載されていない場合であってもこれらの語が前置されているかのように読むことができる。「約」または「おおよそ」という語句は、記載されている値および/または位置が、値および/または位置の妥当な期待範囲内にあることを示すために、大きさおよび/または位置を記載するときに用いられ得る。例えば、数値は記載されている値(または値の範囲)の+/-0.1%、記載されている値(または値の範囲)の+/-1%、記載されている値(または値の範囲)の+/-2%、記載されている値(または値の範囲)の+/-5%、または記載されている値(または値の範囲)の+/-10%である値を有し得る。本明細書で示されているいずれの数値も、文脈が他の解釈を示していない限り、約またはおおよそのその値を含むものとも解釈されるべきである。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書に記載されているいずれの範囲も、本明細書に包含される全ての部分範囲を含むことが意図されている。また、或る値が開示されているとき、当業者に適切に理解されるように、その値「以下」、「その値以上」および値の間の可能な範囲も開示されていることも理解されたい。また、値「X」が開示されている場合、当業者に適切に理解されるように、「X以下」および「X以上」(例えば、Xが数値である場合)も開示されていることも理解されたい。また、本出願全体を通して、データがいくつかの異なる形式で示されていること、およびこれらのデータが終点と始点、およびこれらのデータ点の任意の組合せの範囲を表すことも理解されたい。例えば、特定のデータ点「10」と特定のデータ点「15」が開示されている場合、10および15超、10および15以上、10および15未満、10および15以下と、10および15に等しい値も、10と15との間の値と同様に開示されているとみなされるものと理解されたい。また、2つの特定の単位量間の各単位量も開示されているものと理解されたい。例えば、10と15が開示されている場合、11、12、13および14も開示されている。
【0057】
[0061]様々な例示の実施形態について上記で説明したが、特許請求の範囲によって記述されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に多くの変更のいずれでも加えることができる。例えば、記載されている様々な方法ステップが行われる順序は、多くの場合、代替実施形態では変更可能であり、他の代替実施形態では1つまたは複数の方法ステップが完全にスキップされてもよい。様々なデバイスおよびシステムの実施形態の任意選択の特徴は、一部の実施形態には含まれ、他の実施形態には含まれていなくてもよい。したがって、上記の説明は、主として例示のために示されており、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0058】
[0062]本明細書に含まれる実施例および例示は、例示を目的とし、限定を目的としておらず、本主題が実施され得る特定の実施形態を示している。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的代替および変更が加えられるような方式で、他の実施形態も利用可能であり、導き出すことができる。本発明の主題のそのような実施形態を、本明細書では、本出願の範囲を、実際には複数開示されている場合にいかなる単一の発明または発明の概念にも自発的に限定することを意図せずに、単に便宜上、「発明」という用語で個別またはまとめて称する場合がある。したがって、本明細書では特定の実施形態について例示し、説明しているが、同じ目的を達成するために意図された任意の構成を、示されている特定の実施形態の代わりに用いることができる。本開示は、様々な実施形態のあらゆる改変または変形を対象として含むことが意図されている。上記の説明を検討すれば、当業者には、上記の実施形態の組合せ、および本明細書で具体的に記載されていない他の実施形態が明らかになるであろう。
【国際調査報告】