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特表2024-538091第VIII因子キメラタンパク質の製剤およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】第VIII因子キメラタンパク質の製剤およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/37 20060101AFI20241010BHJP
   A61K 38/36 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20241010BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241010BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241010BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20241010BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20241010BHJP
   C07K 14/755 20060101ALI20241010BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20241010BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61K38/37
A61K38/36
A61K47/68
A61K47/26
A61K47/22
A61K47/18
A61K47/02
A61K47/10
A61P7/00
A61K9/19
C07K19/00 ZNA
C07K14/755
C07K16/00
C07K14/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522237
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022078097
(87)【国際公開番号】W WO2023064886
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/256,432
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512147244
【氏名又は名称】バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・カーレッジ
(72)【発明者】
【氏名】ランドル・モールディン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・アール・マッコイ
(72)【発明者】
【氏名】ルブナ・ムザーラック・タジ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076BB13
4C076CC14
4C076DD23
4C076DD51
4C076DD60
4C076DD67
4C076EE23
4C076EE59
4C076FF70
4C076GG06
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA41
4C084CA18
4C084DC10
4C084DC15
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZA51
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA66
4H045DA75
4H045EA20
(57)【要約】
本開示は、第VIII因子(FVIII)ポリペプチドとフォンヴィレブランド因子(vWF)ポリペプチドとを含むキメラタンパク質の医薬組成物を提供する。医薬キットならびに血友病Aを治療するための、開示される医薬組成物を使用する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
(a)第VIII因子(「FVIII」)タンパク質と第1の免疫グロブリン(「Ig」)定常領域もしくはその一部とを含む第1のポリペプチド鎖、および
フォンヴィレブランド因子(「VWF」)タンパク質と第2のIg定常領域もしくはその一部とを含む第2のポリペプチド鎖
を含むキメラタンパク質;
(b)スクロース;
(c)ヒスチジン;
(d)アルギニン;
(e)塩化カルシウム;および
(f)ポロクサマ
を含む医薬組成物。
【請求項2】
約1%(w/v)から約7.5%(w/v)のスクロースを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
約1%(w/v)から約5%(w/v)のスクロースを含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ポロキサマーは、ポロキサマー188(P188)である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
約5mMから約15mMのヒスチジンを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
約200mMから約300mMのアルギニンを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
約2.5mMから約10mMの塩化カルシウムを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマー188(P188)を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
(a)約1%(w/v)から約5%(w/v)のスクロース;
(b)約5mMから約15mMのヒスチジン;
(c)約200mMから約300mMのアルギニン;
(d)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロクサマ188
含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
(a)約5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
(a)約5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのL-ヒスチジン;
(c)約250mMのL-アルギニン-HCl;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
(a)約1%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
(a)約1%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのL-ヒスチジン;
(c)約250mMのL-アルギニン-HCl;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)40mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)0.4mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロクサマ188
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロクサマ188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロクサマ188
を含む、請求項14~15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
(a)約11.23mg/mLのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mLのポロクサマ188
を含む、請求項17~18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
(a)約50mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項20】
(a)約50mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約43.6mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項21】
(a)約50mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.6mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項22】
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項23】
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約43.6mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロクサマ188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項24】
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.6mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項25】
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約43.6mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.6mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項26】
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項27】
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項28】
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項29】
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項30】
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項31】
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項32】
約6.5から7.5のpHを有する、請求項1~31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
約7.0のpHを有する、請求項1~32のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
約6.8のpHを有する、請求項1~32のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
8.8mg/mL未満の塩化ナトリウム(NaCl)を含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項36】
NaClを含まない、請求項1~35のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
ヒスチジンは、L-ヒスチジンである、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
アルギニンは、L-アルギニンである、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
アルギニン-HClを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
L-アルギニン-HClを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
塩化カルシウム二水和物を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
約525mOsm/kgから約725mOsm/kgのオスモル濃度を有する、請求項1~41のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項43】
約500から約650mOsm/kgのオスモル濃度を有する、請求項1~41のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項44】
約7ネフェロメ濁度単位(Nephelometric Turbidity Unit:NTU)未満の濁度を有する、請求項1~43のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
第1のポリペプチド鎖は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含み、ならびに第2のポリペプチド鎖は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含み、第1のポリペプチド鎖および第2のポリペプチド鎖は、第1および第2のポリペプチド鎖のFcドメインの間の2つのジスルフィド結合によって共有結合的に連結されている、請求項1~44のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
キメラタンパク質は、エフアネソクトコグアルファである、請求項1~45のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
約0.8から約1.2mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する、請求項1~46のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項48】
75IU/mLから2,000IU/mLのキメラタンパク質を含む、請求項1~47のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
約250IU、500IU、1000IU、2000IU、3000IU、または4,000IUのキメラタンパク質を含む、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
少なくとも約500IUのキメラタンパク質または約0.5mg/mlから約5mg/mlのキメラタンパク質を含む、請求項1~48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
(i)少なくとも約1ヵ月から約36ヵ月の間、約-20℃から約-40℃の温度において貯蔵されている;および/または、(ii)凍結および解凍を2~5回行った液体製剤である、請求項1~50のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項52】
それを必要とする対象における血友病Aを治療する方法であって、請求項1~51のいずれか1項に記載の医薬組成物の有効量を対象に投与する工程を含む方法。
【請求項53】
医薬組成物は、自己投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
医薬組成物は、静脈内投与される、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
医薬組成物は、20IU/kgから70IU/kgの用量において静脈内投与される、請求項52~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
医薬組成物は、50IU/kgの用量において静脈内投与される、請求項52~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
医薬組成物は、7~10日毎に1回において静脈内投与される、請求項52~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
医薬組成物は、週1回において静脈内投与される、請求項52~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
医薬キットであって、
(i)
(a)第VIII因子(「FVIII」)タンパク質もしくはその一部と第1の免疫グロブリン(「Ig」)定常領域もしくはその一部とを含む第1のポリペプチド鎖および
フォンヴィレブランド因子(「VWF」)タンパク質と第2のIg定常領域もしくはその一部とを含む第2のポリペプチド鎖
を含むキメラタンパク質;
(b)スクロース;
(c)ヒスチジン;
(d)アルギニン;
(e)塩化カルシウム;および
(f)ポロクサマ188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む第1の容器、ならびに
(ii)滅菌水を含む第2の容器
を含む医薬キット。
【請求項60】
凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)約10mgから約200mgのスクロース;
(b)約2.5mgから約7.5mgのヒスチジン;
(c)約140mgから約200mgのアルギニン;
(d)約1.5mgから約5mgの塩化カルシウム;および
(e)約1mgから約10mgのポロキサマー188
を含む、請求項59に記載の医薬キット。
【請求項61】
NaClを含まない、請求項59~60のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項62】
ヒスチジンは、L-ヒスチジンである、請求項59~61のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項63】
アルギニンは、L-アルギニンである、請求項59~62のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項64】
アルギニン-HClを含む、請求項59~63のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項65】
L-アルギニン-HClを含む、請求項59~64のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項66】
塩化カルシウム二水和物を含む、請求項59~65のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項67】
凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)約168.3mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.3mgのポロクサマ188
を含む、請求項59~66のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項68】
凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)約33.7mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約146.6mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.3mgのポロクサマ188
を含む、請求項59~66のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項69】
第2の容器は、約2mLから約5mLの滅菌水を含む、請求項59~68のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項70】
第2の容器は、約3mLの滅菌水を含む、請求項59~68のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項71】
第2の容器は、約3.3mLの滅菌水を含む、請求項59~68のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項72】
第1の容器は、ゴム栓を含むガラス製バイアル瓶である、請求項59~71のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項73】
第2の容器は、注射器本体である、請求項59~72のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項74】
滅菌水は、注射器本体中に存する、請求項73に記載の医薬キット。
【請求項75】
注射器本体には、プランジャーが付随する、請求項73または74に記載の医薬キット。
【請求項76】
注射器本体にガラスバイアル瓶を接続するためにアダプターをさらに含む、請求項73~75のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項77】
静脈内輸注に好適な、注射器本体に接続される針が付随する輸注管をさらに含む、請求項73~76のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項78】
第1のポリペプチド鎖は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含み、ならびに第2のポリペプチド鎖は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含み、第1のポリペプチド鎖および第2のポリペプチド鎖は、第1および第2のポリペプチド鎖のFcドメインの間の2つのジスルフィド結合によって共有結合的に連結されている、請求項59~77のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項79】
少なくとも約1ヵ月から約36ヵ月の間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている、請求項59~78のいずれか1項に記載の医薬キット。
【請求項80】
それを必要とする対象における血友病Aを治療する方法であって、
請求項59~79のいずれか1項に記載のキットの凍結乾燥された医薬組成物と滅菌水とを組み合わせる工程、ならびに
結果として得られる組合せ物の有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項81】
対象は、キットの凍結乾燥された医薬組成物と滅菌水とを組み合わせる、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
組合せ物は、対象によって自己投与される、請求項80または81に記載の方法。
【請求項83】
医薬組成物またはキットを貯蔵する方法であって、請求項1~50のいずれか1項に記載の医薬組成物または請求項59~78のいずれか1項に記載のキットを、少なくとも約1ヵ月から約36ヵ月の間、約-20℃から約-40℃の温度で維持する工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年10月15日に出願された米国特許仮出願第63/256,432号に対する優先権を主張するものであり、なお、当該文献の内容は、その全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
電子的に提出された配列一覧に対する参照
XMLファイル形式(名前:SA9-483PC_SL_ST26.xml;サイズ:55,697バイト;作成日:2022年10月4日)において電子的に提出された配列リストの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
血友病Aは、凝固第VIII因子(FVIII)をコードする遺伝子における欠損によって引き起こされる出血障害であり、男児出生1万人あたり1~2人が罹患する。非特許文献1。血友病Aを罹患している患者は、精製された血漿FVIIIまたは組換え的に産生されたFVIIIの輸注によって治療することができる。多くの市販のFVIII製品は、約8~12時間の半減期を有することが知られており、患者への頻繁な静脈内投与を必要とする。非特許文献2;非特許文献3を参照されたい。さらに、FVIIIの半減期を延ばすための多くのアプローチが試みられた。例えば、凝固因子の半減期を延ばすための開発におけるアプローチとしては、ペギル化、グリコペギル化、およびアルブミンとのコンジュゲーションが挙げられる。非特許文献4を参照されたい。一貫した結果が、ヒトにおいて実証されており、例えば、rFVIIIFcは、血友病A患者において、ADVATE(登録商標)と比較して最大で約1.7倍まで半減期を向上させることが報告された。非特許文献5を参照されたい。したがって、最小限の向上にもかかわらず、半減期の増加は、例えば、VWFによるクリアランスなど、他の半減期制限因子の存在を示している。非特許文献6。
【0004】
エフアネソクトコグアルファ(Efanesoctocog alfa)(EfaおよびBIVV001としても知られる)は、血液循環においてVWFから組換え凝固第VIII因子を切り離すように設計された融合タンパク質である。このキメラタンパク質は、二量体FcであるVWFのD’D3ドメインに融合した単一の組換え第VIII因子タンパク質、および2つのELNNポリペプチドを含む。非特許文献7。重症血友病Aの患者における1つの初期研究において、エフアネソクトコグアルファの1回の静脈内注射は、結果として、組換え第VIII因子に関連する半減期の最大4倍までの半減期の、持続した高い第VIII因子活性レベルをもたらした。非特許文献8を参照されたい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Graw et al., Nat. Rev. Genet. 6(6): 488-501 (2005)
【非特許文献2】Weiner M.A. and Cairo, M.S., Pediatric Hematology Secrets, Lee, M.T., 12. Disorders of Coagulation, Elsevier Health Sciences, 2001
【非特許文献3】Lillicrap, D. Thromb.Res. 122 Suppl 4:S2-8 (2008)
【非特許文献4】Dumont et al., Blood. 119(13): 3024-3030 (2012)
【非特許文献5】Powell et al., Blood. 119(13): 3031-3037 (2012)
【非特許文献6】Pipe et al., Blood. 128(16):2007-2016 (2016)
【非特許文献7】Chhabra et al. Blood 135(17): 1484-1496 (2020)
【非特許文献8】Konkle et al., NEJM. 383:1018-27 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、依然として、改良された医薬組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、とりわけ、第VIII因子(「FVIII」)タンパク質を含む医薬組成物、そのような医薬組成物を含むキット、ならびに医薬組成物による治療方法および医薬組成物の使用を対象とする。
【0008】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、FVIIIタンパク質もしくはその一部と第1の免疫グロブリン(「Ig」)定常領域もしくはその一部とを含む第1のポリペプチド鎖、およびフォンヴィレブランド因子(「VWF」)タンパク質と第2のIg定常領域もしくはその一部とを含む第2のポリペプチド鎖を含むキメラタンパク質またはタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、(i)FVIIIポリペプチド、FVIIIポリペプチドのBドメイン内に挿入されたELNNポリペプチド(例えば、Bドメインの少なくとも一部を置き換える)、および第1のFc領域を含むFVIIIタンパク質;ならびに(ii)VWF断片(例えば、VWFのD’D3ドメインを含む、変異を含み得る断片)、第2のELNNポリペプチド、トロンビン切断可能なリンカ(例えば、a2リンカなど)、および第2のFc領域を含むVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示されるキメラタンパク質は、FVIII-ELNN-Fc/D’D3-ELNN-Fcヘテロ二量体である。
【0009】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、(a)FVIIIタンパク質;(b)約1%(w/v)から約7.5%(w/v)のスクロース;(c)約5mMから約15mMのヒスチジン;(d)約200mMから約300mMのアルギニン;(e)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム;および(f)約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマーを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、(a)FVIIIタンパク質;(b)約1%(w/v)から約7.5%(w/v)のスクロース;(c)約5mMから約15mMのL-ヒスチジン;(d)約200mMから約300mMのL-アルギニン;(e)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム;および(f)約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマーを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、(a)第VIII因子(「FVIII」)タンパク質;(b)約1%(w/v)から約7.5%(w/v)のスクロース;(c)約5mMから約15mMのL-ヒスチジン;(d)約200mMから約300mMのL-アルギニン-HCl;(e)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム二水和物;および(f)約0.008%(w/v)から約0.1%(w/v)のポロキサマーを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、組成物は、約250mMのL-アルギニンを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、約250mMのL-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー188(ポロキサマー188、P188としても知られる)である。ポロキサマー188は、当技術分野において周知である。
【0011】
いくつかの実施形態において、
(a)第VIII因子(「FVIII」)タンパク質と第1の免疫グロブリン(「Ig」)定常領域もしくはその一部とを含む第1のポリペプチド鎖およびフォンヴィレブランド因子(「VWF」)タンパク質と第2のIg定常領域もしくはその一部とを含む第2のポリペプチド鎖を含むキメラタンパク質;
(b)約1%(w/v)から約7.5%(w/v)のスクロース;
(c)約5mMから約15mMのヒスチジン;
(d)約200mMから約300mMのアルギニン;
(e)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム;および
(f)約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0012】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約250IU、500IU、1000IU、2000IU、3000IU、または4000IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約250IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約300IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約500IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約500IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約85IU/ml超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約100IU/ml超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約200IU/ml超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約200IU/mlのキメラタンパク質を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド鎖は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含み、ならびに第2のポリペプチド鎖は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含み、第1のポリペプチド鎖および第2のポリペプチド鎖は、第1および第2のポリペプチド鎖のFcドメインの間の2つのジスルフィド結合によって共有結合的に連結されている。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、エフアネソクトコグアルファである。
【0014】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1%(w/v)から約5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5mMから約15mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約200mMから約300mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.5mMから約10mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、ポロキサマー188(P188)を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマー188を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、
(a)約1%(w/v)から約5%(w/v)のスクロース;
(b)約5mMから約15mMのヒスチジン;
(c)約200mMから約300mMのアルギニン;
(d)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0016】
いくつかの実施形態において、
(a)約1%、2%、または5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0017】
いくつかの実施形態において、
(a)約5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのL-ヒスチジン;
(c)約250mMのL-アルギニン-HCl;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0018】
いくつかの実施形態において、
(a)約2%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのL-ヒスチジン;
(c)約250mMのL-アルギニン-HCl;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0019】
いくつかの実施形態において、
(a)約1%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのL-ヒスチジン;
(c)約250mMのL-アルギニン-HCl;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0020】
いくつかの実施形態において、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)40mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)0.4mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0021】
いくつかの実施形態において、
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0022】
いくつかの実施形態において、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0023】
いくつかの実施形態において、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0024】
いくつかの実施形態において、
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0025】
いくつかの実施形態において、
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0026】
いくつかの実施形態において、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)40mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)0.5mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0027】
いくつかの実施形態において、
(a)約50mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0028】
いくつかの実施形態において、
(a)約20mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0029】
いくつかの実施形態において、
(a)約20mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.6mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0030】
いくつかの実施形態において、
(a)約20mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約43.6mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0031】
いくつかの実施形態において、
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約43.6mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.6mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0032】
いくつかの実施形態において、
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0033】
いくつかの実施形態において、
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約52.7mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.6mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0034】
いくつかの実施形態において、
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約43.6mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0035】
いくつかの実施形態において、
(a)約10mg/mLのスクロース;
(b)約1.6mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約43.6mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.6mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0036】
いくつかの実施形態において、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)50mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)0.7mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0037】
いくつかの実施形態において、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)50mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)0.4mg/mLから0.8mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0038】
いくつかの実施形態において、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)40mg/mLから60mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.7mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0039】
いくつかの実施形態において、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)40mg/mLから60mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.4mg/mLから0.7mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0040】
いくつかの実施形態において、
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0041】
いくつかの実施形態において、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0042】
いくつかの実施形態において、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0043】
いくつかの実施形態において、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0044】
いくつかの実施形態において、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0045】
いくつかの実施形態において、
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0046】
いくつかの実施形態において、
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0047】
いくつかの実施形態において、
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0048】
いくつかの実施形態において、
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。
【0049】
いくつかの実施形態において、開示される実施形態のいずれかに記載の医薬組成物であって、約6.5~約7.5のpHをさらに含む医薬組成物が、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約7.0のpHを有する。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約6.8のpHを有する。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、NaClを含まない。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、8.8mg/mL未満の塩化ナトリウム(NaCl)を含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、L-ヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、L-アルギニンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、開示される実施形態のいずれかに記載の医薬組成物であって、約0.8から約1.2mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する医薬組成物が、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、75IU/mLから2000IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約525mOsから約725mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約500mOsm/kgから約650mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約600mOsm/kgから約650mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約7ネフェロメ濁度単位(Nephelometric Turbidity Unit:NTU)の濁度を有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、医薬組成物を貯蔵する方法であって、本明細書において開示される医薬組成物を少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度に維持する工程を含む方法が、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵される。
【0052】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を2~5回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を2回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を3回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を4回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を5回行った液体医薬組成物である。
【0054】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlから約10mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlから約5mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlから約2mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.5mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2mg/mlのキメラタンパク質を含む。
【0055】
それを必要とする対象における血友病Aを治療する方法であって、本明細書において開示される実施形態のいずれかに記載の医薬組成物の有効量を対象に投与する工程を含む方法も、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、自己投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約20IU/kgから約70IU/kgの用量において静脈内投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約50IU/kgの用量において静脈内投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、7~10日毎に1回において静脈内投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、週1回において静脈内投与される。
【0056】
(i)
(a)第VIII因子(「FVIII」)タンパク質もしくはその一部と第1の免疫グロブリン(「Ig」)定常領域もしくはその一部とを含む第1のポリペプチド鎖、およびフォンヴィレブランド因子(「VWF」)タンパク質と第2のIg定常領域もしくはその一部とを含む第2のポリペプチド鎖を含むキメラタンパク質;
(b)約10mgから約200mgのスクロース;
(c)約2.5mgから約7.5mgのヒスチジン;
(d)約140mgから約200mgのアルギニン;
(e)約1.5mgから約5mgの塩化カルシウム;および
(f)約1mgから約10mgのポロキサマー188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む第1の容器;ならびに
(ii)滅菌水を含む第2の容器
を含む医薬キットも、本明細書において開示される。
【0057】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、および配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖を含み、第1のポリペプチド鎖および第2のポリペプチド鎖は、第1および第2のポリペプチド鎖のFcドメインの間の2つのジスルフィド結合によって共有結合的に連結されている。
【0058】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬キットは、
(a)約10mgから約200mgのスクロース;
(b)約2.5mgから約7.5mgのヒスチジン;
(c)約140mgから約200mgのアルギニン;
(d)約1.5mgから約5mgの塩化カルシウム;および
(e)約1mgから約10mgのポロキサマー188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、NaClを含まない凍結乾燥された医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、8.8mg/mL未満の塩化ナトリウム(NaCl)を含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、L-ヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、L-アルギニンを含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される凍結乾燥された医薬組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、
(a)約33.7mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.4mgのポロキサマー188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、
(a)約67.3mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.4mgのポロキサマー188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、
(a)約67.3mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約146.6mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.4mgのポロキサマー188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、
(a)約168.3mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.4mgのポロキサマー188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、2%未満の含水率を有する凍結乾燥された医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、1.8%未満の含水率を有する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、1.6%未満の含水率を有する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、凍結乾燥されたケーキ中に存する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥されたケーキは、白色である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥されたケーキは、欧州薬局方カラースケールにおいてY4未満である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、粉末である。
【0065】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、100IUから10000IUのキメラタンパク質を含む第1の容器を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、250IU、500IU、1000IU、2000IU、3000IU、または4000IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、約250IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、約300IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、約500IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、少なくとも約500IUのキメラタンパク質を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水を組み合わせるための取扱説明書をさらに含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、凍結乾燥された医薬組成物は、7~12秒以内に復元される。
【0067】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、当該滅菌水が第1の容器の凍結乾燥された粉末と組み合わされる場合、溶液を作製するのに十分な量の滅菌処理された水を含む第2の容器を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のオスモル濃度は、約525から約725mOsm/kgである。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約500mOsm/kgから約650mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、結果として得られる溶液のオスモル濃度は、約600から約650mOsm/kgである。いくつかの実施形態において、結果として得られる溶液のpHは、約6.5から約7.5である。いくつかの実施形態において、結果として得られる溶液のpHは、約7.0である。いくつかの実施形態において、結果として得られる溶液のpHは、約6.8である。いくつかの実施形態において、結果として得られる溶液の濁度は、約7ネフェロメ濁度単位(NTU)未満である。いくつかの実施形態において、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、約0.8から約1.2mg/mLである。いくつかの実施形態において、当該タンパク質の3%未満が凝集する。
【0069】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、第1の容器の凍結乾燥された医薬組成物と組み合わされる場合、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)40mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)0.5mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む溶液を作製するのに十分な量の滅菌処理された水を含む第2の容器を含む。
【0070】
本明細書において開示される医薬キットのいくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)40mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)0.5mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む。
【0071】
本明細書において開示される医薬キットのいくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)11.23mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0072】
本明細書において開示される医薬キットのいくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0073】
本明細書において開示される医薬キットのいくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)22.45mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0074】
本明細書において開示される医薬キットのいくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、約2mLから約5mLの滅菌水を含む第2の容器を含む。いくつかの実施形態において、医薬キットは、約3mLの滅菌水を含む第2の容器を含む。いくつかの実施形態において、医薬キットは、約3.3mLの滅菌水を含む第2の容器を含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵される。
【0077】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵されている。
【0078】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、ゴム栓を含むガラス製バイアル瓶である第1の容器を含む。いくつかの実施形態において、医薬キットは、注射器本体である第2の容器を含む。いくつかの実施形態において、滅菌水は、注射器本体中に存する。いくつかの実施形態において、注射器本体には、プランジャーが付随する。いくつかの実施形態において、医薬キットは、注射器本体にガラス製バイアル瓶を接続するためにアダプターをさらに含む。いくつかの実施形態において、医薬キットは、静脈内輸注に好適な、注射器本体に接続される針が付随する輸注管をさらに含む。
【0079】
それを必要とする対象における血友病Aを治療する方法であって、本明細書において開示される実施形態のいずれかに従って医薬キットの凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水を組み合わせる工程、ならびに結果として得られる組合せ物(すなわち、溶液)の治療有効量を対象に投与する工程を含む方法も、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、対象は、キットの凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水を組み合わせる。いくつかの実施形態において、組合せ物は、対象によって自己投与される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1】例示的FVIII-ELNN-Fc/D’D3-ELNN-Fcヘテロ二量体であるエフアネソクトコグアルファの概略図である。FVIII:第VIII因子;VWF:フォンヴィレブランド因子;A1、A2、A3、C1、C2:FVIIIのドメイン;D’D3:VWFのドメイン;Fc:免疫グロブリン定常領域のFc領域。
図2】界面活性剤として0.05%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび1%もしくは5%(w/v)のスクロースのどちらかを含むエフアネソクトコグアルファ原薬(DS)組成物(1mg/mL)における、室温(RT)/室内光(RL)条件での時間経過(時間)における凝集レベル(%HMWS)を示す図である。凝集レベルの変化率(傾き)も提供される(時間あたりの%)。
図3】界面活性剤として0.05%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび1%もしくは5%(w/v)のスクロースのどちらかを含むエフアネソクトコグアルファ原薬(DS)組成物(1mg/mL)における、2~8℃での時間経過(時間)における凝集レベル(%HMWS)を示す図である。凝集レベルの変化率(傾き)も提供される(時間あたりの%)。
図4】7時間後に4000IUバルク医薬品へと希釈される、界面活性剤として0.05%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび1%もしくは5%(w/v)のスクロースを含むエフアネソクトコグアルファ原薬(DS)組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。試料は、室温において保持し、0、5、7、25、43、および55時間後に試験した。試料は、凍結乾燥の後にも試験した(Post-Lyo)。
図5】界面活性剤として0.05%(w/v)のPS80を含むエフアネソクトコグアルファDS組成物(1mg/mL)の凝集レベル(%HMWS)を測定した凍結貯蔵安定性研究を示す図である。0、1、2、または5%(w/v)のスクロースを含む組成物を、凍結温度(-80℃または-30℃)で保持した。測定した時点は、凍結前、実験の開始時(T0)、1ヵ月目(T1M)、3ヵ月目(T3M)、および6ヵ月目(T6M)であった。
図6】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188を含むエフアネソクトコグアルファDS組成物(1mg/mL)の凝集レベル(%HMWS)を測定した凍結貯蔵安定性研究を示す図である。0、1、2、または5%(w/v)のスクロースを含む組成物を、凍結温度(-80℃または-30℃)で保持した。測定した時点は、凍結前、実験の開始時(T0)、1ヵ月目(T1M)、3ヵ月目(T3M)、および6ヵ月目(T6M)である。
図7】高精度液体粒子計数器(HIAC)を使用した粒子試験によるエフアネソクトコグアルファDS組成物(1mg/mL)の分析の結果を示す図である。0.1%(w/v)のポロキサマー188および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物を、-80℃で保持し、以下の時点:凍結前、実験の開始時(T0)、1ヵ月目(T1M)、3ヵ月目(T3M)、および6ヵ月目(T6M)、において評価した。≧10μmの粒子での結果は、図7Aに示される。≧25μmの粒子での結果は、図7Bに示される。
図8A】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。1%または5%(w/v)のスクロースを含むLyo DP組成物を試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図8A(5℃)、図8B(30℃)、および図8C(40℃)に示す。
図8B】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。1%または5%(w/v)のスクロースを含むLyo DP組成物を試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図8A(5℃)、図8B(30℃)、および図8C(40℃)に示す。
図8C】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。1%または5%(w/v)のスクロースを含むLyo DP組成物を試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図8A(5℃)、図8B(30℃)、および図8C(40℃)に示す。
図9A】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む4000IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。1%または5%(w/v)のスクロースを含むLyo DP組成物を試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図9A(5℃)、図9B(30℃)、および図9C(40℃)に示す。
図9B】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む4000IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。1%または5%(w/v)のスクロースを含むLyo DP組成物を試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図9A(5℃)、図9B(30℃)、および図9C(40℃)に示す。
図9C】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む4000IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。1%または5%(w/v)のスクロースを含むLyo DP組成物を試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図9A(5℃)、図9B(30℃)、および図9C(40℃)に示す。
図10】5サイクル(5×)(少なくとも24時間、室温で解凍)における、-80℃または-30℃のどちらかでの凍結/解凍(F/T)によるストレスの前(凍結前)および後におけるエフアネソクトコグアルファDS(1mg/mL)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。図10は、0.05%(w/v)のPS80および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物の結果を示す。
図11】5サイクル(5X)(少なくとも24時間、室温で解凍)における-80℃または-30℃のどちらかでの凍結/解凍(F/T)によるストレスの前(凍結前)および後におけるエフアネソクトコグアルファDS(1mg/mL)の組成物の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。図11は、0.1%(w/v)のポロキサマー188および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物の結果を示す。
図12】F/Tストレス後のエフアネソクトコグアルファDS(1mg/mL)組成物における異なるスクロース濃度のA280(280nmでの吸光度)によるタンパク質濃度分析を示す図である。試料を、1、3、または5F/Tサイクルの前(凍結前)および後に分析した。0.05%(w/v)のPS80および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物の結果を図12Aに示す。0.1%(w/v)のポロキサマー188および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物の結果を図12Bに示す。
図13】界面活性剤として0.05%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むエフアネソクトコグアルファDS組成物のF/Tストレス後のpHの分析を示す図である。pHは、0、1、3、もしくは5F/Tサイクル後に測定した。
図14】250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の、実験の開始時(T0)におけるガラス転移温度(Tg)および残留含水率(%)を示す図である。0.05%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むLyo DPを試験した。
図15】4000IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の、実験の開始時(T0)におけるガラス転移温度(Tg)および残留含水率(%)を示す図である。0.05%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むLyo DPを試験した。
図16A】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188および5%もしくは1%(w/v)のスクロースのどちらかを含む4000IUもしくは250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)組成物のガラス転移温度(Tg)を示す図である。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図16A(5℃)、図16B(30℃)、および図16C(40℃)に示す。
図16B】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188および5%もしくは1%(w/v)のスクロースのどちらかを含む4000IUもしくは250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)組成物のガラス転移温度(Tg)を示す図である。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図16A(5℃)、図16B(30℃)、および図16C(40℃)に示す。
図16C】界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188および5%もしくは1%(w/v)のスクロースのどちらかを含む4000IUもしくは250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)組成物のガラス転移温度(Tg)を示す図である。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図16A(5℃)、図16B(30℃)、および図16C(40℃)に示す。
図17】界面活性剤として0.05%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含む250IUもしくは4000IUのエフアネソクトコグアルファの液体バルク医薬品(BDP)組成物のガラス転移温度(Tg)を示す図である。
図18A】4000IUまたは250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の残留含水率(%)を示す図である。界面活性剤としての0.1%(w/v)のポロキサマー188および1%もしくは5%(w/v)のスクロースを含むLyo DPを試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図18A(5℃)、図18B(30℃)、および図18C(40℃)に示す。
図18B】4000IUまたは250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の残留含水率(%)を示す図である。界面活性剤としての0.1%(w/v)のポロキサマー188および1%もしくは5%(w/v)のスクロースを含むLyo DPを試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図18A(5℃)、図18B(30℃)、および図18C(40℃)に示す。
図18C】4000IUまたは250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の残留含水率(%)を示す図である。界面活性剤としての0.1%(w/v)のポロキサマー188および1%もしくは5%(w/v)のスクロースを含むLyo DPを試験した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図18A(5℃)、図18B(30℃)、および図18C(40℃)に示す。
図19】増加した濃度のアルギニン(Arg)を含むエフアネソクトコグアルファDS(濃度:>2mg/mL)の組成物における凍結/解凍(F/T)によるストレス後の凝集レベル(%HMWS)を示す図である。組成物に含まれる試験したアルギニン濃度は、100、125、150、175、200、および250mMであった。各縦棒は、室温で30分間かけて解凍した後の同じバイアル瓶からの反復注入を表す。測定した時点は、解凍直後ならびに解凍の40、80、120、および160分後であった。
図20】PS80またはP188のどちらかを含む組成物の単回IVボーラス注入後にELISAによって特定した場合の、時間経過におけるエフアネソクトコグアルファの平均濃度(ng/mL)を示す図である。ビヒクル1:10mMのL-ヒスチジン、250mMのアルギニン-HCl、5mMの塩化カルシウム、5%w/vのスクロース、0.05%のポリソルベート80。ビヒクル2:10mMのL-ヒスチジン、250mMのアルギニン-HCl、5mMの塩化カルシウム、5%w/vのスクロース、0.1%のポロキサマー188。
図21】PS80またはP188のどちらかを含む組成物の単回IVボーラス注入後に発色アッセイによって特定した場合の、時間経過におけるエフアネソクトコグアルファの平均FVIII活性(mIU/mL)を示す図である。ビヒクル1:10mMのL-ヒスチジン、250mMのアルギニン-HCl、5mMの塩化カルシウム、5%w/vのスクロース、0.05%のポリソルベート80。ビヒクル2:10mMのL-ヒスチジン、250mMのアルギニン-HCl、5mMの塩化カルシウム、5%w/vのスクロース、0.1%のポロキサマー188。
【発明を実施するための形態】
【0081】
本開示は、とりわけ、FVIIIタンパク質を含む製剤(水性および凍結乾燥製剤、ならびに関連キットを含む)を対象とする。いくつかの実施形態において、FVIIIタンパク質は、キメラFVIIIタンパク質、例えば、2つのポリペプチド、すなわち、第1のFc領域に融合した第1のELNNポリペプチド配列挿入体を含むFVIIIタンパク質を含む第1のポリペプチド、および第2のELNNポリペプチド配列によって第2のIg定常領域に融合したVWFタンパク質を含む第2のポリペプチドを含むエフアネソクトコグアルファなどであり、第1のELNNポリペプチド配列は、約288のアミノ酸を含み、ならびに第2のELNNポリペプチド配列は、約144のアミノ酸を含み、ならびに第1のIg定常領域および第2のIg定常領域は、ジスルフィド結合によってお互いに共有結合的に連結されている。
【0082】
(i)第VIII因子(FVIII)ポリペプチドならびに(ii)VWFのD’ドメインおよびVWFのD3ドメインを含むフォンヴィレブランド因子(vWF)断片を含むキメラタンパク質のための製剤(水性および凍結乾燥製剤、ならびに関連キットを含む)に対して、本開示は提供される。凍結乾燥され得る組成物、ならびに凍結乾燥された製剤と希釈剤とによる復元の際に形成された組成物は、本明細書に含まれる。治療方法および使用も提供される。
【0083】
I.定義
用語「a」または「an」を伴う名詞は、その名詞が1つまたは複数であることを意味することは留意されたく;例えば、「ヌクレオチド配列」は、1つまたは複数のヌクレオチド配列を表すと理解される。したがって、用語「1つの(「a」)」(または「an」))、「1つまたは複数の」、および「少なくとも1つの」は、本明細書において相互互換的に使用することができる。
【0084】
さらに、本明細書において使用される「および/または」は、他方を伴うかまたは伴わない2つの指定された特徴または構成要素のそれぞれの特定の開示として理解される。したがって、用語「および/または」は、本明細書において「Aおよび/またはB」のような語句において使用される場合、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(のみ)、および「B」(のみ)を包含することが意図される。同様に、用語「および/または」は、「A、B、および/またはC」などの語句において使用される場合、以下の態様:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(のみ);B(のみ);およびC(のみ)、のそれぞれを包含することが意図される。
【0085】
態様が、言語「含む(comprising)」によって本明細書において説明される場合、「からなる(consisting of)」および/または「から実質的になる(consisting essentially of)」の用語において説明される別の類似の態様も提供されることは理解されるべきである。
【0086】
特に明記されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press;およびthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Pressは、本開示において使用される用語の多くの一般的な辞書における技能の1つを提供し得る。
【0087】
単位、接頭語、および記号は、それらの国際単位系(SI)に受け入れられた形態において指示される。数値範囲は、その範囲を定義する数値を含む。特に明記しない限り、アミノ酸配列は、カルボキシ方向にアミノにおいて左から右へと記述される。本明細書において提供される見出しは、本開示の様々な態様の限定ではない。したがって、このすぐ後に定義される用語は、本明細書全体を参照することによって、より完全に定義される。
【0088】
用語「約(about)」は、およそ(「approximately」、「roughly」、「around」、または「in the region of」)を意味するために本明細書において使用される。用語「約」が、数値範囲と一緒に使用される場合、記載された数値の上限および下限を拡張することによってその範囲を修飾する。一般的に、用語「約」は、言明された値より、例えば、10パーセント上または下(より高いまたはより低い)の変動によって、言明された値を上回っておよび下回って数値を修飾することができる。いくつかの実施形態において、当該用語は、示された数値から±10%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、±0.9%、±0.8%、±0.7%、±0.6%、±0.5%、±0.4%、±0.3%、±0.2%、±0.1%、±0.05%、または±0.01%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±10%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±5%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±4%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±3%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±2%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±1%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.9%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.8%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.7%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.6%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.5%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.4%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.3%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.1%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.05%の変動を示している。いくつかの実施形態において、「約」は、示された数値から±0.01%の変動を示している。
【0089】
文脈に応じて、用語「ポリヌクレオチド」または「ヌクレオチド」は、単数の核酸ならびに複数の核酸を包含し得る。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、単離された核酸分子またはコンストラクト、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)またはプラスミドDNA(pDNA)である。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、従来的なリン酸ジエステル結合を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、非従来的結合(例えば、アミド結合、例えば、ペプチド核酸(PNA)において見出されるものなど)を含む。用語「核酸」は、ポリヌクレオチドに存在する、任意の1つまたはそれ以上の核酸セグメント、例えば、DNAまたはRNA断片を意味し得る。「単離された」核酸またはポリヌクレオチドによって、その天然の環境から取り出された核酸分子、DNA、またはRNAが意図される。例えば、ベクターに含まれる第VIII因子ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドは、本開示の目的のために単離されたとみなされる。単離されたポリヌクレオチドのさらなる例としては、異種宿主細胞中に維持されるか、または溶液中の他のポリヌクレオチドから(部分的または実質的に)精製された、組換えポリヌクレオチドが挙げられる。単離されたRNA分子は、本開示のポリヌクレオチドのインビボまたはインビトロRNA転写物を含む。本発明による単離されたポリヌクレオチドまたは核酸は、そのような合成によって作製された分子をさらに含む。ポリヌクレオチドまたは核酸は、調節エレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、または転写停止シグナルをさらに含み得る。
【0090】
哺乳動物細胞によって分泌されるある特定のタンパク質には、粗面小胞体を越えて成長タンパク質鎖の輸出が開始された後で成熟タンパク質から切断された分泌シグナルペプチドが付随する。当業者は、シグナルペプチドは、概して、ポリペプチドのN末端に融合され、ならびに、完全または「全長」ポリペプチドから切断されて、分泌されたまたは「成熟した」形態のポリペプチドを産生することを承知している。いくつかの実施形態において、天然のシグナルペプチドまたはその配列の機能的誘導体は、それに作動可能に付随するポリペプチドの分泌を指示する能力を維持する。あるいは、異種哺乳動物のシグナルペプチド、例えば、ヒト組織プラスミノーゲンアクチベータ(TPA)またはマウスβ-グルクロニダーゼシグナルペプチドもしくはその機能的誘導体を使用することができる。
【0091】
本明細書において使用される場合、用語「ポリペプチド」は、単数形「ポリペプチド(polypeptide)」および複数形「ポリペプチド(polypeptides)」を包含することが意図され、ならびにアミド結合(ペプチド結合としても知られる)によって直鎖状に連結されたモノマー(アミノ酸)で構成された分子を意味する。用語「ポリペプチド」は、2つまたはそれ以上のアミノ酸の任意の鎖(複数可)を意味し、産物の特定の長さを意味しない。したがって、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、または、2つまたはそれ以上のアミノ酸の鎖(複数可)を意味するために使用される任意の他の用語は、「ポリペプチド」の定義内に包含され、ならびに、用語「ポリペプチド」は、これらの用語のいずれかの代わりに、または相互互換的に使用することができる。用語「ポリペプチド」は、ポリペプチドの発現後改変、例えば、これらに限定されるわけではないが、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解的切断、または天然には存在しないアミノ酸による改変など、も意味することが意図される。ポリペプチドは、自然の生物学的供給源から得ることができるか、または組換え技術により作製することができ、必ずしも指定された核酸配列から翻訳されるわけではない。それは、化学合成を含む任意の方法において作製することができる。
【0092】
「単離された」ポリペプチドあるいはその断片、変異体、または誘導体は、その自然環境には存在しないポリペプチドを意味する。特定のレベルの精製は必要ではない。例えば、単離されたポリペプチドは、単に、その天然環境または自然環境から取り出すことができる。宿主細胞において発現される、組換え的に産生されたポリペプチドおよびタンパク質は、それが任意の好適な技術によって分離、分別、または部分的にもしくは実質的に精製された天然のポリペプチドまたは組換えポリペプチドである場合、本開示の目的のために単離されたとみなされる。
【0093】
ポリペプチドの断片もしくはバリアント、およびそれらの任意の組合せも、本開示に含まれる。用語「断片」または「バリアント」は、本開示のポリペプチド結合ドメインまたは結合分子を意味する場合、基準ポリペプチドの少なくともいくつかの特性(例えば、FcRn結合ドメインもしくはFcバリアントに対するFcRn結合親和性、FVIIIバリアントに対する凝固活性、またはVWF断片に対するFVIII結合活性)を保持する任意のポリペプチドを包含する。ポリペプチドの断片は、本明細書の他の箇所で説明された特定の抗体断片に加えて、タンパク分解性断片、ならびに欠失断片を含むが、天然に存在する全長ポリペプチド(または成熟ポリペプチド)は含まない。本開示のポリペプチド結合ドメインまたは結合分子のバリアントは、上記において説明されるような断片、ならびに、アミノ酸の置換、欠失、または挿入により変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。バリアントは、天然に存在し得るかまたは天然に存在し得ない。天然には存在しないバリアントは、当技術分野において既知の変異誘発技術を使用して作製することができる。バリアントポリペプチドは、保存的もしくは非保存的なアミノ酸の置換、欠失、または付加を含み得る。
【0094】
用語「VWFタンパク質」は、本明細書に使用される場合、FVIIIと相互作用し、ならびに例えば、FVIIIaに対する早発活性化を防ぐこと、時期尚早なタンパク質分解を防ぐこと、クリアランスを防ぐこと、時期尚早なクリアランスを生じ得るリン脂質膜との会合を防ぐこと、裸のFVIIIには結合することができるがVWF結合FVIIIには結合することができないFVIIIクリアランス受容体への結合を防ぐこと、および/または、FVIII重鎖および軽鎖の相互作用を安定化させることなどの、通常は全長VWFによってFVIIIに提供される少なくとも1つまたはそれ以上の特性を維持することを意味する。本明細書において言及されるVWF断片は、全長未満のVWFタンパク質であるVWFポリペプチドであり、VWF断片は、FVIIIと相互作用する能力および/またはFVIIIに結合する能力を維持する。いくつかの実施形態において、VWFタンパク質は、FVIIIタンパク質が全長VWF(例えば、対象における内因性VWF)に対して減少した結合を有するかまたは全長VWFに結合しないような、FVIIIタンパク質に結合する全長VWFの断片(変異され得る)である。
【0095】
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられる置換である。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリは、当技術分野において規定されており、例えば、そのようなものとして、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、荷電されていない極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β-分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。したがって、ポリペプチドのアミノ酸が同じ側鎖ファミリに由来する別のアミノ酸で置き換えられる場合、置換は、保存的であると考えられる。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、側鎖ファミリメンバの順序および/または位置において異なる、構造的に類似する配列で保存的に置換することができる。
【0096】
当技術分野で既知であるように、2つのポリペプチドの間の「配列同一性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配列と第2のポリペプチドの配列とを比較することによって特定される。同様に、2つのポリヌクレオチドの間の「配列同一性」は、1つのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチドの配列とを比較することによって特定される。用語「%同一な」、「%同一性」、または同様の用語は、特に、比較される配列の間での最適なアラインメントにおいて同一であるヌクレオチドまたはアミノ酸(適切な場合)の割合を意味することが意図される。前記割合は、純粋に統計的であり、ならびに2つの配列の間の違いは、比較される配列の長さ全体にわたってランダムで分布し得るが、必ずしもそうではない。通常、対応する配列の局所領域を識別するために、セグメントまたは「比較の窓」について、最適なアラインメントの後に、配列を比較することによって2つの配列の比較が行われる。例えば、比較のための最適なアラインメントは、手動で、またはSmith and Waterman, 1981, Ads App.Math.2, 482の局所的相同性アルゴリズムの補助によって、Neddleman and Wunsch, 1970, J. Mol.Biol.48, 443の局所的相同性アルゴリズムの補助によって、Pearson and Lipman, 1988, Proc.Natl Acad.Sci.USA 88, 2444の類似検索アルゴリズムの補助によって、または前記アルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTA、BLAST P、BLAST N、およびTFASTA)を使用するコンピュータプログラムの補助によって行われ得る。いくつかの実施形態において、2つの配列のパーセント同一性は、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のウェブサイト(例えば、at blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE_TYPE=BlastSearch&BLAST_SPEC=blast2seq&LINK _LOC=align2seq)において入手可能なBLASTNまたはBLASTPアルゴリズムを使用して特定される。いくつかの実施形態において、NCBIウェブサイトのBLASTNアルゴリズムのために使用されるアルゴリズムパラメータは、(i)予測閾値を10に設定;(ii)ワードサイズを28に設定;(iii)クエリ範囲における最大マッチを0に設定;(iv)マッチ/ミスマッチスコアを1、-2に設定;(v)ギャップコストを線形に設定;および(vi)低複雑度領域のフィルターを使用を含む。いくつかの実施形態において、NCBIウェブサイトのBLASTPアルゴリズムのために使用されるアルゴリズムパラメータは、(i)予測閾値を10に設定;(ii)ワードサイズを3に設定;(iii)クエリ範囲における最大マッチを0に設定;(iv)マトリックスをBLOSUM62に設定;(v)ギャップコストを存在:11伸長:1に設定;および(vi)条件付き構成スコアマトリックス調整(conditional compositional score matrix adjustment)を含む。本明細書において説明される場合、任意の特定のポリペプチドが、別のポリペプチドに対して少なくとも約50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%同一であるか否かは、当技術分野において既知の方法およびコンピュータプログラム/ソフトウェア、例えば、これに限定されるわけではないが、BESTFITプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)などを使用して特定することができる。BESTFITは、2つの配列の間における相同性の最良セグメントを見出すために、Smith and Waterman, Advances in Applied Mathematics 2:482-489 (1981)の局所的相同性アルゴリズムを使用する。特定の配列が、例えば、本開示による基準配列に対して95%同一であるか否かを特定するためにBESTFITまたは他の配列アライメントプログラムを使用する場合、当然のことながら、パラメータは、同一性の割合が基準ポリペプチド配列の全長にわたって計算され、ならびに基準配列におけるアミノ酸の総数の最大5%までの同一性のギャップが許容されるように設定される。
【0097】
本明細書において使用される場合、VWF配列またはFVIIIタンパク質配列における「に対応するアミノ酸」または「同等なアミノ酸」は、第1のVWFまたはFVIII配列と第2のVWFまたはFVIII配列との間の同一性または類似性を最大化するアラインメントによって識別される。第2のVWFまたはFVIII配列における同等なアミノ酸を識別するために使用される数値は、第1のVWFまたはFVIII配列における対応するアミノ酸を識別するために使用される数値に基づく。
【0098】
本明細書において使用される場合、用語「挿入部位」は、半減期を延長する部分または異種部分を挿入することができる位置のすぐ下流であるような、FVIIIポリペプチド、またはその断片、バリアント、もしくは誘導体における位置を意味する。「挿入部位」は、数値として指定され、その数値は、挿入部位が対応する成熟天然FVIII(配列番号9)でのアミノ酸の数であり、それは、挿入の位置のすぐ近くのC末端である。例えば、語句「配列番号9のアミノ酸1656に対応する挿入位置にELNNポリペプチドを含む」は、異種部分が、配列番号9のアミノ酸1656およびアミノ酸1657に対応する2つのアミノ酸の間に位置されることを示している。
【0099】
語句「アミノ酸のすぐ下流」は、本明細書に使用される場合、アミノ酸の端末カルボキシル基のすぐ隣の位置を意味する。例えば、成熟野生型FVIIIタンパク質(配列番号9)に対応するアミノ酸745のすぐ下流の挿入位置は、挿入部位が、成熟野生型FVIIIに対応するアミノ酸745とアミノ酸746との間にあることを意味する。同様に、語句「アミノ酸のすぐ上流」は、アミノ酸の端末アミノ基のすぐ隣の位置を意味する。
【0100】
語句「挿入部位の2つのアミノ酸の間」は、本明細書に使用される場合、ELNNポリペプチドまたは任意の他のポリペプチドが2つの隣接するアミノ酸の間に挿入される位置を意味する。したがって、語句「アミノ酸のすぐ下流に挿入される」および「挿入部位の2つのアミノ酸の間に挿入される」は、「挿入部位に挿入される」と同じ意味で使用される。
【0101】
用語「挿入された」、「挿入される」、「に挿入された」、または文法的に関連する用語は、FVIIIへのELNNポリペプチドの挿入に関して本明細書において使用される場合、天然成熟ヒトFVIIIにおける類似位置に対する、キメラタンパク質におけるELNNポリペプチドの位置を意味する。本明細書において使用される場合、当該用語は、天然成熟ヒトFVIIIに対する組換えFVIIIポリペプチドの特性を意味し、キメラタンパク質を作製する任意の方法またはプロセスを、示す、含意する、または推論するものではない。例えば、本明細書において提供されるキメラタンパク質に関して、語句「ELNNポリペプチドがFVIIIポリペプチドの残基745のすぐ下流に挿入される」は、キメラタンパク質が、例えば、天然成熟ヒトFVIIIのアミノ酸745および746に対応するアミノ酸に結合した(天然成熟ヒトFVIIIの746に対応するアミノ酸の存在を必要とせず)、天然成熟ヒトFVIIIにおけるアミノ酸745に対応するアミノ酸のすぐ下流にELNNポリペプチドを含み、ならびに、キメラタンパク質を構築する作製の順序または方法は含意しないことを意味する。
【0102】
本明細書において使用される場合、用語「ELNNポリペプチド」および「ELNN」は、同義であり、ならびに、生理的条件下において二次または三次構造を有さないかまたは低い程度しか有さないような、主に低分子親水性アミノ酸で構成される、天然に存在しない実質的に非反復性の配列によって長さの延長されたポリペプチドを意味する。ELNNは、キメラポリペプチドを作製するために本開示のVWFタンパク質またはFVIII配列に連結される場合に、ある特定の望ましい薬物動態的、理化学的、および薬学的性質を付与し得る。そのような望ましい特性としては、これらに限定されるわけではないが、高められた薬物動態パラメータおよび溶解特性が挙げられる。本明細書において使用される場合、用語「ELNNポリペプチド」および「ELNN」は、一本鎖抗体または軽鎖もしくは重鎖のFc断片などの抗体または抗体断片を特異的に排除する。ELNNポリペプチドは、当技術分野において既知であり、ならびにXTEN(登録商標)ポリペプチドとして知られるELNNポリペプチドに関連する非限定的な説明およびその実施例は、Schellenberger et al., (2009) Nat Biotechnol 27(12):1186-90;Brandl et al., (2020) Journal of Controlled Release 327:186-197;およびRadon et al., (2021) Advanced Functional Materials 31, 2101633 (pages 1-33)において入手可能であり、なお、各文献の内容全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0103】
「融合」または「キメラ」タンパク質は、天然では自然においては連結されていない、第2アミノ酸配列に連結された第1アミノ酸配列を含む。通常は別々のタンパク質に存在するアミノ酸配列を、融合ポリペプチドにおいて一緒にすることができ、あるいは、通常は同じタンパク質に存在するアミノ酸配列を、例えば、本開示の第VIII因子ドメインとIg Fcドメインとの融合など、融合ポリペプチドにおいて新しい配置において位置することができる。融合タンパク質は、例えば、化学合成によって、または、ペプチド領域が所望の関係においてコードされるようなポリヌクレオチドを作製または翻訳することによって、作製される。キメラタンパク質は、共有結合的非ペプチド結合または非共有結合によって第1のアミノ酸配列に会合している第2のアミノ酸配列をさらに含むことができる。
【0104】
配列に関して、用語「連結された」は、本明細書に使用される場合、第1のアミノ酸配列またはヌクレオチド配列がそれぞれ第2のアミノ酸配列またはヌクレオチド配列に共有結合的または非共有結合的に連結されていることを意味する。第1のアミノ酸配列またはヌクレオチド配列は、第2のアミノ酸またはヌクレオチド配列に直接接合することができるかまたは並置することができ、または択一的に、介在配列によって第1の配列を第2の配列に共有結合的に接合させることができる。文脈に応じて、用語「連結された」は、C末端もしくはN末端での第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列の融合だけを意味するのではなく、(それぞれ)第2のアミノ酸配列(または第1のアミノ酸配列)における任意の2つのアミノ酸への第1のアミノ酸配列(または第2のアミノ酸配列)全体の挿入も含む。いくつかの実施形態において、第1のアミノ酸配列は、ペプチド結合またはリンカによって第2のアミノ酸配列に連結させることができる。第1のヌクレオチド配列は、リン酸ジエステル結合またはリンカによって第2のヌクレオチド配列に連結させることができる。リンカは、ペプチドまたはポリペプチド(ポリペプチド鎖の場合)、またはヌクレオチドまたはヌクレオチド鎖(ヌクレオチド鎖の場合)、または任意の化学部分(ポリペプチドおよびポリヌクレオチド鎖の両方の場合)であり得る。用語「連結された」は、ハイフン(-)によっても示され得る。
【0105】
2つのポリペプチドに関して、用語「に会合している」は、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの間に形成された1つまたはそれ以上の共有結合または非共有結合を意味する。いくつかの実施形態において、用語「に会合している」は、共有結合的非ペプチド結合または非共有結合を意味する。この関連は、コロン、すなわち、(:)によって示すことができる。いくつかの実施形態において、それは、ペプチド結合を除いた共有結合を意味する。例えば、アミノ酸システインは、第2のシステイン残基上のチオール基とジスルフィド結合もしくはブリッジを形成することができるチオール基を含む。ほとんどの天然に存在するIgG分子において、CH1およびCL領域は、ジスルフィド結合によって会合し、ならびに2つの重鎖は、Kabat付番系を使用した239および242(位置226または229、EU付番系)に対応する位置において2つのジスルフィド結合によって会合している。共有結合の例としては、これらに限定されるわけではないが、ペプチド結合、金属結合、水素結合、ジスルフィド結合、σ結合、π結合、δ結合、グリコシド結合、アグノスティック結合(an agnostic bond)、屈曲結合(bent bond)、双極性結合、π背面結合、二重結合、三重結合、四重結合、五重結合、六重結合、共役、超共役、芳香族性、ハプト数、または反結合が挙げられる。非共有結合の非限定的な例としては、イオン結合(例えば、カチオン-π結合または塩結合)、金属結合、水素結合(例えば、二水素結合、二水素複合体、低障壁水素結合、または対称水素結合)、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、機械的結合、ハロゲン結合、金親和性、インターカレーション、スタッキング(stacking)、エントロピ力、または化学的極性が挙げられる。いくつかの実施形態において、第1のアミノ酸鎖と第2のアミノ酸鎖との間の1つまたはそれ以上の共有結合は、2つのジスルフィド結合である。いくつかの実施形態において、第1のアミノ酸鎖と第2のアミノ酸鎖との間の1つまたはそれ以上の共有結合は、第1のアミノ酸鎖上の第1のFc部分と第2のアミノ酸鎖上の第2のFc部分との間の2つのジスルフィド結合であり、2つのジスルフィド結合は、2つのFc部分のヒンジ領域に生じる。
【0106】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、凝血カスケードの際に活性化される酵素によって切断される酵素的切断部位を有し、そのため、そのような部位の切断は、血栓形成部位に生じる。そのような部位の例としては、例えば、トロンビン、XIa因子、またはXa因子によって認識されるものが挙げられる。配列番号9配列番号15の他の酵素的切断部位は、当技術分野において既知であり、ならびに、本明細書の他の場所において説明される。2つ以上のプロセシング部位または切断部位を含むコンストラクトにおいて、そのような部位は、同じまたは異なり得ることは理解されるであろう。本明細書において使用される場合、用語「半減期」は、インビボでの特定のポリペプチドの生物学的半減期を意味する。半減期は、対象に投与された量が動物の血液循環および/または他の組織から排除されて半分になるのに必要な時間によって表すことができる。いくつかの実施形態において、所定のポリペプチドのクリアランス曲線が、時間の関数として構築される場合、曲線は、通常、急速なαフェーズと、より長いβフェーズとによる二相性である。αフェーズは、典型的には、投与されたFcポリペプチドの、血管内空間と血管外空間の間での平衡を表し、ならびに、一部では、ポリペプチドのサイズによって決定される。βフェーズは、典型的には、血管内空間におけるポリペプチドの異化を表す。いくつかの実施形態において、FVIIIおよびFVIIIを含むキメラタンパク質は、単相性であり、したがって、αフェーズを有さず、単一のβフェーズのみを有する。したがって、いくつかの実施形態において、半減期なる用語は、本明細書において使用される場合、βフェーズにおけるポリペプチドの半減期を意味する。ヒトにおけるヒト抗体の典型的なβフェーズ半減期は、21日間である。いくつかの実施形態において、半減期は、終末フェーズの半減期として表現される。
【0107】
いくつかの実施形態において、対象は、血友病Aを患う。いくつかの実施形態において、血友病Aは、重症血友病Aである。
【0108】
「投与する(administer)」または「投与すること(administering)」は、本明細書に使用される場合、対象に、本明細書において説明した組成物、例えば、キメラタンパク質を送達することを意味する。組成物、例えば、キメラタンパク質は、当技術分野において既知の方法を使用して対象に投与することができる。特に、組成物は、静脈内、皮下、筋肉内、皮内において、または任意の粘膜表面を介して、例えば、経口、舌下、口腔内、経鼻、直腸内、経膣において、または肺経路を介して、投与することができる。いくつかの実施形態において、投与は、静脈内において行われる。いくつかの実施形態において、投与は、皮下において行われる。いくつかの実施形態において、投与は、自己投与である。いくつかの実施形態において、親が子供にキメラタンパク質を投与する。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、医療関係者、例えば、医師、医療従事者、または看護師などによって対象に投与される。
【0109】
本明細書において使用される場合、用語「用量(dose)」は、対象への組成物の単回投与を意味する。単回用量(single dose)は、一度に、例えば、ボーラスとして、または、例えば、静脈内輸注などによってある期間にわたって、全てを投与することができる。用語「複数回用量(multiple doses)」は、2つ以上の用量、例えば、2回以上の投与を意味する。
【0110】
2つ以上の組成物の共投与を意味する場合、組成物Aの用量は、組成物Bの用量と同時に投与することができる。あるいは、組成物Aの用量は、組成物Bの用量の前もしくは後に投与することができる。いくつかの実施形態において、組成物Aおよび組成物Bは、単一製剤へと組み合わされる。
【0111】
本明細書において使用される場合、用語「インターバル」または「投与間隔」は、組成物Aの最初の用量と同じ組成物の後続の用量が対象に投与される、その間に経過する時間量を意味する。投与間隔は、第1の用量と第2の用量との間に経過する時間を意味することができ、または、投与間隔は、複数回用量の間に経過する時間量を意味することができる。
【0112】
用語「投与頻度(dosing frequency)」は、本明細書に使用される場合、特定の投与間隔あたりの投与される用量の回数を意味する。例えば、投与頻度は、週1回、2週間毎に1回などのように記すことができる。したがって、7日間の投与間隔は、7日間に1回、もしくは毎週1回、もしくは週1回の投与間隔、のようにも記すことができる。
【0113】
本明細書において使用される場合、用語「予防的治療」は、血友病Aの治療のための療法の投与を意味し、ここで、そのような治療は、血友病Aの1つまたはそれ以上の症状、例えば、出血症状、例えば、1つもしくはそれ以上の突発性出血症状、および/または関節損傷などを防ぐかまたはその重症度を減じることが意図される。Jimenez-Yuste et al., Blood Transfus. 12(3):314-19 (2014)を参照されたい。そのような症状、例えば、出血症状および関節病の進行を防ぐかまたはその重症度を減じるために、血友病A患者は、予防的治療レジメンの一部として、凝固因子の定期的な輸注を受け得る。そのような予防的治療の基礎は、1%以上のレベルにおいて凝固因子、例えば、FVIIIを有する血友病患者は、まれに、突発性出血症状を経験し、ならびに、血友病関連の併発症は、重症血友病患者と比較してより少ないという観察である。例えば、Coppola A. et al, Semin.Thromb.Hemost.38(1):79-94 (2012)を参照されたい。これらの血友病患者を治療する医療関係者は、定期的な輸注による約1%での因子レベルの維持は、血友病症状、例えば、出血症状および関節損傷など、のリスクを潜在的に減少させることができると推測した。同文献を参照されたい。後続の研究は、凝固因子による予防的治療を受けている小児科血友病患者におけるこれらの恩恵を確認し、それは、予防的治療を、重症血友病患者にとっての目標にした。同文献を参照されたい。
【0114】
「予防的」治療は、血友病Aの1つまたはそれ以上の症状、例えば、出血症状、の発症または重症度を制御、管理、予防、または低減するための、本明細書において説明される組成物、例えば、タンパク質(例えば、キメラタンパク質など)の、対象への先制的投与も意味し得る。いくつかの実施形態において、凝固因子、例えば、FVIIIによる予防的治療は、重症血友病Aを患う対象を治療するために使用される。いくつかの実施形態において、予防的治療は、血友病Aの1つまたはそれ以上の症状の発症を減じるために、本明細書において開示される組成物をそれを必要とする対象に投与することを意味する。予防的治療は、複数回用量の投与を含むことができる。予防的治療において使用される複数回用量は、典型的には、特定の投与間隔において投与される。いくつかの実施形態において、年間出血率(annualized bleeding rate)を、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満、または1未満に減じることができる。
【0115】
用語「出血時補充療法(on-demand treatment)」または「発症時治療(episodic treatment)」は、血友病Aの症状、例えば、出血症状に応じた、または出血を引き起こし得る活性化の前の、キメラ分子の「必要に応じた」投与を意味する。いくつかの態様において、出血時補充療法は、出血が始まった時、例えば、損傷の後、または出血が予想される時、例えば、外科手術前に対象に与えることができる。いくつかの態様において、出血時補充療法は、出血のリスクを増加させるアクティビティ、例えば、コンタクトスポーツなど、の前に与えることができる。いくつかの実施形態において、出血時補充療法は、単回用量として与えられる。いくつかの実施形態において、出血時補充療法は、初回用量として与えられ、その後に1回またはそれ以上の追加の用量が与えられる。キメラタンパク質がオンデマンドにおいて投与される場合、1回またはそれ以上の追加の用量を、初回用量から少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、少なくとも約60時間、少なくとも約72時間、少なくとも約84時間、少なくとも約96時間、少なくとも約108時間、または少なくとも約120時間後に投与することができる。しかしながら、出血時補充療法に付随する投与間隔は、予防的治療のために使用される投与間隔とは同じではないことに留意するべきである。
【0116】
いくつかの実施形態において、一般的な止血薬を必要とする対象は、手術を受けているかまたは受けようとしている。本開示のキメラタンパク質は、手術の前または後に投与することができる。本開示のキメラタンパク質は、急性出血症状を制御するために、手術中または手術の後にも投与することができる。キメラタンパク質が手術前に投与される場合、当該投与は、手術の少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間前であり得る。キメラタンパク質が手術後に投与される場合、当該投与は、手術の少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約36時間、少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間後であり得る。手術としては、これらに限定されるわけではないが、肝移植、肝臓切除、歯科処置、または幹細胞移植を挙げることができる。
【0117】
「治療する」、「治療」、「治療すること」は、本明細書に使用される場合、例えば、疾患または状態の重症度の低減;疾患経過の持続期間の減少;疾患または状態に関連する1つまたは複数の症状の改善;必ずしも疾患もしくは状態を治癒するわけではない、疾患もしくは状態を有する対象への有益効果の提供;または疾患もしくは状態に関連する1つまたは複数の症状の予防を意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、本開示のキメラタンパク質を投与することによって対象におけるFVIIIトラフレベルを少なくとも約1IU/dL、2IU/dL、3IU/dL、4IU/dL、5IU/dL、6IU/dL、7IU/dL、8IU/dL、9IU/dL、10IU/dL、11IU/dL、12IU/dL、13IU/dL、14IU/dL、15IU/dL、16IU/dL、17IU/dL、18IU/dL、19IU/dL、または20IU/dLに維持することを含む。本明細書において使用される場合、血友病A患者の「トラフレベル」は、次の用量が投与される前に因子療法、例えば、FVIII療法によって達した最も低い濃度の測定値である。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIIIトラフレベルを少なくとも約1IU/dLに維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIIIトラフレベルを少なくとも約3IU/dLに維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIIIトラフレベルを少なくとも約5IU/dLに維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIIIトラフレベルを約1から約20IU/dL、約2から約20IU/dL、約3から約20IU/dL、約4から約20IU/dL、約5から約20IU/dL、約6から約20IU/dL、約7から約20IU/dL、約8から約20IU/dL、約9から約20IU/dL、または約10から約20IU/dLに維持することを意味する。
【0118】
いくつかの実施形態において、疾患または状態の治療または治療することは、対象におけるFVIII活性を投与間隔の間において、非血友病対象におけるFVIII活性の少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%に匹敵するレベルに維持することを含む。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約1%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約2%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約3%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約4%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約5%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約6%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約7%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約8%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約9%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療することまたは治療は、投与間隔の間にFVIII活性レベルを少なくとも約10%に維持することを意味する。いくつかの実施形態において、治療のために必要な最小トラフレベルは、1つまたはそれ以上の既知の方法(例えば、当技術分野において周知である、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)アッセイまたは発色アッセイ)によって測定することができ、ならびに、それぞれの人に対して調節する(増加または減少させる)ことができる。トラフレベルを測定するためのアッセイの非限定的な例は、米国特許出願公開第20190375822号において開示されており、なお、当該特許は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0119】
II.キメラタンパク質
ある態様において、本開示は、キメラタンパク質または、第VIII因子(「FVIII」)タンパク質もしくはその一部と第1の免疫グロブリン(「Ig」)定常領域もしくはその一部とを含む第1のポリペプチド鎖ならびにフォンヴィレブランド因子(「VWF」)タンパク質と第2のIg定常領域もしくはその一部とを含む第2のポリペプチド鎖を含むタンパク質を含む医薬組成物を対象とする。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、(i)FVIIIポリペプチド、FVIIIポリペプチドのBドメイン内に挿入されたELNNポリペプチド、および第1のFc領域を含むFVIIIタンパク質;ならびに(ii)VWF断片、第2のELNNポリペプチド配列、a2リンカ、および第2のFc領域を含むVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、本明細書において開示されるキメラタンパク質は、FVIII-ELNN-Fc/D’D3-ELNN-Fcヘテロ二量体である。
【0120】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、エフアネソクトコグアルファである。「BIVV001」、「efanesoctocogum alfa」、「rFVIIIFc-VWF-ELNN」および「rFVIIIFc-VWF-XTEN」としても知られるエフアネソクトコグアルファは、Chhabra et al.Blood 135(17):1484-1496 (2020)に記載されており、なお、当該文献の内容全体は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。例示的FVIII-ELNN-Fc/D’D3-ELNN-Fcヘテロ二量体としての、エフアネソクトコグアルファの概略図が、図1に示されている。
【0121】
エフアネソクトコグアルファは、共有結合および非共有結合的相互作用によって会合している2つのポリペプチド鎖のそれぞれの上の複数の部分を含む大きなタンパク質(300kDa以上)である。当該タンパク質は、ある特定の条件下において凝集する傾向を有し、それは、賦形剤、例えば、L-アルギニンなどが選択されて、凝集を減少させるのに十分な量において存在するのでない限り、製剤の安定性を低下させる可能性がある。例えば、凝集は、高いレベル(例えば、約250mM)のL-アルギニンを追加することによって減じることができる。
【0122】
エフアネソクトコグアルファに関する付加情報は、International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances (INN) WHO Drug Information, 2019, Vol. 33, No. 4, p。828-30において見出すことができる。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、(i)配列番号1のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含むFVIII-ELNN-Fc/D’D3-ELNN-Fcヘテロ二量体である。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、(i)第1のポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上のジスルフィド結合(例えば、2つのジスルフィド結合)を介して共有結合的に連結された第2のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号4の核酸配列によってコードされるFVIIIタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号6の核酸配列によってコードされるVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、エフアネソクトコグアルファは、少なくとも1600IU/mgの活性を有する。いくつかの実施形態において、エフアネソクトコグアルファは、少なくとも1700IU/mgの活性を有する。いくつかの実施形態において、エフアネソクトコグアルファは、少なくとも1800IU/mgの活性を有する。いくつかの実施形態において、エフアネソクトコグアルファは、少なくとも1900IU/mgの活性を有する。いくつかの実施形態において、エフアネソクトコグアルファは、1600IU/mgから2000IU/mgの活性を有する。
【0123】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を含むFVIIIタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、以下の位置:配列番号1の残基153~179、248~329、528~554、630~711、1220~1246、1287~1291、1409~1557、1562~1714、1761~1821、および/または1867~1925の1つまたはそれ以上において、1つまたはそれ以上のジスルフィドブリッジを含むFVIIIタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、以下の位置:配列番号1の残基153~179、248~329、528~554、630~711、1220~1246、1287~1291、1409~1557、1562~1714、1761~1821、および1867~1925のそれぞれにおいて1つまたはそれ以上のジスルフィドブリッジを含むFVIIIタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1の残基310、692、および/または1388における1つまたはそれ以上のCys-SH残基を含むFVIIIタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1の残基310、692、および/または1388のそれぞれにおけるCys-SH残基を含むFVIIIタンパク質を含む。
【0124】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1の残基N41、N239、N1198、N1506、および/またはN1797における1つまたはそれ以上のNグリコシル化部位を含むFVIIIタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1の残基746~1036における1つまたはそれ以上のOグリコシル化部位を含むFVIIIタンパク質および/または、リンカペプチドにおけるSerおよびThr残基を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1の残基346、718、719、723、729、1052、および/または1068における1つまたはそれ以上のTyr-硫酸化部位を含むFVIIIタンパク質を含む。
【0125】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列を含むVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、以下の位置:配列番号2の残基4~45、13~41、25~36、29~64、47~58、66~88、83~100、86~95、104~233、126~268、135~230、151~158、283~326、297~321、308~348、328~334、338~363、367~410、386~406、390~402、394~433、414~427、436~464、459~474、462~471、698~758、および/または804~862の1つまたはそれ以上において1つまたはそれ以上のジスルフィドブリッジを含むVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、以下の位置:配列番号2の残基4~45、13~41、25~36、29~64、47~58、66~88、83~100、86~95、104~233、126~268、135~230、151~158、283~326、297~321、308~348、328~334、338~363、367~410、386~406、390~402、394~433、414~427、436~464、459~474、462~471、698~758、および/または804~862のそれぞれにおいて1つまたはそれ以上のジスルフィドブリッジを含むVWFタンパク質を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号2の残基N94、N384、N734における1つまたはそれ以上のNグリコシル化部位を含むVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号2の残基478~625における1つまたはそれ以上のOグリコシル化部位を含むVWFタンパク質および/またはリンカペプチドにおけるSerおよびThr残基を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号2の残基632、633、637、および/または643における1つまたはそれ以上のTyr-硫酸化部位を含むVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、VWFタンパク質は、VWFのD1、D2、D’、および/またはD3ドメインを含むVWF断片を含む。一実施形態において、VWF断片は、配列番号20のアミノ酸配列を含むVWFのD1D2領域を含む。いくつかの実施形態において、VWFタンパク質は、VWFシグナルペプチド配列をさらに含む。一実施形態において、VWFシグナルペプチドは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。特定の一実施形態において、VWFタンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列を含むVWFシグナルペプチド、配列番号20のアミノ酸配列を含むVWFのD1D2領域、配列番号21のアミノ酸配列を含むVWFのD’ドメイン、配列番号22のアミノ酸配列を含むVWFのD3ドメイン、配列番号14のアミノ酸配列を含むELNNポリペプチド配列(AE144_5A)、配列番号15のアミノ酸配列を含むa2リンカ、および/または配列番号23のアミノ酸配列を含むFc領域を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、(i)FVIIIポリペプチド、第1のELNNポリペプチド配列、および第1のFc領域を含むFVIIIタンパク質;ならびに(ii)VWFのD’ドメインおよびVWFのD3ドメイン、第2のELNNポリペプチド配列、FVIIIのa2リンカ、ならびに第2のFc領域を含むVWF断片を含み、FVIIIタンパク質は、成熟FVIIIに対応するアミノ酸746~1648の欠失を有し;第1のELNNポリペプチド配列は、成熟FVIIIに対応するアミノ酸745のすぐ下流のFVIIIポリペプチド内に挿入され;第1のELNNポリペプチド配列は、AE288(配列番号9)のアミノ酸配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;第1のFc領域は、FVIIIポリペプチドのC末端に融合され;第2のELNNポリペプチド配列は、VWF断片のC末端に融合され;第2のELNNポリペプチド配列は、AE144_5A(配列番号14)のアミノ酸配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;a2リンカは、ELNNポリペプチドのC末端に融合され;a2リンカは、配列番号9のアミノ酸配列に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;第2のFc領域は、a2リンカのC末端に融合され;ならびに第1のFc領域は、ジスルフィド結合(例えば、2つのジスルフィド結合)によって第2のFc領域に共有結合的に連結されている。
【0128】
いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、2つのポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、90%、95%、または100%同一のアミノ酸配列を含み;ならびに第2のポリペプチド配列は、VWFのD’ドメインとVWFのD3ドメインとFc領域とを含むVWF断片を含む。いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、2つのポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、FVIIIポリペプチドとFc領域とを含み;ならびに第2のポリペプチド配列は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、90%、95%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、2つのポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、90%、95%、または100%同一のアミノ酸配列を含み;ならびに第2のポリペプチド配列は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、90%、95%、または100%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、2つのポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含み、ならびに第2のポリペプチド配列は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、2つのポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含み、ならびに第2のポリペプチドは、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含み、第1のポリペプチド配列および第2のポリペプチド配列は、ジスルフィド結合によってお互いに連結されている。いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、2つのポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含み、ならびに第2のポリペプチド配列は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含み、第1のポリペプチド配列および第2のポリペプチド配列は、2つのジスルフィド結合によってお互いに連結されている。いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、2つのポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含み、ならびに第2のポリペプチドは、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含み、第1のポリペプチド配列は、第1のFc部分を含み、第2のポリペプチド配列は、第2のFc部分を含み、第1のFc部分および第2のFc部分は、ヒンジ領域において2つのジスルフィド結合によってお互いに連結されている。
【0129】
いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、配列番号7、配列番号3、または配列番号1に対して少なくとも約80%、90%、95%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むFVIIIタンパク質と、配列番号2または配列番号5に対して少なくとも約80%、90%、95%、または100%同一のアミノ酸配列を含むVWFタンパク質とを含む。
【0130】
いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、(i)配列番号17のアミノ酸配列を含む第1のFVIIIポリペプチド断片;配列番号9(AE288)のアミノ酸配列を含む第1のELNNポリペプチド配列;配列番号18のアミノ酸配列を含む第2のFVIIIポリペプチド断片;および配列番号23のアミノ酸配列を含む第1のFc領域を含むFVIIIタンパク質;ならびに(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むVWFのD’ドメイン;配列番号22のアミノ酸配列を含むVWFのD3ドメイン;配列番号14(AE144_5A)のアミノ酸配列を含む第2のELNNポリペプチド配列;配列番号15のアミノ酸配列を含むa2リンカ;および配列番号23のアミノ酸配列を含む第2のFc領域を含むVWFタンパク質を含み、第1のFc領域は、ジスルフィド結合(例えば、2つのジスルフィド結合)によって第2のFc領域に共有結合的に連結されている。
【0131】
いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、FVIIIポリペプチドを含むFVIIIタンパク質、第1のELNNポリペプチド配列、第1のFc領域、ならびにVWFのD’ドメイン、VWFのD3ドメイン、第2のELNNポリペプチド配列、FVIIIのa2リンカ、および第2のFc領域を含むVWFタンパク質を含み、FVIIIポリペプチドは、配列番号17のアミノ酸配列を含み、第1のELNNポリペプチド配列は、AE288(配列番号9)のアミノ酸配列を含み、そして配列番号17のC末端に融合され、FVIIIポリペプチドは、配列番号18のアミノ酸配列をさらに含み、第1のFc領域は、配列番号23のアミノ酸配列を含み、そして配列番号18のC末端に融合され;VWFのD’ドメインは、配列番号21のアミノ酸配列を含み;VWFのD3ドメインは、配列番号214のアミノ酸配列を含み、第2のELNNポリペプチド配列は、AE144_5A(配列番号14)のアミノ酸を含み、そしてVWFのD3ドメインのC末端に融合され;a2リンカは、配列番号15のアミノ酸配列を含み、そして第2のELNNポリペプチドのC末端に融合され;第2のFc領域は、配列番号23のアミノ酸配列を含み、そしてa2リンカのC末端に融合され;第1のFc領域は、ジスルフィド結合によって第2のFc領域に共有結合的に連結されている。
【0132】
いくつかの実施形態において、本開示のキメラタンパク質は、配列番号16のアミノ酸配列を含むFVIIIシグナルペプチドを含むFVIIIタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号19のアミノ酸配列を含むVWFシグナルペプチドを含むVWFタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列を含むVWFのD1D2ドメインを含むVWFタンパク質を含む。
【0133】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号3のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、ならびに配列番号5のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号7のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む。
【0134】
いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの間に1つまたはそれ以上のジスルフィドブリッジを含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの間に2つのジスルフィドブリッジを含む。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドと配列番号2のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドとを含み、キメラタンパク質は、配列番号1の残基1726と配列番号2の残基663との間におけるジスルフィドブリッジならびに配列番号1の残基1729と配列番号2の残基666との間におけるジスルフィドブリッジを含む。
【0135】
IV.医薬組成物
ある態様において、本開示は、タンパク質の安定性を向上させるために製剤化されるキメラタンパク質の医薬組成物を対象とする。いくつかの実施形態において、開示される医薬組成物は、目視検査、タンパク質濃度、pH安定性、高分子量種(HMWS)の形成、および/または濁度における変化による分析に基づいた、安定性の増加を実証する。安定性のこれらの特性の分析は、従来技術、例えば、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)、逆相高速液体クロマトグラフィ(RP-HPLC)、ならびに多くの他のものを使用して行うことができる。
【0136】
本明細書において開示される医薬組成物は、指定された量のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.8から約1.2mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.8mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.9mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.0mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.1mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.2mg/mLのキメラタンパク質濃度を有する。
【0137】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約75IU/mLから約2000IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約75IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約100IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約150IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約200IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約250IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約300IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約350IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約400IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約450IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約500IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約550IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約600IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約650IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約700IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約750IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約800IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約850IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約900IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約950IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1000IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約250IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約300IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約500IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約500IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約85IU/ml超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約100IU/ml超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約200IU/ml超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約200IU/mlのキメラタンパク質を含む。
【0138】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1100IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1150IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1200IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1250IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1300IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1350IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1400IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1450IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1500IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1550IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1600IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1650IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1700IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1750IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1800IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1850IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1900IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1950IU/mLのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2000IU/mLのキメラタンパク質を含む。
【0139】
本開示のキメラタンパク質を含む医薬組成物は、好適な薬学的に許容される担体も含有する。例えば、それらは、キメラタンパク質の高められた安定性を提供するか、または作用の部位への送達のために設計された調製物中への活性化化合物の処理を促進するような、賦形剤および/または助剤を含有することができる。
【0140】
ある態様において、開示される賦形剤と共に、指定された量のキメラタンパク質を含む医薬組成物が、本明細書において開示される。本明細書において開示される医薬組成物は、様々な濃度の開示されるこれらの賦形剤を含み、ならびにこの濃度は、様々な方式において表すことができる。例えば、所定の賦形剤の濃度は、モル濃度として(例えば、MまたはmM)、重量/体積パーセントとして(例えば、希釈剤100mlあたりのグラム)、またはミリリットルあたりのミリグラムとして、表すことができる。本明細書において提供される医薬組成物は、指定された量の様々な賦形剤を、近似値、例えば、表された濃度から1桁までの有効数字までの範囲の精度のレベル(例えば、約0.1%(w/v))、またはより正確に、例えば、2、3、4、5、または6桁の有効数字(例えば、3桁までの有効数字の精度による約3.88mg/ml)において含有することができる。必要な精度のレベルは、例えば、所定の監督官庁の要件または製造プロセスなどに応じて変わり得る。
【0141】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1%(w/v)から4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、2%(w/v)から5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、4%(w/v)から8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.5%(w/v)から約2.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5%(w/v)から約7.5%(w/v)のスクロースを含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.0%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.1%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.2%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.3%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.9%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.0%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.1%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.2%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.3%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.9%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.0%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.1%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.2%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.3%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.9%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.0%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.1%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.2%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.3%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.9%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.1%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.2%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.3%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.9%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.1%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.2%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.3%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.9%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.1%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.2%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.3%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.4%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.5%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.6%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.7%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.8%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.9%(w/v)のスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約8%(w/v)のスクロースを含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約33.67mgのスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約67.34mgのスクロースを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約168.35mgのスクロースを含む。いくつかの実施形態において、スクロースの量は、特定の量の最大10%まで変動し得る。いくつかの実施形態において、スクロースの量は、特定の量の最大5%まで変動し得る。いくつかの実施形態において、スクロースの量は、特定の量の最大1%まで変動し得る。いくつかの実施形態において、スクロースの特定の量は、33.67mg、67.34mg、または168.35mgである。
【0144】
本明細書において開示される医薬組成物は、緩衝剤を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、指定された量または濃度のヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物に含まれるヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5mMから約15mMのヒスチジンを含む。
【0145】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約8mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約8.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約9mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約9.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約10mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約10.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約11mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約11.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約12mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約12.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約13mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約13.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約14mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約14.5mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約15mMのヒスチジンを含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。
【0146】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、指定された量または濃度のアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、塩酸アルギニン(HCl)を含む。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約200mMから約300mMのアルギニンを含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約200mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約210mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約220mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約230mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約240mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約250mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約260mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約270mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約280mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約290mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約300mMのアルギニンを含む。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。
【0149】
本明細書において開示される医薬組成物は、充填剤(bulking agent)を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、指定された量または濃度の塩化カルシウム(CaCl)を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、CaCl・2HO、CaCl(無水)、CaCl・4HO、またはCaCl・6HOを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.5mMから約10mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0150】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約3.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約4.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約8mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約8.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約9mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約9.5mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約10mMの塩化カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、塩化カルシウム以外の充填剤を含まない。いくつかの実施形態において、塩化カルシウムは、唯一の充填剤である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、8.8mg/mL未満の塩化ナトリウム(NaCl)を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、実質的に塩化ナトリウム不含である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、塩化ナトリウム不含である。
【0152】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、指定された量または濃度のポロキサマー188(P188)を含む。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー101、105、108、122、123、124、181、182、183、184、185、188、212、215、217、231、234、235、237、238、282、284、288、331、333、334、335、338、401、402、403、または407である。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー407である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.01mg/mlから約10mg/mlのポロキサマーを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1mg/mlのポロキサマーを含む。
【0153】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、指定された量または濃度のポロキサマー188(P188)を含む。P188に関する非限定的な開示は、Strickley and Lambert (2021) Journal of Pharmaceutical Sciences 110 2590~2608に見出すことができ、なお、当該文献のそれぞれにおける内容全体は、参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.01%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約0.1%のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.1%のポロキサマー188を含む。
【0154】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.01%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.02%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.03%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.04%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.05%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.06%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.07%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.08%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.09%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.11%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.12%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.13%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.14%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.15%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.16%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.17%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.18%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.19%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.2%(w/v)のポロキサマー188を含む。
【0156】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.3%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.4%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.6%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.7%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.8%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.9%(w/v)のポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.0%(w/v)のポロキサマー188を含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥前溶液は、NaClを含まない。
【0158】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約1%(w/v)から約8%(w/v)のスクロース;
(b)約5mMから約15mMのヒスチジン;
(c)約200mMから約300mMのアルギニン;
(d)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%(w/v)から約1.0%(w/v)のポロキサマー
を含む。いくつかの実施形態において、ポロキサマーは、ポロキサマー188(P188)である。いくつかの実施形態において、組成物は、ポロキサマー188を含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0159】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、NaClを含まない。
【0160】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約1%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%のポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0161】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約2%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%のポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0162】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%のポロキサマー188
を含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約1%(w/v)から約5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%のポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0164】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約1%、2%または5%(w/v)のスクロース;
(b)約5mMから約15mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%のポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0165】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約1%、2%または5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約200mMから約300mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%のポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0166】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約1%、2%または5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約2.5mMから約10mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.1%のポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0167】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約1%、2%または5%(w/v)のスクロース;
(b)約10mMのヒスチジン;
(c)約250mMのアルギニン;
(d)約5mMの塩化カルシウム;および
(e)約0.008%(w/v)から約0.1%(w/v)のポロキサマー188
を含む。
【0168】
いくつかの実施形態において、ヒスチジンは、L-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、アルギニンは、L-アルギニンである。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0169】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約10、20または50mg/mlのスクロース;
(b)約1.552mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約52.665mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.735mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0170】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約10、20または50mg/mlのスクロース;
(b)約1.552mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約52.665mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.735mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0171】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約10、20または50mg/mlのスクロース;
(b)約1.552mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約52.665mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.555mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0172】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約10、20または50mg/mlのスクロース;
(b)約1.552mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約43.550mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.735mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0173】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約10、20または50mg/mlのスクロース;
(b)約1.552mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約43.550mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.735mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0174】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)約10、20または50mg/mlのスクロース;
(b)約1.552mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約43.550mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.555mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥前溶液である。
【0175】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0176】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0177】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0178】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
(a)11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0179】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.5~約7.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.0のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.8のpHを有する。
【0180】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.6のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.7のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.8のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.9のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.0のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.1のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.2のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.3のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.4のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.5のpHを有する。
【0181】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、6.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、6.6のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、6.7のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、6.8のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、6.9のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、7.0のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、7.1のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、7.2のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、7.3のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、7.4のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、7.5のpHを有する。
【0182】
いくつかの実施形態において、3.367mLの量の凍結乾燥前溶液が、容器またはバイアル瓶に加えられる。いくつかの実施形態において、凍結乾燥前溶液が凍結乾燥に供され、その結果として、凍結乾燥された医薬組成物を生じる。
【0183】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)約10mgから約200mgのスクロース;
(b)約2.5mgから約7.5mgのヒスチジン;
(c)約140mgから約200mgのアルギニン;
(d)約1.5mgから約5mgの塩化カルシウム;および
(e)約1mgから約10mgのポロキサマー188
を含む。
【0184】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)約10mgから約200mgのスクロース;
(b)約2.5mgから約7.5mgのL-ヒスチジン;
(c)約140mgから約200mgのL-アルギニン;
(d)約1.5mgから約5mgの塩化カルシウム;および
(e)約1mgから約10mgのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0185】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)10mgから200mgのスクロース;
(b)2.5mgから7.5mgのヒスチジン;
(c)140mgから200mgのアルギニン;
(d)1.5mgから5mgの塩化カルシウム;および
(e)1mgから10mgのポロキサマー188
を含む。
【0186】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)10mgから200mgのスクロース;
(b)2.5mgから7.5mgのL-ヒスチジン;
(c)140mgから200mgのL-アルギニン-HCl
(d)1.5mgから5mgの塩化カルシウム;および
(e)約1mgから10mgのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0187】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)10mgから200mgのスクロース;
(b)2.5mgから7.5mgのL-ヒスチジン;
(c)140mgから200mgのL-アルギニン;
(d)1.5mgから5mgの塩化カルシウム;および
(e)約1mgから10mgのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0188】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)約33.7mg、67.3mg、または168.4mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0189】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)約33.7mg、67.3mg、または168.4mgのスクロース;
(b)約5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)約146.6mgのL-アルギニン;
(d)約2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0190】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.7、67.3または168.4mgのスクロース;
(b)5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0191】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.7、67.3または168.4mgのスクロース;
(b)5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)146.6mgのL-アルギニン;
(d)2.5mgの塩化カルシウム;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0192】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)2.47mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0193】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)1.87mgの塩化カルシウム;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0194】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)146.63mgのL-アルギニン;
(d)2.47mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0195】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)146.63mgのL-アルギニン;
(d)1.87mgの塩化カルシウム;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0196】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)10mgから200mgのスクロース;
(b)5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)2.5mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0197】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)10mgから200mgのスクロース;
(b)5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)1.9mgの塩化カルシウム;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0198】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)10mgから200mgのスクロース;
(b)5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)146.6mgのL-アルギニン;
(d)2.5mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0199】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)10mgから200mgのスクロース;
(b)5.2mgのL-ヒスチジン;
(c)146.6mgのL-アルギニン;
(d)1.9mgの塩化カルシウム;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0200】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.7mg、67.3mg、または168.4mgのスクロース;
(b)2.5mgから7.5mgのL-ヒスチジン;
(c)177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)2.5mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.7mg、67.3mg、または168.4mgのスクロース;
(b)2.5mgから7.5mgのL-ヒスチジン;
(c)177.3mgのL-アルギニン-HCl;
(d)1.9mgの塩化カルシウム;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0202】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.7mg、67.3mg、または168.4mgのスクロース;
(b)2.5mgから7.5mgのL-ヒスチジン;
(c)146.6mgのL-アルギニン;
(d)2.5mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0203】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.7mg、67.3mg、または168.4mgのスクロース;
(b)2.5mgから7.5mgのL-ヒスチジン;
(c)146.6mgのL-アルギニン;
(d)1.9mgの塩化カルシウム;および
(e)3.4mgのポロキサマー188
を含む。
【0204】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67mg、67.34mg、または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)140mgから200mgのL-アルギニン;
(d)1.5mgから5mgの塩化カルシウム;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、140mgから200mgのL-アルギニン-HClを含む。
【0205】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)1.5mgから5mgの塩化カルシウム;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0206】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)146.63mgのL-アルギニン;
(d)1.5mgから5mgの塩化カルシウム;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0207】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)2.47mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1mgから10mgのポロキサマー188
を含む。
【0208】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)1.87mgの塩化カルシウム;および
(e)1mgから10mgのポロキサマー188
を含む。
【0209】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)146.63mgのL-アルギニン;
(d)2.47mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)1mgから10mgのポロキサマー188
を含む。
【0210】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、
(a)33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)146.63mgのL-アルギニン;
(d)1.87mgの塩化カルシウム;および
(e)1mgから10mgのポロキサマー188
を含む。
【0211】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、2%未満の含水率を有する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、1.8%未満の含水率を有する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、1.6%未満の含水率を有する。
【0212】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、凍結乾燥されたケーキ中に存する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥されたケーキは、白色である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥されたケーキは、欧州薬局方カラースケールにおいてY4未満である。Degree of Coloration of Liquids (Method 2.2.2), European Pharmacopoeia, 10th Ed. (2021)を参照されたい。
【0213】
いくつかの実施形態において、注射液を作製するために、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、約2mLから約5mLの滅菌水と組み合わされる。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、約3mLの滅菌水と組み合わされる。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物は、3mLの滅菌水と組み合わされる。いくつかの実施形態において、滅菌水は、USPグレードの滅菌水である。いくつかの実施形態において、滅菌水は、注射用のUSPグレードの滅菌水である。いくつかの実施形態において、滅菌水は、発熱物質不含または非発熱性である。いくつかの実施形態において、滅菌水は、静菌剤または抗菌剤を含まない。いくつかの実施形態において、滅菌水は、静菌剤または抗菌剤を含む。いくつかの実施形態において、滅菌水は、フィルターを使用して滅菌処理される。いくつかの実施形態において、滅菌水は、0.1μmのフィルターを使用して滅菌処理される。いくつかの実施形態において、滅菌水は、蒸留水である。いくつかの実施形態において、滅菌水は、無菌で、非発熱性の蒸留水であり、ゼロmOsmol/Lのオスモル濃度の低張性であり、ならびに、静菌剤または抗菌剤を含まない。
【0214】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)50mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.7mg/mLから0.9mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む。
【0215】
いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)10mg/mLから60mg/mLのスクロース;
(b)1.5mg/mLから2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)50mg/mLから70mg/mLのL-アルギニン;
(d)0.5mg/mLから0.8mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)0.6mg/mLから1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0216】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0217】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0218】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0219】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23mg、22.45mg、または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0220】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約10mg/mLから約60mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0221】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約10mg/mLから約60mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0222】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約10mg/mLから約60mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約44.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0223】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約10mg/mLから約60mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約44.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0224】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.5mg/mLから約2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0225】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.5mg/mLから約2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0226】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.5mg/mLから約2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0227】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約22.45mg/mlのスクロース;
(b)約1.5mg/mLから約2.0mg/mLのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0228】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約50mg/mLから約70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0229】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約50mg/mLから約70mg/mLのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0230】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約40mg/mLから約60mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0231】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約40mg/mLから約60mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0232】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.7mg/mLから約0.9mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0233】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.5mg/mLから約0.9mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0234】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.7mg/mLから約0.9mg/mLの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。
【0235】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.5mg/mLから約0.7mg/mLの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0236】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約0.6mg/mLから約1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約0.6mg/mLから約1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0238】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約0.6mg/mLから約1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む。
【0239】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mLのL-アルギニン;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約0.6mg/mLから約1.6mg/mLのポロキサマー188
を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、L-アルギニン-HClを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、塩化カルシウム二水和物を含む。
【0240】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0241】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約59.11mg/mlのL-アルギニン-HCl;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0242】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.82mg/mlの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0243】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、
(a)約11.23、22.45または56.12mg/mlのスクロース;
(b)約1.74mg/mlのL-ヒスチジン;
(c)約48.88mg/mlのL-アルギニン;
(d)約0.62mg/mlの塩化カルシウム;および
(e)約1.12mg/mlのポロキサマー188
を含む。
【0244】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、3mLの滅菌水中に、
(a)約33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)約5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)約177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)約2.47mgの塩化カルシウム;および
(e)約37mgのポロキサマー188
を含む。
【0245】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、3mLの滅菌水中に、
(a)約33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)約5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)約146.63mgのL-アルギニン;
(d)約2.47mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)約3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0246】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、3mLの滅菌水中に、
(a)約33.67、67.34または168.35mgのスクロース;
(b)約5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)約146.63mgのL-アルギニン;
(d)約1.87mgの塩化カルシウム;および
(e)約3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0247】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、約3mLの滅菌水中に、
(a)33.67mg、67.34mg、または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)2.47mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0248】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、約3mLの滅菌水中に、
(a)33.67mg、67.34mg、または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)177.32mgのL-アルギニン-HCl;
(d)1.87mgの塩化カルシウム;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0249】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、約3mLの滅菌水中に、
(a)33.67mg、67.34mg、または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)146.63mgのL-アルギニン;
(d)2.47mgの塩化カルシウム二水和物;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0250】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液は、約3mLの滅菌水中に、
(a)33.67mg、67.34mg、または168.35mgのスクロース;
(b)5.23mgのL-ヒスチジン;
(c)146.63mgのL-アルギニン;
(d)1.87mgの塩化カルシウム;および
(e)3.37mgのポロキサマー188
を含む。
【0251】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、凍結乾燥された医薬組成物は、7~12秒以内に復元される。
【0252】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のオスモル濃度は、約525から約725mOsm/kgである。いくつかの実施形態において、本明細書において開示される医薬組成物は、約500mOsm/kgから約650mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のオスモル濃度は、約600から約650mOsm/kgである。
【0253】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約525mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約550mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約575mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約600mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約625mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約650mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約675mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約700mOsm/kgのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約725mOsm/kgのオスモル濃度を有する。
【0254】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約6.5から約7.5である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約7.0のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約6.8のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、6.8のpHを有する。
【0255】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約6.5である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約6.6である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約6.7である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約6.8である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約6.9である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約7.0である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約7.1である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約7.2である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約7.3である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約7.4である。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のpHは、約7.5である。
【0256】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、約0.8から約1.2mg/mLである。
【0257】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、約0.8mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、約0.9mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、約1.0mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、約1.1mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、約1.2mg/mLである。
【0258】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、0.8mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、0.9mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、1.0mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、1.1mg/mLである。いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液のタンパク質濃度は、1.2mg/mLである。
【0259】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、結果として得られる溶液の濁度は、約7ネフェロメ濁度単位未満である。
【0260】
いくつかの実施形態において、凍結乾燥された医薬組成物および滅菌水が組み合わされる場合、3%未満のキメラタンパク質が凝集する。
【0261】
医薬組成物を貯蔵する方法であって、本明細書において開示される医薬組成物を少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度で維持する工程を含む方法が、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1ヵ月から約36ヵ月の間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵される。
【0262】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵されている。
【0263】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を2~5回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を2回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を3回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を4回行った液体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結および解凍を5回行った液体医薬組成物である。
【0264】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlから約10mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlから約5mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlから約2mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約1.5mg/mlのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約2mg/mlのキメラタンパク質を含む。
【0265】
V.医薬キット
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、滅菌水を含む第2の容器を伴って提供される。医薬組成物を含む第1の容器と滅菌水を含む第2の容器とを含む医薬キットが、本明細書において開示される。
【0266】
(i)
(a)第VIII因子(「FVIII」)タンパク質もしくはその一部と第1の免疫グロブリン(「Ig」)定常領域もしくはその一部とを含む第1のポリペプチド鎖、およびフォンヴィレブランド因子(「VWF」)タンパク質と第2のIg定常領域もしくはその一部を含む第2のポリペプチド鎖を含むキメラタンパク質;
(b)約10mgから約200mgのスクロース;
(c)約2.5mgから約7.5mgのヒスチジン;
(d)約140mgから約200mgのアルギニン;
(e)約1.5mgから約5mgの塩化カルシウム;および
(f)約0.5mgから約10mgのポロキサマー188
を含む凍結乾燥された医薬組成物を含む第1の容器;ならびに
(ii)滅菌水を含む第2の容器
を含む医薬キットも、本明細書において開示される。
【0267】
いくつかの実施形態において、第1の容器は、100IUから10000IUのキメラタンパク質を含む。
【0268】
いくつかの実施形態において、第1の容器は、250IU、500IU、1000IU、2000IU、3000IU、または4000IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、250IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、500IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、1000IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、2000IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、3000IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、4000IUのキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、約250IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、約300IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、約500IU超のキメラタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、第1の容器は、少なくとも約500IUのキメラタンパク質を含む。
【0269】
いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2mLから約5mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、2mLから5mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、3mLの滅菌水を含む。
【0270】
いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.1mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.2mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.3mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.4mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.5mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.6mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.7mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.8mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約2.9mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.1mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.2mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.3mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.4mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.5mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.6mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.7mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.8mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約3.9mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.1mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.2mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.3mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.4mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.5mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.6mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.7mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.8mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約4.9mLの滅菌水を含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、約5mLの滅菌水を含む。
【0271】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、凍結乾燥された医薬組成物と滅菌水とを組み合わせるための取扱説明書をさらに含む。
【0272】
いくつかの実施形態において、第1の容器は、ゴム栓を含むガラス製バイアル瓶である。
【0273】
いくつかの実施形態において、第2の容器は、注射器本体である。いくつかの実施形態において、注射器本体には、プランジャーが付随する。いくつかの実施形態において、医薬キットは、注射器本体にガラスバイアル瓶を接続するためにアダプターをさらに含む。いくつかの実施形態において、医薬キットは、静脈内輸注に好適な、注射器本体に接続される針が付随する輸注管をさらに含む。いくつかの実施形態において、第2の容器は、プレフィルド注射器である。
【0274】
医薬キットを貯蔵する方法であって、本明細書において開示される医薬キットを少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度で維持する工程を含む方法が、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵される。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵される。
【0275】
いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃から約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1ヵ月間から約36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約3、6、9、12、18、21、24、27、30、33、または36ヵ月間、約-20℃、約-25℃、約-30℃、約-35℃、または約-40℃の温度で貯蔵されている。いくつかの実施形態において、医薬キットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、または12ヵ月間、約-30℃の温度で貯蔵されている。
【0276】
VI.医薬組成物の方法および使用
医薬組成物の使用、またはそれを必要とする対象における血友病Aを治療するための方法であって、本開示の医薬組成物の有効量を対象に投与する工程を含む方法も、本明細書において開示される。いくつかの実施形態において、血友病Aの治療は、それを必要とするヒト対象における出血症状を防ぐことを含む。いくつかの実施形態において、血友病Aの治療は、それを必要とするヒト対象における出血症状を治療することを含む。いくつかの実施形態において、血友病Aの治療は、それを必要とするヒト対象における出血症状の発症または頻度を制御することを含む。いくつかの実施形態において、血友病Aの治療は、それを必要とするヒト対象における出血症状の発症または頻度を減少させることを含む。
【0277】
いくつかの実施形態において、組成物は、それを必要とする対象における出血症状または状態を治療するために使用される。出血症状または状態は、出血凝固障害、出血性関節症、筋肉出血(muscle bleed)、口腔出血(oral bleed)、出血、筋肉内への出血、口内出血(oral hemorrhage)、外傷、頭部の外傷(trauma capitis)、消化管出血、脳内出血、腹腔内出血、胸腔内出血、骨折、中枢神経系出血、咽頭後隙内の出血、腹膜後隙内の出血、腸腰筋鞘内の出血、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。さらなる他の実施形態において、対象は、手術を受けることが予定される。いくつかの実施形態において、治療は、予防的またはオンデマンドである。
【0278】
いくつかの実施形態において、当該使用または方法は、本開示のキットの凍結乾燥された医薬組成物と滅菌水と組み合わせる工程、および結果として得られる組合せ物の有効量を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、対象は、キットの凍結乾燥された医薬組成物と滅菌水とを組み合わせる。いくつかの実施形態において、組合せ物は、対象によって自己投与される。
【0279】
いくつかの実施形態において、複数回用量は、少なくとも2回の用量、少なくとも3回の用量、少なくとも4回の用量、少なくとも5回の用量、少なくとも6回の用量、少なくとも7回の用量、少なくとも8回の用量、少なくとも9回の用量、少なくとも10回の用量、少なくとも11回の用量、少なくとも12回の用量、少なくとも13回の用量、少なくとも14回の用量、少なくとも15回の用量、少なくとも16回の用量、少なくとも17回の用量、少なくとも18回の用量、少なくとも19回の用量、少なくとも20回の用量、またはそれ以上を含む。いくつかの実施形態において、複数回用量は、少なくとも約1ヵ月間、少なくとも約2ヵ月間、少なくとも約3ヵ月間、少なくとも約4ヵ月間、少なくとも約5ヵ月間、少なくとも約6ヵ月間、少なくとも約12ヵ月間、少なくとも約18ヵ月間、少なくとも約2年間、少なくとも約3年間、少なくとも約4年間、少なくとも約5年間、少なくとも約10年間、少なくとも約15年間、少なくとも約20年間、または少なくとも約25年間にわたって投与される。
【0280】
本明細書において説明されるキメラタンパクは、当技術分野において既知の任意の手段によって投与することができる。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、静脈内注射、静脈内輸注、皮下投与、筋肉内投与、経口投与、鼻腔内投与、および肺内投与からなる群から選択される経路によって投与される。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、キメラタンパク質は、皮下投与される。
【0281】
本開示を詳細に説明したが、例示の目的のみのために本明細書に含まれ、本開示を限定することを意図しない、以下の実施例を参照することによって、より明確に理解されるであろう。本明細書において言及される全ての特許、刊行物、および記事は、参照により明確にそして詳細に本明細書に組み入れられる。
【実施例1】
【0282】
異なる界面活性剤を含むエフアネソクトコグアルファ組成物の凝集の評価
この実施例において説明される実験は、異なる濃度のスクロースによって製剤化された、異なる界面活性剤(ポロキサマー188)を含む医薬組成物におけるエフアネソクトコグアルファの安定性を評価する。スクロースに加えて、各組成物は、6.8のpHにおいて、10mMのL-ヒスチジン、250mMのL-アルギニン-HCl、5mMのCaCl、および0.1%(w/v)のポロキサマー188(ポロキサマー188)も含有した。選択した界面活性剤の効果を評価するために、ポロキサマー188組成物の安定性属性も、それ以外は同じであるPS80組成物の安定性属性と比較した。
【0283】
ポロキサマー188を含むエフアネソクトコグアルファ組成物に対するスクロース濃度の影響をさらに分析するために、0、1、2、および5%w/vのスクロースのエフアネソクトコグアルファの医薬組成物を、異なる安定性条件に供して、安定性をいくつかの方法を使用して評価した。組成物を、以下の製品ステージにおいて試験した:原薬(DS、任意の特定のIU強度に対して凍結乾燥または調節されていない)凍結保存安定性、DS凍結/解凍(FT)安定性、液体DS解凍後安定性、希釈DSおよび医薬品(DP)安定性、DP凍結乾燥安定性、ならびに復元後DP。
【0284】
エフアネソクトコグアルファ組成物の凝集を、SECアッセイ(%HMWS)によって測定した。SECアッセイは、ポンプ、温度制御されたオートサンプラ、カラムヒータ、および蛍光検出器を備えるHPLC機器を使用する。試料溶液は、下記の計測器および方法パラメータを使用して分析される:
・移動相:0.36Mの塩化ナトリウムを加えたカルシウムおよびマグネシウムを含むダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)(0.9mMの塩化カルシウム、0.5mMの塩化マグネシウム、2.7mMの塩化カリウム、1.5mMの一塩基性リン酸カリウム、496mMの塩化ナトリウム、8.1mMの二塩基性リン酸ナトリウム、pH7.0±0.1)
・カラムヒータ:26℃
・実行時間:40分
・FL検出器:Ex/Em=280/350nm、PMT Gain=5
・注入質量負荷:2μg
・オートサンプラ温度:5℃
・流量:0.5mL/分、アイソクラチック
【0285】
界面活性剤として0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび1%もしくは5%(w/v)のスクロースのどちらかを含むエフアネソクトコグアルファ原薬(DS)組成物(1mg/mL)の凝集を、室温(RT)/室内光(RL)条件または2~8℃のどちらかにおいて試験した。時間経過(時)におけるRT/RL条件での凝集結果を、図2に示す。RT/RL条件において、5%から1%へのスクロースの減少は、どちらの界面活性剤を含む組成物でも、凝集を2倍増加させた。RT/RL条件において、凝集率の増加は、ポロキサマー188組成物およびPS80組成物の両方においておよそ同じであった。
【0286】
時間経過(時)における、2~8℃での凝集結果を、図3に示す。2~8℃の条件において、5%から1%へのスクロースの減少は、PS80組成物において、凝集を2倍増加させ、これは、RT/RL条件における結果と同様であった。しかしながら、2~8℃において、5%から1%へのスクロースの減少は、PS80組成物の場合、凝集を10倍増加させた。2~8℃において、凝集率の増加は、PS80組成物よりもポロキサマー188組成物においてより低かった。
【0287】
界面活性剤として0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかを含む、4000IUのエフアネソクトコグアルファ原薬(DS)液体組成物を、累積保持時間アッセイにおい評価した。エフアネソクトコグアルファ液体組成物を、室温において保持し、0、5、7、25、43、および55時間後に試験した。試料は、凍結乾燥の後にも試験した。
【0288】
累積保持時間アッセイの結果を、図4に示す。1%のスクロースおよび0.05%のPS80を含む、後で4000IUに希釈されるエフアネソクトコグアルファ原薬(DS)液体組成物は、最も高い凝集の増加を示した(図4の正方形のプロットを参照されたい)。この累保持時間アッセイの結果も、ポロキサマー188を含む組成物は、室温で、液体状態において、PS80組成物より中程度に安定であった。
【0289】
1mg/mLのエフアネソクトコグアルファDS組成物の凍結貯蔵安定性を、界面活性剤として0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかを含む組成物において評価した。0、1、2、または5%(w/v)のスクロースを含む組成物を、凍結温度(-80℃または-30℃)で保持した。測定した時点は、凍結前、実験の開始時(T0)、1ヵ月目(T1M)、3ヵ月目(T3M)、および6ヵ月目(T6M)であった。
【0290】
0.5%(w/v)のPS80を含む組成物の凍結貯蔵安定性アッセイの結果を図5に示す。0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む組成物の凍結貯蔵安定性アッセイの結果を図6に示す。-80℃において、試験した組成物のいずれも、凝集傾向は観察されなかった。しかしながら、-30℃では、PS80界面活性剤を含む組成物は、凝集の増加を示した(図5を参照されたい)。この効果は、より低いスクロース濃度において最も明白であった(例えば、図5の0%スクロースの結果を参照されたい)。対照的に、ポロキサマー188を含む組成物は、-30℃において、凝集の増加を示さなかった(図6を参照されたい)。ポロキサマー188を含む組成物は、-80℃および-30℃の両方において、同様の凝集レベルを示した。したがって、界面活性剤としてのポロキサマー188の使用は、特に組成物が-30℃で貯蔵される場合に、エフアネソクトコグアルファ組成物に対して、改善された凍結貯蔵安定性を提供し得る。
【0291】
0.1%(w/v)のポロキサマー188を含むエフアネソクトコグアルファDS組成物(1mg/mL)の凍結貯蔵安定性を、高精度液中パーティクルカウンター(HIAC)を使用して粒子試験を行うことによって、さらに分析した。0.1%(w/v)のポロキサマー188および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物を、-80℃に保持し、以下の時点:凍結前、実験の開始時(T0)、1ヵ月目(T1M)、3ヵ月目(T3M)、および6ヵ月目(T6M)、において評価した。≧10μmの粒子の結果を、図7Aに示す。≧25μmの粒子の結果を、図7Bに示す。≧の10μmの粒子は6000粒子未満であり、≧25μmの粒子は600粒子未満であり、<USP 787>の限界内であった。貯蔵において、有意な傾向は粒子において観察されなかった。
【0292】
0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む250IUまたは4000IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)の組成物の凝集を、5℃、30℃、および40℃において試験した。1%または5%w/vのスクロースを含むLyo DP組成物を試験した。試料は、T0、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、および6ヵ月において試験した。
【0293】
250IUのLyo DP組成物の結果を、図8A(5℃)、図8B(30℃)、および図8C(40℃)に示す。250IU組成物の場合、概して、PS80組成物よりもポロキサマー188組成物においてより高い凝集が示された(データは示さず)。0.1%(w/v)のポロキサマー188および1%のスクロースを含む250IU組成物は、全ての温度において、凝集の著しい増加を示した。
【0294】
4000IUのLyo DP組成物の結果を、図9A(5℃)、図9B(30℃)、および図9C(40℃)に示す。0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む全ての4000IU組成物において、両方のスクロース濃度で、全ての温度において凝集傾向は全く観察されなかった。この結果は、0.5%(w/v)のPS80を含む4000IUのLyo DP組成物の結果と一致し、また、スクロース濃度もしくは温度に基づく注目に値する凝集傾向も示さなかった(データは示さず)。
【0295】
凍結/解凍(F/T)ストレスを受けた後のエフアネソクトコグアルファ組成物の凝集も、各界面活性剤について分析した。界面活性剤として0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含む1mg/mLのエフアネソクトコグアルファDSの組成物に、-80℃または-30℃のどちらかにおいて、5サイクル(5X)(少なくとも24時間、室温で解凍)のF/Tによってストレスを加えた。試料を、凍結前(Pre Freeze)および5回のF/Tサイクル後に試験した。
【0296】
0.5%(w/v)のPS80を含む組成物の結果を、図10に示す。0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む組成物の結果を、図11に示す。0.5%(w/v)のPS80を含むDS組成物は、-80℃での5回のF/Tサイクルの後に、凝集の中程度の増加を示した(図10を参照されたい)。しかしながら、0.1%(w/v)のポロキサマー188を含むDS組成物は、-80℃での5回のF/Tサイクルの後に、凝集の変化を示さなかった(図11を参照されたい)。どちらの界面活性剤を含む組成物も、-30℃での5回のF/Tサイクルの後に、凝集の増加を示した。しかしながら、凝集の増加は、0.1%(w/v)のポロキサマー188を含む組成物よりも0.5%(w/v)のPS80を含むDS組成物において著しく高かった(図10図11を比較されたい)。したがって、エフアネソクトコグアルファ組成物における界面活性剤としての0.1%(w/v)のポロキサマー188は、-80℃においてわずかに改善されたF/T安定性を提供し得、ならびに-30℃において界面活性剤としての0.5%(w/v)のPS80に勝る著しく改善されたF/T安定性を提供し得ると考えられる。
【0297】
0.1%(w/v)のポロキサマー188を含むエフアネソクトコグアルファ組成物を試験した凝集の結果のまとめを、表1に提供する。
【0298】
【表1】
【0299】
全体的に、これらの凝集研究は、エフアネソクトコグアルファ組成物が0.5%(w/v)のPS80よりも0.1%(w/v)のポロキサマー188によって製剤化した場合に、向上した安定性を有し得ることを示唆している。ポロキサマー188組成物は、全てのスクロース濃度において、F/Tおよび-30℃での凍結貯蔵安定性アッセイでPS80組成物に勝る著しい改善を示した。したがって、ポロキサマー188は、-30℃で貯蔵される全てのエフアネソクトコグアルファ組成物において、PS80より好ましくあり得る。エフアネソクトコグアルファDSおよびBDP液体組成物も、ポロキサマー188組成物により、PS80組成物に勝る改善された安定性を示した。エフアネソクトコグアルファ凍結乾燥DPの組成物の場合、4000IUでのポロキサマー188組成物は、40℃において、6ヵ月間にわたる好ましい安定性を示した。しかしながら、PS80凍結乾燥医薬品は、ポロキサマー188と比べて、250IUにおいて著しく増加した安定性を示した。
【実施例2】
【0300】
異なる界面活性剤を含むエフアネソクトコグアルファ組成物の追加の安定性属性の評価
凝集に加えて、異なる界面活性剤を含むエフアネソクトコグアルファ組成物の安定性の他の指標を評価した。
【0301】
F/Tストレス後のエフアネソクトコグアルファ組成物中の界面活性剤の濃度を、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によって分析した。界面活性剤として0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含む1mg/mLのエフアネソクトコグアルファDSの組成物に、-80℃または-30℃のどちらか(24時間以上、室温で解凍)において、5F/TサイクルのF/Tによってストレスを加えた。試料を、凍結前(Pre Freeze)および1、3、もしくは5F/Tサイクル後に試験した。0.5%(w/v)のPS80および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物の結果を、図12Aに示す。0.1%(w/v)のポロキサマー188および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含むDS組成物の結果を、図12Bに示す。いずれの界面活性剤またはスクロース濃度においても、全てのF/Tにおいて界面活性時の濃度の変化は観察されなかった。
【0302】
F/Tストレス後のエフアネソクトコグアルファ組成物のpHの変化も分析した。界面活性剤として0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含む1mg/mLのエフアネソクトコグアルファDSの組成物に、-80℃または-30℃のどちらか(24時間以上、室温で解凍)において、5F/TサイクルのF/Tによってストレスを加えた。試料を、凍結前(Pre Freeze)および1、3、もしくは5F/Tサイクル後に試験した。pH分析の結果を図13に示す。著しいpH傾向または変化は、試験した全ての組成物において観察されなかった。
【0303】
1mg/mLのエフアネソクトコグアルファDSおよびポロキサマー188を含む組成物の濁度を試験した。1%または5%のスクロースを含む組成物を試験し、結果を、PS80を含む1mg/mLのエフアネソクトコグアルファDS組成物の濁度の結果と比較した。試験したポロキサマー188組成物のいずれにおいても、濁度における傾向または変化は観察されなかった(データは示さず)。
【0304】
界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188および0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含む250IUまたは4000IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)組成物のガラス転移温度(Tg)を測定した。Tgは、以下の工程:(i)15℃での平衡、(ii)60秒毎に1℃において調整する、(iii)5分間の等温;および、(iv)130℃への3℃/分での昇温、に従って、調節された示差走査熱量測定(DSC)によって測定した。残留含水率(%)も、全ての試料について測定した。T0でのLyo DP250IUにおけるTgおよび残留含水率の結果を、図14に示す。T0でのLyo DP4000IUにおけるTgおよび残留含水率の結果を、図15に示す。
【0305】
界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188および5%もしくは1%(w/v)のスクロースを含む4000IUまたは250IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)組成物のTgを特定した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図16A(5℃)、図16B(30℃)、および図16C(40℃)に示す。
【0306】
界面活性剤として0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかおよび0、1、2、もしくは5%(w/v)のスクロースを含む250IUまたは4000IUのエフアネソクトコグアルファの液体バルク医薬品(BDP)組成物のガラス転移温度(Tg)も特定した。両方の界面活性剤の全ての強度およびスクロース濃度におけるTgの結果を図17に示す。
【0307】
いずれかの界面活性剤を含む250IUまたは4000IUの両方の組成物において、概して、Tgは、スクロース濃度に相関することが観察され、より高いスクロース濃度は、より低いTgを示した。250IUまたは4000IUのどちらかの濃度における界面活性剤のタイプに基づいて、Tgにおける有意な差は観察されなかった。
【0308】
界面活性剤として0.1%(w/v)のポロキサマー188および1%もしくは5%(w/v)のスクロースを含む250IUまたは4000IUのエフアネソクトコグアルファの凍結乾燥された医薬品(Lyo DP)組成物の残留含水率を特定した。試料を5℃、30℃、または40℃で保持し、T0、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目、および6ヵ月目に試験した。結果を、図18A(5℃)、図18B(30℃)、および図18C(40℃)に示す。全ての温度において、ポロキサマー188組成物のいずれにおいても、残留含水率に著しい変化は観察されなかった。全ての残留含水率は、6ヵ月後に3%の仕様未満に下がった。
【0309】
目視検査において、スクロースの濃度は、2~8℃、30℃、および40℃での6ヵ月間において、ポロキサマー188製剤ケーキの外観に対して効果がなかった(データは示さず)。
【0310】
この研究の結果は、凝集を除いて、0.5%(w/v)のPS80もしくは0.1%(w/v)ポロキサマー188のどちらかによって製剤化したエフアネソクトコグアルファの組成物は、同様の安定性属性を有することを示している。例えば、ガラス転移温度、濁度、および残留水分などの他の安定性属性の評価は、界面活性剤の選択に基づくいかなる有意差も示さなかった。
【実施例3】
【0311】
エフアネソクトコグアルファ組成物の安定性に対するアルギニン濃度の効果
エフアネソクトコグアルファは、凍結/解凍(F/T)ストレス後に、可逆性の自己会合を受ける傾向を示した。エフアネソクトコグアルファ組成物におけるアルギニンの使用は、このF/T誘導性分子自己会合に対する予防効果を提供し得る。エフアネソクトコグアルファ組成物でのアルギニンの最適濃度を特定するために、様々な濃度のアルギニンを含むいくつかの組成物を製造し、凝集レベルをSECによって試験した。試験した各組成物は、濃縮されたエフアネソクトコグアルファDS(>2mg/mL)、約10mMのL-ヒスチジン、5mMのCaCl、5%(w/v)のスクロース、0.1%(w/v)のポロキサマー188(P188)、および125、150、175、200、もしくは250mMの濃度のL-アルギニン-HClを含んだ。
【0312】
試験用の組成物を製造するために、エフアネソクトコグアルファ組成物を、LyoStar2開発スケール凍結乾燥機(Protein Pharmaceutical Development Laboratories、ケンブリッジ、MA)を使用して凍結乾燥した。各試料を試験するために、組成物を解凍し、SEC分析のために即座にHPLCに注入した。解凍直後ならびに解凍の40、80、120、および160分後に、試料を分析した。
【0313】
全ての試料での凝集評価(%HMWS)の結果を、図19に示す。250mM未満のレベルのアルギニンHClを含むエフアネソクトコグアルファ組成物は、解凍の直後に凝集レベルの増加を示し、その後に、時間経過と共に凝集レベルの減少が生じた(図18)。この凝集傾向は、エフアネソクトコグアルファのF/T誘導性分子自己会合によって形成されたHMWSの形成および解離を示唆している。しかしながら、250mMの濃度のアルギニンHClを含むエフアネソクトコグアルファ組成物は、解凍直後に比較的低い凝集レベルを示し、これらのレベルは、時間経過において一貫して残留する(図18の一番右側の縦棒を参照されたい)。
【0314】
この研究の結果は、250mMの濃度のアルギニンHClを伴うエフアネソクトコグアルファ組成物が、F/T誘導性分子自己会合からより良く保護され得ることを示す。したがって、250 mMは、エフアネソクトコグアルファ組成物を製剤化する際の使用にとって、アルギニンHClの好ましい濃度であると考えられる。
【実施例4】
【0315】
非ヒト霊長類における異なる界面活性剤を含むエフアネソクトコグアルファ組成物の薬物動態の評価
この研究の目的は、マカクザルにおける、ポリソルベート80(PS80)またはポロキサマー188(P188)を含むエフアネソクトコグアルファ組成物の薬物動態学(PK)プロファイルを比較することであった。
【0316】
以下の2つのビヒクルを試験した:
【0317】
ビヒクル1:10mMのL-ヒスチジン、250mMのアルギニン-HCl、5mMの塩化カルシウム、5%w/vのスクロース、0.05%のポリソルベート80
【0318】
ビヒクル2:10mMのL-ヒスチジン、250mMのアルギニン-HCl、5mMの塩化カルシウム、5%w/vのスクロース、0.1%のポロキサマー188
【0319】
第1のグループの対象には、ビヒクル1における75IU/kg/用量のエフアネソクトコグアルファの単回静脈内(IV)ボーラス注入を投与した。第2のグループの対象には、ビヒクル2における75IU/kg/用量のエフアネソクトコグアルファの単回静脈内(IV)ボーラス注入を投与した。両方の組成物は、37.5IU/mLの濃度のエフアネソクトコグアルファを含んだ。2mLの量を、各対象に投与した。血液試料を、投薬前、0.25、1、3、8、24、48、96、168、240、および336時間の時点に、PK分析のために採取した。
【0320】
用量製剤の場合、分析した製剤試料の濃度は、それぞれグループ1および2で、それぞれの理論上の濃度の88.6%および92.0%であった。分析した製剤試料の色素活性(反復分析の後の)は、より低い範囲であり、それぞれ、グループ1および2で、それぞれの理論上の濃度の70.5%および64.9%であった。
【0321】
エフアネソクトコグアルファタンパク質濃度を、ELISAによって特定した。時間経過におけるエフアネソクトコグアルファタンパク質濃度を図20に示す。エフアネソクトコグアルファタンパク質活性を、発色アッセイを使用して特定した。時間経過におけるエフアネソクトコグアルファ活性を図21に示す。タンパク質濃度および活性プロファイルの両方は、PS80またはP188のどちらを含む組成物においても同様であった。
【0322】
エフアネソクトコグアルファタンパク質濃度および活性についてのPKパラメータを特定し、それらを表2に示す。値は、平均(±SD)として示され、各グループについて4匹の動物から生成した。表2から分かるように、PKパラメータは、PS80またはP188のどちらを含む組成物においても同程度であった。
【0323】
エフアネソクトコグアルファのタンパク質濃度および活性パラメータを、P188またはPS80組成物を受ける対象間で直接比較した。タンパク質濃度の場合、CmaxおよびAUC(0-t)比は、それぞれ、91.8%および89.8%であることが特定された。色素活性の場合、CmaxおよびAUC(0-t)比は、それぞれ、106%および105%であると特定された。
【0324】
エフアネソクトコグアルファおよびエフアネソクトコグアルファ活性について、Tmaxは、投薬後の最初の時点(すなわち、投薬の0.25時間後)において観察された。それぞれ、ビヒクル1および2において、エフアネソクトコグアルファ濃度についての平均Cmaxは、841および772であり、エフアネソクトコグアルファ活性については、2110mIU/mLおよび2230mIU/mLであった。それぞれ、ビヒクル1および2において、エフアネソクトコグアルファ濃度についての平均AUC(0-t)は25400hr*ng/mLおよび22800hr*ng/mLであり、エフアネソクトコグアルファ活性については、59600hr*mIU/mLおよび62800hr*mIU/mLであった。それぞれ、ビヒクル1および2において、エフアネソクトコグアルファ濃度についての平均t1/2は36.1時間および35.8時間であり、エフアネソクトコグアルファ活性については、34.4時間および35.3時間であった。それぞれ、ビヒクル1および2において、エフアネソクトコグアルファ濃度についての平均CL血漿は1.33mL/hr/kgおよび1.44mL/hr/kgであり、エフアネソクトコグアルファ活性については、1.29mL/hr/kgおよび1.20mL/hr/kgであった。それぞれ、ビヒクル1および2において、エフアネソクトコグアルファ濃度についての平均Vdは69.0mL/kgおよび74.4mL/kgであり、BIVV001活性については、63.8mL/kgおよび61.4mL/kgであった。
【0325】
結論として、エフアネソクトコグアルファ組成物のPKパラメータは、PS80とP188の間において、ビヒクルの選択にかかわらず、比較的同様であった。いかなる試験項目関連の臨床徴候も、または対象への投与後に注目されるいかなる注射部位刺激感もなかった。各グループについての全ての毒物動態パラメータは、4匹の動物から生成した。値は、3有効数字に四捨五入した(Tmaxを除く)。
【0326】
【表2】
【0327】
特定の実施形態についての先述の説明は、本開示の全般的性質を完全に明らかにしているため、他者は、当業者内の知識を適用することによって、過度の実験を行うことなく、本開示の全般的概念から逸脱することなく、様々な用途のためにそのような特定の実施形態を容易に変更および/または適合させることができる。したがって、そのような適合および変更は、本明細書において提示される教示およびガイダンスに基づく当該開示される実施形態の均等物の意味と範囲の内であることが意図される。本明細書における語句または専門用語は、制限目的ではなく、説明目的のものであり、したがって、本明細書の専門用語および語句は、当該教示およびガイダンスに鑑みて当業者によって解釈されるべきであることを理解されたい。
【0328】
本開示の他の実施形態は、当業者にとって、本明細書において開示される本開示の明細書および実施の考慮から明らかになろう。本明細書および実施例は単なる例示とみなされ、本開示の真の範囲および趣旨は下記の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0329】
本明細書において引用される全ての特許および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0330】
配列
【0331】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【0332】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
【配列表】
2024538091000001.xml
【国際調査報告】