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特表2024-538101用途固有の最適化のためのモジュール式の交換可能な船外フェアリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】用途固有の最適化のためのモジュール式の交換可能な船外フェアリング
(51)【国際特許分類】
   B63H 5/07 20060101AFI20241010BHJP
   B63H 1/14 20060101ALI20241010BHJP
   B63H 20/32 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B63H5/07 A
B63H1/14
B63H20/32 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522302
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022046751
(87)【国際公開番号】W WO2023064579
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/256,404
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522466854
【氏名又は名称】フラックス マリーン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソーキン,ベンジャミン
(57)【要約】
船舶推進装置が、下部ユニットを含み、下部ユニットは、中心本体を含む。中心本体は、中心本体の第1の端部に配設された前縁部と、中心本体の第2の端部に配設された後縁部と、を含み、それらの間に実質的に円筒形の部分を画定する。下部ユニットは、中心本体の前縁部に解放可能に結合されたモジュール式ノーズコーン部材を含み、モジュール式ノーズコーンは、第1の湾曲した円錐表面及び第1の嵌合表面を更に含む。下部ユニットは、中心本体の後縁部に解放可能に結合されたモジュール式テールコーン部材を含み、モジュール式テールコーンは、第2の円錐表面及び第2の嵌合表面を更に含み、第2の嵌合表面は、第1の嵌合表面に向かってかつ第1の嵌合表面に平行に配向されている。下部ユニットは、中心本体の底部側に添着されたスケグを含む。
【選択図】図12D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶推進装置であって、
下部ユニットを備え、前記下部ユニットが、
中心本体であって、前記中心本体の第1の端部に配設された前縁部と、前記中心本体の第2の端部に配設された後縁部と、を備え、それらの間に実質的に円筒形の部分を画定する、中心本体と、
前記中心本体の前記前縁部に解放可能に結合されたモジュール式ノーズコーン部材であって、前記モジュール式ノーズコーンが、第1の湾曲した円錐表面及び第1の嵌合表面を更に備える、モジュール式ノーズコーン部材と、
前記中心本体に解放可能に結合されたモジュール式テールコーン部材であって、前記モジュール式テールコーンが、第2の円錐表面及び第2の嵌合表面を更に備え、前記第2の嵌合表面が、前記第1の嵌合表面に向かってかつ前記第1の嵌合表面に平行に配向されている、モジュール式テールコーン部材と、
前記中心本体の底部側に添着されたスケグと、を備える、船舶推進装置。
【請求項2】
前記下部ユニットが、前記中心本体と軸方向に配設されたプロペラシャフトを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下部ユニットが、前記中心本体の後部で前記プロペラシャフトに添着されたプロペラを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記下部ユニットが、前記中心本体の後部で前記プロペラシャフトに添着されたテールフェアリングを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記モジュール式テールコーンが、外部円錐表面上に配設された一体化されたプレスワールベーンを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記モジュール式テールコーンが、前記モジュール式テールコーンの後部部分に配設された回転シャフトシールを備え、前記回転シャフトシールは、前記モジュール式テールコーンが回転し、かつ水の侵入を防止することを可能にするように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記モジュール式ノーズコーンが、少なくとも1つの締結具を介して前記中心本体に添着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記モジュール式テールコーンが、少なくとも1つの締結具を介して前記中心本体に添着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記モジュール式ノーズコーンが、空隙空間を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記空隙空間が、流体を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記流体が、空気である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記モジュール式ノーズコーンが、一定の半径を有する湾曲した円錐表面を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記モジュール式テールコーンが、一定の半径を有する湾曲した円錐表面を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記モジュール式ノーズコーンが、流体センサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記流体センサが、水質データを測定するように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記流体センサが、前記モジュール式ノーズコーン内の一体化されたセンサハウジング内に配設されている、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記一体化されたセンサハウジングが、前記モジュール式ノーズコーン内に配設された冷却水によって囲まれている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
船舶推進装置であって、
トーピードを備え、前記トーピードが、
中心本体であって、前記中心本体の第1の端部に配設された前縁部と、前記中心本体の第2の端部に配設された後縁部と、を備え、それらの間に実質的に円筒形の部分を画定する、中心本体と、
前記前縁部に少なくとも1つの締結具を介して解放可能に結合されたモジュール式ノーズコーン部材であって、前記モジュール式ノーズコーンが、第1の湾曲した円錐表面及び第1の嵌合表面を更に備え、前記第1の嵌合表面が、前記前縁部と実質的に同じ第1の直径を有する、モジュール式ノーズコーン部材と、
前記後縁部に少なくとも1つの締結具を介して解放可能に結合されたモジュール式テールコーン部材であって、前記モジュール式テールコーンが、第2の円錐表面及び第2の嵌合表面を更に備え、前記第2の嵌合表面が、前記第1の嵌合表面に向かってかつ前記第1の嵌合表面に平行に配向されており、前記第2の嵌合表面が、前記後縁部と実質的に同じ第2の直径を含む、モジュール式テールコーン部材と、
前記中心本体内に軸方向に配設されたプロペラシャフトであって、第1の端部の前記モジュール式ノーズコーンで終端し、第2の端部の前記後縁部を通って延在する、プロペラシャフトと、
前記モジュール式テールコーンの後部で前記プロペラシャフトに回転可能に固定されたプロペラであって、複数のブレードを備える、プロペラと、
前記プロペラの後部で前記プロペラシャフトに回転可能に固定されたプロペラコーンと、
前記中心本体の前記円筒形の部分の底部側に添着されたスケグと、を備える、トーピードを備える、船舶推進装置。
【請求項19】
前記モジュール式テールコーンが、外部円錐表面上に配設された一体化されたプレスワールベーンを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記プロペラシャフトが、モータに回転可能に結合されており、前記モータが、前記プロペラシャフトを回転させ、次に、前記プロペラを回転させるように構成されている、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月15日に出願された米国仮特許出願第63/256,404号の優先権の利益を主張し、その全容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、概して、船舶推進システムに関する。より具体的には、本開示は、プロペラシャフトを取り囲み、プロペラハウジング(例えば、スケグ、プロペラハウジングの前縁部及び/又は後縁部)から延在するモジュール式の交換可能な部品に関する。
【背景技術】
【0003】
歴史的に、船外機の下部ユニット(トーピード)及びスケグセクションは、製造から決定される幾何学形状を有し、著しい課題なしに変更することができない。典型的には、従来の推進システムは、特定のRPM範囲内で動作するプロペラの1つの設計に合わせて最適化されている。プロペラ間の違いには、直径、ピッチ(1回転当たりの進行距離)、傾斜角、及びハブの直径が含まれるが、これらに限定されない。歴史的に、スケグは、弾丸を有する単一のユニットとして製造されているため、寸法を変更する必要がある場合には課題が生じる。プロペラを保護するために、スケグは、プロペラと少なくとも同程度の深さに延在し、浸水体がプロペラに衝突することを阻止する。これにより、プロペラがスケグの深さを超えることができないため、使用され得るプロペラのサイズが制限される。使用されるプロペラよりも著しく大きいスケグを使用すると、抗力が増加し、ボートの喫水(水位線と最深点との間の垂直距離)が増加するため、悪影響が生じる。いくつかの実施形態ではノーズコーンと称されるトーピードの前縁部は、流れをかき分け、取水口が冷却循環のために水を取り込むことを可能にしながら、抗力を最小化するように設計されている。ノーズコーンの最適なプロファイルは、用途に応じて劇的に変化する可能性がある。従来の船外システムは、輪郭を変化させる能力が制限されており、多くの実施形態では、形状を調整するために追加される追加の構成要素に依存する。他の変形には、取水口の場所が挙げられる。テールコーンは、トーピードの本体を横切ってプロペラのハブに流体の流れを導くために使用される。従来の船外システムは、単一のハブ設計に合わせて最適化されており、様々なプロペラで効率的に機能する能力を制限する。従来、船外機は燃焼駆動型であるため、排気を放出する場所を必要とする。多くの場合、船外機は、ブレードが取り付けられている丸いバレルを使用するスルーハブ排気プロペラ設計を使用する。排気は、ギアケース及びプロペラの中心を通って送られる。これは、排気ノイズを減衰させる利点を有し、プロペラ上の誘導換気を最小化する。しかしながら、それは、より大きいハブを必要とし、したがって、プロペラの前面ブレード面積を低減する。
【0004】
本開示の実施形態は、上記の課題及び他の課題に対処することを意図している。
【発明の概要】
【0005】
本開示の主題の目的及び利点は、以下の説明に記載され、以下の説明から明らかであり、本開示の主題の実施により習得される。本開示の主題の追加の利点が、文書での本明細書及びその特許請求の範囲において特に指摘される方法及びシステムにより、並びに添付の図面から、実現され、成し遂げられる。
【0006】
これら及び他の利点を達成するために、また本開示の主題の目的に従って、具現化され、広く記載されるように、本開示の主題は、船舶推進装置を含み、装置は、下部ユニットを含み、下部ユニットは、中心本体を含み、中心本体は、中心本体の第1の端部に配設された前縁部と、中心本体の第2の端部に配設された後縁部と、を備え、それらの間に実質的に円筒形の部分を画定する。下部ユニットは、中心本体の前縁部に解放可能に結合されたモジュール式ノーズコーン部材を含み、モジュール式ノーズコーンは、第1の湾曲した円錐表面及び第1の嵌合表面を更に備える。下部ユニットは、中心本体の後縁部に解放可能に結合されたモジュール式テールコーン部材であって、モジュール式テールコーンは、第2の円錐表面及び第2の嵌合表面を更に備え、第2の嵌合表面は、第1の嵌合表面に向かってかつ第1の嵌合表面に平行に配向されている、モジュール式テールコーン部材と、中心本体の底部側に添着されたスケグと、を含む。
【0007】
これら及び他の利点を達成するために、また本開示の主題の目的に従って、具現化され、広く記載されるように、本開示の主題は、トーピードを含む船舶推進装置を含む。トーピードは、中心本体を含み、中心本体は、中心本体の第1の端部に配設された前縁部と、中心本体の第2の端部に配設された後縁部と、を含み、それらの間に実質的に円筒形の部分を画定する。トーピードは、前縁部に少なくとも1つの締結具を介して解放可能に結合されたモジュール式ノーズコーン部材を含み、モジュール式ノーズコーンは、第1の湾曲した円錐表面及び第1の嵌合表面を更に含み、第1の嵌合表面は、前縁部と実質的に同じ第1の直径を有する。トーピードは、後縁部に少なくとも1つの締結具を介して解放可能に結合されたモジュール式テールコーン部材を含み、モジュール式テールコーンは、第2の円錐表面及び第2の嵌合表面を更に含み、第2の嵌合表面は、第1の嵌合表面に向かってかつ第1の嵌合表面に平行に配向されており、第2の嵌合表面は、後縁部と実質的に同じ第2の直径を含む。トーピードは、中心本体内に軸方向に配設されたプロペラシャフトであって、第1の端部のモジュール式ノーズコーンで終端し、第2の端部の後縁部を通って延在する、プロペラシャフトを含む。トーピードは、モジュール式テールコーンの後部でプロペラシャフトに回転可能に固定されたプロペラを含み、プロペラは、複数のブレードを含む。トーピードは、プロペラの後部でプロペラシャフトに回転可能に固定されたプロペラコーンと、中心本体の円筒形の部分の底部側に添着されたスケグと、を含む。
【0008】
前述の概要及び以下の発明を実施するための形態の両方は、例示的であり、特許請求される本開示の主題の更なる説明を提供することを意図することを理解されたい。
【0009】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の主題の方法及びシステムを例解し、更なる理解を提供するために含まれる。図面は、明細書と一緒に、本開示の主題の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
本明細書において開示される主題の様々な態様、特徴、及び実施形態の詳細な説明は、以下に簡単に説明される添付の図面を参照して提供される。図面は例解的なものであり、必ずしも縮尺どおりに描画されているわけではなく、一部の構成要素及び特徴は、明確さのために誇張されている。図面は、本発明の主題の様々な態様及び特徴を例解し、本発明の主題の1つ以上の実施形態又は例を全体的又は部分的に例解し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態による船外機の等角図を例解する。
図2】本開示の実施形態による、推進システム全体とデュアルストラット下部ユニットとの間の構成要素レベルの相互作用を表すブロック図。
図3】本開示の実施形態による、概ね図1の線1-1の下で取った、デュアルストラット及び下部ユニットの弾丸アーキテクチャの部分側面図を例解する。
図4】本開示の実施形態による、概ね図1の線1-1の下で取った、部分正面図を例解する。
図5】本開示の実施形態による、概ね図3の線3-1の下で取った、断面側面図を例解する。
図6】本開示の実施形態による、概ね図3の線3-1の下で取った、断面上面図を例解する。
図7】本開示の実施形態による、概ね図3の線3-1の下で取った、断面正面図を例解する。
図8】本開示の実施形態による、船外動力伝送システムの概略図を例解する。
図9】本開示の実施形態による、ベルト駆動伝送システムの概略図を例解する。
図10A】本開示の実施形態による、デュアルストラット及びシングルストラットの計算流体力学の可視化を例解する。
図10B】本開示の実施形態による、デュアルストラット及びシングルストラットの計算流体力学の可視化を例解する。
図11】本開示の実施形態による、シングルストラット(右)と比較した、デュアルストラット(左)の初期の計算流体力学的抗力の結果のグラフィック表現を例解する。
図12A】本開示の実施形態による、中心本体に接続された例示的なモジュール式のノーズコーン、テールコーン、及びスケグの一連の側面プロファイル図を例解する。
図12B】本開示の実施形態による、中心本体に接続された例示的なモジュール式のノーズコーン、テールコーン、及びスケグの一連の側面プロファイル図を例解する。
図12C】本開示の実施形態による、中心本体に接続された例示的なモジュール式のノーズコーン、テールコーン、及びスケグの一連の側面プロファイル図を例解する。
図12D】本開示の実施形態による、中心本体に接続された例示的なモジュール式のノーズコーン、テールコーン、及びスケグの一連の側面プロファイル図を例解する。
図13】本開示の実施形態による、中心本体に接続された例示的なモジュール式のノーズコーン、テールコーン、及びスケグの側面プロファイル図を例解する。
図14A】本開示の実施形態による、異なる用途のために最適化された2つの例示的なノーズコーンを例解する。
図14B】本開示の実施形態による、異なる用途のために最適化された2つの例示的なノーズコーンを例解する。
図15】本開示の実施形態による、熱放散のための内部リザーバを有するノーズコーンの断面図を例解する。
図16】本開示の実施形態による、一体化されたプレスワールベーンを有するモジュール式テールコーンを例解する。
図17】本開示の実施形態による、迅速な交換のための外部アクセス装着ハードウェアを有する例示的なノーズコーンを例解する。
図18】本開示の実施形態による、海洋学研究で使用される水質を測定するための一体化された流体センサを有するノーズコーンを例解する。
図19】2つのモジュール式ノーズコーンの2つの断面形状の速度プロファイルの対照図を例解する。
図20A】冷却システムであって、ストラット内に配設され、上記システムを通って流体が流れるように構成されたモジュール式ノーズコーンに入る冷却システムを例解する。
図20B】冷却システムであって、ストラット内に配設され、上記システムを通って流体が流れるように構成されたモジュール式ノーズコーンに入る冷却システムを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、船外機用のモジュール式フェアリングのシステムを備える構成要素及びそれらの利点を詳細に説明する。船外機のフェアリングは、船外機の主構造に添着された任意の構成要素を含む。これには、下部ユニットの前縁部にあるノーズコーンが含まれるが、これに限定されない。下部ユニットの下に突出するスケグ、下部ユニットの後方に添着されるテールコーン、プロペラシャフト上でプロペラの後部に添着されるプロップコーン。モジュール式構成要素のこのシステムは、異なる使用事例用途のために推進システムを最適化することを目的として、同等の構成要素を取り替えることができるように設計されている。構成要素間で変更され得るパラメータには、スケグの長さ、ノーズコーン及びテールコーンの外部輪郭、並びにプロップコーンの直径及び形状が含まれる。いくつかの実施形態では、システムの熱放散能力を増加させるために、追加の冷却要素をシステムに追加することができる。
【0013】
船外機の浸水された部分の抗力は、プロペラによって発生した推力に対抗する。物体の速度と生じる抗力との関係は、比例関係ではなく、正面エリアのサイズ、形状、及び水の流れへの配向に大きく依存する。前縁部及び後縁部は、互いに連動して、抗力を最小化しながら、プロペラを横切って高いエネルギーの流れを伝送する。モジュール式設計を使用して、ノーズコーン及びテールコーンを一緒に又は別々に変更して、プロペラに到達しようとしている流れを修正することができる。変形としては、特定の流速に対する抗力の影響を最適化するための、曲線の焦点及び半径の変化が挙げられるが、これらに限定されない。テールコーンは、ノーズコーンと連動し、流れを、連続的な高エネルギー流路でプロペラブレードに合流するように曲げる。モジュール式テールコーンにより、トーピードは異なるハブ直径に合わせて流れを最適化することが可能となる。本開示は、1つの推進システムが複数の異なる動作プロファイルにわたってより高い効率で動作することを可能にする。
【0014】
船外機のパワートレインは、一般に、燃焼機関又は電動機、垂直駆動シャフト、ベベルギア、クラッチ、及びプロペラシャフト(プロペラが取り付けられている)などの原動機を含む。ベベルギアは、ギアの歯当たり面が円錐形状である、2つの交差シャフト間のギアである。ベベルギアは、他のギアの選択肢よりも高い効率を提供し、交差するシャフト間のギア低減を可能にし得る。クラッチは、原動機が単一の方向に動作することを可能にするために使用されるが、プロペラシャフトが時計回り及び反時計回りの両方の方向に回転することも可能にし得る。様々な実施形態では、船外機は、ドッグクラッチを使用して、フォワード、ニュートラル、及びリバースを切り替えることができる。これは、シフトギアの係合及び係合解除を必要とし、ギアの歯の早期摩耗につながる。この摩耗を最小化するために、アセンブリ全体は、環境に有害であり、廃棄が困難である可能性がある油又は潤滑剤に浸漬され得る。原動機、ギア及びベアリングを含むがこれらに限定されない主要構成要素からの熱放散は、このタイプの船外機の信頼性の高い動作に不可欠であり得る。船外機は、流体の塊(例えば、海)から流体(例えば、海水)を取り込むことができ、ここで、システムの周りに流体を循環させ、構成要素を冷却するように動作する。しかしながら、この外部流体取り込みは、摩耗及び腐食プロセスを促進する可能性がある塩、砂、及び/又は泥を含むが、これらに限定されない、汚染物質を持ち込む可能性がある。いくつかの実施形態では、原動機は、水位線の下の下部ユニット内に収容され得る。この構成は、単純化の利点をもたらすが、熱伝達能力を制限する可能性がある。様々な実施形態では、垂直駆動シャフト及びベベルギアの代わりの動力伝送の他の手段は、例えば、チェーン駆動及びベルト駆動システムを含む。様々な実施形態では、同期ベルトは、強くて耐久性があり得、より高い動力の船舶エンジン変速機での潜在的な使用を可能にする。様々な実施形態では、そのようなベルト又はチェーン技術の実装は、船舶推進システムの浸水された部分の正面エリア及び流体力学的形状がシステムの抗力及び効率に大きく影響するため、物理的なハウジング配置及び機械的組み立てにおける課題を提示し得る。
【0015】
したがって、抗力を低減し(例えば、流体力学的性質を改善する)、熱放散を改善しながら、ベルト駆動及びチェーン駆動モータに合わせて最適化された船舶推進システムが必要である。本開示の実施形態は、上記の課題及び他の課題に対処することを意図している。
【0016】
様々な実施形態では、船内外機又は船外船舶推進システムは、同期ベルトを通じて被駆動シャフトに動力を伝送する原動機、アンチベンチレーションプレート、下部ユニットハウジング、下部ユニットハウジングの底部から延在する1つ以上のスケグ、並びに下部ユニットハウジングをアンチベンチレーションプレート及びカウリング上の取り付け点(及び/又はカウリング内のフレーム構造)に接続するストラットのセット(例えば、2つのストラット)を含む。様々な実施形態では、ストラットのセットは、互いに実質的に整列され得る(例えば、平行)。様々な実施形態では、各ストラットは、取り外し可能に取り付け可能でモジュール式の後縁部の片の1つ以上(例えば、複数)を含み得る。様々な実施形態では、取り外し可能に取り付け可能な後縁部の片は、流体力学的特性の微調整を可能にし得る。
【0017】
様々な実施形態では、取り付け点は、船外船舶推進システムの実施形態では、中央部を下部ユニット及び原動機に接続するか、又は船内外機船舶推進システムの場合には、下部ユニット及びアウトドライブに接続する。様々な実施形態では、システムの特定の可変部分は、ベルト駆動技術のより低い抗力、より高い性能、及び効率的な収納を可能にする。様々な実施形態では、船舶推進システムの構成要素は、モジュール式、交換可能、及び/又は一体化された冷却チャネルを有するように構築され得る。様々な実施形態では、マルチストラット(例えば、デュアルストラット)アーキテクチャへの熱放散機能の一体化は、複数のストラットから増加した表面積を提供して、熱伝達能力を最適化し得る。様々な実施形態では、複数のストラット(例えば、2つのストラット)は、水と接触するストラットの表面積を増加させ、それによって(フィンの熱伝達と同様に)水との熱伝達(例えば、伝導)を改善する。
【0018】
様々な実施形態では、船舶推進システムの浸水された部分の正面エリア及び流体力学的形状は、システムの抗力及び効率に影響を与え得る。船舶推進システムに対する抗力を低減することは、システムの正味効率を直接改善する。様々な実施形態では、ストラットのセットは、使用中に浸水され得るため、ストラットのセットは、任意の好適な流体力学的形状を有し、それによって抗力を低減及び/又は最適化し得る。例えば、各ストラットは、翼の前縁部がストラットの前側に対応する翼形を含み得る。
【0019】
動作時には、ベルトは概して、張り側及び緩み側を有する。様々な実施形態では、ベルトは、モータが動作する周囲の水塊から隔離(すなわち、密封)され得る。様々な実施形態では、ベルトの両側は、ベルトに張力を提供するように支持され得る。様々な実施形態では、ベルトに張力を提供することは、周囲の水からの汚染を低減(例えば、停止)し得る。様々な実施形態では、船舶推進システムは、とりわけ、連続ループ動力伝送デバイスを含み得る。例えば、原動機は、ベルト又はチェーンを介してプロペラに機械的に(例えば、回転的に)結合され得る。
【0020】
様々な実施形態では、各ストラットは、互いから所定の距離に位置決めされ、それによってストラット間の流体の流れを可能にし得る。例えば、デュアルストラット配置において、ストラットは、互いから約2~約24インチに位置決めされ得る。様々な実施形態では、ストラットは、互いから約1.5~6インチに位置決めされ得る。様々な実施形態では、より大きい用途(例えば、ヨット、タグボートなど)では、ストラットは、数フィート離れて位置決めされ得る。様々な実施形態では、ストラットは、約12フィートまで離れて位置決めされ得る。様々な実施形態では、ストラットの間隔は、例えば、(1)ストラット間の流体力学的相互作用及び/又は(2)下部ユニットの流体力学的抗力などの1つ以上の性能要因に依存し得る。様々な実施形態では、ストラットが広くなるにつれて、複数のストラット間の流体相互作用が少なくなり得る(干渉)。様々な実施形態では、より広いストラットは、特定の性能要因を改善し得る。様々な実施形態では、下部ユニットのサイズ(例えば、抗力エリア)は、最小化され、それによって抗力を最小化し得る。様々な実施形態では、下部ユニットのサイズは、下部ユニットの小さい正面エリアを提供することによって最小化され得る。様々な実施形態では、下部ユニットのサイズは、ストラットのサイズに比例し得る。例えば、より広いストラットの場合、より大きい下部ユニットが提供され得る。様々な実施形態では、ストラットは、平行ではない可能性がある。例えば、ストラットは、非線形であり得るか、又は水平線(海面)に対してある角度(例えば、「V」形状)で配設され得る。
【0021】
様々な実施形態では、各ストラットは、水を通る抗力を最小化する垂直ストラットの断面プロファイルを含み得る。様々な実施形態では、断面プロファイルは、連続ループ(例えば、ベルト又はチェーン)を収容するのに十分な空隙空間を可能にしながら、抗力エリアを低減(例えば、最小化)し得る。様々な実施形態では、各ストラットは、翼形を含み得る。様々な実施形態では、任意のストラット(例えば、いくつか又は全てのストラット)は、その長さに沿って実質的に均一な形状を有し得る。様々な実施形態では、任意のストラット(例えば、いくつか又は全てのストラット)は、そのそれぞれの長さに沿って変化する形状を有し得る。例えば、ストラットは、前縁部から後縁部まで、より広い翼(より高い抗力エリアを有する)からより薄い翼(より低い抗力エリアを有する)まで、テーパ状であるか又はその逆であり得る。様々な実施形態では、任意のストラット(例えば、いくつか又は全てのストラット)は、ストラットの長さに沿って(流れの方向に)実質的に均一な幅を有し得る。例えば、翼形は、ストラットの全長に沿って実質的に同様の(例えば、等しい)コード長及び/又は反り曲線を有し得る。様々な実施形態では、任意のストラット(例えば、いくつか又は全てのストラット)は、ストラットの長さに沿って(流れの方向に)変化する幅を有し得る。例えば、翼形は、ストラットの全長に沿って変化するコード長及び/又は反り曲線を有し得る。ストラットは、ストラットを通過する中心軸を中心に対称的な鏡像形状を有することができ、代替的に、各ストラットは、隣接するストラットに対して独自の形状/プロファイルで形成されることができる。
【0022】
様々な実施形態では、各ストラットは、連続ループの各側(すなわち、緩み側及び張り側)を収容するように構成された別個の空隙空間を含み得る。様々な実施形態では、垂直ストラットのうちの1つ又は全ての内部の別個の空隙空間は、流体(例えば、熱伝達流体)を船外機全体に伝達するように構成され得る。
【0023】
様々な実施形態では、ストラットのうちの1つ以上は、分割線を含み得、それによって、ストラットを2つ以上の片に分離する。様々な実施形態では、分割線は、連続ループ(例えば、チェーン又はベルト)が製造中又は製造後に(例えば、修理のために)設置又は取り外され得るように、アクセスの容易さを可能にする。分割線(複数可)は、ストラットの全体の部分に沿って(例えば、ノーズコーンとアンチベンチレーションプレートとの間に)延在し得る。
【0024】
図1は、船外船舶推進システム100の等角図を例解する。様々な実施形態では、船舶推進システム100(例えば、船外機)は、パワーヘッドセクション、原動機カウリング、ベルト駆動部、アンチベンチレーションプレート、デュアルストラット伝送ハウジング、プロペラを有する下部ユニット、及びスケグを含み得る。様々な実施形態では、船外船舶推進システム100は、ボートのトランサムをトランサム装着パッド103を介して船外中央部102に解放可能に結合するように構成された装着部101を含む。様々な実施形態では、船外機は、ステアリングブラケット104に装着され、ステアリングチューブ105の軸の周りで船外機を回転させるケーブル、プーリ、油圧及び/又は電気機械式アクチュエータを含むがこれらに限定されない、種々の方法を通して操舵され得る。様々な実施形態では、船外機の角度、したがって推進角度も、傾斜軸106の周りで制御することができる。様々な実施形態では、原動機構成要素は、電気的に又は液体燃料で動力供給されるかにかかわらず、上部カウリング107の下に位置している。様々な実施形態では、ボートのトランサムに面するカウリング107の側面は、フェースプレート108を含み得る。様々な実施形態では、原動機の駆動シャフトは、同期駆動ベルト(図示せず)を介してプロペラシャフト109に接続されている。様々な実施形態では、同期駆動ベルトは、次に、プロペラ110を駆動し、船舶推進システム100が添着されているボートを推進するための運動量を生み出す。他の実施形態では、プロペラは、インペラ、ウォータージェット、又は他の推進デバイスによって置き換えられ得る。この実施形態では、プロペラテールコーン111及びテールフェアリング112が、乱流損失を最小化し、効率を最大化するために、プロペラの幾何学的プロファイルに適合する。他の実施形態では、プロペラテールコーン111及びテールフェアリング112の形状は、異なるプロペラに適合するように調整することができる。スプロケット(下部ユニット内に配設される)が、プロペラシャフト109に同心円状に装着されており、下部ユニット114内に収容されている。様々な実施形態では、下部ユニット114は、その先端部分にノーズコーン115を含み得る。1つ以上のストラット116は、ベルトが、上部カウリング107の下で原動機に取り付けられたスプロケットから、プロペラシャフト109上のスプロケットに動力を伝送するための開放経路を提供する。別個のストラット116本体は、追加の転動構成要素なしでベルトが動作することを可能にし、可能な限り高い効率を可能にする。1つ以上のストラット116は、従来技術で要求されているようにベルトが障害物又は形状の周りに誘導される必要がないように離間している。ストラット本体は、プロペラ110への抗力を低減し、層流を最大化する、流体力学的ストラット前縁部117及びストラット後縁部118を有する。ストラット116は、中央部底部カラー121に締結されているアンチベンチレーションプレート120に接続している。これは、次に、中央部の底部に締結されている。様々な実施形態では、中央部上部カラー122が、中央部102と上部カウリング107との間の境界部を提供し得る。様々な実施形態では、1つ以上のスケグ124が、下部ユニットの下に配設されている。2つ以上のスケグが提供される様々な実施形態では、各スケグは、下部ユニット114の周りに等間隔に位置決めされ、プロペラの上流に位置し得る。
【0025】
図2は、推進システム全体とデュアルストラット下部ユニットとの間の構成要素レベルの相互作用を表すブロック図200を例解する。構成要素ブロックは、概して、船内又は船外のいずれかに位置しており、説明文によって示されるように、機械的又は電気的に接続されている。様々な実施形態では、オペレータは、制御ヘルムを介してシステムを制御し、制御ヘルムは、オンボード通信信号を使用してエネルギー貯蔵システムとインターフェースし、追加の通信ケーブルを使用して船外の電力電子機器とインターフェースする。シリアル、CANバス、SPI、アナログ、及びデジタルを含むがこれらに限定されない通信プロトコルを使用することができる。様々な実施形態では、エネルギー貯蔵システムは、DCバスを通じて電力電子機器ブロックに接続されている。様々な実施形態では、DCバスは、12V~900Vを超える範囲であり得る。様々な実施形態では、電力電子機器ブロックは、概して、原動機を駆動するためにDC電圧を使用することが必要な全ての電力段及び制御構成要素を包含する。様々な実施形態では、制御ヘルムからの信号に基づいて、電力電子機器は、DCバスを通じてエネルギー貯蔵システムからエネルギーを引き出し、原動機を制御し得る。様々な実施形態では、原動機は、位相電力及びフィードバック信号を通じた、電動機であり得る。様々な実施形態では、原動機は、ドライバシャフトを通じて同期ベルトに機械的に結合されている。様々な実施形態では、ベルトは、下部ユニット内に位置する被駆動シャフトを回転させ、それによってプロペラに動力を供給する。
【0026】
図3は、概ね図1の線1-1の下で取った、デュアルストラット及び下部ユニットの弾丸アーキテクチャの部分側面図を例解する。線1-1は、いくつかの実施形態では、動作中の船外機付きボートの水位線である。動作時に、水位線1-1の下の全ての構成要素が浸水され、システムの流体力学的抗力に寄与する。背景において説明したように、船内外機及び船外船舶推進システムは、ギアケースをパワーヘッドに接続するシングルストラットハウジングを使用し得る。追加的に、ほぼ全ての燃焼船外機は、シャフト及びベベルギアシステムを使用して、燃焼又は電動パワーヘッドからプロペラに動力を伝送する。そのタイプの下部ユニットでは、フォワードからニュートラルへリバースまで切り替えるための機械的機構が必要とされる。このタイプの動力伝送は、ギアを潤滑するための一貫したメンテナンスを必要とし、ゼロでない回転速度でシフトするために速く摩耗し、15%の効率損失をもたらす可能性がある。ベベルギアはまた、著しいノイズを発生させる。
【0027】
材料技術の最近の進歩により、効率を増加させ、ノイズを減少させ、メンテナンスを低減し、コストを低下させる潜在性を有する、より堅牢な同期ベルト駆動部の開発が可能になった。本開示は、ベルトの各側が異なるストラットを通って進むマルチストラット本体配置を通じて、船舶推進システムにおける同期ベルトの使用を可能にする。追加的に、本開示はまた、電気原動機からの電子反転を使用するための方法を提供し、それにより、複雑な機械的シフトの解決策に対する必要性を排除する。
【0028】
様々な実施形態では、マルチストラット設計は、移動中のプロペラへの流体の流れの妨げを最小化する。様々な実施形態では、マルチストラット(例えば、デュアルストラット)設計は、システム全体の堅牢性を増加させながら、抗力を誘発する正面エリア(すなわち、抗力エリア)を低減する。様々な実施形態では、ストラット116及びアンチベンチレーションプレート120の境界部は、一体的に形成されている。様々な実施形態では、ストラット116及びアンチベンチレーションプレート120の境界部は、(例えば、ボルト及びナットを用いて)機械的に締結されている。様々な実施形態では、ストラットの底部は、下部ユニット114と一体的に形成され得る。様々な実施形態では、下部ユニット114は、弾丸形状(弾丸+弾丸ケーシング)であり得る。様々な実施形態では、同期ベルト130の第1の部分(例えば、張り側)及び第2の部分(例えば、緩み側)は、第1及び第2のストラット116内の空隙空間内の水及び/又は外部流体から保護されている。したがって、ベルト130は、第1のストラット116を通って、下部ユニット114内に(動作時には垂直に)延在し、そこで、プロペラ110に係合してフォワード/リバース)駆動し、第2のストラット116を通って上に延在し、カウリング107内に戻る。
【0029】
様々な実施形態では、抗力は、ストラット116の前縁部117及び後縁部118に適用される流体力学的形状を通じて低減され得る。様々な実施形態では、前縁部117と後縁部118との間のストラット116の側面の凸状表面が、形状抗力及び波の生成を低減する。様々な実施形態では、凸状表面のプロファイルは、ストラット間で対称である必要はなく、異なる用途のために変更され得る(すなわち、全てのストラットが同一の形状である必要はない)。様々な実施形態では、ストラット116は、互いの鏡像であり得る(例えば、第1のストラットは、第2のストラットの鏡像であり得る)。様々な実施形態では、ストラット116の側面は、実質的に平行であり、同等の長さであり得る。様々な実施形態では、ストラットは、非平行であり得る。様々な実施形態では、ストラット間の空間は、ストラットの高さにわたって増加又は減少し得る。
【0030】
様々な実施形態では、ストラット116の側面は、凹面を有していない場合がある。様々な実施形態では、前縁部117は、ストラット116と一体的に形成され得る。様々な実施形態では、前縁部117は、別個に製造され、ストラット116に取り外し可能に締結され得る。様々な実施形態では、後縁部118は、ストラット116と一体的に形成され得る。様々な実施形態では、後縁部118は、別個に製造され、例えば、ストラット取り付け点を介して(例えば、ねじ、ボルトなどを用いて)ストラット116に取り外し可能に締結され得る。様々な実施形態では、前縁部117及び/又は後縁部118は、モジュール式であり、性能最適化のために入れ替え可能であり得る。追加的又は代替的に、ストラット(複数可)は、ベルトの修理及び検査を可能にするためにアクセスパネルを含むことができる。アクセスパネルは、前縁部/後縁部から離間させることができ、ストラット(複数可)の概ね平面状のセクション内に位置することができる。
【0031】
様々な実施形態では、ストラット(複数可)は、動作中の前縁部及び/又は後縁部の表面形状の能動的な制御を含み得る。例えば、電子制御(例えば、リアルタイム又は手動)は、翼形の反り又はコード長を変更し得る。別の例では、電子制御(例えば、リアルタイム又は手動)は、連続ループ(例えば、ベルト)が空隙空間内で動作するのに十分な余地を有するように、翼形の幅(例えば、抗力エリア)を変更し得る。
【0032】
流体力学的な抗力低減及び推進効率の増加を更に支援するのは、アーキテクチャの全体的な形状である。様々な実施形態では、流入する流体の流れは、最初にノーズコーン115と相互作用する。様々な実施形態では、ノーズコーン115の幾何学的形状は、ノーズコーン115からノーズコーン/下部ユニット境界部にわたって下部ユニット114への滑らかな遷移を有して設計され得る。様々な実施形態では、ノーズコーン115は、取り外し可能であり、入れ替え可能である。様々な実施形態では、ノーズコーン115は、任意の好適な形状を含み得る。例えば、ノーズコーン115は、鈍角の弾丸のような形状を含み得る。様々な実施形態では、下部ユニット114の中心本体113が、実質的に円筒形状(例えば、弾丸ケーシング形状)を有し得る。別の例では、ノーズコーン115は、より鋭利な先端を有する実質的に円錐形であり得る。様々な実施形態では、流体の流れが下部ユニット114を通過するとき、境界層の分離が乱流を引き起こし得、したがって推進システム100上の圧力抗力を増加させるため、テールフェアリング112は、テールフェアリング/下部ユニット境界部上の損失を誘発する境界層の分離を最小化し得る。様々な実施形態では、テールフェアリング112は、テールフェアリング/プロペラハブ境界部がプロペラハブと流体力学的に噛み合い、プロペラに入る流れを最適化するように形状設定されている。したがって、ストラット116、下部ユニット114、ノーズコーン115、及びテールフェアリング112は、サイズ/形状/直径に急激な変化がない事実上シームレスな設計で構成することができ、これらの構成要素のアセンブリは、抗力を最小化するために連続的な外部表面エリアを形成する。
【0033】
様々な実施形態では、テールフェアリングは、中心本体113におけるより大きい直径からプロペラ110におけるより小さい直径までテーパ状である円錐台形状であり得る。様々な実施形態では、プロペラ110がスピンし、高圧及び低圧の領域を発生させると、流れは、プロペラテールコーン111にわたって方向付けられ、乱流を低減し、したがって、推進システム100上の抗力を更に最小化する。典型的な燃焼型船舶エンジンでは、エンジン排気は、概して、単一の部分を通って下に方向付けられ、プロペラの中心を通って外に方向付けられる。本開示は、このスタイルの排気を排除し、より効率的な全体的な流体力学的アプローチを可能にする。
【0034】
様々な実施形態では、1つ以上のスケグ124は、下部ユニット114の中心本体113に取り付けられ得る。様々な実施形態では、中心本体113は、1つ以上のスケグ124の取り付けを可能にするように構成された1つ以上のスケグ取り付け点を含み得る。様々な実施形態では、スケグ124は、概ねフィンのような形状を有し得る。様々な実施形態では、スケグ124は、その長さに沿って一定の厚さを有し得る。様々な実施形態では、スケグ124は、その長さに沿って変化する深さを有し得る。例えば、スケグ124は、第1のより大きい深さdから第2のより小さい深さdまでテーパ状であり得る。様々な実施形態では、スケグ124の一方の側は垂直であり得、一方、他方の側はテーパ状であり得る。様々な実施形態では、スケグ124の両側がテーパ状でなり得る。様々な実施形態では、スケグ124は、ストラット116と同様の、曲線状又は翼形を有し得る。様々な実施形態では、スケグ124は、スケグ/下部ユニット境界部で取り外し可能であり、交換可能である。様々な実施形態では、スケグ124は、スケグ/下部ユニット境界部において一体的に形成され得る。様々な実施形態では、スケグ124は、プロペラ110に進入する流れの乱れを最小化する後縁部を有することによって、安定性及び流体力学的流れの相互作用に寄与する。様々な実施形態では、スケグ124の最下縁部は、プロペラ110のブレードよりも低くあり得、物理的な物体の衝突からのプロペラ110の保護を提供する。追加的又は代替的に、スケグ124の場所は、下部ユニット114に対して上流/下流に調整することができる。
【0035】
図4は、概ね図1の線1-1の下で取った、部分正面図を例解する。図4に示されるように、原動機128は、駆動シャフト(図示せず)を介してベルト130に回転可能に結合されている。原動機が回転すると、ベルト130の左側130a又はベルト130のライド側130bのいずれかが、プロペラとの間で回転力を伝送し得る。示された例では、ベルト130が反時計回りに(原動機128の観点から)回転している場合、ベルトの左側130aは緩み側であり、ベルト130の右側130bは張り(すなわち、張力)側である。様々な実施形態では、2つのストラット116間の隙間の幅(各ストラットの内側縁部間の距離によって測定される)は、流体(例えば、海水)の通過を可能にし、ベルト130のライド側130bとベルト130の左側130aとを互いに平行に保ちながら、より大きい又は小さい全体的な構成要素の寸法に対応するように変更することができる。様々な実施形態では、ストラット116の内側縁部間の距離dgapは、例えば、正面(抗力)エリアを低減するために、理想的な性能メトリックに基づいて変えることができる。様々な実施形態では、外側縁部間の距離douterも、例えば、より厚い勾配のあるベルトに対応するために変えることができる。様々な実施形態では、ストラット/下部ユニット境界部は、水がストラット116を通ってプロペラ110に進むときに流れの乱れを最小化するために、緩やかな流体力学的形状を有し得る。様々な実施形態では、プロペラ110は、ストラット116の前に配置され得る。様々な実施形態では、アンチベンチレーションプレート120は、ストラット116の上部(すなわち、近位端部)に接続し得、プロペラが表面から空気を吸い込むのを防止し得る。アンチベンチレーションプレートは、口語的に「キャビテーションプレート」と称され得る。ストラット116の上部端部は、カウリング107に直接接続することができ、追加的又は代替的に、ストラット116の上部端部は、カウリング107を受容する装着プレート/フレームに接続することができる。
【0036】
図5は、概ね図3の線3-1の下で取った、部分的に断面の部分側面図を例解する。様々な実施形態では、スプロケット126は、プロペラシャフト119に同心円状に固定されており、プロペラシャフト119は、テールフェアリング112を通して下部ユニットの弾丸を出る。様々な実施形態では、下部ユニット114の内側は、シャフトシールのセットを含む、全ての縁部及び境界部上のシールを通じて海水から保護されている。様々な実施形態では、ストラット116の両方の前縁部117は、冷却水がそこを通って流れることを可能にするように冷却水通路117aを含む。様々な実施形態では、冷却水は、冷却水ポートを通して各ストラットに入ることができ、次いで、冷却水通路117aを通って流れることができ、これが、伝導を通じて冷却水から熱を除去する。したがって、本開示は、閉回路流体冷却システムを提供し、この場合、冷却水循環経路が、ストラット116、ノーズコーン115、及びアンチベンチレーションプレート120内に保持される。したがって、冷却水システムは、動作時に周囲の水の吸入に依存する必要はない。様々な実施形態では、各ストラットの冷却水通路(複数可)117aは、冷却水をノーズコーン空隙115aに流入させることを可能にし、ノーズコーン空隙115aは、浸水された、排熱リザーバとして作用する。様々な実施形態では、ノーズコーン空隙115aは、熱伝達流体の乱流を増加させ、したがって排熱能力を増加させるように構成された1つ以上のノーズコーンターブレータ115b(例えば、起伏のある構造/壁/ストリップ)を含む。任意選択的に、冷却水通路117aは、アンチベンチレーションプレート120全体に延在し得る。
【0037】
様々な実施形態では、冷却水は、ストラット116を通って、及び冷却水通路117aを介して熱回路140に双方向に流れることができる。様々な実施形態では、冷却水通路117aは、管類、ホース類、パイプ、及び/又は他の流体伝達方法を含み得る。様々な実施形態では、熱回路は、電力電子機器及び原動機を含むが、これらに限定されない、電子コントローラポンプ及び/又は熱生成構成要素を含み得る。様々な実施形態では、一組の冷却水ポートシールが、熱伝達流体が汚染されないことを確実にする。様々な実施形態では、追加の空隙が、後縁部(複数可)118、ベルト収納空隙131、テールフェアリング112、及び/又は下部ユニット114に提供され得、追加の冷却水通路に使用することができる。様々な実施形態では、ベルト収納空隙131の長手方向の幅は、異なるサイズのベルトに合わせて変えることができる。様々な実施形態では、後縁部118は、固着パネル118b(例えば、Tブロック)に固着するように構成された後縁部締結具118aのセットによって機械的に締結され得る。様々な実施形態では、この取り付け方法は、ベルト130の設置及び取り外しのために、後縁部118をストラット116から分離することを可能にする。様々な実施形態では、ベルト収納空隙131は、空隙のサイズ(例えば、空隙空間の幅)が最小化されるように最適化され得る。様々な実施形態では、より少ない空隙空間は、流体力学的な観点からより良好であり得る(例えば、より少ない抗力エリア)。様々な実施形態では、ベルト収納空隙131は、ベルト130の両側で約1/8インチであり得る。様々な実施形態では、スプロケット間隙125は、同様の1/8インチの間隙を有し得る。様々な実施形態では、スプロケット間隙125は、ベルトがスプロケット126の周りでそれほど多くの動きを有さない可能性があるため、ベルト130とベルト収納空隙131の内側との間の空間よりも小さくあり得る。様々な実施形態では、ベルト収納空隙131は、ベルトの両側に約0.01インチ~約0.25インチの間隔(例えば、幅)を含み得る。例えば、ベルト130の両側の0.25インチは、ベルト収納空隙131の全幅に対して0.25インチ+0.25インチ+ベルト厚さ(インチ)をもたらす。様々な実施形態では、ベルト収納空隙131は、ベルトの両側に約0.01インチ~約6インチの間隔(例えば、幅)を含み得る。様々な実施形態では、間隔は、システムサイズに対応し得る。様々な実施形態では、間隔(例えば、幅)は、ベルトの両側で約12インチであり得る。
【0038】
図6は、概ね図3の線3-1の下で取った、部分的に断面の部分上面図を例解する。様々な実施形態では、ノーズコーン115は、周囲の流体塊との付着した流れを維持する(例えば、境界層の分離を低減する/防止する)外部輪郭を有する。様々な実施形態では、ノーズコーン115は、円錐形状を有する。様々な実施形態では、ノーズコーン115は、先端が鈍角であり得るか、又は丸みを帯び得る。様々な実施形態では、輪郭は、異なる動作条件に合うように変更することができる。様々な実施形態では、下部ユニット114は、円筒形形状であり、両方のストラットに接続され得る。様々な実施形態では、後縁部118は、Tブロック118bに固着された締結具を通じてストラット116に接続され得る。次に、Tブロックは、デュアルストラット本体の壁によって保持される。様々な実施形態では、前縁部117は、円形の直径を有する冷却水通路117aを含み得る。様々な実施形態では、冷却水通路117aは、熱回路140を通して実質的に一定の直径を有し得る。
【0039】
図7は、概ね図3の線3-1の下で取った、部分的に断面の部分正面図を例解する。図7に示されるように、下部ユニット114及びストラット116は、ベルト130が通過し得るベルト収納空隙を含む。様々な実施形態では、ストラット116は、ストラット内側壁及びストラット外側壁を含む。様々な実施形態では、ストラット内側壁及びストラット外側壁は、任意の好適な材料で作製され得、ストラット本体の残りの部分と一体的に形成されることができるが、必須ではない。様々な実施形態では、ストラット壁の厚さは、堅牢性を増加させるか、又は抗力を減少させるために、用途に基づいて選択され得る。様々な実施形態では、下部ユニット114内で、ベルト駆動スプロケット126は、プロペラシャフト119と同心である。様々な実施形態では、キー溝127が、スプロケット126とプロペラシャフト119との間でトルクを伝送するために使用される。様々な実施形態では、スプラインを使用することができるか、又はスプロケット126及びプロペラシャフト119を一体的に形成することができる。様々な実施形態では、ベルト130の厚さに対応するために、空気充填スプロケット間隙125が下部ユニット114内に存在する。様々な実施形態では、デュアルストラット構成に起因して、ベルト130は、下部ユニット114のいずれの他の部分にも物理的に接触することなく、スプロケット126を中心に回転可能である。様々な実施形態では、この非接触動作は、ベルト又は伝送構成要素が油充填浴内で動作することを必要とする他のモータと比較して、無潤滑動作を可能にする。ベルト130は、スプロケットのおよそ180度の回転にわたるそれぞれの表面間の係合を伴って、スプロケット126に巻き付くことができる。スプロケット126は、示されるように、隆起した歯を含むことができ、ベルトとの摩擦係合を増加させ、より大きいトルクを発生させる。
【0040】
図8は、従来の船外動力伝送システムの概略図を例解する。様々な実施形態では、これは、垂直に延在する駆動シャフト808を有する原動機807を利用する。様々な実施形態では、動力は、ギアを使用して、垂直駆動シャフト及び水平プロップシャフトから伝送される。様々な実施形態では、ピニオンギア809が、クラウンギア811及び813と併せて使用され、回転速度を被駆動シャフトに伝達する。多くの実施形態では、クラッチが、時計回り又は反時計回りのクラウンギアのいずれかと係合することができる摺動カラー812とともに使用される。様々な実施形態では、この機構は、原動機の駆動方向を維持しながら、プロペラシャフトの回転方向の変更を可能にする。
【0041】
図9は、ベルト駆動伝送システムの概略図を例解する。様々な実施形態では、これは、原動機901と下部被駆動シャフト905との間の動力伝送の代替手段についての特定の実施形態の概略図である。様々な実施形態では、原動機は、連続ループ904を介してベルトを下部スプロケット又はギア906に駆動可能な、スプロケット又はギア902を支持する、水平に延在する駆動シャフト903を利用する。
【0042】
様々な実施形態では、任意のストラットは、非線形形状を含み得る。様々な実施形態では、非線形形状に対応するために、ベルトは実質的に真っ直ぐなままであり得るが、ベルト収納空隙131の幅(ベルトとストラット空隙の内側壁との間の空間)は変わり得る。様々な実施形態では、ストラットは、ベルト130が追従する曲線を生じるように構成されたプーリ(例えば、ローラプーリ)を含み得る。様々な実施形態では、低摩擦パッドが、ベルト収納空隙131内の任意の好適な位置に位置決めされることができる。様々な実施形態では、上記3つの方法の任意の組み合わせは、非線形ストラット形状を達成するために一緒に働くことができる。様々な実施形態では、ストラットの前縁部は、不均一なプロファイル(上から下に見て)を含み得る。
【0043】
本明細書に開示される様々な構成要素(例えば、ストラット、ノーズコーン、フェアリング、スケグ)は、金属(例えば、アルミニウム、鋼、チタンなど)剛性ポリマー及びプラスチック、木材などを含む種々の材料から形成することができる。様々な実施形態では、様々な構成要素は、複合材料(例えば、炭素繊維、ガラス繊維など)を含み得る。様々な実施形態では、様々な構成要素は、ゴムを含み得る。様々な実施形態では、様々な構成要素は、熱可塑性樹脂を含み得る。様々な実施形態では、様々な構成要素は、任意の好適な金属ベースの合金を含み得る。様々な実施形態では、様々な構成要素は、高い熱伝導性及び高い耐食性を有する材料を含み得る。様々な実施形態では、様々な構成要素は、1つ以上のコーティング(陽極酸化、粉末コート、化学気相堆積、塗料など)を含み得る。様々な実施形態では、様々な構成要素は、2つ以上の材料から形成され得る(すなわち、ノーズコーンは、ゴムベースの先端部を有する主にアルミニウムであり得る)。
【0044】
図10A図10Bは、開示されたデュアルストラット及び従来のシングルストラットの計算流体力学の可視化を例解する。様々な実施形態では、この半体分析を使用して、シングルストラットと比較したデュアルストラットの予備的な流体力学的効果及び意味を理解した。図10A図10Bのプロットは、流体流量値の大部分が均一な陰影によって証明されるような層流を示している(図10Bのプロットのより暗い部分は水位線の上にある)。
【0045】
図11は、従来のシングルストラット(右)(反復150でおよそ45,500ニュートン)と比較した、開示されたデュアルストラット(左)(反復150でおよそ37,500ニュートン)の初期の計算流体力学的抗力の結果のグラフィック表現を例解する。このシミュレーションは、シングルストラットと比較して、デュアルストラットの流体力学的利点を証明している。
【0046】
図12A~12Dは、中心本体に接続された例示的なモジュール式のノーズコーン、テールコーン、及びスケグの様々な側面プロファイル図を例解する。特に、図12は、モータなどの推進システムの残りの部分に1つ以上のストラット1201を介して接続されている船舶推進システムの浸水された部分を例解する。様々な実施形態では、各ストラット1201は、半径を有する湾曲した後縁部1202を含み得る。様々な実施形態では、半径は、流れ特性を最適化するように選択され得る。様々な実施形態では、湾曲した後縁部は、楕円形、放物線形、ストラットの長さに沿った一定の半径、又はストラットの長さに沿った変化する半径であり得る。様々な実施形態では、各ストラット1201は、下部ユニット1203に接続している。様々な実施形態では、下部ユニット1203は、ノーズコーン1208を含む。様々な実施形態では、下部ユニット1203は、テールコーン1205を含む。下部ユニット1203、ノーズコーン1208、及びテールコーンは、まとめてトーピード1209と称され得る。下部ユニット1203は、中心本体1206を含み、中心本体1206は、中心本体113と同じ又は同様であり得る。
【0047】
様々な実施形態では、テールコーン1205は、締結具(例えば、ねじ、クリップ、ナット及びボルト、ラッチなど)を介して、又は他の非永久的な取り付け方法を使用して、下部ユニット1203に接続されている。様々な実施形態では、テールコーン1205は、下部ユニット1203への連続的な輪郭に追従する。様々な実施形態では、テールコーン1205は、より大きい直径(例えば、下部ユニット1203の直径)からより小さい直径(例えば、プロペラハブの直径)までテーパ状である。様々な実施形態では、テールコーン1203の後部で、プロペラシャフト1204は、プロペラ1312を支持するために、下部ユニット及びテールコーン1205から外向きに延在する。
【0048】
様々な実施形態では、スケグ1207は、プロペラと少なくとも同程度の深さに延在し、それによって、動作中に浸水された物体がプロペラに衝突するリスクを低減する。様々な実施形態では、スケグ1207は、特定のプロペラのサイズ(例えば、プロペラの最長の半径方向長さ)に合うように、スケグを交換するために取り外すことができる機械的締結具を使用してトーピードに接続されている。
【0049】
様々な実施形態では、ノーズコーン1208は、下部ユニット1203の前縁部として作用する。様々な実施形態では、ノーズコーン1208は、下部ユニット1203の周り及びプロペラ1312への流体の流れを最適化するように形状設定され得る。様々な実施形態では、ノーズコーン1208の外部輪郭は、一定又は変化する半径の曲線を含む。
【0050】
様々な実施形態では、ノーズコーン1208は、熱エネルギーを周囲の水塊に放散することが可能な流体体積を収容するための空隙空間を有して形成され得る。様々な実施形態では、流体は、作動流体(例えば、エネルギーを吸収し、エネルギーを他の場所に伝達するのに好適な特性を有する流体)であり得る。様々な実施形態では、ノーズコーン8は、機械的締結具又は他の非永久的な接合構成要素のいずれかを使用して、連続的な輪郭を有して下部ユニット1203に接続している。垂直ストラットの前縁部1210は、湾曲したプロファイルに追従する。いくつかの実施形態では、曲線は、ストラットの長さに沿って一貫している。
【0051】
図12Bは、別の最適化されたノーズコーン1208及びテールコーン1205を例解する、別の側面プロファイル図を例解する。トーピード(又は下部ユニット1203)は、参照符号1312bとしてここに示される種々のプロペラ及び/又はプロペラハブを更に含み得る。図12Bは、111と同じ又は同様であり得るテールコーン1211を更に例解し、プロペラコーンは、プロペラ1312の後部のプロペラシャフトに固定され得る。図12A~12Dに示されるトーピードのいずれも、中心本体、中心本体113を含む。図12Bは、テールコーンの後縁部をハブの直径に一致させるために、わずかに正のテーパを有する1つの実施形態を示す。これは、本体にわたる平滑な連続的な流れを確実にするため、何らかの追加の引き起こされる抗力を低減するのに役立つ。図12Dは、本体をプロペラのハブに嵌合させるための負のテーパを有する別のテールコーンの実施形態を示す。
【0052】
図12C~12Dは、異なる動作条件に合わせて最適化された共通の嵌合境界部を有するモジュール式のプロップコーンの2つの実施形態を示す。低速では、摩擦抗力が、高速におけるよりも高い割合の抗力の原因となる。したがって、摩擦抗力の駆動力である総濡れ表面積を低減することが重要である。これは、図12C図12Dの実施形態よりも小さい表面積を有する)において分かる。いくつかの実施形態では、ノーズコーン1208は、(ストラット1201を受容する)本体部分の近位縁部に当接することができ、いくつかの実施形態では、ノーズコーンは、本体部分の一部分と重複する(又はその下にある)ように延在することができる。追加的又は代替的に、アセンブリのプロファイル(ノーズコーン+本体+テールコーン)は、非線形であり、直径の段状の遷移を含むことができる。比較すると、高速では、圧力抗力が支配的な抗力になる。高速において付着した流れを維持し、圧力抗力を最小化するために、後縁部テーパは、総濡れ表面積の増加にもかかわらず、より緩やかであるべきである。図12A~12Dは、ノーズコーン及びテールコーンの両方のモジュール性を示す。なお、様々な実施形態では、トーピード又は下部ユニットはまた、テールフェアリングを含み、中心本体1206の幅は、プロペラハブ1312bでプロペラ1312の取り付け点に近づくにつれて首を下げる。モジュール式ノーズコーン1208、中心本体1206、テールフェアリング1205、プロペラ1312、及びテールコーン(又はプロペラコーン)12の形状は全て、ミッションセット及び環境に応じて、下部ユニットの周りの水の流れを最適化するようにモジュール式であり得る。本開示の一態様によれば、第1のテール(及び/又はノーズ)コーン(例えば、図12Cに示される球状の実施形態)は、モータの本体に結合され、第1のボート状態(例えば、相対的に低速の環境/用途)のために展開され、第2のボート状態(例えば、相対的に高速の環境/用途)のために異なるプロファイルを有する第2のテール(及び/又はノーズ)コーンで取り外す/交換することができる。モータフェアリング(前縁部及び後縁部)のこの互換性は、同じモータ本体部分(例えば、ストラット、ベルト、プロペラブレードなど)がモータ/ボートに固定的に取り付けられたままであることを可能にし、一方で、最大の性能(最小化された抗力)を確実にしながら、異なる動作条件に適応又は切り替えるための(流体力学的)柔軟性を証明する。
【0053】
図13は、中心本体に接続された例示的なモジュール式のノーズコーン、テールコーン、及びスケグの側面プロファイル図を例解する。
【0054】
図14A図14Bは、異なる用途のために最適化された2つの例示的なノーズコーンを例解する。特に、図14A図14Bは、ノーズコーンの2つの実施形態の対照比較を描示する。両方の図14A図14Bにおいて、ノーズコーン1208は、下部ユニット1203の前縁部に一致する外径1401を有する。様々な実施形態では、前縁部1402のプロファイルは、放物線曲線に追従し、浸水された下部ユニットの総抗力を最小化することができる。様々な実施形態では、ノーズコーン1208は、必要に応じて(例えば、ノーズコーン1208を別のノーズコーンと入れ替えるために)取り外し又は設置することができる1つ以上の締結具1400を使用して、下部ユニット1203に添着される。締結具1400は、内向きに突出するチャネル内に保持することができる(例えば、ノーズコーンの内部壁に沿って配設される)。この内部チャネルは、補強構造(又は「リブ」)としても働き、ノーズコーンに向かって延在することができる。図14Aに示されるように、前縁部1402のプロファイルは、より大きい半径と、後縁部から前縁部までのより小さい又は存在しないテーパと、を含み得る。他の実施形態では、図14Bに示されるように、前縁部1402のプロファイルは、前縁部におけるより小さい半径と、後縁部(より大きい断面直径)から前縁部(より小さい断面直径)までの長さに沿ったテーパと、を含む。様々な実施形態では、図14Bに示されるように、ノーズコーンの全長は、それによって、図14Aのノーズコーンなどの他の実施形態と比較して、空隙空間の体積を増加させるように延長され得る。様々な実施形態では、空隙空間のより大きい体積は、より多くの構成要素がノーズコーン1208内に収容されることを可能にし得る。
【0055】
図15は、熱放散のための内部リザーバを有するノーズコーンの断面図を例解する。様々な実施形態では、ノーズコーンは、厚さ1500を有する外部シェルを備え、それによって内側の空洞1503に対応する。様々な実施形態では、厚さは、ノーズコーンの長さに沿って変化する(例えば、頂点又は前縁部では、後縁部におけるよりも厚い、又は逆もまた同様)。様々な実施形態では、ノーズコーンは、1つ以上の締結具1501を使用して下部ユニットに接続されており、ノーズコーンを取り替えることを可能にする。様々な実施形態では、ノーズコーン1502の最も広い外径は、下部ユニット1203の前縁部直径に一致し、それにより、下部ユニット1203からノーズコーンへの遷移は、ノーズコーンの垂直縁部が本体1203の垂直縁部に当接した状態で平滑である。
【0056】
図16は、テールコーンの表面から外向きに(均一な距離で、又はテーパ状で)突出する一体化されたプレスワールベーン1632を有するモジュール式テールコーンを例解する。様々な実施形態では、流体力学的付属物は、テールコーン上に提供され得、それによって、流体の流れがプロペラの方向とは反対方向に回転するように調節する。様々な実施形態では、流体力学的付属物は、流体がプロペラ1633に到達するとき、流れの仰角を改善し得、それによって、プロペラの推進効率を増加させる。様々な実施形態では、プレスワールテールコーンは、流れの角運動量を最小化し、推進効率を増加させるように働く。様々な実施形態では、回転シャフトシール1634が、テールコーン内に収容され得る。様々な実施形態では、シールは、シャフトが最小限の抗力で回転することを可能にするが、いかなる水の侵入も排除するドライランニングシールである。様々な実施形態では、テールコーンは、下部ユニット1203の外径と実質的に等しい外径1631を有する。様々な実施形態では、テールコーンの最も広い外径1631は、下部ユニット1203からテールコーンへの遷移が平滑であるように、下部ユニット1203の後縁部直径に一致する。
【0057】
図17は、迅速な交換のための外部アクセス装着ハードウェアを有する例示的なノーズコーンを例解する。様々な実施形態では、ノーズコーンは、前方のアクセス可能な装着パターン1741を含む。例えば、凹部1741が、ノーズコーン内に形成されることができ、締結具(及び関連する工具、例えば、スクリュードライバシャフト)を受容する。これらの凹部1741は、上で説明したように、内部チャネル1742と整列させることができる。様々な実施形態では、ノーズコーンの後縁部は、それが他のノーズコーンと取り替えられることを可能にするために、下部ユニット1203と同じ外径1743を有する。様々な実施形態では、ノーズコーンは、ボルトがノーズコーン内にボルトのヘッドとともに配向されることを可能にするように構成された皿穴1742のパターンを含む。
【0058】
図18は、海洋学研究で使用される水質を測定するための一体化された流体センサを有するノーズコーンを例解する。特に、ノーズコーンは、前方のアクセス可能な装着ボルトパターン1871及び一体化されたセンサハウジング1872を含む。様々な実施形態では、ノーズコーン1873内の空隙空間は、冷却水のリザーバとして、又は海洋学研究のためのセンサのアレイを収容するために使用することができる。
【0059】
流体を通って移動するとき、塊が経験する抵抗力が抗力である。抗力には通常、以下の2つの原因がある。塊と流体との間の境界層に平行に作用する剪断応力である摩擦力、及び境界層に直交して(垂直に)作用する応力である圧力である。抗力係数Cは、浸水体の表面積全体にわたる総圧力(C)及び摩擦(C)の合計である。これは、以下の抗力の式を使用して計算される。
【数1】
【0060】
ここで図19を参照すると、共通の装着境界部を共有し、異なる動作条件に合わせて最適化された2つのノーズコーンがある。示される速度等高線図は、水の流れを通って移動する塊によって発生される圧力抗力を表す。異なる条件に合わせて最適化され、用途及び動作条件に基づいて適切な構成要素を選択することができる。圧力抗力は、浸水体の前面上の流体粒子を圧縮し、後面上の流体粒子を分離するのに必要な力から生じる。図19Aは、前面及び後面の両方で流速がより劇的に減少し、圧力抗力がより高くなることを示す。これは、所与の速度条件では、図19Bのノーズコーンが最適であることを示す。
【0061】
テールコーンの設計は、プロペラが前方推力を発生させるために使用することができる付着した層流を維持するための鍵となる。ノーズコーンと同様に、異なる動作条件は、異なる最適なプロペラ設計を有する。意図された用途に応じて、最適なプロペラは、ブレードの形状/数が変わり得るか、又は異なるハブ直径を使用し得る。モジュール式テールコーンを使用して、この時点で、特定のプロペラに合わせて最適化されたテールコーンプロファイルを選択可能である。
【0062】
ここで、図20A~20Bを参照すると、内部閉ループ冷却システムの一部として、中空の内部空洞を有するモジュール式ノーズコーンを含む実施形態の描示。閉ループ冷却システムは、内部の敏感な構成要素を冷却するために、塩水などの外部流体を取り込まず、腐食の影響を制限する。閉ループ冷却システムの使用に関連する主要な課題のうちの1つは、熱発生構成要素の安全な温度を維持するのに十分な廃熱を放散することである。システムからの熱放散を最適化するために、内部及び外部の両方の幾何学形状を、流れ条件に応じて変えることができる。内部空洞冷却のための最適設計は、空洞を通した圧力降下を最小化し、システムからの熱伝達を最大化し、流れを通る塊の抗力を最小化する。
【0063】
本開示の主題は、特定の好ましい実施形態に関して本明細書に記載されるが、当業者は、その範囲から逸脱することなく、本開示の主題に対して様々な修正及び改善が行われ得ることを認識するであろう。その上、本開示の主題の一実施形態の個々の特徴が、本明細書で考察されるか、又は一実施形態の図面に示され、他の実施形態では示されない場合があるが、一実施形態の個々の特徴は、別の実施形態の1つ以上の特徴、又は複数の実施形態の特徴と組み合わされ得ることが明らかであるはずである。
【0064】
以下に特許請求される具体的な実施形態に加えて、本開示の主題は、以下に特許請求される従属特徴と上で開示されたものとの任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態も対象とする。したがって、従属請求項に提示され、上で開示された特定の特徴は、本開示の主題の範囲内で互いに他の様式で組み合わせることができ、それにより、本開示の主題は、任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態も具体的に対象とすると認識されるべきである。したがって、本開示の主題の具体的な実施形態の前述の説明は、例解及び説明の目的で提示されている。前述の説明は、網羅的であること、又は本開示の主題をそれらの開示された実施形態に限定することを意図していない。
【0065】
当業者には、本開示の主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本開示の主題の方法及びシステムにおいて様々な修正及び変形を行うことができることが明らかであろう。したがって、本開示の主題は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
【国際調査報告】