(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】酸性液体布地ケア組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20241010BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20241010BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20241010BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20241010BHJP
C11D 1/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D3/20
C11D3/50
C11D3/395
C11D1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522306
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022079012
(87)【国際公開番号】W WO2023081625
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】レーダー、レイチェル・モーガン
(72)【発明者】
【氏名】リンカー、ジェニファー・リー
(72)【発明者】
【氏名】デクレルク、マルク・ヨハン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AA01
4H003AB27
4H003BA12
4H003DA01
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB22
4H003ED02
4H003EE01
4H003FA26
4H003FA28
(57)【要約】
酸性液体布地ケア組成物は、クエン酸及び/又はその塩、特定のアルデヒド系香料原料を含む芳香材料、並びに水を含む。このような組成物の使用及び製造の関連方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体布地ケア組成物であって、
前記液体布地ケア組成物の10重量%~50重量%のクエン酸及び/又はその塩と、
0.01%~20%の芳香材料であって、
前記芳香材料は、第1のアルデヒド系香料原料を含み、
前記第1のアルデヒド系香料原料は、以下の構造:
a)R
1-C(R
2)(R
3)-C(R
4)(R
5)-CHO、
式中、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、
前記炭化水素部分は、置換又は非置換でもよく、
ただし、R
2、R
3、R
4、又はR
5のうちの少なくとも1つは、炭化水素部分である;
b)R
1-C(R
2)=C(R
4)-CHO、
式中、R
2及びR
4は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、
前記炭化水素部分は、置換又は非置換でもよい;
c)R
1-Ar-CHO、
式中、Arは、置換もしくは非置換のアリール環である、のうちの少なくとも1つであり;
a)、b)、及びc)による構造の各々について、各R
1は、独立して、H、置換炭化水素部分、又は非置換炭化水素部分から選択される、芳香材料と、
前記液体布地ケア組成物の30重量%~90重量%の水と、を含み、
前記組成物は、洗浄性界面活性剤、漂白系、布地柔軟化材料、及びそれらの混合物からなる群から選択される、前記液体布地ケア組成物の5重量%未満の材料を含み、
前記液体布地ケア組成物は、2~6の原液pHを有する、液体布地ケア組成物。
【請求項2】
前記液体布地ケア組成物は、前記液体布地ケア組成物の15重量%~40重量%、好ましくは20重量%~30重量%のクエン酸及び/又はその塩を含む、請求項1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項3】
前記芳香材料は、群a)、b)、及びc)から選択される少なくとも2つの群、好ましくは少なくとも3つの群の構造を特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含む、請求項1及び2のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項4】
前記芳香材料は、前記芳香材料の少なくとも1重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは5重量%~30重量%のアルデヒド系香料原料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項5】
前記R
1基は、非置換炭化水素部分である、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項6】
前記R
1基は、分枝状である、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項7】
前記R
1基は、50~500ダルトン、
好ましくは75~400ダルトン、より好ましくは100~300ダルトンの分子量を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項8】
前記芳香材料は、PTブシナール、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール、シマール、メチルノニルアセトアルデヒド、メロナール、ヘリオナール、アルデヒドマンダリン、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリン、リラール、トリプラール、アミルシンナムアルデヒド、ネオイヴェルナル、ニンフィール、センテナール、及びそれらの組合せからなる群から選択される第1のアルデヒド系香料原料を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項9】
前記芳香材料は、第2のアルデヒド系香料原料を更に含み、前記第2のアルデヒド系香料原料は、群a)、b)、及びc)の前記第1のアルデヒド系香料原料とは異なる構造を特徴とし、
好ましくは、前記第1のアルデヒド系香料原料と前記第2のアルデヒド系香料原料との重量比は、1超:1であり、好ましくは少なくとも2:1であり、より好ましくは少なくとも5:1であり、更により好ましくは少なくとも10:1であり、更により好ましくは少なくとも20:1であり、又は更により好ましくは少なくとも30:1である、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項10】
前記液体布地ケア組成物は、その50重量%~90重量%、好ましくは60重量%~85重量%、より好ましくは70重量%~80重量%の水を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項11】
前記組成物は、前記液体布地ケア組成物の0.1重量%~8重量%、好ましくは1重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項12】
前記組成物は、酢酸、乳酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、グルタル酸、ヒドロキシエチリルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石二コハク酸、酒石一コハク酸、又はそれらの混合物から選択される追加の有機酸、
好ましくは酢酸を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項13】
前記組成物は、2~5、好ましくは2~4、より好ましくは2~3のpHを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項14】
前記組成物は、実質的に染料を含まないときに、410~800ナノメートルの波長で1センチメートルのキュベットを使用すると、少なくとも60%の光透過率(%T)を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項15】
前記組成物が、透明又は半透明な容器に詰められている、請求項1~14のいずれか一項に記載の液体布地ケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クエン酸及び/又はその塩と、特定のアルデヒド系香料原料を含む芳香材料と、水と、を含む酸性液体布地ケア組成物に関する。本開示はまた、このような組成物の使用方法及び製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
低pH及び低~0の量の界面活性剤、柔軟剤、又は漂白剤を有する特定の液体布地ケア組成物は、布地ケア効果を提供するのに、特に自動洗濯機におけるすすぎ中(through-the-rinse)用途として、依然として有用であり得る。例えば、このような組成物は、柔軟化効果を提供することができ、及び/又は、特に布地が硬水で洗浄された場合に、タオルなどの布地上に蓄積し得る水垢を除去するのに有用であり得る。
【0003】
こうした組成物は、相対的に高濃度のクエン酸及び/又は関連する塩を含み得る。芳香材料(例えば、香料)もまた、原液製品の香りを改善するために、かつ/又は処理時に目的の布地に新鮮さといった利益をもたらすために組成物に加えられ得る。
【0004】
しかしながら、このような組成物は、貯蔵時に色不安定性の問題を経験する場合があり、製品の劣化及び/又は効率の低下を消費者に知らせる可能性があることが見出されている。特に、香料原料の存在は、このような組成物の変色に寄与すると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
芳香材料を含む改善された低pH布地ケア組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、特定のアルデヒド系香料原料を有し、比較的低いpHを特徴とする液体布地ケア組成物に関する。
【0007】
例えば、本開示は、液体布地ケア組成物であって、液体布地ケア組成物の約10重量%~約50重量%のクエン酸及び/又はその塩と、約0.01%~約20%の芳香材料であって、芳香材料は、第1のアルデヒド系香料原料を含み、第1のアルデヒド系香料原料は、以下の構造(a、b、又はc):
a)R1-C(R2)(R3)-C(R4)(R5)-CHO、式中、R2、R3、R4、及びR5は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、炭化水素部分は、置換又は非置換でもよいが、ただし、R2、R3、R4、又はR5の少なくとも1つは、炭化水素部分である;
b)R1-C(R2)=C(R4)-CHO、式中、R2及びR4は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、炭化水素部分は、置換又は非置換でもよい;
c)R1-Ar-CHO、式中、Arは、置換又は非置換アリール環である;のうちの少なくとも1つを特徴とし、
式中、a)、b)、及びc)による構造の各々について、各R1は、独立して、H、置換炭化水素部分、又は非置換炭化水素部分から選択される、芳香材料と、液体布地ケア組成物の約30重量%~約90重量%の水と、を含み、組成物は、洗浄性界面活性剤、漂白系、布地柔軟化材料、及びそれらの混合物からなる群から選択される、液体布地ケア組成物の5重量%未満の材料を含み、液体布地ケア組成物は、約2~約6の原液pHを特徴とする、液体布地ケア組成物に関する。
【0008】
本開示はまた、布地を処理する方法であって、布地と本明細書に記載の液体布地ケア組成物とを接触させる工程を含む、方法に関する。
【0009】
本開示はまた、水と、クエン酸と、芳香材料であって、好ましくは非イオン性界面活性剤と予め混合されている芳香材料と、を組み合わせることを含む、液体布地ケア組成物を作製する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、酸性液体布地ケア組成物に関する。当該組成物は、クエン酸と、特定のアルデヒド系香料原料を含む芳香材料と、水と、を含む。このような組成物は、比較組成物に対して比較的色安定性であると考えられる。
【0011】
理論に束縛されるものではないが、多くの一般的に使用されるアルデヒド系香料原料は、酸性の水性布地ケア処理組成物において変色をもたらす傾向があると考えられる。アルデヒド系香料原料は、使用中及び処理された布地上で消費者に心地よい嗅覚経験を提供するのに好ましいことが多いので、このことは配合者にとって難題をもたらす。
【0012】
本開示は、顕著な製品変色と所望の鮮度プロファイルとの間のこの選択に対する解決策を提供する。驚くべきことに、特定の構造特性を有する特定のアルデヒド系香料原料を選択することによって、得られる処理組成物が驚くほど低いレベルの変色を経ることが見出された。
【0013】
組成物及び関連する方法は、以下にてより詳細に記載される。
【0014】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の構成要素を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0015】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%のレベルで存在してもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、「布地ケア組成物」という語句とは、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、並びに本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎもしくは洗浄サイクル中に添加することができる。
【0017】
別途注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
【0019】
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0020】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、それよりも低い全ての数値制限を、このようなより低い数値制限があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して示されている全ての最小数極限値は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を、このような狭い数値範囲が全てあたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0021】
組成物
本開示は、相対的に低いpHを有する液体布地ケア組成物に関する。別の言い方をすれば、本開示は、酸性液体布地ケア組成物に関する。
【0022】
本開示の組成物は、全自動洗濯機のすすぎサイクル中に衣類又はタオルなどの布地を処理するのに特に有用であり得る。組成物のpHが低いことに起因して、組成物は、布地に柔軟性を与え、かつ/又は硬水中で布地を洗浄したことから生じることがある、布地上で蓄積された可能性があるライムスケールを除去することで色を鮮やかにするのに有用であることができる。
【0023】
組成物は、クエン酸及び/又はその塩を含む。当業者が理解するように、クエン酸及びその塩は、液体組成物中に平衡状態で存在し得る。クエン酸は、性能効率的かつ費用効率的材料であること、並びに容易に入手可能であることから、本組成物での使用にとって好ましい。
【0024】
当該組成物は、液体布地ケア組成物の約10重量%~約50重量%のクエン酸及び/又はその塩を含み得る。液体布地ケア組成物は、液体布地ケア組成物の約15重量%~約40重量%、好ましくは約20重量%~約30重量%のクエン酸及び/又はその塩を含み得る。
【0025】
本開示の液体布地ケア組成物は、芳香材料(本明細書では「芳香」又は「香料」とも)を含む。芳香材料を添加して、液体製品組成物、処理液、及び/又は、組成物で処理した布地に、審美的に心地よい芳香を付与する。本開示の組成物は、組成物の約0.1重量%~約20重量%、又は約0.2重量%~約10重量%、又は約0.3重量%~約5重量%の芳香材料を含み得る。
【0026】
芳香材料の非限定例としては、アルデヒド、ケトン、エステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、様々な天然抽出物及び天然エキスが挙げられ、これらは、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、ビャクダン油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含むことができる。最終的な香料は、そのような成分の非常に複雑な混合物を含むことができる。
【0027】
芳香材料は、アルデヒド系香料原料を含み得る。理論に束縛されることを望むものではないが、アルデヒド系香料原料は、嗅覚/新鮮さといった観点から望ましいことが多いが、これらはまた変色する傾向を有し得ると考えられる。
【0028】
したがって、本開示の組成物の芳香材料は、以下により詳細に記載されるような第1のアルデヒド系香料原料を含む。第1のアルデヒド系香料原料は、本開示の酸性組成物におけるそれらの相対的な色安定性のために選択される。別の言い方をすれば、他のアルデヒド含有香料原料と比較して、本明細書に記載される第1のアルデヒド系香料原料は、本組成物において変色をもたらす可能性が低いと考えられる。理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載の第1のアルデヒド系香料原料は、アルデヒド部分に最も近い炭素において、立体的に妨げられており、及び/又は他の方法で特定の相互作用に対して耐性があり、変色する傾向が低減されると考えられる。
【0029】
要するに、本開示による第1のアルデヒド系香料原料は、アルデヒド部分に直接隣接する二価-CH2-CH2-基を含まない。代わりに、第1のアルデヒド系香料原料は、例えば、アルデヒド部分に隣接する最初の2つの炭素原子内の分枝、二重結合、及び/又は環構造を特徴とし得る。これらの構造は、変色に抵抗するPRMの傾向に寄与すると考えられる。
【0030】
例えば、芳香材料は、以下の構造のうちの少なくとも1つを特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含み得、
a)R1-C(R2)(R3)-C(R4)(R5)-CHO、
式中、R2、R3、R4、及びR5は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、炭化水素部分は、置換又は非置換でもよいが、ただし、R2、R3、R4、又はR5のうちの少なくとも1つは、炭化水素部分である;
b)R1-C(R2)=C(R4)-CHO、
式中、R2及びR4は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、炭化水素部分は置換でも非置換でもよい;
c)R1-Ar-CHO、
式中、Arは、置換もしくは非置換のアリール環であり、
a)、b)、及びc)による構造の各々について、各R1は、H、独立して、置換炭化水素部分、又は非置換炭化水素部分から選択される。
【0031】
芳香材料は、群a)、R1-C(R2)(R3)-C(R4)(R5)-CHOの構造を特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含み得る。芳香材料は、群b)の構造、R1-C(R2)=C(R4)-CHOを特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含み得る。芳香材料は、群c)、R1-Ar-CHOの構造を特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含み得る。芳香材料は、第一に、群a)、b)及びc)から選択される少なくとも2つの群、好ましくは少なくとも3つの群の構造を特徴とするアルデヒド系香料原料であり得る。
【0032】
R1基は、本開示による処理組成物において有用な香料原料の一部であるのに適した任意の炭化水素部分であり得る。R1基は、約50~約500ダルトン、好ましくは約75~約400ダルトン、更により好ましくは約100~約300ダルトンの分子量を特徴とし得る。
【0033】
R1基は、非置換炭化水素部分であり得る。R1基は、置換炭化水素部分であり得る。R1基は、直鎖部分であり得る。R1基は、非直鎖又は分枝部分であり得る。R1基は、飽和炭化水素部分であり得る。R1基は、不飽和炭化水素部分であり得る。R1基は、少なくとも1つの二重結合を含み得る。
【0034】
第1のアルデヒド系香料原料は、式Iによる構造を有し得、
R1-L-CHO 式I
式中、L基は二価炭化水素部分であり、二価炭化水素部分は、2~25個の炭素、好ましくは2~15個の炭素、より好ましくは4~15個の炭素、更により好ましくは4~12個の炭素を含み、二価炭化水素部分は、直鎖又は分枝鎖であり、二価炭化水素部分は、置換又は非置換であり、二価炭化水素部分は、-CHO(アルデヒド)基に結合した非置換エチレン(-CH2-CH2-)基を含まず、より詳細に上述されるように、R1基は、水素又は一価炭化水素部分から選択される一価部分である。
【0035】
第1のアルデヒド系香料原料は、アルデヒド(-CHO)部分に結合した一価炭化水素部分を有し得、一価炭化水素部分は、アルデヒド部分に対してα-β位に2個の炭素原子を含み、α-β位の2個の炭素原子は、-CH2-CH2-部分を形成しない(すなわち、2炭素非置換非分枝アルカン部分を形成しない)。
【0036】
好適な第1のアルデヒド系香料原料としては、PTブシナール、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール、シマール、メチルノニルアセトアルデヒド、メロナール、ヘリオナール、アルデヒドマンダリン、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリン、リラール、トリプラール(すなわち、リグストラル)、アミルシンナムアルデヒド、ネオイヴェルナル、ニンフィール、センテナール、又はそれらの組合せが挙げられ得る。
【0037】
芳香材料は、芳香材料の少なくとも1重量%、好ましくは約5重量%~約40重量%、より好ましくは約5重量%~約30重量%の第1のアルデヒド系香料原料を含み得る。布地ケア組成物は、布地ケア組成物の約0.001重量%~約1重量%、好ましくは約0.005重量%~約0.5重量%、より好ましくは約0.01重量%~約0.3重量%の第1のアルデヒド系香料原料を含み得る。
【0038】
芳香材料は、第1のアルデヒド系香料原料と同様に、立体的に又は他の方法で妨げられていない他のアルデヒド系香料原料を含み得る。例えば、芳香材料は、第2のアルデヒド系香料原料を更に含み得、第2のアルデヒド系香料原料は、群a)、b)、及びc)の第1のアルデヒド系香料原料とは異なる構造を特徴とする。例えば、第2のアルデヒド系香料原料は、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、又はそれらの組合せなどの直鎖アルデヒドを含み得る。
【0039】
第2のアルデヒド系香料原料は、第1のアルデヒド系香料原料よりも変色する可能性が高い場合があるため、組成物が比較的少量の第2のアルデヒド系香料原料を含むことが好ましい場合がある。例えば、組成物は、芳香材料の25重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、更により好ましくは5%未満の第2のアルデヒド系香料原料を含み得る。
【0040】
アルデヒド系香料原料の存在による変色のリスクを最小限に抑えるために、第1のアルデヒド系香料原料の相対量は、第2のアルデヒド系香料原料の相対量よりも多くてもよい。例えば、第1のアルデヒド系香料原料と第2のアルデヒド系香料原料との重量比は、1超:1、好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも5:1、更により好ましくは少なくとも10:1、更により好ましくは少なくとも20:1、又は更により好ましくは少なくとも30:1であり得る。第1のアルデヒド系香料原料と第2のアルデヒド系香料原料との重量比は、1超:1~約50:1、好ましくは約2:1~約30:1、より好ましくは約5:1~約30:1、更により好ましくは約10:1~約30:1であり得る。
【0041】
変色のリスクを低減するために、第1のアルデヒド系香料原料を含むが、第2のアルデヒド系香料原料を含まない組成物を配合することが更に好ましい場合がある。このような場合、重量比(第1:第2)は、100:0であってもよい。
【0042】
合計で、アルデヒド系香料原料(例えば、第1及び第2のアルデヒドPRM)は、芳香材料の約5重量%~約75重量%、好ましくは約10重量%~約50重量%の量で存在し得る。
【0043】
本開示の芳香材料の少なくとも一部は、天然源材料由来であってもよい。そのような材料は、合成的に誘導された材料及び/又は地質的に誘導された(石油系など)材料と比較すると、環境的な影響が低く、かつ/又は環境的に持続可能であると考えられる。芳香材料の少なくとも約50重量%、又は少なくとも約60重量%、又は少なくとも約70重量%、又は少なくとも約80重量%、又は少なくとも約90重量%、又は少なくとも約95重量%、又は約100重量%は、天然由来の芳香材料であり得る。
【0044】
本開示の布地処理組成物については、芳香材料が相対的に親水性であることが望ましい。親水性芳香材料は、本開示の水性組成物中で十分に溶解又は分散する可能性が高く、このことで相の安定性及び/又は製品の透明性の改善がもたらされる。
【0045】
本開示の組成物が典型的には相対的に低いpHによって特徴付けられることから、本開示の芳香材料は典型的には、特に当該組成物のpHでは酸安定性である。酸安定性は、貯蔵時の酸性pH(好ましくは約2~約4のpH)での相分離の欠如、変色の欠如及び/又は沈殿物形成の欠如で定性的に示され得る。
【0046】
本開示の水性組成物への芳香材料の簡便な導入を促すために、芳香材料は、水及び/又はクエン酸との混合前に、非イオン性界面活性剤又は他の乳化剤と混合され得る。別の言い方をすれば、組成物は、クエン酸との混合前に芳香材料が非イオン性界面活性剤と混合されるプロセスで作製され得る。
【0047】
本開示の液体布地ケア組成物は、典型的には水性組成物である。液体布地ケア組成物は、典型的には水を含む。当該組成物は、液体布地ケア組成物の約30重量%~約90重量%の水を含み得る。当該組成物は、液体布地ケア組成物の約50重量%~約90重量%、好ましくは約60重量%~約85重量%、より好ましくは約70重量%~約80重量%の水を含み得る。
【0048】
本開示の液体布地処理組成物は水性であるが、当該組成物は、更に有機溶媒を含み得、これは、組成物の安定性、成分の溶解及び/又は組成物の透明性を改善することができる。布地処理組成物は、組成物の約0.1重量%~約30重量%、又は約1重量%~約20重量%の有機溶媒を含んでもよい。好適な有機溶媒としては、エタノール、ジエチレングリコール(diethylene glycol、DEG)、2-メチル-1,3-プロパンジオール(2-methyl-1,3-propanediol、MPD)、モノプロピレングリコール(monopropylene glycol、MPG)、ジプロピレングリコール(dipropylene glycol、DPG)、オリガミン(例えば、ジエチレントリアミン(diethylenetriamine、DETA)、テトラエチレンペンタミン(tetraethylenepentamine、TEPA))、グリセリン、プロポキシル化グリセリン、エトキシル化グリセリン、エタノール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコールとも呼ばれる)、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、セルロース系エタノール、再生可能プロピレングリコール、再生可モノジプロピレングリコール、再生可能ジプロピレングリコール、再生可能1,3-プロパンジオール及びこれらの混合物が挙げられ得る。有機溶媒の1つ以上はバイオベースであり得る。これは、天然/地蔵可能な非地質的由来(例えば、非石油系)源から誘導されることを意味する。
【0049】
本開示の液体布地ケア組成物は、クメンスルホン酸ナトリウム(sodium cumene sulphonate、SCS)などの向水性物質を含み得る。これは、組成物の安定性を促進し得る。
【0050】
本開示の組成物は、非イオン性界面活性剤を含み得る。これは、製品の安定性及び/又は芳香材料の導入に役立ち得る。当該組成物は、液体布地ケア組成物の約0.1重量%~約8重量%、好ましくは約1重量%~約5重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤は、好ましくはエトキシル化脂肪アルコールである。非イオン性界面活性剤は、芳香材料と予め混合され得る。
【0051】
クエン酸及び/又はその塩に加えて、液体布地ケア組成物は、追加の有機酸を更に含み得る。追加の有機酸は、好ましくは、酢酸、乳酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、グルタル酸、ヒドロキシエチリルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石二コハク酸、酒石一コハク酸、又はそれらの混合物からなる群から選択され得る、好ましくは酢酸であり得る。組成物は、追加の有機酸を実質的に含まないことが好ましい場合がある。組成物は、望ましくない香りを加えることができる酢酸を実質的に含まないことが好ましい場合がある。
【0052】
本開示の液体布地ケア組成物は、酸性組成物である。低いpHは、本組成物によって提供される利益(例えば、ライムスケール除去)を促進させると考えられる。例えば、当該組成物は、約2~約6、好ましくは約2~約5、好ましくは約2~約4、より好ましくは約2~約3の原液pHを特徴とし得る。これらの範囲のpHは、クエン酸及び/又はその塩の性能効力を促進すると考えられる。
【0053】
本開示の組成物は、中和剤を含み得る。これは、所望のpH達成を促進することができる。中和剤は、好ましくは苛性中和剤であり、より好ましくは水酸化ナトリウム(NaOH)である。NaOHのような苛性中和剤などの強塩基は、モノエタノールアミン(monoethanolamine、MEA)などの弱塩基に対する物理的安定性といった利益を提供することができると考えられる。
【0054】
本開示の液体布地ケア組成物は、例えば10種類以下、又は9種類以下、又は8種類以下、又は7種類以下、又は6種類以下、又は5種類以下の成分といった限られた数の成分を含み得る。成分の数を限定することによって、原料の貯蔵及び/もしくは輸送コストを低下させ、かつ/又は組成物作製プロセスを簡素化することができる。消費者はまた、よりシンプルであり、より小さな環境フットプリントを有するものとして、かつ/又は成分リストの理解をより容易にするものとして認識され得ることから、限られた成分の数を有する製品を所望し得る。
【0055】
液体布地ケア組成物は、洗浄性界面活性剤、漂白系、布地柔軟化材料及びそれらの混合物からなる群から選択される、液体布地ケア組成物の10重量%未満の材料を含み得る。組成物は、8重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは4重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、好ましくは1重量%未満の、洗浄性界面活性剤、漂白系及び/又は布地柔軟化材料からなる群から選択される材料を含み得か、又は実質的にこうした材料を含まない。このような材料は、本組成物中の他の成分の審美性、物理的安定性及び/又は化学的安定性に影響を及ぼし得る。追加で、又は代替的には、ある特定のこうした材料は、本組成物の低pH環境中では、物理的又は化学的に安定していない場合がある。更には、本組成物を使用する消費者は、処理された布地からの物質の除去を望む場合があるが、一方で列挙された材料の少なくとも一部は、通常の処理サイクル中に布地上に代わりに沈着し得る。これは、望ましくない残留物を作り出す。
【0056】
本組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び/又は双性イオン性界面活性剤を含む洗浄性界面活性剤を実質的に含み得ない。アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルファート又はアルコキシル化アルキルスルファートなどの硫酸化界面活性剤、(直鎖)アルキルベンゼンスルホネートなどのスルホン化界面活性剤、及び/又はカルボキシ化界面活性剤が挙げられ得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化アルキルフェノール、及び/又はアルキルポリグルコシドが挙げられ得る。双性イオン性界面活性剤としては、酸化アミン及び/又はベタインが挙げられ得る。
【0057】
液体布地ケア組成物は、当該組成物の5重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、更により好ましくは0.1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0058】
上述したように、液体布地ケア組成物は、非イオン性界面活性剤を含み得る。当該組成物が非イオン性界面活性剤を含むときには、当該組成物は他の(非イオン性)界面活性剤を実質的に含み得ない。
【0059】
本組成物は、漂白系を実質的に含み得ない。漂白系としては、過酸化水素及び/又は過酸化物の源などの過酸化物漂白剤が挙げられ得る。漂白系としては、次亜塩素酸漂白剤又はこうした次亜塩素酸塩の源などの次亜ハロゲン酸塩が挙げられ得る。漂白系としてはまた、NOBSもしくはTAEDといった漂白活性化剤、又は漂白触媒が挙げられ得る。
【0060】
本組成物は、布地柔軟化材料を実質的に含み得ない。このような材料は、布地上に沈着し得る。これは、ある特定の消費者、用途又は布地にとってはあまり好ましくない場合がある。追加的に又は代替的には、このような材料は、本水性組成物と材料の適合性がある状態とするために乳化又は他の処理を必要とし得る。布地柔軟化材料は、カチオン性に帯電され得る、かつ/又は典型的な洗浄条件でカチオン性に帯電することが可能であり得る。布地柔軟化材料としては、第四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化もしくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、又はそれらの組合せが挙げられ得る。本明細書で使用するとき、用語「布地柔軟化材料」は、クエン酸又は酢酸(例えば、酢)を含む、上記の有機酸として列挙された材料のいずれかを含むことを意図しない。
【0061】
本開示の液体布地ケア組成物は、相対的には透明であり得る。例えば、当該組成物が実質的に染料を含まないときに、約410~800ナノメートルの波長で1センチメートルのキュベットを使用すると少なくとも約60%の光透過率(%T)であることを特徴とし得る。
【0062】
上記のように、本組成物は、相対的には透明であり得る。したがって、本組成物は、組成物の相対的な透明性を低下させ得る、カプセル化有益剤、シリコーン液滴、真珠光沢剤及び/又は乳白剤などの粒子を実質的に含み得ない。本組成物は、蛍光増白剤を実質的に含み得ない。本組成物は、染料を実質的に含み得ない。本明細書で使用するとき、用語「染料」は、洗浄組成物の審美性を修正する美的染料、並びに布地に付着し、布地の色合いを変化させることができる染料及び/又は顔料を含む。染料は、着色料、顔料及び色相剤を含むことが意図されている。所望の用途又は審美性に応じて、組成物は染料、好ましくは審美性染料を含み得る。
【0063】
本開示の液体布地ケア組成物は、相対的に低い粘度を特徴とし得る。このような粘度は、簡便に注入するために、及び/又は機械のディスペンサドロワ中でほとんど詰まらないようにするためには望ましい場合がある。組成物は、Brookfield粘度計を使用する回転粘度測定並びに60RPM及び22℃でのASTM D 2196-99によって決定されるとき、約0~約200cps、好ましくは約0~約100cps、より好ましくは約0~約60cpsの粘度を特徴とし得る。
【0064】
粘度を低い状態に保つため、本開示の組成物は、増粘剤又は構造化剤などの他のレオロジー向上剤を実質的に含み得ない。組成物は、増粘などのレオロジー改質を提供することができる塩化ナトリウム、塩化マグネシウム及び/又は塩化カルシウムのような無機塩などの塩を実質的に含み得ない。本明細書で使用される場合、このような塩は、本明細書に記載の有機酸の中和生成物を含むことを意図しない。
【0065】
本明細書に記載の液体布地ケア組成物は、紙、板紙、プラスチック材料及び任意の好適な積層体から構築されたものを含む、任意の好適な容器に詰められることができる。容器は、再生可能及び/又はリサイクル可能な材料を含有し得る。
【0066】
組成物は、透明又は半透明の容器を詰められ得る。透明又は半透明なボトルなどの透明又は半透明な容器中に透明な布地ケア組成物を詰めることが好ましい場合がある。容器は、スペクトルの可視部分(約410~800nm)では約25%超、又は約30%超、又は約40%超、又は約50%超の透過率を有し得る。あるいは、ボトルの吸光率は、約0.6未満として測定され得、又は約25%超の透過率を有することにより測定され得、透過率%は、以下に等しい。
【0067】
【0068】
本開示の目的のために、可視光線範囲内のある波長が、約25%を超える透過率を有する限り、これは透明/半透明であるとみなされる。
【0069】
使用され得る透明ボトル材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)及び/又はポリエチレンテレフタレート(PETE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、並びにポリスチレン(PS)が挙げられるが、これらに限定されない。リサイクル可能な材料は、環境上の理由から好ましい場合がある。
【0070】
容器又はボトルは、家庭用の液体を貯蔵及びパッケージ化するのに好適な任意の形状又はサイズであってよい。例えば、容器は任意のサイズを有していてよいが、通常、容器は、約0.05~約15L、又は約0.1~約5L、又は約0.2~約2.5Lの最大容量を有する。容器は、容易に取り扱うのに好適であり得る。例えば、容器は、容器を片手で容易に持ち上げたり運搬したりすることができるようなかかる寸法のハンドル又は部品を有してもよい。容器は、液体洗剤組成物を注ぐために好適な手段、及び容器の再閉鎖の手段を有してもよい。注ぐ手段は、任意のサイズ又は形態であってよい。閉鎖手段は、任意の形態又はサイズ(例えば、容器を閉じるために容器に螺合又はクリックされる)であってよい。閉鎖手段は、容器から取り外すことができるキャップであってもよい。あるいは、キャップは、容器が開いているか閉じているかを問わず、容器に取り付けられていてもよい。閉鎖手段は、容器に組み込まれていてもよい。
【0071】
処理方法
本開示は、布地を処理する方法に関する。本方法は、布地と本開示による液体布地ケア組成物とを接触させる工程を含む。
【0072】
接触工程は、水の存在下にて生じてもよい。接触工程は、好ましくは全自動洗濯機のすすぎサイクル中に行われる。
【0073】
組成物は、水中に分散又は分解され得、処理液を形成する。処理液のpHは、液体布地ケア組成物のpHよりも高く(例えば、7に近く)なり得る。処理液は、約2、又は約3、又は約4から、約7、又は約6、又は約5までのpHを特徴とし得る。布地ケア組成物の有機酸系(例えば、クエン酸及び任意の追加の有機酸)は、処理液を所望のpHに実質的に緩衝するように選択され得る。追加で、又は代替的には、布地ケア組成物は、処理液にて所望のpHを送達するための他の緩衝剤又はpH調整剤を含み得る。
【0074】
組成物は、典型的には、溶液(すなわち、処理液)中で約500ppm~約15,000ppmの濃度で利用される。
【0075】
水温は、約5℃~約90℃であり得る。布地に対する処理液の重量比は、約1:1~約30:1であり得る。
【0076】
プロセスは、洗面台などでの手動プロセスであり得る。又は、このプロセスは、全自動洗濯機のドラムを発生させる自動プロセスであり得る。当該機械は、縦型洗濯機又はドラム式洗濯機であり得る。本開示の組成物は、全自動洗濯機のドラムに手動で供給され得る。又は、これらは例えばディスペンサドロワもしくは他の容器を介して自動で供給され得る。
【0077】
典型的な処理プロセスは、少なくとも1回の洗浄サイクルと、少なくとも1回のその後のすすぎサイクルを含む。布地は、洗浄サイクル中にアニオン性界面活性剤などの界面活性剤で処理され得る。組成物は、好ましくはドラムに供給され得、かつ/又は布地は、すすぎサイクル中に組成物と接触され得る。
【0078】
作製方法
本開示は、本明細書に記載の液体布地ケア組成物を作製する方法に関する。本方法は、水と、クエン酸及び/又はその塩と、本明細書に記載の芳香材料(第1のアルデヒド系香料原料を含む)と、水とを、例えば、本明細書に記載の重量%を得るのに好適な量で組み合わせる工程を含み得る。好ましくは、芳香材料は、非イオン性界面活性剤と予め混合される。
【0079】
例えば、バッチプロセス、インライン混合及び/又は循環ループ系プロセスといった、当該技術分野で公知である任意の好適なプロセスが使用され得る。
【0080】
作製方法は、単純に水であり得る水性ベースを提供する工程と、50%クエン酸溶液などの水溶液の一部であり得るクエン酸を添加する工程と、非イオン性界面活性剤と予め混合され得る芳香材料を添加する工程と、を含み得る。中和剤、向水性物質、追加の界面活性剤及び/又は溶媒などの他の任意の材料は、所望の場合に添加され得る。
【0081】
水性ベースは水を含む。水性ベースは、その少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の水を含み得る。
【0082】
組合せ
本開示の具体的に企図される組合せを、本明細書において以下のアルファベット付きの項に記載する。これらの組合せは、本質的に例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
A.液体布地ケア組成物であって、液体布地ケア組成物の約10重量%~約50重量%のクエン酸及び/又はその塩と、約0.01%~約20%の芳香材料であって、芳香材料は、第1のアルデヒド系香料原料を含み、第1のアルデヒド系香料原料は、以下の構造(a、b、又はc):
a)R1-C(R2)(R3)-C(R4)(R5)-CHO、式中、R2、R3、R4、及びR5は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、炭化水素部分は、置換又は非置換でもよいが、ただし、R2、R3、R4、又はR5の少なくとも1つは、炭化水素部分である;
b)R1-C(R2)=C(R4)-CHO、式中、R2及びR4は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、炭化水素部分は、置換又は非置換でもよい;
c)R1-Ar-CHO、式中、Arは、置換又は非置換アリール環である;のうちの少なくとも1つを特徴とし、
a)、b)、及びc)による構造の各々について、各R1は、独立して、H、置換炭化水素部分、又は非置換炭化水素部分から選択される、芳香材料と、液体布地ケア組成物の約30重量%~約90重量%の水と、を含み、組成物は、洗浄性界面活性剤、漂白系、布地柔軟化材料、及びそれらの混合物からなる群から選択される、液体布地ケア組成物の5重量%未満の材料を含み、液体布地ケア組成物は、約2~約6の原液pHを特徴とする、液体布地ケア組成物。
B.液体布地ケア組成物は、液体布地ケア組成物の約15重量%~約40重量%、好ましくは約20重量%~約30重量%のクエン酸及び/又はその塩を含む、段落Aに記載の液体布地ケア組成物。
C.芳香材料は、群a)の構造を特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含む、段落A又はBに記載の液体布地ケア組成物。
D.芳香材料は、群b)の構造を特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含む、段落A~Cのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
E.芳香材料は、群c)の構造を特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含む、段落A~Dのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
F.芳香材料は、群a)、b)、及びc)から選択される少なくとも2つの群、好ましくは少なくとも3つの群の第1のアルデヒド系香料原料を含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
G.芳香材料は、芳香材料の少なくとも1重量%、好ましくは約5重量%~約40重量%、より好ましくは約5重量%~約30重量%のアルデヒド系香料原料を含む、段落A~Fのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
H.R1基は、非置換炭化水素部分である、段落A~Gのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
I.R1基は、分枝状である、段落A~Hのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
J.R1基は、約50~約500ダルトン、好ましくは約75~約400ダルトン、より好ましくは約100~約300ダルトンの分子量を特徴とする、段落A~Iのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
K.芳香材料は、PTブシナール、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール、シマール、メチルノニルアセトアルデヒド、メロナール、ヘリオナール、アルデヒドマンダリン、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリン、リラール、トリプラール、アミルシンナムアルデヒド、ネオイヴェルナル、ニンフィール、センテナール、及びそれらの組合せからなる群から選択される第1のアルデヒド系香料原料を含む、段落A~Jのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
L.芳香材料は、第2のアルデヒド系香料原料を更に含み、第2のアルデヒド系香料原料は、群a)、b)、及びc)の第1のアルデヒド系香料原料とは異なる構造を特徴とし、好ましくは、第1のアルデヒド系香料原料と第2のアルデヒド系香料原料との重量比は、1超:1、好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも5:1、更により好ましくは少なくとも10:1、更により好ましくは少なくとも20:1、又は更により好ましくは少なくとも30:1である、段落A~Kのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
M.組成物は、組成物の約0.1%~約10%、好ましくは約0.2重量%~約5重量%の芳香材料を含む、段落A~Lのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
N.組成物は、芳香材料が、クエン酸と混合される前に非イオン性界面活性剤と混合されるプロセスによって作製される、段落A~Mのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
O.液体布地ケア組成物は、液体布地ケア組成物の約50重量%~約90重量%、好ましくは約60重量%~約85重量%、より好ましくは約70重量%~約80重量%の水を含む、段落A~Nのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
P.組成物は、8重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは4重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、好ましくは1重量%未満の、洗浄性界面活性剤、漂白系、及び/又は布地柔軟化材料からなる群から選択される材料を含む、又はこうした材料を実質的に含まない、段落A~Oのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
Q.組成物は、組成物の5重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、更により好ましくは0.1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む、段落A~Pのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
R.組成物は、液体布地ケア組成物の約0.1重量%~約8重量%、好ましくは約1重量%~約5重量%の非イオン性界面活性剤を含む、段落A~Qのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
S.組成物は、酢酸、乳酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、グルタル酸、ヒドロキシエチリルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石二コハク酸、酒石一コハク酸、又はそれらの混合物から選択される追加の有機酸、好ましくは酢酸を更に含む、段落A~Rのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
T.組成物は、中和剤、好ましくは苛性中和剤、より好ましくは水酸化ナトリウム(NaOH)を更に含む、段落A~Sのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
U.組成物は、約2~約5、好ましくは約2~約4、より好ましくは約2~約3のpHを特徴とする、段落A~Tのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
V.組成物は、実質的に染料を含まないときに、約410~800ナノメートルの波長で1センチメートルのキュベットを使用すると、少なくとも約60%の光透過率(%T)を特徴とする、段落A~Uのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
W.組成物は、Brookfield粘度計を使用する回転粘度測定並びに60RPM及び22℃でのASTM D 2196-99によって決定されるとき、約0~約200cps、好ましくは約0~約100cps、より好ましくは約0~約60cpsの粘度を特徴とする、段落A~Vのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
X.組成物は、透明又は半透明な容器に詰められている、段落A~Wのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物。
Y.布地を処理する方法であって、布地を段落A~Xのいずれか1つに記載の組成物と接触させる工程を含む、方法。
Z.段落A~Xのいずれか1つに記載の液体布地ケア組成物を作製する方法であって、水と、クエン酸と、好ましくは非イオン性界面活性剤と予め混合されている芳香材料と、を組み合わせる工程を含む、方法。
【0083】
試験方法
試料の色を測定する方法
試料を、VWR(Randor,Pennsylvania)品番10862-182から入手可能な正方形のガラスバイアルに入れる。試料のL*、a*、及びb*値を含む反射率スペクトル及び色測定は全て、LabScan Ultrascan VIS反射率分光光度計(HunterLabs,Reston,VA;D65光源、紫外光を除外)を用いて行う。機器は、反射スペクトルの較正指示に従って較正される。次に、装置の反射率試験方法を使用して、装置のポート孔と同じ高さに試料を置き、測定が行われる間、ポート孔に対して試料を平らに保持するように白色バッキングタイルを配置することによって、色試料を測定する。
【0084】
試料をエージングする方法
最初の色の読み取りを行った後、製品試料を含有する正方形のガラスバイアルを、50C(+/-2C)及び25C(+/-2C)の温度制御された部屋に置く。試料を温度制御された部屋から毎週取り出し、室温に平衡化させる。試料を室温に平衡化した後、それらを上記の着色法により測定する。次に、各エージング色測定が完了した後、試料をそれぞれの温度制御された部屋に戻す。
【0085】
pHを測定するための方法
液体布地ケア製品のpHは、W.W.Grainger,Inc.(Lake Forrest Illinois)から入手可能なExtech Instrument Model pH300 pHプローブを使用して測定する。pHプローブは、まず、pH1.68、pH4.00及びpH7.00のpH緩衝液を使用して適切に較正される。次いで、プローブを使用し、製品を希釈することなく原液の液体酸性すすぎ製品を測定する。20C~25Cの温度で試料を測定する。プローブを脱イオン水ですすぎ、これを注意深く拭き取って清浄な状態とし、異なる試料のpH読み取り間に乾燥させる。
【実施例】
【0086】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0087】
実施例1.PRM選択及び色安定性
液体酸性布地ケア組成物における色安定性に対する香料原料(PRM)選択の影響を試験するために、異なるPRMを用いて様々な製品を作製する。より具体的には、ある範囲のアルデヒドPRMを非アルデヒドPRM(アントラニル酸メチル)と組み合わせて製品を作製し、50℃で保存し、色安定性について試験する。
【0088】
別個の香料プレミックスは、以下のアルデヒド性PRMを使用して作製され、これらは以下により詳細に構造的に記載される。ウンデシレンアルデヒド、デシルアルデヒド、ラウリン酸アルデヒド、イントロンアルデヒド、PTブシナール、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール、シマール、メチルノニルアセトアルデヒド、メロナール、ヘリオナール、アルデヒドマンダリン、ヘキシル桂皮アルデヒド、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、及びバニリン。香料プレミックスもアントラニル酸メチルのみで製造する。
【0089】
試験したPRMの構造を、アルデヒド部分に隣接する部分に関する短い構造の説明と共に以下の表1に示す。場合によっては、代表的な異性体のみを示すが、他の異性体がPRMの所与の試料中に存在し得ることが認識される。PRMは、一般的に構造によって5つの群(A~E)に分類される。群B、群C、及び群DのPRMは、一般に、本開示による第1のアルデヒド系香料原料であると考えられる一方、A群及びE群のPRMは、比較材料である(アスタリスク「*」でマークされている)。
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
香料プレミックスを、72.7重量部の非イオン性界面活性剤(例えば、C24-9、Huntsman Corp(Port Neches,Texas)製)と、13.7重量部の試験された香料原料(下記参照;例えば、East Stroudsburg,Pennsylvania,USA)製)と、13.7重量部のアントラニル酸メチル(例えば、Vigon International Inc製)とを、混合物を収容するために使用される適切なサイズの容器を使用して混合することによって形成する。混合は、IKA RW 20D S1オーバーヘッドミキサー、モデルRW20D-S1及びR1325、4枚羽根プロペラ攪拌機(例えば、VWR(Randor Pennsylvania)製)を使用して行う。プレミックスは、液体酸性布地ケア組成物を完成させる際に、使用前2時間以内に作製される。
【0094】
液体酸性布地ケア製品は、表2に列挙される成分を以下の割合で混合することによって作製される。
【0095】
【表2】
1混合物を入れるのに適当なサイズの容器を用いる。混合は、VWR(Randor,Pennsylvania)製のIKA RW 20D S1オーバーヘッドミキサー、モデルRW20D-S1及びR1345、4枚羽根プロペラ攪拌機を使用して行う。
2Tate and Lyle PLC(Dayton,Ohio)から入手可能である食品グレード品質の50.5%の活性クエン酸溶液
3混合物を含有するために使用される適切にサイズ決めされた容器内で、Perstorm Polyols Inc(Toledo,Kansas)から入手可能である30重量%のギ酸ナトリウム粉末と、70重量%の脱イオン水とを混合することで作製した30重量%ギ酸ナトリウム溶液。
4Formosa Plastics Corp(Baton Rouge,Louisiana)から入手可能である50%活性水酸化ナトリウム溶液膜グレード
5Archer Daniels Midland(Decatur,Illinois)から入手可能である生物源グレード
6Nease Corp(Harrison,Ohio)から入手可能である45%活性クメンスルホン酸ナトリウム溶液
7これは、上述の香料プレミックス組成物に添加されるNI C24-9とは別の製品へのNI C24-9の添加である。Huntsman Corp(Port Neches,Texas)から入手可能。
8与えられる重量%は、添加されるプレミックス組成物の総量に関するものであり、プレミックスは、前の段落に従って調製される。
【0096】
製品を製造した後、それらを50℃で1週間貯蔵する。貯蔵期間後、それらは、色安定性について、すなわち、本明細書で提供される方法に従ってb値の変化を測定することによって評価される。各レッグの結果を以下の表3に提供する。PRMは、アルデヒド部分に隣接する構造群によって分類され、各群のb値の変化について平均が提供される。
【0097】
【0098】
表3の結果によれば、群Aの比較アルデヒド系香料原料は、平均して、最大の色変化(50℃で1週間保存後のb値の変化に基づく)を示す。対照的に、群B、C、及びDのPRM(例えば、本開示による第1のアルデヒド系香料原料)は、平均して、比較的少ない色変化を示す。
【0099】
表3の結果によれば、群Eの非アルデヒドPRM(アントラニル酸メチル、別の比較材料)は、比較的少ない色変化を示し、変色の問題がアルデヒドPRMで特に問題であることを示し、これは、本明細書に開示されるようなそのようなPRMの配合者の注意深い選択が製品色安定性に有益であることを示す。
【0100】
実施例2.例示的な組成物の製造方法
本開示による組成物は、以下の方法に従って作製され得る。混合は一般にプロセス全体を通して行われ、混合物は中和熱を管理するために冷却される。
【0101】
目標量の水(最終配合物中67.7%活性)を適切な容器に提供する。別に、プロパンジオール(最終配合物中5.3%活性)を非イオン性界面活性剤の第1の部分(C24-9;配合物中0.1%活性)と組み合わせてプレミックスを作製する。このプレミックスを容器中の水に添加する。このプレミックスは、界面活性剤ゲル化の最小化及び/又は可溶化の促進を含み得る加工助剤として有用であると考えられる。
【0102】
この混合物に、23.7%活性クエン酸が最終配合物中に存在するように、目標量のクエン酸溶液(50.5%活性レベル)を添加する。(クエン酸は代わりに粉末として添加してもよい)。ギ酸ナトリウム溶液(30%活性レベル)を添加して、最終配合物中に0.16%ギ酸ナトリウムを提供する。ギ酸ナトリウムはクエン酸の後に添加してもよいが、好ましくは並行して添加する。重硫酸ナトリウムを任意選択で添加してもよい。クメンスルホン酸ナトリウム(「SCS」;45%の活性レベル)を添加して、最終配合物に1.1%の活性SCSを提供する。
【0103】
十分な水酸化ナトリウム(NaOH)溶液(50%活性レベル)を添加して、2.5の目標pH範囲を達成する(最終配合物の約1.3~3.0%活性NaOH)。SCS及びNaOHは、好ましくは並行して添加されてもよいが、好ましくは異なる投入ポートを介して添加される。これにより、ベース(着香されていない)配合物が得られる。
【0104】
香料を添加するために、非イオン性界面活性剤の第2の部分(最終配合物中に4%を提供するのに十分な量)を香料(最終配合物中に1.5%活性)と組み合わせて香料プレミックスを形成する。非イオン性界面活性剤は、香料の(水性)ベース配合物への組み込みを容易にし、最終製品配合物において安定性の利益をもたらすと考えられる。ベース配合物を(例えば、周囲温度まで)冷却した後、香料プレミックスをベース配合物に添加して、最終製品配合物を完成させる。
【0105】
実施例3.例示的な製品処方
液体布地ケア組成物のための例示的な製品配合物を以下の表4に提供する。量は重量%で示す。
【0106】
【表4】
2Tate and Lyle PLC(Dayton,Ohio)から入手可能である食品グレード品質の50.5%の活性クエン酸溶液
3混合物を含有するために使用される適切にサイズ決めされた容器内で、Perstorm Polyols Inc(Toledo,Kansas)から入手可能である30重量%のギ酸ナトリウム粉末と、70重量%の脱イオン水とを混合することで作製した30重量%ギ酸ナトリウム溶液。
4Formosa Plastics Corp(Baton Rouge,Louisiana)から入手可能である50%活性水酸化ナトリウム溶液膜グレード
5Archer Daniels Midland(Decatur,Illinois)から入手可能である生物源グレード
6Nease Corp(Harrison,Ohio)から入手可能である45%活性クメンスルホン酸ナトリウム溶液
7これは、香料プレミックス組成物に添加されるNI C24-9とは別の製品へのNI C24-9の添加である。Huntsman Corp(Port Neches,Texas)から入手可能。
8Fleischmann’s Vinegar Company Inc(Baltimore,Maryland)から入手可能な14.70%活性蒸留白酢/酢酸溶液。
9香料プレミックスは、3重量部の香料及び8重量部の非イオン性界面活性剤(NI C24-9)である。香料部分は、表5に示すように、以下の割合の香料原料の混合物であり得る。「
*」でマークされたものは、ヒンダードアルデヒドPRM(例えば、第1のアルデヒドPRM)であり、香料部分の26.7重量%の総量で存在する。「
**」でマークされたものは、非ヒンダードアルデヒドPRM(例えば、第2のアルデヒドPRM)であり、香料部分の1.3重量%の総量で存在する。第1のアルデヒドPRMと第2のアルデヒドPRMとの重量比は、約20.5:1である。
【0107】
【0108】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、別途指定のない限り、各このような寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0109】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0110】
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体布地ケア組成物であって、
前記液体布地ケア組成物の10重量%~50重量%のクエン酸及び/又はその塩と、
0.01%~20%の芳香材料であって、
前記芳香材料は、第1のアルデヒド系香料原料を含み、
前記第1のアルデヒド系香料原料は、以下の構造:
a)R
1-C(R
2)(R
3)-C(R
4)(R
5)-CHO、
式中、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、
前記炭化水素部分は、置換又は非置換でもよく、
ただし、R
2、R
3、R
4、又はR
5のうちの少なくとも1つは、炭化水素部分である;
b)R
1-C(R
2)=C(R
4)-CHO、
式中、R
2及びR
4は、独立して、水素又は炭化水素部分から選択され、
前記炭化水素部分は、置換又は非置換でもよい;
c)R
1-Ar-CHO、
式中、Arは、置換もしくは非置換のアリール環である、のうちの少なくとも1つであり;
a)、b)、及びc)による構造の各々について、各R
1は、独立して、H、置換炭化水素部分、又は非置換炭化水素部分から選択される、芳香材料と、
前記液体布地ケア組成物の30重量%~90重量%の水と、を含み、
前記組成物は、洗浄性界面活性剤、漂白系、布地柔軟化材料、及びそれらの混合物からなる群から選択される、前記液体布地ケア組成物の5重量%未満の材料を含み、
前記液体布地ケア組成物は、2~6の原液pHを有する、液体布地ケア組成物。
【請求項2】
前記液体布地ケア組成物は、前記液体布地ケア組成物の15重量%~40重量%、好ましくは20重量%~30重量%のクエン酸及び/又はその塩を含む、請求項1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項3】
前記芳香材料は、群a)、b)、及びc)から選択される少なくとも2つの群、好ましくは少なくとも3つの群の構造を特徴とする第1のアルデヒド系香料原料を含む、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項4】
前記芳香材料は、前記芳香材料の少なくとも1重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは5重量%~30重量%のアルデヒド系香料原料を含む、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項5】
前記R
1基は、非置換炭化水素部分である、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項6】
前記R
1基は、分枝状である、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項7】
前記R
1基は、50~500ダルトン、
好ましくは75~400ダルトン、より好ましくは100~300ダルトンの分子量を特徴とする、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項8】
前記芳香材料は、PTブシナール、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール、シマール、メチルノニルアセトアルデヒド、メロナール、ヘリオナール、アルデヒドマンダリン、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリン、リラール、トリプラール、アミルシンナムアルデヒド、ネオイヴェルナル、ニンフィール、センテナール、及びそれらの組合せからなる群から選択される第1のアルデヒド系香料原料を含む、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項9】
前記芳香材料は、第2のアルデヒド系香料原料を更に含み、前記第2のアルデヒド系香料原料は、群a)、b)、及びc)の前記第1のアルデヒド系香料原料とは異なる構造を特徴とし、
好ましくは、前記第1のアルデヒド系香料原料と前記第2のアルデヒド系香料原料との重量比は、1超:1であり、好ましくは少なくとも2:1であり、より好ましくは少なくとも5:1であり、更により好ましくは少なくとも10:1であり、更により好ましくは少なくとも20:1であり、又は更により好ましくは少なくとも30:1である、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項10】
前記液体布地ケア組成物は、その50重量%~90重量%、好ましくは60重量%~85重量%、より好ましくは70重量%~80重量%の水を含む、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項11】
前記組成物は、前記液体布地ケア組成物の0.1重量%~8重量%、好ましくは1重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項12】
前記組成物は、酢酸、乳酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、グルタル酸、ヒドロキシエチリルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石二コハク酸、酒石一コハク酸、又はそれらの混合物から選択される追加の有機酸、
好ましくは酢酸を更に含む、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項13】
前記組成物は、2~5、好ましくは2~4、より好ましくは2~3のpHを特徴とする、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項14】
前記組成物は、実質的に染料を含まないときに、410~800ナノメートルの波長で1センチメートルのキュベットを使用すると、少なくとも60%の光透過率(%T)を特徴とする、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【請求項15】
前記組成物が、透明又は半透明な容器に詰められている、請求項
1に記載の液体布地ケア組成物。
【国際調査報告】