(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】防汚コーティングのための添加剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 59/20 20060101AFI20241010BHJP
A01P 17/00 20060101ALI20241010BHJP
A01N 55/02 20060101ALI20241010BHJP
A01N 59/00 20060101ALI20241010BHJP
C09D 5/16 20060101ALI20241010BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20241010BHJP
C09D 5/14 20060101ALI20241010BHJP
C09K 3/18 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A01N59/20 Z
A01P17/00
A01N55/02 160
A01N55/02 150
A01N59/00 B
C09D5/16
C09D201/00
C09D5/14
C09K3/18 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522489
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022046656
(87)【国際公開番号】W WO2023064524
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520061734
【氏名又は名称】アークサーダ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ARXADA, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヤナク,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】コールドウェル,ブリタニー
(72)【発明者】
【氏名】アガルカール,シュルティ
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 吉幸
【テーマコード(参考)】
4H011
4H020
4J038
【Fターム(参考)】
4H011AD01
4H011BB16
4H011BB18
4H020AA01
4H020BA03
4J038BA231
4J038BA232
4J038CD041
4J038JA09
4J038KA06
4J038KA08
4J038KA09
4J038NA05
4J038NA27
(57)【要約】
本開示は一般に、防汚コーティングのための添加剤組成物を対象とする。添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤と、化合物IAおよび化合物IBの一方または両方を含む殺生物剤増強剤とを含む。添加剤組成物は、海洋生物付着を抑制するために使用することができる。添加剤組成物を含む防汚塗料も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超疎水性フィルム改質剤;ならびに
化合物IAおよび化合物IBの一方または両方を含む殺生物剤増強剤
を含む防汚コーティングのための添加剤組成物であって、
前記化合物IAは、以下の式
【化1】
を有し、
前記化合物IBは、以下の式
【化2】
を有し、
式中、Meは、Cu、Zn、Co、Ni、Ca、Mg、またはMnであり、
式中、R1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、直鎖状または分枝状のC
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
2~20アルキニル、C
3~12シクロアルキル、C
6~20アリール、およびC
7~20アリールアルキルから選択され、
式中、R2は、それぞれ独立して、NH、O、S、およびSeから選択され、
式中、R3は、NH、N(R4)、O、S、またはSeであり、
式中、R4は、水素、直鎖状もしくは分枝状のC
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
2~20アルキニル、C
3~12シクロアルキル、C
6~20アリール、またはC
7~20アリールアルキルであり、
式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、直鎖状もしくは分枝状のC
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
2~20アルキニル、C
3~12シクロアルキル、C
6~20アリール、およびC
7~20アリールアルキルから選択されるか、またはR5およびR6は一緒になって、=O、=S、=Se、=NR4、=C(R4)
2、=C(R4)(OR4)、=C(R4)(NHR4)基を形成する、
添加剤組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の添加剤組成物であって、
式中:
Meは、CuまたはZnであり;
R1は、それぞれ独立して、H、F、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、シクロ-ブチル、シクロ-ペンチル、シクロ-ヘキシル、C
8アルキル、C
9アルキル、C
10アルキル、C
11アルキル、C
12アルキル、およびベンジルから選択され;
R2は、それぞれ独立して、NHおよびOから選択され;
R3は、N(R4)またはOであり;
R4は、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、シクロ-ブチル、シクロ-ペンチル、シクロ-ヘキシル、C
8アルキル、C
9アルキル、C
10アルキル、C
11アルキル、C
12アルキル、またはベンジルであり;そして、
R5およびR6は、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、およびベンジルから選択されるか、またはR5およびR6は一緒になって、=CH(OCH
3)、=CH(OC
2H
5)、=CH(OnC
3H
7)、=CH(OiC
3H
7)、=CH(OnC
4H
9)、=CH(OiC
4H
9)、=CH(OtertC
4H
9)、=CH(NHCH
3)、=CH(NHC
2H
5)、=CH(NHnC
3H
7)、=CH(NHiC
3H
7)、=CH(NHnC
4H
9)、=CH(NHiC
4H
9)、または=CH(NHtertC
4H
9)を形成する、
添加剤組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の添加剤組成物であって、前記超疎水性フィルム改質剤と前記殺生物剤増強剤との重量比が、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、および最も好ましくは3:1~1:3である、添加剤組成物。
【請求項4】
殺生物剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の添加剤組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の添加剤組成物であって、前記殺生物剤が、2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩(銅ピリチオン、CuPT)、2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩(亜鉛ピリチオン、ZnPT)、4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(DCOIT)、酸化第一銅(Cu
2O)、酸化亜鉛(ZnO)、4-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピロール-3-カルボニトリル(トラロピリル)、エタン-1,2-ジイルビス(ジチオカルバメート)亜鉛(ジネブ)、N,N-ジメチルカルバモジチオエート亜鉛(ジラム)、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(ジウロン)、チオシアネート銅(I)(CuSCN)、4-[1-(2,3-ジメチルフェニル)エチル]-1H-イミダゾール(メデトミジン)、トリアジン類、フルアニド類、および2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル(クロロタロニル)のうちの1種または複数を含む、添加剤組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の添加剤組成物であって、前記殺生物剤増強剤と前記殺生物剤との重量比が、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、および最も好ましくは1:1~1:3である、添加剤組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の添加剤組成物であって、前記超疎水性フィルム改質剤が、疎水性層でコーティングされた多孔性珪藻土粒子を含む、添加剤組成物。
【請求項8】
固体表面上での海洋生物付着を抑制するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の添加剤組成物を使用するステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記防汚組成物を、前記超疎水性フィルム改質剤および前記殺生物剤増強剤の一方または両方の制御放出を可能にするためのポリマー、コポリマー、または前記ポリマーおよび前記コポリマーの両方と組み合わせて使用する、方法。
【請求項10】
防汚塗料であって、請求項1から7のいずれか一項に記載の添加剤組成物;ならびに前記超疎水性フィルム改質剤、前記殺生物剤増強剤、および前記殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にするためのポリマー、コポリマー、または前記ポリマーおよび前記コポリマーの両方を含む、防汚塗料。
【請求項11】
請求項10に記載の防汚塗料であって、前記殺生物剤増強剤が、前記防汚塗料中に約0.2wt%~約20wt%、好ましくは約0.5wt%~約10wt%、およびより好ましくは約1wt%~約5wt%存在する、防汚塗料。
【請求項12】
請求項10または11のいずれか一項に記載の防汚塗料であって、前記殺生物剤が、前記防汚塗料中に約30wt%未満で存在する、防汚塗料。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項に記載の防汚塗料であって、前記超疎水性フィルム改質剤が、前記防汚塗料中に約0.2wt%~約20wt%、好ましくは約0.5wt%~約10wt%、およびより好ましくは約1wt%~約5wt%存在する、防汚塗料。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか一項に記載の防汚塗料であって、前記防汚塗料が超疎水性ではない、防汚塗料。
【請求項15】
固体表面上での海洋生物付着を抑制する方法であって、前記固体表面上に請求項10から14のいずれか一項に記載の防汚塗料を適用するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]船舶、養殖魚網、水中構造物、および水中装置は、フジツボ類、コケムシ類、ヒドロ虫類、イガイ類、および藻類などの海洋生物の標的になることが頻繁にある。このような生物は成長し、増殖し、最終的には重大な問題を引き起こす可能性がある。例えば、船体の場合、船体上に海洋生物が成長すると、船体と水との間の摩擦抵抗が増大し、したがって、燃料消費が増大し、船の速度が低下し得る。燃料効率の最大化のために船体を清潔で滑らかに保つためには、船体を海洋生物の成長から保護する必要がある。世界のある地域から別の地域へ海洋生物を輸送することは、外来生物を持ち込み、地域の生態系を乱すことにもなりかねない。したがって、海洋生物付着に対する適切な保護は、水中部品にとって有利である。
【0002】
[0002]防汚塗料は、海洋生物付着を制限するために水中部品に添加されることが多い。このような防汚塗料に使用されるバインダー系は、一般に侵食性バインダーを含む。塗膜の侵食は、時間の経過とともにコーティングから殺生物剤を放出し、したがって海洋生物の付着を阻害することによって、汚損を防止するのに役立つ。侵食性防汚コーティングには、主に自己研磨型および崩壊型(ablative)の2種類ある。
【0003】
[0003]崩壊型コーティングのバインダー系には、海水と反応して水溶性となって侵食するロジンが主に含まれる。あるいは、ロジンまたはロジン誘導体は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ゴム樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂、またはポリアミド樹脂などの非浸食性バインダーとの混合物でも使用される。自己研磨型防汚コーティングでは、バインダー系は、加水分解性アクリレートポリマーを主に含む。加水分解性官能基は一般に、金属カルボン酸アクリレートモノマーまたはシリルアクリレートモノマーのいずれかによってポリマーに付与される。浸食性ポリエステルバインダーも使用され、より低コストの防汚塗料となる。崩壊型コーティングと自己研磨型コーティングとの違いは、主に浸出層の厚さと、自己研磨型コーティングに対するより直線的な経時的浸食速度にある。ハイブリッドコーティングも存在し、そのバインダー系は、自己研磨型塗料のような浸食性アクリレートおよびロジンを含む。浸出層の厚さは、崩壊型コーティング中のものよりは薄いが、純粋な自己研磨型コーティング中のものよりは厚い。
【0004】
[0004]ほとんどの市販の防汚塗料は、殺生物剤として使用される高濃度の酸化第一銅(Cu2O)のため、高い金属含有量を含有しており、通常約40重量%が適切な防汚保護に必要とされる。酸化第一銅は、多くの生物に有害である可能性があり、防汚塗料からの浸出は、水、堆積物、および周辺環境中の銅レベルを上昇させる原因となり得る。人工的な高い銅レベルは、生態系に大きな影響を与える恐れがある。酸化第一銅は、防汚塗料中の防汚剤として広く使用されている一方で、酸化第一銅だけでは一般にフジツボ類のような固着性の汚損生物にしか効果がないため、防汚塗料は、追加の殺生物剤も含有し得る。
【0005】
[0005]したがって、殺生物剤の含有量を減らした、生態学的および経済的に改善された防汚塗料が必要とされている。銅の含有量を減らすことは特に有用であろう。
【発明の概要】
【0006】
[0001]一般に、本開示は、添加剤組成物、例えば、防汚コーティングと共に使用するための添加剤組成物を対象とする。添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤および殺生物剤増強剤を含む。有利には、本開示の添加剤組成物は、酸化第一銅(Cu2O)などの殺生物剤の効力を増大させることができ、したがって、適切な防汚保護に必要な殺生物剤の濃度を減少させることができる。添加剤組成物は、崩壊型塗料、自己研磨型塗料、およびハイブリッド塗料などのあらゆる種類の防汚塗料の防汚性能を向上させることができ、単純な接触浸出コーティング(contact leaching coating)にも使用することができる。添加剤組成物によってもたらされる向上した防汚性能は、例えば、防汚塗料内に超疎水性フィルム改質剤が存在するにもかかわらず、添加剤組成物を含む防汚塗料が超疎水性ではない場合があるため、特に驚くべきことである。
【0007】
[0006]本開示の例示的実施による防汚コーティングのための添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤および殺生物剤増強剤を含む。殺生物剤増強剤は、化合物IAおよび化合物IBの一方または両方を含む。化合物IAの式は以下
【0008】
【0009】
でもよく、化合物IBの式は以下
【0010】
【0011】
でもよく
[0007]式中、Meは、Cu、Zn、Co、Ni、Ca、Mg、またはMnでもよく、
[0008]式中、R1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、直鎖状または分枝状のC1~20アルキル、C2~20アルケニル、C2~20アルキニル、C3~12シクロアルキル、C6~20アリール、およびC7~20アリールアルキルから選択してもよく。
【0012】
[0009]式中、R2は、それぞれ独立して、NH、O、S、およびSeから選択してもよい。R3は、NH、N(R4)、O、S、またはSeでもよく、
[0010]式中、R4は、水素、直鎖状または分枝状のC1~20アルキル、C2~20アルケニル、C2~20アルキニル、C3~12シクロアルキル、C6~20アリール、またはC7~20アリールアルキルでもよく、
[0011]式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、直鎖状もしくは分枝状のC1~20アルキル、C2~20アルケニル、C2~20アルキニル、C3~12シクロアルキル、C6~20アリール、およびC7~20アリールアルキルから選択してもよく、またはR5およびR6は一緒になって、=O、=S、=Se、=NR4、=C(R4)2、=C(R4)(OR4)、=C(R4)(NHR4)基を形成してもよい。
【0013】
[0012]第1の例示的態様では:Meは、CuまたはZnでもよく;R1は、それぞれ独立して、H、F、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、シクロ-ブチル、シクロ-ペンチル、シクロ-ヘキシル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、およびベンジルから選択してもよく;R2は、それぞれ独立して、NHおよびOから選択することができ;R3は、N(R4)またはOであり;R4は、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、シクロ-ブチル、シクロ-ペンチル、シクロ-ヘキシル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、またはベンジルでもよく;R5およびR6は、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、およびベンジルから選択してもよく、またはR5およびR6は一緒になって、=CH(OCH3)、=CH(OC2H5)、=CH(OnC3H7)、=CH(OiC3H7)、=CH(OnC4H9)、=CH(OiC4H9)、=CH(OtertC4H9)、=CH(NHCH3)、=CH(NHC2H5)、=CH(NHnC3H7)、=CH(NHiC3H7)、=CH(NHnC4H9)、=CH(NHiC4H9)、または=CH(NHtertC4H9)を形成してもよい。
【0014】
[0013]第2の例示的態様では、超疎水性フィルム改質剤と殺生物剤増強剤との重量比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、および最も好ましくは3:1~1:3である。
【0015】
[0014]第3の例示的態様では、添加剤組成物は、殺生物剤をさらに含む。殺生物剤は、2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩(銅ピリチオン、CuPT)、2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩(亜鉛ピリチオン、ZnPT)、4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(DCOIT)、酸化第一銅(Cu2O)、酸化亜鉛(ZnO)、4-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピロール-3-カルボニトリル(トラロピリル)、エタン-1,2-ジイルビス(ジチオカルバメート)亜鉛(ジネブ)、N,N-ジメチルカルバモジチオエート亜鉛(ジラム)、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(ジウロン)、チオシアネート銅(I)(CuSCN)、4-[1-(2,3-ジメチルフェニル)エチル]-1H-イミダゾール(メデトミジン)、トリアジン類、フルアニド類、および2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル(クロロタロニル)の1種または複数を含むことができる。殺生物剤増強剤と殺生物剤との重量比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、および最も好ましくは1:1~1:3でもよい。
【0016】
[0015]第4の例示的態様では、超疎水性フィルム改質剤は、疎水性層でコーティングされた多孔性珪藻土粒子を含むことができる。
【0017】
[0016]上記で言及された例示的態様のそれぞれは、ある特定の実施形態において、上記で言及された他の例示的態様の1つまたは複数と組み合わせることができる。例えば、上記で言及された第1、第2、第3、および第4の例示的態様のすべては、一部の実施形態において互いに組み合わせることができる。別の例として、上記で言及された第1、第2、第3、および第4の例示的態様のうちの2つまたは3つの任意の組合せは、他の実施形態において組み合わせることができる。したがって、上記で言及された例示的態様は、一部の例示的実施形態において互いに組み合わせて利用することができる。
【0018】
[0017]第5の例示的態様では、固体表面上での海洋生物付着を抑制するために添加剤組成物を使用するステップを含む方法が提供される。防汚組成物は、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にするためのポリマー、コポリマー、またはポリマーおよびコポリマーの両方と組み合わせて使用することができる。
【0019】
[0018]第6の例示的態様では、防汚塗料は、添加剤組成物ならびに超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にするためのポリマー、コポリマー、またはポリマーおよびコポリマーの両方とを含む。殺生物剤増強剤は、防汚塗料中に約0.2wt%~約20wt%、好ましくは約0.5wt%~約10wt%、およびより好ましくは約1wt%~約5wt%存在することができる。殺生物剤は、防汚塗料中に約30wt%未満で存在することができる。超疎水性フィルム改質剤は、防汚塗料中に約0.2wt%~約20wt%、好ましくは約0.5wt%~約10wt%、およびより好ましくは約1wt%~約5wt%存在することができる。防汚塗料は超疎水性でなくてもよい。
【0020】
[0019]第7の例示的態様では、固体表面上での海洋生物付着を抑制する方法は、固体表面上に防汚塗料を適用するステップを含む。
【0021】
[0002]本開示の他の特徴および態様は、以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0003]本開示は、例示的な実施形態の説明のみであり、本開示の広範な態様を限定するように意図するものではないことが、当業者には理解されるべきである。
【0023】
[0004]本開示は一般に、防汚コーティングの添加剤組成物を対象とする。添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤および殺生物剤増強剤を含む。添加剤組成物は、1種または複数の殺生物剤も含む防汚塗料に含まれることができる。防汚塗料は、船体または任意のその他の海洋構造物などの水中物体の表面の汚損を抑制することができる。その結果、添加剤組成物の添加は、単独では有意な殺生物活性を示さない一方で、既知の殺生物剤の有効性を向上させる増強剤またはアジュバント効果をもたらし得ることが実証された。さらに、殺生物剤増強剤と組み合わせた超疎水性フィルム改質剤は、防汚塗料中の殺生物剤の効力を有利に高めることができる。特に、殺生物剤増強剤と組み合わせた超疎水性フィルム改質剤は、フジツボ類、コケムシ類、ヒドロ虫類、イガイ類、および藻類などの海洋生物の定着に対する防汚塗料中の殺生物剤の防汚効力を著しく高めることが驚くべきことに見出されている。この驚くべき結果は、酸化第一銅(Cu2O)など、より少量の殺生物剤を含む防汚塗料の製剤化を可能にし、そのような製品に関連する環境問題の少なくとも一部を軽減することができる。
【0024】
[0005]殺生物剤増強剤は、式IAの化合物および式IBの化合物の一方または両方を含む。化合物IAは、以下の式
【0025】
【0026】
を有し、化合物IBは、以下の式
【0027】
【0028】
を有し、
[0006]式中、Meは、Cu、Zn、Co、Ni、Ca、Mg、またはMnであり、式中、R1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、直鎖状または分枝状のC1~20アルキル、C2~20アルケニル、C2~20アルキニル、C3~12シクロアルキル、C6~20アリール、およびC7~20アリールアルキルから選択され、式中、R2は、それぞれ独立して、NH、O、S、およびSeから選択され、式中、R3は、NH、N(R4)、O、S、またはSeであり、式中、R4は、水素、直鎖状または分枝状のC1~20アルキル、C2~20アルケニル、C2~20アルキニル、C3~12シクロアルキル、C6~20アリール、またはC7~20アリールアルキルであり、式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、H、直鎖状もしくは分枝状のC1~20アルキル、C2~20アルケニル、C2~20アルキニル、C3~12シクロアルキル、C6~20アリール、およびC7~20アリールアルキルから選択されるか、またはR5およびR6は一緒になって、=O、=S、=Se、=NR4、=C(R4)2、=C(R4)(OR4)、=C(R4)(NHR4)基を形成する。
【0029】
[0007]ある特定の例示的実施形態では:Meは、CuまたはZnでもよく;R1は、それぞれ独立して、H、F、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、シクロ-ブチル、シクロ-ペンチル、シクロ-ヘキシル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、およびベンジルから選択してもよく;R2は、それぞれ独立して、NHおよびOから選択してもよく;R3は、N(R4)またはOであり;R4は、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、シクロ-ブチル、シクロ-ペンチル、シクロ-ヘキシル、C8アルキル、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、またはベンジルでもよく;R5およびR6は、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチル、およびベンジルから選択してもよく、またはR5およびR6は一緒になって、=CH(OCH3)、=CH(OC2H5)、=CH(OnC3H7)、=CH(OiC3H7)、=CH(OnC4H9)、=CH(OiC4H9)、=CH(OtertC4H9)、=CH(NHCH3)、=CH(NHC2H5)、=CH(NHnC3H7)、=CH(NHiC3H7)、=CH(NHnC4H9)、=CH(NHiC4H9)、または=CH(NHtertC4H9)を形成してもよい。
【0030】
[0008]特定の例示的実施形態では、化合物IBにおいて、MeはCuであり、各R1はFであり、各R2はOであり、R3はOであり、R5およびR6はそれぞれHであり、ならびにR4はエチルではない。
【0031】
[0009]式IAおよびIBの好適な化合物としては、それぞれ、例えば:エチル3-アミノ-4,4,4-トリフルオロクロトネート;[エチル3-アミノ-4,4,4-トリフルオロクロトネート]2Zn;[エチル3-アミノ-4,4,4-トリフルオロクロトネート]2Cu;エチル3-アミノ-2-メチレン-(メチルアミノ)-4,4-ジフルオロクロトネート;[エチル3-アミノ-2-メチレン-(メチルアミノ)-4,4-ジフルオロクロトネート]2Zn;[エチル3-アミノ-2-メチレン-(メチルアミノ)-4,4-ジフルオロクロトネート]2Cu;4,4,4-トリフルオロ-N,N-ジメチル-3-オキソブタンアミド;[4,4,4-トリフルオロ-N,N-ジメチル-3-オキソブタンアミド]2Cu;[4,4,4-トリフルオロ-N,N-ジメチル-3-オキソブタンアミド]2Zn;ドデシル4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタノエート;[ドデシル4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタノエート]2Zn;ドデシル4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタノエート]2Cu;ベンジル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート;[ベンジル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート]2Zn;[ベンジル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート]2Cu;オクチル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート;[オクチル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート]2Zn;[オクチル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート]2Cu;イソプロピル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート;[イソプロピル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート]2Zn;[イソプロピル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート]2Cu;エチル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート;[エチル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート]2Zn;tert-ブチル4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタノエート;[tert-ブチル4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタノエート]2Zn;および[tert-ブチル4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタノエート]2Cuが挙げられる。
【0032】
[0010]ある特定の例示的実施形態では、超疎水性フィルム改質剤は、超疎水性珪藻土由来の粉末を含むことができる。さらに、多孔性珪藻土粒子は、表面と、珪藻土粒子の表面に適合して結合する連続的な疎水層とを有することができる。珪藻土粒子は、未焼成珪藻土の表面構造を有することができる。珪藻土の表面構造は、粒子から外側に延びるリッジおよびピークで高度に仕切ることができる。疎水性層は、珪藻土粒子のトポグラフィー(topography)が保持されるような自己組織化単分子膜(SAM)でもよい。疎水性層は、トリデカフルオロヘキシル単位などのパーフルオロ炭化水素部分を含むことができる。別の例として、疎水性層は、ヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマー部分を含むことができる。好適な超疎水性珪藻土由来の粉末は、Dry Surface Technologies LLCから入手可能であり、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる米国特許第8,216,674号に記載されている。
【0033】
[0011]本開示の例示的態様による添加剤組成物では、超疎水性フィルム改質剤および殺生物剤増強剤の相対量は、例えば、超疎水性フィルム改質剤の性質および殺生物剤増強剤の性質に応じて変化し得る。しかし、有利には、超疎水性フィルム改質剤と殺生物剤増強剤との重量比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、および最も好ましくは3:1~1:3でもよい。このような重量比は、添加剤組成物を防汚塗料に組み込んだ場合に、酸化第一銅などの殺生物剤の効力を高めることが有利に見出されており、これにより、添加剤組成物を含まない防汚塗料と比較して殺生物剤の量をより少なくすることができる。
【0034】
[0012]ある特定の例示的実施形態では、添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤および殺生物剤増強剤を含み、添加剤組成物は、実質的に他の材料を含まない。したがって、このような例示的実施形態では、添加剤組成物は2成分添加剤組成物でもよい。2成分添加剤組成物は、防汚塗料の材料として提供されることができる。さらに、以下により詳細に説明するように、2成分添加剤組成物は、その後、他の構成成分に添加されて、添加剤組成物を含む防汚塗料を形成することができる。上述したように、添加剤組成物は、防汚塗料中の酸化第一銅などの殺生物剤の効力を有利に高めることができる。
【0035】
[0013]本発明の例示的態様による添加剤組成物は、対象物の表面上における汚損を防止することができる1種または複数の殺生物剤をさらに含むことができる。このような殺生物剤は、無機殺生物剤、有機金属殺生物剤、または有機殺生物剤でもよい。
【0036】
[0014]無機殺生物剤の例は:銅および銅化合物、例えば銅酸化物、例えば酸化第一銅および酸化第二銅;銅合金、例えば銅-ニッケル合金;銅塩、例えばチオシアン酸銅(CuSCN)、硫化銅;またはメタホウ酸バリウムである。
【0037】
[0015]有機金属殺生物剤の例は:2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩[ZnPT、ピリチオン亜鉛];有機銅化合物、例えば2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩[CuPT、銅ピリチオン]、銅アセテート、銅ナフテネート、8-キノリノネート[オキシン-銅]、銅ノニルフェノールスルホネート、銅ビス(エチレンジアミン)ビス(ドデシルベンゼンスルホネート)、および銅ビス(ペンタクロロフェノレート)など;ジチオカルバメート化合物、例えば、亜鉛N,N-ジメチルカルバモジチオエート[ジラム]、亜鉛エタン-1,2-ジイルビス(ジチオカルバメート)[ジネブ]、マンガンエチレンビス(ジチオカルバメート)[マネブ]、または亜鉛塩と錯化したマンガンエチレンビス(ジチオカルバメート)[マンコゼブ]などである。
【0038】
[0016]有機殺生物剤の例は:複素環式化合物、例えば、2-(tert-ブチルアミノ)-4-(シクロプロピルアミン)-6-(メチルチオ)-1,3,5-トリアジン[シブトリン]、4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン[DCOIT]、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン[BIT]、2-(チオシアナトメチルチオ)-1,3-ベンゾチアゾール[ベンチアゾール]、3-ベンゾ[b]チエン-2-イル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-オキサチアジン-4-オキシド[ベトキサジン]、および2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジンなど;ウレア誘導体、例えば3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア[ジウロン]など;カルボン酸、スルホン酸およびスルフェン酸のアミドおよびイミド、例えばN-(ジクロロフルオロメチルチオ)フタルイミド、N-ジクロロフルオロメチルチオ-N’,N’-ジメチル-N-フェニルスルファミド[ジクロフルアニド]、N-ジクロロフルオロメチルチオ-N’,N’-ジメチル-N-p-トリルスルファミド[トリルフルアニド]、およびN-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミドなど;その他の有機化合物、例えばピリジントリフェニルボラン、アミントリフェニルボラン、3-ヨード-2-プロピニル-N-ブチルカルバメート[ヨードカルブ]、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル[クロロタロニル]、p-((ジヨードメチル)スルホニル)トルエン、または4-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピロール-3-カルボニトリル[トラロピリル]などである。
【0039】
[0017]殺生物剤の他の例は、テトラアルキルホスホニウムハロゲニド、グアニジン誘導体、イミダゾール含有化合物、例えば4-[1-(2,3-ジメチルフェニル)エチル]-1H-イミダゾール[メデトミジン]および誘導体、イベルメクチンなどのアベルメクチンおよびその誘導体、もしくはスピノサドなどのスピノシンおよびその誘導体を含む大環状ラクトン、またはオキシダーゼなどの酵素、もしくはタンパク質分解性、ヘミセルロース分解性、セルロース分解性、脂質分解性、もしくはデンプン分解性活性酵素などである。
【0040】
[0018]一例示的実施形態では、本発明の例示的態様による添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩(CuPT、銅ピリチオン)、2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩(ZnPT、ピリチオン亜鉛)、4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(DCOIT)、酸化第一銅(Cu2O)、酸化亜鉛(ZnO)、4-ブロモ-2-(4-クロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピロール-3-カルボニトリル(トラロピリル)、エタン-1,2-ジイルビス(ジチオカルバメート)亜鉛(ジネブ)、N,N-ジメチルカルバモジチオエート亜鉛(ジラム)、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(ジウロン)、チオシアン酸銅(I)(CuSCN)、4-[1-(2,3-ジメチルフェニル)エチル]-1H-イミダゾール(メデトミジン)、トリアジン類、フルアニド類、および2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル(クロロタロニル)からなる群から選択される1種または複数の殺生物剤を含む。
【0041】
[0019]本開示の例示的態様による添加剤組成物では、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤の相対量は、例えば、超疎水性フィルム改質剤の性質、殺生物剤増強剤の性質、および殺生物剤の性質に応じて変化し得る。しかし、有利には、殺生物剤増強剤と殺生物剤との重量比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、および最も好ましくは1:1~1:3でもよい。さらに、超疎水性フィルム改質剤と殺生物剤との重量比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、および最も好ましくは3:1~1:3でもよい。このような重量比は、添加剤組成物を防汚塗料に組み込んだ場合に、酸化第一銅などの主要な殺生物剤の効力を高めることが有利に見出されており、これにより、添加剤組成物を含まない防汚塗料と比較して、主要な殺生物剤の量をより少なくすることができる。
【0042】
[0020]ある特定の例示的実施形態では、添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤(例えば、酸化第一銅ではないもの)を含み、添加剤組成物は、他の材料を実質的に含まない。したがって、添加剤組成物は、このような例示的実施形態において3成分添加剤組成物でもよい。3成分添加剤組成物は、防汚塗料の材料として供してもよい。さらに、以下により詳細に説明するように、3成分添加剤組成物は、その後、他の構成成分に添加して、添加剤組成物を含む防汚塗料を形成してもよい。上述したように、添加剤組成物は、防汚塗料中の酸化第一銅などの殺生物剤の効力を有利に高めることができる。
【0043】
[0021]3成分添加剤組成物を用いた例示的実施形態では、殺生物剤増強剤は、3成分添加剤組成物中に約5wt%~約60wt%、好ましくは約10wt%~約50wt%、およびより好ましくは約15wt%~約45wt%存在することができる。さらに、超疎水性フィルム改質剤は、3成分添加剤組成物中に約5wt%~約60wt%、好ましくは約10wt%~約50wt%、およびより好ましくは約15wt%~約45wt%存在することができる。殺生物剤(例えば、酸化第一銅ではないもの)は、3部添加剤組成物中に約20wt%~約70wt%、好ましくは約25wt%~約60wt%、およびより好ましくは約30wt%~約55wt%存在することができる。このような濃度は、3成分添加剤組成物が防汚塗料に含まれる場合、酸化第一銅などの主要な殺生物剤の効力を高めることが有利に見出されており、これにより、添加剤組成物を含まない防汚塗料と比較して、酸化第一銅などの主要な殺生物剤の量をより少なくすることができる。
【0044】
[0022]本発明の例示的態様は、固体表面上での海洋生物付着を抑制するための添加剤組成物の使用をさらに提供する。固体表面は、船舶、養殖魚網、水中構造物および装置、タンク、沖合建築物、パイプ、網、桟橋、杭、または柱などの水中物体の任意の固体表面でもよい。
【0045】
[0023]本発明の例示的態様による添加剤組成物は、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にするポリマーおよび/またはコポリマーと組み合わせて、例えば、自己研磨型コーティングまたは崩壊型コーティングの場合のように、経時的に防汚コーティングからこれらの構成成分を放出することによってさらに使用することができる。
【0046】
[0024]超疎水性フィルム改質剤および殺生物剤増強剤は、あらゆる種類の防汚コーティング、例えば、防汚コーティング組成物のバインダーとして通常使用される様々な異なるポリマーおよび/またはコポリマーをベースとする防汚コーティングに使用することができる汎用性のある薬剤である。したがって、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にするポリマーおよび/またはコポリマーは、防汚コーティングにバインダーとして通常使用される任意のポリマーおよび/またはコポリマーでもよい。その目的に好適なポリマーおよび/またはコポリマーは、当業者に公知である。使用されるバインダーの量および種類に応じて、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数が、所定の所望の速度、例えば、船舶の航行パターンに適した速度で、制御された方法で放出される。
【0047】
[0025]例えば、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にする「自己研磨型防汚コーティング」にバインダーとして使用されるポリマーおよび/またはコポリマーは、(メタ)アクリレートベースのポリマーおよび/またはコポリマーなどの加水分解性アクリレートポリマーでもよい。(メタ)アクリレートポリマーおよび/またはコポリマー中の(メタ)アクリレートモノマー部分は、アルキル(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソ-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、およびステアリル(メタ)アクリレートなど;フェニル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソブトキシブチルジグリコール(メタ)アクリレートなど;フェノキシエチル(メタ)アクリレート;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、または2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど;(メタ)アクリレートポリマーおよび/またはコポリマー中の(メタ)アクリレートモノマー部分はさらに、シリル(メタ)アクリレート、例えば、トリベンジルシリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、トリエチルシリル(メタ)アクリレート、トリ-イソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリ-n-ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ-イソブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ-t-ブチルシリル(メタ)アクリレート、トリ-n-アミルシリル(メタ)アクリレート、トリ-n-ドデシルシリル(メタ)アクリレート、トリ-n-ヘキシルシリル(メタ)アクリレート、トリ-n-オクチルシリル(メタ)アクリレート、トリ-n-プロピルシリル(メタ)アクリレート、またはトリフェニルシリル(メタ)アクリレートなどでもよい;(メタ)アクリレートポリマーおよび/またはコポリマーは、本明細書では「金属塩(メタ)アクリレート」と呼ぶ、アクリル酸またはメタクリル酸の金属塩部分を含むこともできる。金属は、当業者に公知の任意の好適な金属、例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、リチウム、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、バリウム、およびビスマスでもよい。
【0048】
[0026]超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にするポリマーおよび/またはコポリマーは、VAGHコポリマーであることもできる。VAGHコポリマーは、2:3のキシレン:MIBKに溶解することができる。
【0049】
[0027]したがって、一実施形態では、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤のうちの1種または複数の制御放出を可能にするポリマーおよび/またはコポリマーは、(メタ)アクリレートポリマーおよび/もしくはコポリマー、またはVAGHコポリマーを含む。(メタ)アクリレートポリマーおよび/もしくはコポリマーは、アルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、亜鉛(メタ)アクリレート、およびシリル-(メタ)アクリレートからなる群から選択されるモノマー部分のポリマーもしくはコポリマーでもよく;または、(メタ)アクリレートポリマーおよび/もしくはコポリマーは、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、亜鉛メタクリレート、およびトリ-イソプロピルシリルアクリレートからなる群から選択されるモノマー部分のポリマーもしくはコポリマーでもよく、好ましくは、(メタ)アクリレートポリマーおよび/もしくはコポリマーは、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、および亜鉛メタクリレートからなる群から選択されるモノマー部分のコポリマーであり、より好ましくは、(メタ)アクリレートポリマーおよび/もしくはコポリマーは、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、2-メトキシエチルアクリレートおよび亜鉛メタクリレートからなる群から選択されるモノマー部分のコポリマーであり、最も好ましくは、(メタ)アクリレートポリマーおよび/もしくはコポリマーは、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレートおよびトリ-イソプロピルシリルアクリレートからなる群から選択されるモノマー部分のコポリマーである。
【0050】
[0028]その結果、本発明の例示的態様は、添加剤組成物と、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤の1種または複数の制御放出を可能にするポリマーおよび/またはコポリマーとを含む防汚塗料をさらに提供する。
【0051】
[0029]本開示の例示的態様による防汚塗料では、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、および殺生物剤の相対量は、例えば、超疎水性フィルム改質剤の性質、殺生物剤増強剤の性質、および殺生物剤の性質に応じて変化し得る。しかし、有利には、殺生物剤増強剤は、防汚塗料中に約0.1wt%~約25wt%、好ましくは約0.5wt%~約10wt%、およびより好ましくは約1wt%~約5wt%存在することができる。さらに、超疎水性フィルム改質剤は、防汚塗料中に約0.2wt%~約20wt%、好ましくは約0.5wt%~約10wt%、およびより好ましくは約1wt%~約5wt%存在することができる。殺生物剤は、防汚塗料中に約30wt%未満で存在することができる。このような濃度は、防汚塗料中の酸化第一銅などの主要な殺生物剤の有効性を高めることが有利に見出されており、これにより、添加剤組成物を含まない防汚塗料と比較して、主要な殺生物剤の量をより少なくすることができる。本発明の例示的態様による防汚塗料中の酸化第一銅の総含有量は、約50wt%未満、より好ましくは約40wt%未満、および最も好ましくは約30wt%未満でもよい。したがって、防汚塗料の銅含有量は、比較的低いレベルに保つことができる。
【0052】
[0030]本発明はさらに、添加剤組成物を含む防汚塗料を固体表面上に適用することを特徴とする、該表面上での海洋生物付着を抑制する方法を提供する。固体表面は、船舶、養殖魚網、水中構造物および装置、タンク、沖合建築物、パイプ、網、桟橋、杭または柱などの水中物体の任意の固体表面でもよい。
【0053】
[0031]前述の説明は、本質的に例示的なものであり、本開示の範囲、適用可能性または構成を何ら限定することを意図するものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された要素の機能および配置において、記載された実施形態に対する様々な変更を行うことができる。
【0054】
[0032]別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関連する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0055】
[0033]本出願および特許請求の範囲において使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という単数形は、文脈上明らかにそうでないことが指示されない限り、複数形を含む。さらに、「~を含む(includes)」という用語は、「~を含む(comprises)」を意味する。本開示の方法および組成物は、その構成成分を含め、本明細書に記載される実施形態の必須要素および制限、ならびに本明細書に記載される、またはそうでなければ殺生物組成物に有用な任意の追加的もしくは任意選択の成分、構成成分または制限を含むことができ、それからなることができ、またはそれから本質的になることができる。
【0056】
[0034]別段の指示がない限り、本明細書または特許請求の範囲において使用される場合、成分の量、分子量などの特性、百分率などを表すすべての数値は、「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、暗黙的または明示的に別段の指示がない限り、記載された数値パラメータは、求められる所望の特性および/または標準的な試験条件/方法における検出限界に依存し得る近似値である。議論された先行技術から実施形態を直接的かつ明示的に区別する場合、「約」という語が明記されない限り、実施形態の数値は近似値ではない。
【0057】
[0035]本明細書で使用される場合、「任意選択の」または「任意選択で」は、その後に記載される材料、事象または状況が存在または発生してもしなくてもよく、その記述が、その材料、事象または状況が存在または発生する例および発生しない例を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、「w/w%」および「wt%」は、総重量の重量百分率または組成物中の別の構成成分に対する重量百分率を意味する。
【0058】
[0036]「約」という用語は、およそ、その領域内、おおよそ、またはその周辺を意味することを意図する。「約」という用語が数値範囲と共に使用される場合、それは、規定された数値の上下に境界を拡張することによってその範囲を修正する。別段の指示がない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは近似値であることを理解されるべきである。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限する試みではなく、数値パラメータは、報告された有効数字の桁数および通常の丸め技術の適用を考慮して読まれるべきである。
【0059】
[0037]材料中の物質の量を説明するために使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、完全にまたは完全に含まないことに限定されるものではなく、材料中の記載された物質のいかなる評価可能なまたは検出可能な量の欠如にも対応することができる。したがって、例えば、材料中の物質の量が、材料中の物質の量を測定するための業界で認められている計器または試験の精度よりも低い場合、材料は物質を「実質的に含まない」。ある特定の例示的実施形態では、材料中の物質の量が材料の重量に対して10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である場合、材料は物質を「実質的に含まない」可能性がある。
【0060】
[0038]「有効量」という語句は、特定の状態もしくは障害、または状態もしくは障害の特定の症状に対する反応を促進、改善、刺激、または促す化合物の量を意味する。
【0061】
[0039]「増強剤」という用語は、本明細書で使用する場合、活性化合物と組み合わせて使用した場合に活性化合物の性能に影響を及ぼし得るが、それ自体はいかなる殺生物活性も示さない、および/または本発明の組成物においてそれ自体は有意な殺生物活性を示さない添加剤を指す。
【0062】
[0040]「殺生物剤」という用語は、本明細書で使用する場合、表面上での海洋生物の定着を防止する、および/または表面上での海洋生物の成長を防止する、および/または表面からの海洋生物の離脱を促す任意の化学化合物を指す。
【0063】
[0041]「防汚塗料」および「防汚コーティング」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0064】
[0042]本明細書で使用される場合、化学式への言及は、周期表に従った標準元素記号を使用する(例えば、Cは炭素を示し、Nは窒素を示すなど)。さらに、化学式への言及は、特に指定がない限り、炭素が最大4つの結合を作ることができ、窒素が最大3つの結合を作ることができるような標準的な結合に基づいている。
【0065】
[0043]本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、範囲の限定は、組み合わされ、交換され、そのような範囲は、文脈または文言がそうでないことを示さない限り、特定され、そこに含まれるすべての部分的範囲を含む。例えば、本明細書で開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は互いに独立して組み合わせ可能である。
【0066】
[0044]以下では、実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明は決してこれらの実施例に限定されるものではないと解釈されるべきである。
【実施例】
【0067】
[0045]実施例に記載されている防汚塗料は、明示的に記載されていないいかなる物質も実質的に含まない場合があることが理解されよう。
【0068】
[0046]防汚目的に必要な酸化第一銅の量を大幅に削減することを可能にする添加剤組成物の有効性を確認するために、試験用いかだの上で実験用塗装パネルを海水に浸漬することにより一組の崩壊型防汚塗料の有効性を評価した。
【0069】
[0047]この目的のために、様々な崩壊型防汚塗料を調製した:いかなる殺生物剤も含まず、いかなる添加剤組成物も含まない(「陰性対照塗料」);殺生物剤として酸化第一銅のみを含み、いかなる添加剤組成物も含まない(「陽性対照塗料」);殺生物剤として酸化第一銅および副次的な殺生物剤のみを含む;殺生物剤として酸化第一銅および殺生物剤増強剤のみを含む;殺生物剤として酸化第一銅および超疎水性フィルム改質剤のみを含む;および酸化第一銅と、超疎水性フィルム改質剤、殺生物剤増強剤、副次的な殺生物剤を様々に組み合わせたものとを含む。
【0070】
[0048]この実施例で利用した防汚塗料内の防汚構成成分を以下の表1に示す。塗料を長方形のガラス繊維パネルに以下のように適用した。酸化第一銅の濃度を変えてそれぞれの塗料で各パネルの表裏をコーティングした。コーティングされたパネルを塩水中に浸漬し、浮きラックで支持した。2か月(表2)、4か月(表3)、6か月(表4)、および18か月(表5)の浸漬後、パネルを検査した。試験は、修正されたASTM標準評価(D6990-05)に基づいた。パネルの各面に1から10の汚損評価が割り当てられ、10の評価は汚損なしまたは0%に対応し、0の評価は完全または100%の汚損に対応し、その間の評価はそれぞれの割合の汚損に対応する。検査中、パネルを濯ぎ洗いし、試験場からの水で濡れた状態に保った。パネルの端と取り付け穴は、汚損評価の際に考慮しなかった。
【0071】
[0049]
【0072】
【0073】
[0050]表1に列挙された成分は、防汚塗料内の防汚構成成分、すなわち、主要な殺生物剤(酸化第一銅)、超疎水性フィルム改質剤(改質シリケートおよびアルミノシリケート粒子)、殺生物剤増強剤(ジ(エチル4,4,4-トリフルオロアセトアセテート)銅)、および副次的な殺生物剤(4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(DCOIT))に対応することが理解されよう。いかなる特定の理論にも束縛されることなく、防汚塗料内の防汚構成成分は、表面上での海洋生物の定着を防止する、および/または表面上での海洋生物の成長を防止する、および/または基材表面からの海洋生物の離脱を促す成分に対応すると考えられる。不活性な構成成分は、防汚塗料の残りを構成する。不活性な構成成分としては、ガムロジン、Laroflex(登録商標)MP25(塩化ビニルおよびビニルイソブチルエーテルのコポリマー)、塩素化パラフィン/Disperbyk 161(分散添加剤)、滑石、べんがら、酸化亜鉛、Disparlon A650-20x(合成ポリアミドワックス分散剤)、Bentone 38(定着防止特性のために添加される有機粘土)、およびキシレンが挙げられる。
【0074】
[0051]
【0075】
【0076】
[0052]
【0077】
【0078】
[0053]
【0079】
【0080】
[0054]
【0081】
【0082】
[0055]添加剤組成物を含むパネルは、それぞれ望ましい防汚性能を示す。評価されたすべての添加剤組成物が防汚塗料の性能を向上させるという一般的な傾向が観察される。特に、添加剤組成物を含むコーティングされたパネルは、表面側(40%の酸化第一銅を含む)および裏面側(25%の酸化第一銅を含む)の両方に望ましい防汚性能を示すことができる。したがって、添加剤組成物は、防汚目的に必要な酸化第一銅の量を大幅に削減できることが確認されている。
【0083】
[0056]本開示に対するこれらおよび他の修正および変形は、添付の特許請求の範囲により特に規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができる。加えて、様々な実施形態の態様は、全体的または部分的な交換が可能であることを理解されるべきである。さらに、当業者は、前述の説明は例示に過ぎず、このような添付の特許請求の範囲にさらに記載された本発明を限定することを意図するものではないことを理解しよう。
【国際調査報告】