(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ZSM-5モレキュラーシーブ触媒、その調製方法およびその応用
(51)【国際特許分類】
B01J 29/40 20060101AFI20241010BHJP
C07C 4/06 20060101ALI20241010BHJP
C07C 11/04 20060101ALI20241010BHJP
C07C 11/06 20060101ALI20241010BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
B01J29/40 Z
C07C4/06
C07C11/04
C07C11/06
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523449
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2022125833
(87)【国際公開番号】W WO2023066225
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111217885.7
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】509128052
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司上海石油化工研究院
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI RESEARCH INSTITUTE OF PETROCHEMICAL TECHNOLOGY SINOPEC
【住所又は居所原語表記】NO.1658 PUDONG BEI ROAD,PUDONG NEW AREA,SHANGHAI 201208,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】滕加偉
(72)【発明者】
【氏名】任麗萍
(72)【発明者】
【氏名】趙国良
(72)【発明者】
【氏名】史静
(72)【発明者】
【氏名】謝在庫
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
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4G169BB04B
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4G169ZC10
4G169ZD06
4G169ZF01A
4H006AA02
4H006AC13
4H006BA71
4H006BA81
4H006BA85
4H039CK10
(57)【要約】
本発明は、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒、その調製方法およびその応用に関する。前記触媒において、前記直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の間の交点での骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路にある骨格アルミニウム量との比は1.4:1~10:1であり、シリカ-アルミナモル比SiO2/Al2O3は80~1500であり、微孔性細孔容積は全細孔容積の70%~92%を占め得る。本発明の前記触媒がオレフィンの接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造のために使用される場合には、前記触媒は、反応水素移動指数が低く、安定性が高く、原料オレフィンの転化率が高く、プロピレンおよびエチレンの生成物の選択性が高いという特徴を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZSM-5モレキュラーシーブ触媒であって、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は、1.4:1~10:1、好ましくは1.4:1~4:1、より好ましくは1.5:1~3:1であり、前記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒のシリカ-アルミナモル比SiO
2/Al
2O
3は、80~1500、好ましくは80~1000、より好ましくは96~1000、いっそうより好ましくは150~1000、さらにより好ましくは200~1000、いっそうさらにより好ましくは250~1000である、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒。
【請求項2】
前記触媒の微孔性細孔容積は、全細孔容積の70%~92%、好ましくは75%~90%、より好ましくは80%~90%を占めることを特徴とする、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記触媒の前記全細孔容積は、0.01mL/g~1.2mL/g、好ましくは0.1mL/g~0.8mL/gであることを特徴とする、請求項1または2に記載の触媒。
【請求項4】
重量部で以下の成分を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の触媒:
a)水素型ZSM-5モレキュラーシーブ90部~100部、好ましくは92部~99部;
b)希土類元素0部~5部、好ましくは0.5部~3.0部;および
c)アルカリ土類金属元素0部~5部、好ましくは0.5部~5.0部。
【請求項5】
前記水素型ZSM-5モレキュラーシーブのシリカ-アルミナモル比SiO
2/Al
2O
3は、80~1500、好ましくは80~1000、より好ましくは96~1000、いっそうより好ましくは150~1000、さらにより好ましくは200~1000、いっそうさらにより好ましくは250~1000であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項6】
前記希土類元素は、La、Ce、PrおよびNdから選択される少なくとも1つであり;および/または、前記アルカリ土類金属元素は、Mg、Ca、SrおよびBaから選択される少なくとも1つであることを特徴とする、請求項4~5のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項7】
前記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒中、前記触媒の重量に基づいて、バインダーの重量含有量は、5%以下、好ましくは2%以下、さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは、前記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒はバインダーを含まないことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項8】
以下の(1)~(3)を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のZSM-5モレキュラーシーブ触媒の調製方法:
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を調製する工程;
(2)工程(1)で得られた前記モレキュラーシーブ原料粉末を成形用バインダーと混合し、混練し、乾燥後に触媒前駆体を形成する工程;
(3)工程(2)で得られた前記触媒前駆体を第3のテンプレート剤の存在下で第3の水熱結晶化に供し、アンモニウム交換を行い、前記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を得る工程。
【請求項9】
前記調製方法は、さらに、工程(4):工程(3)で得られた前記ZSM-5モレキュラーシーブに希土類金属および/またはアルカリ土類金属を担持させて、金属含有ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を得る工程を含むことを特徴とする、請求項8に記載の調製方法。
【請求項10】
工程(1)における前記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の前記調製方法は、以下の(1.1)および(1.2)を含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の調製方法:
(1.1)第1のテンプレート剤、第1のアルミニウム源、ケイ素源、第1のアルカリ源を水と混合し、第1の水熱方法を行う工程;
(1.2)工程(1.1)の結晶化後に得られた混合物に、第2のアルミニウム源、第2のテンプレート剤、第2のアルカリ源を混合し、第2の水熱結晶化後の前記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得る工程。
【請求項11】
工程(1.1)における前記第1のテンプレート剤は、臭化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、およびアンモニア水のうちの少なくとも1つであり;
および/または、工程(1.1)における前記第1のアルミニウム源は、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよびリン酸アルミニウムのうちの少なくとも1つであり;
および/または、工程(1.1)における前記第1の水熱結晶化の条件は、結晶化温度80℃~150℃、結晶化時間2時間~10時間であり;
および/または、工程(1.1)において、NH
4
+に基づく前記第1のテンプレート剤、Al
2O
3に基づく前記第1のアルミニウム源、SiO
2に基づく前記ケイ素源、OH
-に基づく前記第1のアルカリ源、およびH
2Oに基づく水のモル比は、NH
4
+:Al
2O
3:SiO
2:OH
-:H
2O=0.2~0.3:0.0005~0.008:1:0.2~4:15~20、好ましくは0.2~0.3:0.0005~0.001:1:0.2~0.4:15~20であったことを特徴とする、請求項10に記載の調製方法。
【請求項12】
工程(1.2)における前記第2のアルミニウム源は、硫酸アルミニウムカリウムおよびメタアルミン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つであり;
および/または、Al
2O
3に基づく工程(1.2)で添加される前記第2のアルミニウム源の量は、Al
2O
3に基づく工程(1.2)における前記第2のアルミニウム源および工程(1.1)における前記第1のアルミニウム源の合計重量の30%以上、好ましくは40%以上を占め;
および/または、工程(1.2)における前記第2のテンプレート剤は、n-ブチルアミン、ヘキサンジアミン、およびピリジンのうちの少なくとも1つであり;
および/または、工程(1.2)において、第2のアルカリ源を使用して、系のpH値を8から10までに制御し;
および/または、前記第2の水熱結晶化の条件は、結晶化温度120℃~200℃、結晶化時間10時間~100時間であることを特徴とする、請求項10または11に記載の調製方法。
【請求項13】
工程(3)における前記第3のテンプレート剤は、アンモニア水、エチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、n-ブチルアミン、ヘキサンジアミン、臭化テトラプロピルアンモニウム、および水酸化テトラプロピルアンモニウムのうちの少なくとも1つであり;
および/または、前記第3の水熱結晶化は、工程(2)で得られた前記触媒前駆体を前記第3のテンプレート剤を含む水蒸気中に載置することによって結晶化させるものであり、前記第3のテンプレート剤と前記触媒前駆体との重量比は1~3:1であり、前記結晶化は、130℃~200℃で20時間~200時間行われることを特徴とする、請求項8~12のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項14】
オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造における、請求項1~7のいずれか1項に記載の触媒、または、請求項8~13のいずれか1項に記載の調製方法によって調製される触媒、の使用。
【請求項15】
オレフィン原料をZSM-5モレキュラーシーブ触媒と接触させて反応させ、プロピレンおよびエチレンの生成物を得、好ましくはC4~C6オレフィンの少なくとも1つを前記原料として使用し、反応条件は、反応温度400℃~600℃、好ましくは420℃~580℃、反応圧力0MPa~0.3MPa、好ましくは0.01MPa~0.2MPa、重量空間速度1時間
-1~50時間
-1、好ましくは2時間
-1~40時間
-1であることを特徴とする、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、接触分解の分野に関し、特にZSM-5モレキュラーシーブ触媒およびその調製方法、ならびにオレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの増産への応用に関する。
【0002】
〔背景技術〕
プロピレンおよびエチレンは石油化学産業における重要な基礎原料である。ポリオレフィンおよびその誘導体の需要の急成長に牽引され、プロピレンおよびエチレンの需要は近年好調を維持し、急成長している。したがって、これらは大きな市場可能性を持つ生成物として考えられている。C4以上の混合オレフィンは、エチレン工場および製油所のFCC装置から副生するもので、通常は液化ガス燃料などの低付加価値生成物としてのみ利用できる。これをさらにプロピレンおよびエチレンに加工し、この多量の価値あるオレフィン資源をフル活用することが、経済および技術の発展に大きく寄与することは間違いない。オレフィンを含む原料は、オレフィン接触分解技術によってエチレンおよびプロピレンに変換することができる。開発技術の絶え間ない革新および発展により、前記オレフィン接触分解技術はプロピレンおよびエチレンの生産を増加させ、生産効率を大幅に向上させ、石油化学工業の発展に大きな影響を与え、石油化学生産技術の後続の革新および発展を促進するのに役立つという重要な成果を達成した。触媒は、オレフィン接触分解反応のコア技術として、多くの学者によって様々な調製方法を用いて広く研究されている。研究の焦点は、高い活性および選択性を持つ触媒の調製、酸特性の調節によるモレキュラーシーブの選択性の向上、モレキュラーシーブの細孔構造の最適化および制御である。さらに、副生成物および炭素析出物の生成の低減、元素の修飾、担持量、および修飾方法などは全て、触媒性能および生成物分布に直接影響する。
【0003】
水素型ZSM-5、ZSM-11、またはSAPO-34などのモレキュラーシーブを活性成分とし、不活性ガスを熱媒体および希釈剤として使用するオレフィン分解のための触媒は、反応における各種指標の改善に大きく寄与する。しかし、当該反応中に水が存在すると、前記触媒の長期使用には不利である。高温水熱条件下では、酸性モレキュラーシーブ触媒は通常激しい骨格脱アルミンを起こし、その結果、触媒酸密度が急速に低下し、触媒活性が不可逆的に失われる。同時に、モレキュラーシーブの強酸性のために、オレフィン分解によるプロピレンおよびエチレンの製造中に、オレフィンオリゴマー化連鎖成長、水素移動および芳香族化などの副反応が生じることがあり、さらには、モレキュラーシーブ触媒の細孔内でコーキングが生じ、反応活性中心を覆い、触媒の急速な失活をもたらすことがある。EP0109059A1は、C4-C12オレフィンを分解してプロピレンを製造する方法を開示しており、ここでZSM-5またはZSM-11のモレキュラーシーブが触媒として使用されている。US6307117は、C4-C12オレフィンを分解してプロピレンおよびエチレンを製造する方法を開示しており、ここで使用される触媒の活性成分はプロトン酸を含まず、IB族金属を含むZSM-5モレキュラーシーブである。上記文献に報告されているオレフィン分解触媒は、いずれも程度の差こそあれ、生成物の選択性が低い、触媒の安定性が低い、コーキングおよび失活が起こりやすい、長期運転ができないなどの欠点を有しており、工業化が困難である。
【0004】
〔発明の内容〕
本発明が解決しようとする技術的課題は、オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造において、既存技術でのオレフィン触媒分解によるプロピレンおよびエチレンの製造では触媒の安定性が悪く、かつ、プロピレンおよびエチレンの選択性が低いという問題に対して、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒およびその調製方法を提供するとともに、オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造を増やす触媒の応用を提供することにある。本発明の触媒がオレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造に使用された場合には、本発明の触媒は、反応水素移動指数が低く、安定性が高く、オレフィン原料の転化率が高く、プロピレンおよびエチレンの生成物の選択性が高いという特徴を有する。
【0005】
本発明の第1の態様は、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を提供し、ここで、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は、1.4:1~10:1であり、ZSM-5モレキュラーシーブのシリカ-アルミナモル比SiO2/Al2O3は、80~1500である。
【0006】
上記技術的解決手段において、触媒中の直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は、好ましくは1.4:1~4:1であり、より好ましくは1.5:1~3:1である。
【0007】
上記技術的解決手段において、触媒中の直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比の範囲内において、非限定的な特定の点の値は、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2.0:1、2.1:1、2.2:1、2.3:1、2.4:1、2.5:1、2.6:1、2.7:1、2.8:1、2.9:1、3.0:1、3.2:1、3.5:1、4.0:1などとすることができる。
【0008】
上記技術的解決手段において、触媒中のZSM-5モレキュラーシーブのシリカ-アルミナモル比SiO2/Al2O3は、好ましくは80~1000、より好ましくは96~1000、いっそうより好ましくは150~1000、さらにより好ましくは200~1000、いっそうさらにより好ましくは250~1000である。
【0009】
上記の技術的解決手段において、微孔性細孔容積は、好ましくは触媒中の全細孔容積の70%~92%、より好ましくは75%~90%、いっそうより好ましくは80%~90%を占める。
【0010】
上記技術的解決手段において、全細孔容積に対する微孔性細孔容積の割合の非限定的な特点の値は、70%、72%、73%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%などとすることができる。
【0011】
上記技術的解決手段において、触媒の全細孔容積は、好ましくは0.01mL/g~1.2mL/g、より好ましくは0.1mL/g~0.8mL/gである。
【0012】
上記技術的解決手段において、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒は、好ましくは重量部で以下の成分を含む:
a)90部~100部、好ましくは92部~99部の水素型ZSM-5モレキュラーシーブ;
b)0部~5部、好ましくは0.5部~3.0部の希土類元素;および
c)0部~5部、好ましくは0.5部~5.0部のアルカリ土類金属元素。
【0013】
上記技術的解決手段において、水素型ZSM-5モレキュラーシーブのシリカ-アルミナモル比SiO2/Al2O3は、好ましくは80~1500、より好ましくは80~1000、いっそうより好ましくは96~1000、なおいっそうより好ましくは150~1000、さらにより好ましくは200~1000、いっそうさらにより好ましくは250~1000である。
【0014】
上記技術的解決手段において、希土類元素は、好ましくはLa、Ce、PrおよびNdから選択される少なくとも1つである。
【0015】
上記技術的解決手段において、アルカリ土類金属元素は、好ましくはMg、Ca、SrおよびBaから選択される少なくとも1つである。
【0016】
上記技術的解決手段において、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒中、バインダーの重量含有量は、触媒重量に基づき、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。さらに、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒は、好ましくはバインダーを含まないZSM-5モレキュラーシーブ触媒である。
【0017】
上記の技術的解決手段において、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒は、好ましくはオレフィン接触分解触媒である。
【0018】
本発明の第2の態様は、以下の工程を含む、上記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を調製するための方法を提供する:
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を調製する工程;
(2)工程(1)で得られた前記モレキュラーシーブ原料粉末を成形用バインダーと混合し、混練し、乾燥後に触媒前駆体を形成する工程;
(3)工程(2)で得られた前記触媒前駆体を第3のテンプレート剤の存在下で第3の水熱結晶化に供し、アンモニウム交換を行い、前記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を得る工程。
【0019】
上記の技術的解決手段において、任意に、工程(4):工程(3)で得られた前記ZSM-5モレキュラーシーブに希土類金属および/またはアルカリ土類金属を担持させて、金属含有ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を得る工程が含まれる。
【0020】
上記技術的解決手段において、工程(1)のZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製方法は、好ましくは以下を含む:
(1.1)第1のテンプレート剤、第1のアルミニウム源、ケイ素源、第1のアルカリ源を水と混合し、第1の水熱結晶化を行う工程;
(1.2)工程(1.1)の結晶化後に得られた混合物に、第2のアルミニウム源、第2のテンプレート剤、第2のアルカリ源を混合し、第2の水熱結晶化後の前記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得る工程。
【0021】
上記技術的解決手段において、工程(1.1)における第1のテンプレート剤は、好ましくは臭化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、およびアンモニア水のうちの少なくとも1つであり;第1のアルミニウム源は、好ましくは硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、およびリン酸アルミニウムのうちの少なくとも1つであり;ケイ素源は、好ましくは水ガラス、オルトケイ酸テトラエチルおよびシリカゾルのうちの少なくとも1つであり;第1のアルカリ源は、好ましくは水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの少なくとも1つである。第1の水熱結晶化は、ステンレス鋼製オートクレーブ中、自己発生圧力下で行うことができる。水は、好ましくは脱イオン水である。第1の水熱結晶化の条件は、好ましくは、結晶化温度80℃~150℃、結晶化時間2時間~10時間である。工程(1.1)において、NH4
+に基づく第1のテンプレート剤、Al2O3に基づく第1のアルミニウム源、SiO2に基づくケイ素源、OH-に基づく第1のアルカリ源、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.2~0.3:0.0005~0.008:1:0.2~0.4:15~20、好ましくは0.2~0.3:0.0005~0.001:1:0.2~0.4:15~20であった。
【0022】
上記技術的解決手段において、工程(1.2)における第2のアルミニウム源は、好ましくは、硫酸アルミニウムカリウムおよびメタアルミン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つである。硫酸アルミニウムカリウムは、硫酸アルミニウムカリウム十二水和物などの水和物であり得る。第2のテンプレート剤は、好ましくは、n-ブチルアミン、ヘキサンジアミン、およびピリジンのうちの少なくとも1つである。第2のアルカリ源は、好ましくは、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの少なくとも1つである。工程(1.2)で添加される第2のアルミニウム源および工程(1.1)で添加される第1のアルミニウム源の合計量に対する工程(1.1)で添加されるケイ素源のモル比は、SiO2/Al2O3に基づき、好ましくは80~1500、より好ましくは80~1000である。工程(1.2)で添加されるAl2O3に基づく第2のアルミニウム源の量は、好ましくは、工程(1.2)におけるAl2O3に基づく第2のアルミニウム源および工程(1.1)におけるAl2O3に基づく第1のアルミニウム源の合計重量の30%以上、より好ましくは40%以上を占める。
【0023】
上記の技術的解決手段において、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比は、工程(1.2)におけるNH4
+/Al2O3に基づき、好ましくは200~500:1である。第2のアルカリ源は、系のpH値を、好ましくは8~10に制御するために使用される。第2の水熱結晶化の条件は、好ましくは、結晶化温度120℃~200℃、結晶化時間10時間~100時間である。第2の水熱結晶化は、ステンレス鋼製オートクレーブ中、自己発生圧力下で行うことができる。
【0024】
上記技術的解決方法において、第2の水熱結晶化後に得られた生成物を洗浄、乾燥、焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得ることができる。洗浄は脱イオン水によって行うことができる。乾燥条件は、乾燥温度80℃~100℃、乾燥時間10時間~20時間が好ましい。焼成条件は、焼成温度500℃~650℃、焼成時間8時間~15時間が好ましい。
【0025】
上記技術的解決手段の工程(2)において、バインダーは好ましくはケイ素化合物、または、ケイ素化合物およびアルミニウム化合物である。アルミニウム化合物は、好ましくは酸化アルミニウムおよびアルミニウムゾルから選択される少なくとも1つであり、ケイ素化合物は、好ましくはホワイトカーボンブラックおよびケイ素ゾルから選択される少なくとも1つである。バインダーにおいて、ケイ素化合物は二酸化ケイ素に基づき算出され、アルミニウム化合物は酸化アルミニウムに基づき算出される。ケイ素化合物の量は、10重量%~100重量%または50重量%~100重量%を占め得る。バインダーの添加量は、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素の重量の合計に基づき、好ましくはモレキュラーシーブ原料粉末およびバインダーの合計重量の8%~45%、より好ましくは10%~40%である。工程(2)の成形は、押出成形などの従来の成形方法で行うことができる。工程(2)では、成形条件に応じて適量の水を添加することができる。乾燥条件は、好ましくは乾燥温度80℃~120℃、乾燥時間5時間~10時間である。
【0026】
上記技術的解決手段において、工程(3)における第3のテンプレート剤は、好ましくは、アンモニア水、エチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、n-ブチルアミン、ヘキサンジアミン、臭化テトラプロピルアンモニウム、および水酸化テトラプロピルアンモニウムのうちの少なくとも1つである。第3の水熱結晶化は、好ましくは、工程(2)で得られた触媒前駆体を、第3のテンプレート剤を含む水蒸気中に載置することによって行われる結晶化である。第3のテンプレート剤と触媒前駆体との重量比は、好ましくは1~3:1であり、結晶化は、好ましくは130℃~200℃で20時間~100時間行われる。第3の水熱結晶化は、気固結晶変換法(すなわち、触媒前駆体を結晶化釜の中間仕切り網上に置き、第3のテンプレート剤を含む水溶液を中間仕切り網の下方に置き、結晶化条件下で、下方の第3のテンプレート剤を含む水溶液から水蒸気を発生させて触媒前駆体上で結晶変換処理を行う)を用いて行うことが好ましい。第3の水熱結晶化は、ステンレス鋼製オートクレーブ中、自己発生圧力下で行うことができる。第3のテンプレート剤と第3のテンプレート剤の水溶液中の水との重量比は、好ましくは1~2:1である。
【0027】
上記技術的解決手段において、第3の水熱結晶化から得られた生成物は、洗浄、乾燥、焼成することができる。乾燥条件は、乾燥温度80℃~100℃、乾燥時間10時間~20時間が好ましい。焼成条件は、好ましくは、焼成温度450℃~600℃、焼成時間5時間~10時間である。
【0028】
上記技術的解決手段において、工程(3)のアンモニウム交換は、好ましくは、触媒前駆体の結晶化から得られた生成物をアンモニウム塩水溶液中に入れてアンモニウム交換し、洗浄し、乾燥する。アンモニウム塩は、好ましくは、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび硫酸アンモニウムからなる群より選択される1つ以上である。アンモニウム塩水溶液中のアンモニウム塩の重量含有量は、好ましくは5%~10%である。アンモニウム交換温度は好ましくは80℃~90℃であり、アンモニウム交換回数は3回~6回である。アンモニウム交換後に得られた生成物は焼成されるが、焼成条件は、好ましくは、焼成温度500℃~600℃、焼成時間4時間~8時間である。
【0029】
上記技術的解決手段において、工程(4)は、触媒の構成に基づいて決定される任意の工程である。希土類金属および/またはアルカリ土類金属の担持方法は、含浸法であってもよい。好ましくは、希土類金属およびアルカリ土類金属を含有する触媒であり、担持工程は、まず、希土類金属を担持したZSM-5モレキュラーシーブを得、次いで、希土類金属およびアルカリ土類金属を担持したZSM-5モレキュラーシーブ、すなわち、金属含有ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を得る。含浸法は、好ましくは等容含浸法である。希土類金属塩を含む溶液またはアルカリ土類金属塩を含む溶液にモレキュラーシーブを3時間~10時間等容含浸し、60℃~100℃で10時間~20時間乾燥し、450℃~600℃で8時間~10時間焼成する。希土類金属塩溶液中の希土類金属の重量濃度は0.2%~5%である。希土類元素は、好ましくはLa、Ce、PrおよびNdから選択される少なくとも1つであり、アルカリ土類金属塩溶液中のアルカリ土類金属の重量濃度は、好ましくは0.2%~5%である。アルカリ土類金属元素は、好ましくはMg、Ca、SrおよびBaから選択される少なくとも1つである。
【0030】
本発明の第3の態様は、オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造における上記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒の適用、またはオレフィン接触分解において上記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒を使用することによるプロピレンおよびエチレンの製造方法を提供する。
【0031】
上記技術的解決手段において、オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造プロセスは、オレフィン原料を上記ZSM-5モレキュラーシーブ触媒と接触させて反応させ、プロピレンおよびエチレンの生成物を得る工程であってもよい。
【0032】
上記技術的解決手段において、原料としてC4~C6オレフィンの少なくとも1つを用いることが好ましく、反応条件は、反応温度400℃~600℃、より好ましくは420℃~580℃、反応圧力0MPa~0.3MPa、より好ましくは0.01MPa~0.2MPa、重量空間速度1時間-1~50時間-1、より好ましくは2時間-1~40時間-1、であることが好ましい。
【0033】
上記技術的解決手段において、プロピレンおよびエチレンは触媒層を通して原料から製造され、反応水素移動指数は、好ましくは9.6%未満、より好ましくは7%未満であり;本明細書において反応水素移動指数とは、生成物中のプロパンおよびプロピレンの収率重量比である。
【0034】
先行技術において、オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの増産プロセスは、プロピレンおよびエチレンの選択性が低く、かつ、触媒の安定性が低いという問題を含んでいる。これは主に、オレフィン分解反応ネットワークが複雑で、1分子分解、2分子分解および3分子分解を含むためである。前記プロセスは、オレフィンの異性化、オリゴマー化、分解、脱水素芳香族化、水素移動反応、アルキル化、コーキングなどの複数の工程を含み、水素移動反応の程度は、残りの副反応および生成物の選択性に影響を与える重要な要因である。通常の低シリカ-アルミナ比ZSM-5モレキュラーシーブはより酸性中心であり、このことが、反応に使用された後に、副反応の増加、生成物の選択性の低下、副生成物によるモレキュラーシーブの細孔の閉塞を招き、その結果、触媒活性が低下し、最終的に触媒が失活する。しかし、シリカ-アルミナ比の高いZSM-5モレキュラーシーブは、活性中心が少なく、活性分布が不均一であるため、反応活性が低く、触媒の安定性が悪い。本発明者は、研究の結果、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒をオレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造に使用した場合には、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点における骨格アルミニウム量が、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量よりも著しく多く、かつZSM-5モレキュラーシーブ触媒のシリカ-アルミナ比が比較的高い場合に、良好な活性および良好な選択性を示し、さらに安定性が向上することを見出した。さらに、微孔性細孔容積の適切な割合は、性能を向上させるのに役立つ。
【0035】
先行技術と比較して、本発明は以下の技術的効果を奏する:
1.本発明のZSM-5モレキュラーシーブ触媒は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点における骨格アルミニウム量が、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量と比較して著しく多く、シリカ-アルミナ比が比較的高いという特徴を有し、触媒活性中心の利用率を大幅に向上させる。これにより、細孔流路の交点で生成する生成物および中間体が拡散しやすくなり、副反応の発生および炭素析出物の形成が劇的に減少し、反応水素移動指数が劇的に低下し、触媒活性および生成物選択性が大幅に向上し、安定性もさらに向上する。
【0036】
2.本発明のZSM-5モレキュラーシーブ触媒の調製プロセスの間、特にZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の合成プロセスの間、異なるアルミニウム源およびテンプレート剤を段階的に添加する。調製されたモレキュラーシーブ触媒は複合細孔流路構造を有し、結晶変換処理後、得られた触媒は基本的にバインダーを含まない。直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量よりも著しく多く、シリカ-アルミナ比が比較的高い場合には、触媒活性と生成物選択性が著しく向上し、安定性もさらに向上する。微孔性細孔容積の適切な割合は、性能をさらに向上させる。
【0037】
3.本発明のオレフィン接触分解によるエチレンおよびプロピレンの製造方法は、先行技術における反応水素移動指数が高い、触媒活性が低い、プロピレンおよびエチレンの選択性が低いという欠点を効果的に改善する。本発明の触媒を使用することにより、反応水素移動指数を9.6%以下、より好ましくは7%以下に低減することができ、オレフィン原料の転化率は71%以上であり、プロピレンおよびエチレンの目的生成物の選択性は68%を上回り、好ましくは80%を上回る。反応75時間後においても、触媒の活性および選択性に大きな変化はなく、安定性が良好であることがわかる。
【0038】
〔図面の説明〕
図1は、実施例1で得られた触媒の骨格アルミニウム
27Al核磁気共鳴スペクトルである。
図1において、線1は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点での骨格アルミニウム種を表し、線2は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム種を表し、線3は、ピーク分離前の元の曲線を表す;
図2は、実施例1で得られた触媒のXRDスペクトルである;
図3は、比較例5で得られた触媒の骨格アルミニウム
27Al核磁気共鳴スペクトルである。
図3において、線1は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点での骨格アルミニウム種を表し、線2は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム種を表し、線3は、ピーク分離前の元の曲線を表す;
図4は、比較例5で得られた触媒のXRDスペクトルを示す。
【0039】
〔具体的な実施形態〕
以下、実施例を通して本発明をさらに説明する。
【0040】
本発明において、細孔容積の決定は、TriStar3000型物理吸着装置を用いて行う。300℃で3時間の真空処理の後、試料を試験装置に入れ、液体窒素を加えて試験を行う。試料の細孔分布は、Barret-Joyner-Helenda(BJH)モデルを用いて計算される。
【0041】
本発明において、27Al核磁気共鳴特性評価に使用する装置は、Bruker社のDSX300型核磁気共鳴装置である。27Al化学シフトについては、飽和塩化アルミニウム溶液中のAl(H2O)6
3+を参照のこと。核磁気スペクトルは、マジックアングル回転速度4kHzの条件下で得られる。その際、触媒中の直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウムは、27Al核磁気共鳴スペクトルにおいて54ppm付近(例えば54±0.2ppmの範囲)の化学シフトのピークに対応し、一方、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウムは、27Al核磁気共鳴スペクトルにおいて56ppm付近(例えば56±0.6ppmの範囲)の化学シフトのピークに対応する。直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は、27Al核磁気共鳴スペクトルによるピーク分離後の54ppm付近および56ppm付近のスペクトルピークの対応する面積の比である。
【0042】
本発明において、XRD分析は、グラファイトモノクロメーター、CuKα線、管電圧40kV、管電流40mA、走査速度15分-1、走査範囲2θ 5°~50°を用いて、リガク社製D/MAX-1400X型多結晶X線回折装置で行う。
【0043】
本発明において、シリカ-アルミナモル比SiO2/Al2O3は、オランダのフィリップス社製Magix X型蛍光分光分析装置を用いて固体試料の元素組成を分析することによって算出される。動作電圧は40kV、動作電流は40mAである。
【0044】
本発明の実施例および比較例において、C4~C6オレフィンの少なくとも1つは、接触分解によってエチレンおよびプロピレンを製造するための原料として使用され、水素移動指数は、生成物中のプロパンおよびプロピレンの収率重量比である;
オレフィンの原料の転化率(%)=(1-生成物中のオレフィンの重量/原料中のオレフィンの重量)×100%;
プロピレンおよびエチレンの選択性(%)=生成物中の生成されたプロピレンおよびエチレンの重量の合計/(原料中のオレフィンの重量-反応後に残ったオレフィンの重量)×100%。
【0045】
[実施例1]
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である第1のアルミニウム源を除いた後の硫酸アルミニウムカリウム十二水和物を、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が300になるように添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0046】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0047】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に載置し、密閉後、130℃で100時間気固相水熱結晶化に供した。回収後、蒸留水を用いて生成物を洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0048】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0049】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに浸漬して10時間含浸し、100℃で10時間乾燥して、550℃で8時間焼成した。
【0050】
最後に、上記の固体を、Mg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。
【0051】
物理吸着試験によれば、触媒の全細孔容積は0.3mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の86%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、
図1に示すように、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は2:1であった。触媒のモル比SiO
2/Al
2O
3は282であった。
図2は、実施例1で得られた触媒のXRDスペクトルであり、当該触媒は、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0052】
固定床触媒反応装置を用い、エチレンプラントからのラフィネート混合C4(ブタン40重量%およびブテン60重量%)を原料として用いて、オレフィン接触分解によりプロピレンおよびエチレンを製造する反応に対する調製した触媒の活性を評価した。評価に用いたプロセス条件は、触媒担持量5g、反応温度500℃、反応圧力0.02MPa、重量空間速度20時間-1であった。反応結果は、C4オレフィン転化率75%、水素移動指数6.5%、プロピレンおよびエチレンの選択性80.8%であった。この触媒は80時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0053】
実施例2
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として水酸化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてオルトケイ酸テトラエチル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく水酸化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくオルトケイ酸テトラエチル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.2:0.0005:1:0.4:20であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、80℃で10時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である第1のアルミニウム源を除いた後のアルミン酸ナトリウムを、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が1000になるように添加した。第2のテンプレート剤であるピリジンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が300:1になるように添加し、上記の晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、200℃で10時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、80℃で20時間乾燥し、500℃で15時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0054】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、ホワイトカーボンブラック80g、アルミニウムゾル0.68g(20%Al2O3質量分率含有)を水50gと混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、120℃で5時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0055】
3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてヘキサンジアミンを用い、予めヘキサンジアミン60gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記で調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に置き、密閉後、150℃で80時間結晶化させた。回収後、蒸留水を用いて洗浄し、100℃で10時間乾燥し、空気雰囲気下600℃で5時間焼成した。
【0056】
その後、80℃の10%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて550℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0057】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Nd重量含有量2%の硝酸ネオジム溶液20gに5時間浸漬し、60℃で20時間乾燥し、600℃で8時間焼成した。
【0058】
最後に、上記固体をCa重量含有量0.8%の硝酸カルシウム溶液20gに10時間含浸し、100℃で乾燥し、500℃で10時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0059】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.4mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の90%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は1.5:1であった。触媒のモル比SiO2/Al2O3は925であった。
【0060】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率73%、水素移動指数4.8%、プロピレンおよびエチレンの選択性85.6%であった。この触媒は78時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0061】
実施例3
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である第1のアルミニウム源を除いた後の硫酸アルミニウムカリウム十二水和物を、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が300になるように添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記の晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0062】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0063】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に載置し、密閉後、130℃で100時間気固相水熱結晶化に供した。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0064】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成し、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0065】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.5mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の87%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は2:1であった。触媒のモル比SiO2/Al2O3は280であった。
【0066】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率76%、水素移動指数9.6%、プロピレンおよびエチレンの選択性68.2%であった。この触媒は82時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0067】
実施例4
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である第1のアルミニウム源を除いた後の硫酸アルミニウムカリウム十二水和物を、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が300になるように添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ粉末を得た。
【0068】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0069】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に載置し、密閉後、130℃で100時間、気固相水熱結晶化に供した。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0070】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0071】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに10時間浸漬し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0072】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.4mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の86%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は2:1であった。触媒のモル比SiO2/Al2O3は285であった。
【0073】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果はC4オレフィン転化率77.3%、水素移動指数8.8%、プロピレンおよびエチレンの選択性70.2%であった。触媒は76時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0074】
実施例5
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である硫酸アルミニウムカリウム十二水和物を、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が300になるように、第1のアルミニウム源を除いた後に添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記の晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ粉末を得た。
【0075】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0076】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物をオートクレーブ内に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に置き、密閉後、130℃で100時間気固相水熱結晶化に供した。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0077】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0078】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Mg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間浸漬し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0079】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.6mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の83%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は1.8:1であった。触媒のモル比SiO2/Al2O3は282であった。
【0080】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果はC4オレフィン転化率75.8%、水素移動指数9.3%、プロピレンおよびエチレンの選択性69.5%であった。この触媒は75時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0081】
実施例6
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硫酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硫酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.2:0.005:1:0.4:20であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、150℃で2時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第1のアルミニウム源を除いた後、第2のアルミニウム源である硫酸アルミニウムカリウムを、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が100になるように添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が500:1になるように添加し、上記の晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、150℃で40時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ粉末を得た。
【0082】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末115g、ホワイトカーボンブラック10g、アルミニウムゾル0.85g(20%Al2O3質量分率含有)を水40gと混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、120℃で5時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0083】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてヘキサンジアミンを用い、予めヘキサンジアミン60gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記で調製したストリップ触媒前駆体30gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に置き、密閉後、200℃で20時間結晶化させた。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、100℃で10時間乾燥した後、空気雰囲気下、450℃で10時間焼成した。
【0084】
その後、90℃の5%硫酸アンモニウム溶液中で6回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて600℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0085】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体をCe重量含有量0.2%の硝酸ネオジム溶液20gに3時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、450℃で10時間焼成した。
【0086】
最後に、上記固体をMg重量含有量0.2%の硝酸マグネシウム溶液20gに10時間含浸し、100℃で乾燥し、500℃で10時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0087】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.8mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の90%を占めていた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は3:1であった。触媒のモル比SiO2/Al2O3は98であった。
【0088】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率76.3%、水素移動指数5.3%、プロピレンおよびエチレンの選択性84.5%であった。この触媒は77時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0089】
実施例7
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ粉末の調製
第1のテンプレート剤として塩化テトラエチルアンモニウム、第1のアルミニウム源としてリン酸アルミニウム、ケイ素源として水ガラス、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく塩化テトラエチルアンモニウム、Al2O3に基づくリン酸アルミニウム、SiO2に基づく水ガラス、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.2:0.001:1:0.4:20であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、80℃で10時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源であるメタアルミン酸ナトリウムを、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が100になるように、第1のアルミニウム源を除いた後に添加した。第2のテンプレート剤であるヘキサンジアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、100℃で10時間乾燥し、650℃で8時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0090】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末112g、ホワイトカーボンブラック40g、アルミニウムゾル3.4g(20%Al2O3質量分率含有)を水60gと混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0091】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてトリエチルアミンを用い、予めトリエチルアミン50gおよび蒸留水50gの混合物を反応釜に添加し、上記で調製したストリップ触媒前駆体50gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に置き、密閉後、130℃で100時間結晶化させた。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、80℃で20時間乾燥した後、空気雰囲気下、500℃で8時間焼成した。
【0092】
その後、80℃の10%塩化アンモニウム溶液中で4回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で8時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0093】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、La重量含有量5%の硝酸ランタン溶液20gに10時間含浸し、100℃で12時間乾燥し、500℃で10時間焼成した。
【0094】
最後に、上記固体をBa重量含有量0.5%の硝酸バリウム溶液20gに10時間含浸し、100℃で乾燥し、500℃で10時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0095】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.1mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の70%を占めていた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は2:1であった。触媒のSiO2/Al2O3モル比は96であった。
【0096】
触媒の評価方法は実施例1と同様であり、反応結果は、C4オレフィン転化率71%、水素移動指数5.6%、プロピレンおよびエチレンの選択性80.3%であった。この触媒は78時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0097】
実施例8
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤としてアンモニア水、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてオルトケイ酸テトラエチル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づくアンモニア水、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくオルトケイ酸テトラエチル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.008:1:0.2:20であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、80℃で10時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である硫酸アルミニウムカリウムを、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が500になるように、第1のアルミニウム源を除いた後に添加した。第2のテンプレート剤であるピリジンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が400:1になるように添加し、上記晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、180℃で20時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0098】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末150g、ホワイトカーボンブラック100g、およびアルミニウムゾル(20%Al2O3質量分率含有)1.7gを水50gと混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、120℃で5時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0099】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてヘキサンジアミンを用い、予めヘキサンジアミン50gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記で調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に置き、密閉後、150℃で80時間結晶化させた。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、100℃で10時間乾燥した後、空気雰囲気下、600℃で5時間焼成した。
【0100】
これを80℃の10%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて550℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0101】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに5時間浸漬し、60℃で20時間乾燥し、600℃で8時間焼成した。
【0102】
最後に、上記固体をSr重量含有量0.3%の硝酸ストロンチウム溶液20gに10時間含浸し、100℃で乾燥し、500℃で10時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、バインダー含有量が0.2%未満のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0103】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.6mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の83%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は1.8:1であった。触媒のモル比SiO2/Al2O3は488であった。
【0104】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率76.5%、水素移動指数5.1%、プロピレンおよびエチレンの選択性83.9%であった。この触媒は80時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0105】
実施例9
実施例8の触媒を用い、かつ、窒素希釈ペンテン(窒素とペンテンとの体積比1:1)を原料として用い、オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造のために調製された触媒の反応活性を評価した。評価に用いたプロセス条件は、触媒担持量5g、反応温度580℃、反応圧力0.3MPa、重量空間速度40時間-1であった。反応結果は、C5オレフィン転化率80%、水素移動指数5.3%、プロピレンおよびエチレンの選択性82.8%であった。前記触媒は78時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0106】
実施例10
実施例8の触媒を用い、かつ、窒素希釈ヘキセン(窒素とヘキセンとの体積比1:1)を原料として用い、オレフィン接触分解によるプロピレンおよびエチレンの製造のための調製された触媒の反応活性を評価した。評価に用いたプロセス条件は、触媒担持量5g、反応温度420℃、反応圧力0.01MPa、重量空間速度2時間-1であった。反応結果は、C6オレフィン転化率72%、水素移動指数6.8%、プロピレンおよびエチレンの選択性80.3%であった。この触媒は76時間反応したが、活性および選択性に大きな変化はなく、良好な安定性を示した。
【0107】
比較例1
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
テンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、アルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、アルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させた。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ粉末を得た。
【0108】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0109】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に載置し、密閉後、130℃で100時間気固相水熱結晶化に供した。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0110】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0111】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに10時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成した。
【0112】
最後に、上記の固体を、Mg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。
【0113】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.6mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の68%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は1:1であった。XRDスペクトルは
図2と同様であり、触媒中のバインダー含有量は0.2%未満であった。
【0114】
触媒評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率76%、水素移動指数9.2%、プロピレンおよびエチレンの選択性69.3%であり、触媒反応の65時間後、触媒活性および選択性が低下し始めた。
【0115】
比較例2
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である硝酸アルミニウムは、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が300になるように、第1のアルミニウム源を除いた後に添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤とアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記の晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0116】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末50g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0117】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に載置し、密閉後、130℃で100時間気固相水熱結晶化に供した。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0118】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0119】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに10時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成した。
【0120】
最後に、上記の固体を、Mg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。
【0121】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.8mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の77%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は0.8:1であった。触媒のSiO
2/Al
2O
3モル比は280であった。XRDスペクトルは
図2と同様で、触媒中のバインダー含有量は0.2%未満であった。
【0122】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率72%、水素移動指数7.3%、プロピレンおよびエチレンの選択性75.5%であり、触媒反応の70時間後、触媒活性および選択性が低下し始めた。
【0123】
比較例3
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である硫酸アルミニウムカリウム十二水和物を、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が300になるように、第1のアルミニウム源を除いた後に添加した。臭化テトラプロピルアンモニウムのテンプレート剤を、NH4
+/Al2O3に基づき、テンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0124】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0125】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に載置し、密閉後、130℃で100時間気固相水熱結晶化に供した。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0126】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0127】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに10時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成した。
【0128】
最後に、上記の固体を、Mg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0129】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.28mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の73%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は1.2:1であった。触媒のモル比SiO
2/Al
2O
3は285であった。XRDは
図2と同様であり、触媒中のバインダー含有量は0.2%未満であった。
【0130】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率69.8%、水素移動指数7.2%、プロピレンおよびエチレンの選択性71.8%であり、触媒反応の72時間後、触媒活性および選択性が低下し始めた。
【0131】
比較例4
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.01:10:2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である硫酸アルミニウムカリウム十二水和物を、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が50になるように、第1のアルミニウム源を除いた後に添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記の晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0132】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0133】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
第3のテンプレート剤としてエチルアミンを用い、予めエチルアミン30gおよび蒸留水30gの混合物を反応釜に添加し、上記調製したストリップ触媒前駆体20gを反応釜内の多孔質ステンレス鋼製網上に載置し、密閉後、130℃で100時間気固相水熱結晶化に供した。回収後、生成物を蒸留水で洗浄し、90℃で15時間乾燥した後、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0134】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0135】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに10時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成した。
【0136】
最後に、上記の固体を、Mg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図2と同様であり、ZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0137】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.3mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の80%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は1.8:1であった。触媒中のSiO
2/Al
2O
3のモル比は47であった。XRDは
図2と同様で、触媒中のバインダー含有量は0.2%未満であった。
【0138】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4オレフィン転化率68.6%、水素移動指数12.3%、プロピレンおよびエチレンの選択性62.5%であった。触媒反応の72時間後、触媒活性および選択性が低下し始めた。
【0139】
比較例5
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
第1のテンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、第1のアルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、第1のアルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させ、次いで後で使用するために冷却した。第2のアルミニウム源である硫酸アルミニウムカリウム十二水和物を、SiO2/Al2O3に基づき、第1のアルミニウム源および第2のアルミニウム源の合計量に対するケイ素源のモル比が300になるように、第1のアルミニウム源を除いた後に添加した。第2のテンプレート剤であるn-ブチルアミンを、NH4
+/Al2O3に基づき、第2のテンプレート剤と第2のアルミニウム源とのモル比が200:1になるように添加し、上記の晶析液と十分に混合した。第2のアルカリ源である水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調整した後、混合物をステンレス鋼製オートクレーブに移し、120℃で100時間、第2の水熱結晶化を行った。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0140】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0141】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
上記で調製したストリップ触媒前駆体20gを、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0142】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0143】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに10時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成した。
【0144】
最後に、上記固体をMg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。
図4に比較例5で得られた触媒のXRDスペクトルを示すが、触媒はバインダー含有量10%のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0145】
物理吸着試験によれば、触媒の全細孔容積は0.1mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の68%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、
図3に示すように、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は0.8:1であった。触媒のモル比SiO
2/Al
2O
3は282であった。
【0146】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4転化率65%、水素移動指数15.8%、プロピレンおよびエチレンの選択性58.5%であった。
【0147】
比較例6
(1)ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末の調製
テンプレート剤として臭化テトラプロピルアンモニウム、アルミニウム源として硝酸アルミニウム、ケイ素源としてシリカゾル、アルカリ源として水酸化ナトリウムを用い、NH4
+に基づく臭化テトラプロピルアンモニウム、Al2O3に基づく硝酸アルミニウム、SiO2に基づくシリカゾル、OH-に基づく水酸化ナトリウム、およびH2Oに基づく水のモル比は、NH4
+:Al2O3:SiO2:OH-:H2O=0.3:0.001:1:0.2:15であった。これらを十分に混合し、撹拌した後、オートクレーブに移し、100℃で8時間結晶化させた。合成された生成物を水で洗浄し、90℃で15時間乾燥し、600℃で10時間焼成して、ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末を得た。
【0148】
(2)触媒前駆体の調製
上記ZSM-5モレキュラーシーブ原料粉末100g、40重量%SiO2を含むシリカゾル25g、および酸化アルミニウム0.056gを混合し、混練し、ストリップ状に押し出して成形し、80℃で10時間乾燥して、触媒前駆体を得た。
【0149】
(3)水素型ZSM-5モレキュラーシーブの調製
上記で調製したストリップ触媒前駆体20gを、空気雰囲気下、550℃で10時間焼成した。
【0150】
その後、90℃の5重量%硝酸アンモニウム溶液中で3回アンモニウム交換に供し、乾燥後、マッフル炉にて500℃で4時間焼成して、水素型ZSM-5モレキュラーシーブを得た。
【0151】
(4)金属成分の含浸
得られた水素型ZSM-5モレキュラーシーブ固体を、Pr重量含有量1%の硝酸プラセオジム溶液20gに10時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成した。
【0152】
最後に、上記固体を、Mg重量含有量2%の硝酸マグネシウム溶液20gに8時間含浸し、100℃で10時間乾燥し、550℃で8時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒のXRDスペクトルは
図4と同様であり、バインダー含有量10%のZSM-5モレキュラーシーブ触媒であることがわかった。
【0153】
物理吸着試験によると、触媒の全細孔容積は0.13mL/gであり、微孔性細孔容積は全細孔容積の62%を占めた。アルミニウム核磁気共鳴測定によると、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比は0.7:1であった。触媒のSiO2/Al2O3モル比は280であった。
【0154】
触媒の評価方法は実施例1と同じであり、反応結果は、C4転化率62.5%、水素移動指数16.9%、プロピレンおよびエチレンの選択性53.5%であった。
【0155】
図1および
図3から分かるように、本発明のZSM-5モレキュラーシーブ触媒は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点に位置する骨格アルミニウム量と直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム量との比が、従来の触媒よりも著しく高い。
【0156】
図2および
図4からわかるように、本発明の実施例1で得られた触媒の結晶化度は、比較例5で得られた触媒の結晶化度よりも著しく高く、比較例5で得られたZSM-5モレキュラーシーブ触媒は、バインダー成分を多量に含有している。
【0157】
本発明の具体的な実施形態を上記のように詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内において、本発明の技術的解決手段に対して、他の任意の適切な方法による様々な技術的特徴の組み合わせを含む、単純な変形を加えることができる。これらの単純な変形および組み合わせも、本発明に開示された内容として考慮されるべきであり、これらは全て本発明の保護範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【
図1】
図1は、実施例1で得られた触媒の骨格アルミニウム
27Al核磁気共鳴スペクトルである。
図1において、線1は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点での骨格アルミニウム種を表し、線2は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム種を表し、線3は、ピーク分離前の元の曲線を表す。
【
図2】
図2は、実施例1で得られた触媒のXRDスペクトルである。
【
図3】
図3は、比較例5で得られた触媒の骨格アルミニウム
27Al核磁気共鳴スペクトルである。
図3において、線1は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の交点での骨格アルミニウム種を表し、線2は、直線状細孔流路および正弦曲線状細孔流路の内部にある骨格アルミニウム種を表し、線3は、ピーク分離前の元の曲線を表す。
【
図4】
図4は、比較例5で得られた触媒のXRDスペクトルを示す。
【国際調査報告】