(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】マイクロ流体チップ及びマイクロ流体チップ検出システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/08 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
G01N35/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523643
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2022131391
(87)【国際公開番号】W WO2023088184
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202111362356.6
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512287595
【氏名又は名称】シアメン ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.422 Siming Nan Road,Siming District Xiamen Fujian,361005 CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】520192784
【氏名又は名称】シァメン・イノドックス・バイオテック・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】チャン トンシュイ
(72)【発明者】
【氏名】カオ ルンシン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン シャオレイ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ユイリン
(72)【発明者】
【氏名】リウ クオチアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チアユイ
(72)【発明者】
【氏名】ツォン チュンティエン
(72)【発明者】
【氏名】ソン リウウェイ
(72)【発明者】
【氏名】コー ションシアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン チュン
(72)【発明者】
【氏名】シア ニンシャオ
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058DA07
2G058EA14
2G058EC03
2G058EC08
2G058EC09
2G058GA06
(57)【要約】
本開示は、マイクロ流体チップ及びマイクロ流体チップ検出システムに関する。マイクロ流体チップは、その中に溝を備える貯蔵部材であって、少なくとも2つの貯蔵チャンバが溝の周りに配置される、貯蔵部材と、溝から離れている貯蔵部材の一端に配置されるベースであって、反応チャンバがベース上に配置される、ベースと、溝に配置される弁であって、弁が、少なくとも2つの貯蔵チャンバのいずれか1つを反応チャンバと作動的に連通させるように構成される、弁とを含む。本開示は、弁を操作することにより、任意の貯蔵チャンバ内の溶液を反応チャンバに導くことができ、又は反応チャンバ内の溶液を任意の貯蔵チャンバに導くことができ、溶液の移送が実現され、構造が単純かつコンパクトになり、流路の長さを大幅に短縮することができ、検出効率が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体チップであって、
貯蔵部材(1)であって、その中に溝(11)を備え、少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)が前記溝(11)の周囲に配置される、貯蔵部材(1)と;
前記溝(11)から離れている前記貯蔵部材(1)の一端に配置されるベース(2)であって、反応チャンバ(21)が前記ベース(2)上に配置される、ベース(2)と;
前記溝(11)内に配置される弁(3)であって、前記少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)のうちのいずれか1つを前記反応チャンバ(21)と作動的に連通させるように構成される、弁(3)とを備えるマイクロ流体チップ。
【請求項2】
少なくとも2つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)が、前記貯蔵部材(1)内に配置され、
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)が、1つの貯蔵チャンバ(12)と対応して連通され、
前記反応チャンバ(21)と連通された弁インナフローチャネル(31)が、前記弁(3)内に配置され、かつ、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)と作動的に連通させるように構成される、請求項1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項3】
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の第1の端部(131)は、前記溝(11)の底壁を貫通し、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を前記第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の前記第1の端部(131)と作動的に連通させるように構成され、かつ、
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の第2の端部(132)は、前記ベース(2)に隣接する前記貯蔵チャンバ(12)の一側を介して前記貯蔵チャンバ(12)と連通する、請求項2に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項4】
前記第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の前記第2の端部(132)は、前記貯蔵チャンバ(12)の部分と最も低い位置で連通する、請求項3に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項5】
前記弁インナフローチャネル(31)の第1の端部(311)及び前記弁インナフローチャネル(31)の第2の端部(312)の両方が、前記溝(11)の底壁に隣接する前記弁(3)の一端を貫通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第1の端部(311)は、前記反応チャンバ(21)と連通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第2の端部(312)は、任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)と作動的に連通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第1の端部(311)は、前記弁(3)の中央部に位置し、かつ、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第2の端部(312)は、前記弁(3)の外縁の近傍にある、請求項3又は4に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項6】
前記弁(3)は、
前記溝(11)内に回転可能に配置されたロータ(32)であって、
前記ロータ(32)は、弁座(321)と、弁軸(322)とを備え、
前記弁軸(322)は、前記弁座(321)と接続されている、ロータ(32)と;
弁カバー(33)であって、
前記溝(11)の周側壁に接続され、前記弁座(321)を前記弁カバー(33)と前記溝(11)の底壁との間に制限するために前記弁座(321)に当接する、弁カバー(33)であって、
前記弁カバー(33)は、第1の貫通孔(331)と、前記第1の貫通孔(331)を貫通する前記弁軸(322)の操作部とを備え、
前記弁軸(322)操作部は、外部の操作部材と接続するように構成される、弁カバー(33)と;
を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項7】
前記弁カバー(33)は、前記弁座(321)の周方向縁部に当接する、請求項6に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項8】
封止フィルムをさらに備え、
前記少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)は、試薬チャンバ(121)を備え、
前記封止フィルムは、前記試薬チャンバ(121)を封止するように構成され、
前記マイクロ流体チップは、トップカバー(4)と、穿刺針(41)とをさらに備え、
前記トップカバー(4)は、前記溝(11)を備えている前記貯蔵部材(1)の一端に配置され、
前記穿刺針(41)は、前記トップカバー(4)に接続され、かつ、
前記穿刺針(41)は、外力の作用下で前記封止フィルムを穿刺するために、前記封止フィルムを押すように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項9】
前記トップカバー(4)は、第1のリブ(421)を備え、
前記穿刺針(41)は、前記第1のリブ(421)に接続され、かつ、
前記第1のリブ(421)は、前記外力の作用下で切断されるように構成され、その結果、前記穿刺針(41)は、前記トップカバー(4)から分離され、前記封止フィルムに押し付けられる、請求項8に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項10】
前記トップカバー(4)の中央部は、第2の貫通孔(43)を備え、かつ、
前記第2の貫通孔(43)は、前記外部の操作部材が貫通して前記弁(3)を操作できるように構成される、請求項8又は9に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項11】
前記穿刺針(41)は、その中に針インナガスチャネル(411)を備え、かつ、
前記穿刺針(41)の外側を前記針インナガスチャネル(411)と連通させる第3の貫通孔(412)が、前記穿刺針の前記トップカバー(4)と接続する部分の近傍に配置される、請求項8~10のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項12】
カバーシート(6)をさらに備え、
前記カバーシート(6)は、前記トップカバー(4)内に配置され、
前記カバーシート(6)は、前記穿刺針(41)が貫通可能な第4の貫通孔(61)を備え、かつ、
前記穿刺針(41)は、外力の作用下で前記封止フィルムを押すように構成され、前記封止フィルムを穿刺後も前記封止フィルムを押し続け、その結果、第3の貫通孔(412)が前記カバーシート(6)により封止されるように構成される、請求項11に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項13】
前記反応チャンバ(21)は、前記貯蔵部材(1)から離れている一側に向かって突出する、請求項1~12のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項14】
前記反応チャンバ(21)は、球冠構造を有する、請求項13に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項15】
増幅部材(5)をさらに備え、
前記増幅部材(5)は、増幅チャンバ(51)を備え、
前記貯蔵部材(1)の側部は、スロット(14)を備え、
前記スロット(14)は、2つの隣接する貯蔵チャンバ(12)の間に位置し、前記増幅部材(5)は、挿入方法で前記スロット(14)と接続し、かつ、
前記弁(3)は、前記反応チャンバ(21)を前記増幅チャンバ(51)と作動的に連通させるように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項16】
前記貯蔵部材(1)は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)を備え、
前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の第1の端部(151)は、前記スロット(14)を貫通し、
前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の第2の端部(152)は、前記溝(11)を貫通し、
前記増幅部材(5)は、前記増幅チャンバ(51)と連通する増幅部材インナフローチャネル(52)を備え、
前記増幅部材インナフローチャネル(52)は、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の前記第1の端部(151)と連通し、かつ、
前記弁(3)は、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の前記第2の端部(152)と作動的に連通し、前記反応チャンバ(21)内の溶液を、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)及び前記増幅部材インナフローチャネル(52)を通して前記増幅チャンバ(51)に導くように構成される、請求項15に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項17】
前記貯蔵部材(1)は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)を備え、
前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の第1の端部(161)は、前記スロット(14)を貫通し、
前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の第2の端部(162)は、前記溝(11)を貫通し、
前記増幅部材(5)は、前記増幅チャンバ(51)と連通する増幅部材インナガスチャネル(53)を備え、
前記増幅部材インナガスチャネル(53)は、前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の前記第1の端部(161)と連通し、かつ、
前記弁(3)は、前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の前記第2の端部(162)と作動的に連通し、前記増幅チャンバ(51)内のガスを前記増幅部材インナガスチャネル(53)及び前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)を通して1つの貯蔵チャンバ(12)に導くように構成される、請求項16に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項18】
前記反応チャンバ(21)と連通する前記弁インナフローチャネル(31)は、前記弁(3)内に配置され、
弁インナガスチャネル(34)もまた、前記弁(3)内に配置され、かつ、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を、前記反応チャンバ(21)及び前記増幅チャンバ(51)と作動的に連通させ、前記弁インナガスチャネル(34)を、前記増幅チャンバ(51)及び1つの貯蔵チャンバ(12)と連通させるように構成される、請求項15~17のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項19】
前記貯蔵部材(1)は、貯蔵部材インナガスチャネル(17)を備え、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)は、前記反応チャンバ(21)と連通し、かつ、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)は、外部のエアーポンプと連通するように構成されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項20】
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)の第1の端部(171)は、前記溝(11)を備える貯蔵部材(1)の一端を貫通し、かつ、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)の前記第1の端部(171)は、2つの隣接する貯蔵チャンバ(12)の間に位置する、請求項19に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項21】
前記トップカバー(4)は、前記溝(11)を備えている前記貯蔵部材(1)の一端に固定的に配置され、かつ、
前記ベース(2)は、前記トップカバー(4)から離れている前記貯蔵部材(1)の一端に固定的に配置される、請求項8~12のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項22】
検出デバイスと、請求項1~21のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップとを備えるマイクロ流体チップ検出システムであって、
前記検出デバイスは、前記マイクロ流体チップを収容するための操作台と、前記弁(3)を操作するための操作部材とを備える、マイクロ流体チップ検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2021年11月17日に出願された中国特許出願第202111362356.6号に基づいており、その優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、生体外(in vitro)診断の分野に関し、特に、マイクロ流体チップ及びマイクロ流体チップ検出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
核酸検出技術は、生物の遺伝物質であるDNAやRNAを直接検出する技術であり、超高特異度及び超高感度、短ウィンドウ期、多重検出能力を有する。しかし、核酸検出工程は非常に複雑で、多くの工程があり、検出環境、検査チャンバの条件、人員の技術レベルに対する要求が非常に高い。そのため、核酸検出の開発傾向は、全自動統合化、高集積化、ベッドサイド検出、即時検出及びランダムな場所でのランダム検査である。
【0004】
上記のような核酸の自動統合検出を実現するため、近年、マイクロ流体技術が登場し、マイクロ流体技術は、マイクロサイズのフローチャネルと空洞を持ち一定の規則で配置されたチップ上に複雑な核酸検出プロセスを統合し、異なる生化学試薬を一定の順序で放出し、異なるフローチャネルを通して指定された空洞に流し、様々な生化学反応を完了させ、最終的に核酸の迅速かつ正確な検出を実現する。このような実現形態から、マイクロ流体技術に基づく核酸検出は、完全自動化、高集積化、簡便性、迅速性、交差汚染の回避、様々な環境での独立使用能力、高度専門化人員の不要などの利点を有し、迅速検出の概念と要求を満たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様では、以下を含むマイクロ流体チップ、すなわち、
【0006】
溝を備える貯蔵部材であって、少なくとも2つのチャンバが溝の周囲に配置される、貯蔵部材と、
【0007】
溝から離れている貯蔵部材の一端に配置されるベースであって、反応チャンバがベース上に配置される、ベースと、
【0008】
溝内に配置される弁であって、少なくとも2つの貯蔵チャンバのいずれかを反応チャンバと作動的に連通させるように構成される、弁とを含むマイクロ流体チップが提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの第1の貯蔵部材インナフローチャネルが、貯蔵部材内に配置され、各第1の貯蔵部材インナフローチャネルが、1つの貯蔵チャンバと対応して連通し、反応チャンバと連通される弁インナフローチャネルが、弁内に配置され、弁は、弁インナフローチャネルを任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネルと作動的に連通させるように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、各第1の貯蔵部材インナフローチャネルの第1の端部は、溝の底壁を貫通し、弁は、弁インナフローチャネルを第1の貯蔵部材インナフローチャネルの第1の端部と作動的に連通させるように構成され、各第1の貯蔵部材インナフローチャネルの第2の端部は、ベースに隣接している貯蔵チャンバの一側を介して貯蔵チャンバと連通する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の貯蔵部材インナフローチャネルの第2の端部は、貯蔵チャンバの部分と最も低い位置で連通する。
【0012】
いくつかの実施形態では、弁インナフローチャネルの第1の端部及び弁インナフローチャネルの第2の端部の両方が、溝の底壁に隣接する弁の一端を貫通し、弁インナフローチャネルの第1の端部は、反応チャンバと連通し、弁インナフローチャネルの第2の端部は、任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネルと作動的に連通し、弁インナフローチャネルの第1の端部は、弁の中央部に位置し、弁インナフローチャネルの第2の端部は、弁の外縁の近傍にある。
【0013】
いくつかの実施形態では、弁は、以下を含む、すなわち、
【0014】
溝内に回転可能に配置されたロータであって、ロータは弁座と弁軸とを含み、弁軸は弁座と接続される、ロータと、
【0015】
溝の周側壁に接続され、弁座を弁カバーと溝の底壁の間に制限するために弁座に当接する弁カバーであって、弁カバーは、第1の貫通孔を備え、弁軸の操作部は、第1の貫通孔を貫通し、弁軸の操作部は、外部の操作部材と接続されるように構成される、弁カバーと、を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、弁カバーは、弁座の周縁に当接する。
【0017】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体チップは、封止フィルムをさらに含み、少なくとも2つの貯蔵チャンバは、試薬チャンバを含み、封止フィルムは、試薬チャンバを封止するように構成され、マイクロ流体チップは、トップカバーと、穿刺針とをさらに含み、トップカバーは、溝を備えている貯蔵部材の一端に配置され、穿刺針は、トップカバーに接続され、穿刺針は、外力の作用下で封止フィルムを押して封止フィルムを穿刺するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、トップカバーは、第1のリブを含み、穿刺針は、第1のリブに接続され、第1のリブは、外力の作用下で切断され、その結果、穿刺針はトップカバーから分離され、封止フィルムに押し付けられるように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、トップカバーの中央部は、第2の貫通孔を備え、第2の貫通孔は、外部の操作部材が弁を操作するために貫通できるように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、穿刺針は、その中に針インナガスチャネルを備え、穿刺針の外側部分を針インナガスチャネルと連通させる第3の貫通孔は、穿刺針のトップカバーと接続される部分の近傍に配置される。
【0021】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体チップは、カバーシートをさらに含み、カバーシートは、トップカバー内に配置され、カバーシートは、穿刺針が貫通できる第4の貫通孔を備え、穿刺針は、外力の作用下で封止フィルムを押し、封止フィルムを穿刺後も封止フィルムを押し続け、その結果、第3の貫通孔がカバーシートにより封止されるように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、反応チャンバは貯蔵部材から離れている一側に向かって突出する。
【0023】
いくつかの実施形態では、反応チャンバは、球冠構造を有する。
【0024】
いくつかの実施形態では、マイクロ流体チップは、増幅部材をさらに含み、増幅部材は、増幅チャンバを備え、貯蔵部材の側部は、スロットを備え、スロットは、2つの隣接する貯蔵チャンバの間に位置し、増幅部材は、スロットと挿入方法で接続され、弁は、反応チャンバを増幅チャンバと作動的に連通させるように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、貯蔵部材は、第2の貯蔵部材インナフローチャネルを備え、第2の貯蔵部材インナフローチャネルの第1の端部は、スロットを貫通し、第2の貯蔵部材インナフローチャネルの第2の端部は、溝を貫通し、増幅部材は、増幅チャンバと連通する増幅部材インナフローチャネルを備え、増幅部材インナフローチャネルは、第2の貯蔵部材インナフローチャネルの第1の端部と連通し、弁は、第2の貯蔵部材インナフローチャネルの第2の端部と作動的に連通し、反応チャンバ内の溶液を、第2の貯蔵部材インナフローチャネル及び増幅部材インナフローチャネルを通して増幅チャンバに導くように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、貯蔵部材は、第3の貯蔵部材インナフローチャネルを備え、第3の貯蔵部材インナフローチャネルの第1の端部は、スロットを貫通し、第3の貯蔵部材インナフローチャネルの第2の端部は、溝を貫通し、増幅部材は、増幅チャンバと連通する増幅部材インナガスチャネルを備え、増幅部材インナガスチャネルは、第3の貯蔵部材インナフローチャネルの第1の端部と連通し、弁は、第3の貯蔵部材インナフローチャネルの第2の端部と作動的に連通し、増幅チャンバ内のガスを、増幅部材インナガスチャネル及び第3の貯蔵部材インナフローチャネルを通して1つの貯蔵チャンバに導くように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、反応チャンバと連通される弁インナフローチャネルは、弁内に配置され、弁インナガスチャネルもまた、弁内に配置され、弁は、弁インナフローチャネルを、反応チャンバ及び増幅チャンバと作動的に連通させ、弁インナガスチャネルを、増幅チャンバ及び1つの貯蔵チャンバと連通させるように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、貯蔵部材は、貯蔵部材インナガスチャネルを備え、貯蔵部材インナガスチャネルは、反応チャンバと連通し、貯蔵部材インナガスチャネルは、外部のエアーポンプと連通するように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、貯蔵部材インナガスチャネルの第1の端部は、溝を備えている貯蔵部材の一端を貫通し、貯蔵部材インナガスチャネルの第1の端部は、2つの隣接する貯蔵チャンバの間に位置する。
【0030】
いくつかの実施形態では、トップカバーは、溝を備えている貯蔵部材の一端に固定的に配置され、ベースは、トップカバーから離れている貯蔵部材の一端に固定的に配置される。
【0031】
本開示の一態様では、検出デバイスと、上記のマイクロ流体チップとを含むマイクロ流体チップ検出システムであって、検出デバイスは、マイクロ流体チップを収容するための操作台と、弁を操作するための操作部材とを含む、マイクロ流体チップ検出システムが提供される。
【0032】
上記の技術的解決策に基づき、本開示は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、貯蔵部材は、溝を備え、少なくとも2つの貯蔵チャンバが、溝の周方向に沿って配置され、弁は、溝内に配置され、反応チャンバは、弁の下方に配置される。弁を操作することにより、任意の貯蔵チャンバ内の溶液を反応チャンバに導入し、又は反応チャンバ内の溶液を任意の貯蔵チャンバに導入することができ、その結果、溶液の移送が実現し、構造が単純でコンパクトになり、フローチャネルの長さを大幅に短縮でき、検出効率が向上する。
【0034】
本明細書に記載の添付図面は、本開示のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を形成する。本開示の例示的な実施形態及びそれらの説明は、本開示を説明するために使用され、本開示に対する不適切な限定を形成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの全体構造の概略図である。
【0036】
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの分解構造の概略図である。
【0037】
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップのトップカバーの概略構造図である。
【0038】
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップのトップカバー及びカバーシートの概略構造図である。
【0039】
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの貯蔵部材及び弁の概略構造図である。
【0040】
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの貯蔵部材の概略平面図である。
【0041】
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの貯蔵部材の概略底面図である。
【0042】
【
図8】
図8は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの貯蔵部材の概略断面図である。
【0043】
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの弁の分解構造の概略図である。
【0044】
【
図10】
図10は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの弁の概略断面図である。
【0045】
【
図11】
図11は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップのベースの構造概略図である。
【0046】
【
図12】
図12は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップのベースの概略平面図である。
【0047】
【
図13】
図13は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップのベースの底部構造の概略図である。
【0048】
【
図14】
図14は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップのベースの概略断面図である。
【0049】
【
図15】
図15は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの増幅部材の概略図である。
【0050】
【
図16】
図16は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの増幅部材、第2のガスケット及び貯蔵部材の接続前の概略図である。
【0051】
【
図17】
図17は、本開示のいくつかの実施形態により提供されるマイクロ流体チップの貯蔵部材のスロットに増幅部材を挿入する前の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
実施形態の詳細な説明
以下において、本開示の実施形態における添付図面と組み合わせ、実施形態での技術的解決策が明確かつ完全に説明される。説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部に過ぎず、すべてではないことは明らかである。本開示の実施形態に基づいて、創造的な作業なく当業者により得られる他の全ての実施形態は、本開示の保護範囲内である。
【0053】
本開示の説明において、「中心」、「長手」、「横」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、及び「外」などの用語によって示される方向又は位置関係は、図面に示される方向又は位置関係に基づいていることを理解すべきであり、本開示の記載を容易にし、その記載を簡略化する目的でのみ使用されるものであり、指定されたデバイス又は要素が特定の方向に具体的に配置され、構造化され、操作しなければならないことを示すものでも、暗示するものでもなく、したがって、本開示の保護範囲に対する制限として理解されるべきではない。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態は、迅速な生体外検出に適した、マイクロ流体チップ及びマイクロ流体チップ検出システムを提供する。
【0055】
図1及び
図2に示すように、いくつかの実施形態では、貯蔵部材1、ベース2及び弁3を含むマイクロ流体チップを提供する。
【0056】
図5及び
図6に示すように、貯蔵部材1は、その中に溝11を備え、溝11の周囲には少なくとも2つの貯蔵チャンバ12が配置される。溝11は底壁と周側壁とを含む。
【0057】
図1及び
図2に示すように、ベース2は溝11から離れている貯蔵部材1の一端に配置され、反応チャンバ21はベース2上に配置される。
【0058】
図1、
図2及び
図5に示すように、弁3は溝11内に配置され、弁3は少なくとも2つの貯蔵チャンバ12のいずれか1つを反応チャンバ21と作動的に連通させるように構成される。
【0059】
少なくとも2つの貯蔵チャンバ12は、少なくとも1つの試料チャンバと、少なくとも2つの試薬チャンバ121とを含む。試薬チャンバ121は、固体試薬でも液体試薬でもよい異なる検出試薬を貯蔵するために使用され、試薬チャンバ121の数は必要に応じて柔軟に増減することができる。1つの試料チャンバが配置されてもよく、必要に応じて2つ配置されてもよい。試料チャンバは、血液や唾液などの被検出試料を添加するために使用される。
【0060】
反応チャンバ21は、核酸抽出のための試薬反応場である。
【0061】
弁3は、マイクロ流体チップ内の流体制御のための重要な構成要素であり、フローチャネルの連通と閉鎖を制御する。
【0062】
ベース2は、マイクロ流体チップを安定的に平坦に敷設するためのもので、位置決めと制限の機能を有し、検出の安定性を向上させる。
【0063】
本開示の実施形態によれば、溝11は、貯蔵部材1内に配置され、少なくとも2つの貯蔵チャンバ12は、溝11の周方向に沿って配置され、弁3は、溝11内に配置され、反応チャンバ21は、弁3の下方に配置される。弁3を操作することにより、任意の貯蔵チャンバ12内の溶液を反応チャンバ21に導入し、又は反応チャンバ21内の溶液を任意の貯蔵チャンバ12に導入することができ、その結果、溶液の移送が実現し、構造が単純でコンパクトになり、フローチャネルの長さを大幅に短縮でき、検出効率が向上する。
【0064】
図8に示すように、少なくとも2つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13が、貯蔵部材1内に配置され、各第1の貯蔵部材インナフローチャネル13が、1つの貯蔵チャンバ12と対応して連通する。
図10に示すように、反応チャンバ21と連通する弁インナフローチャネル31が、弁3内に配置され、弁3は、弁インナフローチャネル31を任意の1つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13と作動的に連通させるように構成される。
【0065】
弁インナフローチャネル31は常に反応チャンバ21と連通している。弁3を操作することにより、弁インナフローチャネル31は、任意の1つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13と選択的に連通し、貯蔵チャンバ12内の溶液を反応チャンバ21に導入し、又は反応チャンバ21内の溶液を貯蔵チャンバ12に導入する。
【0066】
いくつかの実施形態では、
図6~
図8に示すように、各第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第1の端部131は、溝11の底壁を貫通し、弁3は、弁インナフローチャネル31を第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第1の端部131と作動的に連通させるように構成され、各第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、ベース2に隣接する貯蔵チャンバ12の一側を介して貯蔵チャンバ12と連通する。
【0067】
いくつかの実施形態では、
図6~
図8に示すように、第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、貯蔵チャンバ12の部分と最も低い位置で溝11に最も近接して連通する。
【0068】
いくつかの実施形態では、
図6~
図8に示すように、第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、溝11に最も近い貯蔵チャンバ12の部分と最も低い位置で連通し、フローチャネルの長さを短縮する。
【0069】
いくつかの実施形態では、
図9及び
図10に示すように、弁インナフローチャネル31の第1の端部311及び第2の端部312の両方が、溝11の底壁に隣接する弁3の一端を貫通し、弁インナフローチャネル31の第1の端部311は、反応チャンバ21と連通し、弁インナフローチャネル31の第2の端部312は、任意の一つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13と作動的に連通し、弁インナフローチャネル31の第1の端部311は、弁3の中央部に位置し、弁インナフローチャネル31の第2の端部312は、弁3の外縁の近傍にある。
【0070】
いくつかの実施形態では、
図5及び
図8に示すように、貯蔵部材1は、全体として円筒形である。
【0071】
いくつかの実施形態では、
図2、
図9及び
図10に示すように、弁3は、ロータ32と、弁カバー33とを含む。
【0072】
ロータ32は、溝11内に回転可能に配置される。ロータ32は、弁座321と、弁軸322とを含み、弁軸322は、弁座321と接続される。
【0073】
弁カバー33は、溝11の周側壁に接続され、弁座321と当接し、弁座321は、弁カバー33と溝11の底壁との間に制限され、弁座321は、溝11の底壁と当接する。弁カバー33は、第1の貫通孔331を備え、弁軸322の操作部は、第1の貫通孔331を貫通し、弁軸322の操作部は、外部の操作部材と接続されるように構成される。
【0074】
弁座321は、弁座本体3211と、第1のガスケット3212とを含み、第1のガスケット3212は、弁座本体3211の底部と形状が一致し、弁座本体3211及び第1のガスケット3212は、固定的に配置される。弁インナフローチャネル31は、弁座321内に形成される。弁座本体3211は、硬質材料からなり、第1のガスケット3212は、弾性材料からなる。弁カバー33の調節により、ロータ32の弁座321に適切な当接圧が加えられ、その結果、弁座321が溝11の底壁に当接し、さらに弁インナフローチャネル31が検出で要求される気密性を有し、弁インナフローチャネル31と貯蔵部材インナフローチャネルとの接合部における液の漏洩が回避される。
【0075】
いくつかの実施形態では、弁カバー33は、弁座321の周縁に当接する。
【0076】
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第1の端部131は、溝11の底壁を貫通し、溝11の中心軸の周りに配置され、弁カバー33は、弁座321の周縁に当接し、その結果、弁座321は、溝11の底壁に当接でき、弁インナフローチャネル31と貯蔵部材インナフローチャネルとの接合部は、液の漏洩を回避するために封止される。
【0077】
弁軸322の径方向の大きさは、弁座本体3211の径方向の大きさよりも小さく、弁軸322の一端は、弁座本体3211と固定的に接続され、弁軸322の他端は、第1の貫通孔331を貫通して外部の操作部材と接続するための操作部である。弁軸322は、操作部材によって回転され、これにより弁座本体3211及び第1のガスケット3212がさらに回転駆動され、弁インナフローチャネル31の第2の端部312を1つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13と選択的に連通させる。
【0078】
任意的に、弁軸322の操作部は、六角形構造又は四角形構造に配置される。
【0079】
ボス324は、弁座本体3211の周方向に配置され、ボス324は、溝11に対する弁座本体3211の回転中、弁座本体3211の周方向と溝11の周方向側壁との間の摩擦を低減するように、円弧状の外形輪郭を有する。
【0080】
いくつかの実施形態では、
図3~
図5に示すように、マイクロ流体チップは、封止フィルムをさらに含み、少なくとも2つの貯蔵チャンバ12は、試薬チャンバ121を含み、封止フィルムは、試薬チャンバ121を封止するように構成される。マイクロ流体チップは、トップカバー4と、穿刺針41とをさらに含む。トップカバー4は、溝11を備えている貯蔵部材1の一端に配置され、穿刺針41は、トップカバー4に接続され、穿刺針41は、外力の作用下で封止フィルムを押して封止フィルムを穿刺するように構成される。
【0081】
いくつかの実施形態では、
図3~
図5に示すように、トップカバー4は、第1のリブ421を含み、穿刺針41は、第1のリブ421に接続され、第1のリブ421は、外力下で切断され、その結果、穿刺針41はトップカバー4から分離され、封止フィルムに押し付けられるように構成される。
【0082】
いくつかの実施形態では、
図3~
図5に示すように、トップカバー4の中央部は、第2の貫通孔43を備え、第2の貫通孔43は、外部の操作部材が、弁3を回転させるため、弁3の操作部と接続するために貫通できるように構成される。
【0083】
いくつかの実施形態では、
図4に示すように、穿刺針41は、その中に針インナガスチャネル411を備え、穿刺針41のトップカバー4と接続される部分は、第3の貫通孔412を備え、第3の貫通孔412は、穿刺針41の外側部分を針インナガスチャネル411と連通させる。
【0084】
いくつかの実施形態では、
図4に示すように、マイクロ流体チップは、カバーシート6をさらに含み、カバーシート6は、トップカバー4内に配置され、カバーシート6は、外部の操作部材がロータ32を接続するために貫通できるようにする第6の貫通孔62を備える。また、カバーシート6は、穿刺針41が貫通できるようにする第4の貫通孔61を備える。穿刺針41は、外力の作用下で封止フィルムを押し、封止フィルムを穿刺後も封止フィルムを押し続け、その結果、第3の貫通孔412がカバーシート6により封止されるように構成される。
【0085】
図4に示すように、穿刺針41は第1の針セグメントと第2の針セグメントとを含み、第2の針セグメントの半径方向の大きさは、第1の針セグメントの半径方向の大きさよりも大きい。第2の針セグメントは、第1のリブ421と接続される。第1の針セグメントは、封止フィルムを穿刺するための鋭利な針として構成され、第3の貫通孔412は、第2の針セグメントに配置される。
【0086】
穿刺針は外力の作用下で封止フィルムに押し付けられ、封止フィルムを穿刺し、その結果、試薬チャンバ121は針インナガスチャネル411と穿刺針41の第3の貫通孔412を通して大気と連通し、その後の試薬抽出に好都合である。このとき、第1の針セグメントは、第4の貫通孔61を貫通する。検出後、穿刺針41は、廃液が流出しないように試薬チャンバ121を封止するため、外力の作用により封止フィルムにさらに押し付けられ、第3の貫通孔412は、カバーシート6により封止される。
【0087】
いくつかの実施形態では、封止フィルムは、試薬チャンバ121を封止するためにカバーシート6上に配置される。
【0088】
他のいくつかの実施形態では、封止フィルムは、試薬チャンバ121に直接配置され、試薬チャンバ121を封止する。
【0089】
いくつかの実施形態では、
図11~
図14に示すように、反応チャンバ21は、貯蔵部材1から離れている一側に向かって突出する。
【0090】
いくつかの実施形態では、
図11~
図14に示すように、反応チャンバ21は、球冠構造を有する。核酸抽出のための試薬反応場として、反応チャンバ21は、球冠キャビティ構造と超音波トランスデューサとの協働により、抽出ステップを短時間で完了する。
【0091】
いくつかの実施形態では、
図15~
図17に示すように、マイクロ流体チップは、増幅部材5をさらに含み、増幅部材5は、増幅チャンバ51を備える。
図5及び
図6に示すように、貯蔵部材1の側部は、スロット14を備え、スロット14は、2つの隣接する貯蔵チャンバ12の間に位置し、増幅部材5は、スロット14と挿入方法で接続され、弁3は、反応チャンバ21を増幅チャンバ51と作動的に連通させるように構成される。
【0092】
増幅部材5は、薄板構造で加熱面が大きく、試料の蛍光採取が容易である。
【0093】
増幅部材5は、別体として設計されており、マイクロ流体チップの本体構造(貯蔵部材1を含む)と挿抜により接続、分離が可能であり、汎用性が向上する。
【0094】
いくつかの実施形態では、
図5~
図8に示すように、貯蔵部材1は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15を備え、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第1の端部151は、スロット14を貫通し、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第2の端部152は、溝11を貫通する。
図15に示すように、増幅部材5は、増幅チャンバ51と連通する増幅部材インナフローチャネル52を備え、増幅部材インナフローチャネル52は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第1の端部151と連通する。弁3は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第2の端部152と作動的に連通するように構成され、反応チャンバ21内の溶液を、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15及び増幅部材インナフローチャネル52を通して増幅チャンバ51に導く。
【0095】
いくつかの実施形態では、
図5~
図8に示すように、貯蔵部材1は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16を備え、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第1の端部161は、スロット14を貫通し、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第2の端部162は、溝11を貫通する。
図15に示すように、増幅部材5は、増幅チャンバ51と連通する増幅部材インナガスチャネル53を備え、増幅部材インナガスチャネル53は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第1の端部161と連通する。弁3は、増幅チャンバ51内のガスを増幅部材インナガスチャネル53及び第3の貯蔵部材インナフローチャネル16を通して1つの貯蔵チャンバ12に導き、増幅チャンバ51内の気圧バランスを維持するため、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第2の端部162と作動的に連通するように構成される。被検出試料が多く増幅チャンバ51に納まらない場合、漏れや汚染を避けるため、増幅チャンバ51内の過剰な液体も、上記の連通されたガスチャネル及びフローチャネルを通して貯蔵チャンバ12に排出されることが可能である。増幅部材5は、本体部と、挿抜部とを含み、増幅チャンバ51は、本体部に配置され、挿抜部は、挿抜方法でスロット14と整合して接続される。
【0096】
増幅部材インナフローチャネル52及び増幅部材インナガスチャネル53の両方が、増幅チャンバ51と連通し、増幅部材インナフローチャネル52及び増幅部材インナガスチャネル53の一部は、挿抜部に配置される。
【0097】
弁3は、反応チャンバ21内の溶液を第2の貯蔵部材インナフローチャネル15及び増幅部材インナフローチャネル52を通して増幅チャンバ51に導入するために第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第2の端部152と連通する一方で、弁3は、増幅チャンバ51内のガスを増幅部材インナガスチャネル53及び第3の貯蔵部材インナフローチャネル16を通して1つの貯蔵チャンバ12に導入するために第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第2の端部162とも連通する。任意的に、貯蔵チャンバ12は、スロット14に隣接する。
【0098】
いくつかの実施形態では、
図9及び
図10に示すように、弁3は、その中に反応チャンバ21と連通する弁インナフローチャネル31を備える。弁3はまた、その中に弁インナガスチャネル34を備え、弁3は、弁インナフローチャネル31を、反応チャンバ21及び増幅チャンバ51と作動的に連通させ、弁インナガスチャネル34を、増幅チャンバ51及び1つの貯蔵チャンバ12と連通させるように構成される。
【0099】
いくつかの実施形態では、
図5~
図7に示すように、貯蔵部材1は、貯蔵部材インナガスチャネル17を備え、貯蔵部材インナガスチャネル17は、反応チャンバ21と連通し、貯蔵部材インナガスチャネル17は、外部のエアーポンプと連通するように構成される。エアーポンプは、貯蔵チャンバ12内の溶液を弁3を通して反応チャンバ21内に導入するための吸引力を提供し、又は、エアーポンプは、反応チャンバ21内の溶液を弁3を通して貯蔵チャンバ12内に導入するための送風力を提供する。
【0100】
いくつかの実施形態では、
図5~
図7に示すように、貯蔵部材インナガスチャネル17の第1の端部171は、溝11を備えている貯蔵部材1の一端を貫通し、貯蔵部材インナガスチャネル17の第1の端部171は、2つの隣接する貯蔵チャンバ12の間に位置する。
【0101】
いくつかの実施形態では、
図1に示すように、トップカバー4は、溝11を備えている貯蔵部材1の一端に固定的に配置され、ベース2は、トップカバー4から離れている貯蔵部材1の一端に固定的に配置される。
【0102】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、貯蔵部材1は、円筒構造を有し、貯蔵部材1を覆うトップカバー4のカバー面は、円形であり、貯蔵部材1と接続されるベース2の面は、円形であり、カバーシート6は、円形である。貯蔵部材1に配置された溝11は、円筒状の溝である。弁3のロータ32のベース321及び第1のガスケット3212は、円形である。
【0103】
マイクロ流体チップのいくつかの具体的な実施形態について、
図1~
図17を参照して詳細に説明する。
【0104】
図1及び
図2に示すように、マイクロ流体チップは、貯蔵部材1、ベース2、弁3、トップカバー4、増幅部材5及びカバーシート6を含む。
【0105】
図1及び
図2に示すように、トップカバー4は、貯蔵部材1の頂部に固定され、貯蔵部材1の頂部の一部をその中に囲み、カバーシート6は、トップカバー4と貯蔵部材1の頂部との間に配置される。ベース2は、貯蔵部材1の底部に固定的に配置される。貯蔵部材1の頂部の中央位置は、底部に向かって凹んだ溝11を備え、弁3は、溝11に配置され、弁3の操作部は、溝11からトップカバー4に向かって延在し、トップカバー4は、弁3の操作部が貫通できる貫通孔を備え、又は、外部の操作部材は、弁3の操作部と接続されるために貫通孔に延在し、弁3が作動するように操作する。増幅部材5は、貯蔵部材1の側部に挿抜方法で配置され、トップカバー4の側部は、増幅部材5を避ける切欠きを備える。
【0106】
図2~
図4に示すように、トップカバー4は、円形のカバープレート47を含み、カバープレート47の中央部は、弁3の操作部が貫通する第2の貫通孔43を備え、又は、外部の操作部材は、弁3の操作部と接続されるために第2の貫通孔43に延在する。貯蔵部材1まで延在する円環状の周側壁48は、カバープレート47の周方向に配置され、トップカバー4の周側壁48は、貯蔵部材1の頂部の一部をその中に囲む。トップカバー4の周側壁48は、クランプブロックを備え、貯蔵部材1の頂部は、クランプ溝を備え、トップカバー4及び貯蔵部材1は、クランプブロック及びクランプ溝の構造を介して固定的に接続される。
【0107】
トップカバー4のカバープレート47は、試料添加口46を備え、試料添加口46は、複数の貯蔵チャンバ12のうちの1つの貯蔵チャンバ12の位置に対応しており、この貯蔵チャンバ12が試料添加チャンバとして機能し、被検出試料は、試料添加口46から試料添加チャンバに添加される。
【0108】
トップカバー4のカバープレート47はまた、第5の貫通孔44を備え、第5の貫通孔44は、貯蔵部材1の貯蔵部材インナガスチャネル17と連通するように用いられ、貯蔵部材インナガスチャネル17は、反応チャンバ21と連通し、反応チャンバ21内のガスは、貯蔵部材インナガスチャネル17及び第5の貫通孔44を通して外部と連通する。第5の貫通孔44はポンプインターフェースとして機能してもよく、エアーポンプと接続でき、吸引力がエアーポンプにより提供され、貯蔵チャンバ12内の溶液が弁3を通して反応チャンバ21に導入され、また、送風力がエアーポンプにより提供され、反応チャンバ21内の溶液が弁3を通して貯蔵チャンバ12に導入される。
【0109】
貯蔵部材1は、溝11の周囲に複数の貯蔵チャンバ12を備える。したがって、対応するように、複数の穿刺針41が、トップカバー4のカバープレート47上に接続され、すべての穿刺針41が、溝11の中心線を中心として間隔をおいて配置され、各穿刺針41が、1つの貯蔵チャンバ12に対応する。各穿刺針41は、環状部材45に接続されてもよく、環状部材45の外縁は、複数の第1のリブ421を介してトップカバー4のカバープレートに接続され、環状部材45の内縁は、複数の第2のリブ422を介して円筒部材49に接続されてもよい。
【0110】
穿刺針41は、中空構造を有し、すなわち、その中に針インナガスチャネル411を備え、穿刺針41はまた、第3の貫通孔412を備え、第3の貫通孔412は、針インナガスチャネル411を外部の大気と連通させる。穿刺針41は、第1の針セグメントと、第2の針セグメントとを含み、第2の針セグメントの径方向の大きさは、第1の針セグメントの径方向の大きさよりも大きい。第2の針セグメントは、環状部材45に接続され、第1の針セグメントは、封止フィルムを穿刺するための鋭利な針として構成され、第3の貫通孔412は、第2の針セグメントに配置される。
【0111】
マイクロ流体チップの使用時には、第1のリブ421を破断させるため、トップカバー4の環状部材45に圧力が加えられ、環状部材45がすべての穿刺針41をカバープレート47から分離させ、貯蔵チャンバ12の封止フィルムに押し付け、穿刺針41が封止フィルムを穿刺し、円筒部材49が溝11の周側壁に当接して穿刺針41の過度の下降を防止する。このとき、貯蔵チャンバ12内のガスは、針インナガスチャネル411及び第3の貫通孔412を通して大気と連通する。抽出ステップの完了後、外力が環状部材45及びすべての穿刺針41に継続的に加えられ、第2のリブ422が破断され、環状部材45が円筒部材49から分離され、円筒部材49が穿刺針41の下方への移動を妨げなくなり、環状部材45及びすべての穿刺針41が外力の作用下で封止フィルムにさらに押し付けられ、第2の針セグメントが第4の貫通孔61に干渉嵌合する。第2の針セグメントは、カバーシート6と整合して第2の針セグメントの第3の貫通孔412を塞ぎ、貯蔵チャンバ12を封止し、貯蔵チャンバ12内の廃液の漏洩を回避する。
【0112】
カバーシート6は、円形であり、中央部に第4の貫通孔61、第6の貫通孔62及び第7の貫通孔63を備える。第6の貫通孔62は、カバープレート47の第2の貫通孔43と位置合わせされており、弁3の操作部が貫通し、又は、外部の操作部材が第6の貫通孔62内に延在して弁3の操作部と接続するように用いられる。第4の貫通孔61は複数存在し、各第4の貫通孔61が、1つの穿刺針41に対応する。第7の貫通孔63は、貯蔵部材インナガスチャネル17と連通するように、トップカバー4の第5の貫通孔44と位置合わせされている。
【0113】
穿刺針41の第2の針セグメントの径方向の大きさは、第1の針セグメントの径方向の大きさよりも大きい。マイクロ流体チップの使用時には、第1の針セグメントが第4の貫通孔61を通して封止フィルムを穿刺し、第2の針セグメント及び第3の貫通孔412がカバーシート6の上方に位置する。抽出ステップの完了後、環状部材45及び各穿刺針41が外力の作用下でさらに封止フィルムに押し付けられ、第2の針セグメントが第4の貫通孔61に干渉嵌合する。第2の針セグメントがカバーシート6と整合して第3の貫通孔412を塞ぎ、貯蔵チャンバ12を封止し、貯蔵チャンバ12内の廃液の漏洩を回避する。
【0114】
要約すると、トップカバー4の穿刺針41は、貯蔵チャンバ12の封止フィルムを穿刺し、貯蔵チャンバ12を大気と連通させるために使用される。カバーシート6は、検出後に貯蔵チャンバ12を封止するために、トップカバー4の穿刺針41と整合するように使用される。
【0115】
図5~
図8に示すように、貯蔵部材1は、円筒状であり、頂端中央部に底部に向かって凹んだ溝11を備え、複数の貯蔵チャンバ12は、溝11の周囲に配置される。貯蔵チャンバ12は、試料添加チャンバ及び試薬チャンバ121を兼ねることができる。本実施形態では、複数の貯蔵チャンバ12は、1つの試料添加チャンバと、複数の試薬チャンバ121とを含み、試料添加チャンバは、被検出試料を添加するために用いられ、生化学反応用の試薬は、試薬チャンバ121に収容される。試薬チャンバ121の上面は封止フィルムで封止され、下面は封止される。第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、試薬チャンバ121の最も低い位置を通して試薬チャンバ121と連通する。試薬の密封包装、輸送や保管の利便性を確保するため、必要に応じて適切な結合方法が、試薬チャンバ121のために選択される。貯蔵チャンバ12は、楕円形の断面を有する。貯蔵チャンバ12の断面は、溝11の中心線に近い部分は幅が狭く、溝11の中心線から離れている部分は幅が広い。貯蔵チャンバ12の大きさや分布は、必要に応じて調整することができる。
【0116】
貯蔵部材1は、その中に貯蔵部材インナガスチャネル17を備え、貯蔵部材インナガスチャネル17の第1の端部は、2つの隣接する貯蔵チャンバ12の間に位置する。貯蔵部材インナガスチャネル17は、反応チャンバ21と連通する。貯蔵部材1の側部は、増幅部材5を挿入するためのスロット14を備える。
【0117】
貯蔵部材1は、その中に少なくとも2つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13を備え、各第1の貯蔵部材インナフローチャネル13は、1つの貯蔵チャンバ12と対応して連通する。各第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第1の端部131は、弁3の弁インナフローチャネル31と連通するために溝11の底壁を貫通する。各第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、ベース2に隣接する貯蔵チャンバ12の一側を介して貯蔵チャンバ12と連通し、第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、試薬の残留を回避するために貯蔵チャンバ12の最も低い部分と連通する。第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、溝11に最も近接する貯蔵チャンバ12の位置と連通し、弁3との連通距離を短縮し、検出効率を向上させる。
【0118】
貯蔵部材1は、その中に第4の貯蔵部材インナフローチャネル18を備え、第4の貯蔵部材インナフローチャネル18の第1の端部181は、溝11の底壁を貫通し、溝11の中央部に位置し、第4の貯蔵部材インナフローチャネル18の第1の端部181は、弁3の弁インナフローチャネル31と連通するために使用される。第4の貯蔵部材インナフローチャネル18の第2の端部は、反応チャンバ21と連通する。
【0119】
貯蔵部材1は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15を備え、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第1の端部151は、増幅部材インナフローチャネル52と連通するようにスロット14を貫通し、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第2の端部152は、弁3の弁インナフローチャネル31と連通するように溝11を貫通する。
【0120】
貯蔵部材1は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16を備え、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第1の端部161は、増幅部材インナガスチャネル53と連通するためにスロット14を貫通する。第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第2の端部162は、弁3の弁インナガスチャネル34と連通するように溝11を貫通する。
【0121】
スロット14は、増幅部材5上の第2のバックル54と整合して接続されるための第1のバックル141を備える。
【0122】
図9及び
図10に示すように、弁3は、液路の閉鎖を制御し、各チャンバと連通するために使用される。弁3は、ロータ32と、弁カバー33とを含む。
【0123】
弁カバー33は、溝11の周側壁と接続するために使用され、弁カバー33は、第1の貫通孔331を備え、ロータ32の操作部は、第1の貫通孔331を貫通し、ロータ32の操作部は、外部の操作部材と接続するように構成される。弁カバー33は、溝11の周側壁に接続された複数の接続ブロックを備える。
【0124】
ロータ32は、溝11内に回転可能に配置される。ロータ21は、弁座本体3211、弁軸322及び第1のガスケット3212を含む。第1のガスケット3212及び弁座本体3211の底部は、形状が一致しており、いずれも円形である。弁座本体3211及び第1のガスケット3212は、固定的に配置される。弁インナフローチャネル31は、弁座本体3211及び第1のガスケット3212の組合せ構造内に形成される。
【0125】
弁軸322の径方向の大きさは、弁座本体3211の径方向の大きさよりも小さく、弁軸322の一端は、弁座本体3211に固定的に接続され、弁軸322の他端は、第1の貫通孔331を貫通し、外部の操作部材と接続するための操作部である。
【0126】
弁3は、弁インナフローチャネル31と、弁インナガスチャネル34とを備える。
【0127】
弁インナフローチャネル31の第1の端部311は、弁3の中央部に位置し、溝11内の第4の貯蔵部材インナフローチャネル18の第1の端部181と整列して連通する。弁インナフローチャネル31は、常に第4の貯蔵部材インナフローチャネル18を通して反応チャンバ21と連通しており、弁インナフローチャネル31の第2の端部312は、ロータ32と共に回転している間、いずれか1つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13又は第2の貯蔵部材インナフローチャネル15と選択的に連通しており、弁インナフローチャネル31の第2の端部312は、弁3の外縁の近傍にある。
【0128】
弁インナフローチャネル31の第2の端部312が第2の貯蔵部材インナフローチャネル15と連通すると、弁インナガスチャネル34の第1の端部は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第2の端部162と連通し、弁インナガスチャネル34の第2の端部は、第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第1の端部131と連通し、第1の貯蔵部材インナフローチャネル13の第2の端部132は、1つの貯蔵チャンバ12と連通する。
【0129】
弁軸322の操作部は、外部の操作部材を介して接続され、弁軸322が回転されることにより、弁座本体3211及び第1のガスケット3212がさらに回転駆動され、その結果、弁インナフローチャネル31の第2の端部312が1つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル13又は第2の貯蔵部材インナフローチャネル15と選択的に連通され、これにより、検出工程中の液体のフローチャネル移動が完了する。
【0130】
任意的に、弁軸322の操作部は、六角形構造に構成される。
【0131】
弁座本体3211の周方向は、ボス324を備え、ボス324は、溝11に対する弁座本体3211の回転中、弁座本体3211の周方向と溝11の周方向側壁との間の摩擦を低減するように、円弧状の外形輪郭を有する。
【0132】
図11~
図14に示すように、ベース2は、シャーシ22、支持部材23、及び位置決め部材24を含む。
【0133】
シャーシ22の表面は、円形であり、シャーシ22は、位置決めラグ27を備え、位置決めラグ27は、貯蔵部材1を接続するために使用される。
【0134】
支持部材23は、シャーシ22及びマイクロ流体チップ全体を支持するために、シャーシ22の下方に配置される。マイクロ流体チップの支持構造として、支持部材23は、マイクロ流体チップを安定的に配置することを可能にする。支持部材23の底部は、位置決め溝28を備え、位置決め溝28はまた、検出デバイス上の載置台と整合させることにより、マイクロ流体チップの初期位置決めを完了するために使用される。クランプ溝25は、支持部材23とシャーシ22との間に形成される。マイクロ流体チップを検出デバイスに押し込む工程の間、クランプ溝25は、マイクロ流体チップをさらに固定するために、検出デバイス上の構造物と整合させ、位置決めするために使用され、それにより、検出工程におけるマイクロ流体チップの移動による検出エラーを回避し、検出の一貫性を向上させる。
【0135】
反応チャンバ21は、シャーシ22の底部に配置され、下方に突出し、球冠構造を有し、そのような構造は、超音波ヘッドと結合して迅速に共振を達成することができ、試料の溶解及び磁気ビーズの混合を促進する。シャーシ22は、その中に反応チャンバ21と連通するシャーシインナフローチャネルを備え、シャーシインナフローチャネルの第1の端部261は、シャーシ22の中央部に位置し、シャーシインナフローチャネルの第2の端部262は、反応チャンバ21と連通する。シャーシインナフローチャネルの第1の端部261は、第4の貯蔵部材インナフローチャネル18と連通し、弁インナフローチャネル31の第1の端部311と位置合わせされ、その結果、弁インナフローチャネル31は常に反応チャンバ21と連通する。シャーシインナフローチャネルの第2の端部262は、反応チャンバ21の最も低い部分を通して反応チャンバ21と連通し、デッドゾーンの形成により試薬が完全排出不能となることを回避する。
【0136】
位置決め部材24は、マイクロ流体チップを検出デバイス上に設置する際の位置決めのため、支持部材23上に配置される。
【0137】
上記のトップカバー4は、溝11を備えている貯蔵部材1の一端に固定的に配置され、ベース2は、トップカバー4から離れている貯蔵部材1の一端に固定的に配置され、弁3は、溝11内に配置される。トップカバー4、貯蔵部材1、ベース2及び弁3は、マイクロ流体チップの本体構造を形成する。
【0138】
図15~
図17に示すように、増幅部材5は、急速昇降温の増幅を実現するためのシート構造を有する。増幅部材5は、貯蔵部材1のスロット14と、挿抜により、着脱される。増幅部材5は、マイクロ流体チップの本体構造から分離されていてもよく、本体構造とは異なる材料で製造され、接合されてもよい。
【0139】
増幅チャンバ51は、増幅部材5内に配置され、増幅チャンバ51は、シート状であり、それにより、熱源との接触面を大きくすることができ、熱伝導率を向上させることができる。増幅部材5は、増幅チャンバ51と連通する増幅部材インナフローチャネル52を備え、増幅部材インナフローチャネル52は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル15の第1の端部151と連通する。増幅部材5は、増幅チャンバ51と連通する増幅部材インナガスチャネル53を備え、増幅部材インナガスチャネル53は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル16の第1の端部161と連通する。
【0140】
マイクロ流体チップの本体構造と増幅部材5との間の接合部は、接合部における増幅部材インナフローチャネル52及び増幅部材インナガスチャネル53の気密性を確保するため、二次射出成形や接着を用いて軟質ゴム製の第2のガスケット7で固定されてもよい。
【0141】
スロット14に配置された第1のバックル141の断面と、増幅部材5に配置された第2のバックル54の断面は、いずれも三角形であってもよい。増幅部材5がスロット14に挿入された後、第1のバックル141及び第2のバックル54は、増幅部材5がスロット14から引き抜かれないように相互に制限し合う。
【0142】
いくつかの実施形態はまた、検出デバイスと、上記マイクロ流体チップとを含むマイクロ流体チップ検出システムを提供する。検出デバイスは、マイクロ流体チップを収容するための操作台と、弁3を操作するための操作部材とを含む。
【0143】
本開示の実施形態によるマイクロ流体チップ検出システムは、操作者に対する要求が低く、被検出試料を添加し、マイクロ流体チップを検出デバイスに入れ、開始ボタンをクリックするだけで、抽出及び増幅を含む検出工程を開始することができる。
【0144】
以下、マイクロ流体チップの検出フローを説明する。
【0145】
検出項目に応じて、対応する試薬を装填したマイクロ流体チップを選択し、被検出試料をマイクロ流体チップの試料チャンバに注入することで、事前準備が完了する。
【0146】
操作者は、マイクロ流体チップのベース2と、検出デバイスに対応する位置決め構造とに留意し、マイクロ流体チップのベース2を検出デバイスのトレイ上に平坦に置き、初期位置決めを完了する。スタートボタンをクリックすると、トレイが検出デバイスの作業エリアに入り、ベース2のクランプ溝25が検出デバイスの位置決め構造と整合し、マイクロ流体チップがクランプ固定される。
【0147】
検出工程の開始時点では、エアーポンプがマイクロ流体チップ内のエアーポンプインターフェースに接続され、マイクロ流体チップのトップカバー4上の穿刺針41が下方に押圧され、第1のリブ421が破断されることで、穿刺針41がトップカバー4から分離され、貯蔵チャンバ12の封止フィルムが穿刺され、貯蔵チャンバ12が穿刺針41の針インナガスチャネル411及び第3の貫通孔412を通して大気と連通し、試薬の放出に備える。
【0148】
弁3が1つの貯蔵チャンバ12及び反応チャンバ21とそれぞれ接続するように回転され、動力源が外部のエアーポンプにより供給され、その結果、各抽出ステップにより必要とされる試薬抽出が順番に完了する。
【0149】
本実施形態では、核酸抽出に磁気ビーズ法を用いる。抽出貯蔵チャンバ12の試薬が反応チャンバ21に入った後、超音波ヘッドが共振のため反応チャンバ21と結合され、反応チャンバ21の球冠構造はより良い支持力を提供でき、超音波プロセス中の壁面の変形を回避でき、同時に、接触面はより良い一貫性を有する。超音波の作用下で、壁面が振動して反応チャンバ21の試薬と磁気ビーズを攪拌し、数秒以内に試料の補助溶解と磁気ビーズの均一な混合を完了することができる。反応後の廃液は、反応チャンバ21から貯蔵チャンバ12に戻され、次いで、弁3が回転することで封止される。
【0150】
試薬を順次抽出し反応チャンバ21で反応させた後、最終的に精製された抽出物が得られ、精製された抽出物は、増幅チャンバ51に移され、次いで、増幅チャンバ51は、弁3の回転により封止され、検出デバイスの増幅モジュールが試料の迅速な増幅とマルチフローチャネル光学検出を行うのを待つ。
【0151】
検出が完了した後、検出デバイス内の押圧モジュールが再びマイクロ流体チップのトップカバー4上の穿刺針41に作用し、押圧力によって第2のリブ422が破断され、穿刺針41は下方に移動し続ける。穿刺針41の第2の針セグメントはカバーシート6と干渉嵌合を形成し、カバーシート6は第2の針セグメントの第3の貫通孔412を覆い、その結果、貯蔵チャンバ12を大気から隔離し、貯蔵チャンバ12内の反応廃液の漏洩を回避する。
【0152】
この時点で、マイクロ流体チップの検出フローは完全に終了しており、「チャンバ退出」ボタンをクリックして圧力を抜き、マイクロ流体チップを取り出し、次のグループの検出を開始することができる。
【0153】
本開示のフローチャネルは、液体の伝送及びガスの伝送に使用することができる。同様に、ガスチャネルは、ガスの伝送及び液体の伝送に使用することができる。
【0154】
本開示の上記各実施形態に基づき、実施形態のうちの1つの技術的特徴は、明示的な否定又は衝突なしに、他の実施形態のうちの1つ以上と有益に組み合わされ得る。
【0155】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決策を限定するのではなく、例示するために使用されているにすぎないことに留意されたい。すなわち、本開示は、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者であれば、本開示の特定の実施形態に修正を加えることが可能であるか、又は技術的特徴の一部に等価な置換を行うことが可能であることを理解すべきである。そして、本開示の技術的解決策の精神から逸脱することなく、修正及び等価な置換は、本開示で請求される技術的解決策の範囲に含まれるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0155
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0155】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決策を限定するのではなく、例示するために使用されているにすぎないことに留意されたい。すなわち、本開示は、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者であれば、本開示の特定の実施形態に修正を加えることが可能であるか、又は技術的特徴の一部に等価な置換を行うことが可能であることを理解すべきである。そして、本開示の技術的解決策の精神から逸脱することなく、修正及び等価な置換は、本開示で請求される技術的解決策の範囲に含まれるべきである。
[構成1]
マイクロ流体チップであって、
貯蔵部材(1)であって、その中に溝(11)を備え、少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)が前記溝(11)の周囲に配置される、貯蔵部材(1)と;
前記溝(11)から離れている前記貯蔵部材(1)の一端に配置されるベース(2)であって、反応チャンバ(21)が前記ベース(2)上に配置される、ベース(2)と;
前記溝(11)内に配置される弁(3)であって、前記少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)のうちのいずれか1つを前記反応チャンバ(21)と作動的に連通させるように構成される、弁(3)とを備えるマイクロ流体チップ。
[構成2]
少なくとも2つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)が、前記貯蔵部材(1)内に配置され、
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)が、1つの貯蔵チャンバ(12)と対応して連通され、
前記反応チャンバ(21)と連通された弁インナフローチャネル(31)が、前記弁(3)内に配置され、かつ、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)と作動的に連通させるように構成される、構成1に記載のマイクロ流体チップ。
[構成3]
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の第1の端部(131)は、前記溝(11)の底壁を貫通し、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を前記第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の前記第1の端部(131)と作動的に連通させるように構成され、かつ、
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の第2の端部(132)は、前記ベース(2)に隣接する前記貯蔵チャンバ(12)の一側を介して前記貯蔵チャンバ(12)と連通する、構成2に記載のマイクロ流体チップ。
[構成4]
前記第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の前記第2の端部(132)は、前記貯蔵チャンバ(12)の部分と最も低い位置で連通する、構成3に記載のマイクロ流体チップ。
[構成5]
前記弁インナフローチャネル(31)の第1の端部(311)及び前記弁インナフローチャネル(31)の第2の端部(312)の両方が、前記溝(11)の底壁に隣接する前記弁(3)の一端を貫通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第1の端部(311)は、前記反応チャンバ(21)と連通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第2の端部(312)は、任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)と作動的に連通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第1の端部(311)は、前記弁(3)の中央部に位置し、かつ、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第2の端部(312)は、前記弁(3)の外縁の近傍にある、構成3又は4に記載のマイクロ流体チップ。
[構成6]
前記弁(3)は、
前記溝(11)内に回転可能に配置されたロータ(32)であって、
前記ロータ(32)は、弁座(321)と、弁軸(322)とを備え、
前記弁軸(322)は、前記弁座(321)と接続されている、ロータ(32)と;
弁カバー(33)であって、
前記溝(11)の周側壁に接続され、前記弁座(321)を前記弁カバー(33)と前記溝(11)の底壁との間に制限するために前記弁座(321)に当接する、弁カバー(33)であって、
前記弁カバー(33)は、第1の貫通孔(331)と、前記第1の貫通孔(331)を貫通する前記弁軸(322)の操作部とを備え、
前記弁軸(322)操作部は、外部の操作部材と接続するように構成される、弁カバー(33)と;
を備える、構成1~5のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成7]
前記弁カバー(33)は、前記弁座(321)の周方向縁部に当接する、構成6に記載のマイクロ流体チップ。
[構成8]
封止フィルムをさらに備え、
前記少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)は、試薬チャンバ(121)を備え、
前記封止フィルムは、前記試薬チャンバ(121)を封止するように構成され、
前記マイクロ流体チップは、トップカバー(4)と、穿刺針(41)とをさらに備え、
前記トップカバー(4)は、前記溝(11)を備えている前記貯蔵部材(1)の一端に配置され、
前記穿刺針(41)は、前記トップカバー(4)に接続され、かつ、
前記穿刺針(41)は、外力の作用下で前記封止フィルムを穿刺するために、前記封止フィルムを押すように構成される、構成1~7のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成9]
前記トップカバー(4)は、第1のリブ(421)を備え、
前記穿刺針(41)は、前記第1のリブ(421)に接続され、かつ、
前記第1のリブ(421)は、前記外力の作用下で切断されるように構成され、その結果、前記穿刺針(41)は、前記トップカバー(4)から分離され、前記封止フィルムに押し付けられる、構成8に記載のマイクロ流体チップ。
[構成10]
前記トップカバー(4)の中央部は、第2の貫通孔(43)を備え、かつ、
前記第2の貫通孔(43)は、前記外部の操作部材が貫通して前記弁(3)を操作できるように構成される、構成8又は9に記載のマイクロ流体チップ。
[構成11]
前記穿刺針(41)は、その中に針インナガスチャネル(411)を備え、かつ、
前記穿刺針(41)の外側を前記針インナガスチャネル(411)と連通させる第3の貫通孔(412)が、前記穿刺針の前記トップカバー(4)と接続する部分の近傍に配置される、構成8~10のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成12]
カバーシート(6)をさらに備え、
前記カバーシート(6)は、前記トップカバー(4)内に配置され、
前記カバーシート(6)は、前記穿刺針(41)が貫通可能な第4の貫通孔(61)を備え、かつ、
前記穿刺針(41)は、外力の作用下で前記封止フィルムを押すように構成され、前記封止フィルムを穿刺後も前記封止フィルムを押し続け、その結果、第3の貫通孔(412)が前記カバーシート(6)により封止されるように構成される、構成11に記載のマイクロ流体チップ。
[構成13]
前記反応チャンバ(21)は、前記貯蔵部材(1)から離れている一側に向かって突出する、構成1~12のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成14]
前記反応チャンバ(21)は、球冠構造を有する、構成13に記載のマイクロ流体チップ。
[構成15]
増幅部材(5)をさらに備え、
前記増幅部材(5)は、増幅チャンバ(51)を備え、
前記貯蔵部材(1)の側部は、スロット(14)を備え、
前記スロット(14)は、2つの隣接する貯蔵チャンバ(12)の間に位置し、前記増幅部材(5)は、挿入方法で前記スロット(14)と接続し、かつ、
前記弁(3)は、前記反応チャンバ(21)を前記増幅チャンバ(51)と作動的に連通させるように構成される、構成1~14のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成16]
前記貯蔵部材(1)は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)を備え、
前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の第1の端部(151)は、前記スロット(14)を貫通し、
前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の第2の端部(152)は、前記溝(11)を貫通し、
前記増幅部材(5)は、前記増幅チャンバ(51)と連通する増幅部材インナフローチャネル(52)を備え、
前記増幅部材インナフローチャネル(52)は、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の前記第1の端部(151)と連通し、かつ、
前記弁(3)は、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の前記第2の端部(152)と作動的に連通し、前記反応チャンバ(21)内の溶液を、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)及び前記増幅部材インナフローチャネル(52)を通して前記増幅チャンバ(51)に導くように構成される、構成15に記載のマイクロ流体チップ。
[構成17]
前記貯蔵部材(1)は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)を備え、
前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の第1の端部(161)は、前記スロット(14)を貫通し、
前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の第2の端部(162)は、前記溝(11)を貫通し、
前記増幅部材(5)は、前記増幅チャンバ(51)と連通する増幅部材インナガスチャネル(53)を備え、
前記増幅部材インナガスチャネル(53)は、前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の前記第1の端部(161)と連通し、かつ、
前記弁(3)は、前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の前記第2の端部(162)と作動的に連通し、前記増幅チャンバ(51)内のガスを前記増幅部材インナガスチャネル(53)及び前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)を通して1つの貯蔵チャンバ(12)に導くように構成される、構成16に記載のマイクロ流体チップ。
[構成18]
前記反応チャンバ(21)と連通する前記弁インナフローチャネル(31)は、前記弁(3)内に配置され、
弁インナガスチャネル(34)もまた、前記弁(3)内に配置され、かつ、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を、前記反応チャンバ(21)及び前記増幅チャンバ(51)と作動的に連通させ、前記弁インナガスチャネル(34)を、前記増幅チャンバ(51)及び1つの貯蔵チャンバ(12)と連通させるように構成される、構成15~17のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成19]
前記貯蔵部材(1)は、貯蔵部材インナガスチャネル(17)を備え、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)は、前記反応チャンバ(21)と連通し、かつ、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)は、外部のエアーポンプと連通するように構成されている、構成1~18のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成20]
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)の第1の端部(171)は、前記溝(11)を備える貯蔵部材(1)の一端を貫通し、かつ、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)の前記第1の端部(171)は、2つの隣接する貯蔵チャンバ(12)の間に位置する、構成19に記載のマイクロ流体チップ。
[構成21]
前記トップカバー(4)は、前記溝(11)を備えている前記貯蔵部材(1)の一端に固定的に配置され、かつ、
前記ベース(2)は、前記トップカバー(4)から離れている前記貯蔵部材(1)の一端に固定的に配置される、構成8~12のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
[構成22]
検出デバイスと、構成1~21のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップとを備えるマイクロ流体チップ検出システムであって、
前記検出デバイスは、前記マイクロ流体チップを収容するための操作台と、前記弁(3)を操作するための操作部材とを備える、マイクロ流体チップ検出システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体チップであって、
貯蔵部材(1)であって、その中に溝(11)を備え、少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)が前記溝(11)の周囲に配置される、貯蔵部材(1)と;
前記溝(11)から離れている前記貯蔵部材(1)の一端に配置されるベース(2)であって、反応チャンバ(21)が前記ベース(2)上に配置される、ベース(2)と;
前記溝(11)内に配置される弁(3)であって、前記少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)のうちのいずれか1つを前記反応チャンバ(21)と作動的に連通させるように構成される、弁(3)とを備えるマイクロ流体チップ。
【請求項2】
少なくとも2つの第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)が、前記貯蔵部材(1)内に配置され、
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)が、1つの貯蔵チャンバ(12)と対応して連通され、
前記反応チャンバ(21)と連通された弁インナフローチャネル(31)が、前記弁(3)内に配置され、かつ、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)と作動的に連通させるように構成される、請求項1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項3】
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の第1の端部(131)は、前記溝(11)の底壁を貫通し、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を前記第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の前記第1の端部(131)と作動的に連通させるように構成され、かつ、
各第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の第2の端部(132)は、前記ベース(2)に隣接する前記貯蔵チャンバ(12)の一側を介して前記貯蔵チャンバ(12)と連通する、請求項2に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項4】
前記第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)の前記第2の端部(132)は、前記貯蔵チャンバ(12)の部分と最も低い位置で連通する、請求項3に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項5】
前記弁インナフローチャネル(31)の第1の端部(311)及び前記弁インナフローチャネル(31)の第2の端部(312)の両方が、前記溝(11)の底壁に隣接する前記弁(3)の一端を貫通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第1の端部(311)は、前記反応チャンバ(21)と連通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第2の端部(312)は、任意の第1の貯蔵部材インナフローチャネル(13)と作動的に連通し、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第1の端部(311)は、前記弁(3)の中央部に位置し、かつ、
前記弁インナフローチャネル(31)の前記第2の端部(312)は、前記弁(3)の外縁の近傍にある、請求項3又は4に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項6】
前記弁(3)は、
前記溝(11)内に回転可能に配置されたロータ(32)であって、
前記ロータ(32)は、弁座(321)と、弁軸(322)とを備え、
前記弁軸(322)は、前記弁座(321)と接続されている、ロータ(32)と;
弁カバー(33)であって、
前記溝(11)の周側壁に接続され、前記弁座(321)を前記弁カバー(33)と前記溝(11)の底壁との間に制限するために前記弁座(321)に当接する、弁カバー(33)であって、
前記弁カバー(33)は、第1の貫通孔(331)と、前記第1の貫通孔(331)を貫通する前記弁軸(322)の操作部とを備え、
前記弁軸(322)操作部は、外部の操作部材と接続するように構成される、弁カバー(33)と;
を備える、請求項
1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項7】
前記弁カバー(33)は、前記弁座(321)の周方向縁部に当接する、請求項6に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項8】
封止フィルムをさらに備え、
前記少なくとも2つの貯蔵チャンバ(12)は、試薬チャンバ(121)を備え、
前記封止フィルムは、前記試薬チャンバ(121)を封止するように構成され、
前記マイクロ流体チップは、トップカバー(4)と、穿刺針(41)とをさらに備え、
前記トップカバー(4)は、前記溝(11)を備えている前記貯蔵部材(1)の一端に配置され、
前記穿刺針(41)は、前記トップカバー(4)に接続され、かつ、
前記穿刺針(41)は、外力の作用下で前記封止フィルムを穿刺するために、前記封止フィルムを押すように構成される、請求項
1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項9】
前記トップカバー(4)は、第1のリブ(421)を備え、
前記穿刺針(41)は、前記第1のリブ(421)に接続され、かつ、
前記第1のリブ(421)は、前記外力の作用下で切断されるように構成され、その結果、前記穿刺針(41)は、前記トップカバー(4)から分離され、前記封止フィルムに押し付けられる、請求項8に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項10】
前記トップカバー(4)の中央部は、第2の貫通孔(43)を備え、かつ、
前記第2の貫通孔(43)は、前記外部の操作部材が貫通して前記弁(3)を操作できるように構成される、請求項
8に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項11】
前記穿刺針(41)は、その中に針インナガスチャネル(411)を備え、かつ、
前記穿刺針(41)の外側を前記針インナガスチャネル(411)と連通させる第3の貫通孔(412)が、前記穿刺針の前記トップカバー(4)と接続する部分の近傍に配置される、請求項8~10のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項12】
カバーシート(6)をさらに備え、
前記カバーシート(6)は、前記トップカバー(4)内に配置され、
前記カバーシート(6)は、前記穿刺針(41)が貫通可能な第4の貫通孔(61)を備え、かつ、
前記穿刺針(41)は、外力の作用下で前記封止フィルムを押すように構成され、前記封止フィルムを穿刺後も前記封止フィルムを押し続け、その結果、第3の貫通孔(412)が前記カバーシート(6)により封止されるように構成される、請求項11に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項13】
前記反応チャンバ(21)は、前記貯蔵部材(1)から離れている一側に向かって突出する、請求項
1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項14】
前記反応チャンバ(21)は、球冠構造を有する、請求項13に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項15】
増幅部材(5)をさらに備え、
前記増幅部材(5)は、増幅チャンバ(51)を備え、
前記貯蔵部材(1)の側部は、スロット(14)を備え、
前記スロット(14)は、2つの隣接する貯蔵チャンバ(12)の間に位置し、前記増幅部材(5)は、挿入方法で前記スロット(14)と接続し、かつ、
前記弁(3)は、前記反応チャンバ(21)を前記増幅チャンバ(51)と作動的に連通させるように構成される、請求項
1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項16】
前記貯蔵部材(1)は、第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)を備え、
前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の第1の端部(151)は、前記スロット(14)を貫通し、
前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の第2の端部(152)は、前記溝(11)を貫通し、
前記増幅部材(5)は、前記増幅チャンバ(51)と連通する増幅部材インナフローチャネル(52)を備え、
前記増幅部材インナフローチャネル(52)は、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の前記第1の端部(151)と連通し、かつ、
前記弁(3)は、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)の前記第2の端部(152)と作動的に連通し、前記反応チャンバ(21)内の溶液を、前記第2の貯蔵部材インナフローチャネル(15)及び前記増幅部材インナフローチャネル(52)を通して前記増幅チャンバ(51)に導くように構成される、請求項15に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項17】
前記貯蔵部材(1)は、第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)を備え、
前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の第1の端部(161)は、前記スロット(14)を貫通し、
前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の第2の端部(162)は、前記溝(11)を貫通し、
前記増幅部材(5)は、前記増幅チャンバ(51)と連通する増幅部材インナガスチャネル(53)を備え、
前記増幅部材インナガスチャネル(53)は、前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の前記第1の端部(161)と連通し、かつ、
前記弁(3)は、前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)の前記第2の端部(162)と作動的に連通し、前記増幅チャンバ(51)内のガスを前記増幅部材インナガスチャネル(53)及び前記第3の貯蔵部材インナフローチャネル(16)を通して1つの貯蔵チャンバ(12)に導くように構成される、請求項16に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項18】
前記反応チャンバ(21)と連通する前記弁インナフローチャネル(31)は、前記弁(3)内に配置され、
弁インナガスチャネル(34)もまた、前記弁(3)内に配置され、かつ、
前記弁(3)は、前記弁インナフローチャネル(31)を、前記反応チャンバ(21)及び前記増幅チャンバ(51)と作動的に連通させ、前記弁インナガスチャネル(34)を、前記増幅チャンバ(51)及び1つの貯蔵チャンバ(12)と連通させるように構成される、請求項15~17のいずれか一項に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項19】
前記貯蔵部材(1)は、貯蔵部材インナガスチャネル(17)を備え、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)は、前記反応チャンバ(21)と連通し、かつ、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)は、外部のエアーポンプと連通するように構成されている、請求項
1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項20】
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)の第1の端部(171)は、前記溝(11)を備える貯蔵部材(1)の一端を貫通し、かつ、
前記貯蔵部材インナガスチャネル(17)の前記第1の端部(171)は、2つの隣接する貯蔵チャンバ(12)の間に位置する、請求項19に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項21】
前記トップカバー(4)は、前記溝(11)を備えている前記貯蔵部材(1)の一端に固定的に配置され、かつ、
前記ベース(2)は、前記トップカバー(4)から離れている前記貯蔵部材(1)の一端に固定的に配置される、請求項
8に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項22】
検出デバイスと、請求項
1に記載のマイクロ流体チップとを備えるマイクロ流体チップ検出システムであって、
前記検出デバイスは、前記マイクロ流体チップを収容するための操作台と、前記弁(3)を操作するための操作部材とを備える、マイクロ流体チップ検出システム。
【国際調査報告】