(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】研磨バッキング及びそれを作製する方法
(51)【国際特許分類】
B24D 11/00 20060101AFI20241010BHJP
B32B 5/02 20060101ALI20241010BHJP
B24D 11/02 20060101ALI20241010BHJP
B24D 3/28 20060101ALI20241010BHJP
B24D 3/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B24D11/00 B
B32B5/02 A
B24D11/02
B24D3/28
B24D3/02 310E
B24D11/00 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523655
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022047286
(87)【国際公開番号】W WO2023069623
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523344175
【氏名又は名称】ニーナ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Neenah, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ベベルカ,ピーター ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】リュッカート,シェリル
(72)【発明者】
【氏名】トマージ,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】ラッシラ,ロンダ
【テーマコード(参考)】
3C063
4F100
【Fターム(参考)】
3C063AA03
3C063AB07
3C063BA02
3C063BC03
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3C063FF30
4F100AK01A
4F100AK41A
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4F100AK73A
4F100AP00A
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4F100JD05B
4F100YY00A
(57)【要約】
研磨バッキングが、概して提供される。いくつかの実施形態では、研磨バッキングは、ベースシートであって、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、飽和剤(飽和剤は、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む)と、第1の表面及び対向する第2の表面と、を含む、ベースシートと、ベースシートの第1の表面に隣接するバリアコーティングと、ベースシートの対向する第2の表面に隣接する裏側コーティングと、を含む。研磨バッキングを製造する方法も、提供される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨バッキングであって、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤と、を含むベースシートであって、第1の表面及び対向する第2の表面を含む、ベースシートと、
前記ベースシートの前記第1の表面に隣接するバリアコーティングと、
前記ベースシートの前記対向する第2の表面に隣接する裏側コーティングと、を備える、研磨バッキング。
【請求項2】
前記バリアコーティングが、液体水に対して不浸透性であり、ガスの透過を可能にする、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項3】
2つ以上のバリアコーティングが、前記ベースシートの前記第1の表面に隣接して塗布される、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項4】
グリットが、前記ベースシートの前記第1の表面に対向する前記バリアコーティングの表面に隣接して塗布される、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項5】
前記裏側コーティングが、防水性である、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項6】
複数のループ又は複数のフックを備える層が、前記第2の表面に対向する前記裏側コーティングの表面上に提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項7】
前記木質繊維が、硬材繊維を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項8】
前記木質繊維が、軟材繊維を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項9】
前記ベースシート中の前記木質繊維が、軟材繊維及び硬材繊維のブレンドを含み、前記ブレンドが、各々前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて、30~70重量%の軟材繊維及び70~30重量%の硬材繊維を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項10】
前記ベースシートが、ジュート繊維、わら繊維、綿繊維、麻繊維、バガス繊維、竹繊維、リード繊維、サイザル繊維、アバカ繊維、ケナフ繊維、亜麻繊維、又はそれらの組み合わせを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項11】
前記2種以上のラテックスポリマーが、前記飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、55重量%~99.9重量%を構成する、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項12】
前記2種以上のラテックスポリマーのうちの少なくとも2種が、架橋可能である、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項13】
前記飽和剤が、第3のラテックスポリマーを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項14】
前記ラテックスポリマーが、スチレン及びブタジエンを含むモノマーから調製されたコポリマーである、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項15】
前記ラテックスポリマーが、-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、及び-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマーから選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項16】
前記ラテックスポリマーが、32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを更に含む、請求項15に記載の研磨バッキング。
【請求項17】
前記ラテックスポリマーが、前記ラテックスポリマーの総乾燥重量に基づいて、10重量%~50重量%の-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、50重量%~90重量%の-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマー、及び10重量%~50重量%の32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを含む、請求項15又は16に記載の研磨バッキング。
【請求項18】
前記架橋剤が、前記飽和剤中の前記乾燥固形物の前記重量に基づいて、前記飽和剤の0.25重量%~1.5重量%を構成する、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項19】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤、グリオキサール系架橋剤、炭酸ジルコニウムアンモニウム、カルボジイミド、脂肪族ポリグリシジルエーテル、ヘキサメトキシメチルメラミン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、又はそれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項20】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項21】
前記セルロースフィラメントが、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの前記重量に基づいて1重量%~5重量%を構成する、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項22】
前記セルロースフィラメントが、200~5000のアスペクト比及び30~500nmの幅を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項23】
前記合成繊維が、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの前記重量に基づいて2重量%~8重量%を構成する、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項24】
前記合成繊維が、ポリエステル繊維を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の研磨バッキング。
【請求項25】
前記合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、請求項24に記載の研磨バッキング。
【請求項26】
先行請求項のいずれか一項に記載の、かつ75~155gsmの秤量を有する、研磨バッキング。
【請求項27】
研磨バッキングを作製する方法であって、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤と、を含むベースシートを提供することと、
前記ベースシートの第1の表面にバリアコーティングを塗布することと、
前記ベースシートの前記第1の表面に対向する、前記ベースシートの第2の表面に裏側コーティングを塗布することと、を含む、方法。
【請求項28】
前記ベースシートを提供することが、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、を含むベースシートを提供することと、
前記ベースシートを、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤で飽和させることと、
前記飽和ベースシートを乾燥させることと、を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ベースシートを提供することが、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、を含む繊維マトリックスからベースシートを形成することと、
前記ベースシートを乾燥させることと、を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ベースシートを飽和剤で飽和させた後に前記ベースシートをカレンダー加工することを更に含む、請求項28又は29に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項31】
前記バリアコーティングが、液体水に対して不浸透性であり、ガスの透過を可能にする、請求項27~30のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項32】
2つ以上のバリアコーティングが、前記ベースシートの前記第1の表面に隣接して塗布される、請求項27~31のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項33】
グリットが、前記ベースシートの前記第1の表面に対向する前記バリアコーティングの前記表面に隣接して塗布される、請求項27~32のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項34】
前記裏側コーティングが、防水性である、請求項27~33のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項35】
複数のループ又は複数のフックを備える層が、前記第2の表面に対向する前記裏側コーティングの表面に塗布される、請求項27~34のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項36】
前記木質繊維が、硬材繊維を含む、請求項27~35のいずれか一項に記載の研磨バッキング作製する方法。
【請求項37】
前記木質繊維が、軟材繊維を含む、請求項27~36のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項38】
前記ベースシート中の前記木質繊維が、軟材繊維及び硬材繊維のブレンドを含み、前記ブレンドが、各々前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて、30~70重量%の軟材繊維及び70~30重量%の硬材繊維を含む、請求項27~37のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項39】
前記ベースシートが、ジュート繊維、わら繊維、綿繊維、麻繊維、バガス繊維、竹繊維、リード繊維、サイザル繊維、アバカ繊維、ケナフ繊維、亜麻繊維、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項27~38のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項40】
前記2種以上のラテックスポリマーが、前記飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、前記飽和剤の55重量%~99.9重量%を構成する、請求項27~39のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項41】
前記2種以上のラテックスポリマーのうちの少なくとも2種が、架橋可能である、請求項27~40のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項42】
前記飽和剤が、第3のラテックスポリマーを更に含む、請求項27~41のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項43】
前記ラテックスポリマーが、スチレン及びブタジエンを含むモノマーから調製されたコポリマーである、請求項27~42のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項44】
前記ラテックスポリマーが、-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、及び-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマーから選択される、請求項27~43のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項45】
前記ラテックスポリマーが、32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを更に含む、請求項27~44のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項46】
前記ラテックスポリマーが、前記ラテックスポリマーの総乾燥重量に基づいて、10重量%~50重量%の-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、50重量%~90重量%の-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマー、及び10重量%~50重量%の32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを含む、請求項44又は45に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項47】
前記架橋剤が、前記飽和剤中の前記乾燥固形物の前記重量に基づいて、前記飽和剤の0.25重量%~1.5重量%を構成する、請求項27~46のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項48】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤、グリオキサール系架橋剤、炭酸ジルコニウムアンモニウム、カルボジイミド、脂肪族ポリグリシジルエーテル、ヘキサメトキシメチルメラミン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、又はそれらの組み合わせを含む、請求項27~47のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項49】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤を含む、請求項27~48のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項50】
前記セルロースフィラメントが、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの前記重量に基づいて1重量%~5重量%を構成する、請求項27~49のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項51】
前記セルロースフィラメントが、200~5000のアスペクト比及び30~500nmの幅を有する、請求項27~50のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項52】
前記合成繊維が、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの前記重量に基づいて2重量%~8重量%を構成する、請求項27~51のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項53】
前記合成繊維が、ポリエステル繊維を含む、請求項27~52のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項54】
前記合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、請求項27~53のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項55】
前記研磨バッキングが、75~155gsmの秤量を有する、請求項27~54のいずれか一項に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善された強度特性を有する研磨バッキングに関する。
【0002】
サンディング用途に研磨バッキングを使用する場合に一般的な問題が、特定のサンディングサイクル数後にバッキングが破れることである。また、特定回数折りたたんだ後にバッキングが破れて使用できなくなることも、一般的な問題である。電動機器(power equipment)のサンドペーパーに研磨バッキングを使用する場合、多量の内部熱蓄積が、機器を使用する際の材料除去率に悪影響を及ぼす可能性がある。追加的に、サンディングされた材料をグリットから洗い流すために、サンドペーパーは、水中で柔らかくされ、又は回復され、そうする際に、サンドペーパーは、浸漬又はクリーニングされることによって、その強度特性の一部を失う。
【0003】
したがって、改善された強度特性を有する研磨バッカーが、必要とされている。具体的には、バッキングが破れる前のサンディングサイクル数又は折りたたみ回数の増加を可能にする研磨バッカーが、必要とされている。材料除去率を増加させ、かつ浸漬又はクリーニング時にその強度特性を維持する研磨バッカーも、必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
研磨バッキングが、概して提供される。いくつかの実施形態では、研磨バッキングは、ベースシートであって、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、飽和剤(飽和剤は、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む)と、第1の表面及び対向する第2の表面と、を含む、ベースシートと、ベースシートの第1の表面に隣接するバリアコーティングと、ベースシートの対向する第2の表面に隣接する裏側コーティングと、を含む。バリアコーティングは、液体水に対して不浸透性であり、ガスの透過を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、研磨バッキングは、ベースシートの第1の表面に隣接して塗布された2つ以上のバリアコーティングを有することができる。研磨バッキングは、ベースシートの第1の表面に対向するバリアコーティングの表面に隣接して塗布されたグリットを有することができる。裏側コーティングは、防水性であり得る。更なる実施形態では、研磨バッキングは、第2の表面に対向する裏側コーティングの表面上に、複数のループ又は複数のフックを含む層を有することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、ベースシートは、硬材繊維、軟材繊維、又はそれらの組み合わせを含む木質繊維を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベースシートは、軟材繊維及び硬材繊維のブレンド、例えば、各々ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、30~70重量%の軟材繊維及び70~30重量%の硬材繊維のブレンドを含む木質繊維をベースシートに含むことができる。ベースシートは、ジュート繊維、わら繊維、綿繊維、麻繊維、バガス繊維、竹繊維、リード繊維、サイザル繊維、アバカ繊維、ケナフ繊維、亜麻繊維、又はそれらの組み合わせを更に含むことができる。
【0006】
更なる実施形態では、ベースシートは、2種以上のラテックスポリマーを、飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、飽和剤の55重量%~99.9重量%の量で有することができる。いくつかの実施形態では、2種以上のラテックスポリマーのうちの2種は、架橋可能であり得る。飽和剤は、第3のラテックスポリマーを含むことができる。2種以上のラテックスポリマーは、スチレン及びブタジエンを含むモノマーから調製されたコポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ラテックスポリマーは、-40℃~-20℃のTg及び-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマーから選択される。ラテックスポリマーは、32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを更に含むことができる。ラテックスポリマーは、ラテックスポリマーの総乾燥重量に基づいて、10重量%~50重量%の-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、50重量%~90重量%の-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマー、及び10重量%~50重量%の32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを含むことができる。更なる実施形態では、飽和剤は、架橋剤を、飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、飽和剤の0.25重量%~1.5重量%の量で含むことができる。架橋剤としては、アジリジン架橋剤、グリオキサール系架橋剤、炭酸ジルコニウムアンモニウム、カルボジイミド、脂肪族ポリグリシジルエーテル、ヘキサメトキシメチルメラミン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。例えば、架橋剤は、アジリジン架橋剤を含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、ベースシートは、セルロースフィラメントを、ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、1重量%~5重量%の量で含むことができる。セルロースフィラメントは、200~5000のアスペクト比及び30~500nmの幅を有することができる。更に、ベースシートは、ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、2重量%~8重量%の合成繊維を有することができる。合成繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維などのポリエステル繊維を含むことができる。研磨バッキングは、75~155gsmの坪量を有することができる。
【0008】
研磨バッキングを形成するための方法も、概して提供される。一実施形態では、方法は、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤と、を含むベースシートを提供することと、ベースシートの第1の表面にバリアコーティングを塗布することと、ベースシートの当該第1の表面に対向する、ベースシートの第2の表面に裏側コーティングを塗布することと、を含む。方法はまた、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントとから作製されたベースシートを提供することと、2種以上のラテックスポリマーと架橋剤と、を含む飽和剤でベースシートを飽和させることと、飽和ベースシートを乾燥させることと、を含むことができる。方法はまた、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、を含む繊維マトリックスからベースシートを形成することによってベースシートを提供すること、及びベースシートを乾燥させることを含むことができる。次に、ベースシートを飽和剤で飽和させた後に、ベースシートをカレンダー加工することができる。研磨バッキングを作製する方法は、研磨バッキングに関して上述した他の特徴を含むことができる。
【0009】
1つ以上の実施形態の詳細が、以下の説明及び添付の図面に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、説明から、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0010】
本出願は、添付の図面への参照を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1B】ライン1Bに沿った、
図1Aの例示的な研磨バッキングの拡大図を示す。
【
図2A-1】本明細書に記載される研磨バッキングを実証する実施例からのデータを提供する。
【
図2A-2】本明細書に記載される研磨バッキングを実証する実施例からのデータを提供する。
【
図2B-1】本明細書に記載される研磨バッキングを実証する実施例からのデータを提供する。
【
図2B-2】本明細書に記載される研磨バッキングを実証する実施例からのデータを提供する。
【0012】
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、概して、研磨バッキング、並びにその形成方法を提供する。特定の実施形態では、研磨バッキングは、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、飽和剤と、を含むベースシートを含み、飽和剤は、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む。ベースシートは、第1の表面及び対向する第2の表面を含む。バリアコーティングが、ベースシートの第1の表面に隣接し、裏側コーティングが、対向する第2の表面に隣接する。
【0014】
図1Aを参照すると、第1の表面11及び第2の表面13を有するベースシート12から形成された、例示的な研磨バッキング10が、示されている。バリアコーティング22は、ベースシートの第1の表面11に隣接している。裏側コーティング20は、ベースシート12の第2の表面13に隣接している。
【0015】
図1Bは、
図1Aの研磨バッキング10の拡大図を示す。示される実施形態では、ベースシート12は、軟材繊維14、硬材繊維16、及び合成繊維24を含む複数の繊維を含む。ベースシート12はまた、セルロースフィラメント26を含む。ベースシート12はまた、飽和剤中の2種以上のポリマーから提供されるラテックス粒子18を含む。
【0016】
本明細書に提供される研磨バッキング10の構成要素の各々は、研磨バッキング、及び研磨バッキングを形成する方法に関して、以下でより詳細に考察される。
【0017】
ベースシート12は、2種以上のラテックスポリマーと架橋剤との反応によって形成された高分子マトリックスによって一緒に結合される木質繊維、合成繊維、及びセルロースフィラメントを含む、複数の繊維を含む。本明細書で論じられるように、高分子マトリックスは、ベースシート中の複数の繊維を飽和させる飽和剤によって提供される。いくつかの実施形態では、繊維及びセルロースフィラメント中に存在するヒドロキシル基は、飽和剤中に提供されるラテックスポリマー中に存在するペンダント基と水素結合することができる(例えば、ラテックスポリマーがカルボキシル化されている場合)。
【0018】
ベースシート中の木質繊維は、軟材繊維14、硬材繊維16、又はそれらのブレンドを含むことができる。特定の実施形態では、木質繊維は、軟材繊維及び硬材繊維のブレンドを含むことができる。ベースシートは、ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、5~95重量%、10~90重量%、20~80重量%、又は30~70重量%の軟材繊維を含むことができる。ベースシートは、ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、5~95重量%、10~90重量%、20~80重量%、又は30~70重量%の硬材繊維を含むことができる。
【0019】
軟材繊維の例としては、Northern Bleached Softwood Kraft(NBSK)が挙げられ、NBSKの例が、表1に提供されている。いくつかの実施形態では、軟材繊維は、1.99~2.30mmの長さ加重平均繊維長を有することができる。硬材繊維の例としては、Northern Bleached Hardwood Kraft(NBHK)が挙げられ、NBHKの例が、表2に提供されている。いくつかの実施形態では、硬材繊維は、0.58~1.11mmの長さ加重平均繊維長を有することができる。いくつかの実施形態では、NBHKの代わりにEucalyptus Bleached Kraft(EuBK)を使用することも可能である。
【表1】
【表2】
【0020】
いくつかの実施形態では、複数の繊維は、追加の繊維を含むことができる。追加の繊維としては、ジュート繊維、わら繊維、綿繊維、麻繊維、バガス繊維、竹繊維、リード繊維、サイザル繊維、アバカ繊維、ケナフ繊維、亜麻繊維、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。追加の繊維は、ベースシート中の木質繊維の重量で、1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、又は40%以上、又は50%以上、又は50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、又は5%以下を置き換えることができる。例えば、わら繊維を使用して、硬材/軟材繊維ブレンド中に使用されるであろう硬材繊維の全部又は一部分を置き換えることができる。
【0021】
ベースシート12は、セルロースフィラメントを含むことができる。セルロースフィラメントは、例えば、木質繊維をほぐして単フィラメントを提供することによって、形成することができる。セルロースフィラメントは、200~5000のアスペクト比及び30nm~500nmの幅を有することができる。セルロースフィラメントの1つの例示的な供給源は、Kruger Biomaterials Inc.から市販されているFILOCELL(商標)CFである。セルロースフィラメントは、ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、0.1重量%~10重量%、0.5重量%~7.5重量%、又は1重量%~5重量%の量でベースシートに提供することができる。
【0022】
複数の繊維は、ベースシートに追加の特性を提供するために、合成繊維を含むことができる。例えば、合成繊維は、木質繊維と協働して、ベースシートの耐引裂性を向上することができる。合成繊維は、得られる合成繊維が高引張強度繊維として機能する限り、任意の好適な材料から、及び任意の好適なサイズ及び形状に形成することができる。そのような合成繊維の例としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなど)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニルアセテート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂(例えば、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレートなど)、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン4/6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/10、及びナイロン12/12)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ乳酸、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。特定の実施形態では、合成繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)24などのポリエステルを含む。合成PET繊維としては、東レ株式会社から市販されているものが挙げられる。いくつかの実施形態では、合成繊維は、1mm~10mm又は2mm~8mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、合成繊維は、0.5dpf(フィラメント当たりデニール)~6.0dpf、又は3.0dpf~6.0dpfのデニールを有することができる。合成繊維は、ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、0.5重量%~15重量%、1重量%~12重量%、2重量%~10重量%、又は2重量%~8重量%の量でベースシートに提供される。
【0023】
繊維性ウェブの形成中、又はベースシート12の形成後、様々な添加剤を複数の繊維に適用することができる(例えば、乾燥繊維に)。例えば、湿潤強度剤を使用して、形成中のウェブの強度特性を改善することができる。湿潤強度剤は、ベースシート中の木質繊維及びセルロースフィラメントの重量に基づいて、0.001重量%~5重量%又は0.01重量%~2重量%の量で存在することができる。湿潤強度剤は、典型的には、セルロース繊維と結合することができる水溶性、カチオン性オリゴマー又はポリマー樹脂である。例えば、いくつかの好適な湿潤強度剤は、ポリアミン-エピクロロヒドリン、ポリアミドエピクロロヒドリン、又はポリアミド-アミンエピクロロヒドリン樹脂(総称して「PAE」樹脂)である。特定の実施形態では、他の湿潤強度剤を使用することもできる。例えば、他の好適な湿潤強度剤としては、ジアルデヒドデンプン、ポリエチレンイミン、マンノガラクタンガム、グリオキサール樹脂、ポリイソシアネート、及びジアルデヒドマンノガラクタンを挙げることができる。いくつかの実施形態では、湿潤強度樹脂は、ポリアミド-エピクロロヒドリン(PAE)樹脂を含む。
【0024】
様々な他の添加剤も、ベースシート12に使用することができる。添加剤は、ベースシートの形成中に繊維と共に提供するか、又は飽和剤と共にベースシートに塗布することができる。好適な添加剤としては、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、及び分散剤を挙げることができる。例えば、カオリン顔料をベースシートに含めて、不透明度を増加させることができる。広範囲の顔料及び染料を添加して、ベースシートに色を付与することもできる。顔料及び染料は、ベースシートの形成中に添加することができ、ベースシートを飽和させるときに飽和剤と共に提供することができ、又は飽和後にベースシート上に別個のコーティングとして提供することができる。
【0025】
本明細書で考察されるように、複数の繊維が、ベースシート12内の高分子マトリックス内に提供される。高分子マトリックスは、ベースシートの形成において、又はベースシートが形成された後に、繊維を飽和させるために使用される飽和剤又は飽和組成物によって提供される。特定の実施形態では、飽和剤は、ベースシートを飽和させることによってベースシートが形成された後に提供される。本明細書で考察されるように、高分子マトリックスは、少なくとも2種のラテックスポリマー及び架橋剤の使用によって形成される。特定の実施形態では、少なくとも2種のラテックスポリマーのうちの2種以上は、架橋可能であるため、それらは、架橋剤と、又は飽和剤中の他のラテックスポリマーと反応することができる。ラテックスポリマーと架橋剤との反応は、熱を通して、又はベースシート中の飽和剤から水を除去することによって起こり得る。ベースシート中の複数の繊維を物理的に結合することに加えて、ラテックスポリマーのうちの1つ以上及び架橋剤は、例えば、水素結合を介して、複数の繊維又はセルロースフィラメントと追加的に結合することができる。
【0026】
飽和剤は、少なくとも2種のラテックスポリマー18、少なくとも3種のラテックスポリマー、又はそれ以上を含む。いくつかの実施形態では、飽和剤は、3種のラテックスポリマーを含む。いくつかの実施形態では、2種以上のラテックスポリマーは、架橋可能であり、架橋剤と反応したときに高分子マトリックスを形成する。いくつかの実施形態では、ラテックスポリマーの3種全てが、架橋可能である。好適なラテックスポリマーとしては、スチレンブタジエンコポリマー(主にスチレン及びブタジエンモノマーの反応から形成される)、スチレンアクリルコポリマー(主にスチレン及び(メタ)アクリル及び/若しくは(メタ)アクリレートモノマーの反応から形成される)、純粋なアクリルコポリマー(主に(メタ)アクリル及び/若しくは(メタ)アクリレートモノマーの反応から形成される)、又はそれらの混合物が挙げられる。例えば、純粋なアクリルコポリマーは、ポリアクリル酸亜鉛などのポリアクリル酸塩であり得る。他の好適なラテックスポリマーとしては、N-メチロールアクリルアミド、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ニトリルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンコポリマー、ポリ(塩化ビニル)コポリマー、ポリ(酢酸ビニル)コポリマー、エチレン-アクリレートコポリマー、酢酸ビニル-アクリレートコポリマー、ネオプレンゴム又はトランス-1,4-ポリクロロプレン、シス-1,4-ポリイソプレン、ブタジエンゴム、シス-及びトランス-1,4-ポリブタジエン、エチレン-プロピレンコポリマー、又はそれらの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、ラテックスポリマーは、架橋可能であり得、架橋剤、別のラテックスポリマー、又はその両方とのいずれかで、ラテックスポリマーの架橋を可能にするように構成された官能基を含むことができる。例えば、ラテックスポリマーは、カルボキシル基、アミン基、ピリジル基、又はそれらの組み合わせなどの架橋可能な基を含むことができる。いくつかの実施形態では、架橋可能なラテックスポリマーは、1つ以上のカルボキシル化スチレンブタジエンコポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ラテックスポリマー粒子の粒径は、100nm~300nm、又は140nm~210nmの範囲であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、飽和剤は、飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、55重量%~99.9重量%又は70重量%~99.75重量%の量で、2種以上のラテックスポリマー18を含むことができる。少なくとも2種のラテックスポリマーは、-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、及び-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマーを含むことができる。特定の実施形態では、ラテックスポリマーは、32℃~52℃のTgを有することができる。例えば、ラテックスポリマーは、飽和剤中のラテックスポリマーの総乾燥重量に基づいて、10重量%~50重量%の-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、50重量%~90重量%の-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマー、及び0重量%(又は10重量%)~50重量%の32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを含むことができる。粒径、ゲル含有量、ガラス転移温度、及び架橋基の数(例えば、カルボキシル化の程度)に応じて異なるポリマーラテックスを使用することによって、特定の特性をベースシート12に付与することができる。
【0028】
飽和剤は、架橋剤を含むことができる。特定の実施形態では、架橋剤は、アジリジン架橋剤、グリオキサール系架橋剤、炭酸ジルコニウムアンモニウム、カルボジイミド、脂肪族ポリグリシジルエーテル、ヘキサメトキシメチルメラミン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、又はそれらの組み合わせを含むことができる。特定の実施形態では、架橋剤は、アジリジン架橋剤を含むことができる。飽和剤は、飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、0.1重量%~2.5重量%、0.2重量%~2重量%、又は0.25重量%~1.5重量%の量で、架橋剤を含むことができる。アジリジン骨格を有する架橋剤は、カルボキシル化スチレンブタジエンラテックスなどのカルボン酸基を有する分子と共有結合し、それにより、架橋ネットワークを形成するため、湿潤特性及び乾燥特性の両方を達成する。
【0029】
必要に応じて、他の成分を飽和剤組成物に含めることができる。例えば、抗酸化化合物を、飽和剤組成物に含めることができる。抗酸化剤は、硬化プロセス中の飽和組成物の酸化を阻止するのに役立つ。酸化は、飽和組成物を変色させ、その最終的な物理的特性を低下させる可能性がある。抗酸化剤の例としては、ブチル化ジヒドロキシアニソール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、及び没食子酸プロピルなどの置換フェノール化合物が挙げられる。抗酸化剤の追加の例としては、ジ-β-ナフチルパラフェニレンジアミン及びフェニル-β-ナフチルアミンなどの芳香族アミンが挙げられる。使用される場合、抗酸化剤は、飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、10重量%未満、5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満の濃度で、配合物中に含めることができる。特定の一実施形態では、フェノール型抗酸化剤を、飽和組成物に含めることができる。
【0030】
必要に応じて、充填剤、乳化剤、撥水剤、及びフィルム形成樹脂などの追加の材料を飽和組成物に含めることができる。好適な充填剤としては、シリカ又はケイ酸塩、粘土、及びホウ酸塩を挙げることができる。充填剤は、飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、0重量%超~45重量%又は5重量%~30重量%の量で、飽和剤に含めることができる。充填剤(例えば、粘土)は、ベースシートの水分及び空気の透過を低減するように作用することができる。好適な粘土の例としては、表3に提供されるNo.1高輝度カオリン粘土、No.1高輝度超微細粘土、No.2高輝度粘土、No.1通常輝度(Regular Brightness)超微細粘土、No.1通常輝度粘土、No.2通常輝度粘土、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【表3】
【0031】
飽和剤はまた、望ましい品質を飽和組成物に提供するための他の添加剤を含むことができる。例としては、pH調整用の化学物質又は界面活性剤を挙げることができる。エマルションのpHを制御するのを助けるために、リン酸三ナトリウムを乳化剤として、及び/又は増粘剤として、飽和組成物に含めることができる。
【0032】
バリアコーティング22は、飽和後に、ベースシート12上に塗布することができる。バリアコーティング22は、飽和剤組成物に関して上記で考察された材料のうちのいずれかを独立して含むことができる組成物から塗布することができる。バリアコーティングに好適なラテックスポリマー結合剤としては、アクリルラテックス結合剤を挙げることができる。好適なポリアクリルラテックス結合剤としては、ポリメタクリレート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、及び様々なアクリル酸並びにメタクリル酸エステル、並びに遊離酸のコポリマー、エチレン-アクリレートコポリマー、及び酢酸ビニル-アクリレートコポリマーを挙げることができる
【0033】
飽和剤及びバリアコーティング用のラテックスポリマー結合剤は、同じか又は異なってもよい。バリアコーティングのラテックスポリマーは、典型的には、飽和ベースシートの表面によく接着又は結合するように選択される。追加的に、バリアコーティングのラテックスポリマー結合剤は、任意の後続のカレンダー加工(例えば、ソフトニップカレンダー加工又はスーパーカレンダー加工)中に十分にうまく流れるように構成することができる。例えば、10~100センチポアズの範囲の粘度を有するラテックスポリマーバインダーは、十分にうまく流れることが予想され得る。
【0034】
バリアコーティング22の厚さは、得られる接着性バッキングの意図される用途に応じて変化し得る。例えば、より薄いバリアコーティングは、粗いグリットの研磨製品、例えば、200メッシュ以上の粒径を有する研磨剤(「メッシュ」という用語は、本明細書では、米国標準ふるいのメッシュを意味するために使用される)に使用することができる。一方、より厚いバリアコーティングは、研磨又は微細表面仕上げに使用されるより細かいグリット製品に使用することができる。実用的な最小層厚は、10マイクロメートルである一方、実用的な最大層厚は、250マイクロメートルである。しかしながら、必要に応じて、層が連続であることを条件に、より薄い又はより厚い層を使用することができる。本質的に堅い熱可塑性ポリマー組成物は、粗いグリット製品により有用であろう一方、エチレン-酢酸ビニルコポリマー及びポリウレタンのようなより柔らかい又はエラストマー熱可塑性ポリマー組成物は、微細なサンディング布及び研磨布のような微細グリット製品により有用であろう。
【0035】
別の例示的なバリアコーティングでは、参照により本明細書に組み込まれる、2014年4月4日に出願された「Super Smooth Paper Backing for Fine Grit Abrasives and Methods of Their Application and Use」と題するVervackeの米国特許出願第14/245,342号に開示されるように、接合層が、第1の表面上にあり、バリアコーティングが、接合層上にあることができる。
【0036】
特定の実施形態では、バリアコーティング22は、液体水に対して不浸透性であり、ガスの透過を可能にすることができる。特定の実施形態では、バリアコーティング22は、ガス及び液体の透過を可能にする。いくつかの実施形態では、研磨バッキングは、ベースシートの第1の表面に隣接して塗布された2つ以上のバリアコーティングを有することができる。例示的な研磨バッキングは、バリアコーティングに隣接して塗布されたメイクコーティングと、メイクコーティングに隣接して塗布されたグリットコーティングと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、メイクコーティングは、液体フェノールレゾール樹脂、ヒドロキシル含有ポリエステル、ポリエステルポリオール、芳香族ポリイソシアネート、酢酸ブチル、ラウリン酸ソルビタン、又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、メイクコーティングは、液体フェノールレゾール樹脂を含む。メイクコーティングは、グリットを研磨バッキング10のベースシート12に固定する。
【0037】
裏側コーティング20は、上に研磨粒子の層を有するように構成されていない第2の表面の任意の好適な層、又は第2の表面上のコーティングであり得る。任意のそのような裏側コーティングは、当技術分野で知られているように、特定の用途に使用及び適合させることができる。そのような裏側コーティングは、飽和剤に関して上記で考察された材料のうちのいずれかを独立して含むことができる組成物から塗布することができる。いくつかの実施形態では、裏側コーティング20は、防水性であり得、いくつかの実施形態では、複数のループ又は複数のフック(Velcro(登録商標)など)を備える層を含むことができる。複数のループ又は複数のフックを備える層は、不連続であってもよく、対応する複数のループ(裏側コーティング20が複数のフックを有する場合)又は複数のフック(裏側コーティングが複数のループを有する場合)を有するサンディングデバイスと一致する必要がある場合にのみ提供することができる。裏側コーティング20は、ラテックスポリマー並びに様々な他の添加剤を含むことができる。好適な添加剤は、消泡剤、顔料、加工助剤、分散剤、及び艶消し剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、裏側コーティング20は、珪藻土などの充填剤を含むことができる。珪藻土は、ハンドサンディング用途で使用される場合、裏側コーティング20の触感を高めることができる。
【0038】
例示的な研磨バッキング10は、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤と、を含むベースシート12を提供することと、ベースシート12の第1の表面11にバリアコーティング22を塗布することと、ベースシート12の当該第1の表面11に対向する、ベースシート12の第2の表面13に裏側コーティング20を塗布することと、を含む方法によって形成することができる。研磨バッキングの特定の実施形態では、ベースシート12を提供することは、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、を含むベースシート12を提供することと、ベースシート12を2種以上のラテックスポリマーと架橋剤と含む飽和剤で飽和させることと、飽和ベースシート12を乾燥させることと、を含むことができる。他の実施形態では、ベースシート12を提供することは、木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、を含む繊維マトリックスからベースシート12を形成することと、ベースシートを乾燥させることと、を含むことができる。研磨バッキング10のいくつかの実施形態では、形成の方法は、ベースシート12をカレンダー加工することを含むことができる。
【0039】
特定の実施形態では、研磨バッキング10は、液体水に対して不浸透性であり、ガスの透過を可能にするバリアコーティング22を含む方法によって形成される。方法はまた、ガス及び液体の透過を可能にするバリアコーティング22を含むことができる。また、ベースシート12の第1の表面11に隣接して塗布される2つ以上のバリアコーティング22があってもよい。研磨バッキング10はまた、ベースシート12の第1の表面11に対向するバリアコーティング22の表面に隣接してグリットを塗布することを含む方法によって形成することができる。いくつかの実施形態では、研磨バッキング10は、第2の表面13に対向する裏側コーティング20の表面上に提供された複数のループ又は複数のフックを備える層を含む方法によって形成される。
【0040】
特定の実施形態では、研磨バッキング10は、A~C重量研磨紙間を包含する、75~155gsmの秤量を有する研磨バッキングベース紙を含む。
【0041】
ベースシート12を形成するために、木質繊維、任意選択の追加の繊維、セルロースフィラメント、及び合成繊維を含む複数の繊維を一緒に混合する。複数の繊維は、一般に、水を含有する従来の製紙用繊維ストック予備ビーター(prep beater)又はパルパー内に配置される。繊維性材料ストックは、典型的には、懸濁液を形成するように継続的に攪拌される。必要に応じて、セルロースフィラメント及び/又は木質繊維も、ベースシートの引張り特性及び多孔性特性の改善を含む様々な利点を提供するために、1つ以上の精製ステップに供することができる。精製は、繊維表面の密接な接触の量の増加をもたらし、ディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ジョルダンリファイナー、クラフリンリファイナー、又はバレータイプリファイナーなどの、当技術分野で周知のデバイスを使用して実行することができる。
【0042】
次いで、得られた繊維性懸濁液を希釈し、従来の製紙技術を使用して繊維性ウェブに形成するために準備することができる。例えば、ウェブは、懸濁液を成形表面(例えば、ワイヤー)上に分配し、次いで、分配された懸濁液から水を除去してウェブを形成することによって、形成することができる。このプロセスは、当業者に周知のように、懸濁液をダンプチェスト、マシンチェスト、クリーンストックチェスト、低密度クリーナー、ヘッドボックスなどに移送することを含むことができる。形成されると、次に、任意の既知の技術を使用して、例えば、対流オーブン、放射熱、赤外線放射、強制空気オーブン、及び加熱されたロール又は缶を使用するなどによって、繊維性ウェブを乾燥させて、ベースシートを製造することができる。乾燥は、集中蒸気乾燥、続いて接触乾燥を含むこともできる。乾燥は、熱エネルギーを加えることなく、空気乾燥によって実行することもできる。
【0043】
いくつかの実施形態では、飽和剤の成分は、ビーターアド(beater add)として提供され、したがって、ベースシートを製造するために使用される繊維懸濁液中に存在する。いくつかの実施形態では、飽和剤を使用して、既に形成されたベースシートを飽和させることができる。ブラッシング、浸水ニップ飽和、ドクターブレード、噴霧、及びダイレクト並びにオフセットグラビアコーティングなどの任意の既知の飽和技術を使用することができる。例えば、複数の繊維を、過剰な溶液にさらし、次いで絞ることができる。複数の繊維から過剰な飽和剤を絞り出すことは、複数の繊維を、ローラ間を通過させることによって達成することができる。必要に応じて、過剰な飽和剤を、更なる使用のために供給源に戻すことができる。過剰な材料を絞り出した後、次いで、飽和した複数の繊維を乾燥させることができる。複数の繊維を飽和剤で飽和させるための他の好適な技術は、Weberに対する米国特許第5,595,828号、及びReed,et al.に対する米国特許出願公開第2002/0168508号に記載されており、これらは、全ての目的に関して、それらを参照することにより、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0044】
適用される飽和剤の量は、所望の透過性など、複数の繊維の所望の特性に応じて変化し得る。典型的には、飽和剤は、10重量%~40重量%、及びいくつかの実施形態では、10重量%~25重量%の「パーツピックアップ(parts pick up)」又はPPUのアドオンレベルで存在する。PPUアドオンレベルは、適用された飽和剤の乾燥重量を処理前の複数の繊維の乾燥重量で除算して、その結果に100を乗算することによって計算される。PPUは、式:
【数1】
に従って計算され、式中、BW
繊維+飽和剤及びBW
繊維は、両方とも、ベースシートの秤量の完全乾燥(水分なし)測定値であり、BW
繊維は、サイズプレス前の段階での測定値であり、BW
繊維+飽和剤は、シートが飽和されたときのサイズプレス後の測定値である。
【0045】
特定の一実施形態では、飽和ベースシート12は、飽和後にカレンダー加工される。飽和ベースシートをカレンダー加工することで、シートの柔らかさ及び滑らかさを高めることができる。所望される場合、飽和ベースシート12は、任意のプロセスに従ってカレンダー加工することができる。カレンダー加工は、一般に、第1及び第2のカレンダーロールによって形成されたニップ内で飽和ベースシートを押圧することを伴う。飽和ベースシートに対するカレンダー加工の効果は、温度、印加される圧力、及び圧力の持続時間に依存する。本明細書の目的のために、カレンダー加工は、周囲温度又は高温のいずれかで実行することができる。好適なカレンダー圧力は、50~2000重量ポンド毎リニアインチ(pli)、100~1600pli、300~1000pli、又は400~600pliとすることができる。好適な温度は、20℃~240℃、20℃~140℃、又は20℃~90℃とすることができる。
【0046】
カレンダー加工の持続時間は、シートの紙バッキングの所望の滑らかさを生成するためのカレンダーロールのニップ圧力及び/又は組成に関連して変化させることができる。例えば、繊維充填ロールなどのより柔らかいカレンダーロールは、ニップ内でより大きな接触面積を形成するように圧縮する傾向があり、したがって、カレンダー加工の持続時間を増加させる。硬い鋼製ロールは、より多く圧縮するため、カレンダー加工の持続時間を低減する。一配置では、カレンダーニップは、鋼製ロール及び柔らかい繊維充填ロールを備える。別の配置では、例えば、製造スーパーカレンダースタックは、垂直配置で互いに積み重ねられた2つ超のロール、望ましくは9~11個のロールを含むことができる。望ましくは、積み重ねられたロールは、鋼製ロールと繊維充填ロールとの間で交互する。そのような配置では、所望の滑らかさレベルを生じるために、紙を最大1600pliの様々な圧力、及びいくつかのニップ、例えば、1~8個にさらすことができる。
【0047】
飽和され、カレンダー加工されたベースシート12は、飽和組成物から溶媒を除去するために、乾燥させることができる。例えば、飽和ベースシート12は、少なくとも100℃、いくつかの実施形態では少なくとも150℃、例えば少なくとも200℃の温度に加熱することができる。好適な乾燥技術としては、従来のオーブン、マイクロ波、強制空気、加熱ロール、缶、又は通気乾燥による加熱を挙げることができる。乾燥は、集中蒸気乾燥、続いて接触乾燥を含むこともできる。
【0048】
追加的に、飽和され、カレンダー加工されたベースシート12は、ラテックスポリマーが、飽和組成物の架橋剤と反応して架橋し、三次元ポリマー構造を形成するように、硬化させることができる。したがって、架橋ラテックスポリマーは、ベースシートの繊維を機械的に及び/又は化学的にのいずかで一緒に結合するのに役立つことができる。
【0049】
ベースシートの特定の処理ステップにかかわらず、ベースシート12は、合成繊維が、置かれたままの形状及び物理的構造を最終的なプライシート配向(及び結果として生じる研磨バッカー積層体)で維持するように、合成繊維の軟化点又は融点の温度未満の温度に保たれる。したがって、合成繊維の構造的及び物理的完全性は、合成繊維がプライシートに強度特性を提供することを可能にするために、個々のプライシート内でそのまま維持される。
【0050】
裏側コーティング20及びバリアコーティング22をベースシート12に塗布することができる。裏側コーティング20は、特定の特性を提供するようにカスタマイズすることができる。具体的には、裏側コーティング20は、上に印刷されることができ、ハンドサンディングの触感を有することができ、又は粘着剤用に予めコーティングすることができる。
【0051】
研磨バッキング10はまた、湿潤特性において100%~200%の改善を実証し、それにより、研磨バッキング10から作製されたサンドペーパー製品が、サンディングされた材料をグリットから洗い流すために浸漬又はクリーニングされながら、強度特性を保持することを可能にする。特定の理論に束縛されることを望まないが、改善は、2種以上のラテックスポリマー、架橋剤、木質繊維、セルロースフィラメント、及び合成繊維の組み合わせの使用によるものであると考えられる。ラテックスポリマーは、繊維に補強を提供し、それにより、研磨バッキング10の強度特性及び耐久性を高める。湿式サンディング特性の改善はまた、バリアコーティング及び裏側コーティングによるものであり、これらのコーティングは、飽和剤の使用によりシートの密閉性が改善されるため、透過性を低減する。
【0052】
研磨バッキング10は、湿式及び乾式サンディング用途の両方におけるハンドサンディング及び電動工具用途の両方での過酷な使用に耐えることができる。研磨バッキング10の強度改善は、面内及び面外の両方の強度特性で示される。これは、95Nm/gを超える(例えば、95~100Nm/g)二乗平均平方根(RMS)引張指数によって実証される。面外剥離力は、150重量グラム~1000重量グラム、又は450重量グラム~750重量グラムである。セルロースフィラメント及び合成繊維は、木質繊維と絡合及び結合することによって、追加の引裂強度を提供すると考えられる。
【0053】
研磨バッキング10は、1時間又は24時間の浸漬サイクルの両方の後に湿潤状態で高い剥離力を有し、それにより、研磨バッキングが、浸漬又はクリーニング後にその強度特性をより良好に保持することを可能にする。研磨バッキング10は、水のような適切な極性洗浄溶媒中で定期的にクリーニングされたときに強度特性を維持するため、それにより、湿式サンディングの寿命が向上する。改善されたバッキングは、水に1時間浸漬した後、乾燥引張強度の40%~60%を保持する。改善されたバッキングは、ベースシートに対して精製エネルギーの増加を必要とせず、したがって、バッキングの緻密化及び強度特性を高めた同じレベルの精製を可能にする。
【0054】
改善された研磨バッキング10を使用するサンドペーパーは、ハンドサンディング及びパワーサンディングの両方の用途でより耐久性がある。電動機器で使用される場合、改善されたサンドペーパーは、内部熱蓄積が低減され、電動機器から材料へのエネルギー伝達を向上させるであろう。したがって、同じグリット及びメイクコートが研磨バッキングに塗布される場合、材料除去率も向上するであろう。
【0055】
ここで、研磨バッキングを、以下の非限定的な実施例によって更に説明する。部及びパーセンテージは、別段明記しない限り、単位重量ベースである。
【0056】
試験方法
試料調整
以下の試験方法のうちのいずれかの前に、最低20分間、調整された空気を、試験片を通して引く追加のステップを伴うTAPPI T402 sp-13を使用して、試料を調整した。
【0057】
坪量
秤量は、TAPPI T410を使用して測定したが、試験片は、最小800in2ではなく、412.3in2の合計面積を有する4枚のシートであった。
【0058】
キャリパー
TAPPI T411 om-15を使用して、キャリパーを測定した。
【0059】
引張強度、引張吸収エネルギー(TEA)、伸長率、及びRMS引張指数
引張強度、TEA、及び伸長率を、TAPPI T494-om-01を使用して測定した。RMS引張りは、MD引張りの二乗+CD引張りの平方根である。
【0060】
MD時効湿潤引張強度及びMD時効湿潤伸長
MD時効湿潤引張強度及びMD時効湿潤伸長は、TAPPI T456 om-15を使用して測定したが、測定前に試験片を145°Fで5分間エージングした。
【0061】
引裂
引裂は、TAPPI T414 om-21を使用して測定したが、結果は、1プライではなく、16プライを引裂くための重量グラム単位のものである。
【0062】
ガーレー多孔度
ガーレー多孔度を、1枚のシート又は4枚のシートのいずれかを使用して、TAPPI T460を使用して測定した。
【0063】
ワイヤの滑らかさ
ワイヤの滑らかさを、TAPPI T538 om-16を使用して測定した。
【0064】
剥離
剥離は、以下の手順を使用して測定した:
【0065】
Twing-Albert Vantage NX EJAシリーズ試験機は、30.5cm/分の一定の変位速度で、変位制御モードで操作することができる適切に校正された試験機であった。試験機は、研磨バッキング試験片に接着されたヒートシールテープの2つの端部を保持するための2つの対向するグリップを備えた。試験機荷重送りデバイスは、試験片によって支えられる総荷重を示すことができ、この場合、500Nロードセルを使用した。このデバイスは、指定された試験速度において慣性遅延が本質的になく、関心の荷重範囲(複数可)の全体にわたって、示された値の±1%以内の精度で荷重を示した。データは、デジタルで保存され、後処理された。試験条件当たり少なくとも5つの試験片を試験した。全ての測定機器の精度は、機器の使用時に最新であった認定校正を有した。試料を、23±3℃及び50±10%の相対湿度の標準的な実験室雰囲気で保管及び試験した。
1.各研磨バッキング試験片及びヒートシールテープの幅は、15mmであった。
2.布ヒートシールテープを、45.5gm/cm2の圧力で20秒間ヒートシールテープを貼ることによって、研磨バッキングの両側に312°F±12°Fで積層し、剥離力が試験片の中心平面に沿って測定されるように、研磨バッキング試験片の対向する側を接着するために使用した。
3.研磨バッキング試験片をヒートシールした後、かつグリップブロック内にロードする前に、少なくとも2.54cmが予め剥離されるまで、ヒートシールテープの2本のストリップを180°で互いに引き離すことによって、剥離を手動で開始した。
4.予め剥離された試験片上のヒートシールテープの2つの端部をローディングマシンのグリップ内に装着し、試験片が、整列し、中心にあることを確認した。
5.30.5cm/分の一定のクロスヘッド速度で、試験片に荷重を加えた。
6.荷重及び変位の値を連続的に記録した。
7.5.08cmの試験距離後、試験荷重印加を停止した。
8.試験片を、30.5cm/分の一定のクロスヘッド速度でアンロードした。
9.試験片をアンロードした後、5.08cmの試験距離の全体にわたって、グラム単位で平均力を計算した。
【0066】
1時間湿潤剥離
機器、試験方法、及び計測器パラメータは、浸漬ステップの追加を伴うことを除き、上記の剥離方法とまったく同じであった。試験前に、試験片を、1リットル当たり10gの非イオン性界面活性剤の浸漬溶液(C14H22O(C2H4O)n)に1時間浸漬した。
1.試料をペーパータオルでブロットして、過剰な水分を除去した。
2.剥離方法に提供された予備剥離ステップ及び荷重印加ステップを、1時間浸漬された試験片で実行した。
3.試験完了後、1時間浸漬した試験片の平均剥離力を、剥離方法で実行された50.8cmの試験距離の全体にわたって計算した。
4.1時間湿潤剥離力をグラム単位で報告し、1時間湿潤/乾燥試験の比をパーセンテージで報告した。
【0067】
24時間湿潤剥離
試験片を1時間ではなく、24時間浸漬溶液に浸漬したことを除いて、1時間湿潤剥離と同じ試験を使用して、24時間湿潤剥離を測定した。
【0068】
シェフィールド多孔度
TAPPI T547 om-18を使用して、シェフィールド多孔度を測定した。
【0069】
フェルトの滑らかさ
TAPPI T538 om-16を使用して、フェルトの滑らかさを測定した。
【0070】
フェルト光沢
TAPPI T480 om-15を使用して、フェルト光沢を測定した。
【0071】
テレビン油浸透
以下の試験を使用して、テレビン油浸透を測定した:
1.3対1の体積比でキシレンをヘプタンと組み合わせ、総キシレン/ヘプタン400ml当たり0.25gのスダンレッドIVを添加して溶媒を作成した。
2.この溶媒を、2インチ幅のペイントブラシで試料のバリアコート側にブラシがけした。
3.溶媒でコーティングしながら、試料を10秒間静置し、次いで、拭き取った。
4.浸透レベルは、1、3、又は4のスケールでの速度であり、1は、最も少ない浸透量を表し、4は、バリアコートの反対側への溶媒浸透を表す。
【0072】
密度
密度は、上記で測定した秤量及び上記で測定したキャリパーを使用して計算した。
【実施例】
【0073】
実施例1
コーティングされた飽和ベースシートの8つの異なる試料を調製し、次いで、試料間で特性を比較した。調製された試料の各々について、同じプロセスを実行したが、ベースシート及び飽和剤の両方に使用される材料を変更した。
以下の方法に従って、コーティングされた飽和ベースシートの試料を調製した:
【0074】
表4による組成物を有する不飽和ベースシートを15分間精製した。
【表4】
【0075】
乾燥シートを、表5による組成物の飽和剤で適切なピックアップまで飽和させた。
【表5】
【0076】
バリアコーティング及び裏側コーティングを、表6による組成物を有するベースシートの対向する側に提供した。
【表6】
【0077】
異なる研磨バッキングの特性が、
図2A及び
図2Bに提供されている。
【0078】
図2A及び
図2Bに示されるように、対照試料A_B30及びA_B35を本明細書に提供される研磨バッキングと比較すると、改善された特性が存在する。例えば、二乗平均平方根(RMS)引張指数が、A_B30の約80Nm/gから、試料B_P30及びB_P35に示されるように、95~100Nm/gの範囲まで増加する。これは、研磨バッキングが、湿式及び乾式サンディング用途の両方において、ハンドサンディング及び電動工具用途の両方で過酷な使用に耐えることができることを示す。また、飽和サンドペーパー製品の面内引張強度及び引裂などの強度特性における15%~30%の向上、並びにz方向引張り及び面外剥離力などの面外特性における100%の向上がある。
【0079】
研磨バッキングは、研磨バッキングの引張又は引裂破壊のいずれかの前に、サンディングサイクル数の増加を可能にする。この改善は、
図2Aに提供されるように、試料A_B30における219.8J/m
2から試料B_P35における311.9J/m
2への引張吸収エネルギー(TEA)の増加によって実証される。この改善はまた、表7に提供されるように、調整され、かつエージングされていないB_35Pについての4,194の折りたたみサイクルの平均折りたたみ耐久性、及び120℃で30分間エージングされた、調整されたB_35Pについての6,513の平均折りたたみ耐久性によっても実証される。
【表7】
【0080】
実施例2
試料B_P35の特性を、市販の3.15メートル幅の抄紙機で試験した。研磨バッキングのこの実施形態は、表4のベースシートBによる組成物を有するベースシート、及び表5の飽和式Pによる組成物を有する飽和剤を有した。表4によるベースシートの成分を抄紙機ストック送達システムに供給し、フォードリニアテーブル上で成形し、湿式圧縮し、乾燥させ、表5による飽和剤を用いて28のPPUで飽和させた。バリアコーティングは、3.15メートルの抄紙機上で商業的に塗布され、表6による組成を有する。裏側コーティングは、試料B_P35_BCにオフラインで塗布され、表6による組成を有する。
【0081】
試験から得られた特性測定値が、表8に提供されている。特性の改善は、現在の対応する市販対照グレードに基づく。
【表8】
【0082】
Neenah(登録商標)Performance Materials及びMonadnock Paper Mills,Inc.によって製造された研磨バッキング試料及び対応する研磨バッキングの特性測定値が、表9に提供されている。対応する研磨バッキングは、商業規模で製造され、提供されたデータは、公開され、一般に入手可能である。
【表9】
【0083】
表9に示されるように、試料B_P35をNeenah(登録商標)Performance Materials及びMonadnock Paper Mills,Inc.の対応する製品と比較すると、RMS引張指数が改善されている。例えば、表9のMonadnock Paper Mills,Inc.の製品の63.8Nm/gからB_P35の106.1Nm/gへのRMS引張指数の増加がある。表8のB_P35_BCと表9のB_P35との間のRMS引張指数の差は、B_P35_BCに塗布された裏側コーティングに起因し、これが、B_P35_BCの秤量を、B_P35の108.7gsmの秤量から115gsmに増加させる。
【0084】
添付の特許請求の範囲の組成物及び方法は、本明細書に記載される特定の組成物及び方法によって範囲が限定されず、本明細書に記載される特定の組成物及び方法は、特許請求の範囲のいくつかの態様の例示として意図されており、機能的に等価である任意の組成物及び方法は、特許請求の範囲の範囲内に収まることが意図される。本明細書に示され、記載されるものに加えて、組成物及び方法の様々な修正は、添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。更に、本明細書に開示される特定の代表的な組成物及び方法ステップのみが具体的に記載されるが、組成物及び方法ステップの他の組み合わせも、具体的に列挙されていなくても、添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。したがって、ステップ、要素、構成要素、又は成分の組み合わせは、本明細書で明示的に言及されてもされなくてもよいが、明示的に記載されていなくても、ステップ、要素、構成要素、及び成分の他の組み合わせが含まれる。本明細書で使用される場合、「備える」という用語及びその変形は、「含む」という用語及びその変形と同義に使用され、開放的で非限定的な用語である。「備える」及び「含む」という用語が、様々な実施形態を説明するために本明細書で使用されたが、発明のより特定的な実施形態を提供するために、「備える」及び「含む」の代わりに、「本質的にからなる」及び「からなる」という用語を使用することができ、開示もされる。例内又は特に明記される場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、均等論の適用を特許請求の範囲の範囲に限定しようとするものではなく、有効桁数及び通常の四捨五入アプローチに照らし合わせて解釈されるべきものと、少なくとも理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨バッキングであって、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤と、を含むベースシートであって、第1の表面及び対向する第2の表面を含む、ベースシートと、
前記ベースシートの前記第1の表面に隣接するバリアコーティングと、
前記ベースシートの前記対向する第2の表面に隣接する裏側コーティングと、を備える、研磨バッキング。
【請求項2】
前記バリアコーティングが、液体水に対して不浸透性であり、ガスの透過を可能にする、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項3】
2つ以上のバリアコーティングが、前記ベースシートの前記第1の表面に隣接して塗布される、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項4】
グリットが、前記ベースシートの前記第1の表面に対向する前記バリアコーティングの表面に隣接して塗布される、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項5】
前記裏側コーティングが、防水性である、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項6】
複数のループ又は複数のフックを備える層が、前記第2の表面に対向する前記裏側コーティングの表面上に提供される、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項7】
前記木質繊維が、硬材繊維を含む、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項8】
前記木質繊維が、軟材繊維を含む、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項9】
前記ベースシート中の前記木質繊維が、軟材繊維及び硬材繊維のブレンドを含み、前記ブレンドが、各々前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて、30~70重量%の軟材繊維及び70~30重量%の硬材繊維を含む、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項10】
前記ベースシートが、ジュート繊維、わら繊維、綿繊維、麻繊維、バガス繊維、竹繊維、リード繊維、サイザル繊維、アバカ繊維、ケナフ繊維、亜麻繊維、又はそれらの組み合わせを更に含む、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項11】
前記2種以上のラテックスポリマーが、前記飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、55重量%~99.9重量%を構成する、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項12】
前記2種以上のラテックスポリマーのうちの少なくとも2種が、架橋可能である、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項13】
前記飽和剤が、第3のラテックスポリマーを更に含む、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項14】
前記ラテックスポリマーが、スチレン及びブタジエンを含むモノマーから調製されたコポリマーである、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項15】
前記ラテックスポリマーが、-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、及び-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマーから選択される、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項16】
前記ラテックスポリマーが、32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを更に含む、請求項15に記載の研磨バッキング。
【請求項17】
前記ラテックスポリマーが、前記ラテックスポリマーの総乾燥重量に基づいて、10重量%~50重量%の-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、50重量%~90重量%の-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマー、及び10重量%~50重量%の32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを含む、請求項15又は16に記載の研磨バッキング。
【請求項18】
前記架橋剤が、前記飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、前記飽和剤の0.25重量%~1.5重量%を構成する、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項19】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤、グリオキサール系架橋剤、炭酸ジルコニウムアンモニウム、カルボジイミド、脂肪族ポリグリシジルエーテル、ヘキサメトキシメチルメラミン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、又はそれらの組み合わせを含む、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項20】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤を含む、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項21】
前記セルロースフィラメントが、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて1重量%~5重量%を構成する、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項22】
前記セルロースフィラメントが、200~5000のアスペクト比及び30~500nmの幅を有する、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項23】
前記合成繊維が、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて2重量%~8重量%を構成する、
請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項24】
前記合成繊維が、ポリエステル繊維を含む、請求項1に記載の研磨バッキング。
【請求項25】
前記合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、請求項24に記載の研磨バッキング。
【請求項26】
請求項1に記載の、かつ75~155gsmの秤量を有する、研磨バッキング。
【請求項27】
研磨バッキングを作製する方法であって、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤と、を含むベースシートを提供することと、
前記ベースシートの第1の表面にバリアコーティングを塗布することと、
前記ベースシートの前記第1の表面に対向する、前記ベースシートの第2の表面に裏側コーティングを塗布することと、を含む、方法。
【請求項28】
前記ベースシートを提供することが、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、を含むベースシートを提供することと、
前記ベースシートを、2種以上のラテックスポリマー及び架橋剤を含む、飽和剤で飽和させることと、
飽和ベースシートを乾燥させることと、を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ベースシートを提供することが、
木質繊維と、合成繊維と、セルロースフィラメントと、を含む繊維マトリックスからベースシートを形成することと、
前記ベースシートを乾燥させることと、を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ベースシートを飽和剤で飽和させた後に前記ベースシートをカレンダー加工することを更に含む、請求項28又は29に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項31】
前記バリアコーティングが、液体水に対して不浸透性であり、ガスの透過を可能にする、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項32】
2つ以上のバリアコーティングが、前記ベースシートの前記第1の表面に隣接して塗布される、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項33】
グリットが、前記ベースシートの前記第1の表面に対向する前記バリアコーティングの前記表面に隣接して塗布される、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項34】
前記裏側コーティングが、防水性である、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項35】
複数のループ又は複数のフックを備える層が、前記第2の表面に対向する前記裏側コーティングの表面に塗布される、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項36】
前記木質繊維が、硬材繊維を含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項37】
前記木質繊維が、軟材繊維を含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項38】
前記ベースシート中の前記木質繊維が、軟材繊維及び硬材繊維のブレンドを含み、前記ブレンドが、各々前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて、30~70重量%の軟材繊維及び70~30重量%の硬材繊維を含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項39】
前記ベースシートが、ジュート繊維、わら繊維、綿繊維、麻繊維、バガス繊維、竹繊維、リード繊維、サイザル繊維、アバカ繊維、ケナフ繊維、亜麻繊維、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項40】
前記2種以上のラテックスポリマーが、前記飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、前記飽和剤の55重量%~99.9重量%を構成する、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項41】
前記2種以上のラテックスポリマーのうちの少なくとも2種が、架橋可能である、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項42】
前記飽和剤が、第3のラテックスポリマーを更に含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項43】
前記ラテックスポリマーが、スチレン及びブタジエンを含むモノマーから調製されたコポリマーである、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項44】
前記ラテックスポリマーが、-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、及び-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマーから選択される、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項45】
前記ラテックスポリマーが、32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを更に含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項46】
前記ラテックスポリマーが、前記ラテックスポリマーの総乾燥重量に基づいて、10重量%~50重量%の-40℃~-20℃のTgを有するラテックスポリマー、50重量%~90重量%の-12℃~8℃のTgを有するラテックスポリマー、及び10重量%~50重量%の32℃~52℃のTgを有するラテックスポリマーを含む、請求項44又は45に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項47】
前記架橋剤が、前記飽和剤中の乾燥固形物の重量に基づいて、前記飽和剤の0.25重量%~1.5重量%を構成する、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項48】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤、グリオキサール系架橋剤、炭酸ジルコニウムアンモニウム、カルボジイミド、脂肪族ポリグリシジルエーテル、ヘキサメトキシメチルメラミン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項49】
前記架橋剤が、アジリジン架橋剤を含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項50】
前記セルロースフィラメントが、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて1重量%~5重量%を構成する、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項51】
前記セルロースフィラメントが、200~5000のアスペクト比及び30~500nmの幅を有する、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項52】
前記合成繊維が、前記ベースシート中の前記木質繊維及び前記セルロースフィラメントの重量に基づいて2重量%~8重量%を構成する、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項53】
前記合成繊維が、ポリエステル繊維を含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項54】
前記合成繊維が、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【請求項55】
前記研磨バッキングが、75~155gsmの秤量を有する、請求項2
7に記載の研磨バッキングを作製する方法。
【国際調査報告】