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特表2024-538220SCM-38モレキュラーシーブ、その調製方法およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】SCM-38モレキュラーシーブ、その調製方法およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C01B 37/04 20060101AFI20241010BHJP
   C01B 37/08 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 29/83 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 29/84 20060101ALI20241010BHJP
   C07C 41/09 20060101ALI20241010BHJP
   C07C 43/04 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
C01B37/04
C01B37/08
B01J29/83
B01J29/84 Z
C07C41/09
C07C43/04 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523908
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 CN2022126429
(87)【国際公開番号】W WO2023066338
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111224534.9
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111222065.7
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】509128052
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司上海石油化工研究院
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI RESEARCH INSTITUTE OF PETROCHEMICAL TECHNOLOGY SINOPEC
【住所又は居所原語表記】NO.1658 PUDONG BEI ROAD,PUDONG NEW AREA,SHANGHAI 201208,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】楊為民
(72)【発明者】
【氏名】趙勝利
(72)【発明者】
【氏名】喬健
(72)【発明者】
【氏名】袁志慶
(72)【発明者】
【氏名】王振東
(72)【発明者】
【氏名】付文華
(72)【発明者】
【氏名】陶偉川
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
4H006
【Fターム(参考)】
4G073BA63
4G073BA70
4G073BB48
4G073BD15
4G073CZ41
4G073DZ02
4G073FA01
4G073FB11
4G073FB12
4G073FB23
4G073FB24
4G073FB25
4G073FB26
4G073FB42
4G073FC25
4G073FC27
4G073FD17
4G073FD28
4G073FF06
4G073GA03
4G073UA03
4G073UB38
4G169AA02
4G169AA08
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BC15A
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC20A
4G169BC20B
4G169BD02A
4G169BD02B
4G169BD07A
4G169BD07B
4G169CB33
4G169DA06
4G169EA02Y
4G169FA01
4G169FC03
4G169ZA39A
4G169ZA39B
4G169ZA41A
4G169ZA41B
4G169ZB08
4G169ZB09
4G169ZB10
4G169ZC02
4G169ZF04A
4G169ZF04B
4H006AA02
4H006AC43
4H006BA71
4H006BA81
4H006BA85
4H006GN05
4H006GP01
(57)【要約】
本発明は、SCM-38モレキュラーシーブ、その調製方法およびその使用を開示する。SCM-38モレキュラーシーブは、リン-アルミニウムまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブである。SCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、7.20±0.1、10.81±0.1、11.60±0.1、14.32±0.1、21.39±0.1、21.83±0.1、27.31±0.1および28.72±0.1である2θにX線回折ピークが現れ、2θは7.20±0.1において最もピークが強い、回折ピークの特徴を示す。本発明のSCM-38モレキュラーシーブは、触媒に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SCM-38モレキュラーシーブであって、
上記モレキュラーシーブがリン-アルミニウムまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブであり、
上記SCM-38モレキュラーシーブは、そのXRDスペクトルにおいて、7.20±0.1、10.81±0.1、11.60±0.1、14.32±0.1、21.39±0.1、21.83±0.1、27.31±0.1、28.72±0.1の2θ回折角にX線回折ピークが現れ、最も強いピークが7.20±0.1の2θに現れる、回折ピークの特徴を示し、
上記SCM-38モレキュラーシーブは、「P・Al・SiO」で表される概略化学組成を有し、モル比に基づいて、Al:P=0.8~1.5:1、好ましくは0.8~1.4、より好ましくは0.9~1.3であり;SiO:P=0~0.1:1、好ましくは0~0.09:1、より好ましくは0~0.07:1である、SCM-38モレキュラーシーブ。
【請求項2】
上記SCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルが、以下の表に示すX線回折ピークを有することを特徴とする、請求項1に記載のSCM-38モレキュラーシーブ。
【表1】
【請求項3】
上記SCM-38モレキュラーシーブが三角形の形態を有することを特徴とする、請求項1に記載のSCM-38モレキュラーシーブ。
【請求項4】
a)アルミノホスフェート前駆体、第4級アンモニウム化合物1、第4級アンモニウム化合物2、フッ素源および水、ならびに任意のアルミニウム源および任意のケイ素源を混合し、合成母液を製造する工程;
b)工程a)で得られた合成母液を結晶化させ、SCM-38モレキュラーシーブを製造する工程を含み、
上記第4級アンモニウム化合物1は、下記式(I)で表される化合物であり、
【化1】

式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキルから選択され、Xは対イオンを表し、
上記第4級アンモニウム化合物2は、下記式(II)で表される化合物であり、
【化2】

式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキルから選択され、Rは水素またはヒドロキシを表し、Xは対イオンを表し、mは1~4の整数を表し、nは5~10の整数を表し;
式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物の少なくとも一方における上記対イオンXはヒドロキシル基を表し、
上記アルミノホスフェート前駆体は、式「Al:xP」で表される概略化学組成を有し、0.7≦x≦2.5、好ましくは0.8≦x≦2である、請求項1~3のいずれかに記載のSCM-38モレキュラーシーブを調製する方法。
【請求項5】
上記アルミノホスフェート前駆体のXRDスペクトルが、以下の表に示すX線回折ピークを有する、請求項4に記載のSCM-38モレキュラーシーブを調製する方法。
【表2】
【請求項6】
上記アルミノホスフェート前駆体のXRDスペクトルがさらに、以下の表に示すX線回折ピークを有し、
【表3】

好ましくは、さらに以下の表に示すX線回折ピークを有することを特徴とする、請求項5に記載の調製方法。
【表4】
【請求項7】
上記合成母液において、各材料のモル比が以下のとおりであることを特徴とする、請求項4~6のいずれかに記載の調製方法:ケイ素源はSiOとして、アルミニウム源はAlとして、アルミノホスフェート前駆体はAlおよびPとして、フッ素源はHFとして、および水はHOとして、(0~0.5)SiO:(0.8~5)Al:1P:(0.01~0.9)第4級アンモニウム化合物1:(0.9~5)第4級アンモニウム化合物2:(0.1~5)HF:(10~500)HO、好ましくは(0~0.3)SiO:(0.85~2)Al:1P:(0.003~0.85)第4級アンモニウム化合物1:(0.95~3)第4級アンモニウム化合物2:(0.3~3)HF:(20~300)HO、より好ましくは(0~0.1)SiO:(0.0.86~1.5)Al:1P:(0.05~0.8)第4級アンモニウム化合物1:(1~2)第4級アンモニウム化合物2:(0.5~1.8)HF:(50~130)HO。
【請求項8】
上記第4級アンモニウム化合物1が、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド等の1つ以上であり、
上記第4級アンモニウム化合物2中の第4級アンモニウムカチオンが、6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムイオンまたは6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-エチルジメチルアンモニウムイオンであることを特徴とする、請求項4~7のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項9】
上記アルミニウム源が、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミナゾル、アルミナ、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、水和アルミナ、メタアルミン酸ナトリウムおよび水酸化アルミニウムの1つ以上であり、
上記ケイ素源が、シリカゾル、ヒュームドシリカ、オルトケイ酸エチル、ケイ酸およびシリカゲルのうちの1つ以上であり;
上記フッ素源が、フッ化水素酸またはフッ化アンモニウムのうちの1つ以上であることを特徴とする、請求項4~8のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項10】
工程b)において、結晶化条件が以下のとおりであることを特徴とする、請求項4~9のいずれか1項に記載の調製方法:
第1段階において、結晶化温度が120℃~150℃であり、結晶化時間が24~84時間であり、好ましくは、結晶化温度が120℃~140℃であり、結晶化時間が48~80時間であり;
第2段階において、結晶化温度が170℃~200℃であり、結晶化時間が2~24時間であり、好ましくは、結晶化温度が180℃~200℃であり、結晶化時間が4~18時間である。
【請求項11】
工程b)の後に、分離工程をさらに含み、好ましくは、上記分離工程が、遠心分離、洗浄および乾燥の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項4~10のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項12】
請求項1~3のいずれか1項に記載のモレキュラーシーブまたは請求項4~11のいずれか1項に記載の調製方法で調製されたモレキュラーシーブと、バインダーとを含む、モレキュラーシーブ組成物。
【請求項13】
上記バインダーが、ナノシリカ、アルミナ、珪藻土、および中空セラミックボールのうちの1つ以上である、請求項12に記載のモレキュラーシーブ組成物。
【請求項14】
請求項1~3のいずれか1項に記載のモレキュラーシーブ、または請求項4~11のいずれか1項に記載の調製方法で調製されたモレキュラーシーブ、または請求項12もしくは13に記載のモレキュラーシーブ組成物を含む、メタノールからジメチルエーテルを製造するための触媒。
【請求項15】
触媒の存在下でメタノールをジメチルエーテルに変換する工程を含み、
上記触媒が、請求項1~3のいずれか1項に記載のモレキュラーシーブ、または請求項4~11のいずれか1項に記載の調製工程で調製されたモレキュラーシーブ、または請求項12もしくは13に記載のモレキュラーシーブ組成物を含む、メタノールからジメチルエーテルを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモレキュラーシーブの分野に属し、特に新規なモレキュラーシーブ、すなわちSCM-38モレキュラーシーブ、その調製方法およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
モレキュラーシーブは、石油精製および触媒等の化学産業で広く使用されている多孔性結晶材料の一種である。細孔構造が異なるモレキュラーシーブは、吸着および触媒作用等の巨視的な特性の違いを反映している。さらに、種々の構造を有するモレキュラーシーブも合成されている。現在、既知の構造を有するモレキュラーシーブ(局所的に無秩序なものも含む)が250種類超、発見されている。モレキュラーシーブは均一で規則的なチャネルを有し、チャネルの大きさは有機低分子と同じオーダーであるため、化学反応中にモレキュラーシーブに入る分子を分子の空間的な大きさに応じて「ふるい分け」することで、ある程度の選択的吸着および触媒の形状選択効果を得ることができる。モレキュラーシーブの骨格は通常、共通の頂点(通常は酸素原子)を介して連結された配位四面体(TO)で構成されている。従来のゼオライトモレキュラーシーブの場合、骨格中の四面体は主にケイ素-酸素四面体およびアルミニウム-酸素四面体である。これら2つの四面体は、それぞれ他の四面体に置き換えることもでき、それによって様々な骨格構造、または様々な骨格から構成されるモレキュラーシーブを形成する。
【0003】
1971年に、Flanigenら(Molecular Sieve Zeolites-I, ACS, Washingtom D.C)は、リン-アルミニウムモレキュラーシーブの合成を報告し、ゼオライトモレキュラーシーブ中のケイ素-酸素四面体が、リン-酸素四面体に置換されてモレキュラーシーブを形成することが理解される。この種類のモレキュラーシーブの骨格は、AlO およびPO の共通の酸素原子によって連結され、モレキュラーシーブの骨格全体が電気的に中性である。ゼオライトモレキュラーシーブと同様に、リン-アルミニウムモレキュラーシーブ中のアルミニウム-酸素四面体またはリン-酸素四面体も他の四面体に置換することができ、最も一般的なものはケイ素-酸素四面体および亜鉛-酸素四面体である。これらの四面体の導入により、リン-アルミニウムモレキュラーシーブの新しい特性が提供される。ゼオライトモレキュラーシーブに比べて、リン-アルミニウムモレキュラーシーブの人工合成は比較的遅れて研究された。水熱合成条件下で、アルミニウム、ケイ素およびリンの酸化物を混合し、方沸石(analcime)、斜方沸石(chabazite)、灰十字沸石-重十字沸石(phillipsite-harmotome)、L型モレキュラーシーブ、A型モレキュラーシーブ、B型モレキュラーシーブ等と同じ結晶構造を有するケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブが得られ、リン含有量は5%~25%(Pとして)であるが、既知のゼオライトモレキュラーシーブとは異なる構造を有するモレキュラーシーブは見つかっていない。米国特許US4310440(1982)によると、有機アミンまたは第4級アンモニウム化合物をテンプレート剤として使用し、AlPO-5、AlPO-8、AlPO-9、AlPO-11、AlPO-12、AlPO-14、AlPO-16、AlPO-17、AlPO-18、AlPO-20、AlPO-21、AlPO-22、AlPO-23、AlPO-25、AlPO-26、AlPO-28、AlPO-31等を含む一連のリン-アルミニウムモレキュラーシーブが水熱合成された。モレキュラーシーブの構造、性質、合成方法、条件および他の要因等の理解が深まり、合成技術の絶え間ない進歩につれて、新規の構造を有するモレキュラーシーブが次々と合成されている。リン-アルミニウムモレキュラーシーブの合成において、有機テンプレート剤の種類はその構造を決定する重要な要因の一つである。これまでのところ、有機アミンがリン-アルミニウムモレキュラーシーブの合成に最も広く使われているテンプレート剤である。ケイ素-アルミニウムゼオライトモレキュラーシーブと比べて、リン-アルミニウムモレキュラーシーブは工業用途ではほとんど使用されていない。現在、SAPO-34およびSAPO-11等の数種類のモレキュラーシーブのみが、実用的な工業用途に使用されている。Jiaoら(Feng Jiao, Jinjing Li, Xiulian Pan, et al. Science, 2016, 351, 1065-1068)は、合成ガスからオレフィンを製造する反応において、SAPOモレキュラーシーブをカップリング触媒の一部として使用し、良好な触媒効果を達成したことを報告している。Suら(Su, J., Zhou, H., Liu, S. et al. Syngas to light olefins conversion with high olefin/paraffin ratio using ZnCrOx/AlPO-18 bifunctional catalysts. Nat Commun 10, 1297 (2019))は、リン-アルミニウムモレキュラーシーブおよび金属酸化物から調製された二官能性触媒が、合成ガスを直接変換して高いオレフィン/アルカン比を有する軽オレフィンを製造する方法において優れた性能を有することを開示している。以上のことから、リン-アルミニウムモレキュラーシーブは、工業用途の可能性が高いことがわかる。
【0004】
モレキュラーシーブのユニークな物理的、化学的および触媒的特性は、種々のチャネル構造および元素組成によって決まるため、新規の構造モレキュラーシーブの開発は特に重要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決すべき技術的課題は、先行技術にはない新規の種類のモレキュラーシーブ(リン-アルミニウムモレキュラーシーブまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブ)、すなわちSCM-38モレキュラーシーブ、その調製方法およびその使用を提供することである。
【0006】
本発明の第1の態様は、SCM-38モレキュラーシーブであって、上記モレキュラーシーブはリン-アルミニウムまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブであり、上記SCM-38モレキュラーシーブは、そのXRDスペクトルにおいて、7.20±0.1、10.81±0.1、11.60±0.1、14.32±0.1、21.39±0.1、21.83±0.1、27.31±0.1、28.72±0.1の2θ回折角にX線回折ピークが現れ、最も強いピークが7.20±0.1の2θに現れる、回折ピークの特徴を示し、上記SCM-38モレキュラーシーブは、「P・Al・SiO」で表される概略化学組成を有し、モル比に基づいて、Al:P=0.8~1.5:1、好ましくは0.8~1.4、より好ましくは0.9~1.3であり;SiO:P=0~0.1:1、好ましくは0~0.09:1、より好ましくは0~0.07:1である、SCM-38モレキュラーシーブを提供する。
【0007】
本発明の第2の態様は、
a)アルミノホスフェート前駆体、第4級アンモニウム化合物1、第4級アンモニウム化合物2、フッ素源および水、ならびに任意のアルミニウム源および任意のケイ素源を混合し、合成母液を製造する工程;
b)工程a)で得られた合成母液を結晶化させ、SCM-38モレキュラーシーブを製造する工程を含み、
上記第4級アンモニウム化合物1は、下記式(I)で表される化合物であり、
【化1】

式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキル(好ましくはC~C直鎖または分岐アルキル、より好ましくはC~C直鎖または分岐アルキル)から選択され、Xは対イオン(好ましくはハロゲンアニオン、硝酸基、ヒドロキシル基)を表し、
上記第4級アンモニウム化合物2は、下記式(II)で表される化合物であり、
【化2】

式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキル(好ましくはC~C直鎖または分岐アルキル、より好ましくはC~C直鎖または分岐アルキル)から選択され、Rは水素またはヒドロキシを表し、Xは対イオン(好ましくはハロゲンアニオン、硝酸基、ヒドロキシル基)を表し、mは1~4の整数(好ましくは1~3の整数、より好ましくは1~2の整数)を表し、nは5~10の整数(好ましくは5~8の整数、より好ましくは5~6の整数)を表し;
式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物の少なくとも一方における上記対イオンXはヒドロキシル基を表す、上記SCM-38モレキュラーシーブを調製する方法を提供する。
【0008】
本発明の第3の態様は、本発明の上記SCM-38モレキュラーシーブとバインダーとを含む、モレキュラーシーブ組成物を提供する。
【0009】
本発明の第4の態様は、本発明の上記SCM-38モレキュラーシーブまたは本発明の上記モレキュラーシーブ組成物を含む、メタノールからジメチルエーテルを製造するための触媒を提供する。
【0010】
本発明の第5の態様は、触媒の存在下でメタノールをジメチルエーテルに変換する工程を含み、上記触媒は本発明の上記SCM-38モレキュラーシーブまたは本発明の上記モレキュラーシーブ組成物を含む、メタノールからジメチルエーテルを製造する方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、新規なリン-アルミニウムモレキュラーシーブまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブを提供する。
【0012】
本発明のリン-アルミニウムモレキュラーシーブまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブは、メタノールをジメチルエーテルに変換する触媒として優れた活性を示す。
【0013】
本発明のモレキュラーシーブの調製方法は、本発明のモレキュラーシーブを簡便に、かつ効率的に調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1で得られたアルミノホスフェート前駆体AのXRDスペクトルである。
図2】実施例2で得られたアルミノホスフェート前駆体BのXRDスペクトルである。
図3】実施例3で得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルである。
図4】実施例3で得られたSCM-38モレキュラーシーブのSEM画像である。
図5】実施例10で得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルである。
図6】実施例10で得られたSCM-38モレキュラーシーブのSEM画像である。
図7】実施例13で得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルである。
図8】実施例13で得られたSCM-38モレキュラーシーブのSEM画像である。
図9】比較例1で得られた生成物のXRDスペクトルである。
図10】比較例2で得られた生成物のXRDスペクトルである。
図11】比較例3で得られた生成物のXRDスペクトルである。
図12】比較例4で得られた生成物のXRDスペクトルである。
【発明の詳細な説明】
【0015】
以下、本願の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本願の保護範囲は、これらの具体的な実施形態によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって決定されることに留意されたい。
【0016】
本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、およびその他の文献は、参照により本明細書に組み込まれる。特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。矛盾がある場合は、本明細書における定義が優先するものとする。
【0017】
材料、物質、方法、工程、装置、構成要素等が「当業者に知られている」、「先行技術」等として本明細書に記載されているとき、それらは、出願時に当技術分野で一般的に使用されるもの、および、現在一般的には使用されていないが、類似の目的に有用であるとして当技術分野で公知になるものを包含することが意図される。
【0018】
本明細書の文脈において、明示的に記載されているものを除き、言及されていない項目または事項は、何ら変更されることなく、当該技術分野で公知のものに直接適用される。さらに、本明細書に記載された任意の実施形態は、本明細書に記載された1つ以上の実施形態と自由に組み合わせることができ、このようにして形成された技術的解決策または技術的思想は、当業者がその組み合わせが明らかに不合理であると考えない限り、本出願の当初の開示または当初の内容の一部とみなされ、本明細書に開示または予想されていない新規事項とはみなされないものとする。
【0019】
本明細書では、特に断りのない限り、モレキュラーシーブの化学組成は、対応する元素が安定的に存在できる最も高い価数の酸化物として、すなわち、リン(P)についてはPとして、ケイ素(Si)についてはSiOとして、アルミニウム(Al)についてはAlとして、チタン(Ti)についてはTiOとして、ホウ素(B)についてはBとして、ジルコニウム(Zr)についてはZrOとして、スタンナム(Sn)についてはSnOとして、そして鉄(Fe)についてはFeとしてのモル比で計算され、
【0020】
本明細書の文脈において、特に断りのない限り、重量を基準とすることが当業者の共通認識に合致しない場合を除いて、本明細書で言及されるパーセンテージ、部、比等はすべて重量を基準としている。
【0021】
本明細書の文脈において、記号「/」は通常「および/または」と理解され、例えば、「より多く/より大きく」という表現は、この理解が当業者の従来の理解に合致しない場合を除き、「より多くおよび/またはより大きく」を意味する。
【0022】
本明細書の文脈において、C~C直鎖または分岐アルキルとして、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、ペンチルおよびそれらの異性体、ヘキシルおよびそれらの異性体を列挙することができる。C~C直鎖または分岐アルキルは、好ましくはC~C直鎖または分岐アルキルであり、より好ましくはC~C直鎖または分岐アルキルである。
【0023】
本発明の第1の態様は、SCM-38モレキュラーシーブであって、上記モレキュラーシーブがリン-アルミニウムまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブであり、上記SCM-38モレキュラーシーブは、そのXRDスペクトルにおいて、7.20±0.1、10.81±0.1、11.60±0.1、14.32±0.1、21.39±0.1、21.83±0.1、27.31±0.1、28.72±0.1の2θ回折角にX線回折ピークが現れ、最も強いピークが7.20±0.1の2θに現れる、回折ピークの特徴を示す、SCM-38モレキュラーシーブを提供する。
【0024】
本発明の一実施形態において、SCM-38モレキュラーシーブは、「P・Al・SiO」で表される概略化学組成を有し、モル比に基づいて、Al:P=0.8~1.5:1、好ましくは0.8~1.4、より好ましくは0.9~1.3であり;モル比に基づいて、SiO:P=0~0.1:1、好ましくは0~0.09:1、より好ましくは0~0.07:1である。
【0025】
上述したように、本発明のSCM-38モレキュラーシーブは、「P・Al・SiO」で表される概略化学組成を有するが、SiOを含まない、すなわちSiO:P=0であってもよく、この場合、本発明のモレキュラーシーブは、「P・Al」で表される概略化学組成を有する。
【0026】
本発明の一実施形態において、本発明のモレキュラーシーブ(SCM-38モレキュラーシーブ)は、一般に、テンプレート剤(本発明の第4級アンモニウム化合物1および2)、水、フッ素源由来のフッ素成分等をさらに含んでいてもよく、例えば、これらはそのチャネルに充填されたものである。しかしながら、本発明のリン-アルミニウムモレキュラーシーブまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブの特性は、ケイ素、リンおよびアルミニウムの比率によって主に決まり、これらの元素は酸化物の形態で存在するため、本発明では、水、テンプレート剤およびフッ素成分の量を制限する必要はないと考えられる。したがって、本発明のモレキュラーシーブの組成は、酸化物としてのみ表される。
【0027】
本発明の一実施形態において、本発明のモレキュラーシーブは三角形の形態を有する。
【0028】
本発明の一実施形態において、本発明のモレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表に示すX線回折ピークを有する。
【0029】
【表1】
【0030】
本発明の第2の態様は、
a)アルミノホスフェート前駆体、第4級アンモニウム化合物1、第4級アンモニウム化合物2、フッ素源および水、ならびに任意のアルミニウム源および任意のケイ素源を混合し、合成母液を製造する工程;
b)工程a)で得られた合成母液を結晶化させ、SCM-38モレキュラーシーブを製造する工程を含み、
上記第4級アンモニウム化合物1は、下記式(I)で表される化合物であり、
【化3】

式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキルから選択され、Xは対イオンを表し、
上記第4級アンモニウム化合物2は、下記式(II)で表される化合物であり、
【化4】

式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキルから選択され、Rは水素またはヒドロキシを表し、Xは対イオンを表し、mは1~4の整数を表し、nは5~10の整数を表し;
式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物の少なくとも一方における上記対イオンXはヒドロキシル基を表す、SCM-38モレキュラーシーブを調製する方法を提供する。
【0031】
本発明の一実施形態において、好ましくは、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキルから選択され、より好ましくは、C~C直鎖または分岐アルキルから選択される。R、R、RおよびRの具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、ペンチルおよびそれらの異性体、ヘキシルおよびそれらの異性体を列挙することができる。
【0032】
本発明の一実施形態において、好ましくは、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C~C直鎖または分岐アルキルから選択され、より好ましくは、C~C直鎖または分岐アルキルから選択される。R、R、RおよびRの具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、ペンチルおよびそれらの異性体、ヘキシルおよびそれらの異性体を列挙することができる。
【0033】
本発明の一実施形態において、mは好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは1~2の整数である。
【0034】
本発明の一実施形態において、nは好ましくは5~8の整数であり、より好ましくは5~6の整数である。
【0035】
本発明の一実施形態において、式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物における上記対イオン(X)は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)アニオン、硝酸基、ヒドロキシル基等を含むがこれらに限定されない、第4級アンモニウムイオンと相溶性がある従来のアニオンであり得る。
【0036】
本発明の一実施形態において、式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物の少なくとも一方における上記対イオン(X)は、ヒドロキシル基を表す。すなわち、式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物の少なくとも一方は、第4級アンモニウム水酸化物塩である。
【0037】
本発明の一実施形態において、本発明の第4級アンモニウム化合物1は、好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド等の1つ以上である。
【0038】
本発明の一実施形態において、本発明の第4級アンモニウム化合物2における第4級アンモニウムカチオンは、好ましくは、6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムイオンまたは6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-エチルジメチルアンモニウムイオンであり、その化学構造式は以下のように示される。
【化5】
【0039】
本発明の一実施形態では、工程a)の合成母液において、各材料のモル比は以下のとおりである:ケイ素源はSiOとして、アルミニウム源はAlとして、アルミノホスフェート前駆体はAlおよびPとして、フッ素源はHFとして、および水はHOとして、(0~0.5)SiO:(0.8~5)Al:1P:(0.01~0.9)第4級アンモニウム化合物1:(0.9~5)第4級アンモニウム化合物2:(0.1~5)HF:(10~500)HO、好ましくは(0~0.3)SiO:(0.85~2)Al:1P:(0.003~0.85)第4級アンモニウム化合物1:(0.95~3)第4級アンモニウム化合物2:(0.3~3)HF:(20~300)HO、より好ましくは(0~0.1)SiO:(0.0.86~1.5)Al:1P:(0.05~0.8)第4級アンモニウム化合物1:(1~2)第4級アンモニウム化合物2:(0.5~1.8)HF:(50~130)HO。本発明において、アルミニウム源の量は、アルミノホスフェート前駆体中のAlの量に基づいて決定される。すなわち、アルミノホスフェート前駆体が供給するAlの量が上記比率要件を満たすときはアルミニウム源を添加せず、アルミノホスフェート前駆体が供給するAlの量が上記比率要件を満たさないときは上記比率要件を満たすようにアルミニウム源を添加する。
【0040】
本発明の一実施形態において、アルミニウム源は、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミナゾル、アルミナ、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、水和アルミナ、メタアルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム等のうちの1つ以上である。
【0041】
本発明の一実施形態において、ケイ素源は、シリカゾル、ヒュームドシリカ、オルトケイ酸エチル、ケイ酸、シリカゲル等のうちの1つ以上である。
【0042】
本発明の一実施形態において、フッ素源はフッ化水素酸およびフッ化アンモニウムのうちの1つ以上である。
【0043】
本発明の一実施形態において、工程a)における各材料の添加順序は特に限定されない。まず、水、任意のアルミニウム源、任意のケイ素源、およびホスホアルミネート前駆体を均一に混合し、次いで、第4級アンモニウム化合物2および第4級アンモニウム化合物1を順次加えて均一に混合し、次いで、フッ素源を添加することが好ましい。ここで、必要に応じて撹拌を行うこともできる。
【0044】
本発明の一実施形態では、工程b)において、結晶化条件は以下のとおりである:第1段階において、結晶化温度が120℃~150℃であり、結晶化時間が24~84時間であり、好ましくは、結晶化温度が120℃~140℃であり、結晶化時間が48~80時間であり;第2段階において、結晶化温度が170℃~200℃であり、結晶化時間が2~24時間であり、好ましくは、結晶化温度が180℃~200℃であり、結晶化時間が4~18時間である。
【0045】
本発明の一実施形態において、工程b)すなわち結晶化工程が完了した後、SCM-38モレキュラーシーブ生成物は、遠心分離、洗浄および乾燥等の任意の一般的に知られている分離方法を使用して、得られた混合物から分離することができる。ここで、分離、洗浄、および乾燥は、当該技術分野において従来公知の任意の方法で実施することができ、分離は、例えば、遠心分離、濾過、または吸引による濾過である。乾燥温度は40~120℃、好ましくは50~80℃であり得;乾燥時間は8~48時間、好ましくは12~24時間である。乾燥は大気圧下または減圧下で実施することができる。エネルギーを節約するために、大気圧がしばしば選択される。
【0046】
本発明の一実施形態において、アルミノホスフェート前駆体は、式「Al:xP」で表される概略化学組成を有し、ここで、0.7≦x≦2.5、好ましくは0.8≦x≦2である。
【0047】
本発明の一実施形態において、アルミノホスフェート前駆体のXRDスペクトルは、以下の表に示すX線回折ピークを有する。
【0048】
【表2】
【0049】
本発明の一実施形態において、アルミノホスフェート前駆体のXRDスペクトルは、以下の表に示すX線回折ピークをさらに有する。
【0050】
【表3】
【0051】
本発明の一実施形態において、アルミノホスフェート前駆体のXRDスペクトルは、以下の表に示すX線回折ピークをさらに有する。
【0052】
【表4】
【0053】
本発明の一実施形態において、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法は、
アルミニウム源、リン源、有機テンプレート剤RAおよび有機テンプレート剤RB、溶媒S1、溶媒S2および溶媒S3を混合して母液混合物を得る工程;ならびに
母液混合物を結晶化してアルミノホスフェート前駆体を得る工程、を含む。
【0054】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、有機テンプレート剤RAは、第4級アンモニウム塩または第4級アンモニウムヒドロキシドのうちの1つ以上であり;RBはイミダゾール誘導体またはピロリジン誘導体のうちの1つ以上である。
【0055】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、溶媒S1は1つ以上のアミド溶媒であり、溶媒S2は1つ以上の環状有機溶媒であり、溶媒S3は水またはC~Cアルカノールのうちの1つ以上である。
【0056】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、有機テンプレート剤RAは、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムブロミド、およびテトラブチルアンモニウムヒドロキシドのうちの1つ以上であり;有機テンプレート剤RBは、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、ピロリジン、1-(3-ピロリジン)ピロリジン、およびN-エチル-2-アミノメチルピロリジンのうちの1つ以上である。
【0057】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、溶媒S1は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミドおよびN,N-ジブチルホルムアミドのうちの1つ以上であり;溶媒S2は、1,4-ジオキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノンのうちの1つ以上であり、そして;溶媒S3は、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ブタノール、シクロヘキサノールおよび水のうちの1つ以上である。
【0058】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、有機テンプレート剤RAは、好ましくは、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドおよびテトラブチルアンモニウムヒドロキシドのうちの1つ以上であり;有機テンプレート剤RBは、好ましくは、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールおよびN-エチル-2-アミノメチルピロリジンのうちの1つ以上である。
【0059】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、溶媒S1は、好ましくはN,N-ジメチルアセトアミドおよびN,N-ジブチルホルムアミドのうちの1つ以上であり;溶媒S2は、好ましくは1,4-ジオキサンおよびシクロヘキサノンのうちの1つまたは2つであり;溶媒S3は、好ましくはエタノールおよび水のうちの1つまたは2つであり、さらに好ましくは脱イオン水である。
【0060】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、母液混合物の調製工程において、アルミニウム源としてのAl、リン源としてのP、有機テンプレート剤RA+RB、および溶媒S1+S2+S3のモル組成は以下のとおりである:P/Al=0.75~2.5、好ましくは0.8~2.3である;テンプレート剤RA+RB/Al=1~80、好ましくは5~50である;溶媒S1+S2+S3/Al=5~500、好ましくは35~120である。
【0061】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、有機テンプレート剤RAの有機テンプレート剤RBに対するモル比は0.01~1:1、好ましくは0.1~0.5:1である。
【0062】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、溶媒S1、溶媒S2、および溶媒S3のモル比は、1:0.01~1:1~100、好ましくは1:0.05~0.6:10~80である。
【0063】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、アルミニウム源は、アルミニウムイソプロポキシド、アルミネート、メタアルミネート、アルミニウム塩、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムおよびアルミニウム含有鉱物のうちの1つ以上であり、好ましくは、アルミネートおよびメタアルミネートのうちの1つまたは2つである。
【0064】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、リン源は、リン酸、リン酸一水素アンモニウムおよびリン酸二水素アンモニウムのうちの少なくとも1つであり、好ましくはオルトリン酸である。
【0065】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、結晶化によって撹拌および静置が実施される。撹拌時間は0.5~5時間であり、静置時間は1~12時間である。
【0066】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、母液混合物の調製工程にて、原料の混合順序は特に限定されない。好ましくは、アルミニウム源、リン源および有機テンプレート剤を、溶媒S1、S2およびS3のうちの1つまたは2つの混合物中(例えば、溶媒S3中)に分散させ、得られた混合物を撹拌して静置させた後、S1、S2およびS3のうちの他の未添加溶媒(例えば、溶媒S1およびS2の混合物)を添加する。撹拌時間は0.5~5時間、静置時間は1~12時間である。
【0067】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、母液混合物を得た後、結晶化の前に、母液混合物を加熱処理することができ、加熱処理温度は40~100℃、好ましくは50~90℃であり得;加熱処理時間は2~14時間、好ましくは4~12時間であり得る。ここで、必要に応じて撹拌を行うこともできる。
【0068】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、結晶化条件は、結晶化温度が120~200℃、好ましくは140~180℃、より好ましくは140~160℃であり;結晶化時間が1~5日間、好ましくは3~5日間、より好ましくは4~5日間であることを含む。
【0069】
本発明の一実施形態では、アルミノホスフェート前駆体を調製する方法において、結晶化の後に、濾過、洗浄、および乾燥の工程等の従来の後処理を行い、モレキュラーシーブを調製する。濾過、洗浄、および乾燥は、当該技術分野において従来公知の任意の方法で実施することができ、分離は、例えば、遠心分離、濾過、または吸引による濾過である。乾燥温度は40~120℃、好ましくは50~80℃であり得;乾燥時間は8~48時間、好ましくは12~24時間であり得る。乾燥は大気圧下または減圧下で実施することができる。エネルギーを節約するために、しばしば大気圧が選択される。
【0070】
本発明の一実施形態において、本発明のアルミノホスフェート前駆体はSCM-34モレキュラーシーブである。
【0071】
本発明の一実施形態において、本発明のアルミノホスフェート前駆体は、WO2022052967A1に開示されている調製方法に従って調製することができる。
【0072】
本発明の第3の態様は、先行する態様のいずれか1つのSCM-38モレキュラーシーブ、または先行する態様のいずれか1つの調製方法で調製されたSCM-38モレキュラーシーブ、およびバインダーを含む、モレキュラーシーブ組成物を提供する。
【0073】
本発明の一実施形態において、バインダーは特に限定されず、ナノシリカ、アルミナ、珪藻土、中空セラミックボール等のうちの1つ以上等の、当該技術分野における従来のバインダーであり得る。
【0074】
本発明の第4の態様は、メタノールからジメチルエーテルを製造するための触媒を提供し、当該触媒は、本発明の上記SCM-38モレキュラーシーブ、または上記態様のいずれか1つの調製方法で調製されたSCM-38モレキュラーシーブ、または本発明の上記モレキュラーシーブ組成物を含む。
【0075】
本発明の第5の態様は、メタノールからジメチルエーテルを製造する方法を提供し、当該方法は、触媒の存在下でメタノールをジメチルエーテルに変換する工程を含み、当該触媒は、本発明の上記SCM-38モレキュラーシーブ、または上記態様のいずれか1つの調製方法で調製されたSCM-38モレキュラーシーブ、または本発明の上記モレキュラーシーブ組成物を含む。
【0076】
特殊な形態を有する本発明のSCM-38モレキュラーシーブは、ユニークなXRDグラフおよび特殊な形態を有する新規のモレキュラーシーブであり、モレキュラーシーブの種類ならびにモレキュラーシーブの外観および形態を豊かにする。
【実施例
【0077】
本出願の技術的解決策を、実施例を通じてさらに詳細に説明するが、本発明の保護範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0078】
以下の実施例および比較例において、特に断りのない限り、使用した試薬および原料は分析的に純粋の市販品である。
【0079】
以下の実施例および比較例において、実験方法として示されていない具体的な条件は、従来の方法および条件、または製品の仕様に従って選択されるべきである。
【0080】
本発明において、モレキュラーシーブの構造は、X線回折パターン(XRD)によって決定される。モレキュラーシーブのX線回折パターン(XRD)は、オランダのPAnalytical CorporationのX'pert ProモデルのX線粉末回折計(XRD)によって決定し、Cu-Kα線源、Kα1波長λ=1.5405980オングストローム(Å)、ニッケルフィルター、作動電圧40kV、電流40mA、および走査範囲3~50°を使用する。
【0081】
本発明において、モレキュラーシーブ中のSiO、AlおよびPの組成を、ICP法を使用して測定する。試料中の元素比を、米国のVarian Companyの誘導結合プラズマ発光分光分析計であるVarian Analytical 725-ESモデルを使用して分析する。
【0082】
〔実施例1〕
硝酸アルミニウム[Al(NO・9HO]38gを脱イオン水43mLに溶解し、撹拌下、リン酸(純度85重量%以上)25.2g、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(40重量%水溶液)151g、および1-(3-アミノプロピル)イミダゾール145.6gを加えた。得られた混合物を0.5時間撹拌し、12時間静置して溶液Aを得た。次いで、N,N-ジブチルホルムアミド16mLおよびシクロヘキサノン4.6mLを溶液Aに加え、得られた混合物を3.5時間撹拌し、次いで90℃で8時間熱処理して均一な母液混合物Bを形成した。Alとしてのアルミニウム源、Pとしてのリン源、全テンプレート剤および全溶媒のモル比は、Al:P:全テンプレート剤:全溶媒=1:2.1:7:40であり、テンプレート剤RA(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド):テンプレート剤RB(1-(3-アミノプロピル)イミダゾール)=0.2(モル比)であり、溶媒S1(N,N-ジブチルホルムアミド):溶媒S2(シクロヘキサノン):溶媒S3(水)=1:0.5:78.5(モル比)であった。上記母液混合物Bをテトラフルオロエチレンで内側を覆った結晶釜に入れ、140℃で5日間結晶化させた。生成物を濾過し、洗浄し、80℃で24時間乾燥させて、アルミノホスフェート前駆体(使用のためにAを付す)を得た。アルミノホスフェート前駆体Aは、式「Al:xP」によって表される概略化学組成を有し、x=2である。アルミノホスフェート前駆体AのXRDスペクトルを図1に示し、すなわち以下の表1に示すX線回折ピークを有する。
【0083】
【表5】
【0084】
〔実施例2〕
硫酸アルミニウム[Al(SO・18HO]33.3gを水66.3mLに溶解し、撹拌下、リン酸(純度85重量%以上)5.2g、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(40重量%水溶液)117.0g、および1-(3-アミノプロピル)イミダゾール102.6gを加えた。得られた混合物を3時間撹拌し、6時間静置して溶液Aを得た。次いで、N,N-ジブチルホルムアミド255mLおよびシクロヘキサノン48mLを溶液Aに加え、得られた混合物を3.5時間撹拌し、次いで80℃で12時間熱処理して均一な母液混合物Bを形成した。Alとしてのアルミニウム源、Pとしてのリン源、全テンプレート剤および全溶媒のモル比は、Al:P:全テンプレート剤:全溶媒=1:0.9:10:80であり、テンプレート剤RA(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド):テンプレート剤RB(1-(3-アミノプロピル)イミダゾール)=0.22(モル比)であり、溶媒S1(N,N-ジブチルホルムアミド):溶媒S2(シクロヘキサノン):溶媒S3(水)=1:0.3:48(モル比)であった。上記母液混合物Bをテトラフルオロエチレンで内側を覆った結晶釜に入れ、140℃で5日間結晶化させた。生成物を濾過し、洗浄し、80℃で24時間乾燥させて、アルミノホスフェート前駆体(使用のためにBを付す)を得た。アルミノホスフェート前駆体Bは、式「Al:xP」によって表される概略化学組成を有し、x=0.92である。アルミノホスフェート前駆体AのXRDスペクトルを図2に示し、すなわち以下の表2に示すX線回折ピークを有する。
【0085】
【表6】
【0086】
〔実施例3〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の成分のモル比は、1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で60時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.22:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。得られたSCM-38モレキュラーシーブのSEMを図4に示す。その形態は三角形の形態である。XRDスペクトルを図3に示し、当該XRDスペクトルは以下の表3に示す主なX線回折ピークを有する。
【0087】
【表7】
【0088】
〔実施例4〕
測定した量の脱イオン水を取り、1.24gの擬ベーマイトおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の成分のモル比は、1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=0.99:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表4に示す主なX線回折ピークを有する。
【0089】
【表8】
【0090】
〔実施例5〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.7gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、6.9gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の成分のモル比は、1.1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で48時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.15:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表5に示す主なX線回折ピークを有する。
【0091】
【表9】
【0092】
〔実施例6〕
測定した量の脱イオン水を取り、4.3gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に6.6gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、成分のモル比は、1.2 Al:1 P:0.7 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:100 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で12時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.14:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表6に示す主なX線回折ピークを有する。
【0093】
【表10】
【0094】
〔実施例7〕
測定した量の脱イオン水を取り、4.65gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に、8.2gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に6.6gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1.3gの40重量%HF溶液を加え、成分のモル比は、1.3 Al:1 P:0.7 第4級アンモニウム化合物1:1.8 第4級アンモニウム化合物2:1.7 HF:110 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で4時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.09:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表7に示す主なX線回折ピークを有する。
【0095】
【表11】
【0096】
〔実施例8〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に2.73gの25重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、成分のモル比は、1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.06:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表8に示す主なX線回折ピークを有する。
【0097】
【表12】
【0098】
〔実施例9〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に6.1gの25重量%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、成分のモル比は、1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.14:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表9に示す主なX線回折ピークを有する。
【0099】
【表13】
【0100】
〔実施例10〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に、1.8gの4重量%シリカゾルを加え、得られた混合物を均一に撹拌してから、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)水溶液を加え、最終的に混合溶液中の各成分のモル比は、0.08 SiO:1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を室温で4時間撹拌し、次に、1gの40重量%HF溶液を加えた。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、SiO:Al:P=0.07:1.13:1のモル比に基づいて、「P・Al・SiO」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図6に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態である。SCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルを図5に示し、当該XRDスペクトルは以下の表10に示す主なX線回折ピークを有する。
【0101】
【表14】
【0102】
〔実施例11〕
測定した量の脱イオン水を取り、2.48gのアルミニウムイソプロポキシドを加え、次に6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に3.52gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)水溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、0.43gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の各成分のモル比は、0.87 Al:1 P:0.4 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:0.6 HF:55 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、130℃で72時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で16時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=0.9:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表11に示す主なX線回折ピークを有する。
【0103】
【表15】
【0104】
〔実施例12〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドを加え、次に6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)水溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の各成分のモル比は、1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:120 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、120℃で80時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、200℃で4時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.3:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表12に示す主なX線回折ピークを有する。
【0105】
【表16】
【0106】
〔実施例13〕
測定した量の脱イオン水を取り、2.73gのアルミノホスフェート前駆体Bを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に0.5gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)水溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の各成分のモル比は、1 Al:1 P:0.06 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:60 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.12:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図8に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態である。SCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルを図7に示し、当該XRDスペクトルは以下の表13に示す主なX線回折ピークを有する。
【0107】
【表17】
【0108】
〔実施例14〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に、4.72gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-プロピルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、成分のモル比は、1 Al:1 P:0.06 R:1 R:1.3 HF:60 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で60時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、SCM-38モレキュラーシーブを得た。当該SCM-38モレキュラーシーブの概略化学組成は、Al:P=1.19:1のモル比に基づいて、「P・Al」と表される。モレキュラーシーブのSEM画像は図4に示す画像と類似している。その形態は三角形の形態であり、得られたSCM-38モレキュラーシーブのXRDスペクトルは、以下の表14に示す主なX線回折ピークを有する。
【0109】
【表18】
【0110】
〔比較例1〕
測定した量の脱イオン水を取り、6.2gのアルミニウムイソプロポキシドを加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。次に、3.51gのリン酸を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)水溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の各成分のモル比は、1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、Al:P=0.97:1のモル比を有する生成物が得られた。当該生成物のXRDグラフを図9に示し、当該生成物がSCM-38モレキュラーシーブでないことを立証している。
【0111】
〔比較例2〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドと6gのアルミノホスフェート前駆体との混合物Aを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合溶液中の各成分のモル比は、1 Al:1 P:0 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、Al:P=1:1のモル比を有する生成物が得られた。当該生成物のXRDグラフを図10に示し、当該生成物がSCM-38モレキュラーシーブでないことを立証している。
【0112】
〔比較例3〕
測定した量の脱イオン水を取り、3.1gのアルミニウムイソプロポキシドと6gのアルミノホスフェート前駆体との混合物Aを加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。4.75gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-2-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)水溶液を加え、最終的に混合系中の成分のモル比は、1 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:0 HF:88 HOであった。得られた混合物を室温で3時間撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で66時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、Al:P=1:1のモル比を有する生成物が得られた。当該生成物のXRDグラフを図11に示し、当該生成物がSCM-38モレキュラーシーブでないことを立証している。
【0113】
〔比較例4〕
測定した量の脱イオン水を取り、1.5gのアルミニウムイソプロポキシドおよび6gのアルミノホスフェート前駆体Aを加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に4.72gの6-N,N-ジメチルアミノヘキシル-プロピルジメチルアンモニウムブロミド(第4級アンモニウム化合物2)を加え、次に4.4gの25重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(第4級アンモニウム化合物1)溶液を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、1gの40重量%HF溶液を加え、最終的に混合系中の成分のモル比は、0.7 Al:1 P:0.5 第4級アンモニウム化合物1:1 第4級アンモニウム化合物2:1.3 HF:88 HOであった。得られた混合物を均一に撹拌した後、テトラフルオロエチレンで内側を覆ったオートクレーブに入れ、140℃で60時間結晶化させ、その後180℃まで加熱し、180℃で8時間結晶化させ;冷却、遠心分離および洗浄し(遠心分離および洗浄操作を2~3回繰り返した)、80℃で24時間乾燥させて、Al:P=1:1のモル比を有する生成物が得られた。当該生成物のXRDグラフを図12に示し、当該生成物がSCM-38モレキュラーシーブでないことを立証している。
【0114】
〔実施例15〕触媒活性の評価
(触媒1の調製)
実施例3で調製したSCM-38を2.5g秤量し、アルミナ1gを加え、5%硝酸を加えた。得られた混合物を十分に粉砕して均一にし、120℃で一晩乾燥させた。次に、N雰囲気下において460℃で4時間焼成し、次に空気雰囲気において4時間焼成した。焼成した混合物を冷却し、打錠および粉砕し、篩にかけた。20~40メッシュの粒子1gを秤量し、触媒1として使用した。
【0115】
(触媒2の調製)
実施例10で調製したSCM-38モレキュラーシーブを使用したこと以外は、上記触媒1の調製と同様にして触媒2を調製した。
【0116】
(触媒3の調製)
比較例1で調製した生成物を使用したこと以外は、上記触媒1の調製と同様にして触媒3を調製した。
【0117】
(触媒1の触媒活性の評価)
原料として純メタノールを使用し、直径15mmの固定床反応器を使用した。触媒を反応器に充填し、触媒の上下に少量の石英ウールを配置した。メタノールからジメチルエーテルへの転化反応は、460℃、WHSV 1h-1、および窒素流量20mL/分の条件下において、大気圧下にて実施した。得られた生成物の組成を決定した。その結果、ジメチルエーテルのピーク選択率は94.87%であった。
【0118】
(触媒2の触媒活性の評価)
触媒2を使用して、触媒1と同様に触媒2の活性を評価した。その結果、ジメチルエーテルのピーク選択率は95.93%であった。
【0119】
(触媒3の触媒活性の評価)
触媒3を使用して、触媒1と同様に触媒2の活性を評価した。その結果、ジメチルエーテルのピーク選択率は63.42%であった。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、新規なリン-アルミニウムモレキュラーシーブまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブを提供する。本発明のリン-アルミニウムモレキュラーシーブまたはケイ素-リン-アルミニウムモレキュラーシーブは、メタノールをジメチルエーテルに変換する触媒として優れた活性を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】