IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クゥアルコム・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-538221非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ
<>
  • 特表-非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ 図1
  • 特表-非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ 図2
  • 特表-非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ 図3
  • 特表-非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ 図4
  • 特表-非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ 図5
  • 特表-非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】非同期入力によって制御される効率的な動的電圧ストレススキャンを伴うメモリ
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/02 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
G11C29/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523910
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 US2022046341
(87)【国際公開番号】W WO2023080996
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】17/517,386
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラジ、プラディープ
(72)【発明者】
【氏名】サフ、ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】グプタ、シャラド・クマー
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、チョルミン
【テーマコード(参考)】
5L206
【Fターム(参考)】
5L206AA02
5L206AA16
5L206AA17
5L206DD36
5L206EE03
(57)【要約】
保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、ビットセルアレイとメモリ周辺機器との両方の電源が切断される、保持を伴わないスリープモードを実施するように構成されたメモリが提供される。保持を伴わないスリープモード制御信号はまた、ビットセルアレイの電源を切断するために、DVSスキャンの間アサートされる。メモリは、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートが、DVSスキャンの間、メモリ周辺機器の電源を切断させることを防止するために、DVSスキャン制御信号のアサートに応じる電力管理回路を含む。したがって、ビットセルアレイからのリーク電流がビットセルアレイの電源切断によって防止されるので、メモリ周辺機器は、DVSスキャンによって完全にテストされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリであって、
ビットセルアレイと、
前記ビットセルアレイとメモリ電源電圧のためのノードとの間に結合されたビットセルアレイヘッドスイッチと、
メモリ電力ドメイン部分を含むメモリ周辺機器と、
前記メモリ電力ドメイン部分と前記メモリ電源電圧のための前記ノードとの間に結合されたメモリ周辺機器ヘッドスイッチと、
前記メモリのための保持を伴わないスリープモードの間、前記ビットセルアレイ及び前記メモリ電力ドメイン部分の電源をオフにするために、前記ビットセルアレイヘッドスイッチ及び前記メモリ周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように構成された電力管理回路とを備え、前記電力管理回路は、前記メモリのスキャンの間、前記ビットセルアレイの電源をオフにし、前記メモリ電力ドメイン部分の電源オンを維持するために、前記ビットセルアレイヘッドスイッチのみをオフに切り替えるように更に構成されている、メモリ。
【請求項2】
前記ビットセルアレイヘッドスイッチは、スリープコア信号のアサートに応じて、オフに切り替わるように構成されており、前記メモリ周辺機器ヘッドスイッチは、周辺機器スリープ信号のアサートに応じて、オフに切り替わるように構成されており、前記電力管理回路は、前記メモリのための前記保持を伴わないスリープモードの間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、前記スリープコア信号と前記周辺機器スリープ信号との両方をアサートするように更に構成されており、
前記電力管理回路は、前記メモリの前記スキャンの間、前記保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、前記スリープコア信号をアサートし、前記周辺機器スリープ信号をアサートしないように更に構成されている、請求項1に記載のメモリ。
【請求項3】
電力管理回路は、
コア電力ドメイン制御信号をメモリ電力ドメイン制御信号にレベルシフトするように構成された第1のレベルシフタと、
動的電圧ストレス(DVS)スキャン制御信号をアサートするために、前記メモリ電力ドメイン制御信号を処理するように構成された第1の論理ゲートと、を更に含み、前記電力管理回路は、前記周辺機器スリープ信号のアサートを防止するために、前記DVSスキャン制御信号のアサートに応ずるように更に構成されている、請求項2に記載のメモリ。
【請求項4】
前記電力管理回路は、
前記周辺機器スリープ信号の前記アサートを防止するために、前記DVSスキャン制御信号を処理するように構成された第2の論理ゲートを更に含む、請求項3に記載のメモリ。
【請求項5】
前記メモリ周辺機器は、コア電力ドメイン部分を更に含み、前記メモリは、
前記コア電力ドメイン部分と前記メモリ電源電圧のための前記ノードとの間に結合された1つのコア電力ドメインヘッドスイッチを更に備え、前記コア電力ドメインヘッドスイッチは、コア電力ドメイン周辺機器スリープ信号のアサートに応じて、前記コア電力ドメイン部分の電源を切断するために、オフに切り替わるように構成されており、前記電力管理回路は、前記DVSスキャン制御信号がアサートされない間、前記保持を伴わないスリープモード制御信号の前記アサートに応じて、前記コア電力ドメイン周辺機器スリープ信号をアサートするように更に構成されており、前記電力管理回路は、前記DVSスキャン制御信号がアサートされる間、前記保持を伴わないスリープモード制御信号の前記アサートに応じて、前記コア電力ドメイン周辺機器スリープ信号をアサートしないように更に構成されている、請求項3に記載のメモリ。
【請求項6】
前記電力管理回路は、
前記保持を伴わないスリープモード制御信号をメモリ電力ドメイン信号にレベルシフトするように構成された第2のレベルシフタを更に含み、前記第2の論理ゲートは、前記周辺機器スリープ信号の前記アサートを防止するために、前記メモリ電力ドメイン信号を用いて前記DVSスキャン制御信号を処理するように構成されている、請求項4に記載のメモリ。
【請求項7】
前記電力管理回路は、保持を伴うスリープモード制御信号のアサートに応じて、前記周辺機器スリープ信号をアサートすることと前記スリープコア信号をアサートしないこととの両方をアサートするように更に構成されている、請求項4に記載のメモリ。
【請求項8】
前記電力管理回路は、
前記保持を伴うスリープモード制御信号を、保持を伴うメモリ電力ドメインスリープモード制御信号にレベルシフトするように構成された第2のレベルシフタと、
前記保持を伴うメモリ電力ドメインスリープモード制御信号を用いて前記第2の論理ゲートの出力信号を処理するように構成された第3の論理ゲートと、を更に含む、請求項7に記載のメモリ。
【請求項9】
前記電力管理回路は、
クロック信号が循環していない間、前記DVSスキャン制御信号の前記アサートを防止するように構成されたラッチを更に含み、前記ラッチは、前記クロック信号の立ち上がりエッジに応じて、前記DVSスキャン制御信号の前記アサートを可能にするように更に構成されている、請求項4に記載のメモリ。
【請求項10】
前記ラッチは、交差結合されたNANDゲートの対を備える、請求項9に記載のメモリ。
【請求項11】
前記電力管理回路は、前記交差結合されたNANDゲートの対における第1のNANDゲートへの入力を駆動するために、前記クロック信号を反転させるように構成されたインバータを更に含む、請求項10に記載のメモリ。
【請求項12】
前記ビットセルアレイヘッドスイッチ及び前記メモリ周辺機器ヘッドスイッチは各々、少なくとも1つのp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備える、請求項1に記載のメモリ。
【請求項13】
メモリのための動作方法であって、
動的電圧ストレススキャン制御信号がアサートされない間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、前記メモリ内のビットセルアレイ及びメモリ周辺機器の電源を切断することと、
前記保持を伴わないスリープモード制御信号と前記動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、前記メモリ周辺機器に給電しつつ、前記メモリ内の前記ビットセルアレイの電源を切断することと、
前記保持を伴わないスリープモード制御信号と前記動的電圧ストレススキャン制御信号との両方の前記アサートに続いて、前記メモリ周辺機器が給電され、前記ビットセルアレイの電源がオフにされている間、前記メモリ周辺機器の動的電圧ストレススキャンを実行することと、を含む、方法。
【請求項14】
コア電力ドメイン制御信号をメモリ電力ドメイン制御信号にレベルシフトすることと、
前記メモリ電力ドメイン制御信号のアサートに応じて、前記動的電圧ストレススキャン制御信号をアサートすることと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記動的電圧ストレススキャン制御信号の前記アサートを、クロック信号のアサートの後にのみ生じるようにゲート制御することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記メモリ周辺機器の電源を切断することは、メモリ電力ドメイン部分及びコア電力ドメイン部分の電源を切断することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記動的電圧ストレススキャン制御信号がアサートされない間、前記保持を伴わないスリープモード制御信号の前記アサートに応じて、ワード線ドライバの電源を切断することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記保持を伴わないスリープモード制御信号と前記動的電圧ストレススキャン制御信号との両方の前記アサートに応じて、前記ワード線ドライバの給電を維持することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
メモリであって、
メモリ電力ドメイン部分を含むメモリ周辺機器と、
メモリ電源電圧のためのノードと前記メモリ電力ドメイン部分との間に結合された周辺機器ヘッドスイッチと、
コア電力ドメイン制御信号のアサートに応じて、動的電圧ストレススキャン制御信号をアサートするように構成された第1の論理ゲートを含む電力管理回路とを備え、前記電力管理回路は、前記動的電圧ストレススキャン制御信号がデアサートされている間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、前記周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように構成されており、前記電力管理回路は、前記保持を伴わないスリープモード制御信号と前記動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、前記周辺機器ヘッドスイッチをオンに維持するように更に構成されている、メモリ。
【請求項20】
前記メモリは、前記コア電力ドメイン制御信号を受信するように構成された複数の端子を含む集積回路に含まれており、前記電力管理回路は、
前記コア電力ドメイン制御信号をメモリ電力ドメイン制御信号にレベルシフトするように構成された第1のレベルシフタを更に含み、前記第1の論理ゲートは、前記メモリ電力ドメイン制御信号のアサートに応じて、前記動的電圧ストレススキャン制御信号をアサートするように更に構成されている、請求項19に記載のメモリ。
【請求項21】
前記電力管理回路は、前記動的電圧ストレススキャン制御信号の前記アサートに応じて、前記周辺機器ヘッドスイッチがオフに切り替わるのを防止するために、前記動的電圧ストレススキャン制御信号を処理するように構成された第2の論理ゲートを更に含む、請求項19に記載のメモリ。
【請求項22】
前記電力管理回路が、保持を伴うスリープモード制御信号のアサートに応じて、前記周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように更に構成されている、請求項19に記載のメモリ。
【請求項23】
前記メモリは、セルラー電話に含まれている、請求項19に記載のメモリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願はメモリに関し、より詳細には、非同期入力によって制御される動的電圧ストレス(DVS)スキャンを伴うメモリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 動的電圧ストレス(DVS)スキャンは、集積回路製造業者がその埋め込みメモリ機能をテストするための重要なツールである。DVSスキャンの間、電源電圧は、障害を明らかにするために増加される。例えば、メモリトランジスタは、最終的に機能しなくなる弱い誘電体層を有する場合がある。しかし、弱い誘電体層にもかかわらず、メモリは、機能しており、したがって、顧客に販売されることがあり、その結果、やがて故障が発生して、費用のかかる返品を伴う。DVSスキャンは、高品質の製品が供給され得るように、そのような障害を明らかにする。
【0003】
[0003] 完全なDVSスキャンが重要であるにもかかわらず、既存のメモリ設計では、適用され得る電源電圧増加を制限していた。したがって、当技術分野では、改善されたDVSスキャンのために構成されたメモリが必要である。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の一態様によれば、ビットセルアレイと、ビットセルアレイとメモリ電源電圧のためのノードとの間に結合されたビットセルアレイヘッドスイッチと、メモリ電力ドメイン部分を含むメモリ周辺機器と、メモリ電力ドメイン部分とメモリ電源電圧のためのノードとの間に結合されたメモリ周辺機器ヘッドスイッチと、メモリのための保持を伴わないスリープモードの間、ビットセルアレイ及びメモリ電力ドメイン部分の電源をオフにするために、ビットセルアレイヘッドスイッチ及びメモリ周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように構成された電力管理回路であって、メモリのスキャンの間、ビットセルアレイの電源をオフにし、メモリ電力ドメイン部分の電源オンを維持するために、ビットセルアレイヘッドスイッチのみをオフに切り替えるように更に構成された電力管理回路と、を含む、メモリが提供される。
【0005】
[0005] 本開示の別の態様によれば、動的電圧ストレススキャン制御信号がアサートされない間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、メモリ内のビットセルアレイ及びメモリ周辺機器の電源を切断するステップと、保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、メモリ周辺機器に給電しつつ、メモリ内のビットセルアレイの電源を切断するステップと、保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに続いて、メモリ周辺機器が給電され、ビットセルアレイの電源がオフにされている間、メモリ周辺機器の動的電圧ストレススキャンを実行するステップと、を含む、メモリのための動作方法が提供される。
【0006】
[0006] 本開示の更に別の態様によれば、メモリ電力ドメイン部分を含むメモリ周辺機器と、メモリ電源電圧のためのノードとメモリ電力ドメイン部分との間に結合された周辺機器ヘッドスイッチと、コア電力ドメイン制御信号のアサートに応じて、動的電圧ストレススキャン制御信号をアサートするように構成された第1の論理ゲートを含む電力管理回路であって、電力管理回路が、動的電圧ストレススキャン制御信号がデアサートされる間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように構成されており、電力管理回路が、保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、周辺機器ヘッドスイッチをオンに維持するように更に構成されている、電力管理回路と、を含む、メモリが提供される。
【0007】
[0007] これら及び追加の有利な特徴は、以下の詳細な説明を通じてより理解される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]本開示の一態様による、改善されたDVSスキャンのために構成された埋め込みメモリを有する集積回路を示す。
図2】[0009] 本開示の一態様による、図1の埋め込みメモリ内の電力管理回路の第1の部分を示す。
図3】[0010] 本開示の一態様による、図1の埋め込みメモリ内の電力管理回路の第2の部分を示す。
図4】[0011] 本開示の一態様による、図1の埋め込みメモリ内の電力管理回路の第3の部分を示す。
図5】[0012] 本開示の一態様による、改善されたDVSスキャンのために構成されたメモリの動作方法を示すフローチャートである。
図6】[0013] 本開示の一態様による、改善されたDVSスキャンのために構成されたメモリを組み込んだいくつかの例示的な電子システムを示す図である。
【0009】
[0014] 本開示の実装形態及びそれらの利点は、以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解される。各図のうちの1つ又は複数に示される同様の要素を識別するために同様の参照番号が使用されることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0015] 改善されたDVSスキャンを伴う集積回路メモリが提供される。この改善されたDVSスキャンの有利な特徴をより良く理解するために、成功したDVSスキャンが解決すべき課題について考える。例えば、集積回路メモリは、典型的には、本明細書においてMX電力ドメインとして示されるそれ自体の電力ドメインに分離され、一方、集積回路のコア論理は、本明細書においてCX電力ドメインとして示されるコア電力ドメインに分離される。MX電源電圧は、MX電力ドメインに給電する。同様に、CX電源電圧は、CX電力ドメインに給電する。メモリは、メモリ周辺機器(書き込みドライバ、アドレスデコーダなど)によって制御されるビットセルアレイを含む。メモリ周辺機器の一部はCX電力ドメインにあり、残りの部分はMX電力ドメインにある。
【0011】
[0016] メモリが典型的なDVSスキャンによってテストされる間、ビットセルとメモリ周辺機器との両方が給電される。上昇したMX供給電圧に起因して、実質的なリーク電流が、典型的には、DVSスキャンの間にビットセルから伝導する。加えて、メモリ周辺機器は、MX電力ドメインとCX電力ドメインとの両方から電流を消費する。ビットセルリークとメモリ周辺機器による電流引き込みが相まって、損害を与える温度スパイクが生じる可能性がある。したがって、DVSスキャンがメモリに損害を与えることを防止するために、従来、MX電源電圧の増加が制限されている。電源電圧の増加に対するこの制限は、メモリ温度を安全な範囲内に維持するが、弱められたDVSは、障害を明らかにすることができず、顧客の使用の間に望ましくない故障が発生し、費用のかかる返品を伴う。
【0012】
[0017] 複雑さ及びDVSスキャンレイテンシを制限するために、DVSスキャンが、通常(非DVSスキャン)動作の間に使用されるメモリスリープモードのための制御信号と互換性を有すると有利である。その点に関して、コア論理電力ドメイン(CX電力ドメイン)及びメモリ電力ドメイン(MX電力ドメイン)を有する集積回路は、通常、メモリスリープモードの間、ビットセルアレイ及びメモリ周辺機器が電源オンにされるか、それとも電源オフにされるかを制御する電力管理回路を含む。電力管理回路は、コア論理電力ドメインにおいて発生するスリープモードのためのスリープ制御信号に応じる。例えば、コア論理が、メモリがスリープモードに置かれ得るような動作条件であると判断した場合、コア論理は、電力管理回路にスリープモード制御信号をアサートし得る。
【0013】
[0018] アサートされたスリープモード制御信号に応じる電力管理回路に関して、信号は、本明細書では、論理真状態がアクティブハイ又はアクティブロー規則によって表されるかどうかにかかわらず、信号が論理的に真であるときに「アサートされる」とみなされる。アクティブハイ規約では、CX電力ドメイン制御信号は、CX電源電圧まで充電されることによってアサートされる。したがって、そのような信号は、接地に放電されることによってデアサートされる。しかし、アクティブロー規約では、CX電力ドメイン制御信号は、接地に放電されることによってアサートされる。したがって、アクティブロー信号は、電源電圧まで充電されることによってデアサートされる。以下の説明では、コア論理が、一般性を失うことなく、スリープモード制御信号に対してアクティブロー規約を使用するものと仮定する。
【0014】
[0019] 一般に、集積回路メモリのスリープモードには2つのタイプがある。保持を伴わないスリープモードでは、ビットセルとメモリ周辺機器との両方の電源が切断される。保持を伴わないスリープモードをアクティブ化するために、コア論理は、本明細書では簡潔のために「slp_nret_n制御信号」と表されることもある保持を伴わないアクティブロースリープモード制御信号(slp_nret_n)をアサートし得る。電力管理回路は、ビットセルアレイ及びメモリ周辺機器の電源を切断することによって、アサートされた保持を伴わないスリープモード制御信号に応じる。ビットセルは、電源を切られるので、ビットセルの記憶されたビットを保持することができず、したがって、保持を伴わないスリープモードの「保持を伴わない」という呼称。保持を伴うスリープモードでは、コア論理は、本明細書では簡潔のために「slp_ret_n制御信号」と表される保持を伴うアクティブロースリープモード制御信号(slp_ret_n)をアサートし得る。電力管理回路は、アサートされた保持を伴うスリープモード制御信号に応じて、メモリ周辺機器のみの電源を切断するが、ビットセルアレイは給電されたままである。ビットセルアレイは給電されたままであるので、ビットセルは、その記憶されたバイナリコンテンツを保持し得、したがって、保持を伴うスリープモードの「保持を伴う」という局面。
【0015】
[0020] いずれのスリープモード制御信号も、従来のDVSスキャンの間アサートされない。例えば、slp_nret_n制御信号がアサートされた場合、ビットセルアレイとメモリ周辺機器との両方の電源が切断され、いずれのスキャンインテストベクトルによってもテストされ得ない。同様に、slp_ret_n制御信号がアサートされた場合、メモリ周辺機器の電源が切断され、テストされ得ない。保持を伴うスリープモードも、保持を伴わないスリープモードも、従来のDVSスキャンの間アクティブであり得るので、ビットセルアレイとメモリ周辺機器との両方が給電され、したがって、前述のような損害を与える温度上昇が発生し得る。
【0016】
[0021] ビットセルリークと、DVSスキャンの間にメモリの損害を引き起こす、メモリ周辺機器によって引き込まれる電流との組合せに対処するために、保持を伴わないスリープモード制御信号slp_nret_nがアサートされる間に改善されたDVSスキャンが行われ得る集積回路メモリが提供される。そうするために、メモリの電力管理回路は、アサートされたslp_nret_n制御信号がメモリ周辺機器のシャットダウンをトリガすることを阻止することによって、制御信号(例えば、非同期制御信号)のアサートに応じるように構成されている。メモリ周辺機器の電源オフは阻止されるが、電力管理回路は、ビットセルアレイの電源をオフにすることによって、アサートされたslp_nret_n制御信号に依然として応じる。したがって、ビットセルリークは、解消され、メモリ周辺機器による電流引き込みと結合して、DVSスキャンの間に損害を与える温度スパイクを引き起こすことはなくなる。したがって、電源電圧(複数可)は、十分にブーストされ、DVSスキャンの間十分な持続時間にわたって、周辺機器内の障害を明らかにし得る。DVSスキャンは、ビットセルアレイの電源がオフにされている間のメモリ周辺機器の有利な給電の1つの例示的な使用にすぎないことに留意されたい。したがって、本明細書で説明するメモリ制御は、DVSスキャンに加えて他のタイプのメモリスキャンにも適用可能であることが諒解されよう。
【0017】
[0022] 次に図面を参照すると、コア論理回路105及び関連する埋め込みスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)106を有する例示的なシステムオンチップ(SoC)集積回路100が図1に示されている。コア論理回路105は、コア(CX)電力ドメイン内に位置しており、したがって、CX電源電圧によって給電される。SRAM106は、ビットセルアレイ110と、メモリ周辺機器115と、ワード線(WL)ドライバ125とを含む。ビットセルアレイ110及びWLドライバ125は、メモリ(MX)電力ドメイン内に位置しており、したがって、MX電源電圧によって給電される。メモリ周辺機器115は、MX電力ドメイン内のMX電力ドメイン部分と、CX電力ドメイン内のCX電力ドメイン部分とを有する。メモリ周辺機器115は、書込みドライバ、アドレスデコーダなど、ビットセルアレイ110からの読取り及び書込みのための構成要素を含む。
【0018】
[0023] SRAM106の通常動作の間、コア論理105は、メモリスリープモードを呼び出さない。しかし、休止期間の間、コア論理105は、保持を伴わないスリープモード制御信号(slp_nret_n)をアサートすることによって、SRAM106の電源を完全に切り得る。電力管理回路120は、SRAM106に給電するヘッドスイッチをオフに切り替えるためにヘッドスイッチ制御信号をアサートすることによって、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じる。各ヘッドスイッチは、単一のp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタによって表される。例えば、ビットセルアレイ110は、PMOSトランジスタP1を通してMX電源電圧のためのノードに結合している。トランジスタP1は、ビットセルアレイヘッドスイッチの一例である。同様に、WLドライバ125は、PMOSトランジスタP4を通してMX電源電圧のためのノードに結合している。メモリ周辺機器115のCX部分は、PMOSトランジスタP2を通してCX電源電圧のためのノードに結合しており、メモリ周辺機器115のMX部分は、PMOSトランジスタP3を通してMX電源電圧のためのノードに結合している。トランジスタP2及びP3は、周辺機器ヘッドスイッチの例である。
【0019】
[0024] ヘッドスイッチの各々は、図示されるような単一のPMOSトランジスタの代わりに、複数のPMOSトランジスタによって実装され得ることが理解されよう。slp_nret_n制御信号のアサートに応じて、保持を伴わないスリープモードの間、トランジスタP1をオフに切り替えるために、電力管理回路120は、トランジスタP1のゲートを駆動するアクティブハイMX電力ドメインコアスリープ信号(slp_core)をアサートする。したがって、トランジスタP1はオフに切り替わり、ビットセルアレイ110の電源を切断する。同様に、電力管理回路120は、slp_nret_n制御信号のアサートに応じて、メモリ周辺機器115のMX部分の電源を切断するためにトランジスタP3のゲートを駆動するアクティブハイMX電力ドメイン周辺機器スリープ信号(slp_peri)をアサートする。同様に、電力管理回路120は、slp_nret_n制御信号のアサートに応じて、メモリ周辺機器115のCX部分の電源を切断するためにトランジスタP2のゲートを駆動するアクティブハイCX電力ドメイン周辺機器スリープ信号(slp_peri_CX)をアサートする。最後に、電力管理回路120はまた、slp_nret_n制御信号のアサートに応じて、WLドライバ125の電源を切断するためにトランジスタP4のゲートを駆動するアクティブハイMX電力ドメインワード線ドライバスリープ信号(slp_wl)をアサートする。
【0020】
[0025] この代わりに、コア論理105が、保持を伴うスリープモードが呼び出されるべきであると判定した場合、コア論理105は、slp_ret_n制御信号をアサートし得る。slp_ret_n制御信号のアサートに応じて、電力管理回路120は、slp_wl信号、slp_peri_CX信号、及びslp_peri信号をアサートして、メモリ周辺機器115及びWLドライバ125への電力を遮断する。しかし、電力管理回路120は、slp_ret_n制御信号のアサートに応じてslp_core信号をアサートすることはない。したがって、ビットセルアレイ110は、そのビットセルがそれらの記憶されたバイナリコンテンツを保持し得るように、給電されたままである。
【0021】
[0026] メモリ周辺機器115のDVSスキャンを呼び出すために、DVSテスタ又はスキャンツール(図示せず)は、SRAM106が機能している(スリープモードがアクティブでない)間に、DVSスキャン制御信号(図1には示されておらず、以下で更に説明される)のアサートをトリガし得る。DVSスキャン制御信号のアサートをトリガするために、DVSテスタ又はスキャンツールが、集積回路100への他の非同期制御信号のためにも使用され得る複数の端子140を介して受信される非同期制御信号(ACC)内の非同期制御ビットをアサートすると好都合である。このように、集積回路100への入力/出力インターフェースは、本明細書で開示される改善されたDVSスキャンに対応するように修正される必要はない。より一般的には、電力管理回路120は、CX電力ドメイン制御信号のアサートに応じてDVSスキャン制御信号をアサートする。したがって、代替実装形態は、ACC制御信号以外の他のタイプの制御信号を使用し得ることが諒解されよう。ACC信号をアサートすることに加えて、DVSテスタはまた、slp_nret_n制御信号のアサートをトリガし得る。通常動作の間、電力管理回路120は、ビットセルアレイ110だけでなくメモリ周辺機器115及びWLドライバ125の電源もオフにすることによって、slp_nret_n制御信号のアサートに応じる。しかしながら、電力管理回路120は、ビットセルアレイ110のみの電源をオフにすることによって、DVSスキャン制御信号とslp_nret_n制御信号との両方のアサートに応じるように構成されている。したがって、メモリ周辺機器115は、slp_nret_n制御信号のアサートにもかかわらず、DVSスキャンの間給電されたままである。このようにして、トランジスタP1のみがオフに切り替わり、トランジスタP2、P3、及びP4はオンのままである。先に述べたように、トランジスタP1、P2、P3、及びP4の各々は、代替実装形態では複数のヘッドスイッチトランジスタを備え得る。したがって、ビットセルアレイ110、メモリ周辺機器115のCX部分、メモリ周辺機器115のMX部分、及びWLドライバ125の各々のために少なくとも1つのヘッドスイッチがある。トランジスタP1がオフであり、トランジスタP1、P3、及びP4がオンである状態では、メモリ周辺機器115のDVSスキャンは、電源電圧の増大の制限を必要とせずに進行し得る。
【0022】
[0027] 電力管理回路120によって管理されるようなこの有利なDVSスキャンなしでは、CX電源電圧及びMX電源電圧は、SRAM106のDVSスキャンの間、ロバストに上昇させることができない。メモリ周辺機器115のDVSスキャンの間に使用される増大される電源電圧の実際のレベルは、プロセスノードに依存する。例示的な一実装形態では、従来のDVSスキャン中の増大される電源電圧は、1.4Vまでしか上昇させることができなかった。しかし、本明細書で説明するように、電力管理回路120がDVSスキャン制御信号に応じる場合、DVSスキャンは、代わりに、1.6V電源電圧レベルを用いて、より長い持続時間にわたって実行され得る。このようにして、SRAM106のDVSスキャンは、他の場合には検出されないままである障害を明らかにするのに十分にロバストであり得る。
【0023】
[0028] 次に、電力管理回路120の例示的な実装形態についてより詳細に説明する。図2は、slp_nret_n制御信号に応じてコアスリープ信号slp_coreを生成する電力管理回路120の第1の部分200を示す。slp_nret_n制御信号は、CX電力ドメイン信号であることに留意されたい。保持を伴うスリープモードでは、CX電力ドメインの電源は切断され得るが、MX電力ドメインは給電されたままである。CX電力ドメインの電源が切断されるときに第1の部分200がCX電力ドメイン制御信号に対して望ましくなく応じないようにするために、SRAM106は、CX電力ドメインの電源が切断されるときにアサートされるアクティブハイのMX電力ドメイン制御信号(clamp_mem)を受信する。
【0024】
[0029] CX電力ドメインの電源がオフにされているにもかかわらず、コアスリープ信号slp_coreのための所望のバイナリ状態の保持を助けるために、電力管理回路120は、clamp_mem信号をラッチし、MX電力ドメインからCX電力ドメインにレベルシフトするラッチングレベルシフタ210を含む。レベルシフタ210はまた、インバータ230によって反転されたclamp_mem信号の反転バージョンを受信する。clamp_mem信号のレベルシフトバージョンは、ソースがCX電源電圧のためのノードに接続されたPMOSトランジスタP5のゲートを駆動する。トランジスタP5のドレインは、clamp_mem信号がデアサートされたときにCX電源電圧に等しくなるclamp_nor信号のためのノードとして働く。この実装形態では、clamp_mem信号はアクティブハイ信号であり、したがって、接地されることによってデアサートされる。clamp_nor信号は、clamp_mem信号が論理0であるときのみ、CX電源電圧に等しくなる。
【0025】
[0030] clamp_nor信号は、インバータ215、NORゲート220、及びNORゲート225に給電する。以下の説明では、clamp_nor信号をCX電源電圧まで充電させるために、clamp_mem信号が接地に放電される(CX電力ドメインの電源が切断されていない)と仮定する。インバータ215は、保持を伴わないスリープモード制御信号(slp_nret_n)を、clamp_mem信号を用いてNORゲート225によって処理された反転信号に反転させるように機能する。更に、NORゲート220は、slp_nret_n制御信号とclamp_mem信号とのNOR演算を行う。NORゲート220及び225はそれぞれ、clamp_mem信号がデアサートされる間、インバータとして動作する。slp_nret_n制御信号が次いでアサートされる場合(slp_nret_n制御信号が、アサートされたときに接地されるようなアクティブロー信号であり得ることを想起されたい)、NORゲート220の出力はCX電源電圧にアサートされるが、NORゲート225の出力は接地される。ラッチングレベルシフタ205は、NORゲート220の出力をCX電力ドメインからMX電力ドメインにシフトする。レベルシフタ205の出力信号235は、clamp_mem信号がデアサートされる間、slp_nret_n制御信号のアサートに応じてMX電源電圧まで充電される。インバータの対240及び245は、コアスリープ信号slp_coreを形成するために出力信号235をバッファする。したがって、コアスリープ信号slp_coreは、clamp_mem信号がデアサートされる間、slp_nret_n制御信号のアサートに応じて、MX電源電圧に等しくなるようにアサートされる。アサートされたコアスリープ信号slp_coreは、slp_nret_n制御信号のアサートに応じてビットセルアレイ110の電源が切断されるように、トランジスタP1(図1)によって表されるようにヘッドスイッチ(複数可)を遮断する。
【0026】
[0031] NORゲート225の出力信号は、clamp_mem信号がデアサートされている限り、slp_nret_n制御信号に等しい。逆に、NORゲート220の出力信号は、clamp_mem信号がデアサートされている限り、slp_nret_n制御信号の補数に等しい。レベルシフタ205は、slp_nret_n制御信号のこの補数をレベルシフトしているので、レベルシフタ205の出力は、slp_nret_n制御信号自体をレベルシフトする代わりにslp_nret_n制御信号の補数をレベルシフトしていることを示すために「反転バブル」を伴って示されている。
【0027】
[0032] slp_nret_n制御信号がデアサートされる(そのアクティブロー実装に起因してCX電源まで充電される)場合、NORゲート220の出力は放電され、NORゲート225の出力はCX電源電圧まで充電される。レベルシフタ205の出力信号235は、したがって、接地に放電され、コアスリープ信号slp_coreを接地する。したがって、slp_nret_n制御信号がデアサートされる間、ビットセルアレイ110が給電される。
【0028】
[0033] slp_nret_n制御信号に応じるとともにslp_ret_n制御信号に応じて、slp_peri及びslp_peri_CX信号を生成するための電力管理回路120の部分300が、図3に示されている。slp_nret_n制御信号に応じる電力管理回路120の部分200に関して説明したように、出力信号235が生成されたことを想起されたい。NANDゲート330などの論理ゲートは、本明細書では簡潔にするためにDVS_SLP信号としても示されるDVSスキャン制御信号を用いて出力信号235を処理する。本明細書で更に説明されるように、電力管理回路120は、アサートされたslp_nret_n制御信号がメモリ周辺機器115への電力の遮断を引き起こさないように、DVSスキャンの間、DVS_SLP信号をアサートする。本明細書では、一般性を失うことなく、DVS_SLP信号は、MX電源電圧まで充電されることによって、通常動作の間デアサートされるように、アクティブロー信号であると仮定する。したがって、通常(非DVSスキャン)動作の間、NANDゲート330は、出力信号235の反転バージョンを用いてNANDゲート335を駆動するためにインバータとして機能する。本明細書で更に説明するように、NANDゲート335は、出力信号235の反転バージョンと、保持を伴うスリープモード制御信号(slp_ret_n)のレベルシフトバージョン(ls_slp_ret_n)とのNAND演算を行う。保持を伴わないスリープモードの間、ls_slp_ret_n信号は、NANDゲート335がインバータとして働くように、MX電源電圧まで充電される。したがって、NANDゲート335の出力信号340は、保持を伴わないスリープモードの間、出力信号235に等しくなる(DVS_SLP信号はアサートされない)。NANDゲート330は、周辺機器スリープ信号のアサートを防止するためにDVSスキャン制御信号を処理するように構成された第2の論理ゲートの一例である。NANDゲート335は、保持を伴うメモリ電力ドメインスリープモード制御信号(例えば、ls_slp_ret_n)を用いて第2の論理ゲートの出力信号を処理するように構成された第3の論理ゲートの一例である。
【0029】
[0034] NANDゲート345は、出力信号340とslp_wl信号とのNAND演算を行う。本明細書で更に説明されるように、slp_wl信号は、それが保持を伴うか、それとも伴わないかにかかわらず、スリープモードの間、MX電源電圧にアサートされる。したがって、NANDゲート345は、出力信号340をslp_peri信号の補数(slp_n_peri)に反転させるために、保持を伴わないスリープモードの間、インバータとして機能する。インバータ350は、slp_peri信号を形成するために相補信号slp_n_periを反転させる。したがって、保持を伴わないスリープモードの間、slp_peri信号は、メモリ周辺機器115のMX電力ドメイン部分への電力を遮断するために、MX電源電圧にアサートされる。
【0030】
[0035] ラッチングレベルシフタ360は、slp_peri信号をMX電力ドメインからCX電力ドメインにレベルシフトする。直列に配置されたインバータの対365及び370は、slp_peri_CX信号を形成するためにレベルシフタ360の出力信号をバッファする。したがって、保持を伴わないスリープモードの間、slp_peri_CX信号は、メモリ周辺機器115のCX電力ドメイン部分への電力を遮断するために、CX電源電圧にアサートされる。したがって、メモリ周辺機器115は、保持を伴わないスリープモードの間、電源を切断される。
【0031】
[0036] インバータ310、NORゲート320、及びNORゲート315は、clamp_nor信号によって給電される。保持を伴うスリープモードでは、保持を伴うスリープモード制御信号(slp_ret_n)は、接地に放電されることによってアサートされる。インバータ310は、NORゲート315を駆動するためにslp_ret_n制御信号を反転させる。NORゲート315はまた、clamp_mem信号を受信する。したがって、CX電力ドメインが給電されている場合、NORゲート315は、slp_ret_n制御信号を再生するためにインバータ310からの反転された出力信号を反転させるためのインバータとして働く。別のNORゲート320は、slp_ret_n制御信号とclamp_mem信号とのNOR演算を行う。したがって、CX電力ドメインが給電されたままである場合、NORゲート320は、slp_ret_n制御信号の反転バージョンを与えるためにslp_ret_n制御信号を反転させるためのインバータとして働く。ラッチングレベルシフタ305は、slp_ret_n制御信号の反転バージョンをCX電力ドメインからMX電力ドメインにレベルシフトする(したがって、レベルシフタ305の出力ノードは、反転バブルを伴って示されている)。次に、レベルシフタ305の出力信号は、保持を伴うスリープモードの間、MX電源電圧にアサートされる。NORゲート325は、レベルシフタ305の出力信号とclamp_mem信号とのNOR演算を行う。したがって、NORゲート325は、レベルシフタ305の出力信号をslp_ret_n制御信号のレベルシフトバージョンls_slp_ret_nに反転させるために、CX電力ドメインが給電されたままである間、インバータとして働く。
【0032】
[0037] 通常動作中(DVSスキャンが非アクティブである)、DVS_SLP信号は、NANDゲート330が出力信号235を反転させるように、MX電源まで充電される。したがって、出力信号235はslp_nret_n制御信号のレベルシフトされ反転されたバージョンであるので、出力信号235は、保持を伴うスリープモードの間、接地に放電される。次いで、NANDゲート330の出力信号は、保持を伴うスリープモードの間、MX電源電圧まで充電される。NANDゲート330の出力信号をこのように充電することによって、NANDゲート335を強制的にインバータとして機能させる。したがって、NANDゲート335の出力信号340は、保持を伴うスリープモードの間、MX電源電圧まで充電される。本明細書で更に説明されるように、slp_wl制御信号は、保持を伴うスリープモードの間アサートされ、それによって、NANDゲート345は、出力信号340を反転させて、NANDゲート345の出力信号を接地に放電させる。したがって、slp_peri信号及びslp_peri_CX信号はどちらも、保持を伴わないスリープモードについて説明したのと同様に、保持を伴うスリープモードの間、メモリ周辺機器115への電力を遮断するために充電される。しかしながら、ビットセルアレイ110は、保持を伴うスリープモードがアクティブである間、slp_nret_n制御信号がデアサートされる(CX電源電圧まで充電される)ので、給電されたままである。
【0033】
[0038] DVSスキャンへの遷移は、本明細書で更に説明されるように、SRAM106の機能(非スリープ)動作モードから生じる。そのような機能モードの間、ビットセルアレイ110及びメモリ周辺機器115は給電され、したがって、slp_nret_n制御信号及びslp_ret_n制御信号は、CX電源電圧まで充電される。しかし、slp_nret_n制御信号は、DVSスキャンに遷移する間放電される。slp_nret_n制御信号が放電されるので、出力信号235はMX電源まで充電される。DVS_SLP信号は、機能モードからDVSスキャンに遷移する際に接地に放電されることによってアサートされる。出力信号235がアサートされる間、DVS_SLP信号を接地に放電することによってこのようにアサートすると、NANDゲート330の出力信号が強制的にMX電源電圧まで充電される。slp_ret_n制御信号のレベルシフトバージョンls_slp_ret_nはまた、DVSスキャンの間、MX電源まで充電される。したがって、NANDゲート345の出力信号340は、DVSスキャンの間、接地に放電され、それによって、NANDゲート335の出力が強制的にMX電源電圧にアサートされる。したがって、slp_peri及びslp_peri_CX信号は、DVSスキャンの間、接地されることによってデアサートされ、それによって、slp_nret_n制御信号のアサートにかかわらず、メモリ周辺機器115を給電されたままにする。このことは、slp_nret_n及びslp_ret_n制御信号によるスリープモードの制御の変更又は修正を必要とせずにDVSスキャンが機能し得るので、複雑さを制限することに関して非常に有利である。
【0034】
[0039] DVSスキャン制御信号(DVS_SLP)及びslp_wl信号を生成するための電力管理回路120の部分400が図4に示されている。DVS_SLP信号の生成に関して、集積回路100などの集積回路は、典型的には、集積回路100がユーザによって所望されるように構成され得るように、端子140(図1に示される)などのいくつかの非同期制御ピン又は端子を含む。したがって、DVS_SLP信号が、端子140を通して外部DVSテスタ(図示せず)によって制御される非同期制御(ACC)信号に応じてアサートされると好都合である。部分400では、3つの1ビット非同期制御信号が、ACC信号を生成するために外部DVSテスタによって使用される。したがって、ACC信号は3ビット幅であるが、代替実装形態では他のビット幅が使用され得ることが諒解されよう。NANDゲート430は、ACC制御信号ビットのNAND演算を行う。したがって、NANDゲート430の出力信号は、ACC制御信号ビットのアサートに応じて、CX電源電圧まで放電される。NORゲート425は、アクティブローのスキャン制御信号scan_nとNANDゲート430の出力信号とのNOR演算を行う。このようにして、非DVSスキャン動作モード中のACC信号のアサートは、DVSスキャンをアクティブ化することを防止される。scan_n信号が放電されるので、NORゲート425の出力信号は、外部DVSテスタによるACC制御信号のアサートに応じてCX電源電圧にアサートされる。インバータ420は、NORゲート425の出力信号を反転させる。したがって、インバータ420の出力信号は、ACC信号及びscan_n信号のアサートに応じて接地に放電される。NORゲート410は、インバータ420の出力信号とclamp_mem信号とのNOR演算を行う(以下の説明では、clamp_mem信号は、CX電力ドメインが最初に給電されることに起因して放電されると仮定する)。したがって、NORゲート410の出力信号は、DVSスキャンをトリガするために、ACC制御信号のアサートに応じてCX電源にアサートされる。NORゲート415は、clamp_mem信号とNORゲート425の出力信号とのNOR演算を行う。したがって、NORゲート415の出力信号は、DVSスキャンの間、ACC制御信号のアサートに応じて、接地に放電される。NANDゲート430、NORゲート425、インバータ420、NORゲート415、及びNORゲート410はすべてclamp_nor信号によって給電され、したがってclamp_mem信号がデアサートされている限り給電される。
【0035】
[0040] ラッチングレベルシフタ405は、NORゲート410の出力信号をCX電力ドメインからMX電力ドメインにレベルシフトする。したがって、レベルシフタ405の出力信号は、ACC制御信号及びscan_n信号のアサートに応じて、MX電源電圧にアサートされる。NANDゲート460は、DVSスキャン制御信号DVS_SLPを形成するために、レベルシフタ405の出力信号とインバータ450の出力信号とのNAND演算を行う。インバータ455は、slp_wl信号を形成するために、インバータ450の出力信号を反転させる。したがって、インバータ450の出力信号は、SRAM106が機能している間、MX電源電圧にアサートされ、それによって、NANDゲート460をインバータとして機能させる。したがって、NANDゲート460は、scan_n信号がアサートされる間、ACC制御信号のアサートに応じてDVS_SLP信号を接地に放電する。レベルシフタ405はまた、本明細書では第1のレベルシフタとして示されることがある。レベルシフタ405の出力信号はまた、本明細書ではメモリ電力ドメイン制御信号として示されることがある。NANDゲート460は、DVS_SLP信号をアサートするためにメモリ電力ドメイン制御信号を処理するように構成された第1の論理ゲートの一例である。レベルシフタ305はまた、本明細書では第2のレベルシフタとして示されることがある。
【0036】
[0041] 電源切断状態からの電源投入において、SRAM106は、保持を伴わないスリープモードにおいて電源を投入するようにプログラムされ得る。slp_nret_n制御信号は、次いで、SRAM106を機能動作モードに遷移させるために、SRAM106の電源を投入する間充電される。しかしながら、ACC信号及びscan_n信号はCX電力ドメイン信号であることに留意されたい。CX電力ドメインは、最初、メモリ電源投入の間不安定であるので、slp_nret_n制御信号及びscan_n信号が依然として放電されている間、ACC制御信号がアサートされることが可能である。ACC制御信号の意図しないアサートは、DVS_SLP信号の意図しないアサートを引き起こす可能性がある。DVS_SLP信号の意図しないアサートは、slp_nret_n制御信号を充電する前に、メモリ周辺機器115の電源オンをトリガし得る。次いで、メモリ周辺機器115は、DVS_SLP信号の意図しないアサートからslp_nret_n制御信号の意図的な充電までの遅延の間リークを増大させ得る。SRAM106の電源を投入する間、slp_nret_n制御信号が充電されるまでメモリ周辺機器115の電源がオンになるのを防止するために、DVS_SLP信号のアサートはクロック信号(clk)によってゲート制御される。したがって、DVS_SLP信号は、クロック信号のトリガクロックエッジ(例えば、立ち上がりエッジ)に続いてアサートされるだけでよい。
【0037】
[0042] このクロックゲーティングを実行するために、部分400は、NANDゲート440及び435の交差結合された対によって形成されるようなセットリセットラッチ465を含む。PMOSトランジスタP7のドレインにも接続されたNMOSトランジスタM2のドレインに接続されたPMOSトランジスタP6のドレインは、NANDゲート435への入力ノードとして機能する。インバータ445は、ラッチ465内のNANDゲート440を駆動するために、電力管理回路120の部分300からの出力信号340を反転させる。トランジスタM2のソースは、NMOSトランジスタM1を通して接地に結合する。相補信号slp_n_periは、トランジスタM1及びP7のゲートを駆動する。SRAM106の機能モードの間、slp_wl信号は接地に放電され、相補信号slp_n_periはMX電源電圧まで充電される。したがって、機能モードからDVSスキャンへの遷移時に、トランジスタM1はオンになり、トランジスタP7はオフになる。
【0038】
[0043] SRAM106の電源投入の間、slp_wl信号は最初、MX電源電圧まで充電され得る。したがって、インバータ450からの出力信号は接地に放電される。インバータ450の出力信号は、PMOSトランジスタP8のゲート及びPMOSトランジスタP9のゲートを駆動する。トランジスタP8及びP9のソースは、MX電源電圧用のノードに結合している。トランジスタP8のドレインは、トランジスタP6のソースに結合している。同様に、トランジスタP9のドレインは、トランジスタP7のソースに結合している。slp_wl制御信号が充電されている場合、トランジスタP8及びP9は導通している。クロック信号が直列に結合されたトランジスタP6及びM2のゲートを駆動するので、トランジスタP6及びM2は、トランジスタP8及びM1が導通している間、インバータとして機能する。クロック信号が循環する前に、クロック信号は放電され、それによって、トランジスタP6がオンになってNANDゲート435への入力信号をMX電源電圧まで充電する。インバータ450の出力信号が放電されるので、NANDゲート440の出力信号はMX電源電圧まで充電される。したがって、NANDゲート435の出力信号は、SRAM106の電源投入中にクロック信号がローである間放電される。NANDゲート435のこのように放電された出力信号は、DVS_SLP信号が、放電されることによってアサートされるかどうかにかかわらず、NANDゲート440の出力信号を強制的にMX電源まで充電させる。したがって、slp_wl信号は、クロック信号が循環する前に充電され続ける。
【0039】
[0044] クロック信号の立ち上がりエッジ(クロック信号が接地からMX電源電圧に遷移する)において、トランジスタP6のドレインは接地に放電される。これにより、NANDゲート435の出力信号はMX電源電圧まで充電される。次に、NANDゲート435の出力信号を充電することによって、NANDゲート440がインバータとして機能する。すでに説明されたように、DVSスキャン制御信号DVS_SLPが充電されている間、slp_nret_n制御信号を充電することによって、出力信号340が放電され、次に、インバータ445の出力信号がMX電源電圧まで充電される。したがって、NANDゲート440の出力信号は、slp_nret_n制御信号が充電されるときにクロック信号の立ち上がりエッジにおいて放電され、それによって、インバータ450の出力信号がMX電源電圧まで充電され、slp_wl信号が放電される。次いで、インバータ450の出力信号をMX電源電圧まで充電することによって、NANDゲート460がインバータとして機能し、それによって、DVS_SLP信号が放電され得る。DVS_SLP信号は、クロックの立ち上がりエッジ(及びslp_nret_n制御信号の充電)まで放電することができないので、slp_nret_n制御信号の後続の意図的な充電の前のACC制御信号の意図的でないアサートからのメモリ周辺機器115の潜在的なリークは、DVS_SLP信号のクロックゲーティングによって解決される。
【0040】
[0045] 次に、改善されたDVSスキャンのために構成されたメモリのための動作方法について、図5のフローチャートに関して説明する。本方法は、動的電圧ストレススキャン制御信号がアサートされない間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、メモリ内のビットセルアレイ及びメモリ周辺機器の電源を切断する行為500を含む。保持を伴わないスリープモードの間、ビットセルアレイ110及びメモリ周辺機器115の電源を切断するために、slp_core制御信号、slp_peri_CX制御信号、及びslp_peri制御信号をアサートすることは、行為500の一例である。DVS_SLP信号は、動的電圧ストレススキャン信号の一例である。
【0041】
[0046] 方法はまた、保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、メモリ周辺機器に給電しつつ、メモリ内のビットセルアレイの電源を切断する行為505を含む。DVSスキャン中にメモリ周辺機器115が給電されている間、ビットセルアレイ110の電源を切断するために、slp_core制御信号のみをアサートすることは、行為505の一例である。
【0042】
[0047] 最後に、方法は、保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに続いて、メモリ周辺機器が給電され、ビットセルアレイの電源がオフにされている間、メモリ周辺機器の動的電圧ストレススキャンを実行する行為510を含む。外部DVSテスタによるメモリ周辺機器115のDVSスキャンは、行為510の一例である。
【0043】
[0048] 本明細書で開示される改善されたDVSスキャンのために構成されたメモリは、様々な電子システムに組み込まれてもよい。例えば、図6に示されるように、セルラー電話600、ラップトップコンピュータ605、及びタブレットPC610はすべて、本開示に係るDVSスキャンに対して構成されたメモリを含み得る。音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、通信デバイス、及びパーソナルコンピュータなどの他の例示的な電子システムも、本開示に従って構築されたメモリを伴って構成され得る。
【0044】
[0049] ここで、以下の一連の例示的な条項において本開示のいくつかの態様が要約される。
条項1. メモリであって、
ビットセルアレイと、
ビットセルアレイとメモリ電源電圧のためのノードとの間に結合されたビットセルアレイヘッドスイッチと、
メモリ電力ドメイン部分を含むメモリ周辺機器と、
メモリ電力ドメイン部分とメモリ電源電圧のためのノードとの間に結合されたメモリ周辺機器ヘッドスイッチと、
メモリのための保持を伴わないスリープモードの間、ビットセルアレイ及びメモリ電力ドメイン部分の電源をオフにするために、ビットセルアレイヘッドスイッチ及びメモリ周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように構成された電力管理回路であって、電力管理回路は、メモリのスキャンの間、ビットセルアレイの電源をオフにし、メモリ電力ドメイン部分の電源オンを維持するために、ビットセルアレイヘッドスイッチのみをオフに切り替えるように更に構成されている、電力管理回路と、を備える、メモリ。
条項2.ビットセルアレイヘッドスイッチは、スリープコア信号のアサートに応じて、オフに切り替わるように構成されており、メモリ周辺機器ヘッドスイッチは、周辺機器スリープ信号のアサートに応じて、オフに切り替わるように構成されており、電力管理回路は、メモリのための保持を伴わないスリープモードの間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、スリープコア信号と周辺機器スリープ信号との両方をアサートするように更に構成されており、
電力管理回路は、メモリのスキャンの間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、スリープコア信号をアサートし、周辺機器スリープ信号をアサートしないように更に構成されている、条項1に記載のメモリ。
条項3. 電力管理回路は、
コア電力ドメイン制御信号をメモリ電力ドメイン制御信号にレベルシフトするように構成された第1のレベルシフタと、
DVSスキャン制御信号をアサートするために、メモリ電力ドメイン制御信号を処理するように構成された第1の論理ゲートとを更に含み、電力管理回路は、DVSスキャン制御信号のアサートに応じて、周辺機器スリープ信号のアサートを防止するように更に構成されている、条項2に記載のメモリ。
条項4. 電力管理回路は、
周辺機器スリープ信号のアサートを防止するために、DVSスキャン制御信号を処理するように構成された第2の論理ゲートを更に含む、条項3に記載のメモリ。
条項5. メモリ周辺機器は、コア電力ドメイン部分を更に含み、メモリは、
コア電力ドメイン部分とメモリ電源電圧のためのノードとの間に結合されたコア電力ドメインヘッドスイッチであって、コア電力ドメイン周辺機器スリープ信号のアサートに応じて、コア電力ドメイン部分の電源を切断するために、オフに切り替わるように構成されている、コア電力ドメインヘッドスイッチを更に備え、電力管理回路は、DVSスキャン制御信号がアサートされない間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、コア電力ドメイン周辺機器スリープ信号をアサートするように更に構成されており、電力管理回路は、DVSスキャン制御信号がアサートされる間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、コア電力ドメイン周辺機器スリープ信号をアサートしないように更に構成されている、条項2に記載のメモリ。
条項6. 電力管理回路は、
保持を伴わないスリープモード制御信号をメモリ電力ドメイン信号にレベルシフトするように構成された第2のレベルシフタを更に含み、第2の論理ゲートは、周辺機器スリープ信号のアサートを防止するために、メモリ電力ドメイン信号を用いてDVSスキャン制御信号を処理するように構成されている、条項3及び4のいずれかに記載のメモリ。
条項7. 電力管理回路は、保持を伴うスリープモード制御信号のアサートに応じて、周辺機器スリープ信号をアサートすることとスリープコア信号をアサートしないこととの両方をアサートするように更に構成されている、条項4及び5のいずれかに記載のメモリ。
条項8. 電力管理回路は、
保持を伴うスリープモード制御信号を、保持を伴うメモリ電力ドメインスリープモード制御信号にレベルシフトするように構成された第2のレベルシフタと、
保持を伴うメモリ電力ドメインスリープモード制御信号を用いて第2の論理ゲートの出力を処理するように構成された第3の論理ゲートと、を更に含む、条項7に記載のメモリ。
条項9. 電力管理回路は、
クロック信号が循環していない間、DVSスキャン制御信号のアサートを防止するように構成されたラッチを更に含み、ラッチは、クロック信号の立ち上がりエッジに応じて、DVSスキャン制御信号のアサートを可能にするように更に構成されている、条項4から8のいずれかに記載のメモリ。
条項10. ラッチは、交差結合されたNANDゲートの対を備える、条項9に記載のメモリ。
条項11. 電力管理回路は、交差結合されたNANDゲートの対における第1のNANDゲートへの入力を駆動するために、クロック信号を反転させるように構成されたインバータを更に含む、条項10に記載のメモリ。
条項12. ビットセルアレイヘッドスイッチ及びメモリ電力ドメインヘッドスイッチは各々、少なくとも1つのp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタを備える、条項1から11のいずれかに記載のメモリ。
条項13. メモリのための動作方法であって、
動的電圧ストレススキャン制御信号がアサートされない間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、メモリ内のビットセルアレイ及びメモリ周辺機器の電源を切断することと、
保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、メモリ周辺機器に給電しつつ、メモリ内のビットセルアレイの電源を切断することと、
保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに続いて、メモリ周辺機器が給電され、ビットセルアレイが電力オフされている間に、メモリ周辺機器の動的電圧ストレススキャンを実行することと、を含む、方法。
条項14.
コア電力ドメイン制御信号をメモリ電力ドメイン制御信号にレベルシフトすることと、
メモリ電力ドメイン制御信号のアサートに応じて、動的電圧ストレススキャン制御信号をアサートすることと、を更に含む、条項13に記載の方法。
条項15.
動的電圧ストレススキャン制御信号のアサートを、クロック信号のアサートの後にのみ生じるようにゲート制御することを更に含む、条項14に記載の方法。
条項16. メモリ周辺機器の電源を切断することは、メモリ電力ドメイン部分及びコア電力ドメイン部分の電源を切断することを含む、条項13から15のいずれかに記載の方法。
条項17.
動的電圧ストレススキャン制御信号がアサートされない間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、ワード線ドライバの電源を切断することを更に含む、条項13から16のいずれかに記載の方法。
条項18.
保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、ワード線ドライバの給電を維持することを更に含む、条項17に記載の方法。
条項19. メモリであって、
メモリ電力ドメイン部分を含むメモリ周辺機器と、
メモリ電源電圧のためのノードとメモリ電力ドメイン部分との間に結合された周辺機器ヘッドスイッチと、
コア電力ドメイン制御信号のアサートに応じて、動的電圧ストレススキャン制御信号をアサートするように構成された第1の論理ゲートを含む電力管理回路と、を備え、電力管理回路は、動的電圧ストレススキャン制御信号がデアサートされる間、保持を伴わないスリープモード制御信号のアサートに応じて、周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように構成されており、電力管理回路は、保持を伴わないスリープモード制御信号と動的電圧ストレススキャン制御信号との両方のアサートに応じて、周辺機器ヘッドスイッチをオンに維持するように更に構成されている、メモリ。
条項20. メモリは、コア電力ドメイン制御信号を受信するように構成された複数の端子を含む集積回路に含まれており、電力管理回路は、
コア電力ドメイン制御信号をメモリ電力ドメイン制御信号にレベルシフトするように構成された第1のレベルシフタを更に含み、第1の論理ゲートは、メモリ電力ドメイン制御信号のアサートに応じて、動的電圧ストレススキャン制御信号をアサートするように更に構成されている、条項19に記載のメモリ。
条項21. 電力管理回路は、動的電圧ストレススキャン制御信号のアサートに応じて、周辺機器ヘッドスイッチがオフに切り替わるのを防止するために、動的電圧ストレススキャン制御信号を処理するように構成された第2の論理ゲートを更に含む、条項19に記載のメモリ。
条項22. 電力管理回路は、保持を伴うスリープモード制御信号のアサートに応じて、周辺機器ヘッドスイッチをオフに切り替えるように更に構成されている、条項19に記載のメモリ。
条項23. メモリは、セルラー電話に含まれている、条項19から22のいずれかのメモリ。
【0045】
[0050] 当業者には現時点で理解されるように、目下の特定の適用例に応じて、本開示のデバイスの材料、装置、構成及び使用方法において、また、それらに対して、多くの修正、代替、及び変形を、その範囲から逸脱することなく行うことができる。このことに照らして、本明細書で示され説明された特定の実施形態は、それらのいくつかの例のためにすぎないので、本開示の範囲はそのような特定の実装形態の範囲に限定されるべきではなく、むしろ、以下に添付される特許請求の範囲及びそれらの機能的等価物の範囲と完全に同じであるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】