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特表2024-538223電力設備の温度測定方法、装置、記憶媒体及びコンピュータ機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】電力設備の温度測定方法、装置、記憶媒体及びコンピュータ機器
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/48 20220101AFI20241010BHJP
   G01J 5/00 20220101ALI20241010BHJP
【FI】
G01J5/48 E
G01J5/00 101Z
G01J5/48 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523976
(86)(22)【出願日】2023-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2023111944
(87)【国際公開番号】W WO2024051431
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】202211098661.3
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523090548
【氏名又は名称】国網山西省電力公司電力科学研究院
【氏名又は名称原語表記】STATE GRID SHANXI ELECTRIC POWER RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No. 6, Qingnian Road, Yingze District Taiyuan, Shanxi 030001 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張娜
(72)【発明者】
【氏名】楊▲こう▼
(72)【発明者】
【氏名】胡帆
(72)【発明者】
【氏名】王大偉
(72)【発明者】
【氏名】兪華
(72)【発明者】
【氏名】李暁倩
(72)【発明者】
【氏名】張淵
【テーマコード(参考)】
2G066
【Fターム(参考)】
2G066AC09
2G066AC20
2G066CA01
2G066CA02
2G066CA04
(57)【要約】
電力設備の温度測定方法、装置、記憶媒体及びコンピュータ機器であり、該方法は、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ること(S101)と、前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定すること(S102)と、前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ること(S103)と、前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力すること(S104)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定することと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることと、
前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することと、を含む、
電力設備の温度測定方法。
【請求項2】
前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることの後には、
前記測温情報に対応する深度を確定し、異なる深度に対応する距離修正係数を含む赤外線測温距離修正係数テーブルに基づいて前記測温情報を修正し、目標温度情報を得ることと、
前記目標温度情報及び前記目標温度情報に対応する深度に基づき、立体的な等温線図を描画することと、が更に含まれる、
請求項1に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項3】
前記した、前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることは、
プリセット連結対象識別距離に従い、前記プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定することと、
前記連結対象識別範囲内の連結対象画像を識別し、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることと、を含む、
請求項1に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項4】
前記した、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることの後には、
前記測温情報に基づき、前記連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別することと、
前記温度正常連結対象を前記目標画像から除去することと、が更に含まれる、
請求項3に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項5】
前記した、前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することは、
前記目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより、目標設備画像の識別を行うことと、
前記測温情報に基づき、前記赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別することと、
前記目標設備画像に前記温度異常領域が存在する場合、前記目標設備温度情報を出力することと、を含む、
請求項1に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項6】
前記した、前記目標設備温度情報を出力することは、
目標設備の履歴温度情報を読み取り、前記目標設備温度情報及び前記履歴温度情報に基づき、前記目標設備の温度変化傾向を確定することと、
目標設備情報、目標設備位置情報、前記目標設備温度情報、前記履歴温度情報及び前記温度変化傾向を含む赤外線診断異常テキスト記述情報を生成して表示することと、を含む、
請求項5に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項7】
前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影することの前には、
電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱することと、
前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ前記赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得ることと、
前記複数枚のキャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行うことと、
前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との間の温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整することと、が更に含まれる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項8】
電力設備の赤外線画像を撮影し、視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得るように構成される赤外線双眼カメラヘッドと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定するように構成される距離演算モジュールと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得るように構成される画像分割モジュールと、
前記目標画像内の目標設備画像を識別するように構成される目標識別モジュールと、
前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力するように構成される画像理解モジュールと、を備える、
電力設備の温度測定装置。
【請求項9】
プロセッサにより実行されると、請求項1から7のいずれか1項に記載の電力設備の温度測定方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、
記憶媒体。
【請求項10】
記憶媒体と、プロセッサと、前記記憶媒体に記憶されて前記プロセッサで運行可能なコンピュータプログラムとを備え、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1から7のいずれか1項に記載の電力設備の温度測定方法を実現する、
コンピュータ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電力設備の監視の技術分野に関し、例えば、能動的な放熱能力を持たない導体及び絶縁体の電力設備に関し、例えば、ケーブル及びリアクター等の電力設備の温度測定方法、装置、記憶媒体及びコンピュータ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力設備の温度検出は、電力設備の検出における重要な一環である。手持ちの赤外線イメージャを採取装置とし、電力設備に対して温度検出を行い、画像形成は2次元画像を主とし、電力設備の環境背景が複雑であり、画像形成中に複数の設備が互い違いに遮っているため、2次元画像による温度識別は、電力設備の表面の赤外線測温効果に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
本願は、電力設備の温度を測定する正確度の向上に寄与する電力設備の温度測定方法、装置、記憶媒体及びコンピュータ機器を提供する。
【0004】
本願の一側面によれば、
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定することと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることと、
前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することと、を含む、
電力設備の温度測定方法を提供する。
【0005】
好ましくは、前記方法は、
前記測温情報に対応する深度を確定し、異なる深度に対応する距離修正係数を含む赤外線測温距離修正係数テーブルに基づいて前記測温情報を修正し、目標温度情報を得ることと、
前記目標温度情報及び前記目標温度情報に対応する深度に基づき、立体的な等温線図を描画することと、を更に含む。
【0006】
好ましくは、前記した、前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることは、
プリセット連結対象識別距離に従い、前記プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定することと、
前記連結対象識別範囲内の連結対象画像を識別し、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記した、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることの後に、前記方法は、
前記測温情報に基づき、前記連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別することと、
前記温度正常連結対象を前記目標画像から除去することと、を更に含む。
【0008】
好ましくは、前記した、前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することは、
前記目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより、目標設備画像の識別を行うことと、
前記測温情報に基づき、前記赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別することと、
前記目標設備画像に前記温度異常領域が存在すれば、目標設備温度情報を出力することと、を含む。
【0009】
好ましくは、前記した、目標設備温度情報を出力することは、
目標設備の履歴温度情報を読み取り、前記目標設備温度情報及び前記履歴温度情報に基づき、前記目標設備の温度変化傾向を確定することと、
目標設備情報、目標設備位置情報、前記目標設備温度情報、前記履歴温度情報及び前記温度変化傾向を含む赤外線診断異常テキスト記述情報を生成して表示することと、を含む。
【0010】
好ましくは、前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影することの前には、前記方法は、
電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱することと、
前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得ることと、
前記複数枚のキャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行うことと、
前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との間の温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整することと、を更に含む。
【0011】
本願の他の側面によれば、
電力設備の赤外線画像を撮影し、視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得るように構成される赤外線双眼カメラヘッドと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定するように構成される距離演算モジュールと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得るように構成される画像分割モジュールと、
前記目標画像内の目標設備画像を識別するように構成される目標識別モジュールと、
前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力するように構成される画像理解モジュールと、を備える電力設備の温度測定装置を提供する。
【0012】
好ましくは、前記装置は、
前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることの後に、前記測温情報に対応する深度を確定し、異なる深度に対応する距離修正係数を含む赤外線測温距離修正係数テーブルに基づいて前記測温情報を修正し、目標温度情報を得て、前記目標温度情報及び前記目標温度情報に対応する深度に基づき、立体的な等温線図を描画するように構成される距離修正モジュールを更に備える。
【0013】
好ましくは、前記画像分割モジュールは、
プリセット連結対象識別距離に従い、前記プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定し、
前記連結対象識別範囲内の連結対象画像を識別し、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得るように構成される。
【0014】
好ましくは、前記目標識別モジュールは、更に、
前記した、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることの後に、前記測温情報に基づき、前記連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別し、前記温度正常連結対象を前記目標画像から除去するように構成される。
【0015】
好ましくは、前記目標識別モジュールは、
前記目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより、目標設備画像の識別を行い、
前記測温情報に基づき、前記赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別し、
前記目標設備画像に前記温度異常領域が存在すれば、目標設備温度情報を出力するように構成される。
【0016】
好ましくは、前記画像理解モジュールは、
目標設備の履歴温度情報を読み取り、前記目標設備温度情報及び前記履歴温度情報に基づき、前記目標設備の温度変化傾向を確定し、
目標設備情報、目標設備位置情報、前記目標設備温度情報、前記履歴温度情報及び前記温度変化傾向を含む赤外線診断異常テキスト記述情報を生成して表示するように構成される。
【0017】
好ましくは、前記装置は、
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影する前に、電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱し、
前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得て、
前記複数枚のキャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行い、
前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との間の温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整するように構成される放射率調整モジュールを更に備える。
【0018】
本願の更なる側面によれば、
プロセッサにより実行されると、上記電力設備の温度測定方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体を提供する。
【0019】
本願の更に他の側面によれば、
記憶媒体と、プロセッサと、記憶媒体に記憶されてプロセッサで運行可能なコンピュータプログラムとを備えるコンピュータ機器を提供し、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、上記電力設備の温度測定方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願の実施例に係る電力設備の温度測定方法のフローチャートを示す。
図2】本願の実施例に係る別の電力設備の温度測定方法のフローチャートを示す。
図3】本願の実施例に係る赤外線双眼キャリブレーションプレートの設定模式図を示す。
図4】本願の実施例に係る電力設備の温度測定方法のフローチャートを示す。
図5】本願の実施例に係る電力設備の温度測定装置の構造模式図を示す。
図6】本願の実施例に係るコンピュータ機器の構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願について説明する。矛盾しない限り、本願における実施例及び実施例の特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0022】
本実施例において、電力設備の温度測定方法を提供し、図1に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0023】
ステップ101において、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得る。
【0024】
ステップ102において、前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定する。
【0025】
ステップ103において、前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得る。
【0026】
ステップ104において、前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力する。
【0027】
本願の実施例は、電力設備のうち、自然放熱が用いられる設備、例えばケーブル、リアクター及び他の強制放熱が用いられない導体及び絶縁体の電力設備に適用可能である。
【0028】
本願の実施例は、複数種の電力設備の検出に適用され、電力設備の表面温度を検出するために使用可能である。本願の実施例は、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内に対して赤外線測温を行って該範囲内の温度測定情報を得て、三角測温原理に基づいて該範囲で得られた赤外線画像に対して演算を行い、該範囲内の赤外線画像に対応する深度情報を確定し、深度情報に基づいて赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得て、目標画像内の目標設備画像を識別し、「リアクター」のような目標設備の種類を確定し、目標設備に対応する測温情報に基づいて目標設備の温度情報を出力する。
【0029】
本実施例の技術案を適用することにより、赤外線画像に対して三角測量演算を行って画像の深度情報を得て、赤外線画像からプリセット深度範囲内の目標画像を分割することで、背景の温度判断への影響を減少させ、電力設備に対する温度検出の正確性を向上させる。
【0030】
本願の実施例は、手持ち検出装置及び2次元画像により温度を検出する方式と比べ、検出者の操作に寄与し、電力設備に対する温度検出の正確性を向上させる。
【0031】
上記実施形態の細分化及び展開として、本実施例の実施過程を説明するために、別の電力設備の温度測定方法を提供し、図2に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0032】
ステップ201において、電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱する。
【0033】
ステップ202において、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得る。
【0034】
ステップ203において、前記キャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行う。
【0035】
ステップ204において、前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整する。
【0036】
ステップ205において、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得る。
【0037】
本願の実施例において、電力設備の常用されている材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、図3に示すように、赤外線双眼キャリブレーションプレートの形状は、方形又は円形碁盤格子を含み、赤外線双眼キャリブレーションプレートは、レール式ブラケットに支持され、3つの自由度の回転を実現でき、赤外線双眼カメラヘッド、インタラクションパネル及び可視化スクリーンは、操作プラットフォームに固定され、同様に3つの自由度の回転を実現でき、赤外線双眼キャリブレーションプレートは、常用されている材料がステンレス、炭素鋼、シリコーンゴム及びセラミック等を含み、且つ、電力設備のコートに応じてコーティングして作られ、これにより、該キャリブレーションプレートを利用して赤外線双眼カメラヘッドのパラメータ及び測温放射率を確定した後、赤外線双眼カメラヘッドはより正確に赤外線画像を撮影して赤外線測温を行うことができる。キャリブレーションの開始前に、赤外線双眼キャリブレーションプレートを均一に加熱し、赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ赤外線双眼カメラヘッドで赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、図4に示すように、赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得て、キャリブレーション画像に基づいて赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行い、次に赤外線測温温度と放射温度計測温温度との温度差値を計算し、温度差値に従って赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整し、測温放射率は、初期値が0.9を採用し、0.02のステップサイズで調整し、同方向の調整で差値が5回連続して大きくなった場合、逆方向の調整を行い、同時に差値を計算し、差値が最小となる場合、最適な測温放射率であり、特定点はキャリブレーション前に、前もって指定することができ、例えば、コーナー点又はキャリブレーションプレートの格子の中心点を使用し、数については10個以上を選出する。
【0038】
ステップ206において、前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定する。
【0039】
ステップ207において、プリセット連結対象識別距離に従い、前記プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定する。そのうち、プリセット連結対象識別距離とは、予め設定された深度の距離範囲内に、識別対象/目標の連結状況に応じて深度範囲の小幅な調整を行うことで、識別対象/目標をできるだけ完全にカット後の画像に残すことを意味する。
【0040】
ステップ208において、前記連結対象識別範囲内の連結対象画像を識別し、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得る。
【0041】
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得て、赤外線画像に対して三角測量演算を行い、深度情報、高さ情報及び長さ情報を含む赤外線画像に対応する位置情報を確定し、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内に対して赤外線測温を行い、該範囲内の温度測定情報を得て、三角測温原理に基づいて該範囲で得られた赤外線画像に対して演算を行い、該範囲内の赤外線画像に対応する深度情報を確定し、プリセット連結対象の識別距離に従い、プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定し、プリセット深度範囲を6mと仮定し、1mをステップサイズとしてトラバースし、連結対象の6m内の連結対象画像を識別し、連結対象画像及び深度情報に従って赤外線画像をカットし、連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得て、6m箇所に連結があれば、目標画像にも残される必要があり、連結対象を識別する場合、識別された深度値がプリセット深度範囲の閾値を超える場合、範囲を超えた画像を目標画像から除去する。
【0042】
ステップ209において、前記測温情報に基づき、前記連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別する。
【0043】
ステップ210において、前記温度正常連結対象を前記目標画像から除去する。
【0044】
測温情報に基づき、連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別し、温度正常連結対象を目標画像から除去することで、目標の識別に入力を提供しやすくする。
【0045】
ステップ211において、前記目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより、目標設備画像の識別を行う。
【0046】
ステップ212において、前記測温情報に基づき、前記赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別する。
【0047】
ステップ213において、前記目標設備画像に前記温度異常領域が存在すれば、目標設備温度情報を出力する。
【0048】
目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより目標設備画像の識別を行い、識別中に片側のビューしか使用しないことが定められ、測温情報に基づき、赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別し、温度異常は、温度が高すぎるか又は温度が低すぎることを含み、目標設備画像に温度異常領域が存在すれば、目標設備温度情報を出力し、温度異常領域は、異常位置が所在する深度、高さ、長さ情報又は所在する等温線の位置である。本願の実施例は、材質によって放射率が異なる場合について、異なる放射率を対応して調整することで、最適な測温放射率をマッチングし、且つ、深度情報により、背景の温度検出への影響を減少させ、電力設備に対する温度検出の正確性を向上させる。
【0049】
ステップ205の後には、測温情報に対応する深度を確定し、異なる深度に対応する距離修正係数を含む赤外線測温距離修正係数テーブルに基づいて測温情報を修正し、目標温度情報、即ち、測温して距離修正を行った後の温度値又は温度領域最高値である異常温度値を含む異常温度情報を得ることと、目標温度情報及び目標温度情報に対応する深度に基づき、立体的な等温線図を描画し、目標温度情報及び対応する深度をより直観的に表現することとが更に含まれる。
【0050】
また、可視化スクリーンにより目標設備温度情報を出力することは、目標設備の、前回測定した温度値又は温度領域最高値である履歴温度情報を読み取り、目標設備温度情報及び履歴温度情報に基づき、目標設備の、増大したり、接近したり、減少したりする温度変化傾向を確定し、温度変化傾向の閾値は0.5℃を採用することと、目標設備情報、目標設備位置情報、目標設備温度情報、履歴温度情報及び温度変化傾向を含む赤外線診断異常テキスト記述情報を生成して表示し、記憶されたテキストのフォーマットは、目標設備-目標設備位置-目標設備温度-履歴温度-温度変化傾向であり、検出者がテキストの照合を直接行うことを容易にすることとを含む。
【0051】
図1の方法の実現として、本願の実施例は、電力設備の温度測定装置を提供し、図5に示すように、該装置は、
電力設備の赤外線画像を撮影し、視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得るように構成される赤外線双眼カメラヘッド310と、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定するように構成される距離演算モジュール320と、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得るように構成される画像分割モジュール330と、
前記目標画像内の目標設備画像を識別するように構成される目標識別モジュール340と、
前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力するように構成される画像理解モジュール350と、を備える。
【0052】
好ましくは、前記装置は、
前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることの後に、前記測温情報に対応する深度を確定し、異なる深度に対応する距離修正係数を含む赤外線測温距離修正係数テーブルに基づいて前記測温情報を修正し、目標温度情報を得て、
前記目標温度情報及び前記目標温度情報に対応する深度に基づき、立体的な等温線図を描画するように構成される距離修正モジュールを更に備える。
【0053】
好ましくは、前記画像分割モジュール330は、更に、
プリセット連結対象識別距離に従い、前記プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定し、
前記連結対象識別範囲内の連結対象画像を識別し、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得るように構成される。
【0054】
好ましくは、前記目標識別モジュール340は、更に、
前記した、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることの後に、前記測温情報に基づき、前記連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別し、
前記温度正常連結対象を前記目標画像から除去するように構成される。
【0055】
好ましくは、前記目標識別モジュール340は、更に、
前記目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより、目標設備画像の識別を行い、
前記測温情報に基づき、前記赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別するように構成され、
前記画像理解モジュール350は、更に、前記目標設備画像に前記温度異常領域が存在すれば、目標設備温度情報を出力するように構成される。
【0056】
好ましくは、前記画像理解モジュール350は、更に、
目標設備の履歴温度情報を読み取り、前記目標設備温度情報及び前記履歴温度情報に基づき、前記目標設備の温度変化傾向を確定し、
目標設備情報、目標設備位置情報、前記目標設備温度情報、前記履歴温度情報及び前記温度変化傾向を含む赤外線診断異常テキスト記述情報を生成して表示するように構成される。
【0057】
好ましくは、前記装置は、
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影する前に、電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱し、
前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得て、
前記キャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行い、
前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整するように構成される放射率調整モジュールを更に備える。
【0058】
本願の実施例に係る電力設備の温度測定装置に関する複数の機能ユニットの他の相応する説明は、図1図4の方法における対応する説明を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0059】
上記の図1図4に示すような方法に基づき、相応して、本願の実施例は、プロセッサにより実行されると、上記の図1図4に示すような電力設備の温度測定方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体を更に提供する。
【0060】
このような理解に基づき、本願の技術案は、ソフトウェア製品の形式で体現可能であり、該ソフトウェア製品は1つの不揮発性記憶媒体(コンパクトディスクリードオンリーメモリ(Compact Disc Read Only Memory、CD-ROM)、ユニバーサルシリアルバスフラッシュディスク(Universal Serial Bus flash disk、USB)、ポータブルハードディスクであってもよい)に記憶されてもよく、1台のコンピュータ機器(パソコン、サーバ、又はネットワーク機器等であってもよい)に本願の複数の実施シーンに記載の方法を実行させるための複数の命令を含む。記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体であってもよい。
【0061】
上記の図1図4に示すような方法、及び図5に示す仮想装置の実施例に基づき、上記目的を実現するために、図6に示すように、本願の実施例は、コンピュータ機器を更に提供し、該コンピュータ機器は例えば、パソコン、サーバ、又はネットワーク機器等であってもよく、該コンピュータ機器は、記憶媒体410及びプロセッサ420を含み、記憶媒体410は、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、プロセッサ420は、コンピュータプログラムを実行することで上記の図1図4に示すような電力設備の温度測定方法を実現するように構成される。
【0062】
好ましくは、該コンピュータ機器は、ユーザインタフェース、ネットワークインタフェース、カメラヘッド、無線周波数(Radio Frequency、RF)回路、センサ、オーディオ回路、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、WI-FI)モジュール等を更に含んでもよい。ユーザインタフェースは、ディスプレイ(Display)、キーボード(Keyboard)等のような入力ユニットを含んでもよく、ユーザインタフェースは、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インタフェース、カードリーダインタフェース等を更に含んでもよい。ネットワークインタフェースは、標準的な有線インタフェース、無線インタフェース(例えば、ブルートゥース(登録商標)インタフェース、WI-FIインタフェース)等を含んでもよい。
【0063】
本実施例に係るコンピュータ機器の構造は、該コンピュータ機器を限定するものではなく、より多い又はより少ない部品を含んだり、いくつかの部品を組み合わせたり、異なる部品配置にしたりしてもよい。
【0064】
記憶媒体には、オペレーティングシステム、ネットワーク通信モジュールが更に含まれてもよい。オペレーティングシステムは、コンピュータ機器のハードウェア及びソフトウェアリソースを管理及び記憶するプログラムであり、情報処理プログラム及び他のソフトウェア及び/又はプログラムの運行をサポートする。ネットワーク通信モジュールは、記憶媒体の内部の複数のコンポーネントの間の通信、及び該フィジカルな機器における他のハードウェア及びソフトウェアとの間の通信を実現するように構成される。
【0065】
以上の実施形態の説明により、本願がソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加える方式で実現されてもよいし、ハードウェアで実現されてもよいことが理解できる。
【0066】
本願の実施例は、赤外線画像に対して三角測量演算を行って画像の深度情報を得て、赤外線画像からプリセット深度範囲内の目標画像を分割することにより、背景の温度判断への影響を減少させ、電力設備に対する温度検出の正確性を向上させる。
【0067】
図面は、1つの実施シーンの模式図に過ぎず、図面内のモジュール又はフローは、必ずしも本願の実施に必要なものであるとは限らない。実施シーンでの装置におけるモジュールは、実施シーンの記述に従って実施シーンの装置に分布してもよいし、相応する変化を行って本実施シーンと異なる1つ又は複数の装置に位置してもよい。上記実施シーンのモジュールは、1つのモジュールとして合併してもよいし、複数のサブモジュールに分解されてもよい。
【0068】
上記本願の番号は、説明するためのものに過ぎず、実施シーンの優劣を表すものではない。以上に開示したものは、本願のいくつかの実施シーンに過ぎないが、本願はこれらに限定されず、当業者が想到し得た任意の変化は、いずれも本願の保護範囲に入るべきである。
【0069】
本願は、2022年09月09日に中国専利局に提出された、出願番号が202211098661.3である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定することと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることと、
前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することと、を含む、
電力設備の温度測定方法。
【請求項2】
前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることの後には、
前記測温情報に対応する深度を確定し、異なる深度に対応する距離修正係数を含む赤外線測温距離修正係数テーブルに基づいて前記測温情報を修正し、目標温度情報を得ることと、
前記目標温度情報及び前記目標温度情報に対応する深度に基づき、立体的な等温線図を描画することと、が更に含まれる、
請求項1に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項3】
前記した、前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることは、
プリセット連結対象識別距離に従い、前記プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定することと、
前記連結対象識別範囲内の連結対象画像を識別し、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることと、を含む、
請求項1に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項4】
前記した、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることの後には、
前記測温情報に基づき、前記連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別することと、
前記温度正常連結対象を前記目標画像から除去することと、が更に含まれる、
請求項3に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項5】
前記した、前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することは、
前記目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより、目標設備画像の識別を行うことと、
前記測温情報に基づき、前記赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別することと、
前記目標設備画像に前記温度異常領域が存在する場合、前記目標設備温度情報を出力することと、を含む、
請求項1に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項6】
前記した、前記目標設備温度情報を出力することは、
目標設備の履歴温度情報を読み取り、前記目標設備温度情報及び前記履歴温度情報に基づき、前記目標設備の温度変化傾向を確定することと、
目標設備情報、目標設備位置情報、前記目標設備温度情報、前記履歴温度情報及び前記温度変化傾向を含む赤外線診断異常テキスト記述情報を生成して表示することと、を含む、
請求項5に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項7】
前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影することの前には、
電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱することと、
前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ前記赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得ることと、
前記複数枚のキャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行うことと、
前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との間の温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整することと、が更に含まれる、
請求項6に記載の電力設備の温度測定方法。
【請求項8】
電力設備の赤外線画像を撮影し、視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得るように構成される赤外線双眼カメラヘッドと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定するように構成される距離演算モジュールと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得るように構成される画像分割モジュールと、
前記目標画像内の目標設備画像を識別するように構成される目標識別モジュールと、
前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力するように構成される画像理解モジュールと、を備える、
電力設備の温度測定装置。
【請求項9】
プロセッサにより実行されると、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力設備の温度測定方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、
記憶媒体。
【請求項10】
記憶媒体と、プロセッサと、前記記憶媒体に記憶されて前記プロセッサで運行可能なコンピュータプログラムとを備え、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力設備の温度測定方法を実現する、
コンピュータ機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱することと、
前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得ることと、
前記キャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行うことと、
前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整し、測温放射率は、初期値が0.9を採用し、0.02のステップサイズで調整し、同方向の調整過程で温度差値が5回連続して大きくなった場合、逆方向の調整を行い、最小の温度差値に対応する測温放射率を最適な測温放射率として取得することと、
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定することと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることと、
前記目標画像内のプリセット深度範囲内の目標設備を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することと、を含む、
ことを特徴とする電力設備の温度測定方法。
【請求項2】
前記した、赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影し、前記赤外線双眼カメラヘッドの視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得ることの後には、
前記測温情報に対応する深度を確定し、異なる深度に対応する距離修正係数を含む赤外線測温距離修正係数テーブルに基づいて前記測温情報を修正し、目標温度情報を得ることと、
前記目標温度情報及び前記目標温度情報に対応する深度に基づき、立体的な等温線図を描画することと、が更に含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記した、前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得ることは、
プリセット連結対象識別距離に従い、前記プリセット深度範囲に対応する連結対象識別範囲を確定することと、
前記連結対象識別範囲内の連結対象画像を識別し、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記した、前記連結対象画像及び前記深度情報に従って前記赤外線画像をカットし、前記連結対象画像及びプリセット深度範囲画像を含む目標画像を得ることの後には、
前記測温情報に基づき、前記連結対象画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間内にある温度正常連結対象を識別することと、
前記温度正常連結対象を前記目標画像から除去することと、が更に含まれる、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記した、前記目標画像内の目標設備画像を識別し、前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力することは、
前記目標画像の左眼赤外線ビュー又は右眼赤外線ビューにより、目標設備画像の識別を行うことと、
前記測温情報に基づき、前記赤外線画像内の、測温温度がプリセット正常温度区間外にある温度異常領域を識別することと、
前記目標設備画像に前記温度異常領域が存在すれば、目標設備温度情報を出力することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記した、目標設備温度情報を出力することは、
目標設備の履歴温度情報を読み取り、前記目標設備温度情報及び前記履歴温度情報に基づき、前記目標設備の温度変化傾向を確定することと、
目標設備情報、目標設備位置情報、前記目標設備温度情報、前記履歴温度情報及び前記温度変化傾向を含む赤外線診断異常テキスト記述情報を生成して表示することと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
赤外線双眼カメラヘッドで電力設備の赤外線画像を撮影する前に、電力設備の材料を採用して赤外線双眼キャリブレーションプレートを作製し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを加熱し、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを複数の異なる位置に設け、それぞれ赤外線双眼カメラヘッドで前記赤外線双眼キャリブレーションプレートを撮影して異なる位置に対応する複数枚のキャリブレーション画像を得て、前記赤外線双眼キャリブレーションプレートにおけるプリセット測温点に対して赤外線測温及び放射温度計測温を行い、前記プリセット測温点の赤外線測温温度及び放射温度計測温温度を得て、前記キャリブレーション画像に基づいて前記赤外線双眼カメラヘッドに対してパラメータキャリブレーションを行い、前記赤外線測温温度と前記放射温度計測温温度との温度差値を計算し、前記温度差値に従って前記赤外線双眼カメラヘッドの測温放射率を調整するために使用される放射率調整モジュールと、
電力設備の赤外線画像を撮影し、視野範囲内の領域に対して赤外線測温を行って測温情報を得るために使用される赤外線双眼カメラヘッドと、
前記赤外線画像に対して三角測量演算を行い、前記赤外線画像に対応する深度情報を確定するために使用される距離演算モジュールと、
前記深度情報に基づいて前記赤外線画像をカットし、プリセット深度範囲内の目標画像を得るために使用される画像分割モジュールと、
前記目標画像内のプリセット深度範囲内の目標設備画像を識別するために使用される目標識別モジュールと、
前記測温情報に基づいて目標設備温度情報を出力するために使用される画像理解モジュールと、を備える、
ことを特徴とする電力設備の温度測定装置。
【請求項8】
プロセッサにより実行されると、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力設備の温度測定方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、
ことを特徴とする記憶媒体。
【請求項9】
記憶媒体と、プロセッサと、記憶媒体に記憶されてプロセッサで運行可能なコンピュータプログラムとを備え、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力設備の温度測定方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ機器。
【国際調査報告】