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特表2024-538236駆動コアを有するウイング付き骨アンカのためのアンカ挿入システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】駆動コアを有するウイング付き骨アンカのためのアンカ挿入システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20241010BHJP
   A61B 17/04 20060101ALI20241010BHJP
   A61B 17/88 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/04
A61B17/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524595
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022048068
(87)【国際公開番号】W WO2023076500
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/272,970
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
【住所又は居所原語表記】5885 NE Cornelius Pass Road,Hillsboro,Oregon 97124 United States
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】ハーブスト,スティーブン エー.
(72)【発明者】
【氏名】エリントン,ジョン ケント
(72)【発明者】
【氏名】グリーンバーグ,ジェフリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ジョビン,チャールズ ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】リッター,ジェームズ シー.
(72)【発明者】
【氏名】サンティッチ,アン ニコール
(72)【発明者】
【氏名】ソマーズ,マーク ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェダム,ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】クラフ,ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】ホースト,スティーブン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ランピング,クリストファー スコット
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ケヴィン テー-キエット
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL56
4C160LL59
(57)【要約】
本開示は、骨アンカを搬送するためのカニューレの必要性を排除することによって、より小さい骨孔を可能にする新規且つ革新的な骨アンカ及び骨アンカ挿入システムを提供する。提供される骨アンカ及び挿入システムはまた、骨アンカ挿入処置で使用されるスーチャの損傷を防止するのに役立つ。骨アンカは、コア部分を取り囲む固定部分を含む。固定部分は、コア部分から外側に拡開されるように形状設定された複数のウイングを含むが、加えられる力に応じてコア部分に向かって又はコア部分から離れて曲げられてもよい。コア部分は、ヘッドから延びるロッドを有する。ロッドは、外科医がロッドにインサータを係合させて、骨アンカを、骨孔を通して駆動し得るような駆動機構を含む。骨孔の壁は、骨アンカを圧縮状態に維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド及びロッドを含むコア部分であって、該コア部分の少なくとも一部分が中空である、コア部分と、
複数のウイングを含み、前記ロッドの少なくとも一部分の周りに配置される、固定部分と、を含み、
前記複数のウイングが、静止位置において前記ロッドの中心軸から離れて湾曲し、前記ロッドの前記中心軸に向かって及び前記ロッドの前記中心軸から離れて曲がるように構成されている、
骨アンカ。
【請求項2】
前記固定部分が4つのウイングを含む、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項3】
前記固定部分が形状記憶材料で構築される、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項4】
前記形状記憶材料がニチノールである、請求項3に記載の骨アンカ。
【請求項5】
前記複数のウイングは、該複数のウイングが前記ロッドの前記中心軸に実質的に平行になるように、前記ロッドの前記中心軸に向かって曲がるように構成されている、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項6】
前記複数のウイングが前記ロッドの前記中心軸に実質的に平行であるときに、前記固定部分が前記ロッドの全長を取り囲む、請求項5に記載の骨アンカ。
【請求項7】
前記コア部分の前記中空部分が、前記ヘッドとは反対側の前記ロッドの端部におけるノッチである、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項8】
前記ロッドが、該ロッドの前記中心軸に垂直な中心軸を有する開口部を含む、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項9】
前記コア部分及び前記固定部分が別個の構成要素である、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項10】
前記コア部分及び前記固定部分が相互に圧入される、請求項9に記載の骨アンカ。
【請求項11】
前記コア部分及び前記固定部分が、単一の構成要素として一体的に形成される、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項12】
前記固定部分が基部をさらに含み、
前記複数のウイングが該基部から延在し、
該基部が前記ヘッドに接触する、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項13】
前記基部が該基部の第1の側で前記ヘッドに接触し、前記複数のウイングが前記基部の第2の側から延在し、
前記第1の側が前記第2の側の反対側である、請求項12に記載の骨アンカ。
【請求項14】
前記複数のウイングの各々が、前記ロッドの前記中心軸の周りに均等に分散される、請求項1に記載の骨アンカ。
【請求項15】
キーを有する挿入端部を含むインサータと、
スーチャ材料と、
骨アンカと、
を具備し、
該骨アンカが、
ヘッド及びロッドを有するコア部分であって、該ロッドが、該ロッドの中心軸に垂直な開口部、及び、該ロッドの前記中心軸に平行な駆動ノッチを含む、コア部分と、
複数のウイングを含み、前記ロッドの少なくとも一部分の周りに配置される、固定部分と、を含み、
前記複数のウイングが、静止位置において前記ロッドの中心軸から離れて湾曲し、前記ロッドの前記中心軸に向かって及び前記ロッドの中心軸から離れて曲がるように構成されており、
前記スーチャ材料が、前記ロッドの前記開口部を通して配置され、
前記インサータの前記キーは、前記インサータが骨管を通って前記骨アンカを駆動するように、前記ロッドの前記駆動ノッチ内に配置されるよう構成されている、
骨アンカ挿入システム。
【請求項16】
前記インサータ及び前記骨アンカは、該骨アンカがカニューレなしで前記インサータを介して骨管を通って駆動されるように構成されている、請求項15に記載の骨アンカ挿入システム。
【請求項17】
前記キー及び前記駆動ノッチは、該キーが前記駆動ノッチ内に配置されているときに前記インサータ及び前記骨アンカが相互に対して回転するのを防止されるように対応して構成されている、請求項15に記載の骨アンカ挿入システム。
【請求項18】
テーパ状の溝を備える挿入端部を有するインサータと、
スーチャ材料と、
骨アンカと、
を具備し、
該骨アンカが、
ヘッド及びロッドを含むコア部分であって、該コア部分の少なくとも一部分が中空である、コア部分と、
複数のウイングを含み、前記ロッドの少なくとも一部分の周りに配置される、固定部分と、を含み、
前記複数のウイングが、静止位置において前記ロッドの中心軸から離れて湾曲し、該ロッドの前記中心軸に向かって及び該ロッドの中心軸から離れて曲がるように構成されており、
前記インサータの挿入端部は、前記骨アンカが前記インサータを介して骨管を通って駆動されるように前記ロッド内に配置されるよう構成されており、
前記スーチャ材料が、前記ロッドを通して前記テーパ状の溝内に配置されている、
骨アンカ挿入システム。
【請求項19】
前記ヘッドが、バーによって接合された2つの別個の構成要素を含む、請求項18に記載の骨アンカ挿入システム。
【請求項20】
前記ロッドは、前記骨アンカが前記インサータを介して前記骨管を通って駆動される際に、前記スーチャ材料を前記複数のウイング内に維持するように構成されている、請求項18に記載の骨アンカ挿入システム。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年10月28日に出願された米国仮特許出願第63/272,970号の優先権を主張し、この米国仮特許出願の内容全体が、参照によって本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0002】
骨アンカは、組織を骨に再付着させるための切開手術及び低侵襲手術において広く使用されている。骨アンカは骨に固定され、骨アンカに取り付けられた1つ以上のスーチャは、組織を骨に固定するために使用される。組織は、身体の任意の場所の軟組織、例えば、肩の断裂した肩回旋腱板又は断裂した靭帯であり得る。典型的には、骨に組織を再付着させるための第1のステップにおいて、関節鏡視下で骨に孔が穿孔される。骨アンカは、孔を通して挿入されてもよく、骨内に展開すると骨内の孔内にそれ自体をロックするように構成されてもよい。骨アンカが骨の孔内に固定されると、骨アンカに取り付けられたスーチャの一端又は両端に張力をかけて、骨に対する組織のおおよその位置決めをしてもよい。組織が所望のように配置されると、スーチャは、スーチャの張力を維持するために定位置にロックされてもよい。スーチャの1つ以上の自由端部は、処置を完了するために関節鏡視下でクリップ留めされてもよい。
【0003】
骨アンカを挿入するときに穿孔される骨孔サイズを、患者の回復時間と相関させることができる。したがって、患者の回復時間を短縮するためには、固定の必要性を達成することを可能にする最小の骨孔が望ましい。したがって、骨アンカは、設置されると十分な引き抜き強度を依然として提供しつつ、可能な限り小さい骨孔を通して挿入することができることが好ましい。
【0004】
そのような骨アンカ特性を提供する1つの方法は、形状記憶材料で構築されたウイングを有する骨アンカである。骨アンカは、ウイングが外側に拡開された拡張状態で形状設定されてもよいが、ウイングが骨孔を通って並進する際に内側に曲げられてより小さいサイズに圧縮されてもよい。骨アンカがより柔らかい骨(例えば、海綿状骨)に到達すると、骨アンカはその拡張状態に戻る。その拡張状態では、ウイングが骨孔よりも広く外側に拡開されているため、骨アンカは骨孔(例えば、皮質骨)を通って後方に並進することができない。
【0005】
しかしながら、典型的な形状記憶材料の骨アンカは、カニューレを有するインサータを使用して骨孔を通して挿入されなければならず、そうでなければインサータと共に使用される駆動機構を有していなくてもよい。カニューレを有するインサータの場合、骨アンカは、カニューレが骨孔を通って並進する際に骨アンカを圧縮状態に維持するように、カニューレ内に配置される。次いで、骨への所望の深さに達すると、骨アンカをカニューレからその拡張状態に展開することができる。しかしながら、カニューレが骨アンカを取り囲むため、骨アンカが単独で骨孔に挿入される場合よりもカニューレは大きな骨孔を必要とする。より大きな骨孔は、患者の回復時間の増加につながる場合がある。
【0006】
さらに、スーチャを骨アンカの形状記憶材料のウイングから離しておくことが望ましい。例えば、ウイングは、スーチャを切断又はほつれさせることによってスーチャを損傷する可能性がある。しかしながら、形状記憶材料のウイングを有する典型的な骨アンカは、そのウイングから離れてスーチャを維持するように構築されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、上記の欠点を解決する形状記憶材料ウイングを有する骨アンカが必要とされている。
【0008】
本開示は、インサータと係合し得る骨アンカの駆動機構に部分的に起因して、より小さい骨孔を可能にする新規且つ革新的な骨アンカ及び骨アンカ挿入システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
例示的な骨アンカは、ヘッド及びロッドを含むコア部分であって、コア部分の少なくとも一部分は中空である、コア部分と、複数のウイングを含み、ロッドの少なくとも一部分の周りに配置される固定部分と、を含む。複数のウイングは、静止位置においてロッドの中心軸から離れて湾曲し、ロッドの中心軸に向かって及びロッドの中心軸から離れて曲がるように構成されている。
【0010】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、固定部分は4つのウイングを含む。
【0011】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、固定部分は形状記憶材料で構築される。
【0012】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、形状記憶材料はニチノールである。
【0013】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、複数のウイングは、複数のウイングがロッドの中心軸に実質的に平行になるように、ロッドの中心軸に向かって曲がるように構成されている。
【0014】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、複数のウイングがロッドの中心軸に実質的に平行であるときに、固定部分はロッドの全長を取り囲む。
【0015】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、コア部分の中空部分は、ヘッドとは反対側のロッドの端部のノッチである。
【0016】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、ロッドは、ロッドの中心軸に垂直な中心軸を有する開口部を含む。
【0017】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、コア部分及び固定部分は別個の構成要素である。
【0018】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、コア部分及び固定部分は相互に圧入される。
【0019】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、コア部分及び固定部分は、単一の構成要素として一体的に形成される。
【0020】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、固定部分は、基部であって、複数のウイングが該基部から延在する、基部をさらに含み、基部はヘッドに接触する。
【0021】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、基部は基部の第1の側でヘッドに接触し、複数のウイングは基部の第2の側から延在し、第1の側は第2の側の反対側である。
【0022】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、複数のウイングの各々は、ロッドの中心軸の周りに均等に分散される。
【0023】
幾つかの例では、例示的な骨アンカ挿入システムは、キーを有する挿入端部を含むインサータと、スーチャ材料と、ヘッド及びロッドを有するコア部分であって、ロッドは、ロッドの中心軸に垂直な開口部と、ロッドの中心軸に平行な駆動ノッチとを含む、コア部分と、複数のウイングを含む固定部分であって、ロッドの少なくとも一部分の周りに配置される固定部分と、を含む骨アンカとを含む。複数のウイングは、静止位置においてロッドの中心軸から離れて湾曲し、ロッドの中心軸に向かって及びロッドの中心軸から離れて曲がるように構成されている。スーチャ材料は、ロッドの開口部を通して配置される。インサータのキーは、インサータが骨管を通って骨アンカを駆動するように、ロッドの駆動ノッチ内に配置されるように構成されている。
【0024】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、インサータ及び骨アンカは、骨アンカがカニューレなしでインサータを介して骨管を通って駆動されるように構成されている。
【0025】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、キー及び駆動ノッチは、キーが駆動ノッチ内に配置されているときに、インサータ及び骨アンカが相互に対して回転するのを防止されるように対応して構成されている。
【0026】
幾つかの例では、例示的な骨アンカ挿入システムは、テーパ状の溝を有する挿入端部を有するインサータと、スーチャ材料と、ヘッド及びロッドを含むコア部分であって、コア部分の少なくとも一部分は中空である、コア部分と、複数のウイングを含み、ロッドの少なくとも一部分の周りに配置される固定部分と、を含む骨アンカとを含む。複数のウイングは、静止位置においてロッドの中心軸から離れて湾曲し、ロッドの中心軸に向かって及びロッドの中心軸から離れて曲がるように構成されている。インサータの挿入端部は、骨アンカがインサータを介して骨管を通って駆動されるように、ロッド内に配置されるように構成されている。スーチャ材料は、ロッドを通してテーパ状の溝内に配置される。
【0027】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、ヘッドは、バーによって接合された2つの別個の構成要素を含む。
【0028】
特に明記しない限り本明細書に列挙された任意の他の態様と組み合わせてもよい本開示の一態様では、ロッドは、骨アンカがインサータを介して骨管を通って駆動される際に、スーチャ材料を複数のウイング内に維持するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示の一態様による、中空コア部分を有する骨アンカの斜視図である。
図2】本開示の一態様による固定部分の斜視図である。
図3A】本開示の一態様によるコア部分の斜視図である。
図3B】本開示の一態様による、バーを備えたヘッドを有するコア部分の斜視図である。
図4】本開示の一態様による、中空コア部分とテーパ状の溝を有するインサータとを有する骨アンカ挿入システムの一部分を示す。
図5】本開示の一態様による、駆動ノッチを備えるコア部分とキーを有するインサータとを備える骨アンカ挿入システムの一部分を示す。
図6】本開示の一態様による、骨アンカ挿入システムの斜視図である。
図7A】本開示の一態様による、骨アンカ挿入システムを用いて骨アンカを挿入するための方法の斜視図である。
図7B】本開示の一態様による、骨アンカ挿入システムを用いて骨アンカを挿入するための方法の斜視図である。
図7C】本開示の一態様による、骨アンカ挿入システムを用いて骨アンカを挿入するための方法の斜視図である。
図8】本開示の一態様による、縮小部を有する基部を含む固定部分の斜視図である。
図9】本開示の一態様による、図8の固定部分の側面図である。
図10】本開示の一態様による、図9の固定部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、インサータと係合し得る駆動機構を有する骨アンカを提供することによって、より小さい骨孔を可能にする新規且つ革新的な骨アンカ及び骨アンカ挿入システムを提供する。提供される骨アンカ及び挿入システムはまた、骨アンカ挿入処置で使用されるスーチャの損傷を防止するのに役立つ。本開示の骨アンカは、コア部分と、コア部分を取り囲む固定部分とを含む。固定部分は、複数のウイングを含む。ウイングは、静止時にコア部分から外側に湾曲又は拡開されるが、加えられる力に応じてコア部分に向かって又はコア部分から離れて曲げられてもよい。例えば、骨アンカが、拡開されたウイングの外周よりも狭い骨孔内に駆動されると、骨孔の壁は、拡開されたウイングをコア部分に向かって圧縮状態に曲げて骨孔内に適合させる。力がウイングを圧縮状態に維持するのに不十分になると(例えば、より柔らかい骨)、ウイングはそれらの初期の拡開された外側の状態に戻る。
【0031】
コア部分は、ヘッドから延びるロッドを有する。固定部分は、コア部分のロッドの周りに配置される。ロッドは、ウイングがロッドの中心軸の周りに分散されるように、複数のウイングの間に延在する。コア部分のロッドは、挿入器具(例えば、インサータ)を備えた駆動機構として使用し得るように構成されている。別の言い方をすれば、外科医は、骨孔を通して骨アンカを駆動するためにインサータをロッドと係合させてもよい。骨アンカを搬送するためにカニューレは必要ではない。さらに、骨アンカを圧縮状態に維持するためにカニューレは必要ではない。むしろ、外科医が骨孔を介して骨アンカを駆動する間、骨アンカは骨孔自体によって圧縮状態に維持される。したがって、骨アンカを展開するためのカニューレを備えるインサータの必要性を排除することによって、より小さい骨孔を穿孔することができ、これは患者の回復時間の減少に寄与するのに役立ち得る。
【0032】
幾つかの例では、コア部分は、ヘッドの反対側の端部にノッチを含んでよい。ノッチの形状は、インサータの先端部がノッチ内に配置され得るように、先端部の形状と一致する。これにより、骨アンカが最初にインサータを介してヘッドに駆動されることが可能になる。ノッチは、インサータに対する回転を防止するために少なくとも1つの平坦な側を有してもよい。そのようなノッチの例では、コア部分は、その中心軸に垂直な開口部を含んでもよい。スーチャは、開口部を通して配置されてもよい。スーチャは、骨アンカを搬送している間、インサータに固定されてもよく、これによって骨アンカをインサータに結合する。開口部は、スーチャが可能な限りウイングに接触するのを防止するために、(例えば、できるだけ近くで)ノッチ端部付近のロッド上に配置されてもよい。この構成は、ウイングによる潜在的な損傷からスーチャを保護するのに役立ち得る。
【0033】
他の例では、ノッチの代わりに、少なくともコア部分のロッドは、その全長に沿って中空であってもよい。コア部分のヘッドは、中空であってもよく、及び/又は、スーチャ固定構造を含んでもよい。インサータの先端部は、ヘッドとは反対側のロッドの端部内に配置されてもよい。これにより、骨アンカが最初にインサータを介してヘッドに駆動されることが可能になる。そのような例では、スーチャは、コア部分のヘッド(例えば、コアのヘッドのノット又は他の構造体)に固定され、ロッドを通して配置されてもよい。スーチャは、骨アンカを搬送している間、インサータに固定されてもよく、これによって骨アンカをインサータに結合する。ロッドを介してスーチャを配置することは、スーチャをウイングから離して維持するのに役立ち、したがって、スーチャをウイングによる潜在的な損傷から保護するのに役立つ。さらに、そのような例では、インサータの先端部は、スーチャがロッドから出ることを可能にしながら、先端部をロッド内に挿入することを可能にするテーパ状の溝を有してもよい。
【0034】
図1図2及び図3Aは、例示的な骨アンカ100の固定部分110及びコア部分120の斜視図を示す。骨アンカ100は、固定部分110と、コア部分120とを有する。固定部分110は、コア部分120の周囲に位置する。図示の例のような様々な場合では、固定部分110及びコア部分120は別個の構成要素である。固定部分110は、コア部分120に圧入(例えば、図8図10)又はレーザ溶接されてもよい。他の場合では、固定部分110及びコア部分120は、単一の構成要素として機械加工されてもよい。
【0035】
固定部分110は、基部114から延在するウイング112A、112B、112C、112Dを含む。基部114は、コア部分120のヘッド124に接触している。ウイング112A、112B、112C、112Dは、コア部分120のロッド122の中心軸102の周りに分散される。幾つかの態様では、ウイング112A、112B、112C、112Dは、中心軸102の周りに均等に分散されてもよい。場合によっては、固定部分110は、図示のように4つのウイング112A、112B、112C、112Dを含んでもよい。他の例では、固定部分110は、4つより多い又は少ない(例えば、2、3、5、6つの)ウイング112A、112B、112C、112Dを含んでもよい。
【0036】
固定部分110は、本明細書に記載のウイング112A、112B、112C、112Dの可撓性を可能にする任意の適切な医療グレードの材料で構築されてもよい。例えば、ウイング112A、112B、112C、112D又は固定部分110全体は、ニチノールなどの形状記憶材料で構築されてもよい。そのような場合、ウイング112A、112B、112C、112Dは、中心軸102から離れて拡開するか又は湾曲するように形状設定されてもよい。
【0037】
図示のように、ウイング112A、112B、112C、112Dは、静止している間、中心軸102から離れて拡開するか又は湾曲する。ウイング112A、112B、112C、112Dは可撓性であり、加えられる力に応じて中心軸102に向かって及び中心軸102から離れて曲がり得る。例えば、ウイング112A、112B、112C、112Dは、骨アンカ100が骨孔に駆動されるときにウイング112A、112B、112C、112Dが中心軸102と実質的に平行になるように、中心軸102に向かって曲がり得る。ウイング112A、112B、112C、112Dが中心軸102に実質的に平行であるとき、ウイング112A、112B、112C、112Dは、ロッド120の端部を越えて延在してもよい。他の例では、ウイング112A、112B、112C、112Dは、それらがロッド120の端部で終端するか又はその端部の前にロッド120に沿って終端するように短くてもよい。ウイング112A、112B、112C、112Dはまた、加えられる力に応じて中心軸102から離れて曲がり、中心軸102から離れてさらに拡開してもよい。いずれの場合も、加えられる力が取り除かれると、ウイング112A、112B、112C、112Dは図示の例示的な静止位置に戻る。ウイング112A、112B、112C、112Dは、他の例では、静止位置において中心軸102からより多く又はより少ない程度で拡開されてもよい。
【0038】
本開示の幾つかの態様では、ウイング112A、112B、112C、112Dの各々は、他のウイング112A、112B、112C、112Dと同じように構成されている。そのような態様では、ウイング112A、112B、112C、112Dの各々は、同じ形状、等しい長さを有し、同じ程度だけ中心軸102から離れて拡開され、且つ、中心軸102に向かって又は中心軸102から離れて曲げるために同じ量の加えられる力を必要とする。
【0039】
本開示の他の態様では、ウイング112A、112B、112C、112Dのうちの1つ又は複数は、他のウイング112A、112B、112C、112Dと異なっていてもよい。例えば、1つ又は複数のウイング112A、112B、112C、112Dは、異なる長さを有してもよい。別の例では、1つ又は複数のウイング112A、112B、112C、112Dは、異なる形状であってもよい。別の例では、1つ又は複数のウイング112A、112B、112C、112Dは、中心軸102からより多い又はより少ない程度で拡開されてもよい。別の例では、1つ又は複数のウイング112A、112B、112C、112Dは、1つ又は複数のより強度のあるウイング112A、112B、112C、112Dを中心軸102に向かって又は中心軸102から離れて曲げるために、より大きい加えられる力が必要とされるように、他のウイングよりも強度があってもよい。別の例では、1つ又は複数のウイング112A、112B、112C、112Dは、1つ又は複数のより強度のあるウイング112A、112B、112C、112Dを中心軸102に向かって又は中心軸102から離れて曲げるために、より小さい加えられる力が必要とされるように、他のウイングより強度がなくてもよい。例えば、特定のウイング112A、112B、112C、112Dの幅は、幅が広いほど強度が増すように、その強度に寄与する。
【0040】
1つ又は複数の異なるウイング112A、112B、112C、112Dは、骨アンカ100に不等又は非対称の力を骨に加えさせてもよい。多くの骨の表面は平坦ではないため、不均等又は非対称の力は、対称的な力を加える骨アンカと比較して、骨アンカ100が不均一な表面により良好に適合することを可能にする場合があるため、特定の場合に有益であり得る。
【0041】
幾つかの態様では、上述したように、固定部分110及びコア部分120は、相互に圧入されてもよい。図8図10は、固定部分110をコア部分120に圧入するために使用される縮小部802が形成された基部114を有する例示的な固定部分110を示す。図10の断面図に示すように、縮小部802における基部114の内部の幅Wは、縮小部802の外側における基部114の内部の幅Yよりも小さい。このようにして、基部114は、ロッド122が固定部分110を通して配置されるときに、縮小部802でコア部分120のロッド122に対して押圧し、それによって固定部分110とコア部分120とを一緒に圧入してもよい。一例では、固定部分110を熱処理及び/又は圧着して縮小部802を形成してもよい。場合によっては、コア部分120のロッド122は、固定部分110を熱処理及び/又は圧着するときに、固定部分110を通して配置されてもよい。他の例では、固定部分110を通してロッド122を位置決めする前に、固定部分110を熱処理及び/又は圧着してもよい。
【0042】
例示的な骨アンカ100のコア部分120は、ロッド122及びヘッド124を含む。ロッド122及びヘッド124は、相互に一体に形成されてもよく、又は、接続された別個の構成要素であってもよい。コア部分120は、チタン、ステンレス鋼又は医療グレードのプラスチック(例えば、ポリエーテルエーテルケトン)などの任意の適切な医療グレードの材料で構築されてもよい。
【0043】
コア部分120の少なくとも一部分は中空である。図1図4に示す態様などの幾つかの態様では、コア部分120は、ロッド122の一端に開口するチャネル126を含む。チャネル126は、ロッド122の長さを延長する。幾つかの例では、チャネル126は、ヘッド124の最も外側の端部で開口するように、ヘッド124を貫通して延在する。そのような場合、スーチャは、コア部分120のチャネル126を通して配置され、ヘッド124の外側のコア部分120に固定されて(例えば、結ばれて)もよい。
【0044】
他の例では、チャネル126は、ヘッド124の異なる開口部に接続する。そのような他の例では、ヘッド124は、ヘッド124内のコア部分120にスーチャを固定するように構成されてもよい。例えば、図3Bは、第1のヘッド部304Aと第2のヘッド部304Bとに分割されたヘッドを有するコア部分300の一例を示す。チャネル126を有するロッド122は、第1のヘッド部304A及び第2のヘッド部304Bから延在する。バー306は、第1のヘッド部304Aと第2のヘッド部304Bとを接続している。チャネル126を通して配置されるスーチャは、スーチャをコア部分300に固定するために、バー306の周りに配置され、チャネル126を通して戻すことができる。
【0045】
コア部分120のチャネル126は、インサータに関連する駆動機構として機能し得る。図4は、例示的な骨アンカ100のインサータ402及びコア部分120を含む例示的な骨アンカ挿入システム400の一部を示す。固定部分110は、単に例示を目的としてコア部分120の周りには示されていないことを理解されたい。インサータ402は、挿入先端部404を含む。インサータ402はまた、シャフト(図示せず)及びハンドル(図示せず)を含んでもよい。挿入先端部404は、骨アンカ120のチャネル126内に挿入され得るように構成されている。挿入先端部404は、その端部が最も狭い部分であるテーパ状であってもよく、その結果、挿入先端部404は、チャネル126内に特定の量(例えば、端部がヘッド124に到達しない量)だけ配置されてもよい。挿入先端部404はまた、テーパ状の溝406を含んでもよい。テーパ状の溝406は、挿入先端部404がチャネル126内に挿入されている間にスーチャがチャネル126から出ることを可能にする。挿入先端部404がチャネル126内に配置されるときに、テーパ状の溝406の少なくとも一部分は、スーチャがチャネル126から出てもよいようにチャネル126の外側に留まる。
【0046】
挿入先端部404がチャネル126内に挿入されるとき、スーチャは、インサータ402に固定されてもよく、これによって骨アンカ120をインサータ402に結合する。外科医は、インサータ402を介して骨孔を通して結合された骨アンカ120を駆動してもよい。外科医は、インサータ402からスーチャを展開し、インサータ402を骨アンカ120から切り離すために挿入先端部404をチャネル126から取り外してもよい。さらに、スーチャがロッド122内に配置されているため、コア部分120のロッド122は、ウイング(図示せず)による偶発的な損傷からスーチャを保護するのに役立つ。
【0047】
本開示の幾つかの態様では、コア部分の中空部は、チャネルの代わりにノッチであってもよい。例えば、図5は、ノッチ516を有するコア部分510を有する骨アンカ挿入システム500の一部を示す。固定部分(例えば、固定部分110)は、単に例示を目的としてコア部分510の周りには示されていないことを理解されたい。骨アンカ挿入システム500はまた、スーチャ(図示せず)を含んでもよい。この例では、コア部分510は、ヘッド124から延びるロッド122を含む。ノッチ516は、図示のようにロッド122の端部内に延在する材料がない。コア部分510は、ロッド122を通る開口部518を含んでもよい。ノッチ516は、様々な場合に開口部518に到達する前に終了してもよい。例示的なコア部分510にチャネルがないため、スーチャをコア部分510に固定するために、スーチャが代わりに開口部518を通して配置されてもよい。
【0048】
骨アンカ挿入システム500はまた、例示的なインサータ520を含む。インサータ520は、挿入端部にキー522を有する。インサータ520はまた、シャフト524を含み、ハンドル(図示せず)を含んでもよい。ノッチ516は、インサータ520と共に使用するための駆動機構として機能する。キー522及びノッチ516は、キー522がノッチ516内に挿入され得るように相互に対応するように構成されている。場合によっては、キー522及びノッチ516は、インサータ520に対するコア部分510の回転又はその逆の回転を防止するために、少なくとも1つの対応する平坦な側を含んでもよい。
【0049】
図6は、コア部分510を取り囲む固定部分110を含む骨アンカ602を示す骨アンカ挿入システム500の斜視図を示す。骨アンカシステム500のスーチャ606も示されている。インサータ520は、キー522がノッチ516内に配置されるように骨アンカ602と係合して示されている。この位置では、開口部518を通して配置されるスーチャ606は、インサータ520に固定されてもよく、これによって骨アンカ602をインサータ520に結合する。例示的な骨アンカ挿入システム500では、スーチャ606はロッド122内に配置されない。それにもかかわらず、開口部518は、スーチャ606をウイング112A、112B、112C、112Dから離して維持するのを助けるために、インサータ520に最も近いロッド122の端部の近くに配置されてもよい。この構成は、ウイング112A、112B、112C、112Dがスーチャ606を誤って損傷するのを防止するのに役立つ。
【0050】
図示のように、キー522がノッチ516内に挿入され、スーチャ606が骨アンカ602をインサータ520に結合するとき、外科医は、インサータ520を介して骨孔を通して結合された骨アンカ602を駆動してもよい。外科医はその後、インサータ520からスーチャ606を展開し、インサータ520を骨アンカ602から離して並進させて、インサータ520を骨アンカ602から切り離してもよい。
【0051】
図7A図7Cは、インサータ520を使用して骨孔702を通して骨アンカ602を挿入するための例示的なプロセスの斜視図を示す。図7Aの例示的なプロセス700は、外科医が骨孔702を通して骨アンカ602を矢印704の方向に駆動する際の、骨アンカ602に結合されたインサータ520を示す。骨孔702は、骨アンカ602の長さよりも長い長さまで皮質骨に穿孔することによって形成してもよい。明確にするためにのみ、骨孔702の壁と骨アンカ602との間に間隙が示されている。外科医が骨アンカ602を骨孔702内へと骨孔を通して駆動する際に、骨アンカ602の外面が骨孔702の壁に接触し、これにより、図示のように固定部分110のウイング112A~112Dが中心軸706に向かって折り畳まれるか又は屈曲する。皮質骨の硬度は、固定部分110のウイング112A~112Dをこの折り畳まれた状態又は圧縮状態に維持する対向力をもたらすのに十分である。
【0052】
外科医が骨アンカ602を海綿状骨などのより柔らかい骨内に駆動するも、海綿状骨の硬度はそのような対抗力をもたらすには不十分である。したがって、固定部分110のウイング112A~112Dは、図7Bの例示的なプロセス710に示すように、中心軸706から離れて海綿状骨内に拡開し、それらの静止している位置に戻る。場合によっては、外科医が、固定部分110のウイング112A~112Dがそれらの静止している位置に戻っていることを検出すると、外科医は、インサータ520からスーチャ606を展開してもよい。次いで、外科医は、インサータ520を骨孔702から並進させることによって、インサータ520を骨アンカ602から切り離してもよい。
【0053】
イナータ520が取り外されると、外科医は、図7Cの例示的なプロセス720に示すように、スーチャ606を矢印722の方向に張力をかけてもよい。外科医が図7Bに示す位置決めから矢印722の方向にスーチャ606に張力をかけると、スーチャ606は骨アンカ602を矢印722の方向に引く。しかしながら、固定部分110のウイング112A~112Dは、皮質骨によって矢印722の方向に並進することが防止される。代わりに、皮質骨により、固定部分110のウイング112A~112Dは中心軸706からさらに離れて拡開するか又は曲がる。固定部分110のウイング112A~112Dが、外科医が望むある程度の引き抜き強度を提供するのに十分な程度、拡開するか又は屈曲すると、外科医はスーチャ606を定位置にロックしてもよい。次いで、外科医は、スーチャ606の自由端部をクリップし、処置を完了してもよい。
【0054】
他の例では、外科医は、骨アンカ602を位置決めして、インサータ520からスーチャ606を展開する前に、固定部分110のウイング112A~112Dを外側に拡開させてもよい。そのような他の例では、インサータ520は、スーチャ606を展開する前に骨アンカ602に結合されたままであるため、インサータ520を矢印722の方向に並進させることは、上述したようにスーチャ606に対して矢印722の方向に張力をかけることと同じ効果を有する。骨アンカ602が外科医の好みの位置に配置されると、外科医は、スーチャ606の張力を維持しながらスーチャ606を展開してもよい。次いで、外科医は、スーチャ606を定位置にロックし、その自由端部をクリップしてもよい。
【0055】
したがって、本開示の骨アンカ挿入システムは、骨アンカを搬送するためのカニューレの必要性を排除することによって、典型的な骨アンカ挿入システムと比較してより小さい骨孔を可能にする。カニューレではなく、本開示の骨アンカ挿入システムは、骨アンカを折り畳まれた状態又は圧縮状態(例えば、図7A)に維持する骨孔を通して骨アンカを駆動するために、外科医が骨アンカにインサータを係合させることを可能にする駆動機構を備える骨アンカを含む。提供される骨アンカはまた、スーチャへの偶発的な損傷を防止するのに役立つように構成されている。
【0056】
本開示において、「含む(including)」及び「含む(comprising)」という用語は、非限定的に使用され、したがって「・・・を含むが、これに限定されない」を意味すると解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「約(about)」、「およそ(approximately)」及び「実質的に(substantially)」は、数値範囲内の数、例えば、参照された数字の-10%~+10%、好ましくは参照された数字の-5%~+5%、より好ましくは参照された数字の-1%~+1%、最も好ましくは参照された数字の-0.1%~+0.1%の範囲を指すと理解される。さらに、これらの数値範囲は、その範囲内の任意の数又は数のサブセットを対象とする請求項に対するサポートを提供すると解釈されるべきである。例えば、1~10の開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートすると解釈されるべきである。
【0057】
本明細書全体を通して、「様々な態様」、「幾つかの態様」、「幾つかの例」、「他の例」又は「1つの態様」への言及は、その態様に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の箇所における「様々な態様では」、「幾つかの態様では」、「特定の実施形態では」、「幾つかの例では」、「他の例では」、「特定の他の実施形態では」又は「一態様では」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ態様を指しているわけではない。さらに、一例に関連して図示又は説明された特定の特徴、構造又は特性は、限定されることなく、全体的又は部分的に、1つ又は複数の他の態様の特徴、構造又は特性と組み合わせてもよい。
【0058】
明細書の図及び説明の少なくとも一部は、本開示の明確な理解に関連する要素を示すために簡略化されており、明確にするために、他の要素を排除していることを理解されたい。しかしながら、当業者は、これら及び他の要素が望ましい場合があることを認識するであろう。しかしながら、そのような要素は当技術分野で周知であり、本開示のより良い理解を容易にしないため、そのような要素の説明は本明細書では提供されない場合がある。
【0059】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを意図しており、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に明記しない限り、複数形も含むことが意図される。「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。本明細書で使用される場合、「X又はYの少なくとも1つ」又は「X及びYの少なくとも1つ」という用語は、X、Y、又は、X及びYとして解釈されるべきである。
【0060】
さらに詳述することなく、当業者は、特許請求される発明を最大限に利用するために前述の説明を使用することができると考えられる。本明細書に開示された例及び態様は、単なる例示として解釈されるべきであり、決して本開示の範囲を限定するものではない。説明した基本原理から逸脱することなく、上述の例の詳細に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。換言すれば、上記の説明で具体的に開示された例の様々な修正及び改善は、添付の特許請求の範囲内にある。例えば、記載された様々な例の特徴の任意の適切な組合せが企図される。

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
【国際調査報告】