IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーストマン ケミカル カンパニーの特許一覧

特表2024-538241ポリ(エチレンテレフタレート)をリサイクルするための低温プロセス
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ポリ(エチレンテレフタレート)をリサイクルするための低温プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/03 20060101AFI20241010BHJP
   C07C 69/82 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 31/02 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 23/04 20060101ALI20241010BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
C07C67/03
C07C69/82 A
B01J31/02 101Z
B01J23/04 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524619
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 US2022047637
(87)【国際公開番号】W WO2023076200
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/262,976
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】ボアズ,ニール・ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】ステープルトン,ジェニファー・ロイド
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169BA27B
4G169BB04B
4G169BB16B
4G169BC02B
4G169BC03B
4G169BE06B
4G169CB35
4G169DA02
4H006AA02
4H006AC48
4H006BA02
4H006BA29
4H006BA32
4H006BA45
4H006BC10
4H006BC19
4H006BD33
4H006BJ50
4H006KA03
4H006KC30
4H039CA66
4H039CL60
(57)【要約】
ジグリコールテレフタレートをジアルキルテレフタレートに転化するための方法、具体的にはビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートをジメチルテレフタレートに低温で転化するための方法が提供される。本方法は、最初の期間に対する0℃~70℃の第1の温度でのメタノールとビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートの最初の触媒エステル交換反応、続く30℃以下での第2段階の反応を含む。特に、本方法はかなりの量のグリコールおよび水を許容するので、前駆体であるビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートは、必ずしも高度に純粋であるまたは乾燥している必要はない。反応混合物の濾過によって十分に純度の高いジメチルテレフタレートを高収率で回収することが可能になるので、多くの場合、ポリエステルの製造に再利用するためのさらなる精製は不必要である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
~Cジアルキルテレフタレートを調製するための方法であって、
(a)ジ-C~Cグリコールテレフタレートまたはジ-(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートとC~Cアルコールとを合わせて反応混合物を形成するステップ;
(b)反応混合物を約35~約75℃の温度に加熱し、エステル交換反応触媒を添加し、その温度を第1の期間維持するステップ;
(c)ステップ(b)の反応混合物を第2の期間にわたって約20~約35℃の最終温度に冷却するステップ;
(d)ステップ(c)の最終温度を第3の期間維持してC~Cジアルキルテレフタレートのスラリーを形成するステップ;および
(e)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(d)のスラリーから単離するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
~Cアルコールがメタノール、エタノール、n-プロパノール、またはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エステル交換反応触媒が金属アルコキシドもしくは金属水酸化物またはそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
エステル交換反応触媒が、リチウム、ナトリウム、およびカリウムから選択される金属の水酸化物またはC~Cアルコキシドから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)の反応温度が約50℃~65℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)の第1の期間が約10~20分である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(c)の第2の期間が約15~45分である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(d)の第3の期間が約0~45分である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
単離するステップ(e)が、真空濾過、遠心分離、または圧力濾過から選択される操作である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ジ-C~Cグリコールテレフタレートが、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(ヒドロキシプロピル)テレフタレート、またはビス(ヒドロキシブチル)テレフタレートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
~Cジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
~Cアルコールおよび/または副生成物のうちの1つ以上を生成物混合物から単離するステップであって、C~Cアルコールがメタノールであり、副生成物がエチレングリコールであるステップ(f)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
~Cジアルキルテレフタレートを調製するための方法であって、
(a)ジ-C~Cグリコールテレフタレートまたはジ-(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートとC~Cアルコールとを約35℃未満の反応温度で合わせるステップ;
(b)エステル交換反応触媒を添加し、その反応温度をある反応期間維持して生成物混合物を形成するステップ;および
(c)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(b)の生成物混合物から単離するステップ
を含む、方法。
【請求項14】
~Cアルコールがメタノール、エタノール、n-プロパノール、またはそれらの混合物から選択され、ジ-C~Cグリコールテレフタレートがビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
エステル交換反応触媒が金属アルコキシドもしくは金属水酸化物またはそれらの混合物であり、前記金属がリチウム、ナトリウム、およびカリウムから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
エステル交換反応触媒が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの混合物から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
~Cジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレートである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
~Cアルコールおよび/または副生成物のうちの1つ以上を生成物混合物から単離するステップであって、C~Cアルコールがメタノールであり、副生成物がエチレングリコールであるステップ(d)をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)のリサイクルの分野に関する。特に、本発明は、低温および大気圧でのジグリコールテレフタレートのジアルキルテレフタレートへの触媒エステル交換反応に関する。より詳細には、本発明は、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートのジメチルテレフタレートへの塩基触媒エステル交換反応に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]プラスチックのリサイクルは、社会が直面する重要な問題となっている。PETは、ポリエステルの一種であり、最も広くリサイクルされるプラスチックのうちの1つである。そのリサイクルの大半は本質的に機械的なものであり、それにおいて、ポリエステルは、他のプラスチックから物理的に分離され、洗浄され、リサイクルPET(r-PET)に再加工される。機械的リサイクルは、昇温の度にPETの多少の劣化が生じるために、有用性に限界がある。機械的リサイクルの代替法はケミカルリサイクルであり、それにおいて、ポリエステルは構成モノマーに化学的に分解される。これによって、これらのモノマーを精製し、その後PETまたは他のポリエステルに再重合して、バージン材料と同一のポリマーを得ることが可能になる。
【0003】
[0003]ケミカルリサイクルは、使用される解重合剤によって分類することができる。例えば、解重合剤として、水、メタノール、およびエチレングリコールを挙げることができる。解重合反応物が水ならば、生成物はテレフタル酸およびエチレングリコールである。それがメタノールならば、生成物はジメチルテレフタレートおよびエチレングリコールである。それがエチレングリコールならば、生成物は、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)またはそのオリゴマーである(どれほどエチレングリコールが使用されたかに依存する)。ポリエステルのケミカルリサイクルの成功の鍵となる問題は、モノマーを再重合に十分な純度で経済的に生成する能力である。これは、選択されたモノマーターゲットに応じて異なる程度の難題を提起し得る。テレフタル酸は、PETなどのポリエステルの調製に最も広く使用される種であるため、モノマーとして使用することができる。中性または酸触媒加水分解は、不十分な反応速度を有し、極めて強制的な条件を必要とする。よって、苛性加水分解が使用されることが多い。しかし、塩基加水分解はテレフタル酸二ナトリウムを生成し、所望の酸を得るためにはこれをプロトン化しなければならない。プロトン化すると、テレフタル酸1モル当たり2当量の塩、例えば塩化ナトリウムが生成するが、この塩は廃棄するかリサイクルしなくてはならず、それによって追加の費用が生じる。加えて、このテレフタル酸を精製してポリマーの調製に十分な品質にすることは難題であり得る。
【0004】
[0004]ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)は、魅力的な代替の解重合モノマーターゲットである。それは特にPETの調製に魅力的であり、何故ならPETに重合される実際のモノマーであるからである。PETからBHETへのグリコリシスは広く研究されており、近年の進歩として、揮発性アミン触媒、磁性イオン液体触媒、およびマイクロ波技術などの技術が挙げられる。BHETはケミカルリサイクルに使用することができるが、BHETをポリマーグレードの純度まで精製することは難題であり、資源集約的な多段階加工を伴うことが多い。
【0005】
[0005]ジメチルテレフタレート(DMT)は、多くの場合、多くのポリマー製造業者にとって最も望ましいリサイクルモノマーターゲットではない。これらの製造業者は、再重合時に放出されるメタノール副生成物を取り扱うように構成されていないからである。しかし、設備がメタノールを扱うように設計されているならば、DMTは、その分子の精製が比較的単純であることから、魅力的なターゲットとなり得る。PETのメタノリシスは、今までに著しい注目を集めてきた。PETを含めたポリエステルの直接的なメタノリシスの主な問題は、ポリエステルの十分な反応性のために必要とされる高温である。これらの温度はメタノールの沸点より著しく高く、メタノリシスを行うには、高圧(多くの場合、超臨界メタノールの使用を含む)または過熱されたメタノール蒸気の使用のいずれかが必要とされる。
【0006】
[0006]DMTを得る代替プロセスが文献化されている。一手法は、PETオリゴマーの混合物に対して部分的グリコリシスを行い、その後、所望のオリゴマーを最初に単離せずにオリゴマーの混合物を直接メタノール化(methanolization)することである。これらのメタノリシスプロセスは一般に、70℃以上で数時間実行され、アルコキシドまたはカーボネート触媒のいずれかを利用し、生成されたDMTは通常、使用前にさらなる反応後精製(再スラリー化、再結晶化、蒸留、またはこれらの技法の組み合わせ)を必要とする。別の手法は、PETからBHETへのグリコリシスを行い、その後BHETのメタノリシスを行って解重合ターゲットのDMTにすることである。PETからBHETへの完全なグリコリシスおよびBHETの単離は文献で周知であり、BHETは、多くの場合、沈殿または結晶化によって単離される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本明細書における態様によれば、単離されたジグリコールテレフタレートの低温エステル交換反応を使用して、ビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレート(BHET)を含めたジグリコールテレフタレートを、DMTを含めたジアルキルテレフタレートに低温転化するためのプロセスが提供される。このプロセスは、低温(よって低エネルギー使用量)かつ単純な操作手順という利点を有する。驚くべきことに、本発明のプロセスは、高いDMTおよびエチレングリコール(EG)収率、ならびに高いDMTおよびEG純度を有する。高純度のDMTが得られることによって、DMTをさらに精製する必要性がなくなるか、または少なくとも最小限に抑えられる。
【0008】
[0008]本明細書に開示される態様によって、DMTおよびEG生成物はBHETより容易に精製されるためにこれらの種の精製の強化が可能になる。具体的には、単離されたBHETをDMT/EGへの中継地点として使用するケミカルポリエステルリサイクルによって、(1)グリコリシス後の不溶分の除去;(2)BHET単離における可溶分の部分的除去、および(3)DMTおよびEGの精製;の3つの精製ポイントが可能になる。これらの精製ポイントのうちの2つは上流であり、経済的に有利であり得ると思われる(例えば、下流の機器の小型化)。
【0009】
[0009]さらに、本明細書における態様によって、PETをDMTに転化するプロセス全体のエネルギーを著しく低減させることも可能になる。例えば、第1のステップは、エチレングリコールの沸点辺りで実行することができる(PETのDMTへの直接高温メタノリシスよりはるかに低い)。有利なことに、本明細書に記載される通りのBHETのメタノリシスは、メタノールの沸点を下回る温度で(周囲温度ほど低い温度でも、または周囲温度以下であっても)行うことができる。さらにまた、直接高温メタノリシスと比較したときに、本明細書に記載されるプロセスは低温であることから、望ましくない副生成物の量が低減する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0010]多くのケミカルリサイクルプロセスが本明細書で言及される。あるものはメタノリシスを含み、あるものはグリコリシスを含む。メタノリシスは、PETをメタノールと反応させてDMTおよびエチレングリコールを製造するプロセスである。DMTおよびEGは容易に精製することができ、その後リサイクルポリエステル材料を含有するPETを製造するために使用することができる。しかし、世界中の大半の従来の商業用PET製造設備は、テレフタル酸(TPA)を使用するように設計されている。よって、多くのそのような設備に原料として必要なTPAにDMTを転化するために追加の加工が一般に必要とされ、いずれの場合でも、グリコールおよびDMT/TPAのさらなる精製が必要とされる。
【0011】
[0011]一方、グリコリシスは、PETの解重合にも使用することができ、PETをEGと反応させ、それによってビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)および/またはそのオリゴマーを製造するときに行われる。グリコリシスには、メタノリシスまたは加水分解のいずれかに優る幾つかの利点があり、その理由は主に、BHETは、製造設備を大きく変更したり、さらなる精製をしたりすることなく、DMTベースまたはTPAベースのPET製造プロセスのいずれかの原料として使用することができるからである。しかし、BHETを精製してポリマーグレードの純度にすることは難題であり得る。
【0012】
[0012]上記のように、本明細書に記載される本発明の態様は、ジグリコールテレフタレートおよびエステル交換反応触媒からのジアルキルテレフタレートの合成を対象とする。一態様では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートを調製するための方法であって、
(a)ジ-C~Cグリコールテレフタレートまたはジ-(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートとC~Cアルコールとを合わせて反応混合物を形成するステップ;
(b)反応混合物を約35~約75℃の温度に加熱し、エステル交換反応触媒を添加し、その温度を第1の期間維持するステップ;
(c)ステップ(b)の反応混合物を第2の期間にわたって約20~約35℃の最終温度に冷却するステップ;
(d)ステップ(c)の最終温度を第3の期間維持してC~Cジアルキルテレフタレートのスラリーを形成するステップ;および
(e)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(d)のスラリーから単離するステップ
を含む、方法を提供する。
【0013】
[0013]ある特定の実施形態では、反応温度は、30℃~75℃の間、または40℃~65℃の間、または45℃~65℃の間、または50℃~65℃の間であってもよい。一実施形態では、初期温度は約45℃~65℃である。反応温度での第1の期間、例えば上のステップ(b)における反応温度での第1の期間は、ある特定の実施形態では、約5~120分、または5~30分、または10~20分である。上のステップ(c)における冷却時間は、ある特定の実施形態では、2~120分、または10~60分、または15~45分にわたって行うことができる。上のステップ(d)のおける最終温度での時間は、ある特定の実施形態では、約0~90分、または0~60分、または0~45分であってもよい。
【0014】
[0014]一実施形態では、反応温度および反応時間(例えば、第1の期間)、例えば上のステップ(b)における反応温度および反応時間は、50℃および10分~2時間である。別の実施形態では、反応温度および反応時間(例えば、第1の期間)、例えば上のステップ(b)における反応温度および反応時間は、60℃および10~30分である。望ましい保持時間は触媒担持量に影響され、触媒担持量が高くなれば、必要とされる保持時間は短くなる。
【0015】
[0015]別の態様では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートを調製するための方法であって、
(a)ジ-C~Cグリコールテレフタレートまたはジ-(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートとC~Cアルコールとを約35℃未満の反応温度で合わせるステップ;
(b)エステル交換反応触媒を添加し、その反応温度をある反応期間維持して生成物混合物を形成するステップ;および
(c)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(b)の生成物混合物から単離するステップ
を含む、方法を提供する。
【0016】
[0016]上のステップ(b)における反応保持時間は、ある特定の実施形態では、少なくとも約30分、例えば、約45分、約1時間、約90分、約2時間などであってもよい。一実施形態では、保持時間は少なくとも約2時間である。望ましい保持時間は触媒担持量に影響され、触媒担持量が高くなれば、必要とされる保持時間は短くなる。
【0017】
[0017]上に挙げた反応温度は、本プロセスの全体的な反応温度に関係し、ある特定の実施形態では、約35℃未満、または約-10℃~約35℃、または約0℃~約35℃である。
【0018】
[0018]上に記載されるプロセスは、大気圧または大気圧付近で操作されるように設計されている。大気圧を上回る条件は、必要とはされないが、本プロセスに悪影響を及ぼさないと思われる。本プロセス中の大気圧を下回る条件は、アルコール溶媒の蒸発をもたらすことがあるので、これは望ましくないと思われるが、アルコール溶媒の蒸発が良好に制御されるならば、混合物の冷却を支援することもできると思われる。
【0019】
[0019]例示的なジ-C~Cグリコールテレフタレートとして、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(ヒドロキシプロピル)テレフタレート、またはビス(ヒドロキシブチル)テレフタレートが挙げられる。上記のように、出発物質もジ-(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートであってもよい。
【0020】
[0020]上で提供される開示されるプロセスに使用されるジ-C~Cグリコールテレフタレートは、単離され、場合によっては精製されている材料であるが、それは、純粋なもの(研究室源)、比較的純粋なもの(例えば、ボトルまたは熱成形品のグリコリシス)、または比較的不純なもの(例えば、ポリエステルカーペットのグリコリシス)のいずれのものからの、幾つかの供給源から誘導されたものであってもよい。ある特定の実施形態では、ジグリコールテレフタレートはBHETである。ジグリコールテレフタレートは、少量のジグリコールテレフタレートオリゴマーを含有することができるが、概して、ジグリコールテレフタレートが全テレフタレート含有量に基づいて80%を上回る。ジグリコールテレフタレートは一般に、PETなどのポリエステルのグリコリシスによって調製され、ジグリコールテレフタレートは幾らかの残留グリコールを含有することがある。ジグリコールテレフタレート中のグリコールの量は、0%から85%まで、または0%から70%まで、または0%から50%まで、または0%から40%まで変動し得る。ジグリコールテレフタレートは、多くの場合固体として、グリコリシス混合物から単離される。この単離によってジグリコールテレフタレートは可溶性不純物から精製され、さらなる精製が所望であれば利用されてもよい。ジグリコールテレフタレートの単離(および任意の後続の)精製は、追加の精製ポイントをもたらし、ポリエステルのリサイクルに不純な供給原料を使用することを可能にする。
【0021】
[0021]本明細書に記載されるプロセスの1つ以上に使用されるアルコール溶媒は、ある特定の実施形態では、C~Cアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、またはそれらの混合物であってもよい。アルコール溶媒は、本発明のプロセスの反応生成物を決定する。一実施形態では、DMTを製造するために、メタノールがアルコール溶媒および反応物として使用されてもよい。本明細書ではDMTについて論じているが、これらのプロセスを使用して他の生成物を製造し得ることに留意されたい。DMTは、例示的な目的のためだけに論じられており、本明細書における態様の範囲を限定することを意味するものではない。例えば、他の生成物、例えばジエチルテレフタレートまたはジプロピルテレフタレートも同様に製造し得る。
【0022】
[0022]開示されるプロセスに使用されるメタノールの量は一般に、混合物中の液体スラリーを最終温度で維持するのに十分な量である。例えば、メタノールの量は、テレフタレート基質に基づいて5~50当量の間(例えば、メタノールのテレフタレート基質に対するモル比は5:1~50:1であり得る)、または12~40当量の間、または18~36当量の間である。移動性の反応スラリーを維持し、最終的なジメチルテレフタレートスラリー中のメチルヒドロキシエチルテレフタレート(MHET)の量を低減させるために、一実施形態では、約24当量のメタノールが使用されてもよい。
【0023】
[0023]幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるプロセスにおいてエステル交換反応触媒として塩基性触媒が使用される。例えば、金属アルコキシドおよび金属水酸化物、例えば、リチウム、ナトリウム、およびカリウムのアルコキシドおよび水酸化物が使用されてもよい。一実施形態では、ナトリウムメトキシドが、メタノールエステル交換反応用の触媒として使用される。ある特定の実施形態では、利用されるナトリウムメトキシド触媒の量は、テレフタレート反応物に基づいて0.001~0.1当量の間、または0.005~0.05当量の間、または0.006~0.03当量の間であり、一般に、触媒が多くなれば、反応が速くなる。
【0024】
[0024]別の実施形態では、メタノールエステル交換反応用の触媒としてアルカリ金属水酸化物が使用される。ある特定の実施形態では、金属水酸化物触媒の量は、テレフタレート反応物に基づいて0.001~0.1当量の間、または0.005~0.05当量の間、または0.006~0.03当量の間であり、一般に、触媒が多くなれば、反応が速くなる。
【0025】
[0025]さらに別の実施形態では、メタノールエステル交換反応用の触媒として水酸化ナトリウムが使用される。水酸化ナトリウムを使用すると、テレフタレートエステルの加水分解が競争過程になると予測されたが、驚くべきことに、これは当てはまらなかった。この加水分解は、もし存在するならば、テレフタル酸自体またはそのモノエステルをもたらすことになると思われるが、これは望ましくなく、生成された酸は直ちに中和され、それによって触媒を不活性化し(テレフタレートのナトリウム塩を形成する)、不完全な転化をもたらすことになると思われる。驚くべきことに、このプロセスにおいてテレフタレート部分の検出可能な加水分解は存在せず、水酸化ナトリウムを使用したすべての場合でDMTの優れた転化および収率が得られた。加えて、水酸化ナトリウムを触媒として使用するエステル交換反応は、厳密な無水条件を必要としない。実際に、本発明のプロセスは、驚くべきことに、外因性の水を許容し、反応時間またはDMT収率に有意に影響を与えることなく、本明細書に開示されるすべての反応温度で最大5%(BHET投入量に基づく)の水の混入を許容することができる。この水分許容性は反応温度に反比例し、周囲温度で行われる反応は、顕著に向上した耐水性を有し、反応時間またはDMT収率に有意に影響を与えることなく、反応混合物の最大40%(BHET投入量に基づく)の水の混入を含むことができる。
【0026】
[0026]本発明の別の実施形態では、メタノールエステル交換反応用の触媒として水酸化カリウムが利用される。すべての場合において、水酸化カリウムは、水酸化ナトリウムと同様の触媒作用(速度および収率)をもたらす。
【0027】
[0027]さらに別の実施形態では、上で使用される条件によってDMTのメタノール中スラリーがもたらされ、それによって固体DMTを反応混合物から容易に単離し得る。本開示を通して、単離方法には固液分離(SLS)技法が含まれる。これに関して、固液分離とは当技術分野で公知の複数の技術を指し、デカンテーション、濾過、遠心分離などの方法が挙げられる。一実施形態では、SLS方法は濾過である。濾過の方法は、真空濾過、圧力濾過など、当技術分野で公知の任意の従来の濾過方法であり得る。追加のメタノールが、多くの場合、固体DMTをフィルターに移すために使用され、このメタノールは、固体からいずれの残留グリコールを除去するのにも役に立つ。
【0028】
[0028]本明細書に述べるように、記載されるプロセスを利用したときに多くの利点が見出されている。これには、低温、低エネルギー使用量で、安価な触媒を使用して、短い反応時間で反応を実行する能力が含まれる。概して、この方法によって生成されるDMTは、90%以上の単離収率で得られ、不揮発性不純物は<1%である。実際に、幾つかの態様では、ジメチルイソフタレートなどの近似する不純物であってもジメチルテレフタレートから除去される。したがって、本発明は、不純なリサイクル供給原料からであっても、ポリエステルの製造に直接使用することが可能なほど十分な純度を有するDMTを直接製造することを可能にし得る。
【0029】
[0029]「ポリエステル」という用語は、本明細書で使用される場合、「コポリエステル」を含むことが意図され、1種以上の二官能性カルボン酸(またはエステル)および/または多官能性カルボン酸(またはエステル)と1種以上の二官能性ヒドロキシル化合物および/または多官能性ヒドロキシル化合物、例えば、分岐剤との反応によって調製される合成ポリマーを意味することが理解される。典型的には、二官能性カルボン酸はジカルボン酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は二価アルコール、例えば、グリコールおよびジオールであってもよい。「グリコール」という用語には、本明細書で使用される場合、限定するものではないが、ジオール、グリコール、および/または多官能性ヒドロキシル化合物、例えば、分岐剤が含まれる。
【0030】
[0030]本明細書で言及されるポリエステルは、典型的には、ジカルボン酸(またはそのエステル、例えばDMT、特に、リサイクルDMT「r-DMT」)およびグリコール(例えばエチレングリコール、特にリサイクルエチレングリコール「r-EG」)から調製することができ、それらは実質的に等しい割合で反応し、ポリエステルポリマー中にそれらの対応する残基として組み込まれる。本発明のポリエステルは、したがって、繰返し単位の全モル数が100モル%に等しくなるように、実質的に等しいモル比の酸残基(100モル%)およびグリコール(および/または多官能性ヒドロキシル化合物)残基(100モル%)を含有することができる。したがって、本発明で提供されるモル百分率は、酸残基の全モル数、グリコール残基の全モル数、または繰返し単位の全モル数に基づいたものであり得る。
【0031】
[0031]一実施形態では、本発明に有用なポリエステル組成物のグリコール成分は、1,4-シクロヘキサンジメタノールを含み得る。別の実施形態では、本発明に有用なポリエステル組成物のグリコール成分は、1,4-シクロヘキサンジメタノールおよび1,3-シクロヘキサンジメタノールを含む。cis/trans1,4-シクロヘキサンジメタノールのモル比は、50/50~0/100の範囲内、例えば、40/60~20/80の間で変動し得る。
【0032】
[0032]一実施形態では、本発明のポリエステルは、視覚的に透明であり得る。「視覚的に透明」という用語は、視覚的に検査したときに、認められる混濁、曇り、および/または濁りが存在しないとして本明細書に定義される。
【0033】
[0033]本発明に有用なポリエステルは、文献から公知のプロセスによって、例えば、均質溶液中のプロセス、溶融物中のエステル交換反応プロセス、および二相界面プロセスによって作製することができる。適切な方法として、限定するものではないが、1種以上のジカルボン酸を1種以上のグリコールと、100℃~315℃の温度、0.1~760mmHgの圧力で、ポリエステルを形成するのに十分な時間反応させるステップが挙げられる。ポリエステルを製造する方法については、米国特許第3,772,405号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0034】
[0034]一般に、本発明のポリエステルは、ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルをグリコールと、不活性雰囲気中、触媒の存在化で、縮合の過程で約225℃~310℃の温度まで徐々に上げる昇温で縮合させ、縮合の後半では低圧で縮合を行うことによって調製されてもよい。さらなる詳細は米国特許第2,720,507号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載される通りである。
【0035】
[0035]幾つかの実施形態では、ポリエステルを作製するプロセス中に、トナーまたは染料を含めた、ポリマーを色付けするある特定の薬剤を溶融物に添加することができる。一実施形態では、得られるポリエステルポリマーの溶融相生成物のbを調整するために、青味付けトナーが溶融物に添加される。そのような青味付け剤には、青色の無機および有機トナー(複数可)および/または染料が含まれる。加えて、赤色トナー(複数可)および/または染料を、aの色を調整するために使用することもできる。一実施形態では、本発明および/または本発明のポリマー組成物に有用なポリマーは、トナーの有無にかかわらず、Hunter Associates Lab Inc.(バージニア州レストン)によって製造されたHunter Lab Ultrascan Spectra Colorimeterを使用して決定することができる色値L、a、およびbを有することができる。色測定値は、ポリマーのペレットもしくは粉末、またはそれらから射出成形もしくは押出された板状物もしくは他の製品のいずれかについて測定された値の平均である。それらは、CIE(翻訳すると国際照明委員会)のL表色系によって決定され、ここで、Lは明度座標を表し、aは赤色/緑色座標を表し、bは黄色/青色座標を表す。有機トナー(複数可)、例えば、青色および赤色有機トナー(複数可)、例えば、米国特許第5,372,864号および5,384,377号(これらはその全体が参照により組み込まれる)に記載されるトナー(複数可)を使用することができる。有機トナー(複数可)は、プレミックス組成物として供給することができる。プレミックス組成物は、赤色および青色化合物の純ブレンドであってもよく、または該組成物は、ポリエステルの原料のうちの1つ、例えば、エチレングリコールに予め溶解させるかスラリー化されてもよい。
【0036】
[0036]添加されるトナー成分の全量は、ベースのポリエステルにおける固有の黄色の量およびトナーの効力に依存し得る。一実施形態では、最大約15ppmの合わせた有機トナー成分の濃度および約0.5ppmの最低濃度を使用することができる。一実施形態では、青味付け添加剤の全量は0.5~10ppmの範囲であり得る。一実施形態では、トナー(複数可)は、エステル化ゾーンまたは重縮合ゾーンへ添加することができる。有利には、トナー(複数可)は、エステル化ゾーン、もしくは重縮合ゾーンの初期段階、例えば、予備重合反応器へ添加されるか、または押出機内に添加される。
【0037】
[0037]有利には、本発明のプロセスのr-DMTおよび/またはr-EG生成物には著しい色がなく、そういうものとして、上に言及されるような様々なポリエステルの合成に直接利用することができる。ある特定の実施形態では、r-EGは、約25未満、約15未満、約10未満、または約5未満のAPHA色値を呈することになり、ここで、APHA色値は、ASTM D1209と呼ばれる試験方法によって決定される。得られるポリエステルが望ましくない黄色を有する限り、1種以上のトナーが上述のように添加されてもよい。
【0038】
[0038]さらに、ある特定の実施形態では、r-DMTが単離された後、メタノールも単離され、後続のプロセスにリサイクルされてもよい。加えて、r-EGを、さらなる使用のために高純度で得ることもできる。一実施形態では、濾液を蒸留してメタノールを単離し、さらに蒸留してエチレングリコールを単離する。実験室規模の操作の例として、15.24cm(6インチ)のビグリューカラムを減圧(225mmHg~25mmHg)で75℃の油浴から使用してメタノールを除去することが可能であろう。続いて、残留物をより低い圧力で155℃の油浴から蒸留して、エチレングリコールを蒸留することができ、これは11~12mmHgで90.5~91.0℃で蒸留される。メタノールおよびEGは両方とも一般に、無色の液体として>99%の純度で得られる。
【実施例
【0039】
[0039]実施例1:50℃~周囲温度で0.01当量のナトリウムメトキシドを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHETを重量%GCによって分析し、それによって85.7重量%がBHETであり、残りはおそらくBHET二量体およびそれ以上のオリゴマーであることが示された。Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.3mLのメタノール(1413mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(135μL;0.59mmol;0.01当量)を添加した。混合物はほぼ直ちに均一になり、それを250rpmで15分間50℃で撹拌すると、その間に沈殿物が認められた。次いで加熱浴を除去し、混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、10.79gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度97.5重量%とアッセイされ、収率92%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はメチルヒドロキシエチルテレフタレート[MHET]であった)。濾液の分析から、それが予想収率の5%のDMT、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
1H NMR (CDCl3): δ 8.11 (s, 4H); 3.96 (s, 3H).
HPLC(150×4.6mm Zorbax SB-C8カラム、75:25(v:v)メタノール:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有)で5分間、1分にわたる100%メタノールへの勾配、100%メタノールで4分間保持、220nmで検出):BHET、t1.75分;MHET、t2.1分;DMI、t2.75分;DMT、t2.87分。
【0040】
[0040]実施例2:65℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
[0041]Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.3mLのメタノール(1413mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを70℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が65℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(135μL;0.59mmol;0.01当量)を添加した。混合物はほぼ直ちに均一になり、それを250rpmで15分間65℃で撹拌すると、その間に沈殿物が認められた。次いで加熱浴を除去し、混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、11.00gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.5重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.8%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の4%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0041】
[0042]実施例3:50℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
[0043]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.8mLのメタノール(1228mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(73μL;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、2.5分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計10分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.25gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.5重量%とアッセイされ、収率95%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の2%のDMTの、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0042】
[0044]比較例1:50℃で等温的にナトリウムメトキシドを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.8mLのメタノール(1228mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(73μL;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、3分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計30分間50℃で撹拌し、得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.06gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度91.3重量%とアッセイされ、収率83%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった。濾液の分析から、それが予想収率の7%のDMTを含有すること、MHETに起因する1.8%の収率損失、不完全な反応および沈殿に起因する少量(<0.5%)のBHETがあることが示された。
【0043】
[0045]実施例4:50℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用し、メタノールが18当量である、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
【0044】
[0046]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、37.3mLのメタノール(921mmol;18.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(73μL;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、2.5分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計10分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.68gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度98.5重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の2%のDMT、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0045】
[0047]実施例5:50℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用し、メタノールが30当量である、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
【0046】
[0048]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、62.2mLのメタノール(1535mmol;30.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(73μL;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、3.5分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.38gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度99.1重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0047】
[0049]実施例6:50℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用し、ナトリウムメトキシド触媒が0.005当量である、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
【0048】
[0050]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、37.3mLのメタノール(921mmol;18.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(59μL;0.26mmol;0.005当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、3分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計10分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.27gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度98.5重量%とアッセイされ、収率95%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.6%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の2%のDMT、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0049】
[0051]実施例7:50℃~周囲温度で0.015当量のナトリウムメトキシドを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.2mLのメタノール(1412mmol;23.9当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(202μL;0.89mmol;0.015当量)を添加した。混合物はほぼ直ちに均一になり、それを250rpmで15分間50℃で撹拌すると、その間に沈殿物が認められた。次いで加熱浴を除去し、混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、11.77gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度96.5重量%とアッセイされ、収率99%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0050】
[0052]実施例8:50℃~周囲温度で0.02当量のナトリウムメトキシドを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.2mLのメタノール(1410mmol;23.9当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(270μL;1.18mmol;0.02当量)を添加した。混合物はほぼ直ちに均一になり、それを250rpmで15分間50℃で撹拌すると、その間に沈殿物が認められた。次いで加熱浴を除去し、混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、11.04gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.5重量%とアッセイされ、収率98%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.75%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0051】
[0053]実施例9:周囲温度で0.03当量のナトリウムメトキシドを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.2mLのメタノール(1410mmol;23.9当量)中にスラリー化した。メタノール中25%ナトリウムメトキシド(405μL;1.77mmol;0.03当量)を添加した。混合物は速やかに均一になり、それを250rpmで60分間周囲温度で撹拌すると、その間に沈殿物が認められた。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、11.06gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.5重量%とアッセイされ、収率97%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の4%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0052】
[0054]実施例10:周囲温度で0.03当量のナトリウムメトキシドを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
[0055]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.5mLのメタノール(1222mmol;23.9当量)中にスラリー化した。メタノール中25%ナトリウムメトキシド(351μL;1.59mmol;0.03当量)を添加した。混合物は速やかに均一になり、それを250rpmで合計60分間周囲温度で撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.26gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度97.0重量%とアッセイされ、収率90%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.3%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0053】
[0056]実施例11:周囲温度で0.00625当量のナトリウムメトキシドを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
【0054】
[0057]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.5mLのメタノール(1222mmol;23.9当量)中にスラリー化した。メタノール中25%ナトリウムメトキシド(73μL;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。5分間にわたって吸熱が認められ(約1℃)、その間に混合物は均一になった。沈殿物は約6分で形成し始め、付随する22.6℃~26.9℃の発熱があった。混合物を放冷して周囲温度にし、250rpmで合計3時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.41gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度96.8重量%とアッセイされ、収率92%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0055】
[0058]実施例12:50℃~周囲温度で水酸化ナトリウムを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
[0059]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.75mLのメタノール(1228mmol;23.97当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、50%水酸化ナトリウム水溶液(26mg;17μL;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計10分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.42gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度94.9重量%とアッセイされ、収率90%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。DMT沈殿物は、GC分析によって検出可能な(検出限界0.01重量%)テレフタル酸またはモノエステル(モノメチルテレフタレート、ヒドロキシエチルテレフタレート)を含有しなかった。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、約2%の収率のBHET、および少量(<0.5%)のMHETを含有することが示された。
【0056】
[0060]実施例13:50℃~周囲温度で1.5mol%の水酸化ナトリウムを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.21mLのメタノール(1412mmol;23.92当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、50%水酸化ナトリウム水溶液(71mg;47μL;0.89mmol;0.015当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、10.73gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度97.5重量%とアッセイされ、収率91%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.8%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の5%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0057】
[0061]実施例14:50℃~周囲温度で2mol%の水酸化ナトリウムを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.2mLのメタノール(1412mmol;23.9当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、50%水酸化ナトリウム水溶液(94mg;63μL;1.18mmol;0.02当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、11.00gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.9重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.8%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。DMT沈殿物は、GC分析によって検出可能な(検出限界0.01重量%)テレフタル酸またはモノエステル(モノメチルテレフタレート、ヒドロキシエチルテレフタレート)を含有しなかった。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0058】
[0062]実施例15:周囲温度で3mol%の水酸化ナトリウムを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.2mLのメタノール(1412mmol;23.9当量)中にスラリー化した。50%水酸化ナトリウム水溶液(142mg;94μL;1.77mmol;0.03当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計60分間周囲温度で撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、11.08gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.5重量%とアッセイされ、収率97%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.8%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。DMT沈殿物は、GC分析によって検出可能な(検出限界0.01重量%)テレフタル酸またはモノエステル(モノメチルテレフタレート、ヒドロキシエチルテレフタレート)を含有しなかった。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0059】
[0063]実施例16:0~5℃で3mol%の水酸化ナトリウムを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(58.6%BHET、残りはエチレングリコール)(15.0g;34.6mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、33.7mLのメタノール(830mmol;24.0当量)中にスラリー化した。混合物を氷水浴中で0~5℃に冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液(138mg;92μL;1.73mmol;0.05当量)を添加した。混合物を250rpmで、氷水浴中0~5℃で2時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、6.06gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度98.0重量%とアッセイされ、収率88%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は98.9%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の1.6%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0060】
[0064]実施例17:50℃~周囲温度で1mol%の水酸化カリウムを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.4mLのメタノール(1412mmol;24当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、45%水酸化カリウム水溶液(74mg;51μL;0.59mmol;0.01当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、10.95gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.5重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の2.5%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0061】
[0065]実施例18:周囲温度で2mol%の水酸化カリウムを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
[0066]Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.4mLのメタノール(1412mmol;24当量)中にスラリー化した。45%水酸化カリウム水溶液(147mg;101μL;1.18mmol;0.02当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計75分間周囲温度で撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、11.00gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度99.5重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.4%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の2.3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0062】
[0067]実施例19:触媒として炭酸ナトリウムを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.8mLのメタノール(1229mmol;24.0当量)中にスラリー化した。炭酸ナトリウム(34mg;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。少なくとも90分間50℃で沈殿物がなかったことから明らかなように、反応は遅かった。50℃で3.5時間後に固体が認められた。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、6.33gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度92.3重量%とアッセイされ、収率59%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.2%であった。濾液の分析から、予想収率の5%のDMT、MHETに起因する22%の収率損失、およびBHETに起因する4%の収率損失が示された。
【0063】
[0068]実施例20:触媒として炭酸カリウムを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.8mLのメタノール(1229mmol;24.0当量)中にスラリー化した。炭酸カリウム(44mg;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。50℃で10分まで沈殿物がなかったことから明らかなように、反応は遅かった。混合物を50℃で40分間撹拌し、次いで30分かけて放冷して周囲温度にし、周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.28gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度95.8重量%とアッセイされ、収率89%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった。濾液の分析から、予想収率の3%のDMT、MHETに起因する1.2%の収率損失、およびBHETに起因する0.5%の収率損失が示された。
【0064】
[0069]実施例21:水酸化ナトリウム触媒を使用する熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応に及ぼす水の影響。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(58.6%BHET、残りはエチレングリコール)(15.0g;34.6mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、44.8mLのメタノール(1106mmol;24当量)中にスラリー化した。混合物を所望の温度にし、所望の量の水を添加した。50%水酸化ナトリウム水溶液(量は以降に詳述)を添加し、続いて以下のプロトコルに従った:
(1)60℃での反応は、0.01当量の水酸化ナトリウムを使用し、60℃で15分間保持し、35分かけて冷却して周囲温度にし、周囲温度で30分間保持し、次いで濾過によって固体を単離し、メタノールで洗浄し、風乾した。
(2)50℃での反応は、0.01当量の水酸化ナトリウムを使用し、50℃で30分間保持し、30分かけて冷却して周囲温度にし、周囲温度で30分間保持し、次いで濾過によって固体を単離し、メタノールで洗浄し、風乾した。
(3)25℃での反応は、0.02当量の水酸化ナトリウムを使用し、25℃で90分間保持し、次いで濾過によって固体を単離し、メタノールで洗浄し、風乾した。
【0065】
【表1】
[0070]実施例22:ナトリウムメトキシド触媒を使用し、5重量%の水を添加した、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
【0066】
Sigma-AldrichのBHET(15.00g;59.0mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、57.2mLのメタノール(1412mmol;23.9当量)中にスラリー化した。水(0.75g;BHETに基づいて5重量%)を添加した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(135μL;0.59mmol;0.01当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、8.31gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99.5重量%とアッセイされ、収率73%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の7%のDMTを含有すること、MHETに起因する19%の収率損失、およびBHETに起因する3%の収率損失が示された。
【0067】
[0068]実施例23:50℃~周囲温度でのジメチルイソフタレートの存在下での、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
[0069]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(65.1%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;51.2mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、49.8mLのメタノール(1228mmol;24.0当量)中にスラリー化した。ジメチルイソフタレート(0.30g;1.54mmol;0.03当量)を添加した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(73μL;0.32mmol;0.00625当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計10分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.34gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度99.2重量%とアッセイされ、収率93%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。沈殿物中に検出可能なDMIは存在しなかった(<0.01%)が、濾液中に有意な量が検出された。
【0068】
[0071]実施例24:50℃でのメタノールとのBHETエステル交換反応に及ぼす周囲温度での最終保持時間の影響。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(58.6%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;46.1mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、44.9mLのメタノール(1107mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、50%水酸化ナトリウム水溶液(37mg;25μL;0.46mmol;0.01当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計30分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して25℃(+/-2℃)にし、次いでこの温度で所望の期間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾した。
【0069】
【表2】
[0072]実施例25:60℃でのメタノールとのBHETエステル交換反応に及ぼす周囲温度での最終保持時間の影響。
【0070】
[0073]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(58.6%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;46.1mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、44.9mLのメタノール(1107mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを油浴に入れ、均一な反応混合物を60℃(+/-2℃)に加熱し、その温度で平衡化させた。50%水酸化ナトリウム水溶液(37mg;25μL;0.46mmol;0.01当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間60℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を35分かけて放冷して25℃(+/-2℃)にし、次いでこの温度で所望の期間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾した。
【0071】
【表3】
[0074]実施例26:ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応に及ぼす急速冷却の影響。
【0072】
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(58.6%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;46.1mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、44.9mLのメタノール(1107mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを油浴に入れ、均一な反応混合物を50℃(+/-2℃)に加熱し、その温度で平衡化させた。50%水酸化ナトリウム水溶液(37mg;25μL;0.46mmol;0.01当量)を添加し、混合物を250rpmで30分間撹拌すると、その間に沈殿物が形成された。油浴を除去し、氷水浴に代え、反応混合物を2分かけて50℃から25℃(+/-2℃)に冷却し、混合物を25℃(+/-2℃)で30分間保持した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、8.43gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度99.0重量%とアッセイされ、収率93%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の4.3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0073】
[0075]実施例27:様々な量のエチレングリコールの存在下でのBHETとメタノールとのエステル交換反応。
BHET(20.0g;78.7mmol)および所望の量のエチレングリコールを、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、76.5mLのメタノール(1888mmol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを油浴に入れ、均一な反応混合物を50℃(+/-2℃)に加熱し、その温度で平衡化させた。50%水酸化ナトリウム水溶液(126mg;84μL;1.57mmol;0.01当量)を添加し、混合物を50℃で15~45分間撹拌した。油浴を除去し、混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間保持した。いずれの沈殿生成物も濾過によって収集し、メタノールで洗浄し、風乾した。様々な実験からのデータを以下の表4に示す。
【0074】
【表4】
[0076]実施例28:50℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用する、ポリエステルカーペット繊維のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応
ポリエステルカーペット繊維のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(64.0%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;50.3mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、48.8mLのメタノール(1204mmol;23.9当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な反応混合物が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(173μL;0.76mmol;0.015当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、1.5分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計10分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.53gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度98.1重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.4%であった。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0075】
[0077]実施例29:50℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用する、ポリエステル剥離ライナーのグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
[0078]ポリエステル剥離ライナーのグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(53.0%BHET、残りはエチレングリコール)(20.0g;41.7mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、40.4mLのメタノール(997mmol;23.9当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、反応混合物(淡黄色のスラリー)が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(119μL;0.52mmol;0.0125当量)を添加した。混合物は直ちに均一になり、それを250rpmで撹拌すると、2分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、8.42gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度94.3重量%とアッセイされ、収率98%であることが示された。wt%GCによるさらなる分析から、99.5wt%の純度が示された。面積%LCによるDMT純度は99.6%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<1%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0076】
[0079]実施例30:50℃~周囲温度でナトリウムメトキシドを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(56.9%BHET、残りはエチレングリコール)(500.0g;1.12mol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する3Lのジャケット付き反応器中で、1087mLのメタノール(26.8mol;23.95当量)中にスラリー化した。撹拌器を始動し、反応器を50℃(+/-2℃)の内部温度に加熱して均一な溶液を得、その時点でメタノール中25%ナトリウムメトキシド(2.56mL;0.011mol;0.01当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、2分で沈殿物が認められ、7.5分にわたって50.1℃~57.7℃の少しの発熱があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱を停止した。混合物を一晩放冷して周囲温度にし、得られた沈殿物を濾過した。反応器の内容物を500mLのメタノールでフィルター上に洗い出し、固体を取り出し、風乾して、209.70gのDMTを白色の粉末として得た。これは、GC重量%によって純度99.5重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。DMT中に認められた唯一の不純物はMHETであり(GCMS)、これは0.25重量%(GC重量%)で存在した。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった。
【0077】
[0080]濾液(1325.51g)は、DMT約0.41%とアッセイされ、これによってDMTの濾液への収率損失が2.5%であることが示された。濾液は、それより少ない量のMHETおよびBHETを有していた。この濾液の一部分(302.78g)を、75℃の油浴から減圧(225mmHg~25mmHg)で15.24cm(6インチ)のビグリューカラムを通して蒸留してメタノールを除去した。残留物(93.12g)を、150℃の油浴から、より低い圧力で蒸留してエチレングリコールを蒸留し、それは8mmHgで84~85℃で蒸発した。留出物(84.81g)は、>99.5重量%(GC重量%)のEGとアッセイされ、2のAPHA色を有していた。蒸留残留物(7.21g)は、EG約53%、残りはBHETおよびそれ以上のオリゴマーとアッセイされた。
【0078】
[0081]実施例31:ポリエステルのグリコリシスからのBHETのエステル交換反応における蒸留残留物のリサイクル。
[0082]ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(56.9%BHET、残りはエチレングリコール)(25.00g;0.0566mol)および実施例31からの比例した量の蒸留残留物(相対スケールに基づく)(1.58g)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する300mLの三つ口丸底フラスコ中で、55mLのメタノール(1.36mol;24.0当量)中にスラリー化した。フラスコを55℃に設定した油浴に入れ、均一な溶液が50℃(+/-2℃)で平衡化したら、メタノール中25%ナトリウムメトキシド(129μL;0.57mmol;0.01当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、1.5分で沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計15分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、10.85gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度>99重量%とアッセイされ、収率98%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.7%であった。濾液の分析から、それが予想収率の3%のDMT、ならびに少量(各々<0.5%)のBHETおよびMHETを含有することが示された。
【0079】
[0083]実施例32:周囲温度で水酸化ナトリウムを使用する、ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHETのメタノールとのエステル交換反応。
ポリエステル熱成形品のグリコリシスからのBHET(Premirr Plastics LLCから入手)(58.4%BHET、残りはエチレングリコール)(200.0g;0.459mmol)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き添加漏斗を有する1Lのジャケット付き反応器中で、435mLのメタノール(10.7mol;23.4当量)中にスラリー化した。50%水酸化ナトリウム(1.101g;0.014mol;0.03当量)とメタノール(10mL)との混合物を添加漏斗に添加した。撹拌器を始動し、反応器を25℃(+/-2℃)に平衡化させて白色のスラリーを得た。メタノール中の水酸化ナトリウムの溶液を、添加漏斗を通して添加すると、混合物は約1.75分かけて均一になり、その間に内部温度は22.7℃に低下した。2分で沈殿物が認められ、8分にわたって29.9℃までの少しの発熱があった。混合物を合計60分間周囲温度で撹拌し、得られた沈殿物を濾過した。反応器の内容物を約200mLのメタノールでフィルター上に洗い出し、固体を取り出し、真空オーブン中で窒素パージしながら真空下で乾燥させて、87.33gのDMTを白色の粉末として得た。これは、GC重量%によって純度97.7重量%とアッセイされ、収率96%であることが示された。DMT中に認められた唯一の不純物はMHETであり、これは0.72重量%(GC重量%)で存在した。面積%LCによるDMT純度は99.3%であった。
【0080】
[0084]濾液(462.73g)は、DMT約0.32%とアッセイされ、これによってDMTの濾液への収率損失が1.7%であることが示された。濾液は、それより少ない量のMHETおよびBHET(<0.5%)も有していた。この濾液を75℃の油浴から減圧(225mmHg~25mmHg)で15.24cm(6インチ)のビグリューカラムを通して蒸留してメタノールを除去した。残留物を、155℃の油浴から、より低い圧力で蒸留してエチレングリコールを蒸留し、それは11~12mmHgで90.5~91.0℃で蒸発した。留出物(116.53g)は、>99.5重量%(GC重量%)のEGとアッセイされ、3のAPHA色を有していた。蒸留残留物(13.95g)は、EG約70.6%、残りはBHETおよびそれ以上のオリゴマーとアッセイされた。
【0081】
[0085]実施例33:50℃~周囲温度で2mol%の水酸化ナトリウムを使用する、ビス(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートのメタノールとのエステル交換反応。
ビス(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレート(terepthalate)(20g;0.0555mol)および54.0mLのメタノール(1.332mol;24.0当量)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する250mLの三つ口丸底フラスコ中で合わせた。フラスコを50℃(+/-2℃)の内部温度に加熱し、50%水酸化ナトリウム水溶液(89mg;61μL;0.0011mol;0.02当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計30分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、9.28gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度95.1重量%とアッセイされ、収率82%であることが示された。
【0082】
[0086]実施例34:50℃~周囲温度で2mol%の水酸化ナトリウムを使用する、ビス(ヒドロキシプロピル)テレフタレートのメタノールとのエステル交換反応。
ビス(ヒドロキシプロピル)テレフタレート(terepthalate)(15g;0.0499mol)および48.6mLのメタノール(1.199mol;24.0当量)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、および窒素導入口付き空気冷却器を有する250mLの三つ口丸底フラスコ中で合わせた。フラスコを50℃(+/-2℃)の内部温度に加熱し、50%水酸化ナトリウム水溶液(80mg;55μL;0.0010mol;0.02当量)を添加した。混合物を250rpmで撹拌すると、沈殿物が認められ、少しの発熱(<4℃)があった。混合物を合計30分間50℃で撹拌し、次いで加熱浴を除去した。混合物を30分かけて放冷して周囲温度にし、次いで周囲温度で30分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、8.89gのDMTを白色の粉末として得た。これは、HPLCによって純度95.2重量%とアッセイされ、収率87%であることが示された。
【0083】
[0087]比較例2:90℃~周囲温度で1.5mol%の水酸化ナトリウムを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(46g;0.181mol)、50%水酸化ナトリウム(217mg;0.0027mol;0.015当量)、および176mLのメタノール(4.34mol;24.0当量)を300mLのオートクレーブ中で合わせた。オートクレーブを窒素圧500psigで圧力試験し、排気し、窒素で3回パージし、窒素圧100psigに加圧した。撹拌を開始し、オートクレーブを3時間90℃に加熱した。次いでオートクレーブを放冷して周囲温度にし、内容物を取り出し、オートクレーブをメタノールで濯いで、いずれの残留固体も取り出した。得られた混合物を濾過し、そのDMT濾過ケークをメタノールで洗浄し、風乾して、28.82gのDMTを白色の粉末として得た。これは、GCおよびHPLCによって純度98.9重量%とアッセイされ、収率81%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.5%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の4.3%のDMTを含有すること、8.8%のMHETへの収率損失が示された。
【0084】
[0088]比較例3:90℃~周囲温度で1.5mol%の水酸化ナトリウムを使用する、市販のBHETのEGおよびメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(40g;0.157mol)、26.7gのエチレングリコール(BHETに基づいて67%)、50%水酸化ナトリウム(189mg;0.0024mol;0.015当量)、および153mLのメタノール(3.78mol;24.0当量)を300mLのオートクレーブ中で合わせた。オートクレーブを窒素圧500psigで圧力試験し、排気し、窒素で3回パージし、窒素圧100psigに加圧した。撹拌を開始し、オートクレーブを3時間90℃に加熱した。次いでオートクレーブを放冷して周囲温度にし、内容物を取り出し、オートクレーブをメタノールで濯いで、いずれの残留固体も取り出した。得られた混合物を濾過し、そのDMT濾過ケークをメタノールで洗浄し、風乾して、22.35gのDMTを白色の粉末として得た。これは、GCおよびHPLCによって純度98.1重量%とアッセイされ、収率72%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.1%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の5.3%のDMTを含有すること、16.4%のMHETへの収率損失が示された。
【0085】
[0089]比較例4:90℃~周囲温度で1.5mol%のナトリウムメトキシドを使用する、市販のBHETのEGおよびメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(40g;0.157mol)、26.7gのエチレングリコール(BHETに基づいて67%)、25%ナトリウムメトキシド(510mg;0.0024mol;0.015当量)、および153mLのメタノール(3.78mol;24.0当量)を300mLのオートクレーブ中で合わせた。オートクレーブを窒素圧500psigで圧力試験し、排気し、窒素で3回パージし、窒素圧100psigに加圧した。撹拌を開始し、オートクレーブを3時間90℃に加熱した。次いでオートクレーブを放冷して周囲温度にし、内容物を取り出し、オートクレーブをメタノールで濯いで、いずれの残留固体も取り出した。得られた混合物を濾過し、そのDMT濾過ケークをメタノールで洗浄し、風乾して、22.63gのDMTを白色の粉末として得た。これは、GCおよびHPLCによって純度97.0重量%とアッセイされ、収率72%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は99.2%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の4.2%のDMTを含有すること、15.3%のMHETへの収率損失が示された。
【0086】
[0090]比較例5:90℃~周囲温度で1.5mol%の炭酸カリウムを使用する、市販のBHETのメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(40g;0.157mol)、炭酸カリウム(326mg;0.0024mol;0.015当量)、および153mLのメタノール(3.78mol;24.0当量)を300mLのオートクレーブ中で合わせた。オートクレーブを窒素圧500psigで圧力試験し、排気し、窒素で3回パージし、窒素圧100psigに加圧した。撹拌を開始し、オートクレーブを3時間90℃に加熱した。次いでオートクレーブを放冷して周囲温度にし、内容物を取り出し、オートクレーブをメタノールで濯いで、いずれの残留固体も取り出した。得られた混合物を濾過し、そのDMT濾過ケークをメタノールで洗浄し、風乾して、25.71gのDMTを白色の粉末として得た。これは、GCおよびHPLCによって純度99.4重量%とアッセイされ、収率84%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は98.6%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の5.1%のDMTを含有すること、13.4%のMHETへの収率損失が示された。
【0087】
[0091]比較例6:90℃~周囲温度で1.5mol%の炭酸カリウムを使用する、市販のBHETのEGおよびメタノールとのエステル交換反応。
Sigma-AldrichのBHET(40g;0.157mol)、26.7gのエチレングリコール(BHETに基づいて67%)、炭酸カリウム(326mg;0.0024mol;0.015当量)、および153mLのメタノール(3.78mol;24.0当量)を300mLのオートクレーブ中で合わせた。オートクレーブを窒素圧500psigで圧力試験し、排気し、窒素で3回パージし、窒素圧100psigに加圧した。撹拌を開始し、オートクレーブを3時間90℃に加熱した。次いでオートクレーブを放冷して周囲温度にし、内容物を取り出し、オートクレーブをメタノールで濯いで、いずれの残留固体も取り出した。得られた混合物を濾過し、そのDMT濾過ケークをメタノールで洗浄し、風乾して、24.66gのDMTを白色の粉末として得た。これは、GCおよびHPLCによって純度88.7重量%とアッセイされ、収率72%であることが示された。面積%LCによるDMT純度は98.6%であった(認められた唯一の不純物はMHETであった)。濾液の分析から、それが予想収率の7.8%のDMTを含有すること、3.8%のMHETへの収率損失が示された。
【0088】
[0092]本発明のさらなる態様および実施形態:
[0093]第1の態様では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートを製造するための方法であって、(a)ジグリコールテレフタレートとアルコール溶媒/反応物とを合わせて反応混合物を形成するステップ;(b)反応混合物を約35~75℃の反応温度に加熱し、エステル交換反応触媒を添加し、その温度を第1の期間維持するステップ;(c)ステップ(b)の反応混合物を第2の期間にわたって約20~35℃の最終温度に冷却するステップ;(d)ステップ(c)の最終温度を第3の期間維持してC~Cジアルキルテレフタレートのスラリーを形成するステップ;および(e)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(d)のスラリーから濾過によって分離するステップを含む、方法を提供する。
【0089】
[0094]第2の態様では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートを調製するための方法であって、
(a)ジ-C~Cグリコールテレフタレートまたはジ-(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートとC~Cアルコールとを合わせて反応混合物を形成するステップ;
(b)反応混合物を約35~約75℃の温度に加熱し、エステル交換反応触媒を添加し、その温度を第1の期間維持するステップ;
(c)ステップ(b)の反応混合物を第2の期間にわたって約20~約35℃の最終温度に冷却するステップ;
(d)ステップ(c)の最終温度を第3の期間維持してC~Cジアルキルテレフタレートのスラリーを形成するステップ;および
(e)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(d)のスラリーから単離するステップ
を含む、方法を提供する。
【0090】
[0095]第1の実施形態では、本発明は、アルコール溶媒/反応物がC~Cアルコールである、第1の態様の方法を提供する。
[0096]第2の実施形態では、本発明は、C~Cアルコールがメタノール、エタノール、n-プロパノール、またはそれらの混合物である、第2の態様、または第1の実施形態の方法を提供する。
【0091】
[0097]第3の実施形態では、本発明は、エステル交換反応触媒が金属アルコキシドもしくは金属水酸化物またはそれらの混合物である、第1もしくは第2の態様、または第1もしくは第2の実施形態の方法を提供する。
【0092】
[0098]第4の実施形態では、本発明は、金属がリチウム、ナトリウム、およびカリウムから選択される、第3の実施形態の方法を提供する。
[0099]第5の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応温度が約40℃~70℃である、第1もしくは第2の態様、または第1から第4の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0093】
[00100]第6の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応温度が約40℃~65℃である、第1もしくは第2の態様、または第1から第5の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0094】
[00101]第7の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応温度が約50℃~65℃である、第1もしくは第2の態様、または第1から第6の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0095】
[00102]第8の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の第1の期間が約5~60分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第7の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0096】
[00103]第9の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の第1の期間が約5~30分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第8の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0097】
[00104]第10の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の第1の期間が約15~30分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第9の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0098】
[00105]第11の実施形態では、本発明は、ステップ(c)の第2の期間が約2~120分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第10の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0099】
[00106]第12の実施形態では、本発明は、ステップ(c)の第2の期間が約10~60分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第11の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0100】
[00107]第13の実施形態では、本発明は、ステップ(c)の第2の期間が約15~45分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第12の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0101】
[00108]第14の実施形態では、本発明は、ステップ(d)の第3の期間が約0~90分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第13の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0102】
[00109]第15の実施形態では、本発明は、ステップ(d)の第3の期間が約0~60分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第14の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0103】
[00110]第16の実施形態では、本発明は、ステップ(d)の第3の期間が約0~45分である、第1もしくは第2の態様、または第1から第15の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0104】
[00111]第17の実施形態では、本発明は、単離が真空濾過、遠心分離、または圧力濾過から選択される操作である、第2の態様、または第1から第16の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0105】
[00112]第18の実施形態では、本発明は、ジグリコールテレフタレートまたはジ-C~Cグリコールテレフタレートがビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートである、第1もしくは第2の態様、または第1から第17の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0106】
[00113]第19の実施形態では、本発明は、ビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートが、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(ヒドロキシプロピル)テレフタレート、ビス(ヒドロキシブチル)テレフタレート、またはビス(ヒドロキシエチルエトキシ)テレフタレートである、第18の実施形態の方法を提供する。
【0107】
[00114]第20の実施形態では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレートである、第2の態様、または第1から第19の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0108】
[00115]第21の実施形態では、本発明は、C~Cアルコールおよび/または副生成物のうちの1つ以上を生成物混合物から単離するステップであって、C~Cアルコールがメタノールであり、副生成物がエチレングリコールであるステップ(f)をさらに含む、第1または第2の態様の方法を提供する。
【0109】
[00116]第22の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約25未満のAPHA色値を呈する、第21の実施形態の方法を提供する。
[00117]第23の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約15未満のAPHA色値を呈する、第21の実施形態の方法を提供する。
【0110】
[00118]第24の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約10未満のAPHA色値を呈する、第21の実施形態の方法を提供する。
[00119]第25の実施形態では、本発明は、ジグリコールテレフタレートまたはジ-C~Cグリコールテレフタレートがポリエステルのグリコリシスから誘導される、第1もしくは第2の態様、または第1から第24の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0111】
[00120]第26の実施形態では、本発明は、ジグリコールテレフタレートが、ポリエステルテレフタレートの熱成形品、カーペット、剥離ライナー、または織物のグリコリシスから誘導される、第1もしくは第2の態様、または第1から第24の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0112】
[00121]第3の態様では、本発明は、ジメチルテレフタレートを製造するための方法であって、(a)ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートとメタノールとを合わせて反応混合物を形成するステップ;(b)反応混合物を約50~65℃の反応温度に加熱し、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはそれらの混合物からなる群から選択されるエステル交換反応触媒を添加し、その温度を約10~45分の第1の期間維持するステップ;(c)ステップ(b)の反応混合物を約2~45分の第2の期間にわたって30℃未満の最終温度に冷却するステップ;(d)ステップ(c)の最終温度を約0~45分の第3の期間維持してジメチルテレフタレートのスラリーを形成するステップ;および(e)ジメチルテレフタレートをステップ(d)のスラリーから濾過によって分離するステップを含む、方法を提供する。
【0113】
[00122]第27の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応温度が約50℃~60℃である、第3の態様の方法を提供する。
[00123]第28の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の第1の期間が約10~45分である、第3の態様、または第27の実施形態の方法を提供する。
【0114】
[00124]第29の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の第1の期間が約15~30分である、第3の態様、または第27もしくは第28の実施形態の方法を提供する。
[00125]第30の実施形態では、本発明は、ステップ(c)の第2の期間が約2~120分である、第3の態様、または第27から第29の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0115】
[00126]第31の実施形態では、本発明は、ステップ(c)の第2の期間が約7~45分である、第3の態様、または第27から第30の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0116】
[00127]第32の実施形態では、本発明は、ステップ(c)の第2の期間が約2~45分である、第3の態様、または第27から第31の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0117】
[00128]第33の実施形態では、本発明は、ステップ(d)の第3の期間が約0~45分である、第3の態様、または第26から第31の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0118】
[00129]第34の実施形態では、本発明は、ステップ(d)の第3の期間が約0~40分である、第3の態様、または第27から第33の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0119】
[00130]第35の実施形態では、本発明は、濾過が真空濾過、遠心分離、または圧力濾過である、第3の態様、または第27から第34の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0120】
[00131]第36の実施形態では、本発明は、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートがポリエステルのグリコリシスから誘導される、第19の実施形態の方法を提供する。
[00132]第37の実施形態では、本発明は、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートがポリエステルテレフタレートの熱成形品、カーペット、剥離ライナー、または織物のグリコリシスから誘導される、第19の実施形態の方法を提供する。
【0121】
[00133]第38の実施形態では、本発明は、ジメチルテレフタレートを生成物混合物から分離するステップに続いて、メタノールおよび/またはエチレングリコールを生成物混合物から単離するステップをさらに含む、第3もしくは第4の態様、または第27から第37の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0122】
[00134]第39の実施形態では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレートである、第3もしくは第4の態様、または第27から第37の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0123】
[00135]第40の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約25未満のAPHA色値を呈する、第38の実施形態の方法を提供する。
[00136]第41の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約15未満のAPHA色値を呈する、第38の実施形態の方法を提供する。
【0124】
[00137]第42の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約10未満のAPHA色値を呈する、第38の実施形態の方法を提供する。
[00138]第4の態様では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートを製造するための方法であって、(a)ジグリコールテレフタレートとアルコール溶媒/反応物とを0℃~35℃の間の反応温度で合わせるステップ;(b)エステル交換反応触媒を添加し、その反応温度をある反応期間維持して生成物混合物を形成するステップ;および(c)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(b)の生成物混合物から濾過によって分離するステップを含む、方法を提供する。
【0125】
[00139]第5の態様では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートを調製するための方法であって、
(a)ジ-C~Cグリコールテレフタレートまたはジ-(ヒドロキシエトキシエチル)テレフタレートとC~Cアルコールとを約35℃未満の反応温度で合わせるステップ;
(b)エステル交換反応触媒を添加し、その反応温度をある反応期間維持して生成物混合物を形成するステップ;および
(c)C~Cジアルキルテレフタレートをステップ(b)の生成物混合物から単離するステップ
を含む、方法を提供する。
【0126】
[00140]第43の実施形態では、本発明は、アルコール溶媒/反応物がC~Cアルコールである、第4の態様の方法を提供する。
[00141]第44の実施形態では、本発明は、C~Cアルコールが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、またはそれらの混合物から選択される、第4もしくは第5の態様、または第43の実施形態の方法を提供する。
【0127】
[00142]第45の実施形態では、本発明は、エステル交換反応触媒が金属アルコキシドもしくは金属水酸化物またはそれらの混合物である、第4もしくは第5の態様、または第43もしくは第44の実施形態の方法を提供する。
【0128】
[00143]第46の実施形態では、本発明は、金属がリチウム、ナトリウム、およびカリウムである、第4もしくは第5の態様、または第43から第45の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0129】
[00144]第47の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応温度が約0℃~30℃である、第4もしくは第5の態様、または第43から第46の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0130】
[00145]第48の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応温度が約0℃~25℃である、第4もしくは第5の態様、または第43から第46の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0131】
[00146]第49の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応期間が約5~180分である、第4もしくは第5の態様、または第43から第46の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0132】
[00147]第50の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応期間が約5~120分である、第4もしくは第5の態様、または第43から第46の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0133】
[00148]第51の実施形態では、本発明は、ステップ(b)の反応期間が約10~90分である、第4もしくは第6の態様、または第43から第46の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0134】
[00149]第52の実施形態では、本発明は、単離するステップ(c)が真空濾過、遠心分離、または圧力濾過から選択される操作である、第5の態様、または第43から第51の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0135】
[00150]第53の実施形態では、本発明は、ジグリコールテレフタレートがビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートである、第4もしくは第5の態様、または第43から第52の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0136】
[00151]第54の実施形態では、本発明は、ビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレートがビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートである、第4もしくは第5の態様、または第43から第53の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0137】
[00152]第55の実施形態では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレートである、第4もしくは第5の態様、または第43から第54の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0138】
[00153]第56の実施形態では、本発明は、ジグリコールテレフタレートがポリエステルのグリコリシスから誘導される、第4もしくは第5の態様、または第43から第55の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0139】
[00154]第57の実施形態では、本発明は、ジグリコールテレフタレートが、ポリエステルテレフタレートの熱成形品、カーペット、剥離ライナー、または織物のグリコリシスから誘導される、第4もしくは第5の態様、または第43から第56の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0140】
[00155]第58の実施形態では、本発明は、C~Cジアルキルテレフタレートを生成物混合物から分離するステップに続いて、アルコール溶媒および/または副生成物のうちの1つ以上を生成物混合物から単離するステップをさらに含む、第4もしくは第5の態様、または第43から第57の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0141】
[00156]第59の実施形態では、本発明は、アルコール溶媒がメタノールであり、副生成物がエチレングリコールである、第58の実施形態の方法を提供する。
[00157]第60の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約25未満のAPHA色値を呈する、第59の実施形態の方法を提供する。
【0142】
[00158]第61の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約15未満のAPHA色値を呈する、第59の実施形態の方法を提供する。
[00159]第62の実施形態では、本発明は、エチレングリコールが約10未満のAPHA色値を呈する、第59の実施形態の方法を提供する。
【0143】
[00160]第63の実施形態では、本発明は、ジメチルテレフタレートを1種以上のグリコールを含む反応物と反応させてポリエステルを形成するステップをさらに含む、先行する態様および実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0144】
[00161]本発明について、本明細書に開示される実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の趣旨および範囲内で変更および修正を行うことができることが理解されよう。
【国際調査報告】