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特表2024-538242テトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリマーからジアルキルテレフタレートを回収するための方法
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  • 特表-テトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリマーからジアルキルテレフタレートを回収するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】テトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリマーからジアルキルテレフタレートを回収するための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/03 20060101AFI20241010BHJP
   C07C 69/82 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 23/04 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 31/22 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 31/02 20060101ALI20241010BHJP
   B01J 31/04 20060101ALI20241010BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
C07C67/03
C07C69/82 A
B01J23/04 Z
B01J31/22 Z
B01J31/02 101Z
B01J31/04 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524624
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022047647
(87)【国際公開番号】W WO2023076209
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/262,977
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,ピングァン
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ハンナ・グレイス
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169BA27B
4G169BB16B
4G169BC02B
4G169BC03B
4G169BC22B
4G169BC35B
4G169BE01B
4G169BE06B
4G169BE08B
4G169CB35
4G169DA02
4H006AA02
4H006AC48
4H006BA02
4H006BA29
4H006BB14
4H006BC34
4H006BJ50
4H006KA03
4H006KC30
4H039CA66
4H039CL60
(57)【要約】
ジアルキルテレフタレートを回収するための方法。方法は、1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、エチレングリコール、メタノール、または両方に解重合条件下で曝露し、それにより1種以上の解重合生成物を用意するステップを含んでもよい。1種以上の解重合生成物をアルコリシスプロセスに曝露してジアルキルテレフタレートを回収することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィードストックから1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法であって、1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、i)エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方;およびii)解重合触媒に、解重合条件下で第1の反応容器中で曝露して、第1の固体成分および第1の液体成分を有する第1の混合物を用意するステップであり、第1の液体成分が1種以上の解重合生成物を含み、解重合条件が、150℃~260℃の温度、および1atm(14.7psig)~102atm(1500psig)の圧力、および0.5時間~10時間の期間を含むステップ;第1の混合物の少なくとも一部を150℃未満の温度に冷却するステップ;第1の液体成分の少なくとも一部を、23℃~70℃の温度および1atm~2atmの圧力を含む条件下で、0.5時間~5時間の期間にわたってアルコール組成物およびアルコリシス触媒に曝露し、第2の混合物を用意するステップであり、第2の混合物が1種以上のジアルキルテレフタレートを含むステップ;ならびに1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を固液分離によって分離するステップを含む、方法。
【請求項2】
1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、i)エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方;およびii)解重合触媒に曝露するステップにおいて、EG、メタノール、または両方と、1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルとの重量比が4:1~2:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、i)エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方;およびii)解重合触媒に曝露するステップにおいて、EGとメタノールとの重量比が10:0~0:10の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アルコール組成物と1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルとの重量比が2:1~10:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
フィードストック組成物が1種以上の異物を含み、1種以上の異物が、TMCD含有ポリエステルおよびポリエチレンテレフタレート(PET)以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレートおよびポリアミド、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウムおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1種以上の異物が、フィードストック組成物中の1種以上のTMCD含有ポリエステルの重量に対して0.01wt.%~50wt.%の量で存在する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
解重合触媒が、LiCO、CaCO、NaCO、CsCO、ZrCO、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド(Mg(OMe)、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac))、酢酸亜鉛(Zn(OAc))、酢酸マンガン(II)(Mn(OAc))、ハイドロタルサイト、ゼオライトおよび塩化リチウムからなる群から選択されるメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
解重合触媒が、フィードストック組成物の重量に対して0.1wt.%~10wt.%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
解重合触媒が、NaOMe、Zn(OAc)、または両方である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
アルコリシス触媒が、フィードストック組成物の重量に対して0.1wt.%~20wt.%の量で存在し、アルコリシス触媒が、KCO、NaCO、LiCO、CsCO;KOH、LiOH、NaOH;NaOMe、Mg(OMe)、KOMe、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1種以上の解重合生成物がモノマー、オリゴマーまたはそれらの組合せを含み、オリゴマーが2~10の重合度を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の液体成分の少なくとも一部をアルコール組成物に曝露する前に、第1の混合物中の第1の固体成分から第1の液体成分の少なくとも一部を分離するステップであって、分離が50℃~150℃の温度で行われるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
異物の少なくとも一部が、第1の混合物の第1の固体成分中に存在する、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
第2の混合物が第2の液体成分および第2の固体成分を含み、1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を固液分離によって分離する間に、1種以上のジアルキルテレフタレートが第2の固体成分中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第2の液体成分が、メタノール、EG、TMCD、またはそれらの組合せを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第2の混合物からEG、メタノール、TMCD、またはそれらの組合せの少なくとも一部を分離するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
フィードストックがポリエチレンテレフタレート(PET)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
フィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルに対するPETの重量比が10:1~1:10である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
アルコール組成物がメタノールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
1種以上のジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレート(DMT)を含み、1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を固液分離によって分離するステップが、DMTの少なくとも一部を分離することを含み、DMTの少なくとも一部が少なくとも90%の純度である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、TMCD含有ポリマーをリサイクルするための方法に関する。より詳細には、本開示は、TMCD含有ポリエステルを含むフィードストックからジアルキルテレフタレートを回収することに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の従来のシステムは、ポリエステルをリサイクルする試みにおいて、グリコリシスおよび/またはメタノリシスプロセスを利用する場合がある。しかし、特定の従来のグリコリシスおよび/またはメタノリシスプロセスは、後続の生産プロセス、例えば、リサイクルされたポリエステルまたは他の組成物を作製する生産プロセスで使用するために好適な生成物に到達するために、実質的な量の資源およびエネルギーを必要とする場合がある。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、フィードストックから1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法が提供される。方法は、1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、i)エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方;およびii)解重合触媒に、解重合条件下で第1の反応容器中で曝露して、第1の固体成分および第1の液体成分を有する第1の混合物を用意するステップを含んでもよい。第1の液体成分は、1種以上の解重合生成物を含んでもよい。解重合条件は、150℃~260℃の温度、および1atm(14.7psig)~102atm(1500psig)の圧力、および0.5時間~10時間の期間を含んでもよい。方法はまた、第1の混合物の少なくとも一部を150℃未満の温度に冷却するステップを含んでもよい。方法はまた、第1の液体成分の少なくとも一部を、23℃~70℃の温度および1atm~2atmの圧力を含む条件下で、0.5時間~5時間の期間にわたってアルコール組成物およびアルコリシス触媒に曝露し、第2の混合物を用意するステップを含んでもよい。第2の混合物は、1種以上のジアルキルテレフタレートを含んでもよい。方法はまた、1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を固液分離によって分離するステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の態様によるフィードストック組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための例示的なシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概要
本開示は、本開示の特定の態様および実施例の以下の詳細な説明を参照することによってさらに容易に理解され得る。本開示の目的に従い、本開示の特定の態様は、発明の概要に記載され、以下で本明細書にさらに記載される。また、本開示の他の態様も本明細書に記載される。
【0006】
本明細書における態様は、TMCD含有ポリエステルを含むフィードストック組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法に関する。本明細書に記載されるように、特定の態様では、例示的な方法は、TMCD含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、解重合条件下で、エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方に曝露して1種以上の解重合生成物を作製し、次いでこれをジアルキルテレフタレートを回収するためのアルコリシスプロセスに曝露するステップを含んでもよい。
【0007】
上記で考察したように、特定の従来のグリコリシスおよび/またはメタノリシスプロセスは、後続の生産プロセス、例えば、リサイクルされたポリエステルまたは他の組成物を作製するための生産プロセスで使用するのに好適な生成物に到達するために、実質的な量の資源およびエネルギーを必要とする場合がある。
【0008】
本明細書に開示される方法およびシステムは、上記の問題の1つ以上を軽減することができる。例えば、特定の態様では、本明細書に開示される方法は、TMCD含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を1種以上のグリコールおよび/またはメタノールによる解重合条件に曝露して、1種以上の解重合生成物を用意するステップを含んでもよい。種々の態様では、1種以上の解重合生成物は、モノマー、オリゴマー、またはそれらの組合せを含んでもよい。態様では、1種以上の解重合生成物をアルコリシス条件に曝露して、高収率および高純度のジアルキルテレフタレート生成物を得ることができる。本明細書で考察されるように、アルコリシス条件は、特定の従来のシステムと比較して低下した温度を含み、これは、必要とされる全体的なエネルギーおよび資源を低減する。態様では、本明細書で考察されるように、本明細書に記載される解重合およびアルコリシス条件は、特定の従来のプロセスよりも実質的に穏やかであり、その結果、例えば、エチレングリコールを種々の不純物に変換する副反応または分解反応がより少ないことに起因して、エチレングリコール収率損失が少なくなる。さらに、以下でさらに考察される特定の態様では、得られるアルコリシス液体成分中に存在するグリコールは、アルコリシスに利用されるアルコール組成物の少なくとも一部から分離することができ、これらのリサイクルグリコールは、その後の一連のジアルキルテレフタレート回収で再使用されてもよく、これもまた資源消費を低減する。
【0009】
フィードストック組成物
上記で考察されたように、本明細書に記載の方法は、フィードストック組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収することに関する。特定の態様では、フィードストック組成物は、1種以上のポリエステルを含んでもよい。種々の態様では、フィードストック組成物は、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含んでもよい。特定の態様では、フィードストック組成物は、TMCD含有ポリエステル、および任意選択でポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでもよい。1つ以上の態様では、フィードストック組成物は、TMCD含有ポリエステルおよびポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでもよい。種々の態様では、フィードストック組成物は、本明細書で考察される追加の成分、例えば、異物も含んでもよいか、または任意選択で含む。
【0010】
用語「ポリエステル」は、1種以上の二官能性カルボン酸および/または多官能性カルボン酸と、1種以上の二官能性ヒドロキシル化合物および/または多官能性ヒドロキシル化合物との反応によって調製される合成ポリマーを指してもよい。二官能性カルボン酸はジカルボン酸であってもよく、二官能性ヒドロキシル化合物は、例えばグリコールなどの二価アルコールであってもよい。さらに、本明細書で使用される場合、用語「二酸」または「ジカルボン酸」は、分岐剤などの多官能性酸を含む。本明細書で使用される場合、用語「グリコール」または「ジオール」は、ジオール、グリコール、および/または多官能性ヒドロキシル化合物を含むがこれらに限定されない。ジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマーまたはその関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、またはそれらの混合物に由来してもよい。したがって、本明細書で使用される場合、用語ジカルボン酸は、ジカルボン酸、およびポリエステルを作成するためのジオールとの反応プロセスで有用な、その関連する酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物、またはそれらの混合物を含むジカルボン酸の任意の誘導体を含むことを意図する。本明細書で使用される場合、用語「ポリエステル」は、コポリエステルも指すことが理解されるべきである。
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「残基」は、ポリマー、オリゴマー、またはダイマー中のモノマー単位または繰り返し単位を指す。例示のための非限定的な例として、ポリマーは、以下のモノマー:テレフタル酸(「TPA」)とシクロヘキシル-1,4-ジメタノール(「CHDM」)の縮合から作成されてもよい。縮合反応により水分子が失われる。得られるポリマー中の残基は、テレフタル酸またはシクロヘキシル-1,4-ジメタノールのいずれかに由来する。以下の式(I)に、ポリエステルの非限定的な例を示す。
【0012】
【化1】
【0013】
本明細書に開示される方法で使用されるポリエステルは、典型的に、実質的に等しい割合で反応し、それらの対応する残基としてポリエステルポリマーに組み込まれるジカルボン酸およびジオールから調製されてもよい。したがって、本発明のポリエステルは、繰り返し単位の総モルが100モル%に等しいように、実質的に等モル割合の酸残基(100モル%)およびジオール(および/または多官能性ヒドロキシル化合物)残基(100モル%)を含んでもよい。したがって、本開示で提供されるモルパーセンテージは、酸残基の総モル、ジオール残基の総モル、または繰り返し単位の総モルに基づいてもよい。例えば、総酸残基に基づいて10モル%のイソフタル酸を含むポリエステルは、ポリエステルが合計100モル%の酸残基のうち10モル%のイソフタル酸残基を含むことを意味する。したがって、酸残基100モル毎のうち10モルのイソフタル酸残基が存在する。別の例では、総ジオール残基に基づいて30モル%のTMCDを含むポリエステルは、ポリエステルが合計100モル%のジオール残基のうち30モル%のTMCD残基を含むことを意味する。したがって、このような例では、ジオール残基100モル毎のうち30モルのTMCD残基が存在する。
【0014】
態様では、1種以上のポリエステルは、ASTM D2857-70に従って決定して約0.1dL/g~約1.2dL/g、ASTM D2857-70に従って決定して約0.2dL/g~約1.2dL/g、ASTM D2857-70に従って決定して約0.3dL/g~約1.2dL/g、またはASTM D2857-70に従って決定して約0.4dL/g~約1.2dL/gの固有粘度を示す。
【0015】
特定の態様では、出発材料としてテレフタル酸が使用されてもよい。別の実施形態では、出発材料としてジメチルテレフタレートが使用されてもよい。さらに別の実施形態では、出発材料および/または中間材料としてテレフタル酸とジメチルテレフタレートとの混合物が使用されてもよい。1つ以上の態様では、ポリエステルのジカルボン酸成分は、例えば、イソフタル酸などの1種以上の変性芳香族ジカルボン酸を含んでもよい。
【0016】
上記で考察されたように、態様では、フィードストック組成物は、1種以上の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含んでもよい。特定の態様では、TMCDを含む任意のポリエステルは、本明細書に開示される方法における使用が企図される。特定の態様では、TMCD含有ポリエステルは、1mol%~60mol%のTMCD、1mol%~55mol%のTMCD、1mol%~50mol%のTMCD、1mol%~40mol%のTMCD、1mol%~35mol%のTMCD、1mol%~30mol%のTMCD、1mol%~25mol%のTMCD、1mol%~20mol%のTMCD、または20mol%~40mol%のTMCDから構成されてもよい。同じまたは代替的な態様では、TMCD含有ポリエステルは、1mol%~60mol%のTMCD、1mol%~55mol%のTMCD、1mol%~50mol%のTMCD、1mol%~40mol%のTMCD、1mol%~35mol%のTMCD、1mol%~30mol%のTMCD、1mol%~25mol%のTMCD、1mol%~20mol%のTMCD、または20mol%~40mol%のTMCDを含んでもよく、ジオール成分の残りはエチレングリコール(EG)、CHDM、または両方である。特定の態様では、TMCD含有ポリエステルは、1mol%~60mol%のTMCD、1mol%~55mol%のTMCD、1mol%~50mol%のTMCD、1mol%~40mol%のTMCD、1mol%~35mol%のTMCD、1mol%~30mol%のTMCD、1mol%~25mol%のTMCD、1mol%~20mol%のTMCD、または20mol%~40mol%のTMCD;0mol%~99mol%のEG、1mol%~99mol%のEG、0mol%~85mol%のEG、1mol%~85mol%のEG、40mol%~90mol%のEG、または60mol%~80mol%のEG;0mol%~99mol%のCHDM、1mol%~99mol%のCHDM、0mol%~85mol%のCHDM、1mol%~85mol%のCHDM、40mol%~90mol%のCHDM、または60mol%~80mol%のCHDMを含んでもよい。一態様では、TMCD含有ポリエステルは、20mol%~40mol%のTMCDおよび60mol%~80mol%のEGを含んでもよい。特定の態様では、TMCD含有ポリエステルは、20mol%~40mol%のTMCDおよび60mol%~80mol%のCHDMを含んでもよい。特定の態様では、TMCD含有ポリエステルは、1mol%~60mol%のTMCD、1mol%~55mol%のTMCD、1mol%~50mol%のTMCD、1mol%~40mol%のTMCD、1mol%~35mol%のTMCD、1mol%~30mol%のTMCD、1mol%~25mol%のTMCD、1mol%~20mol%のTMCD、または20mol%~40mol%のTMCDを含んでもよく、ジオール成分の残りは、エチレングリコール(EG)、CHDM、トリメチロールプロパン(TMP)、モノプロピレングリコール(MPG)、またはそれらの組合せである。
【0017】
種々の態様では、フィードストック組成物は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性PETもしくは両方を含んでもよいか、または任意選択で含んでもよい。グリコール変性PETの例としては、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)変性PET、イソフタル酸(IPA)変性PET、ジエチレングリコール(DEG)変性PET、グリコール変性PET、ネオペンチルグリコール(NPG)変性PET、プロパンジオール(PDO)変性PET、ブタンジオール(BDO)変性PET、ヘキサンジオール(heaxanediol)(HDO)変性PET、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)変性PET、イソソルビド変性PET、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)変性PET、ポリ(エチレン)グリコール(PEG)変性PET、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)含有コポリエステル、イソソルビド含有コポリエステル、またはこれらの組合せを挙げることができる。同じまたは代替的な態様では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、CHDM、IPA、DEG、NPG、PDO、BDO、HDO、MPジオール、イソソルビド、PTMG、PEG、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0018】
種々の態様では、PETはCHDMを含んでもよい。一態様では、PETは、約0モル%~約100モル%のCHDM、約1モル%~約100モル%のCHDM、約1モル%~約90モル%のCHDM、約1モル%~約80モル%のCHDM、約1モル%~約70%のCHDM、約1モル%~約60モル%のCHDM、約1モル%~約50モル%のCHDM、約1モル%~約40モル%のCHDM、約1モル%~約35モル%のCHDM、約1モル%~約30モル%のCHDM、約1モル%~約25モル%のCHDM、約1モル%~約20モル%のCHDM、約1モル%~約10モル%のCHDM、または約1モル%~約5モル%のCHDMを含んでもよい。態様では、CHDMのモル%は、PET中のすべてのジオール等価物に対するCHDMのモル%を指す。種々の態様では、PETはDEGを含んでもよい。態様では、PETは、約0モル%~約100モル%のDEG、約1モル%~約100モル%のDEG、約1モル%~約90モル%のDEG、約1モル%~約80モル%のDEG、約1モル%~約70モル%のDEG、約1モル%~約60モル%のDEG、約1モル%~約50モル%のDEG、約1モル%~約40モル%のDEG、約1モル%~約35モル%のDEG、約1モル%~約30モル%のDEG、約1モル%~約20モル%のDEG、約1モル%~約10モル%のDEG、約1モル%~約5モル%のDEG、または約1モル%~約3モル%のDEGを含んでもよい。態様では、DEGのモル%は、PET中のすべてのジオール等価物に対するDEGのモル%を指す。態様では、PETはイソフタル酸を含んでもよい。態様では、PETは、約0モル%~約30モル%のイソフタル酸、約1モル%~約30モル%のイソフタル酸、約1モル%~約25モル%のイソフタル酸、約1モル%~約20モル%のイソフタル酸、約1モル%~約15モル%のイソフタル酸、約1モル%~約10モル%のイソフタル酸、約1モル%~約7.5モル%のイソフタル酸、約1モル%~約5モル%のイソフタル酸、約1モル%~約3モル%のイソフタル酸、約10モル%以下のイソフタル酸、約7.5モル%以下のイソフタル酸、約5モル%以下のイソフタル酸、または約3モル%以下のイソフタル酸を含んでもよい。態様では、イソフタル酸のモル%は、PET中の全二酸等価物に対するイソフタル酸のモル%を指す。特定の態様では、PETは、約0モル%~約100モル%のCHDM、約0モル%~約100モル%のDEG、約0モル%~約30モル%のイソフタル酸、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、PETは、約1モル%~約100モル%のCHDM、約1モル%~約100モル%のDEG、約1モル%~約30モル%のイソフタル酸、またはそれらの組合せを含んでもよい。種々の態様では、PETは、他のグリコール、例えば上述したもの以外を含んでもよい。例えば、態様では、PETは、これらに限定されないが、ネオペンチルグリコール(NPG)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ブタンジオール(BDO)、プロパンジオール(PDO)、ヘキサンジオール(HDO)、イソソルビド、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、ポリ(エチレン)グリコール(PEG)、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、NPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMGおよびPEGのそれぞれは、0モル%~約100モル%、約1モル%~約100モル%、約1モル%~約90モル%、約1モル%~約80モル%、約1モル%~約70モル%、約1モル%~約60モル%、約1モル%~約50モル%、約1モル%~約40モル%、約1モル%~約35モル%、約1モル%~約30モル%、約1モル%~約25モル%、約1モル%~約20モル%、約1モル%~約10モル%、または約1モル%~約5モル%の量でPET中に存在してもよい。態様では、NPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMG、およびPEGのそれぞれのモル%は、PET中の全ジオール等価物に対するNPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMG、およびPEGのそれぞれのモル%をそれぞれ指す。種々の態様では、PETは、CHDM、DEG、NPG、MPジオール、BDO、PDO、HDO、イソソルビド、PTMG、PEG、イソフタル酸、またはそれらの組合せを含んでもよく、各成分は、この段落に記載されるそのような成分についての量のいずれかで存在する。
【0019】
種々の態様では、PETがフィードストック組成物中に存在する場合、フィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルに対するPETの重量比は、10:1~1:10、9:1~1:9、8:1~1:8、7:1~1:7、6:1~1:6、5:1~1:5、4:1~1:4、3:1~1:3、または2:1~1:2であってもよい。態様では、グリコール変性PETがフィードストック組成物中に存在する場合、この段落に記載したのと同じ相対量で存在することができる。
【0020】
態様において、フィードストック組成物は、リサイクルされたポリエステル、例えば、リサイクルされたTMCD含有ポリエステル、リサイクルされたPET、または両方を含んでもよい。種々の態様では、リサイクルされたポリエステルは、製造スクラップ、産業廃棄物、消費財廃棄物、またはそれらの組合せとして回収された材料を含んでもよい。態様では、リサイクルされたポリエステルは、使用および/または廃棄された既使用製品であってもよい。態様では、フィードストック組成物および/またはリサイクルされたポリエステルは、織物、カーペット、熱成形材料、ボトル、ペレット、およびフィルムを含むがこれらに限定されない種々の供給源から、および/または種々の形態で得られてもよい。1つ以上の態様では、フィードストック組成物は、本明細書に記載のプロセスなどの先行DMT回収プロセスから回収されたDMTから形成された再生ポリエステル、例えば、再生TMCD含有ポリエステル、再生PET、または両方を含んでもよい。
【0021】
種々の態様では、フィードストック組成物は1種以上の異物を含んでもよい。態様では、1種以上の異物は、これらに限定されないが、TMCD含有ポリエステルおよびポリエチレンテレフタレート(PET)以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ナイロン、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、カラートナー、着色剤、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウムおよび鉄、またはそれらの組合せを含んでもよい。種々の態様では、1種以上の異物は、フィードストック組成物中の1種以上のTMCD含有ポリエステルの重量に対して、および/またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルおよびPETの重量に対して約0.01wt.%~約50wt.%、約0.01wt.%~約40wt.%、約0.01wt.%~約30wt.%、約0.01wt.%~約20wt.%、約0.01wt.%~約15wt.%、約0.01wt.%~約10wt.%、約0.01wt.%~約7.5wt.%、約0.01wt.%~約5wt.%、約0.01wt.%~約2.5wt.%、約0.01wt.%~約1.0wt.%の量でフィードストック組成物中に存在してもよい。
【0022】
態様では、フィードストック組成物は、固体形態、液体形態、溶融形態、または溶液であってもよい。特定の態様では、溶液は、溶媒、例えばDMT、EG、DEG、TEG、またはそれらの組合せに予め溶解されたフィードストック組成物を含んでもよい。
【0023】
ポリエステル組成物の任意選択の前処理
特定の態様では、解重合および/またはメタノリシスの前に、フィードストック組成物の任意選択の前処理が実施されてもよい。種々の態様では、任意選択の前処理は、フィードストック組成物から任意の異物の一部を除去するのを助ける、および/または混合フィードストック、例えば、上記で考察した異物を含むフィードストックから1種以上のポリエステルを回収するのを助ける任意の種類の処理を含んでもよい。例えば、一態様では、任意選択の前処理は、フィードストック組成物中の1種以上のポリエステル(またはフィードストック組成物中の異物の少なくとも一部)を選択的に溶解して、異物の少なくとも一部とフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルおよび/またはPETとの間の分離を可能にするために、フィードストック組成物を1種以上の溶媒に曝露するステップを含んでもよい。一例の態様として、任意選択の前処理は、フィードストック組成物を1種以上の溶媒、例えば、フィードストック組成物中の1種以上のポリエステルの溶解を引き起こすことができる1種以上の溶媒に曝露するステップを含んでもよい。例えば、1種以上の溶媒としては、4-メチルシクロヘキサンメタノール(MCHM)、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、プロパンジオール(PDO)、ブタンジオール(BDO)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPジオール)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(PTMG)、ジブチルテレフタレート(DBT)、ジオクチルテレフタレート(DOTP)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。同じまたは代替的な態様では、フィードストック組成物は、1種以上の成分の溶解を実行するために、特定の温度で1種以上の溶媒に曝露されてもよい。種々の態様では、前処理プロセスは、所望のレベルの異物除去ならびに/またはTMCD含有ポリエステルおよび/もしくはPETの純度レベルを達成するために、種々の溶媒および/または温度を使用する1つ以上の溶解および分離ステップを含んでもよい。例えば、1つの態様では、特定の温度で1種の溶媒を使用して溶解および分離を利用し、例えば、1種以上の異物を除去した後、特定の温度で別の溶媒を使用してポリエステル画分の後続の溶解および分離を行い、例えば、1種以上の他の異物を除去することができる。この任意選択の前処理ステップにおける溶解および/または分離は、所望の前処理されたフィードストック組成物を達成するために、任意の好適なシステム、反応器、容器および/または分離技術を利用することができる。
【0024】
フィードストック組成物の解重合
上記で考察したように、種々の態様では、本明細書に開示される方法は、フィードストック組成物を解重合条件に曝露して、1種以上のポリエステル、例えば、TMCD含有ポリエステルおよび/またはPETの少なくとも一部を1種以上の解重合生成物に解重合させるステップを含んでもよい。種々の態様では、1種以上の解重合生成物は、モノマー、オリゴマー、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、オリゴマーは、2~10、2~8、2~6、または2~4の重合度を示してもよい。態様では、1種以上のポリエステルは、モノマー、および2~10、2~8、2~6または2~4の重合度を有するオリゴマーを含み得る1種以上の解重合生成物に解重合されてもよい。態様では、オリゴマーの重合度を識別するために液体クロマトグラフィーがされてもよく、および/またはオリゴマーの分子量を識別するためにゲル浸透クロマトグラフィーが利用されてもよい。
【0025】
態様では、重合度(DP)という用語は、オリゴマー中の残基の数を指してもよい。本明細書で使用される場合、重合度(DP)は、オリゴマー中の二官能性カルボン酸残基および/または多官能性カルボン酸残基の数を指す。例えば、1つの例示的な態様では、1のDPは、1つのテレフタル酸残基または1つのイソフタル酸残基を含む残基を指す。このような例示的な態様では、1のDPはモノマーとも称されてもよい。1のDPの非限定的な例が式(II)で以下に提供され、ここでRは、グリコール、例えば、態様において本明細書に記載されるグリコールのいずれかであってもよい。例えば、本明細書に記載のTMCD含有ポリエステルの場合、RはTMCDであってもよい。
【0026】
【化2】
【0027】
以下の式(III)~(V)は、態様においてそれぞれ2、3、およびnのDPを有するオリゴマーの非限定的な例を示す。式(III)、(IV)および(V)において、Rは、グリコール、例えば、態様において本明細書に記載されるグリコールのいずれかであってもよい。例えば、本明細書に記載のTMCD含有ポリエステルの場合、RはTMCDであってもよい。
【0028】
【化3】
【0029】
1つ以上の態様では、この解重合プロセスはグリコリシスプロセスを介して行われてもよい。一般に、態様では、グリコリシスプロセスは、フィードストック組成物を1種以上のグリコールに曝露することを含んでもよく、グリコールは、任意選択でトランスエステル化触媒の存在下でポリエステルと反応し、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)と低分子量テレフタレートオリゴマーの混合物を形成する。グリコリシスプロセスのいくつかの代表的な例は、米国特許第3,257,335号;第3,907,868号;第6,706,843号;および第7,462,649号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。特定の態様では、解重合プロセスは、フィードストック組成物を、解重合条件下で、1種以上のグリコール、メタノール、または両方に曝露することを含んでもよい。
【0030】
解重合プロセスの一態様では、1種以上のポリエステル、例えば1種以上のTMCD含有ポリエステル、ならびに1種以上のグリコールおよび/またはメタノールを解重合反応器にフィードすることができ、そこでTMCD含有ポリエステルが解重合条件下で溶解および解重合される。
【0031】
態様では、解重合プロセスでの使用に好適な1種以上のグリコールおよびメタノールの任意の量を利用することができる。種々の態様では、フィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルに対する1種以上のグリコール、メタノール、または両方の重量比は、10:1~2:1、9:1~2:1、8:1~2:1、7:1~2:1、6:1~2:1、5:1~2:1、または4:1~2:1の範囲であってもよい。
【0032】
特定の態様では、1種以上のグリコールは、グリコリシスプロセスに使用するために好適な任意のグリコールを含んでもよい。態様では、グリコールという語は、脂肪族、脂環式およびアラルキルグリコールを指してもよい。例示的なグリコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコールとしても公知)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、イソソルビド、p-キシリレンジオールなどが挙げられる。これらのグリコールは、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールの場合のように、エーテル結合を含むこともできる。グリコールの追加的な実施形態としては、ポリエチレングリコールとして公知の高分子量ホモログ、例えばCarbowax(商標)の商品名でDow Chemical Companyによって生産されているものが挙げられる。一実施形態では、ポリエチレングリコールは、200より多く~約10,000ダルトン(M)の分子量を有する。これらのグリコールは、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどのより高次のアルキルアナログも含む。同様に、さらなるグリコールは、分子量が約200~約10,000ダルトン(M)(g/モルとも称する)の範囲であるポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのより高次のポリアルキレンエーテルジオールを含む。一態様では、グリコールは、脂肪族、脂環式およびアラルキルグリコールから選択することができる。同じまたは代替的な態様では、グリコールは、エチレングリコール;1,2-プロパンジオール;1,3-プロパンジオール;1,4-ブタンジオール;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール;1,2-シクロヘキサンジメタノール;1,3-シクロヘキサンジメタノール;1,4-シクロヘキサンジメタノール;2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール;イソソルビド;p-キシリレンジオール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;テトラエチレングリコール;ポリエチレングリコール;ジプロピレングリコール;ジブチレングリコール;ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールから選択されるポリアルキレンエーテルジオールから選択することができる。
【0033】
種々の態様では、1種以上のグリコールはエチレングリコール(EG)を含んでもよい。特定の態様では、EGおよびメタノールは、解重合プロセスで利用されてもよい。特定の態様では、以下で詳細に考察されるように、1種以上のグリコールは、本明細書で開示されるように、1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための先行グリコリシスおよびメタノリシスプロセスから回収されたリサイクルグリコールであってもよい。同じまたは代替的な態様では、メタノールは、解重合プロセスに存在する場合、グリコリシスプロセス、メタノリシスプロセス、または両方からリサイクルされてもよい。
【0034】
種々の態様では、上記で考察されたように、解重合プロセスは、1種以上の触媒、例えば、トランスエステル化触媒を含んでもよい。特定の態様では、触媒は、フィードストック組成物の重量に対して、またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルおよび/もしくはPETの重量に対して0.1wt.%~10wt.%の量で存在してもよい。態様では、任意の好適な触媒を利用することができる。一態様では、触媒は、炭酸塩触媒、例えば、これらに限定されないが、LiCO、NaCO、CsCO、ZrCO、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、水酸化物触媒、例えば、これらに限定されないが、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、アルコキシド触媒、例えば、これらに限定されないが、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac))、酢酸亜鉛(Zn(OAc))、および酢酸マンガン(II)(Mn(OAc)))、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、触媒は、LiOH、NaOH、KOH、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、ZrCO、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、および亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac))、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、触媒は、LiOH、NaOH、KOH、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、およびリチウムメトキシド(LiOMe)を含んでもよい。特定の態様では、触媒は、LiCO、CaCO、NaCO、CsCO、ZrCO3、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド(Mg(OMe)、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(FASCAT 4102)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac))、酢酸亜鉛(Zn(OAc))、酢酸マンガン(II)(Mn(OAc))、ハイドロタルサイト、ゼオライト、塩化リチウム、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0035】
解重合条件は、かき混ぜられた反応器中0.5時間~10時間にわたって150℃~260℃の温度、および1atm(14.7psig)~102atm(1500psig)、1atm(14.7psig)~50atm(734psig)、1atm(14.7psig)~30atm(440psig)、1気圧(atm)(14.7psig)~15atm(220psig)、または1atm(14.7psig)~2atm(30psig)の絶対圧を含んでもよい。解重合速度を増加させるためにより高温が使用されてもよいが、高圧に耐え得る反応器システムが要求される場合がある。ポリエステルと1種以上のグリコールおよび/またはメタノールとの反応には、1つまたは複数の反応器が使用されてもよい。例えば、反応混合物は、第一段から連続的に抜き出され、追加のグリコールおよび/またはメタノールとともに、圧力下に維持された第二段に導入されてもよく、解重合は所望の完了度まで継続する。種々の態様では、任意の種類の容器、反応器および/または反応器システムを、ポリエステルの解重合またはグリコリシスに利用することができる。一態様では、連続撹拌槽型反応器または容器、固定床反応器、または溶融押出機である。同じまたは代替的な態様では、フィードストック組成物の解重合またはグリコリシスは、バッチまたは連続方法であってもよい。
【0036】
上記で詳述した解重合条件に曝露した後、得られた混合物を任意選択で約150℃以下、または約50℃~約150℃の温度まで冷却させることができる。態様では、得られた混合物は解重合反応容器内で所望の温度まで冷却させるか、または温度を下げるために異なる容器に移すことができる。得られた混合物は、固体成分および液体成分を含んでもよい。態様では、液体成分は、1種以上の解重合生成物、例えば、モノマーおよび/または2~10の重合度を有するオリゴマーを1種以上のグリコールおよび/またはメタノールとともに含み、さらに、ポリエステル組成物、1種以上のグリコール、触媒、またはそれらの組合せからの任意の追加の可溶性成分を含んでもよい。種々の態様では、固体成分は、ポリエステル組成物の残留異物および任意の他の不溶性成分であってもよく、廃棄すべき廃棄物とみなされてもよい。
【0037】
以下でさらに考察するように、液体成分は、1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するために、少なくともメタノリシスプロセスにさらに供される。種々の態様では、メタノリシスプロセスの前に、液体成分を固体成分から分離することができる。態様では、液体成分は、任意のシステムを使用して固体成分から分離されてもよい。一態様では、液体成分は、得られる混合物が約50℃~約150℃の温度にある間に固体成分から分離することができる。このような態様では、約150℃以下の温度、例えば約50℃~約150℃で固体成分から液体成分を分離することにより、現在の従来の方法よりも効率的な方法および/または資源集約的でない方法を提供することができる。同じまたは代替的な態様では、約150℃以下の温度、例えば約50℃~約150℃で固体成分から液体成分を分離することは、いくつかの不純物がより高い温度、例えば150℃を超える温度で不安定になる場合があり、それにより本明細書に記載の方法、生成物収率、および/または生成物純度に悪影響を及ぼす可能性があるため、有益であり得る。
【0038】
種々の態様では、固体成分からの液体成分の分離は、濾過プロセスを含んでもよい。このような態様では、約50℃~約150℃の上昇した濾過温度に耐えることができる任意の好適な濾過プロセスを利用することができる。特定の態様では、固体成分は遠心分離によって除去することができる。特定の態様では、固体は沈降または沈殿により除去することができる。特定の態様では、固体成分は容器の底に沈降していてもよく、容器内に適切に位置決めされた容器導管またはバルブを通して液体成分を除去することができる。一態様では、このような導管および/またはバルブは、下流プロセスにおける固体成分の包含を最小化するための濾過デバイスを含んでもよい。
【0039】
1つ以上の態様では、解重合プロセスから生じる異物および/または1種以上の固体成分は、メタノリシスの前に解重合生成物から分離されなくてもよく、代わりに、メタノリシスプロセスから生じるジアルキルテレフタレートの単離中に分離されてもよい。
【0040】
1種以上の解重合生成物のアルコリシス
上記で考察したように、態様では、上述の解重合プロセスで生成された1種以上の解重合生成物は、アルコリシスプロセスに供されてもよい。
【0041】
一般に、典型的なアルコリシスプロセスでは、ポリエステルをアルコール、例えばメタノールと反応させて、オリゴマー、テレフタレートモノマー、例えばジメチルテレフタレート(DMT)、および1種以上のグリコールを含む解重合混合物を生成する。他の実施形態では、ポリエステルの組成に応じて、例えば、CHDM、DEG、およびジメチルイソフタレート(DMI)などの他のモノマーも生成されてもよい。一実施形態では、アルコリシスプロセス中に、テレフタレートオリゴマーをメタノールと反応させて、ポリエステルオリゴマー、DMT、CHDM、および/またはEGを含む解重合ポリエステル混合物を生成する。
【0042】
PETのメタノリシスのいくつかの代表例は、米国特許第3,321,510号;第3,776,945号;第5,051,528号;第5,298,530号;第5,414,022号;第5,432,203号;第5,576,456号;第6,262,294号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
態様では、アルコリシスプロセスは、解重合プロセスから得られる液体成分および/または1種以上の解重合生成物を、1種以上のジアルキルテレフタレートをもたらす条件下でアルコール組成物に曝露することを含んでもよい。上記で考察したように、態様では、1種以上の解重合生成物は、解重合プロセスから得られる液体成分中に存在してもよい。種々の態様では、上記で考察されたように、解重合プロセスから得られる1種以上の解重合生成物および/または液体成分をアルコリシスプロセスに供する前に、液体成分がグリコリシスプロセスの得られる混合物からおよび/または得られる固体成分から分離されてもよい。特定の態様では、液体成分を解重合プロセスの固体成分から分離した後、液体成分をこのアルコリシスプロセスで直接利用することができる。同じまたは代替的な態様では、液体成分をグリコリシスプロセスの固体成分から分離した後、液体成分は、このアルコリシスプロセスで利用される前に、さらなる加工、例えば、蒸留および/または他の分離プロセスに供されない。
【0044】
アルコール組成物は、特定のジアルキルテレフタレートを得るためのアルコリシスプロセスで使用するための、当技術分野で公知の任意の好適なアルコールを含んでもよい。一態様では、アルコール組成物はメタノールであってもよい。態様では、メタノールがアルコール組成物として利用される場合、DMTが得られるメタノリシス生成物であってもよい。
【0045】
特定の態様では、アルコール組成物の量は、フィードストック組成物および/またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの量もしくは重量に対して重量基準で過剰である任意の量であってもよい。特定の態様では、フィードストック組成物および/またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの量に対するアルコール組成物の量の重量比は、約2:1~約10:1であってもよい。このような態様では、フィードストック組成物および/またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの量は、上記解重合プロセスで利用されるフィードストック組成物および/またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの量または重量を指す。
【0046】
態様では、アルコリシス反応は、約90℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、または約30℃以下の温度で行われてもよい。同じまたは代替的な態様では、アルコリシス反応は、約20℃~約90℃、約20℃~約80℃、約20℃~約70℃、約20℃~約60℃、約20℃~約50℃、約20℃~約40℃、約20℃~約30℃、または約23℃~約70℃の温度で行われてもよい。種々の態様では、任意の特定の理論に束縛されることなく、本明細書に開示される方法では、フィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルおよび/またはPETは、例えば、上記で考察した解重合ステップで少なくとも部分的な解重合プロセスを既に受けているため、メタノリシスプロセスは、特定の他の従来のプロセスと比較して比較的低減された上述の温度で実施することができると考えられる。さらにまたは代替的に、任意の特定の理論に束縛されることなく、解重合プロセスで生成される1種以上の解重合生成物は、このアルコリシスプロセスの前に廃棄物または不溶性物質から分離され得るため、特定の態様では、アルコリシスプロセスを上述の低減された温度で行うことができると考えられる。
【0047】
態様では、アルコリシスプロセスは、任意の好適な反応器および/または容器中で行われてもよい。態様では、アルコリシス反応器は、上述の解重合プロセスで利用される反応器と流体連通することができる。特定の態様では、アルコリシス反応器は、解重合に使用される容器とは異なる反応器である。あるいは、種々の態様では、アルコリシスプロセスは、上述の解重合プロセスおよび/または濾過プロセスと同じ容器中で行われてもよい。特定の態様では、アルコリシスプロセスは、周囲圧力、例えば約1atm、または約1atm~約5atm、約1atm~約3atm、または約1atm~約2atmの圧力で行われてもよい。種々の態様では、アルコリシス反応は、アルコリシス反応温度が本明細書に開示されるプロセス条件に対して高い場合、例えば、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、または約90℃以上である場合、周囲圧力を超える圧力、例えば1atmより高い、または約5atm以下、約3atm以下、または約2atm以下で行われてもよい。
【0048】
種々の態様では、アルコリシス触媒をアルコリシスプロセスで利用することができる。態様では、アルコリシス触媒は、フィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約20wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約10wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約5wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約2wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約1wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約0.5wt.%の量で存在してもよい。このような態様では、フィードストック組成物および/またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの量は、上記解重合プロセスで利用されるフィードストック組成物および/またはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの量または重量を指す。種々の態様では、この段落に開示されるアルコリシス触媒の量は、アルコリシス反応中に存在するアルコリシス触媒の量を指す。種々の態様では、この段落に開示されるアルコリシス触媒の量は、アルコリシス反応を促進するために1種以上の解重合生成物および1種以上のアルコールに添加されるアルコリシス触媒の量を指す。特定の態様では、アルコリシス反応を促進するために、低減されたまたはより少ない量のアルコリシス触媒を1種以上の解重合生成物および1種以上のアルコールに添加することができ、例えば、フィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約10wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約5wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約2wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約1wt.%、またはフィードストック組成物および/もしくはフィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルの重量に対して約0.1wt.%~約0.5wt.%の量である。態様では、少なくとも部分的に、アルコリシス触媒が1種以上の解重合生成物および/または1種以上のアルコール中に既に存在するため、このようなより少ない量のアルコリシス触媒を添加することができる。このような態様では、以下で考察するように、アルコールおよび/またはグリコールは、本明細書に開示される後続の解重合およびアルコリシスプロセスでリサイクルおよび再使用されてもよく、これは、先行のアルコリシスおよび/またはグリコリシスプロセスからのアルコリシス触媒の少なくとも一部を含んでもよい。
【0049】
種々の態様では、アルコリシス触媒は、炭酸塩触媒、例えば、これらに限定されないが、KCO、NaCO、LiCO、CsCO;水酸化物触媒、例えば、これらに限定されないが、KOH、LiOH、NaOH;アルコキシド触媒、例えば、これらに限定されないが、NaOMe、Mg(OMe)、KOMe、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、アルコリシス触媒は、KOH、NaOH、LiOH、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、アルコリシス触媒は、NaOMe、KOMe、Mg(OMe)、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含んでもよい。種々の態様では、アルコリシス触媒は、固体形態、水、メタノール、もしくはエチレングリコール中の溶液形態、またはそれらの組合せであってもよい。特定の態様では、アルコリシス触媒は、アルコール組成物および1種以上の解重合生成物が上記に開示された所望の反応温度または温度範囲に達した時点で、1種以上の解重合生成物およびアルコール組成物に添加されてもよい。
【0050】
1種以上の解重合生成物は、得られるジアルキルテレフタレートの所望の収率を達成するための時間にわたって、上述の温度および圧力条件下でアルコール組成物および任意選択でアルコリシス触媒に曝露されてもよい。特定の態様では、1種以上の解重合生成物は、約0.5時間~約5時間の時間、上述の温度および圧力条件下でアルコール組成物および任意選択でアルコリシス触媒に曝露されてもよい。
【0051】
態様では、アルコリシスプロセスは、1種以上のジアルキルテレフタレートを含む混合物をもたらす。種々の態様では、アルコリシスプロセスは、ジアルキルテレフタレートが不溶性および/または固体成分である混合物をもたらす。態様では、この混合物の液体成分は、グリコール、アルコール組成物、DEG、CHDM、またはそれらの組合せを含んでもよい。一態様では、グリコールは、解重合プロセスで利用され、アルコリシスプロセスの開始時に1種以上の解重合生成物とともに存在したグリコールであってもよい。種々の態様では、ジアルキルテレフタレートは、任意の公知の分離技術、例えば、濾過、遠心分離、沈殿、沈降、または1つ以上の分離技術の組合せを使用して混合物から単離することができる。態様では、濾過は、追加のアルコール組成物または他の溶媒で固体成分を洗浄することを含んでもよい。得られる液体成分は、濾液および洗浄液を含んでもよい。得られる固体成分は、固体成分の重量に対して約90wt.%%以上のジアルキルテレフタレート、例えばDMT、約93wt.%以上のジアルキルテレフタレート、例えばDMT、または約95wt.%以上のジアルキルテレフタレート、例えばDMTを含んでもよい。同じまたは代替的な態様では、得られる固体成分中のジアルキルテレフタレート、例えばDMTは、約90%以上純粋、約93%以上純粋、または約95%以上純粋であってもよい。種々の態様では、固体成分はまた、ジメチルイソフタレート(DMI)を含んでもよい。そのような態様では、DMIは、約1000ppm以下、または約500ppm以下、または約1ppm~約1000ppm、または約1ppm~約500ppmの量で存在してもよい。1つ以上の態様では、固体成分はまた、ビスフェノールA(BPA)を含んでもよい。そのような態様では、BPAは、約1000ppm以下、または約500ppm以下、または約1ppm~約1000ppm、または約1ppm~約500ppmの量で存在してもよい。
【0052】
本明細書に記載のプロセス、例えば、解重合および/またはアルコリシスプロセスは、特定の従来のプロセス、例えば、高温1ステップグリコリシスまたはメタノリシスプロセスと比較して実質的に穏やかである。例えば、特定の従来の1ステッププロセスは、ルイス酸触媒、例えばZn(OAc)またはKOAcの存在下で、240℃以上の温度でグリコリシスプロセスを利用する場合がある。このような過酷な条件では、EGが、種々の副反応で、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、アセトアルデヒド、1,1-ジメトキシエタン、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、2-メトキシエタノール、1-メトキシエタノールおよびジメチルエーテルを含むがこれらに限定されない種々の不純物化合物に変換されるため、解重合からのEG収率が低下する可能性がある。態様では、本明細書に記載のプロセスは、そのような従来のプロセスよりも実質的に穏やかであり、さらに、例えば、EGを種々の不純物に変換する副反応が少ないことから、EGの収率損失が少なくなる。一態様では、本明細書に記載のプロセスは、約5%以下のEGの収率損失、約2%以下のEGの収率損失、または約1%以下のEGの収率損失、または約0.5%以下のEGの収率損失をもたらす。このような態様では、EGの収率損失は、ポリエステル組成物フィードからのEGとグリコリシスプロセスで添加されるEGを組み合わせた量に対する不純物、例えばDEGへと形成されるEGのパーセントである。同じまたは代替的な態様では、本明細書に記載されるプロセスは、最小限のグリコール不純物を生成する。例えば、一態様では、本明細書に記載のプロセスは、EGがグリコリシスプロセスで1種以上のグリコールとして使用される場合、約5wt.%以下のDEG、約2wt.%以下のDEG、または約1wt.%以下のDEG、または約0.5wt.%以下のDEG、または約0.01wt.%~約5wt.%のDEG、約0.01wt.%~約2wt.%のDEG、または約0.01wt.%~約1wt.%のDEG、または約0.01wt.%~約0.5wt.%のDEG、または約0.01wt.%~約0.2wt.%DEGの正味発生量をもたらすことができる。態様では、本明細書に記載のプロセスは、EGがグリコリシスプロセスで1種以上のグリコールとして使用される場合、約5wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、約2wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約1wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.5wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約5wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、約0.01wt.%~約2wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約1wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約0.5wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約0.2wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物の正味発生量をもたらすことができる。態様では、DEG(または他の不純物)の正味発生量は、ポリエステル組成物フィード中に存在するDEGまたは他の不純物の量に対する、存在するDEGまたは他の不純物の量の重量パーセントである。一態様では、生成されるDEGは、本明細書に記載されるグリコリシスプロセスおよび/または本明細書に記載されるアルコリシスプロセスで生成されてもよい。特定の態様では、グリコリシスプロセスで1種以上のグリコールとしてEGを使用する場合、DEGなどのEGおよび/または任意のグリコール不純物は、このアルコリシスステップから得られる液体成分中に存在してもよい。特定の態様では、グリコリシスプロセスにおけるルイス塩基触媒、例えば、水酸化物系または炭酸塩系触媒の利用も、EGの分解の低減および/またはグリコール不純物の低減を促進するか、またはそれに寄与する場合がある。特定の態様では、本明細書に記載のプロセスは、さらにまたは代替的に、TMCDの収率損失の低減をもたらす。例えば、種々の態様では、本明細書に記載のプロセスは、約30%以下のTMCDの収率損失、約25%以下のTMCDの収率損失、約20%以下のTMCDの収率損失、約15%以下のTMCDの収率損失、約10%以下のTMCDの収率損失、または約5%以下のTMCDの収率損失をもたらす。同じまたは代替的な態様では、本明細書に記載のプロセスは、さらにまたは代替的に、CHDMの収率損失の低減をもたらす。例えば、種々の態様では、本明細書に記載のプロセスは、CHDMの約15%以下の収率損失、CHDMの約10%以下の収率損失、CHDMの約5%以下の収率損失、またはCHDMの約1%以下の収率損失をもたらす。
【0053】
グリコールのリサイクル
上記で考察したように、種々の態様では、グリコリシスプロセスで利用されるグリコールは、本明細書に開示される1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための後続の一連のプロセスで再使用することができる。態様において、高いレベルでは、アルコリシスプロセスから得られる液体成分は、再使用のために、例えば、1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための後続のポリエステル組成物の後続の一連のグリコリシスにおける再使用のために加工されてもよい。
【0054】
態様では、上記で考察したように、アルコリシスプロセスから得られる液体成分は、グリコール、アルコール組成物、DEG、CHDM、TMCD、またはそれらの組合せを含んでもよい。特定の態様では、この液体成分中のグリコールは、解重合プロセスで利用され、アルコリシスプロセスの開始時に1種以上の解重合生成物とともに存在するグリコールであってもよい。種々の態様では、この液体成分は、例えば、アルコール組成物の少なくとも一部、例えば、メタノール、またはメタノールとエチレングリコールとの混合物を除去または分離するために、分離プロセスに供されてもよい。特定の態様では、アルコール組成物の少なくとも一部を除去するために、液体成分を蒸留または短行程蒸留に曝露することができる。このような態様では、蒸留条件は、液体成分を約220℃以下、約200℃以下、約180℃以下、約160℃以下、約150℃以下、約130℃以下、約60℃以上、約70℃以上、約60℃~約220℃、約70℃~約220℃、約60℃~約180℃、または約60℃~約160℃の温度に曝露することを含んでもよい。同じまたは代替的な態様では、蒸留条件は、約1Torr(133.3Pa)~約800Torr(106,657Pa)、または約30Torr(3999Pa)~約500Torr(66,661Pa)の圧力を含んでもよい。態様では、液体成分は、アルコール組成物の全部または実質的な部分が液体成分から除去されるまで、例えば気化するまで、蒸留条件に曝露されてもよい。特定の態様では、アルコール組成物の少なくとも一部は、リサイクルグリコールとともに存在する場合、後続のグリコリシスプロセス中に除去されてもよく、例えば、グリコリシス条件により除去または気化されてもよい。
【0055】
態様では、液体成分の蒸留は、本明細書に記載される方法およびシステムでの使用に好適な任意の容器または蒸留システムで行われてもよい。一態様では、蒸留容器は、アルコリシス反応容器、および/または例えば、ジアルキルテレフタレート固体または不溶性成分を単離するためにアルコリシスに引き続いて利用される濾過プロセスの任意の構成要素と流体連通することができる。同じまたは代替的な態様では、蒸留容器はグリコリシス容器と流体連通することができる。
【0056】
種々の態様では、液体成分の蒸留は、アルコール組成物を気化させ、ポット残渣を残すことができる。態様では、ポット残渣は、グリコールおよび液体成分中に存在する任意の他の重質物、例えば非気化性化合物を含む。態様では、ポット残渣中のグリコールは、リサイクルグリコールと称されてもよく、および/または本明細書に記載される蒸留条件を使用する連続蒸留プロセスの非気化性部分からのグリコールは、リサイクルグリコールと称されてもよい。
【0057】
態様では、上記で考察したように、リサイクルグリコールは、ポリエステル組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するために、本明細書に記載の後続の一連のプロセスで利用されてもよい。さらに、態様では、リサイクルグリコールは、この後続の一連のジアルキルテレフタレート回収を経た後、本明細書に記載のプロセスを使用して再度リサイクルされてもよい。態様では、リサイクルグリコールは、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回回収して再使用されてもよい。特定の態様では、リサイクルグリコールが後続の一連のジアルキルテレフタレート回収に使用される場合、リサイクルグリコールが既使用触媒を含む可能性があるため、後続のグリコリシスステップにおける触媒の添加を省略することができる。
【0058】
態様では、リサイクルグリコールを回収および再使用した場合、得られる回収されたジアルキルテレフタレートは、回収および再使用されなかったグリコールを使用して回収されたジアルキルテレフタレートのものと同程度の純度を示す。態様では、このジアルキルテレフタレートの同程度の純度は、リサイクルグリコールを少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回再使用した後に存在し、結果として少なくとも約90%、少なくとも約93%、または少なくとも約95%の純度を有するジアルキルテレフタレートが回収される。
【0059】
上記で考察したように、態様では、本明細書に記載のプロセスは、特定の従来のプロセスよりも実質的に穏やかであり、また、例えば、EGを種々の不純物に変換する副反応が少ないことに起因して、EG収率損失が少なくなる。3回のEGリサイクル実験を伴う一例では、DEGへのEGの収率損失は約5%以下、約2%以下、約1%以下、または約0.5%以下である。4回のEGリサイクル実験を伴う一例では、DEGへのEGの収率損失は約5%以下、約2%以下、約1%以下、または約0.5%以下である。同じまたは代替的な態様では、本明細書に記載のプロセスは、最小限のグリコール不純物を生成する。特定の態様では、グリコリシスプロセスにおける1種以上のグリコールとしてEGが使用される場合、EGおよび/またはDEGなどの任意のグリコール不純物は、上記で考察したアルコリシスプロセスから得られる液体成分中に存在してもよい。このような態様では、DEGまたは任意のグリコール不純物は、回収されてもよく、および/または本明細書に記載のリサイクルグリコール中に存在してもよい。そのような態様では、リサイクルグリコールは、グリコリシスプロセスにおける1種以上のグリコールとしてEGが使用される場合、約5wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、約2wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約1wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.5wt.%以下のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約5wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、約0.01wt.%~約2wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約1wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約0.5wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物、または約0.01wt.%~約0.2wt.%のDEGおよび/もしくは他の不純物を含んでもよい。
【0060】
ポリエステルまたは他の生成物を形成するための回収されたジアルキルテレフタレートの使用
上記で考察したように、本明細書に開示される方法は、DMTなどの高純度のジアルキルテレフタレートをもたらすことができる。特定の態様では、回収されたDMTは、これらに限定されないがPETおよびTMCD含有ポリエステルを含む1種以上のポリエステルを形成するために利用されてもよい。特定の態様では、回収されたDMTを使用して形成されたポリエステルは、再生ポリエステルと称されてもよい。種々の態様では、回収されたDMTを使用して形成された生成物は、バージンDMTから形成された同様の生成物と区別できない場合がある。このような態様では、DMTが十分な純度のものであるため、PETおよびTMCD含有ポリエステルを形成するための任意の好適なプロセスが利用されてもよい。
【0061】
同じまたは代替的な態様では、回収されたDMTは、CHDMを形成するために利用されてもよい。種々の態様では、回収されたDMTを使用して形成されたCHDMは、回収されたDMTの高純度により、バージンDMTから形成されたCHDMと区別できない場合がある。このような態様では、CHDMは、任意の好適なプロセスを使用して回収されたDMTから形成されてもよい。
【0062】
種々の態様では、回収されたDMTは、1種以上の可塑剤を形成するために利用されてもよい。特定の態様では、回収されたDMTを使用して形成される可塑剤は、ジブチルテレフタレート(DBT)および/またはジオクチルテレフタレート(DOTP)を含んでもよい。種々の態様では、回収されたDMTを使用して形成されたDBTおよび/またはDOTPは、回収されたDMTの高純度により、バージンDMTから形成されたDBTおよび/またはDOTPそれぞれと区別できない場合がある。このような態様では、DBTおよび/またはDOTPは、任意の好適なプロセスを使用して回収されたDMTから形成されてもよい。
【0063】
例示的なシステム
図1は、フィードストック組成物から1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための1つの例示的なシステムおよび/または方法を概略的に示す。上記で考察したように、フィードストック組成物は、1種以上のTMCD含有ポリエステルを含む。システム100は、フィードストック組成物、例えば上述のフィードストック組成物の供給源110を含む。任意選択で、上述のように、フィードストック組成物は、解重合およびアルコリシスプロセスに入る前に、異物の少なくとも一部を除去するための前処理ステップに供されてもよい。容器120は解重合容器を表し、ここでフィードストック組成物が受容され、上記で詳細に考察したように、解重合条件下で1種以上のグリコールおよび/またはメタノールに曝露される。態様では、容器120は、供給源110と流体連通することができる。種々の態様では、上記で考察したように、フィードストック組成物は、容器120中で解重合条件に曝露された後、1種以上の解重合生成物に変換される。種々の態様では、上記で考察したように、1種以上の解重合生成物は、モノマーおよび/または2~10、2~8、2~6もしくは2~4の重合度を有するオリゴマーを含んでもよい。態様では、1種以上の解重合生成物は、液体成分中の1種以上の解重合生成物とともに、液体成分および固体成分を含む混合物中に存在する。態様では、上記で考察したように、この混合物は、固液分離デバイス130、例えば濾過システムに曝露されてもよく、ここで1種以上の解重合生成物を含む液体成分が固体成分から分離される。種々の態様では、本明細書で考察されるように、固液分離デバイス130は、容器120および/または容器140と流体連通することができる。図1に示される態様では、1種以上の解重合生成物および/または液体成分は、容器140中でアルコリシス条件に曝露されてもよい。態様では、1種以上の解重合生成物および/または液体成分は、このアルコリシスプロセスで直接利用されてもよい。このような態様では、1種以上の解重合生成物および/または液体成分は、このアルコリシスプロセスで利用される前に、任意のさらなる加工、例えば、蒸留および/または他の分離プロセスに供されなくてもよい。アルコリシス条件は、上記で詳細に考察されている。態様では、上記で考察したように、1種以上の解重合生成物および/または液体成分のアルコリシスは、ジアルキルテレフタレートを含む不溶性または固体成分、ならびにアルコール組成物、グリコール、メタノール、および/または潜在的に本明細書に記載される他の可溶性成分を含む液体成分を含む混合物をもたらしてもよい。上記で考察したように、得られるアルコリシス反応混合物は、回収されたジアルキルテレフタレート160を含む固体成分を分離するために、固液分離デバイス150、例えば、濾過システムに曝露されてもよい。態様では、固液分離デバイス150は、容器140と流体連通してもよい。特定の態様では、システム100に関連する本明細書に記載の方法は、連続方法、バッチ方法、または半連続方法として実施することができる。システム100は単なる一例のシステムであり、システム構成要素の他の構成が本明細書の開示によって企図されることが理解される。例えば、システム100の1種以上の構成要素は、システム100の1種以上の他の構成要素から物理的に分離されていなくてもよく、区別されていなくてもよい。システム100は、本明細書に開示される方法の態様を強調するために概略的に示されているに過ぎないことがさらに理解される。
【0064】
本開示は、その態様の以下の実施例によってさらに説明することができるが、これらの実施例は単に説明のために含まれ、別段詳細に指示されない限り、本開示の範囲を限定するものではないことが理解される。
【実施例
【0065】
材料
これらの例で使用されるTMCD含有ポリマーは、市販のTritan(商標)TX1000コポリエステル(TX1000)、およびコポリエステルGMX200(GMX200)であり、いずれもテネシー州キングスポートのEastman Chemicalから入手可能である。
【0066】
FDST-5は、100モル%のTPA、93.0モル%のEG、4.1モル%のCHDM、および2.9モル%のDEGを含み、Eastmanから入手可能である。IV:0.751dL/g。
【0067】
他の化学物質および試薬はすべてAldrichから得、別段言及されない限り、入手したまま使用した。
【0068】
分析手順
ガスクロマトグラフィー(GC)分析。GC分析は、7693Aオートサンプラーおよび2つのG4513Aタワーを備えたAgilentモデル7890Bガスクロマトグラフで実施した。ガスクロマトグラフ(GC)に、60m×0.32mm×1.0ミクロンのDB-1701(商標)(J&W123-0763)および60m×0.32×1ミクロンのDB-1(商標)(J&W123-1063)の2本のカラムを取り付け、試料を両方のカラムに同時に注入した。共通のオーブン温度プログラムを使用し、試料成分を水素炎イオン化検出(FID)によって検出した。目的の成分について5点較正を実施した。ガスクロマトグラフをEZChrom Elite Chromatography Data Systemに接続した。
【0069】
メタノリシス生成物試料は、既知の体積のピリジン系内部標準溶液を既知の質量の試料に添加し、次いでN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)で誘導体化することによって調製した。
【0070】
DMT収率%は以下のように計算した:(最終的なDMTの重量)/(理論的なDMTの重量)100%。
DMT GC純度%は以下のように計算した:(GCによる最終生成物中のDMTの重量%)/(GCによる全wt.%)100%。GCで示される主な不純物には、MeOH、水、およびEGが含まれる。ほぼすべての例のDMT純度は、MeOH、水、およびEGを除くと99%より高い。
【0071】
実施例1A~1G:TX1000の2ステッププロセスにおける解重合触媒およびEG/メタノールの変化
TX1000を、DMTの回収のための2ステッププロセスに曝露し、これは最初の解重合ステップに続いて低温メタノリシスステップを含む。特に、実施例1A~1Cおよび1E~1Gでは、最初の解重合ステップで種々の触媒および変化する量のEG/メタノールを試験し、その後低温メタノリシスに曝露した。実施例1Dでは、最初の解重合ステップで触媒を試験した。結果を以下の表1に要約する。
【0072】
実施例1A
3つ口1リットル丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。TX1000(70.04g)、ブチルスズトリス(2-エチルヘキサノエート)(2.1858g)およびエチレングリコール(141.41g)をフラスコに投入した。得られた混合物を窒素雰囲気下で195℃に加熱した。ペレットがなくなるまで、反応を195℃で3時間保持した。得られた混合物はかすんだ白色溶液であり、試料を採取した(1.54g)。加熱マントルを取り外し、溶液を周囲温度に冷却した。この混合物にメタノール(197.00g)を投入した。得られた混合物を加熱還流(72.6℃)した後、50%NaOH溶液(0.204mL)を滴下添加した。撹拌を30分間続けた。加熱マントルを取り外し、フラスコを2時間かけて室温に冷却した。反応混合物を氷浴でさらに冷却した。生成物を濾過によって回収し、乾燥させた。生成物を白色の結晶性固体(5.03g)として得た。GC分析は、生成物が主にビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)であることを示した。
【0073】
実施例1B
3つ口1リットル丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。TX1000(70.10g)、NaOMe(メタノール中25%、2.80g)、Zn(OAc)(0.47g)およびエチレングリコール(139.33g)をフラスコに投入した。得られた混合物を窒素雰囲気下で195℃に加熱した。ペレットがなくなるまで、反応を195℃で3時間保持した。得られた混合物はかすんだ白色溶液であった。加熱マントルを取り外し、溶液を周囲温度に冷却した。この混合物にメタノール(196.39g)を投入した。得られた混合物を50℃に加熱した後、50%NaOH溶液(0.306g)を滴下添加した。撹拌を30分間続けた。加熱マントルを取り外し、フラスコを2時間かけて室温に冷却した。反応混合物を氷浴でさらに冷却した。生成物を濾過によって回収し、乾燥させた。DMT生成物を白色結晶性固体として得た(43.61g、収率87%、GC純度96%)。
【0074】
実施例1C
3つ口1リットル丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。TX1000(69.43g)、メタノール中25%のNaOMe(2.69g)およびエチレングリコール(138.91g)をフラスコに投入した。得られた混合物を窒素雰囲気下で195℃に加熱し、ペレットがなくなるまで195℃で保持した。得られた混合物はかすんだ白色混合物であった。加熱マントルを取り外し、溶液を周囲温度まで冷却した。この混合物にメタノール(196.90g)を投入した。得られた混合物を50℃に加熱した後、50%NaOH溶液(0.306g)を滴下添加した。撹拌を30分間続けた。加熱マントルを取り外し、フラスコを室温まで2時間冷却した。反応混合物を氷浴でさらに冷却した。生成物を濾過によって回収し、乾燥させた。DMT生成物を白色結晶性固体として得た(40.35g、収率83%、GC純度97%)。
【0075】
実施例1D
3つ口1リットル丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。TX1000(37.49g)、FDST-5(37.5g)、KCO(0.75g)およびエチレングリコール(152.16g)をフラスコに投入した。得られた混合物を、窒素雰囲気下で195℃に加熱した。反応を195℃で3時間保持した。得られた混合物はかすんだ白色溶液であり、わずかにペレットが残っていた。加熱マントルを取り外し、混合物を冷却した。不溶性固体(22.82g)を濾過によって回収した。分析は、不溶性固体が70.5%のTritanおよび29.5%のPETを含んでいたことを示した。濾液(183.65g)を得、これは59.0%のEGおよび20.9%のBHETを含んでいた。
【0076】
実施例1E
100mLオートクレーブに機械式撹拌器および熱電対を装備した。粉砕したTX1000(10.01g)、エチレングリコール(16.15g)、メタノール(4.0g)および炭酸カリウム(0.07g)。得られた混合物を195℃に加熱し、700psigのN2圧下で3時間保持した。粗混合物を室温に冷却した後、メタノール(36.3g)および50%水酸化ナトリウム水溶液(0.044g)を添加した。混合物を50℃にさらに加熱し、50psigの窒素圧下で30分間保持した。加熱を止め、2時間かけてゆっくりと室温に冷却した。生成物を濾過によって単離し、乾燥した。DMT生成物を白色固体として得た(6.51g、収率81%、純度99%)。
【0077】
実施例1F
100mLオートクレーブに機械式撹拌器および熱電対を装備した。粉砕したTX1000(10.01g)、エチレングリコール(4.03g)、メタノール(16.0g)および炭酸カリウム(0.07g)。得られた混合物を195℃に加熱し、700psigのN2圧下で3時間保持した。粗混合物を室温に冷却した後、メタノール(24.09g)および50%水酸化ナトリウム水溶液(0.044g)を添加した。混合物を50℃にさらに加熱し、50psigの窒素圧下で30分間保持した。加熱を止め、2時間かけてゆっくりと室温に冷却した。生成物を濾過によって単離し、乾燥した。DMT生成物を白色固体として得た(4.69g、収率66%、純度99%)。
【0078】
実施例1G
100mLオートクレーブに機械式撹拌器および熱電対を装備した。粉砕したTX1000(10.02g)、メタノール(39.98g)および炭酸カリウム(0.07g)。得られた混合物を195℃に加熱し、700psigのN2圧下で3時間保持した。粗混合物を室温に冷却した後、50%水酸化ナトリウム水溶液(0.044g)を添加した。混合物を50℃にさらに加熱し、50psigの窒素圧下で30分間保持した。加熱を止め、2時間かけてゆっくりと室温に冷却した。生成物を濾過によって単離し、乾燥した。DMT生成物を白色固体として得た(5.89g、収率83%、純度99%)。
【0079】
【表1】
【0080】
表1で分かるように、実施例1Dでは、KCO触媒はTMCD含有ポリマーの解重合に非効率的であることが示され、30%の固体が回収された。同様に、FASCAT 4102スズ触媒は、TX1000の最初の解重合に対する触媒活性が低かった(実施例1A)。NaOMeまたはNaOMe/Zn(OAc)触媒に変更すると、2ステッププロセスでTX1000を解重合し、82~87%の収率でDMT生成物に変えることができた(実施例1Bおよび1C)。
【0081】
実施例1H:GMX200の2ステップ解重合および低温メタノリシス
3つ口1リットル丸底フラスコに機械式撹拌器、還流冷却器および熱電対を装備した。GMX200(75.11g)、KCO(0.75g)およびエチレングリコール(150.29g)をフラスコに投入した。得られた混合物を窒素雰囲気下で195℃に加熱した。ペレットがなくなるまで、反応を195℃で3時間保持した。アリコートを採取し、試験した。GC分析は、このグリコリシス生成物が23.7%のBHETおよび9.6%の未知物質を含んでいたことを示した。
【0082】
粗生成物を周囲温度に冷却した。この混合物にメタノール(299.93g)を投入した。得られた混合物を50℃に加熱した後、50%NaOH溶液(0.468g)を滴下添加した。撹拌を30分間続けた。加熱マントルを取り外し、フラスコを2時間かけて室温に冷却した。反応混合物を氷浴でさらに冷却した。生成物を濾過によって回収し、乾燥した。DMT生成物を白色結晶性固体として得た(49.12g、収率74.4%、GC純度96%)。
【0083】
本開示はまた、以下の番号付けされた項に従って説明されてもよい。
項1.フィードストックから1種以上のジアルキルテレフタレートを回収するための方法であって、1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、i)エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方;およびii)解重合触媒に、解重合条件下で第1の反応容器中で曝露して、第1の固体成分および第1の液体成分を有する第1の混合物を用意するステップであり、第1の液体成分が1種以上の解重合生成物を含み、解重合条件が、150℃~260℃の温度、および1atm(14.7psig)~102atm(1500psig)の圧力、および0.5時間~10時間の期間を含むステップ;第1の混合物の少なくとも一部を150℃未満の温度に冷却するステップ;第1の液体成分の少なくとも一部を、23℃~70℃の温度および1atm~2atmの圧力を含む条件下で、0.5時間~5時間の期間にわたってアルコール組成物およびアルコリシス触媒に曝露し、第2の混合物を用意するステップであり、第2の混合物が1種以上のジアルキルテレフタレートを含むステップ;ならびに1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を固液分離によって分離するステップを含む、方法。
【0084】
項2.1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、i)エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方;およびii)解重合触媒に曝露するステップにおいて、EG、メタノール、または両方と、1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルとの重量比が4:1~2:1の範囲である、項1に記載の方法。
【0085】
項3.1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルを含むフィードストック組成物を、i)エチレングリコール(EG)、メタノール、または両方;およびii)解重合触媒に曝露するステップにおいて、EGとメタノールとの重量比が10:0~0:10の範囲である、項1~2に記載の方法。
【0086】
項4.アルコール組成物と1種以上のテトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)含有ポリエステルとの重量比が2:1~10:1の範囲である、項1~3に記載の方法。
項5.フィードストック組成物が1種以上の異物を含む、項1~4に記載の方法。
【0087】
項6.1種以上の異物が、TMCD含有ポリエステルおよびポリエチレンテレフタレート(PET)以外のポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、綿、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スパンデックス、天然繊維、セルロースエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレートおよびポリアミド、ポリ(乳酸)、ポリジメチルシロキサン、ポリシラン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、無機充填剤、色素、顔料、可塑剤、接着剤、難燃剤、金属、アルミニウムおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、項5に記載の方法。
【0088】
項7.1種以上の異物が、フィードストック組成物中の1種以上のTMCD含有ポリエステルの重量に対して0.01wt.%~50wt.%の量で存在する、項5~6に記載の方法。
【0089】
項8.解重合触媒が、LiCO、CaCO、NaCO、CsCO、ZrCO、LiOH、NaOH、KOH、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、ナトリウムメトキシド(NaOMe)、リチウムメトキシド(LiOMe)、マグネシウムメトキシド(Mg(OMe)、カリウムt-ブトキシド、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、亜鉛アセチルアセトネート水和物(Zn(acac))、酢酸亜鉛(Zn(OAc))、酢酸マンガン(II)(Mn(OAc))、ハイドロタルサイト、ゼオライトおよび塩化リチウムからなる群から選択されるメンバーを含む、項1~7に記載の方法。
【0090】
項9.解重合触媒が、NaOMe、Zn(OAc)、または両方である、項8に記載の方法。
項10.解重合触媒が、フィードストック組成物の重量に対して0.1wt.%~10wt.%の量で存在する、項1~9に記載の方法。
【0091】
項11.アルコリシス触媒が、フィードストック組成物の重量に対して0.1wt.%~20wt.%の量で存在する、項1~10に記載の方法。
項12.アルコリシス触媒が、KCO、NaCO、LiCO、CsCO;KOH、LiOH、NaOH;NaOMe、Mg(OMe)、KOMe、KOt-Bu、エチレングリコール一ナトリウム塩、エチレングリコール二ナトリウム塩、またはそれらの組合せを含む、項11に記載の方法。
【0092】
項13.1種以上の解重合生成物が、モノマー、オリゴマーまたはそれらの組合せを含む、項1~12に記載の方法。
項14.オリゴマーが2~10の重合度を示す、項13に記載の方法。
【0093】
項15.第1の液体成分の少なくとも一部をアルコール組成物に曝露する前に、第1の混合物中の第1の固体成分から第1の液体成分の少なくとも一部を分離するステップをさらに含む、項1~14に記載の方法。
【0094】
項16.分離が50℃~150℃の温度で行われる、項15に記載の方法。
項17.異物の少なくとも一部が第1の混合物の第1の固体成分中に存在する、項5~7に記載の方法。
【0095】
項18.第2の混合物が第2の液体成分および第2の固体成分を含み、1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を固液分離によって分離する間に、1種以上のジアルキルテレフタレートが第2の固体成分中に存在する、項1~17に記載の方法。
【0096】
項19.第2の液体成分が、メタノール、EG、TMCD、またはそれらの組合せを含む、項18に記載の方法。
項20.第2の混合物からEG、メタノール、TMCD、またはそれらの組合せの少なくとも一部を分離するステップをさらに含む、項18~19に記載の方法。
【0097】
項21.フィードストックがポリエチレンテレフタレート(PET)をさらに含む、項1~20に記載の方法。
項22.フィードストック組成物中のTMCD含有ポリエステルに対するPETの重量比が10:1~1:10である、項21に記載の方法。
【0098】
項23.アルコール組成物がメタノールを含む、項1~22に記載の方法。
項24.1種以上のジアルキルテレフタレートがジメチルテレフタレート(DMT)を含み、1種以上のジアルキルテレフタレートの少なくとも一部を固液分離によって分離するステップが、DMTの少なくとも一部を分離することを含む、項1~23に記載の方法。
【0099】
項25.DMTの少なくとも一部が少なくとも90%の純度である、項24に記載の方法。
項26.分離が、濾過、遠心分離、沈降、沈殿またはそれらの組合せを含む、項15~16に記載の方法。
【0100】
項27.バッチ方法、半連続方法、または連続方法として実行される、項1~26に記載の方法。
本開示は、特にその特定の態様を参照して詳細に説明されたが、本開示の精神および範囲内で変形および修正がなされてもよいことが理解される。
図1
【国際調査報告】