(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20241010BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241010BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525126
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022079538
(87)【国際公開番号】W WO2023072806
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591034154
【氏名又は名称】オランジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フィリップ・ジャヴォディン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ミシェル・ボナミー
(72)【発明者】
【氏名】マエル・ル・ディゼ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本発明は、第1のBSSID識別子(BSSID1)によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイントが割り当てられる物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1)によって実施される以下のステップ:・第1のBSSID識別子を含むメッセージを受信するステップ(E1011)、・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージ(Bcn1)を繰り返し送信するステップ(E1021)、・第1のBSSID識別子に基づいて、Wi-Fiステーション(STA)を物理的Wi-Fiアクセスポイントにアソシエーションするステップ(E1071)、・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージの繰り返し送信を停止するステップを含む方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のBSSID識別子(BSSID1)によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP1)が割り当てられる物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1)によって実施される以下のステップ:
・前記第1のBSSID識別子を含むメッセージを受信するステップ(E1011;E2011)、
・前記第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージ(Bcn1)を繰り返し送信するステップ(E1021;E2021)、
・前記第1のBSSID識別子に基づいて、Wi-Fiステーション(STA)を前記物理的Wi-Fiアクセスポイントにアソシエーションするステップ(E1071;E2071)、
・前記第1のBSSID識別子を含む前記ビーコンメッセージの前記繰り返し送信を停止するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記アソシエーション後、
・前記第1のBSSID識別子(BSSID1)を含む、前記アソシエーションに関連するメッセージ(PRq)を送信すること(E1041;E2041)、
・前記物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1)に割り当てられた第2の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP2;LVAP4)の第2のBSSID識別子(BSSID2;BSSID4)を含むメッセージを受信すること(E1051;E2051)、
・前記第2のBSSID識別子を含むビーコンメッセージ(Bcn2)を繰り返し送信すること
が続く、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP1)は、少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP2、PAP3)にも割り当てられ、前記第1のBSSID識別子(BSSID1)を含む前記ビーコンメッセージ(Bcn1)も前記少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイントによって繰り返し送信される(E1021;E2021)、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のBSSID識別子(BSSID1)を含む前記ビーコンメッセージ(Bcn1)は、前記物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1)及び前記少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP2、PAP3)によって順番に繰り返し送信される(E1021;E2021)、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のBSSID識別子を含む2つのビーコンメッセージ間の間隔は、実質的に100ミリ秒に等しい、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP2、PAP3)に割り当てられた前記第1の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP1)は、削除され、且つ前記第2のBSSID識別子(BSSID2)によって識別される前記第2の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP2)によって置き換えられる、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1、PAP2、PAP3)のセットのコントローラ(CTL)によって実施される以下のステップ:
・第1のBSSID識別子(BSSID1)によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP1)を前記セットの前記物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てるステップ(E1001;E2001)、
・前記第1のBSSID識別子を含むメッセージを前記セットの前記物理的アクセスポイントに送信するステップ(E1011、E1012、E1013;E2011)、
・前記第1のBSSID識別子を含む、前記セットの物理的アクセスポイントとのステーションのアソシエーションに関連するメッセージを受信するステップ(E1041、E1042、E1043;E2041)、
・第2のBSSID識別子(BSSID2;BSSID4)によって識別される第2の仮想Wi-Fiアクセスポイントを前記セットの前記物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てるステップ(E1051;E2051)、
・前記第1のBSSID識別子を置き換えることを意図される、前記第2のBSSID識別子を含むメッセージを前記セットの前記物理的アクセスポイントに送信するステップ(E1081、E1082、E1083;E2081)
を含む方法。
【請求項8】
前記セットの前記物理的アクセスポイントは、それらの間の近接度に関連する情報に基づいて選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記セットの物理的アクセスポイントの数は、閾値以下である、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
第1のBSSID識別子(BSSID1)によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP1)が割り当てられる物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1)に含まれるデバイスであって、受信機(101)と、送信機(102)と、プロセッサ(130)と、前記プロセッサに結合されたメモリ(120)であって、
・前記第1のBSSID識別子を含むメッセージを受信すること、
・前記第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージ(Bcn1)を繰り返し送信すること、
・前記第1のBSSID識別子に基づいてWi-Fiステーション(STA)とアソシエーションすること、
・前記第1のBSSID識別子を含む前記ビーコンメッセージの前記繰り返し送信を停止すること
を行うために前記プロセッサによって実行されることを意図された命令を含むメモリ(120)とを含むデバイス。
【請求項11】
物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1、PAP2、PAP3)のセットのコントローラ(CTL)に含まれるデバイスであって、受信機(201)と、送信機(202)と、プロセッサ(230)と、前記プロセッサに結合されたメモリ(220)であって、
・第1のBSSID識別子(BSSID1)によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP1)を前記セットの前記物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てること、
・前記第1のBSSID識別子を含むメッセージを前記セットの前記物理的アクセスポイントに送信すること、
・前記第1のBSSID識別子を含む、前記セットの物理的アクセスポイント(PAP1)とのステーション(STA)のアソシエーションに関連するメッセージを受信すること、
・第2のBSSID識別子(BSSID2;BSSID4)によって識別される第2の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP2;LVAP4)を前記セットの前記物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てること、
・前記第1のBSSID識別子を置き換えることを意図される、前記第2のBSSID識別子を含むメッセージを前記セットの前記物理的アクセスポイントに送信すること
を行うために前記プロセッサによって実行されることを意図された命令を含むメモリ(220)とを含むデバイス。
【請求項12】
命令であって、前記命令がプロセッサによって実行されると、請求項1に記載の方法の前記ステップを前記プロセッサに実施させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項13】
命令であって、前記命令がプロセッサによって実行されると、請求項7に記載の方法の前記ステップを前記プロセッサに実施させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項14】
物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1)によって読み取ることが可能な情報媒体であって、請求項12に記載のコンピュータプログラムの命令を含む情報媒体。
【請求項15】
物理的Wi-Fiアクセスポイント(PAP1、PAP2、PAP3)のセットを制御する装置(CTL)によって読み取ることが可能な情報媒体であって、請求項13に記載のコンピュータプログラムの命令を含む情報媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Wi-Fiネットワークの分野、より詳細には、中央コントローラによって管理される、LVAP(光仮想アクセスポイント)として知られる仮想アクセスポイントを使用するWi-Fiネットワークの分野におけるものである。
【背景技術】
【0002】
Wi-Fiネットワークとして知られる従来のIEEE 802.11ネットワークでは、ステーションは、データフレームの送受信が可能となる前に物理的アクセスポイントとアソシエーションする必要がある。このアソシエーションは、ディスカバリフェーズから始まり、ディスカバリフェーズは、ステーションがプローブ要求を送信するアクティブな場合と、アクセスポイントが定期的にビーコンを送信するパッシブな場合とがある。前者の場合、アクセスポイントは、プローブ応答で応答する。次に、ステーションは、プローブ応答又はそれが受信したビーコンに基づいて、それがアソシエーションするアクセスポイントを決定する。
【0003】
従来のWi-Fiネットワークでは、アソシエーションは、ステーションのMACアドレスと、BSSID(基本サービスセット識別子)として知られるアクセスポイントの識別子とによって定義される。ビーコンがアクセスポイントによって送信される場合、この事例では、ステーションがアソシエーションを望むアクセスポイントに対して、ステーションは、ユニキャストプローブ要求を送るのみである。ビーコンがない場合、ステーションは、ブロードキャストプローブ要求を送り、すべてのプローブ応答を受信するのを待ち、それらを分析し、最後にステーションがアソシエーションを望むアクセスポイントに対してユニキャストプローブ要求を送る必要がある。アクセスポイントによって送信されたビーコンを使用すると、ビーコンがない場合(最大10秒)に比べて、アソシエーションがはるかに高速(10ミリ秒~数百ミリ秒)で実行されることが理解されるであろう。
【0004】
LVAP方式は、数ある利点の中でも、Wi-Fiステーションの数の大幅な増加及びそのモビリティに対応することを可能にするWi-Fiネットワークの進化である。この方式では、物理的アクセスポイント上に仮想アクセスポイントが作成され、中央エンティティであるコントローラによって制御される。LVAPアクセスポイントと呼ばれるこのような仮想アクセスポイントは、コントローラによって物理的アクセスポイントに割り当てられる(又は「マッピング」される、専用用語)。LVAPアクセスポイントは、そのBSSID識別子を変更することなく、コントローラによって移動させることもでき、それによりLVAPアクセスポイントにアソシエーションされたステーションが、そのニーズ(特にモビリティの観点から)に応じて、新しいアソシエーションをやり直す必要なく、とりわけステーションにとってトランスペアレントな方法で1つの物理的アクセスポイントから別の物理的アクセスポイントに移動することが可能となる。したがって、ステーションは、LVAPを実装したWi-Fiネットワークに接続するために、従来のWi-Fiネットワークの規格に対する準拠を修正する必要がない。
【0005】
LVAPアクセスポイントの識別子は、LVAPアクセスポイントに固有であるだけでなく、それとアソシエーションするステーションにも固有である。それは、中央エンティティによって動的に決定され、プローブ要求/プローブ応答のやり取り中にステーションに伝えられる。
【0006】
このLVAP方式では、アソシエーションは、ビーコンに基づいて実行されるのではなく、プローブ要求/プローブ応答のやり取りに基づいて実行され、ビーコンに基づいて実行される従来のWi-Fiネットワークにおけるアソシエーションよりも低速である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の1つは、これらの従来技術の欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のBSSID識別子によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイントが割り当てられる物理的Wi-Fiアクセスポイントによって実施される以下のステップ:
・第1のBSSID識別子を含むメッセージを受信するステップ、
・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージを繰り返し送信するステップ、
・第1のBSSID識別子に基づいて、Wi-Fiステーションを物理的Wi-Fiアクセスポイントにアソシエーションするステップ、
・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージの繰り返し送信を停止するステップ
を含む、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法により、この状況を改善することを目的とする。
【0009】
この方法により、LVAPアクセスポイント(すなわち仮想アクセスポイント)とのステーションのアソシエーションは、LVAPアクセスポイントの場合又はLVAPアクセスポイントを代表して、物理的アクセスポイントが、信号範囲内のステーションによって迅速に発見されるようにビーコン信号を定期的に送信するため、LVAPアクセスポイントを有しない物理的アクセスポイントの従来の場合と少なくとも同程度に高速である。加えて、このビーコン信号は、LVAPアクセスポイントがステーションとアソシエーションされた後に送信を停止されるため、送信されるビーコン信号の総数は、ステーションとのアソシエーション後、同じBSSIDを有するビーコン信号が送信され続ける従来の物理的アクセスポイントの場合に対応する総数よりも少ない。
【0010】
実際には、ビーコン信号の数が多いほど、無線環境がより混雑し、これによりこの無線環境を利用する機器のデータレートの低下及び待ち時間の増加が生じる。
【0011】
実際には、理論的には非常に多くのLVAPアクセスポイントを単一の物理的Wi-Fiアクセスポイントにマッピングすることが可能であるため(現在のところ最大64又は128であるが、理論的な制限はない)、送信の継続により、すべての物理的アクセスポイントによって送信される別個のビーコンの数の大幅な増加が生じることになる。
【0012】
本発明の一態様によれば、アソシエーション後、
・第1のBSSID識別子を含む、アソシエーションに関連するメッセージを送信すること、
・物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てられた第2の仮想Wi-Fiアクセスポイントの第2のBSSID識別子を含むメッセージを受信すること、
・第2のBSSID識別子を含むビーコンメッセージを繰り返し送信すること
が続く。
【0013】
この態様により、同じ物理的アクセスポイントが、異なるBSSIDを有する別のLVAPアクセスポイントに利用され、送信されるビーコン信号の総数は、ステーションとのアソシエーション後、同じBSSIDを有するビーコン信号が送信され続ける従来の物理的アクセスポイントの場合に対応した総数と類似したままである。
【0014】
本発明の一態様によれば、第1の仮想Wi-Fiアクセスポイントは、少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイントにも割り当てられ、第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージも少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイントによって繰り返し送信される。
【0015】
各物理的アクセスポイントが単一の仮想アクセスポイントとして送信するビーコン信号により、この態様は、物理的アクセスポイントのセットにわたって単一のLVAPによってもたらされる利点と、ステーションとのアソシエーションがより高速であるという利点とを組み合わせる。
【0016】
複数の物理的アクセスポイントに割り当てられた、すなわち各物理的アクセスポイントに分散された単一のLVAPによってもたらされる利点は、単一のBSSIDでWi-Fiカバレッジを向上させ、したがってLVAPアクセスポイントとステーションとをさらにより迅速にアソシエーションすることを可能にする点である。
【0017】
本発明の一態様によれば、第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージは、物理的Wi-Fiアクセスポイント及び少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイントによって順番に繰り返し送信される。
【0018】
この態様により、LVAPアクセスポイントのビーコン信号の数は、それが、LVAPアクセスポイントが生成される物理的アクセスポイントの数によって乗算されないため、単一の物理的アクセスポイントの従来の場合に対応する数と類似したままである。加えて、ビーコン信号の送信における物理的アクセスポイント間のこの同期により、ステーションが2つの異なるソースから2つの同一のビーコン信号を過度に短い間隔内で受信する問題を回避することができる。
【0019】
本発明の一態様によれば、第1のBSSID識別子を含む2つのビーコンメッセージ間の間隔は、実質的に100ミリ秒に等しい。
【0020】
Wi-Fiのカバレッジは、実際には複数の物理的アクセスポイントによって提供されるものであるが、この態様により、ステーションにとって物理的アクセスポイントが1つであるかのようにすべてが同じアソシエーション速度で進む。ビーコンメッセージ間の100ミリ秒の間隔は、最適であるが、実際にはこの間隔の値で1~2ミリ秒のばらつきが許容される。
【0021】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの他の物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てられた第1の仮想Wi-Fiアクセスポイントは、削除され、且つ第2のBSSID識別子によって識別される第2の仮想Wi-Fiアクセスポイントによって置き換えられる。
【0022】
この態様により、物理的アクセスポイントのセットは、常に単一のBSSIDを有するビーコン信号を送信する。実際には、ステーションが、第1のBSSIDによって識別される第1の仮想アクセスポイントが存在する物理的アクセスポイントにアソシエーションされると直ちに、セットの物理的アクセスポイントのすべては、第2のBSSIDを有するビーコン信号を送信するために、この第1のBSSIDを有するビーコン信号の送信を停止する。したがって、ステーションから見て、常に物理的Wi-Fiアクセスポイントが1つのみ存在するかのようにすべてが進む。ステーションがBSSIDとアソシエーションすると直ちに、物理的アクセスポイントのセットは、依然としてアソシエーションされていないが、別のBSSIDを有する他のステーションでも同様に利用可能なままである。
【0023】
本発明により、先行技術とは対照的に、1つの物理的アクセスポイント当たりの利用可能なLVAPアクセスポイントは、常に1つのみであることが理解されるであろう。理論的には、非常に多くのLVAPアクセスポイントを単一の物理的Wi-Fiアクセスポイントにマッピングすることが可能である(現在のところ最大64又は128であるが、理論的な制限はない)。1つの物理的アクセスポイント当たりのLVAPアクセスポイントの数を1つのみに制限することにより、すべての仮想アクセスポイントについて、すべての物理的アクセスポイントによって送信される多数のビーコン信号によって構成される大きい欠点が回避される。
【0024】
本発明は、物理的Wi-Fiアクセスポイントのセットのコントローラによって実施される以下のステップ:
・第1のBSSID識別子によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイントをセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てるステップ、
・第1のBSSID識別子を含むメッセージをセットの物理的アクセスポイントに送信するステップ、
・第1のBSSID識別子を含む、セットの物理的アクセスポイントとのステーションのアソシエーションに関連するメッセージを受信するステップ、
・第2のBSSID識別子によって識別される第2の仮想Wi-Fiアクセスポイントをセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てるステップ、
・第1のBSSID識別子を置き換えることを意図される、第2のBSSID識別子を含むメッセージをセットの物理的アクセスポイントに送信するステップ
を含む、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法にも関する。
【0025】
この方法により、コントローラは、セットの物理的アクセスポイントのビーコン信号により、常に単一のLVAPアクセスポイントBSSIDがブロードキャストされることを確実にし得る。コントローラは、このBSSIDを使用してステーションがアソシエーションしたことを通知されると直ちに、すべての物理的アクセスポイント上でこのLVAP BSSIDを直ちに修正することも可能である。したがって、単一のBSSIDがすべての物理的アクセスポイントによってブロードキャストされ、ステーションの1つとのアソシエーション前、その間及び後にすべてのステーションにとって利用可能である。
【0026】
本発明の一態様によれば、コントローラは、セットの各物理的Wi-Fiアクセスポイントに対して、異なる識別子を有する異なる仮想Wi-Fiアクセスポイントを割り当てる。
【0027】
この態様により、各物理的Wi-Fiアクセスポイントは、送信機に応じて異なるビーコンメッセージを送信し、それによりそれらを受信するステーションによるその処理が単純化され、送信機間の同期の必要がなくなる。
【0028】
本発明の一態様によれば、セットの物理的アクセスポイントは、それらの間の近接度に関連する情報に基づいてコントローラによって選択される。
【0029】
この態様により、単一のLVAPアクセスポイントBSSIDを使用する物理的アクセスポイントが互いに離れすぎること(これは、ステーションがすべてのビーコン信号を受信しないおそれがあるため、本発明による方法によってもたらされる利点を低減させる)が回避される。
【0030】
例えば、セットの様々な物理的アクセスポイントを分離するパーティションの数を考慮して、それらの間の距離を、最大距離を10メートル程度に制限するように重み付けすることができる。
【0031】
本発明の一態様によれば、セットの物理的アクセスポイントの数は、閾値以下となるようにコントローラによって制限される。
【0032】
この態様は、様々な物理的アクセスポイント間でビーコン信号が同期されない場合にビーコン信号の数の増加を回避するか、又は逆の場合にはこの同期をより単純且つより効率的にする。実際、各物理的アクセスポイントが同期せずにビーコン信号を送信する場合、アクセスポイントが多すぎると、ステーションは、同じ時間間隔内に過剰な数のビーコンメッセージを受信するおそれがある。
【0033】
したがって、物理的アクセスポイントのセットによって生成される無線カバレッジエリア内の任意の地点において、ステーションが約100ミリ秒ごとにビーコン信号を受信できるように、セットの物理的アクセスポイントの最適な数を決定することが可能である。
【0034】
直前に説明した、物理的Wi-Fiアクセスポイント又はWi-Fiアクセスポイントコントローラによって実施される、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法の様々な態様は、互いに独立して又は互いに組み合わせて実施され得る。
【0035】
本発明は、第1のBSSID識別子によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイントが割り当てられる物理的Wi-Fiアクセスポイントに含まれるデバイスであって、受信機と、送信機と、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリであって、
・第1のBSSID識別子を含むメッセージを受信すること、
・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージを繰り返し送信すること、
・第1のBSSID識別子に基づいてWi-Fiステーションとアソシエーションすること、
・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージの繰り返し送信を停止すること
を行うためにプロセッサによって実行されることを意図された命令を含むメモリとを含むデバイスにも関する。
【0036】
そのすべての実施形態において、直前に説明した仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装することができるこのデバイスは、物理的Wi-Fiアクセスポイントで実装されることが意図される。
【0037】
本発明は、物理的Wi-Fiアクセスポイントのセットのコントローラに含まれるデバイスであって、受信機と、送信機と、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリであって、
・第1のBSSID識別子によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイントをセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てること、
・第1のBSSID識別子を含むメッセージをセットの物理的アクセスポイントに送信すること、
・第1のBSSID識別子を含む、セットの物理的アクセスポイントとのステーションのアソシエーションに関連するメッセージを受信すること、
・第2のBSSID識別子によって識別される第2の仮想Wi-Fiアクセスポイントをセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てること、
・第1のBSSID識別子を置き換えることを意図される、第2のBSSID識別子を含むメッセージをセットの物理的アクセスポイントに送信すること
を行うためにプロセッサによって実行されることを意図された命令を含むメモリとを含むデバイスにも関する。
【0038】
そのすべての実施形態において、直前に説明した仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装することができるこのデバイスは、Wi-Fiアクセスポイントのセットを制御するための制御装置、例えばSDN(ソフトウェア定義ネットワーキング)コントローラで実装されることが意図される。
【0039】
本発明は、命令であって、これらの命令がプロセッサによって実行されると、直前に説明した仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法のステップを前記プロセッサに実施させる命令を含むコンピュータプログラムにも関する。
【0040】
本発明は、物理的Wi-Fiアクセスポイント及びWi-Fiアクセスポイントのセットのコントローラによって読み取ることが可能な情報媒体であって、上述のコンピュータプログラム命令を含む情報媒体も対象とする。
【0041】
上述のプログラムは、任意のプログラミング言語を使用することができ、ソースコードの形態、オブジェクトコードの形態又は部分的にコンパイルされた形態など、ソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コードの形態又は任意の他の望ましい形態であり得る。
【0042】
上述の情報媒体は、プログラムを記憶可能な任意のエンティティ又はデバイスであり得る。例えば、媒体には、ROM、例えばCD-ROM若しくはマイクロ電子回路ROMなどの記憶手段又は磁気記録手段が含まれ得る。
【0043】
このような記憶手段は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリなどであり得る。さらに、情報媒体は、電気信号又は光信号などの伝送可能媒体であり得、電気信号又は光信号は、電気ケーブル又は光ケーブルを介して無線又は他の手段によってルーティングされ得る。本発明によるプログラムは、特にインターネットなどのネットワークからダウンロードされ得る。
【0044】
代替的に、情報媒体は、プログラムが組み込まれた集積回路であり得、回路は、対象の方法を実行するように又はその実行で使用されるように設計される。
【0045】
本発明の他の利点及び特徴は、簡単な例示的且つ非限定的な例として提供される、本発明の特定の実施形態の以下の説明及び添付図面を読むことでより明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1a】本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第1の部分を示す。
【
図1b】本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第2の部分を示す。
【
図1c】本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第3の部分を示す。
【
図1d】本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第4の部分を示す。
【
図1e】本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第5の部分を示す。
【
図2】本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の1つの例示的な実施を示す。
【
図3a】本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第1の部分を示す。
【
図3b】本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第2の部分を示す。
【
図3c】本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第3の部分を示す。
【
図3d】本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第4の部分を示す。
【
図3e】本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理の第5の部分を示す。
【
図4】本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の1つの例示的な実施を示す。
【
図5】本発明の一態様による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装する、物理的Wi-Fiアクセスポイントのデバイス構造の一例を示す。
【
図6】本発明の一態様による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装する、Wi-Fiアクセスポイントコントローラにおけるデバイス構造の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本明細書の残りの部分では、Wi-Fiネットワークの3つの物理的アクセスポイントの一セットに基づく本発明の例示的な実施形態が示されるが、本発明がIEEE 802.11規格のすべてのバリエーション及び任意の数の物理的アクセスポイントに適用可能であることは言うまでもない。とりわけ、LVAPアクセスポイントを識別するBSSIDという用語は、物理的であろうと仮想的であろうと、Wi-Fiアクセスポイントを識別する例示的な方法の1つにすぎない。
【0048】
図1a~1eは、本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理を示す。
【0049】
この原理は、コントローラCTLによって管理される、PAP1、PAP2及びPAP3で示される3つの物理的Wi-Fiアクセスポイントを含む例を用いて説明される。このコントローラは、LVAP1で示され、BSSID1と等しいBSSIDによって識別される同じ仮想Wi-Fiアクセスポイントを、すべての物理的アクセスポイントに割り当てる。ステーションがLVAP1にアソシエーションされない限り(
図1a)、すべての物理的アクセスポイントが、BSSID1を含むビーコン信号を送信する。
【0050】
ステーションSTAが物理的アクセスポイントのセットに近づくと、例えば、最も近い物理的アクセスポイントPAP1を介して、ステーションSTAは、仮想アクセスポイントLVAP1とアソシエーションする(
図1b)。次に、仮想アクセスポイントLVAP1は、コントローラにより、他の物理的アクセスポイントPAP2及びPAP3から削除される。すべての物理的アクセスポイントは、BSSID1を含むビーコン信号の送信を停止する。
【0051】
次に、コントローラは、LVAP2で示され、BSSID2と等しいBSSIDによって識別される別の仮想Wi-Fiアクセスポイントをすべての物理的アクセスポイントに割り当てる(
図1c)。ステーションがLVAP2にアソシエーションされない限り、すべての物理的アクセスポイントが、BSSID2を含むビーコン信号を送信する。
【0052】
ステーションがPAP1から離れて、PAP3に近づくと、コントローラCTLは、ステーションSTAにとってトランスペアレントな方法で仮想アクセスポイントLVAP1をPAP1からPAP3に移動させる(
図1d)。この間、すべての物理的アクセスポイントは、BSSID2を含むビーコン信号を送信し続ける。
【0053】
STAと異なる別のステーションが仮想アクセスポイントLVAP2とアソシエーションする場合、コントローラCTLは、LVAP1に関する上記の通り、アソシエーションを保持する物理的アクセスポイントからを除き、LVAP2を削除し、すべての物理的アクセスポイントに割り当てるために新しいLVAPを生成する。この新しい仮想アクセスポイント(図示せず)、例えばBSSID3に等しいBSSIDによって識別されるLVAP3は、コントローラCTLによって既に割り当てられているものと異なり、すなわちLVAP1及びLVAP2と異なる。次に、物理的アクセスポイントは、BSSID2を含むビーコン信号の送信を停止し、BSSID3を含むビーコン信号の送信を開始する。
【0054】
例えば、ステーションSTAが物理的アクセスポイントのセットから離れすぎて、もはやその無線カバレッジ内に存在しないか又は単にステーションSTAの電源が切られたために、ステーションSTAと仮想アクセスポイントLVAP1との間のアソシエーションが消滅した場合(
図1e)、仮想アクセスポイントLVAP1は、コントローラCTLによって物理的アクセスポイントPAP3から削除される。仮想アクセスポイントLVAP2は、既に物理的アクセスポイントPAP3に予め割り当てられており、既にBSSID2を含むビーコン信号を送信しているため、他のステーションに対する利用可能性に影響を与えない。
【0055】
同じ仮想アクセスポイントを保持した物理的アクセスポイントによって送信されるビーコン信号により、仮想アクセスポイントの無線範囲が改善されるだけでなく、この仮想アクセスポイントとのステーションのアソシエーション速度も増すことが理解されるであろう。さらに、ステーションが仮想アクセスポイントとアソシエーションすると直ちに、仮想アクセスポイントを更新することにより、その利用可能性及びそのアソシエーション速度が常に保証される。
【0056】
図2は、本発明の第1の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の1つの例示的な実施を示す。
【0057】
この第1の実施形態では、同じLVAP BSSID識別子が複数の物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てられることが想起されるであろう。
【0058】
ステップE1001では、コントローラCTLは、第1の仮想アクセスポイントLVAP1の識別子BSSID1を生成し、LVAP識別子として、それが管理するセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントの各々にBSSID1を割り当てる。一例では、このセットは、それぞれPAP1、PAP2、PAP3で示される3つの物理的Wi-Fiアクセスポイントを含む。
【0059】
ステップE1011、E1012及びE1013では、コントローラCTLは、それぞれPAP1、PAP2及びPAP3によって受信される、識別子BSSID1を含む割り当てメッセージを送信する。
【0060】
このような割り当てメッセージの受信に続いて、物理的アクセスポイントは、識別子BSSID1を含むビーコンメッセージの送信を開始する。
【0061】
したがって、ステップE1021、E1022及びE1023では、それぞれ物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3は、識別子BSSID1を含むビーコンメッセージBcnをそれぞれ繰り返し送信する。
【0062】
この第1の実施形態の第1の例示的な実施では、これらのビーコンメッセージは、セットの各物理的アクセスポイントにより、それらの間で同期することなく独立して送信される。通常、Wi-Fiアクセスポイントは、100ミリ秒ごとにビーコンメッセージを送信する。その結果、3つのアクセスポイントの無線近接範囲内のステーションは、100ミリ秒の同じ間隔内に、同じBSSIDを含む3つのビーコンメッセージを受信する。これは、単純さという利点を有するが、同じBSSIDを有するビーコンメッセージが時間的に近すぎる場合、ステーションに複雑な状況をもたらし得る。
【0063】
この第1の実施形態の第2の例示的な実施では、これらのビーコンメッセージは、セットの各物理的アクセスポイントによって順番に送信される。これは、それらの間の同期を必要とするが、ビーコンメッセージを受信するステーションによるビーコンメッセージの処理を単純化するという利点を有する。例えば、ビーコンメッセージを送信するために、物理的アクセスポイントは、送信順序でその物理的アクセスポイントの前の物理的アクセスポイントによる送信後、100ミリ秒待機する。それにより、3つのアクセスポイントの無線近接範囲内のステーションは、100ミリ秒ごとに同じBSSIDを含むビーコンメッセージを受信し、これは、従来の非LVAPアクセスポイントによる通常の状況である。したがって、このプロセスは、ステーションにとって完全にトランスペアレントであり、ステーションは、100ミリ秒ごとにビーコンメッセージを送信する単一のWi-Fiアクセスポイントの存在下にあると信じる。
【0064】
セットの物理的Wi-Fiアクセスポイント間のこの同期を確実にするために、ステップE1011、E1012及びE1013でコントローラCTLによって送信される割り当てメッセージは、例えば、割り当てメッセージを受信するアクセスポイントに固有の、ランク番号又は基準時間に対する時間オフセット値を含み得る。
【0065】
送信が同期しているか否かにかかわらず、ビーコンメッセージは、3つの物理的アクセスポイントの無線近接範囲内のステーションにより、物理的アクセスポイントに応じた異なる信号強度で受信される。
【0066】
ステップE1031では、ビーコンメッセージの受信に応答して、ステーションSTAは、端末STAの少なくとも1つのMACアドレスを含むプローブ要求PRqを送信する。この要求PRqは、ステーションSTAのMACアドレスを含み、ブロードキャストモード又はユニキャストモードで送信され得る。後者の場合、要求は、例えば、BSSID1と等しいアクセスポイント識別子を含む。
【0067】
物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3は、それらがこの要求PRqを受信することを可能にする無線エリア内にある。
【0068】
ステップE1041、E1042及びE1043では、それぞれ要求PRqを受信した物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3は、要求メッセージPRqを搬送し、それぞれの物理的アクセスポイントによって受信された信号の強度を示すRSSI(受信信号強度インジケータ)と呼ばれるデータと共にステーションSTAのMACアドレスを含むメッセージをコントローラCTLに対してそれぞれ送信する。物理的アクセスポイントによってコントローラに送信されるメッセージは、要求PRqのコピーを含み得る。
【0069】
ステップE1051では、コントローラCTLは、ステップE1041、E1042及びE1043で受信したメッセージに基づいて、PAP1、PAP2及びPAP3の中から、ステーションMACとアソシエーションされる最も適切な物理的アクセスポイントを選択する。例えば、物理的アクセスポイントPAP1は、そのRSSIデータが最も高いために選択される。選択された物理的アクセスポイントは、ステーションSTAからの要求PRqに関連するメッセージもコントローラに送信する、時間的に最初のものであり得、これは、セットの物理的アクセスポイントの1つが、他の物理的アクセスポイントがステーションSTAから要求PRqを受信するときに範囲外である場合、速度の利点を有する。したがって、コントローラは、たとえそれが後に別のより適切なアクセスポイントにステーションを切り替えるとしても、ステーションが接続し得るアクセスポイントを選択するために、セットのアクセスポイントのすべてからメッセージを受信することを待つことはない。
【0070】
次に、コントローラCTLは、物理的アクセスポイントPAP1に対して、プローブ応答メッセージでステーションSTAに応答し、且つ識別子BSSID1を有するビーコンメッセージの送信を停止する命令を含むメッセージを送信する。
【0071】
このステップE1051では、コントローラCTLは、第2の仮想アクセスポイントLVAP2のために、BSSID1と異なる識別子BSSID2も生成し、LVAP識別子として、それが管理するセットの物理的Wi-Fiアクセスポイント、すなわちPAP1、PAP2及びPAP3の各々にBSSID2を割り当てる。
【0072】
ステップE1061では、ステップE1051でCTLによって送信された命令メッセージを受信した物理的アクセスポイントPAP1(PAP1)は、ステーションSTAのMACアドレスと識別子BSSID1とを含むプローブ応答PRsを、ステーションとアクセスポイントとの間のアソシエーションを可能にする任意の他の情報(例えば、アクセスポイントの能力に関する)と共にSTAに送信する。
【0073】
ステップE1071では、応答PRを受信したステーションSTAは、ステーションSTAから見て、このときにLVAP1が物理的Wi-FiアクセスポイントPAP1によって保持されているにもかかわらず、BSSID1によって識別される仮想Wi-FiアクセスポイントLVAP1にそれがアソシエーションされることにつながる既知の認証プロセスを行う。
【0074】
ステップE1081、E1082及びE1083では、コントローラCTLは、PAP1、PAP2及びPAP3によってそれぞれ受信される、識別子BSSID2を含む割り当てメッセージを送信する。
【0075】
このような割り当てメッセージの受信に続いて、これらの物理的アクセスポイントは、まず、識別子BSSID1を含むビーコンメッセージの送信を停止し、次に、識別子BSSID2を含み、PAP1、PAP2及びPAP3の無線カバレッジ内のいずれのステーションによっても受信することができるビーコンメッセージBcn2(メッセージがSTAによって「聞かれる」ことがないため、
図2には図示されないメッセージ)の送信を開始する。
【0076】
ステップE1051、E1081、E1082及びE1083の順番は問わない。
【0077】
ステップE1081は、ステップE1051に含まれ得、その場合、順番に一回で1つのメッセージのみが以下のためにPAP1に送信される:
1)PAP1によって保持されるLVAP1とSTAのアソシエーションを命じるため、
2)LVAP1のためのビーコンメッセージの送信を停止するため、
3)新しいLVAP2をPAP1に割り当てるため、及び
4)ビーコンメッセージBcn2の送信を開始するため。
【0078】
LVAP1のためのビーコンメッセージの停止がLVAP2のためのビーコンメッセージの起動と非相関の幾つかの変形形態では、ステップE1081、E1082及びE1083の割り当てメッセージは、ダウンスケールされ、上記の2、3又は4と番号付けされた命令の中から一度に1つの命令のみを搬送し得る。
【0079】
ステーションSTAが仮想アクセスポイントLVAP1にアソシエーションされると、後者は、ステーションSTAにとって完全にトランスペアレントな方法において(すなわちとりわけステップE1071の場合のような新たな認証フェーズを必要とせずに)、アソシエーションの無線品質の変動に応じて、別の物理的アクセスポイントに移動され得る。これは、ステップE1091~E1112に関連して以下に簡単に要約される既知のプロセスである。
【0080】
ステーションSTAによって送信された信号は、この信号を測定するように構成された無線近接範囲内のすべての物理的アクセスポイント、すなわちPAP1、PAP2及びPAP3によって認識される。ステップE1091、E1092及びE1093では、それぞれ物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3は、この測定を示す、KPIと呼ばれるデータを含むメッセージをコントローラCTLにそれぞれ繰り返し送信する。このKPIデータは、例えば、RSSIデータ又はSNR(信号対雑音比)データであり得る。
【0081】
ステップE1071後の任意の時点(ステーションSTAが、BSSID1によって識別されるLVAP1を保持する物理的アクセスポイントPAP1にアソシエーションされる時点)において、それが受信した測定報告に基づいて、コントローラCTLは、ステップE1101において、決定された切り替え基準に従い、物理的アクセスポイントPAP1とステーションSTAとの間の接続がもはや最適ではないと決定する。この切り替え基準は、例えば、受信した測定値と、受信した測定値が超えなければならないか又は超えてはならない所定の品質閾値とに関連する。
【0082】
このステップE1011では、他の物理的アクセスポイントPAP2及びPAP3からも測定報告を受信したコントローラCTLは、物理的アクセスポイントPAP3が切り替え基準を満たすことを検出する。
【0083】
切り替えを決めるためにコントローラCTLによって使用される測定値のこれらの変化は、例えば、PAP1から離れてPAP3に近づいたステーションSTAの移動の単なる結果又はSTAとPAP1との間の無線チャネルにおける混信の発生若しくはPAP1にも接続された別のステーションからのフローを優先する必要性など、より複雑な状況の変化の結果であり得る。
【0084】
ステップE1111及びE1112では、切り替え基準に基づいて、コントローラCTLは、LVAP1の識別子BSSID1を、その特性、そのルーティングルール、したがってステーションSTAの接続と共に、物理的アクセスポイントPAP1から物理的アクセスポイントPAP3に移動する。このために、コントローラCTLは、ステップE1111において、BSSID1を削除する要求を物理的アクセスポイントPAP1に送信し、ステップE1112において、BSSID1を追加する要求を物理的アクセスポイントPAP3に送信する。図示しない対応する確認メッセージも送信される。これらの切り替えステップの結果として、ステーションSTAは、依然としてBSSID1によって識別される仮想アクセスポイントLVAP1にアソシエーションされるが、このアソシエーションは、ステーションSTAにとって完全にトランスペアレントな方法において、もはや物理的アクセスポイントPAP1ではなく、物理的アクセスポイントPAP3によって保持されるようになる。
【0085】
図3a~3eは、本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の原理を示す。
【0086】
第1の実施形態と異なり、コントローラCTLは、各物理的アクセスポイントに対して、異なる仮想Wi-Fiアクセスポイントを割り当てる。例えば、それは、BSSID1に等しいBSSIDによって識別される仮想アクセスポイントLVAP1を物理的アクセスポイントPAP1に割り当て、BSSID2に等しいBSSIDによって識別される仮想アクセスポイントLVAP2を物理的アクセスポイントPAP2に割り当て、BSSID3に等しいBSSIDによって識別される仮想アクセスポイントLVAP3を物理的アクセスポイントPAP3に割り当てる。
【0087】
所与の仮想アクセスポイントにステーションがアソシエーションされていない限り(
図3a)、対応する物理的アクセスポイントは、対応するBSSID(すなわちPAP1の場合にはBSSID1、PAP2の場合にはBSSID2及びPAP3の場合にはBSSID3)を含むビーコン信号を送信する。
【0088】
ステーションSTAが物理的アクセスポイントのセットに近づくと、例えば、最も近い物理的アクセスポイントPAP1を介して、ステーションSTAは、仮想アクセスポイントLVAP1とアソシエーションする(
図3b)。次に、仮想アクセスポイントLVAP1は、BSSID1を含むビーコン信号の送信を停止する。
【0089】
次に、コントローラCTLは、LVAP4で示され、BSSID4と等しいBSSIDによって識別される、コントローラCTLによって既に割り当てられているものと異なる別の仮想Wi-Fiアクセスポイントを、物理的アクセスポイントPAP1にのみ割り当てる(
図3c)。次に、物理的アクセスポイントPAP1は、BSSID4を含むビーコン信号の送信を開始する。
【0090】
ステーションがPAP1から離れて、PAP3に近づくと、コントローラCTLは、ステーションSTAにとってトランスペアレントな方法で仮想アクセスポイントLVAP1をPAP1からPAP3に移動させる(
図3d)。この間、すべての物理的アクセスポイントは、それぞれのBSSIDを含むビーコン信号を送信し続ける。
【0091】
STAと異なる別のステーションが仮想アクセスポイントの1つ、例えば物理的アクセスポイントPAP2によって保持されるLVAP2とアソシエーションする場合、コントローラCTLは、上記のように、例えばLVAP5で示され、BSSID5に等しいBSSID(図示せず)によって識別される、コントローラCTLによって既に割り当てられているものと異なる(すなわちLAVAP1、LVAP2、LVAP3及びLVAP4と異なる)、新しい仮想アクセスポイントを物理的アクセスポイントPAP2にのみ割り当てる。次に、物理的アクセスポイントPAP2は、BSSID2を含むビーコン信号の送信を停止し、BSSID5を含むビーコン信号の送信を開始する。
【0092】
例えば、ステーションSTAが物理的アクセスポイントのセットから離れすぎて、もはやその無線カバレッジ内に存在しないか又はステーションSTAの電源が切られたために、ステーションSTAと仮想アクセスポイントLVAP1との間のアソシエーションが消滅した場合(
図3e)、仮想アクセスポイントLVAP1は、コントローラCTLによって物理的アクセスポイントPAP3から削除される。仮想アクセスポイントLVAP3は、既に物理的アクセスポイントPAP3に予め割り当てられており、既にBSSID3を含むビーコン信号を送信しているため、他のステーションに対する利用可能性に影響を与えない。
【0093】
各々が異なる仮想アクセスポイントを保持した物理的アクセスポイントによって送信されるビーコン信号により、仮想アクセスポイントの無線範囲が全体として改善されるだけでなく、ステーションとこれらの仮想アクセスポイントの1つとのアソシエーション速度も増すことが理解されるであろう。さらに、ステーションが仮想アクセスポイントとアソシエーションすると直ちに、仮想アクセスポイントを更新することにより、その利用可能性及びそのアソシエーション速度が常に保証される。
【0094】
図4は、本発明の第2の実施形態による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の1つの例示的な実施を示す。
【0095】
この第2の実施形態では、異なるLVAP BSSID識別子が各物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てられることが想起されるであろう。
【0096】
ステップE2001では、コントローラCTLは、3つの仮想アクセスポイントLVAP1、LVAP2及びLVAP3の各々について、異なるBSSID識別子BSSID1、BDDIS2及びBSSID3をそれぞれ生成し、BSSID識別子を、それが管理するセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントの各々に割り当てる。コントローラCTLは、LVAP識別子として、物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3に対して、それぞれBSSID1、BSSID2及びBSSID3を割り当てる。
【0097】
ステップE2011では、コントローラCTLは、PAP1によって受信される、識別子BSSID1を含む割り当てメッセージを送信する。
【0098】
ステップE2012では、コントローラCTLは、PAP2によって受信される、識別子BSSID2を含む割り当てメッセージを送信する。
【0099】
ステップE2013では、コントローラCTLは、PAP3によって受信される、識別子BSSID3を含む割り当てメッセージを送信する。
【0100】
このような割り当てメッセージの受信に続いて、物理的アクセスポイントは、それらに割り当てられたBSSID識別子を含むビーコンメッセージの送信を開始する。
【0101】
したがって、ステップE2021、E2022及びE2023では、それぞれ物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3は、識別子BSSID1を含むビーコンメッセージBcn1、識別子BSSID2を含むビーコンメッセージBcn2及び識別子BSSID3を含むビーコンメッセージBcn2をそれぞれ繰り返し送信する。
【0102】
この第2の実施形態の1つの例示的な実施では、これらのビーコンメッセージは、セットの各物理的アクセスポイントにより、それらの間で同期することなく独立して送信される。通常、Wi-Fiアクセスポイントは、100ミリ秒ごとにビーコンメッセージを送信する。その結果、3つのアクセスポイントの無線近接範囲内のステーションは、100ミリ秒の同じ間隔内において、平均して3つの、BSSID1、BSSID2及びBSSID3をそれぞれ含むビーコンメッセージBcn1、Bcn2及びBcn3を受信する。
【0103】
ビーコンメッセージは、3つの物理的アクセスポイントの無線近接範囲内のステーションにより、物理的アクセスポイントに応じた異なる信号強度で受信される。
【0104】
ステップE2031では、ビーコンメッセージの受信に応答して、ステーションSTAは、端末STAの少なくとも1つのMACアドレスを含むプローブ要求PRqを[ユニキャストモード又はマルチキャストモードにおいて?]送信する。この要求PRqは、ステーションSTAのMACアドレスを含み、ブロードキャストモード又はユニキャストモードで送信され得る。前者の場合、すべての物理的アクセスポイントが要求PRqを処理する。後者の場合、要求PRqは、例えばBSSID1に等しいアクセスポイント識別子を含み、アクセスポイントPAP1のみがそれを処理する。
【0105】
物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3は、それらがこの要求PRqを受信することを可能にする無線エリア内にある。
【0106】
ステップE2041、E2042及びE2043では、それぞれ物理的アクセスポイントPAP1、PAP2及びPAP3は、要求メッセージPRqを搬送し、それぞれの物理的アクセスポイントによって受信された信号の強度を示すRSSI(受信信号強度インジケータ)と呼ばれるデータと共に、ステーションSTAのMACアドレスを含むメッセージをコントローラCTLにそれぞれ送信する。物理的アクセスポイントによってコントローラに送信されるメッセージは、要求PRqのコピーを含み得る。
【0107】
ステップE2051では、コントローラCTLは、ステップE2041、E2042及びE2043で受信したメッセージに基づいて、PAP1、PAP2及びPAP3の中から、ステーションMACとアソシエーションされる最も適切な物理的アクセスポイントを選択する。例えば、物理的アクセスポイントPAP1は、そのRSSIデータが最も高いために選択される。
【0108】
選択された物理的アクセスポイントは、ステーションSTAからの要求PRqに関連するメッセージをコントローラに送信する、時間的に最初のものでもあり得、これは、セットの物理的アクセスポイントの1つが、他の物理的アクセスポイントがステーションSTAから要求PRqを受信するときに範囲外である場合、速度の利点を有する。したがって、コントローラは、たとえそれが後に別のより適切なアクセスポイントにステーションを切り替えるとしても、ステーションが接続し得るアクセスポイントを選択するために、セットのアクセスポイントのすべてからメッセージを受信することを待つことはない。
【0109】
同様に、ステーションSTAがユニキャストモードで要求PRqを送信した場合、コントローラは、ユニキャスト要求PRqで識別されたアクセスポイントからのみメッセージを受信し、たとえそれが後に別のより適切なアクセスポイントにステーションを切り替えるとしても、このアクセスポイントを選択する。
【0110】
次に、コントローラCTLは、物理的アクセスポイントPAP1に対して、プローブ応答メッセージでステーションSTAに応答し、且つ識別子BSSID1を有するビーコンメッセージの送信を停止する命令を含むメッセージを送信する。
【0111】
このステップE2051では、コントローラCTLは、新しい仮想アクセスポイントLVAP4のために、コントローラCTLによって既に割り当てられているBSSIDと異なる識別子BSSID4も生成し、LVAP識別子として、物理的Wi-FiアクセスポイントPAP1にBSSID4を割り当てる。
【0112】
ステップE2061では、ステップE2051でCTLによって送信された命令メッセージを受信した物理的アクセスポイントPAP1(PAP1)は、ステーションSTAのMACアドレスと識別子BSSID1とを含むプローブ応答PRsを、ステーションとアクセスポイントとの間のアソシエーションを可能にする任意の他の情報(例えば、アクセスポイントの能力に関する)と共にSTAに送信する。
【0113】
ステップE2071では、応答PRsを受信したステーションSTAは、ステーションSTAから見て、このときにLVAP1が物理的Wi-FiアクセスポイントPAP1によって保持されているにもかかわらず、BSSID1によって識別される仮想Wi-FiアクセスポイントLVAP1にそれがアソシエーションされることにつながる既知の認証プロセスを行う。
【0114】
ステップE2081では、コントローラCTLは、PAP1によって受信される、識別子BSSID4を含む割り当てメッセージを送信する。
【0115】
このような割り当てメッセージの受信に続いて、物理的アクセスポイントPAP1は、まず、識別子BSSID1を含むビーコンメッセージBcn1の送信を停止し、次に、識別子BSSID4を含み、PAP1の無線カバレッジ内のいずれのステーションによっても受信することができるビーコンメッセージBcn4(メッセージがSTAによって「聞かれる」ことがないため、
図2には図示されないメッセージ)の送信を開始する。
【0116】
ステップE2081は、ステップE2051に含まれ得、その場合、順番に一回で1つのメッセージのみが以下のためにPAP1に送信される:
1)PAP1によって保持されるLVAP1とSTAのアソシエーションを命じるため、
2)LVAP1のためのビーコンメッセージの送信を停止するため、
3)新しいLVAP4をPAP1に割り当てるため、及び
4)ビーコンメッセージBcn4の送信を開始するため。
【0117】
LVAP1のためのビーコンメッセージの停止がLVAP4のためのビーコンメッセージの起動と非相関の幾つかの変形形態では、ステップE2081の割り当てメッセージは、ダウンスケールされ、上記の2、3又は4と番号付けされた命令の中から一度に1つの命令のみを搬送し得る。
【0118】
ステーションSTAが仮想アクセスポイントLVAP1にアソシエーションされると、後者は、ステーションSTAにとって完全にトランスペアレントな方法において(すなわちとりわけステップE2071の場合のような新たな認証フェーズを必要とせずに)、アソシエーションの無線品質の変動に応じて、別の物理的アクセスポイントに移動され得る。これは、
図2に関連して既に説明したステップE1091~E1112とそれぞれ同一であるステップE2091~E2112によって示される既知のプロセスである。
【0119】
図5は、本発明の一態様による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装する、物理的Wi-Fiアクセスポイントのデバイス構造の一例を示す。
【0120】
デバイス100は、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装しており、その様々な実施形態は、直前に説明したものである。
【0121】
このようなデバイス100は、例えばアクセスポイントPAP1などの物理的Wi-Fiアクセスポイントに実装され得る。
【0122】
例えば、デバイス100は、受信機101と、送信機102と、例えばマイクロプロセッサμPを備え、メモリ120に格納され、且つ本発明による最適化された管理方法を実装するコンピュータプログラム110によって制御される処理ユニット130とを含む。初期化時、コンピュータプログラム110のコード命令は、処理ユニット130のプロセッサによって実行される前に例えばRAMメモリにロードされる。
【0123】
このようなメモリ120、このような処理ユニット130のプロセッサ、このような受信機101及びこのような送信機102は、以下が可能であり、以下を行うように構成される:
・第1のBSSID識別子(BSSID1)を含むメッセージを受信すること。
・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージ(Bcn1)を繰り返し送信すること。
・第1のBSSID識別子に基づいてWi-Fiステーション(STA)とアソシエーションすること。
・第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージの繰り返し送信を停止すること。
【0124】
有利には、それらは、以下も可能であり、以下を行うように構成される。
・第1のBSSID識別子を含む、アソシエーションに関連するメッセージを送信すること。
・物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てられた第2の仮想Wi-Fiアクセスポイントの第2のBSSID識別子(BSSID2;BSSID4)を含むメッセージを受信すること。
・第2のBSSID識別子を含むビーコンメッセージ(Bcn2)を繰り返し送信すること。
【0125】
任意選択的に、それらは、他の物理的Wi-Fiアクセスポイントと順番に繰り返し送信することにより、第1のBSSID識別子を含むビーコンメッセージの繰り返し送信を同期させることも可能であり、そのような同期を行うように構成される。
【0126】
図6は、本発明の一態様による、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装する、Wi-Fiアクセスポイントコントローラにおけるデバイス構造の一例を示す。
【0127】
デバイス200は、仮想Wi-Fiアクセスポイントの最適化された管理の方法を実装しており、その様々な実施形態は、直前に説明したものである。
【0128】
このようなデバイス200は、SDNコントローラなど(例えばコントローラCTLなど)の、Wi-Fiアクセスポイントのセットを制御するための制御装置に実装され得る。
【0129】
例えば、デバイス200は、受信機201と、送信機202と、例えばマイクロプロセッサμPを備え、メモリ220に格納され、且つ本発明による最適化された管理方法を実装するコンピュータプログラム210によって制御される処理ユニット230とを含む。初期化時、コンピュータプログラム210のコード命令は、処理ユニット230のプロセッサによって実行される前に例えばRAMメモリにロードされる。
【0130】
このようなメモリ220、このような処理ユニット230のプロセッサ、このような受信機201及びこのような送信機202は、以下が可能であり、以下を行うように構成される。
・第1のBSSID識別子(BSSID1)によって識別される第1の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP1)をセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てること。
・第1のBSSID識別子を含むメッセージをセットの物理的アクセスポイントに送信すること。
・第1のBSSID識別子を含む、セットの物理的アクセスポイント(PAP1)とのステーション(STA)のアソシエーションに関連するメッセージを受信すること。
・第2のBSSID識別子(BSSID2;BSSID4)によって識別される第2の仮想Wi-Fiアクセスポイント(LVAP2;LVAP4)をセットの物理的Wi-Fiアクセスポイントに割り当てること。
・第1のBSSID識別子を置き換えることを意図される、第2のBSSID識別子を含むメッセージをセットの物理的アクセスポイントに送信すること。
【0131】
有利には、それらは、セットの物理的アクセスポイント間の近接度に関連する情報に基づいて、セットの物理的アクセスポイントを選択することも可能であり、そのような選択を行うように構成される。
【0132】
図5及び
図6に関連して記載されたエンティティ並びに
図5及び
図6に関連して記載されたデバイスに含まれるエンティティは、ハードウェアベースであり得るか又はソフトウェアベースであり得る。
図5及び
図6は、先行する図に関連して上述した方法を実装する複数の可能な方法の中から特定の1つの方法を示すにすぎない。実際には、本発明の技法は、一連の命令を含むプログラムを実行する再プログラム可能なコンピューティングマシン(PC、DSP若しくはマイクロコントローラ)又は専用のコンピューティングマシン(例えば、FPGA若しくはASICなどの論理ゲートのセット又は任意の他のハードウェアモジュール)上でも同様に実施され得る。
【0133】
本発明が再プログラム可能なコンピューティングマシンにインストールされる場合、対応するプログラム(すなわち一連の命令)は、取り外し可能な記憶媒体(例えば、USBスティック、フロッピーディスク、CD-ROM若しくはDVD-ROMなど)又は取り外しができない記憶媒体に格納することができ、この記憶媒体は、コンピュータ又はプロセッサによって部分的又は完全に読み取ることが可能である。
【国際調査報告】