(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】薄型のアクセスシース
(51)【国際特許分類】
A61M 25/01 20060101AFI20241010BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61M25/01 510
A61M39/06 122
A61M39/06 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525236
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 US2022048042
(87)【国際公開番号】W WO2023076488
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デロレンツォ,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】コーカッチ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッジ,グレン
(72)【発明者】
【氏名】シュイナード,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ボイド,メーガン
(72)【発明者】
【氏名】ラジャラム,ミトゥン
(72)【発明者】
【氏名】ダゴスティーノ,マシュー
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066QQ15
4C267AA05
4C267AA12
4C267AA15
4C267AA17
4C267BB04
4C267BB13
4C267BB33
4C267CC08
4C267GG02
4C267GG07
4C267GG24
4C267GG46
4C267HH01
4C267HH11
4C267HH20
(57)【要約】
患者の脈管構造中へ挿入するためのシステムが開示されている。システムは、中間チューブ状シース本体の遠位部分に結合された主チューブ状シース本体と、中間チューブ状シースの近位部分に結合されたハブとを用いる。ハブは、ダイレータキャップとハブとの相互作用によって、ダイレータに結合可能とし得、ハブは、1つ以上の目で見て特定可能な領域を有する発泡部材を備える止血弁を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脈管構造中へ挿入するための機器であって、前記機器は、
第1の材料を含む主チューブ状シース本体であって、近位端部から遠位端部まで延在する主チューブ状シース本体と、
第2の材料を含む中間チューブ状シース本体であって、前記中間シース本体は近位端部から遠位端部まで延在し、前記中間チューブ状シース本体の前記遠位端部は前記主チューブ状シース本体の前記近位端部に接続される、中間チューブ状シース本体と、
第3の材料を含むハブであって、前記中間シース本体の近位部分に接続され、前記中間チューブ状シース本体によって前記主チューブ状シース本体から分離されるハブと
を含み、
前記第1の材料、第2の材料、及び第3の材料は、前記第1の材料と第2の材料との間の理論的な界面結合強度及び前記第3の材料と前記第2の材料との間の理論的な界面結合強度が双方とも、前記第1の材料と前記第3の材料との間の理論的な界面結合強度を上回るように構成される、機器。
【請求項2】
前記中間チューブ状シース本体は、前記遠位端部に第1の内径、及び前記遠位端部の近位側に軸方向距離をおいて第2の内径を有し、前記第2の内径は前記第1の内径よりも大きい、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記第2の内径は5mm~6mmである、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記第1の材料はポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
前記第2の材料は熱可塑性スチレンブタジエンコポリマーを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の機器。
【請求項6】
前記第3の材料はアクリロニトリルブタジエンスチレンを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の機器。
【請求項7】
前記主チューブ状シース本体は複数の層を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の機器。
【請求項8】
前記複数の層は、枠層及び外被を含む、請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記枠層はニチノールを含み、前記外被はポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含む、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
さらに、前記ハブから延在するサイドポートを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の機器。
【請求項11】
さらに、前記ハブと、前記主チューブ状シース本体と、前記中間チューブ状シース本体とに対して回転自在である回転自在部分を含み、前記回転自在部分は前記ハブの遠位部分に接続されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の機器。
【請求項12】
前記回転自在部分は、少なくとも180度だけ回転自在である、請求項11に記載の機器。
【請求項13】
前記回転自在部分は、少なくとも360度だけ回転自在である、請求項12に記載の機器。
【請求項14】
前記回転自在部分は、前記ハブから延在するサイドポートが患者に対して横たわるように構成される、請求項11に記載の機器。
【請求項15】
前記回転自在部分は、バタフライ、縫合パッド、又はそれらの組み合わせを含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の機器。
【請求項16】
周囲に部分的に1つ以上のねじ山が延在しているハブであって、各ねじ山は第1のロッキング部分を有し、その軸方向厚さは、前記ねじ山の第2の異なる部分とは異なる、ハブと、
近位端部から遠位端部まで延在するチューブ状シース本体を有するシースであって、前記近位端部は前記ハブに動作可能に結合される、シースと、
前記チューブ状シース本体中を通して受け入れ可能なダイレータ本体を有するダイレータであって、前記ダイレータは、前記ダイレータ本体の近位部分に結合されたダイレータハブを含み、前記ダイレータハブは、ダイレータキャップ及びダイレータハンドルを含み、前記ダイレータキャップは、前記ダイレータが前記シース本体中を通して受け入れられるとき、前記ねじ山を受け入れるように構成された溝又はチャンネルを含み、前記溝又はチャンネルは、前記ねじ山の前記ロッキング部分と係合するように適合されたリッジ又は窪みを有するように構成される、ダイレータと
を含む、装置。
【請求項17】
前記溝又はチャンネルはリッジを有するように構成され、前記ロッキング部分の軸方向厚さは、前記ねじ山の異なる部分よりも薄い、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記リッジ又は窪みの高さは、前記ロッキング部分と前記異なる部分との間の前記軸方向厚さの差と同じである、請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記ハブ及び前記ダイレータキャップはそれぞれ、適所にロックされる前に、前記溝又はチャンネルが前記ねじ山と位置合わせされる時点を伝えるように構成されたインジケータを含む、請求項16~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
ダイレータキャップは、近位面から遠位面まで中心軸に沿って延在する開口部を規定し、前記開口部は、中心円形部分と、前記中心円形部分から外向きに延在する1つ以上のスポークとを有し、各スポークは、前記ダイレータハンドルの遠位面にあるリッジと位置合わせするように構成される、請求項16~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、前記ダイレータが適所にロックされることの印を使用者に提供するように構成される、請求項16~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記印は、聴覚音、前記ダイレータハンドルを通した振動、又はそれらの組み合わせを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
エラストマー部材を少なくとも部分的にハウジング内に固定して、前記エラストマー部材の近位端部に対して構造支持をもたらすように構成された発泡部材であって、前記発泡部材は、第1の開口部を規定する近位面を有し、その第1の開口部は、長手方向軸に沿って前記発泡部材の前記近位面から遠位面まで延在し、及び前記発泡部材は、前記第1の開口部の少なくとも1つの縁部から予め決められた距離に、少なくとも1つの目で見て特定可能な部分を有する、発泡部材
を含む、止血弁組立体。
【請求項24】
前記発泡体はシリコーン油を含む、請求項23に記載の止血弁組立体。
【請求項25】
前記第1の開口部はレーザ切断される、請求項23又は24に記載の止血弁組立体。
【請求項26】
前記少なくとも1つの目で見て特定可能な部分は、前記近位面から前記遠位面の方へ向かって少なくとも部分的に延在する1つ以上の追加的な開口部を含む、請求項23~25のいずれか1項に記載の止血弁組立体。
【請求項27】
前記1つ以上の追加的な開口部のそれぞれは、前記少なくとも1つの縁部から等距離にある、請求項26に記載の止血弁組立体。
【請求項28】
前記1つ以上の追加的な開口部のそれぞれの直径は、0.5mm未満である、請求項26又は27に記載の止血弁組立体。
【請求項29】
前記1つ以上の追加的な開口部は、2~4個の追加的な開口部を含む、請求項26~28のいずれか1項に記載の止血弁組立体。
【請求項30】
前記少なくとも1つの目で見える特定可能な部分は、前記発泡体の異なる部分よりも目で見て暗い又は明るい部分を含む、請求項23~25のいずれか1項に記載の止血弁組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年10月28日出願の米国仮特許出願第63/272,750号、及び2022年10月4日出願の同第63/413,098号の優先権を主張し、それらそれぞれの内容全体を本書に援用する。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、単一の挿入部位で患者の体内への1つ以上の医療機器の導入を可能にし得る非ピールアウェイ式イントロデューサシース組立体及びダイレータ組立体に関し、そのようなイントロデューサシース組立体は、イントロデューサシース組立体の挿入部位を通した患者からの体液の流出を減少させるか又はなくすために、止血弁を有する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 機械的な循環支援機器(例えば、心臓内心臓ポンプ組立体)又は他の医療機器が、様々な方法で患者の体内に導入され得る。一般的なアプローチは、心臓の処置中に外科的又は経皮的のいずれかで血管系を通して機器を導入することである。医療機器が患者の体内に長期間留まることが予期される場合、一般に用いられるピールアウェイ式イントロデューサシースが剥離されて、医療機器に予め取り付けられたより小径のシース(例えば、再配置シース)と交換されて、血流閉塞のリスクを低下させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] 第1の態様は、患者の脈管構造中へ挿入するための機器に関し、ここで、機器は、主チューブ状シース本体と、主チューブ状シース本体の近位端部に接続された中間チューブ状シース本体と、中間チューブ状シース本体の近位部分に接続されたハブとを含む。主チューブ状シース本体は第1の材料で構成され、中間チューブ状シース本体は第2の材料で構成され、及びハブは第3の材料で構成され、ここで、第1の材料と第2の材料との間の理論的な界面結合強度及び第3の材料と第2の材料との間の理論的な界面結合強度は双方とも、第1の材料と第3の材料との間の理論的な界面結合強度を上回る。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態において、中間チューブ状シース本体は、その遠位端部に第1の内径、及び遠位端部から近位側に軸方向距離をおいて第2の内径を有し得、第2の内径は第1の内径を上回る。いくつかの実施形態において、第2の内径は5mm~6mmとし得る。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、第1の材料は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含み得る。いくつかの実施形態において、第2の材料は、熱可塑性スチレンブタジエンコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態において、第3の材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレンを含み得る。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態において、主チューブ状シース本体は複数の層を含み得る。これらの層は、例えば、枠層及び外被を含み得る。いくつかの実施形態において、枠層はニチノールを含み得、外被はポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含み得る。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、機器は、ハブから延在するサイドポートを含み得る。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態において、ハブは、ハブと、主チューブ状シース本体と、中間チューブ状シース本体とに対して回転自在である回転自在部分を含み得、回転自在部分は、ハブの遠位部分に接続されている。いくつかの実施形態において、回転自在部分は、少なくとも180度だけ回転自在とし得る(すなわち、回転されることができる)。いくつかの実施形態において、回転自在部分は、少なくとも360度だけ回転自在とし得る。いくつかの実施形態において、回転自在部分は、ハブから延在するサイドポートが患者に対して横たわることができるように構成され得る。いくつかの実施形態において、回転自在部分は、バタフライ、縫合パッド、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0010】
[0010] 第2の態様は、ハブと、ハブに動作可能に結合されたチューブ状シース本体を備えるシースと、チューブ状シース本体中を通して受け入れ可能なダイレータ本体、ダイレータ本体の近位端部に結合されたダイレータハブ、及びダイレータキャップに結合されたダイレータハンドルを有するダイレータとを含む、装置に関する。ハブは、ハブの周囲に部分的に延在する1つ以上のねじ山を含み、各ねじ山のロッキング部分は、ねじ山の異なる部分とは軸方向厚さが異なる。チューブ状シース本体は、近位端部から遠位端部まで延在し、近位端部はハブに動作可能に結合され、及びダイレータキャップは、ダイレータがシース本体中を通して受け入れられるとき、ねじ山を受け入れるように構成された溝又はチャンネルを含み、溝又はチャンネルは、ねじ山のロッキング部分と係合するように適合されたリッジ又は窪みを有するように構成される。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、溝又はチャンネルはリッジを有するように構成され得、及びロッキング部分の軸方向厚さは、ねじ山の異なる部分よりも薄い。いくつかの実施形態において、リッジ又は窪みの高さは、ロッキング部分と異なる部分との間の軸方向厚さの差と同じとし得る。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、ハブ及びダイレータキャップはそれぞれ、適所にロックされる前に、溝又はチャンネルがねじ山と位置合わせされる時点を伝えるように構成されたインジケータを外面に含み得る。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態において、ダイレータキャップは、近位面から遠位面まで中心軸に沿って延在する開口部を規定し得、開口部は、中心円形部分と、中心円形部分から外向きに延在する1つ以上のスポークとを有し、各スポークは、ダイレータハンドルの遠位面にあるリッジと位置合わせするように構成される。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態において、装置は、ダイレータが適所にロックされることの印、例えば聴覚音、ダイレータハンドルを通した振動、又はそれらの組み合わせを使用者に提供するように構成される。
【0015】
[0015] 第3の態様は、エラストマー部材を少なくとも部分的にハウジング内で固定してエラストマー部材の近位端部に対する構造支持をもたらすように構成された発泡部材を含む、止血弁組立体に関し、発泡部材は、第1の開口部を規定する近位面を有し、その第1の開口部は、長手方向軸に沿って止血弁組立体の長手方向軸の近位面から遠位面まで延在し、及び発泡部材は、第1の開口部の少なくとも1つの縁部から予め決められた距離に少なくとも1つの目で見て特定可能な部分を有する。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態において、発泡体は、シリコーン油を含み得る。いくつかの実施形態において、第1の開口部はレーザ切断され得る。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態において、少なくとも1つの目で見て特定可能な部分は、近位面から遠位面の方へ向かって少なくとも部分的に延在する1つ以上の追加的な開口部を含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の追加的な開口部のそれぞれは、少なくとも1つの縁部から等距離にあってもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の追加的な開口部のそれぞれの直径は、0.5mm未満とし得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の追加的な開口部は、2~4個の追加的な開口部を含み得る。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態において、少なくとも1つの目で見える特定可能な部分は、発泡体の異なる部分よりも目で見て暗い又は明るい部分を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面の簡単な説明
【
図1A】[0019]止血弁を備えるイントロデューサシースの一実施形態の2Dの概略図である。
【
図1B】[0020]止血弁を備え且つダイレータ組立体が挿入された、イントロデューサシースの一実施形態の2Dの概略図である。
【
図2】[0021]ハブの一実施形態の2Dの概略図である。
【
図3A】[0022]ダイレータキャップの実施形態の直交の表現である。
【
図3B】[0022]ダイレータキャップの実施形態の直交の表現である。
【
図4】[0023]ダイレータハンドルの一実施形態の直交の表現である。
【
図5】[0024]止血弁の発泡部材の一実施形態の直交の表現である。
【
図6A】[0025]発泡部材の異なる実施形態の2Dの表現である。
【
図6B】[0025]発泡部材の異なる実施形態の2Dの表現である。
【
図6C】[0025]発泡部材の異なる実施形態の2Dの表現である。
【
図6D】[0025]発泡部材の異なる実施形態の2Dの表現である。
【
図7】[0026]発泡部材のさらに別の実施形態の表現である。
【
図8A】[0027]ハブ内の発泡部材の表現である。
【
図8B】[0027]ハブ内の発泡部材の表現である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
[0028] 機械的な循環支援機器に関し、ピールアウェイ式イントロデューサシースは、機器が患者の体内に長期間留まると予期されるときに、使用され得る(例えば、イントロデューサシースを剥離して、それを、医療機器に予め取り付けられたより小径のシースと交換することによって)。しかしながら、複数の医療機器を体内へ導入するために単一の挿入点を利用することがより望ましくなるため、ピールアウェイ式イントロデューサは、そのようなイントロデューサの側壁の強度が意図的に弱められているゆえにあまり望ましくなくなるかもしれない。さらに、典型的なピールアウェイ式イントロデューサは外径が大きく、これにより、イントロデューサを通り過ぎる血流を望ましくなく妨げてしまい、下肢虚血を生じることがある。
【0021】
[0029] それゆえ、本発明人らは、薄型の非ピールアウェイ式イントロデューサシースが望ましいとし得ることを理解してきた。しかしながら、そのようなシースの所望の特徴を維持するためには、単に寸法が比例して小さくされて使用可能及び製造可能なままとすることができないため、設計に対するさらなる変更が必要とされる可能性がある。
【0022】
[0030] その目的のために、製造可能なままでありながら現在の非ピールアウェイ式イントロデューサシースの恩恵を可能にする設計特徴を組み込む、薄型の非ピールアウェイ式イントロデューサシース組立体、及びそのようなシースを有用にできるダイレータ組立体が、望まれる。
【0023】
[0031]
図1A及び
図1Bで見られるように、患者の脈管構造中へ挿入するためのシステムが示され得る。システムは、一般的に、シース105に動作可能に接続されたハブ40を含み、ハブは止血弁200を含み、それを通して、例えば、ダイレータ組立体110、心臓ポンプ、又は他の医療機器が挿入され得る。
【0024】
[0032] 本開示の第1の態様は、患者の脈管構造中へ挿入するための機器10に関する。機器10は、中間チューブ状シース本体30の遠位端部に結合された主チューブ状シース本体20と、中間チューブ状シース本体30の近位部分に結合されたハブ40とを含み得る。ハブ40はサイドポート50に接続され得る。回転自在部分60又は部材がハブの遠位端部に動作可能に結合され得る。
【0025】
[0033] 主チューブ状シース本体
[0034] 主チューブ状シース本体20は第1の材料を含み得、主チューブ状シース本体は近位端部21から遠位端部22まで延在し得る。
【0026】
[0035] いくつかの実施形態において、第1の材料は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、例えばArkemaが販売しているPEBAX(登録商標)エラストマーを含み得る。
【0027】
[0036] いくつかの実施形態において、主チューブ状シース本体20は複数の層を含み得る。いくつかの実施形態において、主チューブ状シース本体20は、外被23(これは、PEBAを含み得るか又はそれからなり得る)と、内枠層24(これは、ニチノール(nitinol)を含み得るか又はそれからなり得る)とを含み得る。
【0028】
[0037] 中間チューブ状シース本体
[0038] 機器はまた、第2の材料を含むか又はそれからなる中間チューブ状シース本体30(
図1A及び
図1B参照)を含み得、中間シース本体は近位端部31から遠位端部32まで延在する。中間チューブ状シース本体30の遠位端部32は、主チューブ状シース本体20の近位端部21に接続され得る。いくつかの実施形態において、中間チューブ状シース本体の遠位端部は主チューブ状シース本体の近位端部に突合せ溶接され得るが、主チューブ状シース本体と中間チューブ状シース本体との間は他のタイプの接合が好適とし得ることを理解されるべきである。
【0029】
[0039] いくつかの実施形態において、中間チューブ状シース本体30は、熱可塑性スチレンブタジエンコポリマー、例えばEntec Polymersが販売しているSTYROLUX(登録商標)樹脂を含み得るか又はそれからなり得る。
【0030】
[0040] いくつかの実施形態において、中間チューブ状シース本体30は、一定内径39の近位部分35と、遠位部分33とを有し得、遠位部分は、近位部分の内径39から遠位端部32におけるより小さい内径38まで線形に直径を短縮する。いくつかの実施形態において、中間チューブ状シース本体は、遠位端部32に第1の内径38と、遠位端部の近位側に軸方向距離34をおいて第2の内径39とを有し得る。いくつかの実施形態において、第2の内径39は第1の内径よりも大きいとし得る。いくつかの実施形態において、第2の内径39は5mm~6mmである。いくつかの実施形態において、この内径は、主チューブ状シースの内径と同じとし得る。
【0031】
[0041] ハブ
[0042] 機器はまた、ハブ40(例えば、
図1A参照)を含み得る。ハブは、第3の材料を含み得るか又はそれからなり得、ハブ40は、中間シース本体30の近位部分35に接続されて、中間チューブ状シース本体30によって主チューブ状シース本体20から分離され得る。
【0032】
[0043] いくつかの実施形態において、第3の材料はアクリロニトリルブタジエンスチレンとし得る。
【0033】
[0044] いくつかの実施形態において(例えば、
図1A及び
図1B参照)、ハブ40の内面41は、中間チューブ状シース本体30の外面36の一部分に接続され、主チューブ状シース本体20とは接続されなくてもよい。いくつかの実施形態において、ハブは、一定直径39で中間チューブ状シース本体30の近位部分35にのみ接続され、より小さい内径へと直径を短縮する遠位部分33には接続されない。
【0034】
[0045] 主チューブ状シース本体とは異なる特性がハブには必要とされるため、これらの部分のそれぞれを構成する材料は必然的に異なり、これらの差異によって、しばしば、それら構成要素を効率的に結合できない2つの構成要素を生じる。それゆえ、いくつかの実施形態において、中間層は、2つの構成要素が互いに結合するよりも効果的に結合するようにする中間層を有することによって、結合を支援する。それゆえ、本開示において、第1の材料、第2の材料、及び第3の材料は、第1の材料と第2の材料との間の理論的な界面結合強度及び第3の材料と第2の材料との間の理論的な界面結合強度が双方とも、第1の材料と第3の材料との間の理論的な界面結合強度よりも大きくなるように構成され得る。当業界で公知のように、界面結合強度(IBS)は、界面における2つの層の結合の強度であり、例えば、引張試験又はせん断試験によって試験され得るが、引張がより一般に用いられる。
【0035】
[0046] サイドポート
[0047] 同様に
図1A及び
図1Bに示すように、機器はまた、ハブ40から延在するサイドポート50を含み得る。サイドポート50の第1の端部51は、ハブ40の内面41まで延在する、ハブ40の外面42によって規定される入口44に接続され得る。
【0036】
[0048] 回転自在部分
[0049] 機器はまた、中心軸の周りで主チューブ状シース本体20に対して回転自在である回転自在部分60(例えば、
図1A参照)を含み得る。いくつかの実施形態において、中間チューブ状シース本体30、ハブ40、及び回転自在部分は、ハブ40の遠位部分に接続され得る。
【0037】
[0050] いくつかの実施形態において、回転自在部分60は、例えば複数のスナップフィット継手61を介して、取り外し不能に取り付けられ得る(又は簡単には取り外すことができない)。いくつかの実施形態において、回転自在部分は、バタフライ、縫合パッド、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0038】
[0051] いくつかの実施形態において、回転自在部分60は、中心軸(
図1A及び
図1Bにおいて、中心軸は、主チューブ状シース本体20及び中間チューブ状シース本体30の中心線である)の周りで少なくとも180度だけ回転自在とし得る。例えば、いくつかの実施形態において、回転自在部分(患者に取り付けられているとき)は、依然として、ハブを回転させることができるようにして、(最小限)サイドポートが患者の右側の方へ又は患者の左側の方へ向き得るようにし得る。いくつかの実施形態において、回転自在部分60は、制限なく自由に回転自在であることまで含め、中心軸の周りで少なくとも360度だけ回転自在とし得る。
【0039】
[0052] いくつかの実施形態において、回転自在部分60は、患者の体での回転自在部分60の向きに関わらず、ハブ40から延在するサイドポート50が患者に対して実質的に横たわることができるように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、サイドポート50が接続されるハブの入口44が、患者の体の方に向けられる(又は少なくとも、患者の体から離れるようには向けられない)ように、ハブを回転させることができることによって、サイドポートは、容易に患者に実質的に横たわり得る。
【0040】
[0053] いくつかの実施形態において、回転自在部分60は、中間チューブ状シース本体30の一部又は全てが位置決めされる機器10の部分を取り巻き、並びに主チューブ状シース本体20と中間チューブ状シース本体30との間の接続点を取り巻く(例えば、チューブ状シース本体20の近位端部の少なくとも一部分を取り巻く)ように構成され得る。
【0041】
[0054] また、装置(又はシステム)100が開示されている。いくつかの実施形態において、装置100は、ハブ40、シース105、及びダイレータ110を含む。
【0042】
[0055] ハブ
[0056]
図2を参照して説明すると、ハブ40が示され得、ハブは、遠位端部46及び近位端部47を有する。ハブ40は1つ以上のねじ山43を含み得(一例として2つのねじ山が
図2に示されている)、各ねじ山は、ハブ40の周囲に少なくとも部分的に延在する。理解されるように、他の実施形態において、ねじ山は、他の好適な配置構成を有してもよい。
図2に示すように、ねじ山43は、近位端部47において又はその近くにおいてハブ40の近位部分101に配置され得る。
【0043】
[0057]
図2に示すように、いくつかの実施形態において、各ねじ山は、軸方向厚さ(例えば、軸方向におけるねじ山の厚さ)が異なる部分を有してもよい。例えば、一実施形態において、各ねじ山43は、第1の軸方向厚さ49の第1のロッキング部分104を有し、これは、各ねじ山43の第2の部分103における第2の軸方向厚さ48とは異なってもよい。
【0044】
[0058] いくつかの実施形態において、ロッキング部分104の第1の軸方向厚さ49は、第2の部分103の第2の軸方向厚さ48よりも薄くてもよい。いくつかの実施形態において、ロッキング部分104の第1の軸方向厚さ49は、第2の部分103の第2の軸方向厚さ48よりも厚くてもよい。
【0045】
[0059] いくつかの実施形態において、各ねじ山は、1つのロッキング部分104及び1つの第2の部分103を有してもよい。いくつかの実施形態において、各ねじ山は、1つのロッキング部分104及び2つの第2の部分103(ロッキング部分の各側に1つずつ)を有してもよい。
【0046】
[0060] いくつかの実施形態において、ロッキング部分104と第2の部分103との境界106が非半径方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、ロッキング部分104と第2の部分103との境界106は、半径方向に延在し得る。
【0047】
[0061] ハブ40はまた、ハブの外面中又は外面上に成形又はエッチングされた形状又は設計などのインジケータ107を含み、ハブ40とダイレータ110の位置合わせを支援し得る。
【0048】
[0062] シース
[0063] 再度
図1Bを参照して説明すると、装置100はシース105も含み得る。シース105は、近位端部21から遠位端部22まで延在する主チューブ状シース本体20を含み得る。いくつかの実施形態において、近位端部21は、例えば前述したような中間チューブ状シース本体30を介して、ハブ40に動作可能に結合され得る。
【0049】
[0064] ダイレータ
[0065] 装置100はまた、ダイレータ110(例えば、
図1B参照)を含み得る。ダイレータ110は、チューブ状シース本体20中を通して受け入れ可能なダイレータ本体120と、ダイレータ本体120の近位部分に結合されたダイレータハブ125とを含み得る。ダイレータハブ125は、ダイレータキャップ130及びダイレータハンドル140を含み得るか又はそれらからなり得る。いくつかの実施形態において、ダイレータハンドル140は、ダイレータキャップ130の近位面に結合され得る。
【0050】
[0066]
図3Aを参照して説明すると、ダイレータキャップ130は、ダイレータ本体120が主チューブ状シース本体20中を通して受け入れられるとき、ハブ40上の1つ以上のねじ山43を受け入れるように構成された少なくとも1つの溝又はチャンネル131を含み得る。この点に関して、少なくとも1つの溝又はチャンネル131のサイズ及び形状は、ハブ40上の1つ以上のねじ山43のサイズ及び形状に対応し得る。
【0051】
[0067] いくつかの実施形態において、溝又はチャンネル131のうちの1つ以上は、ねじ山43のロッキング部分104と係合するように適合されたリッジ又は窪み132を有するように構成され得る。いくつかの実施形態において、全ての溝又はチャンネル131が、個々のねじ山の個々のロッキング部分と係合するように適合されたリッジ又は窪み132を備えるように構成され得る。いくつかの実施形態において、溝又はチャンネル131はリッジ132を有するように構成され得、及びロッキング部分の第1の軸方向厚さはねじ山の第2の部分よりも薄い(例えば、リッジ又は窪みとロッキング部分との係合を可能にするために)。
【0052】
[0068] いくつかの実施形態において、ダイレータキャップ130はまた、ダイレータキャップ130の外面中又は外面上に成形又はエッチングされた形状又は設計などのインジケータ136を含み、ハブ40とダイレータ110の位置合わせ(より具体的には、ダイレータキャップとハブの位置合わせ)を支援し得る。いくつかの実施形態において、ハブ40及びダイレータキャップ130はそれぞれ、適所にロックされる前に、溝又はチャンネルがねじ山と位置合わせされる時点を伝えるように構成されたインジケータ(107、136)を含み得る。いくつかの実施形態において、ハブ40及びダイレータキャップ130はそれぞれ、溝又はチャンネルがロック位置にロックされる時点を伝えるように構成されたインジケータ(107、136)を含み得る。いくつかの実施形態において、ダイレータキャップ130は1つのインジケータ(136)を含み得、ハブは2つのインジケータ(107)を含み得、それら双方とも、ロック位置にロックされる前に溝若しくはチャンネルがねじ山と位置合わせされる時点、及びまた溝若しくはチャンネルがロック位置にロックされる時点を伝えるように構成される。
【0053】
[0069] ダイレータキャップ130は、いずれのリッジ又は窪み132も、ロッキング部分104と(1つ以上の)第2の部分103との間の高さの差に等しい又は実質的に等しい高さを軸方向に有するように構成され得る。
【0054】
[0070] ダイレータ110は、使用者に、ダイレータが適所にロックされている(例えば、ハブ上にロックされている)ことの印、例えば非可視的な印を提供するように構成され得る。ダイレータキャップ130などの構成要素の寸法及び組成を構成することによって、ダイレータは、例えば、聴覚音を生じるように構成され得る。例えば、ダイレータキャップは、ダイレータが適所にロックされるとき、容易に気づく「クリック」音、ダイレータハンドルを通した振動、又はそれらの組み合わせを生じ得る。他の印が、ダイレータのロッキングステータスを示すために、必要に応じて用いられてもよい。
【0055】
[0071] いくつかの実施形態において、ダイレータキャップ130は近位面137を有し、近位面は、ダイレータキャップの近位面137から遠位面138まで延在する開口部133を規定する(例えば、
図3A参照)。開口部133は、円形又は実質的に円形の形状とし得、開口部の中心は、ダイレータキャップ130の中心線135と位置合わせされ得る。いくつかの実施形態において、開口部133の直径は、例えば、7~8mmとし得る。近位面137はまた、中心開口部133から外向きに延在する1つ以上の「スポーク」又は「ウィング」チャンネル134を規定し得る。この点に関して、スポーク又はウィングチャンネル134は、近位面によって規定されて近位面137から遠位面138まで延在する追加的な開口部である。
【0056】
[0072] いくつかの実施形態において、中心開口部133は、軸方向に(例えば、中心軸135に対して平行に)近位面137から遠位面138まで延在する直線の切断側面を含む内側面150を有し得る。いくつかの実施形態において、中心開口部の内側面150の近位縁部151は、組立を容易にするような形状にされ得る。
図3Bを参照して説明すると、中心開口部133の内側面150はまた、近位面137に面取り部152を含み得る(例えば、近位縁部の少なくとも一部分が面取りされ得る)。そのような実施形態において、内側面の中心開口部133は、近位面137において丸められ得る(例えば、近位縁部の少なくとも一部分が丸められ得る)。
【0057】
[0073] いくつかの実施形態において、近位面137に追加的なテキスト又はイメージが提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、1つ以上の単語又はアイコンが近位面にエンボス加工される。いくつかの実施形態において、そのような単語又はアイコンは、使用者に方向若しくは使用の指示(例えば、「ひねる」又は「押す」)、又はダイレータの開口部のサイズに関する情報(例えば、ダイレータが14フレンチのダイレータであることを示すための「14F」など)をもたらす。
【0058】
[0074] いくつかの実施形態において、スポーク又はウィングチャンネル134は、ダイレータハンドル140をダイレータキャップ130と位置合わせするのを助け得る。いくつかの実施形態において、スポーク又はウィング134は、例えばハンドルとキャップが互いに結合されるときに、ハンドルからキャップへ力を伝えるのを支援し得る。
【0059】
[0075] いくつかの実施形態において、単一のスポーク又はウィングチャンネル134が存在してもよい。いくつかの実施形態において、遠位キャップ130は、2~4個のスポーク又はウィングチャンネル134を含む。いくつかの実施形態において、スポーク又はウィングチャンネル134は、中心開口部133の周りに対称的に配置される。いくつかの実施形態において、各スポーク又はウィングチャンネル134は、中心開口部133の縁部から近位面の外縁部の方へ向かって同じ距離139、半径方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、各スポーク又はウィングチャンネルは、同じサイズ及び形状を有してもよい。理解されるように、スポーク又はウィングチャンネルは、ダイレータハンドル上の対応する結合領域に対応するサイズ及び形状を有してもよい。
【0060】
[0076]
図4を参照すると、ダイレータハンドル140の一実施形態が示されている。ダイレータハンドル140は、近位端部142及び遠位端部143を有するダイレータハンドル本体141を含み得る。ダイレータハンドル本体141は、近位端部142から遠位端部143まで延在する中心ルーメン144を規定し得る。
【0061】
[0077] いくつかの実施形態において、ダイレータハンドルの遠位部分は、ダイレータハンドル140をダイレータキャップ130に結合できるようにするように構成される結合部分145を含み得る。いくつかの実施形態において、結合部分は、中心開口部及びダイレータキャップにある1つ以上のスポーク又はウィングチャンネルを通過するように構成された1つ以上のロッキング延長部を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、結合部分145は、ダイレータキャップ130にある中心開口部133を通過するように構成された中心延長部146を含む。中心延長部146は1つ以上のロッキングリッジ147を含み得、ロッキングリッジは、中心開口部133を通過してダイレータキャップの遠位面138と相互作用し、ダイレータハンドル140をダイレータキャップ130に対して保持するように構成される。いくつかの実施形態において、ダイレータハンドルの遠位面は、ダイレータハンドルがダイレータキャップに接続されるとき、少なくとも部分的にスポーク又はウィングチャンネル134中へ延在するように構成された1つ以上の追加的なスポーク又はウィング延長部148を含み得る。いくつかの実施形態において、2~4個の追加的なスポーク又はウィング延長部148がある。いくつかの実施形態において、追加的な各スポーク又はウィング延長部は、中心延長部146の表面に接続し得る。いくつかの実施形態において、追加的な各スポーク又はウィング延長部は、ダイレータハンドルがダイレータキャップに接続されるとき、追加的な各スポーク又はウィング延長部148の遠位面が遠位キャップの遠位面138と平行になるように、構成される。ダイレータハンドル140の中心軸149は、ダイレータキャップ130の中心軸135と位置合わせするように構成され得る。
【0062】
[0078] ダイレータハンドルは、中心軸135に沿って中心ルーメン144中を通して1つ以上の追加的なダイレータ構成要素を受け入れるために、1つ以上のねじ山を近位端部142に含み得る。
【0063】
[0079] 本開示の第3の態様は、止血弁組立体に関する。
図1A及び
図1Bを参照して説明すると、止血弁組立体200が示されている。止血弁組立体は、一般的に、エラストマー部材220をハウジング230内に少なくとも部分的に固定してエラストマー部材220の近位端部221に対して構造支持をもたらすように構成された発泡部材210を含む。
【0064】
[0080] いくつかの実施形態において、発泡部材210は、例えば、発泡体の細孔内に、潤滑剤、例えばシリコーン油を含み得る。
【0065】
[0081]
図5を参照して説明すると、発泡部材210が、第1の開口部215を規定する近位面211を有し、第1の開口部は、長手方向軸213に沿って発泡部材210の近位面211から遠位面212まで延在していることが分かる。いくつかの実施形態において、第1の開口部はレーザ切断され得る。
【0066】
[0082] 発泡部材210は、少なくとも1つの目で見て特定可能な部分216を有し得、それは、近位面211上の少なくとも1つの他の部分217とは異なる。少なくとも1つの目で見える特定可能な部分216は、第1の開口部215の少なくとも1つの縁部から予め決められた距離218にあるとし得る。
【0067】
[0083] いくつかの実施形態において、予め決められた距離は、1mm~8mm、例えば2mm~5mmの距離である。
【0068】
[0084] いくつかの実施形態において、少なくとも1つの目で見て特定可能な部分は、発泡体の異なる部分よりも目で見て暗い又は明るい部分を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの目で見える特定可能な部分は、近位面から遠位面の方へ向かって少なくとも部分的に延在する1つ以上の追加的な開口部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の追加的な開口部のそれぞれの直径は、0.5mm未満とし得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の追加的な開口部は、2~4個の追加的な開口部を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの目で見える特定可能な部分は、近位面から遠位面の方へ向かって少なくとも部分的に延在する1つ以上の追加的な開口部と、発泡体の異なる部分よりも目で見て暗い又は明るい部分とを含み得る。
【0069】
[0085]
図6Aを参照して説明すると、代替的な実施形態の単純化された概略図が示されており、ここで、発泡部材300は、楕円形の開口部301と、2つの追加的な開口部302とを有し、追加的な各開口部は、近位面から遠位面の方へ向かって少なくとも部分的に延在する。
図6Aにおいて、2つの追加的な開口部は、開口部301の縁部から等距離にあると示されている。
【0070】
[0086]
図6Bを参照して説明すると、代替的な実施形態の単純化された概略図が示されており、ここで、発泡部材305は、楕円形の開口部306を有し、開口部は、楕円形の開口部306に近い異なる部分308よりも暗い少なくとも1つの目で見て特定可能な部分307によって、少し離れて囲まれている。
【0071】
[0087]
図6Cを参照して説明すると、代替的な実施形態の単純化された概略図が示されており、ここで、発泡部材310は円形開口部311を有し、これは、異なる距離をおいて、少なくとも1つの目で見て特定可能な部分313、314によって囲まれており、ここで、各目で見て特定可能な部分は、近位面から遠位面の方へ向かって少なくとも部分的にそれぞれ延在する追加的な開口部312を含み、追加的な各開口部は、開口部311により近い異なる部分315よりも目で見て明るい又は暗い(ここでは、暗い)部分313、314によって囲まれる。さらに、目で見て特定可能な部分314のうちの1つは、別の目で見える特定可能な部分313よりも開口部311の縁部に近い。
【0072】
[0088]
図6Dを参照して説明すると、
図6Bのほぼ逆の代替的な実施形態の単純化された概略図が示されている。ここで、発泡部材329は円形開口部321を有し、これは、楕円形の開口部321に近い異なる部分323よりも明るい少なくとも1つの目で見て特定可能な部分322によって、少し離れて囲まれる。
【0073】
[0089] いくつかの実施形態において、発泡体は、2つ以上の部片を含み得る。いくつかの実施形態において、それら部片は互いに隣接する。
【0074】
[0090]
図7を参照して説明すると、いくつかの実施形態において、発泡部材に、発泡部材の少なくとも一部分を通って少なくとも部分的に、又は場合によっては全体的に延在する切れ目410(例えば、スリットとし得る)があってもよい。いくつかの実施形態において、切れ目は、単一の方向にのみあるとし得る(例えば、x軸に対してのみ平行である)。いくつかの実施形態において、切れ目は、中心軸から半径方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、別の切れ目に垂直である少なくとも1つの切れ目があってもよい。
【0075】
[0091] いくつかの実施形態において、発泡体を通って延在し且つ実質的に円形断面を有する1つ以上の開口部420があってもよい。そのような開口部は、単一のアクセスのために刺す箇所を医師に導くのに役に立つ。
【0076】
[0092] いくつかの実施形態において、発泡体を通って延在する、円形断面を有していない1つ以上の開口部430があってもよい。
【0077】
[0093] いくつかの実施形態において、外側に向く発泡体の面は、四分円に分割され得る。いくつかの実施形態において、発泡体の各四分円は、1つ以上の開口部420を含み得る。
【0078】
[0094]
図8A及び
図8Bを参照して説明すると、ハブ450が示され得、ここで、発泡部材400は、ハブ内の位置に示されている。いくつかの実施形態において、医師が、開口部420のうちの1つを通して、及び弁460を通して針を挿入することによって、弁460を刺し得る。そのような実施形態において、1つ以上の開口部は、医師が弁を刺すのを支援するガイドとし得る。
【0079】
[0095] 本明細書で説明する様々な態様は、複数の医療機器の同時使用(例えば、単一のアクセス技術によって)に特に好適なシース設計に関し、本開示のシース技術は複数の医療機器との使用に限定されないこと、及び本開示のシース技術は単一の機器で使用されるとき(例えば、血管内血液ポンプ又は他の好適な医療機器のためのアクセスをもたらすためにのみ使用されるとき)でも利点を提供し得ることが理解されるべきである。
【0080】
[0096] 当業者は、ただ日常の実験を使用するだけで、本明細書で説明した本発明の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか又は解明できる。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に含まれることを意図する。
【国際調査報告】