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特表2024-538277スキンケアにおける使用に好適な組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】スキンケアにおける使用に好適な組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20241010BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20241010BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241010BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/34
A61K8/73
A61K8/92
A61Q19/00
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525374
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 IB2022060309
(87)【国際公開番号】W WO2023073590
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】21306507.1
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524288931
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーブル・マージョリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェスラン・マリー・セシル
(72)【発明者】
【氏名】ポティエ・ジュリー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC232
4C083AC241
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD261
4C083AD281
4C083AD301
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD371
4C083AD392
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB12
4C083CC03
4C083CC05
4C083CC07
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD11
4C083DD14
4C083DD15
4C083DD17
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083DD38
4C083DD39
4C083DD41
4C083EE12
(57)【要約】
スキンケアに好適な組成物が提供される。ある特定の組成物は、
a.1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、組成物は、エマルションの形態にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
a.1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
前記組成物がエマルションの形態にある、組成物。
【請求項2】
前記1つ以上のC20~24脂肪アルコールが、ベヘニルアルコール、アラキニルアルコール、ヘンエイコサノール、リグノセリルアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記1つ以上のC20~24脂肪アルコールが、前記全組成物の重量に対して約1~約5重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記1つ以上のアニオン性界面活性剤が、セチルリン酸カリウム、クエン酸ステアリン酸グリセリル、アニオン性形態の脂肪酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記1つ以上1つ以上のアニオン性界面活性剤が、前記全組成物の重量に対して約0.1~約3重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記1つ以上の増粘多糖類が、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、グアーガム、カラギーナン、アルギネート、ペクチン、及びこれらの組み合わせを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記1つ以上の増粘多糖類が、前記全組成物の重量に対して約0.05~約2重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターが、約1.5~約5重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する前記少なくとも1つの天然バターが、シアバターを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記皮膚軟化剤が、シアバター、ココグリセリド、キャンデリラロウ及び硬化植物油、オルス油、カプリリルグリセリルエーテル、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記1つ以上のC20~24脂肪アルコールがベヘニルアルコールを含み、前記1つ以上の皮膚軟化剤がシアバターを含み、前記ベヘニルアルコール及び前記シアバターが約0.5~約2の比率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
組成物であって、
a.全組成物の重量に対して約1~約5重量%の1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.前記全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.前記全組成物の重量に対して約0.05~約2重量%の、スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.前記全組成物の重量に対して約1~約20重量%の、20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.前記全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
前記組成物がエマルションの形態にある、組成物。
【請求項14】
前記組成物が、
a.前記全組成物の重量に対して約1~約5重量%のベヘニルアルコールと、
b.前記全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%のセチルリン酸カリウムと、
c.前記全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のスクシノグリカンと、
d.前記全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のキサンタンガムと、
e.約1~約20重量%の、シアバターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
f.前記全組成物の重量に対して約70~約80重量%の水と、を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
皮膚を処置する方法であって、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に塗布することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、スキンケア用組成物に関する。特に、本発明は、脂肪アルコール、アニオン性界面活性剤、増粘多糖類、皮膚軟化剤及び水を含むエマルションに関する。本発明はまた、上記組成物を使用して皮膚を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、例えば、皮膚の保湿及び/又はクレンジングを提供することを含む、様々な目的のためのスキンケア組成物を望む。スキンケア組成物は、使用者の皮膚に塗布されることができなければならず、使用者が製品を皮膚に容易かつ効果的に塗布することを可能にするために、水などの水性構成成分、及び保湿効果をもたらす油相の存在をしばしば必要とする。
【0003】
しかしながら、ある特定のスキンケア組成物は、消費者の皮膚上に薄い泡の白い皮膜を残し、不快で美的でない石鹸様効果を提供することがある。この効果を回避することは困難であり、組成物のレオロジ特性又は安定性を改変することなくエマルションの油相を再配合することを必要とする。
【0004】
近年、消費者の要求は、より天然の製品に向かって進化してきている。これらの変化は、例えば、原材料の調達に関する生態学的懸念、又は保存剤などの成分の潜在的な副作用に関する健康上の懸念によって引き起こされ得る。
【0005】
製造業者は、消費者の期待に合うように製品の配合を改善しようと絶えず試みている。したがって、より持続可能な原材料を有する保湿組成物を開発することが非常に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
期待されるレオロジ及び安定性を依然として提供しながら、この石鹸様効果のない持続可能な成分を有するスキンケアエマルションを配合する新しい方式を特定するための必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の一態様は、
a.1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
組成物がエマルションの形態にある、組成物に関する。
【0008】
この態様は、様々な実施形態と任意の組み合わせで組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上のC20~24脂肪アルコールは、ベヘニルアルコール、アラキニルアルコール、ヘンエイコサノール、リグノセリルアルコール及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。1つ以上の実施形態では、1つ以上のC20~24脂肪アルコールは、全組成物の重量に対して約1~約5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、セチルリン酸カリウム、クエン酸ステアリン酸グリセリル、アニオン性形態の脂肪酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。1つ以上の実施形態では、1つ以上1つ以上のアニオン性界面活性剤は、全組成物の重量に対して約0.1~約3重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の増粘多糖類は、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、グアーガム、カラギーナン、アルギネート、ペクチン、及びこれらの組み合わせを更に含む。1つ以上の実施形態では、1つ以上の増粘多糖類は、全組成物の重量に対して約0.05~約2重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターは、約1.5~約5重量%の範囲の量で存在する。1つ以上の実施形態では、20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターは、シアバターを含む。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤は、シアバター、ココグリセリド、キャンデリラロウ(candelilla cera)、及び硬化植物油、オルス(olus)油、カプリリルグリセリルエーテル、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。1つ以上の実施形態では、1つ以上のC20~24脂肪アルコールはベヘニルアルコールを含み、1つ以上の皮膚軟化剤はシアバターを含み、ベヘニルアルコール及びシアバターは約0.5~約2の比率で存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、非イオン性界面活性剤を更に含む。
【0009】
本発明の別の態様は、
a.ベヘニルアルコールと、
b.セチルリン酸カリウムと、
c.スクシノグリカンと、
d.キサンタンガムと、
e.シアバターと、
f.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
組成物がエマルションの形態にある、組成物に関する。
【0010】
本発明の別の態様は、
a.全組成物の重量に対して約1~約5重量%の1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.全組成物の重量に対して約0.05~約2重量%の、スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.全組成物の重量に対して約1~約20重量%の、20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
組成物がエマルションの形態にある、組成物に関する。
【0011】
1つ以上の実施形態では、組成物は、
a.全組成物の重量に対して約1~約5重量%のベヘニルアルコールと、
b.全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%のセチルリン酸カリウムと、
c.全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のスクシノグリカンと、
d.全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のキサンタンガムと、
e.約1~約20重量%の、シアバターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
全組成物の重量に対して約70重量%~約80重量%の水と、を含む。
【0012】
本発明の別の態様は、皮膚を処置する方法であって、上記の実施形態のうちのいずれかの組成物を塗布することを含む、方法に関する。
【0013】
本発明の別の態様は、皮膚を処置する美容方法であって、上記の実施形態のうちのいずれかの組成物を塗布することを含む、美容方法に関する。美容方法は、皮膚の保湿及び/又はクレンジングを提供する美容方法であってもよい。
【0014】
本発明の別の態様は、皮膚を処置する治療方法において使用するための上記の実施形態のうちのいずれかの組成物であって、方法が組成物を塗布することを含む、組成物に関する。
【0015】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」から容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用される場合、スキンケア製品又はスキンケア組成物は、使用者の皮膚又は毛髪に塗布することができ、その使用者に利点を提供する製品である。利点は、例えば、以下により詳細に記載されるように、皮膚若しくは毛髪の水和、又は皮膚若しくは毛髪への1つ以上の治療剤若しくは有益剤の送達であり得る。スキンケア製品は、例えば、保湿剤又は他の皮膚に有益な製品であり得る。
【0017】
したがって、本発明の一態様は、
a.1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
組成物がエマルションの形態にある、組成物に関する。このような組成物は、皮膚上での使用に好適である。驚くべきことに、C20~24脂肪アルコール、天然バター及びスクシノグリカンのこの組み合わせは、皮膚に対して美白又は石鹸様効果を有しないことが見出された。この組み合わせは、スキンケア保湿剤に適した粘度を有する安定なエマルションを提供した。最後に、この組み合わせは、持続可能に供給された成分から作ることができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「エマルション」は、第1の相及び第2の相を含む2つの相の混合物であって、第1の相が第2の相中に分散している、混合物を意味する。相のうちの1つは、水などの液体水性材料の形態にある。第2の液相は、液体、固体、又は流動性固体であってもよく、例えば、乳化剤、増粘剤、及び保湿剤を含む、本明細書に記載される1つ以上のスキンケア構成成分を含む。エマルションは、水中油型エマルションであってもよい。
【0019】
ローション及びクリームを、エマルションとして製剤化することができる。このようなローションは、典型的には、0.5%~約5%の乳化剤を含有し、かかるクリームは、典型的には、約1%~約20%(例えば約5%~約10%)の皮膚軟化剤と、約20%~約80%(例えば、約30%~約70%)の水と、約1%~約10%(例えば、約2%~約5%)の乳化剤と、を含有する。
【0020】
本明細書に記載の組成物は、美容的に許容可能な担体として水を含有する。本明細書で使用される場合、「美容的に許容可能な担体」という用語とは、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに皮膚と接触して使用するのに好適である担体を意味する。水は、全組成物重量に対して約50、55、60、65、70、75、80、85、又は90%~約60、65、70、75、80、85、90又は95%の範囲の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、水は、全組成物の重量に対して約60~約90、約65~約85、約70~約80%の範囲の量で存在する。
【0021】
20~24脂肪アルコール;
組成物は、1つ以上のC20~24脂肪アルコールを含む。1つ以上のC20~24脂肪アルコールは、アラキニルアルコール(C20)、ヘンエイコシルアルコール(C21)、ベヘニルアルコール(C22)、リグノセリルアルコール(C24)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。1つ以上のC20~24脂肪アルコールは、全組成物の重量に対して約1~約5重量%、又は1重量%~4重量%、又は更には2重量%~3重量%の量で存在し得る。
【0022】
1つ以上の実施形態では、組成物は、C16脂肪アルコール、C18脂肪アルコール、又はC16/C18アルコールの混合物を実質的に含まない。例えば、セチル(C16)アルコール及びステアリル(C18)アルコールの混合物であるセテアリルアルコールは、本発明による組成物中に存在しないことが好ましい。
【0023】
アニオン性界面活性剤
界面活性剤とは、クレンジング又は乳化することを意図する表面活性剤を意味する。好適な界面活性剤の例としては、Handbook of Cosmetic Science and Technology(A.Barel,M.Paye及びH.Maibach編、2001年、Marcel Dekker,Inc.,New York,NY発行)の第37章431~450ページ(Classification of surfactants,L.Oldenhove de Guertechin著)に見られるものが挙げられ、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「アニオン性界面活性剤」という用語とは、負電荷を帯びた親水性極性基を有する界面活性剤を指す。アニオン性界面活性剤としては、シトレート、ホスフェート、及びスルフェート、好ましくはシトレート及びホスフェートが挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、セチルリン酸カリウム、クエン酸ステアリン酸グリセリル、アニオン性形態の脂肪酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホネート、及びラウレス硫酸アンモニウムが挙げられる。更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤は、セチルリン酸カリウム、クエン酸ステアリン酸グリセリル、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0024】
アニオン性界面活性剤は、約0.01、0.05、0.1、0.15~約1、1.5、2、2.5又は3重量%の範囲の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤は、約0.1~約3重量%、又は約0.2~約2重量%、又は約0.2~約1.5重量%の範囲の量で存在し得る。
【0025】
増粘多糖類
本明細書に記載される組成物は、1つ以上の増粘多糖類を含み、増粘多糖類の少なくとも1つはスクシノグリカンである。これらの増粘多糖類はレオロジ改質剤として作用する。スクシノグリカン以外の好適な多糖増粘剤の例としては、化学物質、例えば、ヒドロキシアルキルセルロース;アルキルセルロース;ヒドロキシアルキルアルキルセルロース;キサンタン及びグアーガム、カラギーナン、アルギナート、ペクチン及びそれらの混合物を含む、1モル当たり約100,000グラムを超える分子量を有する様々な増粘剤が挙げられる。
【0026】
スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類は、約0.1~約0.5重量%、又は約0.2~約0.5重量%の範囲の総量で存在し得る。スクシノグリカンの量は、特に、約0.05~約0.5重量%、又は約0.075~約0.4重量%、又は約0.1~約0.3重量%、又は約0.2重量%の範囲であり得る。他の好ましい増粘多糖類としては、キサンタンガムが挙げられる。存在する場合、キサンタンガムは、約0.05~約0.5重量%、又は約0.075~約0.4重量%、又は約0.1~約0.3重量%、又は約0.2重量%の範囲であり得る。好ましい実施形態では、組成物は、全組成物の重量に対して0.2%のスクシノグリカン+0.2重量%のキサンタンガムを含む。
【0027】
皮膚軟化剤
本明細書に記載される組成物は、20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤を含む。皮膚軟化剤とは、(例えば、潤滑剤として作用するために皮膚の表面又は角質層に残存することによって)皮膚の柔らかく、滑らかで、しなやかな外観を維持するのに役立つ化合物を意味する。好適な皮膚軟化剤の例としては、Handbook of Cosmetic Science and Technology(A.Barel,M.Paye及びH.Maibach編、2001年、Marcel Dekker,Inc.,New York,NY発行)の第35章399~415ページ(Skin Feel Agents,G Zocchi著)に見られるものが挙げられる。
【0028】
20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターは、シアバター、カカオバター、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0029】
天然バターの融点は、Mettlerサーモ(thermos)分析システムを用いた滴点(drop point)法によって測定することができる。滴点(dropping point)は、ゆっくりと加熱して標準滴点試料カップの開口部から物質の最初の滴が流出する温度として定義される。
【0030】
他の皮膚軟化剤としては、ステアリン酸ヘキシルデシル、並びに植物(plant)、ナッツ、及び植物(vegetable)油、例えば、マカダミアナッツ油、米糠油、ブドウ種子油、パーム油、プリムローズ油、水素化落花生油、及びアボカド油が挙げられるが、これらに限定されない。好適な皮膚軟化剤の他の例としては、キャンデリラロウ;硬化植物油が挙げられる。オルス油は、BASFによってCegesoft VPの商品名で販売されている。
【0031】
少なくとも1つの天然バターは、約1.5又は2~約3、3.5、又は5重量%の範囲の量で存在し得る。少なくとも1つの天然バターは、約1.5~約5重量%、又は約2~約5重量%、又は約2~約3重量%の範囲の量で存在し得る。
【0032】
組成物は、好ましくは、少なくとも1つの天然バターよりも多くの1つ以上のC20~24脂肪アルコールを含有する。それらは、少なくとも1つの天然バターに対するC20~24脂肪アルコールの約0.5~約2、又は約0.5~約1.8、又は約0.6~約1.5、又はより好ましくは1.5の比率で存在し得る。少なくとも1つの天然バター及び1つ以上のC20~24脂肪アルコールは、約3~約7重量%、又は約4~約6重量%、又は約5重量%の総量で存在し得る。いくつかの実施形態では、C20~24脂肪アルコールはベヘニルアルコールを含み、皮膚軟化剤はシアバターを含む。それらは、シアバターに対するベヘニルアルコールの約0.5~約2、又は約0.5~約1.8、又は約0.6~約1.5、又はより好ましくは1.5の比率で存在し得る。1つ以上の実施形態では、シアバター及びベヘニルアルコールは、約3~約7重量%、又は約4~約6重量%、又は約5重量%の総量で存在する。
【0033】
皮膚軟化剤の総量は、約5、6、7、8、9、又は10~約13、15、18、又は20重量%の範囲であり得る。皮膚軟化剤の総量は、約5~約20重量%、又は約10~約20重量%、又は約10~約15重量%の範囲であり得る。
【0034】
他の成分
本発明の組成物は、ヘルスケア/パーソナルケア組成物(一般に「パーソナルケア構成成分」と称される)において従来使用されている様々な追加の他の補助成分のうちのいずれかを含み得る。これらの他のパーソナルケア構成成分としては、非排他的に、1つ以上の真珠光沢剤又は乳白剤、コンディショナ、保湿剤、キレート剤、活性物質、剥離剤、並びに着色剤、芳香剤、保存剤、pH調整剤、レオロジ改質剤などの組成物の外観、感触及び香りを向上させる添加剤が挙げられる。このような補助成分は、存在する場合、美容的/皮膚科学的に許容可能であり、安全かつ有効な量で存在する。
【0035】
上述のアニオン性界面活性剤に加えて、本明細書に記載の組成物は、他のアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤を含む追加の界面活性剤を含有し得る。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、脂肪アルコール酸又はアミドエトキシレート、モノグリセリドエトキシレート、ソルビタンエステルエトキシレートアルキルポリグリコシド、及びこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。1つの好適な非イオン性界面活性剤は、ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体であり、ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体は、(1)(a)約8~約22個、好ましくは約10~約14個の炭素原子を含有する脂肪酸、並びに(b)ソルビトール、ソルビタン、グルコース、α-メチルグルコシド、1分子当たり平均約1~約3個のグルコース残基を有するポリグルコース、グリセリン、ペンタエリトリトール、及びこれらの混合物から選択されるポリオール、から誘導され、(2)平均約10~約120個、好ましくは約20~約80個のオキシエチレン単位を含有し、かつ(3)ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体1モル当たり平均約1~約3個の脂肪酸残基を有する。
【0036】
ポリオールエステルのそのような好ましいポリオキシエチレン誘導体の例としては、ラウリン酸PEG-80ソルビタン及びポリソルベート20が挙げられるが、これらに限定されない。平均約80モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリン酸のソルビタンモノエステルである、ラウリン酸PEG-80ソルビタンは、ICI Surfactants(Wilmington,Del)から商品名「Atlas G-4280」で市販されている。約20モルのエチレンオキシドで縮合されたソルビトール及びソルビトール無水物の混合物のラウリン酸モノエステルであるポリソルベート20は、ICI Surfactants(Wilmington,Del)から商品名「Tween20」で市販されている。
【0037】
別のクラスの好適な非イオン界面活性剤は、長連鎖アルキルグルコシド又はポリグルコシドを含み、これらは、(a)約6~約22個、好ましくは約8~約14個の炭素原子を含有する長鎖アルコールの、(b)グルコース又はグルコース含有ポリマーとの縮合生成物である。アルキルポリグルコシドは、アルキルグルコシド1分子当たり約1~約6個のグルコース残基を有する。好ましいグルコシドはデシルグルコシドであり、これは、デシルアルコールのグルコースポリマーとの縮合生成物であり、Henkel Corporation(Hoboken,N.J.)から商品名「Plantaren2000」で市販されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド(例えば、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ココグルコシド)PEG-80、ラウリン酸ソルビタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0039】
本発明の組成物は、また、両性界面活性剤を含有し得る。本明細書において使用される場合、「両性の」という用語は、1)例えば、アミノ(塩基性)と酸(例えば、カルボン酸、酸性)官能基との両方を含有するアミノ酸などの酸性と塩基性部位との両方を含有する分子、又は2)正電荷と負電荷との両方を同一分子内に保有する両性イオン性分子を意味する。後者の電荷は組成物のpHに依存するか、又は独立するかのいずれかであり得る。両性界面活性剤は、本明細書においては対イオンなしで開示される。本発明の組成物のpH条件下で、両性界面活性剤が釣り合った正電荷及び負電荷を有するという理由で電気的に中性であるか、又はアルカリ金属、アルカリ土類、又はアンモニウム対イオンなどの対イオンを有するかのどちらかであることを当業者は直ちに認識するであろう。本発明で使用するのに好適な両性界面活性剤の例としては、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)などのアンホカルボキシレート、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、アルキルアミドアルキルスルタイン、アルキルアンホホスフェート、ホスホベタイン及びピロホスホベタインなどのリン酸化イミダゾリン、カルボキシアルキルアルキルポリアミン、アルキルイミノ-ジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、)、N-アルキルβ-アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明で使用するのに好適なカチオン性界面活性剤のクラスは、アルキル四級(alkyl quaternaries)(モノ、ジ、トリ)、ベンジル四級アンモニウム塩(benzyl quaternaries)、エステル四級アンモニウム塩(ester quaternaries)、エトキシル化四級アンモニウム塩(ethoxylated quaternaries)、アルキルアミン(alkyl amines)、及びこれらの混合物を含む。この場合に、上記のアルキル基は約6個の炭素原子~約30個の炭素原子を有しているが、約8個~約22個の炭素原子が好ましい。これらのカチオン性界面活性剤は、本発明の組成物中に、組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約18%、又は約0.05%~約15%、又は約0.1%~約10%の量で使用することができる。
【0041】
シリコーンなどの水不溶性添加剤を懸濁することができ、かつ/又は得られた製品がコンディショニングシャンプーであることを消費者に示す傾向がある、様々な市販の真珠光沢剤又は乳白剤のうちのいずれも、本発明での使用に好適である。使用される場合、真珠光沢剤又は乳白剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.1パーセント~約10パーセント、例えば、約1.5パーセント~約7パーセント又は約2パーセント~約5パーセントの量で存在し得る。好適な真珠光沢剤又は乳白剤の例としては、(a)約16~約22個の炭素原子を有する脂肪酸、及び(b)エチレン若しくはプロピレングリコールのいずれかのモノ又はジエステル;(a)約16~約22個の炭素原子を有する脂肪酸(b)式:HO-(JO)a-H(式中、Jは、約2~約3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、aは、2又は3である)のポリアルキレングリコールのモノ又はジエステル;約16~約22個の炭素原子を含有する脂肪族アルコール;式:KCOOCH2L(式中、K及びLは、独立して、約15~約21個の炭素原子を含有する)の脂肪族エステル;組成物に不溶性の無機固体、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
様々な市販の、揮発性シリコーンなどのコンディショナ(毛髪に光沢を与えるなど追加の特性を付与するもの)のうちのいずれも、本発明での使用に好適である。揮発性シリコーンコンディショニング剤は約220C未満の大気圧沸点を有する。揮発性シリコーンコンディショナは組成物の総重量に基づき、約0パーセント(未使用の場合)~約3パーセント、例えば約0.25パーセント~約2.5パーセント、又は約0.5パーセント~約1.0パーセントの範囲で本発明中に存在し得る。好適な揮発性シリコーンの例としては、非排他的に、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシクロシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、Dow Corning Corporation(Midland,Mich)から商品名「DC-345」として市販されているポリジメチルシクロシロキサンなどのシクロメチコン流体、及びこれらの混合物、例えば、シクロメチコン流体が挙げられる。他の好適な第2のコンディショナとしては、ポリクオタニウム、カチオン性グアーなどを含むカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明の組成物は、添加シリコーンを含まなくてもよい。
【0043】
組成物に加湿及びコンディショニング特性を提供することができる、様々な市販の保湿剤のうちのいずれも、本発明での使用に好適である。保湿剤とは、皮膚の最上層の含水量を増加させることを意図する化合物(例えば、吸湿性化合物)を意味する。好適な保湿剤の例としては、Handbook of Cosmetic Science and Technology(A.Barel、M.Paye及びH.Maibach編、2001年、Marcel Dekker,Inc(New York,NY発行))の第35章399~415ページ(Skin Feel Agents、G Zocchi著)に見られるものが挙げられ、例えば、グリセリン、ソルビトール若しくはトレハロース(例えば、α,α-トレハロース、β,β-トレハロース、α,βートレハロース)、又はそれらの塩若しくはエステル(例えば、トレハロース-6-ホスフェート)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
存在する場合、保湿剤は、全組成物の重量に対して1%~10%、好ましくは4%~6%、好ましくは約5%の量で存在し得る。
【0045】
好適な保湿剤の例としては、非排他的に、1)グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセロール、及びこれらの混合物を含む群から選択される水溶性液体ポリオール、2)R’’は、約2~約3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、bは、約2~約10の整数である、式HO-(R’’O)b-Hのポリアルキレングリコール、3)cは、約5~約25の整数である、式CH3-C6H10O5-(OCH2CH2)c-OHのメチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、4)尿素、並びに5)これらの混合物が挙げられる。保湿剤は、好ましくはグリセリンから選択される。
【0046】
好適なキレート化剤の例としては、本発明の組成物を保護及び保存することができるものが挙げられる。キレート化剤はエチレンジアミン四酢酸(ethylenediamine tetracetic acid、EDTA)、例えば、Dow Chemical Company(Midland,Mich)から「Versene 100XL」の商品名で市販されているEDTA四ナトリウムを含み得、組成物の総重量に基づき、約0(未使用の場合)~約0.5パーセント又は約0.05パーセント~約0.25パーセントの量で存在する。
【0047】
好適な保存剤としては、例えば、パラベン、四級アンモニウム種、フェノキシエタノール、ベンゾエート、ソルベート、DMDMヒダントインが挙げられ、組成物の総重量に基づいて、約0(未使用の場合)~約1パーセント又は約0.05パーセント~約0.5パーセントの量で組成物中に存在する。保存剤は、好ましくは、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。保存剤はまた、ブースタ効果を提供する他の成分と組み合わされ得る。このようなブースタの一例は、安息香酸カリウム及び/又はソルビン酸カリウムにブースタ効果を提供することができる皮膚軟化剤であるカプリリルグリセリルエーテルである。カプリリルグリセリルエーテルに対する保存剤の比率は、約0.3~0.9、好ましくは0.6であり得る。
【0048】
組成物は、任意選択的に、1つ以上の有益剤又はその医薬上許容可能な塩を更に含有し得る。本明細書で使用されるとき、用語「有益剤」は、所望の場所において皮膚、毛髪、又は爪の内部及び/又は上に送達されるべき、化粧剤又は医薬品などの任意の有効成分を含む。「化粧剤」は、局所適用を介して、毛髪、爪、及び/又は皮膚を美容的に処置し、それらに栄養素を与え、かつ/又はそれらにコンディショニングを行うのに適切である、任意の成分を意味する。「医薬品」は、性質上疎水性又は親水性のいずれかであり、かつ局所使用に適切な任意の薬物を意味する。本明細書で使用されるとき、「薬剤」には、外傷及び病気からの回復を促進することができる剤が含まれる。有益剤は、使用される場合、選択された相における他の構成成分と適合する場合、第1の油相、第2の油相、又は水相のうちのいずれかに含まれていてもよい。
【0049】
本明細書で有用な有益剤は、それらの治療的利益又はそれらの想定された作用機序によって分類されてもよい。しかしながら、本明細書で有用な有益剤は、一部の情況下で2つ以上の治療的利益を提供し、又は1つ以上の作用機序を介して作用し得ることを理解されたい。したがって、本明細書で提供される特定の分類は、便宜上なされたものであり、列挙される特定の適用に限定することを意図したものではない。加えて、有益剤として使用するのに好適であるものとして下記に特定される化合物は、組成物又はパーソナルケアシステムにおいて他の目的のために使用され得る量を超える、上回る量で使用することができる。
【0050】
好適な有益剤の例としては、脱色素剤;反射剤;皮膜形成ポリマー;湿潤剤;アミノ酸及びその誘導体;抗菌剤;アレルギー抑制剤;抗ニキビ剤;老化防止剤;防しわ剤、消毒剤;鎮痛剤;鎮咳薬;抗そう痒剤;局所麻酔薬;抗脱毛剤;育毛促進剤;毛髪成長阻害剤、抗ヒスタミン剤(例えば、Mandragora Vernalis、Tanacetum Partheniumなど);抗感染薬(例えば、Acacia Catechu、Aloe Barbadensis、Convallaria Majalis、Echinacea、Eucalyptus、Mentha Piperita、Rosa Canina、Sassafras Albidumなど);炎症阻害剤;吐き気止め;抗コリン作用薬;血管収縮薬;血管拡張薬;創傷治癒促進剤;ペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質;防臭剤及び制汗剤;薬剤;皮膚軟化剤及び皮膚保湿剤;皮膚引き締め剤、ビタミン;日焼け剤;皮膚美白剤;抗真菌剤(例えばCentaurea Cyanus、Kalmia Latifolia、及び足の調合剤用の抗真菌剤);脱毛剤;剃毛調合剤;外用鎮痛剤;香料;対向刺激薬;痔疾用剤;殺虫剤;ツタウルシ製品;ウルシ製品;やけど製品;おむつかぶれ薬;あせも薬;ビタミン;アミノ酸及びその誘導体;ハーブ抽出物;レチノイド;フラベノイド;感覚剤;抗酸化剤;皮膚コンディショナ;毛髪明色化剤、キレート剤;細胞交替強化剤;着色剤;日焼け止め剤、米国特許第6,063,397号に開示されている有効成分(これは参照により本明細書に組み込まれる)、抗浮腫剤、コラーゲン強化剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
任意選択的に、組成物は日焼け止め剤ではない。一実施形態では、組成物は、2-エチルヘキシル-4-フェニルベンゾフェノン-2-カルボン酸、アラントイン(アミノ安息香酸と共に)、アミロキサート(パラメトキシケイヒ酸イソアミル)、アミノ安息香酸(aminobenzoic acid、PABA)、アボベンゾン、ベモトリジノール、ビソクトトリゾール、ボルネロン(5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンテン-2-オン、カンフル、シノキサート、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、トリオレイン酸ジガロイル、メトキシケイ皮酸ジオラミン(メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン)、ジオキシベンゾン、サリチル酸ジプロピレングリコール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エカムスル、エンスリゾール(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸)、エンザカメン(4-メチルベンジリデンカンファ)、4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル(ロキサジメート)、アミノ安息香酸グリセリル(リサジメート、グリセリルPABA)、ホモサレート、ローソン(ジヒドロキシアセトン)、メラジメート(アントラニル酸メンチル)、オクチノキサート、オクチサレート(サリチル酸オクチル、サリチル酸エチルヘキシル)、オクトクリレン、オクチルトリアゾン(エチルヘキシルトリアゾン)、パディメート(padimate)a、パディメートo、赤色ワセリン、3,4-ジメチルフェニルグリオキシル酸ナトリウム、スルイソベンゾン、サリチル酸トロラミン、酸化亜鉛、及び/又はフェノールスルホン酸亜鉛を含有しない。
【0052】
好適な抗浮腫剤の例としては、非排他的に、天然ビサボロール、合成ビサボロール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
好適な血管収縮薬の例としては、非排他的に、セイヨウトチノキ抽出物、サンショウ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
好適な抗炎症剤の例としては、非排他的に、ベノキサプロフェン、ツボクサ、ビサボロール、ナツシロギク(全体)、ナツシロギク(パルテノライド不含)、緑茶抽出物、緑茶濃縮物、過酸化水素、リコペン(LycoRed Natural Products Industries,Ltd.から入手可能な「Lyc-o-Pen」を含む)、オート麦油、カモミール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
コラーゲン強化剤の例としては、非排他的に、ビタミンA、ビタミンC、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
好適な皮膚引き締め剤の例としては、非排他的に、ジメチルアミノエタノール(「dimethylaminoethanol、DMAE」)が挙げられる。
【0057】
好適な抗そう痒剤及び皮膚保護剤の例としては、非排他的に、オートミール、ベータグルカン、ナツシロギク、ダイズ及びその誘導体、重曹、コロイド状オートミール、界面活性剤系のコロイド状オートミールクレンザ、Anagallis Arvensis、Oenothera Biennis、Verbena Officinalisなどが挙げられる。この抗そう痒剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.01パーセント~約40パーセント、好ましくは約1パーセント~約5パーセントの量で使用され得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、コロイド状オートミールは、第1又は第2オート麦の米国基準を満たす全粒粉オート麦の粉砕及び更なる加工から得られる粉末を意味する。コロイド状オートミールは、以下の粒径分布を有する。すなわち、全粒子の3パーセント以下が150マイクロメートルのサイズを超え、全粒子の20パーセント以下が75マイクロメートルのサイズを超える。好適なコロイド状オートミールの例としては、Beacon Corporationから入手可能な「Tech-O」及びQuakerから入手可能なコロイド状オートミールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
好適な反射剤の例としては、非排他的に、雲母、アルミナ、ケイ酸カルシウム、グリコールジオレエート、グリコールジステアレート、シリカ、ナトリウムフルオロケイ酸マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0060】
好適な皮膜形成ポリマーとしては、アセチルチロシンアミド、ジンクピリチオン、コールタール、過酸化ベンゾイル、硫化セレン、ヒドロコルチゾン、硫黄、メントール、塩酸プラモキシン、塩化トリセチルモニウム、ポリクオタニウム10、パンテノール、パンテノールトリアセテート、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体、ケラチン、リジン、アルギニン、加水分解小麦タンパク質、加水分解シルクタンパク質、オクチルメトキシシンナメート、オキシベンゾン、ミノキシジル、二酸化チタン、二酸化亜鉛、レチノール、エルスロマイシン、トレチノイン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
1つのタイプの有益剤には、フケ、脂漏性皮膚炎、及び乾癬、並びにこれらに伴う症状の処置に有効な治療用構成成分が挙げられる。このような好適な有益剤の例としては、非排他的に、ジンクピリチオン、アントラリン、シェール油及びその誘導体(例えばスルホン化シェール油)、硫化セレン、硫黄;サリチル酸;コールタール;ポビドンヨード、ケトコナゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン(Janssen Pharmaceutica(N.V.)から商標名「Elubiol」として市販されている)、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、クリンバゾール、チオコナゾール、スルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾールニトレートなどのイミダゾール、並びにこれらの任意の可能な立体異性体及び誘導体;ピロクトンオラミン(オクトピロックス);硫化セレン;シクロピロックスオラミン;ビタミンD類縁体などの抗乾癬薬、例えば、カルシポトリオール、カルシトリオール、及びタカレイトロール;ビタミンAのエステルなどのビタミンA類縁体(例えば、ビタミンAパルミテート、レチノール、及びレチノイン酸);ハイドロコルチゾン、クロベタゾン、ブチラート、クロベタゾールプロピオネートなどのコルチコステロイド、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
皮膚用製品形態
組成物は、局所塗布されてもよい。このような局所塗布は、身体、例えば、顔、唇、首、胸、背中、尻、腕、脇の下、及び/又は脚の皮膚の処置を必要としている任意の皮膚に対してであってもよい。組成物はまた、粘膜に(すなわち、口腔内に)投与されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の組成物を含む基材の形態にある。任意の好適な基材を使用することができる。好適な基材及び基材材料の例は、例えば米国特許第7452547号、及び米国特許出願公開第2009/0241242号に開示されており、それらの全体が本明細書に参照により組み込まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、錠剤、丸剤、又はカプセルの形態にある。1つ以上の実施形態では、組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、ローション、クリーム、セラム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、液体洗浄液、棒状石鹸、シャンプー、毛髪コンディショナ、ペースト、フォーム、パウダー、ムース、シェービングクリーム、ヒドロゲル、又は皮膜形成製品の形態にある。
【0064】
必要としている皮膚に組成物を塗布する、任意の好適な方法を使用してもよい。例えば、組成物を、必要としている皮膚にパッケージから直接塗布してもよく、必要としている皮膚に手で塗布してもよく、若しくはワイプ若しくはマスクなどの基材から移動させてもよく、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。他の実施形態では、組成物は、スポイト、チューブ、ローラー、スプレー及びパッチを介して塗布してもよく、又は、浴、若しくはそうでなければ皮膚などに塗布される水に添加してもよい。リーブオンクリーム、マスク及び/又はセラムなどを含むがこれらに限定されない様々な様式又は形態で、組成物を塗布してもよい。
【0065】
前述の説明は、本発明の例示的な実施形態を表すが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらに様々な追加、改変、及び置換を行い得ることが理解されるであろう。特に、本発明が、他の特定の形態、構造、配置、割合で、また他の要素、材料、及び構成要素を用いて、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく具現化され得ることが、当業者には明らかとなるであろう。当業者は、本発明が、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合される、本発明の実践において使用される、構造、配置、割合、材料、及び構成要素の多くの修正を伴って、並びに別の方法で、使用され得ることを認識するであろう。したがって、ここに開示される実施形態は、あらゆる点において、限定的なものではなく、例示的なものであるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されることはない。特許請求の範囲において、用語「含む/含んでいる」は、他の要素又は工程の存在を除外するものではないことは理解されよう。加えて、単数形の参照は、複数性を排除するものではない。「a」、「an」、「第1の」、「第2の」などの用語は、複数性を排除するものではない。
【0066】
百分率、部及び比率は全て、特に指定しない限り、本発明の組成物の総重量に基づいている。列挙された成分に関連するこのような重量は全て、記載する特定の成分のレベルに基づいているので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれることがある担体又は副産物を含まない。
【0067】
例示的実施形態
上記の実施形態は、任意の好適な態様で組み合わせ得る。したがって、例えば、一態様では、本発明は、
a.全組成物の重量に対して約1~約5重量%の1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.全組成物の重量に対して約0.05~約2重量%の、スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.全組成物の重量に対して約1~約20重量%の、20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを少なくとも含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
組成物がエマルションの形態にある、組成物に関する。
【0068】
更なる実施形態では、組成物は、
a.全組成物の重量に対して約1~約5重量%のベヘニルアルコールと、
b.全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%のセチルリン酸カリウムと、
c.全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のスクシノグリカンと、
d.全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のキサンタンガムと、
e.約1~約20重量%の、シアバターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
f.全組成物の重量に対して約70~約80重量%の水と、を含む。
【0069】
本明細書で使用するとき、成分を「本質的に含まない」又は「実質的に含まない」とは、成分を0.1重量パーセント未満若しくは0.01重量パーセント未満しか含有しないか、又は全く含有しないことを意味する。
【0070】
より正確な説明を提供するために、本明細書に示される量的表現の一部は、用語「約」で修飾されていない。用語「約」が明示的に使用さられている/いないに関わらず、本明細書において与えられる全ての量は実際の所与の値を指すことを意味し、またこのような所与の値の実験及び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推測されるこのような所与の値の近似値を指すことも意味することが理解される。
【0071】
より正確な記載を提供するため、本明細書において、定量的表現の一部は約X量から約Y量の範囲として引用される。範囲が挙げられている場合、その範囲は、挙げられている上限及び下限に限定されず、約X量から約Y量の全範囲、又はその範囲内の任意の量若しくは範囲を含むと理解される。
【0072】
実験部分
材料
-水は脱塩水である。
-グリセリンは、Oleon,Avril Group Franceから購入した。
-Aloe Barbadensis葉汁は、Terry Laboratories,Melbourne(FL)USAによって商品名Terra-Pure(商標)Spray Dried Aloe Vera Juice Powder 200X(TN001)で販売されている。
-セチルリン酸カリウム、水素化パームグリセリドは、Symriseから商品名Emulsiphos677660で販売されており、活性物質含有量は100%である。
-クエン酸ステアリン酸グリセリルは、Evonikによって商品名DERMOFEEL GSCで販売されており、活性物質含有量は100%である。
-ラウリルグルコシド及びジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2は、BASFにより商品名Eumulgin VL75で販売されている。活性物質含有量は60%であり、残りは20%の水及び20%のグリセリンである。
-セテアリルアルコールは、BASFにより商品名Lanette Oで販売されており、活性物質含有量は100%である。
-ベヘニルアルコールは、BASFにより商品名Lanette22で販売されており、活性物質含有量は100%である。
-キサンタンガムは、CP Kelcoにより商品名Keltrol CG-LAX-Tで販売されており、活性物質含有量は100%である。
-スクシノグリカンは、Solvayにより商品名Rheozan SHで販売されており、活性物質含有量は100%である。
-グリセリルステアレートは、BASFにより商品名Cutina GMS Vで販売されており、活性物質含有量は100%である。
-キャンデリラロウ;硬化植物油;オルス油は、BASFによりCegesoft VPの商品名で販売されており、活性物質含有量は100%である。
-ココグリセリドは、BASFにより商品名Myritol331で販売されており、活性物質含有量は100%である。
-Butyrospermum Parkii(シア)バターは、BASFにより商品名Cetiol SB45で販売されており、活性物質含有量は100%である。
-安息香酸ナトリウムは、Merckにより商品名Ronacare安息香酸ナトリウムで販売されており、活性物質含有量は100%である。
-ソルビン酸カリウムは、Merckから購入し、活性物質含有量は100%である。
-カプリリルグリセリルエーテルは、Clariant Internationalにより商品名Velsan CGEで販売されており、活性物質含有量は100%である。
-クエン酸はCellmarkから購入した。
【0073】
方法
本発明の実施例6~8のための標準的な配合プロトコール:
・22%(総配合物重量に対する%)の脱塩水及びAloe Barbadensis葉汁を室温で混合し、次いで
・追加の25%(総配合物重量に対する%)の脱塩水及びグリセリン、次いでスクシノグリカン及びキサンタンゴムを添加する。
・80℃まで加熱を開始し、加熱しながら更に10%の脱塩水を添加する。
・70℃~80℃で、ココグリセリドを添加し、任意選択的にラウリルグルコシド及びジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2を添加する。
・80℃に達したら、セチルリン酸カリウム及び水素化パームグリセリド、ベヘニルアルコール、キャンデリラロウ、硬化植物油及びオルス油、Butyrospermum Parkii(シア)バター及び任意選択的にクエン酸ステアリン酸グリセリルを添加する。
・80℃で15分間混合した後、25℃まで冷却し始める。
・冷却しながら、温度が60℃に達したら、ソルビン酸カリウム及びカプリリルグリセリルエーテル、任意選択的に、安息香酸ナトリウム、次いで、残りの量の脱イオン水を添加する。
・25℃に達したら、50%クエン酸溶液でpHを4.7に調整する。
【0074】
全ての配合物を、美白効果、安定性及び粘度について評価した。「美白効果」とは、塗布後に皮膚上に白い皮膜を残す配合物の傾向を指す。美白効果は目視観察により評価した。配合物の安定性は、40℃で3ヶ月後に目視評価によって行った。
【0075】
粘度は、20℃、せん断速度45秒-1でレオメータ(Physica)を用いて測定した。粘度は、スキンケア配合物にとって重要な特徴であり、なぜなら、スキンケア配合物は、消費者に心地よい適切な粘稠度を有していなければならず、一方で、正確に分配することができる(例えば、ポンプで汲み上げることができる)からである。一般的に言えば、約400~約5000mPa.s-1の粘度範囲がスキンケア組成物に対して、又は3000mPa.s-1の上限がポンプで汲み上げることが可能な(pumpable)スキンケア組成物に対して許容可能であると考えられる。好ましくは、組成物は、約400~約5000mPa.s-1、好ましくは約400~約3000mPa.s-1、好ましくは約400~約1000mPa.s-1の粘度範囲を有する。
【0076】
【表1】
-実施例1:1つ以上のC20~24脂肪アルコール、又は20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含有しなかったため、比較例と考えられる。
-実施例2:20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含有しなかったため、比較例と考えられる。
-実施例3:シアバターに対するベヘニルアルコールの比率が3であるため、いくつかの実施形態では比較例と考えられる。
-実施例4及び5:スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類を含有しなかったため、比較例と考えられる。
【0077】
【表2】
【0078】
上記実施例から分かるように、本発明の実施例のみが、美白効果を生じることなく、十分な粘度及び安定性を実証した。所望のレベルの安定性、テクスチャ及び感覚特性を達成する成分の正しい選択を見出すことは困難であり、このバランスをどのように達成するかについては文献に示唆されていないので、これは驚くべきことである。
【0079】
〔実施の態様〕
(1) 組成物であって、
a.1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
前記組成物がエマルションの形態にある、組成物。
(2) 前記1つ以上のC20~24脂肪アルコールが、ベヘニルアルコール、アラキニルアルコール(arachinyl alcohol)、ヘンエイコサノール、リグノセリルアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記1つ以上のC20~24脂肪アルコールが、前記全組成物の重量に対して約1~約5重量%の量で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(4) 前記1つ以上のアニオン性界面活性剤が、セチルリン酸カリウム、クエン酸ステアリン酸グリセリル、アニオン性形態の脂肪酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記1つ以上1つ以上のアニオン性界面活性剤が、前記全組成物の重量に対して約0.1~約3重量%の量で存在する、実施態様1に記載の組成物。
【0080】
(6) 前記1つ以上の増粘多糖類が、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、グアーガム、カラギーナン、アルギネート、ペクチン、及びこれらの組み合わせを更に含む、実施態様1に記載の組成物。
(7) 前記1つ以上の増粘多糖類が、前記全組成物の重量に対して約0.05~約2重量%の量で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(8) 20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターが、約1.5~約5重量%の範囲の量で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(9) 20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する前記少なくとも1つの天然バターが、シアバターを含む、実施態様1に記載の組成物。
(10) 前記皮膚軟化剤が、シアバター、ココグリセリド、キャンデリラロウ及び硬化植物油、オルス油(olus oil)、カプリリルグリセリルエーテル、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、実施態様1に記載の組成物。
【0081】
(11) 前記1つ以上のC20~24脂肪アルコールがベヘニルアルコールを含み、前記1つ以上の皮膚軟化剤がシアバターを含み、前記ベヘニルアルコール及び前記シアバターが約0.5~約2の比率で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(12) 非イオン性界面活性剤を更に含む、実施態様1に記載の組成物。
(13) 組成物であって、
a.全組成物の重量に対して約1~約5重量%の1つ以上のC20~24脂肪アルコールと、
b.前記全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c.前記全組成物の重量に対して約0.05~約2重量%の、スクシノグリカンを含む1つ以上の増粘多糖類と、
d.前記全組成物の重量に対して約1~約20重量%の、20℃で固体であり、50℃未満の融点を有する天然バターを有する少なくとも1つの天然バターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
e.前記全組成物の重量に対して約50~約95重量%の水と、を含み、
前記組成物がエマルションの形態にある、組成物。
(14) 前記組成物が、
a.前記全組成物の重量に対して約1~約5重量%のベヘニルアルコールと、
b.前記全組成物の重量に対して約0.2~約3重量%のセチルリン酸カリウムと、
c.前記全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のスクシノグリカンと、
d.前記全組成物の重量に対して約0.05~約1重量%のキサンタンガムと、
e.約1~約20重量%の、シアバターを含む1つ以上の皮膚軟化剤と、
f.前記全組成物の重量に対して約70~約80重量%の水と、を含む、実施態様13に記載の組成物。
(15) 皮膚を処置する方法であって、実施態様1~14のいずれかに記載の組成物を皮膚に塗布することを含む、方法。
【国際調査報告】