(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】アレイ基板、表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241010BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241010BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20241010BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 349A
G09F9/00 336F
G02F1/1368
G02F1/1345
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525430
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022106595
(87)【国際公開番号】W WO2023098097
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111456673.4
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521141718
【氏名又は名称】恵科股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HKC Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】1F-3F, 5F-7F of Factory Building 1, 7F of Factory Building 6, Huike Industrial Park, No.1 Industrial 2nd Road, Shilong Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】常 紅燕
(72)【発明者】
【氏名】韓 丙
(72)【発明者】
【氏名】袁 海江
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA40
2H092GA59
2H092JA24
2H092PA08
2H092PA13
2H192AA24
2H192EA43
2H192FA72
2H192FB03
2H192FB81
2H192GD47
2H192GD61
5C094AA25
5C094BA03
5C094BA43
5C094DA09
5C094DA15
5C094FA01
5G435AA16
5G435BB12
5G435EE26
(57)【要約】
本願は、アレイ基板、表示パネル及び表示装置を開示する。当該アレイ基板には薄膜トランジスタ(T)とゲート駆動回路(G)とが設けられており、ゲート駆動回路(G)のトリガ信号入力端子が薄膜トランジスタ(T)の出力端子に対応し、薄膜トランジスタ(T)の出力端子に対応する第1の金属層(10)とゲート駆動回路(G)のトリガ信号入力端子に対応する第2の金属層(20)との間に第1の絶縁層(30)が設けられ、第1の絶縁層(30)での第1の金属層(10)の投影領域が、第1の絶縁層(30)での第2の金属層(20)の投影領域と部分的に重複するため、薄膜トランジスタ(T)の第1の金属層(10)とゲート駆動回路(G)の第2の金属層(20)との間の正対面積を減少させ、薄膜トランジスタの電流漏れ状況を効果的に改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタ(T)とゲート駆動回路(G)とが設けられたアレイ基板であって、前記ゲート駆動回路(G)のトリガ信号入力端子が前記薄膜トランジスタ(T)の出力端子に対応して配置され、前記薄膜トランジスタ(T)の出力端子に対応する第1の金属層(10)と前記ゲート駆動回路(G)のトリガ信号入力端子に対応する第2の金属層(20)との間に第1の絶縁層(30)が設けられ、
前記第1の絶縁層(30)での前記第1の金属層(10)の投影領域が、前記第1の絶縁層(30)での前記第2の金属層(20)の投影領域と部分的に重複する
アレイ基板。
【請求項2】
前記第1の金属層(10)は、前記薄膜トランジスタ(T)の出力端子に対応する位置に設けられた金属層であり、前記出力端子は前記薄膜トランジスタ(T)のソース又はドレインである
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第1の金属層(10)と前記第2の金属層(20)とがずれて配置され、前記第1の絶縁層(30)において、前記第1の金属層(10)の投影領域と前記第2の金属層(20)の投影領域との間に重複領域が存在する
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第1の金属層(10)は、少なくとも2つの第1の金属電極(101)を含み、
前記第2の金属層(20)は、前記第1の金属電極(101)と同数の第2の金属電極(201)を含み、
前記第1の金属電極(101)は、前記第1の絶縁層(30)の下面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第2の金属電極(201)は、前記第1の絶縁層(30)の上面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第1の絶縁層(30)において、前記第1の金属電極(101)の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極(201)の投影領域の何れとも重複領域を持つ
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第1の金属電極(101)は、前記第1の絶縁層(30)の下面に互いに予め設定された間隔をおいて配置され、前記第2の金属電極(201)は、前記第1の絶縁層(30)の上面に互いに前記予め設定された間隔をおいて配置されている
請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記アレイ基板にフレーム開始信号線(STV2)がさらに設けられ、前記フレーム開始信号線(STV2)が前記薄膜トランジスタ(T)の入力端子に対応して設けられ、前記薄膜トランジスタ(T)の入力端子に対応する第3の金属層(40)と前記フレーム開始信号線に対応する第4の金属層(50)との間に第2の絶縁層(60)が設けられ、
前記第2の絶縁層(60)での前記第3の金属層(40)の投影領域が、前記第2の絶縁層(60)での前記第4の金属層(50)の投影領域と部分的に重複する
請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記第3の金属層(40)は、前記薄膜トランジスタ(T)の入力端子に対応して設けられた金属層であり、前記入力端子は薄膜トランジスタ(T)のドレイン又はソースであり、前記第3の金属層(40)は、前記の第1の金属層(10)と対向して設けられている
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記第1の金属層(10)が前記薄膜トランジスタ(T)のソースに設けられた金属層である場合、前記第3の金属層(40)は前記薄膜トランジスタ(T)のドレインに設けられた金属層であり、または、
前記第1の金属層(10)が前記薄膜トランジスタ(T)のドレインに設けられた金属層である場合、前記第3の金属層(40)は薄膜トランジスタTのソースに設けられた金属層である
請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記第3の金属層(40)と前記第4の金属層(50)とが互いにずれて間隔をおいて配置されている
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記第3の金属層(40)は、少なくとも2つの第3の金属電極(401)を含み、
前記第4の金属層(50)は、前記第3の金属電極(401)と同数の第4の金属電極(501)を含み、
前記第3の金属電極(401)は、前記第2の絶縁層(60)の下面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第4の金属電極(501)は、前記第2の絶縁層(60)の上面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第2の絶縁層(60)において、前記第3の金属電極(401)の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第4の金属電極(501)の投影領域の何れとも重複領域を持つ
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第3の金属電極(401)は、前記第2の絶縁層(60)の下面に互いに予め設定された間隔をおいて配置され、前記第4の金属電極(501)は、前記第2の絶縁層(60)の上面に互いに前記予め設定された間隔をおいて配置されている
請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記第1の金属層(10)は、少なくとも2つの第1の金属電極(101)を含み、
前記第2の金属層(20)は、前記第1の金属電極(101)と同数の第2の金属電極(201)を含み、
前記第1の金属電極(101)は、前記第1の絶縁層(30)の下面に間隔をおいて配置され、
前記第2の金属電極(201)は、前記第1の絶縁層(30)の上面に間隔をおいて配置され、
前記第1の絶縁層(30)において、前記第1の金属電極(101)の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極(201)の投影領域の何れとも重複領域を持ち、
前記第3の金属層(40)と前記第4の金属層(50)との間に第2の絶縁層(60)が設けられ、
前記第2の絶縁層(60)での前記第3の金属層(40)の投影領域が、前記第2の絶縁層(60)での前記第4の金属層(50)の投影領域と部分的に重複する
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記アレイ基板に複数の前記薄膜トランジスタ(T)が設けられており、
各前記薄膜トランジスタ(T)の出力端子は、対応する位置の前記ゲート駆動回路(G)のトリガ信号入力端子にそれぞれ対応して設けられている
請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項14】
表示パネルであって、
前記表示パネルは、カラーフィルム基板(90)と、液晶層(80)と、請求項1から請求項13の何れか一項に記載のアレイ基板(70)とを含み、前記液晶層(80)は、前記カラーフィルム基板(90)と前記アレイ基板(70)との間に位置する
表示パネル。
【請求項15】
表示装置であって、
前記表示装置は、バックライトモジュール(110)と、請求項14に記載の表示パネル(100)とを含み、前記バックライトモジュール(110)は前記表示パネル(100)の背面に設置されて前記表示パネル(100)にバックライト光源を提供する
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2021年12月2日に出願された、出願番号が202111456673.4である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を引用により本願に組み入れる。
【0002】
本願は表示の技術分野に関するものであり、特に、アレイ基板、表示パネル及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
切断ディスプレイは、パネルを任意のサイズに切断できる設計であるが、ゲート駆動回路トリガ信号は上から下へ走査され、一旦切断されると、ゲート駆動回路に対してトリガを行うことができなくなるので、通常では、各ゲート駆動回路の出力側に1本のフレーム開始信号線を追加し、フレーム開始信号線と各段のゲート駆動回路構造との間に1つの薄膜トランジスタを設計し、一方側にフレーム開始信号線を接続し、他方側にゲート駆動回路構造を接続する。切断ディスプレイが一旦切断されると、切断後の第1段のゲート駆動回路は、新たに追加されるフレーム開始信号線でしかトリガできなくなる。
【0004】
ディスプレイの任意サイズの切断ディスプレイへの切断を実現した後、薄膜トランジスタについては、レーザ溶着により薄膜トランジスタを導通させることができ、その後、フレーム開始信号線における信号は、薄膜トランジスタを介して開始信号を切断後の第1段のゲート駆動回路に開始信号を入力することにより、切断後の第1段のゲート駆動回路を正常に起動させることができる。しかしながら、この種類の薄膜トランジスタは、薄膜トランジスタとフレーム開始信号線及びゲート駆動回路との接続部は平行板コンデンサ構造となっているから、特に漏れ電流が発生しやすい。切断が不要な場合、薄膜トランジスタと他の部品との接続部で漏れ電流が発生しやすく、切断ディスプレイの表示画面の異常が発生する。
【0005】
上記内容は本願の技術案の理解を助けるために用いられるものであって、上記内容が先行技術だと認めたわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の主な目的は、アレイ基板、表示パネル及び表示装置を提供することにあり、アレイ基板上の薄膜トランジスタの出力端子の第1の金属層とゲート駆動回路の入力端子の第2の金属層は、第1の絶縁層での投影領域が部分的に重複するように構成されていることにより、薄膜トランジスタに漏れ電流が発生しやすく、切断ディスプレイの表示画面の異常が発生するという従来技術の技術的問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、前記アレイ基板には薄膜トランジスタとゲート駆動回路とが設けられており、前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子が前記薄膜トランジスタの出力端子に対応して配置され、前記薄膜トランジスタの出力端子に対応する第1の金属層と前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子に対応する第2の金属層との間に第1の絶縁層が設けられ、
前記第1の絶縁層での前記第1の金属層の投影領域が、前記第1の絶縁層での前記第2の金属層の投影領域と部分的に重複する。
【0008】
一実施例において、前記第1の金属層は、少なくとも2つの第1の金属電極を含み、
前記第2の金属層は、前記第1の金属電極と同数の第2の金属電極を含み、
前記第1の金属電極は、前記第1の絶縁層の下面に互いに間隔をおいて配置され、前記第2の金属電極は、前記第1の絶縁層の上面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第1の絶縁層において、前記第1の金属電極の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極の投影領域の何れとも重複領域を持つ。
【0009】
一実施例において、前記第1の金属電極は、前記第1の絶縁層の下面に互いに予め設定された間隔をおいて配置され、前記第2の金属電極は、前記第1の絶縁層の上面に互いに前記予め設定された間隔をおいて配置されている。
【0010】
一実施例において、前記アレイ基板にフレーム開始信号線がさらに設けられ、前記フレーム開始信号線が前記薄膜トランジスタの入力端子に対応して設けられ、前記薄膜トランジスタの入力端子に対応する第3の金属層と前記フレーム開始信号線に対応する第4の金属層との間に第2の絶縁層が設けられ、
前記第2の絶縁層での前記第3の金属層の投影領域が、前記第2の絶縁層での前記第4の金属層の投影領域と部分的に重複する。
【0011】
一実施例において、前記第3の金属層は、少なくとも2つの第3の金属電極を含み、
前記第4の金属層は、前記第3の金属電極と同数の第4の金属電極を含み、
前記第3の金属電極は、前記第2の絶縁層の下面に互いに間隔をおいて配置され、前記第4の金属電極は、前記第2の絶縁層の上面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第2の絶縁層において、前記第3の金属電極の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第4の金属電極の投影領域の何れとも重複領域を持つ。
【0012】
一実施例において、前記第3の金属電極は、前記第2の絶縁層の下面に互いに予め設定された間隔をおいて配置され、前記第4の金属電極は、前記第2の絶縁層の上面に互いに前記予め設定された間隔をおいて配置されている。
【0013】
一実施例において、前記第1の金属層は、少なくとも2つの第1の金属電極を含み、
前記第2の金属層は、前記第1の金属電極と同数の第2の金属電極を含み、
前記第1の金属電極は、前記第1の絶縁層の下面に間隔をおいて配置され、前記第2の金属電極は、前記第1の絶縁層の上面に間隔をおいて配置され、
前記第1の絶縁層において、前記第1の金属電極の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極の投影領域の何れとも重複領域を持ち、
前記第3の金属層と前記第4の金属層との間に第2の絶縁層が設けられ、
前記第2の絶縁層での前記第3の金属層の投影領域が、前記第2の絶縁層での前記第4の金属層の投影領域と部分的に重複する。
【0014】
一実施例において、前記アレイ基板に複数の前記薄膜トランジスタが設けられており、
ここで、各薄膜トランジスタの出力端子は、対応する位置の前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子にそれぞれ対応して設けられている。
【0015】
なお、上記目的を達成するために、本願は、表示パネルをさらに提供する。前記表示パネルは、カラーフィルム基板と、液晶層と、上記のアレイ基板とを含み、前記液晶層は、前記カラーフィルム基板と前記アレイ基板との間に位置する。
【0016】
さらに、上記目的を達成するために、本願は表示装置をさらに提供する。前記表示装置は、バックライトモジュールと、前記表示パネルとを含み、前記バックライトモジュールは、前記表示パネルの背面に設置されて前記表示パネルにバックライト光源を提供する。
有益な効果
【0017】
本願により、アレイ基板、表示パネル及び表示装置が提供される。当該アレイ基板には薄膜トランジスタとゲート駆動回路とが設けられており、前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子が前記薄膜トランジスタの出力端子に対応して配置され、前記薄膜トランジスタの出力端子に対応する第1の金属層と前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子に対応する第2の金属層との間に第1の絶縁層が設けられ、前記第1の絶縁層での前記第1の金属層の投影領域が、前記第1の絶縁層での前記第2の金属層の投影領域と部分的に重複する。本願において、前記第1の絶縁層での前記第1の金属層の投影領域が、前記第1の絶縁層での前記第2の金属層の投影領域と部分的に重複するように構成することにより、薄膜トランジスタの第1の金属層とゲート駆動回路の第2の金属層との間の正対面積を減少させ、薄膜トランジスタの電流漏れ状況を効果的に改善することができる。
【0018】
本願の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に紹介する。下記説明における添付図面は本願のアレイ基板の第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例、表示パネルの実施例、及び表示装置の実施例に対応する図面に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本願のアレイ基板の第1の実施例にかかる、薄膜トランジスタとゲート駆動回路の構造模式図である。
【
図3】本願のアレイ基板の第1の実施例にかかる、薄膜トランジスタとゲート駆動回路との接続部の構造模式図である。
【
図4】本願のアレイ基板の第1の実施例にかかる、薄膜トランジスタとゲート駆動回路との接続部の断面図である。
【
図5】本願のアレイ基板の第1の実施例にかかるフレーム開始信号線の模式図である。
【
図6】本願のアレイ基板の第2の実施例にかかる薄膜トランジスタとゲート駆動回路の構造模式図である。
【
図7】本願のアレイ基板の第2の実施例にかかる、薄膜トランジスタとゲート駆動回路との接続部の構造の断面図である。
【
図8】本願のアレイ基板の第2の実施例にかかる、薄膜トランジスタとゲート駆動回路との接続部が導通したときの第1の金属電極と第2の金属電極との接続の模式図である。
【
図9】本願のアレイ基板の第2の実施例にかかる薄膜トランジスタとSTV線との接続部の構造模式図である。
【
図10】本願のアレイ基板の第2の実施例にかかる、薄膜トランジスタとSTV線との接続部の構造の断面図である。
【
図11】本願のアレイ基板の第3の実施例にかかる、薄膜トランジスタ、ゲート駆動回路及びフレーム開始信号線の第1種の構造の模式図である。
【
図12】本願のアレイ基板の第3の実施例にかかる、薄膜トランジスタ、ゲート駆動回路及びフレーム開始信号線の第2種の構造の模式図である。
【
図13】本願のアレイ基板の第3の実施例にかかる、薄膜トランジスタ、ゲート駆動回路及びフレーム開始信号線の第3種の構造の模式図である。
【
図14】本願のアレイ基板の第3の実施例にかかる、複数の薄膜トランジスタを設置する構造模式図である。
【
図15】本願の表示パネル実施例の構造模式図である。
【
図16】本願の表示装置実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する
【0021】
ここで説明する具体的な実施例は本願を解釈するためだけに使われるものであって、本願を限定するために使われるものではないことは、理解しておくべきである。
【0022】
以下では、本願の実施例における添付図面を参照し、本願の実施例における技術案について明確かつ完全に説明する。
第1の実施例
【0023】
図1、
図2及び
図3を参照し、
図1は本願のアレイ基板の平面図であり、
図2は本願のアレイ基板の第1の実施例の薄膜トランジスタとゲート駆動回路の構造模式図であり、
図3は本願のアレイ基板の第1の実施例の薄膜トランジスタとゲート駆動回路との接続部の構造模式図である。
図1、
図2及び
図3に示すように、本実施例において、前記アレイ基板には薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとが設けられており、前記ゲート駆動回路Gのトリガ信号入力端子が前記薄膜トランジスタTの出力端子に対応して配置され、前記薄膜トランジスタTの出力端子に対応する第1の金属層10と前記ゲート駆動回路Gのトリガ信号入力端子に対応する第2の金属層20との間に第1の絶縁層30が設けられ、
図2と
図3を参照し、前記第1の絶縁層30での前記第1の金属層10の投影領域が、前記第1の絶縁層30での前記第2の金属層20の投影領域と部分的に重複する。
【0024】
本実施例において、ゲート駆動回路GはGOAを正常に動作させるように駆動する回路である。本実施例において、ゲート駆動回路は、フレーム開始信号線STV2又は前段のゲート駆動回路の出力端子から送信されるトリガ信号を受けて、各行の画素を点灯させることができる。第1の金属層10と第2の金属層20とは、いずれも金属電極層であり、本明細書では、金属電極層に使用される具体的な材料について限定しない。第1の金属層10は、薄膜トランジスタTの出力端子に対応する位置に設けられた金属層である。出力端子は薄膜トランジスタTのソース又はドレインであってもよい。第1の絶縁層30は、亜鉛めっき材料Giで構築されてもよく、もちろん他の絶縁材料を用いて構築されてもよい。第1の金属層10と第2の金属層20とは、従来技術では通常、正対に配置されており、正対面積が最大とされている。第1の金属層10の、薄膜トランジスタTの内部で接続される一部の金属と、第2の金属層20の、ゲート駆動回路Gの内部にある一部の金属は除外される。
【0025】
図4を参照し、具体的な実施では、第1の金属層10と第2の金属層20とを、ずれて対応するように配置しているが、第1の絶縁層30での両者の対応する投影領域の間に重複領域を持たせることで、第1の金属層10と第2の金属層20同士がレーザ溶着により第1の絶縁層30を貫通して溶着でき、薄膜トランジスタが正常に動作できるように保証しなければならない。すなわち、第1の金属層10と第2の金属層20との、第1の絶縁層での投影の間に0マイクロメートルよりも大きい重複領域が存在する限り、第1の金属層10と第2の金属層20との溶着を実現して、薄膜トランジスタTがゲート駆動回路Gの開始信号を正常に伝達できるようにすることができる。また、薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとの接続部における漏れ電流の問題を解決するために、第1の金属層10と第2の金属層20とをずれて対応するように配置することで、第1の金属層10と第2の金属層20との正対面積を小さくすることができる。第1の金属層10と第2の金属層20との正対面積を減少させることにより、薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとの接続部での漏れ電流を効果的に減少させることができる。
【0026】
なお、表示パネルにおいて、ゲート駆動回路Gの正常な動作過程としては、トリガ信号CLKを受信して走査ユニットを起動させ、表示パネル上のRGBアレイを逐段走査することである。
図5を参照し、開始信号入力端子INは、フレーム開始信号線STV1を介して1行目のRGBアレイの左側又は右側の入力端子INPUTにトリガ信号を供給し、トランジスタをオンにして走査プロセスを開始する。薄膜トランジスタTも同様に、ゲート駆動回路信号入力端子Qをハイレベル状態とすることで、後に接続されたトランジスタをオンすることができる。1行目のRGBアレイの走査が完了すると、クロック信号入力端子CLKは、ゲート駆動回路Gの出力端子OUTを介して次の行のゲート駆動回路にトリガ信号を供給して、2行目のRGBアレイの走査を開始することができる。2行目のRGBアレイの走査が完了すると、クロック信号入力端子CLKも同様に、次段のゲート駆動回路に対応する走査ユニットの走査プロセスにトリガ信号を提供することができる。表示パネル全体の走査が完了するまで、以上のプロセスを同様に繰り返す。
【0027】
なお、切断ディスプレイとは、必要なサイズの表示パネルに切断できるディスプレイである。しかしながら、表示パネル全体の走査プロセスは上から下へ順次走査するため、トリガ信号CLKは、フレーム開始信号線STV1により1行目のRGBアレイに対応するゲート駆動回路に供給され、表示ディスプレイが切断されると、切断位置にある2行のRGBアレイ間の接続が切断され、切断後に接続されるRGBアレイのゲート駆動回路に対応するトリガ信号CLKを供給できなくなる。
図5を参照して、1行アレイの2つの出力端子に1本のフレーム開始信号線STV2を追加し、フレーム開始信号線STV2と各行のRGBアレイのトリガ構造のゲート駆動回路信号入力端子Qとの間に薄膜トランジスタTを設計する。薄膜トランジスタTは、入力端子がフレーム開始信号線STV2に接続され、出力端子がゲート駆動回路信号入力端子Qに接続され、表示ディスプレイが切断されると、切断された後の1行目のRGBアレイに対応するゲート駆動回路Gは、新たに追加されたフレーム開始信号線STV2の配線により供給されるトリガ信号CLKによりトリガされることが可能である。
【0028】
本実施例において、薄膜トランジスタTの一端を対応する行のRGBアレイのゲート駆動回路に接続する際に、主に薄膜トランジスタTの第1の金属層10とゲート駆動回路の第2の金属層20との相互接続により行う。しかしながら、表示ディスプレイを切断する必要がない場合、薄膜トランジスタTの第1の金属層10とゲート駆動回路の第2の金属層20と接続は必要なく、両者により平行板コンデンサ構造が形成され、当該平行板コンデンサ構造は漏れ電流が発生しやすい。
【0029】
本実施例において、アレイ基板が提供される。当該アレイ基板には薄膜トランジスタとゲート駆動回路とが設けられており、前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子が前記薄膜トランジスタの出力端子に対応して配置され、前記薄膜トランジスタの出力端子に対応する第1の金属層と前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子に対応する第2の金属層との間に第1の絶縁層が設けられ、前記第1の絶縁層での前記第1の金属層の投影領域が、前記第1の絶縁層での前記第2の金属層の投影領域と部分的に重複する。本願において、前記第1の絶縁層での前記第1の金属層の投影領域が、前記第1の絶縁層での前記第2の金属層の投影領域と部分的に重複するように構成することにより、薄膜トランジスタの第1の金属層とゲート駆動回路の第2の金属層との間の正対面積を減少させ、薄膜トランジスタの電流漏れ状況を効果的に改善することができる。
第2の実施例
【0030】
図6を参照し、
図6は本願のアレイ基板の第2の実施例の薄膜トランジスタとゲート駆動回路の構造模式図であり、
図6に基づいて本願のアレイ基板の第2の実施例を提案する。
【0031】
本実施例において、前記第1の金属層10は、少なくとも2つの第1の金属電極101を含み、
前記第2の金属層20は、前記第1の金属電極101と同数の第2の金属電極201を含み、
前記第1の金属電極101は、前記第1の絶縁層30の下面に互いに間隔をおいて配置され、前記第2の金属電極201は、前記第1の絶縁層30の上面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第1の絶縁層30において、前記第1の金属電極101の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極201の投影領域の何れとも重複領域を持つ。
【0032】
なお、第1の金属電極101と第2の金属電極201とがレーザにより正常に溶着されると、同様にトリガ信号CLKを正常に伝達することができる。第1の金属電極101は、第1の金属層10と同じ機能を有する。第1の金属層10は、複数の第1の金属電極101を含んでもよく、第1の金属電極101の具体的な数は、第1の金属層10のサイズに応じて配置でき、例えば、第1の金属層10のサイズが大きいほど、より多くの第1の金属電極101を配置することができる。
図7を参照し、
図4では、第1の金属層10が3つの第1の金属電極101を含む例について説明したが、本実施例では、金属層が含む金属電極の具体的な数について限定せず、1つの金属層は、2つの金属電極、3つの金属電極、4つの金属電極等を含んでもよい。本実施例において、金属電極の具体的なサイズについて限定されず、金属電極のサイズは露光機の精度より大きければよい。例えば、露光機の精度が2マイクロメートルであれば、金属電極の長さや幅などの寸法は露光機に対応する精度である2マイクロメートルよりも大きい必要がある。
【0033】
なお、本実施例において、第1の金属電極101が第1の絶縁層30の上面に配置されてもよく、第2の金属電極201も第1の絶縁層30の下面に配置されてもよく、本明細書では、第1の絶縁層30に対する第1の金属電極101と第2の金属電極201との位置を入れ替えてもよい。もちろん、第1の金属電極101は全て第1の絶縁層30の一方の面にあり、第2の金属電極201は全て第1の絶縁層30の他方の面にある。第1の絶縁層30での第1の金属電極101と第2の金属電極201の投影の間に重複領域が存在し、当該重複領域が小さいほど電流漏れの低減効果が高いので、スタート信号を正常に伝達できることを保証しつつ、第1の絶縁層30での第1の金属電極101と第2の金属電極201のそれぞれの投影の間に存在する重複領域の面積をできるだけ小さくする必要がある。
【0034】
具体的には、
図8を参照し、薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとの接続部に漏れ電流が発生した場合、電流の漏れが実現するには、漏れ電流は、1つ目の第1の金属電極101、1つ目の第2の金属電極201、2つ目の第1の金属電極101、2つ目の第2の金属電極201、3つ目の第1の金属電極101、3つ目の第2の金属電極201を通る必要がある。この電流漏れの経路は、第1の金属電極101と第2の金属電極201との間の、第1の絶縁層30上に設けられた溶着点Fが溶着状態にあることを必要とする。上記第1の金属電極101と第2の金属電極201との相互配置方法により、漏れ電流の伝達経路を効果的に増やすことができ、いずれか一つの第1の金属電極201と対応する位置の第2の金属電極201との間が溶着導通していない場合に、電流の漏れが発生しないようにすることができる。もちろん、複数の第1の金属電極101と、対応する数の第2の金属電極201とを設けるため、薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとの間を正常に接続して使用する場合、第1の金属電極101と第2の金属電極201との間で溶着を複数回行う必要がある。
図8を参照し、
図8において、薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとの間の正常な接続を実現し、トリガ信号CLKの正常な伝達を実現するためには、第1の絶縁層30の下にある第1の金属電極101を、対応する位置にある2つの第2の金属電極201とそれぞれ溶着する必要がある。本実施例にいて、設置される第1の金属電極101と第2の金属電極201の数が多いほど、漏れ電流が小さくなる。例えば、1つの第1の金属電極101と1つの第2の金属電極201とを設けた場合、漏れ電流が10^-12オーダーとなる可能性があり、2つの第1の金属電極101と2つの第2の金属電極201とを設けた場合、漏れ電流が10^-24オーダーとなり、こうして、設置される第1の金属電極101と第2の金属電極201の数が多いほど、漏れ電流が発生する可能性が低くなる。
【0035】
本実施例において、前記第1の金属電極101は、前記第1の絶縁層30の下面に互いに予め設定された間隔をおいて配置され、前記第2の金属電極201は、前記第1の絶縁層30の上面に互いに前記予め設定された間隔をおいて配置されている。
【0036】
なお、本実施例において、互いに接続されておらず独立している複数の第1の金属電極101と第2の金属電極201の長さ及び幅については、具体的には限定しない。一方、露光時の表示異常を回避するために、隣接する第1の金属電極101間の間隔は、露光機の単位精度よりも大きくする必要がある。一方、対応する、第1の絶縁層30での第1の金属電極101の投影領域と、第1の絶縁層30での第2の金属電極201の投影領域との間には、一定の重複面積を持たせる必要があるが、重複面積の大きさについては具体的に限定しない。予め設定された間隔とは、隣接する第1の金属電極101同士、隣接する第2の金属電極201同士の距離である。予め設定された間隔は、露光機の単位精度よりも大きければよく、例えば、露光機の単位精度が2μmである場合、予め設定された間隔は2μmより大きければよい。
【0037】
本実施例において、前記アレイ基板にフレーム開始信号線STV2がさらに設けられ、前記フレーム開始信号線が前記薄膜トランジスタTの入力端子に対応して設けられ、前記薄膜トランジスタTの入力端子に対応する第3の金属層40と前記フレーム開始信号線に対応する第4の金属層50との間に第2の絶縁層60が設けられ、
前記第2の絶縁層60での前記第3の金属層40の投影領域が、前記第2の絶縁層60での前記第4の金属層50の投影領域と部分的に重複する。
【0038】
なお、第3の金属層40は、薄膜トランジスタTの入力端子に対応して設けられた金属層であり、当該入力端子は、薄膜トランジスタTのドレイン又はソースであってもよい。ここで、第3の金属層40は、上記の第1の金属層10と対向している。第1の金属層10が薄膜トランジスタTのソースに設けられた金属層である場合、第3の金属層40は薄膜トランジスタTのドレインに設けられた金属層であり、同様に、第1の金属層10が薄膜トランジスタTのドレインに設けられた金属層である場合、第3の金属層40は薄膜トランジスタTのソースに設けられた金属層である。トリガ信号CLKの伝送を行う必要がある場合、第3の金属層40とフレーム開始信号線STV2に設けられた第4の金属層50との間を接続する。表示ディスプレイを切断する必要がない場合、第3の金属層40と第4の金属層50との間にも1つの平行板コンデンサが形成される。
図9を参照し、第1の接続領域S1は、薄膜トランジスタTとフレーム開始信号線STV2との接続部である。第2の接続領域S2は、薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとの接続部である。
【0039】
図9を参照し、本具体的な実施例において、同様に、第3の金属層40と第4の金属層50とが互いにずれて間隔をおいて配置されてもよい。前記第2の絶縁層60での前記第3の金属層40の投影領域と、前記第2の絶縁層60での前記第4の金属層50の投影領域との間に重複領域が存在し、第3の金属層40と第4の金属層50との正対する面積が可能な限り最小の面積である。第3の金属層40の配置は、第1の実施例における第1の金属層10の配置方法を参照して行ってもよく、第4の金属層50の配置も、第2の金属層20の配置方法を参照して行ってもよく、ここでは説明を省く。
【0040】
本実施例において、前記第3の金属層40は、少なくとも2つの第3の金属電極401を含み、
前記第4の金属層50は、前記第3の金属電極401と同数の第4の金属電極501を含み、
前記第3の金属電極401は、前記第2の絶縁層60の下面に互いに間隔をおいて配置され、前記第4の金属電極501は、前記第2の絶縁層60の上面に互いに間隔をおいて配置され、
前記第2の絶縁層60において、前記第3の金属電極401の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第4の金属電極501の投影領域の何れとも重複領域を持つ。
【0041】
なお、第3の金属層40には少なくとも2つの第3の金属電極401を設け、第4の金属層50にも同数の第4の金属電極501を設けることで、薄膜トランジスタTとフレーム開始信号線STV2との間の漏れ電流の伝達経路を増やすことができ、薄膜トランジスタTとフレーム開始信号線STV2との間の漏れ電流を効果的に低減させることができる。第3の金属電極401と対応する第4の金属電極401との間が全て溶着している場合にのみ、完全な電流漏れ回路が形成され、電流漏れ現象が発生する可能性がある。
【0042】
具体的な実施例において、
図10を参照し、前記第2の絶縁層60において、前記第3の金属電極401の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第4の金属電極501の投影領域の何れとも重複領域を持つように、第3の金属電極401と第4の金属電極501を順に配置することができる。薄膜トランジスタTとフレーム開始信号線STV2との接続部で漏れ電流が発生した場合、電流の漏れが発生するには、漏れ電流が、1つ目の第3の金属電極401、1つ目の第4の金属電極501、2つ目の第3の金属電極401、2つ目の第4の金属電極501、3つ目の第3の金属電極401、3つ目の第4の金属電極501を通る必要がある。
【0043】
本実施例において、上記の配置方式を参照し、同様に、前記第3の金属電極401も、前記第2の絶縁層60の下面に互いに予め設定された間隔をおいて配置され、前記第4の金属電極501は、前記第2の絶縁層60の上面に互いに前記予め設定された間隔をおいて配置されるべきである。具体的な配置プロセスでは、第2の絶縁層での第3の金属層40と第4の金属層50の位置を入れ替えてもよい。ただし、第3の金属電極401同士の間隔、第4の金属電極501同士の間隔も、露光画面に異常が発生するのを回避するために、露光機の単位精度条件を満たす必要がある。
【0044】
本実施例において、アレイ基板が提供される。当該アレイ基板には薄膜トランジスタとゲート駆動回路とが設けられており、前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子が前記薄膜トランジスタの出力端子に対応して配置され、前記薄膜トランジスタの出力端子に対応する第1の金属層と前記ゲート駆動回路のトリガ信号入力端子に対応する第2の金属層との間に第1の絶縁層が設けられ、前記第1の絶縁層での前記第1の金属層の投影領域が、前記第1の絶縁層での前記第2の金属層の投影領域と部分的に重複する。本実施例において、第1の金属層内の第1の金属電極と第2の金属層内の第2の金属電極の対応する位置をずらして配置することにより、前記第1の絶縁層において、前記第1の金属電極の投影領域は、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極の投影領域の何れとも重複領域を持つようにし、薄膜トランジスタの第1の金属層とゲート駆動回路の第2の金属層との間の正対面積を減少させるだけでなく、漏れ電流の伝送経路を増やし、薄膜トランジスタの電流漏れ状況をより精確に改善することができる。
第3の実施例
【0045】
上記の第1の実施例と第2の実施例とに基づいて、本願のアレイ基板の第3の実施例を提案する。
【0046】
なお、ゲート駆動回路が駆動回路を受信する具体的なプロセスとして、第4の金属層50の第4の金属電極501と第3の金属層40の第3の金属電極401との間を導通させてから、第2の金属層20の第2の金属電極201と第1の金属層10の第1の金属電極101との間を導通させて、駆動信号をフレーム開始信号線STV2から薄膜トランジスタTを介して前記ゲート駆動回路Gに入力する。
【0047】
本実施例において、アレイ基板には、薄膜トランジスタTとフレーム開始信号線STV2との間の第1の接続領域S1と、薄膜トランジスタTとゲート駆動回路Gとの間の第2の接続領域S2とが設けられている。第1の接続領域S1において、第1の金属層10と第2の金属層20とを、前記第1の絶縁層30での前記第1の金属層10の投影領域が、前記第1の絶縁層30での前記第2の金属層20の投影領域と部分的に重複するように、配置するとともに、第2の接続領域S2においても、前記第2の絶縁層での前記第3の金属層の投影領域が、前記第2の絶縁層での前記第4の金属層の投影領域と部分的に重複するように、配置することができる。第1の接続領域S1に、少なくとも2つの第1の金属電極101と少なくとも2つの第2の金属電極201とを配置し、前記第1の絶縁層において、前記第1の金属電極101の投影領域が、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極201の投影領域の何れとも重複領域を持つように配置するとともに、第1の接続領域S1に、少なくとも2つの第3の金属電極401と少なくとも2つの第4の金属電極501とを配置し、前記第2の絶縁層60において、前記第3の金属電極401の投影領域が、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第4の金属電極501の投影領域の何れとも重複領域を持つように配置することができる。
【0048】
また、上記第1の接続領域S1と第2の接続領域S2での2種類の電極層又は電極の配置方法に加えて、第2の接続領域S2における前記第1の金属層10を、少なくとも2つの第1の金属電極101として設け、前記第2の金属層20を、少なくとも2つの第2の金属電極201として設け、前記第1の金属電極101は、前記第1の絶縁層30の下面に間隔をおいて配置され、前記第2の金属電極201は、前記第1の絶縁層(30)の上面に間隔をおいて配置され、前記第1の絶縁層30において、前記第1の金属電極101の投影領域が、対応する位置の互いに隣接する2つの前記第2の金属電極201の投影領域の何れとも重複領域を持つように配置してもよい。このとき、第1の接続領域S1部分に含まれる前記第3の金属層40と前記第4の金属層50との間に第2の絶縁層60が設けられ、前記第2の絶縁層60での前記第3の金属層40の投影領域が、前記第2の絶縁層60での前記第4の金属層50の投影領域と部分的に重複する。同様に、第2の接続領域S2の前記第1の絶縁層30での前記第1の金属層10の投影領域が、前記第1の絶縁層30での前記第2の金属層20の投影領域と部分的に重複するように配置し、第1の接続領域S1の前記第2の絶縁層60での前記第3の金属層40の投影領域が、前記第2の絶縁層60での前記第4の金属層50の投影領域と部分的に重複するように配置してもよい。
【0049】
なお、本実施例において、第1の接続領域S1及び第2の接続領域S2においては、対応する第1の金属層10、第2の金属層20、第3の金属層40及び第4の金属層50を、いずれも複数金属電極構造として設けることが可能である。
図11、
図12及び
図13を参照し、
図11において、第1の接続領域S1の第1の金属層10及び第2の金属層20と、第2の接続領域S2の第3の金属層40及び第4の金属層50とに、いずれも2つの金属電極を設け、
図12において、第1の接続領域S1の第1の金属層10及び第2の金属層20と、第2の接続領域S2の第3の金属層40及び第4の金属層50とに、いずれも3つの金属電極を設け、
図13において、第1の接続領域S1の第1の金属層10及び第2の金属層20と、第2の接続領域S2の第3の金属層40及び第4の金属層50とに、いずれも4つの金属電極を設けている。
【0050】
本実施例において、第1の接続領域S1と第2の接続領域S2における金属層に、異なる数の金属電極の数を設けてもよい。例えば、第1の接続領域S1の第1の金属層10及び第2の金属層20に2つの金属電極を設け、第2の接続領域S2の第3の金属層40及び第4の金属層50に3つの金属電極を設け、本明細書では、第1の接続領域S1及び第2の接続領域S2における金属層に設ける金属電極数の組み合わせについては説明を省く。
【0051】
図14を参照し、本実施例において、前記アレイ基板に複数の前記薄膜トランジスタTが設けられており、各薄膜トランジスタTの出力端子は、対応する位置の前記ゲート駆動回路Gのトリガ信号入力端子にそれぞれ対応して設けられている。
【0052】
なお、
図14を参照して、表示ディスプレイの切断しようとする位置を決定する際には、表示ディスプレイの切断しようとする位置に前記薄膜トランジスタを設けてから、フレーム開始信号線STV2を前記薄膜トランジスタTの一端に接続し、切断位置に対応するゲート駆動回路を薄膜トランジスタTの他端に接続してもよい。もちろん、前記薄膜トランジスタの具体的な数は、表示ディスプレイを切断する必要のある具体的な回数に応じて決定されてもよい。例えば、当該表示ディスプレイを2回切断する必要がある場合、前記薄膜トランジスタを2つ設ける必要があり、当該表示ディスプレイを3回切断する必要がある場合、前記薄膜トランジスタを3つ設ける必要がある。もちろん、薄膜トランジスタの数をRGBアレイ層の数と同じにして、ディスプレイの任意の位置からの切断を実現できるようにしてもよい。ここで、各薄膜トランジスタとゲート駆動回路との接続部の構造、及びSTV線との接続部の構造は、上記の構造を参照することができるので、ここでは説明を省く。
【0053】
本実施例において、アレイ基板が提供される。アレイ基板に設けられた薄膜トランジスタの両端を全て、上記の電極層構造又は電極構造とすることにより、薄膜トランジスタとフレーム開始信号線との間の第1の接続領域S1と、薄膜トランジスタとゲート駆動回路との間の第2の接続領域との二つの領域からの、薄膜トランジスタの電流漏れを効果的に防ぐことができる。
【0054】
また、本願の実施例は表示パネルをさらに提案する。
図15を参照し、
図15は本願の表示パネル実施例の構造模式図である。前記表示パネルは、前記アレイ基板70と、前記アレイ基板70に対向して設置されたカラーフィルム基板90と、前記アレイ基板70とカラーフィルム基板90との間に挟まれて設けられた液晶層80とを含む。
【0055】
また、本願の実施例は表示装置をさらに提案する。
図16を参照し、
図16は本願の表示装置実施例の構造模式図である。前記表示装置は、上記の表示パネル100とバックライトモジュール110とを含み、前記バックライトモジュール110は前記表示パネル100の背面に設置されて前記表示パネル100にバックライト光源を提供する。
【0056】
本ディスプレイは上記全ての実施例の全ての技術案を採用したので、少なくとも上記実施例の技術案がもたらす全ての有益効果を有し、ここでは説明を省く。
【0057】
以上は本願の好ましい実施例にすぎず、それにより本願の保護範囲を制限するわけではない。本願の明細書及び図面の内容を利用してなされた均等構造或いは均等プロセス変換、或いは直接又は間接的な他の関連する技術分野への応用は、同じ理由で本願の特許の保護範囲に含まれる。
【0058】
説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得られる全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0059】
本願実施例での全ての方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後...)は、当該方向性指示はある特定の姿勢(添付図面に示す)における各部品間の相対的位置関係、移動状況等を説明するためだけに用いられるのであって、もし当該特定の姿勢が変わる場合、当該方向性指示もそれに応じて変わることは、説明しておく必要がある。
【0060】
また、本願実施例において「第一」、「第二」等に係る説明は説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、各実施例の技術案は互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその前提である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず、且つ本願が請求する保護範囲にないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0061】
10 第1の金属層
20 第2の金属層
30 第1の絶縁層
101 第1の金属電極
201 第2の金属電極
S1 第1の接続領域
S2 第2の接続領域
G ゲート駆動回路
L 走査線
A ノイズ低減チップ
IN 開始信号入力端子
T 薄膜トランジスタ
P 画素ユニット
Q ゲート駆動回路信号入力端子
STV1、STV2 フレーム開始信号線
40 第3の金属層
50 第4の金属層
60 第2の絶縁層
401 第3の金属電極
501 第4の金属電極
70 アレイ基板
80 液晶層
90 カラーフィルム基板
100 表示パネル
110 バックライトモジュール
F 溶着点
CLK クロック信号入力端子
【国際調査報告】