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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】高用量薬剤送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/145 20060101AFI20241010BHJP
   A61M 31/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61M5/145 502
A61M31/00
A61M5/145 504
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525443
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2022080195
(87)【国際公開番号】W WO2023073168
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】PA202170524
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520217674
【氏名又は名称】バイオグライル アンパーツゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ニゴライ スケーク
(72)【発明者】
【氏名】カーステン リンハート
(72)【発明者】
【氏名】カミレ マイケン ドモング イーリクスン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク バング ミッケルセン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA02
4C066AA05
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC06
4C066DD02
4C066DD13
4C066EE04
4C066GG19
4C066HH08
(57)【要約】
高用量薬剤送達デバイスであって、第1の本体部と、第2の本体部と、第1の本体部内の内部チャンバと、高用量薬剤送達デバイスの中心軸線周りに第1の本体部又は第2の本体部のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させるように構成されたアクチュエータ機構と、内部チャンバに通じる第1の付着部と、第1の本体部若しくは第2の本体部が互いに対して回転する間に又は回転した後に、内部チャンバに圧力をかけるように構成されたインジェクタ機構と、を備える、高用量薬剤送達デバイス。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高用量薬剤送達デバイスであって、
第1の本体部と、
第2の本体部と、
前記第1の本体部内の内部チャンバと、
前記高用量薬剤送達デバイスの中心軸線周りに前記第1の本体部又は前記第2の本体部のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させるように構成されたアクチュエータ機構と、
前記内部チャンバに通じる第1の付着部と、
前記第1の本体部又は前記第2の本体部が互いに対して回転する間に又は回転した後に、前記内部チャンバに圧力をかけるように構成されたインジェクタ機構と、
を備える、高用量薬剤送達デバイス。
【請求項2】
前記インジェクタ機構は、膨潤性ポリマーを含む、請求項1に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項3】
前記インジェクタ機構は、膨張性気体を含む、請求項1から2のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項4】
前記インジェクタ機構は、破壊可能シールを備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項5】
前記インジェクタ機構は、第2の構成要素から分離された第1の構成要素を備え、前記回転は、膨張性気体を形成するように前記第1の構成要素を前記第2の構成要素と相互作用させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項6】
前記第1の構成要素は、pH解放可能プラグを介して前記第2の構成要素から分離されている、請求項5に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項7】
前記インジェクタ機構は、容器を穿孔するように構成されたスパイクを備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項8】
前記インジェクタ機構は、圧縮ばねを備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項9】
前記内部チャンバは、前記回転前に加圧下にある、請求項1から8のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項10】
前記第1の付着部は、前記内部チャンバ及び前記第1の付着部の外面を流体的に接続している流路を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項11】
前記内部チャンバは、少なくとも5μLの容積を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項12】
前記内部チャンバは、少なくとも1mLの容積を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項13】
前記内部チャンバは、有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成されている、請求項1から12のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項14】
前記有効薬剤物質は、固体の棒である、請求項13に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項15】
前記有効薬剤物質は、液体及び/又は懸濁液である、請求項13又は請求項14に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【請求項16】
前記内部チャンバは、1μg~500mgの前記有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成されている、請求項13~15のいずれか1項に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、薬剤送達デバイスに関し、特に、経口投与用の薬剤送達デバイスに関する。薬剤送達デバイスは、胃並びに/又は小腸及び/若しくは大腸(結腸)などの腸を含む胃腸管に有効薬剤物質を送達するように有利に構成されている。
【0002】
現在、例えば、多数の低透過性及び/又は低水溶性の有効薬剤物質が送達されている、すなわち、皮下ルート、皮内ルート、筋内ルート、直腸ルート、膣ルート、又は静脈ルートによって送達されている。経口投与は、患者に最も広く受け入れられる可能性があり、したがって、好ましい経口ルートの投与を通じて低透過性及び/又は低水溶性の有効薬剤物質を送達する試みが行われているが、特に、安定性が欠如していて、胃腸管からの吸収が限定的であることにより、成功は限定的となっている。
【0003】
安定性は、送達デバイスの製造及び貯蔵中における有効薬剤物質の安定性、並びに有効薬剤物質が吸収に利用可能となる前における胃腸管で通過中の有効薬剤物質の安定性の両方に関する。
【0004】
限定的な胃腸の吸収は、有効薬剤物質の低透過性により、経口投与後に有効薬剤物質が吸収されるのを妨げる胃腸壁バリアによるものであって、当該低透過性は、例えば、全身前代謝、サイズ、及び/若しくは服用量によるもの、並びに/又は有効薬剤物質の水溶性によるものである。
【0005】
これらの安定性及び吸収の課題を解決するための複数の手法が提案されているが、課題に対する効果的なソリューションは未解決のままである。
【発明の概要】
【0006】
したがって、胃腸組織で吸収される薬剤物質を送達できる薬剤送達デバイスを提供する要望はまだ満たされていない。より概略的には、医薬品が患者に経口で投与される場合に薬剤送達の向上を可能にする医薬品及び方法に対する要望が依然として存在している。
【0007】
高用量薬剤送達デバイスの例が本明細書で開示される。高用量薬剤送達デバイスは、第1の本体部を備える。高用量薬剤送達デバイスは、第2の本体部を備える。高用量薬剤送達デバイスは、内部チャンバを備える。内部チャンバは、第1の本体部内にあり得る。高用量薬剤送達デバイスは、アクチュエータ機構を備える。アクチュエータ機構は、高用量薬剤送達デバイスの中心軸線周りに第1の本体部又は第2の本体部のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させるように構成され得る。高用量薬剤送達デバイスは、第1の付着部を備える。第1の付着部は、内部チャンバに通じ得る。高用量薬剤送達デバイスは、インジェクタ機構を備える。インジェクタ機構は、第1の本体部若しくは第2の本体部が互いに対して回転する間に又は回転した後に、内部チャンバに圧力をかけるように構成され得る。
【0008】
本開示の利点は、高用量薬剤送達デバイスが、胃腸管で通過中の有効薬剤物質の安定性を保証し、経口投与後における胃腸管からの有効薬剤物質の効果的な吸収を容易にすることである。
【0009】
更に、本開示の利点は、高用量薬剤送達デバイスが、胃壁などの胃内壁及び/又は腸壁に対する高用量薬剤送達デバイスの有効な付着を提供することである。
【0010】
更に、本開示は、胃内組織内又は胃内組織における、低透過性の有効薬剤物質、高透過性の有効薬剤物質、低溶性の有効薬剤物質、及び高溶性の有効薬剤物質のうちの1つ以上に関する経口送達を有利に提供する。例えば、本開示は、低溶性で高透過性の有効薬剤物質、低溶性で低透過性の有効薬剤物質、及び/又は高溶性で低透過性の有効薬剤物質に関する経口送達を有利に提供し得る。更に、高用量薬剤送達デバイスは、液体の有効薬剤物質、半固体の有効薬剤物質、及び固体の有効薬剤物質のうちの1つ以上を有利に送達し得る。例えば、有効薬剤物質は、液体/半固体の媒介物(例えば、水、又は室温よりも高い温度であるが体温未満の温度において溶ける媒介物)において可溶性であり、混合され、及び/又は分散され得る。有効薬剤物質の液剤は、可溶性/濡れ性を改善し得る。
【0011】
高用量薬剤送達デバイスは、有効薬剤物質の急速送達を有利に提供し得る。更に、高用量薬剤送達デバイスは、有効薬剤物質の多くの有効搭載量を有利に保存及び/又は提供し得る。本開示の高用量薬剤送達デバイスは、有効薬剤物質の多くの有効搭載量を効果的に有利に送達し得る。高用量薬剤送達デバイスは、有効薬剤物質の分配の改善、及び有効薬剤物質のより急速な吸収、例えば、有効薬剤物質のより高い又はより長期の吸収を可能にし得る。
【0012】
高用量薬剤送達デバイスは、複数のタイプの投与及び/又はより多くの有効搭載量を有利に可能にし得る。例えば、高用量薬剤送達デバイスは、送達場所におけるpHを調整し得る。更に、高用量薬剤送達デバイスは、組織における有効薬剤物質の吸収及び/又は分配を容易にするための賦形剤を使用し得る。更に、高用量薬剤送達デバイスは、(マルチミリグラムなどの)高用量の有効薬剤物質及び(サブミリグラムなどの)低用量の有効薬剤物質のいずれか又は両方を有利に提供し得る。
【0013】
更に、高用量薬剤送達デバイスは、投与の場所における浸透の流れを張度により制御することを可能にし得る。
【0014】
更に、高用量薬剤送達デバイスは、張度、不快感、及び通常、注入に関連付けられる局所的な組織の損傷に関して高許容性を有利に可能にし、したがって、投与をより容易にし得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、その好ましい実施形態に関する、添付図面を参照した以下の詳細な説明によって当業者に容易に明らかになるであろう。
図1A図1Aは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図1B図1Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図2A図2Aは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図2B図2Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図3A図3Aは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図3B図3Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図3C図3Cは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図4A図4Aは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図4B図4Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図4C図4Cは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図5A図5Aは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図5B図5Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの概略図を示す。
図6図6は、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの一部の概略図を示す。
図7A図7Aは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの一部の概略図を示す。
図7B図7Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスの一部の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、関連する場合は図を参照して、様々な好ましい実施形態及び詳細が記載される。図は、縮尺通りに描かれていてもよく又は描かれていなくてもよく、同様の構造又は機能の要素は、図全体を通して同様の参照番号によって表されることに留意されたい。図は単に、実施形態及びそれに関連付けられる機能の説明を容易にすることを意図したものであることにも留意されたい。当該図は、本発明の網羅的な説明、又は本発明の範囲若しくは本発明の物理的外観の制限を意図したものではない。加えて、示される実施形態は、示される全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施形態と併せて記載される態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されるわけではなく、そのように示されていない場合又は明示的にそのように記載されていない場合であっても任意の他の実施形態で実施され得る。
【0017】
高用量薬剤送達デバイスの例が本明細書で開示される。高用量薬剤送達デバイスは、第1の本体部を備え得る。高用量薬剤送達デバイスは、第2の本体部を備え得る。高用量薬剤送達デバイスは、内部チャンバを備え得る。内部チャンバは、第1の本体部内にあり得る。高用量薬剤送達デバイスは、アクチュエータ機構を備え得る。アクチュエータ機構は、高用量薬剤送達デバイスの中心軸線周りに第1の本体部又は第2の本体部のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させるように構成され得る。高用量薬剤送達デバイスは、第1の付着部を備え得る。第1の付着部は、内部チャンバに通じ得る。高用量薬剤送達デバイスは、インジェクタ機構を備え得る。インジェクタ機構は、第1の本体部若しくは第2の本体部が互いに対して回転する間に又は回転した後に、内部チャンバに圧力をかけるように構成され得る。
【0018】
本明細書で述べられるように、高用量薬剤送達デバイス及び薬剤送達デバイスという用語は交換可能に使用され得る。
【0019】
薬剤送達デバイスは、経口投与用に医薬組成物に対して適合するように設計されたサイズ及び外形を有し得る。
【0020】
薬剤送達デバイス/医薬組成物は、口の開口を介して体内に取り込まれるように構成され得る。したがって、薬剤送達デバイス/医薬組成物の外寸は、ユーザが飲み込むのに充分小型であり得る。薬剤送達デバイスは、消化系を介してユーザの体内に薬剤物質を搬送するように構成され得、その結果、薬剤送達デバイスは、例えば、食道を介してユーザの口から胃内に移動し得る。薬剤送達デバイスは更に、胃から腸内に移動し得、任意選択的に、内臓内に移動して直腸を通じて出て行き得る。
【0021】
薬剤送達デバイスは、ユーザの消化系の任意の部分に薬剤を送達するように構成され得、ここで、一例では、薬剤送達デバイスは、ユーザの胃内に薬剤物質を送達するように構成され得る。別の例では、薬剤送達デバイスは、デバイスが胃を通過してユーザの腸に入ったときに薬剤送達を開始するように構成され得る。換言すれば、薬剤送達デバイスは、例えば、有効薬剤物質の所望の放出位置に応じて、胃の壁又は腸の壁に付着するように構成され得る。
【0022】
薬剤送達デバイスの付着部は、胃腸管の内面内層と相互作用するように構成され得、その結果、薬剤送達デバイスは、例えば、胃の内面(粘膜)、又は代替的には腸の粘膜に付着し得る。付着部は、例えば、ユーザの体内に薬剤送達デバイスを、例えば、ある期間、固定又は付着させるために、粘膜と相互作用するように構成され得る。薬剤送達デバイスを付着させることによって、薬剤送達デバイスは、ユーザの体に薬剤物質を提供するために消化系の一部に薬剤物質が送達されることを可能にする。付着部は、例えば、胃腸管壁内に薬剤物質を注入するために、粘膜と相互作用するように構成され得る。
【0023】
薬剤送達デバイスは、任意選択的に薬剤送達デバイスの第1の端から第2の端まで延びる中心軸線を有する。薬剤送達デバイスは、3mmから35mmまでの範囲、例えば、5mmから26mmまでの範囲の長さ(例えば、中心軸線に沿った第1の端から第2の端までの最大の延び)を有し得る。薬剤送達デバイスは、細長いものであり得る。
【0024】
薬剤送達デバイスは、1mmから20mmまでの範囲の幅及び/又は高さ(例えば、幅の軸線及び高さの軸線それぞれに沿った最大の延び)を有し得る。高さ及び幅は、中心軸線に対して垂直である薬剤送達デバイスの最大の延びである。
【0025】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、少なくとも、第1の付着部及び/又は第2の付着部の作動前における初期状態又は第1の状態で、薬剤送達デバイスの寸法は、長さ(中心軸線に沿った最大の延び)、幅(中心軸線に対して垂直である幅の軸線に沿った最大の延び)、並びに高さ(中心軸線及び幅の軸線に対して垂直である高さの軸線に沿った最大の延び)によって表され得る。薬剤送達デバイスの高さは、1mmから15mmまでの範囲内であり得る。薬剤送達デバイスの幅は、1mmから15mmまでの範囲内であり得る。
【0026】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、内部組織又は内面に有効搭載量又は有効薬剤物質を送達して血管を通じて被験者に有効薬剤物質を分配するために薬剤送達部を固定するように構築され得る。
【0027】
患者の腸壁における特定の場所に対して、薬剤送達デバイスは有利に付着し得、有効薬剤物質を送達し得る。もちろん、他の位置に対しても同様に、送達デバイスは付着し得、有効薬剤物質を送達し得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、スパイクなどの薬剤送達デバイスは、粘膜筋板を貫通し得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、スパイクなどの薬剤送達デバイスは、筋層を貫通しない場合がある。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、スパイクは、粘膜下層に位置し得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、スパイクは、粘膜下層において、消化器官の壁に対して平行に位置し得る。
【0028】
薬剤送達デバイスは、第1の本体部を備える。第1の本体部は、2部品の本体部であり得る、すなわち、第1の本体部は、第1の1次本体部と第1の2次本体部とを備え得る。第1の本体部は、外面を有する。第1の1次凹部及び/又は第1の2次凹部は、第1の本体部の外面に形成され得る。
【0029】
薬剤送達デバイスは、任意選択的に、第1のシェル部を有するシェルを備える。第1の本体部の外面は、第1のシェル部の少なくとも一部を構成し得る。
【0030】
薬剤送達デバイスは、第1の付着部を備える。第1の付着部は、第1のベース部及び/又は第1の針、例えば、スパイクを備え得る。第1の付着部は、第1の近位端と第1の遠位端とを有する。第1の針又はスパイクなどの第1の付着部は、任意選択的に、第1の付着軸線を有するか、又は第1の付着軸線に沿って延びている。第1の針の第1の先端は、第1の遠位端を形成している。換言すれば、第1の遠位端は、第1の針の第1の先端である。第1のベースは、第1の付着部の第1の近位端に配置され得るか、又は当該第1の近位端を構成し得る。第1の針は、1mmから15mmまでの範囲、例えば、3mmから10mmまでの範囲の長さを有し得る。それによって、内部組織の損傷のリスクを同時に低減しつつ、内部組織内への充分な貫通が提供され得る。第1の付着部の第1の遠位端には、生物組織を貫通するように構成された先端が設けられ得る。第1の付着部の第1の遠位端には、生物組織を把持するように構成された把持部が設けられ得る。
【0031】
第1の針は、0.1mmから5mmまでの範囲、例えば、0.5mmから2.0mmまでの範囲における断面の直径を有し得る。
【0032】
第1の針は、直線及び/又は曲線であり得る。第1の針は、直線である第1の1次区間を備え得る。第1の針は、例えば、第1の1次区間と第1の遠位端との間、又は第1のベースと第1の1次区間との間に第1の2次区間を備え得る。第1の2次区間は、曲線であり得る。
【0033】
第1の針は、ある角度をなして形成された2つ以上の直線部を含み得る。例えば、第1の針は、接続点から薬剤送達デバイスへ第1の角度で延びている近位部と、接続点から薬剤送達デバイスへ第2の角度で延びている遠位部と、を有し得る。第1の角度及び第2の角度は異なり得る。近位部は、接合部(例えば、湾曲部、接続部、角)で遠位部に接続して、近位部及び遠位部間で接合角を有し得る。接合角は、鋭角、鈍角、又は直角であり得る。角度は、例えば、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、120度、130度、140度、150度、160度、又は170度であり得る。これは、第1の針が内面内層と相互作用するときに、異なる角度の付着を有利に可能にし得る。これは、組織損傷を低減又は回避するのに役立ちつつ、薬剤送達デバイスの付着の改善を可能にし得る。更に、接合部は、フレキシブルであり得る。代替的に、接合部は、フレキシブルでなくてもよい。
【0034】
接合部は、第1の針の長さの中心又は略中心に位置し得る。代替的に、接合部は、近位端から第1の針の長さの40%、45%、55%、60%、又は65%上に位置し得る。
【0035】
1つ以上の好ましい第1の付着部では、第1の針は、異なる角度で3つ、4つ、又は5つの異なる部分を有し、各々、接合部によって接続され得る。一部の反復において、異なる部分のうちのいずれか又は全ては、直線又は曲線であり得る。各接合部は、フレキシブルであってもよく、又はフレキシブルでなくてもよい。
【0036】
薬剤送達デバイスの付着部は、人間又は動物の体の胃壁、内臓及び/又は腸の壁などの生物組織に薬剤送達デバイスを付着させることが可能であり得る任意の種類の付着部と見なされ得る。付着部は、薬剤送達デバイスの中心軸線及び/又は第1の付着部の中心軸線から離れる方向に延びるように構成され得る。これは、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態又は第2の状態で、付着部は、付着部が本体部の外周面又は外面よりも径方向に離れて延びるように、第1の本体部及び/又は第2の本体部の外周面から(径方向に)離れる方向に延び得ることを意味し得る。
【0037】
第1の付着部は、第1の本体部に対して固定され得るか又は回転式に取り付けられ得る。
【0038】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、第2の本体部を備える。第2の本体部は、2部品の本体部であり得る、すなわち、第2の本体部は、第2の1次本体部と第2の2次本体部とを備え得る。第2の付着部は、任意選択的に、第2の本体部に取り付けられる。第2の付着部は、第2の本体部に対して固定され得るか又は回転式に取り付けられ得る。第2の本体部は、外面を有する。第2の1次凹部及び/又は第2の2次凹部は、第2の本体部の外面に形成され得る。
【0039】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、エネルギーを蓄えるように構成されている。例えば、アクチュエータ機構は、ポテンシャルエネルギー、発泡エネルギーを含む化学ポテンシャルエネルギー、ばねエネルギー、弾性ポテンシャルエネルギー、電気ポテンシャルエネルギー、重力ポテンシャルエネルギー、熱エネルギー、並びに圧縮空気及び/又は膨張ポリマーなどによる圧縮エネルギーのうちの1つ以上を蓄えるように構成され得る。蓄えられるエネルギーの特定のタイプは、限定的なものではない。
【0040】
アクチュエータ機構は、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに、解放、排出、取り出し、変更などの変換を行うように構成され得る。例えば、アクチュエータ機構は、第1の本体部又は第2の本体部の移動を介して、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。アクチュエータ機構は、第1の本体部及び/又は第2の本体部の互いに対する移動を介して、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。アクチュエータ機構は、第1の本体部及び/又は第2の本体部の互いに対する回転移動を介して、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。アクチュエータ機構は、第1の本体部及び/又は第2の本体部の互いに対する並進移動を介して、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。例えば、第1の本体部は、第2の本体部から離れる方向に移動し得、これにより、付着部は、組織内に押し込まれ得る。アクチュエータ機構は、第1の本体部及び/又は第2の本体部の互いに対する並進移動及び回転移動を介して、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。
【0041】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、高用量薬剤送達デバイスの中心軸線周りに第1の本体部又は第2の本体部のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させるように構成されている。
【0042】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、第1の本体部及び第2の本体部の並進移動、例えば、長手方向の移動は、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。
【0043】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、第1の本体部からの第2の本体部の解放は、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。
【0044】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、第1の本体部又は第2の本体部のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させることによって、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。
【0045】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、第1の本体部及び/又は第2の本体部を互いに対して回転させるように構成され得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、薬剤送達デバイスの1次軸線周りに第2の本体部に対して第1の本体部を回転させるように構成されている。1次軸線は、中心軸線と平行であり得、及び/又は中心軸線と一致し得る。代替的に、又はそれと共に、アクチュエータ機構は、第2の本体部に対して第1の本体部を非回転式に移動させるように構成され得る。
【0046】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体部は、第1の方向に回転するように構成されており、及び/又は第2の本体部は、第1の方向と反対の第2の方向に回転するように構成されている。例えば、これは、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換することにより生じ得る。
【0047】
薬剤送達デバイスは、フレーム部を備え得、ここで、第1の本体部及び/又は第2の本体部などの異なる部分は、フレーム部に取り付けられている、例えば、固定されているか又は回転式に取り付けられている。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構又はその一部は、フレーム部に取り付けられ得る。それによって、フレーム部に対する第1の本体部及び第2の本体部の別々の回転が提供され得る。
【0048】
第1の本体部と第2の本体部との間の回転接続により、付着部が粘膜などの内部組織と相互作用する前に2つの部分が互いに分離することなく、第1の本体部は、第2の本体部に対して回転することができる。このような接続は、複数の方法で得ることができ、一例では、第1の本体部は、プラグ接続を有し、第2の本体部は、ソケット接続を有し、ここで、このプラグ及びソケット構成により、第1の本体部は、第2の本体部に対して回転することができる。第2の例は、中心軸線及び/又は1次軸線と同軸であり得る軸を提供することであり得、ここで、第1の本体部及び第2の本体部は、軸を受け入れるように構成されており、停止デバイスは、組み合わされた第1及び第2の本体部の各側において軸の第1及び第2の端に配置されており、第1の本体部及び第2の本体部が軸に沿って長手方向にスライドすることを防止する。軸は、第1の本体部又は第2の本体部に組み込まれ得る。
【0049】
軸が使用された場合、軸は、任意の数の異なる材料で作られ得る。例えば、軸は、金属及び/若しくは合金、及び/若しくはポリマー及び/若しくは合成物、並びに/又はそれらの合成物及び/若しくは組み合わせで作られ得る。
【0050】
第1及び/又は第2の本体部は、少なくとも第2の状態で互いに対して自由に回転するように配置され得、それによって、付着部は、互いに対して回転することができる。したがって、付着部は、胃腸管の組織に接触した状態となり及び/又は当該組織を貫通するように構成され得る。弾力を使用した互いに対する本体部の回転により、胃又は腸などの胃腸管内のある場所に薬剤送達デバイスを固定するために、付着部が、例えば、粘膜を貫通するか又はつまむことができるように、付着部が移動し得る。貫通する力及び/又はつまむ力は、アクチュエータ機構/弾性部から生じ得、ここで、弾性部は、弾性部の弾力が少なくとも部分的に解放されたときに互いに対して付着部を押し込むことができる弾力を蓄えるように構成され得る。弾性部は、例えば、ばね又はばね要素、例えば、ねじりばね又はぜんまいばねの形態であり得、ここで、ばねは、機械エネルギーを蓄えるように巻き付けられ得、機械エネルギーは、第1及び/又は第2の本体部に伝達され得る。機械エネルギーが解放されると、第1の本体部は、第2の本体部に対して回転し得、ここで、機械エネルギーは、本体部を介して付着部に伝達され得る。
【0051】
本明細書の文脈内で、「回転力」という用語は、トルク、モーメント、力のモーメント、回転力、又は「回転効果」と見なされ得る。「回転力」という用語の別の定義は、力の大きさ、及び回転の軸線から力の作用線までの垂直距離の積であり得る。回転力は、本体部を介して弾性部から薬剤送達デバイスの付着部材へ伝達される力と見なされ得る。
【0052】
回転力などの運動エネルギーへの変換は、胃腸組織内に貫通するのに充分大きいものとして定められ得る。回転力が第1及び第2の本体部の両方にかけられると、第1の付着部材は、付着する面に接触した状態となり得、ここで、第2の本体部にかけられる回転力により、第2の付着部は、同じ面に接触した状態となって、ここで、第1の付着部は、ある力を提供する一方、第2の付着部は、第1の付着部に対して反対の力を提供し、その結果、第1の付着部が第2の付着部に向かう方向に押し込まれるか、逆も同様となるように力がかけられる。並進力も同様に使用され得る。
【0053】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部の第1の付着軸線と1次軸線との間の距離は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態又は第2の状態、及び任意選択的に薬剤送達デバイスの初期状態で、0.5mmよりも大きい。
【0054】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の付着部の第2の付着軸線と1次軸線との間の距離は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態又は第2の状態、及び任意選択的に薬剤送達デバイスの初期状態で、0.5mmよりも大きい。
【0055】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部は、例えば、第1の回転軸線を有する第1の接合接続部を介して第1の本体部に対して回転式に取り付けられている。換言すれば、第1の付着部は任意選択的に、例えば、第1の本体部に対して第1の回転軸線周りに回転するように構成される。第1の回転軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して平行であり得る。第1の回転軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して第1の角度を形成し得る。第1の角度は、15°未満であり得る。第1の角度は、75°から105°までの範囲、例えば、90°±5°又は90°であり得る。
【0056】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体部は、第1の本体部の外面に延びている第1の本体凹部(例えば、キャビティ、スロット、穴)を定め得る。第1の本体凹部は、開放している最外面を除いた全ての側面における中実の壁によって形成され得る。第1の付着部は、第1の付着部軸線に沿って第1の本体凹部内で回転式に接続され得る。第1の付着部軸線は、例えば、ピン(例えば、アーム、サポート)であり得る。第1の付着部軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して平行であり得る。第1の付着部軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して角をなし得る。したがって、第1の付着部は、第1の付着部軸線に沿って凹部内で回転するように構成され得る。更に、第1の付着部の回転は、凹部の端面で停止し得る。
【0057】
第1の本体凹部は、第1の本体の外面の一部に沿って延び得る。第1の本体凹部は完全に、第1の本体の外周に沿って延び得る。第1の本体凹部は、第1の本体の外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%で延び得る。第1の本体凹部は、第1の本体の外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%を超えて延び得る。第1の本体凹部は、第1の本体の外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%未満で延び得る。第1の本体は、任意選択的に、例えば、第1の本体において使用される複数の第1の付着部に関する複数の第1の本体凹部を含み得る。複数の第1の本体凹部が使用される場合、それらは、長手方向に離隔し得、及び/又は周方向に離隔し得る。
【0058】
第1の本体凹部は、薬剤送達デバイスの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%を貫いて外面から中心軸線に向けて延び得る。第1の本体凹部は、薬剤送達デバイスの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%を超えて貫いて外面から中心軸線に向けて延び得る。第1の本体凹部は、薬剤送達デバイスの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%未満で貫いて外面から中心軸線に向けて延び得る。
【0059】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体凹部は、中心軸線が長手方向である第1の本体の周りで周方向に又は部分的に周方向に延び得る。第1の本体凹部は、中心軸線及び/又は1次アクセスに対して垂直に延び得る(例えば、中心軸線及び/又は1次アクセスに対して垂直な薬剤送達デバイスの断面に沿って延び得る)。第1の本体凹部は、任意の数の形状を有し得る。例えば、第1の本体凹部は、半円などの円の一部であり得る。第1の本体凹部は、三角形であり得る。第1の本体凹部は、円の扇形であり得る。第1の本体凹部は、2つの直線の縁によって接続された曲線の縁であり得る。第1の本体凹部は、2つの直線の縁によって互いに接続された2つの曲線の縁であり得る。
【0060】
したがって、第1の付着部は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して垂直に移動するために第1の付着部軸線で回転し得る。特定の実施形態では、第1の付着部は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して垂直と平行との間の角度で回転し得る。
【0061】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体部及び/又は第2の本体部が互いに対して回転すると、第1の本体部及び/又は第2の本体部の回転により、第1の付着部及び/又は第2の付着部は、それらそれぞれの凹部(例えば、第1の本体凹部及び第2の本体凹部)の外に回転し得る。次いで、第1の本体部及び/又は第2の本体部の回転の継続で、第1の付着部及び/又は第2の付着部に対して、組織を穿孔して所定位置に薬剤送達デバイスを維持させる。
【0062】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態、及び任意選択的に薬剤送達デバイスの初期状態で、第1の本体部から離れる方向に延びている。換言すれば、第1の針は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態、及び任意選択的に初期状態で、第1の本体部の外面から延び得る。別の表現では、第1の付着軸線は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態、及び任意選択的に薬剤送達デバイスの初期状態で、中心軸線及び/又は1次軸線に対して少なくとも45°の角度を形成し得る。ある方向に延びている付着部は、付着部/針部の近位端から付着部の遠位端への付着部の付着軸線に沿った方向のものとして理解されるべきである。
【0063】
第1の付着部は、薬剤送達デバイスの第1の状態で第1の1次方向に延び、薬剤送達デバイスの第2の状態で第1の2次方向に延び得る。第1の1次方向及び第1の2次方向は、少なくとも30°の角度を形成し得る。第1の1次方向は、中心軸線に対して平行又は実質的に平行であり得る。第1の1次方向は、中心軸線に対して60°未満の角度を形成し得る。第1の2次方向は、中心軸線に対して少なくとも60°、例えば、約90°の角度を形成し得る。第1の2次方向は、中心軸線に対して垂直であり得る。
【0064】
第1の付着部の第1の遠位端は、薬剤送達デバイスの第1の状態における第1の1次位置から第2の状態における第1の2次位置へ移動するか又は移動させられるように構成され得る。
【0065】
薬剤送達デバイスは、第2の付着部を備える。第2の付着部は、第2のベース部及び/又は第2の針、例えば、スパイクを備え得る。第2の付着部は、第2の近位端と第2の遠位端とを有する。第2の針などの第2の付着部は、任意選択的に、第2の付着軸線を有するか、又は第2の付着軸線に沿って延びている。第2の針の第2の先端は、第2の遠位端を形成している。換言すれば、第2の遠位端は、第2の針の第2の先端である。第2のベースは、第2の付着部の第2の近位端に配置され得るか、又は当該第2の近位端を構成し得る。第2の針は、1mmから15mmまでの範囲、例えば、3mmから10mmまでの範囲の長さを有し得る。それによって、内部組織の損傷のリスクを同時に低減しつつ、内部組織内への充分な貫通が提供され得る。第2の付着部の第2の遠位端には、生物組織を貫通するように構成された先端が設けられ得る。第2の付着部の第2の遠位端には、生物組織を把持するように構成された把持部が設けられ得る。
【0066】
第2の針は、0.1mmから5mmまでの範囲、例えば、0.5mmから2.0mmまでの範囲における断面の直径を有し得る。
【0067】
第2の針は、直線及び/又は曲線であり得る。第2の針は、直線である第2の1次区間を備え得る。第2の針は、例えば、第2の1次区間と第2の遠位端との間、又は第2のベースと第2の1次区間との間に第2の2次区間を備え得る。第2の2次区間は、曲線であり得る。
【0068】
第2の針は、ある角度をなして形成された2つ以上の直線部を含み得る。例えば、第2の針は、接続点から薬剤送達デバイスへ第1の角度で延びている近位部と、接続点から薬剤送達デバイスへ第2の角度で延びている遠位部と、を有し得る。第1の角度及び第2の角度は異なり得る。近位部は、接合部(例えば、湾曲部、接続部、角)で遠位部に接続して、近位部及び遠位部間で接合角を有し得る。接合角は、鋭角、鈍角、又は直角であり得る。角度は、例えば、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、120度、130度、140度、150度、160度、又は170度であり得る。これは、第2の針が内面内層と相互作用するときに、異なる角度の付着を有利に可能にし得る。これは、組織損傷を低減又は回避するのに役立ちつつ、薬剤送達デバイスの付着の改善を可能にし得る。更に、接合部は、フレキシブルであり得る。代替的に、接合部は、フレキシブルでなくてもよい。
【0069】
接合部は、第2の針の長さの中心又は略中心に位置し得る。代替的に、接合部は、近位端から第2の針の長さの40%、45%、55%、60%、又は65%上に位置し得る。
【0070】
1つ以上の好ましい第2の付着部では、第2の針は、異なる角度で3つ、4つ、又は5つの異なる部分を有し、各々、接合部によって接続され得る。一部の反復において、異なる部分のうちのいずれか又は全ては、直線又は曲線であり得る。各接合部は、フレキシブルであってもよく、又はフレキシブルでなくてもよい。
【0071】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の針及び第2の針の両方が接合部を含む。しかしながら、第1の針及び第2の針のうちの一方のみが接合部を含んで、他方は、直線及び/又は曲線であってもよい。第1の針及び第2の針の両方が接合部を含む場合、第1の遠位先端及び第2の遠位先端は、第1の本体部及び第2の本体部が互いに対して回転するときに付着を容易にするために互いに対して角をなし得る。
【0072】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の付着部は、例えば、第2の回転軸線を有する第2の接合接続部を介して第2の本体部に対して回転式に取り付けられている。換言すれば、第2の付着部は任意選択的に、例えば、第2の本体部に対して第2の回転軸線周りに回転するように構成される。第2の回転軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して平行であり得る。第2の回転軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して第2の角度を形成し得る。第2の角度は、15°未満であり得る。第2の角度は、75°から105°までの範囲、例えば、90°±5°又は90°であり得る。
【0073】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の本体部は、第2の本体部の外面に延びている第2の本体凹部(例えば、キャビティ、スロット、穴)を定め得る。第2の本体凹部は、開放している最外面を除いた全ての側面における中実の壁によって形成され得る。第2の付着部は、第2の付着部軸線に沿って第2の本体凹部内で回転式に接続され得る。第2の付着部軸線は、例えば、ピン(例えば、アーム、サポート)であり得る。第2の付着部軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して平行であり得る。第2の付着部軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して角をなし得る。したがって、第2の付着部は、第2の付着部軸線に沿って凹部内で回転するように構成され得る。更に、第2の付着部の回転は、第2の本体凹部の端面で停止し得る。
【0074】
第2の本体凹部は、第2の本体の外面の一部に沿って延び得る。第2の本体凹部は完全に、第2の本体の外周に沿って延び得る。第2の本体凹部は、第2の本体の外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%で延び得る。第2の本体凹部は、第2の本体の外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%を超えて延び得る。第2の本体凹部は、第2の本体の外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%未満で延び得る。第2の本体は、任意選択的に、例えば、第2の本体において使用される複数の第2の付着部に関する複数の第2の本体凹部を含み得る。複数の第2の本体凹部が使用される場合、それらは、長手方向に離隔し得、及び/又は周方向に離隔し得る。
【0075】
第2の本体凹部は、薬剤送達デバイスの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%を貫いて外面から中心軸線に向けて延び得る。第2の本体凹部は、薬剤送達デバイスの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%を超えて貫いて外面から中心軸線に向けて延び得る。第2の本体凹部は、薬剤送達デバイスの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%未満で貫いて外面から中心軸線に向けて延び得る。
【0076】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の本体凹部は、中心軸線が長手方向である第2の本体の周りで周方向に又は部分的に周方向に延び得る。第2の本体凹部は、中心軸線及び/又は1次アクセスに対して垂直に延び得る(例えば、中心軸線及び/又は1次アクセスに対して垂直な薬剤送達デバイスの断面に沿って延び得る)。第2の本体凹部は、任意の数の形状を有し得る。例えば、第2の本体凹部は、半円などの円の一部であり得る。第2の本体凹部は、三角形であり得る。第2の本体凹部は、円の扇形であり得る。第2の本体凹部は、2つの直線の縁によって接続された曲線の縁であり得る。第2の本体凹部は、2つの直線の縁によって互いに接続された2つの曲線の縁であり得る。
【0077】
したがって、第2の付着部は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して垂直に移動するために第2の付着部軸線で回転し得る。特定の実施形態では、第2の付着部は、中心軸線及び/又は1次軸線に対して垂直と平行との間の角度で回転し得る。
【0078】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体部及び/又は第2の本体部が互いに対して回転すると、第1の本体部及び/又は第2の本体部の回転により、第1の付着部及び/又は第2の付着部は、それらそれぞれの凹部(例えば、第1の本体凹部及び第2の本体凹部)の外に回転し得る。次いで、第1の本体部及び/又は第2の本体部の回転の継続で、第1の付着部及び/又は第2の付着部に対して、組織を穿孔して所定位置に薬剤送達デバイスを維持させる。
【0079】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の付着部は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態、及び任意選択的に薬剤送達デバイスの初期状態で、任意選択的に第2の本体部から離れる方向に延びている。換言すれば、第2の針は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態、及び任意選択的に初期状態で、第2の本体部の外面から延び得る。別の表現では、第2の付着軸線は、例えば、少なくとも薬剤送達デバイスの作動状態、及び任意選択的に薬剤送達デバイスの初期状態で、中心軸線及び/又は1次軸線に対して少なくとも45°の角度を形成し得る。
【0080】
第2の付着部は、薬剤送達デバイスの第1の状態で第2の1次方向に延び、薬剤送達デバイスの第2の状態で第2の2次方向に延び得る。第2の1次方向及び第2の2次方向は、少なくとも30°の角度を形成し得る。第2の1次方向は、中心軸線に対して平行又は実質的に平行であり得る。第2の1次方向は、中心軸線に対して60°未満の角度を形成し得る。第2の2次方向は、中心軸線に対して少なくとも60°、例えば、約90°の角度を形成し得る。第2の2次方向は、中心軸線に対して垂直であり得る。
【0081】
第2の付着部の第2の遠位端は、薬剤送達デバイスの第1の状態における第2の1次位置から第2の状態における第2の2次位置へ移動するか又は移動させられるように構成され得る。
【0082】
薬剤送達デバイスは、アクチュエータ機構を備える。アクチュエータ機構は、エネルギーを蓄えるように構成され得る。アクチュエータ機構は、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。例えば、アクチュエータ機構は、例えば、少なくとも、第1の回転及び任意選択的に第2の回転などにおける回転及び/又は並進の一部の間に、第2の付着部に対して第1の付着部を移動させるように構成されており、例えば、第2の遠位端に向けて及び/又は第2の遠位端から離れる方向に第1の遠位端を移動させるように構成されている。第2の遠位端に向けて第1の遠位端を移動させることは、第1の遠位端と第2の遠位端との間の距離を低減することとして理解され得る。第2の遠位端に向けて第1の遠位端を移動させることは、第1の付着軸線と第2の付着軸線との間の角度を低減すること、例えば、第1の付着部の第1の2次方向と第2の付着部の第2の2次方向との間の角度を低減することとして理解され得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、例えば、薬剤送達デバイスの第2の状態で第2の本体部に対して第1の本体部を回転させることによって、及び/又は逆も同様にして、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換して第2の遠位端に向けて第1の遠位端を移動させるように構成されている。アクチュエータ機構は、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換して1次軸線周りに第2の本体部に対して少なくとも90°、例えば、少なくとも450°、少なくとも810°、少なくとも1170°、少なくとも1530°、又は、更には少なくとも1890°、第1の本体部を回転させるように構成され得る。アクチュエータ機構は、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換して1次軸線周りに第2の本体部に対して第1の本体部を段階的な方法で回転させるように構成され得る。換言すれば、1次軸線周りに第2の本体部に対して第1の本体部を回転させることは、第1の回転及び第2の回転を含む複数の回転を含み得、例えば、第1の回転の後、低減された回転又は無回転を伴う第1の期間があり、その後、第2の回転がある。第1の回転に続く第1の期間後の第2の回転により、薬剤送達デバイスが生物組織に付着する可能性が増加し得る。回転間の第1の期間、又は概して期間により、薬剤送達は、胃腸管内の他の位置に移動することができる。換言すれば、薬剤送達が第1の回転中に生物組織に付着しない場合、更なる回転により、内部組織への付着の可能性が増加する。第1の回転は、少なくとも90°であり得、第2の回転は、少なくとも180°であり得る。複数の回転は、第3の回転を含み得る。第3の回転は、少なくとも180°であり得る。
【0083】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の遠位端から離れる第1の遠位端の移動は、第2の遠位端に向かう第1の遠位端の移動の前及び/又は後であり得る。換言すれば、第2の遠位端に向かう第1の遠位端の移動は、第2の遠位端から離れる第1の遠位端の移動の前及び/又は後であり得る。例えば、第1の回転は、第2の遠位端に向けて第1の遠位端を移動させること、及び/又は第2の遠位端から離れる方向に第1の遠位端を移動させることを含み得る。例えば、第2の回転は、第2の遠位端に向けて第1の遠位端を移動させること、及び/又は第2の遠位端から離れる方向に第1の遠位端を移動させることを含み得る。例えば、第3の回転は、第2の遠位端に向けて第1の遠位端を移動させること、及び/又は第2の遠位端から離れる方向に第1の遠位端を移動させることを含み得る。
【0084】
アクチュエータ機構は、任意選択的に、第1の本体部及び/又は第2の本体部に力をかけるように構成されたばね要素などの弾性部を備える。ばね要素は、弾性ポテンシャルエネルギーなどのエネルギーを蓄えるように構成され得る。弾性部は、第1の本体部に接続された、第1の端などの第1の部分を備え得る。弾性部は、第2の本体部に接続された、第2の端などの第2の部分を備え得る。
【0085】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、任意選択的に、例えば、複数部分の互いに対する回転を提供するために、膨潤媒体、すなわち、例えば、流体との接触時に自身の体積を増加させる媒体を含む。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、膨潤媒体は、第1の本体部に対する第1の付着部の回転を提供し、及び/又は第2の本体部に対する第2の付着部の回転を提供する。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、膨潤媒体は、第2の本体部に対する第1の本体部の回転を提供する。膨潤媒体は同様に、エネルギーを蓄えて、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。
【0086】
弾性部などのアクチュエータ機構は、例えば、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換する間、第1の本体部に対して第1の回転軸線周りに第1の付着部を回転させるように構成され得る。
【0087】
弾性部などのアクチュエータ機構は、例えば、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換する間、第2の本体部に対して第2の回転軸線周りに第2の付着部を回転させるように構成され得る。
【0088】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、内部チャンバ、例えば、区画、容器、空間、容積を含み得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、内部チャンバを備え、薬剤送達デバイスは、内部チャンバから薬剤送達デバイスの周囲に有効薬剤物質を送達するように構成されている。
【0089】
内部チャンバは、第1の本体部内にあり得る。内部チャンバは、第1の本体部内に配置され得る。内部チャンバは、第1の本体部内に位置し得る。内部チャンバは、第2の本体部内にあり得る。内部チャンバは、第2の本体部内に配置され得る。内部チャンバは、第2の本体部内に位置し得る。内部チャンバは、第1の本体部内及び第2の本体部内の両方に位置し得る。
【0090】
内部チャンバは、複数のチャンバであり得る。例えば、内部チャンバは、第1の内部チャンバ及び第2の内部チャンバであり得る。内部チャンバは、内部に他のチャンバ、例えば、1次チャンバ及び/又は2次チャンバを含み得る。内部チャンバは、異なるチャンバ、例えば、異なるチャンバ区間及び/又は異なるチャンバ部に分割され得る。
【0091】
内部チャンバは、容器を含み得るか、又は容器を含むように構成され得る。容器は、例えば、小袋、袋、バルーンなどであり得る。
【0092】
第1の針などの第1の付着部は、内部チャンバに対するアクセスを提供する1つ以上の開口部を有し得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、第1の針における貫通孔を介して薬剤送達デバイスの外部に接続されている。第1の付着部は、内部チャンバに通じ得る。第1の付着部は、内部チャンバに対して流体的に通じ得る。第1の付着部は、内部チャンバと薬剤送達デバイスの外側との間における流体的な接続を提供し得る。
【0093】
有効薬剤物質は、常に、流体、例えば、半流体及び/又は固体でなくてもよいため、第1の付着部は、有効薬剤物質が状態に関わらず第1の付着部を通過して薬剤送達デバイスを出て行くことを可能にするように内部チャンバに通じ得る。また、本明細書で述べられるような流体伝達により、薬剤送達デバイス内の固体若しくは半固体の有効薬剤物質又は他の物質は、内部チャンバから第1の付着部を通じて薬剤送達デバイスの外側に進むことを可能であり得る。
【0094】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、第1の付着部は、流路を含み得る。流路は、内部チャンバ及び第1の付着部の外面を流体的に接続し得る。第1の付着部は、内部チャンバ及び薬剤送達デバイスの外側を接続している、例えば、流体的に接続している、流路又は内腔、トンネルを含み得る。流路は、閉塞、例えば、封鎖、閉鎖され得る。これにより、内部チャンバと薬剤送達デバイスの外側との間の移動を防止することができる。例えば、流路は、ストッパなどの生分解性プラグによって閉塞され得る。付着部は、アクチュエータ機構による回転前において薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素によって閉塞され得る。例えば、第2の本体部に対する第1の本体部の回転により、内部チャンバと第1の付着部との間の流体伝達が開始され得る。流路は、第1の付着部の長さに沿って延び得る。第1の付着部は、開口部、例えば、第1の付着部内の流路につながるものを有し得る。
【0095】
第1の付着部は、薬剤送達デバイス内などの第1の本体部及び/又は第2の本体部内に位置している一部、例えば、端を有し得る。第1の付着部の一部は、穿孔縁又は切断縁などの縁を含み得る。縁は、第1の付着部の端であり得る。縁は、第1の付着部の端でなくてもよい。
【0096】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成され得る。薬剤送達デバイスは、有効薬剤物質を解放するために解放機構を使用し得る。
【0097】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、有効薬剤物質は、固体であり得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、有効薬剤物質は、固体の棒であり得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、有効薬剤物質は、液体であり得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、有効薬剤物質は、懸濁液であり得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、有効薬剤物質は、液体及び/又は懸濁液であり得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、有効薬剤物質は、ゲルであり得る。有効薬剤物質の特定のタイプ及び/又は状態は、限定的なものではない。
【0098】
内部チャンバは更に、有効薬剤物質と共に賦形剤を保持し得る。例えば、内部チャンバは、有効薬剤物質についての媒体などの媒介物として機能し得る有効物質を維持し得る。これにより、有効薬剤物質をより容易に送達することが可能であり得る。
【0099】
内部チャンバは更に、有効薬剤物質以外の物質を保持し得る。例えば、内部チャンバは、pHを変更するための物質を含み得る。
【0100】
例えば、内部チャンバは、有効薬剤物質を維持する第1の内部チャンバと、pHの緩衝剤又は溶液などのpH変更物質を維持する第2の内部チャンバと、を含み得る。これにより、任意の注入場所の周囲における微小環境のPHを制御することが可能であり得る。
【0101】
内部チャンバは、有効薬剤物質以外の物質を維持し得る。例えば、当該物質は、任意の注入場所の周囲における微小環境に影響を与え得る。異なる物質は、内部チャンバの異なるチャンバにおいて保持され得る。
【0102】
賦形剤及び/又はpH変更物質は、薬剤送達デバイスにおけるコーティングに含まれ得る。
【0103】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、1μg~500mgの有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成されている。例えば、内部チャンバは、少なくとも1μg、2μg、3μg、4μg、5μg、6μg、7μg、8μg、9μg、10μg、20μg、30μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、90μg、100μg、200μg、300μg、400μg、又は500μgを解放可能に保持又は維持するように構成され得る。内部チャンバは、少なくとも1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、200mg、300mg、400mg、又は500mgを解放可能に保持又は維持するように構成され得る。
【0104】
内部チャンバは、第1の本体部、第2の本体部、又は第1の本体部及び第2の本体部の両方の容積の内側にキャビティの形態などで薬剤送達デバイスの任意の部分に配置され得る。
【0105】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、薬剤送達デバイスの内側容積から薬剤送達デバイスの外側部分に向けて開放し得る。1つ以上の例では、内部チャンバは、第1の本体部の内側にあり得、ここで、内部チャンバは、第1の付着部に対して流体的に接続されており、その結果、第1の付着部の第1の遠位端が生物組織を貫通したときに、薬剤物質は、内部チャンバから第1の付着部を介して生物組織内に解放され得る。これは、第1の付着部が、薬剤送達デバイスの内部チャンバと流体的に通じている第1の遠位端を有する、流路を有するものなどの管状部分である場合であり得る。
【0106】
内部チャンバは、特定の容積を有し得る。例えば、内部チャンバは、1μL、2μL、3μL、4μL、5μL、6μL、7μL、8μL、9μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、又は100μLの容積を有し得る。内部チャンバは、少なくとも1μL、2μL、3μL、4μL、5μL、6μL、7μL、8μL、9μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、又は100μLの容積を有し得る。内部チャンバは、1μL、2μL、3μL、4μL、5μL、6μL、7μL、8μL、9μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、又は100μL未満の容積を有し得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、少なくとも5μLの容積を有し得る。
【0107】
内部チャンバは、0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、又は10mLの容積を有し得る。内部チャンバは、0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、又は10mL未満の容積を有し得る。内部チャンバは、0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、又は10mLを超える容積を有し得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、少なくとも1mLの容積を有し得る。
【0108】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、インジェクタなどのインジェクタ機構、及びインジェクタシステム、インジェクタデバイス、インジェクタ装置、注入機構を含み得る。インジェクタ機構は、内部チャンバに及び/又は内部チャンバ内に力をかけるように構成され得る。例えば、インジェクタ機構は、内部チャンバの外に物質を注入、例えば、排出、放出、強制排出するために使用され得る。例えば、インジェクタ機構は、第1の付着部を通じて内部チャンバの外に、そして薬剤送達デバイスの外に物質を注入し得る。インジェクタ機構は、第1の本体部若しくは第2の本体部が互いに対して回転する間に、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換する間に内部チャンバにおいて及び/又は内部チャンバ内で圧力をかけ、及び/又は生成するように構成され得る。インジェクタ機構は、第1の本体部若しくは第2の本体部が互いに対して回転した後に、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換した後に、内部チャンバに圧力をかけるように構成され得る。インジェクタ機構は、第1の本体部若しくは第2の本体部が互いに対して回転する前に、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換する前に、内部チャンバに圧力をかけるように構成され得る。インジェクタ機構は、第1の本体部若しくは第2の本体部が互いに対して回転するか、若しくは蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換する間に又はその後に、内部チャンバに圧縮力などの力をかけるように構成され得る。インジェクタ機構は、薬剤送達デバイスの1つ以上の構成要素を移動させるように構成され得る。
【0109】
薬剤送達デバイスは、解放機構を含み得る。薬剤送達デバイスは、解放機構を含まなくてもよい。インジェクタ機構は、解放機構とは別であり得る。インジェクタ機構は、解放機構であり得る。インジェクタ機構は、解放機構でなくてもよい。
【0110】
インジェクタ機構は、本明細書で述べられるものを含むがそれに限定されない多数の様々なタイプのインジェクタ機構のうちの1つであり得る。更に、インジェクタ機構は、以下のインジェクタ機構のうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。
【0111】
インジェクタ機構は、有効薬剤物質を迅速に注入するように構成され得る。例えば、インジェクタ機構は、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、又は10秒未満で有効薬剤物質を注入するように構成され得る。インジェクタ機構は、有効薬剤物質をゆっくりと注入するように構成され得る。例えば、インジェクタ機構は、1時間、1日、2日、3日、又はそれよりも長く有効薬剤物質を注入するように構成され得る。有効薬剤物質は、解放機構がトリガされると解放され得る。
【0112】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、膨潤性ポリマーであり得る。例えば、内部チャンバは、膨潤性ポリマーと有効薬剤物質とを含み得る。膨潤性ポリマーは、膨潤、例えば、膨張、増大、拡張するように構成され得る。膨潤性ポリマーは、液体などの特定の物質に接触すると膨潤するように構成され得る。例えば、膨潤性ポリマーを膨潤させ得る液体などの物質は、ユーザの胃又は腸からの液体であり得る。液体は、薬剤送達デバイスにおける別のチャンバから生じ得る。
【0113】
膨潤性ポリマーは、最大サイズまで直ちに膨潤するように構成され得る。膨潤性ポリマーは、特定の速度で膨潤するように構成され得る。例示的な膨潤性ポリマーは、ゲランガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン、ポリアクリル酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、キサンタンガム、ローカストビーンガム、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタクリル酸アンモニウムコポリマー(Eudragit RS)、エチルセルロース、ポリビニルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、トラガントガム、セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、及び微結晶セルロースのうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない。
【0114】
内部チャンバにおける膨潤性ポリマーの膨潤は、内部キャビティ内の圧力を増加させ得る。有効薬剤物質が、解放機構の開口部などを介して内部チャンバの外側の経路を有する場合、膨潤性ポリマーの膨潤によってもたらされる圧力により、有効薬剤物質は、薬剤送達デバイスの外側などへ内部チャンバを出て行くことが可能であり得る。例えば、有効薬剤物質が液体である場合、膨潤性ポリマーの膨潤は、液体を加圧状態にさせ得る。これはまた、半固体及び/又は固体の有効薬剤物質にも適用され得る。
【0115】
代替的に、膨潤性ポリマーは、内部チャンバの外に有効薬剤物質を移動させるために、有効薬剤物質と物理的に相互作用し得る程度まで膨潤し得る。
【0116】
有効薬剤物質は、小袋又は区画などの容器内に位置し得る。膨潤性ポリマーの膨潤は、有効薬剤物質を解放し得る穿孔構成要素、例えば、スパイク、針などに容器を押し動かし得る。穿孔構成要素及び容器は、解放機構と同様であると見なされ得る。
【0117】
膨潤性ポリマーは、内部チャンバ内にあり得る。膨潤性ポリマーは、例えば、膨潤性ポリマーによって及ぼされる力の下、膨張し得る膨張性容器内に位置し得る。
【0118】
膨潤性ポリマーは、第1の本体部が第2の本体部に対して回転するか、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換すると、膨潤を開始し得る。例えば、回転により、膨潤性ポリマーは、内部区画内に移動して、その結果、それが膨張し得ることが可能であり得る。回転により、液体は、膨潤性ポリマーと相互作用して、その結果、それが膨潤し始めることが可能であり得る。例えば、回転により、液体が薬剤送達デバイスに入って膨潤性ポリマーと相互作用する経路が開放され得る。
【0119】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、膨張性気体を含み得る。膨張性気体は、単一の気体であり得る。膨張性気体は、気体の混合物であり得る。膨張性気体は、直ちに膨張するように構成され得る。膨張性気体は、特定の速度で膨張するように構成され得る。内部チャンバにおける膨張性気体の膨張は、内部キャビティ内の圧力を増加させ得る。有効薬剤物質が、内部チャンバの外側の経路を有する場合、膨張性気体の膨張によってもたらされる圧力により、有効薬剤物質は、薬剤送達デバイスの外側などへ内部チャンバを出て行くことが可能であり得る。代替的に、膨張性気体は、内部チャンバの外に有効薬剤物質を移動させるために、有効薬剤物質と物理的に相互作用し得る程度まで膨張し得る。例示的な膨張性気体は、二酸化炭素、空気、ヘリウム、及び酸素のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない。
【0120】
例えば、膨張性気体は、内部チャンバ内の2次チャンバ内で封止され得る。2次チャンバは、特定の時間に、例えば、特定の時間後に分解されて膨張性気体を解放するように構成され得る。2次チャンバは、膨張性気体を加圧下で保持し得る。2次チャンバは、膨張性気体を加圧下で保持しなくてもよい。
【0121】
有効薬剤物質は、小袋又は区画などの容器内に位置し得る。膨張性気体の膨張は、有効薬剤物質を解放し得る穿孔構成要素、例えば、スパイク、針などに容器を押し動かし得る。これは、解放機構の例であり得る。
【0122】
膨張性気体は、内部チャンバ内にあり得る。膨張性気体は、例えば、膨潤性ポリマーによって及ぼされる力の下、膨張し得る膨張性容器内に位置し得る。これにより、内部チャンバ内の圧力が増加し得る。膨張性容器の当該膨張も、有効薬剤物質を維持している容器を穿孔構成要素に押し動かし得る。これは、解放機構の例であり得る。
【0123】
膨張性気体は、第1の本体部が第2の本体部に対して回転するか、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換すると、膨張を開始し得る。例えば、回転により、膨張性気体は、内部区画内に移動して、その結果、それが膨張し得ることが可能であり得る。回転により、膨張性気体を維持している容器が穿孔され得る。例えば、縁を有する第1の付着部は、容器を穿孔し得る。
【0124】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、第2の構成要素から分離された第1の構成要素を含み得る。回転、又は蓄えられたエネルギーの運動エネルギーへの変換により、第1の構成要素は、第2の構成要素と相互作用して膨張性気体を形成し得る。
【0125】
例えば、内部チャンバ又は第1の内部チャンバは、第1の気体又は第1の物質などの第1の構成要素を保持し得、2次チャンバ又は第2の内部チャンバは、第2の気体又は第2の物質などの第2の構成要素を保持し得る。第1及び第2の構成要素は分離され得る。2次チャンバ又は第2の内部チャンバから解放されると、第2の構成要素及び第1の構成要素は、膨張し得る膨張性気体の形成をもたらして相互作用し得る。例えば、回転、又は蓄えられたエネルギーの運動エネルギーへの変換により、流体接続流路が形成され得る。回転により、第1の内部チャンバ及び/又は2次チャンバ若しくは2次内部チャンバが破壊及び/又は穿孔され得る。回転により、第1の内部チャンバと2次内部チャンバとの間の経路が開かれ得る。
【0126】
一例として、内部チャンバは、2次チャンバから分離された1次チャンバを含み得る。1次チャンバは、有効薬剤物質を維持し得る。2次チャンバは、注入機構を維持し得る。例えば、2次チャンバは、加圧エアポケットを維持し得る。一旦2次チャンバから解放されると、加圧エアポケットは常に内部チャンバを加圧し得る。
【0127】
2次チャンバは、第1の構成要素及び第2の構成要素を別々に維持し得る。例えば、2次チャンバは、第1の2次チャンバ及び第2の2次チャンバに分割され得る。第1の2次チャンバは、クエン酸及び炭酸カルシウムの組み合わせなどの第1の構成要素を維持し得る。第2の2次チャンバは、水などの第2の構成要素を維持し得る。第1の構成要素は、第1の2次チャンバから第2の2次チャンバ内へ解放され得るか、逆も同様であり得、これにより、膨張性気体を形成する反応がもたらされ得る。次いで、膨張性気体は、2次チャンバから解放され得る。
【0128】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、第1の構成要素は、プラグ又はストッパを介して第2の構成要素から分離され得る。プラグは、pH解放可能プラグであり得る。プラグは、pH溶解性プラグであり得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、第1の構成要素は、pH解放可能プラグを介して第2の構成要素から分離されている。pH解放可能プラグは、特定の期間後に溶解し得る。
【0129】
解放可能プラグは、第2の構成要素が2次チャンバから解放されるのを阻止し得る。解放可能プラグは、2次チャンバを形成し得る。
【0130】
第1の構成要素は液体であり得、第2の構成要素は上述の膨潤性ポリマーであり得る。液体は、回転、又は蓄えられたエネルギーの運動エネルギーへの変換、次いで、これが膨潤性ポリマーの膨潤を可能にし得るまで、膨潤性ポリマーから分離され得る。
【0131】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、破壊可能シールを含み得る。破壊可能シールは同様に、上述のインジェクタ機構内に組み込まれ得る。破壊可能シールは、インジェクタ機構構成要素を含むように使用され得る。破壊可能シールは、例えば、膨張性気体を含み得る。破壊可能シールは、2次容器に対する破壊可能シールであり得る。破壊可能シールは、膨潤性ポリマーを含み得る。破壊可能シールは、膨潤性ポリマーを膨潤させるように構成された物質を含み得る。破壊可能シールは、加圧下で内部チャンバにおいて有効薬剤物質を維持し得、その結果、破壊可能シールが破壊されると、有効薬剤物質は解放され得る。
【0132】
破壊可能シールは、内部チャンバを封止し得る。例えば、破壊可能シールは、解放機構として機能し得る。破壊可能シールは、内部チャンバ内で2次チャンバを封止し得る。破壊可能シールは、内部チャンバの1つ以上の部分を分割、例えば、分離し得る。
【0133】
破壊可能シールは、多数の方法で破壊され得る。例えば、少なくとも1つの第1の本体部又は第2の本体部を回転させるか、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換することにより、シールが破壊され得る。例えば、回転移動により破壊可能シールが破壊され得る。内部チャンバは、スパイク、針、及び/又は突刺構成要素を含み得る。回転すると、スパイク、針、及び/又は突刺構成要素は、破壊可能シールを破壊し得る。破壊可能シールは、溶解性、例えば、分解性又は生分解性であり得る。
【0134】
回転により、破壊可能シールは、ある位置から別の位置に移動して、内部チャンバと薬剤送達デバイスの外側との間の流体伝達経路を開き、それによって、破壊可能シールを「破壊」し得る。
【0135】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、スパイクを含み得る。スパイクは、容器を穿孔するように構成され得る。スパイク及び/又は容器は、解放機構と見なされ得る。スパイクは、縁などの第1の付着部であり得る。スパイクは、第1の付着部でなくてもよい。容器は、例えば、小袋又は袋であり得る。容器は、有効薬剤物質を含み得る。有効薬剤物質は、加圧下にあり得る。容器は、インジェクタ機構の一部を有効にするための物質を含み得る。容器は、2次チャンバであり得る。スパイクは、開口部を含み、容器を貫通するように構成され得る。開口部は、例えば、スパイクに沿って中間にあり得る。スパイクは、第1の付着部を拡張し得、及び/又は第1の付着部の一部であり得る。
【0136】
容器は、多数の方法で穿孔され得る。例えば、少なくとも1つの第1の本体部又は第2の本体部を回転させるか、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換することにより、容器が穿孔され得る。例えば、回転移動により容器が穿孔され得る。内部チャンバは、スパイク、針、及び/又は突刺構成要素を含み得る。回転すると、スパイク、針、及び/又は突刺構成要素は、容器を穿孔し得る。スパイクは、容器を穿孔するように回転し得る。容器は、スパイク内に回転し得る。インジェクタ機構は、容器をスパイク内に移動させ得る。インジェクタ機構は、スパイクを容器内に移動させ得る。
【0137】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、圧縮ばねを含み得る。インジェクタ機構は、ばねを含み得る。インジェクタ機構は、引張ばねを含み得る。
【0138】
インジェクタ機構は、プラットフォームに取り付けられた圧縮ばねを含み得る。回転、又は蓄えられたエネルギーの運動エネルギーへの変換の前に、圧縮ばねは、圧縮位置にあり得る。回転、又は蓄えられたエネルギーの運動エネルギーへの変換の後に、圧縮ばねは圧縮解除可能であり、それによって、プラットフォームを移動させ得る。プラットフォームは、内部チャンバを定めるように構成され得る。プラットフォームが、圧縮解除される圧縮ばねを介して移動すると、プラットフォームは、有効薬剤物質などを含む内部チャンバを加圧下にさせ得る。内部チャンバが突破されると、有効薬剤物質は次いで、迅速に注入され得る。圧縮ばねは、圧縮位置で開始し得る。圧縮ばねは、薬剤送達デバイスの使用中に圧力をかけるように圧縮し得る。薬剤送達デバイスが、例えば、回転を介して、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換すると、圧縮ばねは、圧力をかけるように圧縮し得る。
【0139】
容器は、圧縮ばねに取り付けられ得る。容器は、有効薬剤物質を含み得る。有効薬剤物質は、加圧下にあり得る。圧縮解除されると、圧縮ばねは、容器を破壊させ、それによって、有効薬剤物質を解放し得る。
【0140】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、ねじ機構であり得る。例えば、当該ねじ機構は、複数の構成要素を互いに対して長手方向に移動させるように構成され得る。例えば、ねじ機構は、内部チャンバを定めるように構成されたプラットフォームを含み得る。プラットフォームが、ねじ機構に沿って移動すると、プラットフォームは、有効薬剤物質などを含む内部チャンバを加圧下にさせ得る。内部チャンバが突破されると、有効薬剤物質は次いで、迅速に注入され得る。
【0141】
ねじ機構は、第1の本体部及び第1の本体部を互いに対してより近くに移動させ得る。この移動により、内部チャンバの容積は低減し得、これにより、内部チャンバの圧力は増加し得る。
【0142】
インジェクタ機構は、浸透圧を生成するように構成され得る。例えば、内部チャンバの圧力をゆっくりと増加させ得る半透過性膜が含まれ得る。
【0143】
インジェクタ機構は、患者の体によって開始され得る。例えば、第1の本体部及び/若しくは第2の本体部が回転する間に、又は蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換する間に、シール、シェル、カプセルなどのカバーが薬剤送達デバイスから解放され得る。カバーは、薬剤送達デバイスの一部を覆い得る。カバーが除去されると、内部チャンバは、胃の力及び/又はぜん動力によって圧縮を受け得る。例えば、内部チャンバは、カバーによって覆われる開口部を含み得る。
【0144】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、回転前に加圧下にあり得る。内部チャンバは、加圧下にあり得る。内部チャンバは、加圧され得る。内部チャンバは、回転の間、加圧下にあり得る。内部チャンバは、回転後に加圧下にあり得る。内部チャンバ内の容器は、回転前に加圧下にあり得る。例えば、2次チャンバ及び/又は第2の内部チャンバは、回転前に加圧下にあり得る。内部チャンバの一部が回転前に加圧下にあってもよく、内部チャンバの異なる部分が回転前に加圧下になくてもよい。
【0145】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、圧縮源であり得る。1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、運動エネルギー源であり得る。例えば、インジェクタ機構は、ばね、浸透機構、膨潤ポリマー、クエン酸及び炭酸カルシウム、ステント、記憶合金、長軸、ぜん動圧縮、弾性のある袋、並びに加圧エアポケットのうちの1つ以上であり得る。
【0146】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、第1の付着部に接続され得る。有効薬剤物質は、流路などの単一の出口を介して内部チャンバから注入され得る。流路は、液体、半液体、及び/又は固体の有効薬剤物質の通過を可能にし得る。内部チャンバは、第1の付着部及び第2の付着部に接続され得る。有効薬剤物質は、複数の流路などの複数の出口を介して内部チャンバから注入され得る。
【0147】
薬剤送達デバイスは、単一の内部チャンバを含み得る。薬剤送達デバイスは、第1の内部チャンバ及び第2の内部チャンバなどの複数の内部チャンバを含み得る。第1の付着部は、流路及び/又は複数の流路などを介して第1の内部チャンバ及び第2の内部チャンバの両方に接続され得る。例えば、第1の内部チャンバは第1の有効薬剤物質を保持し得、第2の内部チャンバは、第2の有効薬剤物質を保持し得る。第1の有効薬剤物質は、第2の有効薬剤物質と互換可能でなくてもよい。まず、第1の有効薬剤物質を解放するように第1の内部チャンバが突破され得る。その後、第2の有効薬剤物質を解放するように第2の内部チャンバが突破され得る。代替的に、第1の付着部は第1の内部チャンバに接続され得、第2の付着部は第2の内部チャンバに接続され得る。
【0148】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、内部チャンバは、小袋を含み得る。小袋は、有効薬剤物質を含むように構成され得る。小袋は、例えば、通常の小袋、ハーモニカ形小袋、ドーナツ形小袋、及びねじれた小袋のうちの1つ以上であり得る。薬剤送達デバイスは、小袋を含まなくてもよい。小袋は、加圧下にあり得る。インジェクタ機構は、小袋を破壊、突破、及び/又は穿孔するように構成され得る。解放機構は、小袋を破壊、突破、及び/又は穿孔するように構成され得る。
【0149】
内部チャンバは、1つ以上の挿入物を保持するように構成され得る。挿入物は、内部チャンバ内に挿入され得る。挿入物は、内部チャンバの一部を形成し得る。例えば、内部チャンバは、有効薬剤物質を維持するように構成された第1の挿入物を受け入れ得る。第2の挿入物は、インジェクタ機構を維持するように構成され得る。インジェクタ機構は、上述のインジェクタ機構又は任意の他のインジェクタ機構のうちの1つ以上であり得る。第2の挿入物及び第1の挿入物は、その2つの間で、例えば、回転後に又は第1の挿入物及び第2の挿入物を分離しているシールの破壊後に、流体伝達を形成するように構成され得る。挿入物は、破壊可能であり得る。挿入物は、穿孔可能であり得る。挿入物は、第1の内部チャンバ及び第2の内部チャンバを形成し得る。第1の挿入物は第1の付着部に接続され得、第2の挿入物は第2の付着部に接続され得る。
【0150】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、インジェクタ機構は、小袋などの袋であり得る。袋は、内部チャンバに位置し得る。第1の本体部及び/若しくは第2の本体部の回転、又は蓄えられたエネルギーの運動エネルギーへの変換は、袋を空にするのに充分な力を提供する。袋は、薬剤送達デバイスから取り外し可能であり得る。例えば、袋は、薬剤送達デバイスから解放され得る。
【0151】
インジェクタ機構は、内部チャンバ内の圧力を増加させるために浸透圧を使用し得る。例えば、インジェクタ機構は、浸透ポンプを含み得る。
【0152】
インジェクタ機構は、加圧機構であり得る。例えば、インジェクタ機構は、内部チャンバを加圧するように構成され得る。
【0153】
薬剤送達デバイスは、内部チャンバから有効薬剤物質を解放する1つ以上の解放機構を含み得る。例えば、解放機構により、液体は、内部チャンバから付着部を通じて流れることが可能であり得る。解放機構により、有効薬剤物質は、内部チャンバから付着部へ、そして薬剤送達デバイスの外に移動することが可能であり得る。上述のように、解放機構は、インジェクタ機構の一部であり得る。解放機構は、インジェクタ機構とは別であり得る。
【0154】
様々な解放機構が使用されてもよく、特定の解放機構は、限定的なものではない。
【0155】
例えば、バルブは、付着部と内部チャンバとの間の流体伝達などのアクセスを開放し得る解放機構として使用され得る。バルブは、ブロックバルブであり得る。バルブは、ボールプラグバルブであり得る。バルブは、バロフィックスバルブであり得る。例えば、充分な圧力が内部チャンバにかかると、これにより、バルブが作動して開放し、液体が流れることが可能であり得る。別の例として、第1の本体部及び第2の本体部の回転により、バルブは開放し得る。
【0156】
述べられているように、小袋などの容器の貫通は、解放機構であり得る。例えば、容器は、本明細書で述べられるように加圧下にあり得る。貫通は、第2の本体部に対する第1の本体部の回転によるものであり得る。貫通は、第2の本体部に対する第1の本体部の並進によるものであり得る。貫通は、第1の付着部によってもたらされ得る。例えば、述べられているように、第1の付着部は、縁を有し得る。
【0157】
容器の浸透は、解放機構であり得る。内部チャンバを付着部に接続しているキャビティ内への液体の流れは、解放機構であり得る。
【0158】
開口部からのプラグの解放、例えば、除去は、解放機構であり得る。プラグによる永久的な接続は、解放機構であり得る。例えば、プラグは、溶解性、例えば、水溶性プラグであり得る。プラグは、内部チャンバにあり得る。プラグは、付着部にあり得る。プラグは、付着部と内部チャンバとの間の接続部にあり得る。プラグは、膨潤性であり得る。
【0159】
1つ以上の例示的な薬剤送達デバイスでは、解放機構は、第1の付着部を使用しなくてもよい。例えば、内部チャンバは、膨張性の小袋又はバルーンなどの膨張性容器を含み得る。膨張性容器が膨張すると、解放スパイクは、内部チャンバからデバイスの外部に露出し得る。解放スパイクは、膨張性容器に取り付けられ得る。解放スパイクは、内部チャンバと薬剤送達デバイスの外側との間の流体伝達を提供し得る。例えば、解放スパイクは、薬剤送達デバイスの外面を貫通し得る。解放スパイクは、封止された開口部を貫通し得る。
【0160】
有効薬剤物質は、内部チャンバに位置し得る。有効薬剤物質は、第1の付着部に位置し得る。有効薬剤物質は、内部チャンバ及び第1の付着部の両方に位置し得る。インジェクタ機構は、有効薬剤物質を放出するように構成され得る。
【0161】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、第2の内部チャンバを備え、薬剤送達デバイスは、第2の内部チャンバから薬剤送達デバイスの周囲に有効薬剤物質を送達するように構成されている。第2の内部チャンバ内の有効薬剤物質は、内部チャンバ内の有効薬剤物質と同じであり得る。第2の内部チャンバ内の有効薬剤物質は、内部チャンバ内の有効薬剤物質と異なるものであってもよい。第2の内部チャンバは、例えば、第2の遠位端から8mmの距離以内、例えば、5mm以内で第1の付着部又は第2の付着部、例えば、第2の針に配置され得る。第2の針などの第2の付着部は、第2の内部チャンバに対するアクセスを提供する1つ以上の開口部を有し得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の内部チャンバは、第1の針又は第2の針における貫通孔として形成されている。
【0162】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部及び第2の付着部は、第1の遠位端及び第2の遠位端が、1次軸線を含む平面内にあるときに、ある角度を形成している。換言すれば、第1の付着軸線及び第2の付着部は、第1の遠位端及び第2の遠位端が、1次軸線を含む平面内にあるときに、例えば、5°よりも大きい、例えば、10°から75°までの範囲の角度を形成し得る。
【0163】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、初期状態とも表される第1の状態であって、第1の本体部及び第2の本体部は互いに対して回転式に動かない、第1の状態と、作動状態とも表される第2の状態であって、第1の本体部及び第2の本体部が互いに対して回転式に移動できる、例えば、薬剤送達デバイスの1次軸線周りに回転できる、第2の状態と、を有する。換言すれば、第1の本体部は、第2の本体部に対してロックされる、例えば、回転を防止され得る。第1の状態は、例えば、初期状態又は導入状態であり得、ここで、薬剤送達デバイスは、本体内に組み込まれるように構成されており、第1の本体部及び第2の本体部は互いに対して動かない。第1の状態では、弾性部は、既定量の蓄えられたエネルギーを有し得、ここで、エネルギーレベルは、本体部が動かない間、弾性部において不変である。例えば、第1の状態は、アクチュエータ機構がエネルギーを蓄えると生じ得る。第2の状態は、アクチュエータ機構が、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換しているときに生じ得る。
【0164】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、弾性部が一定の弾力負荷、例えば、蓄えられたエネルギーを有する第1の状態と、弾性部が弾力負荷を少なくとも部分的に解放する、例えば、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに少なくとも部分的に変換する第2の状態と、を有する。換言すれば、弾性部は、例えば、エネルギーを蓄えている薬剤送達の第1の状態において偏倚され得るか又は事前に負荷され得、解放時、例えば、ロック機構の解放によって(すなわち、薬剤送達デバイスが第2の状態にある)、弾性部からの力は、蓄えられたエネルギーの運動エネルギーへの変換などの第2の本体部に対する第1の本体部の回転、すなわち、第2の遠位に向かう第1の遠位端の移動を含むものをもたらし得る。
【0165】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、例えば、送達デバイスの中心軸線からの第1の1次径方向距離を有する薬剤送達デバイスの第1の状態における第1の1次位置から、例えば、中心軸線及び/又は1次軸線からの第1の2次径方向距離を有する薬剤送達デバイスの第2の状態における第1の2次位置まで第1の遠位端を移動させるように構成されており、第1の2次径方向距離は、第1の1次径方向距離よりも大きい。したがって、第1の付着部の第1の遠位端は、薬剤送達デバイスが第1の状態にあるときに第1の1次位置にあり得、及び/又は第1の付着部の第1の遠位端は、薬剤送達デバイスが第2の状態にあるときに第1の2次位置にあり得る。
【0166】
第1の1次径方向距離は、10mm未満、例えば、8mm未満、又は、更には5mm未満であり得る。第1の2次径方向距離は、第1の1次径方向距離よりも大きくなり得る。第1の2次径方向距離は、5mmよりも大きい、例えば、6mmよりも大きいか又は8mmよりも大きくなり得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の2次径方向距離は、6mmから15mmまでの範囲内にある。
【0167】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部、例えば、第1の針の一部及び/又は第1の遠位端は、第1の状態で、第1の本体部の第1の1次凹部内に配置され得るか又は少なくとも部分的に配置され得る。第1の状態で、第1の遠位端は、第1の本体部の内側に配置され得る。
【0168】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部、例えば、第1の針の一部及び/又は第1の遠位端は、第2の状態で、第1の本体部の第1の1次凹部の外側に配置され得るか又は少なくとも部分的に配置され得る。
【0169】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部、例えば、第1の針の一部及び/又は第1の遠位端は、第1の状態で、第2の本体部の第2の1次凹部内に配置され得る。それによって、第1の付着部は、薬剤送達デバイスの第1の状態において、第2の本体部に対して第1の本体部をロックするように構成され得る。
【0170】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部、例えば、第1の針の一部及び/又は第1の遠位端は、第2の状態で、第2の本体部の外側に配置され得、及び/又は少なくとも第2の本体部の第2の1次凹部の外側に配置され得る。
【0171】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、例えば、送達デバイスの中心軸線からの第2の1次径方向距離を有する薬剤送達デバイスの第1の状態における第2の1次位置から、例えば、中心軸線及び/又は1次軸線からの第2の2次径方向距離を有する薬剤送達デバイスの第2の状態における第2の2次位置まで第2の遠位端を移動させるように構成されており、第2の2次径方向距離は、第2の1次径方向距離よりも大きい。したがって、第2の付着部の第2の遠位端は、薬剤送達デバイスが第1の状態にあるときに第2の1次位置にあり得、及び/又は第2の付着部の第2の遠位端は、薬剤送達デバイスが第2の状態にあるときに第2の2次位置にあり得る。
【0172】
第2の1次径方向距離は、10mm未満、例えば、8mm未満、又は、更には5mm未満であり得る。第2の2次径方向距離は、第2の1次径方向距離よりも大きくなり得る。第2の2次径方向距離は、5mmよりも大きい、例えば、6mmよりも大きいか又は8mmよりも大きくなり得る。1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の2次径方向距離は、6mmから15mmまでの範囲内にある。
【0173】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の付着部、例えば、第2の針の一部及び/又は第2の遠位端は、第1の状態で、第1の本体部の第1の2次凹部内に配置され得るか又は少なくとも部分的に配置され得る。それによって、第2の付着部は、薬剤送達デバイスの第1の状態において、第2の本体部に対して第1の本体部をロックするように構成され得る。第1の状態で、第2の遠位端は、第2の本体部の内側に配置され得る。
【0174】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の付着部、例えば、第2の針の一部及び/又は第2の遠位端は、第2の状態で、第1の本体部の外側に配置され得るか若しくは少なくとも部分的に配置され得、少なくとも第1の本体部の第1の2次凹部の外側に配置され得る。
【0175】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の付着部、例えば、第2の針の一部及び/又は第2の遠位端は、第1の状態で、第2の本体部の第2の2次凹部内に配置され得る。
【0176】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第2の付着部、例えば、第2の針の一部及び/又は第2の遠位端は、第2の状態で、第2の本体部の第2の2次凹部の外側に配置され得る。
【0177】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、例えば、第1の付着部(第1のベース部)の第1の回転軸線周りの回転によって、第1の付着部の第1の近位端に対して、第1の1次位置の第1の1次角位置から第1の2次位置の第1の2次角位置まで第1の遠位端を移動させるように構成されている。第1の1次角位置と第1の2次角位置との間の角度は、10°よりも大きい、例えば、45°よりも大きいか又は60°よりも大きくなり得る。
【0178】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、例えば、第2の付着部(第2のベース部)の第2の回転軸線周りの回転によって、第2の付着部の第2の近位端に対して、第2の1次位置の第2の1次角位置から第2の2次位置の第2の2次角位置まで第2の遠位端を移動させるように構成されている。第2の1次角位置と第2の2次角位置との間の角度は、10°よりも大きい、例えば、45°よりも大きいか又は60°よりも大きくなり得る。
【0179】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、ロック機構を備える。ロック機構は、薬剤送達デバイスの第1の状態において、第2の本体部に対して、第1の本体部をロックする、例えば、当該第1の本体部の回転を防止するように構成され得る。ロック機構は、薬剤送達デバイスが第1の状態にあるときに、例えば、第1の本体部に対して第1の付着部を第1の1次位置にロックするように構成され得る。ロック機構の解放時、第1の付着部は、第1の1次位置から第1の2次位置まで移動することが可能であり得る。ロック機構は、解放時、例えば、薬剤送達デバイスの第2の状態において、第2の本体部に対する第1の本体部の回転を可能にするように構成され得る。ロック機構は、薬剤送達デバイスが第1の状態にあるときに、例えば、第2の本体部に対して第2の付着部を第2の1次位置にロックするように構成され得る。ロック機構は、解放時、第2の付着部が第2の1次位置から第2の2次位置まで移動することを可能にするように構成され得る。
【0180】
ロック機構は、任意選択的に第2の本体部に対して第1の本体部をロック及び/又はロック解除(解放)するように構成された第1のロック要素を備え得る。第1のロック要素は、第1の本体部に対して第1の付着部をロック及び/又はロック解除(解放)するように構成され得る。第1のロック要素は、第2の本体部に対して第2の付着部をロック及び/又はロック解除(解放)するように構成され得る。第1のロック要素は、第1の本体部の第1の1次凹部及び/又は第2の本体部の第2の1次凹部に配置され得る。第1のロック要素は、薬剤送達デバイスが胃腸管又は胃腸管内の所望の場所に入ると溶解するように構成され得、それによって、第2の本体部に対して第1の本体部を解放し、アクチュエータ機構が第2の本体部に対して第1の本体部を回転させることを可能にし、それによって、第2の遠位端に向けて第1の遠位端を移動させ、次いで、内部組織に対する薬剤送達デバイスの付着をもたらす。
【0181】
第1のロック要素は、第1のロックバンド(例えば、リング、ループ、部分的なリング、部分的なループ)であり得る。第1のロックバンドは、長手方向の幅よりも大きい周方向の長さを有し得る。例えば、周方向の長さは、長手方向の幅の2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、又は10倍であり得る。
【0182】
第1のロックバンドは、薬剤送達デバイスの外面に適合し得る。例えば、第1のロックバンドは、第1の本体部又は第2の本体部の外面に位置し得る。第1のロックバンドは、薬剤送達デバイス上に機械的に適合し得る。例えば、第1のロックバンドは、薬剤送達デバイス上にスナップフィットし得る。第1のロックバンドは、薬剤送達デバイス上に化学的に取り付けられ得る。
【0183】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1のロックバンドは、カプセル部の形状であり得る。例えば、第1のロックバンドは、カプセルの前半部を形成し得る。第1のロックバンドは、カプセルの前半部を形成し得、第2のロックバンドは、カプセルの後半部を形成し得る。相互に適合すると、第1のロックバンド及び第2のロックバンドは、完全なカプセルを形成し得る。
【0184】
第1のロックバンドは、第1の本体上に位置している場合に第1の本体凹部を部分的に又は完全に覆い得る。したがって、第1のロックバンドは、第1の付着部の移動を防止し得る。第1のロックバンドは、第2の本体上に位置している場合に第2の本体凹部を部分的に又は完全に覆い得る。したがって、第1のロックバンドは、第2の付着部の移動を防止し得る。第1のロックバンドは、第1の本体凹部及び第2の本体凹部の両方を部分的に又は完全に覆い得る。第1のロックバンドは、第1の本体凹部を部分的に又は完全に覆い得、第2のロックバンドは、第2の本体凹部を部分的に又は完全に覆い得る。
【0185】
第1のロックバンドは、完全に薬剤送達デバイスの外周に沿って延び得る。第1のロックバンドは、薬剤送達デバイスの外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%で延び得る。第1のロックバンドは、薬剤送達デバイスの外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%を超えて延び得る。第1のロックバンドは、薬剤送達デバイスの外周の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%未満で延び得る。
【0186】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部及び/又は第2の付着部の少なくとも一部は、腐食、分解、加水分解、及び/又はタンパク質酵素分解などの体に存在するプロセスによって付着部の材料が破壊、分解、及び/又は溶解されることを可能にする、生分解性材料、吸収性材料、又は同様の材料で作られ得る。したがって、付着部が、ある期間、人間の体の内側に入っているとき、付着部は、付着部がその構造的安定性を失い得るような程度まで溶解、腐敗、又は分解し得、次いで、薬剤送達デバイス自体が付着している面から薬剤送達デバイスが解放され得る。したがって、ある期間の後、例えば、薬剤物質が付着部から解放されている場合、付着部は、薬剤送達デバイスが解放され得るような程度、並びにユーザ又は患者の自然な腸及び/又は内臓の移動を通じて、解放される胃腸管を通る薬剤送達デバイスの行程を継続し得るような程度まで劣化し得る。
【0187】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体部及び/又は第2の本体部の回転軸線(1次軸線)は、薬剤送達デバイスの中心軸線であり得、例えば、第1の本体部の1次軸線は、中心軸線と同軸であり得る。したがって、中心軸線は、第1の本体部及び第2の本体部の両方と交わって、1次軸線を定め得る。
【0188】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体部及び第2の本体部は、中心軸線に対して垂直な径方向に実質的に対称であり得る。これは、第1の本体部及び/又は第2の本体部が、円形の外周を有し得、当該外周が、中心軸線から離れて中心軸線に対して垂直に径方向に延び得ることを意味し得る。
【0189】
第1の付着軸線は、第1の付着部の長さと同軸である軸線と見なされ得る。第2の付着軸線は、第2の付着部の長さと同軸である軸線と見なされ得る。第1の付着部が直線でない形状を有する場合、第1の付着軸線は、第1の付着部の第1の遠位端及び第1の近位端と交わる軸線として定められ得る。第2の付着部が直線でない形状を有する場合、第2の付着軸線は、第2の付着部の第2の遠位端及び第2の近位端と交わる軸線として定められ得る。
【0190】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着軸線は、中心軸線から第1の距離に位置し得る一方、第2の付着軸線は、中心軸線及び/又は1次軸線から第2の距離に位置し得る。
【0191】
例えば、第1の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第1の状態において中心軸線から第1の1次距離に位置し得る。第1の1次距離は、0.5mmよりも大きい、例えば、1mmから15mmまでの範囲又は1mmよりも大きい、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、又は14mmであり得る。
【0192】
第1の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第1の状態において中心軸線と交差し得るか又は中心軸線に近くなり得る(0.5mm未満の距離)。
【0193】
第1の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第2の状態において中心軸線から第1の2次距離に位置し得る。第1の2次距離は、0.5mmよりも大きい、例えば、1mmから15mmまでの範囲又は1mmよりも大きい、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、又は14mmであり得る。
【0194】
第1の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第2の状態において中心軸線と交差し得るか又は中心軸線に近くなり得る(0.5mm未満の距離)。
【0195】
例えば、第2の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第1の状態において中心軸線から第2の1次距離に位置し得る。第2の1次距離は、0.5mmよりも大きい、例えば、1mmから15mmまでの範囲又は1mmよりも大きい、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、又は14mmであり得る。
【0196】
第2の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第1の状態において中心軸線と交差し得るか又は中心軸線に近くなり得る(0.5mm未満の距離)。
【0197】
第2の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第2の状態において中心軸線から第2の2次距離に位置し得る。第2の2次距離は、0.5mmよりも大きい、例えば、1mmから15mmまでの範囲又は1mmよりも大きい、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、又は14mmであり得る。
【0198】
第2の付着軸線は、薬剤送達デバイスの第2の状態において中心軸線と交差し得るか又は中心軸線に近くなり得る(0.5mm未満の距離)。
【0199】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部(第1の付着軸線)及び/又は第2の付着部(第2の付着軸線)は、それらが、中心軸線を含む平面と交わるときに互いに対してある角度をなすように構成され得る。平面は、中心軸線を含む平面であり得、ここで、平面はまた、中心軸線から直角に延びている径方向の軸線を含む。第1の付着部が平面と交わるとき、第1の付着部の第1の付着軸線は、第1の付着部の第1の遠位端が、平面と交わる第1の付着部の第1の部分であるように平面に対してある角度をなし得、その後、回転移動中に第1の付着部の残りの部分が平面と交わる。第2の付着部は、反対側から同じ平面と交わり得、ここで、第2の付着部の第2の遠位端は、平面と交わる第2の付着部の第1の部分であって、その後、回転移動中に第2の付着部の残りの部分が平面と交わる。したがって、第2の付着部は、任意選択的に、第1の付着部とは反対の回転方向から平面と交わる。これはまた、第1の付着部及び第2の付着部それぞれの第1の遠位端及び第2の遠位端が、各々、平面に接触するとき、第1の付着部(第1の付着軸線)は、平面に対してある角度をなしており、且つ第2の付着部(第2の付着軸線)に対してある角度をなしていることを意味し得る。平面に対する第1の付着部(第1の付着軸線)及び第2の付着部(第2の付着軸線)間の角度は、第1の付着部及び第2の付着部間の角度の約半分の大きさであり得る。
【0200】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の本体部は、第1の方向に回転するように構成され得、第2の本体部は、第2の方向に回転するように構成され得、ここで、第1の方向は、第2の方向と反対である。したがって、一例として、第1の本体部は、時計回り方向に回転し得る一方、第2の本体部は、反対である反時計回り方向に回転し得る。薬剤送達デバイスが3つ以上の本体部を備える1つ以上の例では、接触又は隣接している本体部は、反対方向に回転し得る。これはまた、本体部は、1つおきに同じ方向に回転し得ることを意味し得る。例えば、第1の本体部及び第3の本体部が同じ第1の方向に回転する場合、第2の本体部及び/又は第4の本体部は、第1の方向と反対の第2の方向に回転し得る。
【0201】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、アクチュエータ機構は、1つ以上の弾性部、例えば、複数の弾性部を備え得る。弾性部は、エネルギーを蓄えるように構成され得る。弾性部は、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成され得る。
【0202】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部の第1の遠位端及び/又は第2の付着部の第2の遠位端には、生物組織を貫通するように構成された鋭い先端が設けられ得る。鋭い先端は、それぞれの付着部における遠位端の近傍に位置し得、ここで、鋭い先端は、遠位端から離れた付着部の直径よりも小さい直径を遠位端で有するように構成され得る。鋭い先端は、以下のように構成され得る、すなわち、回転力が第1の付着部にかけられ、反対の力が第2の付着部にかけられるとき、反対の力が、アクチュエータ機構によってかけられる力により鋭い先端に生物組織を貫通させ得るように構成され得る。
【0203】
第1の付着部及び/又は第2の付着部が、第1の本体部及び第2の本体部間の回転(第1の遠位端が第2の遠位端に向けて移動することにより生物組織を貫通する場合、生物組織におけるそれぞれの貫通点は、薬剤送達デバイスから生物組織内に薬剤物質を送達するために利用され得、ここで、薬剤物質は、粘膜を超えた生物組織内に導入され得る。それによって、薬剤物質は、薬剤物質が胃又は腸の内腔で解放される場合よりも容易に血流に入り得、薬剤送達はより効果的になり得る。この例として、薬剤物質がインスリンである場合において、インスリンは、胃腸管の内側で分解され得、胃腸管から吸収可能でないが、粘膜が貫通されており、貫通された胃腸壁を通じてインスリンが解放された場合、インスリンは、損なわれないままであって、粘膜(面)を超えて腸の層内の血管を介してユーザの血流に達する。
【0204】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部及び/又は第2の付着部には、生物組織を把持するように構成された把持部が設けられ得る。把持部は、付着部及び粘膜間の牽引を改善して、付着部がユーザの体の内側に薬剤送達デバイスを固定することを可能にするために利用され得る。把持部は、付着部と、付着される面との間の機械的な摩擦を増加させる部分であり得、ここで、把持部は、例えば、フック形状、又は、例えば、第1の付着部の把持部が第2の付着部の把持部に向く形状を有し得、その結果、第1の付着部と第2の付着部との間に位置する生物組織は、2つの把持部間で把持される。
【0205】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、弾性部の一部は、第1の本体部に接続され得、弾性部の第2の部分は、第2の本体部に接続され得る。これは、弾性部が、エネルギー、例えば、回転エネルギー、弾性ポテンシャルエネルギー、又は第1の本体部及び第2の本体部にかけられる回転力を蓄えるために利用され得、エネルギーが弾性部に蓄えられることを意味する。更に、エネルギーが解放される場合、例えば、ロック要素が溶解又は分解される場合、例えば、蓄えられたエネルギーが運動エネルギーに変換される場合、力は、第1の本体部及び第2の本体部の両方に解放され得、次いで、これにより、第1の付着部及び第2の付着部に力が伝達される。弾性部は、例えば、螺旋状の渦巻きばね(主ばね)及び/又は渦巻きねじりばねの形態であり得、第1の本体部は、第2の本体部に対して第1の本体部を回転させることによって、第2の本体部に対して巻き付けられ得る。これにより、渦巻き線をよりきつくねじることによって、主ばねにエネルギーが蓄えられる。次いで、蓄えられた主ばねの力は、主ばねが解かれると、反対方向に第1の本体部を回転させ得る。したがって、主ばねの力は、第1の付着部及び第2の付着部を反対方向に移動させ得、ここで、付着部は、薬剤送達デバイスを生物組織に付着させるために、生物組織をつまんでもよく、組織をつまむか又は組織を貫通するかのいずれかであってもよい。
【0206】
薬剤送達デバイスが体に入ったとき、例えば、胃腸管内の所望の部分に入ったとき、薬剤送達デバイスは、第1の状態から第2の状態に変形するように構成され得る。変形は、様々な手段によって開始されてもよく、ここで、例えば、第1及び第2の本体部は、例えば、溶解性、膨張性、又は分解性の材料で作られた1つ以上のロック要素を備えるロック機構を使用して第1の状態で保持され得、ここで、当該材料は、所望の体部分の内側で流体などの周囲と反応し、それによって、ロック機構をロック解除又は解放する。ロック要素の材料は、所望の体部分の内側で周囲と接触すると材料の構造的な力を失う材料であり得る。一例としては、消化系の内側で酵素又は特定の種類の酸を含み得る特定の種類の流体と接触した状態になると溶解、膨張、又は分解し得るポリマー材料又は糖物質でロック要素が作られる場合であり得る。ロック要素が反応物と接触した状態になると、材料は、経時的に溶解、膨張、又は分解し得、薬剤送達デバイスの回転力がロック要素の静的な力を超えると、回転力は、第2の本体部に対する第1の本体部の回転を介して解放され得るか、逆も同様であり得る。
【0207】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、ロック要素は、付着要素が第2の部分に対して第1の本体部をロックする、すなわち、第2の本体部に対して第1の本体部が回転するのを防止する位置に付着部を固定し得る。ロック要素が溶解又は分解すると、付着部は、例えば、アクチュエータ機構が、付着部が回転式に付着する体部分に対して回転軸線周りに付着部の回転をもたらすことによって、付着部が第2の部分に対して第1の本体部をロックしない2次位置に移動し得る。
【0208】
薬剤送達デバイスの第2の状態は、蓄えられたエネルギーを解放することによって、例えば、アクチュエータ機構、例えば、アクチュエータ機構の弾性部において、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換して第1及び/若しくは第2の本体部の回転力、並びに/又は第1の本体部に対する第1の付着部の回転力に変換することによって開始される状態と見なされ得る。第2の状態の終了は、弾性部に蓄えられたエネルギーが再び不変になる時点、すなわち、付着部が生物組織を把持若しくは貫通しており、及び/又は第1の本体部及び第2の本体部間の回転移動が停止する時点と見なされ得る。
【0209】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、薬剤送達デバイスは、アクチュエータ機構が一定の弾力負荷を有する第1の状態と、アクチュエータ機構が弾力負荷を解放する、例えば、蓄えられたエネルギーを運動エネルギーに変換する第2の状態と、を有し得る。第1の状態では、一定の弾力負荷は、アクチュエータ機構に蓄えられたエネルギーと見なされ得、ここで、弾力負荷は、ゼロよりも大きい。第2の状態は、アクチュエータ機構がその弾力負荷を解放し、ここで、弾力負荷が、例えば、第2の本体部に対して第1の本体部を回転させることによって低減する、例えば、ゼロに近づく状態と見なされ得る。付着部が生物組織と接触した状態になるか又は生物組織を貫通し、弾力負荷がゼロに達していなかったとしても弾力負荷が変化しない場合に、第2の状態は終了し得る。したがって、薬剤送達デバイスが生物材の壁に付着しており、弾力解放後に弾力負荷が不変であるときに、第3の状態が第2の状態に続き得る。
【0210】
第1の付着部及び/又は第2の付着部は、展開機能を有し得、ここで、薬剤送達デバイスの第1の状態、すなわち、薬剤送達デバイスの初期状態の間、付着部は、第1及び/若しくは第2の本体部の内側に位置しているか若しくは配置されているか、又は代替的に、第1及び/又は第2の付着部は、本体部の側面に沿って折り曲げられ得る。同じことを達成する他の方法が構想され得る。折り曲げられた状態(第1の状態)は、例えば、薬剤物質カプセルと同様のカプセル化、例えば、ゼラチン、糖、若しくは他の溶解性材料、又は構造的な力を失う材料で作られたバンド又はプラグの形態で、解放可能なロック機構を使用して維持され得る。したがって、付着部は、付着部が口及び/又は食道の内層と干渉しないか又はそれらを損傷しないように、薬剤送達デバイスが胃腸管、例えば、胃に入るまで所定位置に維持され得る。第2の状態への移行前又は移行中に、付着部は、本体部から外向きに延びて、付着部は、消化系の内層と相互作用する準備ができた状態となり得る。付着部又は複数の付着部が折り曲げられた位置又は折り畳まれた位置である場合、中心軸線から付着部の遠位端までの距離に関して、第1の状態よりも第2の状態の方が長い。したがって、第1の状態における薬剤送達デバイスの直径は、第2の状態における薬剤送達デバイスの直径未満である。
【0211】
1つ以上の好ましい薬剤送達デバイスでは、第1の付着部及び/又は第2の付着部の少なくとも一部、例えば、第1の針及び/又は第2の針は、第1の付着部及び/又は第2の付着部のサイズ及び/又は形状/外形の正確で精密な制御を可能にし、次いで、所望の付着能力及び/又は医薬業界において特に重要である小さい製造ばらつきを伴う送達デバイスを可能にする、マグネシウム、チタン、鉄、及び亜鉛のうちの1つ以上を含む材料で作られ得る。
【0212】
第1の針などの第1の付着部は、マグネシウム、チタン、鉄、及び亜鉛のうちの1つ以上を含む材料で作られ得る。第1の付着部/第1の針の材料は、生体適合性材料及び/又は生分解性材料のように生体適合性及び/又は生分解性であり得る。第1の付着部/第1の針の材料は、PLA及び/又はPOLGAなどの1つ以上の生分解性ポリマーを含み得る。第1の付着部/第1の針の材料のいくつか、一部、大部分、実質的に全て、又は全ては、生体適合性及び/又は生分解性であり得る。第1の針などの第1の付着部の材料は、生体適合性及び/若しくは生分解性の金属などの生体適合性及び/若しくは生分解性材料を含み得るか、それらで構成され得るか、又は実質的にそれらで構成され得る。第1の針などの第1の付着部の材料は、生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金、例えば、マグネシウム、亜鉛、及び/若しくは鉄、又はマグネシウム、亜鉛、及び鉄のうちの1つ以上を含む合金を含み得る。生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金は、例えば、それらの用途に関連する実用的な時間量で、例えば、人間の体内で安全に分解される金属又は金属合金として理解され得る。第1の針などの第1の付着部の材料は、例えば、金属合金として、1つ以上の金属の組み合わせなどの1つ以上の金属を含み得る。
【0213】
第2の針などの第2の付着部は、マグネシウム、チタン、鉄、及び亜鉛のうちの1つ以上を含む材料で作られ得る。第2の付着部/第2の針の材料は、生体適合性材料及び/又は生分解性材料のように生体適合性及び/又は生分解性であり得る。第2の付着部/第2の針の材料は、PLA及び/又はPOLGAなどの1つ以上の生分解性ポリマーを含み得る。第2の付着部/第2の針の材料のいくつか、一部、大部分、実質的に全て、又は全ては、生体適合性及び/又は生分解性であり得る。第2の針などの第2の付着部の材料は、生体適合性及び/若しくは生分解性の金属などの生体適合性及び/若しくは生分解性材料を含み得るか、それらで構成され得るか、又は実質的にそれらで構成され得る。第2の針などの第2の付着部の材料は、生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金、例えば、マグネシウム、亜鉛、及び/若しくは鉄、又はマグネシウム、亜鉛、及び鉄のうちの1つ以上を含む合金を含み得る。生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金は、例えば、それらの用途に関連する実用的な時間量で、例えば、人間の体内で安全に分解される金属又は金属合金として理解され得る。第2の針などの第2の付着部の材料は、例えば、金属合金として、1つ以上の金属の組み合わせなどの1つ以上の金属を含み得る。
【0214】
付着部において使用される生分解性材料を有する利点は、付着部の材料の鋭い特性により、送達デバイスが内面、例えば、腸壁に付着した後であって、生分解性材料がやがて徐々に分解されるため延長された期間で、送達デバイスが、送達デバイスの付着部及び/又は本体部に配置された有効薬剤物質又は有効搭載量を被験者の体の特定の部分、例えば、胃又は腸に送達できることであり得る。更に、付着部の材料が生分解性である場合、付着部は、薬剤送達デバイスに含まれる有効搭載量/有効薬剤物質を送達した後に人間の体内で分解されて消え、それによって、経時的に人間の被験者に害を与えるのを回避する。付着部は、時間、例えば、2時間、5時間、10時間、20時間、若しくは24時間の時間、日、例えば、1日、2日、5日、又は週、例えば、1週間、2週間、3週間、若しくは5週間の期間で分解されるように構成され得る。
【0215】
針などの付着部の材料は、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、及び/又は鉄(Fe)のうちの1つ以上又は組み合わせを含み得る。Mg、Zn、及び/又はFeを含む材料の付着部を有する利点は、付着部の形状及びサイズを精密に制御でき、それによって、内面、例えば、人間の被験者における腸の内壁に対する付着の改善を提供することであり得る。
【0216】
針などの付着部は、1つ以上の熱可塑性又は熱硬化性のポリマーを含む材料で作られ得る。針などの付着部の材料は、1つ以上の有効薬剤物質を含み得る。したがって、有効薬剤物質は、針などの付着部の材料に組み込まれて医薬組成物を形成し得る。
【0217】
一部の実施形態では、針などの付着部は、例えば、水溶性、水不溶性、生分解性、非生分解性、及び/又はpH依存溶性の材料を含み得る。一部の実施形態では、針などの付着部は、内部組織に引っ掛かる針などの付着部が徐々に分解及び/又は溶解し得るように溶解及び/又は分解し得る、水溶性、生分解性、及び/又はpH依存の材料を含み得る。一部の実施形態では、針などの付着部は、選択される材料に応じて有効薬剤物質を直ちに解放するか又は修正して解放することを可能にするために水溶性材料を含み得る。一部の実施形態では、水不溶性又は生分解性の材料により、針などの付着部における有効薬剤物質の貯蔵部は、より長い継続時間(例えば、日、週、又は月)解放することが可能であり得る。一部の実施形態では、pH依存溶性材料により、針などの付着部は、生理的なもの、例えば、約7.4のpHよりも低いpH条件において損なわれないままであって、胃腸の内腔において損なわれないままであるが、一旦、胃腸壁の内側に入ると溶解し得ることが可能であり得る。一部の実施形態では、1つ以上の水溶性、水不溶性、生分解性、及び/又はpH依存の材料は、例えば、解放継続時間(例えば、分、時間、日、週、又は月)を制御するために、針などの付着部の拡散又は腐食による有効薬剤物質の解放を制御するように任意選択的に組み合わされ得る。
【0218】
一部の実施形態では、針などの付着部は、異なる組成物から作られ得る。例えば、針などの付着部の外側部分は、ある組成物から作られ得、針などの付着部の内側コアは、別の組成物から作られ得る。一部の実施形態では、針などの付着部の外側部分及び内側コアは、例えば、水溶性、水不溶性、生分解性、及び/又はpH依存の材料で構成され得る。一部の実施形態では、一旦、針などの付着部が、その位置を、内腔から内部組織に、例えば、胃腸の内腔から胃腸組織に移動させ得ると、1つ以上の水溶性、水不溶性、生分解性、及び/又はpH依存の材料は、有効薬剤物質の解放を制御するように組み合わされ得る。
【0219】
一部の実施形態では、針などの付着部は、管状であり得、管状本体を含み得、管状本体は、任意選択的に管状付着部に接続された、有効薬剤物質、例えば、有効薬剤物質を含む液体有効搭載量を含み得るため、有効薬剤物質を有する有効搭載量は、針などの付着部を通って内部組織、例えば、腸組織内に流れ得る。一部の実施形態では、管状本体は、化学反応によって膨張し、例えば、混合されると容積が膨張し及び/又は気体を生成して有効搭載量の送達を進め得る膨張性、例えば、膨潤する賦形剤を含み得る。一部の実施形態では、膨張は、浸透によるものである。
【0220】
図1A図1Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスを示す。示されているように、高用量薬剤送達デバイス100は、第1の本体部102と第2の本体部とを含み得る。高用量薬剤送達デバイスは、アクチュエータ機構106を更に含み得る。アクチュエータ機構106は、高用量薬剤送達デバイス100の中心軸線101周りに第1の本体部102又は第2の本体部104のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させるように構成され得る。
【0221】
高用量薬剤送達デバイス100は、内部チャンバ110を更に含み得る。示されているように、内部チャンバは、第1の本体部102内に位置し得る。代替的に、内部チャンバ100は、第2の本体部104に、又は第1の本体部102及び第2の本体部104の両方に位置し得る。内部チャンバ110は、少なくとも5μLの容積を有し得る。内部チャンバ110は、少なくとも1mLの容積を有し得る。内部チャンバ110は、有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成され得る。内部チャンバ110は、1μg~500mgの有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成され得る。
【0222】
高用量薬剤送達デバイス100は、内部チャンバ110に通じる第1の付着部108を更に含み得る。例えば、伝達は、流体伝達であり得る。第1の付着部108は、内部チャンバ110と高用量薬剤送達デバイス100の外側との間で延びている内腔を含み得る。第1の付着部108は、内部チャンバ110及び第1の付着部108の外面を流体的に接続している流路109を含み得る。
【0223】
高用量薬剤送達デバイス100は、インジェクタ機構200を更に含み得る。インジェクタ機構200は、第1の本体部102若しくは第2の本体部104が互いに対して回転する間に又は回転した後に、内部チャンバ110又は内部チャンバ110の一部に圧縮力などの圧力をかけるように構成され得る。内部チャンバ110は、任意の回転の前に加圧下にあり得る。内部チャンバ110は、注入機構200の使用の前に加圧下にあり得る。
【0224】
図1A図1Bは、圧縮ばねを備えるインジェクタ機構200を示す。示されているように、インジェクタ機構は、例えば、任意選択的にプラットフォーム202に取り付けられ得る圧縮ばね202であり得る。圧縮ばね202は、内部チャンバ110の内面、又は高用量薬剤送達デバイス100の別の構成要素に取り付けられ得る。
【0225】
図1Aに示されるように、圧縮ばね202は、内部チャンバ110内で、圧縮状態で開始し得る。したがって、プラットフォーム202は、高用量薬剤送達デバイスの長手方向中心から遠くに離隔し得る。これにより、内部チャンバ110は、最大の容積を有することができる。
【0226】
アクチュエータ機構106の動作により、圧縮ばね202は、圧縮を解除されることが可能にされ得る。これにより、プラットフォーム202は、高用量薬剤送達デバイス100の長手方向中心に向けて移動し得る。
【0227】
特定の実装態様では、例えば、図1Bに示されるように、圧縮ばね202の圧縮解除は、内部チャンバ110の容積全体を低減し、それによって、内部チャンバ100内の圧力を増加させて、有効薬剤物質を内部チャンバの外に強制排出し得る。
【0228】
更に、圧縮ばね202の圧縮解除は、有効薬剤物質を含む容器を移動させ得る。例えば、容器は、プラットフォーム204又は圧縮ばね202に取り付けられ得る。内部チャンバ110は、任意選択的に、針などのスパイク204を含み得、当該スパイクは、圧縮ばね206が容器をスパイク206に移動させると容器を穿孔及び/又は破壊し得る。したがって、インジェクタ機構200は、容器を穿孔するように構成されたスパイク206を含み得る。
【0229】
図2A図2Bは、本開示に係る例示的な高用量薬剤送達デバイスを示す。図2A図2Bの高用量薬剤送達デバイス100Aは、高用量薬剤送達デバイス100に関して上述した任意の構成要素及び/又は全ての構成要素を含み得る。
【0230】
図2A図2Bは、膨張性気体を含むインジェクタ機構300を示す。示されているように、膨張性気体は、膨張性容器302内に貯蔵され得る。膨張性容器302は、気体の膨張により膨張すると、内部チャンバ100の容積を低減し、それによって、内部チャンバ100内の圧力を増加させる。これにより、有効薬剤物質は、内部チャンバ110の外に強制排出され得る。
【0231】
任意選択的に、インジェクタ機構300は、膨張性容器302に取り付けられたプラットフォーム304を含み得る。プラットフォーム304は、気体、したがって膨張性容器302の膨張により移動して内部チャンバの容積を低減し得る。
【0232】
更に、膨張性容器302の膨張は、有効薬剤物質を含む容器を移動させ得る。内部チャンバ110は、任意選択的に、針などのスパイクを含み得、当該スパイクは、膨張性容器302が膨張すると容器を穿孔及び/又は破壊し得る。
【0233】
図3A図3Cは、本開示に係る高用量薬剤送達デバイスの例を示す。図3A図3Cの高用量薬剤送達デバイス100Bは、高用量薬剤送達デバイス100及び100Aに関して上述した任意の構成要素及び/又は全ての構成要素を含み得る。
【0234】
図3A図3Cは、膨潤性ポリマーを含むインジェクタ機構400を示す。示されているように、膨潤性ポリマー402は、内部チャンバ110内に位置し得る。図3A図3Cは、棒404に巻き付けられた膨潤性ポリマー402を示すが、他の構成も同様に使用され得る。
【0235】
膨潤性ポリマー402は、膨潤すると内部チャンバ100の容積を低減し、それによって、内部チャンバ100内の圧力を増加させる。これにより、有効薬剤物質は、内部チャンバ110の外に強制排出され得る。
【0236】
図3Cは、明確にするために第1の本体部102が除去された状態を示す。
【0237】
図4A図4Cは、本開示に係る高用量薬剤送達デバイスの例を示す。図4A図4Cの高用量薬剤送達デバイス100Cは、高用量薬剤送達デバイス100、100A、及び100Bに関して上述した任意の構成要素及び/又は全ての構成要素を含み得る。
【0238】
示されているように、付着部108は、切断縁、スライス縁、及び/又は穿孔縁などの縁501を含み得る。付着部108が回転すると、縁109は、内部チャンバ110内の小袋又は袋などの容器502を貫通し得る。これにより、有効薬剤物質は、容器502から解放され得る。容器502は、加圧され、したがって、有効薬剤物質を迅速に解放し得る。
【0239】
図5A図5Bは、本開示に係る高用量薬剤送達デバイスの例を示す。図5A図5Bの高用量薬剤送達デバイス100Dは、高用量薬剤送達デバイス100、100A、100B、及び100Cに関して上述した任意の構成要素及び/又は全ての構成要素を含み得る。
【0240】
高用量薬剤送達デバイス100Dは、上述のインジェクタ機構のうちのいずれかを含み得る。図5A図5Bは、2つの内部チャンバと2つの付着部とを含み得る高用量薬剤送達デバイス100Dを示す。
【0241】
特に、薬剤送達デバイス100Dは、第1の本体部102に第1の内部チャンバ602を含み得る。第1の内部チャンバ602は、例えば、回転後に第1の付着部108と流体的に通じ得る。薬剤送達デバイス100Dは、第2の本体部104に第2の内部チャンバ604を含み得る。第2の内部チャンバ604は、例えば、回転後に第2の付着部606と流体的に通じ得る。
【0242】
これにより、2つの異なる有効薬剤物質を薬剤送達デバイス100に、すなわち、一方を第1の内部チャンバ602に、一方を第2の内部チャンバ604に有利に貯蔵することができる。更に、各チャンバは、異なる投与方策を可能にし得る異なる注入機構を有し得る。更に、各チャンバは、同じ有効薬剤物質を有し得るが、異なる注入機構により異なる時間に送達し得る。
【0243】
図6は、高用量薬剤送達デバイスにおける固体の有効薬剤物質の例を示す。例えば、高用量薬剤送達デバイスは、上記で開示された高用量薬剤送達デバイス100、100A、100B、100C、又は100Dのうちのいずれかであり得、それらに関して述べられた構成要素のうちのいずれか及び/又は全てを含み得る。図6は、圧縮ばね202を示し、したがって、高用量薬剤送達デバイス100に関して述べられる。薬剤送達デバイス100は、有効薬剤物質を維持し得る容器702を更に含み得る。容器702は、本明細書で述べられる内部チャンバ110内にあり得る。
【0244】
圧縮ばね202は、チャンバ702の圧力を増加させるために作動し得る。付着部108が容器702を通過し、例えば、容器702を穿孔すると、有効薬剤物質は、開口部704を通じて付着部108における流路109に入り得る。
【0245】
代替的に、付着部108は、容器702を穿孔しなくてもよいが、代わりに、内部チャンバ110を通過し得る。開口部704が、内部チャンバ110に対して整列されて流体伝達を提供すると、有効薬剤物質は、内部チャンバ110を出て行って付着部108を通過し得る。
【0246】
図7A図7Bは、高用量薬剤送達デバイスにおいて使用される例示的な解放機構を示す。例えば、高用量薬剤送達デバイスは、上記で開示された高用量薬剤送達デバイス100、100A、100B、100C、又は100Dのうちのいずれかであり得、それらに関して述べられた構成要素のうちのいずれか及び/又は全てを含み得る。図7A図7Bは、膨張性容器302を示し、したがって、高用量薬剤送達デバイス100Aに関して述べられる。
【0247】
示されているように、有効薬剤物質802は、内部チャンバ110内に貯蔵され得る。有効薬剤物質802は、液体及び/又は懸濁液であり得る。膨張性容器302は、図7Aに示されるように最少の膨張状態にあり得る。有効薬剤物質802がバルブ804を介して第1の付着部108内に解放されることが防止される。バルブ804は、バロフィックスバルブであり得る。
【0248】
膨張性容器302は、膨張すると内部チャンバ110を加圧し得る。これにより、例えば、バルブ804は開放し得る。代替的に、第2の本体部104に対する第1の本体部102の回転により、例えば、流路109を通じた第1の付着部108内への流体経路を提供するようにバルブ804が開放し得る。内部チャンバ110が加圧下にあるとき、これにより、有効薬剤物質は、迅速に注入され得る。
【0249】
以下の項目のうちのいずれかに係る高用量薬剤送達デバイス、方法、及び組成物も開示される。
【0250】
項目1。高用量薬剤送達デバイスであって、
第1の本体部と、
第2の本体部と、
前記第1の本体部内の内部チャンバと、
前記高用量薬剤送達デバイスの中心軸線周りに前記第1の本体部又は前記第2の本体部のうちの少なくとも一方を互いに対して回転させるように構成されたアクチュエータ機構と、
前記内部チャンバに通じる第1の付着部と、
前記第1の本体部若しくは前記第2の本体部が互いに対して回転する間に又は回転した後に、前記内部チャンバに圧力をかけるように構成されたインジェクタ機構と、
を備える、高用量薬剤送達デバイス。
【0251】
項目2。前記インジェクタ機構は、膨潤性ポリマーを含む、項目1に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0252】
項目3。前記インジェクタ機構は、膨張性気体を含む、項目1から2のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0253】
項目4。前記インジェクタ機構は、破壊可能シールを備える、項目1から3のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0254】
項目5。前記インジェクタ機構は、第2の構成要素から分離された第1の構成要素を備え、前記回転は、膨張性気体を形成するように前記第1の構成要素を前記第2の構成要素と相互作用させる、項目1から4のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0255】
項目6。前記第1の構成要素は、pH解放可能プラグを介して前記第2の構成要素から分離されている、項目5に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0256】
項目7。前記インジェクタ機構は、容器を穿孔するように構成されたスパイクを備える、項目1から6のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0257】
項目8。前記インジェクタ機構は、圧縮ばねを備える、項目1から7のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0258】
項目9。前記内部チャンバは、前記回転前に加圧下にある、項目1から8のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0259】
項目10。前記第1の付着部は、前記内部チャンバ及び前記第1の付着部の外面を流体的に接続している流路を備える、項目1から9のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0260】
項目11。前記内部チャンバは、少なくとも5μLの容積を有する、項目1から10のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0261】
項目12。前記内部チャンバは、少なくとも1mLの容積を有する、項目1から11のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0262】
項目13。前記内部チャンバは、有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成されている、項目1から12のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0263】
項目14。前記有効薬剤物質は、固体の棒である、項目13に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0264】
項目15。前記有効薬剤物質は、液体及び/又は懸濁液である、項目13又は項目14に記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0265】
項目16。前記内部チャンバは、1μg~500mgの前記有効薬剤物質を解放可能に保持するように構成されている、項目13~15のいずれか1つに記載の高用量薬剤送達デバイス。
【0266】
「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」、「1次」、「2次」、「3次」などの用語の使用は、いかなる特定の順序も暗示しておらず、個々の要素を識別するために含まれている。更に、「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」、「1次」、「2次」、「3次」などの用語の使用は、いかなる順序も重要性も表しておらず、むしろ、「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」、「1次」、「2次」、「3次」などの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用される。「第1」、「第2」、「第3」、及び「第4」、「1次」、「2次」、「3次」などの語は、ラベル付けのためだけに、ここで使用され他の場所で使用されており、いかなる特定の空間的又は時間的な順序の表示も意図していないことに留意されたい。
【0267】
更に、第1の要素のラベル付けは、第2の要素の存在を暗示しておらず、逆も同様である。
【0268】
「備える」という語は必ずしも、列挙されるもの以外の要素又はステップの存在を除外するわけではないことに留意されたい。
【0269】
要素に先行する「a」又は「an」という語は、複数の当該要素の存在を除外しないことに留意されたい。
【0270】
いかなる参照符号も特許請求の範囲を限定せず、好ましい実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアの両方によって少なくとも部分的に実装されてもよく、いくつかの「手段」、「ユニット」、又は「デバイス」は、ハードウェアの同じ項目によって表されてもよいことに更に留意されたい。
【0271】
特徴が示され記載されているが、当該特徴は、本請求の発明を限定することを意図しているわけではないことが理解され、本請求の発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正が行われ得ることが当業者に明らかにされるであろう。したがって、明細書及び図面は、制限的な意味ではなく例示的であると見なされるべきである。本請求の発明は、全ての改変、修正、及び均等物を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0272】
100 高用量薬剤送達デバイス
101 中心軸線
102 第1の本体部
104 第2の本体部
106 アクチュエータ機構
108 第1の付着部
109 流路
110 内部チャンバ
200 インジェクタ機構
202 圧縮ばね
204 プラットフォーム
206 スパイク
100A 高用量薬剤送達デバイス
300 インジェクタ機構
302 膨張性容器
304 プラットフォーム
100B 高用量薬剤送達デバイス
400 インジェクタ機構
402 膨潤性ポリマー
404 棒
100C 高用量薬剤送達デバイス
501 縁
502 容器
100D 高用量薬剤送達デバイス
602 第1の内部チャンバ
604 第2の内部チャンバ
606 第2の付着部
702 容器
704 開口部
802 有効薬剤物質
804 バルブ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】