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特表2024-538287自動車車両の発光デバイスのための光学モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】自動車車両の発光デバイスのための光学モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/237 20180101AFI20241010BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20241010BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20241010BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20241010BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241010BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20241010BHJP
【FI】
F21S43/237
F21S43/249
F21W103:55
F21W103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525505
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2022080221
(87)【国際公開番号】W WO2023073182
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】2111526
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2200834
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ、ド、ランベルトリー
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ、デランド
(72)【発明者】
【氏名】コスタディン、ビーブ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、フランク
(57)【要約】
発明は、自動車車両の発光装置のための光学モジュール(1)に関し、当該光学モジュール(1)は、光線を発することができる第1光源(10a)と;第1光源(10a)によって発せられる光線を受けることができ且つ光ガイドにおいて伝播する光線をその周囲の全部又は一部にわたって拡散させることができる第1連結面(11a)を含む光ガイドと;透明又は半透明の出射外側レンズ(12)であって、前記出射レンズ(12)が、光ガイドによって拡散される光線が前記出射レンズ(12)を通過するように、光ガイドの大部分が延びる凹部を定める、出射外側レンズ(12)と;光ガイド(11)に面する凹部に位置づけられる偏向部材であって、光ガイドによってこの偏向部材に向けて拡散される光線を前記出射レンズの方向に向き直させるように配置される偏向部材と;凹部において偏向部材を保持するように且つ前記凹部を遮断するように配置されるシール部材と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車車両の発光装置のための光学モジュール(1)であって、
a.光線を発することができる第1光源(10a)と;
b.前記第1光源(10a)によって発せられる光線を受けることができる光ガイド(11)であって、前記光ガイド(11)において伝播する光線をその周囲の全部又は一部にわたって拡散させることができる第1連結面(11a)を含む光ガイド(11)と;
c.透明又は半透明の出射外側レンズ(12)であって、前記出射外側レンズ(12)が、前記光ガイド(11)によって拡散される光線が前記出射外側レンズ(12)を通過するように、前記光ガイド(11)の大部分が延びる凹部(120)を定める、出射外側レンズ(12)と;
d.前記光ガイド(11)に面する前記凹部(120)に位置づけられる偏向部材(13)であって、前記光ガイド(11)によってこの偏向部材(13)に向けて拡散される光線を前記出射外側レンズ(12)の方向に向き直させるように配置される偏向部材(13)と;
e.前記凹部(120)において前記偏向部材(13)を保持するように且つ前記凹部(120)を遮断するように配置されるシール部材(14)と、
を備える自動車車両の発光装置のための光学モジュール(1)。
【請求項2】
前記偏向部材(13)及び前記シール部材(14)は単一部品を形成することを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項3】
前記偏向部材(13)及び前記シール部材(14)は2つの別個の部品を形成することを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項4】
前記出射外側レンズ(12)の前記凹部(120)は、U部及び開口部(121)を形成するように一緒に接合される複数の側壁のセットを備え、前記偏向部材(13)は、前記出射外側レンズ(12)の前記凹部(120)の前記開口部(121)に配置されることを特徴とする請求項1~3のうちの一項に記載の光学モジュール(1)。
【請求項5】
前記偏向部材(13)はL形状プロファイルを有することを特徴とする請求項1~4のうちの一項に記載の光学モジュール(1)。
【請求項6】
前記出射外側レンズ(12)は、前記光ガイド(11)によって拡散される前記光線のための出射面を有し、前記出射面(122)は、前記光ガイド(11)によって拡散される前記光線を所定の一般方向に偏向させるように配置されることを特徴とする請求項1~5のうちの一項に記載の光学モジュール(1)。
【請求項7】
前記出射外側レンズ(12)の下流に、前記出射面(122)に沿って配置される少なくとも1つの掩蔽マスク(124)を備えることを特徴とする請求項6に記載の光学モジュール(1)。
【請求項8】
前記出射外側レンズ(12)は、シャーシに固定するための複数の部材(15)を備えることを特徴とする請求項1~7のうちの一項に記載の光学モジュール(1)。
【請求項9】
光線を発することができる第2光源(10b)を備え、前記光ガイド(11)は、前記第1連結面(11a)とは逆側にあり且つ前記第2光源(10b)によって発せられる光線を受けることができる第2連結面(11b)を備える、請求項1~8のうちの一項に記載の光学モジュール(1)。
【請求項10】
前記光ガイド(11)は、シース(111)によって囲まれるコア(110)であって、前記第1連結面(11a)を介して前記光ガイド(11)に入射する光線が、前記コア(110)及び前記シース(111)によって形成される屈折面での全内部反射により前記コア(110)において伝わるように、前記コア(110)及び前記シース(111)が配置される、コア(110)と、前記コア(110)において伝わる前記光線を前記シース(111)の外側に向けて拡散させるように配置される複数の拡散部材と、を備える、請求項1~9のうちの一項に記載の光学モジュール(1)。
【請求項11】
請求項1~10のうちの一項に記載の光学モジュール(1)を少なくとも1つ備える、自動車車両のための発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、車両のための光ガイドの技術分野に関する。それは特に自動車車両に適用できるが、自動車車両に限定されるものではない。
【発明の概要】
【0002】
先行技術
自動車車両照明及び/又は信号伝達の分野では、光ガイドを使用する発光装置が知られている。この光ガイドは、従来、光源が配置された連結面と、連結面から延びる本体とを備え、そこにおいて、連結面を介して光ガイドに連結された光源によって発せられた光が、この本体の壁に対する全内部反射によって伝わる。拡散要素は一般に、ガイドの外側に向かってそこで伝わる光の分断を可能にするために、本体に沿って設けられている。この光ガイドは、このようにして、美観の面でも十分な変更の余地を持たせながら、発光機能を、特にデイタイム・ランニング・ライト、ポジション・ライト又は方向指示などの発光信号伝達を、実現することを可能にする。
【0003】
しかし、そのような光ガイドは複数の欠点を有する。
【0004】
まず、既知の発光装置では、光ガイドが一般に保護用アウターレンズの背後に配置されており、このことは特に発光装置の内部の密閉性を確保することを可能にする。しかし、最近の発光装置では、この保護用アウターレンズが廃止される傾向があり、光ガイドが車両のグリルにおいて直接取り付けられる。その結果、光ガイドが気候条件によってダメージを受けるリスクがある。
【0005】
第2に、既知の発光装置において、車両のグリルに直接的に設置された光ガイドは、移動する自動車車両の振動に対して光ガイドが完全に固定されるように、前記グリルに固定されなければならない。光学モジュールの設計中に、部品が前記光ガイドを部分的に覆い隠しうることがあり、そのことは、前記ガイドの性能のロスをもたらす。
【0006】
したがって、発明はこの関連に属し、前述の欠点のすべて克服しようとするものである。このようにして発明は、光ガイドと、それをグリルに最適に固定しながらそれを成形することを可能にし且つ前記光ガイドの最適な性能を得ることを可能にする前記光ガイドの支持体と、を備える光学モジュールを提案しようとするものである。
発明の開示
発明は、自動車車両の発光装置のための光学モジュールに関し、当該光学モジュールは、光線を発することができる第1光源と;第1光源によって発せられる光線を受けることができ且つ光ガイドにおいて伝播する光線をその周囲の全部又は一部にわたって拡散させることができる第1連結面を含む光ガイドと;透明又は半透明の出射外側レンズであって、前記出射外側レンズが凹部を定め、光ガイドによって拡散された光線が前記出射外側レンズを通過するように、当該凹部において光ガイドの大部分が延在する、出射外側レンズと;光ガイドに面する凹部に配置される偏向部材であって、光ガイドによってこの偏向部材に向けて拡散された光線を前記出射外側レンズの方向に向け直すように配置された偏向部材と;偏向部材を凹部において保持し、前記凹部を遮断するように配置されたシール部材と、を備える。
【0007】
第1光源は、半導体光源でありうる。別の実施形態において、前記第1半導体光源は、発光ダイオードの一部を形成する。発光ダイオードは、あらゆるタイプの発光ダイオードを意味するものとして与えられ、非限定的な例において、これらはLED、OLED(有機LED)、AMOLED(アクティブマトリックス有機LED)、或いはFOLED(フレキシブルOLED)でもある。第1光源は、第1プリント回路基板に取り付けられた電子支持体上に配置されることができる。
【0008】
光ガイドを備える発光モジュールは、照明及び/又は信号機能又は室内照明機能を実行するように構成されることができる。本願において、光ガイドは、光を導くことができる光学部品を意味するように与えられ、第1連結面から、例えばその1又は複数の周壁の一部又は全部によって形成される光ガイドの出口領域に向けての、この部品の1つ又は複数の周壁でのこの光の連続的な全内部反射による。光ガイドはフレキシブルでありうる。光ガイドは特に実質的にシリンダー形要素でありうる。前記管状要素の断面は、非限定的な例として、円形、正方形、長方形又は三角形の外形を有し、又は曲線部分及び/又は直線部分の集合の形状を有することができる。前記断面は、前記光ガイドの長手方向プロファイルに沿って、サイズ及び/又は形状が更に変わりうる。変形として、その断面は光ガイドに沿って一定としうる。
【0009】
光ガイドは、前記光ガイドの屈折面全体において複数の拡散部材を備えることができる。このように、拡散部材は、光ガイドの前記屈折面の外周の全部又は一部に設けられ又は形成されるので、光ガイドにおいて360°全方位に亘って伝わる光線の拡散を可能にする。
【0010】
出射外側レンズは、凹部に面して、光ガイドによって拡散された光線のための入射面を備え、この入射面を通って出射外側レンズに入射する光線のための出射面を備える。
【0011】
偏向部材は、反射又は拡散によって光ガイドによって拡散された光線を方向転換させるように配置されることができる。偏向部材は、特に、前記光線の反射又は拡散を可能にする白色材料を備えることができる。
【0012】
光ガイドは、出射外側レンズの入射面に面する第1拡散部分と、偏向部材の反射面及び/又は拡散面に面する第2拡散部分とを備え、前記反射面及び/又は前記拡散面は、その第2部分を介し、光ガイドによって拡散された光線を出射外側レンズの入射面に向けて方向転換するように配置される。前記反射面及び/又は前記拡散面は、光ガイドにおいて第2部分を介して光ガイドによって拡散された光線を、第1拡散部分に向けて、方向転換させるように配置される。
【0013】
有利には、偏向部材とシール部材とは単一部品を形成する。
【0014】
この実施形態において、単一部品は、反射性及び/又は拡散性シリコーン、例えば白色シリコーン、から作られることができる。この単一部品は、光ガイドがそこに配置された後、凹部に直接的に形作られることができる。
【0015】
有利には、偏向部材及びシール部材は、2つの別個の部品を形成する。
【0016】
この実施形態において、反射部材は、拡散性及び/又は反射性の熱可塑性物質、例えば白色、例えばポリウレタン、特に二酸化チタン(TiO2)で充填されたもの、から作られ、シール部材は、熱可塑性樹脂又はシリコーンから作られる。
【0017】
シール部材は凹部にありうる。
【0018】
シール部材は、凹部において、光ガイド及び偏向部材がそこに配置された後、それが偏向部材と完全に又は部分的に接触するように、直接的に形作られることができる。シール部材は形作られて、その後凹部に挿入されることができる。
【0019】
有利には、出射外側レンズの凹部は、U部及び開口部を形成するように一緒に接合された複数の側壁のセットを含み、偏向部材は、出射外側レンズの前記凹部の前記開口部に配置される。
【0020】
出射外側レンズは、U形状プロファイルを含むことができる。出射外側レンズの凹部は、U形状の壁及び開口部によって定められることができる。光ガイドは、前記開口部を介して凹部内に挿入されることができる。出射外側レンズは、フレキシブルな光ガイドを形作ることを可能にしうる。可撓性光ガイドを出射外側レンズの凹部内に挿入することで、前記光ガイドはこのようにしてこわばって、その動作形状になる。
【0021】
有利には、偏向部材は、L形状プロファイルを備える。
【0022】
偏向部材は、それが前記凹部内に容易に挿入されることができるように、凹部と実質的に同様の寸法を備えることができる。偏向部材は、それがL形状プロファイルを備えるように、2つのアームであってそれらの間に角度を形成する2つのアームを備えることができる。その2つのアームは光ガイドを囲むことを可能にしうる。その2つのアームは、光ガイドを凹部において適所に保つことを可能にする。
【0023】
有利には、出射外側レンズは、光ガイドによって拡散された光線のための出射面を有し、前記出射面は、光ガイドによって拡散された前記光線を所定の一般的な方向に偏向させるように配置される。
【0024】
出射外側レンズの出射面は、光ガイドによって拡散された光線を偏向させるのに適した曲率半径を備える。
【0025】
有利には、光学モジュールは、出射外側レンズの下流に、出射面に沿って配置された少なくとも1つの掩蔽マスクを備える。
【0026】
曲率半径を備える出射面を含む出射外側レンズを使用することが、掩蔽マスクが前記出射外側レンズの下流に配置される場合であっても、光線を、それらが拡散されることができるように偏向させることを可能にする。このようにして、掩蔽マスクの反対側で最初に拡散された光線は、非掩蔽ゾーンに光を供給するために、偏向されることができる。
【0027】
有利には、出射外側レンズは、シャーシに固定するための複数の部材を備える。
【0028】
一実施形態において、各固定部材は、自動車車両のシャーシに固定するためのラグでありうる。
【0029】
有利には、複数の固定部材は、凹部の後方に延びることができる。前記固定部材は、U形状壁の端部のうちの1つの連続部において延びることができる。
【0030】
有利には、光学モジュールは、光線を発することができる第2光源を備え、光ガイドは、第1連結面の反対側にあり且つ第2光源によって発せられる光線を受けることができる第2連結面を備える。
【0031】
したがって光ガイドは、その第1連結面によって第1光源に接続され、その第2連結面によって第2光源に接続されうる。光ガイドによって拡散される光線は、前記第1光源から及び前記第2光源から来ることができる。
【0032】
有利には、光ガイドは、シースによって取り囲まれたコアであって、第1連結面を通って光ガイドに入射する光線が、コア及びシースによって形成される屈折面上での全内部反射によってコアにおいて伝播するように、コア及びシースが配置される、コアと、コアにおいて伝播する光線をシースの外側に向けて拡散させるように配置された複数の拡散部材とを備える。
【0033】
シースは、拡散部材の各々の領域における光線の一部の抽出を容易にするように光の一部をガイドし且つコアとのインターフェースを形成することを可能にすることで、コアを保護する役割及び/又は光学的な役割を有しうる。好ましくは、光が全内部反射によって導かれるようにすることを保証することを可能にするために、シースの屈折率がコアの屈折率より低くされうる。
【0034】
光ガイドは、単一のシースに封入された単一のコアで構成されることができ、又は単一のシースに封入された複数のコアの束で構成されることができる。光ガイドは、特に、コア形成体及び光ファイバーを備えることができる。コア/シースインターフェースは屈折面を形成することができ、当該屈折面に対してコアにおいて伝わる光線が全内部反射によって反射される。光ガイドのコアは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はポリカーボネート(PC)などのプラスチック材料又はガラスなどの材料から押し出されることができる。
【0035】
拡散部材は、コアの外面において又はシースの内面において凹凸を備えることができ、これらの凹凸は、例えば、磨耗によって、砂によって又はレーザー衝撃によって得られる。別の実施形態において、拡散部材はコアにおいて配置され又は形成されることができ、屈折面の領域でコアにおいて取り付けられる拡散粒子を含むことができる。
【0036】
発明の別の態様は、少なくとも1つの光学モジュールを含む自動車車両の発光装置に関する。
【0037】
別の実施形態において、発光装置は、複数の光学モジュールを備えうる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の他の利点及び特徴が、純粋に例示的であり且つ決して発明の範囲を限定するものではない例を用いて、添付の図面に基づいて説明され、当該添付の図面において以下の様々な形態を示す:
図1図1は、発光モジュールの斜視図を模式的に示す。
図2図2は、一実施形態による出射外側レンズの断面斜視図を概略的に示す。
図3図3は、一実施形態による発光モジュールの一部の断面斜視図を概略的に示す。
図4図4は、別の実施形態による発光モジュールの一部の断面斜視図を概略的に示す。
図5図5は、一実施形態による発光モジュールの一部の断面図を概略的に示す。
【0039】
以下の説明において、構成又は機能の点で同一であり且つ異なる図に現れる要素は、特に断りがない限り、同じ参照符号を保持する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
実施形態の説明
図1]は、発明の特定の実施形態による自動車車両のための発光装置の発光モジュール1の断面図を示す。この発光モジュール1が、[図2]、[図3]、[図4]及び[図5]に関連して説明される。[図3]と[図4]は、発明の2つの特定の実施形態を示す。[図5]は、一実施形態において拡散された光線の伝搬を説明する。
【0041】
光学モジュール1は、第1光源10a及び第2光源10bを備え、各々が光線112を発することができる。光学モジュール1はまた、第1光源10aと相互作用するのに適した第1連結面11aと、第2光源10bと相互作用するのに適した第2連結面11bとを含む光ガイド11を備える。第1連結面11a及び第2連結面11bは、前記光ガイド11の両側で、互いに反対側にある。
【0042】
光ガイド11は、前記第1連結面11a及び第2連結面11bを介し、前記第1光源10a及び第2光源10bによって発せられる光線112を受けるのに適している。
【0043】
光ガイド11は、前記第1及び第2光源10a、10bによって発せられる光線112を拡散させることができる。光ガイド11は光学部品であって、第1及び第2連結面11a,11bのうちの一方から、前記光ガイド11の出口ゾーンに向けて、前記部品の1つ又は複数の周壁上でのこの光の連続的な全内部反射により、光をガイドすることができる光学部品である。光ガイド11は、管状断面を持つ実質的にシリンダー形の要素である。
【0044】
光ガイド11は、シース111に囲まれたコア110を備え、第1及び第2連結面11a、11bのうちの一方を介して光ガイド11に入射する光線112が、コア110及びシース111によって形成される屈折面上での全内部反射によってコア110において伝播するように、コア110及びシース111は配置される。光ガイド11は、コア110において伝播する光線112をシース111の外側に向けて拡散させるために、前記光ガイドの屈折面全体に配置された複数の拡散部材(図示せず)を備える。拡散部材は、光ガイド11の前記屈折面の外周の全部又は一部に設けられ又は形成され、前記光ガイド11において広まる光線112の360°全方位の拡散を可能にする。
【0045】
光学モジュール1は、透明又は半透明の出射外側レンズ12を備える。[図2]で説明した出射外側レンズ12は、凹部120を定める。凹部120は、U形状プロファイルを形成し且つ開口部121を形成するように一緒に接合された複数の側壁のセットを備える。
【0046】
出射外側レンズ12は、自動車車両のシャーシに固定するための複数の部材15を備える。各固定部材15は、U形状壁の端部のうちの一方に連続して、凹部120の後方に延びる。
【0047】
光ガイド11の大部分は、前記光ガイド11によって拡散された光線が出射外側レンズ12を通過するように、凹部120において延在する。光ガイド11が可撓性であるため、それは出射外側レンズ12によって成形されることができ、そして光ガイド11はこわばらせられて、その動作形状になる。
【0048】
出射外側レンズ12は、凹部120に面して、光ガイド11によって拡散された光線112のための入射面123を備え、この入射面123を介して出射外側レンズ12に入射する光線112のための出射面122を備える。
【0049】
光学モジュール1は、凹部120に配置され、光ガイド11に面する偏向部材13を備える。偏向部材13は、偏向部材13に向けた反射によって又は拡散によって光ガイド11により拡散された光線112を、出射外側レンズ12の方向に向け直すように、配置される。偏向部材13は、前記光線112の反射又は拡散を可能にする白色材料を備える。
【0050】
偏向部材13は、それがL形状プロファイルを備えるように、2つのアームであってそれらの間に角度を形成する2つのアームを備える。その2つのアームは、光ガイド11を取り囲み且つ凹部120においてそれを保持するのに適している。
【0051】
光学モジュール1は、偏向部材13と相互作用するように配置されたシール部材14を備える。シール部材14は、偏向部材13を凹部120において保持するように且つ前記凹部120を遮断するように、配置されている。
【0052】
図3]は光学モジュール1の第1実施形態を示し、[図4]は光学モジュール1の第2実施形態を示す。
【0053】
図3]に示す実施形態は、単一部品を形成する偏向部材13及びシール部材14を備え、その2つの部材は同じ材料から作られる。この場合、光ガイド11は、出射外側レンズ12の凹部120内に挿入され、単一部品13、14は、凹部120において直接的に成形することによって形成される。その単一部品の成形は、光ガイド11を凹部120において保持する。
【0054】
図4]に示す実施形態は、2つの別個の材料から形成された2つの別個の部品を形成する偏向部材13及びシール部材14を備える。この場合、光ガイド11が出射外側レンズ12の凹部120内に挿入され、そして出射外側レンズ12の入射面123に対して前記光ガイド11を押し付けるように偏向部材13が挿入される。シール部材14は、偏向部材13を凹部120において保持するように、そしてまた前記凹部120をシールするように、凹部120において直接的に成形される。
【0055】
図5]は、2つの掩蔽マスク124が出射外側レンズ122の下流に、前記出射面122に沿って配置される場合の、光ガイド11によって拡散された光線112の経路を示す。
【0056】
第1及び第2光源10a、10bによって発せられる光線124は、第1及び第2連結面11a、11bによって光ガイド11に向けて方向付けられる。光ガイド11は、出射外側レンズ12の入射面123に面する第1拡散部分と、偏向部材13の反射及び/又は拡散の面130に面する第2拡散部分とを備える。前記第1拡散部分の領域で光ガイド11により拡散された光線124は、出射外側レンズ12の入射面122の方向に直接的に拡散され、直接的に拡散された光線112aを形成する。前記第2拡散部分の領域で光ガイド11により拡散された光線124は、偏向部材13の反射の及び/又は拡散の面130の方向に拡散される。前記反射の及び/又は拡散の面130は、光ガイド11の第2拡散部分によってその方向に拡散され、前記第2拡散部分を通過して戻る光線112を、出射外側レンズ12の入射面123に向けて方向転換させるように配置される。出射外側レンズ12の出射面122は、光線112の全て、すなわち第1拡散部分の方向に拡散された光線112a及び第2拡散部分の方向に拡散された光線112aを偏向させるのに適した曲率を有する。したがって光ガイド11によって拡散される光線112の全てが、出射外側レンズ12の出射面122に面する掩蔽マスクの存在にもかかわらず、拡散される。
【0057】
上記の説明は、光線を発することができる第1光源と;第1光源によって発せられる光線を受けることができ且つ光ガイドにおいて伝播する光線をその周囲の全部又は一部にわたって拡散させることができる第1連結面を含む光ガイドと;透明又は半透明の出射外側レンズであって、前記出射外側レンズは、光ガイドによって拡散された光線が前記出射外側レンズを通過するように、光ガイドの大部分が延びる凹部を定める、透明又は半透明の出射外側レンズと;偏向部材であって、光ガイドに面する凹部に位置づけられ且つ光ガイドによってこの偏向部材に向けて拡散された光線を前記出射外側レンズの方向に方向転換するように配置された偏向部材と;偏向部材を凹部において保持するように且つ前記凹部を遮断するように配置されたシール部材と、を備える自動車車両の発光装置のための光学モジュールを提案することによって、発明が、どのようにして、記載された目的、すなわち、光ガイドと、それをグリルに最適に固定しながらそれを形作ることを可能にし且つ前記光ガイドの最適な性能を得ることを可能にする前記ガイドのための支持体と、を備える光学モジュールを得ることを達成できるかを明確に説明する。
【0058】
いずれにしても、発明は、この文書に具体的に記載された実施形態に限定されるものではなく、特に、全ての同等の手段に及びこれらの手段の技術的に実行可能な任意の組み合わせに及ぶ。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車車両の発光装置のための光学モジュール(1)であって、
a.光線を発することができる第1光源(10a)と;
b.前記第1光源(10a)によって発せられる光線を受けることができる光ガイド(11)であって、前記光ガイド(11)において伝播する光線をその周囲の全部又は一部にわたって拡散させることができる第1連結面(11a)を含む光ガイド(11)と;
c.透明又は半透明の出射外側レンズ(12)であって、前記出射外側レンズ(12)が、前記光ガイド(11)によって拡散される光線が前記出射外側レンズ(12)を通過するように、前記光ガイド(11)の大部分が延びる凹部(120)を定める、出射外側レンズ(12)と;
d.前記光ガイド(11)に面する前記凹部(120)に位置づけられる偏向部材(13)であって、前記光ガイド(11)によってこの偏向部材(13)に向けて拡散される光線を前記出射外側レンズ(12)の方向に向き直させるように配置される偏向部材(13)と;
e.前記凹部(120)において前記偏向部材(13)を保持するように且つ前記凹部(120)を遮断するように配置されるシール部材(14)と、
を備える自動車車両の発光装置のための光学モジュール(1)。
【請求項2】
前記偏向部材(13)及び前記シール部材(14)は単一部品を形成することを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項3】
前記偏向部材(13)及び前記シール部材(14)は2つの別個の部品を形成することを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項4】
前記出射外側レンズ(12)の前記凹部(120)は、U部及び開口部(121)を形成するように一緒に接合される複数の側壁のセットを備え、前記偏向部材(13)は、前記出射外側レンズ(12)の前記凹部(120)の前記開口部(121)に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項5】
前記偏向部材(13)はL形状プロファイルを有することを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項6】
前記出射外側レンズ(12)は、前記光ガイド(11)によって拡散される前記光線のための出射面を有し、前記出射面(122)は、前記光ガイド(11)によって拡散される前記光線を所定の一般方向に偏向させるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項7】
前記出射外側レンズ(12)の下流に、前記出射面(122)に沿って配置される少なくとも1つの掩蔽マスク(124)を備えることを特徴とする請求項6に記載の光学モジュール(1)。
【請求項8】
前記出射外側レンズ(12)は、シャーシに固定するための複数の部材(15)を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項9】
光線を発することができる第2光源(10b)を備え、前記光ガイド(11)は、前記第1連結面(11a)とは逆側にあり且つ前記第2光源(10b)によって発せられる光線を受けることができる第2連結面(11b)を備える、請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項10】
前記光ガイド(11)は、シース(111)によって囲まれるコア(110)であって、前記第1連結面(11a)を介して前記光ガイド(11)に入射する光線が、前記コア(110)及び前記シース(111)によって形成される屈折面での全内部反射により前記コア(110)において伝わるように、前記コア(110)及び前記シース(111)が配置される、コア(110)と、前記コア(110)において伝わる前記光線を前記シース(111)の外側に向けて拡散させるように配置される複数の拡散部材と、を備える、請求項1に記載の光学モジュール(1)。
【請求項11】
請求項1~10のうちの一項に記載の光学モジュール(1)を少なくとも1つ備える、自動車車両のための発光装置。
【国際調査報告】