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特表2024-538288融着診断方法およびこれを用いたバッテリーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】融着診断方法およびこれを用いたバッテリーシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241010BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20241010BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H02J7/00 Q
H02H7/00 L
G01R31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525512
(86)(22)【出願日】2023-01-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 KR2023000094
(87)【国際公開番号】W WO2023132604
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0002133
(32)【優先日】2022-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キ、ジョオン セオク
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ヨウンフワン
【テーマコード(参考)】
2G036
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
2G036AA22
2G036BB07
2G036BB08
5G053BA01
5G053DA01
5G053EC01
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CC02
5G503EA09
5G503GD06
(57)【要約】
バッテリーシステムは、複数のバッテリーパックと、前記複数のパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの正極と正極リンクの間に連結されている複数の正極リレーと、前記複数のパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの負極と負極リンクの間に連結されている複数の負極リレーと、前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMS(Battery Management System)と、を含んでもよい。前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、対応する正極リレーの両端電圧の差が第1臨界電圧より小さい場合、前記複数の負極リレーを閉じたときに対応するバッテリーパックに流れる第1バッテリーパック電流に基づいて前記対応する正極リレーが融着されているか否かを診断することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーパックと、
前記複数のバッテリーパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの正極と正極リンクの間に連結されている複数の正極リレーと、
前記複数のバッテリーパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの負極と負極リンクの間に連結されている複数の負極リレーと、
前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMS(Battery Management System)と、を含み、
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、対応する正極リレーの両端電圧の差が第1臨界電圧より小さい場合、対応する負極リレーを閉じたときに対応するバッテリーパックに流れる第1バッテリーパック電流に基づいて前記対応する正極リレーが融着されているか否かを診断する、バッテリーシステム。
【請求項2】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記第1バッテリーパック電流が第1臨界電流より大きいとき、前記対応する正極リレーを融着していると決定する、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項3】
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数の正極リレーのうちの少なくとも一つの両端電圧の差が前記第1臨界電圧より小さい場合、
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の負極リレーのそれぞれを順次に一つずつ閉じながら、前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流を測定する、
請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
【請求項4】
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記負極リンクの電圧が第2臨界電圧より小さい場合、
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーのそれぞれを順次に一つずつ閉じたときに前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れる第2バッテリーパック電流に基づいて、対応する負極リレーが融着されているか否かを診断する、請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
【請求項5】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記第2バッテリーパック電流が第2臨界電流より大きいとき、前記対応する負極リレーを融着していると決定する、請求項4に記載のバッテリーシステム。
【請求項6】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流のうち、第3臨界電流より大きいバッテリーパック電流が流れるバッテリーパックに連結された正極リレーおよび負極リレーを融着していると決定する、請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
【請求項7】
複数のバッテリーパックと、
前記複数のバッテリーパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの正極と正極リンクの間に連結されている複数の正極リレーと、
前記複数のバッテリーパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの負極と負極リンクの間に連結されている複数の負極リレーと、
前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMSと、を含み、
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパックに流れる複数のバッテリーパック電流のうちの少なくとも一つが第3臨界電流より大きいとき、前記少なくとも一つのバッテリーパック電流が流れる少なくとも一つの正極リレーおよび少なくとも一つの負極リレーを融着していると診断する、バッテリーシステム。
【請求項8】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパック電流の全てが第3臨界電流以下であるとき、
対応する正極リレーの両端電圧の差が第1臨界電圧より小さい場合、対応する負極リレーを閉じたときに対応するバッテリーパックに流れる第1バッテリーパック電流に基づいて前記対応する正極リレーが融着されているか否かを診断する、請求項7に記載のバッテリーシステム。
【請求項9】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパック電流の全てが第3臨界電流以下であるとき、
前記負極リンクの電圧が第2臨界電圧より小さい場合、対応する正極リレーを閉じたときに対応するバッテリーパックに流れる第2バッテリーパック電流に基づいて、対応する負極リレーが融着されているか否かを診断する、請求項7または8に記載のバッテリーシステム。
【請求項10】
複数のバッテリーパックの正極に連結されている複数の正極リレーおよび前記複数のバッテリーパックの負極に連結されている複数の負極リレーに対する融着を診断する融着診断方法において、
前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、複数の正極リレーのそれぞれの両端電圧の差を第1臨界電圧と比較するステップと、
複数の前記両端電圧の差のうちの少なくとも一つが前記第1臨界電圧より小さい場合、前記複数の負極リレーを順次に一つずつ閉じるステップと、
前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流と第1臨界電流とを比較するステップと、
前記複数のバッテリーパックの複数のバッテリーパック電流のうちの少なくとも一つが前記第1臨界電流より大きいとき、前記少なくとも一つが流れる少なくとも一つの正極リレーを融着していると決定するステップと、を含む、融着診断方法。
【請求項11】
複数のバッテリーパックの正極に連結されている複数の正極リレーおよび前記複数のバッテリーパックの負極に連結されている複数の負極リレーに対する融着を診断する融着診断方法において、
前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMSのそれぞれは、
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、対応する負極リレーが連結された負極リンクの電圧を第2臨界電圧と比較するステップと、
前記負極リンクの電圧が前記第2臨界電圧より小さい場合、前記複数の正極リレーを順次に一つずつ閉じるステップと、
前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流と第2臨界電流とを比較するステップと、
前記複数のバッテリーパックの複数のバッテリーパック電流のうちの少なくとも一つが前記第2臨界電流より大きいとき、前記少なくとも一つが流れる少なくとも一つの負極リレーを融着していると決定するステップと、を含む、融着診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年1月6日付の韓国特許出願第10-2022-0002133号に基づいた優先権の利益を主張して、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本開示は、融着診断方法およびこれを用いたバッテリーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
一般にバッテリーパックの正極に連結された正極リレーとバッテリーパックの負極に連結された負極リレーのそれぞれに対する融着(stuck-closed)の診断時に、バッテリーパックの正極の電圧および正極リレーに連結されたリンク(link)の電圧を比較するか、バッテリーパックの負極の電圧および負極リレーに連結されたリンク(link)の電圧を比較する。しかし、複数のバッテリーパックが並列連結された場合、前記のような方式で複数のバッテリーパックのそれぞれの正極リレーおよび負極リレーに対して融着診断を行うことは難しい。
【0004】
また、融着診断が発生しても、複数のバッテリーパックのうちどのバッテリーパックの正極リレーおよび負極リレーに融着が発生したのか、複数のバッテリーパックのうち融着が発生した正極リレーおよび負極リレーに連結されたバッテリーパックがいくつであるのか分かり難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のバッテリーパックが並列連結されたとき、複数のリレーのそれぞれに対して融着されているか否かを正確に診断できる方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一特徴に係るバッテリーシステムは、複数のバッテリーパックと、前記複数のパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの正極と正極リンクの間に連結されている複数の正極リレーと、前記複数のパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの負極と負極リンクの間に連結されている複数の負極リレーと、前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMS(Battery Management System)と、を含んでもよい。前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、対応する正極リレーの両端電圧の差が第1臨界電圧より小さい場合、前記複数の負極リレーを閉じたときに対応するバッテリーパックに流れる第1バッテリーパック電流に基づいて前記対応する正極リレーが融着されているか否かを診断することができる。
【0007】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記第1バッテリーパック電流が第1臨界電流より大きいとき、前記対応する正極リレーを融着していると決定することができる。
【0008】
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数の正極リレーのうちの少なくとも一つの両端電圧の差が前記第1臨界電圧より小さい場合、前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の負極リレーのそれぞれを順次に一つずつ閉じながら、前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流を測定することができる。
【0009】
前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記負極リンクの電圧が第2臨界電圧より小さい場合、前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の正極リレーのそれぞれを順次に一つずつ閉じたときに前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れる第2バッテリーパック電流に基づいて、対応する負極リレーが融着されているか否かを診断することができる。
【0010】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記第2バッテリーパック電流が第2臨界電流より大きいとき、前記対応する負極リレーを融着していると決定することができる。
【0011】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流のうち、第3臨界電流より大きいバッテリーパック電流が流れるバッテリーパックに連結された正極リレーおよび負極リレーを融着していると決定することができる。
【0012】
発明の他の特徴に係るバッテリーシステムは、複数のバッテリーパックと、前記複数のパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの正極と正極リンクの間に連結されている複数の正極リレーと、前記複数のパックのそれぞれに対して、対応するバッテリーパックの負極と負極リンクの間に連結されている複数の負極リレーと、前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMS(Battery Management System)と、を含んでもよい。前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパックに流れる複数のバッテリーパック電流のうちの少なくとも一つが第3臨界電流より大きいとき、前記少なくとも一つのバッテリーパック電流が流れる少なくとも一つの正極リレーおよび少なくとも一つの負極リレーを融着していると診断することができる。
【0013】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパック電流の全てが第3臨界電流以下であるとき、対応する正極リレーの両端電圧の差が第1臨界電圧より小さい場合、対応する負極リレーを閉じたときに対応するバッテリーパックに流れる第1バッテリーパック電流に基づいて前記対応する正極リレーが融着されているか否かを診断することができる。
【0014】
前記複数のパックBMSのそれぞれは、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、前記複数のバッテリーパック電流の全てが第3臨界電流以下であるとき、前記負極リンクの電圧が第2臨界電圧より小さい場合、対応する正極リレーを閉じたときに対応するバッテリーパックに流れる第2バッテリーパック電流に基づいて、対応する負極リレーが融着されているか否かを診断することができる。
【0015】
発明のまた他の特徴に係る複数のバッテリーパックの正極に連結されている複数の正極リレーおよび前記複数のバッテリーパックの負極に連結されている複数の負極リレーに対する融着を診断する方法は、前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMSのそれぞれが、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、複数の正極リレーのそれぞれの両端電圧の差を第1臨界電圧と比較するステップと、前記複数の両端電圧の差のうちの少なくとも一つが前記第1臨界電圧より小さい場合、前記複数の負極リレーを順次に一つずつ閉じるステップと、前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流と第1臨界電流とを比較するステップと、前記複数のバッテリーパックの複数のバッテリーパック電流のうちの少なくとも一つが前記第1臨界電流より大きいとき、前記少なくとも一つが流れる少なくとも一つの正極リレーを融着していると決定するステップと、を含んでもよい。
【0016】
発明のまた他の特徴に係る複数のバッテリーパックの正極に連結されている複数の正極リレーおよび前記複数のバッテリーパックの負極に連結されている複数の負極リレーに対する融着を診断する方法は、前記複数のバッテリーパックに連結されている複数のパックBMSのそれぞれが、前記複数の正極リレーおよび前記複数の負極リレーの開放制御条件で、対応する負極リレーが連結された負極リンクの電圧を臨界電圧と比較するステップと、前記負極リンクの電圧が前記第2臨界電圧より小さい場合、前記複数の正極リレーを順次に一つずつ閉じるステップと、前記複数のバッテリーパックのそれぞれに流れるバッテリーパック電流と第2臨界電流とを比較するステップと、前記複数のバッテリーパックの複数のバッテリーパック電流のうちの少なくとも一つが前記第2臨界電流より大きいとき、前記少なくとも一つが流れる少なくとも一つの負極リレーを融着していると決定するステップと、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、複数のバッテリーパックが並列連結されたとき、複数のリレーのそれぞれに対して融着されているか否かを正確に診断できる融着診断方法およびこれを用いたバッテリーシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、一実施例に係るバッテリーシステムを示す図である。
図2図2は、一実施例に係る複数の正極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
図3図3は、一実施例に係る複数の正極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、一実施例に係る複数の正極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
図5図5は、一実施例に係る複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
図6図6は、一実施例に係る複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、一実施例に係る複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
図8図8は、一実施例に係る複数の正極リレーおよび複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
図9図9は、一実施例に係る複数の正極リレーおよび複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、図9に示された一実施例に対する変形例を示すフローチャートである。
図11図11は、図9に示された一実施例に対する他の変形例を示すフローチャートである。
図12図12は、一実施例に係る複数の正極リレーおよび複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本明細書に開示された実施例を詳しく説明するが、同一または類似の構成要素には同一または類似の図面番号を付し、これに対する重複する説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書作成の容易さだけが考慮されて付与されるか混用されるものであって、それ自体に互いに区別される意味または役割を果たすものではない。また、本明細書に開示された実施例を説明するにおいて、関連公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示された実施例を理解しやすくするためのものであるだけで、添付の図面によって本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むものと理解されなければならない。
【0020】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は前記用語によっては限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0021】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接に連結されているかまたは接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならない。
【0022】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたのが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0023】
図1は、一実施例に係るバッテリーシステムを示す図である。
【0024】
バッテリーシステム1は、複数のバッテリーパック10~30、メイン制御IC(Main Control Integrated Circuit)40、およびジャンクション(junction)装置50を含む。図1では、複数のバッテリーパックの個数が3個であるものと示されているが、発明はこれに限定されず、バッテリーシステム1は、4個以上のバッテリーパックを含んでもよい。また、図1では、複数のバッテリーパック10~30が並列連結されたものと示されているが、二つ以上のバッテリーパックが直列連結され、直列連結された複数のバッテリーパックが並列連結されていてもよい。
【0025】
外部電力装置2は、バッテリーシステム1から電力を供給される負荷であるか、バッテリーシステム1を充電するための充電器であってもよい。例えば、外部電力装置2は、バッテリーシステム1を含む車両のインバータ、DC-DCコンバータ、モータ、電子制御回路、OBC(On Board Charger)、高速充電器のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0026】
複数のバッテリーパック10~30は互いに並列連結され、複数のバッテリーパック10~30の両端のそれぞれは、ライン151およびライン152を通じてジャンクション装置50に連結されている。ジャンクション装置50は、ライン151と外部電力装置2の間に連結された第1メインリレー51と、ライン152と外部電力装置2の間に連結された第2メインリレー52とを含んでもよい。第1および第2メインリレー51、52は、複数のバッテリーパック10~30と外部電力装置2の間の連結を制御し、メイン制御IC40は、第1および第2メインリレー51、52の動作を制御するリレー制御信号MRSを生成してジャンクション装置50に伝送することができる。ジャンクション装置50は、リレー制御信号MRSによって第1および第2メインリレー51、52の開放および閉鎖を制御することができる。図1では、ジャンクション装置2が一対のメインリレーを含むものと示されているが、外部電力装置2の構成個数によってメインリレー対の個数が決定されてもよい。
【0027】
複数のバッテリーパック10~30のそれぞれは、複数のバッテリーセル11~14、21~24、31~34、複数のパックバッテリー管理システム100、200、300、二つのリレー101、102、201、202、301、302、および電流センサー103、203、303を含む。パックバッテリー管理システムを、以下、パックBMS(Battery Management System)という。図1では、複数のバッテリーパック10~30のそれぞれが4個のバッテリーセル11~14、21~24、31~34を含むものと示されているが、これは一例であって、発明はこれに限定されない。また、複数のバッテリーパック10~30のそれぞれが二つのリレーを含むものと示されているが、これは一例であって、リレーの個数は少なくとも一つであってもよい。
【0028】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数のバッテリーセル11~14、21~24、31~34に連結され、複数のバッテリーセル11~14、21~24、31~34のセル電圧を測定する。複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、バッテリーパック10、20、30のそれぞれの電圧(以下、バッテリーパック電圧)、電流(以下、バッテリーパック電流)、および温度(以下、バッテリーパックの温度)を得ることができる。複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数のバッテリーセル11~14、21~24、31~34のセル電圧、バッテリーパック電流などに基づいてバッテリーパック10~30の充放電を制御し、複数のバッテリーセル11~14、21~24、31~34に対するセルバランシング動作を制御および行うことができる。
【0029】
複数のパックBMS100、200、300は、複数のバッテリーパック10~30の充放電制御のために、複数のリレー101、102、201、202、301、302のそれぞれの開放および閉鎖を制御することができる。複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、二つのリレー101/102、201/202、301/302の開放および閉鎖を制御する二つの駆動信号RLS1/RLS2、RLS3/RLS4、RLS5/RLS6を生成し、二つのリレー101/102、201/202、301/302に供給することができる。
【0030】
メイン制御IC40は、複数のパックBMS100、200、300から複数のバッテリーセル11~15、21~25、31~35のセル電圧、複数のバッテリーパック10、20、30に対するバッテリーパック電圧、バッテリーパック電流、およびバッテリーパック温度などに関する情報を受信することができる。メイン制御IC40は、外部に電力を供給するために、複数のパックBMS100、200、300に電力制御信号を供給するか、複数のバッテリーパック10、20、30の充電のために充電制御信号を複数のパックBMS100、200、300に供給することができる。その他にも、メイン制御IC40は、バッテリーシステム1の運営に必要な制御を行い、バッテリーシステム1の異常状態が感知されると保護動作を起動して制御することができる。
【0031】
一実施例では、複数のリレー101/102、201/202、301/302が融着されているか否かを複数のパックBMS100、200、300が判断するものと説明する。しかし、発明はこれに限定されるものではなく、メイン制御IC40が複数のパックBMS100、200、300から受信したセル情報に基づいて、複数のリレー101/102、201/202、301/302が融着されているか否かを決定することができる。以下、複数のリレー101/102、201/202、301/302のうち、バッテリーパックの正極に連結されたリレーを正極リレーといい、バッテリーパックの負極に連結されたリレーを負極リレーという。
【0032】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれの両端に連結され、両端間の電圧差を算出することができる。例えば、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれの一端は、複数のバッテリーパック10、20、30のそれぞれの正極に連結されており、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれの他端は、配線151に連結されている。複数の正極リレー101、201、301のそれぞれの一端の電圧は、各バッテリーパックの正極電圧と同一であり、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれの他端の電圧は、正極リンク(positive link)の電圧(以下、正極リンク電圧)と同一な電圧であってもよい。正極リンクは、複数のバッテリーパック100、200、300の正極と外部電力装置2とを連結する配線151であってもよい。
【0033】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数のバッテリーパック100、200、300のそれぞれの正極に連結されているので、複数のバッテリーパック100、200、300のそれぞれの正極電圧を測定することができる。複数のパックBMS100、200、300は配線151に連結され、正極電圧を測定することができる。複数のパックBMS100、200、300は、配線151と連結されているスイッチ(図示せず)を含み、正極リンク電圧を測定するためにスイッチをオンさせることができる。
【0034】
複数の負極リレー102、202、302のそれぞれの一端は、複数のバッテリーパック10、20、30のそれぞれの負極に連結されており、複数の負極リレー102、202、302のそれぞれの他端は、配線152に連結されている。複数の負極リレー102、202、302のそれぞれの他端の電圧は、負極リンクの電圧(以下、負極リンク電圧)と同一な電圧であってもよい。負極リンク(negative link)は、複数のバッテリーパック100、200、300の負極と外部電力装置2とを連結する配線152であってもよい。複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは配線152に連結され、負極リンク電圧を測定することができる。複数のパックBMS100、200、300は、配線152と連結されているスイッチ(図示せず)を含み、負極リンク電圧を測定するためにスイッチをオンさせることができる。
【0035】
複数の電流センサー103、203、303のそれぞれは、バッテリーパック電流を測定し、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれに測定した電流を示す信号を伝送することができる。
【0036】
以下、図2から図12を参照して複数のパックBMS100、200、300のそれぞれが複数のバッテリーパック10、20、30のそれぞれに連結された二つのリレーが融着されているか否かを判断する方法を説明する。
【0037】
図2は、一実施例に係る複数の正極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
【0038】
図3は、一実施例に係る複数の正極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0039】
図2では、説明の便宜のために複数のバッテリーパック100、200、300、各バッテリーパックに連結された複数の正極リレー101、201、301および複数の負極リレー102、202、302が示されている。また、図2では、正極リレー101が融着状態で示されている。図2では、複数の負極リレー102、202、302の閉鎖状態を点線で示した。
【0040】
まず、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、融着診断のためにウェイクアップ(wake-up)することができる(S0)。バッテリーシステム1の状態を診断するためのモニタリング動作を複数のパックBMS100、200、300によって行うことができる。例えば、複数のパックBMS100、200、300は、モニタリング周期ごとにウェイクアップして複数の正極リレー101、201、301のそれぞれが融着されているか否かを決定することができる。
【0041】
複数のパックBMS100、200、300は、複数の正極リレー101、201、301および複数の負極リレー102、202、302を開放制御することができる(S1)。
【0042】
複数のパックBMS100、200、300は、複数の正極リレー101、201、301の両端電圧の差を算出することができる(S2)。例えば、複数のパックBMS100のそれぞれは、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれの一端の電圧VA1、VA2、VA3および正極リンク電圧VL1を測定し、一端の電圧VA1、VA2、VA3から正極リンク電圧VL1を差し引きした電圧値の絶対値を複数の正極リレー101、201、301のそれぞれの両端電圧の差として算出することができる。
【0043】
複数のパックBMS100、200、300は、複数の両端電圧の差|VA1-VL1|、|VA2-VL1|、|VA3-VL1|と第1臨界電圧VTH1とを比較する(S3)。比較結果、複数の両端電圧の差|VA1-VL1|、|VA2-VL1|、|VA3-VL1|が第1臨界電圧以上であるとき、複数のパックBMS100、200、300は、複数の正極リレー101、201、301に対する融着診断を終了する(S7)。
【0044】
複数の正極リレー101、201、301のうち一つが融着された場合、正極リンク電圧VL1は、融着された正極リレーを通じて供給されるバッテリーパックの正極電圧と類似することがある。複数のバッテリーパック10、20、30は並列連結状態で動作するので、正極リレーおよび負極リレーの開放制御条件で、複数のバッテリーパック10、20、30の正極電圧は実質的に類似の範囲内に属することがある。したがって、融着された正極リレーによって、複数の正極リレー101、201、301の全ての両端電圧の差|VA1-VL1|、|VA2-VL1|、|VA3-VL1|は、第1臨界電圧VTH1より小さいことがある。逆に、複数の正極リレー101、201、301の全てが融着されていない場合、複数の両端電圧|VA1-VL1|、|VA2-VL1|、|VA3-VL1|は全て第1臨界電圧VTH1以上であることがある。
【0045】
比較結果、複数の両端電圧の差|VA1-VL1|、|VA2-VL1|、|VA3-VL1|のうちの少なくとも一つが第1臨界電圧VTH1より小さいとき、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数の負極リレー102、202、302のそれぞれを順次に一つずつ閉じることができる(S4)。複数のパックBMS100、200、300のそれぞれが対応する負極リレーを閉じる順序は、メイン制御装置40によって制御することができる。メイン制御装置40は、複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3を測定する間、ジャンクション装置50を閉じることができる。図2に示された点線のように、複数の負極リレー102、202、302のそれぞれが順次に一つずつ閉じられる。
【0046】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数の電流センサー103、203、303のそれぞれによって測定された複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のそれぞれを第1臨界電流ITH1と比較する(S5)。
【0047】
複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のうち、バッテリーパック電流IB1が第1臨界電流ITH1より大きいと、パックBMS100は正極リレー101が融着されていると決定することができる(S6)。
【0048】
バッテリーパック電流IB2、IB3が第1臨界電流ITH1以下である場合、複数のパックBMS200、300は融着診断を終了し、パックBMS100も正極リレー101に対する融着決定の後、融着診断を終了する(S7)。
【0049】
複数のパックBMS100、200、300は、融着診断結果をメイン制御装置40に伝送することができる。メイン制御装置40は、融着された正極リレーがある場合、ジャンクション装置50を開放状態に制御することができる。また、メイン制御装置40は、正極リレー101の融着を知らせるための動作を行うことができる。例えば、バッテリーシステム1が装着された車両にCAN通信を通じて正極リレー101の融着を示す情報を伝送することができる。
【0050】
図4は、一実施例に係る複数の正極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
【0051】
図4では、図2とは異なり、二つの正極リレー101、301が融着状態で示されている。以下、先に説明した内容と重複する内容は省略する。
【0052】
図4に示されているように、二つの正極リレー101、301が融着状態であるので、複数の正極リレー101、201、301の複数の両端電圧の差|VA1-VL1|、|VA2-VL1|、|VA3-VL1|が第1臨界電圧VTH1より小さいことがある。
【0053】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数の負極リレー102、202、302のそれぞれを順次に一つずつ閉じ、複数のバッテリーパック10、20、30のそれぞれに流れる複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のそれぞれを第1臨界電流ITH1と比較することができる。
【0054】
比較結果、複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のうち、バッテリーパック電流IB1、IB3が第1臨界電流ITH1より大きいと、パックBMS100、300は正極リレー101、103が融着されていると決定することができる。
【0055】
第1臨界電流ITH1は、二つ以上のバッテリー正極リレーが融着された場合を考慮して設定することができる。例えば、二つ以上のバッテリー正極リレーが融着された場合、車両に供給される電流経路の個数は、融着された正極リレーの数による。したがって、一つの正極リレーが融着された場合と比較して、二つ以上の正極リレーが融着された場合、融着された正極リレーを通じて流れるバッテリーパック電流が減少することがある。第1臨界電流ITH1は、このような点を考慮して設定しなければならない。
【0056】
図5は、一実施例に係る複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
【0057】
図6は、一実施例に係る複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0058】
図5では、説明の便宜のために複数のバッテリーパック100、200、300、各バッテリーパックに連結された複数の正極リレー101、201、301および複数の負極リレー102、202、302が示されている。また、図5では、負極リレー102が融着状態で示されている。図5では、複数の正極リレー101、201、301の閉鎖状態を点線で示した。
【0059】
まず、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、融着診断のためにウェイクアップ(wake-up)することができる(S10)。バッテリーシステム1の状態を診断するためのモニタリング動作を複数のパックBMS100、200、300によって行うことができる。例えば、複数のパックBMS100、200、300は、モニタリング周期ごとにウェイクアップして複数の負極リレー102、202、302のそれぞれが融着されているか否かを決定することができる。
【0060】
複数のパックBMS100、200、300は、複数の正極リレー101、201、301および複数の負極リレー102、202、302を開放制御することができる(S11)。
【0061】
複数のパックBMS100、200、300は、負極リンク電圧VL2を測定することができる(S12)。
【0062】
複数のパックBMS100、200、300は、負極リンク電圧VL2と第2臨界電圧VHT2とを比較する(S13)。比較結果、負極リンク電圧VL2が第2臨界電圧VHT2以上であるとき、複数のパックBMS100、200、300は、複数の負極リレー102、202、302に対する融着診断を終了する(S17)。
【0063】
比較結果、負極リンク電圧VL2が第2臨界電圧VTH2より小さいとき、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれを順次に一つずつ閉じる(S14)。複数のパックBMS100、200、300のそれぞれが対応する正極リレーを閉じる順序は、メイン制御装置40によって制御することができる。メイン制御装置40は、複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3を測定する間、ジャンクション装置50を閉じることができる。図5に示された点線のように、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれが順次に閉じられる。
【0064】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数の電流センサー103、203、303のそれぞれによって測定された複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のそれぞれを第2臨界電流ITH2と比較する(S15)。
【0065】
複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のうち、バッテリーパック電流IB1が第2臨界電流ITH2より大きいと、パックBMS100は負極リレー102が融着されていると決定することができる(S16)。
【0066】
バッテリーパック電流IB2、IB3が第2臨界電流ITH2以下である場合、複数のパックBMS200、300は融着診断を終了し、パックBMS100も負極リレー102に対する融着決定の後、融着診断を終了する(S17)。
【0067】
複数のパックBMS100、200、300は、融着診断結果をメイン制御装置40に伝送することができる。メイン制御装置40は、融着された負極リレーがある場合、ジャンクション装置50を開放状態に制御することができる。また、メイン制御装置40は負極リレー102の融着を知らせるための動作を行うことができる。例えば、バッテリーシステム1が装着された車両にCAN通信を通じて負極リレー102の融着を示す情報を伝送することができる。
【0068】
図7は、一実施例に係る複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
【0069】
図7では、図5とは異なり、二つの負極リレー102、302が融着状態で示されている。以下、先に説明した内容と重複する内容は省略する。
【0070】
図7に示されているように、二つの負極リレー102、302が融着状態であるので、負極リンク電圧VL2は第2臨界電圧VTH2より小さい。
【0071】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、複数の正極リレー101、201、301のそれぞれを順次に一つずつ閉じ、複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のそれぞれを第2臨界電流ITH2と比較することができる。
【0072】
複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のうち、バッテリーパック電流IB1、IB3が第4臨界電流ITH4より大きいと、パックBMS100、300は負極リレー102、302が融着されていると決定することができる。
【0073】
第2臨界電流ITH2は、二つ以上のバッテリー負極リレーが融着された場合を考慮して設定することができる。例えば、二つ以上のバッテリー負極リレーが融着された場合、車両に供給される電流経路の個数は融着された負極リレーの数による。したがって、一つの負極リレーが融着された場合と比較して、二つ以上の負極リレーが融着された場合、融着された負極リレーを通じて流れるバッテリーパック電流が減少することがある。第2臨界電流ITH2は、このような点を考慮して設定しなければならない。
【0074】
これまで説明一実施例は、複数の正極リレーまたは複数の負極リレーに対する融着診断を行うことができる。しかし、発明はこれに限定されるものではなく、一実施例は複数のバッテリーパックのそれぞれに連結された正極リレーと負極リレーに対する融着診断を行うことができる。
【0075】
図8は、一実施例に係る複数の正極リレーおよび複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
【0076】
図9は、一実施例に係る複数の正極リレーおよび複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0077】
図8では、説明の便宜のために、複数のバッテリーパック100、200、300、各バッテリーパックに連結された複数の正極リレー101、201、301および複数の負極リレー102、202、302が示されている。また、図8では、正極リレー101および負極リレー102が融着状態で示されている。
【0078】
まず、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、融着診断のためにウェイクアップ(wake-up)することができる(S20)。バッテリーシステム1の状態を診断するためのモニタリング動作を複数のパックBMS100、200、300によって行うことができる。例えば、複数のパックBMS100、200、300は、モニタリング周期ごとにウェイクアップして複数の正極リレー101、201、301、および複数の負極リレー102、202、302に対して融着されているか否かを決定することができる。
【0079】
複数のパックBMS100、200、300は、複数の正極リレー101、201、301および複数の負極リレー102、202、302を開放制御することができる(S21)。
【0080】
複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、開放制御条件で、複数のバッテリーパック10、20、30のそれぞれに流れるバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のそれぞれを第3臨界電流ITH3と比較する(S22)。複数の電流センサー103、203、303のそれぞれによって複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3が測定されてもよい。
【0081】
S22ステップの比較結果、複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3のうちの少なくとも一つ(例えば、IB1)が第3臨界電流ITH3より大きいと、パックBMS10は正極リレー101および負極リレー102が融着されていると決定する(S23)。このとき、バッテリーパック電流IB2、IB3は第3臨界電流ITH3以下であることがある。S23ステップ以降、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、融着診断を終了することができる(S24)。
【0082】
S22ステップの比較結果、複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3の全てが第3臨界電流ITH3以下であるとき、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは、ステップS0~S7を通じた正極リレー診断を行うか、ステップS10~S17を通じた負極リレー診断を行うことができる。
【0083】
図10は、図9に示された一実施例に対する変形例を示すフローチャートである。
【0084】
図11は、図9に示された一実施例に対する他の変形例を示すフローチャートである。
【0085】
図10および図11のそれぞれは、S22ステップで複数のバッテリーパック電流の全てが第3臨界電流以下のとき、以降の動作が図9に示された実施例と異なる。
【0086】
図10に示されているように、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは正極リレー診断S0~S7を行った後、負極リレー診断S10~S17を行ってもよい。
【0087】
または、図11に示されているように、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれは負極リレー診断S10~S17を行った後、正極リレー診断S0~S7を行ってもよい。
【0088】
図12は、一実施例に係る複数の正極リレーおよび複数の負極リレーに対して融着されているか否かを決定する方法を説明するための回路図である。
【0089】
図12に示されているように、正極リレー101および負極リレー302が融着された場合、複数のパックBMS100、200、300は、図9に示された方法によって、まずS20~S23ステップを行うことができる。図10に示された回路では、複数のバッテリーパック電流IB1、IB2、IB3の全てが第3臨界電流ITH3以下であるので、当該診断は終了する。
【0090】
次に、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれはステップS0~S7を通じた正極リレー診断を行い、ステップS10~S17を通じた負極リレー診断を行うことができる。逆に、複数のパックBMS100、200、300のそれぞれはステップS10~S17を通じた負極リレー診断を行い、ステップS0~S7を通じた正極リレー診断を行うことができる。
【0091】
これによって、パックBMS100は正極リレー101の融着を決定し、パックBMS200は負極リレー302の融着を決定することができる。
【0092】
一実施例を通じて、複数のバッテリーパックが並列連結されたバッテリーシステムで、複数のリレーのうち融着が発生したリレーを正確に診断することができる。
【0093】
以上で、本発明の実施例に対して詳細に説明しているが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態もまた、本発明の権利範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】