(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】オフセットアクチュエータ機構を備える薬剤送達装置
(51)【国際特許分類】
A61M 31/00 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61M31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525533
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2022080211
(87)【国際公開番号】W WO2023073176
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520217674
【氏名又は名称】バイオグライル アンパーツゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ニゴライ スケーク
(72)【発明者】
【氏名】カーステン リンハート
(72)【発明者】
【氏名】カミレ マイケン ドモング イーリクスン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA02
4C066AA05
4C066BB08
4C066CC06
(57)【要約】
薬剤送達装置であって、薬剤送達装置の第1の長手方向端部から薬剤送達装置の第2の長手方向端部に延びる中心軸線と、第1の本体部分と、第2の本体部分と、第1の本体部分に接続される取付部分と、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分の一方を回転させるように構成されるアクチュエータ機構であって、中心軸線に沿って第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置するアクチュエータ機構とを備える、薬剤送達装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達装置であって、
前記薬剤送達装置の第1の長手方向端部から前記薬剤送達装置の第2の長手方向端部に延びる中心軸線と、
第1の本体部分と、
第2の本体部分と、
前記第1の本体部分に接続される取付部分と、
前記第1の本体部分及び前記第2の本体部分の一方を回転させるように構成されるアクチュエータ機構であって、前記中心軸線に沿って前記第2の長手方向端部よりも前記第1の長手方向端部の方に位置するアクチュエータ機構とを備える、薬剤送達装置。
【請求項2】
前記アクチュエータ機構は、前記第1の本体部分内に完全に位置する、請求項1に記載の薬剤送達装置。
【請求項3】
前記アクチュエータ機構は、前記第1の本体部分内に部分的に位置し、且つ前記第2の本体部分内に部分的に位置する、請求項1又は2に記載の薬剤送達装置。
【請求項4】
前記アクチュエータ機構は、前記取付部分よりも前記第1の長手方向端部の方に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項5】
前記アクチュエータ機構は、前記中心軸線を中心とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項6】
前記第2の本体に接続された第2の取付部分をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項7】
前記第2の取付部分及び前記取付部分は、前記中心軸線に沿って互いに10mm以内にある、請求項6に記載の薬剤送達装置。
【請求項8】
前記第2の取付部分及び前記取付部分は、前記中心軸線に沿って互いに4.1mm以内にある、請求項6に記載の薬剤送達装置。
【請求項9】
前記第2の取付部分及び前記取付部分は、前記中心軸線に沿って互いに3.9mm以内にある、請求項6に記載の薬剤送達装置。
【請求項10】
前記薬剤送達装置は、000号サイズのカプセルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項11】
前記薬剤送達装置は、00号サイズのカプセルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項12】
前記薬剤送達装置は、0号サイズのカプセルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項13】
前記取付部分は、活性薬剤物質を提供するように構成される、請求項1~12のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項14】
前記アクチュエータ機構は、弾性部分を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項15】
前記取付部分は、前記中心軸線に対して非平行に向けられる遠位先端を有するスパイクを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【請求項16】
前記第1の本体部分は、前記第1の長手方向端部の一部を形成し、且つ/又は、前記第2の本体部分は、前記第2の長手方向端部の一部を形成する、請求項1~15のいずれか一項に記載の薬剤送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤送達装置、特には経口投与用の薬剤送達装置に関する。薬剤送達装置は、胃及び/又は腸、例えば小腸及び/又は大腸(結腸)を含む消化管における活性薬剤物質の送達のために構成されることが有利である。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの低浸透性及び/又は低水溶性の活性薬剤物質が、皮下、皮内、筋肉内、直腸、膣又は静脈内などの経路で送達されている。経口投与は患者に最も広く受け入れられる可能性があるため、好ましい経口投与経路で低浸透性及び/又は低水溶性の活性薬剤を投与する試みがなされてきたが、特に安定性の欠如と消化管からの吸収の制限のために、成功は限定的であった。
【0003】
安定性とは、送達デバイスの製造及び保管中の活性薬剤物質の安定性と、吸収可能になるまでの消化管を通過中の活性薬剤物質の安定性の両方に関連する。
【0004】
消化管吸収が制限されるのは、例えば、全身性代謝前の代謝、サイズ及び/又は電荷による薬物の低浸透性、及び/又は、活性薬物の水溶性のために、消化管壁の障壁が活性薬剤物質の経口投与後の吸収を妨げていることが原因である。
【0005】
これらの安定性と吸収の課題を解決するための複数の研究が提案されてきたが、しかし課題に対する有効な解決策は、未解決のままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、胃腸組織における吸収のために薬剤物質を送達することができる薬剤送達装置を提供するという、満たされていない必要性が存在する。より一般的には、医薬品を患者に経口投与する場合に、薬剤送達の向上を可能にする、医薬品及び方法に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示されるのは、薬剤送達装置の例である。薬剤送達装置は、中心軸線を備えうる。中心軸線は、薬剤送達装置の第1の長手方向端部から薬剤送達装置の第2の長手方向端部に延びうる。薬剤送達装置は、第1の本体部分を備えうる。薬剤送達装置は、第2の本体部分を備えうる。薬剤送達装置は、取付部分を備えうる。取付部分は、第1の本体部分に接続されうる。薬剤送達装置は、アクチュエータ機構を備えうる。アクチュエータ機構は、第1の本体部分及び第2の本体部分の一方を回転させるように構成されうる。アクチュエータ機構は、中心軸線に沿って、第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。
【0008】
本開示の利点は、薬剤送達装置が消化管通過中の活性薬剤物質の安定性を確保し、経口投与後の消化管からの活性薬剤物質の効果的な吸収を促進することである。
【0009】
更に、本開示の利点は、薬剤送達装置が、胃壁及び/又は腸壁等の胃部内壁への薬剤送達装置の能動的な取付を提供することである。本開示はまた、縮小されたサイズの薬剤送達装置を可能としうることが有利である。更に、本発明は、胃腸部内壁等への薬剤送達装置の取付を改善することを可能にしうる。例えば、第1の本体部分及び第2の本体部分の回転速度を異ならせることは、取付を改善することを可能にしうる。更に、オフセットアクチュエータ機構は、第1の取付部分を任意的な第2の取付部分により近づけて配置することを可能にしうる。これにより、2つの取付部分挿入部位間の距離が短い状態で取付部分をより良好に位置しえるため、薬剤送達装置の取付を改善することを可能にしうる。
【0010】
更に、本開示は、胃内組織内又は胃内組織での低浸透性活性薬剤物質の経口送達を有利に提供する。
【0011】
本発明の上記及び別の特徴と利点とは、添付の図面を参照することにより、以下の本発明の例示的な実施形態の詳細な説明により当業者には容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示によるオフセットアクチュエータ機構を有する例示的な薬剤送達装置の図を示す。
【
図2】
図2は、本開示によるオフセットアクチュエータ機構を有する例示的な薬剤送達装置の図を示す。
【
図3】
図3は、本開示によるオフセットアクチュエータ機構を有する例示的な薬剤送達装置の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、関連する場合には図面を参照しながら、様々な例示的な実施形態及び詳細が説明される。図面は、縮尺通りで描かれる場合又はそうでない場合があること、及び同様の構造又は機能の要素は、図面全体を通じて同様の参照番号で表されること、が留意されるべきである。また、図面は、実施形態及び実施形態に関連する機能の説明を容易にすることだけを目的とすることがやはり留意されるべきである。図面は、本発明の網羅的な説明として、又は本発明の範囲又は本発明の物理的外観の限定として、意図されるものではない。更に、図示された実施形態は、図示された全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されるわけではなく、例え、その様に図示されていなくても、又はその様に明示的に説明されていなくても、任意の別の実施形態においても実施可能である。
【0014】
薬剤送達装置が、開示される。薬剤送達装置は、中心軸線を含みうる。中心軸線は、薬剤送達装置の第1の長手方向端部から薬剤送達装置の第2の長手方向端部に延びうる。薬剤送達装置は、第1の本体部分を含みうる。薬剤送達装置は、第2の本体部分を含みうる。送達装置は、取付部分を含みうる。取付部分は、第1の本体部分に接続されうる。送達装置は、アクチュエータ機構を含みうる。アクチュエータ機構は、第1の本体部分及び第2の本体部分の一方を回転させるように構成されうる。アクチュエータ機構は、中心軸線に沿って、第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。
【0015】
本明細書で検討されるように、長手方向は、第1の長手方向端部と第2の長手方向端部とを結ぶ軸線を基準とすることができる。第1の長手方向端部及び第2の長手方向端部は、薬剤送達装置の最も離間した端部であってもよい。第1の長手方向端部及び第2の長手方向端部は、薬剤送達装置の最も離間した端部でなくてもよい。第1の長手方向端部及び第2の長手方向端部は、薬剤送達装置の両端にあってもよい。
【0016】
薬剤送達装置は、経口投与用の医薬組成物に適合するように設計されたサイズと幾何学的形状とを有しうる。
【0017】
薬剤送達装置/医薬組成物は、口の開口を介して体内に取り込まれるように構成されうる。従って、薬剤送達装置/医薬組成物の外形寸法は、使用者が飲み込むために十分小さくしうる。薬剤送達装置は、消化器系を介して使用者の体内に薬剤物質を運ぶように適合されうるので、薬剤送達装置は例えば、使用者の口から食道を介して胃内に移動しうる。薬剤送達装置は更に、胃から腸内に移動することができ、更に任意選択で消化管に移動し、直腸を通り外へ移動しうる。
【0018】
薬剤送達装置は、使用者の消化器系の任意の部分内に薬剤を送達するように構成することができ、その場合に一例において、薬剤送達装置は、薬剤物質を使用者の胃内に送達するように構成されうる。別の例において、薬剤送達装置は、装置が使用者の胃を通過して腸に入った時に薬剤送達を開始するように適合されうる。換言すれば、薬剤送達装置は、例えば活性薬剤物質の所望の放出位置に応じて、胃の壁又は腸の壁に取り付けるように構成されうる。
【0019】
薬剤送達装置の取付部分は、消化管の内面ライニング(裏張り)と相互作用するように構成されうるので、薬剤送達装置は、例えば、胃の内面(粘膜)、又は代替的に腸の粘膜に付着しうる。取付部分は、例えば薬剤送達装置を固定又は取り付けるために、例えば一定期間、使用者の体内において、粘膜と相互作用するように構成されうる。薬剤送達装置を取り付けることにより、薬剤送達装置は、使用者の身体に薬剤物質を提供するために、消化器系の一部分に薬剤物質が送達されることを可能にする。取付部分は、例えば薬剤物質を消化管壁内に注入するために、粘膜と相互作用するように構成されうる。
【0020】
薬剤送達装置は、任意選択で薬剤送達装置の第1の端部から第2の端部まで延びる中心軸線を有する。薬剤送達装置は、3mm~35mmの範囲、例えば5mm~26mmの範囲の長さ(例えば、中心軸線に沿って第1の端部から第2の端部までの最大伸長部)を有しうる。薬剤送達装置は細長くしうる。
【0021】
薬剤送達装置は、1mm~20mmの範囲の幅及び/又は高さ(例えば、それぞれ幅軸線及び高さ軸線に沿った最大伸長部)を有しうる。高さ及び幅は、中心軸線に垂直な薬剤送達装置の最大の伸長部である。
【0022】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置の寸法は、少なくとも初期状態又は第1の取付部分及び第2の取付部分の作動前の第1の状態において、長さ(中心軸線に沿った最大伸長部)と、幅(中心軸線に垂直な幅軸線に沿った最大伸長部)と、高さ(中心軸線及び幅軸線に垂直な高さ軸線に沿った最大伸長部)と、により表されうる。薬剤送達装置の高さは、1mm~15mmの範囲としうる。薬剤送達装置の幅は、1mm~15mmの範囲としうる。
【0023】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、血管を介して患者に活性薬剤物質を分配するために、薬剤送達部分が、ペイロード(搭載物)又は活性薬剤物質を内部組織又は内面に送達することを確保するような方法で構築されうる。
【0024】
薬剤送達装置は、患者の腸壁の特定の位置に取り付けられて、活性薬剤物質を送達しうることが有利である。もちろん、送達装置は、取り付けられて、活性薬剤物質を別の場所に同様に送達しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置、例えばスパイク等は、粘膜筋板を貫通しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置、例えばスパイク等は、外筋層を貫通しない場合がある。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、スパイクは、粘膜下組織に配置されうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、スパイクは、腸壁に平行な粘膜下組織に配置されうる。
【0025】
薬剤送達装置は、第1の本体部分を備える。第1の本体部分は、2つの部分を備える本体部分とすることができ、即ち、第1の本体部分は、第1の主本体部分と第1の二次本体部分とを備えてもよい。第1の本体部分は、外面を有する。第1の主凹部及び/又は第1の二次凹部は、第1の本体部分の外面に形成されうる。
【0026】
薬剤送達装置は任意選択で、第1のシェル(殻)部分を有するシェルを備える。第1の本体部分の外面は、第1のシェル部分の少なくとも一部を構成しうる。
【0027】
薬剤送達装置は、取付部分を備えうる。例えば、薬剤送達装置は、第1の取付部分を備える。取付部分及び第1の取付部分は、本明細書において交換可能に使用されうる。第1の取付部分は、第1のベース(基部)部分及び/又は第1の針、例えばスパイク、を備えうる。第1の取付部分は、第1の近位端部と第1の遠位端部とを有する。第1の針又はスパイクなどの第1の取付部分は、任意選択で、第1の取付軸線を有するか、又は第1の取付軸線に沿って延びる。第1の針の第1の先端は、第1の遠位端部を形成する。換言すれば、第1の遠位端部は、第1の針の第1の先端である。第1のベースは、第1の取付部分の第1の近位端部に配置されるか、又は第1の近位端部を構成しうる。第1の針は、1mm~15mmの範囲、例えば3mm~10mmの範囲、の長さを有しうる。それにより、内部組織への十分な貫通が提供され得ると同時に、内部組織を損傷する危険性が低減される。第1の取付部分の第1の遠位端部は、生体組織を貫通するように構成された先端を備えうる。第1の取付部分の第1の遠位端部は、生体組織を把持するように構成された把持部分を備えうる。
【0028】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、取付部分はスパイクを含みうる。スパイクは遠位先端を有しうる。遠位先端は、中心軸線に対して非平行に向けられうる。遠位先端は、中心軸線に対して直交するように向けられうる。遠位先端は、中心軸線に対して平行に向けられうる。
【0029】
遠位先端は、薬剤送達装置の長手方向軸線に対して非平行に向けられうる。遠位先端は、薬剤送達装置の長手方向軸線に対して直交するように向けられうる。遠位先端は、薬剤送達装置の長手方向軸線に対して平行に向けられうる。
【0030】
第1の針は、0.1mm~5mmの範囲の、例えば0.5mm~2.0mmの範囲の断面直径を有しうる。
【0031】
第1の針は、直線状、及び/又は、湾曲状としうる。第1の針は、直線状の第1の主部位を備えうる。第1の針は、例えば、第1の主部位と第1の遠位端部との間において、又は第1のベースと第1の主部位との間において、第1の二次部位を備えうる。第1の二次部位は、湾曲状としうる。
【0032】
第1の針は、角度を付けて形成された、2つ以上の直線部分を備えうる。例えば、第1の針は、接続点から薬剤送達装置まで第1の角度で延びる近位部分と、接続点から薬剤送達装置まで第2の角度で延びる遠位部分と、を有しうる。第1の角度と第2の角度は、異なりうる。近位部分は、ジョイント(接合部)(例えば、屈曲部、接続部、角度部)において遠位部分に接続することができ、近位部分と遠位部分との間にジョイント角度を有しうる。ジョイント角度は、鋭角、鈍角又は直角としうる。角度は、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、130、140、150、160、又は170度としうる。これにより、第1の針が内面ライニングと相互作用する時に、異なる取付角度を許容可能であることが有利である。これにより、組織の損傷を軽減又は回避することを支援しながら、薬剤送達装置の取付を改善することを可能にしうる。更に、ジョイントは、可撓性としうる。代替的に、ジョイントは可撓性でない場合がある。
【0033】
ジョイントは、第1の針の長さの中心、又は概ね中心に位置しうる。代替的に、ジョイントは、近位端部から第1の針の長さの40、45、55、60又は65%に位置しうる。
【0034】
1つ以上の例示的な第1の取付部分において、第1の針は、異なる角度で3つ、4つ又は5つの異なる部分を有することができ、それぞれは、ジョイントにより接続する。幾つかの繰り返しにおいて、異なる部分の幾つか又は全ては、直線であるか又は曲線としうる。各ジョイントは、可撓性である場合又は可撓性でない場合がある。
【0035】
薬剤送達装置の取付部分は、人間又は動物の体の胃壁、内臓及び/又は腸の壁等の生体組織に薬剤送達装置を取り付け可能としうる、任意の種類の取付部分と見なされうる。取付部分は、薬剤送達装置の中心軸線及び/又は第1の取付部分の中心軸線から離れる方向に伸長するように適合されうる。これは、取付部分が半径方向において本体部分の周面又は外面よりも遠くまで延びるように、取付部分が、例えば、薬剤送達装置の少なくとも作動状態又は第2の状態において、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分の周面から離れる方向(半径方向)において延びうることを意味しうる。
【0036】
第1の取付部分は、第1の本体部分に固定することができ、又は回転可能に取り付けられうる。
【0037】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、第2の本体部分を備える。第2の本体部分は、2つの部分からなる本体部分とすることができ、即ち、第2の本体部分は、第2の主本体部分と第2の二次本体部分とを備えうる。第2の取付部分は、任意選択で第2の本体部分に取り付けられる。2の取付部分は、第2の本体部分に固定することができ又は回転可能に取り付けられうる。第2の本体部分は、外面を有する。第2の主凹部及び/又は第2の二次凹部は、第2の本体部分の外面に形成されうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の主軸線の周りで第2の本体部分に対して第1の本体部分を回転させるように構成される。主軸線は、中心軸線と平行及び/又は中心軸線と一致しうる。
【0038】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分は、第1の方向に回転するように構成され、及び/又は第2の本体部分は、第1の方向とは反対の第2の方向に回転するように構成される。
【0039】
薬剤送達装置は、フレーム(骨組み)部分を備えることができ、その場合、異なる部分、例えば第1の本体部分及び/又は第2の本体部分等は、フレーム部分に取り付けられる、例えば、固定されるか又は回転可能に取り付けられる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構又はその一部は、フレーム部分に取り付けられうる。これにより、第1の本体部分及び第2の本体部分のフレーム部分に対する別個の回転が提供されうる。
【0040】
第1の本体部分と第2の本体部分との間の回転接続により、取付部分が粘膜等の内部組織と相互作用する前に2つの部分が互いに分離することなく、第1の本体部分が第2の本体部分に対して回転することを可能にする。その様な接続は、複数の方法で得ることができ、一例において、第1の本体部分はプラグ接続を有し、第2の本体部分はソケット接続を有しており、更にこのプラグ及びソケットの構成により、第1の本体部分が第2の本体部分に対して回転することを可能にする。第2の例は、中心軸線及び/又は主軸線と同軸としうる軸部を提供することが可能であり、その場合、第1の本体部分及び第2の本体部分は、軸部を受容するように構成されており、停止装置は、結合された第1と第2の本体部分のそれぞれの側において、軸部の第1と第2の端部に配置されて、第1の本体部分及び第2の本体部分が軸部に沿って長手方向に滑ることを防止する。軸部は、第1の本体部分又は第2の本体部分に一体化されうる。
【0041】
軸部が使用される場合には、軸部は、任意の数の異なる材料で作製可能である。例えば、軸部は、金属及び/又は合金及び/又はポリマー及び/又は複合材料、及び/又はそれらの複合材料及び/又は組み合わせから作製可能である。
【0042】
第1及び/又は第2の本体部分は、例えば少なくとも第2の状態において、互いに対して自由に回転するように配置することができ、そしてそれにより取付部分が互いに対して回転することを可能にする。従って、取付部分は、消化管の組織に接触及び/又は貫通するように適合されうる。弾性力を使用して本体部分を互いに対して回転させることにより、薬剤送達装置を胃又は腸等の消化管内の位置に固定するために、取付部分が粘膜を貫通又は挟持できるような方法で、取付部分を移動させうる。貫通力又は挟持力は、アクチュエータ機構/弾性部分から生じ得、弾性部分は、弾性部分の弾性力が少なくとも部分的に解放された時に、取付部分を互いに向かって押すことができる、弾性力を蓄えるように適合されうる。弾性部分は例えば、ばね又はばね要素、例えば捩りばね又は動力ばね、の形態とすることができ、その場合ばねは、機械的エネルギを蓄積するために巻き上げることができ、機械的エネルギは、第1及び/又は第2の本体部分に伝達されうる。機械的エネルギが解放されると、第1の本体部分は、第2の本体部分に対して回転することができ、機械的エネルギは、本体部分を介して取付部分に伝達されうる。
【0043】
本説明の文脈において、「回転力」という用語は、トルク、モーメント、力のモーメント、回転力、又は「回転の効果」とみなされうる。「回転力」という用語の別の定義は、力の大きさと回転軸線からの力の作用線の垂直方向の距離の積としうる。回転力は、弾性部分から本体部分を介して薬剤送達装置の取付部材に伝達される力とみなされうる。
【0044】
回転力は、胃腸組織内に貫通するのに十分に大きいものとして規定されても良い。回転力が第1と第2の本体部分の両方に作用する場合に、第1の取付部材は、取り付けられるべき面に接触しても良く、その場合、第2の本体部分に作用する回転力は、第2の取付部分を同じ面に接触させるようにしており、また、第1の取付部分が力を提供すると同時に、第2の取付部分が第1の取付部分に対する反力を提供し、その結果、第1の取付部分が第2の取付部分の方向に付勢されるように、又はその逆の態様であるように、力が適用される。
【0045】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付部分の第1の取付軸線と主軸線との間の距離は、例えば少なくとも薬剤送達装置の作動状態又は第2の状態において及び任意選択で薬剤送達装置の初期状態において、0.5mmより大きい。
【0046】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分の第2の取付軸線と主軸線との間の距離は、例えば少なくとも薬剤送達装置の作動状態又は第2の状態において及び任意選択で薬剤送達装置の初期状態において、0.5mmより大きい。
【0047】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付部分は、例えば、第1の回転軸線を有する第1のジョイント接続を介して、第1の本体部分に回転可能に取り付けられる。換言すれば、第1の取付部分は、例えば第1の本体部分に関して、第1の回転軸線の周りを回転するように任意選択で構成される。第1の回転軸線は、中心軸線及び/又は主軸線と平行としうる。第1の回転軸線は、中心軸線及び/又は主軸線と第1の角度を形成しうる。第1の角度は、15°未満としうる。第1の角度は、75°~105°の範囲内、例えば90°±5°又は90°、としうる。
【0048】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分は、第1の本体部分の外面まで延びる、第1の本体凹部(例えば、空洞、スロット、穴)を画定しうる。第1の本体凹部は、開いた最外面を除く全ての側面において、中実の壁により形成されうる。第1の取付部分は、第1の取付部分軸線に沿って第1の本体凹部内において回転可能に接続しうる。第1の取付部分軸線は、例えば、ピン(例えば、腕部、支持部)としうる。第1の取付部分軸線は、中心軸線及び/又は主軸線と平行としうる。第1の取付部分軸線は、中心軸線及び/又は主軸線に対して角度を付けられうる。従って、第1の取付部分は、第1の取付部分軸線に沿って凹部内において回転するように構成されうる。また、第1の取付部分の回転は、凹部の端面で停止しうる。
【0049】
第1の本体凹部は、第1の本体の外面の一部に沿って延びうる。第1の本体凹部は、第1の本体の外周に沿って完全に延びうる。第1の本体凹部は、第1の本体の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%にわたって延びうる。第1の本体凹部は、第1の本体の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%を超えて延びうる。第1の本体凹部は、第1の本体の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%未満にわたって延びうる。第1の本体は、例えば、複数の第1の取付部分が第1の本体に使用される場合に、任意選択で複数の第1の本体凹部を含みうる。複数の第1の本体凹部が使用される場合、それらは、長手方向及び/又は周方向に間隔をあけて配置されうる。
【0050】
第1の本体凹部は、外面から中心軸線に向かって、薬剤送達装置の5、10、15、20、25、30、35、又は40%にわたって延びうる。第1の本体凹部は、外面から中心軸線に向かって、薬剤送達装置の5、10、15、20、25、30、35、又は40%を超えて延びうる。第1の本体凹部は、外面から中心軸線に向かって、薬剤送達装置の5、10、15、20、25、30、35、又は40%未満にわたって延びうる。
【0051】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体凹部は、長手方向である中心軸線を有する、第1の本体部分の周りで周方向又は部分的に周方向に延びうる。第1の本体凹部は、中心軸線及び/又は主アクセスに対して垂直に延びうる(例えば、中心軸線及び/又は主アクセスに対して垂直な薬剤送達装置の断面に沿って延びうる)。第1の本体凹部は、任意の数の形状を有しうる。例えば、第1の本体凹部は、半円等の円の一部としうる。第1の本体凹部は、三角形としうる。第1の本体凹部は、円の扇形としうる。第1の本体凹部は、2つの直線角部により接続された湾曲角部としうる。第1の本体凹部は、2つの直線角部により互いに接続する、2つの湾曲角部としうる。
【0052】
従って、第1の取付部分は、中心軸線及び/又は主軸線に対して垂直に移動するために、第1の取付部分軸線において回転しうる。特定の実施形態において、第1の取付部分は、中心軸線及び/又は主軸線に対して垂直と平行との間の角度で回転しうる。
【0053】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分が互いに対して回転すると、第1の取付部分及び/又は第2の取付部分は、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分の回転により、それらの凹部(例えば、第1の本体凹部及び第2の本体凹部)から回転して外に出ることができる。次に、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分の継続的な回転により、第1の取付部分及び/又は第2の取付部分が組織に突き刺さり、薬剤送達装置を所定の位置に保持する。
【0054】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付部分は、例えば、少なくとも薬剤送達装置の作動状態において及び任意選択で薬剤送達装置の初期状態において、第1の本体部分から離れる方向において延びる。換言すれば、第1の針は、例えば、少なくとも薬剤送達装置の作動状態において及び任意選択で初期状態において、第1の本体部分の外面から延びうる。別の言い方をすれば、第1の取付軸線は、例えば、少なくとも薬剤送達装置の作動状態において及び任意選択で薬剤送達装置の初期状態において、中心軸線及び/又は主軸線と少なくとも45°の角度を形成しうる。取付部分がある方向に延びることは、取付部分の取付軸線に沿って取付部分/針部分の近位端部から取付部分の遠位端部への方向として理解されるべきである。
【0055】
第1の取付部分は、薬剤送達装置の第1の状態において第1の主方向に延び、そして薬剤送達装置の第2の状態において第1の二次方向に延びうる。第1の主方向及び第1の二次方向は、少なくとも30°の角度を形成しうる。第1の主方向は、中心軸線に平行又は実質的に平行としうる。第1の主方向は、中心軸線と60°未満の角度を形成しうる。第1の二次方向は、中心軸線と少なくとも60°、例えば約90°等、の角度を形成しうる。第1の二次方向は、中心軸線に対して垂直としうる。
【0056】
第1の取付部分の第1の遠位端部は、薬剤送達装置の第1の状態における第1の主位置から第2の状態における第1の二次位置まで移動するか、又は移動させられるように構成されうる。
【0057】
薬剤送達装置は、第2の取付部分を備える。第2の取付部分は、第2のベース部分及び/又は第2の針、例えばスパイク、を備えうる。第2の取付部分は、第2の近位端部と第2の遠位端部とを有する。第2の針等の第2の取付部分は、任意選択で、第2の取付軸線を有するか、又は第2の取付軸線に沿って延びる。第2の針の第2の先端は、第2の遠位端部を形成する。換言すれば、第2の遠位端は、第2の針の第2の先端である。第2のベースは、第2の取付部分の第2の近位端部に配置されるか、又は第2の近位端部を構成しうる。第2の針は、1mm~15mmの範囲、例えば3mm~10mmの範囲、の長さを有しうる。それにより、内部組織への十分な貫通が提供され得ると同時に、内部組織を損傷する危険性が低減される。第2の取付部分の第2の遠位端部は、生体組織を貫通するように構成された先端を備えうる。第2の取付部分の第2の遠位端部は、生体組織を把持するように構成された把持部を備えうる。
【0058】
第2の針は、0.1mm~5mmの範囲の、例えば0.5mm~2.0mmの範囲の断面直径を有しうる。
【0059】
第2の針は、直線状、及び/又は、湾曲状としうる。第2の針は、直線状の第2の主部位を備えうる。第2の針は、例えば、第2の主部位と第2の遠位端部との間において、又は第2のベースと第2の主部位との間において、第2の二次部位を備えうる。第2の二次部位は、湾曲状としうる。
【0060】
第2の針は、角度を付けて形成された、2つ以上の直線部分を含みうる。例えば、第2の針は、接続点から薬剤送達装置まで第1の角度で延びる近位部分と、接続点から薬剤送達装置まで第2の角度で延びる遠位部分とを有しうる。第1の角度と第2の角度は、異なりうる。近位部分は、ジョイント(例えば、屈曲部、接続部、角度部)において遠位部分に接続することができ、近位部分と遠位部分との間にジョイント角度を有しうる。ジョイント角度は、鋭角、鈍角又は直角としうる。角度は、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、130、140、150、160、又は170度としうる。これにより、第2の針が内面ライニングと相互作用する時に、異なる取付角度を許容可能であることが有利である。これにより、組織の損傷を軽減又は回避することを支援しながら、薬剤送達装置の取付を改善することを可能にしうる。更に、ジョイントは、可撓性としうる。代替的に、ジョイントは可撓性でなくてもよい。
【0061】
ジョイントは、第2の針の長さの中心、又は概ね中心に位置しうる。代替的に、ジョイントは、近位端部から第1の針の長さの40、45、55、60又は65%に位置しうる。
【0062】
1つ以上の例示的な第2の取付部分において、第2の針は、異なる角度で3つ、4つ又は5つの異なる部分を有することができ、それぞれは、ジョイントにより接続する。幾つかの繰り返しにおいて、異なる部分の幾つか又は全ては、直線であるか又は曲線としうる。各ジョイントは、可撓性である場合又は可撓性でない場合がある。
【0063】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の針及び第2の針の両方がジョイントを含む。しかしながら、第1の針及び第2の針の一方のみがジョイントを含み、他方が直線状及び/又は曲線状であってもよい。第1の針及び第2の針の両方がジョイントを含む場合、第1の遠位先端及び第2の遠位先端は、第1の本体部分及び第2の本体部分が互いに回転するときに取り付けを容易にするために互いに対して角度付けられてもよい。
【0064】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分は、例えば、第2の回転軸線を有する第2のジョイント接続を介して、第2の本体部分に回転可能に取り付けられる。換言すれば、第2の取付部分は、例えば第2の本体部分に関して、第2の回転軸線の周りを回転するように任意選択で構成される。第2の回転軸線は、中心軸線及び/又は主軸線と平行としうる。第2の回転軸線は、中心軸線及び/又は主軸線と第2の角度を形成しうる。第2の角度は、15°未満としうる。第2の角度は、75°~105°の範囲内、例えば90°±5°又は90°、としうる。
【0065】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の本体部分は、第2の本体部分の外面まで延びる、第2の本体凹部(例えば、空洞、スロット、穴)を画定しうる。第2の本体凹部は、開いた最外面を除く全ての側面において、中実の壁により形成されうる。第2の取付部分は、第2の取付部分軸線に沿って第2の本体凹部内において回転可能に接続しうる。第2の取付部分軸線は、例えば、ピン(例えば、腕部、支持部)としうる。第2の取付部分軸線は、中心軸線及び/又は主軸線と平行としうる。第2の取付部分軸線は、中心軸線及び/又は主軸線に対して角度を付けられうる。従って、第2の取付部分は、第2の取付部分軸線に沿って凹部内において回転するように構成されうる。また、第2の取付部分の回転は、凹部の端面で停止しうる。
【0066】
第2の本体凹部は、第2の本体の外面の一部に沿って延びうる。第2の本体凹部は、第2の本体の外周に沿って完全に延びうる。第2の本体凹部は、第2の本体の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%にわたって延びうる。第2の本体凹部は、第2の本体の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%を超えて延びうる。第2の本体凹部は、第2の本体の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%未満にわたって延びうる。第2の本体は、例えば、複数の第2の取付部分が第2の本体に使用される場合に、任意選択で複数の第2の本体凹部を含みうる。複数の第2の本体凹部が使用される場合、それらは、長手方向及び/又は周方向に間隔をあけて配置されうる。
【0067】
第2の本体凹部は、外面から中心軸線に向かって、薬剤送達装置の5、10、15、20、25、30、35、又は40%にわたって延びうる。第2の本体凹部は、外面から中心軸線に向かって、薬剤送達装置の5、10、15、20、25、30、35、又は40%を超えて延びうる。第2の本体凹部は、外面から中心軸線に向かって、薬剤送達装置の5、10、15、20、25、30、35、又は40%未満にわたって延びうる。
【0068】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の本体凹部は、長手方向である中心軸線を有する、第2の本体部分の周りで周方向又は部分的に周方向に延びうる。第2の本体凹部は、中心軸線及び/又は主アクセスに対して垂直に延びうる(例えば、中心軸線及び/又は主アクセスに対して垂直な薬剤送達装置の断面に沿って延びうる)。第2の本体凹部は、任意の数の形状を有しうる。例えば、第2の本体凹部は、半円等の円の一部としうる。第2の本体凹部は、三角形としうる。第2の本体凹部は、円の扇形としうる。第2の本体凹部は、2つの直線角部により接続された湾曲角部としうる。第2の本体凹部は、2つの直線角部により互いに接続する、2つの湾曲角部としうる。
【0069】
従って、第2の取付部分は、中心軸線及び/又は主軸線に対して垂直に移動するために、第2の取付部分軸線において回転しうる。特定の実施形態において、第2の取付部分は、中心軸線及び/又は主軸線に対して垂直と平行との間の角度で回転しうる。
【0070】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分が互いに対して回転すると、第1の取付部分及び/又は第2の取付部分は、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分の回転により、それらの凹部(例えば、第1の本体凹部及び第2の本体凹部)から回転して外に出ることができる。次に、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分の継続的な回転により、第1の取付部分及び/又は第2の取付部分が組織に突き刺さり、薬剤送達装置を所定の位置に保持する。
【0071】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分は、例えば、少なくとも薬剤送達装置の作動状態において及び任意選択で薬剤送達装置の初期状態において、第2の本体部分から離れる方向において延びる。換言すれば、第2の針は、例えば、少なくとも薬剤送達装置の作動状態において及び任意選択で初期状態において、第2の本体部分の外面から延びうる。別の言い方をすれば、第2の取付軸線は、例えば、少なくとも薬剤送達装置の作動状態において及び任意選択で薬剤送達装置の初期状態において、中心軸線及び/又は主軸線と少なくとも45°の角度を形成しうる。
【0072】
第2の取付部分は、薬剤送達装置の第1の状態において第2の主方向に延び、そして薬剤送達装置の第2の状態において第2の二次方向に延びうる。第2の主方向及び第2の二次方向は、少なくとも30°の角度を形成しうる。第2の主方向は、中心軸線に平行又は実質的に平行としうる。第2の主方向は、中心軸線と60°未満の角度を形成しうる。第2の二次方向は、中心軸線と少なくとも60°、例えば約90°等、の角度を形成しうる。第2の二次方向は、中心軸線に対して垂直としうる。
【0073】
第2の取付部分の第2の遠位端部は、薬剤送達装置の第1の状態における第2の主位置から第2の状態における第2の二次位置まで移動するか、又は移動させられるように構成されうる。
【0074】
薬剤送達装置は、アクチュエータ機構を備える。アクチュエータ機構は、例えば回転の一部の間において、例えば少なくとも第1の回転において及び任意選択で第2の回転において等、第2の取付部分に対して第1の取付部分を移動させるように、例えば第1の遠位端部を第2の遠位端部に向かって、及び/又は、第2の遠位端部から離れるように移動させるように、構成される。第1の遠位端部を第2の遠位端部に向かって動かすことは、第1の遠位端及び第2の遠位端の間の距離を減少させることとして理解されうる。第1の遠位端部を第2の遠位端部に向かって動かすことは、たとえば第1の取付部分の第1の二次方向と、第2の取付部分の第2の二次方向との間の角度を減少させることなどの、第1の取付軸線及び第2の取付軸線との間の角度を減少させることとして理解されうる。例えば、アクチュエータ機構は、第1の本体部分及び第2の本体部分の一方を回転させるように構成されうる。
【0075】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、弾性部分を含むことができる。例えば、アクチュエータ機構は、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分に力を加えるように構成された、ばね要素等の弾性部分を任意選択で備える。弾性部分は、第1の本体部分に接続する、第1の端部等の第1の部分を備えうる。弾性部分は、第2の本体部分に接続する、第2の端部等の第2の部分を備えうる。
【0076】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、オフセットされうる。アクチュエータ機構は、オフセットアクチュエータ機構としうる。アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の長手方向長さに関してオフセットされうる。例えば、アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の長手方向の一側に、その反対側よりも近いように配置され、例えば位置決めされ、設置され、取り付けられうる。アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の長手方向中心に対して長手方向にオフセットされうる。
【0077】
薬剤送達装置は、長手方向及び/又は半径方向中心点を有しうる。中心点は、質量中心としうる。中心点は、薬剤送達装置の長さ及び/又は幅等の特定の寸法中心としうる。アクチュエータ機構は、中心点からオフセットされうる。
【0078】
例えば、アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の長手方向にオフセットされうる。アクチュエータ機構は、第1の本体部分及び第2の本体部分に対して長手方向にオフセットされうる。アクチュエータ機構は、横断方向にオフセットされうる。アクチュエータ機構は、長手方向にオフセットされうる。アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の中心に位置しなくてもよい。アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の長手方向中心に位置しなくてもよい。アクチュエータ機構の大部分は、第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。
【0079】
薬剤送達装置は中心軸線を有しうる。中心軸線は、薬剤送達装置の第1の長手方向端部から、薬剤送達装置の第2の長手方向端部に延びうる。中心軸線は、薬剤送達装置の長手方向軸線としうる。中心軸線は、薬剤送達装置の長手方向軸線から角度をなしうる。中心軸線は、薬剤送達装置の長手方向軸線からオフセットしうる。中心軸線は、薬剤送達装置の長手方向軸線と平行としうる。中心軸線は、薬剤送達装置の長手方向軸線と交差しうる。
【0080】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分は、第1の長手方向端部の一部を形成しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の本体部分は、第2の長手方向端部の一部を形成しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分は、第1の長手方向端部の一部を形成し得、且つ/又は、第2の本体部分は、第2の長手方向端部の一部を形成しうる。第1の本体部分は、第1の長手方向端部の全体を形成しうる。第2の本体部分は、第2の長手方向端部の全体を形成しうる。
【0081】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、中心軸線に沿って、薬剤送達装置の第2の長手方向端部よりも、薬剤送達装置の第1の長手方向端部の方に位置しうる。アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の中心に位置しなくてもよい。アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の長手方向中心に位置しなくてもよい。アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の長手方向中心から外れてありうる。
【0082】
例えば、アクチュエータ機構は、第2の本体部分よりも第1の本体部分に多く位置しうる。アクチュエータ機構は、第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。アクチュエータ機構は、寸法、重量、質量、高さ、幅、長さ及び深さのうちの1つ以上に基づいて、第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。アクチュエータ機構は、中心軸線及び/又は長手方向軸線に沿って対称としうる。アクチュエータ機構は、中心軸線及び/又は長手方向軸線に沿って非対称としうる。
【0083】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、第1の本体部分内に完全に位置しうる。例えば、アクチュエータ機構のどの部分も、第2の本体部分内に位置し得ない。
【0084】
アクチュエータ機構は、弾性部分を含みうる。弾性部分は、第2の本体部分よりも第1の本体部分に多く位置しうる。弾性部分は、第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。弾性部分は、寸法、重量、質量、高さ、幅、長さ、及び深さのうちの1つ以上に基づいて、第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、弾性部分は、第1の本体部分内に完全に位置しうる。例えば、弾性部分のどの部分も第2の本体部分内に位置し得ない。
【0085】
アクチュエータ機構は、第1の本体部分よりも第2の本体部分に多く位置しうる。アクチュエータ機構は、第1の長手方向端部よりも第2の長手方向端部の方に位置しうる。アクチュエータ機構は、寸法、重量、質量、高さ、幅、長さ及び深さのうちの1つ以上に基づいて、第1の長手方向端部よりも第2の長手方向端部の方に位置しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、第2の本体部分内に完全に位置しうる。例えば、アクチュエータ機構のどの部分も第1の本体部分内に位置し得ない。
【0086】
弾性部分は、第1の本体部分よりも第2の本体部分に多く位置しうる。弾性部分は、第1の長手方向端部よりも第2の長手方向端部の方に位置しうる。弾性部分は、寸法、重量、質量、高さ、幅、長さ及び深さのうちの1つ以上に基づいて、第1の長手方向端部よりも第2の長手方向端部の方に位置しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、弾性部分は、第2の本体部分内に完全に位置しうる。例えば、弾性部分のどの部分も第1の本体部分内に位置し得ない。
【0087】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、第1の本体部分内に部分的に、且つ第2の本体部分内に部分的に、位置しうる。弾性部分は、第1の本体部分内に部分的に、且つ第2の本体部分内に部分的に位置しうる。第1の本体部分及び第2の本体部分の両方にかかる一方で、アクチュエータ機構は、全体として薬剤送達装置において依然としてオフセットされうる。
【0088】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、中心軸線を中心としうる。例えば、アクチュエータ機構が第2の長手方向端部よりも第1の長手方向端部の方に多く位置する一方で、中心軸線は、アクチュエータ機構の中心を通過しうる。代替的に、アクチュエータ機構は、薬剤送達装置の中心線から半径方向にオフセットされうる。
【0089】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、取付部分よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。代替的に、取付部分は、アクチュエータ機構よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。アクチュエータ機構及び取付部分は、第1の長手方向端部から同じ距離に位置しうる。例えば、アクチュエータ機構がオフセットする一方で、取付部分は長手方向の中心にありうる。
【0090】
取付部分は、アクチュエータ機構と長手方向に重なりうる。取付部分は、アクチュエータ機構と長手方向に重なっていなくてもよい。
【0091】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、例えば薬剤送達装置の第2の状態において、第2の本体部分に対して第1の本体部分を回転させることにより、及び/又はその逆で、第1の遠位端部を第2の遠位端部に向けて移動させるように構成される。アクチュエータ機構は、主軸線の周りで、第1の本体部分を第2の本体部分に対して、少なくとも90°、例えば、少なくとも450°、少なくとも810°、少なくとも1170°、少なくとも1530°、又は更には少なくとも1890°回転させるように構成されうる。アクチュエータ機構は、第1の本体部分を第2の本体部分に対して主軸線の周りで段階的方法で回転させるように構成されうる。換言すれば、第2の本体部分に対して第1の本体部分を主軸線の周りで回転させることは、第1の回転と第2の回転とを含む、複数の回転を備えることができ、例えば、回転が減少するか又は回転しない第1の期間が第1の回転に続き、更に第2の回転が続く。第1の期間後に第1の回転に第2の回転が続くことにより、薬剤送達装置が生体組織に取り付けられる可能性を高めうる。第1の期間又は一般的に回転間の期間は、薬剤送達が消化管内の別の位置に移動することを可能にする。換言すれば、第1の回転中に薬剤送達が生体組織に付着しない場合には、更なる回転は、内部組織に付着する機会を増加させる。第1の回転は、少なくとも90°とすることができ、第2の回転は、少なくとも180°としうる。複数の回転は、第3の回転を備えうる。第3の回転は、少なくとも180°としうる。
【0092】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、第2の取付部分を含みうる。第2の取付部分は、第2の本体部分に接続されうる。アクチュエータ機構は、取付部分と第2の取付部分との間に位置しうる。取付部分は、アクチュエータ機構と第2の取付部分との間に位置しうる。第2の取付部分は、アクチュエータ機構と取付部分との間に位置しうる。
【0093】
代替的に、取付部分は、第2の本体部分に接続され得、第2の取付部分は、第1の本体部分に接続されうる。
【0094】
第2の取付部分は、アクチュエータ機構と長手方向に重なりうる。第2の取付部分は、アクチュエータ機構と長手方向に重なっていなくてもよい。取付部分及び第2の取付部分は、アクチュエータ機構と長手方向に重なりうる。取付部分及び第2の取付部分は、アクチュエータ機構と長手方向に重なっていなくてもよい。取付部分及び第2の取付部分のいずれも、アクチュエータ機構と長手方向に重なっていなくてもよい。
【0095】
取付部分及び第2の取付部分は、薬剤送達装置の長手方向軸線に沿って互いに間隔をあけて配置されうる。取付部分及び第2の取付部分は、薬剤送達装置の中心軸線に沿って互いに間隔をあけて配置されうる。中心軸線は、長手方向軸線と同じとしうる。中心軸線は、長手方向軸線と同じでなくてもよい。
【0096】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分及び取付部分は、中心軸線に沿って互いに10mm以内にありうる。例えば、1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分及び取付部分は、長手方向軸線に沿って互いに10mm以内にありうる。第2の取付部分は、取付部分から10mm以下の間隔をあけうる。例えば、取付部分の遠位先端は、第2の取付部分の第2の遠位先端から10mm以内にあうる。取付部分のベースは、第2の取付部分のベースから10mm以内にありうる。取付部分の中心は、第2の取付部分の中心から10mm以内にありうる。
【0097】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分及び取付部分は、中心軸線に沿って互いに4.1mm以内にありうる。例えば、1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分及び取付部分は、長手方向軸線に沿って互いに4.1mm以内にありうる。第2の取付部分は、取付部分から4.1mm以下の間隔をあけうる。例えば、取付部分の遠位先端は、第2の取付部分の第2の遠位先端から4.1mm以内にありうる。取付部分のベースは、第2の取付部分のベースから4.1mm以内にありうる。取付部分の中心は、第2の取付部分の中心から4.1mm以内にありうる。
【0098】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分及び取付部分は、中心軸線に沿って互いに3.9mm以内にありうる。例えば、1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分及び取付部分は、長手方向軸線に沿って互いに3.9mm以内にありうる。第2の取付部分は、取付部分から3.9mm以下の間隔をあけうる。例えば、取付部分の遠位先端は、第2の取付部分の第2の遠位先端から3.9mm以内にありうる。取付部分のベースは、第2の取付部分のベースから3.9mm以内にありうる。取付部分の中心は、第2の取付部分の中心から3.9mm以内にありうる。
【0099】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の取付部分及び取付部分は、中心軸線に沿って互いに0~10mm離れうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の遠位端から離れる第1の遠位端の動きが、第2の遠位端に向かう第1の遠位端の動きに先行してもよいし、後に続いてよい。換言すれば、第2の遠位端に向かう第1の遠位端の動きは、第2の遠位端から離れる第1の遠位端の動きの先に、及び/又は後に、なりうる。例えば、第1の回転は、第1の遠位端を第2の遠位端に向かって動かすこと、及び/又は、第1の遠位端を第2の遠位端から離れるように動かすこと、を備えうる。例えば、第2の回転は、第1の遠位端を第2の遠位端に向かって動かすこと、及び/又は、第1の遠位端を第2の遠位端から離れるように動かすこと、を備えうる。例えば、第3の回転は、第1の遠位端を第2の遠位端に向かって動かすこと、及び/又は、第1の遠位端を第2の遠位端から離れるように動かすこと、を備えうる。
【0100】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、例えば、部分を相互に回転させるために、任意選択で膨張媒体、即ち、例えば液体との接触時において、その体積を増加させる媒体、を備える。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、膨張媒体は、第1の本体部分に対して第1の取付部分を回転させるか、及び/又は第2の本体部分に対して第2の取付部分を回転させる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、膨張媒体は、第2の本体部分に対する第1の本体部分の回転をもたらす。
【0101】
弾性部分等のアクチュエータ機構は、第1の本体部分に対して第1の回転軸線の周りで第1の取付部分を回転させるように構成されうる。
【0102】
弾性部分等のアクチュエータ機構は、第2の本体部分に対して第2の回転軸線の周りで第2の取付部分を回転させるように構成されうる。
【0103】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、第1の区画を備えており、薬剤送達装置が第1の区画から薬剤送達装置の周囲に活性薬剤物質を送達するように構成される。第1の区画は、第1の針内等の第1の取付部分内に、例えば第1の遠位端から8mm以内、例えば5mm以内の距離内に配置されうる。第1の針等の第1の取付部分は、第1の区画へのアクセスを提供する1つ以上の開口部を有しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の区画は、第1の針の貫通孔として形成される。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、取付部分は、活性薬剤物質を提供するように構成されうる。
【0104】
第1の区画は、例えば第1の本体部分、第2の本体部分、又は第1の本体部分と第2の本体部分の両方の容積内の空洞の形態等により、薬剤送達装置の任意の部分に配置されうる。追加的に又は代替的に、第1の区画は、第1の取付部分の内側にある区画とすることができ、その場合第1の取付部分の生体組織内への貫通により、第1の区画内の薬剤物質が生体組織内に放出されうる。追加的に又は代替的に、第1の区画は、第1及び/又は第2の本体部分の外面上の窪み又は開口部又はスパイク又は中空のスパイクの形である、区画とすることができ、その場合薬剤送達装置は、薬剤送達装置が通過するように適合された、身体の器官内に薬剤物質を放出するように適合されうる。
【0105】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の区画は、薬剤送達装置の内部容積から薬剤送達装置の外側部分に向かって開きうる。1つ以上の例において、第1の区画は、第1の本体部分の内部にあることができ、そして第1の区画は、第1の取付部分と流体接続されて、その結果、第1の取付部分の遠位端部が生体組織を貫通すると、薬剤物質は、第1の区画から第1の取付部分を介して生体組織内に放出されうる。これは例えば、第1の取付部分が管状部分である場合とすることができ、管状部分は、薬剤送達装置の第1の区画と流体連通する第1の遠位端部を有する。
【0106】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、第2の区画を備えており、薬剤送達装置は、第2の区画から薬剤送達装置の周囲に活性薬剤物質を送達するように構成される。第2の区画は、第1の取付部分内又は第2の取付部分内、例えば第2の針内に、例えば第2の遠位端から8mm以内、例えば5mm以内の距離内に配置されうる。第2の針等の第2の取付部分は、第2の区画へのアクセスを提供する、1つ以上の開口部を有しうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の区画は、第1の針内又は第2の針内の貫通孔として形成される。
【0107】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の遠位端部及び第2の遠位端部が主軸線を含む平面内にあるときに、第1の取付部分と第2の取付部分は角度を形成する。換言すれば、第1の遠位端部及び第2の遠位端部が主軸線を含む平面内にあるときに、第1の取付軸線及び第2の取付は、例えば5°より大きい角度、例えば10°~75°の範囲内の角度を形成することができる。
【0108】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、第1の本体部分及び第2の本体部分が互いに対して回転可能に静止し、初期状態とも称される第1の状態と、第1の本体部分及び第2の本体部分が互いに対して回転可能に移動可能である、作動状態とも称される第2の状態とを有しており、第2の状態では、第1の本体部分及び第2の本体部分は、例えば、薬剤送達装置の主軸線を中心として回転可能であるなど、互いに対して回転可能である。換言すれば、第1の本体部分は、第2の本体部分に対して固定することができ、例えば回転が防止されうる。第1の状態は、例えば、薬剤送達装置は身体内に導入されるように適合される、初期状態又は導入状態とすることができ、そこでは第1の本体部分及び第2の本体部分は互いに対して静止する。第1の状態において、弾性部分は、所定量の貯蔵エネルギを有することができ、本体部分が静止している間は、弾性部のエネルギレベルは、変化がない。
【0109】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、弾性部分が一定の弾性力負荷を有する第1の状態と、弾性部分が弾性力負荷を少なくとも部分的に解放する第2の状態とを有する。換言すれば、弾性部分は、薬剤送達の第1の状態において付勢されるか又は事前に負荷を加えられることができ、そして解放時に、例えばロック機構の解放により(即ち、薬剤送達装置が第2の状態にある時)、弾性部分からの力は、第2の本体部分に対する第1の本体部分の回転に影響を与えうる、即ち、第2の遠位に向かう第1の遠位端部の移動を含む。
【0110】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、第1の遠位端部を、送達装置の中心軸線からの第1の主半径方向距離を有する第1の主位置であって、例えば薬剤送達装置の第1の状態における第1の主位置から、中心軸線及び/又は主軸線からの第1の二次半径方向距離を有する第1の二次位置であって、例えば薬剤送達装置の第2の状態における第1の二次位置まで、移動させるように構成されており、その場合第1の二次半径方向距離は、第1の主半径方向距離よりも大きい。従って、薬剤送達装置が第1の状態にある時に、第1の取付部分の第1の遠位端部は、第1の主位置に位置することができ、及び/又は薬剤送達装置が第2の状態にある時に、第1の取付部分の第1の遠位端部は、第1の二次位置に位置しうる。
【0111】
第1の主半径方向距離は、10mm未満、例えば8mm未満、又は更には5mm未満としうる。第1の二次半径方向距離は、第1の主半径方向距離よりも大きくしうる。第1の二次半径方向距離は、5mmより大きく、例えば6mmより大きいか又は8mmより大きくしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の二次半径方向距離は、6mm~15mmの範囲にある。
【0112】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の針及び/又は第1の遠位端部の一部等の第1の取付部分は、第1の状態において、第1の本体部分の第1の主凹部内に配置することができ、又は少なくとも部分的に配置されうる。第1の状態において、第1の遠位端部は、第1の本体部分の内部に配置されうる。
【0113】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の針及び/又は第1の遠位端部の一部等の第1の取付部分は、第2の状態において、第1の本体部分の第1の主凹部の外側に配置することができ、又は少なくとも部分的に配置されうる。
【0114】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の針及び/又は第1の遠位端部の一部等の第1の取付部分は、第1の状態において、第2の本体部分の第2の主凹部内に配置されうる。それにより、第1の取付部分は、薬剤送達装置の第1の状態において、第2の本体部分に対して第1の本体部分を固定するように構成されうる。
【0115】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の針及び/又は第1の遠位端部の一部等の第1の取付部分は、第2の状態において、第2の本体部分の外側及び/又は少なくとも第2の本体部分の第2の主凹部の外側に配置されうる。
【0116】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、第2の遠位端部を、送達デバイスの中心軸線からの第2の主半径方向距離を有する第2の主位置であって、例えば薬剤送達装置の第1の状態における第2の主位置から、中心軸線及び/又は主軸線からの第2の二次半径方向距離を有する第2の二次位置であって、例えば薬剤送達装置の第2の状態における第2の二次位置まで、移動させるように構成されており、その場合第2の二次半径方向距離は、第2の主半径方向距離よりも大きい。従って、薬剤送達装置が第1の状態にある時に、第2の取付部分の第2の遠位端部は、第2の主位置に位置することができ、及び/又は薬剤送達装置が第2の状態にある時に、第2の取付部分の第2の遠位端部は、第2の二次位置に位置しうる。
【0117】
第2の主半径方向距離は、10mm未満、例えば8mm未満、又は更には5mm未満としうる。第2の二次半径方向距離は、第2の主半径方向距離よりも大きくしうる。第2の二次半径方向距離は、5mmより大きく、例えば6mmより大きいか又は8mmより大きくし得る。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の二次半径方向距離は、6mm~15mmの範囲にある。
【0118】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の針及び/又は第2の遠位端部の一部等の第2の取付部分は、第1の状態において、第1の本体部分の第1の二次凹部内に配置することができ、又は少なくとも部分的に配置されうる。それにより、第2の取付部分は、薬剤送達装置の第1の状態において、第2の本体部分に対して第1の本体部分を固定するように構成されうる。第1の状態において、第2の遠位端部は、第2の本体部分の内部に配置されうる。
【0119】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の針及び/又は第2の遠位端部の一部等の第2の取付部分は、第2の状態において、第1の本体部分の外側及び/又は少なくとも第1の本体部分の第1の二次凹部の外側に配置することができ、又は少なくとも部分的に配置されうる。
【0120】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の針及び/又は第2の遠位端部の一部等の第2の取付部分は、第1の状態において、第2の本体部分の第2の二次凹部内に配置されうる。
【0121】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第2の針及び/又は第2の遠位端部の一部等の第2の取付部分は、第2の状態において、第2の本体部分の第2の二次凹部の外側に配置されうる。
【0122】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、例えば、第1の取付部分(第1のベース部分)の第1の回転軸の周りの回転により、第1の遠位端部を、第1の取付部分の第1の近位端部に対して、第1の主位置の第1の主角度位置から第1の二次位置の第1の二次角度位置まで移動するように構成される。第1の主角度位置と第1の二次角度位置との間の角度は、10°より大きくし得、例えば、45°より大きく、又は60°より大きくしうる。
【0123】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、例えば、第2の取付部分(第2のベース部分)の第2の回転軸の周りの回転により、第2の遠位端部を第2の取付部分の第2の近位端部に対して、第2の主位置の第2の主角度位置から第2の二次位置の第2の二次角度位置まで移動するように構成される。第2の主角度位置と第2の二次角度位置との間の角度は、10°より大きくし得、例えば、45°より大きく、又は60°より大きくし得る。
【0124】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、ロック(固定)機構を備える。ロック機構は、薬剤送達装置の第1の状態において、第2の本体部分に対して第1の本体部分を固定する、例えば回転を防止する等、のように構成されうる。ロック機構は、薬剤送達装置が第1の状態にある時に、例えば第1の本体部分に対して、第1の取付部分を第1の主位置に固定するように構成されうる。ロック機構が解放されると、第1の取付部分は、第1の主位置から第1の二次位置へ移動することを可能にされうる。ロック機構は、解放時に、例えば薬剤送達装置の第2の状態において、第2の本体部分に対して、第1の本体部分の回転を可能にするように構成されうる。ロック機構は、薬剤送達装置が第1の状態にある時に、例えば第2の本体部分に対して、第2の取付部分を第2の主位置に固定するように構成されうる。ロック機構が解放されると、第2の取付部分は、第2の主位置から第2の二次位置へ移動することを可能にされうる。
【0125】
ロック機構は、第2の本体部分に対して第1の本体部分を固定及び/又は固定解除(解放)するように任意選択に構成された、第1のロック要素を備えうる。第1のロック要素は、第1の本体部分に対して第1の取付部分を固定及び/又は固定解除(解放)するように構成されうる。第1のロック要素は、第2の本体部分に対して第2の取付部分を固定及び/又は固定解除(解放)するように構成されうる。第1のロック要素は、第1の本体部分の第1の主凹部及び/又は第2の本体部分の第2の主凹部に配置されうる。第1のロック要素は、薬剤送達装置が消化管又は消化管内の所望の位置に入る時に、溶解するように構成することができ、それにより第2の本体部分に対して第1の本体部分を解放し、アクチュエータ機構が第1の本体部分を第2の本体部分に対して回転させることを可能にしており、それにより第1の遠位端部を第2の遠位端部に向かって移動させ、そしてその結果薬剤送達装置が内部組織に取り付けられる。
【0126】
第1のロック要素は、第1のロックバンド(帯)(例えば、リング(環)、輪、部分的なリング、部分的な輪)としうる。第1のロックバンドは、長手方向の幅よりも大きい周方向長さを有しうる。例えば、円周方向の長さは、長手方向幅の2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍又は10倍としうる。
【0127】
第1のロックバンドは、薬剤送達装置の外面に嵌合しうる。例えば、第1のロックバンドは、第1の本体部分又は第2の本体部分の外面に位置しうる。第1のロックバンドは、薬剤送達装置に機械的に嵌合しうる。例えば、第1のロックバンドは、薬剤送達装置にスナップ嵌めしうる。第1のロックバンドは、薬剤送達装置に化学的に取り付けられうる。
【0128】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1のロックバンドは、カプセル部分の形状としうる。例えば、第1のロックバンドは、カプセルの第1の半分を形成しうる。第1のロックバンドは、カプセルの第1の半分を形成し得、第2のロックバンドは、カプセルの第2の半分を形成しうる。一緒に嵌合すると、第1のロックバンド及び第2のロックバンドは、完全なカプセルを形成しうる。
【0129】
開示された薬剤送達装置の例は、縮小されたサイズを有しうることが有利である。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、000号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、00号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、0号サイズのカプセルとしうる。
【0130】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、000号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、00号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、0号サイズのカプセルとしうる。
【0131】
任意のカバー、カプセルなどと組み合わせて薬物送達システムを形成する開示された薬剤送達装置の例は、縮小されたサイズを有しうることが有利である。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬物送達システムは、000号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬物送達システムは、00号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬物システム装置は、0号サイズのカプセルとしうる。
【0132】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬物送達システムは、000号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬物送達システムは、00号サイズのカプセルとしうる。1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬物送達システムは、0号サイズのカプセルとしうる。
【0133】
第1のロックバンドは、第1の本体に配置される場合には、第1の本体凹部を部分的又は完全に覆いうる。従って、第1のロックバンドは、第1の取付部分の動きを防止しうる。第1のロックバンドは、第2の本体に配置される場合には、第2の本体凹部を部分的又は完全に覆いうる。従って、第1のロックバンドは、第2の取付部分の動きを防止しうる。第1のロックバンドは、第1の本体凹部及び第2の本体凹部の両方を部分的又は完全に覆いうる。第1のロックバンドは、第1の本体凹部を部分的又は完全に覆い得、第2のロックバンドは、第2の本体凹部を部分的又は完全に覆いうる。
【0134】
第1のロックバンドは、薬剤送達装置の外周に沿って完全に延びうる。第1のロックバンドは、薬剤送達装置の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%にわたって延びうる。第1のロックバンドは、薬剤送達装置の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%を超えて延びうる。第1のロックバンドは、薬剤送達装置の外周の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100%未満にわたって延びうる。
【0135】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付部分及び/又は第2の取付部分の少なくとも一部は、腐食、分解、加水分解及び/又はタンパク質分解酵素による分解等の人体内に存在するプロセス(処理方法)により、取付部分の材料が破壊、分解及び/又は溶解されることを可能にする、生分解性材料、吸収性材料、又は類似の材料で作製されうる。従って、取付部分が一定期間の間人体内にあると、取付部分がその構造的安定性を失い、その結果、取付部分は、取付部分自体が取り付けられる表面から薬剤送達装置を次いで放出しうる程度まで、溶解、崩壊、又は分解し得る。従って、ある期間の後、例えば薬剤物質が取付部分から放出される時に、取付部分は、薬剤送達装置が放出され得且つ消化管を通りその移動を続けて使用者又は患者の自然な腸運動及び/又は排便により放出されうるような程度まで劣化しうる。
【0136】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分の回転軸線(主軸線)は、薬剤送達装置の中心軸線とすることができ、例えば、第1の本体部分の主軸線は、中心軸線と同軸であってもよい。したがって、中心軸線は、第1の本体部分及び第2の本体部分の両方と交差し、主軸線を画定しうる。
【0137】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分及び第2の本体部分は、中心軸線に垂直な半径方向において、実質的に対称としうる。これは、第1の本体部分及び/又は第2の本体部分が円形の外周を有することができ、その外周が中心軸線から離れる方向で且つ中心軸線に垂直な半径方向において延びうることを意味しうる。
【0138】
第1の取付軸線は、取付部分の長さと同軸である軸線と見なしうる。第2の取付軸線は、取付部分の長さと同軸である軸線と見なしうる。第1の取付部分が直線でない形状を有する場合において、第1の取付軸線は、第1の取付部分の第1の遠位端部及び第1の近位端部と交差する軸線として画定されうる。第2の取付部分が直線でない形状を有する場合において、第2の取付軸線は、第2の取付部分の第2の遠位端部及び第2の近位端部と交差する軸線として画定されうる。
【0139】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付軸線は、中心軸線から第1の距離に位置しうるが、一方で第2の取付軸線は、中心軸線及び/又は主軸線から第2の距離に位置しうる。
【0140】
例えば、第1の取付軸線は、薬剤送達装置の第1の状態において中心軸線から第1の主距離に位置しうる。第1の主距離は、0.5mmより大きい、例えば1mm~15mmの範囲、又は1mmより大きい、例えば2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm又は14mmとしうる。
【0141】
第1の取付軸線は、薬剤送達装置の第1の状態において中心軸線と交差するか、又は中心軸線に接近(距離が0.5mm未満)しうる。
【0142】
第1の取付軸線は、薬剤送達装置の第2の状態において、中心軸線から第1の二次距離に位置しうる。第1の二次距離は、0.5mmより大きくすることができ、例えば1mm~15mmの範囲にあるか、又は1mmより大きくすることができ、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm又は14mmとしうる。
【0143】
第1の取付軸線は、薬剤送達装置の第2の状態において中心軸線と交差するか、又は中心軸線に接近(距離が0.5mm未満)しうる。
【0144】
例えば、第2の取付軸線は、薬剤送達装置の第1の状態において中心軸線から第2の主距離に位置しうる。第2の主距離は、0.5mmより大きくすることができ、例えば1mm~15mmの範囲にあるか、又は1mmより大きくすることができ、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm又は14mmとしうる。
【0145】
第2の取付軸線は、薬剤送達装置の第1の状態において中心軸線と交差するか、又は中心軸線に接近(距離が0.5mm未満)しうる。
【0146】
第2の取付軸線は、薬剤送達装置の第2の状態において中心軸線から第2の二次距離に位置しうる。第2の二次距離は、0.5mmより大きくすることができ、例えば、1mm~15mmの範囲にあるか、又は1mmより大きくすることができ、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm又は14mmとしうる。
【0147】
第2の取付軸線は、薬剤送達装置の第2の状態において中心軸線と交差するか、又は中心軸線に接近(距離が0.5mm未満)しうる。
【0148】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付部分(第1の取付軸線)及び/又は第2の取付部分(第2の取付軸線)は、それらが中心軸線を含む平面と交差するときに互いに角度をなすように構成されうる。当該平面は、中心軸線を含み、中心軸線から直角に延びる半径方向軸をも含む平面としうる。第1の取付部分が当該平面と交差するとき、第1の取付部分の第1の取付軸線は、第1の取付部分の第1の遠位端部が、当該平面と交差する第1の取付部分の第1の部分であるように当該平面に対して角度をなし得、第1の取付部分の残余部分は回転運動中に続いて当該平面と交差する。第2の取付部分は反対側から同じ平面と交差し得、第2の取付部分の第2の遠位端部が、当該平面と交差する第2の取付部分の第1の部分であり、第2の取付部分の残余部分が回転運動中に続いて当該平面と交差する。このように、第2の取付部分は、任意選択で、第1の取付部分とは反対の回転方向から平面と交差する。これは、第1の取付部分及び第2の取付部分の、第1の遠位端部及び第2の遠位端部が、それぞれ平面と接触するとき、第1の取付部分(第1の取付軸線)が、平面に対して角度をなすと同時に、第2の取付部分(第2の取付軸線)とも角度をなすことをも意味しうる。平面に対する第1の取付部分(第1の取付軸線)及び第2の取付部分(第2の取付軸線)の間の角度は、第1の取付部分と第2の取付部分の間の角度の約半分の大きさの角度でありうる。
【0149】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の本体部分は、第1の方向において回転するように構成することができ、第2の本体部分は、第2の方向において回転するように構成することができ、その場合第1の方向は、第2の方向と反対である。従って、一例として、第1の本体部分は、時計回り方向に回転しうるが、一方で第2の本体部分は、反対の反時計回り方向に回転しうる。薬剤送達装置が3つ以上の本体部分を備える、1つ以上の例において、隣接する又は近傍の本体部分は、反対方向に回転しうる。これは、本体部分が、1つおきに同じ方向に回転しうることもまた意味しうる。例えば、第1の本体部分及び第3の本体部分が同じ第1の方向において回転する場合に、その際第2の本体部分及び/又は第4の本体部分は、第1の方向とは反対の第2の方向において回転しうる。
【0150】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、アクチュエータ機構は、複数の弾性部分等の1つ以上の弾性部分を備えうる。
【0151】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付部分の第1の遠位端部及び/又は第2の取付部分の第2の遠位端部において、生体組織を貫通するように構成された、鋭利な先端が設けられうる。鋭利な先端は、それぞれの取付部分の遠位端部の近傍に位置することができ、その場合鋭利な先端は、遠位端部から離れた位置の取付部分の直径よりも小さい、遠位端部における直径を有するように構成されうる。鋭利な先端は、第1の取付部分に回転力が加えられ、第2の取付部分に反力が加えられると、アクチュエータ機構によって加えられる力により、反力によって鋭利な先端部が生体組織を貫通するように構成されうる。
【0152】
第1の本体部分と第2の本体部分との間の回転(第1の遠位端部の第2の遠位端部への移動)により、第1の取付部分及び第2の取付部分が生体組織を貫通すると、生体組織内のそれぞれの貫通点は、薬剤送達装置から生体組織に薬剤物質を送達するように利用することができ、その場合薬剤物質は、生体組織に、即ち粘膜を越えて、導入されうる。それにより、薬剤物質は、薬剤物質が胃又は腸管腔内において放出される場合よりも容易に、血流に入ることができ、そして薬剤送達は、より効果的としうる。この例としては、薬剤物質がインスリンの場合であるが、その場合、インスリンは、消化管内で分解することができ、消化管から吸収可能ではないが、粘膜を貫通し、貫通された消化管壁を通りインスリンが放出された場合、インスリンは、そのまま残り、粘膜(表面)を超えて腸の層の血管を介して使用者の血流に到達する。
【0153】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の取付部分及び/又は第2の取付部分は、生体組織を把持するように構成された、把持部分を備えうる。把持部分は、取付部分と粘膜との間の引き合う力を改善するために利用することができ、これにより、取付部分が薬剤送達装置を使用者の体内に据え付けることを可能にする。把持部分は、取付部分と取り付けられる表面との間の機械的摩擦を増加させる部分とすることができ、その場合把持部分は、第1の取付部分及び第2の取付部分の間に位置する生体組織が、当該2つの把持部分間で把持されるように、例えばフック(鉤)形状、又は例えば第1の取付部分の把持部分が第2の取付部分の把持部分と面する形状を有しうる。
【0154】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、弾性部分の一部が第1の本体部分に接続することができ、弾性部分の第2の部分が第2の本体部分に接続しうる。このことは、弾性部分が、第1の本体部分及び第2の本体部分に加えられる、回転エネルギ又は回転力等のエネルギを貯蔵するように利用することができ、そのエネルギが弾性部分に貯蔵されることを意味する。更に、エネルギが放出されると、例えばロック要素が溶解又は分解すると、力は、第1の本体部分と第2の本体部分との両方に放出することができ、第1の本体部分と第2の本体部分は次に、力を第1の取付部分及び第2の取付部分に伝達する。弾性部分は、例えば、渦巻状螺旋ばね(主ばね)及び/又は螺旋捩りばねの形状とすることができ、その場合、第1の本体部分を第2の本体部分に対して回転させることにより、第1の本体部分は、第2の本体部分に関して巻かれうる。これにより、螺旋体をより強く捩ることにより、主ばね内にエネルギを蓄える。次いで、主ばねが巻戻るにつれて、主ばねの蓄積された力は、第1の本体部分を反対方向に回転させうる。従って、主ばねの力は、第1の取付部分及び第2の取付部分を反対方向に移動させることができ、その場合取付部分が生体組織を挟み込み、取付部分が組織を挟み込むか貫通して、薬剤送達装置を生体組織に取り付けることができる。
【0155】
薬剤送達装置が体内に入ると、そして例えば消化管内の所望の部分に入ると、薬剤送達装置は、第1の状態から第2の状態に変化するように構成されうる。変化は、様々な手段により開始することができ、その場合例えば、第1と第2の本体部分は、ロック機構を使用して第1の状態に保持することができ、ロック機構は、例えば、溶解性、膨張性又は分解性の材料で作られた、1つ以上のロック要素を備えており、その場合その材料が、所望の身体部分内にある周囲、例えば流体等と反応し、それによりロック機構を固定解除又は解放する。ロック要素の材料は、所望の身体部分内にある周囲と接触すると、その構造力を失う材料としうる。例としては、ロック要素(単数又は複数)が、ポリマー材料又は糖状物質で作られる場合とすることができ、上記ポリマー材料又は糖状物質は、ロック要素が消化器系の内部の酵素又は特定の種類の酸を備えうる特定の種類の液体と接触すると、溶解、膨張又は分解しうる。ロック要素が試薬と接触すると、材料は、時間の経過と共に溶解、膨張又は分解することができ、そして薬剤送達装置の回転力がロック要素の静止力を超えると、回転力は、第2の本体部分に対する第1の本体部分の回転、又はその逆を介して解放することができる。
【0156】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、ロック要素は、取付要素が第2の部分に対して第1の本体部分を固定する位置、即ち、第1の本体部分が第2の本体に対して回転することを防ぐ位置、に取付部分を固定しうる。ロック要素が溶解又は分解すると、取付部分は、取付部分が第2の部分に対して第1の本体部分を固定しない、二次位置に移動可能であり、例えば、アクチュエータ機構は、取付部分が回転可能に取り付けられる本体部分に対して、取付部分を、回転軸線の周りで回転させる。
【0157】
薬剤送達装置の第2の状態は、アクチュエータ機構、例えばアクチュエータ機構の弾性部分(単数又は複数)、に蓄えられたエネルギの、第1及び/又は第2の本体部分の回転力及び/又は第1の本体部分に対する取付部分の回転力、への放出により開始される状態として見なされうる。第2の状態の終了は、弾性部分に蓄えられたエネルギが再び静止状態になる時点、即ち、取付部分が生体組織を把持又は貫入した時点及び/又は第1の本体部分と第2の本体部分との間の回転運動が停止する時点、として見なされうる。
【0158】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、薬剤送達装置は、アクチュエータ機構が一定の弾性力負荷を有する第1の状態と、アクチュエータ機構が弾性力負荷を解放する第2の状態と、を有しうる。第1の状態において、一定の弾性力負荷は、アクチュエータ機構に蓄積されたエネルギとして見なすことができ、この場合弾性力負荷は、ゼロより大きい。第2の状態は、アクチュエータ機構がその弾性力負荷を解放する、状態として見なすことができ、その場合、例えば第1の本体部分を第2の本体部分に対して回転させることにより、弾性力負荷は減少する、例えばゼロに近づく。第2の状態は、取付部分が生体組織に接触するか又は貫通し、そして弾性力負荷がゼロに達しないとしても、弾性力負荷が変化しない場合に終了しうる。従って、薬剤送達装置が生体物質の壁に取り付けられて、弾性力の解放後に弾性力負荷が静止状態になった時に、第3の状態が第2の状態に続きうる。
【0159】
第1の取付部分及び/又は第2の取付部分は、展開機能を有することができ、その場合、薬剤送達装置の第1の状態の間に、即ち薬剤送達装置の初期状態の間に、取付部分が第1又は第2の本体部分の内側に位置決め又は配置されるか、又は代わりに第1又は第2の取付部分が本体部分の側面に沿って折り畳まれうる。同じものを得る別の方法が、考えられうる。折り畳まれた状態(第1の状態)は、例えば、カプセル化形態の解放可能なロック機構を使用して維持することができ、カプセル化形態は、薬剤物質のカプセル(被嚢)、バンド又はプラグと同様なものであって、例えば、ゼラチン、砂糖、又は別の溶解可能な材料、又は構造力を失わせる材料で作製される。従って、取付部分は、取付部分が口及び/又は食道の内壁と干渉しないか又は損傷させないように、薬剤送達装置が消化管、例えば胃、に入るまで所定の位置に保持されうる。第2の状態への移行前又は移行中に、取付部分は、本体部分から外側へ延びて、取付部分が消化器系の内壁と相互作用できる状態にされうる。1つ又は複数の取付部分が折り畳まれるか又は倒れた位置にある時に、中心軸線から取付部分の遠位端部までの距離は、第1の状態よりも第2の状態の方がより長くなる。従って、第1の状態における薬剤送達装置の直径は、第2の状態における薬剤送達装置の直径よりも小さくなる。
【0160】
1基以上の例示的な薬剤送達装置において、第1の針及び/又は第2の針等の第1の取付部分及び/又は第2の取付部分の少なくとも一部は、マグネシウムとチタンと鉄と亜鉛との内の1つ以上を備える、材料で作製することができ、上記材料は、第1の取付部分及び/又は第2の取付部分のサイズ及び/又は形状/幾何学的形状の正確且つ精密な制御を可能にし、同様に、送達装置が、所望の取付能力及び/又は製薬産業において特に重要な小さな製造ばらつきを有することを可能にする。
【0161】
第1の針等の第1の取付部分は、マグネシウムとチタンと鉄と亜鉛との内の1つ以上を備える、材料で作製されうる。第1の取付部分/第1の針の材料は、生体適合性材料及び/又は生分解性材料等の、生体適合性及び/又は生分解性としうる。第1の取付部分/第1の針の材料は、PLA及び/又はPOLGA等の1つ以上の生分解性ポリマーを備えうる。第1の取付部分/第1の針の材料の幾つか、一部、大部分、実質的に全部、又は全部は、生体適合性及び/又は生分解性としうる。第1の針等の第1の取付部分の材料は、生体適合性及び/又は生分解性金属等の生体適合性及び/又は生分解性材料を備えることができ、それらにより構成することができ、又はそれらにより本質的に構成されうる。第1の針等の第1の取付部分の材料は、マグネシウム、亜鉛、及び/又は鉄、又はマグネシウムと亜鉛と鉄との内の1つ以上を備える合金等の、生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金を備えうる。生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金は、例えば金属又は金属合金の用途に関連する等の、実際的な時間において、例えば人体内で安全に分解する、金属又は金属合金として理解されうる。第1の針等の第1の取付部分の材料は、例えば1つ以上の金属の組み合わせ等、例えば金属合金として、1つ以上の金属を備えうる。
【0162】
第2の針等の第2の取付部分は、マグネシウムとチタンと鉄と亜鉛との内の1つ以上を備える、材料で作製されうる。第2の取付部分/第2の針の材料は、生体適合性材料及び/又は生分解性材料等の、生体適合性及び/又は生分解性としうる。第2の取付部分/第2の針の材料は、PLA及び/又はPOLGA等の1つ以上の生分解性ポリマーを備えうる。第2の取付部分/第2の針の材料の幾つか、一部、大部分、実質的に全部、又は全部は、生体適合性及び/又は生分解性としうる。第2の針等の第2の取付部分の材料は、生体適合性及び/又は生分解性金属等の生体適合性及び/又は生分解性材料を備えることができ、それらにより構成することができ、又はそれらにより本質的に構成されうる。第2の針等の第2の取付部分の材料は、マグネシウム、亜鉛、及び/又は鉄、又はマグネシウムと亜鉛と鉄との内の1つ以上を備える合金等の、生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金を備えうる。生分解性又は生体吸収性の金属又は金属合金は、例えば金属又は金属合金の用途に関連する等の、実際的な時間において、例えば人体内で安全に分解する、金属又は金属合金として理解されうる。第2の針等の第2の取付部分の材料は、例えば1つ以上の金属の組み合わせ等、例えば金属合金として、1つ以上の金属を備えうる。
【0163】
取付部分に生分解性材料を使用することの利点は、生分解性材料が時間の経過と共に徐々に分解するので、送達装置が内面、例えば腸壁、に取り付けられた後に、取付部分の材料の鋭利な特性のおかげで及び長期間にわたって、取付部分及び/又は送達装置の本体部分に配置された、活性薬剤物質又はペイロードを、送達装置が、患者の身体の特定の部分、例えば胃又は腸等、に送達できることであろう。更に、取付部分の材料が生分解性である場合に、取付部分は、人体内で分解し、薬剤送達装置に備えられるペイロード/活性薬剤物質を送達した後に消滅し、それにより時間の経過と共に人間の患者を害することが回避される。取付部分は、例えば、2時間、5時間、10時間、20時間、又は24時間、の時間間隔、例えば1日、2日、5日等の日間隔、又は例えば1週間、2週間、3週間、又は5週間等の週間隔において、分解するように構成されうる。
【0164】
針等の取付部分の材料は、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、及び/又は鉄(Fe)の内の1つ以上、又はそれらの組み合わせを備えうる。Mg、Zn、及び/又はFeを備える材料の取付部分を有することの利点は、取付部分の形状及びサイズを正確に制御することができ、それにより内面、例えば人間の患者の腸の内壁、への取付が改善されることとしうる。
【0165】
針等の取付部分は、1つ以上の熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを備える、材料で作製されうる。針等の取付部分の材料は、1つ以上の活性薬剤物質を備えうる。従って、活性薬剤物質は、針等の取付部分の材料に埋め込まれて、医薬組成物を形成しうる。
【0166】
幾つかの実施形態において、針等の取付部分は、例えば、水溶性、水不溶性、生分解性、非生分解性、及び/又はpH依存性可溶性、の材料を備えうる。幾つかの実施形態において、針等の取付部分は、水溶性、生分解性及び/又はpH依存性の材料を備えることができ、上記材料が溶解及び/又は分解しうるので、腸組織に定着する針等の取付部分は、徐々に分解及び/又は溶解しうる。幾つかの実施形態において、針等の取付部分は、選択された材料に応じて活性薬剤物質の即時放出又は加減された放出を可能にする、水溶性材料を備えうる。幾つかの実施形態において、水不溶性又は生分解性の材料により、より長い放出期間(例えば、数日、数週間、又は数ヶ月)にわたって、針等の取付部分に活性薬剤物質を貯留させることを可能にしうる。幾つかの実施形態において、pH依存性の可溶性材料は、針等の取付部分が、生理学の下のpH条件、例えばpHが約7.4、において完全な状態でとどまることを可能にしており、胃腸管腔内において完全なままであるが、しかしその後、一旦胃腸の壁内部に入ると溶解しうる。幾つかの実施形態において、1つ以上の水溶性、水不溶性、生分解性及び/又はpH依存性の材料を任意選択で組み合わせることができ、例えば針等の取付部分の拡散又は崩壊により、制御された放出期間(例えば、分、時間、日、週、又は月等)の間、活性薬剤物質の放出を制御しうる。
【0167】
幾つかの実施形態において、針等の取付部分は、異なる組成物から作製されうる。例えば、針等の取付部分の外側部分は、ある組成物から作ることができ、針等の取付部分の内部コア(芯)は、別の組成物から作られうる。幾つかの実施形態において、針等の取付部分の外側部分及び内側コアは、例えば、水溶性、水不溶性、生分解性、及び/又はpH依存性の材料から構成されうる。幾つかの実施形態において、1つ以上の水溶性、水不溶性、生分解性及び/又はpH依存性の材料は、一旦針等の取付部分がその位置を内腔から内部組織まで、例えば胃腸管腔から胃腸組織まで、移動しうる場合に、組み合わされて活性薬剤物質の放出を制御しうる。
【0168】
幾つかの実施形態において、針等の取付部分は、管状とすることができ、管状本体を含むことができ、そして管状本体は、活性薬剤物質、例えば任意選択で管状取付部分に接続した活性薬剤物質を備える液体ペイロード、を備えることができ、その結果、活性薬剤物質を有するペイロードは、針等の取付部分を通り内部組織、例えば腸組織に流入しうる。幾つかの実施形態において、管状本体は、膨張性賦形剤等の膨張性物質を含んでもよく、膨張性物質は、化学反応により、例えば混合すると、体積が膨張して及び/又はガスを生成して、ペイロードの送達を促進する。幾つかの実施形態において、膨張は浸透によるものである。
【0169】
幾つかの実施形態において、第1の区画(活性薬剤物質を保持するための区画)は、第1の区画を閉じるための閉鎖部分を備えうる。閉鎖部分は、活性薬剤物質の放出制御の改善に寄与しうる。幾つかの実施形態において、閉鎖部分は、例えば、水溶性、水不溶性、生分解性、及び/又はpH依存性の材料から構成されうる。幾つかの実施形態において、1つ以上の水溶性、水不溶性、生分解性及び/又はpH依存性の材料は、一旦針等の取付部分が管腔から内部組織へ、例えば胃腸管腔から胃腸組織へ、その位置を移動すると、組み合わされて第1の区画からの活性薬剤物質の放出を制御しうる。
【0170】
図1は、本開示によるオフセットアクチュエータ機構を有する例示的な薬剤送達装置の図である。
図1の特定の構成要素は、特定の内部構造を表示する便宜のため透視可能としている。
【0171】
示されるように、薬剤送達装置10は、中心軸線12を含みうる。中心軸線12は、薬剤送達装置10の第1の長手方向端部14から薬物送達デバイス10の第2の長手方向端部16に延びうる。
図1に示されるように、中心軸線12は、薬剤送達装置10の長手方向軸線としうるが、特定の実装形態はそうではない場合もある。薬剤送達装置10は、第1の本体部分18及び第2の本体部分20、並びに第1の本体部分18に接続された取付部分22をさらに含みうる。取付部分22は、活性薬剤物質を提供するように構成されうる。取付部分22は、遠位先端32を有するスパイク30を含みうる。
図1に示されるように、遠位先端32は、中心軸線12に対して非平行に向けられうる。代替的に、それは中央軸線12に平行に向けられうる。任意選択で、第1の本体部分18は第1の長手方向14の一部を形成し得、及び/又は、第2の本体部分20は、第2の長手方向端部16の一部を形成しうる。
【0172】
薬剤送達装置10は、アクチュエータ機構24をさらに含みうる。アクチュエータ機構24は、任意選択で、弾性部分を含みうる。アクチュエータ機構24は、第1の本体部分18及び第2の本体部分20の一方を回転させるように構成されうる。アクチュエータ機構22は、中心軸線12に沿って、第2の長手方向端部16よりも第1の長手方向端部14の方に位置しうる。例えば、図示されるように、アクチュエータ機構22は、薬剤送達装置10の中心からオフセットされうる。アクチュエータ機構22は、本明細書で記載されるように、多くの方法でオフセットされうる。
【0173】
図1は、中心軸線12が薬剤送達装置10の長手方向軸線であることを示しているが、他の軸線も同様に使用されうる。
【0174】
図1に示されるように、アクチュエータ機構24は、第1の本体部分18内に完全に位置しうる。代替的に、アクチュエータ機構24は、第1の本体部分18内に部分的に位置し得、又は第2の本体部分20内に完全に位置しうる。例えば、アクチュエータ機構24は、第1の本体部分18内に部分的に位置し、且つ第2の本体部分20内に部分的に位置しうる。これらの手法は、アクチュエータ機構24をオフセットしうる。
【0175】
さらに、
図1に示すように、アクチュエータ機構24は、取付部分22よりも第1の長手方向端部の方に位置しうる。更に、図示されるように、アクチュエータ機構24は、中心軸線12を中心としうる。例えば、中心軸線12は、図示されるように、アクチュエータ機構22の中心を通過する。代替的に、アクチュエータ機構24は、長手方向にオフセットされるだけでなく、中心軸線12から(例えばより半径側の方に)オフセットされうる。
【0176】
図2は、本開示によるオフセットアクチュエータ機構を有する例示的な薬剤送達装置の図を示す。
図2の薬剤送達装置10Aは、
図1の薬剤送達装置10の任意の及び/又は全ての特徴を含みうる。
【0177】
図示されるように、薬剤送達装置10Aは、任意選択で、第2の本体部分20に接続された第2の取付部分26を含みうる。第2の取付部分26及び取付部分22は、特定の間隔28を有しうる。第2の取付部分26及び取付部分22は、0~10mmの間隔28を有しうる。例えば、第2の取付部分26及び取付部分22は、中心軸線12に沿って互いに10mm以内にあり得、例えばそれらは10mm以下の間隔28を有しうる。第2の取付部分26及び取付部分22は、中心軸線12に沿って互いに4.1mm以内にあり得、例えばそれらは4.1mm以下の間隔28を有しうる。第2の取付部分26及び取付部分22は、中心軸線12に沿って互いに3.9mm以内にあり得、例えばそれらは3.9mm以下の間隔28を有しうる。
図2に示されるように、間隔28は、取付部分22の遠位先端及び第2の取付部分26の遠位先端から測定されうるが、他の間隔も同様に使用されうる。
【0178】
薬剤送達装置10Aは、縮小されたサイズを有しうることが有利である。例えば、薬剤送達装置10Aは、000号サイズのカプセルとしうる。薬剤送達装置10Aは、00号サイズのカプセルとしうる。薬剤送達装置10Aは、0号サイズのカプセルとしうる。
【0179】
図3は、本開示によるオフセットアクチュエータ機構を有する例示的な薬剤送達装置の図を示す。
図3の薬剤送達装置10Bは、
図1の薬剤送達装置10の任意の及び/又は全ての特徴、及び/又は
図2の薬剤送達装置10Aの任意の及び/又は全ての特徴、を含みうる。
【0180】
また、以下の項目のいずれかによる送達装置、方法、及び組成物もまた開示される。
【0181】
項目1.
薬剤送達装置であって、
上記薬剤送達装置の第1の長手方向端部から上記薬剤送達装置の第2の長手方向端部に延びる中心軸線と、
第1の本体部分と、
第2の本体部分と、
上記第1の本体部分に接続される取付部分と、
上記第1の本体部分及び上記第2の本体部分の一方を回転させるように構成されるアクチュエータ機構であって、上記中心軸線に沿って上記第2の長手方向端部よりも上記第1の長手方向端部の方に位置するアクチュエータ機構とを備える、薬剤送達装置。
【0182】
項目2.
上記アクチュエータ機構は、上記第1の本体部分内に完全に位置する、項目1の記載の薬剤送達装置。
【0183】
項目3.
上記アクチュエータ機構は、上記第1の本体部分内に部分的に位置し、且つ上記第2の本体部分内に部分的に位置する、項目1又は2に記載の薬剤送達装置。
【0184】
項目4.
上記アクチュエータ機構は、上記取付部分よりも上記第1の長手方向端部の方に位置する、項目1~3のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0185】
項目5.
上記アクチュエータ機構は、上記中心軸線を中心とする、項目1~4のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0186】
項目6.
上記第2の本体に接続された第2の取付部分をさらに備える、項目1~5のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0187】
項目7.
上記第2の取付部分及び上記取付部分は、上記中心軸線に沿って互いに10mm以内にある、項目6に記載の薬剤送達装置。
【0188】
項目8.
上記第2の取付部分及び上記取付部分は、上記中心軸線に沿って互いに4.1mm以内にある、項目6に記載の薬剤送達装置。
【0189】
項目9.
上記第2の取付部分及び上記取付部分は、上記中心軸線に沿って互いに3.9mm以内にある、項目6に記載の薬剤送達装置。
【0190】
項目10.
上記薬剤送達装置は、000号サイズのカプセルである、項目1~9のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0191】
項目11.
上記薬剤送達装置は、00号サイズのカプセルである、項目1~10のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0192】
項目12.
上記薬剤送達装置は、0号サイズのカプセルである、項目1~11のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0193】
項目13.
上記取付部分は、活性薬剤物質を提供するように構成される、項目1~12のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0194】
項目14.
上記アクチュエータ機構は、弾性部分を備える、項目1~13のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0195】
項目15.
上記取付部分は、上記中心軸線に対して非平行に向けられる遠位先端を有するスパイクを備える、項目1~14のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0196】
項目16.
上記第1の本体部分は、上記第1の長手方向端部の一部を形成し、且つ/又は、上記第2の本体部分は、上記第2の長手方向端部の一部を形成する、項目1~15のいずれか一項目に記載の薬剤送達装置。
【0197】
「第1の」と「第2の」と「第3の」と「第4の」と「主」と「二次」と「三次」等の用語の使用は、任意の特定の順序を意味するものではなく、しかし個々の要素を識別するために具備される。更に、「第1の」と「第2の」と「第3の」と「第4の」と「主」と「二次」と「三次」等の用語の使用は、任意の順序や重要性を示すものではなく、むしろ「第1の」と「第2の」と「第3の」と「第4の」と「主」と「二次」と「三次」等の用語の使用は、ある要素を別の要素から区別するために使用される。「第1の」と「第2の」と「第3の」と「第4の」と「主」と「二次」と「三次」等の用語は、ここ及び他でラベル付けの目的でのみ使用されており、任意の特定の空間的又は時間的な順序付けを示すことを意図したものではないことに留意されたい。
【0198】
更に、第1の要素のラベル付けは、第2の要素の存在を意味するものではなく、その逆も同様である。
【0199】
「備える」という用語は、列挙されたもの以外の別の要素又は手順の存在を必ずしも排除するものではないことが留意されるべきである。
【0200】
要素の前にある単語「a(一つ)」又は「an(一つ)」は、その様な要素が複数存在することを排除するものではないことが留意されるべきである。
【0201】
更に、いかなる参照符号も特許請求の範囲を限定するものではないこと、例示的な実施形態は、ハードウェアとソフトウェアの両方の手段により少なくとも部分的に実行されうること、及び幾つかの「手段」、「ユニット」又は「装置」が、ハードウェアの同じ項目により表されうることが留意されるべきである。
【0202】
特徴が図示され且つ説明されてきたが、特徴が、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図したものではないことが理解され、また、特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を行いうることは、当業者には明らかであろう。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的として認識されるべきである。特許請求の範囲に記載された発明は、全ての代替物、修正物、及び同等物を包含することを意図する。
【符号の説明】
【0203】
10 薬剤送達装置
10A 薬剤送達装置
10B 薬剤送達装置
12 中心軸線
14 第1の長手方向端部
16 第2の長手方向端部
18 第1の本体部分
20 第2の本体部分
22 取付部分
24 アクチュエータ機構
26 第2の取付部分
28 間隔
30 スパイク
32 遠位先端
【国際調査報告】