(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法
(51)【国際特許分類】
C30B 29/36 20060101AFI20241010BHJP
C30B 23/06 20060101ALI20241010BHJP
C30B 33/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
C30B29/36 A
C30B23/06
C30B33/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525542
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 KR2022017294
(87)【国際公開番号】W WO2023080733
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0151814
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521492724
【氏名又は名称】セニック・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SENIC Inc.
【住所又は居所原語表記】17-15,4sandan 7-ro,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do, 31040, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ク、カプレル
(72)【発明者】
【氏名】キョン、ミョンオク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュンギュ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジョンウ
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ジョンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョンフィ
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077BE08
4G077DA02
4G077DA18
4G077EC02
4G077EC05
4G077EH09
4G077FG11
4G077HA12
4G077SA04
(57)【要約】
炭化ケイ素ウエハの製造方法が開示される。炭化ケイ素ウエハの製造方法は、るつぼ内に炭化ケイ素ブロックを配置する段階と、前記炭化ケイ素ブロックに含まれた炭化ケイ素を昇華させて、炭化ケイ素インゴットを形成する段階と、前記炭化ケイ素インゴットを加工する段階と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
るつぼ内に炭化ケイ素ブロックを配置する段階と、
前記炭化ケイ素ブロックに含まれた炭化ケイ素を昇華させて、炭化ケイ素インゴットを形成する段階と、
前記炭化ケイ素インゴットを加工する段階と、
を含む、
炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項2】
前記炭化ケイ素ブロックは、1cm
3以上の見掛け体積を有する、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項3】
前記炭化ケイ素ブロックは、少なくとも一方向に10W/mK以上の熱伝導率を有する、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項4】
前記炭化ケイ素ブロックの外周面と前記るつぼの内部面との間に、昇華した炭化ケイ素の気体が移動できる流路が形成される、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項5】
前記炭化ケイ素ブロックは、水平方向に10W/mK以上の熱伝導率を有するように配置される、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項6】
前記炭化ケイ素ブロックは、昇華した炭化ケイ素の気体が移動できる流路を含む、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項7】
前記流路は、上方に開放される、
請求項6に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項8】
前記流路の少なくとも一部は、上方に行くほど、ますますさらに大きくなる内径を有する、
請求項7に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項9】
前記流路は、第1内径を有する第1流路と、
前記第1流路と連結されて、前記第1内径よりもさらに大きい第2内径を有する第2流路と、
を含み、
前記第2流路は、前記第1流路上に配置される、
請求項6に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項10】
前記炭化ケイ素ブロックは、
前記るつぼ内に配置される第1炭化ケイ素ブロックと、
前記第1炭化ケイ素ブロック上に配置される第2炭化ケイ素ブロックと、
を含む、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項11】
前記第1炭化ケイ素ブロックと前記第2炭化ケイ素ブロックとの間に、昇華した炭化ケイ素の気体が通過できる流路が形成される、
請求項10に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項12】
前記流路には炭化ケイ素粉末が配置される、
請求項11に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項13】
前記炭化ケイ素ブロックは、円筒状、錐状、ドーナツ状または多角柱状を有する、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項14】
前記炭化ケイ素インゴットの成長速度は、250μm/hr以上である、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項15】
前記炭化ケイ素ブロックは、開放気孔を含み、
前記炭化ケイ素ブロックの気孔率は、10vol%~50vol%である、
請求項1に記載の炭化ケイ素ウエハの製造方法。
【請求項16】
るつぼ内に炭化ケイ素ブロックを配置する段階と、
前記るつぼ内に種結晶を配置する段階と、
前記炭化ケイ素ブロックに含まれた炭化ケイ素を昇華させて、前記種結晶を成長させる段階と、
を含む、
炭化ケイ素インゴットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(SiC)、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、サファイア(Al2O3)、ガリウム砒素(GaAs)、窒化アルミニウム(AlN)などの単結晶(single crystal)は、これの多結晶(polycrystal)からは期待することができない特性を示すため、産業分野における需要が増加している。
【0003】
単結晶炭化ケイ素(single crystal SiC)は、エネルギーバンドギャップ(energy band gap)が大きく、シリコン(Si)よりも最大の絶縁破壊電界(breakfield voltage)及び熱伝導率(thermal conductivity)に優れている。また、単結晶炭化ケイ素のキャリア移動度は、シリコンに比肩し、電子の飽和ドリフト速度及び耐圧も大きい。このような特性により、単結晶炭化ケイ素は、高効率化、高耐圧化、及び大容量化が求められる半導体デバイスへの適用が期待される。
【0004】
炭化ケイ素は、液相蒸着法(Liquid Phase Epitaxy;LPE)、シード型昇華法、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition;CVD)などで成長される。なかでも、シード型昇華法は、高い成長率を有することで、インゴット状の炭化ケイ素を製作することができ、最も広く利用されており、物理的気相輸送法(Physical Vapor Transport;PVT)とも言う。
【0005】
これらの単結晶の製造方法として、例えば、日本国公開特許公報第2001-114599号には、アルゴンガスを導入することができる真空容器(加熱炉)の中でヒータによって加熱しながら、種結晶の温度を原料粉末の温度よりも10~100℃の低い温度に維持することによって、種結晶上に単結晶インゴットを成長させることが開示されている。ほかにも、大口径の単結晶インゴットを実質的に欠陥なしに製造しようとする試み等がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施例は、向上した機械的物性を有し、結晶性に優れ、欠陷の少ない炭化ケイ素ウエハ及び炭化ケイ素インゴットを向上した生産性で製造することができる方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法は、るつぼ内に炭化ケイ素ブロックを配置する段階と、前記炭化ケイ素ブロックに含まれた炭化ケイ素を昇華させて、炭化ケイ素インゴットを形成する段階と、前記炭化ケイ素インゴットを加工する段階と、を含む。
【0008】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックは、約1cm3以上の見掛け体積を有していてもよい。
【0009】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックは、少なくとも一方向に約10W/mK以上の熱伝導率を有していてもよい。
【0010】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックの外周面と前記反応容器の内部面との間に、昇華した炭化ケイ素の気体が移動できる流路が形成されていてもよい。
【0011】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックは、水平方向に10W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。
【0012】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックは、昇華した炭化ケイ素の気体が移動できる流路を含んでいてもよい。
【0013】
一実施例において、前記流路は、上方に開放されていてもよい。
【0014】
一実施例において、前記流路の少なくとも一部は、上方に行くほど、ますます大きくなる内径を有していてもよい。
【0015】
一実施例において、前記流路は、第1内径を有する第1流路と、前記第1流路と連結されて、前記第1内径よりもさらに大きい第2内径を有する第2流路と、を含み、前記第2流路は、前記第1流路上に配置されていてもよい。
【0016】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックは、前記反応容器内に配置される第1炭化ケイ素ブロックと、前記第1炭化ケイ素ブロック上に配置される第2炭化ケイ素ブロックと、を含んでいてもよい。
【0017】
一実施例において、前記第1炭化ケイ素ブロックと前記第2炭化ケイ素ブロックとの間に、昇華した炭化ケイ素の気体が通過できる流路が形成されていてもよい。
【0018】
一実施例において、前記流路には炭化ケイ素粉末が配置されていてもよい。
【0019】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックは、円筒状、錐状、ドーナツ状または多角柱状を有していてもよい。
【0020】
一実施例において、前記炭化ケイ素インゴットの成長速度は、250μm/hr以上であってもよい。
【0021】
一実施例において、前記炭化ケイ素ブロックは、開放気孔を含み、前記炭化ケイ素ブロックの気孔率は、10vol%~50vol%であってもよい。
【0022】
一実施例による炭化ケイ素インゴットの製造方法は、るつぼ内に炭化ケイ素ブロックを配置する段階と、前記るつぼ内に種結晶を配置する段階と、前記炭化ケイ素ブロックに含まれた炭化ケイ素を昇華させて、前記種結晶を成長させる段階と、を含む。
【発明の効果】
【0023】
実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法は、炭化ケイ素ブロックに含まれた炭化ケイ素を昇華させて、炭化ケイ素インゴット及び炭化ケイ素ウエハを製造する。
【0024】
前記炭化ケイ素インゴットを形成するための原料は、ブロック状を有するため、高い熱伝導率を有する。特に、前記炭化ケイ素ブロックは、水平方向に高い熱伝導率を有するように配置されていてもよい。
【0025】
これによって、るつぼで発生する熱は、るつぼの内部に容易に伝達され得る。これによって、前記るつぼの内部に配置される原料全体に均一な温度勾配が形成されていてもよい。
【0026】
よって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、前記るつぼ内の位置別温度を容易に制御することができる。よって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、温度バラ付きによる結晶性のずれや、様々な欠陷を防止することができる。これによって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、向上した結晶性及び機械的強度を有していてもよい。
【0027】
また、前記炭化ケイ素ブロックは、高い熱伝導率を有するため、前記るつぼから発生する熱を前記るつぼの内部に配置される原料に効率良く伝達することができる。すなわち、前記炭化ケイ素ブロックは、前記炭化ケイ素ウエハを形成するための原料であるとともに、内部に熱を伝達するための熱伝逹媒介体であってもよい。よって、実施例による炭化ケイ素ウエハ及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、炭化ケイ素の昇華速度を向上させることができる。また、前記炭化ケイ素ブロックの熱伝導率が高いため、種結晶付近の温度が低くても、原料の温度は、高く維持することができる。
【0028】
よって、実施例による炭化ケイ素ウエハ及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、炭化ケイ素の昇華速度を向上させるだけでなく、種結晶における蒸着速度を向上させることができる。よって、実施例による炭化ケイ素ウエハ及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、向上した成長速度を有することができる。
【0029】
また、前記炭化ケイ素ウエハの直径が大きくなることによって、前記るつぼの内径も伴って大きくならなければならない。このとき、前記炭化ケイ素ブロックは、高い熱伝導率を有するため、前記るつぼの内径が大きくなっても、前記るつぼの内部温度を効率良く制御することができる。これによって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、向上した性能を有する大口径の炭化ケイ素ウエハを効率良く生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1実施例によるるつぼ組立体及び炭化ケイ素ブロックを示した分解斜視図である。
【
図2】第1実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図3】第1実施例による炭化ケイ素インゴットを製造するためインゴットの成長装置を示した断面図である。
【
図4】第2実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図5】第3実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図6】第4実施例による炭化ケイ素ブロックを示した斜視図である。
【
図7】第4実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図8】第5実施例による炭化ケイ素ブロックを示した斜視図である。
【
図9】第5実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図10】第6実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図11】第7実施例による炭化ケイ素ブロック100を示した斜視図である。
【
図12】第7実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図13】第8実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図14】第9実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。
【
図15】第10実施例による炭化ケイ素ブロックの一断面を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、具現例について添付の図面を参照して詳説する。しかし、具現例は、様々な異なる形態に具現され得、ここに説明する実施例に限定されない。
【0032】
本明細書において、ある部分がある構成要素「含む」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素を更に含んでいてもよいことを意味する。
【0033】
本明細書において、ある構成が他の構成と「連結」されているとするとき、これは、「直接に連結」されている場合だけでなく、「その間に他の構成を介して連結」されている場合も含む。
【0034】
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上に直接当接してBが位置するか、その間に他の層が位置しつつA上にBが位置することを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定して解釈されない。
【0035】
本明細書において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」の用語は、マーカッシュ形式の表現に記載の構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合または組み合わせを意味するものであって、上記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0036】
本明細書において、「A及び/またはB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
【0037】
本明細書における単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上に解釈される単数または複数を含む意味に解釈される。
【0038】
また、各実施例は、互いに技術的に背馳しなければ、互いに組み合わせることができる。
【0039】
図1は、第1実施例によるるつぼ組立体及び炭化ケイ素ブロック100を示した分解斜視図である。
図2は、第1実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロック100が配置された状態を示した断面図である。
図3は、第1実施例による炭化ケイ素インゴット111を製造するためインゴットの成長装置を示した断面図である。
【0040】
図1~
図3に示されたように、炭化ケイ素インゴット111及び炭化ケイ素ウエハを製造するため炭化ケイ素インゴット111の成長装置は、るつぼ本体10、るつぼ蓋11、種結晶ホルダー12、断熱材20、反応チャンバ30、及び誘導コイル40を含む。
【0041】
前記るつぼ本体10は、内部空間を有する。前記るつぼ本体10は、炭化ケイ素インゴット111を成長させるための原料を収容する。前記るつぼ本体10は、前記原料を収容するための空間である収容部を含む。また、前記るつぼ本体10は、上面が開放された開口部を有する円筒状を有していてもよい。前記るつぼ本体10は、その内部に炭化ケイ素の原料を装入できる構造を有していてもよい。
【0042】
前記るつぼ本体10は、黒鉛を含んでいてもよい。前記るつぼ本体10は、黒鉛からなってもよい。前記るつぼ本体10は、黒鉛るつぼであってもよい。前記るつぼ本体10は、導電体であってもよい。前記るつぼ本体10は、前記誘導コイル40によって発生する誘導電流が引き起こす抵抗熱によって加熱することができる。
【0043】
前記るつぼ本体10の密度は、1.70g/cm3~1.90g/cm3であってもよい。
【0044】
前記るつぼ蓋11は、前記るつぼ本体10の入口を覆う。前記るつぼ蓋11は、円形のプレート状を有していてもよい。前記るつぼ蓋11は、前記るつぼ本体10の入口を全体的に覆うことができる。前記るつぼ蓋11は、前記るつぼ本体10の入口に対応する形状を有していてもよい。
【0045】
前記るつぼ蓋11の厚さは、約10mm~約50mmであってもよい。前記るつぼ蓋11の厚さは、約15mm~約40mmであってもよい。
【0046】
前記るつぼ蓋11の密度は、1.70g/cm3~1.90g/cm3であってもよい。前記るつぼ蓋11は、黒鉛を含んでいてもよい。前記るつぼ蓋11は、実質的に黒鉛からなってもよい。前記るつぼ蓋11は、前記るつぼ本体10の開口部の全部を覆う形を有するものを適用することができる。
【0047】
前記るつぼ蓋11は、前記るつぼ本体10開口部の一部を覆うか、貫通孔(不図示)を含む、前記るつぼ蓋11を適用することができる。斯かる場合、後述する結晶成長雰囲気で蒸気の移送速度を調節することができる。
【0048】
前記るつぼ本体10及び前記るつぼ蓋11は、るつぼ組立体を形成することができる。前記種結晶110は、前記るつぼ組立体内に配置される。前記種結晶ホルダー12は、前記るつぼ本体10内に配置されていてもよい。また、前記種結晶ホルダー12は、前記るつぼ蓋11の下に配置されていてもよい。すなわち、前記種結晶ホルダー12は、前記るつぼ蓋11の下面に配置されていてもよい。前記種結晶ホルダー12は、前記るつぼ蓋11と一体に形成されていてもよい。
【0049】
前記種結晶ホルダー12は、黒鉛を含んでいてもよい。前記種結晶ホルダー12は、黒鉛からなってもよい。
【0050】
また、前記種結晶ホルダー12は、約1mm~約20mmであってもよい。前記種結晶ホルダー12の厚さは、約2mm~約10mmであってもよい。
【0051】
前記断熱材20は、前記るつぼ組立体の周りに配置される。前記断熱材20は、前記るつぼ組立体の周りを囲む。前記断熱材20は、前記るつぼ本体10の外周を囲む。また、前記断熱材20は、前記るつぼ蓋11上に配置されていてもよい。また、前記断熱材20は、前記るつぼ本体10の下にも配置されていてもよい。
【0052】
前記断熱材20は、成長雰囲気で前記るつぼ本体10の内部または前記反応容器の内部の温度勾配に影響を及ぼし得る。具体的に、前記断熱材は、黒鉛断熱材20を含んでいてもよく、より具体的に、前記断熱材20は、レーヨン系黒鉛フェルトまたはピッチ系黒鉛フェルトを含んでいてもよい。
【0053】
前記断熱材20の密度は、約0.12g/cc~約0.30g/ccであってもよい。前記断熱材20の密度は、約0.13g/cc~約0.25g/ccであってもよい。前記断熱材20の密度は、約0.14g/cc~約0.20g/ccであってもよい。
【0054】
前記断熱材20の密度が上記範囲を有する場合、炭化ケイ素インゴット111が適宜に凸に形成され得、6H-SiC多形の発生が発生して、前記炭化ケイ素インゴット111の品質が低下することを防止することができる。
【0055】
前記断熱材20の密度が上記範囲を有する場合、縁の成長率が適宜に高くなり得、前記炭化ケイ素インゴット111のクラックの発生を抑制することができる。
【0056】
前記断熱材20は、その密度が0.12g/cc~0.30g/ccであるものを適用する場合、インゴットの品質をより向上させることができ、0.14g/cc~0.20g/ccであるものを適用することが、インゴットの成長過程で結晶成長雰囲気を制御して、より優れた品質のインゴットを成長させるのにさらに良い。
【0057】
前記断熱材20は、気孔度が約73vol%~約95vol%であってもよい。前記断熱材20は、気孔度が約76vol%~約93vol%%であってもよい。前記断熱材20は、気孔度が約81vol%~約91vol%%であってもよい。これらの気孔度を有する断熱材20を適用する場合、インゴットのクラックの発生頻度をより減少させることができる。
【0058】
前記断熱材20は、圧縮強度が約0.21Mpa以上であってもよい。前記断熱材20は、圧縮強度が約0.49Mpa以上であってもよい。前記断熱材20は、圧縮強度が約0.78MPa以上であってもよい。また、前記断熱材20は、圧縮強度が約3MPa以下であってもよく、約25MPa以下であってもよい。前記断熱材20がこれらの圧縮強度を有する場合、熱的/機械的安定性に優れ、灰(ash)の発生する確率が落ちて、より優れた品質のSiCインゴットを製造することができる。
【0059】
前記断熱材20は、約20mm以上の厚さで適用することができ、約30mm以上の厚さで適用することができる。また、前記断熱材20は、約150mm以下の厚さで適用することができ、約120mm以下の厚さで適用することができ、約80mm以下の厚さで適用することができる。これらの厚さ範囲で前記断熱材20を適用する場合、断熱材20を不要に無駄使いすることなく、断熱効果を十分得ることができる。
【0060】
前記断熱材20の密度は、0.12g/cc~0.30g/ccであり、前記断熱材20の気孔度は、72vol%~90vol%であってもよい。これらの断熱材20を適用する場合、インゴットの形状が凹か過度に凸に成長することを抑制することができ、多形の品質が落ちるか、インゴットにクラックが発生する現象を減少させることができる。
【0061】
前記反応チャンバ30は、前記るつぼ本体10、前記るつぼ蓋11、前記種結晶ホルダー12、及び前記断熱材20を収容することができる。前記反応チャンバ30は、前記るつぼ本体10の内部雰囲気を調節することができる。前記反応チャンバ30は、前記るつぼ本体10の内部のガス雰囲気及び前記るつぼ本体10の内部圧力を調節することができる。すなわち、前記反応チャンバ30は、前記るつぼ本体10などを収容して、内部のガス雰囲気及び圧力を調節し、全体的な反応条件を調節することができる。
【0062】
前記誘導コイル40は、前記反応チャンバ30の外側に配置される。前記誘導コイル40は、誘導電流を発生させることができる。前記誘導コイル40は、前記交流電流を発生させて、前記るつぼ本体10に誘導電流を発生させることができる。すなわち、前記誘導コイル40は、前記るつぼ本体10を加熱するための加熱手段であってもよい。
【0063】
前記るつぼ本体10内には、前記炭化ケイ素インゴット111を形成するため炭化ケイ素の原料が配置される。前記炭化ケイ素の原料は、炭化ケイ素ブロック100を含む。前記炭化ケイ素の原料は、ほとんどが炭化ケイ素ブロック100からなってもよい。例えば、前記炭化ケイ素ブロック100は、前記炭化ケイ素の原料全体を基準に約70重量%以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、前記炭化ケイ素の原料全体を基準に約80重量%以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、前記炭化ケイ素の原料全体を基準に約90重量%以上であってもよい。
【0064】
前記炭化ケイ素ブロック100は、ブロック状を有していてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、前記るつぼ本体10内に1個が含まれていてもよい。これとは異なり、前記炭化ケイ素ブロック100は、前記るつぼ本体10に複数個が含まれていてもよい。
【0065】
前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約1cm3以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約5cm3以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約10cm3以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約20cm3以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約100cm3以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約1000cm3以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約5000cm3以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、前記るつぼ本体10の内部空間の体積よりは小さい。前記炭化ケイ素ブロック100の見掛け体積は、約1cm3以下であってもよい。
【0066】
このとき、前記見掛け体積は、前記炭化ケイ素ブロック100の外形を基準に測定された体積であってもよい。すなわち、前記見掛け体積は、前記炭化ケイ素ブロック100内に気孔が全くないという仮定下で測定された体積であってもよい。すなわち、前記炭化ケイ素ブロック100内の炭化ケイ素の体積と、前記炭化ケイ素ブロック100内の気孔の体積とを足した値が、前記見掛け体積であってもよい。
【0067】
前記炭化ケイ素ブロック100は、円柱または多角柱などのような柱状を有していてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、多面体状を有していてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、プレート状を有していてもよい。また、前記炭化ケイ素ブロック100は、円錐または多角錐などのような錐状を有していてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、ドーナツ状を有していてもよい。また、前記炭化ケイ素ブロック100は、一部が切断した形状を有していてもよい。
【0068】
前記炭化ケイ素ブロック100は、単結晶または多結晶であってもよい。また、前記炭化ケイ素ブロック100は、焼結体であってもよい。すなわち、前記炭化ケイ素ブロック100は、炭化ケイ素粒子などが焼結して、ブロック状に形成されたものであってもよい。
【0069】
また、前記炭化ケイ素ブロック100は、化学気相蒸着によって炭化ケイ素が蒸着して形成されたものであってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、物理気相蒸着によって炭化ケイ素が蒸着して形成されたものであってもよい。
【0070】
前記炭化ケイ素ブロック100は、α相炭化ケイ素またはβ相炭化ケイ素を含んでいてもよい。
【0071】
前記炭化ケイ素ブロック100は、高い熱伝導率を有していてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率は、約10W/mK以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率は、約20W/mK以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率は、約30W/mK以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率は、約50W/mK以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率は、約70W/mK以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率は、約100W/mK以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率は、約110W/mK以上であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率の上限値は、約2000W/mKであってもよい。
【0072】
また、前記炭化ケイ素ブロック100は、異方性の熱伝導率を有していてもよい。このとき、前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約10W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約20W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約30W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約40W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約50W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約70W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約100W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に約110W/mK以上の熱伝導率を有するように配置されていてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の水平方向への熱伝導率の上限値は、約2000W/mKであってもよい。
【0073】
前記炭化ケイ素ブロック100は、単結晶炭化ケイ素または多結晶炭化ケイ素を含んでいてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、炭化ケイ素を単結晶または多結晶に成長させて形成することができる。すなわち、前記炭化ケイ素ブロック100は、実質的に気孔を含まないものであってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の気孔率は、約10vol%以下であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の気孔率は、約5vol%以下であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の気孔率は、約3vol%以下であってもよい。前記炭化ケイ素ブロック100の気孔率は、約0.001vol%の下限値を有していてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100が低い気孔率を有する場合、高い熱伝導率を有することができる。
【0074】
前記炭化ケイ素ブロック100が上記範囲の熱伝導率を有するため、前記るつぼ本体10から発生する熱は、前記るつぼ本体10の内部空間の中心に効率良く伝達することができる。これによって、前記るつぼ本体10の内部における水平方向に温度勾配が最小化し得る。よって、実施例による炭化ケイ素インゴット及び炭化ケイ素ウエハの製造方法は、前記るつぼ本体10の内部温度を効果的に制御することができる。よって、前記炭化ケイ素ブロック100によって製造される炭化ケイ素インゴット111は、早い成長速度及び向上した結晶特性を有していてもよい。
【0075】
前記炭化ケイ素ブロック100の直径は、前記るつぼ本体10の内径と実質的に同一であってもよい。これによって、前記炭化ケイ素ブロック100は、前記るつぼ本体10の下部にほとんど満たされていてもよい。また、前記炭化ケイ素ブロック100の外面の少なくとも一部は、前記るつぼ本体10の内部面と直接接触し得る。前記炭化ケイ素ブロック100の外周面のうち、前記るつぼ本体10の内部面と接触する部分は、約20%以上であってもよい。
【0076】
上記のように、前記るつぼ本体10と前記炭化ケイ素ブロック100とが一部接触するとき、前記るつぼ本体10で発生する熱は、前記炭化ケイ素ブロック100に容易に伝達され得る。
【0077】
実施例による炭化ケイ素ウエハは、下記のように製造することができる。
【0078】
先ず、前記炭化ケイ素インゴット111を製造することができる。前記炭化ケイ素インゴット111は、大面積でありながら欠陷が少ないように、物理的気相輸送法(PVT)が適用されて、製造される。
【0079】
一実施例による炭化ケイ素インゴットの製造方法は、準備段階、原料の装入段階、及び成長段階を含んでいてもよい。
【0080】
前記準備段階は、内部空間を有する前記るつぼ本体10と、前記るつぼ本体10を覆うるつぼ蓋11と、を含むるつぼ組立体を準備する段階である。
【0081】
前記原料の装入段階は、前記るつぼ組立体内に前記炭化ケイ素ブロック100を含む炭化ケイ素の原料を装入して、前記原料上には種結晶110を前記原料と一定間隔を空けて配置させる段階を含む。
【0082】
前記炭化ケイ素インゴット111を製造するために、前記種結晶110が設けられる。前記種結晶110は、[0001]面に対して0~8度の範囲で選択された角度である、オフ角を適用したウエハのいずれかであってもよい。
【0083】
前記種結晶110は、欠陷や多形の混入が最小化した、実質的に単結晶である4HSiCインゴットであってもよい。前記炭化ケイ素種結晶110は、実質的に4HSiCからなるものであってもよい。
【0084】
前記種結晶110は、4インチ以上、5インチ以上、さらには6インチ以上の口径を有していてもよい。より具体的に、前記種結晶110は、4~12インチ、4~10インチまたは6~8インチの直径を有していてもよい。
【0085】
前記種結晶110は、前記種結晶ホルダー12に接着される。前記種結晶ホルダー12は、黒鉛を含む。前記種結晶ホルダー12は、黒鉛からなってもよい。前記種結晶ホルダー12は、異方性黒鉛を含んでいてもよい。より詳細は、前記種結晶ホルダー12は、異方性黒鉛からなってもよい。
【0086】
前記種結晶ホルダー12は、高い熱伝導率を有していてもよい。前記種結晶ホルダー12は、水平方向に高い熱伝導率を有していてもよい。前記種結晶ホルダー12は、少なくとも一方向に約100W/mK以上の熱伝導率を有していてもよい。前記種結晶ホルダー12は、少なくとも一方向に約110W/mK以上の熱伝導率を有していてもよい。
【0087】
また、前記るつぼ蓋11及び前記種結晶ホルダー12は、互いに一体に形成されていてもよい。また、前記るつぼ蓋11及び前記種結晶ホルダー12は、黒鉛で形成されていてもよい。このとき、前記るつぼ蓋11及び前記種結晶ホルダー12は、水平方向のうち、少なくとも一方向に約100W/mK以上の熱伝導率を有していてもよい。このとき、前記るつぼ蓋11及び前記種結晶ホルダー12は、水平方向のうち、少なくとも一方向に約110W/mK以上の熱伝導率を有していてもよい。また、前記るつぼ蓋11及び前記種結晶ホルダー12は、方向による熱伝導率が実質的に同一であってもよい。
【0088】
また、前記種結晶110及び前記種結晶ホルダー12は、接着層によって互いに接着される。前記接着層は、黒鉛フィラー及びフェノール樹脂などの炭化物を含む。前記接着層は、低い気孔率を有していてもよい。
【0089】
前記種結晶110は、C面が下方に向かうように配置されていてもよい。
【0090】
その後、前記るつぼ内に前記炭化ケイ素インゴット111を製造するため前記炭化ケイ素ブロック100を含む原料が装入される。
【0091】
前記原料の装入段階における前記るつぼ組立体は、前記原料の重量を1としたとき、前記るつぼ組立体の重量は、0.3倍~0.8倍の重量比(Rw)を有していてもよい。ここで、るつぼ組立体の重量は、原料を除く、るつぼ組立体の重量を意味し、具体的には、前記るつぼ組立体に種結晶ホルダー12が適用されるか否かを問わず、種結晶110まで含まれて組立てられた、るつぼ組立体から投入した原料の重さを除いた値である。
【0092】
前記成長段階は、前記るつぼ本体10の内部空間を結晶成長雰囲気に調節して、前記原料が前記種結晶110に蒸気が移送されて蒸着し、前記種結晶110から成長した炭化ケイ素インゴット111を設ける段階である。
【0093】
前記成長段階は、前記るつぼ組立体の内部空間を結晶成長雰囲気に調節する過程が含まれ、具体的に、断熱材20で前記るつぼ組立体を囲み、前記るつぼ組立体と、これを囲む前記断熱材20とを含む反応容器(不図示)を設けて、これを石英管などの反応チャンバに位置させた後、加熱手段によって前記るつぼなどを加熱する方式で行うことができる。
【0094】
前記反応チャンバ42内には、前記反応容器が位置して、誘導コイル40によって前記るつぼ本体10の内部空間を結晶成長雰囲気に適した温度に導く。このような温度は、前記結晶成長雰囲気における重要な要素の1つであり、圧力とガスの移動などの条件を調節して、より好適な結晶成長雰囲気を形成する。前記反応チャンバ42と前記反応容器との間には、断熱材20が位置して、結晶成長雰囲気の形成と制御をより容易に助けることができる。
【0095】
前記結晶成長雰囲気は、前記反応チャンバ42の外部の誘導コイル40によって、前記るつぼで発生する熱によって行うことができる。前記るつぼの加熱と同時にまたは別途に減圧して空気を除去し、減圧雰囲気及び/または不活性雰囲気(例:Ar雰囲気、N2雰囲気、またはこれらの混合雰囲気)で行うことができる。
【0096】
前記結晶成長雰囲気は、原料を種結晶110の表面に蒸気が移送されるようにして、炭化ケイ素結晶の成長を導いて、インゴット111に成長させる。
【0097】
前記結晶成長雰囲気は、2100℃~2450℃の成長温度と、1torr~100torrの成長圧力の条件を適用することができ、このような温度と圧力を適用する場合、より効率良く炭化ケイ素インゴット111を製造することができる。
【0098】
具体的に、前記結晶成長雰囲気は、るつぼの上下部の表面温度が2100℃~2450℃の成長温度と、1torr~50torrの成長圧力の条件を適用することができ、より詳細は、るつぼの上下部の表面温度が2150℃~2450℃の成長温度と、1torr~40torrの成長圧力の条件を適用することができる。
【0099】
より具体的には、るつぼの上下部の表面温度が2150~2350℃の成長温度と、1torr~30torrの成長圧力の条件を適用することができる。
【0100】
上述した結晶成長雰囲気を適用すると、本発明の製造方法などによって、より高品質な炭化ケイ素インゴットを製造するのにより有利である。
【0101】
前記炭化ケイ素インゴットは、4HSiCを含有するものであって、その表面が凸状または扁平状のものであってもよい。
【0102】
前記炭化ケイ素インゴットの表面が凹状に形成される場合、意図した4H-SiC結晶のほか、6H-SiCのような他の多形が混入したものであってもよく、これは、炭化ケイ素インゴット111の品質を落とし得る。また、前記炭化ケイ素インゴット111の表面が過度に凸状に形成される場合には、インゴット自体にクラックが発生するか、ウエハに加工する際に結晶が割れ得る。
【0103】
このとき、前記炭化ケイ素インゴットが過度に凸状のインゴットであるか否かは、反りの程度を基準に判断し、本明細書で製造される炭化ケイ素インゴット111は、反りが20mm以下である。
【0104】
前記反りは、炭化ケイ素インゴットの成長が完了したサンプルを定盤上に置いて、インゴットの後面を基準にインゴットの中心と縁との高さを高さゲージ(Height Gauge)で測定し、(中心高さ-縁高さ)の値と評価する。反りの数値が正値であれば、凸を意味し、0の値は、扁平、そして、負値は、凹であることを意味する。
【0105】
具体的には、前記炭化ケイ素インゴットは、その表面が凸状または扁平状であり、反りが0mm~14mmであるものであってもよく、0mm~11mmであるものであってもよく、0mm~8mmであるものであってもよい。これらの反りの程度を有する炭化ケイ素インゴットは、ウエハ加工がより容易であり、割れの発生を減少させることができる。
【0106】
前記炭化ケイ素インゴットは、欠陷や多形の混入が最小化した、実質的に単結晶である4HSiCインゴットであってもよい。前記炭化ケイ素インゴットは、実質的に4HSiCからなるものであって、その表面が凸状または扁平状のものであってもよい。
【0107】
前記炭化ケイ素インゴットは、炭化ケイ素インゴットで発生し得る欠陷を減らしたものであって、より高品質の炭化ケイ素ウエハを提供することができる。
【0108】
本明細書の方法で製造された前記炭化ケイ素インゴットは、その表面ピット(pit)を減少させて、具体的に、4インチ以上の直径を有するインゴットにおけるその表面に含まれるピット(pit)が10k/cm2以下であってもよい。
【0109】
本明細書において、前記炭化ケイ素インゴットの表面ピットの測定は、インゴットの表面におけるファセットを除く中央部分の1ヶ所、そして、炭化ケイ素インゴットのエッジにおける中央部方向に約10mm内側に位置する3時、6時、9時、及び12時方向の4ヶ所、計5ヶ所を光学顕微鏡で観察して、各位置で単位面積(1cm2)当たりピット(pit)を測定した後、その平均値に評価する。
【0110】
例示では、前記炭化ケイ素インゴットを外径研削装備を適用して、インゴットの外郭の縁部分を研磨し(External Grinding)、一定の厚さで切削(Slicing)した後、縁の研削と表面の研磨、ポリッシングなどの加工を行うことができる。
【0111】
前記スライス段階は、炭化ケイ素インゴットを一定なオフアングルを有するようにスライスし、スライスした結晶を設ける段階である。前記オフアングルは、4HSiCにおける[0001]面を基準にする。前記オフアングルは、具体的に、0~15度から選択された角度であってもよく、0~12度から選択された角度であってもよく、0~8度から選択された角度であってもよい。
【0112】
前記スライスは、通常、ウエハの製造に適用されるスライス方法であれば適用することができ、例示では、ダイヤモンドワイヤやダイヤモンドスラリーを適用したワイヤを用いた切削、ダイヤモンドが一部適用されたブレードやホイールを用いた切削などを適用することができるものの、これに限定されるものではない。
【0113】
前記スライスされた結晶の厚さは、製造しようとするウエハの厚さを考慮して調節することができ、後述する研磨段階で研磨された後の厚さを考慮して、適宜な厚さにスライスすることができる。
【0114】
前記研磨段階は、前記スライスされた結晶をその厚さが300~800μmになるように研磨して、炭化ケイ素ウエハを形成する段階である。
【0115】
前記研磨段階は、通常、ウエハの製造に適用される研磨方法を適用することができ、例示では、ラッピング(Lapping)及び/または研磨(Grinding)などの工程が行われた後、ポリッシング(polishing)などが行われる方式を適用することができる。
【0116】
実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法は、炭化ケイ素ブロック100に含まれた炭化ケイ素を昇華させて、炭化ケイ素インゴット及び炭化ケイ素ウエハを製造する。
【0117】
前記炭化ケイ素インゴットを形成するための原料は、ブロック状を有するため、高い熱伝導率を有する。特に、前記炭化ケイ素ブロック100は、水平方向に高い熱伝導率を有するように配置されていてもよい。
【0118】
これによって、るつぼで発生する熱は、るつぼの内部に容易に伝達され得る。これによって、前記るつぼの内部に配置される原料全体に均一な温度勾配が形成されていてもよい。
【0119】
よって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、前記るつぼ内の位置別温度を容易に制御することができる。よって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、温度バラ付きによる結晶性のずれや、様々な欠陷を防止することができる。これによって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、向上した結晶性及び機械的強度を有することができる。
【0120】
また、前記炭化ケイ素ブロック100は、高い熱伝導率を有するため、前記るつぼから発生する熱を前記るつぼの内部に配置される原料に効率良く伝達することができる。すなわち、前記炭化ケイ素ブロック100は、前記炭化ケイ素ウエハを形成するための原料であるとともに、内部に熱を伝達するための熱伝逹媒介体であってもよい。よって、実施例による炭化ケイ素ウエハ及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、炭化ケイ素の昇華速度を向上させることができる。また、前記炭化ケイ素ブロック100の熱伝導率が高いため、種結晶110付近の温度が低くても、原料の温度は、高く維持することができる。
【0121】
前記炭化ケイ素ブロック100は、高い熱伝導率を有し、水平方向に高い熱伝導率を有するように配置されていてもよい。これによって、前記るつぼ本体10内の原料は、全体的に水平方向に高い熱伝導率有していてもよい。よって、実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、水平方向への温度勾配を低くすることができる。また、前記原料の中央部分と外郭部分との温度差が大きくないため、前記種結晶110付近と前記原料の上部との温度差は、大きくなり得る。すなわち、前記るつぼ本体10内における垂直方向への温度勾配が大きくなり得る。これによって、前記原料付近における炭化ケイ素の昇華速度は、早くなり、前記種結晶110における蒸着速度も早くなり得る。
【0122】
よって、実施例による炭化ケイ素ウエハ及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、炭化ケイ素の昇華速度を向上させるだけでなく、種結晶110における蒸着速度を向上させることができる。よって、実施例による炭化ケイ素ウエハ及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、向上した成長速度を有することができる。
【0123】
また、前記炭化ケイ素ウエハの直径が大きくなることによって、前記るつぼ本体10の内径も併せて大きくならなければならない。このとき、前記炭化ケイ素ブロック100は、高い熱伝導率を有するため、前記るつぼ本体10の内径が大きくなっても、前記るつぼ本体10の内部温度を効率良く制御することができる。これによって、実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、向上した性能を有する大口径の炭化ケイ素ウエハを効率良く生産することができる。
【0124】
図4は、第2実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記した実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0125】
図4を参照すると、炭化ケイ素ブロック100とるつぼ本体10の内部面との間に第1流路120が形成されていてもよい。前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面と前記るつぼ本体10の内部面との間の空き空間であってもよい。すなわち、前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面と前記るつぼ本体10の内部面とが、互いに離隔して形成されていてもよい。
【0126】
前記第1流路120の幅(D)は、約0.1mm~約30mmであってもよい。前記第1流路120の幅(D)は、約0.5mm~約20mmであってもよい。前記第1流路120の幅(D)は、約1mm~約10mmであってもよい。
【0127】
前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面に全体的に形成されていてもよい。前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面の一部に形成されていてもよい。前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面のうち、約10%~約90%の領域に形成されていてもよい。前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面のうち、約20%~約80%の領域に形成されていてもよい。前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面のうち、約30%~約70%の領域に形成されていてもよい。
【0128】
前記第1流路120は、前記炭化ケイ素ブロック100の下部から上部に延在していてもよい。前記第1流路120は、前記るつぼ本体10の底から前記るつぼ本体10の上部に向かって延在していてもよい。前記第1流路120は、上下方向に延在していてもよい。
【0129】
前記第1流路120を介して、前記炭化ケイ素ブロック100の外周面及び前記炭化ケイ素ブロック100の下部で昇華した炭化ケイ素の気体は、効果的に前記るつぼ本体10の上部に移動することができる。これによって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度を有することができる。
【0130】
図5は、第3実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分に対してさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0131】
図5に示されたように、第1流路120は、炭化ケイ素粉末を含む。前記第1流路120に前記炭化ケイ素粉末が満たされていてもよい。すなわち、前記第1流路120に前記炭化ケイ素粉末がパックされていてもよい。
【0132】
前記炭化ケイ素粉末は、炭化ケイ素を含む。前記炭化ケイ素粉末は、炭化ケイ素からなってもよい。前記炭化ケイ素粉末は、粒子のサイズが約75μm以下であるものが、全体原料を基準に15重量%以下で含まれていてもよく、10重量%以下で含まれていてもよく、5重量%以下で含まれていてもよい。
【0133】
また、前記炭化ケイ素粉末のD50粒径は、約130μm~約400μmであってもよい。前記炭化ケイ素粉末のD50粒径は、約170μm~約300μmであってもよい。
【0134】
前記炭化ケイ素粉末は、前記炭化ケイ素ブロック100と前記るつぼ本体10との間に配置されて、前記るつぼ本体10から発生する熱を前記炭化ケイ素ブロック100に伝達することができる。すなわち、前記炭化ケイ素粉末は、前記炭化ケイ素ブロック100と前記るつぼ本体10との間のギャップを満たして、前記るつぼ本体10と前記炭化ケイ素ブロック100との間の熱伝逹特性を向上させることができる。また、前記第1流路120には前記炭化ケイ素粉末が満たされるため、昇華した炭化ケイ素は、前記炭化ケイ素粉末に含まれた粒子間の空間に効率良く移動することができる。
【0135】
よって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なくて、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0136】
図6は、第4実施例による炭化ケイ素ブロックを示した斜視図である。
図7は、第4実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0137】
図6及び
図7に示されたように、炭化ケイ素ブロックは、第1炭化ケイ素ブロック101、第2炭化ケイ素ブロック102、及び第3炭化ケイ素ブロック103を含んでいてもよい。
【0138】
前記第1炭化ケイ素ブロック101、前記第2炭化ケイ素ブロック102、及び前記第3炭化ケイ素ブロック103は、順次に積層されていてもよい。
【0139】
すなわち、るつぼ本体10の底面上に前記第1炭化ケイ素ブロック101が配置され、前記第1炭化ケイ素ブロック101上に第2炭化ケイ素ブロック102が配置され、前記第2炭化ケイ素ブロック102上に第3炭化ケイ素ブロック103が配置されていてもよい。
【0140】
前記第1炭化ケイ素ブロック101、前記第2炭化ケイ素ブロック102、及び前記第3炭化ケイ素ブロック103は、
図6に示されたプレート状のほか、上述したように、様々な形状を有していてもよい。
【0141】
また、前記るつぼ本体10内に配置される炭化ケイ素ブロックの個数は、3個以上であってもよい。すなわち、複数の炭化ケイ素ブロッは、前記るつぼ本体10内に積層して配置されていてもよい。また、前記炭化ケイ素ブロック100は、互いに同一であるか、互いに異なる様々な形状を有していてもよい。
【0142】
本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、炭化ケイ素の原料として、複数個の炭化ケイ素ブロックを用いて、所望の高さで原料を積層することができる。また、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、複数個の炭化ケイ素ブロックを前記るつぼ本体10内に適宜配置して、全体的な熱伝導率を効率良く設計することができる。また、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、複数個の炭化ケイ素ブロックを配置して、昇華した炭化ケイ素の気体が効率良く種結晶110に移動できるように流路を形成することができる。
【0143】
よって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なくて、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0144】
図8は、第5実施例による炭化ケイ素ブロックを示した斜視図である。
図9は、第5実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0145】
図8及び
図9に示されたように、炭化ケイ素の原料としてスペーサが更に含まれていてもよい。前記スペーサは、炭化ケイ素ブロックの間に配置されていてもよい。
【0146】
第1スペーサ131は、第1炭化ケイ素ブロック101と第2炭化ケイ素ブロック102との間に配置されていてもよい。また、第2スペーサ132は、前記 2炭化ケイ素ブロック100と前記第3炭化ケイ素ブロック103との間に配置されていてもよい。
【0147】
前記スペーサは、炭化ケイ素を含んでいてもよい。前記スペーサは、炭化ケイ素からなってもよい。前記スペーサは、99質量%以上に炭化ケイ素を含んでいてもよい。
【0148】
また、前記スペーサは、炭化ケイ素ブロック100であってもよい。すなわち、前記スペーサは、一定のサイズ以上を有する炭化ケイ素インゴットであってもよい。
【0149】
前記第1スペーサ131は、前記第1炭化ケイ素ブロック101と前記第2炭化ケイ素ブロック102との間に空間を形成する。前記第1スペーサ131によって、前記第1炭化ケイ素ブロック101と前記第2炭化ケイ素ブロック102との間に第2流路121が形成される。前記第2流路121は、水平方向に延在していてもよい。
【0150】
前記第2流路121の幅は、約0.5mm~約30mmであってもよい。前記第2流路121の幅は、約1mm~約20mmであってもよい。前記第2流路121の幅は、約5mm~約10mmであってもよい。前記第2流路121の幅は、前記第1スペーサ131の高さによって決定することができる。
【0151】
前記第2流路121は、第1流路120と連結されていてもよい。すなわち、前記第2流路121は、前記第2炭化ケイ素ブロック102と前記るつぼ本体10の内部面との間の空間と連結されていてもよい。
【0152】
前記第2スペーサ132は、前記第2炭化ケイ素ブロック102と前記第3炭化ケイ素ブロック103との間に空間を形成する。前記第2スペーサ132によって、前記第2炭化ケイ素ブロック102と前記第3炭化ケイ素ブロック103との間に第3流路122が形成される。前記第3流路122は、水平方向に延在していてもよい。
【0153】
前記第3流路122の幅は、約0.5mm~約30mmであってもよい。前記第3流路122の幅は、約1mm~約20mmであってもよい。前記第3流路122の幅は、約5mm~約10mmであってもよい。前記第3流路122の幅は、前記第2スペーサ132の高さによって決定することができる。
【0154】
前記第3流路122は、第1流路120と連結されていてもよい。すなわち、前記第3流路122は、前記第3炭化ケイ素ブロック103と前記るつぼ本体10の内部面との間の空間と連結されていてもよい。
【0155】
また、図面には示していないものの、前記第1炭化ケイ素ブロック101と前記るつぼ本体10の底面との間にも第3スペーサが配置されていてもよい。前記第3スペーサは、前記第1炭化ケイ素ブロック101と前記るつぼ本体10の底面との間に第4流路を形成することができる。
【0156】
前記第2流路121、前記第3流路122、及び前記第4流路は、前記るつぼ本体10の内部において、垂直な方向と交差する方向に延在していてもよい。
【0157】
これによって、前記第1炭化ケイ素ブロック101の上面及び第3スペーサで昇華して発生する炭化ケイ素の気体は、前記第4流路及び前記第1流路120を介して前記種結晶110に効率良く伝達することができる。
【0158】
また、前記第1炭化ケイ素ブロック101の下面、前記第2炭化ケイ素ブロック102の下面、及び第1スペーサ131で昇華する炭化ケイ素の気体は、前記第2流路121及び前記第1流路120を介して、前記種結晶110に効率良く伝達することができる。
【0159】
また、第2炭化ケイ素ブロック102の上面、前記第3炭化ケイ素ブロック103の下面、及び第2スペーサ132で昇華する炭化ケイ素の気体は、前記第3流路122及び前記第1流路120を介して、前記種結晶110に効率良く伝達することができる。
【0160】
本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、前記垂直方向に交差する方向に、例えば、水平方向に延在する流路を用いて、昇華した炭化ケイ素の気体を上方に効率良く伝達することができる。
【0161】
よって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なく、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0162】
図10は、第6実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0163】
図10を参照すると、第1流路120、第2流路121、及び第3流路122に炭化ケイ素粉末が配置されていてもよい。また、前記炭化ケイ素粉末は、前記第1流路120、前記第2流路121、及び前記第3流路122にパックされていてもよい。
【0164】
また、図面には示していないものの、第4流路にも前記炭化ケイ素粉末が配置されていてもよい。
【0165】
また、第1スペーサ131、第2スペーサ132、及び第3スペーサは、省略することができる。すなわち、前記第1スペーサ131、前記第2スペーサ132、及び前記第3スペーサのスペーサ機能を前記炭化ケイ素粉末が代替することができる。
【0166】
前記炭化ケイ素粉末によって、各流路における熱伝逹特性が向上し、前記炭化ケイ素粉末に含まれた粒子間の空間によって、昇華した炭化ケイ素の気体の伝達性能は、維持することができる。
【0167】
よって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、水平方向に全体的に均一な温度勾配を有していてもよい。これによって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なく、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0168】
図11は、第7実施例による炭化ケイ素ブロックを示した斜視図である。
図12は、第7実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0169】
図11及び
図12を参照すると、炭化ケイ素ブロック100は、第5流路124を含む。前記第5流路124は、前記炭化ケイ素ブロック100の中央部分に形成されていてもよい。前記第5流路124は、前記炭化ケイ素ブロック100の内部から上方に延在して形成されていてもよい。また、前記第5流路124は、前記炭化ケイ素ブロック100の内部から上方に開放されていてもよい。
【0170】
このとき、前記第5流路124の深さは、前記炭化ケイ素ブロック100の高さの約1/2~約1であってもよい。前記第5流路124の深さは、前記炭化ケイ素ブロック100の高さの約2/3~約9/10であってもよい。前記第5流路124の深さは、前記炭化ケイ素ブロック100の高さの約3/4~約4/5であってもよい。
【0171】
前記第5流路124は、前記炭化ケイ素ブロック100を上下方向に貫通することができる。すなわち、前記第5流路124は、前記炭化ケイ素ブロック100の下面から上面まで貫通することができる。
【0172】
前記第5流路124は、円筒状を有していてもよい。前記炭化ケイ素ブロック100は、ドーナツ状を有していてもよい。
【0173】
前記第5流路124の直径は、前記炭化ケイ素ブロック100の直径の約1/10~約1/2であってもよい。前記第5流路124の直径は、前記炭化ケイ素ブロック100の直径の約1/5~約1/3であってもよい。前記第5流路124の直径は、前記炭化ケイ素ブロック100の直径の約3/10~約1/2であってもよい。
【0174】
また、前記第5流路124の直径は、約1cm~約30cmであってもよい。前記第5流路124の直径は、約3cm~約20cmであってもよい。前記第5流路124の直径は、約5cm~約10cmであってもよい。
【0175】
前記第5流路124は、上方に開放されているため、前記第5流路124の内部面に昇華した炭化ケイ素の気体は、上方に効率良く伝達することができる。また、前記第5流路124の内部面は、前記るつぼ本体10の内部面に沿って配置されていてもよい。これによって、前記るつぼ本体10からの熱は、前記第5流路124の内部面に均一に伝達することができる。すなわち、前記第5流路124の内部面と前記るつぼ本体10の内部面との間の間隔は、位置によって均一であってもよく、前記るつぼ本体10からの熱は、前記第5流路124の内部面に均一に伝達することができる。
【0176】
よって、実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、前記第5流路124の内部面の温度を均一に調節することができる。また、実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、前記第5流路124の内部面から炭化ケイ素の気体を効率良く昇華させることができる。
【0177】
これによって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なく、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0178】
図13の第8実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0179】
図13を参照すると、炭化ケイ素ブロック100は、第6流路125を含む。前記第6流路125は、前記炭化ケイ素ブロック100の中央部分に形成されていてもよい。前記第6流路125は、前記炭化ケイ素ブロック100の内部から上方に延在して形成されていてもよい。また、前記第6流路125は、前記炭化ケイ素ブロック100の内部から上方に開放されていてもよい。
【0180】
このとき、前記第6流路125の深さは、前記炭化ケイ素ブロック100の高さの約1/2~約1であってもよい。前記第6流路125の深さは、前記炭化ケイ素ブロック100の高さの約2/3~約9/10であってもよい。前記第6流路125の深さは、前記炭化ケイ素ブロック100の高さの約3/4~約4/5であってもよい。
【0181】
また、前記第6流路125の平均内径は、約1cm~約30cmであってもよい。前記第6流路125の平均内径は、約3cm~約20cmであってもよい。前記第6流路125の平均内径は、約5cm~約10cmであってもよい。
【0182】
前記第6流路125は、前記炭化ケイ素ブロック100を上下方向に貫通することができる。すなわち、前記第6流路125は、前記炭化ケイ素ブロック100の下面から上面まで貫通することができる。
【0183】
また、前記第6流路125の内部面は、垂直方向を基準に傾いていてもよい。前記第6流路125は、上方に行くほど、ますますさらに大きくなる内径を有していてもよい。ここで、流路の内径は、流路の水平方向に流路の断面積と同一の面積を有する円の直径を意味する。前記第6流路125の内部面の平均傾斜度は、0.5~10であってもよい。前記第6流路125の内部面の平均傾斜度は、約1~約5であってもよい。前記第6流路125の内部面の平均傾斜度は、約1.5~約3であってもよい。
【0184】
ここで、前記平均傾斜度は、前記第6流路125の深さを前記第6流路125の最も下部の内径と、前記第6流路125の最も高い部分の内径との差で除した値である。前記平均傾斜度は、下記の数式1で表される。
【0185】
[数式1]
流路の深さ/(流路の最上部の内径-流路の最下部の内径)
【0186】
前記第6流路125は、切断した円錐状を有していてもよい。前記第6流路125は、切断した多角錐状を有していてもよい。前記第6流路125の内径は、上方に行くほど、ますます大きくなる傾向性を有していてもよい。
【0187】
前記第6流路125は、上方に開放されているため、前記第6流路125の内部面に昇華した炭化ケイ素の気体は、上方に効率良く伝達することができる。また、前記第6流路125の内部面は、傾くことから、広い表面積を有していてもよい。
【0188】
また、誘導コイル40は、前記炭化ケイ素ブロック100が配置される領域のうち、前記るつぼ本体10の下部から上部に行くほど、加えられる熱を減らすことができる。これによって、前記第6流路125の内部面が傾いても、前記第6流路125の内部面の温度は、均一に調節することができる。
【0189】
よって、実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、前記第6流路125の内部面から昇華する炭化ケイ素の気体の量を増加させることができる。
【0190】
これによって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なく、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0191】
図14は、第9実施例によるるつぼ組立体内に炭化ケイ素ブロックが配置された状態を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0192】
図14を参照すると、炭化ケイ素ブロック100の中央部分に形成される流路は、階段状を有していてもよい。前記流路の内部面は、階段状を有していてもよい。前記流路の内部面は、段差を有していてもよい。
【0193】
前記炭化ケイ素ブロック100は、第7流路126、第8流路127、及び第9流路128を含んでいてもよい。
【0194】
前記第7流路126は、前記炭化ケイ素ブロック100の下部に配置される。前記第7流路126は、前記炭化ケイ素ブロック100の下部面に隣接して配置される。前記7流路は、前記炭化ケイ素ブロック100の下部面を貫通することができる。
【0195】
前記第8流路127は、前記第7流路126と連結されて、前記第7流路126上に配置される。
【0196】
前記第9流路128は、前記第8流路127上に配置される。また、前記第9流路128は、前記第8流路127に連結される。前記第9流路128は、前記炭化ケイ素ブロック100の上部に配置される。前記第9流路128は、前記炭化ケイ素ブロック100の上面を貫通する。前記第9流路128は、前記炭化ケイ素ブロック100の上面から上方に開放される。
【0197】
前記第9流路128の平均内径は、前記第8流路127の平均内径よりもさらに大きい。また、前記第8流路127の平均内径は、前記第9流路128の平均内径よりもさらに大きい。
【0198】
前記第9流路128の平均内径は、前記第8流路127の平均内径よりも約1.1倍~約2倍が更に大きくてもよい。また、前記第8流路127の平均内径は、前記第7流路126の平均内径よりも約1.1倍~約2倍が更に大きくてもよい。
【0199】
前記第9流路128は、上方に開放されているため、前記第7流路126、前記第8流路127、及び前記第9流路128の内部面に昇華した炭化ケイ素の気体は、上方に効率良く伝達することができる。また、前記第7流路126、前記第8流路127、及び前記第9流路128の内部面は、段差を有することから、広い表面積で有していてもよい。
【0200】
また、誘導コイル40は、前記炭化ケイ素ブロック100が配置される領域のうち、前記るつぼ本体10の下部から上部に行くほど、加えられる熱を減らすことができる。これによって、前記第7流路126、前記第8流路127、及び前記第9流路128の内部面が段差を有しても、前記第7流路126、前記第8流路127、及び前記第9流路128の内部面の温度は、均一に調節することができる。
【0201】
よって、実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、前記第6流路125の内部面から昇華する炭化ケイ素の気体の量を増加させることができる。
【0202】
これによって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なく、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0203】
図15は、第10実施例による炭化ケイ素ブロックの一断面を示した断面図である。本実施例に関する説明では、上述した炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法に関する説明を参考し、変更された部分についてさらに説明する。上記実施例に関する説明は、変更された部分を除いては、本実施例に関する説明に本質的に結合することができる。
【0204】
図15を参照すると、炭化ケイ素ブロック100は、微細気孔129を有していてもよい。前記微細気孔129は、約1μm~約500μmの内径を有していてもよい。前記微細気孔129は、開放気孔である。すなわち、前記微細気孔129は、前記炭化ケイ素ブロック100の外部に開放されていてもよい。また、前記微細気孔129は、前記炭化ケイ素ブロック100の内部まで互いに連結されていてもよい。
【0205】
前記微細気孔129が形成されるために前記炭化ケイ素ブロック100は、焼結によって形成されていてもよい。すなわち、炭化ケイ素粉末が所望の形状にパックされて、焼結し、前記炭化ケイ素ブロック100が形成されていてもよい。前記焼結過程で、前記炭化ケイ素粉末に含まれた粒子が互いに連結されて、前記炭化ケイ素ブロック100が形成されていてもよい。また、前記焼結過程で、前記炭化ケイ素粉末に含まれた粒子間の空間は、前記微細気孔129を形成することができる。
【0206】
また、スペーサも前記炭化ケイ素ブロック100に類似する構造を有していてもよい。すなわち、前記スペーサも微細気孔129を含んでいてもよい。
【0207】
前記炭化ケイ素ブロック100は、炭化ケイ素粒子が互いに連結して形成されるため、高い熱伝導率を有し、かつ、前記微細気孔129を含むため、昇華した炭化ケイ素の気体が効率良く放出し得る。
【0208】
よって、実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、前記微細気孔129の内部面から昇華する炭化ケイ素の気体の量を増加させることができる。
【0209】
これによって、本実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長速度で、欠陷が少なく、結晶特性が向上したインゴット及びウエハを提供することができる。
【0210】
以上、上述した実施例は、互いに技術的に背馳しなければ、互いに組み合わせることができる。例えば、炭化ケイ素粉末は、第4流路、第5流路124、第6流路125、第7流路126、第8流路127、及び第9流路128にも配置されていてもよい。また、前記炭化ケイ素粉末は、炭化ケイ素ブロック100の間の空間にも配置されていてもよい。また、前記スペーサは、様々な位置に配置されて、流路を形成することができる。
【0211】
以下では、具体的な実施例によって具現例をより具体的に説明する。下記の実施例は、具現例を理解するための例示に過ぎないし、本明細書は、開示する発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0212】
実施例1~5及び比較例
ドーナツ状の焼結体#1は、黒鉛るつぼ本体の内部に装入されている。前記炭化ケイ素ブロックの上部に炭化ケイ素の種結晶及び種結晶ホルダーを配置した。このとき、炭化ケイ素種結晶(4HSiC単結晶、6インチ)のC面がるつぼの下部に向かうように、通常の方法で固定した。また、るつぼ蓋と種結晶ホルダーとが黒鉛で一体に製造されており、前記るつぼ蓋及び前記種結晶ホルダーは、いずれも円板状を有する。
【0213】
前記種結晶及び種結晶ホルダーが設置されたるつぼ蓋で前記るつぼ本体を覆い、断熱材で囲んだ後、加熱手段である加熱コイルが備えられた反応チャンバ内に入れた。
【0214】
このとき、断熱材としては、0.19g/ccの密度、85%の気孔度、圧縮強度が0.37MPaである、黒鉛フェルトが適用されている。
【0215】
るつぼの内部を真空状態に作った後、アルゴンガスを徐々に注入して、前記るつぼの内部が大気圧に到逹するようにし、さらに前記るつぼの内部を徐々に減圧させた。これと共に、るつぼの内部温度を2000℃まで約5℃/分の昇温速度で徐々に昇温させ、2350℃まで約3℃/分の昇温速度で徐々に昇温させた。
【0216】
その後、2350℃の温度と20torrの圧力の条件下で、100時間、炭化ケイ素種結晶からSiCインゴットを成長させた。
【0217】
その後、前記炭化ケイ素インゴットは、ダイヤモンドワイヤソーによって切断し、面取り工程、研削工程、及び研磨工程によって加工された。これによって、(0001)面を基準に4度のオフ角度の炭化ケイ素ウエハが製造された。
【0218】
【0219】
1)ドーナツ状の炭化ケイ素焼結体#1のD50粒径が約150μmである炭化ケイ素粉末は、約2200℃の温度で、約5時間焼結して形成され、
図10の形状を有し、外径が約175mmであり、内径が約30mmであり、高さが約80mmであり、気孔率が約45vol%である、炭化ケイ素焼結体。
【0220】
2)ドーナツ状の炭化ケイ素焼結体#2
D50粒径が約150μmである炭化ケイ素粉末は、約2200℃の温度で、約5時間焼結して形成され、
図13の炭化ケイ素ブロックの形状を有し、外径が約170mmであり、高さが約80mmであり、最も小さい内径が約30mmであり、最大の内径が約100mmであり、気孔率が約46vol%である、炭化ケイ素焼結体。
【0221】
3)円筒状の炭化ケイ素焼結体
D50粒径が約150μmである粉末は、約2200℃の温度で、約5時間焼結して形成され、外径が約170mmであり、高さが約80mmであり、気孔率が約43vol%である、炭化ケイ素焼結体。
【0222】
4)円筒状の多結晶炭化ケイ素ブロック
外径が約170mmであり、高さが約80mmである、多結晶炭化ケイ素ブロック。
【0223】
5)円筒状の単結晶炭化ケイ素ブロック
外径が約170mmであり、高さが約80mmである、単結晶炭化ケイ素ブロック。
【0224】
6)炭化ケイ素粉末
D50粒径が約150μmである、炭化ケイ素粉末。
【0225】
実施例による炭化ケイ素インゴット及びウエハの製造方法は、向上した成長率を有し、低い欠陷を有する。
【0226】
以上では、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義する本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0227】
実施例による炭化ケイ素ウエハの製造方法及び炭化ケイ素インゴットの製造方法は、電力半導体などの技術分野に適用することができる。
【国際調査報告】