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特表2024-538292アイデンティティ認識方法、生体紋様情報の特徴抽出方法、アイデンティティ認識装置、生体紋様情報の特徴抽出装置、コンピュータ機器、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】アイデンティティ認識方法、生体紋様情報の特徴抽出方法、アイデンティティ認識装置、生体紋様情報の特徴抽出装置、コンピュータ機器、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241010BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20241010BHJP
   G06V 40/12 20220101ALI20241010BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
G06V10/82
G06V40/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525547
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022132147
(87)【国際公開番号】W WO2023151337
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】202210122885.7
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TENCENT TECHNOLOGY (SHENZHEN) COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】35/F,Tencent Building,Kejizhongyi Road,Midwest District of Hi-tech Park,Nanshan District, Shenzhen,Guangdong 518057,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】沈雷
(72)【発明者】
【氏名】周楚涵
(72)【発明者】
【氏名】張睿欣
(72)【発明者】
【氏名】趙凱
(72)【発明者】
【氏名】汪韜
(72)【発明者】
【氏名】張映藝
(72)【発明者】
【氏名】丁守鴻
【テーマコード(参考)】
5B043
5L096
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA03
5B043GA02
5L096AA06
5L096EA33
5L096EA39
5L096FA62
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA34
5L096HA11
5L096JA05
5L096KA04
5L096MA07
(57)【要約】
本願は、アイデンティティ認識方法、装置、機器、及び記憶媒体を開示しており、アイデンティティ認識の技術分野に属する。この方法は、生体紋様情報を取得するステップであって、生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップと、全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行うステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ機器が実行するアイデンティティ認識方法であって、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行うステップと、を含む、
アイデンティティ認識方法。
【請求項2】
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得するステップであって、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記ターゲット掌紋情報の隠れ層表現を記述するためのものである、ステップと、
第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得するステップであって、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である、ステップと、
第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップであって、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である、ステップと、を含む、
請求項1に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項3】
第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個(nは正の整数)の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得するステップであって、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なる、ステップと、
前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップと、を含む、
請求項2に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項4】
前記局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得するステップをさらに含み、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップを含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項5】
前記自己注意機構処理は、活性化処理と、正則化処理と、を含み、
前記局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記局所紋様特徴に対して前記活性化処理を行うことにより、第2活性化特徴を取得するステップと、
前記局所紋様特徴に対して前記正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得するステップと、
前記第2活性化特徴と前記第2正則化特徴とを乗算することにより、前記第1オブジェクトの前記更新後の局所紋様特徴を取得するステップと、を含む、
請求項4に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項6】
前記生体紋様情報に対して前処理を行うことにより、更新後の生体紋様情報を取得するステップをさらに含み、
前記前処理の方式は、
前記生体紋様情報に対して補間処理を行うことと、
前記生体紋様情報の関心領域を切り取ることと、のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されず、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記更新後の生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップを含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項7】
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う前記ステップは、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、前記第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得するステップを含み、前記サンプル紋様特徴は、ターゲットオブジェクトの生体紋様情報特徴を記述するためのものである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項8】
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、前記第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得する前記ステップは、
前記融合紋様特徴と前記サンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算するステップと、
前記コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たす場合、前記ターゲットオブジェクトであるという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得するステップと、
前記コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たさない場合、前記ターゲットオブジェクトではないという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得するステップと、を含む、
請求項7に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項9】
コンピュータ機器の生体紋様特徴抽出モデルが実行する、生体紋様情報の特徴抽出方法であって、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記方法は、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、を含む、
生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項10】
前記特徴抽出ネットワークには、第1残差畳み込みブロックと、第2残差畳み込みブロックと、アトラス畳み込みブロックとが含まれ、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記第1残差畳み込みブロックを呼び出して、前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得するステップであって、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記ターゲット掌紋情報の隠れ層表現を記述するためのものである、ステップと、
前記第2残差畳み込みブロックを呼び出して、第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得するステップであって、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である、ステップと、
前記アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップであって、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である、ステップと、を含む、
請求項9に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項11】
前記アトラス畳み込みブロックには、n個(nは正の整数)のアトラス畳み込み層が含まれ、
前記アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記n個のアトラス畳み込み層を呼び出して、前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得するステップであって、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なり、前記特徴受容野は、前記アトラス畳み込み層の畳み込みカーネルスケールに基づいて決定されたものである、ステップと、
前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップと、を含む、
請求項10に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項12】
前記生体紋様特徴抽出モデルは、
サンプル紋様情報及びサンプル紋様特徴を取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記サンプル紋様特徴は、前記サンプルオブジェクトの前記サンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である、ステップと、
初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、
前記予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、特徴予測誤差を取得するステップと、
前記特徴予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項13】
前記生体紋様特徴抽出モデルは、
サンプル紋様情報と、前記サンプル紋様情報の分類ラベルとを取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記分類ラベルは、前記サンプルオブジェクトを示すためのものである、ステップと、
初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、
前記予測融合紋様特徴に対してラベル分類処理を行うことにより、前記サンプルオブジェクトの予測ラベルを取得するステップと、
前記予測ラベルと分類ラベルとを比較することにより、ラベル予測誤差を取得するステップと、
前記ラベル予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項14】
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う判断モジュールと、を含む、
アイデンティティ認識装置。
【請求項15】
生体紋様特徴抽出モデルが含まれる、生体紋様情報の特徴抽出装置であって、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記装置は、
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、を含む、
生体紋様情報の特徴抽出装置。
【請求項16】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ機器であって、前記メモリには、少なくとも1つのプログラムが記憶されており、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記少なくとも1つのプログラムを実行することで、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する、コンピュータ機器。
【請求項17】
実行可能な命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記実行可能な命令は、プロセッサによりロードされて実行されると、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されており、プロセッサが前記コンピュータ可読記憶媒体から前記コンピュータ命令を読み取って実行することで、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する、コンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年2月9日に中国特許庁に提出された、出願番号が第202210122885.7であり、発明の名称が「生体紋様情報の特徴抽出方法、装置、機器、及び記憶媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全ての内容は参照することにより本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、アイデンティティ認識の技術分野に関し、特にアイデンティティ認識方法、生体紋様情報の特徴抽出方法、装置、機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ技術の発展に伴い、生体紋様情報認識技術は、適用シナリオが拡大の一途をたどり、勤怠記録やモバイル決済などのシナリオに広く適用されている。
【0004】
関連技術では、通常、生体紋様情報の深層的特徴を抽出し、特徴抽出過程で高次元の生体紋様情報を次元削減することにより、低次元の生体紋特徴を取得して生体紋様情報の記述を実現し、生体紋様特徴の比較によって生体紋様情報の認識を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例によれば、アイデンティティ認識方法が提供されている。前記方法は、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行うステップと、を含む。
【0007】
本願の実施例によれば、生体紋様特徴抽出モデルが実行する、生体紋様情報の特徴抽出方法が提供されている。前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記方法は、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、を含む。
【0008】
本願の実施例によれば、アイデンティティ認識装置が提供されている。前記装置は、
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う判断モジュールと、を含む。
【0009】
本願の実施例によれば、生体紋様特徴抽出モデルが実行する、生体紋様情報の特徴抽出装置が提供されている。前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記装置は、
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、を含む。
【0010】
本願の実施例によれば、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ機器が提供されており、前記メモリには、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセット又は命令セットは、前記プロセッサによりロードされて実行されると、上記の態様における生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0011】
本願の実施例によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供されており、前記コンピュータ可読記憶媒体には、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセット又は命令セットは、プロセッサによりロードされて実行されると、上記の態様における生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0012】
本願の実施例によれば、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムが提供されている。前記コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されており、プロセッサは、前記コンピュータ可読記憶媒体から前記コンピュータ命令を読み取って実行することで、上記の態様における生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願の実施例の構成をより明確に説明するために、以下に、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例を示しているに過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【0014】
図1】本願の1つの例示的な実施例で提供されるコンピュータシステムの模式図である。
図2】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートである。
図3】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートである。
図4】本願の1つの例示的な実施例で提供されるアトラス畳み込みカーネルの模式図である。
図5】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートである。
図6】本願の1つの例示的な実施例で提供されるReLU関数及びSoftplus関数の模式図である。
図7】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートである。
図8】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の関心領域を切り取ることのフローチャートである。
図9】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートである。
図10】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報に基づくアイデンティティ認識方法のフローチャートである。
図11】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの構成の模式図である。
図12】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートである。
図13】本願の1つの例示的な実施例で提供される特徴予測誤差決定の模式図である。
図14】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートである。
図15】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出装置の構成のブロック図である。
図16】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出装置の構成のブロック図である。
図17】本願の1つの例示的な実施例で提供されるサーバの構成のブロック図である。
【0015】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、明細書とともに本願の原理を説明するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願の目的、構成、及びメリットをより明確にするために、以下、図面を参照しながら、本願の実施形態をさらに詳しく説明する。
【0017】
ここでは、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。以下の説明が図面に関連する場合、別段の表現がない限り、異なる図面における同一の数字は、同一又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載されている実施形態は、本願に一致する全ての実施形態を表すものではない。逆に、これらは、添付の特許請求の範囲で詳述されるような、本願のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0018】
本開示で使用される用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本開示及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形式の「ある」、「前記」、及び「該」は、コンテキストで他の意味が明示されない限り、複数形式を含むことも意図される。また、理解すべきものとして、本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連するリスト項目の任意又は全ての可能な組み合わせが含まれることを意味する。理解すべきものとして、本開示では、第1、第2などの用語を用いて様々な情報を説明することがあるが、これらの情報がこれらの用語に限定されるべきではない。これらの用語は、同一タイプの情報を互いに区別するためだけに使われる。例えば、本開示の範囲を逸脱しない場合に、第1パラメータを第2パラメータと呼ぶこともでき、同様に、第2パラメータを第1パラメータと呼ぶこともできる。文脈にもよるが、ここで使われている言葉「…すると」は、「…した場合」又は「…したとき」又は「決定に応答して」と解釈することができる。
【0019】
説明すべきものとして、本願に係るユーザ情報(ユーザ機器情報やユーザ個人情報などを含むが、これらに限定されない)及びデータ(分析用データ、記憶データ、展示データなどを含むが、これらに限定されない)は、いずれも、ユーザによって許可され、又は、各当事者によって十分に許可された情報及びデータであり、関連データの収集、使用、及び処理には、関連国及び地域の関連法律法規及び基準を遵守する必要がある。例えば、本願に係る生体紋様情報は、いずれも、十分に許可された場合に取得されたものである。
【0020】
図1は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるコンピュータシステムの模式図である。該コンピュータシステムは、生体紋様情報の特徴抽出方法のシステムアーキテクチャとして実現されてもよい。該コンピュータシステムは、端末100と、サーバ200と、を含んでもよい。
【0021】
端末100は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、車載端末(車載機)、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、アクセス制御機器、無人販売端末などの電子機器であってもよい。端末100には、ターゲットアプリケーションを実行するクライアントがインストールされてもよく、該ターゲットアプリケーションは、生体紋様情報認証をサポートするモバイル決済、勤務勤怠、アイデンティティ認証アプリケーションであってもよく、生体紋様情報の特徴抽出機能を提供する他のアプリケーションであってもよいが、本願はこれを限定しない。なお、本願において、該ターゲットアプリケーションの形態は、限定されるものではなく、端末100にインストールされたアプリケーション(App:Application)やアプレットなどを含むが、これらに限定されず、ウェブページ形式であってもよい。
【0022】
サーバ200は、独立した物理サーバであってもよく、複数の物理サーバからなるサーバクラスタ又は分散型システムであってもよく、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバであってもよい。サーバ200は、上記のターゲットアプリケーションのバックエンドサーバであってもよく、ターゲットアプリケーションのクライアントにバックエンドサービスを提供する。
【0023】
本願の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法は、各ステップの実行主体がコンピュータ機器であってもよい。前記コンピュータ機器は、データの計算、処理、及び記憶の能力を有する電子機器を指す。図1に示された方法実施環境を例にすると、端末100が生体紋様情報の特徴抽出方法を実行してもよく(例えば、端末100にインストールされた、ターゲットアプリケーションを実行するクライアントが該生体紋様情報の特徴抽出方法を実行する)、サーバ200が該生体紋様情報の特徴抽出方法を実行してもよく、あるいは、端末100とサーバ200との相互連携によって実行してもよいが、本願はこれを限定しない。また、本願の構成は、ブロックチェーン技術と組み合わせることができる。例えば、本願に開示される生体紋様情報の特徴抽出方法に係るデータの一部(例えば、生体紋様情報、生体紋様情報に対応するアイデンティティ情報などのデータ)は、ブロックチェーン上に保存することができる。端末機器100とサーバ200との間では、ネットワークを介した通信が可能である。例えば、有線又は無線のネットワークである。
【0024】
関連技術では、双子間の生体紋様情報のような、類似度の高い生体紋様情報に対して、認識能力が著しく低下する。これに基づき、本願は、生体紋様情報の特徴抽出方法、装置、機器、及び記憶媒体を提供する。続いて、以下の実施例で生体紋様情報の特徴抽出方法を紹介する。
【0025】
図2は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0026】
ステップ510では、生体紋様情報を取得する。
【0027】
生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである。本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様のタイプに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0028】
本願の実施例において、生体紋様の収集方法は、光学収集方式(例えば、生体紋様写真)、静電容量収集方式(例えば、静電容量式紋様収集モジュールを使用する)、生体無線周波数収集方式(例えば、超音波を使用して生体紋様を収集する)のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様の収集方式に対して、いかなる制限的規定をしない。
【0029】
ステップ520では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。
【0030】
全体紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、局所紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例では、局所紋様特徴が全体紋様特徴に基づいて取得されてもよく、局所紋様特徴と全体紋様特徴が互いに独立して取得されてもよいが、これに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0031】
説明すべきものとして、生体紋様情報の特徴抽出過程に関して、生体紋様特徴抽出モデルを呼び出すことにより、生体紋様情報の特徴抽出を行ってもよいし、手作業によるアノテーション方法によって生体紋様情報の特徴抽出を行ってもよいし、生体紋様情報の演算によって生体紋様情報の特徴を抽出してもよい。本願は、これに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0032】
例示的に、生体紋様特徴抽出モデルによって生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれる。特徴抽出ネットワークを呼び出して、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。全体紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、局所紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである。
【0033】
ステップ530では、第1オブジェクトの全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0034】
例示的に、融合紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例において、全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行う方式は、直交融合、畳み込み融合、自己適応特徴融合のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0035】
説明すべきものとして、上記のステップ520と同様に、本願は、融合処理の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴融合ネットワークが含まれる。特徴融合ネットワークを呼び出して、第1オブジェクトの全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0036】
ステップ540では、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う。
【0037】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による掌紋情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって掌紋情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0038】
続いて、特徴抽出処理を紹介する。図3は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例におけるステップ520は、以下の2つのステップとして実現されてもよい。
【0039】
ステップ522では、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得する。
【0040】
テクスチャー隠れ層特徴は、ターゲット掌紋情報の隠れ層表現を記述するためのものである。例示的に、テクスチャー隠れ層特徴の表現方法は、特徴ベクトル、特徴行列、特徴値のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0041】
説明すべきものとして、上記のステップ520と同様に、本願は、隠れ層特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、第1残差畳み込みブロックが含まれる。第1残差畳み込みブロックを呼び出して、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得する。テクスチャー隠れ層特徴は、ターゲット掌紋情報の隠れ層表現を記述するためのものである。
【0042】
例示的に、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である。生体紋様特徴抽出モデルによって隠れ層特徴抽出を行う過程では、第1残差畳み込みブロックを呼び出すことにより、隠れ層特徴抽出を実現する。
【0043】
いくつかの実施例において、第1残差畳み込みブロックは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Networks)、効率的なネットワーク(Efficient Networks)、変換ネットワーク(Transformer Networks)、深層残差ネットワーク(ResNet:Deep residual network)、インセプション残差ネットワーク(Inception-Resnet101)のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0044】
ステップ524では、第1特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。
【0045】
第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である。例示的に、残差畳み込み方式で特徴次元を削減する。
【0046】
上記のステップ520と同様に、本願は、特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、第2残差畳み込みブロックが含まれる。第2残差畳み込みブロックを呼び出して、第1特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である。
【0047】
ステップ526では、第2特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0048】
第2特徴抽出方法は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。例示的に、アトラス畳み込み方式で特徴受容野を拡大する。
【0049】
例示的に、特徴受容野は、局所紋様特徴の各特徴値が示すテクスチャー隠れ層特徴の情報次元を示すためのものである。例示的に、第1特徴画像を使用して第1オリジナル画像に対して特徴抽出を行う過程において、特徴受容野は、第1特徴画像における1つの画像特徴画素が示すオリジナル画像画素の次元を表す。
【0050】
上記のステップ520と同様に、本願は、特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、アトラス畳み込みブロックが含まれる。アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。
【0051】
本願のいくつかの実施例において、ステップ526は、以下のような2つのサブステップとして実現されてもよい。
【0052】
サブステップ1では、テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得する。
【0053】
nは正の整数であり、n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なる。
【0054】
上記のステップ520と同様に、本願は、特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、アトラス畳み込みブロックが含まれ、アトラス畳み込みブロックには、n個のアトラス畳み込み層が含まれる。n個のアトラス畳み込み層を呼び出して、テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得する。nは正の整数であり、n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なり、特徴受容野はアトラス畳み込み層の畳み込みカーネルスケールに基づいて決定されたものである。
【0055】
サブステップ2では、n個の局所サブ特徴を結合することにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0056】
nが1より大きい場合、局所サブ特徴の結合方法は、端から端まで直接結合してもよいし、局所サブ特徴を重ね合わせて数学的に結合してもよい。本実施例は、これに対して、いかなる制限をしない。
【0057】
nが1に等しい場合、局所サブ特徴を第1オブジェクトの局所特徴として決定する。
【0058】
例示的に、図4は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアトラス畳み込みカーネルの模式図を示す。アトラス畳み込みブロックの模式図には、畳み込みカーネルスケールが3であるアトラス畳み込みカーネル、畳み込みカーネルスケールが6であるアトラス畳み込みカーネル、及び畳み込みカーネルスケールが9であるアトラス畳み込みカーネルが示されている。ここで、畳み込みカーネルスケールが3であるアトラス畳み込みカーネルの特徴受容野の次元は5×5であり、畳み込みカーネルスケールが6であるアトラス畳み込みカーネルの特徴受容野の次元は11×11であり、畳み込みカーネルスケールが9であるアトラス畳み込みカーネルの特徴受容野の次元は17×17である。
【0059】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式で局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による掌紋情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって掌紋情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0060】
続いて、自己注意機構処理を紹介する。図5は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例に加えて、ステップ528をさらに含む。
【0061】
ステップ528では、局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0062】
例示的に、局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行って、局所有効特徴領域の重みを強化することにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0063】
例示的に、本願のいくつかの実施例において、ステップ528は、以下のような3つのサブステップとして実現されてもよい。即ち、自己注意機構処理は、活性化処理と、正則化処理と、を含む。
【0064】
サブステップ1では、局所紋様特徴に対して活性化処理を行うことにより、第2活性化特徴を取得する。
【0065】
例示的に、局所紋様特徴に対して活性化処理を行うための活性化関数は、シグモイド(Sigmoid)関数、双曲線正接(Tanh)関数、整流線形ユニット(ReLU:Rectified Linear Unit)関数、ソフトマックス(Softmax)関数、ソフトプラス(Softplus)関数のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。図6は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるReLU関数及びSoftplus関数の模式図を示す。
【0066】
例示的に、ReLU関数及びSoftplus関数によって、局所紋様特徴に対して活性化処理を行うことにより、例えば下式のように第2活性化特徴を取得する。
【数1】
ここで、xは局所紋様特徴を表し、Relu(.)はReLU関数を表し、maxは最大値を取る演算を表し、xsoftplusは第2活性化特徴を表し、Softplus(.)はSoftplus関数を表す。
【0067】
例示的に、ReLU関数は、生体紋様特徴抽出モデルにおける各ニューラルネットワーク層間の非線形関係を増加し、単純な線形関係が現れるのを回避することができる。ReLU関数は、最大値演算によって一部の局所紋様特徴を0として出力し、ネットワークのスパース性をもたらすとともに、局所紋様特徴間の相互依存関係を減少し、過剰適合問題の発生を緩和する。Softplus関数の役割はReLU関数と同じであり、Softplus関数は、ReLU関数を平滑化したものである。
【0068】
サブステップ2では、局所紋様特徴に対して正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得する。
【0069】
例示的に、局所紋様特徴に対して正則化処理を行う方式は、L1パラメータ正則化であってもよいし、L2パラメータ正則化であってもよい。例示的に、L2パラメータ正則化によって、局所紋様特徴に対して正則化処理を行うことにより、例えば下式のように第2正則化特徴を取得する。
【数2】
ここで、xL2normは第2正則化特徴を表し、L2normはL2パラメータ正則化を表す。
【0070】
例示的に、L2パラメータ正則化は、ユークリッド距離を計算することにより、第2正則化特徴の値を0~1の間に制御し、第2正則化特徴の過剰適合を効果的に防止し、モデルの一般化能力を向上させる。
【0071】
サブステップ3では、第2活性化特徴と第2正則化特徴とを乗算することにより、第1オブジェクトの更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0072】
本願のいくつかの実施例において、サブステップ1の前に、局所紋様特徴に対して標準化処理を行うことにより、第2標準化特徴を取得するステップをさらに含む。
【0073】
これに応じて、サブステップ1は、第2標準化特徴に対して正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得することとして実現され、サブステップ2は、第2標準化特徴に対して正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得することとして実現される。
【0074】
局所紋様特徴に対して標準化処理を行い、第2標準化特徴が一定の区間内に分布することを保証し、モデルが迅速に収束結果を得るための基礎を定める。例示的に、局所紋様特徴に対して標準化処理を行うことは、以下の通りである。
【数3】
ここで、rmeanは局所紋様特徴の特徴平均値を表し、xは局所紋様特徴を表し、xは局所紋様特徴のi番目の特徴値を表し、mは局所紋様特徴の特徴値の数を表し、rstdは局所紋様特徴の特徴標準偏差を表し、xnormは局所紋様特徴に対応する正規化特徴を表し、εは分散が0になり勾配逆伝播ができなくなることを回避するための相加変数を表し、xBNは第2標準化特徴を表し、γ及びβは第2標準化特徴の分布に適合するためのネットワーク学習可能なパラメータを表す。
【0075】
ステップ530aでは、第1オブジェクトの全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0076】
例示的に、融合紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例において、全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行う方式は、直交融合、畳み込み融合、自己適応特徴融合のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0077】
例示的に、直交融合方式で第1オブジェクトの全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【数4】
ここで、featurelocal-globalは融合紋様特徴を表し、featureglobalは全体紋様特徴を表し、featurelocalは更新後の局所紋様特徴を表す。
【0078】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、自己注意機構処理によって、局所有効特徴領域の重みを強化し、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による掌紋情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって掌紋情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0079】
続いて、前処理を紹介する。図7は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例に加えて、ステップ512をさらに含む。
【0080】
ステップ512では、生体紋様情報に対して前処理を行うことにより、更新後の生体紋様情報を取得する。
【0081】
例示的に、前処理の方式は、生体紋様情報に対して補間処理を行うこと(例示的に、生体紋様情報に対して補間処理を行うことは、生体紋様情報の次元を変えるために用いられる)と、生体紋様情報の関心領域(ROI:Region Of Interest)を切り取ること(例示的に、生体紋様情報の関心領域を切り取ることは、重点注目領域を特定するために用いられる)と、のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0082】
例示的に、生体紋様情報に対して補間処理を行うことは、生体紋様情報の次元を変え、生体紋様情報をターゲット次元に変更するために用いられる。例えば、生体紋様情報に対して補間処理を行うことにより、生体紋様情報を次元224×224の特徴行列に処理する。
【0083】
例示的に、本実施例は、生体紋様情報の関心領域を切り取る方法に対して、いかなる制限的規定をしない。計算規則によって関心領域を決定してもよいし、関心領域抽出ネットワークによって関心領域を決定してもよい。
【0084】
図8は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の関心領域を切り取ることの模式図を示す。生体紋様情報が手のひらの紋様の画像情報である場合を例にすると、手のひらの紋様の画像情報から、第1キー点A、第2キー点B、及び第3キー点Cを抽出する。ここで、第1キー点Aは、手のひらの第2指と第3指との隙間点であり、第2キー点Bは、手のひらの第3指と第4指との隙間点であり、第3特徴点Cは、手のひらの第4指と第5指との隙間点である。
【0085】
手のひらの紋様の画像情報において直角座標系を作成する。ここで、第3キー点Cから第1キー点Aへの方向をx軸の正の方向として決定し、第2キー点Bを通ってx軸方向との垂線交点Eを決定し、垂直交点Eから第2キー点Bへの方向をy軸の正の方向として決定し、垂線交点Eからy軸の負の方向に沿って延長して、手のひらの中心点Dを決定し、手のひらの中心点Dを中心として手のひらの紋様の画像情報の関心領域を決定する。ここで、手のひらの紋様の画像情報の関心領域は、通常、正方形であるが、長方形、円形、扇形などの他の形状である可能性も排除されない。例示的に、手のひらの中心点Dと垂直交点Eとの距離は、第1キー点Aから第3キー点Cまでの距離の5分の6倍であり、手のひらの紋様の画像情報の関心領域は、手のひらの中心点Dを中心とする、辺長が第1キー点Aから第3キー点Cまでの距離の2分の3倍である正方形領域である。
【0086】
ステップ520aでは、更新後の生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。
【0087】
全体紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、局所紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例では、局所紋様特徴が全体紋様特徴に基づいて取得されてもよく、局所紋様特徴と全体紋様特徴が互いに独立して取得されてもよいが、これに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0088】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、前処理によって、局所紋様特徴を取得するための基礎を定め、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による掌紋情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって掌紋情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0089】
続いて、アイデンティティ判断を紹介する。図9は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例のステップ540は、具体的にステップ5401であってもよい。
【0090】
ステップ5401では、第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得する。
【0091】
サンプル紋様特徴は、ターゲットオブジェクトの生体紋様情報特徴を記述するためのものであり、第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果は、第1オブジェクトとターゲットオブジェクトが同じアイデンティティに属するか否かを示すためのものである。
【0092】
例示的に、第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較する方法は、コサイン類似度計算、ユークリッド距離計算、共分散距離計算、チェビシェフ距離計算のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0093】
本願のいくつかの実施例において、ステップ540は、融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算するサブステップと、コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たす場合、ターゲットオブジェクトであるという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得するサブステップと、コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たさない場合、ターゲットオブジェクトではないという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得するサブステップと、として実現されてもよい。
【0094】
例示的に、下式のようにコサイン類似度を計算することを含む。
【数5】
ここで、sim(vectorreg,vectorrec)はコサイン類似度を表し、vectorrecは融合紋様特徴を表し、vectorregはサンプル紋様特徴を表し、|| ||は1-ノルム演算を表す。
【0095】
例示的に、アイデンティティ判断条件は、コサイン類似度がターゲット閾値より大きいことであり、ここで、ターゲット閾値は、経験によって設定されてもよいし、訓練過程によって取得されてもよい。
【0096】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、紋様特徴の比較によってアイデンティティ判断を行う。これにより、紋様特徴によって掌紋情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0097】
続いて、生体紋様情報の特徴抽出方法がモバイル決済の分野に適用される場合を説明する。図10は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報に基づくアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0098】
ステップ610では、端末決済機器によって、第1オブジェクトの生体紋様情報を取得する。
【0099】
生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである。本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本実施例では、生体紋様が手のひらの紋様である場合、即ち、生体紋様情報が手のひらの紋様の画像情報である場合を例に紹介する。
【0100】
ステップ620では、端末決済システムによって生体紋様情報を検出することにより、指隙間キー点を取得する。
【0101】
例示的に、指隙間キー点を取得することは、手のひらの紋様の画像情報において直角座標系を作成するために用いられる。直角座標系の作成によって、手のひらの紋様の画像情報において関心領域を切り取る。
【0102】
本実施例において、ステップ620は、端末決済システムにおける端末決済機器によって実行されてもよいし、端末決済システムにおける端末決済サーバによって実行されてもよいが、本実施例は制限しない。
【0103】
同様に、ステップ630からステップ670の実行方式に対しても、いかなる制限的規定をしない。
【0104】
ステップ630では、端末決済システムが、指隙間キー点に基づいて、生体紋様情報の関心領域を切り取る。
【0105】
端末決済システムは、指隙間キー点に基づいて直角座標系を作成し、生体紋様情報の関心領域を切り取る。
【0106】
ステップ642では、端末決済システムによって、生体紋様情報の関心領域に対して全体特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。
【0107】
例示的に、生体紋様情報の関心領域に対して全体特徴抽出を行うことは、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式を採用する。具体的には、残差畳み込みブロックを呼び出すことにより、全体特徴抽出を実現し、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。
【0108】
ステップ644では、端末決済システムによって、3つの異なる受容野の特徴抽出方式で生体紋様情報の関心領域に対して局所特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0109】
例示的に、生体紋様情報の関心領域に対して局所特徴抽出を行うことは、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式を採用する。具体的には、アトラス畳み込みブロックを呼び出すことにより、局所特徴抽出を実現し、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0110】
ステップ646では、端末決済システムによって、局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0111】
局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行って、局所有効特徴領域の重みを強化することにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0112】
例示的に、本願のいくつかの実施例において、自己注意機構処理は、標準化処理と、活性化処理と、正則化処理と、を含む。
【0113】
ステップ650では、端末決済システムによって、全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0114】
例示的に、融合紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。具体的には、直交融合方式で全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0115】
ステップ660では、端末決済システムによって、融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算する。
【0116】
例示的に、コサイン類似度は、ベクトル間のコサイン角によって、融合紋様特徴とサンプル紋様特徴との類似度を示す。
【0117】
ステップ670では、端末決済システムによって、コサイン類似度が最も高いサンプルに対応するサンプルオブジェクトを第1オブジェクトのアイデンティティ認識結果として決定する。
【0118】
コサイン類似度を降順に並べる。コサイン類似度が最も高いサンプル紋様特徴は、サンプル紋様特徴と融合紋様特徴との類似度が最も高いことを表す。サンプル紋様特徴に対応するサンプルオブジェクトを第1オブジェクトのアイデンティティ認識結果として決定する。
【0119】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による掌紋情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって掌紋情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0120】
続いて、生体紋様特徴抽出モデルを説明する。図2に示された実施例では、生体紋様特徴抽出モデルによってアイデンティティ認識を行える方法が説明されている。図11は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの構成の模式図を示す。
【0121】
生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワーク330と、自己注意ネットワーク350と、特徴融合ネットワーク360とが含まれる。
【0122】
生体紋様特徴310に対して関心領域取り切り処理322を行うことにより、関心領域紋様情報310aを取得する。関心領域紋様情報310aに対して補間処理324を行うことにより、補間紋様情報310bを取得する。例示的に、補間紋様情報310bは、次元224×224の特徴行列である。
【0123】
特徴抽出ネットワーク330には、第1残差畳み込みブロック332と、第2残差畳み込みブロック334と、アトラス畳み込みブロック336とが含まれる。
【0124】
第1残差畳み込みブロック332を呼び出して補間紋様情報310bを処理することにより、テクスチャー隠れ層特徴を取得する。例示的に、テクスチャー隠れ層特徴は、次元28×28の特徴行列である。ここで、第1残差畳み込みブロック332には、3つの残差畳み込み層が含まれ、残差畳み込み層から出力される特徴行列の次元は、入力される特徴行列の次元の4分の1である。即ち、第1残差畳み込み層を呼び出して補間紋様情報310bを処理すると、出力される特徴行列の次元は、112×112であり、第2残差畳み込み層を呼び出して上記特徴行列を処理すると、出力される特徴行列の次元は、56×56であり、第3残差畳み込み層を呼び出して上記特徴行列を処理すると、出力される特徴行列の次元は、28×28である。
【0125】
第2残差畳み込みブロック332を呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、全体紋様特徴342を取得する。例示的に、全体紋様特徴342は、次元14×14の特徴行列である。
【0126】
アトラス畳み込みブロック336には、第1アトラス畳み込み層336aと、第2アトラス畳み込み層336bと、第3アトラス畳み込み層336cとが含まれる。
【0127】
第1アトラス畳み込み層336aを呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、第1局所サブ特徴を取得し、第1アトラス畳み込み層336aのアトラス畳み込みカーネルスケールは3である。第2アトラス畳み込み層336bを呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、第2局所サブ特徴を取得し、第2アトラス畳み込み層336bのアトラス畳み込みカーネルスケールは6である。第3アトラス畳み込み層336cを呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、第3局所サブ特徴を取得し、第3アトラス畳み込み層336cのアトラス畳み込みカーネルスケールは9である。
【0128】
第1局所サブ特徴、第2局所サブ特徴、及び第3局所サブ特徴を結合することにより、初期局所紋様特徴344を取得する。
【0129】
自己注意ネットワーク350には、標準化層352と、活性化層354と、正則化層356とが含まれる。
【0130】
標準化層を呼び出して初期局所紋様特徴344を処理することにより、更新後の局所紋様特徴344aが一定の区間内に分布することを保証し、モデルが迅速に収束結果を得るための基礎を定める。
【0131】
活性化層354及び正則化層356を呼び出して、標準化局所紋様特徴に対して活性化処理及び正則化処理をそれぞれ行い、処理結果を乗算することにより、更新後の局所紋様特徴344aを取得する。
【0132】
更新後の局所紋様特徴344aと初期局所紋様特徴344とを乗算することにより、局所紋様特徴344cを取得する。
【0133】
特徴融合ネットワーク360を呼び出して、第1オブジェクトの全体紋様特徴342及び局所紋様特徴344cに対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴346を取得する。
【0134】
融合紋様特徴346とサンプル紋様特徴348とのコサイン類似度352を計算する。
【0135】
コサイン類似度352に基づいて、第1ターゲットのアイデンティティ判断結果370を決定する。
【0136】
即ち、コサイン類似度352がアイデンティティ判断条件を満たす場合、ターゲットオブジェクトであるという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果370を取得する。
【0137】
コサイン類似度352がアイデンティティ判断条件を満たさない場合、ターゲットオブジェクトではないという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果370を取得する。
【0138】
本願の実施例では、生体紋様情報の特徴抽出方法が提供されている。前記方法は、コンピュータ機器の生体紋様特徴抽出モデルによって実行され、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれる。前記方法は、生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、を含む。
【0139】
続いて、生体紋様特徴抽出モデルの訓練を紹介する。
【0140】
図12は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0141】
ステップ710では、サンプル紋様情報及びサンプル紋様特徴を取得する。
【0142】
サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、サンプル紋様特徴は、サンプルオブジェクトのサンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である。
【0143】
本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様のタイプに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0144】
ステップ720では、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、サンプル紋様情報を処理し、サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力する。
【0145】
例示的に、予測融合紋様特徴は、サンプルオブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。
【0146】
ステップ730では、予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、特徴予測誤差を取得する。
【0147】
サンプル紋様特徴は、サンプルオブジェクトのサンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である。
【0148】
例示的に、特徴予測誤差は、予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴との間のソフトマックス(Softmax)関数の損失関数である。
【0149】
具体的には、下式のように特徴予測誤差を取得することを含む。
【数6】
ここで、xは予測融合紋様特徴を表し、iは予測融合紋様特徴の次元を表し、L2normはL2パラメータ正則化を表し、wはサンプル紋様特徴を表し、jはサンプル紋様特徴の次元を表し、wの次元はn×dであり、nはサンプル紋様特徴の総種類数を表す。arccosは逆コサイン演算を表し、mはカスタム加算角度を表し、例示的に、m=0.5であり、sは特徴拡大倍数を表し、例示的に、s=48であり、Lossは特徴予測誤差を表し、softmax(.)はsoftmax関数を表す。例示的に、図13は、本願の1つの例示的な実施例で提供される特徴予測誤差決定の模式図を示す。
【0150】
ステップ740では、特徴予測誤差を使用して、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0151】
初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことは、予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴との特徴予測誤差の最小化を目的とする。初期の生体紋様特徴抽出モデルを訓練することにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0152】
上記のように、本実施例で提供される方法では、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合して、紋様特徴による掌紋情報への記述能力を向上させるための基礎を定める。生体紋様情報が手のひらの紋様の画像情報である場合を例にすると、生体紋様特徴抽出モデルは、良好な訓練効果が得られる。表1には、開示された40対の双子を含む鮮明な及びぼやけた手のひらの紋様の画像情報セットに対してアイデンティティ認識を行った結果が示されている。一対の双子の左手/右手を1つのサンプル対として、3600個のサンプル対の場合、生体紋様特徴抽出モデルは、鮮明な手のひらの紋様の画像情報に直面したとき、エラーが発生しなかったが、ぼやけた手のひらの紋様の画像情報に直面したとき、エラーが1回しか発生しなかった。関連技術における従来モデルによる37回のエラー及び46回のエラーに比べて、顕著な進歩を遂げた。
【0153】
【表1】
【0154】
図14は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0155】
ステップ750では、サンプル紋様情報と、サンプル紋様情報の分類ラベルとを取得する。
【0156】
サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、分類ラベルは、サンプルオブジェクトを示すためのものである。
【0157】
本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様のタイプに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0158】
ステップ760では、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、サンプル紋様情報を処理し、サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力する。
【0159】
例示的に、予測融合紋様特徴は、サンプルオブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。
【0160】
ステップ770では、前記予測融合紋様特徴に対してラベル分類処理を行うことにより、サンプルオブジェクトの予測ラベルを取得する。
【0161】
例示的に、本実施例では、ラベル分類処理に関して、ラベル予測モデルを呼び出すことにより、予測融合紋様特徴のラベル分類処理を実現してもよいし、手作業によるアノテーション方法によってラベル分類処理を行ってもよいし、予測融合紋様特徴の演算によってサンプルオブジェクトの予測ラベルを取得してもよい。本実施例は、ラベル分類処理の実現方式に対して、いかなる制限的規定をしない。
【0162】
ステップ780では、予測ラベルと分類ラベルとを比較することにより、ラベル予測誤差を取得する。
【0163】
分類ラベルは、サンプルオブジェクトを示すためのものである。例示的に、ラベル予測誤差は、予測ラベルと分類ラベルとの間の0-1損失関数(Zero-One Loss)、絶対値損失関数、対数損失関数のうちの少なくとも1つを含む。
【0164】
ステップ790では、ラベル予測誤差を使用して、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0165】
初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことは、予測ラベルと分類ラベルとの特徴予測誤差の最小化を目的とする。初期の生体紋様特徴抽出モデルを訓練することにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0166】
上記のように、本実施例で提供される方法は、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合して、紋様特徴による掌紋情報への記述能力を向上させるための基礎を定める。
【0167】
当業者であれば理解できるように、上記の実施例を独立して実施してもよいし、上記の実施例を自由に組み合わせて新たな実施例として、本願の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現してもよい。
【0168】
図15は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識装置のブロック図を示す。該装置は、生体紋様情報を取得する取得モジュール810であって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュール810と、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュール820であって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュール820と、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュール830と、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う判断モジュール850と、を含む。
【0169】
本願のいくつかの実施例において、前記抽出モジュール820は、さらに、前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得し、第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得し、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記ターゲット掌紋情報の隠れ層表現を記述するためのものであり、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式であり、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。
【0170】
本願のいくつかの実施例において、前記抽出モジュール820は、さらに、前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個(nは正の整数)の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得し、前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なる。
【0171】
本願のいくつかの実施例において、前記装置は、前記局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する処理モジュール840をさらに含み、前記融合モジュール830は、さらに、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0172】
本願のいくつかの実施例において、前記自己注意機構処理は、活性化処理と、正則化処理と、を含む。
【0173】
前記処理モジュール840は、さらに、前記局所紋様特徴に対して前記活性化処理を行うことにより、第2活性化特徴を取得し、前記局所紋様特徴に対して前記正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得し、前記第2活性化特徴と前記第2正則化特徴とを乗算することにより、前記第1オブジェクトの前記更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0174】
本願のいくつかの実施例において、前記装置は、前記生体紋様情報に対して前処理を行うことにより、更新後の生体紋様情報を取得する処理モジュール840をさらに含み、前記前処理の方式は、前記生体紋様情報に対して補間処理を行うことと、前記生体紋様情報の関心領域を切り取ることとのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0175】
前記抽出モジュール820は、さらに、前記更新後の生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。
【0176】
本願のいくつかの実施例において、前記装置は、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、前記第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得する判断モジュール850であって、前記サンプル紋様特徴は、ターゲットオブジェクトの生体紋様情報特徴を記述するためのものである、判断モジュール850をさらに含む。
【0177】
本願のいくつかの実施例において、前記判断モジュール850は、さらに、前記融合紋様特徴と前記サンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算し、前記コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たす場合、前記ターゲットオブジェクトであるという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得し、前記コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たさない場合、前記ターゲットオブジェクトではないという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得する。
【0178】
図16は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出装置のブロック図を示す。前記装置は、生体紋様特徴抽出モデルによって実行され、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、前記装置は、生体紋様情報を取得する取得モジュール860であって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュール860と、前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュール870であって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュール870と、前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュール880と、を含む。
【0179】
本願のいくつかの実施例において、前記特徴抽出ネットワークには、第1残差畳み込みブロックと、第2残差畳み込みブロックと、アトラス畳み込みブロックとが含まれ、前記抽出モジュール870は、さらに、前記第1残差畳み込みブロックを呼び出して、前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得し、前記第2残差畳み込みブロックを呼び出して、第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得し、前記アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記ターゲット掌紋情報の隠れ層表現を記述するためのものであり、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式であり、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。
【0180】
本願のいくつかの実施例において、前記アトラス畳み込みブロックには、n個(nは正の整数)のアトラス畳み込み層が含まれ、前記抽出モジュール870は、さらに、前記n個のアトラス畳み込み層を呼び出して、前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得し、前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なり、前記特徴受容野は、前記アトラス畳み込み層の畳み込みカーネルスケールに基づいて決定されたものである。
【0181】
本願のいくつかの実施例において、前記生体紋様特徴抽出モデルは、サンプル紋様情報及びサンプル紋様特徴を取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記サンプル紋様特徴は、前記サンプルオブジェクトの前記サンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である、ステップと、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、前記予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、特徴予測誤差を取得するステップと、前記特徴予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである。
【0182】
本願のいくつかの実施例において、前記生体紋様特徴抽出モデルは、サンプル紋様情報と、前記サンプル紋様情報の分類ラベルとを取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記分類ラベルは、前記サンプルオブジェクトを示すためのものである、ステップと、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、前記予測融合紋様特徴に対してラベル分類処理を行うことにより、前記サンプルオブジェクトの予測ラベルを取得するステップと、前記予測ラベルと分類ラベルとを比較することにより、ラベル予測誤差を取得するステップと、前記ラベル予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである。
【0183】
説明すべきものとして、上記実施例で提供される装置は、その機能を実現する際に上記の各機能モジュールの分割のみを例として説明されているが、実際の適用では、実際の必要に応じて、上記の機能を異なる機能モジュールに割り当てて実行し、即ち、機器の内容構成を異なる機能モジュールに分割して、以上に説明した全部又は一部の機能を実行してもよい。
【0184】
上記実施例における装置について、その各モジュールの動作実行の具体的な方式は、該方法に関する実施例で詳しく説明されており、各モジュールの動作実行による技術的効果は、該方法に関する実施例における技術的効果と同じであり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0185】
本願の実施例では、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ機器がさらに提供されており、メモリには、コンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記コンピュータプログラムを実行することで、上記の各方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【0186】
いくつかの実施例において、該コンピュータ機器はサーバである。例示的に、図17は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるサーバの構成のブロック図である。
【0187】
通常、サーバ2300は、プロセッサ2301とメモリ2302とを備える。
【0188】
プロセッサ2301は、1つ又は複数の処理コアを含んでもよく、例えば、4コアプロセッサ、8コアプロセッサなどである。プロセッサ2301は、デジタル信号処理(DSP:Digital Signal Processing)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、プログラマブルロジックアレイ(PLA:Programmable Logic Array)のうちの少なくとも1つのハードウェアの形で実現されてもよい。プロセッサ2301は、メインプロセッサとコプロセッサとを含んでもよい。メインプロセッサは、ウェイク状態でデータを処理するためのプロセッサであり、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)とも呼ばれる。コプロセッサは、スタンバイ状態でデータを処理するための低消費電力プロセッサである。いくつかの実施例において、プロセッサ2301には、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)が組み込まれてもよい。GPUは、ディスプレイに表示しようとするコンテンツのレンダリング及び描画を担当する。いくつかの実施例において、プロセッサ2301は、機械学習に関する演算操作を処理するための人工知能(AI:Artificial Intelligence)プロセッサを含んでもよい。メモリ2302は、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。該コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的なものとし得る。メモリ2302は、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリ、例えば、1つ又は複数のディスク記憶装置、フラッシュメモリ記憶装置を含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ2302内の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令を記憶する。該少なくとも1つの命令は、プロセッサ2301によって実行されると、本願の方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0189】
いくつかの実施例において、サーバ2300は、入力インタフェース2303と、出力インタフェース2304と、をさらに含む。プロセッサ2301と、メモリ2302と、入力インタフェース2303と、出力インタフェース2304との間は、バス又は信号線を介して接続されてもよい。各周辺機器は、バス、信号線、又は回路基板を介して、入力インタフェース2303、出力インタフェース2304に接続されてもよい。入力インタフェース2303、出力インタフェース2304は、入出力(I/O:Input/Output)に関する少なくとも1つの周辺機器をプロセッサ2301及びメモリ2302に接続するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、プロセッサ2301、メモリ2302、入力インタフェース2303、及び出力インタフェース2304は、同一のチップ又は回路基板上に集積される。いくつかの他の実施例において、プロセッサ2301、メモリ2302、入力インタフェース2303、及び出力インタフェース2304のうちのいずれか1つ又は2つが、個別のチップ又は回路基板上で実現されてもよい。本願の実施例はこれを限定しない。
【0190】
当業者であれば理解できるように、上記に示された構成が、サーバ2300を限定するものではなく、サーバ2300は、図示より多く又は少ないコンポーネントを含んでもよく、あるいはいくらかのコンポーネントを組み合わせたものであってもよく、あるいはコンポーネントの異なる配置を採用してもよい。
【0191】
例示的な実施例では、プログラマブルロジック回路及び/又はプログラム命令を含むチップがさらに提供されており、前記チップは、コンピュータ機器上で実行されると、上記の態様に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【0192】
例示的な実施例では、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムがさらに提供されている。該コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。コンピュータ機器のプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取り、プロセッサがコンピュータ可読記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取って実行すると、上記の各方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【0193】
例示的な実施例では、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体がさらに提供されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによりロードされて実行されると、上記の各方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0194】
当業者であれば理解できるように、上記実施例を実現するためのステップの全部又は一部は、ハードウェアによって実行されてもよいし、プログラムを介して関連ハードウェアに指示することにより実行されてもよい。前記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。上記で言及された記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなどであってもよい。
【0195】
当業者であれば認識すべきものとして、上記の1つ又は複数の例では、本願の実施例で説明される機能がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアで実現される場合、これらの機能を、コンピュータ可読媒体に記憶したり、コンピュータ可読媒体における1つ又は複数の命令又はコードとして伝送したりしてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含む。ここで、通信媒体は、コンピュータプログラムをある場所から他の場所へ伝送することを容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。上記は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。本願の精神及び原則内で行われる種々の修正、均等置換え、改善などは全て本願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年2月9日に中国特許庁に提出された、出願番号が第202210122885.7であり、発明の名称が「生体紋様情報の特徴抽出方法、装置、機器、及び記憶媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全ての内容は参照することにより本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、アイデンティティ認識の技術分野に関し、特にアイデンティティ認識方法、生体紋様情報の特徴抽出方法、装置、機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ技術の発展に伴い、生体紋様情報認識技術は、適用シナリオが拡大の一途をたどり、勤怠記録やモバイル決済などのシナリオに広く適用されている。
【0004】
関連技術では、通常、生体紋様情報の深層的特徴を抽出し、特徴抽出過程で高次元の生体紋様情報を次元削減することにより、低次元の生体紋特徴を取得して生体紋様情報の記述を実現し、生体紋様特徴の比較によって生体紋様情報の認識を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、アイデンティティ認識方法、生体紋様情報の特徴抽出方法、アイデンティティ認識装置、生体紋様情報の特徴抽出装置、コンピュータ機器、及びコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例によれば、アイデンティティ認識方法が提供されている。前記方法は、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行うステップと、を含む。
【0007】
本願の実施例によれば、生体紋様特徴抽出モデルが実行する、生体紋様情報の特徴抽出方法が提供されている。前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記方法は、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、を含む。
【0008】
本願の実施例によれば、アイデンティティ認識装置が提供されている。前記装置は、
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う判断モジュールと、を含む。
【0009】
本願の実施例によれば、生体紋様特徴抽出モデルが含まれる、生体紋様情報の特徴抽出装置が提供されている。前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記装置は、
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、を含む。
【0010】
本願の実施例によれば、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ機器が提供されており、前記メモリには、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセット又は命令セットは、前記プロセッサによりロードされて実行されると、上記の態様におけるアイデンティティ認識方法又は生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0011】
本願の実施例によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供されており、前記コンピュータ可読記憶媒体には、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセット又は命令セットは、プロセッサによりロードされて実行されると、上記の態様におけるアイデンティティ認識方法又は生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0012】
本願の実施例によれば、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムが提供されている。前記コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されており、プロセッサは、前記コンピュータ可読記憶媒体から前記コンピュータ命令を読み取って実行することで、上記の態様におけるアイデンティティ認識方法又は生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願の実施例の構成をより明確に説明するために、以下に、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例を示しているに過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【0014】
図1】本願の1つの例示的な実施例で提供されるコンピュータシステムの模式図である。
図2】本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートである。
図3】本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートである。
図4】本願の1つの例示的な実施例で提供されるアトラス畳み込みカーネルの模式図である。
図5】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートである。
図6】本願の1つの例示的な実施例で提供されるReLU関数及びSoftplus関数の模式図である。
図7】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートである。
図8】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の関心領域を切り取ることのフローチャートである。
図9】本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートである。
図10】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報に基づくアイデンティティ認識方法のフローチャートである。
図11】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの構成の模式図である。
図12】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートである。
図13】本願の1つの例示的な実施例で提供される特徴予測誤差決定の模式図である。
図14】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートである。
図15】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出装置の構成のブロック図である。
図16】本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出装置の構成のブロック図である。
図17】本願の1つの例示的な実施例で提供されるサーバの構成のブロック図である。
【0015】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、明細書とともに本願の原理を説明するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願の目的、構成、及びメリットをより明確にするために、以下、図面を参照しながら、本願の実施形態をさらに詳しく説明する。
【0017】
ここでは、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。以下の説明が図面に関連する場合、別段の表現がない限り、異なる図面における同一の数字は、同一又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に記載されている実施形態は、本願に一致する全ての実施形態を表すものではない。逆に、これらは、添付の特許請求の範囲で詳述されるような、本願のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0018】
本開示で使用される用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本開示及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形式の「ある」、「前記」、及び「該」は、コンテキストで他の意味が明示されない限り、複数形式を含むことも意図される。また、理解すべきものとして、本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連するリスト項目の任意又は全ての可能な組み合わせが含まれることを意味する。理解すべきものとして、本開示では、第1、第2などの用語を用いて様々な情報を説明することがあるが、これらの情報がこれらの用語に限定されるべきではない。これらの用語は、同一タイプの情報を互いに区別するためだけに使われる。例えば、本開示の範囲を逸脱しない場合に、第1パラメータを第2パラメータと呼ぶこともでき、同様に、第2パラメータを第1パラメータと呼ぶこともできる。文脈にもよるが、ここで使われている言葉「…すると」は、「…した場合」又は「…したとき」又は「決定に応答して」と解釈することができる。
【0019】
説明すべきものとして、本願に係るユーザ情報(ユーザ機器情報やユーザ個人情報などを含むが、これらに限定されない)及びデータ(分析用データ、記憶データ、展示データなどを含むが、これらに限定されない)は、いずれも、ユーザによって許可され、又は、各当事者によって十分に許可された情報及びデータであり、関連データの収集、使用、及び処理には、関連国及び地域の関連法律法規及び基準を遵守する必要がある。例えば、本願に係る生体紋様情報は、いずれも、十分に許可された場合に取得されたものである。
【0020】
図1は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるコンピュータシステムの模式図である。該コンピュータシステムは、生体紋様情報の特徴抽出方法のシステムアーキテクチャとして実現されてもよい。該コンピュータシステムは、端末100と、サーバ200と、を含んでもよい。
【0021】
端末100は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、車載端末(車載機)、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、アクセス制御機器、無人販売端末などの電子機器であってもよい。端末100には、ターゲットアプリケーションを実行するクライアントがインストールされてもよく、該ターゲットアプリケーションは、生体紋様情報認証をサポートするモバイル決済、勤務勤怠、アイデンティティ認証アプリケーションであってもよく、生体紋様情報の特徴抽出機能を提供する他のアプリケーションであってもよいが、本願はこれを限定しない。なお、本願において、該ターゲットアプリケーションの形態は、限定されるものではなく、端末100にインストールされたアプリケーション(App:Application)やアプレットなどを含むが、これらに限定されず、ウェブページ形式であってもよい。
【0022】
サーバ200は、独立した物理サーバであってもよく、複数の物理サーバからなるサーバクラスタ又は分散型システムであってもよく、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバであってもよい。サーバ200は、上記のターゲットアプリケーションのバックエンドサーバであってもよく、ターゲットアプリケーションのクライアントにバックエンドサービスを提供する。
【0023】
本願の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法は、各ステップの実行主体がコンピュータ機器であってもよい。前記コンピュータ機器は、データの計算、処理、及び記憶の能力を有する電子機器を指す。図1に示された方法実施環境を例にすると、端末100が生体紋様情報の特徴抽出方法を実行してもよく(例えば、端末100にインストールされた、ターゲットアプリケーションを実行するクライアントが該生体紋様情報の特徴抽出方法を実行する)、サーバ200が該生体紋様情報の特徴抽出方法を実行してもよく、あるいは、端末100とサーバ200との相互連携によって実行してもよいが、本願はこれを限定しない。また、本願の構成は、ブロックチェーン技術と組み合わせることができる。例えば、本願に開示される生体紋様情報の特徴抽出方法に係るデータの一部(例えば、生体紋様情報、生体紋様情報に対応するアイデンティティ情報などのデータ)は、ブロックチェーン上に保存することができる。端末機器100とサーバ200との間では、ネットワークを介した通信が可能である。そのネットワークは、例えば、有線又は無線のネットワークである。
【0024】
関連技術では、双子間の生体紋様情報のような、類似度の高い生体紋様情報に対して、認識能力が著しく低下する。これに基づき、本願は、生体紋様情報の特徴抽出方法、装置、機器、及び記憶媒体を提供する。続いて、以下の実施例で生体紋様情報の特徴抽出方法を紹介する。
【0025】
図2は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0026】
ステップ510では、生体紋様情報を取得する。
【0027】
生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである。本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様のタイプに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0028】
本願の実施例において、生体紋様の収集方法は、光学収集方式(例えば、生体紋様写真)、静電容量収集方式(例えば、静電容量式紋様収集モジュールを使用する)、生体無線周波数収集方式(例えば、超音波を使用して生体紋様を収集する)のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様の収集方式に対して、いかなる制限的規定をしない。
【0029】
ステップ520では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。
【0030】
全体紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、局所紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例では、局所紋様特徴が全体紋様特徴に基づいて取得されてもよく、局所紋様特徴と全体紋様特徴が互いに独立して取得されてもよいが、これに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0031】
説明すべきものとして、生体紋様情報の特徴抽出過程に関して、生体紋様特徴抽出モデルを呼び出すことにより、生体紋様情報の特徴抽出を行ってもよいし、手作業によるアノテーション方法によって生体紋様情報の特徴抽出を行ってもよいし、生体紋様情報の演算によって生体紋様情報の特徴を抽出してもよい。本願は、これに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0032】
例示的に、生体紋様特徴抽出モデルによって生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれる。特徴抽出ネットワークを呼び出して、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。全体紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、局所紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである。
【0033】
ステップ530では、第1オブジェクトの全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0034】
例示的に、融合紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例において、全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行う方式は、直交融合、畳み込み融合、自己適応特徴融合のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0035】
説明すべきものとして、上記のステップ520と同様に、本願は、融合処理の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴融合ネットワークが含まれる。特徴融合ネットワークを呼び出して、第1オブジェクトの全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0036】
ステップ540では、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う。
【0037】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による生体紋様情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって生体紋様情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0038】
続いて、特徴抽出処理を紹介する。図3は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例におけるステップ520は、以下の2つのステップとして実現されてもよい。
【0039】
ステップ522では、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得する。
【0040】
テクスチャー隠れ層特徴は、生体紋様情報の隠れ層表現を記述するためのものである。例示的に、テクスチャー隠れ層特徴の表現方法は、特徴ベクトル、特徴行列、特徴値のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0041】
説明すべきものとして、上記のステップ520と同様に、本願は、隠れ層特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、第1残差畳み込みブロックが含まれる。第1残差畳み込みブロックを呼び出して、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得する。テクスチャー隠れ層特徴は、生体紋様情報の隠れ層表現を記述するためのものである。
【0042】
例示的に、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である。生体紋様特徴抽出モデルによって隠れ層特徴抽出を行う過程では、第1残差畳み込みブロックを呼び出すことにより、隠れ層特徴抽出を実現する。
【0043】
いくつかの実施例において、第1残差畳み込みブロックは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Networks)、効率的なネットワーク(Efficient Networks)、変換ネットワーク(Transformer Networks)、深層残差ネットワーク(ResNet:Deep residual network)、インセプション残差ネットワーク(Inception-Resnet101)のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0044】
ステップ524では、第1特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。
【0045】
第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である。例示的に、残差畳み込み方式で特徴次元を削減する。
【0046】
上記のステップ520と同様に、本願は、特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、第2残差畳み込みブロックが含まれる。第2残差畳み込みブロックを呼び出して、第1特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である。
【0047】
ステップ526では、第2特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0048】
第2特徴抽出方法は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。例示的に、アトラス畳み込み方式で特徴受容野を拡大する。
【0049】
例示的に、特徴受容野は、局所紋様特徴の各特徴値が示すテクスチャー隠れ層特徴の情報次元を示すためのものである。例示的に、第1特徴画像を使用して第1オリジナル画像に対して特徴抽出を行う過程において、特徴受容野は、第1特徴画像における1つの画像特徴画素が示すオリジナル画像画素の次元を表す。
【0050】
上記のステップ520と同様に、本願は、特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、アトラス畳み込みブロックが含まれる。アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式でテクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。
【0051】
本願のいくつかの実施例において、ステップ526は、以下のような2つのサブステップとして実現されてもよい。
【0052】
サブステップ1では、テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得する。
【0053】
nは正の整数であり、n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なる。
【0054】
上記のステップ520と同様に、本願は、特徴抽出の実行方式に対して、いかなる制限的規定をしない。生体紋様特徴抽出モデルによって、生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行う場合を例にする。生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークが含まれ、特徴抽出ネットワークには、アトラス畳み込みブロックが含まれ、アトラス畳み込みブロックには、n個のアトラス畳み込み層が含まれる。n個のアトラス畳み込み層を呼び出して、テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得する。nは正の整数であり、n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なり、特徴受容野はアトラス畳み込み層の畳み込みカーネルスケールに基づいて決定されたものである。
【0055】
サブステップ2では、n個の局所サブ特徴を結合することにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0056】
nが1より大きい場合、局所サブ特徴の結合方法は、端から端まで直接結合してもよいし、局所サブ特徴を重ね合わせて数学的に結合してもよい。本実施例は、これに対して、いかなる制限をしない。
【0057】
nが1に等しい場合、局所サブ特徴を第1オブジェクトの局所特徴として決定する。
【0058】
例示的に、図4は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアトラス畳み込みカーネルの模式図を示す。アトラス畳み込みカーネルの模式図には、畳み込みカーネルスケールが3であるアトラス畳み込みカーネル、畳み込みカーネルスケールが6であるアトラス畳み込みカーネル、及び畳み込みカーネルスケールが9であるアトラス畳み込みカーネルが示されている。ここで、畳み込みカーネルスケールが3であるアトラス畳み込みカーネルの特徴受容野の次元は5×5であり、畳み込みカーネルスケールが6であるアトラス畳み込みカーネルの特徴受容野の次元は11×11であり、畳み込みカーネルスケールが9であるアトラス畳み込みカーネルの特徴受容野の次元は17×17である。
【0059】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式で局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による生体紋様情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって生体紋様情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0060】
続いて、自己注意機構処理を紹介する。図5は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例に加えて、該方法は、ステップ528をさらに含む。
【0061】
ステップ528では、局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0062】
例示的に、局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行って、局所有効特徴領域の重みを強化することにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0063】
例示的に、本願のいくつかの実施例において、ステップ528は、以下のような3つのサブステップとして実現されてもよい。即ち、自己注意機構処理は、活性化処理と、正則化処理と、を含む。
【0064】
サブステップ1では、局所紋様特徴に対して活性化処理を行うことにより、第2活性化特徴を取得する。
【0065】
例示的に、局所紋様特徴に対して活性化処理を行うための活性化関数は、シグモイド(Sigmoid)関数、双曲線正接(Tanh)関数、整流線形ユニット(ReLU:Rectified Linear Unit)関数、ソフトマックス(Softmax)関数、ソフトプラス(Softplus)関数のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。図6は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるReLU関数及びSoftplus関数の模式図を示す。
【0066】
例示的に、ReLU関数及びSoftplus関数によって、局所紋様特徴に対して活性化処理を行うことにより、例えば下式のように第2活性化特徴を取得する。
【数1】
ここで、xは局所紋様特徴を表し、Relu(.)はReLU関数を表し、maxは最大値を取る演算を表し、xsoftplusは第2活性化特徴を表し、Softplus(.)はSoftplus関数を表す。
【0067】
例示的に、ReLU関数は、生体紋様特徴抽出モデルにおける各ニューラルネットワーク層間の非線形関係を増加し、単純な線形関係が現れるのを回避することができる。ReLU関数は、最大値演算によって一部の局所紋様特徴を0として出力し、ネットワークのスパース性をもたらすとともに、局所紋様特徴間の相互依存関係を減少し、過剰適合問題の発生を緩和する。Softplus関数の役割はReLU関数と同じであり、Softplus関数は、ReLU関数を平滑化したものである。
【0068】
サブステップ2では、局所紋様特徴に対して正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得する。
【0069】
例示的に、局所紋様特徴に対して正則化処理を行う方式は、L1パラメータ正則化であってもよいし、L2パラメータ正則化であってもよい。例示的に、L2パラメータ正則化によって、局所紋様特徴に対して正則化処理を行うことにより、例えば下式のように第2正則化特徴を取得する。
【数2】
ここで、xL2normは第2正則化特徴を表し、L2normはL2パラメータ正則化を表す。
【0070】
例示的に、L2パラメータ正則化は、ユークリッド距離を計算することにより、第2正則化特徴の値を0~1の間に制御し、第2正則化特徴の過剰適合を効果的に防止し、モデルの一般化能力を向上させる。
【0071】
サブステップ3では、第2活性化特徴と第2正則化特徴とを乗算することにより、第1オブジェクトの更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0072】
本願のいくつかの実施例において、サブステップ1の前に、該方法は、局所紋様特徴に対して標準化処理を行うことにより、第2標準化特徴を取得するステップをさらに含む。
【0073】
これに応じて、サブステップ1は、第2標準化特徴に対して活性化処理を行うことにより、第2活性化特徴を取得することとして実現され、サブステップ2は、第2標準化特徴に対して正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得することとして実現される。
【0074】
局所紋様特徴に対して標準化処理を行い、第2標準化特徴が一定の区間内に分布することを保証し、モデルが迅速に収束結果を得るための基礎を定める。例示的に、局所紋様特徴に対して標準化処理を行うことは、以下の通りである。
【数3】
ここで、rmeanは局所紋様特徴の特徴平均値を表し、xは局所紋様特徴を表し、xは局所紋様特徴のi番目の特徴値を表し、mは局所紋様特徴の特徴値の数を表し、rstdは局所紋様特徴の特徴標準偏差を表し、xnormは局所紋様特徴に対応する正規化特徴を表し、εは分散が0になり勾配逆伝播ができなくなることを回避するための相加変数を表し、xBNは第2標準化特徴を表し、γ及びβは第2標準化特徴の分布に適合するためのネットワーク学習可能なパラメータを表す。
【0075】
ステップ530aでは、第1オブジェクトの全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0076】
例示的に、融合紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例において、全体紋様特徴及び局所紋様特徴に対して融合処理を行う方式は、直交融合、畳み込み融合、自己適応特徴融合のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0077】
例示的に、直交融合方式で第1オブジェクトの全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【数4】
ここで、featurelocal-globalは融合紋様特徴を表し、featureglobalは全体紋様特徴を表し、featurelocalは更新後の局所紋様特徴を表す。
【0078】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、自己注意機構処理によって、局所有効特徴領域の重みを強化し、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による生体紋様情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって生体紋様情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0079】
続いて、前処理を紹介する。図7は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例に加えて、該方法は、ステップ512をさらに含む。
【0080】
ステップ512では、生体紋様情報に対して前処理を行うことにより、更新後の生体紋様情報を取得する。
【0081】
例示的に、前処理の方式は、生体紋様情報に対して補間処理を行うこと(例示的に、生体紋様情報に対して補間処理を行うことは、生体紋様情報の次元を変えるために用いられる)と、生体紋様情報の関心領域(ROI:Region Of Interest)を切り取ること(例示的に、生体紋様情報の関心領域を切り取ることは、重点注目領域を特定するために用いられる)と、のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0082】
例示的に、生体紋様情報に対して補間処理を行うことは、生体紋様情報の次元を変え、生体紋様情報をターゲット次元に変更するために用いられる。例えば、生体紋様情報に対して補間処理を行うことにより、生体紋様情報を次元224×224の特徴行列に処理する。
【0083】
例示的に、本実施例は、生体紋様情報の関心領域を切り取る方法に対して、いかなる制限的規定をしない。計算規則によって関心領域を決定してもよいし、関心領域抽出ネットワークによって関心領域を決定してもよい。
【0084】
図8は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の関心領域を切り取ることの模式図を示す。生体紋様情報が手のひらの紋様の画像情報である場合を例にすると、手のひらの紋様の画像情報から、第1キー点A、第2キー点B、及び第3キー点Cを抽出する。ここで、第1キー点Aは、手のひらの第2指と第3指との隙間点であり、第2キー点Bは、手のひらの第3指と第4指との隙間点であり、第3キー点Cは、手のひらの第4指と第5指との隙間点である。
【0085】
手のひらの紋様の画像情報において直角座標系を作成する。ここで、第3キー点Cから第1キー点Aへの方向をx軸の正の方向として決定し、第2キー点Bを通ってx軸方向との垂線交点Eを決定し、垂線交点Eから第2キー点Bへの方向をy軸の正の方向として決定し、垂線交点Eからy軸の負の方向に沿って延長して、手のひらの中心点Dを決定し、手のひらの中心点Dを中心として手のひらの紋様の画像情報の関心領域を決定する。ここで、手のひらの紋様の画像情報の関心領域は、通常、正方形であるが、長方形、円形、扇形などの他の形状である可能性も排除されない。例示的に、手のひらの中心点Dと垂線交点Eとの距離は、第1キー点Aから第3キー点Cまでの距離の5分の6倍であり、手のひらの紋様の画像情報の関心領域は、手のひらの中心点Dを中心とする、辺長が第1キー点Aから第3キー点Cまでの距離の2分の3倍である正方形領域である。
【0086】
ステップ520aでは、更新後の生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。
【0087】
全体紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、局所紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである。本願の実施例では、局所紋様特徴が全体紋様特徴に基づいて取得されてもよく、局所紋様特徴と全体紋様特徴が互いに独立して取得されてもよいが、これに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0088】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、前処理によって、局所紋様特徴を取得するための基礎を定め、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による生体紋様情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって生体紋様情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0089】
続いて、アイデンティティ判断を紹介する。図9は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。即ち、いくつかの実施例において、図2に示された実施例のステップ540は、具体的にステップ5401であってもよい。
【0090】
ステップ5401では、第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得する。
【0091】
サンプル紋様特徴は、ターゲットオブジェクトの生体紋様情報特徴を記述するためのものであり、第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果は、第1オブジェクトとターゲットオブジェクトが同じアイデンティティに属するか否かを示すためのものである。
【0092】
例示的に、第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較する方法は、コサイン類似度計算、ユークリッド距離計算、共分散距離計算、チェビシェフ距離計算のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0093】
本願のいくつかの実施例において、ステップ540は、融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算するサブステップと、コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たす場合、ターゲットオブジェクトであるという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得するサブステップと、コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たさない場合、ターゲットオブジェクトではないという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得するサブステップと、として実現されてもよい。
【0094】
例示的に、下式のようにコサイン類似度を計算することを含む。
【数5】
ここで、sim(vectorreg,vectorrec)はコサイン類似度を表し、vectorrecは融合紋様特徴を表し、vectorregはサンプル紋様特徴を表し、|| ||は1-ノルム演算を表す。
【0095】
例示的に、アイデンティティ判断条件は、コサイン類似度がターゲット閾値より大きいことであり、ここで、ターゲット閾値は、経験によって設定されてもよいし、訓練過程によって取得されてもよい。
【0096】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、紋様特徴の比較によってアイデンティティ判断を行う。これにより、紋様特徴によって生体紋様情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0097】
続いて、生体紋様情報の特徴抽出方法がモバイル決済の分野に適用される場合を説明する。図10は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報に基づくアイデンティティ認識方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0098】
ステップ610では、端末決済機器によって、第1オブジェクトの生体紋様情報を取得する。
【0099】
生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである。本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本実施例では、生体紋様が手のひらの紋様である場合、即ち、生体紋様情報が手のひらの紋様の画像情報である場合を例に紹介する。
【0100】
ステップ620では、端末決済システムによって生体紋様情報を検出することにより、指隙間キー点を取得する。
【0101】
例示的に、指隙間キー点を取得することは、手のひらの紋様の画像情報において直角座標系を作成するために用いられる。直角座標系の作成によって、手のひらの紋様の画像情報において関心領域を切り取る。
【0102】
本実施例において、ステップ620は、端末決済システムにおける端末決済機器によって実行されてもよいし、端末決済システムにおける端末決済サーバによって実行されてもよいが、本実施例は制限しない。
【0103】
同様に、ステップ630からステップ670の実行方式に対しても、いかなる制限的規定をしない。
【0104】
ステップ630では、端末決済システムが、指隙間キー点に基づいて、生体紋様情報の関心領域を切り取る。
【0105】
端末決済システムは、指隙間キー点に基づいて直角座標系を作成し、生体紋様情報の関心領域を切り取る。
【0106】
ステップ642では、端末決済システムによって、生体紋様情報の関心領域に対して全体特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。
【0107】
例示的に、生体紋様情報の関心領域に対して全体特徴抽出を行うことは、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式を採用する。具体的には、残差畳み込みブロックを呼び出すことにより、全体特徴抽出を実現し、第1オブジェクトの全体紋様特徴を取得する。
【0108】
ステップ644では、端末決済システムによって、3つの異なる受容野の特徴抽出方式で生体紋様情報の関心領域に対して局所特徴抽出を行うことにより、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0109】
例示的に、生体紋様情報の関心領域に対して局所特徴抽出を行うことは、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式を採用する。具体的には、アトラス畳み込みブロックを呼び出すことにより、局所特徴抽出を実現し、第1オブジェクトの局所紋様特徴を取得する。
【0110】
ステップ646では、端末決済システムによって、局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0111】
局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行って、局所有効特徴領域の重みを強化することにより、更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0112】
例示的に、本願のいくつかの実施例において、自己注意機構処理は、標準化処理と、活性化処理と、正則化処理と、を含む。
【0113】
ステップ650では、端末決済システムによって、全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0114】
例示的に、融合紋様特徴は、第1オブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。具体的には、直交融合方式で全体紋様特徴及び更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0115】
ステップ660では、端末決済システムによって、融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算する。
【0116】
例示的に、コサイン類似度は、ベクトル間のコサイン角によって、融合紋様特徴とサンプル紋様特徴との類似度を示す。
【0117】
ステップ670では、端末決済システムによって、コサイン類似度が最も高いサンプルに対応するサンプルオブジェクトを第1オブジェクトのアイデンティティ認識結果として決定する。
【0118】
コサイン類似度を降順に並べる。コサイン類似度が最も高いサンプル紋様特徴は、サンプル紋様特徴と融合紋様特徴との類似度が最も高いことを表す。サンプル紋様特徴に対応するサンプルオブジェクトを第1オブジェクトのアイデンティティ認識結果として決定する。
【0119】
上記のように、本実施例で提供される方法では、生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、局所紋様特徴を取得し、生体紋様の局所的な詳細特徴への注目度を向上させ、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合することにより、紋様特徴による生体紋様情報への記述能力を向上させる。これにより、紋様特徴によって生体紋様情報を局所的に記述する次元が拡張され、類似度の高い生体紋様情報に直面した場合の認識精度が保証される。
【0120】
続いて、生体紋様特徴抽出モデルを説明する。図2に示された実施例では、生体紋様特徴抽出モデルによってアイデンティティ認識を行える方法が説明されている。図11は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの構成の模式図を示す。
【0121】
生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワーク330と、自己注意ネットワーク350と、特徴融合ネットワーク360とが含まれる。
【0122】
生体紋様特徴310に対して関心領域取り切り処理322を行うことにより、関心領域紋様情報310aを取得する。関心領域紋様情報310aに対して補間処理324を行うことにより、補間紋様情報310bを取得する。例示的に、補間紋様情報310bは、次元224×224の特徴行列である。
【0123】
特徴抽出ネットワーク330には、第1残差畳み込みブロック332と、第2残差畳み込みブロック334と、アトラス畳み込みブロック336とが含まれる。
【0124】
第1残差畳み込みブロック332を呼び出して補間紋様情報310bを処理することにより、テクスチャー隠れ層特徴を取得する。例示的に、テクスチャー隠れ層特徴は、次元28×28の特徴行列である。ここで、第1残差畳み込みブロック332には、3つの残差畳み込み層が含まれ、残差畳み込み層から出力される特徴行列の次元は、入力される特徴行列の次元の4分の1である。即ち、第1残差畳み込み層を呼び出して補間紋様情報310bを処理すると、出力される特徴行列の次元は、112×112であり、第2残差畳み込み層を呼び出して上記特徴行列を処理すると、出力される特徴行列の次元は、56×56であり、第3残差畳み込み層を呼び出して上記特徴行列を処理すると、出力される特徴行列の次元は、28×28である。
【0125】
第2残差畳み込みブロック332を呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、全体紋様特徴342を取得する。例示的に、全体紋様特徴342は、次元14×14の特徴行列である。
【0126】
アトラス畳み込みブロック336には、第1アトラス畳み込み層336aと、第2アトラス畳み込み層336bと、第3アトラス畳み込み層336cとが含まれる。
【0127】
第1アトラス畳み込み層336aを呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、第1局所サブ特徴を取得し、第1アトラス畳み込み層336aのアトラス畳み込みカーネルスケールは3である。第2アトラス畳み込み層336bを呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、第2局所サブ特徴を取得し、第2アトラス畳み込み層336bのアトラス畳み込みカーネルスケールは6である。第3アトラス畳み込み層336cを呼び出してテクスチャー隠れ層特徴を処理することにより、第3局所サブ特徴を取得し、第3アトラス畳み込み層336cのアトラス畳み込みカーネルスケールは9である。
【0128】
第1局所サブ特徴、第2局所サブ特徴、及び第3局所サブ特徴を結合することにより、初期局所紋様特徴344を取得する。
【0129】
自己注意ネットワーク350には、標準化層352と、活性化層354と、正則化層356とが含まれる。
【0130】
標準化層を呼び出して初期局所紋様特徴344を処理することにより、更新後の局所紋様特徴344aが一定の区間内に分布することを保証し、モデルが迅速に収束結果を得るための基礎を定める。
【0131】
活性化層354及び正則化層356を呼び出して、標準化局所紋様特徴に対して活性化処理及び正則化処理をそれぞれ行い、処理結果を乗算することにより、更新後の局所紋様特徴344aを取得する。
【0132】
更新後の局所紋様特徴344aと初期局所紋様特徴344とを乗算することにより、局所紋様特徴344cを取得する。
【0133】
特徴融合ネットワーク360を呼び出して、第1オブジェクトの全体紋様特徴342及び局所紋様特徴344cに対して融合処理を行うことにより、第1オブジェクトの融合紋様特徴346を取得する。
【0134】
融合紋様特徴346とサンプル紋様特徴348とのコサイン類似度352を計算する。
【0135】
コサイン類似度352に基づいて、第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果370を決定する。
【0136】
即ち、コサイン類似度352がアイデンティティ判断条件を満たす場合、ターゲットオブジェクトであるという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果370を取得する。
【0137】
コサイン類似度352がアイデンティティ判断条件を満たさない場合、ターゲットオブジェクトではないという第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果370を取得する。
【0138】
本願の実施例では、生体紋様情報の特徴抽出方法が提供されている。前記方法は、コンピュータ機器の生体紋様特徴抽出モデルによって実行され、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれる。前記方法は、生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、を含む。
【0139】
続いて、生体紋様特徴抽出モデルの訓練を紹介する。
【0140】
図12は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0141】
ステップ710では、サンプル紋様情報及びサンプル紋様特徴を取得する。
【0142】
サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、サンプル紋様特徴は、サンプルオブジェクトのサンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である。
【0143】
本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様のタイプに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0144】
ステップ720では、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、サンプル紋様情報を処理し、サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力する。
【0145】
例示的に、予測融合紋様特徴は、サンプルオブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。
【0146】
ステップ730では、予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、特徴予測誤差を取得する。
【0147】
サンプル紋様特徴は、サンプルオブジェクトのサンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である。
【0148】
例示的に、特徴予測誤差は、予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴との間のソフトマックス(Softmax)関数の損失関数である。
【0149】
具体的には、下式のように特徴予測誤差を取得することを含む。
【数6】
ここで、xは予測融合紋様特徴を表し、iは予測融合紋様特徴の次元を表し、L2normはL2パラメータ正則化を表し、wはサンプル紋様特徴を表し、jはサンプル紋様特徴の次元を表し、wの次元はn×dであり、nはサンプル紋様特徴の総種類数を表す。arccosは逆コサイン演算を表し、mはカスタム加算角度を表し、例示的に、m=0.5であり、sは特徴拡大倍数を表し、例示的に、s=48であり、Lossは特徴予測誤差を表し、softmax(.)はsoftmax関数を表す。例示的に、図13は、本願の1つの例示的な実施例で提供される特徴予測誤差決定の模式図を示す。
【0150】
ステップ740では、特徴予測誤差を使用して、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0151】
初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことは、予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴との特徴予測誤差の最小化を目的とする。初期の生体紋様特徴抽出モデルを訓練することにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0152】
上記のように、本実施例で提供される方法では、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合して、紋様特徴による生体紋様情報への記述能力を向上させるための基礎を定める。生体紋様情報が手のひらの紋様の画像情報である場合を例にすると、生体紋様特徴抽出モデルは、良好な訓練効果が得られる。表1には、開示された40対の双子を含む鮮明な及びぼやけた手のひらの紋様の画像情報セットに対してアイデンティティ認識を行った結果が示されている。一対の双子の左手/右手を1つのサンプル対として、3600個のサンプル対の場合、生体紋様特徴抽出モデルは、鮮明な手のひらの紋様の画像情報に直面したとき、エラーが発生しなかったが、ぼやけた手のひらの紋様の画像情報に直面したとき、エラーが1回しか発生しなかった。関連技術における従来モデルによる37回のエラー及び46回のエラーに比べて、顕著な進歩を遂げた。
【0153】
【表1】
【0154】
図14は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様特徴抽出モデルの訓練方法のフローチャートを示す。該方法は、コンピュータ機器によって実行されてもよい。該方法は、以下のステップを含む。
【0155】
ステップ750では、サンプル紋様情報と、サンプル紋様情報の分類ラベルとを取得する。
【0156】
サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、分類ラベルは、サンプルオブジェクトを示すためのものである。
【0157】
本願の実施例において、生体紋様のタイプは、指の紋様、手のひらの紋様、眼の紋様、顔の紋様、血管の紋様、唇の紋様、口腔の紋様のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。本願は、生体紋様のタイプに対して、いかなる制限的規定をしない。
【0158】
ステップ760では、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、サンプル紋様情報を処理し、サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力する。
【0159】
例示的に、予測融合紋様特徴は、サンプルオブジェクトの生体紋様情報の全体特徴及び局所特徴を記述するためのものである。
【0160】
ステップ770では、前記予測融合紋様特徴に対してラベル分類処理を行うことにより、サンプルオブジェクトの予測ラベルを取得する。
【0161】
例示的に、本実施例では、ラベル分類処理に関して、ラベル予測モデルを呼び出すことにより、予測融合紋様特徴のラベル分類処理を実現してもよいし、手作業によるアノテーション方法によってラベル分類処理を行ってもよいし、予測融合紋様特徴の演算によってサンプルオブジェクトの予測ラベルを取得してもよい。本実施例は、ラベル分類処理の実現方式に対して、いかなる制限的規定をしない。
【0162】
ステップ780では、予測ラベルと分類ラベルとを比較することにより、ラベル予測誤差を取得する。
【0163】
分類ラベルは、サンプルオブジェクトを示すためのものである。例示的に、ラベル予測誤差は、予測ラベルと分類ラベルとの間の0-1損失関数(Zero-One Loss)、絶対値損失関数、対数損失関数のうちの少なくとも1つを含む。
【0164】
ステップ790では、ラベル予測誤差を使用して、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0165】
初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことは、予測ラベルと分類ラベルとの特徴予測誤差の最小化を目的とする。初期の生体紋様特徴抽出モデルを訓練することにより、生体紋様特徴抽出モデルを取得する。
【0166】
上記のように、本実施例で提供される方法は、初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、局所紋様特徴と全体紋様特徴とを融合して、紋様特徴による生体紋様情報への記述能力を向上させるための基礎を定める。
【0167】
当業者であれば理解できるように、上記の実施例を独立して実施してもよいし、上記の実施例を自由に組み合わせて新たな実施例として、本願の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現してもよい。
【0168】
図15は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるアイデンティティ認識装置のブロック図を示す。該装置は、生体紋様情報を取得する取得モジュール810であって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュール810と、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュール820であって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュール820と、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュール830と、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う判断モジュール850と、を含む。
【0169】
本願のいくつかの実施例において、前記抽出モジュール820は、さらに、前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得し、第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得し、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記生体紋様情報の隠れ層表現を記述するためのものであり、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式であり、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。
【0170】
本願のいくつかの実施例において、前記抽出モジュール820は、さらに、前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個(nは正の整数)の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得し、前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なる。
【0171】
本願のいくつかの実施例において、前記装置は、前記局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する処理モジュール840をさらに含み、前記融合モジュール830は、さらに、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する。
【0172】
本願のいくつかの実施例において、前記自己注意機構処理は、活性化処理と、正則化処理と、を含む。
【0173】
前記処理モジュール840は、さらに、前記局所紋様特徴に対して前記活性化処理を行うことにより、第2活性化特徴を取得し、前記局所紋様特徴に対して前記正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得し、前記第2活性化特徴と前記第2正則化特徴とを乗算することにより、前記第1オブジェクトの前記更新後の局所紋様特徴を取得する。
【0174】
本願のいくつかの実施例において、前記装置は、前記生体紋様情報に対して前処理を行うことにより、更新後の生体紋様情報を取得する処理モジュール840をさらに含み、前記前処理の方式は、前記生体紋様情報に対して補間処理を行うことと、前記生体紋様情報の関心領域を切り取ることとのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0175】
前記抽出モジュール820は、さらに、前記更新後の生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する。
【0176】
本願のいくつかの実施例において、前記装置は、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、前記第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得する判断モジュール850であって、前記サンプル紋様特徴は、ターゲットオブジェクトの生体紋様情報特徴を記述するためのものである、判断モジュール850をさらに含む。
【0177】
本願のいくつかの実施例において、前記判断モジュール850は、さらに、前記融合紋様特徴と前記サンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算し、前記コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たす場合、前記ターゲットオブジェクトであるという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得し、前記コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たさない場合、前記ターゲットオブジェクトではないという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得する。
【0178】
図16は、本願の1つの例示的な実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出装置のブロック図を示す。前記装置は、生体紋様特徴抽出モデルを含み、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、前記装置は、生体紋様情報を取得する取得モジュール860であって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュール860と、前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュール870であって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュール870と、前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュール880と、を含む。
【0179】
本願のいくつかの実施例において、前記特徴抽出ネットワークには、第1残差畳み込みブロックと、第2残差畳み込みブロックと、アトラス畳み込みブロックとが含まれ、前記抽出モジュール870は、さらに、前記第1残差畳み込みブロックを呼び出して、前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得し、前記第2残差畳み込みブロックを呼び出して、第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得し、前記アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記生体紋様情報の隠れ層表現を記述するためのものであり、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式であり、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である。
【0180】
本願のいくつかの実施例において、前記アトラス畳み込みブロックには、n個(nは正の整数)のアトラス畳み込み層が含まれ、前記抽出モジュール870は、さらに、前記n個のアトラス畳み込み層を呼び出して、前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得し、前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得し、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なり、前記特徴受容野は、前記アトラス畳み込み層の畳み込みカーネルスケールに基づいて決定されたものである。
【0181】
本願のいくつかの実施例において、前記生体紋様特徴抽出モデルは、サンプル紋様情報及びサンプル紋様特徴を取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記サンプル紋様特徴は、前記サンプルオブジェクトの前記サンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である、ステップと、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、前記予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、特徴予測誤差を取得するステップと、前記特徴予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである。
【0182】
本願のいくつかの実施例において、前記生体紋様特徴抽出モデルは、サンプル紋様情報と、前記サンプル紋様情報の分類ラベルとを取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記分類ラベルは、前記サンプルオブジェクトを示すためのものである、ステップと、初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、前記予測融合紋様特徴に対してラベル分類処理を行うことにより、前記サンプルオブジェクトの予測ラベルを取得するステップと、前記予測ラベルと分類ラベルとを比較することにより、ラベル予測誤差を取得するステップと、前記ラベル予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである。
【0183】
説明すべきものとして、上記実施例で提供される装置は、その機能を実現する際に上記の各機能モジュールの分割のみを例として説明されているが、実際の適用では、実際の必要に応じて、上記の機能を異なる機能モジュールに割り当てて実行し、即ち、機器の内容構成を異なる機能モジュールに分割して、以上に説明した全部又は一部の機能を実行してもよい。
【0184】
上記実施例における装置について、その各モジュールの動作実行の具体的な方式は、該方法に関する実施例で詳しく説明されており、各モジュールの動作実行による技術的効果は、該方法に関する実施例における技術的効果と同じであり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0185】
本願の実施例では、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ機器がさらに提供されており、メモリには、コンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記コンピュータプログラムを実行することで、上記の各方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【0186】
いくつかの実施例において、該コンピュータ機器はサーバである。例示的に、図17は、本願の1つの例示的な実施例で提供されるサーバの構成のブロック図である。
【0187】
通常、サーバ2300は、プロセッサ2301とメモリ2302とを備える。
【0188】
プロセッサ2301は、1つ又は複数の処理コアを含んでもよく、例えば、4コアプロセッサ、8コアプロセッサなどである。プロセッサ2301は、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、プログラマブルロジックアレイ(PLA:Programmable Logic Array)のうちの少なくとも1つのハードウェアの形で実現されてもよい。プロセッサ2301は、メインプロセッサとコプロセッサとを含んでもよい。メインプロセッサは、ウェイク状態でデータを処理するためのプロセッサであり、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)とも呼ばれる。コプロセッサは、スタンバイ状態でデータを処理するための低消費電力プロセッサである。いくつかの実施例において、プロセッサ2301には、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)が組み込まれてもよい。GPUは、ディスプレイに表示しようとするコンテンツのレンダリング及び描画を担当する。いくつかの実施例において、プロセッサ2301は、機械学習に関する演算操作を処理するための人工知能(AI:Artificial Intelligence)プロセッサを含んでもよい。メモリ2302は、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。該コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的なものとし得る。メモリ2302は、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリ、例えば、1つ又は複数のディスク記憶装置、フラッシュメモリ記憶装置を含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ2302内の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令を記憶する。該少なくとも1つの命令は、プロセッサ2301によって実行されると、本願の方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0189】
いくつかの実施例において、サーバ2300は、入力インタフェース2303と、出力インタフェース2304と、をさらに含む。プロセッサ2301と、メモリ2302と、入力インタフェース2303と、出力インタフェース2304との間は、バス又は信号線を介して接続されてもよい。各周辺機器は、バス、信号線、又は回路基板を介して、入力インタフェース2303、出力インタフェース2304に接続されてもよい。入力インタフェース2303、出力インタフェース2304は、入出力(I/O:Input/Output)に関する少なくとも1つの周辺機器をプロセッサ2301及びメモリ2302に接続するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、プロセッサ2301、メモリ2302、入力インタフェース2303、及び出力インタフェース2304は、同一のチップ又は回路基板上に集積される。いくつかの他の実施例において、プロセッサ2301、メモリ2302、入力インタフェース2303、及び出力インタフェース2304のうちのいずれか1つ又は2つが、個別のチップ又は回路基板上で実現されてもよい。本願の実施例はこれを限定しない。
【0190】
当業者であれば理解できるように、上記に示された構成が、サーバ2300を限定するものではなく、サーバ2300は、図示より多く又は少ないコンポーネントを含んでもよく、あるいはいくらかのコンポーネントを組み合わせたものであってもよく、あるいはコンポーネントの異なる配置を採用してもよい。
【0191】
例示的な実施例では、プログラマブルロジック回路及び/又はプログラム命令を含むチップがさらに提供されており、前記チップは、コンピュータ機器上で実行されると、上記の態様に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【0192】
例示的な実施例では、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品又はコンピュータプログラムがさらに提供されている。該コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。コンピュータ機器のプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取って実行すると、上記の各方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する。
【0193】
例示的な実施例では、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体がさらに提供されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによりロードされて実行されると、上記の各方法の実施例で提供される生体紋様情報の特徴抽出方法を実現させる。
【0194】
当業者であれば理解できるように、上記実施例を実現するためのステップの全部又は一部は、ハードウェアによって実行されてもよいし、プログラムを介して関連ハードウェアに指示することにより実行されてもよい。前記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。上記で言及された記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなどであってもよい。
【0195】
当業者であれば認識すべきものとして、上記の1つ又は複数の例では、本願の実施例で説明される機能がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアで実現される場合、これらの機能を、コンピュータ可読媒体に記憶したり、コンピュータ可読媒体における1つ又は複数の命令又はコードとして伝送したりしてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含む。ここで、通信媒体は、コンピュータプログラムをある場所から他の場所へ伝送することを容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。上記は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。本願の精神及び原則内で行われる種々の修正、均等置換え、改善などは全て本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ機器が実行するアイデンティティ認識方法であって、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行うステップと、を含む、
アイデンティティ認識方法。
【請求項2】
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得するステップであって、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記生体紋様情報の隠れ層表現を記述するためのものである、ステップと、
第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得するステップであって、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である、ステップと、
第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップであって、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である、ステップと、を含む、
請求項1に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項3】
前記第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個(nは正の整数)の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得するステップであって、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なる、ステップと、
前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップと、を含む、
請求項2に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項4】
前記局所紋様特徴に対して自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得するステップをさらに含み、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記更新後の局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップを含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項5】
前記自己注意機構処理は、活性化処理と、正則化処理と、を含み、
前記局所紋様特徴に対して前記自己注意機構処理を行うことにより、更新後の局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記局所紋様特徴に対して前記活性化処理を行うことにより、第2活性化特徴を取得するステップと、
前記局所紋様特徴に対して前記正則化処理を行うことにより、第2正則化特徴を取得するステップと、
前記第2活性化特徴と前記第2正則化特徴とを乗算することにより、前記第1オブジェクトの前記更新後の局所紋様特徴を取得するステップと、を含む、
請求項4に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項6】
前記生体紋様情報に対して前処理を行うことにより、更新後の生体紋様情報を取得するステップをさらに含み、
前記前処理の方式は、
前記生体紋様情報に対して補間処理を行うことと、
前記生体紋様情報の関心領域を切り取ることと、のうちの少なくとも1つを含
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記更新後の生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップを含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項7】
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う前記ステップは、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、前記第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得するステップを含み、前記サンプル紋様特徴は、ターゲットオブジェクトの生体紋様情報特徴を記述するためのものである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項8】
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、前記第1オブジェクトのアイデンティティ判断結果を取得する前記ステップは、
前記融合紋様特徴と前記サンプル紋様特徴とのコサイン類似度を計算するステップと、
前記コサイン類似度がアイデンティティ判断条件を満たす場合、前記ターゲットオブジェクトであるという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得するステップと、
前記コサイン類似度が前記アイデンティティ判断条件を満たさない場合、前記ターゲットオブジェクトではないという前記第1オブジェクトの前記アイデンティティ判断結果を取得するステップと、を含む、
請求項7に記載のアイデンティティ認識方法。
【請求項9】
コンピュータ機器の生体紋様特徴抽出モデルが実行する、生体紋様情報の特徴抽出方法であって、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記生体紋様情報の特徴抽出方法は、
生体紋様情報を取得するステップであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得するステップであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、ステップと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得するステップと、を含む、
生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項10】
前記特徴抽出ネットワークには、第1残差畳み込みブロックと、第2残差畳み込みブロックと、アトラス畳み込みブロックとが含まれ、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記第1残差畳み込みブロックを呼び出して、前記生体紋様情報に対して隠れ層特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトのテクスチャー隠れ層特徴を取得するステップであって、前記テクスチャー隠れ層特徴は、前記生体紋様情報の隠れ層表現を記述するためのものである、ステップと、
前記第2残差畳み込みブロックを呼び出して、第1特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴を取得するステップであって、前記第1特徴抽出方式は、特徴次元の削減に基づく特徴抽出方式である、ステップと、
前記アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップであって、前記第2特徴抽出方式は、特徴受容野の拡大に基づく特徴抽出方式である、ステップと、を含む、
請求項9に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項11】
前記アトラス畳み込みブロックには、n個(nは正の整数)のアトラス畳み込み層が含まれ、
前記アトラス畳み込みブロックを呼び出して、第2特徴抽出方式で前記テクスチャー隠れ層特徴に対して特徴抽出を行うことにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得する前記ステップは、
前記n個のアトラス畳み込み層を呼び出して、前記テクスチャー隠れ層特徴を処理し、n個の第2特徴抽出方式で前記第1オブジェクトのn個の局所サブ特徴をそれぞれ取得するステップであって、前記n個の第2特徴抽出方式は特徴受容野が異なり、前記特徴受容野は、前記アトラス畳み込み層の畳み込みカーネルスケールに基づいて決定されたものである、ステップと、
前記n個の局所サブ特徴を結合することにより、前記第1オブジェクトの前記局所紋様特徴を取得するステップと、を含む、
請求項10に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項12】
前記生体紋様特徴抽出モデルは、
サンプル紋様情報及びサンプル紋様特徴を取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記サンプル紋様特徴は、前記サンプルオブジェクトの前記サンプル紋様情報に対応する生体紋様特徴である、ステップと、
初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、
前記予測融合紋様特徴とサンプル紋様特徴とを比較することにより、特徴予測誤差を取得するステップと、
前記特徴予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項13】
前記生体紋様特徴抽出モデルは、
サンプル紋様情報と、前記サンプル紋様情報の分類ラベルとを取得するステップであって、前記サンプル紋様情報は、サンプルオブジェクトの生体紋様を記述するためのものであり、前記分類ラベルは、前記サンプルオブジェクトを示すためのものである、ステップと、
初期の生体紋様特徴抽出モデルを呼び出して、前記サンプル紋様情報を処理し、前記サンプルオブジェクトの予測融合紋様特徴を出力するステップと、
前記予測融合紋様特徴に対してラベル分類処理を行うことにより、前記サンプルオブジェクトの予測ラベルを取得するステップと、
前記予測ラベルと前記分類ラベルとを比較することにより、ラベル予測誤差を取得するステップと、
前記ラベル予測誤差を使用して、前記初期の生体紋様特徴抽出モデルに対して誤差逆伝播訓練を行うことにより、前記生体紋様特徴抽出モデルを取得するステップと、によって訓練されたものである、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法。
【請求項14】
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、
前記第1オブジェクトの融合紋様特徴に基づいて、前記第1オブジェクトに対してアイデンティティ認識を行う判断モジュールと、を含む、
アイデンティティ認識装置。
【請求項15】
生体紋様特徴抽出モデルが含まれる、生体紋様情報の特徴抽出装置であって、前記生体紋様特徴抽出モデルには、特徴抽出ネットワークと、特徴融合ネットワークとが含まれ、
前記生体紋様情報の特徴抽出装置は、
生体紋様情報を取得する取得モジュールであって、前記生体紋様情報は、第1オブジェクトの生体紋様を記述するためのものである、取得モジュールと、
前記特徴抽出ネットワークを呼び出して、前記生体紋様情報に対して特徴抽出処理を行うことにより、全体紋様特徴及び局所紋様特徴を取得する抽出モジュールであって、前記全体紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の全体特徴を記述するためのものであり、前記局所紋様特徴は、前記第1オブジェクトの前記生体紋様情報の局所特徴を記述するためのものである、抽出モジュールと、
前記特徴融合ネットワークを呼び出して、前記第1オブジェクトの前記全体紋様特徴及び前記局所紋様特徴に対して融合処理を行うことにより、前記第1オブジェクトの融合紋様特徴を取得する融合モジュールと、を含む、
生体紋様情報の特徴抽出装置。
【請求項16】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータ機器であって、前記メモリには、少なくとも1つのプログラムが記憶されており、前記プロセッサは、前記メモリにおける前記少なくとも1つのプログラムを実行することで、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法、又は、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法を実現する、コンピュータ機器。
【請求項17】
コンピュータに、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアイデンティティ認識方法、又は、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の生体紋様情報の特徴抽出方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】