IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トルンプ フォトニック コンポーネンツ ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特表-レーザ装置 図1
  • 特表-レーザ装置 図2
  • 特表-レーザ装置 図3
  • 特表-レーザ装置 図4
  • 特表-レーザ装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02253 20210101AFI20241010BHJP
   H01S 5/42 20060101ALI20241010BHJP
   H01S 5/0225 20210101ALI20241010BHJP
【FI】
H01S5/02253
H01S5/42
H01S5/0225
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525552
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2022079855
(87)【国際公開番号】W WO2023072979
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】102021128379.5
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520344981
【氏名又は名称】トルンプフ フォトニック コンポーネンツ ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ヨアヒム メンヒ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン グローネンボルン
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MA10
5F173MC15
5F173MD65
5F173MF03
5F173MF39
5F173MF40
(57)【要約】
レーザ装置10は、複数の半導体レーザ13を有する半導体レーザアセンブリ12と、半導体レーザ13の絞り部11と光学素子24とをそれぞれ有する複数の接眼レンズユニット22を含む接眼レンズアセンブリ21とを備え、各半導体レーザ13に、個別の接眼レンズユニット22が割り当てられ、それによって各半導体レーザ13から放射され、絞り部11によって制限されたレーザ光16が、それぞれ割り当てられた接眼レンズユニット22の光学素子24を介して伝搬し、第1の接眼レンズユニット221の光学素子24に対する絞り部11の相対位置は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニット222の光学素子24に対する絞り部11の相対位置とは異なり、及び/又は、第1の接眼レンズユニット221の絞り部11の絞り部形状は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニット222の絞り部11の絞り部形状とは異なる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ装置(10)であって、
複数の半導体レーザ(13)を有する半導体レーザアセンブリ(12)と、
半導体レーザ(13)の絞り部(11)と光学素子(24)とをそれぞれ有する複数の接眼レンズユニット(22)を含む接眼レンズアセンブリ(21)と、を備え、
それぞれの前記半導体レーザ(13)に個別の接眼レンズユニット(22)が割り当てられており、それによって、それぞれの前記半導体レーザ(13)から放射され、前記絞り部(11)によって制限されたレーザ光(16)が、それぞれ割り当てられた接眼レンズユニット(22)の前記光学素子(24)を介して伝搬し、
第1の接眼レンズユニット(221)の前記光学素子(24)に対する前記絞り部(11)の相対位置は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニット(222)の前記光学素子(24)に対する前記絞り部(11)の相対位置とは異なり、及び/又は、
前記第1の接眼レンズユニット(221)の前記絞り部(11)の絞り部形状は、少なくとも1つの前記第2の接眼レンズユニット(222)の前記絞り部(11)の絞り部形状とは異なる、レーザ装置(10)。
【請求項2】
前記絞り部(11)は絞り対称軸(32)を有し、前記光学素子(24)は光軸(31)を有し、
前記絞り対称軸(32)と接眼レンズユニット(22)の前記光軸(31)とは、互いに重なる、又は、相対的に互いに軸間距離(33)を有して、ほぼ平行に互いに位置付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ装置(10)。
【請求項3】
異なる接眼レンズユニット(22)の光学素子(24)の光軸(31)は、ほぼ平行に互いに配列されており、
第1の光軸(311)と2つの直接隣接する第2の光軸(312)との軸間距離(341、342)は、異なる大きさであり、及び/又は、異なって配列されていることを特徴とする、請求項2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項4】
前記光軸(31;311、312)は、前記光学素子(24)の配置面に対して垂直に配列されており、
少なくとも1つの配置方向に沿ったそれぞれの第1及び第2の光軸(311、312)間の第1の軸間距離(341)及び第2の軸間距離(342)は、異なる大きさであり、及び/又は、異なって配列されており、
好ましくは、同一数の第1及び第2の軸間距離(341、342)が存在することを特徴とする、請求項2又は3に記載のレーザ装置(10)。
【請求項5】
前記光学素子(24)は、好ましくは一体型レンズアセンブリ(25)として形成されるアレイアセンブリ内に配置され、
第1の光軸(311)から直接隣接する第2の光軸(312)までの間の軸間距離(341、342)が、前記アレイアセンブリに沿って周期的に繰り返され、
好ましくは、第1の光軸(311)と第2の光軸(312)との間の各第2の軸間距離(342)は、少なくとも1つの配置方向に沿って同一の大きさである、及び/又は、同一に配列されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のレーザ装置(10)。
【請求項6】
隣接する接眼レンズユニット(22)の絞り部(11)の絞り対称軸(32)間の軸間距離は、異なる大きさである、及び/又は、異なって配列されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のレーザ装置(10)。
【請求項7】
各半導体レーザ(13)は、レーザ動作のために機能する層からなる積層を有し、
それぞれの前記絞り部(11)は、前記積層内に組み入れられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のレーザ装置(10)。
【請求項8】
第1及び第2の絞り部(11)は、絞り対称軸(32)が垂直に配列される絞りアセンブリ(26)において想定上の絞り面に沿って配列され、
第1及び第2の絞り部の数は、好ましくは等しいことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のレーザ装置(10)。
【請求項9】
前記第1及び第2の絞り部は、絞り開口部の絞り部形状の断面積及び/又は断面輪郭に関して異なることを特徴とする、請求項8に記載のレーザ装置(10)。
【請求項10】
前記光学素子(24)は、屈折レンズとして形成されており、その屈折レンズは、それぞれ異なって位置付けられた焦点(28)、及び、特に異なる焦点距離を有していることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のレーザ装置(10)。
【請求項11】
同数の焦点(28)が焦点面(30)の中に及び外に位置し、
好ましくは、各第2の光学素子(24)は同一の焦点面(30)に位置することを特徴とする、請求項10に記載のレーザ装置(10)。
【請求項12】
絞り面は、少なくとも部分的に前記焦点面(30)と一致することを特徴とする、請求項11に記載のレーザ装置(10)。
【請求項13】
前記半導体レーザ(13)は、垂直共振器を有する面発光体であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のレーザ装置(10)。
【請求項14】
接眼レンズユニット(22)から出射する第1のレーザ光円錐(161)は、特に局所的な強度極値(29)を有し、その強度極値は、少なくとも1つの他の接眼レンズユニット(22)の第2のレーザ光円錐(162)の対応する強度極値(29)によって少なくとも部分的に補償可能であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のレーザ装置(10)。
【請求項15】
前記異なるレーザ光円錐(161、162)の前記強度極値(29)は、前記光学素子(24)の光軸に対して直交する方向に配列された横軸に沿って互いに相対的にオフセットされており、それによって、前記第1のレーザ光円錐(161)の少なくとも1つの強度最大値(291)が、前記第2のレーザ光円錐(162)の少なくとも1つの強度最小値(292)と重畳することを特徴とする、請求項14に記載のレーザ装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体レーザを有する半導体レーザアセンブリを備えたレーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
VCSELアレイは、カメラによって撮影される光景を照射するために、別個の光拡散板と組み合わせて、特にスマートフォンの分野において使用される。光拡散板は、VCSELアレイから放射されたレーザ光を散乱させ、それによって、ある面を照射することができる。それによって、被照射面の中央面領域の光強度は、特にスマートフォンなど、大半のカメラ用途において十分に強くなる。しかしながら、被照射面の端部領域における光強度は、中央面領域に比べて広い領域にわたって着実に減少する。このことは、被照射面の端部領域における光強度が、大半のカメラ用途に必要な光強度以下であることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、拡散板を有するレーザ装置と比較して、その光強度がレーザ光の伝搬方向に対して直交する方向の平面に沿ってより均一である、レーザ装置を提供することにあり、そのレーザ装置は、複数の個別ビームから得られるトータルビームを生成するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そのために、複数の半導体レーザを有する半導体レーザアセンブリと、半導体レーザの絞り部と光学素子とをそれぞれ有する複数の接眼レンズユニットを含む接眼レンズアセンブリと、を備えるレーザ装置を作成することが提案される。その際、それぞれの半導体レーザに、個別の接眼レンズユニットが割り当てられており、それによって、それぞれの半導体レーザから放射され、絞り部によって制限されたレーザ光が、それぞれ割り当てられた接眼レンズユニットの光学素子を介して伝搬し、第1の接眼レンズユニットの光学素子に対する絞り部の相対位置は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニットの光学素子に対する絞り部の相対位置とは異なり、及び/又は、第1の接眼レンズユニットの絞り部の絞り部形状は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニットの絞り部の絞り部形状とは異なる。レーザ光は発散し、遠視野面を照射する。レーザ光は、レーザ光円錐として接眼レンズユニットから出射する。好ましくは、各半導体レーザは、単一のレーザ光円錐のレーザ光を放射する。少なくとも第1及び第2のレーザ光円錐は、特に遠視野において重畳する。
【0005】
一例として、第1の接眼レンズユニットと第2の接眼レンズユニットを同一の数、レーザ装置に設置することができ、その場合、接眼レンズアセンブリにおける第1の接眼レンズユニットと第2の接眼レンズユニットの構成に依存せず、その出射レーザ光は遠視野において重畳する。
【0006】
原則として、相対的な位置は、接眼レンズユニットの、光学素子の、及び/又は絞り部の配置方向と関連付けることができる。また、相対的な位置は、接眼レンズユニットの、光学素子の、及び/又は絞り部の、第1及び第2の配置方向に沿ったオフセットに起因することも考えられる。
【0007】
接眼レンズユニットは、絞り部と光学素子とからなるユニットとして解され得る。接眼レンズユニットは、好ましくは、絞り部とレンズとを用いて構成された接眼レンズの機能を有するが、接眼レンズユニットは、個別の装置ではない。接眼レンズユニットは、好ましくは、レーザ装置に一体化して組み入れられる。
【0008】
絞り部は、絞り機能を有し、レーザ光が被照射面を照射する立体角に関してレーザ光を制限することができる。特に、絞り部はアパーチャの機能を有する。
【0009】
光学素子は、好ましくは、屈折レンズ又はフォトニックメタマテリアルを含むレンズとして形成することができる。光学素子は絞り部を結像し、拡散板を備えたレーザ装置よりも、端部における照射領域をより鮮鋭に区切る。その結果、拡散板を備えたレーザ装置と比較して、被照射面の大きな割合において、大幅に均一な光強度を得ることができる。
【0010】
この効果は、複数の半導体レーザからの放射レーザ光を重畳する場合、さらに向上し、それによって、被照射面の均質に照らされた部分の光強度が増加する。このために、絞り部の結像が精密に重なり合って投影されることが好ましく、それによって、拡散板を備えたレーザ装置の場合よりも、被照射面の端領域が非照射領域からより鮮鋭に区切られる。
【0011】
その中央面領域は、半径方向外向きに連続的に全体的な最小値まで減少する光強度によって取り囲まれることによって、際立たせることができる。
【0012】
本発明の有利な実施形態及び更なる形態は、従属請求項に記載された措置によって可能である。
【0013】
有利には、絞り部は絞り対称軸を有することができ、光学素子は光軸を有することができる。その際、絞り対称軸と接眼レンズユニットの光軸とは、互いに重なる、又は軸間距離を伴って互いにほぼ平行に位置付けられている。軸間距離は、2つの軸の間の距離である。互いにほぼ平行な2本の軸は、横方向に配列される軸間距離を有する。
【0014】
有利な更なる一形態においては、異なる接眼レンズユニットの光学素子の光軸は、互いにほぼ平行に配列され、その際、少なくとも1つの第1の光軸と、2つの直接隣接する第2の光軸との軸間距離は、異なる大きさであり、及び/又は、異なって配列されている(ausgerichtet)ことが、提供され得る。少なくとも1つの軸間距離は、レーザ装置の他の全ての軸間距離と異なる。少なくともいくつかの軸間距離は同一の大きさであることが考えられ得る。特に、少なくとも1つの配置方向に沿ったそれぞれの第1及び第2の光軸間の第1の軸間距離及び第2の軸間距離は、異なる大きさであり、及び/又は、異なって配列されている。その際、好ましくは、同じ数の第1及び第2の軸間距離が存在する。さらなる一代替例においては、全ての軸間距離は異なる大きさである。
【0015】
特に好ましくは、光学素子は、好ましくは一体化したレンズアセンブリとして形成されるアレイアセンブリ内に配置され、その際、第1の光軸から直接隣接する第2の光軸までの間の軸間距離が、アレイアセンブリに沿って周期的に繰り返される。一体化レンズアセンブリは、例えば、半導体レーザのベースとなる本体のウェハ又は他の部分に形成することができる。さらに、軸間距離は、光学素子がアレイ状に配置される想定上の配置平面に沿って、規則的に繰り返される。
【0016】
放射光の特に良好な重畳を達成するために、光軸を光学素子の配置面に対して垂直に配列することができる。その際、第1の光軸と第2の光軸との間の各第2の軸間距離は、第1の配置方向に沿って同一の大きさであり得る、及び/又は、同一に配列され得る。第1及び第2の軸間距離は、第1の配置方向に沿って規則的に交互に配置することができ、それによって、好ましくは、第1の配置方向に沿った第1及び第2の軸間距離の周期的な構造が存在する。光軸はまた、第1の配置方向と共に、その配置面に位置する第2の配置方向において、上述及び後述する特徴を有する軸間距離を有することが考えられる。
【0017】
隣接する接眼レンズユニットの絞り部に割り当てられる、互いにほぼ平行な絞り対称軸の間の軸間距離を異なるように選択すること、及び/又は、それらを異なって配列することは有利であり得る。
【0018】
さらに、各半導体レーザは、レーザ動作のために機能する層からなる積層を有し、その際、それぞれの絞り部は、積層内に組み入れられ得る。特に、半導体レーザは、いわゆるVCSEL(垂直共振器面発光レーザ)として形成することができ、その際、レーザ光の伝搬方向は、機能層の積層方向に対して直交する方向に向けられる。その場合、絞り部は、積層内の酸化構造として形成することができ、その際、絞り部は、レーザ光の伝搬方向に関して、半導体レーザの外側において、積層の活性光子発生層の前方に、後方に、又は内部に配置することができる。また、絞り部を、その前方に及び/又は後方に及び/又は内部に、同時に配置することも考えられる。
【0019】
絞り対称軸が垂直に配列される絞りアセンブリにおいて、第1及び第2の絞り部が想定上の絞り面に沿って配置され、その際、第1及び第2の絞り部の数が好ましくは等しいことが、提供され得る。
【0020】
第1及び第2の絞り部の形状は、絞り開口部のそれらの絞り部形状の断面積及び/又は断面輪郭に関して異なる。一例として、少なくとも2つの直接隣接する絞り部の絞り部形状は、絞り開口部の断面積及び/又は断面輪郭に関して、互いに異なり得る。断面積は、例えば、絞り部の主拡がり面に沿った絞り部の面積を含む。特に、断面積は、絞り部を通過するときにレーザ光が制限される絞り開口部の面積を含むことができる。絞り開口部は、例として、内のりの幅として解することができる。断面輪郭は、絞り開口部の境界を成す端部である。例えば、断面輪郭は、少なくとも部分的に円形又は角形であり得る。さらに、断面輪郭は絞り部ごとに変化し得るが、断面の面積は同一であり得る。例えば、絞り部の幅のような寸法は、配置方向に沿って絞り部ごとに変化させることができる。
【0021】
好ましくは、絞り部は、絞り対称軸が垂直に配列される想定上の絞り面に配置され、その際、第2の絞り部は同一に形成される。この場合、第1及び第2の絞り部は、第1及び/又は第2の配置方向に沿って交互に配置することができる。レーザ装置の絞り部は、共通の絞り面に配置することができる。絞り面は、半導体レーザのベースとなる、機能層の積層の積層方向に対して直交する方向に配列されている。好ましくは、絞り部の構成は、断面積及び/又は断面輪郭に関して、第2の絞り部ごとに繰り返され、それによって、例えば、絞り部の2つの仕様がレーザ装置に含まれる。その際、その仕様は、絞り面に沿って周期的に交互に配置され得る。代替的には、第1の絞り部からなるグループは、第2の絞り部からなるグループの隣に配置され得る。
【0022】
有利には、光学素子は屈折レンズとして形成され、屈折レンズは、それぞれ異なる焦点、及び、特に異なる焦点距離を有し得る。その際、いくつかの焦点は共通の焦点面上に配置することができ、他の焦点はその焦点面上に位置しない。それによって、半導体レーザから放射されたそれぞれのレーザ光を重畳することができ、その際、特に、それぞれの半導体レーザのレーザ光の光強度の不均一性を均一化することができる。
【0023】
同数の焦点が焦点面の中に及び外に位置し、その際、各第2の光学素子は、好ましくは同一の焦点面に位置し得る。各第2の光学素子の焦点が同じ焦点面に位置する場合、焦点の周期的な交互配置は特に有利である。これによって、半導体レーザのレーザ光の光強度の不均一性を系統的に均一化することができる。残りの焦点は、少なくとも1つの更なる共通焦点面上にある、又は伝搬方向において焦点面の前方及び/又は後方に任意に分布することができる。
【0024】
被照射面上の絞り部の結像の鮮鋭度に関して特に効率的な一実施形態においては、絞り面は、少なくとも部分的に焦点面と一致する。さらに、活性層又は半導体レーザの別の部分が、焦点面に位置することができる。この場合、焦点は絞り面上にあり、好ましくは絞り部の真上にある。
【0025】
特別な更なる一形態において、接眼レンズユニットから出射するレーザ光円錐は、特に局所的な強度極値を有し、その強度極値は、少なくとも1つの隣接する接眼レンズユニットのレーザ光円錐の対応する強度極値によって少なくとも部分的に補償される。例えば、局所的な強度最大値及び最小値は、レーザ光円錐内において発生し得る。強度極値は、半導体レーザの寸法によって設定されるレーザ光モードに由来し得る。同一のレーザ装置の半導体レーザの寸法が同一である場合、同一のレーザ装置の異なるレーザ光円錐において、好ましくは、同一の又は同様に顕著な強度極値が発生する。そのため、異なるレーザ光円錐の強度最大値及び最小値は、相互補償のために互いに混合することができる。一例として、半導体レーザの寸法は約15~30マイクロメートルとすることができる。
【0026】
有利な一実施形態において、異なるレーザ光円錐の強度極値は、光学素子レーザ光の光軸に対して直交する方向に配列された横軸に沿って、互いに対してオフセットされており、それによって、第1のレーザ光円錐の少なくとも1つの強度最大値が、隣接するレーザ光円錐の少なくとも1つの強度最小値と重畳するように、提供され得る。異なるレーザ光円錐の強度最大値と強度最小値の分布が同一である場合、レーザ光円錐の1つを強度最大値又は強度最小値の幅だけ横方向にオフセットすることによって、強度最大値を強度最小値に重ねることができる。これによって、光強度の均一化が達成される。
【0027】
上記し、及び以下に説明する特徴は、それぞれの場合に示した組み合わせだけでなく、他の組み合わせにおいても使用できると解される。
【0028】
特に、異なる実施形態の絞り部及び光学素子に関する特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0029】
放射されたレーザ光を変化させるための上記措置は、最大において約10%、好ましくは約5%とすることができる。
【0030】
本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0031】
本発明は、実施形態に関連する図面を参照しつつ、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】拡散板と半導体レーザアセンブリとを備えた、従来技術から公知のレーザ装置を示す図である。
図2】半導体レーザアセンブリの上流に接続された接眼レンズアセンブリを備えたレーザ装置を示す図である。
図3】放射されて面を照射するレーザ光の強度を示すグラフである。
図4】少なくとも1つの接眼レンズユニットの光学素子に対して偏心して位置付けられた絞り部を有するレーザ装置を示す図である。
図5】隣接する接眼レンズユニットの絞り部の形状が異なるレーザ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面の図形は、複数の半導体レーザ13からなるアレイ状の半導体レーザアセンブリ12を備えた、複数の個別ビームからなるトータルビームを生成するためのレーザ装置10を示している。
【0034】
図1は、従来技術から公知のレーザ装置10を示す。図1によれば、公知のように、少なくとも1つのVCSELアレイを有する半導体レーザアセンブリ12は、カメラによって記録される光景を照射ために、別個の拡散板14と組み合わせて使用される。例えば、このような拡散板は、遠視野にある光景の均一な照明を達成するために、撮影機能を有する携帯機器に使用することができる。特に、半導体レーザアセンブリ12は、いわゆるVCSEL(垂直共振器面発光レーザ)として形成された半導体レーザ13を含む。絞り部11は、個々の半導体レーザ13に割り当てられている。
【0035】
拡散板を備えたレーザ装置においては、それぞれの絞り部11が電流アパーチャとしての機能を有し、電気接点を介して活性層に伝導される電流を側方へ制限する。
【0036】
光拡散板14は、例えば、いわゆるすりガラスの性質を有し、VCSELアレイ12によって放射されたレーザ光16を散乱させる。それによって、拡散板14から発せられる無差別な光の放射が発生し、光景内に位置付けられた面18が照射されるようになる。
【0037】
拡散板14の中心対称軸が拡散板14の主拡がり面に対して直交していると仮定すると、光強度15は、被照射面18に沿って対称軸から半径方向外側に減少する。特にスマートフォンのカメラ又は他のカメラ装置による写真撮影をするために、光強度15を中央面領域17において十分高くすることができる。
【0038】
レーザ光16は、半導体レーザ13からレーザ光円錐160として出射する。レーザ光円錐160は拡散板14において重畳され、その際、レーザ光円錐160がより重畳されるほど、光強度15が強くなる。複数の重畳によって、60°の半値角を有する、面18の照明が生じる。中央面領域17は、好ましくは、被照射面18上の半値角19に対応する半値幅によって含まれ得る。
【0039】
中央面領域17とは対照的に、光強度15は、被照射面18の端領域20においてはかなり弱い。光強度15は、半径方向外側に向かって徐々に減少する。従って、被照射面18の端領域20における光強度15は、大部分のカメラ用途に必要とされる光強度15以下となり得る。光強度15は、中央面領域17から約20°の勾配において着実に減少する。
【0040】
図2は、複数の接眼レンズユニット22からなる少なくとも1つの接眼レンズアセンブリ21を備えるレーザ装置を示す。各接眼レンズユニット22は、半導体レーザ13の絞り部11と、半導体レーザ13に割り当てられた光学素子24とを有する。
【0041】
接眼レンズユニット22は、好ましくは、図2において破線の枠で示された、半導体レーザ13の絞り部11と光学素子24とからなるユニットである。レーザ光16は、接眼レンズユニット22からレーザ光円錐160として出射する。絞り部11は接眼レンズユニット22によって面18上に結像される。
【0042】
それぞれの絞り部11は、半導体レーザ13に組み入れることができる。半導体レーザ13は、半導体レーザ13のレーザ動作のための機能層が積層方向23に積層されて構成される。好ましくは、いわゆるVCSEL(垂直共振器面発光レーザ)として形成された半導体レーザ13の積層は、レーザ光16の伝搬方向に積層される。
【0043】
それぞれの絞り部11は、例えば酸化物絞りとしてその積層に組み入れられ、電流アパーチャ及び/又は光アパーチャとして機能する。さらに、絞り部11は、絞り状の絞り開口部を有する。絞り部11は、好ましくは、積層内の酸化構造として、積層の光子発生活性層の前方、後方又は内部に配置される。
【0044】
光学素子24は、積層に組み入れられた屈折レンズとして形成され、好ましくは積層の外面に成形される。代替的又は付加的に、レンズはフォトニックメタマテリアルを含むことができる。
【0045】
接眼レンズユニット22によって、拡散板14を有するレーザ装置10と比較して、被照射面上に絞り開口部がより鮮鋭に形成される。すなわち、接眼レンズユニット22を備えたレーザ装置10の場合の端領域20は、拡散板14を備えたレーザ装置10よりも狭い領域をカバーする。その結果、接眼レンズユニット22を備えたレーザ装置10によって照射される面18の中央面領域17の光強度15が、拡散板14を備えたレーザ装置10と同じである場合、光強度15が減少する勾配が大きくなる。
【0046】
図に示す光強度15の光強度曲線は、全く概略的なものである。好ましくは、光強度曲線は、いわゆるトップハット放射によって特徴付けられ、特に約60°の半値角19を伴って形成される。中央面領域17において、光強度曲線は、面18に沿って少なくともほぼ一定の光強度15を有する。端領域20は、中央面領域17を取り囲み、且つ全体的な強度最小値まで減少する光強度曲線の部分である。
【0047】
複数の半導体レーザ13のレーザ光円錐160を重畳すると、中央面領域17の光強度15が高まる。それによって、端領域20の勾配がさらに大きくなり、端領域20がさらにシャープに出現する。中央面領域17に沿った光強度15の均一性は、異なる接眼レンズユニット22のレーザ光円錐160の重畳によって高めることができる。そのために、絞り部11の結像は、好ましくは、精密に重なり合って投影される。
【0048】
好ましくは、複数の接眼レンズユニット22は、接眼レンズアセンブリ21における機能層の積層方向23に対して直交する方向に互いに隣接して配置される。接眼レンズユニット22の光学素子24は、好ましくは、半導体レーザ13を有する半導体レーザアセンブリ12に一体的に形成される。半導体レーザ13は、第1のウェハの一部分に形成されてもよい。光学素子24は、その第1のウェハの同じ部分に形成されてもよい。第1のウェハの同じ部分は、半導体レーザ13を形成する積層を含んでいてもよい。代替的には、光学素子24は、半導体レーザ13を有する、第1のウェハの部分に取り付けられる第2のウェハのさらなる部分に組み入れられてもよい。
【0049】
絞り部11は、絞り開口部のそれぞれの断面輪郭が積層方向23に対して垂直な絞り面内に配置されるように、仮定される絞り面内において互いに隣接して配置される。この場合、絞り部11は、同じ層に配置される、又は異なる層に配置され、積層方向23において同じ高さに配置される。代替的又は追加的に、絞り部11を、異なる高さに配置される層に配置することもできる。絞り部11は、絞り面に沿って延びる絞りアセンブリ26内に配置される。
【0050】
屈折レンズとして形成される光学素子24は、好ましくは、互いに異なる焦点28を有し得る。焦点28は、特にレンズの焦点距離によって特徴付けられる、いわゆる焦点とすることができる。図2においては、焦点28を通る光路が一点鎖線によって概略的に示されている。特に、各レンズは1つの焦点を有する。好ましくは、第1の焦点28は第1の焦点面30上に配置され、第2の焦点28は第1の焦点面30上に配置されなくてもよい。このために、第1の焦点及び第2の焦点28は、周期的に交互に第1の焦点面に沿って、第1の焦点面上に、或いその隣に位置され得る。特に、各第2の光学素子24の焦点28は、同じ焦点面上に位置することができる。焦点面上に位置しない焦点28は、特に、レーザ光16の伝搬方向に関して焦点面の前方及び/又は後方に交互に位置することができる。第2の焦点28は、第1の焦点面30に平行に配置された少なくとも1つの第2の焦点面上に位置することができる。
【0051】
アレイ状に配置された光学素子24は、好ましくはレンズアセンブリ25を形成するレンズである。レンズアセンブリ25は、レンズの光軸に対して垂直な配置面に位置している。
【0052】
更なる一実施形態においては、絞り面と焦点面30とは、少なくとも部分的に一致し得る。この場合、焦点28は絞り面上に位置し、好ましくは絞り部11の真上に、或いは絞り開口部内に直接位置する。また、焦点面30は、半導体レーザアセンブリ12の配置面上に位置することもできる。
【0053】
焦点28の様々な実施形態は、図4及び/又は図5の実施形態と組み合わせ得る。
【0054】
図3は、面18を照らす第1のレーザ光円錐161及び第2のレーザ光円錐162のレーザ光16の強度グラフを示し、第1のレーザ光円錐161の強度曲線151が実線で示され、第2のレーザ光円錐162の強度曲線152が破線で示されている。第1及び第2のレーザ光円錐161、162は、図4及び図5の例示的な実施形態に示されている。
【0055】
光強度15は、第1及び第2の強度曲線の中央面領域171、172において不均一である。それぞれの接眼レンズユニット22から出射するレーザ光16は、局所的な強度極値29を有し、この強度極値29は、好ましくは、第1及び第2の中央面領域171、172にわたって強度最大値及び最小値としてほぼ周期的に分布する。
【0056】
第1の強度曲線151の強度最大値291は、第2の強度曲線152の強度最小値292によって少なくとも部分的に補正することができる。これによって、それぞれの半導体レーザ13のレーザ光16の光強度15の不均一性の体系的な均等化が達成される。
【0057】
第1及び第2の強度曲線151、152が被照射面18に沿ってオフセットされている場合、第1及び第2のレーザ光円錐161、162の強度極値29は、互いに重畳されることができる。このために、第1及び第2の強度曲線151、152の基礎となるレーザ光16のレーザ光円錐は、光学素子24の光軸31に対して直交する方向の横軸に少なくともほぼ沿って、互いに対してオフセットされ得る。その横軸は、被照射面18にほぼ平行に配列される。光学素子24は光学素子24の光軸31内にほぼ対応し、それによって、第1のレーザ光円錐161の少なくとも1つの強度最大値291が第2のレーザ光円錐162の少なくとも1つの強度最小値192と重畳する。異なるレーザ光円錐161、162の強度最大値291及び強度最小値292の分布が同一である場合、強度最大値291と強度最小値192との重畳は、強度最大値又は強度最小値の幅の整数倍だけレーザ光円錐161、162を互いにオフセットさせるだけで達成することができる。特に、レーザ光円錐はそれぞれ、それぞれの強度曲線151、152の2つの最極端の強度最大値の間に被照射面18に沿って形成される距離の、全体の4分の1(ganzzahlige Viertel)の量だけオフセットすることができ、その際、その全体の4分の1を、強度最大値の総数から1を引いた数によって割る。
【0058】
第1及び第2の強度曲線151、152の強度極値29を互いにオフセットするために、例えば、図4及び図5のレーザ装置10を提供することができる。
【0059】
図4は、光学素子24が互いに異なる距離にあるレーザ装置10を示す。
【0060】
第1及び第2の強度曲線151、152の強度極値29の重畳を達成するために、接眼レンズアセンブリ21の接眼レンズユニット22を異なる構造にすることができる。一例として、第1の接眼レンズユニット221の、絞り部11と光学素子24との間の相対位置は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニット222のそれとは異なっていてもよい。
【0061】
絞り部11と光学素子24との間の相対位置は、基本的に、光軸31と絞り対称軸32との間の軸間距離33によって特徴付けられる。絞り対称軸32は、絞り面に対して垂直に配列されており、好ましくは回転対称軸である。光軸31は、光学素子24を伝搬するレーザ光16の光路の光軸として解することができる。
【0062】
光軸31と絞り対称軸32とは、互いに平行に配列されている。軸間距離は2つの軸間の距離である。軸間距離は軸に対して垂直に配列されている。
【0063】
図4の例示的な実施形態によれば、絞り部アセンブリの隣接する絞り部11のそれぞれの絞り対称軸32間の軸間距離は、絞り面の配置方向に沿って同一である。隣接する光学素子24の光軸31間の軸間距離34は同一ではない。この結果、接眼レンズユニット22の少なくとも一部において、絞り対称軸32が光軸31からオフセットされる。例えば、接眼レンズユニット22の別の一部において、絞り対称軸32がほぼ光軸31上に位置してもよい。
【0064】
例えば、少なくとも2つの直接隣接する第1の光軸311に対する少なくとも1つの第2の光軸312の軸間距離341、342は、異なり得る。
【0065】
軸間距離341、342の周期的な繰り返し構造の場合には、第1及び第2の光軸311、312間の各第2の軸間距離342は、配置方向に沿って同一の大きさであり得る。光軸311、312間の第2の軸間距離342は、その大きさ及び/又は配列に関して、第1の軸間距離341と異なる。配置方向に沿って、第1及び第2の軸間距離341、342は、大きさ及び/又は配列に関して規則的に交互になることができ、それによって、好ましくは、光軸311、312の配置方向に沿った第1及び第2の軸間距離341、342から成る周期的な構造が存在する。
【0066】
更なる例示的な一実施形態によれば、光軸31間の多数の第1の軸間距離と、場合によっては他の光軸31間の多数の第2の軸間距離とは、同一の大きさとすることができ、その場合、第1及び第2の軸間距離は周期的に繰り返す必要はない。ほぼ同数の軸間距離を有する、第1の軸間距離の少なくとも1つのグループと第2の軸間距離の少なくとも1つのグループがレーザ装置内に存在すれば、遠視野におけるレーザ光円錐の重畳には十分である。
【0067】
さらに、それぞれの接眼レンズユニット22の光軸31は、それぞれの接眼レンズユニット22に割り当てられた絞り対称軸32の異なった側に、光軸31に対して垂直方向である配置方向に沿ってオフセットされ得る。その結果、接眼レンズユニット22と関連する絞り対称軸32との間の軸間距離は、それぞれの軸間距離33の大きさが異なるだけでなく、光軸31に垂直な配置方向に関連する、軸間距離の配列に関しても異なる。
【0068】
特に、軸間距離33の大きさ及び/又は配列は、配置方向に沿って繰り返される。好ましくは、大きさ及び/又は配列は、配置方向に沿って第2の軸間距離332ごとに繰り返される。
【0069】
絞り対称軸32に対する光軸31のオフセットによって、好ましくは、配置面に対して垂直方向である光伝播方向からの、光伝播方向の偏向を達成することができる。光伝播方向の、垂直からの偏向は、図3に示すように、光強度曲線の近似的なオフセットをもたらす。
【0070】
図5は、光強度曲線のオフセットをもたらす更なる一実施形態を示す。図5の実施形態は、図4の実施形態と組み合わせることができる。
【0071】
レーザ装置10は、光学素子24のアレイ状のアセンブリを有し、その際、光軸31は、直接隣接する光軸31に対して好ましくは同一の軸間距離を有する。好ましくは、それぞれ、接眼レンズユニット22の絞り対称軸32は、接眼レンズユニット22に割り当てられる光軸31上に位置する。特に、絞り対称軸32は、直接隣接する絞り対称軸32に対して同一の軸間距離を有する。
【0072】
第1の接眼レンズユニット221のそれぞれの絞り部11の絞り部形状は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニット222の絞り部11の絞り部形状と異なる。
【0073】
少なくとも2つの直接隣接する絞り部11の絞り部形状は、絞り開口部の断面積及び/又は断面輪郭に関して異なり得る。断面積は、例えば、それぞれの絞り部11の主拡がり面に沿った、又は絞り面に沿った絞り部11、或いは絞り開口部の面積を含む。特に、断面積は、レーザ光16が絞り部11を通過する際に制限される絞り開口部を含み得る。
【0074】
絞り開口部の断面輪郭は、絞り開口部の端部によって提供される。例えば、断面輪郭は、少なくとも部分的に円形であり得、直線部又は角部を有することができる。さらに、断面輪郭は絞り部11ごとに変化し得るが、断面の面積は依然として同一であり得る。
【0075】
一例として、絞り部11の幅のような寸法は、第1の絞り部111から第2の絞り部112まで配置方向に沿って変化させることができる。この場合、第1の絞り部111は第2の絞り部112よりも大きくすることができ、その際、第2の絞り部112の幅は、第1の絞り部111の幅よりも、全体の半分(ganzzahlige Haelfte)だけ小さくすることができる。その際、その全体の半分を、強度最大値の総数によって割る。
【0076】
絞り部11から形成される絞りアセンブリにおいて、各第2の絞り部112は、絞り面に位置する配置方向に沿って同一に形成され得る。
【0077】
絞り部111、112の構成は、すべての第2の絞り部112ごとに、断面積及び/又は断面輪郭に関して繰り返され、それによって、2つの異なる絞り部111、112が絞りアセンブリ26に含まれることとなる。その際、異なる絞り部111、112は、絞り面の少なくとも1つの配置方向に沿って周期的に交互に配置される。好ましくは、異なる絞り部111、112は、第1及び第2の配置方向に沿って配置され得る。
【0078】
さらなる実施形態においては、第1のグループは、第2のグループが第2の絞り部を有するのと同じ数の第1の絞り部を有し得る。それによって生成されるレーザ光円錐のオフセットは、遠視野における重畳を生成する。
【符号の説明】
【0079】
10 レーザ装置
11 絞り部
111 第1の絞り部
112 第2の絞り部
12 半導体レーザアセンブリ
13 半導体レーザ
14 拡散板
15 光強度
151 第1の強度曲線
152 第2の強度曲線
16 レーザ光
160 レーザ光円錐
161 第1のレーザ光円錐
162 第2のレーザ光円錐
17 面領域
171 中央面領域
172 中央面領域
18 被照射面
19 半値角
20 端領域
21 接眼レンズアセンブリ
22 接眼レンズユニット
221 第1の接眼レンズユニット
222 第2の接眼レンズユニット
23 積層方向
24 光学素子
25 レンズアセンブリ
26 絞りアセンブリ
28 焦点
29 強度極値
291 強度最大値
292 強度最小値
30 焦点面
31 光軸
311 第1の光軸
312 第2の光軸
32 絞り対称軸
33 軸間距離
331 第1の軸間距離
332 第2の軸間距離
34 軸間距離
341 第1の軸間距離
342 第2の軸間距離
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ装置(10)であって、
複数の半導体レーザ(13)を有する半導体レーザアセンブリ(12)と、
半導体レーザ(13)の絞り部(11)と光学素子(24)とをそれぞれ有する複数の接眼レンズユニット(22)を含む接眼レンズアセンブリ(21)と、を備え、
それぞれの前記半導体レーザ(13)に個別の接眼レンズユニット(22)が割り当てられており、それによって、それぞれの前記半導体レーザ(13)から放射され、前記絞り部(11)によって制限されたレーザ光(16)が、それぞれ割り当てられた接眼レンズユニット(22)の前記光学素子(24)を介して伝搬し、
第1の接眼レンズユニット(221)の前記光学素子(24)に対する前記絞り部(11)の相対位置は、少なくとも1つの第2の接眼レンズユニット(222)の前記光学素子(24)に対する前記絞り部(11)の相対位置とは異なり、及び/又は、
前記第1の接眼レンズユニット(221)の前記絞り部(11)の絞り部形状は、少なくとも1つの前記第2の接眼レンズユニット(222)の前記絞り部(11)の絞り部形状とは異なる、レーザ装置(10)。
【請求項2】
前記絞り部(11)は絞り対称軸(32)を有し、前記光学素子(24)は光軸(31)を有し、
前記絞り対称軸(32)と接眼レンズユニット(22)の前記光軸(31)とは、互いに重なる、又は、相対的に互いに軸間距離(33)を有して、ほぼ平行に互いに位置付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ装置(10)。
【請求項3】
異なる接眼レンズユニット(22)の光学素子(24)の光軸(31)は、ほぼ平行に互いに配列されており、
第1の光軸(311)と2つの直接隣接する第2の光軸(312)との軸間距離(341、342)は、異なる大きさであり、及び/又は、異なって配列されていることを特徴とする、請求項2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項4】
前記光軸(31;311、312)は、前記光学素子(24)の配置面に対して垂直に配列されており、
少なくとも1つの配置方向に沿ったそれぞれの第1及び第2の光軸(311、312)間の第1の軸間距離(341)及び第2の軸間距離(342)は、異なる大きさであり、及び/又は、異なって配列されており、
好ましくは、同一数の第1及び第2の軸間距離(341、342)が存在することを特徴とする、請求項2又は3に記載のレーザ装置(10)。
【請求項5】
前記光学素子(24)は、好ましくは一体型レンズアセンブリ(25)として形成されるアレイアセンブリ内に配置され、
第1の光軸(311)から直接隣接する第2の光軸(312)までの間の軸間距離(341、342)が、前記アレイアセンブリに沿って周期的に繰り返され、
好ましくは、第1の光軸(311)と第2の光軸(312)との間の各第2の軸間距離(342)は、少なくとも1つの配置方向に沿って同一の大きさである、及び/又は、同一に配列されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項6】
隣接する接眼レンズユニット(22)の絞り部(11)の絞り対称軸(32)間の軸間距離は、異なる大きさである、及び/又は、異なって配列されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項7】
各半導体レーザ(13)は、レーザ動作のために機能する層からなる積層を有し、
それぞれの前記絞り部(11)は、前記積層内に組み入れられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項8】
第1及び第2の絞り部(11)は、絞り対称軸(32)が垂直に配列される絞りアセンブリ(26)において想定上の絞り面に沿って配列され、
第1及び第2の絞り部の数は、好ましくは等しいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項9】
前記第1及び第2の絞り部は、絞り開口部の絞り部形状の断面積及び/又は断面輪郭に関して異なることを特徴とする、請求項8に記載のレーザ装置(10)。
【請求項10】
前記光学素子(24)は、屈折レンズとして形成されており、その屈折レンズは、それぞれ異なって位置付けられた焦点(28)、及び、特に異なる焦点距離を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項11】
同数の焦点(28)が焦点面(30)の中に及び外に位置し、
好ましくは、各第2の光学素子(24)は同一の焦点面(30)に位置することを特徴とする、請求項10に記載のレーザ装置(10)。
【請求項12】
絞り面は、少なくとも部分的に前記焦点面(30)と一致することを特徴とする、請求項11に記載のレーザ装置(10)。
【請求項13】
前記半導体レーザ(13)は、垂直共振器を有する面発光体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項14】
接眼レンズユニット(22)から出射する第1のレーザ光円錐(161)は、特に局所的な強度極値(29)を有し、その強度極値は、少なくとも1つの他の接眼レンズユニット(22)の第2のレーザ光円錐(162)の対応する強度極値(29)によって少なくとも部分的に補償可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ装置(10)。
【請求項15】
前記異なるレーザ光円錐(161、162)の前記強度極値(29)は、前記光学素子(24)の光軸に対して直交する方向に配列された横軸に沿って互いに相対的にオフセットされており、それによって、前記第1のレーザ光円錐(161)の少なくとも1つの強度最大値(291)が、前記第2のレーザ光円錐(162)の少なくとも1つの強度最小値(292)と重畳することを特徴とする、請求項14に記載のレーザ装置(10)。
【国際調査報告】