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▶ アビオメド インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】電気及び流体ケーブル
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/135 20210101AFI20241010BHJP
   A61M 60/81 20210101ALI20241010BHJP
   A61M 60/827 20210101ALI20241010BHJP
   A61M 60/855 20210101ALI20241010BHJP
   A61M 60/216 20210101ALN20241010BHJP
【FI】
A61M60/135
A61M60/81
A61M60/827
A61M60/855
A61M60/216
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525763
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 US2022048588
(87)【国際公開番号】W WO2023081155
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/274,829
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/275,278
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バズダネス,クリストファー セオドア
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ロイ,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ジャハーンギル,エミリア
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077CC01
4C077DD30
4C077KK21
4C077KK30
4C077PP07
(57)【要約】
第1のルーメンを規定する第1のチューブ状本体と、第1のルーメン内に配置され、第1のルーメンの長さの少なくとも一部分に沿って延在するチューブ状パージ本体であって、流体を移送するように配置されたパージルーメンを規定するチューブ状パージ本体と、第1のルーメン内に配置された少なくとも1つのチューブ状電線本体であって、各チューブ状電線本体は、1本以上の電線を受け入れるための電線ルーメンを規定する、チューブ状電線本体とを含む、ケーブル。ケーブルはまた、1つ以上のオーバーモールド及び1つ以上のケースを含み得る。ケーブルは、医療機器用のハンドルとコントローラとの間に動作可能に接続され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラに血液ポンプを動作可能に接続するように配置されたケーブルであって:
遠位端部及び近位端部を有する第1のチューブ状本体であって、第1のルーメンを規定する第1のチューブ状本体と、
前記第1のルーメン内に配置され、前記第1のルーメンの長さの少なくとも一部分に沿って延在するチューブ状パージ本体であって、流体を移送させるように配置されたパージルーメンを規定する、チューブ状パージ本体と;
前記第1のルーメン内に配置された少なくとも1つのチューブ状電線本体であって、各チューブ状電線本体は、1本以上の電線を受け入れるための電線ルーメンを規定する少なくとも1つのチューブ状電線本体と
を含む、ケーブル。
【請求項2】
前記第1のチューブ状本体は複数の層を含む、請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
前記複数の層は内側バインダー層及び外側ジャケットを含む、請求項2に記載のケーブル。
【請求項4】
前記第1のチューブ状本体の前記内側バインダー層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み、前記第1のチューブ状本体の前記外側ジャケットは熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項3に記載のケーブル。
【請求項5】
さらに、前記第1のルーメン内にフィラーを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項6】
前記フィラーは、前記チューブ状パージ本体及び前記チューブ状電線本体の少なくとも一部分の周りに配置される、請求項5に記載のケーブル。
【請求項7】
前記フィラーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項5又は6に記載のケーブル。
【請求項8】
前記チューブ状パージ本体は複数の層を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項9】
前記チューブ状パージ本体は内側バインダー層及び外側ジャケットを含む、請求項8に記載のケーブル。
【請求項10】
前記チューブ状パージ本体の前記内側バインダー層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み、前記チューブ状パージ本体の前記外側ジャケットは熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項9に記載のケーブル。
【請求項11】
前記チューブ状パージ本体の近位部分は入力コネクタに動作可能に接続され、前記入力コネクタは流体源に無菌取付け部を提供するように構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項12】
前記流体源は、前記入力コネクタから取り外し自在に取り付け可能である、請求項11に記載のケーブル。
【請求項13】
前記チューブ状パージ本体の前記近位部分は、前記入力コネクタを含む蓄圧設定(PSS)アセンブリに接続される、請求項11又は12に記載のケーブル。
【請求項14】
前記第1のチューブ状本体は、前記第1のチューブ状本体の内面まで延在する第1の開口部を規定する外面を含み、前記内面は前記第1のルーメンを規定し、前記チューブ状パージ本体は、前記第1の開口部中を通って前記第1のルーメンに入るように構成される、請求項1~13のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項15】
前記チューブ状パージ本体は、前記第1のルーメン中を通って、前記第1のチューブ状本体の前記遠位端部から前記第1のチューブ状本体の前記近位端部まで延在するように構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項16】
前記少なくとも1つのチューブ状電線本体は、モータと電気通信する少なくとも1本の電線を受け入れるように構成される、請求項1~15のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項17】
前記少なくとも1つのチューブ状電線本体は、第1のチューブ状電線本体及び第2のチューブ状電線本体を含む複数のチューブ状電線本体を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項18】
前記第2のチューブ状電線本体中を通って延在する少なくとも1本の電線は、センサーと電気通信する、請求項17に記載のケーブル。
【請求項19】
前記第1のチューブ状電線本体内のいくつかの電線は、前記第2のチューブ状電線本体内のいくつかの電線とは異なる、請求項17又は18に記載のケーブル。
【請求項20】
前記第1のチューブ状電線本体内の電線の本数は2~4本であり、前記第2のチューブ状電線本体内の電線の本数は3~5本である、請求項19に記載のケーブル。
【請求項21】
複数本の電線は、前記少なくとも1つのチューブ状電線本体のうちの1つ以上の前記電線ルーメン中を通って延在する、請求項1~20のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項22】
複数本の電線は、各電線ルーメン中を通って延在する、請求項1~21のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項23】
前記1本以上の電線のそれぞれは銅を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項24】
フィラーは、少なくとも1本の電線の少なくとも一部分の周りに配置される、請求項1~23のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項25】
さらに、前記第1のルーメン内にチューブ状光ファイバ本体を含み、前記チューブ状光ファイバ本体は光ファイバルーメンを規定する、請求項1~24のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項26】
前記チューブ状光ファイバ本体はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項25に記載のケーブル。
【請求項27】
前記ケーブルはハンドルからコントローラまで延在する、請求項1~26のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項28】
前記コントローラは、前記パージルーメンを流れる流体を制御し、前記光ファイバルーメン内に摺動自在に位置決めされる光ファイバを介して光データを受信し、及び少なくとも1本の電線を介してモータを制御するように構成される、請求項27に記載のケーブル。
【請求項29】
さらに、第1のオーバーモールドを含み、前記第1のオーバーモールドは、第1のチューブ状本体の外面から前記第1のチューブ状本体の内面まで延在する規定された開口部の遠位の位置で、前記第1のチューブ状本体の一部分に接続され、及び前記規定された開口部の近位の位置で、前記チューブ状パージ本体及び前記第1のチューブ状本体の双方の一部分に接続される、請求項1~28のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項30】
さらに第2のオーバーモールドを含み、前記第2のオーバーモールドは、前記第1のオーバーモールドから近位の位置で、前記第1のチューブ状本体の一部分に接続される、請求項29に記載のケーブル。
【請求項31】
さらに、前記第1のオーバーモールドの近位の前記第1のチューブ状本体の少なくとも一部分を囲むように構成されたケースを含み、前記ケースは、前記第1のオーバーモールドに接続して、前記ケースによって囲まれる任意の構成要素がひねられたり、引き離されたり、又は押し開かれたりされることができないように構成される、請求項29又は30に記載のケーブル。
【請求項32】
前記ケースは2部品ケースである、請求項31に記載のケーブル。
【請求項33】
前記2部品ケースの各部品はポリカーボネートを含む、請求項32に記載のケーブル。
【請求項34】
前記2部品ケースの第1の部品は、前記第2の部品にある1つ以上のピンを前記第1の部品にある対応する突起に挿入することによって、及び前記第2の部品の内側面にある1つ以上の凸部が前記第1の部品の外面にある複数の窪みとのインターフェースを取ることによって、前記2部品ケースの第2の部品に接続するように構成される、請求項32又は33に記載のケーブル。
【請求項35】
前記ケースは、第1のオーバーモールドを囲む出力ポートと、第2のオーバーモールドから遠位且つ前記第1のオーバーモールドの近位にある前記第1のチューブ状本体用の入力ポートと、入力コネクタを通して流体源が前記チューブ状パージ本体に動作可能に接続することができるようにする入力ポートとを規定する、請求項31~34のいずれか1項に記載のケーブル。
【請求項36】
コントローラと;
ポンプと;
請求項1~35のいずれか1項に記載のケーブルであって、前記ポンプを前記コントローラに動作可能に接続するケーブルと
を含む、システム。
【請求項37】
前記ケーブルはハンドルから前記コントローラまで延在する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
第1のルーメンを規定する第1のチューブ状本体用のオーバーモールドであって、前記第1のチューブ状本体は、前記第1のルーメン内に第2のチューブ状本体を有し、前記第2のチューブ状本体は第2のルーメンを規定し、前記第2のチューブ状本体は、前記第1のチューブ状本体の外面によって規定された開口部中を通って前記第1のルーメンに入るように構成され、前記開口部は前記第1のルーメンまで延在し、前記オーバーモールドは:
前記規定された開口部の遠位の位置で、前記第1のチューブ状本体の一部分に接続された遠位部分と;
前記規定された開口部の近位の位置で、前記第1のチューブ状本体及び前記第2のチューブ状本体の双方の一部分に接続された近位部分であって、前記近位部分はケースに接続して、前記ケースが前記オーバーモールドからひねったり、押し開いたり、又は引き離したりできないように構成される、近位部分と
を含む、オーバーモールド。
【請求項39】
前記ケースは、第1の部品及び第2の部品を含む2部品ケースであり、前記第1の部品は前記オーバーモールドの第1の部分と接触し、及び前記第2の部品は前記オーバーモールドの第2の部分と接触する、請求項38に記載のオーバーモールド。
【請求項40】
前記第1のチューブ状本体は複数の層を含む、請求項38又は39に記載のオーバーモールド。
【請求項41】
前記複数の層は内側バインダー層及び外側ジャケットを含む、請求項40に記載のオーバーモールド。
【請求項42】
前記第1のチューブ状本体の前記内側バインダー層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み、前記第1のチューブ状本体の前記外側ジャケットは熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項41に記載のオーバーモールド。
【請求項43】
さらに、前記第1のルーメン内にフィラーを含む、請求項38~42のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項44】
前記フィラーは、前記第2のチューブ状本体の少なくとも一部分の周りに配置され、少なくとも1つの追加的なチューブ状本体は、前記第1のルーメンの少なくとも一部分中を通って延在する、請求項43に記載のオーバーモールド。
【請求項45】
前記フィラーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項43又は44に記載のオーバーモールド。
【請求項46】
前記第2のチューブ状本体は複数の層を含む、請求項38~45のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項47】
前記第2のチューブ状本体は内側バインダー層及び外側ジャケットを含む、請求項46に記載のオーバーモールド。
【請求項48】
前記第2のチューブ状本体の前記内側バインダー層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み、前記第2のチューブ状本体の前記外側ジャケットは熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項47に記載のオーバーモールド。
【請求項49】
前記第2のチューブ状本体の近位部分は入力コネクタに動作可能に接続され、前記入力コネクタは、流体源に無菌取付け部を提供するように構成される、請求項38~48のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項50】
前記流体源は、前記入力コネクタから取り外し自在に取り付け可能である、請求項49に記載のオーバーモールド。
【請求項51】
前記第2のチューブ状本体の前記近位部分は、前記入力コネクタを含む生理食塩水(PSS)アセンブリに接続される、請求項49又は50に記載のオーバーモールド。
【請求項52】
さらに、前記第1のルーメン中を通って近位端部から遠位端部まで延在する少なくとも1つの追加的なチューブ状本体を含み、追加的な各チューブ状本体はルーメンを規定する、請求項38~51のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項53】
前記少なくとも1つの追加的なチューブ状本体は、第1の追加的なルーメンを規定する第1の追加的なチューブ状本体と、第2の追加的なルーメンを規定する第2の追加的なチューブ状本体とを含む、複数の追加的なチューブ状本体を含む、請求項52に記載のオーバーモールド。
【請求項54】
前記第1の追加的なチューブ状本体内のいくつかの電線は、前記第2の追加的なチューブ状本体内のいくつかの電線とは異なる、請求項53に記載のオーバーモールド。
【請求項55】
前記第1の追加的なチューブ状本体内の電線の本数は2~4本であり、前記第2の追加的なチューブ状本体内の電線の本数は3~5本である、請求項54に記載のオーバーモールド。
【請求項56】
少なくとも1本の電線は、前記少なくとも1つの追加的なチューブ状本体のうちの1つ以上の中を通って延在する、請求項52又は53に記載のオーバーモールド。
【請求項57】
少なくとも1本の電線は、センサーと電気通信する前記少なくとも1つの追加的なチューブ状本体のうちの1つ以上の中を通って延在する、請求項56に記載のオーバーモールド。
【請求項58】
複数本の電線は、前記少なくとも1つの追加的なチューブ状本体のうちの1つの中を通って延在する、請求項52~57のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項59】
複数本の電線は、追加的な各チューブ状本体中を通って延在する、請求項58に記載のオーバーモールド。
【請求項60】
各電線は銅を含む、請求項56~59のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項61】
前記少なくとも1つの追加的なチューブ状本体は、光ファイバを摺動自在に受け入れるように構成される光ファイバルーメンを規定するチューブ状光ファイバ本体を含む、請求項52~60のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項62】
前記第1のチューブ状本体はハンドルからコントローラまで延在し、前記オーバーモールドは前記ハンドルと前記コントローラとの間に位置決めされる、請求項38~61のいずれか1項に記載のオーバーモールド。
【請求項63】
前記コントローラは、パージルーメンを流れる流体を制御し、前記光ファイバルーメン内に摺動自在に位置決めされる光ファイバを介して光データを受信し、及び少なくとも1本の電線を介してモータを制御するように構成される、請求項62に記載のオーバーモールド。
【請求項64】
PSSアセンブリを含み且つオーバーモールドをクランプするように構成された2部品ケースであって、前記オーバーモールドは、第1のチューブ状本体と第2のチューブ状本体の一部分を囲み、前記第2のチューブ状本体は前記PSSアセンブリに接続され、前記2部品ケースは:
ピン、突起、又はそれらの組み合わせ、及び前記第1の部品の外面にある複数の凹部のいずれかを含む第1の部品と;
ピン、突起、又はそれらの組み合わせ、及び前記第2の部品の内面にある少なくとも1つの凸部を含む第2の部品と
を含み、
各ピンや突起は、対向する部品にある突起やピンとそれぞれ位置合わせするように構成され、前記少なくとも1つの凸部は各凹部と相互作用して、前記第1の部品と前記第2の部品が引き離されることができないようにするように構成される、2部品ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年11月2日出願の米国仮特許出願第63/274,829号、及び2021年11月3日出願の同第63/275,278号の優先権を主張し、それらの全体を参照することに本書に援用する。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、例えば患者の血管内の流れを支援するために使用される血管内血液ポンプまで、電気配線及び流体の双方が安全にしっかりとケーブルを通過できるようにするように構成されたケーブルに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 現代の医療、例えば心臓血管疾患の治療は、多数の医療機器、流体ラインなどの使用を含み得る。これらの流体ラインは、例えば、患者に必要な流体をもたらしたり、患者から流体(例えば血液)を取り除いたり若しくは再循環させたり、又は医療機器によって必要とされる流体、例えばパージ流体を提供したりし得る。例えば、いくつかの血液ポンプにおいて、パージ流体は、血液がポンプ機構に入らないようにして、ポンプ機構への血液及び/又は生物学的沈着物(bio-deposit)の蓄積の影響を軽減するように、展開され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] 本開示の第1の態様によれば、ケーブルが、血液ポンプをコントローラに動作可能に接続するように配置され得、ここでケーブルは、第1のルーメンを規定する第1のチューブ状本体と、第1のルーメン内に配置され、第1のルーメンの長さの少なくとも一部分に沿って延在するチューブ状パージ本体であって、流体を移送するように配置されたパージルーメンを規定するチューブ状パージ本体と、第1のルーメン内に配置された少なくとも1つのチューブ状電線本体であって、各チューブ状電線本体は、1本以上の電線を受け入れるための電線ルーメンを規定する、チューブ状電線本体とを含み得る。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体は、複数の層、例えば内側バインダー層及び外側ジャケットを含み得る。いくつかの実施形態において、内側バインダー層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得、外側ジャケットは、熱可塑性ポリウレタンを含み得るか又はそれからなり得、又はそれらの組み合わせとしてもよい。フィラーは、第1のルーメン内に存在し得、チューブ状パージ本体とチューブ状電線本体の少なくとも一部分の周りに配置され得る。いくつかの実施形態において、フィラーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むか又はそれからなる。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体は、複数の層、例えば内側バインダー層及び外側ジャケットを含み得る。いくつかの実施形態において、内側バインダー層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得るか、外側ジャケットは、熱可塑性ポリウレタンを含み得るか又はそれからなり得るか、又はそれらの組み合わせとし得る。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体の近位部分は、入力コネクタに動作可能に接続され得、ここで、入力コネクタは、流体源への無菌取付け部を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、流体源は、入力コネクタから取り外し自在に取り付け可能とし得る。いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体の近位部分は、入力コネクタを含み得るか又はそれに動作可能に接続され得る圧力貯蔵設定(PSS)アセンブリ接続され得る。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体は、第1のルーメン中を通って、第1のチューブ状本体の遠位端部から第1のチューブ状本体の近位端部まで延在するように構成され得る。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体にある開口部は、チューブ状パージ本体が中間位置で第1のチューブ状本体の側壁を通過できるようにするように作られ得る。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体は、第1の開口部を規定する外面を含み得、第1の開口部は、側壁を通って第1のチューブ状本体の内面まで延在し、内面は第1のルーメンを規定し、チューブ状パージ本体は、第1の開口部中を通って第1のルーメンに入るように構成される。
【0009】
[0009] 内部ケーブル機構の様々な形態が用いられ得る。いくつかの実施形態において、複数のチューブ状電線本体は、第1のチューブ状電線本体及び第2のチューブ状電線本体を含め、存在し得る。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状電線本体は、モータと電気通信する少なくとも1本の電線を受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態において、複数本の電線は、少なくとも1つのチューブ状電線本体のうちの1つ以上の電線ルーメン中を通って延在し得る。いくつかの実施形態において、複数本の電線は、各電線ルーメン中を通って延在し得る。いくつかの実施形態において、第2のチューブ状電線本体中を通って延在する少なくとも1本の電線は、センサーと電気通信し得る。いくつかの実施形態において、全ての電線は、単一のチューブ状電線本体内にある。いくつかの実施形態において、各チューブ状電線本体は同じ本数の電線を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状電線本体内のいくつかの電線は、第2のチューブ状電線本体内のいくつかの電線とは異なってもよい。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状電線本体は2~4本の電線を含み、第2のチューブ状電線本体は3~5本の電線を含む。いくつかの実施形態において、電線の1本以上は銅を含み得る。いくつかの実施形態において、各電線は銅を含み得る。いくつかの実施形態において、各電線は、電気絶縁シースによって囲まれた銅を含み得るか又はそれからなり得る。いくつかの実施形態において、フィラーは、少なくとも1本の電線の少なくとも一部分の周りに配置され得る。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態において、ケーブルはまた、第1のルーメン内にチューブ状光ファイバ本体を含み得、ここで、チューブ状光ファイバ本体は光ファイバルーメンを規定する。いくつかの実施形態において、チューブ状光ファイバ本体は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得る。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態において、ケーブルはコントローラからハンドル(例えば、挿入可能又は移植可能な医療機器を制御するためのハンドル)まで延在し得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、ケーブル中を通って延在するパージルーメンを流れる流体を制御し、光ファイバルーメン内に摺動自在に位置決めされる光ファイバを介して光データを受信し、及び少なくとも1本の電線を介してモータを制御するように構成される。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、ケーブルはまた、第1のチューブ状本体の外面によって規定された開口部の遠位の位置で、第1のチューブ状本体の一部分に接続される第1のオーバーモールドを含み得、開口部は、第1のルーメンまで延在して、規定された開口部の近位の位置で、第1のチューブ状本体および第2のチューブ状本体の双方の一部分に接続される。いくつかの実施形態において、ケーブルはまた、第2のオーバーモールドを含み得、第2のオーバーモールドは、第1のオーバーモールドから近位の位置で、第1のチューブ状本体の一部分に接続される。
【0013】
[0013] ケーブルはまた、第1のオーバーモールドの近位にある第1のチューブ状本体の少なくとも一部分を囲むように構成されたケースを含み得、ケースは、第1のオーバーモールドに接続して、ケースによって囲まれるいずれの構成要素もひねられたり、引き離されたり、又は押し開かれたりすることができないように構成され得る。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態において、ケースは、ポリカーボネートを含み得るか又はそれからなり得る2部品ケースとし得る。いくつかの実施形態において、2部品ケースの第1の部品(例えば、第1の本体)は、第1の部品にある1つ以上のピンを第2の部品にある対応する突起に挿入することによって、及び第1の部品の内側面にある1つ以上の凸部を2部品ケースの第2の部品(例えば、第2の本体)にある外面にある複数の窪みとのインターフェースを取ることによって、第2の部品に接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ケースは、第1のオーバーモールドを囲む第1のポートと、第2のオーバーモールドから遠位及び第1のオーバーモールドから近位の第1のチューブ状本体用の第2のポートと、入力コネクタによって流体源がチューブ状パージ本体に動作可能に接続することができるようにする第3のポートとを規定するように構成され得る。
【0015】
[0015] 本開示の第2の態様によれば、システムは、前述したようなコントローラ、ポンプ、及びケーブルを含み得、ここで、ケーブルはポンプをコントローラに動作可能に接続する。いくつかの実施形態において、ケーブルはハンドルからコントローラまで延在し得る。
【0016】
[0016] 本開示の第3の態様によれば、オーバーモールドは、第1のルーメンを規定する第1のチューブ状本体のために提供され得、第1のチューブ状本体は、第1のルーメン内に第2のチューブ状本体を有し、第2のチューブ状本体は第2のルーメンを規定し、第2のチューブ状本体は、第1のチューブ状本体の外面によって規定されて第1のルーメンまで延在する開口部中を通って第1のルーメンに入るように構成される。オーバーモールドは、規定された開口部の遠位の位置にある第1のチューブ状本体の一部分に接続された遠位部分と、規定された開口部の近位の位置にある第1のチューブ状本体及び第2のチューブ状本体の双方の一部分に接続された近位部分とを含み得、ここで、近位部分はケースに接続して、ケースがオーバーモールドからひねったり、押し開いたり、又は引き離したりすることができるようにするように構成される。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態において、ケースは、第1の部品及び第2の部品を含む2部品ケースとし得、ここで、第1の部品はオーバーモールドの第1の部分と接触し、第2の部品はオーバーモールドの第2の部分と接触する。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体は、複数の層、例えば内側バインダー層及び外側ジャケットを含み得る。いくつかの実施形態において、内側バインダー層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得るか、外側ジャケットは、熱可塑性ポリウレタンを含み得るか又はそれからなり得るか、又はそれらの組み合わせとし得る。フィラーは、第1のルーメン内に存在し得、第2のチューブ状本体と第1のルーメンの少なくとも一部分中を通って延在する少なくとも1つの追加的なチューブ状本体の少なくとも一部分の周りに配置され得る。いくつかの実施形態において、フィラーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むか又はそれからなる。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態において、第2のチューブ状本体は、複数の層、例えば内側バインダー層及び外側ジャケットを含み得る。いくつかの実施形態において、内側バインダー層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得るか、外側ジャケットは、熱可塑性ポリウレタンを含み得るか又はそれからなり得るか、又はそれらの組み合わせとし得る。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態において、第2のチューブ状本体の近位部分は、入力コネクタに動作可能に接続され得、ここで、入力コネクタは、流体源に無菌取付け部を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、流体源は、入力コネクタから取り外し自在に取り付け可能とし得る。いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体の近位部分は、入力コネクタを含み得るか又はそれに動作可能に接続され得る生理食塩水(PSS)アセンブリに接続され得る。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加的なチューブ状本体は、第1のルーメン中を通って近位端部から遠位端部まで延在し得、追加的な各チューブ状本体はルーメンを規定する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加的なチューブ状本体は、第1の追加的なルーメンを規定する第1の追加的なチューブ状本体、及び第2の追加的なルーメンを規定する第2の追加的なチューブ状本体を含め、複数の追加的なチューブ状本体を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1本の電線は、少なくとも追加的なチューブ状本体のうちの1つ以上の中を通って延在し得る。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態において、1本以上の電線がモータと電気通信し得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1本の電線は、第2の追加的なチューブ状本体中を通って延在し得、それらの電線のうちの1本以上は、センサーと電気通信し得る。
【0023】
[0023] いくつかの実施形態において、第1及び第2の追加的なチューブ状本体は、同じ本数の電線を受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態において、第1の追加的なチューブ状本体内の電線の数は、第2の追加的なチューブ状本体内のいくつかの電線の数と異なってもよい。いくつかの実施形態において、第1の追加的なチューブ状本体内の電線の本数は2~4本とし得、第2の追加的なチューブ状本体内の電線の本数は3~5本とし得る。いくつかの実施形態において、複数本の電線は、少なくとも1つの追加的なチューブ状本体のうちの1つの中を通って延在し得る。いくつかの実施形態において、複数本の電線は、追加的な各チューブ状本体中を通って延在し得る。いくつかの実施形態において、電線のうちの1本以上は銅を含み得る。いくつかの実施形態において、各電線は銅を含み得る。いくつかの実施形態において、各電線は、電気絶縁シースによって囲まれた銅を含み得るか又はそれからなり得る。いくつかの実施形態において、フィラーは、少なくとも1本の電線の少なくとも一部分の周りに配置され得る。
【0024】
[0024] いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加的なチューブ状本体は、光ファイバを摺動自在に受け入れるように構成される光ファイバルーメンを規定するチューブ状光ファイバ本体を含み得る。いくつかの実施形態において、光ファイバルーメンは、複数本の光ファイバを摺動自在に受け入れるように構成される。
【0025】
[0025] いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体は、ハンドルから近位に延在し得る。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体はハンドルからコントローラまで延在し得、ここで、オーバーモールドは、ハンドルとコントローラとの間に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、パージルーメンを流れる流体を制御し、光ファイバルーメン内に摺動自在に位置決めされる光ファイバを介して光データを受信し、及び少なくとも1本の電線を介してモータを制御するように構成され得る。
【0026】
[0026] 本開示の第4の態様によれば、ケース、例えば2部品ケースは、PSSアセンブリを含み、オーバーモールドの周りでクランプするように構成され得、ここで、オーバーモールドは、第1のチューブ状本体と第2のチューブ状本体の一部分を囲み、第2のチューブ状本体はPSSアセンブリに接続されている。いくつかの実施形態において、ケースは、PSSを化学的及び/又は機械的に保護するように配置され得る。例えば、いくつかの実施形態において、ケースは、PSSとのユーザインタラクションを容易にし得る。
【0027】
[0027] いくつかの実施形態において、ケースは2つの本体を含み得、それらは互いに係合するように配置される。例えば、2部品ケースの第1の本体は、ピン、突起、又はそれらの組み合わせ、及び第1の部品の内面に少なくとも1つの凸部を含み得る。そのような例では、2部品ケースの第2の本体は、第1の本体と係合するためのピン、突起、又はそれらの組み合わせ、及び第2の本体の外面に複数の凹部を含み得る。各ピンや突起は、対向する部品にある突起やピンのそれぞれと位置合わせするように構成され、少なくとも1つの凸部は各凹部と相互作用して、2つの部品が引き離されることができないように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図面の簡単な説明
図1】[0028]従来技術のシステムの一実施形態の図である。
図2A】[0029]システム内の開示のケーブルの一実施形態の図である。
図2B】[0030]システム内の開示のケーブルの追加的な実施形態の図である。
図3A】[0031]開示のケーブルの一実施形態の断面図である。
図3B】[0031]開示のケーブルの一実施形態の断面図である。
図3C】[0031]開示のケーブルの一実施形態の断面図である。
図3D】[0031]開示のケーブルの一実施形態の断面図である。
図3E】[0031]開示のケーブルの一実施形態の断面図である。
図4A】[0032]第1のオーバーモールドの一実施形態の側面の断面図である。
図4B】[0033]第1及び第2のオーバーモールドの一実施形態の側面の断面図である。
図5A】[0034]ケーブル、オーバーモールド、及びケースの一実施形態の図である。
図5B】[0035]2部品ケースの第1の部品の一実施形態の図である。
図5C】[0036]2部品ケースの第2の部品の一実施形態の図である。
図5D】[0037]2部品ケースの第1の部品と第2の部品との間のスナップフィット接続部の一実施形態の断面図である。
図6】[0038]ケーブル、オーバーモールド、及びケースの一実施形態の分解図である。
図7】[0039]ケーブル及びケースの一実施形態の分解図である。
図8】[0040]ケーブル、オーバーモールド、及びケースの一実施形態の分解図である。
図9】[0041]ケーブル及びケースの一実施形態の分解図である。
図10】[0042]ケーブル、及びケースの一実施形態の分解図である。
図11A】[0043]ケーブル及びケースの一実施形態の分解図である。
図11B】[0043]ケーブル及びケースの一実施形態の分解図である。
図12】[0044]一実施形態によるケースの斜視図である。
図13A】[0045]ケースの一実施形態の図である。
図13B】[0045]ケースの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
[0046] 本開示の実施形態は図面を参照して詳細に説明され、図面では、同様の参照符号は、同様又は同一の要素を特定する。開示した実施形態は本開示の例にすぎず、これは、様々な形で供され得ることを理解されたい。本開示を不要な詳細で曖昧にするのを回避するために、周知の機能又は構成については詳細に説明しない。それゆえ、本明細書で開示する特定の構造及び機能の詳細は、限定ではなく、単に、特許請求の範囲の根拠として、及び当業者に、実質的に任意の適切に詳細な構造において本開示を様々に用いるために教示するための代表的な根拠として、解釈される。
【0030】
[0047] 異なるタイプの血液ポンプ、例えば軸流血液ポンプ、遠心血液ポンプ、又は血流が軸方向力及び半径方向力の双方によって引き起こされる混合型の血液ポンプが知られている。血液ポンプのそのような1つの例は、Abiomed Inc.(Danvers,MA)の製品であるImpella(登録商標)ラインの血液ポンプ(例えば、Impella 2.5(登録商標)、Impella CP(登録商標)、Impella 5.5(登録商標)など)である。血管内血液ポンプは、カテーテルによって、例えば大動脈を経由して、患者の血管中へ挿入され得る。
【0031】
[0048] そのような血液ポンプは、多数の医療機器、流体ラインなどの使用を含み得る。これらの流体ラインは、例えば、患者に必要な流体をもたらしたり、患者から流体(例えば血液)を取り除いたり若しくは再循環させたり、又は医療機器によって必要とされる流体、例えばパージ流体を提供したりし得る。例えば、いくつかの血液ポンプにおいて、パージ流体は、血液がポンプ機構に入らないようにして、ポンプ機構への血液及び/又は生物学的沈着物の蓄積の影響を軽減するように、展開され得る。
【0032】
[0049] 既存のシステムにおいて(例えば、図1参照)、血液ポンプアセンブリ1200は、パージ装置1250に流体接続された血液ポンプ1210を含み得る。血液ポンプアセンブリ1200はまた、コントローラ1230(例えば、Abiomed,Inc.(Danvers,MA)からのAutomated Impella Controller(登録商標))、ディスプレイ1240、コネクタケーブル1260、プラグ1270、及び再配置ユニット1280を含み得る。図示の通り、コントローラ1230はディスプレイ1240を含み得る。コントローラ1230は血液ポンプ1210を監視して制御し得る。動作中、パージ装置1250は、カテーテルチューブ1217を通して血液ポンプ1210へパージ流体を送給し得、例えば、モータハウジング1216内にあるモータ(図示せず)に血液が入るのを妨げる。いくつかの実装例において、パージ流体は、デキストロース溶液(例えば、25又は50IU/mLのヘパリンを備える、水中5%のデキストロース)を含む。コネクタケーブル1260は、血液ポンプ1210とコントローラ1230との間に電気的接続をもたらし得る。プラグ1270は、カテーテルチューブ1217、パージ装置1250、及びコネクタケーブル1260を接続する。いくつかの実施形態において、プラグ1270は、患者が別のコントローラに委ねられる必要がある場合、動作パラメータを記憶するメモリを含み得る。再配置ユニット1280は、血液ポンプ1210を再配置するために使用され得る。この図に示す通り、流体ラインは、1本以上の電線を有するコネクタケーブルから分離し得る。
【0033】
[0050] 本発明人らは、血液ポンプ及び/又は他の医療機器の流体ラインは、処置に有用であるために、細くて軽量で可撓性を保ったままである必要があるかもしれないが、これにより、患者の動き及び/又は医療提供者などの使用者の動きが機械的負荷を生じ得、いくつかの流体ラインの破損、分離、若しくは切断につながり得るか、又は流体ラインにねじれが形成され得る状況を生じると認識してきた。それゆえ、これらの障害を克服するための手段が有用であり、望ましい。例えば、本明細書で説明するように、ケーブルは、血液ポンプ及び/又は別の医療機器をコントローラ(又は他の好適な機器)に流体及び電気的に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ケーブルはまた、血液ポンプをコントローラに光学的に接続する1本以上の光配線を含み得る。また本明細書に説明するように、医療機器アセンブリは、PSS及びケーブルを保護するように配置されたケースを含み得る。いくつかの実施形態において、オーバーモールドがケーブルの一部分の上側にわたって延在し得る。
【0034】
[0051] 図2Aを参照すると、一実施形態によるシステム1が示されており、システム1は、コントローラ30と、血液ポンプ25などの医療機器と、血液ポンプをコントローラに動作可能に接続するケーブル10とを有する。そのような実施形態において、本明細書で説明するように、ケーブルは、ケーブル中を通して1本又は複数本の流体ライン及び電線を受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態において、ケーブルはまた、ケーブル中を通して1本又は複数本の光ファイバを受け入れるように構成され得る。医療機器は、例えば、カテーテルベースの血液ポンプとし得る。理解されるように、本開示は、任意の特定の血液ポンプ又は他の好適な医療機器に限定されない。いくつかの実施形態において、血液ポンプ25は、カテーテル21及びハンドル20を含み得る。流体、電気信号、及び任意選択的に光信号が、ケーブル10からハンドル20中を通って、カテーテル21中を通って、血液ポンプ25へ伝わり得る。例えば、いくつかの実施形態において、流体はパージ流体を含み得、ハンドルは、カテーテル21内のパージルーメンとケーブル10内のパージルーメンとの間の結合部を含み得る。同様に、いくつかの実施形態において、1つ以上の電気及び/又は光接続部がハンドル20内に形成されてもよく、電気信号及び/又は光信号が、ケーブル10から、ハンドル20中を通って、カテーテル21中を通って血液ポンプ25へ伝わることができる。他の実施形態において、1つ以上の流体ルーメン、電線、及び/又は光ファイバは、ケーブル10から、ハンドル20及びカテーテル21中を通って、血液ポンプ25へと連続的に延在し得る。それゆえ、特定の実施形態次第で、ハンドル20は、1つ以上の流体、電気及び/又は光接続部含んでも、又は含まなくてもよい。
【0035】
[0052] いくつかの実施形態において、ケーブルは、ハンドル20に接続された遠位端部11と、入力コネクタ37に動作可能に接続された近位端部12とを有するように構成され得、入力コネクタは、流体源への無菌取付け部を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、流体源は、入力コネクタに取り外し自在に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体の近位端部(又は近位部分)は、入力コネクタ37を含み得る蓄圧設定(PSS)アセンブリ16に接続され得る。
【0036】
[0053] 本明細書で説明するように、ケーブル10は、取り外し自在に取り付けられ得る流体源40が、ケーブル10中を通って患者又は血液ポンプ25に流体をもたらすことができるように構成され得る。いくつかの実施形態において、ケーブル10は、2つの別々のライン17、18に枝分かれする。ケーブル10は、例えば、1つ以上のコネクタ35、36によって、ポンプ25をコントローラ30に動作可能に接続し得る。いくつかの実施形態において、コネクタ36は、パージカセットの圧力ライン(図示せず)とのインターフェースを取り得る。いくつかの実施形態において、システムは、第2のライン18が取り外し自在に接続されることができるようにする入力コネクタ37を有し得、ここで、第2のラインは、ケーブルに流体をもたらすように構成され得る。いくつかの実施形態において、第1のライン17は、ケーブルをコントローラ30に電気及び/又は光学的に接続し得る。
【0037】
[0054] いくつかの実施形態において、ハンドルは、ケーブル10の少なくとも一部分を取り囲むケース15(例えば、図2A参照)を含み得る。理解されるように、ケーブルは、ケースによって保護される別々のラインに枝分かれし得る。例えば、図6及び図7に示す通り、それらが収納されるケースとは無関係に分岐部は形成され得る。
【0038】
[0055] 図2Bを参照すると、代替的なシステム2が示されており、ここでは、ケーブル10は、ハンドル20からコントローラ30まで延在し、コネクタ38を経由してコントローラに接続する。いくつかの実施形態において、ケーブルは、ハンドル20に接続された遠位端部11と、入力コネクタ38に接続又は動作可能に接続された近位端部12とを有するように構成され得、入力コネクタは、流体源に無菌取付け部を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、流体源は、入力コネクタに取り外し自在に取り付けられ得る。
【0039】
[0056] ケーブル
[0057] ケーブル10が電気配線を含むと同時に流体がケーブル中を通過できるようにするために、ケーブル10は、好都合にも、いくつかの配置構成に構成され得る。
【0040】
[0058] 図3Aを参照して説明すると、ケーブル100の一実施形態の断面が示されている。ケーブル100は、遠位端部及び近位端部を有する第1の外側チューブ状本体110を含み得、第1のチューブ状本体は、第1のルーメンを規定する内面113を有する。ケーブル100はまた、流体ライン、例えば第1のルーメン内に配置されて第1のルーメンの長さの少なくとも一部分に沿って延在するチューブ状パージ本体120を有し得、チューブ状パージ本体120は、流体を移送するように配置されたパージルーメンを規定する内面123を有する。ケーブル100はまた、第1のルーメン内に配置された少なくとも1つのチューブ状電線本体130を有し得、各チューブ状電線本体は、1本以上の電線140を受け入れるための電線ルーメンを規定する内面133を有する。
【0041】
[0059] 理解されるように、チューブ状パージ本体及びチューブ状電線本体を、同じ外径を有するとして示すが、チューブ状本体の直径は、他の実施形態において変わってもよい。さらに理解されるように、チューブ状パージ本体及びチューブ状電線本体は、第1のチューブ状本体内で任意の好適な配置構成を有し得る。いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体及びチューブ状電線本体は、互いに及び/又は第1のチューブ状本体に取り付けられ得るが、チューブ状パージ本体及びチューブ状電線本体は、第1のチューブ状本体内で互いに対して自由に動いてもよい。
【0042】
[0060] いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体の公称外径は3mm~8mm、例えば5.5mm~6.5mmとし得る。
【0043】
[0061] 図3Bを参照して説明すると、ケーブル101の一実施形態の断面が示されている。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体110は複数の層111、112を含み得る。いくつかの実施形態において、この複数の層は、内側バインダー層112及び外側ジャケット111を含み得る。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体の内側バインダー層112は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得、第1のチューブ状本体の外側ジャケット111は、熱可塑性ポリウレタンを含み得るか又はそれからなり得る。
【0044】
[0062] いくつかの実施形態において、ケーブルはまた、第1のルーメン内にフィラー190を含み得る。フィラーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得る。いくつかの実施形態において、フィラー190は、チューブ状パージ本体120及びチューブ状電線本体130の少なくとも一部分の周りに配置され得る。そのような実施形態において、フィラーは、チューブ状電線本体に対するチューブ状パージ本体の位置を維持するように構成され得る。
【0045】
[0063] いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体120はまた、複数の層121、122を含み得る。いくつかの実施形態において、この複数の層は、内側バインダー層122及び外側ジャケット121を含み得る。いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体の内側バインダー層122は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得、チューブ状パージ本体の外側ジャケット121は、熱可塑性ポリウレタンを含み得るか又はそれからなり得る。
【0046】
[0064] いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体は、第1のルーメン中を通って、第1のチューブ状本体の遠位端部から第1のチューブ状本体の近位端部まで延在するように構成され得る。
【0047】
[0065] いくつかの実施形態において、少なくとも1つのチューブ状電線本体130は、複数本の電線140、145を受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1本の電線140、145の少なくとも一部分の周りにフィラー191が配置され得る。いくつかの実施形態において、各電線は銅を含み得るが、電線は他の好適な材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、各電線は、絶縁ジャケット141によって囲まれた導電性コア142(銅を含み得る)を含む。
【0048】
[0066] 図3C及び図3Dを参照して説明すると、ケーブル102、103の実施形態の断面が示されている。いくつかの実施形態において、チューブ状電線本体130内の電線140、145、146のうちの少なくとも1本が、モータ(例えば、軸流又は遠心血液ポンプのモータ)と電気通信し得る。いくつかの実施形態において、チューブ状電線本体130内の電線のそれぞれは、モータと電気通信し得る。いくつかの実施形態において、チューブ状電線本体130内の電線140、145のうちのいくつかはモータと電気通信し得るが、チューブ状電線本体内の1本以上の他の電線147、148は、異なる構成要素又は機器、例えば1つ以上のセンサーと電気通信する。
【0049】
[0067] いくつかの実施形態において、ケーブルはまた、第1のルーメン内にチューブ状光ファイバ本体150を含み得、チューブ状光ファイバ本体は、光ファイバルーメンを規定する内面153を有し、光ファイバルーメンは、光ファイバを摺動自在に受け入れるように構成される。いくつかの実施形態において、チューブ状光ファイバ本体は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得るか又はそれからなり得る。いくつかの実施形態において、光ファイバルーメンの内径は0.8mm~1.5mmとし得る。いくつかの実施形態において、チューブ状光ファイバ本体の壁厚は0.1~0.4mmとし得る。理解されるように、チューブ状光学本体の外径はチューブ状パージ本体及び/又はチューブ状電線本体と同じとし得るが、チューブ状本体のうちの1つ以上は、他のものと直径が異なってもよい。
【0050】
[0068] 図3Eを参照して説明すると、ケーブル104の一実施形態の断面が示されている。いくつかの実施形態において、ケーブルは、複数のチューブ状電線本体130、135、例えば第1のチューブ状電線本体130及び第2のチューブ状電線本体135を含み得る。いくつかの実施形態において、第2のチューブ状電線本体内の少なくとも1本の電線本体147、148は、血液ポンプのモータ以外の機器又は構成要素(例えばセンサー)と電気通信する。いくつかの実施形態において、複数本の電線は、各電線ルーメン中を通って延在し得る。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状電線本体130内のいくつかの電線145は、第2のチューブ状電線本体135内の電線147、148の数と同じとし得る。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状電線本体130内のいくつかの電線145は、第2のチューブ状電線本体135内のいくつかの電線147、148と異なってもよい。いくつかの実施形態において、第1のチューブ状電線本体130内の電線の本数は2~4本であり、第2のチューブ状電線本体135内の電線の本数は3~5本である。
【0051】
[0069] 理解されるように、いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体、チューブ状電線本体、及びチューブ状光ファイバ本体のそれぞれは、外側の第1のチューブ状本体の全長に延在し得る(例えば、チューブ状と近位端部との間)。他の実施形態において、チューブ状本体のうちの1つ以上は、外側の第1のチューブ状本体中を通って部分的にのみ延在してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、チューブ状パージ本体は、遠位端部と近位端部との間にある位置で第1のチューブ状本体から出てもよい。
【0052】
[0070] コントローラ
[0071] 図2A及び図2Bを参照して説明すると、いくつかの実施形態において、コントローラ30は、パージルーメン中を通って流れる流体を制御し、光ファイバルーメン内に摺動自在に位置決めされる光ファイバを介して光データを受信し、及び少なくとも1本の電線を介してモータを制御するように構成され得る。そのような実施形態において、コントローラは、少なくとも1つのプロセッサーと、命令を含む少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読媒体とを含み得、その命令は、実行されると、少なくとも1つのプロセッサーが、ポンプ、弁、又はそれらの組み合わせを制御して、流体がパージルーメン中を通って流れ、光ファイバから光データを受信し、及びモータ(例えばモータの回転速度)を制御するようにする。
【0053】
[0072] いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、モータへの現在の流れに対する調整を生じるように構成される。
【0054】
[0073] いくつかの実施形態において、コントローラはまた、ディスプレイ31(例えばタッチスクリーンディスプレイ)を制御し、及び/又は例えば、動作モードを選択するために、1つ以上のボタン、ノブ、又は他の制御部32からのユーザ入力を受信するように構成され得る。
【0055】
[0074] オーバーモールド
[0075] 図4Aを参照して説明すると、いくつかの実施形態において、ケーブルは第1のオーバーモールド200を含み得る。第1のオーバーモールド200は、第1のチューブ状本体の外面114から第1のチューブ状本体の内面113まで延在する規定された開口部205から遠位の位置で、第1のチューブ状本体110の部分210に接続され得る。第1のオーバーモールドはまた、規定された開口部から近位の位置で、チューブ状パージ本体120及び第1のチューブ状本体110の双方の一部分211に接続され得る。
【0056】
[0076] いくつかの実施形態において、第1のオーバーモールド200は、ケースに接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの面216が、第1のオーバーモールドの外面215から凹んでいてもよい。凹みの深さは、ケースの外面が第1のオーバーモールドの外面215に隣接して実質的に同一平面状になることができるように構成され得る。いくつかの実施形態において、第1のオーバーモールドはまた、ケースが第1のオーバーモールドにしっかりと接続されることができる(例えば、スナップフィット、圧入、摺動自在に接続されるなどによって)ように構成される追加的な切り欠き部又は窪み217を有し得る。そのため、ケースは、切り欠き部又は窪み217と相互作用できるようにする個々の特徴を内側面に有し得る。このようにして、ケースが、第1のオーバーモールドに接続され得、ケースが第1のオーバーモールドからひねって離したり、押し開いたり、又は引き離したりできないようにする。
【0057】
[0077] 図4Bを参照して説明すると、いくつかの実施形態において、ケーブルは、遠位端部301及び近位端部302を有し得、第1のオーバーモールド200及び第2のオーバーモールド300を含み得る。第2のオーバーモールド300は、第1のオーバーモールド200の近位に位置決めされ得、オーバーモールドの内面303は第1のチューブ状本体110に接続され得る。
【0058】
[0078] いくつかの実施形態において、オーバーモールドは、流体ラインに分岐部を生み出すのを支援し得る。例えば、いくつかの実施形態において、オーバーモールドは、チューブ状本体のうちの1つが近位端部と遠位端部との間の位置でケーブルを出ることができるようにし得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1のチューブ状本体は、オーバーモールドにおいて又はそれを経由して第1のチューブ状本体を出てもよい。
【0059】
[0079] ケース
[0080] 図5Aを参照して説明すると、コネクタ35に動作可能に接続されたケーブルであって、ケーブルは、ケース400及びオーバーモールド200、300を含む、ケーブルの一実施形態が示されている。図示の通り、いくつかの実施形態において、ケース400は、第1のオーバーモールド200の近位の第1のチューブ状本体110の少なくとも一部分を囲むように構成され得、ケースは、第1のオーバーモールド200に接続するように構成されて、ケースによって囲まれる任意の構成要素がひねられたり、引き離されたり、又は押し開かれたりできないようにされる。
【0060】
[0081] いくつかの実施形態において、ケースは、第1及び第2の本体410、420を有する2部品ケースとし得る。いくつかの実施形態において、各本体はポリカーボネート材料で形成され得る。いくつかの実施形態において、ケース400はPSSアセンブリ430を含むように構成される。ケースの2つの部品は、オーバーモールド200の周りでクランプするように構成され得、オーバーモールドは、第1のチューブ状本体と第2のチューブ状本体(例えばチューブ状パージ本体)の一部分を囲み、ここで、第2のチューブ状本体はPSSアセンブリ430に接続され得る。
【0061】
[0082] いくつかの実施形態において、ケース400は、第1のオーバーモールド200を囲む第1のポート401、第2のオーバーモールド300から遠位及び第1のオーバーモールド200から近位にある第1のチューブ状本体110用の第2のポート402、及び流体源が入力コネクタ404を通してチューブ状パージ本体に動作可能に接続できるようにする第3のポート403を規定する。
【0062】
[0083] いくつかの実施形態において、ケースの第1の本体410は第1のオーバーモールド200の第1の部分220と接触し得、第2の本体420はオーバーモールドの第2の部分221と接触し得る。
【0063】
[0084] 理解されるように、ケーブルはオーバーモールド部分を含む必要はない。したがって、そのような実施形態において、第1のポート401は、ケーブル10(例えば、図7参照)のみを囲み得る。また図7に示すように、ポートは、ケーブルを受け入れるための第1のチャンネル440に接続され得る。ケースはまた、ケーブルの分岐部を受け入れるための第2のチャンネル442(例えば、パージカセットに接続された流体ライン)を含み得る。理解されるように、チャンネルは、任意の好適な配置構成(例えば、直線及び/又は湾曲)を有し得る。いくつかの実施形態において、ケースの第1及び第2の本体(本明細書で説明するように)は協働してチャンネルを形成し得、その内部に、ケーブル及び/又は分岐部が延在する。チャンネルはまた、本体の一方にのみ形成され得る。さらに理解されるように、他の実施形態において、チャンネルは、他の好適な方法でケース内に収納され得る。
【0064】
[0085] 図5B~5Dを参照して説明すると、ケースの第1の本体410は、複数のピン423及び突起414、並びに複数のスナップフィット接続部413を使用して、第2の本体420に接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、第1の本体410は、ピン、突起、又はそれらの組み合わせ、及び第2の部品の外面にある複数の凹部を含み得、並びに第2の本体420は、ピン、突起、又はそれらの組み合わせのいずれか、及び第1の部品の内面にある少なくとも1つの凸部を含み得、ここで各ピンや突起は、対向する本体にある突起やピンとそれぞれ位置合わせされるように構成され、凸部は各凹部と相互作用して、2つの部品を引き離すことができないようにするように構成される。
【0065】
[0086] いくつかの実施形態において、ケースは、第2の本体にある1つ以上のピン423を第1の本体にある対応する突起414に挿入することによって、及び第2の部品425の内側面427にある1つ以上の凸部426を第1の部品の外面415にある複数の窪み414とのインターフェースを取ることによって、接続され得る。
【0066】
[0087] 理解されるように、ケースの第1及び第2の本体を結合するために、他の好適な留め具が使用され得る。第1及び第2の本体はまた、他では、他の好適な配置構成によって接続され得る。
【0067】
[0088] 図6を参照して説明すると、いくつかの実施形態において、ケースの2つの本体410、420は、PSSアセンブリ430を含み且つオーバーモールド200の周りでクランプするように構成されることが分かる。
【0068】
[0089] 図7~11Bに示す通り、ケースは、ケーブル及びPSSアセンブリを収納するための他の好適な配置構成を有し得る。これらの例に示す通り(例えば、図7)、第1及び第2の本体は同様の構成を有し(例えば、互いに鏡像)、PSSアセンブリ及びケーブルを受け入れるためのハウジングを形成するために協働し得る。いくつかの実施形態において(例えば、図11A及び図11B参照)、一方の本体は、第2の本体に取り付けられるカバーを含み得る。
【0069】
[0090] いくつかの実施形態において、ケースは、PSSアセンブリ、ケーブルの一部分、及び/又はオーバーモールドを見るための1つ以上の窓450(例えば、図11B参照)を含み得る。いくつかの実施形態において、窓は、単一の本体に形成され得る(例えば、図11A及び図11B参照)が、他の実施形態において、第1及び第2の本体は協働して、ケースに1つ以上の窓を形成し得る。
【0070】
[0091] いくつかの実施形態において、ケースは1つ以上の扉を含み得、そこを通して、臨床医が、ケーブル内に収納されたケーブル、カセット、又は他の構成要素にアクセスし得る。
【0071】
[0092] 図7~11Bに示す通り、PSSアセンブリ及びケーブルは、ケース内に任意の好適な配置構成を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、PSSアセンブリは、ケーブルの上に位置決めされ得る(例えば、図6及び図7参照)。そのような実施形態において、図7に示すように、PSSアセンブリのX-Y平面は、第1のチューブ状本体の中心軸と交差しない。すなわち、PSSアセンブリの底面は、第1のチューブ状本体の方に方向付けられる。いくつかの実施形態において、ケースは、PSSアセンブリの第1又は第2の部分(例えば、左側又は右側部分)のいずれかと一致するようにそれぞれ構成される2つの部品を有するように構成され得る。
【0072】
[0093] 他の実施形態において(例えば、図8参照)、ケーブル及びPSSアセンブリは、並んで配置され得る。この図に示すように、いくつかの実施形態において、PSSアセンブリのX-Y平面は、第1のチューブ状本体の中心軸と交差し得る。すなわち、PSSアセンブリの左側又は右側面は、第1のチューブ状本体の方に方向付けられ、及び底面は、中心軸に対して直角とし得る。いくつかの実施形態において、ケースは、PSSアセンブリの底部又は上部のいずれかとそれぞれ一致する2つの部品を有するように構成され得る。
【0073】
[0094] 他の実施形態において(例えば、図9及び図10参照)、PSSアセンブリはケーブルの周りで折り曲げられ得る。例えば、これらの図に示すように、いくつかの実施形態において、PSSアセンブリは、線形には配置されない。いくつかの実施形態において、PSSアセンブリの第1の部分は、第1のチューブ状本体の一方の側に存在し得、及びPSSアセンブリの第2の部分は、第1のチューブ状本体の第2の側に存在し得る。
【0074】
[0095] ケースはまた、PSSアセンブリの大部分がケースの第1の部品によって部分的に取り囲まれ、ケースの第2の部品は、2つの部品が組み合わせられるときに、実質的に蓋又はカバーの役目を果たすように、構成され得る(図11A及び図11B参照)。
【0075】
[0096] いくつかの実施形態において、ケースは、流体ラインに取り付け可能なカセットを含むために第1の領域を含み得る。
【0076】
[0097] いくつかの実施形態において、ケースは、ケースから延在するケーブルの一部分を保持するように配置され得る。いくつかの実施形態において、ケーブルは、ケースとコントローラとの間に延在するために、ケースに取り外し自在に取り付け可能とし得る。例えば、図12に示す通り、ケースは、ある長さのケーブルが周りに巻き付けられ得るホルダー444を含み得る。理解されるように、ホルダーは、本体の一方に取り外し自在に取り付けられても、それに固定して取り付けられても、又はそれと一体的に形成されてもよい。図13A及び図13Bに示す通り、ケースはまた、ある長さのケーブルを保持するための区画446を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、ケーブルのスプール447が区画内に保持され得る。いくつかの実施形態において、ケーブルのスプール447を形成するケーブル448は、入力コネクタ430から延在し得る。いくつかの実施形態において、ケーブルのスプールを形成するケーブルは、入力コネクタから延在しない。
【0077】
[0098] ケースはまた、他の補剛及び/又は補強特徴(例えば、潰しリブ)有し得る。いくつかの実施形態において、ケーブル及び/又はPSSは、リブに又はその近くに位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、ケースが組み立てられるとき、潰しリブは、ケーブル及び/又はPSSの一部分の周りに位置決めされ得る。
【0078】
[0099] 本明細書で説明するように、オーバーモールドは、第1のチューブ状本体110と第2のチューブ状本体(例えばチューブ状パージ本体120)の一部分を囲み得る。第1の部品410は、オーバーモールド内で窪み又は溝217(例えば、図6参照)と接続し、ケースがひねったり、押し開いたり、又は引き離したりするのを防止するように構成され得る。第2のチューブ状本体(ここでは、チューブ状パージ本体120)の近位端部125は、入力コネクタ430を含み得るPSSアセンブリに接続され得る。入力コネクタは、流体源に取り外し自在に接続可能とし得る。
【0079】
[0100] ケーブル10の遠位端部は、ハンドル(図示せず)に接続され得る。ハンドルは、例えば、外側ハウジングによって保護される回路構成部分を含み得る。ケーブルの近位端部は、1つ以上のコネクタ35に、及びコネクタ35によってコントローラに、直接又は間接的に接続され得る。コネクタは、コントローラに電気及び光接続を提供するように構成され得る。
【0080】
[0101] ケースは、2部品ケースであるとして示されて説明されるが、他の実施形態において、ケースは、PSS及びケーブルを保持するための区画を形成するように協働する3つ以上の本体、並びにいくつかの実施形態において、オーバーモールドを含み得る。
【0081】
[0102] 当業者は、日常の実験だけを使用して、本明細書で説明する本発明の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか又は確かめることができる。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲によって含まれるものとする。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
【国際調査報告】