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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】水処理施設
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/31 20060101AFI20241010BHJP
   B01D 24/38 20060101ALI20241010BHJP
   B01D 24/46 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B01D23/06
B01D23/20
B01D23/24 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525774
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 KR2022010764
(87)【国際公開番号】W WO2023128103
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193917
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524158139
【氏名又は名称】ピーアンドアイ ヒューマン コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】P&I HUMAN KOREA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ボン チャン
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA01
4D116BB01
4D116BC27
4D116BC47
4D116BC76
4D116BC77
4D116DD04
4D116EE04
4D116EE06
4D116EE09
4D116EE10
4D116FF05B
4D116FF12B
4D116KK01
4D116QA02C
4D116QA02D
4D116QA02F
4D116QA05B
4D116QA05D
4D116QA05F
4D116QC29D
4D116RR01
4D116RR04
4D116RR14
4D116RR26
4D116VV02
(57)【要約】
本発明は、濾過槽の中心に流入した汚染水を放射方向に通過させて濾過処理する水処理施設に関するものであり、汚染水を濾過槽の内部中心に案内するガイド部と、ガイド部上に配置された管状フィルター部と、洗浄時に管状フィルター部から剥離した汚泥などの汚染物質と洗浄水を系外に排出する排出管渠部と、管状フィルター部に逆洗用洗浄水を噴射するフィルター洗浄部と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に開放された円錐状胴体(11)、前記円錐状胴体(11)の下部に延びて汚染水を濾過槽(F)の内部に案内する流入管(12)、及び、円周方向に離隔配置された多数の排出孔(131)と前記排出孔(131)を開閉するヒンジカバー(132)とを備え、前記円錐状胴体(11)の上部周縁に沿って配置された環状支持面(13)を有するガイド部(10)と、
前記環状支持面(13)の内周縁に沿って多数の区画室(21a)が画成されるように配置される固定フレーム(21)と、前記区画室(21a)に挿入配置されるカーテン濾過層(22)とを備え、前記環状支持面上に筒状に設けられた管状フィルター部(20)と、
前記環状支持面(13)の排出孔(131)の下に流体連通可能に配置された多数の浮力筒(31)、及び前記多数の浮力筒(31)と相互流体連通し、前記濾過槽(F)の外部に延長されたダクト(33)を備えた排出管渠部(30)と、
前記管状フィルター部(20)に逆洗用洗浄水を噴射するフィルター洗浄部(50)と、を含み、
前記管状フィルター部(20)は、前記ガイド部(10)に案内された汚染水を半径方向に通過させて濾過処理し、逆洗時に前記管状フィルター部の濾材から剥離した汚染物質と洗浄水を前記排出管渠部(30)を介して濾過槽の外部に排出する、水処理施設。
【請求項2】
前記排出孔(131)は前記区画室(21a)の内部領域に位置選定される、請求項1に記載の水処理施設。
【請求項3】
前記排出管渠部(30)は、
上側通孔及び下側通孔を有する多数の浮力筒(31)と、
前記浮力筒内の水位による昇降移動で前記ヒンジカバー(132)を開閉する浮力ボール(32)と、
前記多数の浮力筒(31)の下部に流体連通するように配置され、管末部にバルブ(V3)を備えたダクト(33)と、を含む、請求項1に記載の水処理施設。
【請求項4】
前記流入管(12)は、前記流入管から分岐して前記濾過槽(F)の外部に延長する分岐管(15)と、前記分岐管(15)の管末部に設けられるバルブ(V1)と、を含む、請求項1に記載の水処理施設。
【請求項5】
前記ガイド部(10)は、前記管状フィルター部(20)と同心円構造で前記環状支持面(13)上に1つ以上の微細メッシュフィルター部(40;41、42)を含む、請求項1に記載の水処理施設。
【請求項6】
前記固定フレーム(21)は、前記環状支持面(13)の内周縁上に円周に沿って配置された筒状の打抜スクリーン(211)と、前記環状支持面上に前記打抜スクリーン(211)の外側に同心円をなしながら拡張された直径を有する筒状の固定網(212)と、前記筒状の打抜スクリーン(211)と前記筒状の固定網(212)との間で円周方向に離隔配置された多数の隔壁(231)によって、前記多数の区画室(21a)を限定する、請求項1に記載の水処理施設。
【請求項7】
前記カーテン濾過層(22)は1つ以上の繊維状濾材(221)を備える、請求項1に記載の水処理施設。
【請求項8】
前記カーテン濾過層(22)と1つ以上の微細メッシュフィルター(40;41、42)は、半径方向に行くほど稠密に形成されるように配置される、請求項5に記載の水処理施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理施設に関し、特に、洗浄時に剥離した汚泥(スラッジ)などの汚染物質と共に洗浄水を系外に排出することができるように構成された水処理施設に関する。
【背景技術】
【0002】
私たちの周辺で発生する様々な汚染物質は、ポイント汚染物質とノンポイント汚染物質に分けられる。ポイント汚染物質は、一般家庭や工場などで発生する生活下水や産業廃水などのように発生地点がはっきりと限定された、いわゆるポイント汚染源から排出される汚染物質である。また、ノンポイント汚染物質は、農耕地や牧草地、森林地、道路などのように汚染地域が定められず、広範囲の地域で発生する汚染物質である。
ノンポイント汚染物質には、例えば、農地に散布された肥料や農薬、畜舎流出物、ホコリ、重金属、病原性微生物、有機化合物、放射性物質などがあり、ホコリやゴミなどに留まっているが、雨天時に初期雨水に洗い流されて周辺の河川や地下水に流れ込む。よって、初期雨水が河川や地下水に直接流れ込むのを遮断することが非常に重要である。
このため、最近造成される新都市や宅地地区、汚染の激しい地域などには、ノンポイント汚染物質による環境汚染を防止するための様々な種類のノンポイント汚染低減施設が適用される。このようなノンポイント汚染低減施設は、水処理施設の一つであって、ノンポイント汚染物質が混ざっている初期雨水、及び雨天時の未処理下水越流水(CSOs、SSOs)をその内部に通過させ、雨水中の汚染物質を濾過してある程度浄化された状態で送り出す役割を果たす。
【0003】
一方、初期雨水及び雨天時の未処理下水越流水(CSOs、SSOs)を処理するための水処理施設の性能を最上に維持するためには、組み込まれているスクリーンフィルター又は濾材により濾過された各種汚染物質、いわゆる捕獲汚泥や夾雑物、土砂類などを随時除去することにより、フィルター又は濾材が最初に設計されたとおりの機能を行うようにしなければならない。
水処理施設内のフィルターや濾材などを清掃する方法として提案された特許文献1には、カーテンスクリーンを洗浄するためにカーテンスクリーンの周りに多数のノズルを配置する内容を開示している。
特許文献1は、前述したように、ノズルから噴射された洗浄水をカーテンスクリーンにぶつけることで、カーテンスクリーンに沈着又は付着している汚染物質を取り除くことができるが、カーテンスクリーン内に配置されている濾過要素から剥離した汚泥などの汚染物質と洗浄水を外部に流出させるには限界を持つしかない。このような汚染物質と洗浄水がカーテンスクリーン内に残留する場合、水質汚染及び臭気などを引き起こすという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0823236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、内部に濾材を配置した管状フィルター部を手段として汚染水から汚染物質を除去することができる水処理施設を提供することにある。
特に、本発明は、汚染物質の除去能力を維持するための管状フィルター部の洗浄時に剥離した汚泥などの汚染物質と洗浄水を外部に排出することができるように構成されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の好適な実施形態による水処理施設は、
上下に開放された円錐状胴体、円錐状胴体の下部に延びて汚染水を濾過槽内に案内する流入管、及び、円周方向に離隔配置された多数の排出孔と該排出孔を開閉するヒンジカバーとを備え、円錐状胴体の上部周縁に沿って配置された環状支持面を有するガイド部と、
環状支持面の内周縁に沿って多数の区画室が画成されるように配置される固定フレーム、及び区画室に挿入配置されるカーテン濾過層を備え、環状支持面上に筒状に設けられた管状フィルター部と、
環状支持面の排出孔の下に流体連通可能に配置された多数の浮力筒、及び該多数の浮力筒と相互流体連通し、濾過槽の外部に延長されたダクトを備えた排出管渠部と、
管状フィルター部に逆洗用洗浄水を噴射するフィルター洗浄部と、を含むが、
ここで、管状フィルター部は、ガイド部に案内された汚染水を半径方向に通過させて濾過処理する一方、逆洗時に管状フィルター部の濾材から剥離した汚染物質と洗浄水を排出管渠部を介して濾過槽の外部に排出することができる。
本発明の実施形態において、排出孔は、区画室の下端の内部領域に位置選定できる。
好ましくは、排出管渠部は、上側通孔及び下側通孔を有する多数の浮力筒と、該浮力筒内の水位による昇降移動でヒンジカバーを開閉する浮力ボールと、多数の浮力筒の下部に流体連通するように配置され、管末部にバルブを備えたダクトと、から構成できる。
また、本発明は、流入管から分岐して濾過槽の外部に延長する分岐管と、分岐管の管末部に設けられるバルブと、をさらに含むことができる。
また、本発明は、管状フィルター部と同心円構造で環状支持面上に1つ以上の微細メッシュフィルター部をさらに含むことができる。
選択的に、固定フレームは、環状支持面の内周縁上に円周に沿って配置された筒状の打抜スクリーンと、環状支持面上に打抜スクリーンの外側に同心円をなしながら拡張された直径を有する筒状の固定網と、筒状の打抜スクリーンと筒状の固定網との間で円周方向に離隔配置された多数の隔壁によって、多数の区画室を限定することができる。
好ましくは、カーテン濾過層は、1つ以上の繊維状濾材を備えることができる。
また、本発明は、カーテン濾過層の1つ以上の繊維状濾材と1つ以上の微細メッシュフィルターを、半径方向に行くほど稠密に形成されるように配置することができる。
【0007】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
これに先立ち、本明細書及び請求の範囲で使用された用語又は単語は、通常的かつ辞典的な意味で解釈されてはならず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0008】
以上の本発明の説明によれば、本発明は、濾過槽内に流入した汚染水を、管状フィルター部を放射方向に通過させて効果的に濾過処理することができるだけでなく、管状フィルター部の繊維状濾材から剥離した汚泥と洗浄水を濾過槽の外に排出することができるように提供される。
また、本発明は、管状フィルター部を放射状に形成して設置面積を最小化しながらも、限られた空間内でも汚染物質の処理効率を向上させることができるように設計されている。
特に、本発明は、別途の動力源なしに水処理施設で濾過機能及び逆洗機能を経済的に運用することができ、これは、例えば化石燃料を燃やして生産する電気消耗量を低減することができ、低減した電気消耗量に該当する二酸化炭素の減縮された排出量に相応する炭素排出権(CER:Certified Emission Reduction)の確保に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の好適な実施形態による水処理施設を概略的に示す一部部分切開図である。
図2】本発明の好適な実施形態による水処理施設を概略的に示す縦断面図である。
図3】本発明の好適な実施形態による水処理施設の要部を概略的に示す分解斜視図である。
図4図3に示された排出管渠部を模式的に示す部分切開図である。
図5】本発明の好適な実施形態による水処理施設の運転工程を概略的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的、特定の利点及び新規の特徴は、添付図面に連関する以下の詳細な説明と実施形態からさらに明白になるであろう。
本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付加するにあたり、同一の構成要素に限っては、他の図面上に表示されても、出来る限り同一の番号を付することに留意すべきであろう。なお、本発明を説明するにあたり、関連した公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を無駄に乱すおそれがあると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために使用されるもので、構成要素を限定するものではない。添付図面において、一部の構成要素は、誇張又は省略されるか、或いは概略的に示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0011】
本発明による水処理施設は、例えば、ノンポイント汚染地域に設置され、初期雨水に混ざってノンポイント汚染源から流入する夾雑物、土砂類、固形物、浮遊物質、懸濁物質、各種ゴミなどのノンポイント汚染物質を効果的に濾過して除去する役割を果たし、処理容量によって大きさと形状を異ならせることができる。
また、本発明は、逆洗時に水処理施設の管状フィルター部内に配置された濾材、好ましくは繊維状濾材から剥離した汚泥等の汚染物質と洗浄水を水処理施設の外部に排出することができるように構成されている。
【0012】
以下、本発明による水処理施設を添付図面に基づいてより具体的に説明する。
図1図4を参照すると、本発明の好適な実施形態による水処理施設は、濾過槽Fの内部に流入した汚染水を濾過して排出することができるように構成される。
また、本発明の水処理施設は、濾過槽Fの上流に前処理槽Pを配置することができる。前処理槽Pは、汚染水、例えば雨水(あまみず)に含まれた、ある一定以上のサイズを有する夾雑物を濾過した汚染水を流入管12を介して濾過槽Fに案内することができる。当該分野の熟練者に知られているように、前処理槽は、雨水に含まれたタバコの吸い殻、落葉、又はその他の一般ゴミなどを濾過することができるように、粗目スクリーン、細目スクリーン、打抜スクリーンを任意に組み合わせて配置することができる。打抜スクリーンは、多数の貫通孔を穿孔した波形板状部材であり得る。
【0013】
本発明の水処理施設は、ノンポイント汚染源又は前処理槽Pから汚染水を濾過槽Fの内部に案内するガイド部10と、ガイド部10上に配置された管状フィルター部20と、洗浄時に管状フィルター部から剥離した汚泥等の汚染物質と洗浄水を系外に排出する排出管渠部30と、を含む。
また、本発明は、管状フィルター部20と同心円構造でガイド部10上に配置された1つ以上の微細メッシュフィルター部40を含む。
ガイド部10は、前述したように、ノンポイント汚染源又は前処理槽から汚染水を濾過槽Fの内部に案内する一方、管状フィルター部及び1つ以上の微細メッシュフィルター部を保持する構成部材であって、上下に開放された上広下峡状の円錐状胴体11と、円錐状胴体の開放下部に管状に延長された流入管12と、円錐状胴体の上部周縁に沿って配置された環状支持面13と、を備える。
【0014】
図示の如く、円錐状胴体11は、内部を上下に開放し、上部から下部に行くほど内径が小さくなる漏斗状に形成されているため、流入管12を介して流入する汚染水は、円錐状胴体内で徐々に満ちてきて遅い流速で管状フィルター部を通過しながら濾過処理できる。
流入管12は、前述したように、ノンポイント汚染源の汚染水或いは前処理槽Pで一次処理された汚染水を濾過槽Fの内部、具体的には円錐状胴体11と管状フィルター部20で囲まれた内部中空へ案内する。
環状支持面13は、円錐状胴体11の上部周縁に固定されて管状フィルター部20と共に1つ以上の微細メッシュフィルター部40を保持することができる。しかも、環状支持面13は、内周縁に隣接して円周方向に多数の排出孔131と、該排出孔131を開閉するヒンジカバー132と、を備える。本発明の実施形態において、ヒンジカバー132は、排出孔131にヒンジ結合され、排出孔の開閉を行うことができる。図示の如く、多数の排出孔131は、環状支持面13の周りに沿って等間隔に離隔配置されることができる。排出孔は、打抜スクリーン211と固定網212との間で区画室の内部領域を半径方向に横切る長さを有する。
好ましくは、ヒンジカバー132は、環状支持面の底面にヒンジ結合され、下方に回動可能に設置される。また、ガイド部10は、ヒンジカバーの閉鎖時に排出孔とヒンジカバーとの間の隙間から水が流出することを防止するために、排出孔131の底面周縁に沿ってシール部材(図示せず)を備えることができる。ヒンジカバーの結合方式は、既に広く知られており、本明細書では、ヒンジ結合についての詳細な説明及び図面を排除するようにする。
【0015】
管状フィルター部20は、環状支持面13の内周縁上に円周に沿って隣接して配置されるが、支持面上に所定の厚さを有すると筒状に設けられる。管状フィルター部は、図示の如く、流入管12に案内された汚染水を放射方向に通過しながら濾過処理することができるように所定の厚さを有する円筒状に形成でき、これに限定されず、四角筒状のように閉断面の中空構造体からなることができる。
具体的には、管状フィルター部20は、多数の区画室21aを画成する固定フレーム21と、区画室21aに挿入配置されるカーテン濾過層22とから構成される。
固定フレーム21は、環状支持面の内周縁上に円周に沿って隣接して配置された筒状の打抜スクリーン211と、環状支持面上に円周方向に沿って打抜スクリーン211とは異なる直径で同心円をなす筒状の固定網212と、筒状の打抜スクリーン211と筒状の固定網212との間の空間を区画する多数の隔壁213と、を備える。言い換えれば、管状フィルター部は、筒状の固定網212を筒状の打抜スクリーン211よりも大きい直径に形成して、固定網と打抜スクリーンとの間に空間を確保することにより、固定フレーム21に所定の厚さを付与することができる。
また、固定フレーム21は、打抜スクリーンと固定網との間の空間を円周方向に均等に分割するために、多数の隔壁213を打抜スクリーンと固定網との間で等間隔に離隔配置される。隔壁213は、打抜スクリーン211と固定網212との間で半径方向に介在する。このため、それぞれの区画室21aは、環状支持面13、打抜スクリーン211、固定網212、及び隔壁213で限定され、カーテン濾過層22を収容することができる大きさと形状を有する。
その結果、固定フレーム21は、打抜スクリーン211と固定網212によって汚染水の半径方向の流れ又は洗浄水の中心方向の流れを保障することができるだけでなく、各区画室の内部に対するカーテン濾過層22の引き込み又は引き出しを許容するために上面を開放することができる。
【0016】
本発明の実施形態において、環状支持面13の排出孔131は、各区画室21aの下端の内部領域内に位置選定されることが好ましい。言い換えれば、排出孔131は、固定網212、打抜スクリーン211、及び隣接配置された2つの隔壁213で囲まれた環状支持面に位置するようにする。
カーテン濾過層22は、前述したように区画室21aに収納できる大きさ及び形状に形成されるが、その内部に1つ以上の繊維状濾材221を配置する。
広く知られているように、繊維状濾材は、繊維で製作された濾材であって、汚染水に含まれている微細汚染物質(微細夾雑物)を効果的に濾過することができる。
選択的に、1つ以上の繊維状濾材221は、カーテン濾過層22の蓋22aに交換可能に設置できる。1つ以上の繊維状濾材221は、半径方向に積層配列されるが、すなわち、半径方向に互いに離隔するように積層配列できる。さらに、1つ以上の繊維状濾材221は、その下端部を(ヒンジカバーを含んで)環状支持面に密着することができるように下方に延長されるようにする。繊維状濾材の下端部が環状支持面と密着せず、距離をおいて離れていると、汚染水の流れが繊維状濾材を貫通せずに離隔隙間から抜け出して信頼できる効果を期待することができない。参考まで、カーテン濾過層22の繊維状濾材221は、内側から外側の方向に低密度繊維状濾材、中密度繊維状濾材、高密度繊維状濾材を互いに離隔するように多数重ね合わせて配置することができる。たとえ、図面上には3つの繊維状濾材を採用しているが、これに限定されず、2つ、4つ以上の繊維状濾材を濾過効率に起因して積層配列することができる。
【0017】
ちなみに、本発明は、管状フィルター部20の外側に同心円をなしながら拡張された直径を有する1つ以上の微細メッシュフィルター部40を含むことができる。1つ以上の微細メッシュフィルター部40(41、42)が管状フィルター部20の外側に半径方向に積層されて配置されるが、例えば第1微細メッシュフィルター部41は管状フィルター部20の外側に配置される一方、第2微細メッシュフィルター部42は第1微細メッシュフィルター部41の外側に配置される。
また、本発明は、管状フィルター部20、第1微細メッシュフィルター部41及び第2微細メッシュフィルター42の高さを互いに異ならせる。第1微細メッシュフィルター部41は、管状フィルター部20の高さよりも低くなるように設計され、これに相応するように、第2微細メッシュフィルター部42は、第1微細メッシュフィルター部41の高さよりも低くなるように設計される。これは、各フィルター部の閉塞時にガイド部10に流入した汚染水の一部が第1微細メッシュフィルター部41を越流して第1微細メッシュフィルター部と第2微細メッシュフィルター部との間の離隔間隔で自然落下し、これに対応するように、第1微細メッシュフィルター部を越流した汚染水の一部は第2微細メッシュフィルター部42を越流して濾過槽F内に移送できる。
1つ以上の微細メッシュフィルター部は、互いに異なるサイズの微細メッシュを有するメッシュプレートであって、第1微細メッシュフィルター部41は、管状フィルター部20よりも小さいメッシュ(mesh)サイズを有する板状のフィルター部材である。第1微細メッシュフィルター部は、管状フィルター部を通過した汚染物質を濾過し、水は通過させる。第1微細メッシュフィルター部41を通過した汚染物質は、第2微細メッシュフィルター部42に濾過されて除去される。第2微細メッシュフィルター部42は、第1微細メッシュフィルター部41よりも稠密な構造を有し、汚染物質を最終的に濾過する。要約すると、本発明は、カーテン濾過層内に1つ以上の繊維状濾材221と1つ以上の微細メッシュフィルター部40(41、42)を半径方向に行くほど稠密となるように配列することができる。
第2微細メッシュフィルター部42を通過した処理水は、汚染物質が許容値以下に処理された清水であって、濾過槽Fの中心部から管状フィルター部と1つ以上の微細メッシュフィルター部を横切って放射方向に流出して濾過槽Fの内部を処理水で満たし、排水堰を越流して流出管14を介して排水される。
選択的に、本発明は、管状フィルター部の内側に円筒スクリーン(図示せず)をさらに構成することもできる。
また、本発明は、濾過機能を行う管状フィルター部20と1つ以上の微細メッシュフィルター部40の汚染物質除去能力を維持することができるように逆洗機能を行うフィルター洗浄部50を含むことができる。フィルター洗浄部50は、2013年7月15日付で出願された韓国特許第10-1400313号に開示されたフィルター洗浄装置のように洗浄水噴射を介して逆洗機能を実現する逆洗設備で形成でき、その内容は、本明細書に参照として組み込まれる。これに限定されず、本発明は、管状フィルター部と1つ以上の微細メッシュフィルター部とを逆洗することができる如何なる逆洗設備を含んでいても構わない。
【0018】
本発明の好適な実施形態による水処理施設は、フィルター洗浄部50を管状フィルター部20の周りに旋回しながら洗浄水を噴射して逆洗を行うことができるが、逆洗過程で管状フィルター部20の打抜スクリーン211、固定網212、繊維状濾材221に付着していた汚泥と洗浄水を水処理施設、すなわち系外に排出することができる排出管渠部30を含む。
排出管渠部30は、環状支持面13の下に流体連通可能に配置された多数の浮力筒31と、浮力筒31での昇降移動によってヒンジカバー132を開閉する浮力ボール32と、多数の浮力筒31と流体連通するダクト33と、を備える。好ましくは、ダクト33は、多数の浮力筒31と流体連通して濾過槽Fの外部に延長される。また、ダクト33は、濾過槽Fの外部に延長されたダクトの管末部にバルブV3を備える。
図示の如く、浮力筒31は、環状支持面13とダクト33との間に介在し、環状支持面13上に保持された管状フィルター部20とダクト33との間を流体連通することができるように助ける。このために、浮力筒31は、上下に開放されたチャンバ構造で形成される。すなわち、浮力筒31の上側通孔(参照符号なし)は、排出孔131と対応する環状支持面13の底面に位置選定される一方、浮力筒の下側通孔(参照符号なし)は、ダクト33の上面に形成された貫通孔に整列される。
前述したように、浮力筒31は、その内部で球状の浮力ボール32が水位に応じて昇降移動することができる大きさと形状に形成される。浮力ボール32は、耐薬品性、耐食性を有するステンレス材質で製作できる。
さらに、浮力筒31は、浮力ボール32で浮力筒31の下側通孔を閉鎖しないようにする。例えば、下側通孔は、四角形状の通孔で形成され、浮力ボールが下方に抜け出さないように、浮力ボールの外径サイズよりも小さい幅サイズを有するようにする。これにより、浮力ボール32が浮力筒31内の水位が低くなって下降しても、浮力ボール32の球面で下側通孔の境界を完全に覆うことができず、浮力ボールと下側通孔との間の隙間を介した水の移動を保障することができる。選択的に、浮力筒31は、下側通孔に濾し網311を配置して下側通孔に浮力ボール32の着座を未然に防止することもできる。
【0019】
ダクト33は、上述したように環状支持面13の内周縁に隣接して円周方向に形成された多数の排出孔131の下に個別に位置固定された多数の浮力筒31と流体連通することができるように環状に配列され、その一面から延長された管末部にバルブV3を設置する。
選択的に、本発明は、流入管12内から分岐して濾過槽Fの外部に延長された分岐管15の管末部にバルブV1を設置する。逆洗中に、管状フィルター部20から剥離した汚泥等の汚染物質と共に洗浄水の一部が管状フィルター部を貫通してガイド部10の円錐状胴体11に流入する場合に、分岐管のバルブV1を開放して外部へ排出させることもできる。
【0020】
図5は、本発明の好適な実施形態による水処理施設の運転工程を概略的に示す概略図である。
本発明の好適な実施形態による水処理施設は、逆洗工程中に前述のように管状フィルター部20から剥離した汚泥等の汚染物質と洗浄水を、排出管渠部30を手段として濾過槽の外部に排出することができる(図5(a)参照)。優先的に、本発明は、逆洗機能を実現するために、管状フィルター部20と1つ以上の微細メッシュフィルター部で濾過処理された処理水を濾過槽Fの外部に排出した後、バルブV3図1参照)の開放によって、ダクト33の内部に充填された水を外部に放出させる。これにより、浮力筒31内の水位が低くなるにつれて浮力ボール32が下降移動し、結果としてヒンジカバー132を開放することができる。フィルター洗浄部50の駆動によって管状フィルター部を逆洗するが、洗浄水が噴射供給されることにより、管状フィルター部20に付着しているスラッジを剥離させることができる。前述したように、管状フィルター部の繊維状濾材から剥離した汚泥等の汚染物質と共に洗浄水は、開放されたヒンジカバー132を介して浮力筒31とダクト33を経て外部へ排出させることができる。
これとは異なり、逆洗以外の他の工程、例えば濾過中である場合にバルブV3が閉鎖され、流入管12に流入した汚染水は、管状フィルター部の内側中空領域から管状フィルター部を経て放射方向に流動する過程で濾過処理される。管状フィルター部内の処理水は、開放されたヒンジカバーを介して排出管渠部の内部、すなわちダクト33と浮力筒31を満たしながら浮力筒31内の水位が高くなるにつれて浮力ボール32を上昇移動させ、結果的にヒンジカバー132を上方に旋回して排出孔131を閉鎖し、汚染水を放射方向に拘束させて効果的な濾過機能を提供することができる。
【0021】
言い換えれば、本発明の好適な実施形態による水処理施設は、逆洗時に別途の動力源なしで効果的に繊維状濾材から剥離した汚泥と洗浄水を系外に排出させることができる。
以上、本発明を実施形態によって詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明による水処理施設は、これに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野における通常の知識を有する者によってその変形又は改良が可能であるのは明白であるといえる。
本発明の単なる変形又は変更はいずれも本発明の範囲に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】