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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】接続ユニットを有する透析デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61M1/16 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526638
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2022081041
(87)【国際公開番号】W WO2023083767
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021129109.7
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヘッカー ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ボンド オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ケーラー マルクス
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077CC08
4C077DD23
4C077EE03
4C077KK09
4C077KK25
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(17)を有する医療デバイスに関連し、医療デバイスの油圧系とコネクタ(31)との間の流体接続を生成するための接続ユニット(2)が、使用中に流体を誘導する消耗品に接続される。この接続は、透析液を体外血液回路の中に運ぶのに使用される。接続ユニット及びコネクタは、特に衛生的な条件が消耗品の接続及び切断中に優性であるように設計される。
【選択図】 図3、4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、医療デバイスの内部に割り当てられた少なくとも第1の流体ラインと第2の流体ラインに接続されたコネクタとの間の流体接続を生成するために前記ハウジングの壁を通って突出する接続ユニットと、を有する医療デバイスであって、
前記接続ユニットは、外側チューブ、及び、前記外側チューブの管腔に配置された内側チューブを有し、
前記外側チューブは、前記医療デバイスの外部に面する端部にある第1の外側チューブ開口部、及び、前記医療デバイスの内部に面する端部にある、少なくとも第2の及び第3の外側チューブ開口部を有し、
前記内側チューブは、前記医療デバイスの外部に面する端部にある第1の内側チューブ開口部、及び、前記医療デバイスの内部に面する端部にある、少なくとも第2の内側チューブ開口部を有し、
前記外側チューブは、前記ハウジングから恒久的に突出する、
ことを特徴とする医療デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングの前記壁と前記接続ユニットの前記第1の外側チューブ開口部との間の距離が、少なくとも10mmと測定される請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記外側チューブと前記内側チューブとの間の前記管腔は、前記医療デバイスの前記内部の方向において円錐状に先細である請求項1から請求項2の1項に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記接続ユニット、特に前記外側チューブは、締結手段によって機械の前記ハウジングに軸線方向弾力方式で締結される請求項1から請求項3の1項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記締結手段は、螺旋バネである請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
弾性密封要素が、前記医療デバイスの前記外部に向けられた前記外側チューブの端部における内面上に装着され、好ましくは前記外側チューブの中に堅く押し込まれる請求項1から請求項5の1項に記載の医療デバイス。
【請求項7】
漏出センサ、特に伝導度センサが、前記接続ユニット内で、且つ、前記外側チューブと前記内側チューブとの間の前記管腔内に配置される請求項1から請求項6の1項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記医療デバイスは、機械外部に向けられた前記外側チューブの端部を閉鎖するための閉鎖要素を有する請求項1から請求項7の1項に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記閉鎖要素は、閉鎖状態で前記接続ユニットの前記外側チューブの中に突出してそこに半径方向フィット式シールを形成する円筒要素であり、好ましくはステンレス鋼である請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記閉鎖要素は、前記接続ユニットを開閉するために、ピボット軸線に沿って並進的に変位可能であり、好ましくはハウジング面に対して垂直に配置される、ピボットレバーの受け入れ部分に設けられ、
前記医療デバイスは、前記並進移動を減速するための減衰デバイスを有する、
請求項8又は請求項9に記載の医療デバイス。
【請求項11】
流体ラインと、前記流体ラインを請求項1から請求項10の1項に記載の接続ユニットの前記内側チューブ及び医療デバイスに流体的に接続するためのコネクタ管腔を有するコネクタと、を有する消耗品であって、
前記コネクタは、自由接続開口部及び壁を有するタッチ保護スリーブを有し、前記コネクタ管腔は、前記壁によって囲まれ、前記タッチ保護スリーブの前記自由接続開口部に対して後退した開口部の中に至り、
前記タッチ保護スリーブの外面は、半径方向外向きに向けられた密封手段を有する、
ことを特徴とする消耗品。
【請求項12】
前記タッチ保護スリーブは、螺合閉鎖を生成するための手段、例えばカムを前記外面上に有する請求項11に記載の消耗品。
【請求項13】
請求項1から請求項10の1項に記載の医療デバイスを有し、かつ請求項11及び請求項12のいずれかに記載の消耗品を有するシステム。
【請求項14】
前記接続ユニットの前記外側チューブは、前記タッチ保護スリーブの前記管腔の中に挿入され、前記消耗品の前記コネクタ管腔は、前記接続ユニットの前記内側チューブの前記管腔の中に挿入される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記消耗品と取り付け部位とが、前記タッチ保護スリーブの前記外面上で且つ前記医療デバイスの前記ハウジング上で螺合手段によって確実に接続される請求項13又は請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体外血液回路に透析液を供給するのに使用することができる接続ユニットを有する体外血液治療のための機械に関する。
【背景技術】
【0002】
体外血液治療では、例えば、慢性血液透析では、治療中に治療液、特に透析液を治療されることになる血液に追加することが有利であると考えられる。この目的に対して、1又は2以上の接続ユニットが治療デバイス上で利用可能にされ、ラインが、透析機械の透析液担持油圧系統から液体を誘導してそれらを体外血液回路に給送するために接続ユニットに取り付けられる。使用後に廃棄することができるラインは、消耗品と呼ばれる。殆どのシステムでは、この接続ユニットへの血液ホースシステムの接続は、オペレータによって確立される。接続ユニットは、血液ホースシステムと共に電気器具の前面に位置付けられる。治療機械のこの接続ユニットは、血液循環と機械油圧系統の間にフィルタが配置されることなく消耗品への特に同じく患者の血液循環への機械内部の直接接続を確立する。この接続ユニットは、外側からこのインタフェースの中に微生物が侵入するリスクを最小にするために厳しい衛生要件を満足しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、適切な接続ユニットと適切な使い捨てコネクタとを有する医療デバイス、及び医療デバイスとコネクタとで構成されるシステムを利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の教示により、この目的は、請求項1に記載の医療デバイス、請求項11に記載の消耗品、及び請求項13に記載のシステムによって達成される。特定の実施形態は、従属請求項の主題である。
【0005】
本発明は、ハウジングと、医療デバイスの内部に割り当てられた少なくとも第1の流体ラインと第2の流体ライン、例えば、使用中に流体を誘導する消耗品の流体ラインに接続されたコネクタとの間の流体接続を生成するためにハウジングの壁を通って突出する接続ユニットとを有する医療デバイスに関する。第2の流体ラインは、医療デバイスの一部として考慮されず、代わりに医療デバイスの外部に割り当てられる。流体は、特に、液体、例えば、透析治療液として理解されるものとする。消耗品の流体ラインは、例えば、ホースセット又はその一部、又は代替ラインなどとすることができる。
【0006】
ハウジングは、治療機械の内部を取り囲む壁を有する。
【0007】
接続ユニットは、外側チューブと外側チューブの管腔に配置された内側チューブとを有する。本発明の意味での管腔は、中空本体の内側キャビティ、ここでは接続ユニットの外側チューブの内側キャビティである。内側チューブは、外側チューブの管腔に同心的に配置することができる。内側チューブは、医療デバイスの外部から内部の方向に円錐状に先細である内側管腔を有することができる。
【0008】
外側チューブは、医療デバイスの外部に面する端部に第1の外側チューブ開口部と、医療デバイスの内部に面する端部に少なくとも第2の及び第3の外側チューブ開口部とを有する。
【0009】
内側チューブは、医療デバイスの外部に面する端部に第1の内側チューブ開口部と、医療デバイスの内部に面する端部に少なくとも第2の内側チューブ開口部とを有する。
【0010】
外側チューブは、第1の外側チューブ開口部がハウジングの前の平面に位置するように医療デバイスのハウジングから恒久的に突出する。
【0011】
ここで、恒久的とは、特に接続及び切断手順中の外側チューブが、例えば、消耗品の寸法的公差を補償するために、0.1-1.5mmだけ長手軸線に沿って壁に対して変位することができることを意味する。しかし、機械外部に向けられた外側チューブ開口部は、決してハウジングの平面上又はその壁の背後に位置することはない。
【0012】
本発明による実施形態は、技術的に可能ないずれかの組合せで以下に説明する特徴の1又は2以上を有することができる。
【0013】
本明細書に「上部」、「底部」、「上側」、又は「下側」のような空間的参照が言及される場合はいつでも、当業者は、疑義があれば、添付の図面での向きに対する及び/又はその意図された使用中での本発明によるポートの配置に対する空間的表示としてこれらを理解するであろう。
【0014】
コネクタは、使い捨てコネクタとすることができるが、コネクタはまた、いくつかの回数使用することができる。
【0015】
一実施形態では、外側チューブは、ハウジングの壁を通して突出することができる。
【0016】
第1の外側チューブ開口部とハウジングの壁との間の接続ユニットの長手軸線に沿った距離は、少なくとも10mmと測定することができる。
【0017】
外側チューブ開口部との関連で、内側チューブ開口部は、機械内部の方向に後退させることができる。接続ユニットの長手軸線に沿って、内側チューブ開口部と外側チューブ開口部の間の距離は、すなわち、少なくとも5mm、好ましくは6mmと測定することができる。すなわち、外側チューブ開口部が11mmの直径を有する場合に、接続及び切断手順中の非無菌面との偶発的な接触を防止することが可能である
【0018】
外側チューブは、得られる間隙にコネクタの壁を受け入れることができるように壁から離間して配置することができる。好ましくは、それは、壁又は外側チューブ内の密封要素の配置を通して密封的に受け入れることができる。
【0019】
接続ユニットは、接続ユニットの長手軸線が実質的に垂直に配置され、これがハウジングの壁に対して例えば80-100°を意味するように治療機械に配置することができる。接続ユニット、特に、接続ユニットの外側チューブは、締結手段によってハウジング又は壁に軸線方向弾力方式で締結することができる。締結手段は、20-40Nのバネ力を有することができる。締結手段は、螺旋バネとすることができる。この弾力締結手段は、消耗品又は接続ユニットのある一定の寸法公差がある場合でさえも、2つの構成要素間の確実で緊密な接続を生成すること及び衛生面に対するリスクを呈する漏出を防止することが可能であることを保証することができる。
【0020】
消耗品の確実な接続に関して、螺合手段を壁に設けることもでき、この螺合手段は、消耗品上に互いに設けられる。
【0021】
接続ユニットは、外側チューブと内側チューブ間の管腔に漏出センサ、特に、伝導度センサを有することができる。
【0022】
漏出センサは、好ましくは、第2の管腔の中に突出し、すなわち、それは、側壁から出て自由に終端する。漏出センサは、好ましくはピン又はリングであり、又はピン又はリングを有する。
【0023】
一部の実施形態では、漏出センサは、絶縁層又は電気絶縁体を担持する又は含む。特に、これが、漏出センサが接続された壁から突出する場合に、それは、残留水分によって引き起こされる不正確な測定を防ぐことができる。
【0024】
漏出センサは、接続ユニットの内側チューブと消耗品のコネクタとの間の漏出緊密性のいずれの喪失も検出することができ、かつ信号を出力することができる。漏出緊密性の喪失の結果として潜在的に発生する接続ユニットの汚染は、次に、機械油圧系統の消毒を開始することによって是正することができる。
【0025】
接続ユニットが消耗品に接続されない状態では、それは、機械外部に向けられた外側チューブのその端部の閉鎖要素によって閉鎖することができる。
【0026】
閉鎖要素は、閉鎖状態で接続ユニットの外側チューブの中に突出する好ましくはステンレス鋼の円筒要素を有することができる。
【0027】
弾性密封要素は、医療デバイスの外部に向けられた外側チューブのその端部の内面上に好ましくは外側チューブの中に確実に押し込まれて装着することができ、この弾性密封要素は、閉鎖要素の円筒要素との半径方向フィット式シールを形成する。
【0028】
閉鎖要素は、接続ユニットの開閉に関して好ましくは壁に対して垂直に配置されたピボット軸線に沿って並進的に変位可能であるピボットレバーの受け入れ部分に設けることができ、医療デバイスは、この並進移動を減速するための減衰デバイスを有する。
【0029】
ハウジング前面に向けられた側では、ボットレバーは、液体又は粒子がピボットレバーの受け入れ部分の中に侵入することを防ぐ周囲成形シールを有することができる。
【0030】
透析治療の前及び/又はそれらの間に、治療機械の油圧系統は、消毒及び/又は洗浄される。閉鎖要素が消耗品への接続のために開かれる前に、洗浄溶液は、接続ユニットからポンピングして出され、かつ空気によって置換される。微生物移送を避けるために、液体を可能な限り完全に除去することが求められる。この理由のために、外側チューブと内側チューブの間の管腔は、先細方式で、好ましくは、円錐状先細方式で機械内部の方向に狭くすることができる。液体の改善された除去は、すなわち、ポートを空にする時に達成される。
【0031】
接続部位の締結は、機械内部に向けられた外側チューブ開口部のうちの少なくとも1つが機械外部に向けられた外側チューブ開口部よりも低く位置するような方法で接続部位の長手軸線が医療デバイスの据え付け面に対して5°又はそれ以上だけ傾斜されるように行うことができる。同じくこのようにして、洗浄液の完全な排出が改善される。
【0032】
医療デバイスは、消耗品のコネクタへの接続ユニットの接続の状態を検出するためのセンサを更に有することができる。
【0033】
医療デバイスは、体外血液治療のためのデバイスとすることができる。
【0034】
本発明はまた、流体ラインと、請求項1から10の1項に記載の医療デバイスの接続ユニットの内側チューブに流体ラインを流体的に接続するためのコネクタ管腔を有するコネクタとを有する消耗品を含む。
【0035】
コネクタは、自由接続開口部と壁とを有するタッチ保護スリーブを有する。壁によって囲まれたコネクタ管腔は、タッチ保護スリーブの自由接続開口部に対して後退した開口部の中に至る。この実施形態を用いて、潜在的に非無菌面との衝突又はタッチ可能面へのタッチにより、消耗品の接続又は切断中に治療機械のラインシステムに侵入することができると考えられる微生物の移送のリスクを低減することが可能である。タッチ保護スリーブの壁は、半径方向外方に向けられた密封手段を有する。それにより、ハウジングの外部上に位置付けられてハウジング内部の中に入る液体の侵入を防止する又は低減することが可能である。
【0036】
更に、壁は、消耗品の偶発的な緩みが治療中に起きないように螺合式閉鎖、例えば、カムを生成するための手段を有することができる。ハウジング面上のロッキングは、より良い及び/又はより簡単な洗浄が可能であるように、接続ユニット内のロッキング手段に対する必要性を省く。
【0037】
コネクタのより便利な接続に関して、コネクタは、接続部位への接続のための円筒部品と、正方形グリップ部品とを有することができる。
【0038】
本発明は、請求項1から10の1項に記載の医療デバイスと請求項11及び12のいずれかに記載の消耗品とで構成されるシステムを含む。
【0039】
システムは、接続ユニットの外側チューブがタッチ保護スリーブの管腔の中に挿入され、かつ消耗品のコネクタ管腔が接続ユニットの内側チューブの管腔の中に挿入されるように設計することができる。漏出緊密流体ラインは、内側チューブの断面を円錐状に先細にすることによって生成される。
【0040】
更に、接続ユニットとコネクタ間の接続は、医療デバイスの外面上及びハウジング又は壁上の螺合手段によって確実にすることができる。
【0041】
消耗品に対する20と40Nの間の差し込み力が接続ユニットの弾性締結によって設定され、その結果としてオペレータによる容易な切断が保証される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】医療デバイスの概略図である。
図2】断面平面A及びBを有する接続ユニットの機械側端部の概略図である。
図3】閉鎖要素を有する接続ユニットの平面Aを通る長手断面の概略図である。
図4】差し込み式コネクタを有する本発明による接続ユニットの平面Bを通る長手断面の概略図である。
図5】本発明による漏出センサの概略図である。
図6】ダンパー付きピボットレバーの概略図である。
図7】コネクタを通る長手断面図である。
図8】コネクタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、医療デバイスの一例として体外血液医療デバイス1を非常に簡略化した概略図に示している。
【0044】
体外血液医療デバイス1は、血液(透析)濾過デバイスであり、これは、血液濾過器10に接続される。血液濾過器10は、半透膜49によって血液チャンバ51と、透析液が透析液チャンバを通って流れる透析液チャンバ50とに分けられる。血液チャンバ51は、体外血液回路の一部であるが、透析液チャンバ50は、血液医療デバイスの透析液システムに接続される。
【0045】
体外血液回路は、血液チャンバ51に通じる動脈血液ライン11と、血液フィルタの血液チャンバ51から流れ出す静脈血液ライン12とを含む。
【0046】
新鮮な透析液は、透析液ソース13に提供される。透析液ソース13から透析液供給ライン3が第1の無菌フィルタ5につながり、その透過水は、直接、透析液廃棄ライン4に送られる。無菌フィルタ5の透過液は、第2の無菌フィルタ6に送られる。この第2の無菌フィルタの透過水は、透析液供給ライン3を通って新鮮透析液カプリング8に送られ、そこから血液濾過器10の透析液チャンバ50に送られる。
【0047】
血液濾過器を通過後、血液濾過器の廃棄物は、油圧系統の透析液廃棄ライン4の中に透析液廃棄カプリング9を通して透析液排液管14に給送される。
【0048】
無菌フィルタ6の透過液は、接続ユニット2に運ばれ、そこからコネクタを有する消耗品ライン(図示せず)を通して体外血液回路に直接運ぶことができる。
【0049】
消耗品に接続されていない限り、接続ユニット2は、閉鎖手段17(ここでは図示せず)を有するピボットレバー28によって閉じられる。血液医療デバイスは、センサ15を有する。後者は、接続ユニットの閉鎖状態で又は接続ユニットが開放された状態で正確な接続又はピボットレバーの位置を検出して制御ユニットに報告することができる。
【0050】
図2は、外側チューブ18及び第2及び第3の外側チューブ開口部、内側チューブ19及び第2の内側チューブ開口部24を有する接続部2、2’の機械側端部の概略図を示し、接続ユニット2、2’を機械ハウジングに固定するための締結手段52を断面平面A及びBに示している。
【0051】
図3は、ピボットレバー28のレバーハンドルに締結された円筒形でステンレス鋼製の閉鎖手段27で閉鎖された接続ユニット2、2’の実施形態の縦断面Aを示している。閉鎖手段は、レバーハンドルにねじ込まれ、保守のために容易に交換することができる。ピボットレバー28は、外側ハウジング前部17aに向けられた側に周囲成形シール29を有する。閉鎖手段27は、接続ユニットの外側チューブ18の内部に突出する。医療デバイスの外部に向けられた外側チューブ18のその端部の内面には、弾性密封要素29が確実に押し込まれ、閉鎖要素の円筒要素が半径方向フィット式シールを形成した状態で装着される。接続ユニット2、2’は、外側チューブ18と外側チューブ18の管腔内に同心的に配置された内側チューブ19とによって形成される。外側チューブ18及び内側チューブ19は、治療機械のハウジング17の壁を通って突出しており、このハウジングの中には、消耗品(ここでは図示せず)を締結するための螺合手段26が外側電気器具前面17a上に設けられる。外側チューブ18は、第1の外側チューブ開口部20が外側ハウジング前面17a平面上にかつ治療機械外部に配置されないように、治療機械のハウジング17の中から外へ壁を通って突出する。第2及び第3の外側チューブ開口部21,22は、治療機械内部に配置される。同様に、第1の内側チューブ開口部23は、治療機械外部に配置され、第2の内側チューブ開口部24は、治療機械内部に配置される。第1の内側チューブ開口部23は、後者が1mmの開口直径を有する場合に、差し込み工程での接触を回避することができるように、第1の外側チューブ開口部20に対して機械内部方向に6mmだけ後退する。ここに示す配置では、接続ユニット2、2’は、いわゆる短絡位置に位置付けられており、この位置で接続ユニット2、2’を洗浄及び消毒することができる。この目的に対して、洗浄液又は消毒液は、次に、第2の内側チューブ開口部を通って内側チューブに運ばれ、そこから外側チューブに運ばれる。それは、第3の外側チューブ開口部を通って透析液廃棄口に廃棄することができる。接続ユニット2、2’を消耗品に接続する前に、接続ユニット2、2’は、液体を排出にすることを目的としている。排出は、下側の第3の外側チューブ開口部22からポンプで液体を汲みだすことによって達成される。同時に、生じた圧力不足を補うために無菌空気が第2の外側チューブ開口部21を通って管腔30に運ばれる。この排出の際に、正確な速度が重要である。水柱がポート内で引き離されるのを回避するために、流量は、50ミリリットル/分以下としなければならない。この工程を更に最適化するために、第2の外側チューブ開口部21は、第3の外側チューブ開口部22の上に空間的に配置される。外側チューブ18と内側チューブ19の間の管腔30は、構成要素全体の僅かな傾斜と共に後方領域での環状間隙を低減するために治療機械内部の方向に先細になっている。この形状は、最適化された排出を可能にするだけでなく、コネクタのキャビティを完全に充填することも可能にする。
【0052】
図4は、差し込み式コネクタ31に接続された接続ユニット2、2’の実施形態の縦断面Bを示している。
【0053】
接続ユニット2、2’全体は、螺旋バネ37を用いてハウジング内に軸線方向弾力方式で締結される。これは、接続ユニット2、2’の内側チューブ19内のコネクタ31の円錐接続の公差補償に役立っている。従って、消耗品又は機械構成要素の僅かな寸法の違いが接続時のインタフェースのあらゆる漏出緊密性の喪失に至らないことを保証する。
【0054】
コネクタ31が接続ユニット2、2’に接続された後、タッチ保護スリーブは、密封要素25を有する接続ユニットの外側チューブ18の外側に完全に留まる。これは、消毒に近づき難い領域内の粒子又は微生物が消耗品からポートの内部の中に同伴されないという利点を有する。消耗品の内側チューブ33は、接続ユニット2、2’の内側チューブ19の中に密封的に挿入される。コネクタの接続は、ハウジング17内の螺合手段26とタッチ保護スリーブのカムの間に形成されたバイオネットファスナを通じて固定される。コネクタは、接続ユニットの上にねじ込まれる。人間工学的に有利な約30°のみの回転移動で十分である。円錐体の差し込み力は、20と40Nの間である軸線方向バネ配置37のバネ力だけによって定められる。それは、固すぎて消耗品の分解時に問題になる可能性があると考えられる接続を防止する。
【0055】
タッチ保護スクリーン36の外面上に配置されるのは、周囲ラメラ壁として配置されてタッチ保護チューブ上に僅かな角度で注入成形された密封手段33である。治療中に、すなわち、消耗品アダプタが組み立てられた状態で、液体がハウジング前面を流れ落ちることが考えられる。ラメラは、液体が接続ユニットのネジ山26の中に浸入することによって引き起こされる汚染及び付着も防止する。
【0056】
図5は、漏出センサの概略図を示している。接続ユニット2、2’とコネクタ31(図示せず)の間の円錐体接続部での漏出緊密性の喪失を検出するために、伝導度センサ38が接続ユニット2、2’の内側チューブ19と外側チューブ18の間の管腔30に配置される。この目的のために、電気絶縁体39が内側チューブ19と外側チューブ18の間に配置される。
【0057】
図6は、ピボットレバー28の概略図を示している。ピボットレバーは、機械ハウジングの外部に配置されたレバーハンドルと、レバー心棒とで構成される。
【0058】
接続ユニット2、2’を開けるために、ピボットレバー28は、レバーハンドルにおいて軸線方向ストップまで遠くに引かれる。レバー心棒での溝付きガイド(図示せず)により、回転移動がストップにおいて機械的に可能にされる。レバーハンドルは、この位置でのみ側部までピボット回転することができる。この位置は、レバーハンドルが第1の外側チューブ開口部20にわたって十分な間隔を保って離れるようにピボット回転することができるような寸法である。軸線方向移動は、ピボット回転領域内で機械的に防止される。この阻止は、ストップでのみ無効にされる。レバーハンドルがストップ位置に達すると、軸線方向移動は、再び解除され、レバーハンドルは、バネ41を通じて外側ハウジング前面17aに対して引かれる。接続ユニット2、2’の閉鎖も同様に行われる。軸線方向移動は、減衰機構40によって減速される。これは、閉鎖手段上に位置付けられたいずれの液体残留物又は粒子も緩められて接続ユニット2、2’の内部の汚染を引き起こさないことを保証するように機能する。
【0059】
図7は、コネクタ31を通る長手断面を示している。コネクタは、無菌輸液が流体ラインを通じて体外ホースシステムの中に案内される円錐形内側チューブ33を有する。この内側チューブは、同心配置されたタッチ保護スリーブ36によって取り囲まれる。無菌内側チューブ33は、それが機械面との偶発的な接触及び衝突から保護されるようにタッチ保護スリーブ36に対して8mmだけ後退している。2つの面取りされたカム35が、タッチ保護スリーブの外面上に注入成形される。それらは、機械の螺合手段26(図示せず)に接続するための螺合手段として機能する。タッチ保護スリーブ上に僅かな角度で注入成形されて周囲に配置されたラメラ壁34は、機械前面に対してコネクタ31を密封するように機能する。
【0060】
図8は、カム35も示されているコネクタ31の平面図を示している。
【0061】
参照符号のリスト
1 医療ユニット
2、2’ 接続ユニット
3 透析液入口
4 透析液廃棄口
5 無菌フィルタ1
6 無菌フィルタ2
7 空気ソース
8 新鮮透析液カプリング
9 廃棄透析液カプリング
10 血液濾過器
11 血液入口ライン
12 血液廃棄ライン
13 透析液ソース
14 透析液排液管
15 位置センサ
16 制御ユニット
17 ハウジング
17a 外側ハウジング前部
18 接続ユニットの外側チューブ
19 接続ユニットの内側チューブ
20 第1の外側チューブ開口部
21 第2の外側チューブ開口部
22 第3の外側チューブ開口部
23 第1の内側チューブ開口部
24 第2の内側チューブ開口部
25 密封要素
26 螺合手段
27 閉鎖手段
28 ピボットレバー
29 ピボットレバーの密封
30 内側チューブと外側チューブの間の管腔
31 コネクタ
32 消耗品の流体ライン
33 消耗品の内側チューブのコネクタ管腔
34 消耗品の密封手段
35 カム
36 消耗品のタッチ保護スリーブ/外側チューブ
37 締結手段/螺旋バネ
38 漏出センサ
39 電気絶縁体
40 減衰
41 ピボットレバーの弾性締結
49 半透明膜
50 血液チャンバ
51 透析液チャンバ
52 締結手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】