(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】螺旋血管内ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61M25/09 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526641
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 US2022079044
(87)【国際公開番号】W WO2023081640
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500033634
【氏名又は名称】ザ・ボード・オブ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・イリノイ
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF TRUSTEES OF THE UNIVERSITY OF ILLINOIS
(71)【出願人】
【識別番号】519376579
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ ガバメント アズ リプレゼンティド バイ ザ デパートメント オブ ヴェテランズ アフェアーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ヴィドヴィッチ ムラデン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA28
4C267BB03
4C267BB06
4C267BB38
4C267BB40
4C267BB63
4C267CC08
4C267GG04
4C267GG05
4C267GG06
4C267GG34
4C267HH01
(57)【要約】
本明細書では、血管内ガイドワイヤが提供され、血管内ガイドワイヤは、細長い近位セクションと、遠位先端と、近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備える。1つ以上の中間セクションは、三次元螺旋構造を含む。螺旋構造は、漏斗形状を有することもできる。血管内ガイドワイヤとカテーテルとを含むシステムも提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内ガイドワイヤであって、細長い近位セクションと、遠位先端と、前記近位セクションと前記遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備え、前記1つ以上の中間セクションが、前記1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える、血管内ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記1つ以上の中間セクションが、時計回りの三次元螺旋構造又は反時計回りの三次元螺旋構造を備える、請求項1に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項3】
前記三次元螺旋構造が、直線中心線の周りに約0.5mm~10mmの直径を有する、請求項2に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項4】
前記三次元螺旋構造が、連結中心線の周りに約0.5mm~10mmの直径を有する、請求項2に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項5】
前記1つ以上の中間セクションが、時計回りの三次元螺旋構造及び反時計回りの三次元螺旋構造の両方を直列に備える、請求項1に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項6】
約0.007in~約0.038inの直径を有する、請求項1に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項7】
前記1つ以上の中間セクションにわたって約0.007inから約0.038inまで変化し得る直径を有する、請求項1に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項8】
前記1つ以上の中間セクションの近位端及び遠位端に配設された放射線不透過性マーカーを更に備える、請求項1に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項9】
前記三次元螺旋構造が、漏斗形状である、請求項1に記載の血管内ガイドワイヤ。
【請求項10】
カテーテルと血管内ガイドワイヤとを備えるシステムであって、前記血管内ガイドワイヤが、細長い近位セクションと、遠位先端と、前記近位セクションと前記遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備え、前記1つ以上の中間セクションが、前記1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える、システム。
【請求項11】
前記カテーテルが、デュアルルーメンカテーテル又は及びオーバーザワイヤカテーテルシステムである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記血管内ガイドワイヤが、前記カテーテル上に予め装填されている、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月2日に出願された米国仮特許出願第63/274,701号の利益及び優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、血管内ガイドワイヤに関し、血管内ガイドワイヤは、細長い近位セクションと、遠位先端と、当該近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備え、当該1つ以上の中間セクションは、当該1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える。
【背景技術】
【0003】
血管内ガイドワイヤは、血管の問題を調査及び治療するために、動脈又は静脈内の処置で使用される。これらのワイヤは、バルーン、ステント、及び血管内視鏡などの様々な機器を送達するために、冠状動脈、末梢血管、及び他の血管内インターベンションで日常的に使用されている。
【0004】
例えば、典型的な血管形成術処置では、血管内ガイドワイヤは、病変又は血管セグメントに到達するために血管を誘導するために使用される。デバイスの先端が目的地に到着すると、バルーンカテーテルとして知られる空の折り畳まれたバルーンがワイヤ上を通って狭い場所に入り、固定サイズに膨張させられる。バルーンは、血管及び周囲の筋肉壁内の狭窄(狭くなること)を強制的に拡張し、血流を改善するために血管を広げ、バルーンは次いで、収縮させられ引き抜かれる。血管が開いたままであることを確実にするために、バルーン膨張時にステントが挿入されてもよく、又は挿入されなくてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、血管内ガイドワイヤの安定性及び制御は依然として不十分である。したがって、安定性及び制御を向上させる螺旋状の三次元構造を有する血管内ガイドワイヤが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、血管内ガイドワイヤが開示され、血管内ガイドワイヤは、細長い近位セクションと、遠位先端と、当該近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備え、当該1つ以上の中間セクションは、当該1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える。
【0007】
本開示の実施形態は、細長い近位セクションと、遠位先端と、近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を含む血管内ガイドワイヤを含む。中間セクション(複数可)は、中間セクション(複数可)によって形成される三次元螺旋構造を有することができる。
【0008】
本開示の実施形態はまた、カテーテルと、血管内ガイドワイヤと、を含むシステムを含む。血管内ガイドワイヤは、細長い近位セクションと、遠位先端と、近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を含むことができる。1つ以上の中間セクションは、1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える。
【0009】
他の組成物、装置、方法、特徴、及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかであるか、又は明らかになるであろう。そのような追加の組成物、装置、方法、特徴及び利点は全て、この説明内に含まれ、本開示の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0010】
本開示の更なる態様は、以下に説明される本開示の様々な実施形態の詳細な説明を、添付の図面と併せて検討すると、より容易に諒解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の特定の実施形態による血管内ガイドワイヤの中間セクションの概略図である。この概念図は、軸の交差点における図の左側のワイヤの直線部分である遠位先端、直線中心線の周りの三次元漏斗である中間セクション、及び図の右側の直線部分である近位セクションを示す。
【
図2】半径がrで一定であり、各回転間の距離がPの距離に維持される直線中心線の周りの螺旋構造として中間セクションを示す、本発明の特定の実施形態による血管内ガイドワイヤの概略図である。
【
図3】遠位先端Aを示す本発明の特定の実施形態による血管内ガイドワイヤの概略図であり、中間セクションは、直線中心線上に一定の半径R2を有する螺旋構造Cに遷移する一定の半径R1を有する螺旋構造Bを含む。
【
図4】本発明の特定の実施形態による血管内ガイドワイヤの概略図であり、中間セクションは、直線中心線上に細長い螺旋構造Aと、直線セクションBと、一定の半径を有する密にコイル状に巻かれた螺旋構造Cとを含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面は例示的な実施形態のみを示しており、したがって、他の同様に有効な実施形態が本開示の範囲及び趣旨内にあるので、本明細書に記載される範囲を限定するものとはみなされない。図面に示される要素及び特徴は、必ずしも縮尺どおりに描かれておらず、代わりに、実施形態の原理を明確に示すことが強調されている。追加的に、特定の寸法は、特定の原理を視覚的に伝えるのに役立つように誇張されている場合がある。
【0013】
本開示についてより詳細に説明する前に、本開示は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、勿論、変形し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみについて説明することを目的としており、本開示の範囲を限定するものが添付の特許請求の範囲だけであるので、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0014】
値の範囲が提供される場合、特に文脈によって明確に指示されない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びその記載された範囲内の任意の他の記載された値又は中間値が、本開示に包含されることを理解されたい。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれてもよく、また、記載された範囲内の任意の明示的に除外された限界に従うことを条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲も、同じく本開示に含まれる。
【0015】
別途に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料もまた、本開示の実施又は試験に使用され得るが、好ましい方法及び材料について以下に説明する。
【0016】
当業者には、本開示を読むと明らかであるように、本明細書で説明及び図示される個々の実施形態の各々は、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又は他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0017】
本開示の実施形態について詳細に説明する前に、別段の指示がない限り、本開示は、特定の材料、試薬、反応材料、製造プロセス等に限定されず、そのように変形し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語が、単に特定の実施形態について説明することを目的としており、制限することを意図するものではないことも理解されたい。また、本開示では、ステップは、このことが論理的に可能である異なる順序で実行され得ることも考えられる。
【0018】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に文脈によって明確に指示されない限り、複数参照を含むことに留意されたい。
【0019】
本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段の規定がない限り、それらに帰属する意味を有する。本開示では、本開示によって包含される方法及び組成物に適用される場合、「本質的にからなる」又は「本質的になる」などは、本明細書に開示されるもののような組成物を指すが、追加の構造基、組成成分又は方法ステップ(又は上述のようなその類似物又は派生物)を含み得る。しかしながら、そのような追加の構造基、組成成分又は方法ステップなどは、本明細書に開示される対応する組成物又は方法の基本的かつ新規の特徴(複数可)と比較して、組成物又は方法の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない。本開示によって包含される方法及び組成物に適用されるとき、「から本質的になる」又は「本質的になる」などの用語は、米国特許法に帰属する意味を有し、この用語は、制約がなく、列挙されるものの基本的又は新規な特徴が、列挙されるものよりも多い存在によって変更されないが、先行技術の実施形態を除外する限り、列挙されるものよりも多い存在を許容する。
【0020】
血管内ガイドワイヤは、典型的には、1つ以上の構成要素を有する、長く、可撓性のある金属ワイヤで形成される医療デバイスである。血管内ガイドワイヤは、概して、それを体内に挿入し、所望の場所に前進させることによって、身体の構造又は場所に到達するために使用される。血管内ガイドワイヤは、検査若しくは生検を行うか、付随するカテーテルを貫通若しくは拡張させるか、又はカテーテルを所与の場所に搬送するための手段として機能するために使用され得る。現在の血管内ガイドワイヤは、安定性及び制御が不十分であり、それによって、いくつかの解剖学的構造ではデバイスの送達が困難である。本明細書に提供されるガイドワイヤは、送達が困難な解剖学的構造においてデバイスを送達するために必要な安定性及び制御を改善する。
【0021】
本明細書では、ガイドワイヤの挿入中に三次元螺旋構造を有する中間セクションを備える外科用ガイドワイヤ(例えば、血管内ガイドワイヤ)について説明する。ガイドワイヤの中間セクションを血管に挿入すると、三次元螺旋構造は、デバイスの先端を血管の壁から偏向させ、三次元螺旋構造によってもたらされる安定性及び制御により、デバイスの送達を容易にする。ある特定の実施形態では、中間セクションは、長さが約10~約40cmである。いくつかの実施形態では、中間セクションの近位端及び遠位端における放射線不透過性マーカーは、中間セクションの向きを定めるのを助ける。
【0022】
血管形成、ステント送達、アテローム切除、及び他の血管内処置のための血管内ガイドワイヤは、当該技術分野で知られている。このような血管内ガイドワイヤは、通常、その遠位端の近くに1つ以上のセグメントを有する細長いコア部材を有し、これらのセグメントは、遠位方向に先細りして断面が小さくなり、遠位先端で終端する。遠位先端は、典型的には、可撓性ゴム又はプラスチック材料を含む。先端は可撓性が非常に高く、血管を損傷したり穿孔したりすることはない。血管内ガイドワイヤは、動脈に存在する湾曲又はずれに適合することを可能にするのに十分な可撓性を有する。血管内ガイドワイヤは、好ましくは、その全長に沿って同じ剛性を有するとは限らず、遠位端は、血管形成術ワイヤが挿入されているときに不注意に静脈又は動脈の壁を穿刺するのを防ぐために、可撓性が実質的により高い。バルーンカテーテル又は同様のデバイスをよりうまく支持するために、遠位先端の後方の部分は次第に剛性を増していく。
【0023】
血管内ガイドワイヤの大部分は直線である。しかしながら、Abbottは、Hi-Torque Wiggle Guide Wire(米国特許第5,007,434号)の特許を取得し、販売している。この血管内ガイドワイヤは、蛇行した血管内でデバイスの送達を容易にするために、単一の平面内でジグザグ状に角度付けされている。血管内ガイドワイヤ上の様々な角度は、デバイスの先端が血管の壁から偏向することを可能にし、様々な機器の送達を容易にする。しかしながら、このワイヤは血管を安定させない。
【0024】
本明細書で説明される血管内ガイドワイヤの角度は、血管内の血管内ガイドワイヤを安定させ、血管内ガイドワイヤをデバイス送達のためにより頑丈にする。中間セクションのコイル状の形状は、蛇行するか又は石灰化した血管での送達を容易にすることに加えて、コイルが血管内で穏やかに拡張することを可能にし、血管を引き裂かずに安定性をもたらすのに十分な外向きの半径方向の力を加える。
【0025】
有利には、中間セクションは、を使用して、移動(患者の呼吸又は器具の挿入など)によってガイドワイヤがずれないようにガイドワイヤを安定させるために使用され得る。有利には、コイル状の設計は、冠動脈などの蛇行した血管を通して改善された先端姿勢を可能にし得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、拡張力は、約1気圧~30気圧、約1気圧~14気圧、約1気圧~12気圧、約1気圧~10気圧、又は約10気圧~12気圧であり得る。
【0027】
本明細書で説明される血管内ガイドワイヤは、様々な処置に適合するようにサイズを決定され得る。例えば、ガイドワイヤは、神経外科、心臓外科、泌尿器科、腎臓外科などの処置に使用することができる。本明細書で使用される場合、血管は、器具(例えば、バルーン、スコープ、ステント、アブレーションレーザ)を挿入するためにガイドワイヤが使用され得る本体の任意の管腔構造を指すことができる。そのような血管としては、限定されないが、静脈、動脈、尿道、尿管、腸、胆管などが挙げられる。
【0028】
上述のように、血管内ガイドワイヤの全長及び直径は、それが使用される特定の手順及びそれが構成される材料に適合するように変更され得る。血管内ガイドワイヤの長さは、概して、約65cm~約320cm、又は約160cm~約200cmの範囲である。血管内ガイドワイヤの直径は、概して、約0.008in~約0.035in(0.2~0.9mm)、又は約0.01in~約0.018in(0.25~0.55mm)の範囲である。冠動脈用の市販の血管内ガイドワイヤは、典型的には、直径が約0.01、0.012、及び0.014in(0.25、0.3、及び0.036mm)である。一実施形態では、本明細書で説明される血管内ガイドワイヤは、直径が約0.007~約0.038inである。血管内ガイドワイヤは、炭素鋼、チタン、Nitinol(商標)、及びベリリウム銅などの材料で構成され得る。
【0029】
血管内ガイドワイヤは、PTFE(TEFLON(登録商標))、ポリオレフィン、又はポリウレタンなどのポリマーで覆われ得、これらは、コアワイヤに接合され得るか、又はその他の方法でしっかりと固定され得、それ自体が、TEFLON(登録商標)の場合のように低摩擦表面を有するか、又はその表面が、低摩擦表面でコーティングされ得る。他の好適なカバーは、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ラテックス又はシリコンゴム、ポリスチレン、及びポリアクリルなどの露出した水素を有する実質的に任意のポリマーから形成されるチューブ、並びにポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、又はポリヒドロキシエチルメタクリレート(ポリHEMA)、又はそれらのコポリマーなどの高親水性、低摩擦ポリマーから形成される表面コーティングを含む。
【0030】
血管内ガイドワイヤはまた、ベースコートの上にシリコーン系コーティングの1つ以上のトップコートを備え得る。ベースコートとトップコートのこの組み合わせは、使用中に抵抗に打ち勝ち、ロックアップを防ぐための血管内ガイドワイヤの能力を向上させる潤滑性を付与する。疎水性、親水性、又は他の防汚コーティングなどの他のコーティングが使用され得る。
【0031】
代表的なシリコーン系コーティングは、Guidant Corporationによって商業的に使用されているMicroglide(登録商標)コーティングの成分、アミノ官能性ジメチルシロキサンコポリマー(例えば、Dow Corning MDX-4-4159流体)及び/又はポリジメチルシロキサン液体(例えば、Dow 360)などを含んでもよい。シリコーン系コーティング用の基材は、TEFLON(登録商標)の代替として、様々なフルオロポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ステンレス鋼、又はニッケルチタン合金であり得る。
【0032】
可撓性ポリマーコーティング又はスリーブは、従来のポリマー噴霧若しくは浸漬方法によって、又は予め形成されたポリマーチューブをコアセグメント(複数可)に取り付けることによって血管内ガイドワイヤに適用され得る。上記の取り付けは、熱収縮条件下でチューブをコアに取り付けるか、又は適切なワイヤ/ポリマー接着剤によってチューブを血管内ガイドワイヤに固定することによって達成され得る。上記で指摘されたように、潤滑性表面コーティングは、カバーの表面によって、又は好ましくは、潤滑性ポリマー表面コーティングを適用することによって形成され得る。好ましくは遠位セクションの一部を覆うそのような表面コーティングは、公知の方法に従って、噴霧又は浸漬によって適用され得る。
【0033】
以下の実施形態の各々において、中間セクションは、各コイルについての半径(r)、コイル間の距離(p)を有することができ、互いに異なる(r)及び(p)を有する複数のセクションを含むことができる。以下に与えられるように、中間セクションは、時計回りのコイル、反時計回りのコイル、又はその両方を有することができる。値及び値の範囲は以下に与えられるが、特定の外科的処置に有益な他の値が、当業者によって想定され得る。例えば、動脈処置に適したワイヤの線番、コイル方向、又は他の寸法は、肺処置又は神経学的処置のために調整することができる。ガイドワイヤの全長及びその中間セクションの配置は、ガイドワイヤが使用され得る処置に応じて変更することができる。例えば、大腿動脈を通って挿入された心臓処置のためのガイドワイヤと比較して、尿管ステントの配置のようなより短いガイドワイヤが好ましい場合がある。中間セクションの場所は、実行されている手順に基づいて最適化され得る。
【0034】
ある特定の構成では、血管内ガイドワイヤの中間セクションは、直線中心線の周りの三次元螺旋において向きを定められる。血管内ガイドワイヤ自体によって形成される螺旋構造は、遠位先端から近位セクションまで移動して漏斗形状(又はコイル状の円錐形状)を形成する際に直径を大きくすることができる。
図1は、本発明の特定の実施形態による中間セクションの概略図であり、軸の交差点における図の左側のワイヤの直線部分である遠位先端、直線中心線の周りの三次元漏斗である中間セクション、及び図の右側の直線部分である近位セクションを示す。一実施形態では、漏斗形状内の直線中心線の周りの血管内ガイドワイヤの各単一のループの直径は、約0.5mmから10mmまで、約0.5mmから60mmまで、又は約0.5mmから100mmまで大きくなり得る。この螺旋構造が、血管を通って移動する間安定性及び制御を向上させることが諒解されよう。各ループ間の距離(p)は、約0.5mm~5mm、約0.5mm~10mm、又は約0.5mm~50mmであり得、距離(p)は、漏斗形状の長さに沿って一定又は可変であり得る。
【0035】
ある特定の構成では、血管内ガイドワイヤの中間セクションは、直線中心線の周りの三次元螺旋において向きを定められる。血管内ガイドワイヤ自体によって形成される螺旋構造は、遠位先端から近位セクションまで移動して漏斗形状を形成する際に直径を小さくすることができる。一実施形態では、漏斗形状内の直線中心線の周りの血管内ガイドワイヤの各単一のループの直径は、約0.5mmから10mmまで、約0.5mmから60mmまで、又は約0.5mmから100mmまで小さくなり得る。
【0036】
ある特定の実施形態では、血管内ガイドワイヤの漏斗形状は、時計回り方向に向きを定められ得る。別の実施形態では、血管内ガイドワイヤの漏斗形状は、反時計回り方向に向きを定められてもよい。更に別の実施形態では、中間セクションは、時計回りセクション及び反時計回りセクションの両方から構成される。中間セクションは、時計回りセクション、直線、及び反時計回りセクションであり得る。代替的に、中間セクションは、反時計回りセクション、直線、及び時計回りセクションであり得る。
【0037】
ある特定の構成では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される血管内ガイドワイヤの中間セクションは、直線中心線の周りの三次元螺旋において向きを定められる。螺旋構造は、遠位先端から近位セクションまで移動して直線螺旋形状を形成する際に螺旋構造のループ直径を維持することができる。
図2は、本発明の特定の実施形態による血管内ガイドワイヤの概略図であり、中間セクションを、直線中心線の周りの螺旋構造として示しており、半径は、rで一定であり、各回転間の距離は、Pの距離に維持される。Pは、約0.5mm~5mm、約0.5mm~10mm、又は約0.5mm~50mmとすることができる。一実施形態では、直線螺旋形状内の直線中心線の周りの各単一ループの直径は、0.5mm~5mm、約0.5mm~10mm、又は約0.5mm~50mmに維持される。
【0038】
ある特定の実施形態では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される直線螺旋形状は、時計回り方向に向きを定められ得る。別の実施形態では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される直線螺旋形状は、反時計回り方向に向きを定められ得る。更に別の実施形態では、中間セクションは、時計回りセクション及び反時計回りセクションの両方を備える。中間セクションは、時計回りセクション、直線、及び反時計回りセクションであり得る。代替的に、中間セクションは、反時計回りセクション、直線、及び時計回りセクションであり得る。当業者には、反時計回りと時計回りとの千鳥状構成の数は無制限であり得ることが諒解されよう。例は、遠位先端Aを示す、本発明の特定の実施形態による血管内ガイドワイヤの概略図である
図3であり、中間セクションは、直線中心線上に一定の半径R2を有する螺旋構造Cに遷移する、一定の半径R1を有する螺旋構造Bを備える。他の実施形態では、セクションB及びCの位置は、逆転され得る。セクションB及びCは、それぞれ約1mm~100mm及び1mm~100mmの長さを有することができる。
【0039】
図4は、本発明の特定の実施形態による血管内ガイドワイヤの概略図を提供し、中間セクションが、直線中心線上に細長い螺旋構造Aと、直線セクションBと、一定の半径を有する密なコイル状の螺旋構造Cと、を備えることを示す。他の実施形態では、より密なコイル状のセクションC及び細長いセクションAの位置は、逆転され得る。セクションA、B、及びCは各々、約1mm~100mm、又は約1mm~50mm、又は約5mm~20mmの長さを有することができ、互いに同じであっても、又は異なっていてもよい。
【0040】
ある特定の構成では、血管内ガイドワイヤの中間セクションは、連結中心線の周りの三次元螺旋において向きを定められる。血管内ガイドワイヤ自体によって形成される螺旋構造は、遠位先端から近位セクションまで移動して漏斗形状を形成する際に直径を大きくすることができる。一実施形態では、漏斗形状内の連結中心線の周りの血管内ガイドワイヤの各単一ループの直径は、約0.5mmから約10mmまで大きくなり得る。この螺旋構造は、血管を通って移動する間安定性及び制御を向上させることが諒解されよう。距離(p)は、0.5mm~5mm、約0.5mm~10mm、又は約0.5mm~50mm、又は約0.5mm~100mmであり得、螺旋構造に沿って一定又は可変であり得る。
【0041】
ある特定の構成では、血管内ガイドワイヤの中間セクションは、連結中心線の周りの三次元螺旋において向きを定められる。血管内ガイドワイヤ自体によって形成される螺旋構造は、遠位先端から近位セクションまで移動して漏斗形状を形成する際に直径を小さくすることができる。一実施形態では、漏斗形状内の連結中心線の周りの血管内ガイドの各単一ループの直径は、約10mmから約0.5mmまで小さくなることができる。距離(p)は、約0.5mm~10mm、又は約0.5mm~50mm、又は約0.5mm~100mmであり得、螺旋構造に沿って一定又は可変であり得る。
【0042】
ある特定の実施形態では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される血管内ガイドワイヤの漏斗形状は、時計回り方向に向きを定められ得る。別の実施形態では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される血管内ガイドワイヤの漏斗形状は、反時計回り方向に向きを定められ得る。更に別の実施形態では、中間セクションは、時計回りセクション及び反時計回りセクションの両方を備える。中間セクションは、時計回りセクション、連結線、及び反時計回りセクションであり得る。代替的に、中間セクションは、反時計回りセクション、連結線、及び時計回りセクションであり得る。当業者には、反時計回りと時計回りとの千鳥状構成の数は無制限であり得ることが諒解されよう。
【0043】
ある特定の構成では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される血管内ガイドワイヤの中間セクションは、連結中心線の周りの三次元螺旋において向きを定められる。連結中心線は、ワイヤ全体にわたって線形ではない場合がある中心線を指し、螺旋セクションは、ワイヤの長さに沿って複数の中心線の周りに巻かれ得る。螺旋構造は、遠位先端から近位セクションまで移動して直線螺旋形状を形成する際に螺旋構造のループ直径を維持することができる。一実施形態では、直線螺旋形状内の連結中心線の周りの各単一ループの直径は、約0.5mm~約10mmの直径に維持される。距離(p)は、約0.5mm~10mm、又は約0.5mm~50mm、又は約0.5mm~100mmであり得、螺旋構造に沿って一定又は可変であり得る。
【0044】
ある特定の実施形態では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される直線螺旋形状は、時計回り方向に向きを定められ得る。別の実施形態では、血管内ガイドワイヤ自体によって形成される直線螺旋形状は、反時計回り方向に向きを定められ得る。更に別の実施形態では、中間セクションは、時計回りセクション及び反時計回りセクションの両方を備える。中間セクションは、時計回りセクション、連結線、及び反時計回りセクションであり得る。代替的に、中間セクションは、反時計回りセクション、連結線、及び時計回りセクションであり得る。当業者には、反時計回りと時計回りとの千鳥状構成の数が無制限であることが諒解されよう。
【0045】
ある特定の実施形態では、1つ以上の中間セクションの断面直径は、1つ以上の中間セクションの長さに沿って先細りにされ得、かつ/又は変化し得る。断面直径は、約0.007inから約0.037inまで変化し得る。一実施形態において、中間セクションの断面直径は、遠位先端に向かって移動する際に約0.008inから0.007inまで先細りし得、次いで、遠位先端内で更に0.003inまで先細りし得る。
【0046】
本発明の血管内ガイドワイヤは、閉塞物の内部又は外側に1つ以上の中間セクションを適切に配置するのを助けるために、1つ以上の中間セクションの近位端及び遠位端に配置された放射線不透過性マーカー又はバンドを更に含む。マーカーは、白金イリジウム、白金ニッケル、又は白金タングステン白金、金、又は白金/金合金などの1つ以上の放射線不透過性材料を含む。放射線不透過性が高いマーカーは、血管内ガイドワイヤの位置を明確に示すために、血管形成ワイヤの1つ以上の中間セクションの場所の明確で視認可能な蛍光透視指標を提供する。他の実施形態では、血管内ガイドワイヤは、ワイヤ全体に沿って放射線不透過性コーティングを有するか、又は遠位先端上に放射線不透過性コーティングを有することができる。
【0047】
別の態様では、本発明は、血管内ガイドワイヤであって、細長い近位セクションと、遠位先端と、当該近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備え、当該1つ以上の中間セクションが、当該1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える、血管内ガイドワイヤを備えるキットである。
【0048】
当業者には、本発明の血管内ガイドワイヤが、様々な処置において有用であり、閉塞を治療するための様々なデバイスとともに有用であることが諒解されよう。
【0049】
例えば、典型的なPTCA処置において、本発明の血管内ガイドワイヤは、従来のセルディンガー技術で患者の心臓血管系に経皮的に導入され、放射線不透過性マーカーの、拡張される病変内への1つ以上の中間セクションの適切な配置まで、心臓血管系内で前進させられる。次いで、膨張可能なバルーンを遠位部分に有する拡張カテーテルが、拡張カテーテルのバルーンが病変を横切って適切に位置決めされるまで、先に導入された血管内ガイドワイヤを介して患者の冠動脈解剖学的構造に前進させられる。病変を横切る所定の位置に位置決めされた後、バルーンは、放射線不透過性液体を用いて比較的高い圧力(例えば、4気圧を超える圧力)で所定のサイズに膨張させられ、病変の動脈硬化性プラークを動脈壁の内側に押し付け、それ以外では動脈の内腔を拡張させる。次いで、バルーンが収縮させられ、それによって、拡張された動脈を通って血流が再開され、拡張カテーテルが、動脈から除去され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、当業者が想定することができるように、デュアルルーメン(ラピッドエクスチャンジ)又はオーバーザワイヤシステムに含まれ得る。例えば、ワイヤは、単独で提供され得るか、又は罹患セグメントを横切る前進を容易にするために、ラピッドエクスチャンジカテーテル、オーバーザワイヤカテーテル、又はデュアル/多重ルーメンカテーテル上に予め装填され得る。ガイドワイヤのマイクロカテーテルアセンブリは、特に、処置の実施を容易にすることができる。
【0051】
特定の実施形態では、ガイドワイヤは、安定性を血管内に直接与えるのではなく、カテーテル内に与える。
【0052】
中間セクションは、外科的標的以外の場所に支持を与えるように位置決めされ得る。特定の例では、中間部分は、冠動脈処置中に、器具が上腕動脈を介して心臓に送達され得るように、ワイヤの固定位置を提供するために、患者の腕に位置させられ得る。
【0053】
本開示の態様
本開示は、以下の番号付けされた態様を読むことによってより良く理解されるであろう。これらの態様は、特許請求の範囲と混同されてはならない。以下の番号付けされた態様はいずれも、いくつかの事例において、本開示の他の箇所に記載された態様と組み合わされ得、そのような組み合わせは、本開示の一部を形成することが意図される。
態様1.血管内ガイドワイヤであって、細長い近位セクションと、遠位先端と、近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備え、1つ以上の中間セクションが、1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える、血管内ガイドワイヤ。
態様2.1つ以上の中間セクションが、時計回りの三次元螺旋構造又は反時計回りの三次元螺旋構造を備える、態様1に記載の血管内ガイドワイヤ。
態様3.三次元螺旋構造が、直線中心線の周りに約0.5mm~10mmの直径を有する、態様1又は2に記載の血管内ガイドワイヤ。
態様4.三次元螺旋構造が、連結中心線の周りに約0.5mm~10mmの直径を有する、態様1又は2に記載の血管内ガイドワイヤ。
態様5.1つ以上の中間セクションが、時計回りの三次元螺旋構造及び反時計回りの三次元螺旋構造の両方を直列に備える、態様1~4のいずれかに記載の血管内ガイドワイヤ。
態様6.約0.007in~約0.038inの直径を有する、態様1~5のいずれかに記載の血管内ガイドワイヤ。
態様7.1つ以上の中間セクションにわたって約0.007inから約0.038inまで変化し得る直径を有する、態様1~5のいずれかに記載の血管内ガイドワイヤ。
態様8.1つ以上の中間セクションの近位端及び遠位端に配設された放射線不透明マーカーを更に備える、態様1~7のいずれかに記載の血管内ガイドワイヤ。
態様9.三次元螺旋構造が、漏斗形状を有する、態様1~8のいずれかに記載の血管内ガイドワイヤ。
態様10.カテーテルと血管内ガイドワイヤとを備えるシステムであって、血管内ガイドワイヤが、細長い近位セクションと、遠位先端と、近位セクションと遠位先端との間に配設された1つ以上の中間セクションと、を備え、1つ以上の中間セクションが、1つ以上の中間セクションによって形成される三次元螺旋構造を備える、システム。
態様11.カテーテルが、デュアルルーメンカテーテル又は及びオーバーザワイヤカテーテルシステムである態様10に記載のシステム。
態様12.血管内ガイドワイヤが、カテーテル上に予め装填されている、態様10又は11のシステム。
【0054】
実施形態は、本明細書で詳細に説明されているが、説明は一例である。本明細書で説明される実施形態の特徴は代表的なものであり、代替実施形態では、特定の特徴及び要素が追加又は省略され得る。追加的に、本明細書で説明される実施形態の態様に対する修正は、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって行われ得、特許請求の範囲の範囲には、修正及び等価構造を包含するように最も広い解釈が与えられる。
【0055】
特に明記されない限り、「X、Y、又はZのうちの少なくとも1つ」という言い回しなどの選言的な文言は、項目、用語などが、X、Y、若しくはZのいずれか、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y、及び/又はZ)であり得ることを提示するために、一般に使用される文脈とは別様に理解される。したがって、そのような選言的な言語は、概して、特定の実施形態では、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、又はZのうちの少なくとも1つが各々存在する必要があることを意味することを意図しておらず、かつ意味してはならない。
【0056】
本開示の上述の実施形態は、本開示の原理を明確に理解するために記載された実装形態の可能な例に過ぎないことを強調すべきである。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に対して多くの変形及び修正が行われ得る。そのような全ての修正及び変形は、本明細書において、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0057】
測定値、量、及び他の数値データは、本明細書では範囲形式で表され得ることに留意されたい。本明細書に開示されるいくつかの値が存在し、各値がまた、本明細書では、値自体に加えて、「約」その特定の値として開示されることも理解されたい。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。同様に、値が先行詞「約」の使用によって近似値として表される場合、特定の値は更なる態様を形成することが理解されよう。例えば、値「約10」が開示される場合、「10」もまた開示される。
【0058】
本明細書で使用される場合、「およそ」、「約」、「その値若しくはおよそその値」、及び「実質的に等しい」という用語は、問題の量又は値が、特許請求の範囲に記載されるか、又は本明細書で教示される、正確な値、又は同等の結果又は効果を提供する値であり得ることを意味し得る。すなわち、量、サイズ、測定値、パラメータ、並びに他の数量及び特性は、正確ではなく、かつ正確である必要はなく、所望に応じて、近似しており、かつ/又はより大きいか、若しくはより小さくてもよく、同等の結果又は効果が得られるように、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、及び当業者に既知の他の要因を反映することを理解されたい。概して、量、サイズ、測定値、パラメータ、又は他の数量若しくは特性は、そのように明示的に述べられているかどうかにかかわらず、「およそ」、「約」、「その値若しくはおよそその値」、又は「実質的に等しい」値である。「およそ」、「約」、「その値若しくはおよそその値」、又は「実質的に等しい」が定量的な値の前に使用される場合、パラメータは、特に明記されない限り、特定の定量的な値自体も含むことを理解されたい。
【0059】
範囲が表される場合、更なる態様は1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。値の範囲が提供される場合、特に文脈によって明確に指示されない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びその記載された範囲内の任意の他の記載された値又は中間値が、本開示に包含されることを理解されたい。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれてもよく、また、記載された範囲内の任意の明示的に除外された限界に従うことを条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲も、同じく本開示に含まれる。
【0060】
例えば、記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲もまた本開示に含まれ、例えば、「x~y」という言い回しは、「x」から「y」までの範囲、並びに「x」よりも大きく、「y」よりも小さい範囲を含む。範囲はまた、上限、例えば、「約x、y、z、又はそれ以下」として表すことができ、「約x」、「約y」、及び「約z」の特定の範囲並びに「x未満」、「y」、及び「z未満」の範囲を含むと解釈されるべきである。
【0061】
同様に、「約x、y、z、又はそれ以上」という言い回しは、「約x」、「約y」、及び「約z」の特定の範囲並びに「xよりも大きい」、「yよりも大きい」、及び「zよりも大きい」範囲を含むと解釈されるべきである。加えて、「x」及び「y」が数値である場合、「約『x』~『y』」という言い回しは、「約『x』~約『y』」を含む。
【0062】
そのような範囲形式が利便性及び簡潔さのために使用され、したがって、範囲の限界として明示的に列挙された数値だけでなく、各々の数値及び部分範囲が明示的に列挙される場合と同様に、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲を含むように柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例示のために、「約0.1%~5%」の数値範囲は、約0.1%~約5%の明示的に列挙された値だけでなく、指示された範囲内の個々の値(例えば、約1%、約2%、約3%、及び約4%)及び部分範囲(例えば、約0.5%~約1.1%、約5%~約2.4%、約0.5%~約3.2%、及び約0.5%~約4.4%、並びに他の考えられる部分範囲)も含むように解釈されるべきである。
【国際調査報告】